(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶組成物を使用したことを特徴とするIPSモード、OCBモード、ECBモード、VAモード又はFFSモード用液晶表示素子。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい例を説明するが、本発明はこれら例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
【0021】
【化4】
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【0022】
(上記一般式(i)中、R
i1およびR
i2はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原子数2〜10個のアルケニル基または炭素原子数1〜10個のアルコキシ基であり、前記R
i1またはR
i2の少なくともいずれか一方がアルケニル基である。)
で表される化合物を少なくとも1種以上と、
一般式(M−1):
【0023】
【化5】
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【0024】
(上記一般式(M−1)中、X
M12、X
M13、X
M14、X
M15、X
M16およびX
M17はそれぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子を表し、
環Aは、それぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない少なくとも2個の−CH
2−は−O−に置き換えられてもよい)、及び、
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない少なくとも2個の−CH=は−N=に置き換えられてもよい)、
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)と基(b)は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
R
M1は、炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原子数2〜10個のアルケニル基または炭素原子数1〜10個のアルコキシ基であり、
Y
M11は、炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原子数2〜10個のアルケニル基、炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、水素原子、フッ素原子、シアノ基、−CF
3または−OCF
3を表し、
nは0以上2以下の整数である。)
で表される化合物を少なくとも1種以上と、を含有し、25℃における誘電率異方性が0より大きく5以下である液晶組成物である。
【0025】
これにより、比較的低い誘電率異方性を備えているためC
LCを低く抑えることができ、かつ低粘性、高い相溶性(溶解性)、または熱や光による劣化が軽減のいずれかの作用・効果を奏する。特に、一般式(i)で表される化合物と一般式(M−1)で表される化合物との相溶性が優れているため、誘電率が大きいピラン系化合物に対して、低粘度のノンポーラ化合物を多く混合した液晶組成物を提供することができる。
【0026】
特に、一般式(i)で表される化合物が非常に大きい屈折率異方性(Δn=0.25程度)を有するだけでなく、一般式(M−1)で表される化合物も液晶組成物に求められる一般的な屈折率異方性(Δn=0.1程度)と同程度またはそれより大きい屈折率異方性を有することから、他の誘電的に中性な成分として一般的に粘性、溶解性の点で有利な低Δnの化合物を相対的に多く用いることができ、溶解性に優れ、粘性の低減された液晶組成物を提供することが可能となる。また、一般式(i)で表される化合物及び一般式(M−1)で表される化合物は100度以上と比較的高いネマチック上限温度範囲を有しているため、一般的にネマチック温度上限範囲が低い誘電的に中性なビフェニル系液晶化合物を併用した場合には、液晶表示素子用として好適なネマチック温度範囲を具備し、更に薄セルギャップ用に適した高い屈折率異方性を備えた液晶組成物の提供が可能となる。
【0027】
本発明に係る液晶組成物はp型の液晶組成物であることが好ましく、当該液晶組成物の誘電異方性は、5以下であることが好ましく、4.5以下であることがより好ましく、4以下であることがさらに好ましく、3.5以下であることがよりさらに好ましく、3以下であることが特に好ましい。
【0028】
5以下であると、比較的低い誘電率異方性を備えているため液晶層の電気容量(C
LC)を低く抑える事ができ、TFTへの電圧書き込み走査における電圧波形のなまりや遅延に起因したフリーカーや応答速度の悪化といった現象の抑制に効果的である。
【0029】
本発明に係る液晶組成物において、一般式(i)で表される化合物を必須に1種以上含み、組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。
【0030】
本発明に係る一般式(i)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。例えば、本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(i)で表される化合物の含有量(合計)は1〜35質量%であることが好ましい。より好ましい含有量としては、1〜32質量%、2〜31質量%、3〜30質量%、4〜28質量%、5〜26質量%および6〜25質量%の順に好ましい。
【0031】
本発明に係る一般式(i)で表される化合物において、炭素原子数2〜10個のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、2−ヘキセニル基等が挙げられ、直鎖状または分岐状が好ましく、直鎖状がより好ましい。
【0032】
本発明に係る「炭素原子数1〜10個のアルキル基」の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、3−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基などが挙げられる。なお、本明細書中において、アルキル基の例は共通であり、各々のアルキル基の炭素原子数の数によって適宜上記例示から選択される。また、本明細書中において、アルケニル基の例は共通であり、本発明に係る炭素原子数1〜10のアルケニル基は、直鎖状又は分岐状が好ましく、直鎖状がより好ましい。また、本発明に係るより好ましいアルケニル基としては次に記載する式(xi)(ビニル基)、式(xii)(1−プロペニル基)、式(xiii)(3−ブテニル基)および式(xiv)(3−ペンテニル基):
【0033】
【化6】
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【0034】
(上記式(i)〜(iv)中、*は環構造への結合部位を示す。)
で表される
本発明に係る「炭素原子数1〜10個のアルキル基」の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、3−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。なお、本明細書中において、アルキル基の例は共通であり、各々のアルキル基の炭素原子数の数によって適宜上記例示から選択される。また、本発明に係る炭素原子数1〜10のアルキル基は、直鎖状又は分岐状が好ましく、直鎖状がより好ましい。
【0035】
さらに、一般式(i)で表される化合物は、例えば式(i.1)〜式(i.20)で表される化合物であることが好ましく、その中でも、式(i.1)、(i.2)、(i.5)、(i.6)、(i.11)、(i.12)で表される化合物であることが好ましい。
【0036】
【化7】
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【0037】
【化8】
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【0038】
本発明に係る液晶組成物に含まれる一般式(i)で表される化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では1〜2種類である。また、本発明の別の実施形態では1〜3種類である。さらに、本発明の別の実施形態では1〜5種類である。さらに、本発明の別の実施形態では2〜5種類である。さらに、本発明の別の実施形態では2〜4種類である。さらに、本発明の別の実施形態では2〜3種類である。
【0039】
液晶組成物の成分として選ばれる化合物の分子量分布が広いことも溶解性に有効であるため、例えば、式(i.1)または(i.2)で表される化合物から1種類、式(i.5)または(i.6)で表される化合物から1種類、式(i.11)または式(i.12)で表される化合物から1種類をそれぞれ選び、これらを適宜組み合わせることが特に好ましい。
【0040】
本発明に係る一般式(M−1)で表される化合物は、以下の一般式(M−2)および(M−3)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0041】
【化9】
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【0042】
【化10】
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【0043】
(上記一般式(M−2)および(M−3)中、RM1、X
M12、X
M13、X
M14、X
M15、X
M16、X
M17およびY
M11は、上記一般式(M−1)と同一である。)
上記一般式(M−2)において、X
M12およびX
M13がフッ素原子であることが好ましい。さらに、X
M12、X
M13、X
M14およびX
M15がフッ素原子であることが好ましい。
【0044】
本発明に係る液晶組成物において、上記一般式(M−2)において、組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜5種類である。あるいは本発明の別の実施形態では1〜4種類である。また、本発明の別の実施形態では1〜3種類である。さらに、本発明の別の実施形態では1〜2種類である。さらに、本発明の別の実施形態では2〜5種類である。さらに、本発明の別の実施形態では2〜4種類である。さらに、本発明の別の実施形態では2〜3種類である。
【0045】
本発明に係る液晶組成物において、一般式(i)および一般式(M−2)で表される化合物が存在すると、高い転移点、大きなΔε誘電率、また、4環の化合物では低い粘性を示すことが確認された。さらに、一般式(i)、一般式(M−1)、一般式(M−2)および一般式(M−3)に対して特に良好な相溶性を示すことが確認された。
【0046】
本発明に係る液晶組成物において、一般式(M−2)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。含有量の下限値は、たとえば、本発明の一つの実施形態では本発明の液晶組成物の総量に対して1%、別の実施形態では3%、さらに別の実施形態では4%、またさらに別の実施形態では5%、またさらに別の実施形態では6%、またさらに別の実施形態では7%、またさらに別の実施形態では8%である。またさらに別の実施形態では9%である。
【0047】
また、本発明に係る液晶組成物において、一般式(M−2)で表される化合物の含有量の上限値は、例えば、本発明の一つの実施形態では30%、別の実施形態では28%、更に別の実施形態では27%、また更に別の実施形態では26%、また更に別の実施形態では7%、また更に別の実施形態では25%である。
【0048】
上記一般式(M−3)において、X
M14およびX
M15がフッ素原子であることが好ましい。
【0049】
上記一般式(M−3)において、組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜5種類である。あるいは本発明の別の実施形態では1〜4種類である。また、本発明の別の実施形態では1〜3種類である。さらに、本発明の別の実施形態では1〜2種類である。さらに、本発明の別の実施形態では2〜5種類である。さらに、本発明の別の実施形態では2〜4種類である。さらに、本発明の別の実施形態では2〜3種類である。
【0050】
本発明に係る液晶組成物において、一般式(i)および一般式(M−3)で表される化合物が存在すると、高い転移点、大きなΔε誘電率、また、3環の化合物では低い粘性を示すことが確認された。さらに、一般式(i)、一般式(M−1)、一般式(M−2)および一般式(M−3)に対して特に良好な相溶性を示すことが確認された。
【0051】
一般式(M−3)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。含有量の下限値は、たとえば、本発明の一つの実施形態では本発明の液晶組成物の総量に対して1%、別の実施形態では2%、さらに別の実施形態では3%、またさらに別の実施形態では4%、またさらに別の実施形態では5%、またさらに別の実施形態では6%、またさらに別の実施形態では8%である。またさらに別の実施形態では10%である。
【0052】
また、含有量の上限値は、例えば、本発明の一つの実施形態では30%、別の実施形態では20%、更に別の実施形態では13%、また更に別の実施形態では10%、また更に別の実施形態では7%、また更に別の実施形態では3%である。
【0053】
本発明に係る一般式(M−2)で表される化合物の好ましい例示としては、下記の式(m.1)〜(m.20)からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
【0054】
【化11】
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【0055】
【化12】
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【0056】
【化13】
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【0057】
本発明に係る一般式(M−3)で表される化合物の好ましい例示としては、下記の式(m.21)〜(m.28)からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
【0058】
【化14】
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【0059】
本発明に係る液晶組成物は25℃における誘電率異方性が0より大きく5以下であるため、液晶層の電気容量(C
LC)を低く抑える事ができ、フリッカーや応答速度の悪化といった現象の抑制に効果的である。また一方で、近年、液晶表示素子の用途が拡大するに至り、その使用方法、製造方法にも大きな変化が見られる。これらの変化に対応するためには、従来知られているような基本的な物性値以外の特性を最適化することが求められるようになっている。すなわち、液晶表示素子の大きさも50型以上の大型化に伴い、液晶組成物の基板への注入方法も変化し、従来の真空注入法から滴下注入(ODF:One Drop Fill)法が注入方法の主流となっている。しかし、液晶組成物を基板に滴下した際の滴下痕が表示品位の低下を招く問題が表面化している。
【0060】
またさらに、ODF法による液晶表示素子製造工程においては、液晶表示素子のサイズに応じて最適な量を滴下する必要がある。滴下量のずれが最適値から大きくなると、あらかじめ設計された液晶表示素子の屈折率や駆動電界のバランスが崩れ、斑発生やコントラスト不良などの表示不良が生じる。特に、最近流行しているスマートフォンに多用される小型液晶表示素子は、最適な液晶滴下量が少ないために、最適値からのずれを一定範囲内に制御すること自体が難しい。従って、液晶表示素子の製造歩留まりを高く保持するために、液晶組成物には、例えば、液晶滴下時に生じる滴下装置内の急激な圧力変化や衝撃による影響が少なく、長時間にわたって安定的に滴下を継続できることが求められている。
【0061】
本願発明に係る液晶組成物は、上記の一般式(i)で表される化合物および一般式(M−1)で表される化合物を必須にすることでかかる問題を解決することを他の目的とする。
【0062】
本願発明に係る液晶組成物は、任意成分として以下の一般式(L)で表される化合物を更に含んでも良く、当該一般式(L)で表される化合物は、ノンポーラ化合物(誘電異方性が−1.0〜1.0)であることが好ましい。
【0064】
【化15】
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【0065】
(上記一般式(L)中、R
L1及びR
L2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の少なくとも2個の−CH
2−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
OLは0、1、2又は3を表し、
B
L1、B
L2及びB
L3は、それぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない少なくとも2個の−CH
2−は−O−に置き換えられてもよい)、及び、
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない少なくとも2個の−CH=は−N=に置き換えられてもよい)、
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)と基(b)は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
L
L1及びL
L2は、それぞれ独立して、単結合、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、
OLが2又は3であってL
L2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、OLが2又は3であってB
L3が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良いが、前記一般式(i)および前記一般式(M−1)で表される化合物を除く)で表される化合物を含むことが好ましい。また、一般式(L)中、R
L1及びR
L2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の少なくとも2個の−CH
2−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されることが好ましく、当該R
L1及びR
L2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8個のアルキル基、炭素原子数1〜8個のアルコキシ基または炭素原子数2〜10個のアルケニル基を表すことがより好ましい。後述の一般式(M)についても同様である。
【0066】
本発明に係る液晶組成物は、一般式(L)で表される化合物を1種類以上含有することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。また、本発明の別の実施形態では3種類である。さらに、本発明の別の実施形態では5種類である。さらに、本発明の別の実施形態では6種類である。さらに、本発明の別の実施形態では7種類である。さらに、本発明の別の実施形態では8種類である。さらに、本発明の別の実施形態では9種類である。さらに、本発明の別の実施形態では10種類である。さらに、本発明の別の実施形態では12種類以上である。また、一般式(L)で表される化合物は1種類〜15種類含まれていることが好ましく、また、一般式(L)で表される化合物は3種類〜14種類含まれていることがより好ましく、一般式(L)で表される化合物は5種類〜12種類含まれていることがさらに好ましい。
【0067】
本発明の液晶組成物において、一般式(L)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0068】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(L)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては20〜98質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は30〜90質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は40〜85質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は45〜85質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は50〜75質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は55〜70質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は56〜65質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は25〜85質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は30〜80質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は47〜75質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は53〜70質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は60〜98質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は62〜95質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は58〜78質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は65〜85質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は70〜98質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は47〜97.5質量%である。
【0069】
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。さらに、本発明の液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を低く上限値が低いことが好ましい。
【0070】
R
L1及びR
L2は、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4(またはそれ以上)のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4(またはそれ以上)のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
【0071】
本発明に係る一般式(L)で表される化合物は、液晶組成物の化学的な安定性が求められる場合には塩素原子をその分子内に有さないことが好ましい。
【0072】
本発明に係る一般式(L)で表される化合物は、例えば、一般式(I)で表される化合物群から選ばれる化合物が好ましい。
【0073】
【化16】
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【0074】
(上記一般式(I)中、R
11およびR
12はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基または炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中のメチレン基は酸素原子が連続して結合しない限り酸素原子で置換されていてもよく、カルボニル基が連続して結合しない限りカルボニル基で置換されていてもよく、
A
11およびA
12はそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基または3−フルオロ−1,4−フェニレン基を表す。)
前記一般式(I)で表される化合物群において組み合わせることができる化合物の種類は特に制限は無いが、低温での溶解性、粘性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。また、本発明の別の実施形態では3種類である。さらに、本発明の別の実施形態では4種類である。さらに、本発明の別の実施形態では5種類である。さらに、本発明の別の実施形態では6種類以上である。
【0075】
本発明の液晶組成物における一般式(I)で表されるいわゆる二環の化合物の含有量は、低温での溶解性、粘性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0076】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(I)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては10〜75質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜70質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜65質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜59質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜56質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜52質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜51質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜48質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜47質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜45質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜44質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜43質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜41質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜39質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜38質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜35質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜33質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜31質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜29質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜28質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜20質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は17〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は27〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は28〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は30〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は31〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は32〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は33〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は34〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は35〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は36〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は37〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は39〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は41〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は42〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は43〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は44〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は46〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は47〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は48〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は49〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は51〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は17〜45質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は27〜29質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は32〜43質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は34〜38質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は36〜45質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は37〜48質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は42〜56質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は43〜52質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は43〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は43〜44質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は44〜48質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は47〜51質量%である。
【0077】
本発明に係る液晶組成物において、粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物を提供することができる観点から、一般式(I)で表される化合物群を含むことが特に好ましい。
【0078】
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は、前記一般式(I)で表される化合物(群)の含有量の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。
【0079】
さらに、前記一般式(I)で表される化合物は一般式(I−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0080】
【化17】
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【0081】
(上記一般式(I−1)中、R
11およびR
12は上記一般式(I)における意味と同じ意味を表す。)
本発明の液晶組成物において、一般式(I−1)で表される化合物として、1〜10種類、1〜9種類、1〜8種類、1〜7種類、1〜6種類、2〜9種類、2〜8種類、2〜6種類、3〜9種類、3〜7種類、3〜6種類または4〜6種類混合して含有していることが好ましい。
【0082】
本発明に係る液晶組成物において、粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物を提供することができる観点から、一般式(I−1)で表される化合物群を含むことが特に好ましい。
【0083】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(I−1)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては10〜70質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜60質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜59質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜56質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜52質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜50質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜48質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜47質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜46質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜45質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜39質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜38質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜35質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜33質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜28質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜20質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は17〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は21〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は23〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は26〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は27〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は30〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は33〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は34〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は35〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は36〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は37〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は38〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は39〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は42〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は43〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は46〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は47〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は49〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は50〜60質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は17〜45質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は21〜24質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は27〜38質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は28〜29質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は23〜46質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は34〜38質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は36〜45質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は37〜48質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は42〜48質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は38〜49質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は42〜56質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は42〜50質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は43〜52質量%であるまた、本発明の別の実施形態では前記含有量は46〜47質量%である。
【0084】
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。
【0085】
さらに、前記一般式(I−1)で表される化合物は、一般式(I−1−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0086】
【化18】
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【0087】
(上記一般式(I−1−1)中、R
12は一般式(I)における意味と同じ意味を表し、R
a1は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である)
本発明に係る液晶組成物において、粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物を提供することができる観点から、一般式(I−1−1)で表される化合物群を含むことが特に好ましい。
【0088】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(I−1−1)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜45質量%である。また、本発明の一つの実施形態としては1〜35質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜30質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜16質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜15質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜13質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜12質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜11質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜10質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜8質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜7質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜5質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜4質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は5〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は6〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は7〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は9〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は12〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は13〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜13質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜8質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜7質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は5〜12質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は9〜12質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は6〜16質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は7〜16質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は7〜10質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜15質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜13質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は9〜25質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は12〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は13〜16質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜26質量%である。
【0089】
さらに、前記一般式(I−1−1)で表される化合物は、式(1.1)から式(1.5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(1.2)または式(1.3)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(1.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0090】
【化19】
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【0091】
【化20】
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【0092】
【化21】
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【0093】
【化22】
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【0094】
【化23】
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【0095】
前記式(1.2)または前記式(1.3)で表される化合物がそれぞれ単独で使われる場合は、式(1.2)で表される化合物の含有量は高めであることが応答速度の改善に効果があり、式(1.3)で表される化合物の含有量は下記に示す範囲が応答速度の速く電気的、光学的に信頼性が高い液晶組成物ができるので好ましい。
【0096】
前記式(1.3)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜45質量%である。また、本発明の一つの実施形態としては1〜35質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜30質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜25質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜18質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜16質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜15質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜13質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜12質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜11質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜10質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜8質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜7質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜5質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜4質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は5〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は6〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は7〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は9〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は12〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は13〜21質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜13質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜8質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜7質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は5〜12質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は9〜12質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は6〜16質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜16質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は13〜16質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は7〜16質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は7〜10質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜18質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜15質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜13質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は9〜13質量%である。
【0097】
さらに、本発明に係る一般式(I−1)で表される化合物は、一般式(I−1−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0098】
【化24】
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【0099】
(上記一般式(I−1−2)中、R
12は一般式(I)における意味と同じ意味を表す。)
前記一般式(I−1−2)として使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。また、本発明の別の実施形態では3種類である。
【0100】
本発明の液晶組成物において、一般式(I−1−2)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、粘性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0101】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(I−1−2)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜70質量%である。また、本発明の一つの実施形態としては1〜65質量%である。さらに、本発明の一つの実施形態としては1〜55質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜50質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜47質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜45質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜44質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜40質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜39質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜38質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜36質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜35質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜32質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜28質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜27質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜24質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜20質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜19質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜16質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜15質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は12〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は13〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は16〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は17〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は23〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は24〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は25〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は28〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は30〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は33〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は35〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は38〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は39〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は45〜49質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜44質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は12〜24質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は13〜16質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜32質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は17〜20質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は16〜27質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は17〜28質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜35質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は23〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は24〜40質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は28〜38質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は30〜38質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は25〜36質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は27〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は30〜40質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は30〜39質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は35〜44質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は35〜40質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は33〜47質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は39〜47質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は38〜45質量%である。
【0102】
さらに、一般式(I−1−2)で表される化合物は、式(2.1)から式(2.8)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(2.2)から式(2.4)で表される化合物であることが好ましい。特に、式(2.2)で表される化合物は本発明の液晶組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(2.3)または式(2.4)で表される化合物を用いることが好ましい。式(2.3)および式(2.4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解度を良くするために30%未満にすることが好ましい。
【0103】
【化25】
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【0104】
【化26】
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【0105】
【化27】
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【0106】
【化28】
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【0107】
本発明の液晶組成物において、式(2.2)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、1質量%以上70質量%以下であることが好ましく、1質量%以上65質量%以下であることが好ましく、1質量%以上60質量%以下であることが好ましく、1質量%以上55質量%以下であることが好ましく、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上50質量%以下であることが好ましくい。これらの中で、9質量%47質量%以下、9質量%以上15質量%以下、11質量%以上44質量%以下、15質量%以上32質量%以下、20質量%以上35質量%以下、23質量%以上26質量%以下、24質量%以上40質量%以下、25質量%以上36質量%以下、28質量%以上38質量%以下、30質量%以上40質量%以下、30質量%以上39質量%以下、30質量%以上38質量%以下、33質量%以上47質量%以下、35質量%以上44質量%以下、35質量%以上40質量%以下、38質量%以上45質量%以下、39質量%以上47質量%以下、が好ましい。
【0108】
本発明の液晶組成物において、式(2.3)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1質量%25質量%以下であることが好ましく、3質量%以上25質量%以下であることが好ましく、4質量%以上22質量%以下であることが好ましく、5質量%以上22質量%以下であることが好ましく、11質量%以上22質量%以下であることが好ましく、13質量%以上22質量%以下であることが好ましく、4質量%以上16質量%以下であることが好ましく、4質量%以上15質量%以下であることが好ましく、4質量%以上10質量%以下であることが好ましく、5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、12質量%以上15質量%以下であることが好ましく、13質量%以上16質量%以下であることが好ましい。
【0109】
本発明の液晶組成物において、式(2.4)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1質量%25質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上25質量%以下であることが好ましく、4質量%以上25質量%以下であることが好ましく、12質量%以上25質量%以下であることが好ましく、17質量%以上25質量%以下であることが好ましく、20質量%以上25質量%以下であることが好ましく、4質量%以上20質量%以下であることが好ましく、4質量%以上13質量%以下であることが好ましく、12質量%以上24質量%以下であることが好ましく、17質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
【0110】
本願発明の液晶組成物は、更に、一般式(I−1−2)で表される化合物と類似した構造を有する式(2.5)で表される化合物を含有することもできる。
【0111】
【化29】
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【0112】
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて式(2.5)であらわされる化合物の含有量を調整することが好ましく、含有量の好ましい範囲は、下記の表に示すとおりである。
【0113】
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて前記式(2.5)で表される化合物の含有量を調整することが好ましく、この化合物を本発明の液晶組成物の総質量に対して、0〜40質量%含有することが好ましく、1〜35質量%含有することが好ましく、1〜30質量%含有することが好ましく、5〜30質量%含有することが好ましく、10〜30質量%含有することが好ましく、15〜30質量%含有することが好ましく、20〜30質量%含有することが好ましく、25〜30質量%含有することが好ましい。
【0114】
さらに、本発明に係る一般式(I)で表される化合物は一般式(I−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0115】
【化30】
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【0116】
(上記一般式(I−2)中、R
13およびR
14はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。また、本発明の別の実施形態では3種類である。
【0117】
本発明の液晶組成物において、一般式(I−2)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0118】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(I−2)で表される化合物の含有量 は、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜30質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜30質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜25質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜23質量%である。
【0119】
さらに、一般式(I−2)で表される化合物は、式(3.1)から式(3.4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(3.1)、式(3.3)または式(3.4)で表される化合物であることが好ましい。特に、式(3.2)で表される化合物は本発明の液晶組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(3.3)または式(3.4)で表される化合物を用いることが好ましい。式(3.3)および式(3.4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解度を良くするために20%未満にすることが好ましい。
【0120】
さらに、一般式(I−2)で表される化合物は、式(3.1)から式(3.4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(3.1)、式(3.3)および/または式(3.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0121】
【化31】
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【0122】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【0123】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【0124】
【化34】
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【0125】
本発明の液晶組成物において、前記式(3.3)で表される化合物の含有量 は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、1質量%以上25質量%以下であることが好ましく、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
【0126】
さらに、本発明に係る一般式(I)で表される化合物は、一般式(I−3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0127】
【化35】
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【0128】
(上記一般式(I−3)中、R
13は一般式(I−2)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。また、本発明の別の実施形態では3種類である。
【0129】
本発明の液晶組成物において、一般式(I−3)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
含有量の好ましい範囲は、下記の表に示すとおりである。
【0130】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(I−3)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては3〜30質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜30質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は25〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜25質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜20質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜15質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜5質量%である。
【0131】
低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、反対に、応答速度を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0132】
さらに、一般式(I−3)で表される化合物は、式(4.1)から式(4.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(4.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0133】
【化36】
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【0134】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
【0135】
【化38】
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【0136】
前記式(4.3)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、2質量%以上30質量%以下であることが好ましく、4質量%以上30質量%以下であることが好ましく、6質量%以上30質量%以下であることが好ましく、8質量%以上30質量%以下であることが好ましく、10質量%以上30質量%以下であることが好ましく、12質量%以上30質量%以下であることが好ましく、14質量%以上30質量%以下であることが好ましく、16質量%以上30質量%以下であることが好ましく、18質量%以上25質量%以下であることが好ましく、20質量%以上24質量%以下であることが好ましく、22質量%以上23質量%以下であることが特に好ましい。
【0137】
さらに、本発明に係る一般式(I)で表される化合物は、一般式(I−0)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0138】
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
【0139】
(上記一般式(I−0)中、R
1bは一般式(L)におけるR
1と同じ意味を表し、R
2bはそれぞれ一般式(L)におけるR
2と同じ意味を表し、n
1bは1又は2を表し、A
1bは一般式(L)におけるA
1と同じ意味を表し、Z
1bは一般式(L)におけるZ
1と同じ意味を表す。)で表される化合物群の中から少なくとも1種類が選択されることが好ましい。
【0140】
本発明の液晶組成物において、一般式(I−0)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、1質量%以上55質量%以下であることが好ましく、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上50質量%以下であることが好ましくい。これらの中で、9質量%47質量%以下、9質量%以上15質量%以下、11質量%以上44質量%以下、15質量%以上32質量%以下、20質量%以上35質量%以下、23質量%以上26質量%以下、24質量%以上40質量%以下、25質量%以上36質量%以下、28質量%以上38質量%以下、30質量%以上40質量%以下、30質量%以上39質量%以下、30質量%以上38質量%以下、33質量%以上47質量%以下、35質量%以上44質量%以下、35質量%以上40質量%以下、38質量%以上45質量%以下、39質量%以上47質量%以下、が好ましい。
【0141】
本発明の液晶組成物において、式(2.3)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1質量%25質量%以下であることが好ましく、3質量%以上25質量%以下であることが好ましく、4質量%以上22質量%以下であることが好ましく、5質量%以上22質量%以下であることが好ましく、11質量%以上22質量%以下であることが好ましく、13質量%以上22質量%以下であることが好ましく、4質量%以上16質量%以下であることが好ましく、4質量%以上15質量%以下であることが好ましく、4質量%以上10質量%以下であることが好ましく、5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、12質量%以上15質量%以下であることが好ましく、13質量%以上16質量%以下であることが好ましい。
【0142】
本発明の液晶組成物において、一般式(I−0)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、粘性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0143】
特に、後述の一般式(II−2)で表される化合物が組成物に含まれると、液晶組成物の応答速度の上昇の観点から好ましい。
【0144】
さらに、本発明に係る一般式(I)で表される化合物は、一般式(I−4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0145】
【化40】
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【0146】
(上記一般式(I−4)中、R
11およびR
12は一般式(L)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。
【0147】
本発明の液晶組成物において、一般式(I−4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0148】
特に、後述の式(5.4)が組成物に含まれると、液晶組成物の応答速度の上昇の観点から好ましい。また、偶奇効果や弾性定数(K
33)の観点でも好ましい。
【0149】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(I−4)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては2〜30質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は5〜30質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は6〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は12〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は25〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は、2〜25質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は、2〜20質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は、2〜15質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は、2〜10質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は、5〜8質量%である。
【0150】
本発明に係る液晶組成物において、前記一般式(I−4)で表される化合物の組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜10種類である。あるいは本発明の別の実施形態では1〜8種類である。また、本発明の別の実施形態では1〜5種類である。他の実施形態では1〜3種である。
【0151】
高い複屈折率を得る場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、反対に、高いTniを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0152】
さらに、一般式(I−4)で表される化合物は、式(5.1)から式(5.4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(5.2)から式(5.7)で表される化合物であることがより好ましく、式(5.2)〜式(5.4)ならなる群から選択される化合物を少なくとも1種含むことがさらに好ましい。
【0153】
前記一般式(I−4)で表される骨格の端部の置換基の一方に炭素原子数1〜8個のアルケニル基を含むと液晶組成物の高速応答性の観点で好ましい。
【0154】
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
【0155】
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
【0156】
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
【0157】
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
【0158】
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
【0159】
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
【0160】
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
【0161】
特に、前記式(5.1)〜(5.7)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。これらの中でも、例えば、4質量%以上30質量%以下、6質量%以上30質量%以下、8質量%以上30質量%以下、10質量%以上30質量%以下、12質量%以上30質量%以下、14質量%以上30質量%以下、16質量%以上30質量%以下、18質量%以上30質量%以下、20質量%以上30質量%以下、22質量%以上30質量%以下、23質量%以上30質量%以下、24質量%以上30質量%以下、25質量%以上30質量%以下、或いは、4質量%以上6質量%以下、4質量%以上8質量%以下、4質量%以上10質量%以下、4質量%以上12質量%以下、4質量%以上14質量%以下、4質量%以上16質量%以下、4質量%以上18質量%以下、4質量%以上20質量%以下、4質量%以上22質量%以下、4質量%以上23質量%以下、4質量%以上24質量%以下、4質量%以上25質量%以下、2質量%以上25質量%以下、2質量%以上20質量%以下、2質量%以上15質量%以下が好ましい。
【0162】
さらに、本発明に係る一般式(I)で表される化合物は、一般式(I−5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0163】
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
【0164】
(上記一般式(I−5)中、R
11およびR
12は一般式(I)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。
【0165】
本発明の液晶組成物において、一般式(I−5)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
含有量の好ましい範囲は、下記の表に示すとおりである。
【0166】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(I−5)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜30質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜25質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜20質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜15質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜11質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜8質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜5質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜4質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜11質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は5〜11質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜11質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は10〜11質量%である。
【0167】
低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、反対に、応答速度を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0168】
さらに、一般式(I−5)で表される化合物は、式(6.1)から式(6.6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(6.3)、式(6.4)および式(6.6)で表される化合物であることが好ましい。
【0169】
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
【0170】
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
【0171】
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
【0172】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
【0173】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
【0174】
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
【0175】
前記式(6.1)〜(6.6)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜30質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜25質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜20質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜15質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜11質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜8質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜5質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜4質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜11質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は5〜11質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は6〜11質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は8〜11質量%である。
【0176】
本願発明の液晶組成物は、更に、一般式(I−5)で表される化合物と類似した構造を有する式(6.7)〜式(6.11)で表される化合物を含有することもできる。
【0177】
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
【0178】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
【0179】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
【0180】
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて式(6.7)〜式(6.10)であらわされる化合物の含有量を調整することが好ましい。
【0181】
前記式(6.7)〜(6.10)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜15質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜14質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜12質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜11質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜10質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜9質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜5質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜4質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜11質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜11質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は5〜11質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は6〜11質量%である。
【0182】
さらに、本発明に係る一般式(A)で表される化合物は、一般式(I−6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0183】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0184】
(上記一般式(I−6)中、R
11およびR
12は一般式(I)における意味と同じ意味を表す。)
前記一般式(I−6)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して2質量%以上30質量%以下であることが好ましく、4質量%以上30質量%以下であることが好ましく、5質量%以上30質量%以下であることが好ましく、6質量%以上30質量%以下であることが好ましく、9質量%以上30質量%以下であることが好ましく、12質量%以上30質量%以下であることが好ましく、14質量%以上30質量%以下であることが好ましく、16質量%以上30質量%以下であることが好ましく、18質量%以上25質量%以下であることが好ましく、20質量%以上24質量%以下であることが好ましく、22質量%以上23質量%以下であることが好ましい。さらに、一般式(I−6)で表される化合物は、式(7.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0185】
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
【0186】
さらに、一般式(I)で表される化合物は一般式(I−7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0187】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
【0188】
(式中、R
11およびR
12は一般式(I)における意味と同じ意味を表す。)
本発明の液晶組成物の総質量に対する前記一般式(I−7)で表される化合物の含有量は、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
【0189】
さらに、一般式(I−7)で表される化合物は、式(8.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0190】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【0191】
さらに、一般式(I)で表される化合物は一般式(I−8)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0192】
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
【0193】
(式中、R
16およびR
17はそれぞれ独立して炭素原子数2〜5のアルケニル基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、1種類から3種類組み合わせることが好ましい。また、前記一般式(I−8)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて、本発明の液晶組成物の総質量に対して1〜30質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることが好ましく、1〜18質量%であることが好ましく、3〜18質量%であることが好ましく、4〜9質量%であることが好ましく、4〜6質量%であることが好ましい。
【0194】
さらに、一般式(I−8)で表される化合物は、式(9.1)から式(9.10)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(9.2)、式(9.4)および式(9.7)で表される化合物であることが好ましい。
【0195】
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
【0196】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
【0197】
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
【0198】
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
【0199】
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
【0200】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
【0201】
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
【0202】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
【0203】
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
【0204】
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
【0205】
さらに、本発明に係る一般式(L)で表される化合物は、例えば一般式(II)で表される化合物から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0206】
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
【0207】
(上記一般式(II)中、R
21およびR
22はそれぞれ独立して、炭素原子数2〜5のアルケニル基、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、A
2は1,4−シクロヘキシレン基または1,4−フェニレン基を表し、Q
2は単結合、−COO−、−CH
2−CH
2−または−CF
2O−を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。また、本発明のさらに別の実施形態では3種類である。さらに、本発明の別の実施形態では4種類以上である。
【0208】
本発明の液晶組成物において、一般式(II)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0209】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(II)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては3〜35質量%である。あるいは本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜30質量%である。また、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜25質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜20質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜18質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜15質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜12質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は13〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は16〜21質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は4〜12質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜20質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は13〜15質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は15〜18質量%である。
【0210】
さらに、前記一般式(II)で表される化合物は、例えば一般式(II−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0211】
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
【0212】
(上記一般式(II−1)中、R
21およびR
22は一般式(II)における意味と同じ意味を表す。)
一般式(II−1)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて調整することが好ましい。
含有量の好ましい範囲は、下記の表に示すとおりである。
【0213】
前記一般式(II−1)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて調整することが好ましく、4質量%以上24質量%以下が好ましく、8質量%以上18質量%以下であることが好ましく、12質量%以上14質量%以下であることが更に好ましい。
【0214】
さらに、一般式(II−1)で表される化合物は、例えば式(10.1)及び式(10.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0215】
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
【0216】
さらに、本発明に係る一般式(II)で表される化合物は、例えば一般式(II−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0217】
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
【0218】
(上記一般式(II−2)中、R
23は炭素原子数2〜5のアルケニル基を表し、R
24は炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。式(11.1)、式(11.2)が液晶組成物に含まれると、液晶組成物の高速応答に関するパラメーターの向上に貢献する。また、使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類以上である。
【0219】
本発明の液晶組成物において、一般式(II−2)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、高速応答性、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0220】
前記一般式(II−2)で表される化合物の好ましい含有量は、例えば、本発明の液晶組成物の総質量に対して2〜45質量%が挙げられる。これらの中でも、例えば、5〜45質量%、8〜45質量%、11〜45質量%、14〜45質量%、17〜35質量%、17〜31質量%、18〜28質量%、18〜27質量%、18〜26質量%、或いは2〜45質量%、3〜40質量%、4〜35質量%、5〜30質量%、6〜25質量%、7〜24質量%、8〜23質量%、9〜23質量%が好ましい。
【0221】
さらに、本発明に係る一般式(II−2)で表される化合物は、例えば式(11.1)から式(11.9)で表される化合物であることが好ましい。
【0222】
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
【0223】
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
【0224】
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
【0225】
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
【0226】
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
【0227】
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
【0228】
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
【0229】
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
【0230】
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
【0231】
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(11.1)〜(11.9)で表される化合物を一つ含有していても、式(11.1)〜(11.9)で表される化合物を二つ含有していても、式(11.1)〜(11.9)で表される化合物を三つ含有していてもよく、さらに、式(11.1)で表される化合物を1種含有していても、式(11.2)で表される化合物を1種含有していても、式(11.1)で表される化合物と式(11.2)で表される化合物との両方を含有していても良いし、式(11.1)から式(11.3)で表される化合物を全て含んでいても良い。式(11.1)および/または式(11.2)で表される化合物を含むことがより好ましく、それぞれの含有量の好ましい範囲は、下記に示すとおりである。
【0232】
本発明の液晶組成物において、式(11.1)で表される化合物の各々の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、1質量%以上55質量%以下であることが好ましく、1質量%以上35質量%以下であることが好ましく、1質量%以上25質量%以下であることが好ましい。これらの中で、1質量%20質量%以下、2質量%以上19質量%以下、3質量%以上18質量%以下、3質量%以上16質量%以下、4質量%以上15質量%以下が好ましい。
【0233】
本発明の液晶組成物において、式(11.2)で表される化合物の各々の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、1質量%以上55質量%以下であることが好ましく、1質量%以上35質量%以下であることが好ましく、1質量%以上25質量%以下であることが好ましい。これらの中で、1質量%20質量%以下、2質量%以上19質量%以下、3質量%以上18質量%以下、3質量%以上16質量%以下、4質量%以上15質量%以下が好ましい。
【0234】
本発明に係る液晶組成物において、式(11.1)で表される化合物と式(11.2)で表される化合物との両方を含有する場合は相溶性の観点で好ましい。当該式(11.1)で表される化合物と当該式(11.2)で表される化合物との両方を含有する場合は、両方の化合物の合計含有量の好ましい範囲は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、5質量%以上35質量%以下であることが好ましく、6質量%以上30質量%以下であることが好ましく、7質量%以上28質量%以下であることが好ましい。これらの中で、8質量%27質量%以下、9質量%以上28質量%以下、10質量%以上25質量%以下が好ましい。
【0235】
さらに、一般式(II)で表される化合物は、例えば一般式(II−3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0236】
【化86】
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【0237】
(上記一般式(II−3)中、R
25は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、R
24は炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、これらの化合物の中から1種〜3種類含有することが好ましい。
【0238】
一般式(II−3)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0239】
前記一般式(II−3)で表される化合物の好ましい含有量は、例えば、本発明の液晶組成物の総質量に対して2〜45質量%が挙げられる。これらの中でも、例えば、5〜45質量%、8〜45質量%、11〜45質量%、14〜45質量%、17〜45質量%、20〜45質量%、23〜45質量%、26〜45質量%、29〜45質量%、或いは2〜45質量%、2〜40質量%、2〜35質量%、2〜30質量%、2〜25質量%、2〜20質量%、2〜15質量%、2〜10質量%が好ましい。
【0240】
さらに、一般式(II−3)で表される化合物は、例えば式(12.1)から式(12.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0241】
【化87】
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【0242】
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
【0243】
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
【0244】
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(12.1)で表される化合物を含有していても、式(12.2)で表される化合物を含有していても、式(12.1)で表される化合物と式(12.2)で表される化合物との両方を含有していても良い。式(12.3)で表される化合物は、光学活性化合物であってもよい。
【0245】
前記式(12.1)〜(12.3)で表される化合物の好ましい含有量は、例えば、本発明の液晶組成物の総質量に対して1〜15質量%が挙げられる。これらの中でも、例えば、1〜13質量%、1〜10質量%、2〜15質量%、2〜14質量%、2〜11質量%、3〜10質量%が好ましい。
【0246】
さらに、本発明に係る一般式(II−3)で表される化合物は、例えば一般式(II−3−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0247】
【化90】
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【0248】
(上記一般式(II−3−1)中、R
25は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、R
26は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
前記一般式(II−3−1)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて調整することが好ましく、1質量%以上24質量%以下が好ましく、4質量%以上18質量%以下であることが好ましく、6質量%以上14質量%以下であることが好ましい。
【0249】
さらに、一般式(II−3−1)で表される化合物は、例えば式(13.1)から式(13.4)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(13.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0250】
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
【0251】
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
【0252】
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
【0253】
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
【0254】
さらに、本発明に係る一般式(II)で表される化合物は、例えば一般式(II−4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0255】
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
【0256】
(上記一般式(II−4)中、R
21およびR
22はそれぞれ独立して炭素原子数2〜5のアルケニル基、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
これらの化合物のうち1種類だけを含有していても2種類以上含有していても良いが、求められる性能に応じて適宜組み合わせることが好ましい。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、これらの化合物の中から1〜2種類を含有することが好ましく、1〜3種類を含有することがより好ましい。
【0257】
前記一般式(II−4)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、2質量%以上15質量%以下であることが好ましく、3質量%以上15質量%以下であることが好ましく、4質量%以上12質量%以下であることが好ましく、5質量%以上7質量%以下であることが好ましい。
【0258】
さらに、一般式(II−4)で表される化合物は、例えば式(14.1)から式(14.5)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(14.2)または/および式(14.5)で表される化合物であることが好ましい。
【0259】
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
【0260】
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
【0261】
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
【0262】
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
【0263】
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
【0264】
さらに、本発明に係る一般式(L)で表される化合物は、一般式(III)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0265】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
【0266】
(上記一般式(III)中、R
31およびR
32はそれぞれ独立して炭素原子数2〜5のアルケニル基をまたは炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
前記一般式(III)で表される化合物の含有量は、求められる溶解性や複屈折率などを考慮して、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上25質量%以下含有することが好ましく、2質量%以上20質量%以下含有することが好ましく、2質量%以上15質量%以下含有することが好ましく、2質量%以上10質量%以下含有することが好ましく、4質量%以上6質量%以下含有することが好ましい。
【0267】
さらに、一般式(III)で表される化合物は、例えば式(15.1)又は式(15.2)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(15.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0268】
【化102】
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【0269】
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
【0270】
さらに、前記一般式(III)で表される化合物は、一般式(III−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0271】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
【0272】
(上記一般式(III−1)中、R
33は炭素原子数2〜5のアルケニル基を表し。R
32はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
前記一般式(III−1)で表される化合物は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じてその含有量を調整することが好ましい。本発明の液晶組成物の総質量に対して、4質量%以上23質量%以下が好ましく、6質量%以上18質量%以下であることが好ましく、10質量%以上13質量%以下であることが好ましい。
【0273】
前記一般式(III−1)で表される化合物は、たとえば式(16.1)〜式(16.10)で表される化合物であることが好ましい。
【0274】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
【0275】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
【0276】
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
【0277】
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
【0278】
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
【0279】
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
【0280】
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
【0281】
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
【0282】
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
【0283】
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
【0284】
さらに、一般式(III)で表される化合物は、一般式(III−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0285】
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
【0286】
(上記一般式(III−2)中、R
31は一般式(III)における意味と同じ意味を表す。)
前記一般式(III−2)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて調整することが好ましく、本発明の液晶組成物の総質量に対して、4質量%以上23質量%以下が好ましく、6質量%以上18質量%以下であることが好ましく、10質量%以上13質量%以下であることが好ましい。
【0287】
さらに、当該一般式(III−2)で表される化合物は、たとえば式(17.1)から式(17.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、特に式(17.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0288】
【化116】
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【0289】
【化117】
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【0290】
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
【0291】
本発明に係る一般式(L)で表される化合物は、一般式(IV)で表される群より選ばれることが好ましい。
【0292】
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
【0293】
(上記一般式(IV)中、R
41及びR
42はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素原子数2〜5のアルケニル基を表し、X
41及びX
42はそれぞれ独立して水素原子またはフッ素原子を表す。)
当該一般式(IV)で表される化合物の組み合わせ可能な種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせる。後述の式(18.1)から式(18.9)で表される化合物等の一般式(IV)の構造を備えた化合物を液晶組成物に添加すると、液晶組成物のΔnや他の液晶組成物を構成する成分との溶解性が向上する。
使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜6種類である。
【0294】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(IV)で表される化合物の含有量は、例えば一つの実施形態では1〜35質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜22質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜10質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜8質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜6質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜8質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜6質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜22質量%である。
【0295】
さらに、一般式(IV)で表される化合物は、例えば一般式(IV−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0296】
【化120】
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【0297】
(上記一般式(IV)中、R
43、R
44はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)
一般式(IV−1)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0298】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(IV−1)で表される化合物の含有量は、例えば一つの実施形態では1〜35質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜22質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜10質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜8質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜6質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は3〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は20〜26質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜8質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜6質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は11〜22質量%である。
【0299】
さらに、一般式(IV−1)で表される化合物は、例えば式(18.1)から式(18.9)で表される化合物であることが好ましい。
【0300】
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
【0301】
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
【0302】
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
【0303】
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
【0304】
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
【0305】
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
【0306】
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
【0307】
【化128】
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【0308】
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
【0309】
上記一般式(IV−1)で表される化合物において、組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種〜3種類含有することが好ましく、1種〜4種類含有することがさらに好ましい。また、一般式(IV−1)で表される化合物群から選択される化合物の分子量分布が広いことも溶解性に有効であるため、例えば、式(18.1)または(18.2)で表される化合物から1種類、式(18.4)または(18.5)で表される化合物から1種類、式(18.6)または式(18.7)で表される化合物から1種類、式(18.8)または(18.9)で表される化合物から1種類の化合物を選び、これらを適宜組み合わせることが好ましい。その中でも、式(18.1)、式(18.3)式(18.4)、式(18.6)および式(18.9)で表される化合物を含むことが好ましい。
【0310】
さらに、本発明に係る一般式(L)で表される化合物は、一般式(V)で表される群より選ばれる化合物であることが好ましい。
【0311】
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
【0312】
(上記一般式(V)中、R
51およびR
52はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、A
51およびA
52はそれぞれ独立して1,4−シクロヘキシレン基または1,4−フェニレン基を表し、Q
5は単結合または−COO−を表し、X
51およびX
52はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わされる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態において1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。更に、本発明の別の実施形態では3種類である。更に、本発明の別の実施形態では4種類である。
【0313】
本発明に係る液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(V)で表される化合物の含有量は、例えば一つの実施形態では1〜25質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜20質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜19質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜10質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜9質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜8質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜7質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1質〜5量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜3質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は1〜2質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜19質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は5〜19質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は9〜19質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は2〜8質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記含有量は6〜8質量%である。
【0314】
さらに、本発明に係る一般式(V)で表される化合物は、一般式(V−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0315】
【化131】
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【0316】
(上記一般式(V−1)中、R
51およびR
52、X
51およびX
52は一般式(V)における意味と同じ意味を表す)
さらに、前記一般式(V−1)で表される化合物は、一般式(V−1−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0317】
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
【0318】
(上記一般式(V−1−1)中、R
51およびR
52は一般式(V)における意味と同じ意味を表す。)
前記一般式(V−1−1)で表される化合物を、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上15質量%以下含有することが好ましく、1質量%以上10質量%以下含有することが更に好ましく、3質量%以上10質量%以下含有することが好ましく、3質量%以上7質量%以下含有することが好ましく、3質量%以上5質量%以下含有することが好ましく、3質量%以上4質量%以下含有することが好ましい。
【0319】
さらに、前記一般式(V−1−1)で表される化合物は、式(20.1)から式(20.4)で表される化合物であることが好ましく、式(20.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0320】
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
【0321】
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
【0322】
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
【0323】
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
【0324】
さらに、本発明に係る一般式(V−1)で表される化合物は、一般式(V−1−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0325】
【化137】
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【0326】
(上記一般式(V−1−2)中、R
51およびR
52は一般式(V)における意味と同じ意味を表す。)
前記一般式(V−1−2)で表される化合物を、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上15質量%以下含有することが好ましく、1質量%以上10質量%以下含有することが好ましく、1質量%以上7質量%以下含有することが好ましく、1質量%以上5質量%以下含有することが好ましい。
【0327】
さらに、前記一般式(V−1−2)で表される化合物は、式(21.1)から式(21.3)で表される化合物であることが好ましく、式(21.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0328】
【化138】
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【0329】
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
【0330】
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
【0331】
さらに、本発明に係る一般式(V−1)で表される化合物は、一般式(V−1−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0332】
【化141】
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【0333】
(上記一般式(V−1−3)中、R
51およびR
52は一般式(V)における意味と同じ意味を表す。)
前記一般式(V−1−3)で表される化合物を、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上15質量%以下含有することが好ましく、2質量%以上15質量%以下含有することが好ましく、3質量%以上10質量%以下含有することが好ましく、4質量%以上8質量%以下含有することが好ましい。
【0334】
さらに、前記一般式(V−1−3)で表される化合物は、式(22.1)から式(22.3)で表される化合物である。式(22.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0335】
【化142】
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【0336】
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
【0337】
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
【0338】
さらに、本発明に係る一般式(V)で表される化合物は、一般式(V−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0339】
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
【0340】
(上記一般式(V−2)中、R
51およびR
52、X
51およびX
52は一般式(V)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせされる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類以上である。
【0341】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(V−2)で表される化合物の含有量は、例えば一つの実施形態では1〜30質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記化合物の含有量は2〜25質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記化合物の含有量は5〜19質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記化合物の含有量は6〜10質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記化合物の含有量は10〜19質量%である。さらに、本発明の別の実施形態では前記化合物の含有量は4〜8質量%である。
【0342】
本発明の液晶組成物が高いTniの実施形態が望まれる場合は式(V−2)で表される化合物の含有量を多めにすることが好ましく、低粘度の実施形態が望まれる場合は含有量を少なめにすることが好ましい。
【0343】
さらに、本発明に係る一般式(V−2)で表される化合物は、一般式(V−2−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0344】
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
【0345】
(上記一般式(V−2)中、R
51およびR
52は一般式(V)における意味と同じ意味を表す。)
さらに、前記一般式(V−2−1)で表される化合物は、式(23.1)から式(23.4)で表される化合物であることが好ましく、式(23.1)または/および式(23.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0346】
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
【0347】
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
【0348】
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
【0349】
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
【0350】
さらに、本発明に係る一般式(V−2)で表される化合物は、一般式(V−2−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0351】
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
【0352】
(上記一般式(V−2−2)中、R
51およびR
52は一般式(V)における意味と同じ意味を表す。)
さらに、前記一般式(V−2−2)で表される化合物は、式(24.1)から式(24.4)で表される化合物であることが好ましく、式(24.1)または/および式(24.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0353】
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
【0354】
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
【0355】
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
【0356】
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
【0357】
さらに、本発明に係る一般式(V)で表される化合物は、一般式(V−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0358】
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
【0359】
(上記一般式(V−3)中、R
51およびR
52は一般式(V)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わされる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。更に、本発明の別の実施形態では3種類以上である。
【0360】
前記一般式(V−3)で表される化合物を、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上16質量%以下含有することが好ましく、1質量%以上13質量%以下含有することが好ましく、1質量%以上9質量%以下含有することが好ましく、3質量%以上9質量%以下含有することが好ましい。
【0361】
さらに、一般式(V−3)で表される化合物は、式(25.1)から式(24.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0362】
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
【0363】
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
【0364】
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
【0365】
本発明に係る一般式(V)で表される化合物は、一般式(V−4)で表される化合物であることが好ましい。
【0366】
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
【0367】
(上記一般式(V−4)中、R
51及びR
52は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
前記一般式(V−4)で表される化合物を、本発明の液晶組成物の総質量に対して1質量%以上15質量%以下含有することが好ましく、2質量%以上15質量%以下含有することが好ましく、3質量%以上10質量%以下含有することが好ましく、4質量%以上8質量%以下含有することが好ましい。
【0368】
さらに、前記一般式(V−4)で表される化合物は、式(25.11)から式(25.13)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましく、式(25.13)で表される化合物であることがより好ましい。
【0369】
【化161】
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【0370】
本発明に係る一般式(L)で表される化合物は、一般式(V’−5)で表される化合物であることが好ましい。
【0371】
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
【0372】
(上記一般式(V’−5)中、R
51及びR
52は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
本発明の液晶組成物の総質量に対して前記一般式(V’−5)で表される化合物を、1質量%以上15質量%以下含有することが好ましく、2質量%以上15質量%以下含有することが好ましく、2質量%以上10質量%以下含有することが好ましく、5質量%以上10質量%以下含有することが好ましい。
【0373】
さらに、前記一般式(V’−5)で表される化合物は、式(25.21)から式(25.24)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましく、式(25.21)及び/又は式(25.23)で表される化合物であることがより好ましい。
【0374】
【化163】
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【0375】
本発明の液晶組成物は、更に、一般式(VI)で表される化合物および一般式(VII)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種類以上含有することが好ましい。また、本発明に係る一般式(L)で表される化合物は、一般式(VI)で表される化合物および/または一般式(VII)で表される化合物であることが好ましい。
【0376】
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
【0377】
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
【0378】
(上記一般式(VI)および(VII)中、R
61R
62、R
71およびR
72はそれぞれ独立して炭素原子数1から10の直鎖アルキル基、炭素原子数1から10の直鎖アルコキシ基又は炭素原子数2から10の直鎖アルケニル基を表す。)
前記一般式(VI)で表される化合物は、具体的には次に挙げる化合物が好適に使用できる。
【0379】
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
【0380】
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
【0381】
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
【0382】
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
【0383】
前記一般式(VII)で表される化合物は、具体的には次に挙げる化合物が好適に使用できる。
【0384】
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
【0385】
上記一般式(VI)または一般式(VII)で表される化合物を満たすそれぞれにおいて、それぞれの構造式を満たす化合物の組み合わせ可能な種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、それぞれの式を満たす化合物の中から1〜3種類を配合することが好ましく、1〜4種類を含有することがより好ましく、1〜5種類以上を含有することが特に好ましい。
【0386】
前記一般式(VI)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、0〜35質量%であることが好ましく、0〜25質量%であることが好ましく、0〜15質量%であることが好ましい。
【0387】
前記一般式(VII)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、0〜35質量%が好ましく、0〜25質量%がより好ましく、0〜15質量%が好ましい。
【0388】
本発明に係る液晶組成物は、さらに以下の一般式(M)で表される化合物を含んでも良く、当該一般式(M)で表される化合物は、ポーラ化合物(誘電異方性が+5〜+30)であることが好ましい。
【0390】
【化171】
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【0391】
(上記一般式(M)中、R
M1は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
PMは、0、1、2、3又は4を表し、
C
M1及びC
M2はそれぞれ独立して、
(d) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−は−O−又は−S−に置き換えられてもよい。)及び
(e) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(d)、基(e)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
K
M1及びK
M2はそれぞれ独立して単結合、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−、−OCO−又は−C≡C−を表し、
PMが2、3又は4であってK
M1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、PMが2、3又は4であってC
M2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
X
M1及びX
M3はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子又はフッ素原子を表し、
X
M2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。ただし、一般式(L)で表される化合物を除く。)である。
【0392】
第二成分として組み合わせることができる上記一般式(M)で表される化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、誘電率、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。さらに、本発明の別の実施形態では3種類である。またさらに、本発明の別の実施形態では4種類である。さらに、本発明の別の実施形態では5種類である。さらに、本発明の別の実施形態では6種類である。さらに、本発明の別の実施形態では7種類以上である。
【0393】
本発明の液晶組成物において、一般式(M)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0394】
前記一般式(M)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、本発明の一つの実施形態としては0.5〜35質量%である。さらに、例えば本発明の別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜30質量%である。例えば、本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は3〜28質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は5〜27質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は7〜26質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は8〜25質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は9〜24質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は10〜23質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は11〜20質量%である。
【0395】
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0396】
R
M1は、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
【0397】
本発明に係る一般式(M)で表される化合物は、液晶組成物の化学的な安定性が求められる場合には塩素原子をその分子内に有さないことが好ましい。更に液晶組成物内に塩素原子を有する化合物が5%以下であることが好ましく、3%以下であることが好ましく、1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることが好ましく、実質的に含有しないことが好ましい。実質的に含有しないとは、化合物製造時の不純物として生成した化合物等は意図せず塩素原子を含む化合物のみが液晶組成物に混入することを意味する。
【0398】
本発明に係る一般式(M)で表される化合物は、一般式(B):
【0399】
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
【0400】
(上記一般式(B)中、R
3は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中のメチレン基は酸素原子が連続して結合しない限り酸素原子で置換されていてもよく、カルボニル基が連続して結合しない限りカルボニル基で置換されていてもよく、
A
2はそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレンシクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、ジオキサン−2,5−ジイル基又はピリミジン−2,5−ジイル基を表すが、A
1が1,4−フェニレン基を表す場合、該1,4−フェニレン基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子に置換されていてもよく、
Z
2はそれぞれ独立して単結合、−OCH
2−、−OCF
2−、−CH
2O−又は−CF
2O−を表し、
Y
1及びY
2はそれぞれ独立して、フッ素原子又は水素原子を表し、X
1はフッ素原子、−CN基又は−OCF
3基を表し、
m
1は、1、2、3又は4を表す。)
で表される化合物であることが好ましい。また、本発明に係る一般式(B)で表される化合物において、m
1が2または3であることが好ましい。m
1が2であるとより低い駆動電圧という特性がある。また、m
1が3であるとより高い転移温度という特性がある。
【0401】
本発明に係る一般式(M)で表される化合物は、一般式(X)で表される化合物であることが好ましい。
【0402】
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
【0403】
(上記一般式(X)中、X
101からX
104はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表し、Y
10はフッ素原子、塩素原子、−OCF
3を表し、Q
10は単結合または−CF
2O−を表し、R
10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、A
101およびA
102はそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基または
【0404】
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
【0405】
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
【0406】
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
【0407】
を表すが、1,4−フェニレン基上の水素原子はフッ素原子によって置換されていてもよい。)
前記一般式(X)で表される化合物において組み合わせることのできる化合物は特に制限されないが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して適宜組み合わせる。例えば、本発明の一つの実施形態では1種である。また、本発明の別の実施形態では2種類である。更に別の実施形態では3種類である。更にまた別の実施形態では4種類である。更にまた別の実施形態では5種類以上である。
【0408】
前記一般式(X)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに適宜調整される。たとえば、前記一般式(X)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、本発明の一つの実施形態では1〜35質量%、別の実施形態では1〜30質量%、さらに別の実施形態では1〜25質量%、またさらに別の実施形態では1〜24質量%、またさらに別の実施形態では1〜20質量%、またさらに別の実施形態では1〜19質量%、またさらに別の実施形態では1〜16質量%、またさらに別の実施形態では1〜12質量%、またさらに別の実施形態では1〜11質量%、またさらに別の実施形態では1〜10質量%、またさらに別の実施形態では含有量は1〜9質量%、またさらに別の実施形態では含有量は1〜8質量%、またさらに別の実施形態では含有量は1〜7質量%、またさらに別の実施形態では含有量は1〜3質量%、またさらに別の実施形態では含有量は3〜24質量%、またさらに別の実施形態では含有量は5〜24質量%、またさらに別の実施形態では含有量は6〜24質量%、またさらに別の実施形態では含有量は8〜24質量%、またさらに別の実施形態では含有量は11〜24質量%、またさらに別の実施形態では含有量は13〜24質量%、またさらに別の実施形態では含有量は15〜24質量%、またさらに別の実施形態では含有量は17〜24質量%、またさらに別の実施形態では含有量は3〜7質量%、またさらに別の実施形態では含有量は5〜10質量%、またさらに別の実施形態では含有量は6〜9質量%、またさらに別の実施形態では含有量は6〜8質量%、またさらに別の実施形態では含有量は8〜11質量%、またさらに別の実施形態では含有量は11〜19質量%、またさらに別の実施形態では含有量は11〜12質量%、またさらに別の実施形態では含有量は13〜16質量%、またさらに別の実施形態では含有量は15〜19質量%、またさらに別の実施形態では含有量は17〜20質量%である。
【0409】
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0410】
本発明に係る一般式(M)で表される化合物は、一般式(X−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0411】
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
【0412】
(上記一般式(X−1)中、X
101からX
103およびR
10は一般式(X)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して実施形態ごとに適宜組み合わせる。例えば、本発明の一つの実施形態では1種である。また、本発明の別の実施形態では2種類である。更に別の実施形態では3種類である。更にまた別の実施形態では4種類である。更にまた別の実施形態では5種類以上である。
【0413】
前記一般式(X−1)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して適宜調整される。
【0414】
たとえば、前記一般式(X−1)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、本発明の一つの実施形態では1〜20質量%、別の実施形態では1〜15質量%、さらに別の実施形態では1〜10質量%、またさらに別の実施形態では1〜9質量%、またさらに別の実施形態では1〜8質量%、またさらに別の実施形態では1〜7質量%、またさらに別の実施形態では1〜6質量%、またさらに別の実施形態では1〜3質量%、またさらに別の実施形態では3〜9質量%、またさらに別の実施形態では4〜9質量%、またさらに別の実施形態では5〜9質量%、またさらに別の実施形態では6〜9質量%、またさらに別の実施形態では8〜9質量%、またさらに別の実施形態では3〜7質量%、またさらに別の実施形態では5〜7質量%、またさらに別の実施形態では6〜7質量%である。
【0415】
さらに、本発明に係る一般式(X−1)で表される化合物は、一般式(X−1−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0416】
【化178】
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【0417】
(上記一般式(X−1−1)中、R
10は一般式(X)における意味と同じ意味を表す。)
前記一般式(X−1−1)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して適宜調整される。
【0418】
前記一般式(X−1−1)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、本発明の一つの実施形態では1〜25質量%、別の実施形態では1〜20質量%、さらに別の実施形態では1〜15質量%、またさらに別の実施形態では1〜10質量%、またさらに別の実施形態では3〜10質量%、またさらに別の実施形態では5〜10質量%である。
【0419】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−1−1)で表される化合物は、具体的には式(36.1)から式(36.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(36.1)および/または式(36.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0420】
【化179】
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【0421】
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
【0422】
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
【0423】
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
【0424】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−1)で表される化合物は、一般式(X−1−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0425】
【化183】
[この文献は図面を表示できません]
【0426】
(上記一般式(X−1−2)中、R
10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
前記一般式(X−1−2)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上がより好ましく、6質量%以上がさらに好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を20質量%以下にとどめることが好ましく、16質量%以下がさらに好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
【0427】
さらに、前記一般式(X−1−2)で表される化合物は、具体的には式(37.1)から式(37.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(37.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0428】
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
【0429】
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
【0430】
【化186】
[この文献は図面を表示できません]
【0431】
【化187】
[この文献は図面を表示できません]
【0432】
さらに、本発明に係る一般式(X−1)で表される化合物は、一般式(X−1−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0433】
【化188】
[この文献は図面を表示できません]
【0434】
(上記一般式(X−1−3)中、R
10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましい。
【0435】
前記一般式(X−1−3)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上がより好ましく、6質量%以上がさらに好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を20質量%以下にとどめることが好ましく、16質量%以下がさらに好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
【0436】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−1−3)で表される化合物は、具体的には式(38.1)から式(38.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(38.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0437】
【化189】
[この文献は図面を表示できません]
【0438】
【化190】
[この文献は図面を表示できません]
【0439】
【化191】
[この文献は図面を表示できません]
【0440】
【化192】
[この文献は図面を表示できません]
【0441】
本発明の液晶組成物に係る一般式(X)で表される化合物は、一般式(X−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0442】
【化193】
[この文献は図面を表示できません]
【0443】
(上記一般式(X−2)中、X
102からX
103はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表し、Y
10はフッ素原子、塩素原子、−OCF
3を表し、R
10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましい。
【0444】
さらに、本発明に係る一般式(X−2)で表される化合物は、一般式(X−2−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0445】
【化194】
[この文献は図面を表示できません]
【0446】
(上記一般式(X−2−1)中、R
10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましく、1種から3種類以上組み合わせることがより好ましい。
【0447】
前記一般式(X−2−1)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を20質量%以下にとどめることが好ましく、16質量%以下がさらに好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
【0448】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−2−1)で表される化合物は、具体的には式(39.1)から式(39.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(39.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0449】
【化195】
[この文献は図面を表示できません]
【0450】
【化196】
[この文献は図面を表示できません]
【0451】
【化197】
[この文献は図面を表示できません]
【0452】
【化198】
[この文献は図面を表示できません]
【0453】
さらに、本発明に係る一般式(X−2)で表される化合物は、一般式(X−2−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0454】
【化199】
[この文献は図面を表示できません]
【0455】
(上記一般式(X−2−2)中、R
10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましい。一般式(X−2−2)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を20質量%以下にとどめることが好ましく、16質量%以下がさらに好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
【0456】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−2−2)で表される化合物は、具体的には式(40.1)から式(40.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(40.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0457】
【化200】
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【0458】
【化201】
[この文献は図面を表示できません]
【0459】
【化202】
[この文献は図面を表示できません]
【0460】
【化203】
[この文献は図面を表示できません]
【0461】
本発明に係る一般式(M)で表される化合物は、一般式(IIb)で表される化合物であることが好ましい。
【0462】
【化204】
[この文献は図面を表示できません]
【0463】
(上記一般式(IIb)中、R
3bは、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中のメチレン基は酸素原子が連続して結合しない限り酸素原子で置換されていてもよく、カルボニル基が連続して結合しない限りカルボニル基で置換されていてもよく、
A
2bはそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレンシクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、ジオキサン−2,5−ジイル基又はピリミジン−2,5−ジイル基を表すが、A
2bが1,4−フェニレン基を表す場合、該1,4−フェニレン基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子に置換されていてもよく、
Z
2bはそれぞれ独立して単結合、−OCH
2−、−OCF
2−、−CH
2O−、又は−CF
2O−を表し、
m
2bは、1、2、3又は4を表し、Y
3bはそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、X
1bはフッ素原子、−CN基又は−OCF
3基を表す。)で表される化合物群の中から少なくとも1種類の化合物が選択されることが好ましく、前記m
2bは2、3がより好ましい。
【0464】
前記一般式(IIb)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。当該化合物の含有量の下限値は、たとえば、本発明の一つの実施形態では本発明の液晶組成物の総量に対して0.01%、別の実施形態では0.05%、さらに別の実施形態では0.1%、またさらに別の実施形態では0.2%、またさらに別の実施形態では0.3%、またさらに別の実施形態では0.4%、またさらに別の実施形態では0.5%である。また、前記一般式(IIb)で表される化合物の含有量の上限値は、例えば、本発明の一つの実施形態では10%、別の実施形態では8%、更に別の実施形態では2%、また更に別の実施形態では1%、また更に別の実施形態では0.8%、また更に別の実施形態では0.7%である。
【0465】
上記一般式(IIa)で表される化合物を液晶組成物に含むと、Δεなどの誘電性を確保できるだけでなく、一般式(L)との相溶性も損なわれない。
【0466】
本発明に係る一般式(X)で表される化合物は、一般式(X−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0467】
【化205】
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【0468】
(上記一般式(X−3)中、X
102からX
103はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表し、R
10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましい。前記一般式(X−3)で表される化合物を液晶組成物に含むと、Δεなどの誘電性を確保できるだけでなく、一般式(L)などの第一成分との相溶性も損なわれない。
【0469】
一般式(X−3)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を8質量%以下にとどめることが好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下が特に好ましい。
【0470】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−3)で表される化合物は、一般式(X−3−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0471】
【化206】
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【0472】
(上記一般式(X−3−1)中、R
10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
一般式(X−3−1)を満たす化合物において、組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましい。
【0473】
一般式(X−3−1)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して0.05質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を5質量%以下にとどめることが好ましく、3質量%以下がさらに好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下が特に好ましい。
【0474】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−3−1)で表される化合物は、具体的には式(41.1)から式(41.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(41.2)で表される化合物を含有することが好ましい。前記式(41.1)から式(41.4)で表される化合物を液晶組成物に含むと、Δεなどの誘電性を確保できるだけでなく、ノンポーラの第一成分との相溶性も損なわれない。
【0475】
【化207】
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【0476】
【化208】
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【0477】
【化209】
[この文献は図面を表示できません]
【0478】
【化210】
[この文献は図面を表示できません]
【0479】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−3)で表される化合物は、一般式(X−3−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0480】
【化211】
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【0481】
(上記一般式(X−3−2)中、R
10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
一般式(X−3−2)を満たす化合物において、組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましい。
【0482】
一般式(X−3−2)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して0.05質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を5質量%以下にとどめることが好ましく、3質量%以下がさらに好ましく、2質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下が特に好ましい。
【0483】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−3−2)で表される化合物は、具体的には式(41.5)から式(41.8)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(41.6)で表される化合物を含有することが好ましい。前記式(41.5)から式(41.7)で表される化合物を液晶組成物に含むと、Δεなどの誘電性を確保できるだけでなく、ノンポーラの第一成分との相溶性も損なわれない。
【0484】
【化212】
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【0485】
【化213】
[この文献は図面を表示できません]
【0486】
【化214】
[この文献は図面を表示できません]
【0487】
【化215】
[この文献は図面を表示できません]
【0488】
更に、一般式(X)で表される化合物は、一般式(X−4)で表される化合物であることが好ましい。
【0489】
【化216】
[この文献は図面を表示できません]
【0490】
(上記一般式(X−4)中、X
102はフッ素原子または水素原子を表し、R
10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましく、1種から3種類以上組み合わせることがより好ましい。
【0491】
さらに、本発明に係る一般式(X−4)で表される化合物は、一般式(X−4−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0492】
【化217】
[この文献は図面を表示できません]
【0493】
(上記一般式(X−4−1)中、R
10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましく、1種から3種類以上組み合わせることがより好ましい。
【0494】
前記一般式(X−4−1)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して2質量%以上であることが好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を20質量%以下にとどめることが好ましく、17質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下がより好ましく、13質量%以下が特に好ましい。
【0495】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−4−1)で表される化合物は、具体的には式(42.1)から式(42.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(42.3)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0496】
【化218】
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【0497】
【化219】
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【0498】
【化220】
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【0499】
【化221】
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【0500】
更に、本発明に係る一般式(X)で表される化合物は、一般式(X−5)で表される化合物であることが好ましい。
【0501】
【化222】
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【0502】
(上記一般式(X−5)中、X
102はフッ素原子または水素原子を表し、R
10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましく、1種から3種類以上組み合わせることがより好ましい。
【0503】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−5)で表される化合物は、一般式(X−5−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0504】
【化223】
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【0505】
(上記一般式(X−5−1)中、R
10は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましく、1種から3種類以上組み合わせることがより好ましい。
【0506】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(X−5−1)で表される化合物は、具体的には式(43.1)から式(43.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(43.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0507】
【化224】
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【0508】
【化225】
[この文献は図面を表示できません]
【0509】
【化226】
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【0510】
【化227】
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【0511】
前記式(43.1)から式(43.4)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を18質量%以下にとどめることが好ましく、15質量%以下がさらに好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
【0512】
本発明の液晶組成物に使用される一般式(M)で表される化合物は、一般式(IIa)で表される化合物であることが好ましい。
【0513】
【化228】
[この文献は図面を表示できません]
【0514】
(上記一般式(IIa)中、R
3aは、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中のメチレン基は酸素原子が連続して結合しない限り酸素原子で置換されていてもよく、カルボニル基が連続して結合しない限りカルボニル基で置換されていてもよく、
A
2aはそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレンシクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、ジオキサン−2,5−ジイル基又はピリミジン−2,5−ジイル基を表すが、A
2aが1,4−フェニレン基を表す場合、該1,4−フェニレン基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子に置換されていてもよく、
Z
2aはそれぞれ独立して単結合、−OCH
2−、−OCF
2−、−CH
2O−、又は−CF
2O−を表し、
m
2aは、1、2、3又は4を表し、Y
3aはそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、X
1aはフッ素原子、−CN基又は−OCF
3基を表す。)で表される化合物群の中から少なくとも1種類の化合物が選択されることが好ましく、前記一般式(IIa)で表される化合物から少なくとも2種類の化合物が選択されることがより好ましい。また、前記一般式(IIa)において、m
2aが2、3又は4であることがより好ましく、m
2aが2又は3であることがさらに好ましく、m
2aが3であることが特に好ましい。
【0515】
化学骨格の共通性または化学骨格の特徴性を備えた化合物同士の組み合わせにより、顕著に相溶性が向上することが確認された。なかでも、当該一般式(IIa)で表される化合物の下位概念である先述の一般式(M−1)で表される化合物を含む成分と、一般式(i)で表される化合物を含む成分と、を有する液晶組成物においては、従来からの問題点である液晶化合物の析出化が改善された。
【0516】
前記一般式(IIa)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。当該化合物の含有量の下限値は、たとえば、本発明の一つの実施形態では本発明の液晶組成物の総量に対して2%、別の実施形態では3%、さらに別の実施形態では4%、またさらに別の実施形態では5%、またさらに別の実施形態では6%、またさらに別の実施形態では7%、またさらに別の実施形態では8%である。またその他の実施形態では9%である。その他別の実施形態では11%、さらに別の実施形態では15%、またさらに別の実施形態では18%である。また、前記一般式(IIa)で表される化合物の含有量の上限値は、例えば、本発明の一つの実施形態では30%、別の実施形態では20%、更に別の実施形態では13%、また更に別の実施形態では10%、また更に別の実施形態では7%、また更に別の実施形態では3%である。
【0517】
さらに、一般式(X)で表される化合物は、一般式(XI)で表される群より選ばれる化合物であることが好ましい。
【0518】
【化229】
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【0519】
(上記一般式(XI)中、X
111からX
117はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表し、X
111からX
117の少なくとも一つはフッ素原子を表し、R
11は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、Y
11はフッ素原子または−OCF
3を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から3種類以上組み合わせることが好ましい。
【0520】
一般式(XI)で表される化合物が液晶組成物に存在すると、高い転移点、大きなΔε誘電率、高いΔn、また4環の化合物では低い粘性を示すことが確認された。さらに、当該一般式(XI)で表される化合物は、一般式(i)、一般式(M−1)、一般式(M−2)および一般式(M−3)で示す化合物に対して良好な相溶性を示すことが確認された。これにより、本発明に係る液晶組成物において、Δεが5を超えない範囲において一般式(M)として一般式(XI)を含むこともより好ましい
前記一般式(XI)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。含有量の下限値は、たとえば、本発明の一つの実施形態では、本発明の液晶組成物の総量に対して2%、別の実施形態では4%、さらに別の実施形態では5%、またさらに別の実施形態では7%、またさらに別の実施形態では9%、またさらに別の実施形態では10%、またさらに別の実施形態では12%である。またさらに別の実施形態では13%である。またさらに別の実施形態では15%である。またさらに別の実施形態では18%である。
【0521】
また、含有量の上限値は、例えば、本発明の一つの実施形態では30%、別の実施形態では25%、更に別の実施形態では20%、また更に別の実施形態では15%、また更に別の実施形態では10%、また更に別の実施形態では5%である。
【0522】
本発明の液晶組成物が、セルギャップの小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(XI)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(XI)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また、低温の環境で用いられる液晶表示素子用に用いられる場合は一般式(XI)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。応答速度の速い液晶表示素子に用いられる液晶組成物である場合は、一般式(XI)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
【0523】
なお、本明細書におけるセルギャップは対向する配向層間の平均距離を言い、換言すると液晶組成物が充填された液晶層の平均厚みをいう(例えば、当該厚みは10点平均などで算出する。)。
【0524】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(XI)で表される化合物は、一般式(XI−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0525】
【化230】
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【0526】
(上記一般式(XI−1)中、R
11は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して、実施形態ごとに適宜組み合わせる。例えば、本発明の一つの実施形態では1種類、別の実施形態では2種類、更に別の実施形態では3種類以上組み合わせる。
【0527】
また、前記一般式(XI−1)で表される化合物は、左から2番目のベンゼン環のフッ素が相溶性に特に貢献しているとも考えられており、高い転移点、大きなΔε誘電率、高いΔn、また4環の化合物では低い粘性を示すことが確認された。そのため、当該一般式(XI−1)で表される化合物は、一般式(i)、一般式(M−1)、一般式(M−2)、および一般式(M−3)で示す化合物を含む組成物に対して良好な相溶性を示すことが確認された。
【0528】
一般式(XI−1)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、4質量%以上がさらに好ましく、5質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を20質量%以下にとどめることが好ましく、15質量%以下がさらに好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
【0529】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(XI−1)で表される化合物は、具体的には式(45.1)から式(45.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(45.2)から式(45.4)で表される化合物を含有することが好ましく、式(45.2)で表される化合物を含有することがより好ましい。
【0530】
【化231】
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【0531】
【化232】
[この文献は図面を表示できません]
【0532】
【化233】
[この文献は図面を表示できません]
【0533】
【化234】
[この文献は図面を表示できません]
【0534】
前記式(45.1)から式(45.4)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、1.5質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましく、2.5質量%以上がさらに好ましく、3質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を18質量%以下にとどめることが好ましく、15質量%以下がさらに好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
【0535】
さらに、一般式(X)で表される化合物は、一般式(XII)で表される群より選ばれる化合物であることが好ましい。
【0536】
【化235】
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【0537】
(上記一般式(XII)中、X
121からX
126はそれぞれ独立して、フッ素原子または水素原子を表し、R
12は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、Y
12はフッ素原子または−OCF
3を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から3種類以上組み合わせることが好ましく、1種から4種類以上組み合わせることがより好ましい。
【0538】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(XII)で表される化合物は、一般式(XII−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0539】
【化236】
[この文献は図面を表示できません]
【0540】
(上記一般式(XII−1)中、R
12は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましく、1種から3種類以上組み合わせることがより好ましい。
【0541】
一般式(XII−1)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、4質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を15質量%以下にとどめることが好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下が特に好ましい。
【0542】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(XII−1)で表される化合物は、具体的には式(46.1)から式(46.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(46.2)から式(46.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0543】
【化237】
[この文献は図面を表示できません]
【0544】
【化238】
[この文献は図面を表示できません]
【0545】
【化239】
[この文献は図面を表示できません]
【0546】
【化240】
[この文献は図面を表示できません]
【0547】
さらに、一般式(XII)で表される化合物は、一般式(XII−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0548】
【化241】
[この文献は図面を表示できません]
【0549】
(上記一般式(XII−2)中、R
12は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましく、1種から3種類以上組み合わせることがより好ましい。
【0550】
一般式(XII−2)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上がより好ましく、4質量%以上がさらに好ましく、6質量%以上がさらに好ましく、9質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を20質量%以下にとどめることが好ましく、17質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下がより好ましく、13質量%以下が特に好ましい。
【0551】
さらに、本発明の液晶組成物に使用される一般式(XII−2)で表される化合物は、具体的には式(47.1)から式(47.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(47.2)から式(47.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0552】
【化242】
[この文献は図面を表示できません]
【0553】
【化243】
[この文献は図面を表示できません]
【0554】
【化244】
[この文献は図面を表示できません]
【0555】
【化245】
[この文献は図面を表示できません]
【0556】
本発明に係る一般式(M)で表される化合物は、例えば一般式(VIII)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0557】
【化246】
[この文献は図面を表示できません]
【0558】
(上記一般式(VIII)中、R
8は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
81からX
85はそれぞれ独立して水素原子またはフッ素原子を表し、Y
8はフッ素原子または−OCF
3を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用される。使用される化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。更に、本発明の別の実施形態では3種類以上である。前記一般式(VIII)で表される化合物が液晶組成物中に存在すると、高いΔnを示し、また他の4環化合物との比率調整によって転移点をコントロールしやすいという作用・効果を奏する。
【0559】
本発明の液晶組成物において、前記一般式(VIII)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0560】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(VIII)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜25質量%である。さらに、例えば本発明の別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜20質量%である。例えば、本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜15質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜10質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜7質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜6質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜5質量%である。例えば、本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は1〜4質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は3〜7質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は3〜6質量%である。例えば本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は4〜7質量%である。
【0561】
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0562】
さらに、本発明に係る一般式(VIII)で表される化合物は、一般式(VIII−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0563】
【化247】
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【0564】
(上記一般式(VIII−1)中、R
8は一般式(VIII)における意味と同じ意味を表す。)
さらに、一般式(VIII−1)で表される化合物は、具体的には式(26.1)から式(26.4)で表される化合物であることが好ましく、式(26.1)または式(26.2)で表される化合物が好ましく、式(26.2)で表される化合物がさらに好ましい。
【0565】
【化248】
[この文献は図面を表示できません]
【0566】
【化249】
[この文献は図面を表示できません]
【0567】
【化250】
[この文献は図面を表示できません]
【0568】
【化251】
[この文献は図面を表示できません]
【0569】
前記式(26.1)〜(26.4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して、本発明の液晶組成物の総質量に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上15質量%以下がより好ましく、1質量%以上10質量%以下がより更に好ましく、1質量%以上7質量%以下が好ましい。これらの中で、例えば、1質量%以上6質量%以下、1質量%以上5質量%以下、3質量%以上7質量%以下、3質量%以上6質量%以下、4質量%以上7質量%以下、が好ましい。
【0570】
さらに、本発明に係る一般式(VIII)で表される化合物は、一般式(VIII−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0571】
【化252】
[この文献は図面を表示できません]
【0572】
(上記一般式(VIII−2)中、R
8は一般式(VIII)における意味と同じ意味を表す。)
一般式(VIII−2)として組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。あるいは、本発明の更に別の実施形態では3種類以上である。
【0573】
前記一般式(VIII−2)表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して、本発明の液晶組成物の総質量に対して、2.5質量%以上25質量%以下であることが好ましく、8質量%以上25質量%以下であることが好ましく、10質量%20質量%以下であることが好ましく、12質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
【0574】
さらに、前記一般式(VIII−2)で表される化合物は、式(27.1)から式(27.4)で表される化合物であることが好ましく、式(27.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0575】
【化253】
[この文献は図面を表示できません]
【0576】
【化254】
[この文献は図面を表示できません]
【0577】
【化255】
[この文献は図面を表示できません]
【0578】
【化256】
[この文献は図面を表示できません]
【0579】
さらに、本発明に係る一般式(M)で表される化合物は、例えば一般式(IX)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0580】
【化257】
[この文献は図面を表示できません]
【0581】
(上記一般式(IX)中、R
9は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
91及びX
92はそれぞれ独立して水素原子またはフッ素原子を表し、Y
9はフッ素原子、塩素原子または−OCF
3を表し、U
9は単結合、−COO−または−CF
2O−を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類以上である。
【0582】
前記一般式(VIII−3)表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して、本発明の液晶組成物の総質量に対して、0.5質量%以上15質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%5質量%以下であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
【0583】
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の液晶組成物のTniを高く保ち、焼きつきの発生しにくい液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0584】
さらに、本発明に係る一般式(IX)で表される化合物は、一般式(IX−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0585】
【化258】
[この文献は図面を表示できません]
【0586】
(上記一般式(IX−1)式中、R
9およびX
92は一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
さらに、本発明に係る一般式(IX−1)で表される化合物は、一般式(IX−1−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0587】
【化259】
[この文献は図面を表示できません]
【0588】
(上記一般式(IX−1−1)中、R
9は一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類である。更に、本発明の別の実施形態では3種類以上である。
【0589】
前記一般式(IX−1−1)表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して実施形態に応じて適宜調整される。
【0590】
本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(IX−1−1)で表される化合物の含有量は、例えば本発明の一つの実施形態としては1〜30質量%である。さらに、例えば本発明の別の実施形態としては前記化合物の含有量は2〜25質量%である。例えば、本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は3〜20質量%である。例えば、本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は9〜15質量%である。例えば、本発明のさらに別の実施形態としては前記化合物の含有量は12〜20質量%である。
【0591】
さらに、一般式(IX−1−1)で表される化合物は、式(28.1)から式(28.5)で表される化合物であることが好ましく、式(28.3)または/および式(28.5)で表される化合物であることが好ましい。
【0592】
【化260】
[この文献は図面を表示できません]
【0593】
【化261】
[この文献は図面を表示できません]
【0594】
【化262】
[この文献は図面を表示できません]
【0595】
【化263】
[この文献は図面を表示できません]
【0596】
【化264】
[この文献は図面を表示できません]
【0597】
さらに、本発明に係る一般式(IX−1)で表される化合物は、一般式(IX−1−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0598】
【化265】
[この文献は図面を表示できません]
【0599】
(上記(IX−1−2)中、R
9は一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から3種類を組み合わせることが好ましく、1種から4種類を組み合わせることがより好ましい。
【0600】
前記一般式(IX−1−2)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、本発明の液晶組成物の総質量に対して、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、5質量%以上25質量%以下が好ましく、8質量%以上20質量%以下が好ましい。
【0601】
さらに、一般式(IX−1−2)で表される化合物は、式(29.1)から式(29.4)で表される化合物であることが好ましく、式(29.2)または/および式(29.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0602】
【化266】
[この文献は図面を表示できません]
【0603】
【化267】
[この文献は図面を表示できません]
【0604】
【化268】
[この文献は図面を表示できません]
【0605】
【化269】
[この文献は図面を表示できません]
【0606】
さらに、一般式(IX)で表される化合物は、一般式(IX−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0607】
【化270】
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【0608】
(上記一般式(IX−2)中、R
9、X
91およびX
92は一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
さらに、本発明に係る一般式(IX−2)で表される化合物は、一般式(IX−2−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0609】
【化271】
[この文献は図面を表示できません]
【0610】
(上記一般式(IX−2−1)中、R
9は一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
例えば、本発明の一つの実施形態では、本発明の液晶組成物の総質量に対して、前記一般式(IX−2−1)で表される化合物の含有量は、1〜25質量%である。別の実施形態では前記化合物の含有量は1〜20質量%である。更に別の実施形態では前記化合物の含有量は1〜15質量%である。また更に別の実施形態では前記化合物の含有量は1〜10質量%である。また更に別の実施形態では前記化合物の含有量は1〜5質量%である。また更に別の実施形態では前記化合物の含有量は1〜4質量%である。
【0611】
さらに、前記一般式(IX−2−1)で表される化合物は、式(30.1)から式(30.4)で表される化合物であることが好ましく、式(30.1)から式(30.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0612】
【化272】
[この文献は図面を表示できません]
【0613】
【化273】
[この文献は図面を表示できません]
【0614】
【化274】
[この文献は図面を表示できません]
【0615】
【化275】
[この文献は図面を表示できません]
【0616】
さらに、本発明に係る一般式(IX−2)で表される化合物は、一般式(IX−2−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0617】
【化276】
[この文献は図面を表示できません]
【0618】
(上記一般式(IX−2−2)中、R
9は一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
前記一般式(IX−2−2)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに適宜調整される。
【0619】
本発明の液晶組成物の総質量に対しする前記一般式(IX−2−2)で表される化合物の含有量は、本発明の一つの実施形態では1〜30質量%、別の実施形態では1〜25質量%、さらに別の実施形態では1〜20質量%、さらに別の実施形態では1〜17質量%、さらに別の実施形態では1〜16質量%、さらに別の実施形態では1〜12質量%、またさらに別の実施形態では1〜11質量%、またさらに別の実施形態では1〜10質量%、またさらに別の実施形態では1〜9質量%、またさらに別の実施形態では2〜17質量%、またさらに別の実施形態では6〜17質量%、またさらに別の実施形態では8〜17質量%、またさらに別の実施形態では9〜17質量%、またさらに別の実施形態では14〜17質量%、またさらに別の実施形態では14〜16質量%、またさらに別の実施形態では2〜9質量%、またさらに別の実施形態では6〜10質量%、またさらに別の実施形態では8〜11質量%、またさらに別の実施形態では9〜12質量%、である。
【0620】
さらに、前記一般式(IX−2−2)で表される化合物は、式(31.1)から式(31.4)で表される化合物であることが好ましく、式(31.1)から式(31.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0621】
【化277】
[この文献は図面を表示できません]
【0622】
【化278】
[この文献は図面を表示できません]
【0623】
【化279】
[この文献は図面を表示できません]
【0624】
【化280】
[この文献は図面を表示できません]
【0625】
さらに、一般式(IX−2)で表される化合物は、一般式(IX−2−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0626】
【化281】
[この文献は図面を表示できません]
【0627】
(上記一般式(IX−2−3)中、R
9は一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1〜2種類を組み合わせることが好ましい。
【0628】
前記一般式(IX−2−3)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、本発明の液晶組成物の総質量に対して、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上20質量%以下がより好ましく、6質量%以上15質量%以下がさらに好ましく、8質量%以上10質量%以下がさらに好ましい。
【0629】
さらに、前記一般式(IX−2−3)で表される化合物は、式(32.1)から式(32.4)で表される化合物であることが好ましく、式(32.2)および/または式(32.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0630】
【化282】
[この文献は図面を表示できません]
【0631】
【化283】
[この文献は図面を表示できません]
【0632】
【化284】
[この文献は図面を表示できません]
【0633】
【化285】
[この文献は図面を表示できません]
【0634】
さらに、本発明に係る一般式(IX−2)で表される化合物は、一般式(IX−2−4)で表される化合物であることが好ましい。
【0635】
【化286】
[この文献は図面を表示できません]
【0636】
(上記一般式(IX−2−4)中、R
9は一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
前記一般式(IX−2−4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、本発明の液晶組成物の総質量に対して、1質量%以上25質量%以下であることが好ましく、1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上15質量%以下が好ましく、1質量%以上12質量%以下が好ましく、5質量%以上12質量%以下が好ましく、7質量%以上12質量%以下が好ましい。
【0637】
さらに、一般式(IX−2−4)で表される化合物は、式(33.1)から式(33.8)で表される化合物であることが好ましく、式(33.1)、式(33.8)、および式(33.2)〜式(33.5)で表される化合物であることがより好ましい。
【0638】
【化287】
[この文献は図面を表示できません]
【0639】
【化288】
[この文献は図面を表示できません]
【0640】
【化289】
[この文献は図面を表示できません]
【0641】
【化290】
[この文献は図面を表示できません]
【0642】
【化291】
[この文献は図面を表示できません]
【0643】
【化292】
[この文献は図面を表示できません]
【0644】
【化293】
[この文献は図面を表示できません]
【0645】
上記式(33.8)において、R
25は、炭素原子数2〜6のアルケニル基であることが好ましい。
【0646】
さらに、本発明に係る一般式(IX−2)で表される化合物は、一般式(IX−2−5)で表される化合物であることが好ましい。
【0647】
【化294】
[この文献は図面を表示できません]
【0648】
(上記一般式(IX−2−5)中、R
9は一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して、実施形態ごとに適宜組み合わせて使用する。例えば、本発明の一つの実施形態では1種類、別の実施形態では2種類、更に別の実施形態では3種類、また更に別の実施形態では4種類以上である。
【0649】
前記一般式(IX−2−5)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに適宜調整される。
【0650】
たとえば、前記一般式(IX−2−5)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、本発明の一つの実施形態では0.1〜30質量%、別の実施形態では0.3〜25質量%、さらに別の実施形態では0.5〜20質量%、またさらに別の実施形態では1〜15質量%、またさらに別の実施形態では2〜14質量%、またさらに別の実施形態では2.5〜15質量%、またさらに別の実施形態では3〜12質量%である。
【0651】
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明の液晶組成物のTniを高く保ち、焼きつきの発生しにくい液晶組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0652】
さらに、一般式(IX−2−5)で表される化合物は、式(34.1)から式(34.5)で表される化合物であることが好ましく、式(34.1)、式(34.2)、式(34.3)および/または式(34.5)で表される化合物であることが好ましい。
【0653】
【化295】
[この文献は図面を表示できません]
【0654】
【化296】
[この文献は図面を表示できません]
【0655】
【化297】
[この文献は図面を表示できません]
【0656】
【化298】
[この文献は図面を表示できません]
【0657】
【化299】
[この文献は図面を表示できません]
【0658】
【化300】
[この文献は図面を表示できません]
【0659】
【化301】
[この文献は図面を表示できません]
【0660】
さらに、本発明に係る一般式(IX)で表される化合物は、一般式(IX−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0661】
【化302】
[この文献は図面を表示できません]
【0662】
(上記一般式(IX−3)中、R
9、X
91およびX
92は一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
さらに、一前記般式(IX−3)で表される化合物は、一般式(IX−3−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0663】
【化303】
[この文献は図面を表示できません]
【0664】
(上記一般式(IX−3−1)中、R
9は一般式(IX)における意味と同じ意味を表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1〜2種類を組み合わせることが好ましい。
【0665】
前記一般式(IX−3−1)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、本発明の液晶組成物の総質量に対して、3質量%以上30質量%以下であることが好ましく、7質量%以上30質量%以下が好ましく、13質量%以上20質量%以下が好ましく、15質量%以上18質量%以下が好ましい。
【0666】
さらに、一般式(IX−3−1)で表される化合物は、式(35.1)から式(35.4)で表される化合物であることが好ましく、式(35.1)および/または式(35.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0667】
【化304】
[この文献は図面を表示できません]
【0668】
【化305】
[この文献は図面を表示できません]
【0669】
【化306】
[この文献は図面を表示できません]
【0670】
【化307】
[この文献は図面を表示できません]
【0671】
更に、本発明に係る一般式(M)で表される化合物は、一般式(XIII)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0672】
【化308】
[この文献は図面を表示できません]
【0673】
(上記一般式(XIII)中、X
131からX
135はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表し、R
13は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、Y
13はフッ素原子または−OCF
3を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種〜2種類含有することが好ましく、1種〜3種類含有することがより好ましく、1種〜4種類含有することが更に好ましい。
【0674】
一般式(XIII)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。含有量の下限値は、たとえば、本発明の一つの実施形態では、本発明の液晶組成物の総量に対して2%、別の実施形態では4%、さらに別の実施形態では5%、またさらに別の実施形態では7%、またさらに別の実施形態では9%、またさらに別の実施形態では11%、またさらに別の実施形態では13%である。またさらに別の実施形態では14%である。またさらに別の実施形態では16%である。またさらに別の実施形態では20%である。
【0675】
また、含有量の上限値は、例えば、本発明の一つの実施形態では30%、別の実施形態では25%、更に別の実施形態では20%、また更に別の実施形態では15%、また更に別の実施形態では10%、また更に別の実施形態では5%である。
【0676】
本発明の液晶組成物が、セルギャップの小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(XIII)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(XIII)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また、低温の環境で用いられる液晶表示素子用に用いられる場合は一般式(XIII)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。応答速度の速い液晶表示素子に用いられる液晶組成物である場合は、一般式(XIII)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
【0677】
さらに、本発明に係る一般式(XIII)で表される化合物は、一般式(XIII−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0678】
【化309】
[この文献は図面を表示できません]
【0679】
(上記一般式(XIII−1)中、R
13は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
一般式(XIII−1)で表される化合物を本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上含有することが好ましく、3質量%以上含有することがさらに好ましく、5質量%以上含有することがさらに好ましく、10質量%以上含有することが特に好ましい。また、最大に含有できる比率としては、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。
【0680】
さらに、一般式(XIII−1)で表される化合物は、式(48.1)から式(48.4)で表される化合物であることが好ましく、式(48.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0681】
【化310】
[この文献は図面を表示できません]
【0682】
【化311】
[この文献は図面を表示できません]
【0683】
【化312】
[この文献は図面を表示できません]
【0684】
【化313】
[この文献は図面を表示できません]
【0685】
さらに、本発明に係る一般式(XIII)で表される化合物は、一般式(XIII−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0686】
【化314】
[この文献は図面を表示できません]
【0687】
(上記一般式(XIII−2)中、R
13は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種〜2種類以上含有することが好ましい。
【0688】
一般式(XIII−2)で表される化合物を本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%以上含有することが好ましく、6質量%以上含有することがさらに好ましく、8質量%以上含有することがさらに好ましく、10質量%以上含有することが特に好ましい。また、最大に含有できる比率としては、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。
【0689】
さらに、一般式(XIII−2)で表される化合物は、式(49.1)から式(49.4)で表される化合物であることが好ましく、式(49.1)または/および式(49.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0690】
【化315】
[この文献は図面を表示できません]
【0691】
【化316】
[この文献は図面を表示できません]
【0692】
【化317】
[この文献は図面を表示できません]
【0693】
【化318】
[この文献は図面を表示できません]
【0694】
さらに、本発明に係る一般式(XIII)で表される化合物は、一般式(XIII−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0695】
【化319】
[この文献は図面を表示できません]
【0696】
(上記一般式(XIII−3)中、R
13は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種〜2種類含有することが好ましい。
【0697】
一般式(XIII−3)で表される化合物を、本発明の液晶組成物の総量に対して2質量%以上含有することが好ましく、4質量%以上含有することが更に好ましく、9質量%以上含有することが更に好ましく、11質量%以上含有することが特に好ましい。また、最大に含有できる比率としては、20質量%以下が好ましく、17質量%以下がより好ましく、14質量%以下がさらに好ましい。
【0698】
さらに、一般式(XIII−3)で表される化合物は、式(50.1)から式(50.4)で表される化合物であることが好ましく、式(50.1)または/および式(50.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0699】
【化320】
[この文献は図面を表示できません]
【0700】
【化321】
[この文献は図面を表示できません]
【0701】
【化322】
[この文献は図面を表示できません]
【0702】
【化323】
[この文献は図面を表示できません]
【0703】
さらに、本発明に係る一般式(M)で表される化合物は、一般式(XIV)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0704】
【化324】
[この文献は図面を表示できません]
【0705】
(上記一般式(XIV)中、R
14は炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数2〜7のアルケニル基または炭素原子数1〜7のアルコキシ基を表し、し、X
141からX
144はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表し、Y
14はフッ素原子、塩素原子または−OCF
3を表し、Q
14は単結合、−COO−または−CF
2O−を表し、m
14は0または1である。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して実施形態ごとに適宜組み合わせる。例えば、本発明の一つの実施形態では1種である。さらに、本発明の別の実施形態では2種類である。あるいは、本発明のさらに別の実施形態では3種類である。また、本発明のさらに別の実施形態では4種類である。あるいは、本発明のさらに別の実施形態では5種類である。あるいは、本発明のさらに別の実施形態では6種類以上である。
【0706】
一般式(XIV)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。含有量の下限値は、たとえば、本発明の一つの実施形態では、本発明の液晶組成物の総量に対して3%、別の実施形態では7%、さらに別の実施形態では8%、またさらに別の実施形態では11%、またさらに別の実施形態では12%、またさらに別の実施形態では16%、またさらに別の実施形態では18%である。またさらに別の実施形態では19%である。またさらに別の実施形態では22%である。またさらに別の実施形態では25%である。
【0707】
また、含有量の上限値は、例えば、本発明の一つの実施形態では40%、別の実施形態では35%、更に別の実施形態では30%、また更に別の実施形態では25%、また更に別の実施形態では20%、また更に別の実施形態では15%である。
【0708】
本発明の液晶組成物が、駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(XIV)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また応答速度の速い液晶表示素子に用いられる液晶組成物である場合は、一般式(XIV)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
【0709】
さらに、本発明に係る一般式(XIV)で表される化合物は、一般式(XIV−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0710】
【化325】
[この文献は図面を表示できません]
【0711】
(上記一般式(XIV−1)中、R
14は炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数2〜7のアルケニル基または炭素原子数1〜7のアルコキシ基を表し、Y
14はフッ素原子、塩素原子または−OCF
3を表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から3種類組み合わせることが好ましい。
【0712】
さらに、一般式(XIV−1)で表される化合物は、一般式(XIV−1−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0713】
【化326】
[この文献は図面を表示できません]
【0714】
(上記一般式(XIV−1)中、R
14は炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数2〜7のアルケニル基または炭素原子数1〜7のアルコキシ基を表す。)
前記一般式(XIV−1)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して2質量%以上であることが好ましく、4質量%以上がより好ましく、7質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、18質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を30質量%以下にとどめることが好ましく、27質量%以下がさらに好ましく、24質量%以下がより好ましく、21質量%未満が特に好ましい。
【0715】
さらに、一般式(XIV−1−1)で表される化合物は具体的には式(51.1)から式(51.4)で表される化合物であることが好ましく、式(51.1)で表される化合物を含有することがより好ましい。
【0716】
【化327】
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【0717】
【化328】
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【0718】
【化329】
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【0719】
【化330】
[この文献は図面を表示できません]
【0720】
さらに、一般式(XIV−1)で表される化合物は、一般式(XIV−1−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0721】
【化331】
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【0722】
(上記一般式(XIV−1−2)中、R
14は炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数2〜7のアルケニル基または炭素原子数1〜7のアルコキシ基を表す。)
一般式(XIV−1−2)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、7質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を15質量%以下にとどめることが好ましく、13質量%以下がさらに好ましく、11質量%以下がより好ましく、9質量%未満が特に好ましい。
【0723】
さらに、前記一般式(XIV−1−2)で表される化合物は、具体的には式(52.1)から式(52.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(52.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0724】
【化332】
[この文献は図面を表示できません]
【0725】
【化333】
[この文献は図面を表示できません]
【0726】
【化334】
[この文献は図面を表示できません]
【0727】
【化335】
[この文献は図面を表示できません]
【0728】
さらに、本発明に係る一般式(XIV)で表される化合物は、一般式(XIV−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0729】
【化336】
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【0730】
(上記一般式(XIV−2)中、R
14は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
141からX
144はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表し、Y
14はフッ素原子、塩素原子または−OCF
3を表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して実施形態ごとに適宜組み合わせる。例えば、本発明の一つの実施形態では1種である。さらに、本発明の別の実施形態では2種類である。あるいは、本発明のさらに別の実施形態では3種類である。また、本発明のさらに別の実施形態では4種類である。あるいは、本発明のさらに別の実施形態では5種類以上である。
【0731】
一般式(XIV−2)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。含有量の下限値は、たとえば、本発明の一つの実施形態では、本発明の液晶組成物の総量に対して0.1%、別の実施形態では0.5%、さらに別の実施形態では1%、またさらに別の実施形態では1.2%、またさらに別の実施形態では1.5%、またさらに別の実施形態では2%、またさらに別の実施形態では2.5%である。またさらに別の実施形態では3%である。
【0732】
また、含有量の上限値は、例えば、本発明の一つの実施形態では20%、別の実施形態では18%、更に別の実施形態では12%、また更に別の実施形態では10%、また更に別の実施形態では8%、また更に別の実施形態では7%である。
【0733】
本発明の液晶組成物が、駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(XIV−2)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また応答速度の速い液晶表示素子に用いられる液晶組成物である場合は、一般式(XIV−2)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
【0734】
さらに、本発明に係る一般式(XIV−2)で表される化合物は、一般式(XIV−2−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0735】
【化337】
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【0736】
(上記一般式(XIV−2−1)中、R
14は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
一般式(XIV−2−1)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、7質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を15質量%以下にとどめることが好ましく、13質量%以下がさらに好ましく、11質量%以下がより好ましく、9質量%未満が特に好ましい。
【0737】
さらに、一般式(XIV−2−1)で表される化合物は具体的には式(53.1)から式(53.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(53.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0738】
【化338】
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【0739】
【化339】
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【0740】
【化340】
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【0741】
【化341】
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【0742】
さらに、一般式(XIV−2)で表される化合物は、一般式(XIV−2−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0743】
【化342】
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【0744】
(上記一般式(XIV−2−2)中、R
14は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
一般式(XIV−2−2)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して3質量%以上であることが好ましく、6質量%以上がより好ましく、9質量%以上がさらに好ましく、12質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を20質量%以下にとどめることが好ましく、17質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下がより好ましく、14質量%以下が特に好ましい。
【0745】
さらに、一般式(XIV−2−2)で表される化合物は具体的には式(54.1)から式(54.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(54.2)および/または式(54.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0746】
【化343】
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【0747】
【化344】
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【0748】
【化345】
[この文献は図面を表示できません]
【0749】
【化346】
[この文献は図面を表示できません]
【0750】
さらに、一般式(XIV−2)で表される化合物は、一般式(XIV−2−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0751】
【化347】
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【0752】
(上記一般式(XIV−2−3)中、R
14は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
一般式(XIV−2−3)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%以上であることが好ましく、9質量%以上がより好ましく、12質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を30質量%以下にとどめることが好ましく、27質量%未満がさらに好ましく、24質量%以下がより好ましく、20質量%未満が特に好ましい。
【0753】
さらに、一般式(XIV−2−3)で表される化合物は具体的には式(55.1)から式(55.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(55.2)および/または式(55.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0754】
【化348】
[この文献は図面を表示できません]
【0755】
【化349】
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【0756】
【化350】
[この文献は図面を表示できません]
【0757】
【化351】
[この文献は図面を表示できません]
【0758】
さらに、一般式(XIV−2)で表される化合物は、一般式(XIV−2−4)で表される化合物であることが好ましい。
【0759】
【化352】
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【0760】
(上記一般式(XIV−2−4)中、R
14は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して実施形態ごとに適宜組み合わせる。例えば、本発明の一つの実施形態では1種である。さらに、本発明の別の実施形態では2種類である。あるいは、本発明のさらに別の実施形態では3種類以上である。
【0761】
一般式(XIV−2−4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。含有量の下限値は、たとえば、本発明の一つの実施形態では、本発明の液晶組成物の総量に対して0.1%、別の実施形態では0.5%、さらに別の実施形態では0.7%、またさらに別の実施形態では1%、またさらに別の実施形態では1.2%、またさらに別の実施形態では1.8%、またさらに別の実施形態では2%である。またさらに別の実施形態では2.5%である。またさらに別の実施形態では3%である。
【0762】
また、含有量の上限値は、例えば、本発明の一つの実施形態では15%、別の実施形態では12%、更に別の実施形態では11%、また更に別の実施形態では10%、また更に別の実施形態では8%、また更に別の実施形態では6%である。
【0763】
本発明の液晶組成物が、駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(XIV−2−4)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また応答速度の速い液晶表示素子に用いられる液晶組成物である場合は、一般式(XIV−2−4)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
【0764】
さらに、一般式(XIV−2−4)で表される化合物は具体的には式(56.1)から式(56.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(56.1)、式(56.2)および式(56.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0765】
【化353】
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【0766】
【化354】
[この文献は図面を表示できません]
【0767】
【化355】
[この文献は図面を表示できません]
【0768】
【化356】
[この文献は図面を表示できません]
【0769】
さらに、一般式(XIV−2)で表される化合物は、一般式(XIV−2−5)で表される化合物であることが好ましい。
【0770】
【化357】
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【0771】
(上記一般式(XIV−2−5)中、R
14は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
一般式(XIV−2−5)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上がより好ましく、13質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を25質量%以下にとどめることが好ましく、22質量%未満がさらに好ましく、18質量%以下がより好ましく、15質量%未満が特に好ましい。
【0772】
さらに、一般式(XIV−2−5)で表される化合物は具体的には式(57.1)から式(57.4)で表される化合物である。中でも式(57.1)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0773】
【化358】
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【0774】
【化359】
[この文献は図面を表示できません]
【0775】
【化360】
[この文献は図面を表示できません]
【0776】
【化361】
[この文献は図面を表示できません]
【0777】
さらに、一般式(XIV−2)で表される化合物は、一般式(XIV−2−6)で表される化合物であることが好ましい。
【0778】
【化362】
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【0779】
(式中、R
14は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基または炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
一般式(XIV−2−6)で表される化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を25質量%以下にとどめることが好ましく、22質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下がより好ましく、17質量%未満が特に好ましい。
【0780】
さらに、一般式(XIV−2−6)で表される化合物は具体的には式(58.1)から式(58.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(58.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0781】
【化363】
[この文献は図面を表示できません]
【0782】
【化364】
[この文献は図面を表示できません]
【0783】
【化365】
[この文献は図面を表示できません]
【0784】
【化366】
[この文献は図面を表示できません]
【0785】
本願発明に使用する化合物は、分子内に過酸(−CO−OO−)構造を持たない。また、液晶組成物の信頼性及び長期安定性を重視する場合にはカルボニル基を有する化合物を使用しないことが好ましい。また、UV照射による安定性を重視する場合、塩素原子が置換している化合物を使用しないことが望ましい。分子内の環構造がすべて6員環である化合物のみであることも好ましい。
【0786】
本発明に係る液晶組成物の好ましい実施形態は、一般式(i):
【0787】
【化367】
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【0788】
(上記一般式(i)中、R
i1およびR
i2はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原子数2〜10個のアルケニル基または炭素原子数1〜10個のアルコキシ基であり、前記R
i1またはR
i2の少なくともいずれか一方がアルケニル基である。)
で表される化合物を少なくとも1種以上と、
一般式(M−1):
【0789】
【化368】
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【0790】
(上記一般式(M−1)中、X
M12、X
M13、X
M14、X
M15、XM
16およびX
M17はそれぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子を表し、
環Aは、それぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない少なくとも2個の−CH
2−は−O−に置き換えられてもよい)、及び、
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない少なくとも2個の−CH=は−N=に置き換えられてもよい)、
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)と基(b)は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
R
M1は、炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原子数2〜10個のアルケニル基または炭素原子数1〜10個のアルコキシ基であり、
Y
M11は、炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原子数2〜10個のアルケニル基、炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、水素原子、フッ素原子、シアノ基、−CF
3または−OCF
3を表し、
nは0以上2以下の整数である。)
で表される化合物を少なくとも1種以上と、
一般式(I−1):
【0791】
【化369】
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【0792】
(上記一般式(I−1)中、R
11およびR
12はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基または炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基中のメチレン基は酸素原子が連続して結合しない限り酸素原子で置換されていてもよく、カルボニル基が連続して結合しない限りカルボニル基で置換されていてもよい。)で表される化合物を少なくとも1種以上と、
を含み、かつ25℃における誘電率異方性が0より大きく5以下である液晶組成物である。
【0793】
すなわち、本発明に係る液晶組成物において、第一成分として一般式(i)で表される化合物群の中から少なくとも1種類の化合物を選択し、かつ第二成分として、一般式(M−1)で表される化合物群の中から少なくとも1種類選択すると、液晶層のキャパシタンスを低下させることで、TFTへの電圧書き込み走査におけるC
TOTAL相当コンデンサへの充電の影響を小さくでき、電圧波形のなまりや遅延に起因したフリーカーや応答速度の悪化といった現象を発生させないか或いは無視できる程度にしか発生させず、低温安定性に関する問題、滴下痕の問題点または高速応答性を維持するという効果のいずれかも奏する。
【0794】
また必要に応じて、ノンポーラ成分(一般式(L))としては、一般式(I−4)、一般式(I−5)、一般式(II−2)および一般式(II−3)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含んでもよく、ポーラ成分(一般式(M))としては、一般式(X−2)、一般式(X−3)、一般式(X−5)、一般式(VIII)および一般式(XI)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含んでもよい。
【0795】
また、一般式(i)及び一般式(M−1)で表される化合物群の中から少なくともそれぞれ1種類が選択される化合物は、液晶組成物全体のうち1〜50質量%含有していることが好ましく、2〜45質量%含有していることがより好ましく、3〜40質量%含有していることがさらに好ましく、4〜38質量%含有していることがよりさらに好ましく、5〜35質量%含有していることが特に好ましい。
【0796】
本発明に係る液晶組成物の好ましい実施形態は、一般式(i)、一般式(M−1)、一般式(L)および一般式(M)で表される化合物群の中から少なくともそれぞれ1種類が選択される化合物は、液晶組成物全体のうち50〜100質量%含有していることが好ましく、55〜98質量%含有していることがより好ましく、60〜95質量%含有していることがさらに好ましく、65〜90質量%含有していることがよりさらに好ましく、68〜85質量%含有していることが特に好ましい。
【0797】
本発明に係る液晶組成物の他の好ましい実施形態は、一般式(i)、一般式(M−1)および一般式(I−1)で表される化合物群の中から少なくともそれぞれ1種類が選択される化合物は、液晶組成物全体のうち40〜100質量%含有していることが好ましく、50〜90質量%含有していることがより好ましく、55〜85質量%含有していることがさらに好ましく、60〜80質量%含有していることがよりさらに好ましく、65〜75質量%含有していることが特に好ましい。
【0798】
本発明に係る液晶組成物の他の好ましい実施形態は、一般式(i)、一般式(M−1)および一般式(L)で表される化合物群の中から少なくともそれぞれ1種類が選択される化合物は、液晶組成物全体のうち40〜100質量%含有していることが好ましく、50〜93質量%含有していることがより好ましく、55〜88質量%含有していることがさらに好ましく、58〜85質量%含有していることがよりさらに好ましく、60〜82質量%含有していることが特に好ましい。
【0799】
本発明に係る液晶組成物の他の好ましい実施形態は、一般式(i)、一般式(M−1)および一般式(M)で表される化合物群の中から少なくともそれぞれ1種類が選択される化合物は、液晶組成物全体のうち20〜90質量%含有していることが好ましく、30〜80質量%含有していることがより好ましく、35〜75質量%含有していることがさらに好ましく、40〜70質量%含有していることがよりさらに好ましく、45〜60質量%含有していることが特に好ましい。
【0800】
粘度の改善及びTniの改善を重視する場合には、水素原子がハロゲンに置換されていてもよい2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を少なくすることが好ましく、前記2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
【0801】
液晶組成物の酸化による劣化を抑えるためには、環構造としてシクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を少なくすることが好ましく、シクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
【0802】
本発明に係る液晶組成物の他の好ましい実施形態は、一般式(i)、一般式(M−1)および一般式(II−2)で表される化合物を含む液晶組成物であって、かつ25℃における誘電率異方性が0より大きく5以下であることが好ましく、25℃における誘電率異方性が0より大きく4以下であることがより好ましく、25℃における誘電率異方性が0より大きく3以下であることが特に好ましい。
【0803】
この一般式(i)、一般式(M−1)および一般式(II−2)で表される化合物を含む組成物の場合、これら3種の化合物が液晶組成物全体のうち3〜75質量%含有していることが好ましく、6〜70質量%含有していることがより好ましく、9〜65質量%含有していることがさらに好ましく、12〜60質量%含有していることがよりさらに好ましく、15〜55質量%含有していることが特に好ましい。
【0804】
特に一般式(II−2)で表される化合物のうち、式(11.1)及び/又は式(11.2)で表される化合物を10〜30質量%程度含有せしめた場合、一般式(i)と一般式(M)との組合せによりもたらされた優れた相溶性を損なうことなく、より高いネマチック上限温度範囲、さらに低下された粘性、高い信頼性、高い弾性定数等々、液晶表示素子用の液晶組成物に求められる種々の性能を好適に具備した液晶組成物の提供が可能となる。低い粘性がより重視される場合には式(11.1)を好適に用いることができ、より高い弾性定数が重視される場合には式(11.2)を好適に用いることができる。更に一般式(i)と式(11.1)及び/又は式(11.2)で表される化合物の組成物中における比率を、総量を20〜60質量%の範囲内で任意に調整する事により、本発明の効果を損なうことなく、高い弾性定数を具備せしめたままで液晶媒体の屈折率異方性を任意に調整することが可能となる。
【0805】
本発明の液晶組成物は、25℃における誘電率異方性(Δε)が0より大きく+5以下であるが、+0.5から+4.0が好ましく、+1.0から+3.5が更に好ましく、+1.5から+3.0が特に好ましい。
【0806】
本発明の液晶組成物は、25℃における屈折率異方性(Δn)が0.06から0.20であるが、0.07から0.18が更に好ましく、0.08から0.16が特に好ましい。更に詳述すると、薄いセルギャップに対応する場合は0.11から0.14であることが好ましく、厚いセルギャップに対応する場合は0.08から0.11であることが好ましい。
【0807】
本発明の液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)が60℃から120℃であるが、70℃から110℃がより好ましく、70℃から100℃が特に好ましい。
【0808】
本発明の液晶組成物は、25℃における粘度(η)が5から20mPa・sであるが、18mPa・s以下であることが更に好ましく、15mPa・s以下であることが特に好ましい。
【0809】
本発明の液晶組成物は、25℃における回転粘性(γ
1)が20から60mPa・sであるが、50mPa・s以下であることが更に好ましく、40mPa・s以下であることが特に好ましい。
【0810】
本発明に係る重合性化合物を含有した液晶組成物は、これに含まれる重合性化合物が紫外線照射により重合することで液晶配向能が付与され、液晶組成物の複屈折を利用して光の透過光量を制御する液晶表示素子に使用されることが好ましい。
【0811】
本発明に係る液晶組成物には、PSAモード又は横電界型PSAモードなどの液晶表示素子を作製するために、重合性化合物を含有してもよい。使用できる重合性化合物として、光などのエネルギー線により重合が進行する光重合性モノマーなどが挙げられ、構造として、例えば、ビフェニル誘導体、ターフェニル誘導体などの六員環が複数連結した液晶骨格を有する重合性化合物などが挙げられる。更に具体的には、一般式(XX)で表される二官能モノマーが好ましい。
【0812】
【化370】
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【0813】
前記一般式(XX)中、X
201及びX
202は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜3個のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基)を表し、
Sp
201及びSp
202は、それぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜8のアルキレン基又は−O−(CH
2)
S−(式中、sは2〜7の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)を表し、
Z
201は、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH
2CH
2−、−OCO−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−COO−、−CH
2CH
2−OCO−、−COO−CH
2−、−OCO−CH
2−、−CH
2−COO−、−CH
2−OCO−、−CY
1=CY
2−(式中、Y
1及びY
2は、それぞれ独立して、フッ素原子又は水素原子を表す。)、−C≡C−、又は、単結合を表し、
M
201は、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、単結合または任意の水素原子がフッ素原子により置換されていても良い1,4−フェニレン基を表し、
上記一般式(XX)中の全ての1,4−フェニレン基は、任意の水素原子がフッ素原子により置換されていても良い。
【0814】
本発明に係る重合性化合物の好ましい形態は、X
201及びX
202が何れも水素原子を表すジアクリレート誘導体、X
201及びX
202が何れもメチル基を有するジメタクリレート誘導体の何れも好ましく、一方が水素原子を表しもう一方がメチル基を表す化合物も好ましい。これらの化合物の重合速度は、ジアクリレート誘導体が最も早く、ジアクリレート誘導体が遅く、非対称化合物がその中間であり、その用途により好ましい態様を用いることができる。PSA表示素子においては、ジメタクリレート誘導体が特に好ましい。
【0815】
Sp
201及びSp
202はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜8のアルキレン基又は−O−(CH
2)
s−を表すが、PSA表示素子においては少なくとも一方が単結合であることが好ましく、共に単結合を表す化合物又は一方が単結合でもう一方が炭素原子数1〜8のアルキレン基又は−O−(CH
2)
s−を表す態様が好ましい。この場合炭素原子数1〜4のアルキレン基がより好ましく、sは1〜4が好ましい。
【0816】
Z
201は、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−、又は、単結合が好ましく、−COO−、−OCO−、又は、単結合がより好ましく、単結合が特に好ましい。
【0817】
M
201は、任意の水素原子がフッ素原子により置換されていても良い1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、又は、単結合を表すが、任意の水素原子がフッ素原子により置換されていても良い1,4−フェニレン基又は単結合が好ましい。M
201が単結合以外の環構造を表す場合、Z
201は単結合以外の連結基が好ましく、M
201が単結合の場合、Z
201は単結合が好ましい。
【0818】
これらの点から、一般式(XX)において、Sp
201及びSp
202の間の環構造は、具体的には次に記載する式(XXa−1)〜式(XXa−5)の構造が好ましい。
【0819】
前記一般式(XX)において、M
201が単結合を表し、環構造が二つの環で形成される場合において、次の式(XXa−1)〜式(XXa−5)を表すことが好ましく、式(XXa−1)〜式(XXa−3)を表すことがより好ましく、式(XXa−1)を表すことが特に好ましい。
【0820】
【化371】
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【0821】
上記式(XXa−1)〜式(XXa−5)において、結合手の両端は、Sp
201又はSp
202に結合するものとする。
【0822】
これらの骨格を含む重合性化合物は重合後の配向規制力がPSA型液晶表示素子に最適であり、良好な配向状態が得られることから、表示ムラが抑制されるか、又は、全く発生しない。
【0823】
以上のことから、前記重合性化合物としては、一般式(XX−1)〜一般式(XX−4)で表される化合物群から選択される少なくとも1種の化合物が好ましく、中でも一般式(XX−2)で表される化合物がより好ましい。
【0824】
【化372】
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【0825】
前記一般式(XX−3)及び一般式(XX−4)中、Sp
20は炭素原子数2〜5のアルキレン基を表す。
【0826】
本発明に係る液晶組成物に重合性化合物を添加する場合において、重合開始剤が存在しない場合でも重合は進行するが、重合を促進するために重合開始剤を含有していてもよい。重合開始剤としては、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、アシルフォスフィンオキサイド類等が挙げられる。
【0827】
本発明に係る液晶組成物は、更に、一般式(Q)で表される化合物を酸化防止剤として含有することができる。
【0828】
【化373】
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【0829】
前記一般式(Q)中、R
Qは炭素原子数1〜22のアルキル基又はアルコキシ基を表し、該アルキル基中の1つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CF
2O−、−OCF
2−で置換されてよく、M
Qはトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、又は、単結合を表す。
【0830】
前記一般式(Q)中において、R
Qは炭素原子数1〜22のアルキル基又はアルコキシ基であることが好ましく、当該アルキル基(前記アルコキシ基におけるアルキル基を含む)は、直鎖状または分岐鎖状であってもよい。また、前記R
Qは炭素原子数1〜22の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基又は直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ基を表し、該アルキル基(前記アルコキシ基におけるアルキル基を含む)中の1つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CF
2O−、−OCF
2−で置換されてもよい。前記一般式(Q)中においてR
Qは、炭素原子数1〜20個であって、直鎖アルキル基、直鎖アルコキシ基、1つのCH
2基が−OCO−又は−COO−に置換された直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、分岐アルコキシ基および1つのCH
2基が−OCO−又は−COO−に置換された分岐鎖アルキル基からなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましく、炭素原子数1〜10の直鎖アルキル基、1つのCH
2基が−OCO−又は−COO−に置換された直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、分岐アルコキシ基および1つのCH
2基が−OCO−又は−COO−に置換された分岐鎖アルキル基からなる群から選択される少なくとも1つが更に好ましい。
【0831】
M
Qはトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基又は単結合を表すが、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基が好ましい。
【0832】
前記一般式(Q)で表される化合物は、下記の一般式(Q−a)〜一般式(Q−d)で表される化合物群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましく、一般式(Q−a)及び/又は(Q−c)で表される化合物であることがより好ましい
【0833】
【化374】
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【0834】
前記一般式(Q−a)〜式(Q−d)中、R
Q1は炭素原子数1〜10の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基が好ましく、R
Q2は炭素原子数1〜20の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基が好ましく、R
Q3は炭素原子数1〜8の直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、直鎖アルコキシ基又は分岐鎖アルコキシ基が好ましく、L
Qは炭素原子数1〜8の直鎖アルキレン基又は分岐鎖アルキレン基が好ましい。これらの中でも、一般式(Q)で表される化合物は、下記式(Q−a−1)及び/又は(Q−c−1)で表される化合物であることがさらに好ましい。
【0835】
【化375】
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【0836】
【化373】
[この文献は図面を表示できません]
【0837】
本願発明の液晶組成物において、前記一般式(Q)で表される化合物を1種又は2種を含有することが好ましく、1種〜5種を含有することが更に好ましく、その含有量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して、0.001〜1質量%であることが好ましく、0.001〜0.1質量%であることが好ましく、0.001〜0.05質量%であることが好ましい。
【0838】
本発明の第二は、前記一般式(i)で表される化合物および前記一般式(M−1)で表される化合物を含み、25℃における誘電率異方性が0より大きく5以下である液晶組成物を備えた液晶表示素子である。
【0839】
本発明に係る液晶表示素子としては、AM−LCD(アクティブマトリックス液晶表示素子)に有用であり、透過型あるいは反射型の液晶表示素子に用いることができる。
また、本発明に係る液晶表示素子の駆動方式(またはモードとも称する。)としては、ECB−LCD、VA−LCD、VA−IPS−LCD、FFS(フリンジ・フィールド・スイッチング)−LCD、TN(ネマチック液晶表示素子)、STN−LCD(超ねじれネマチック液晶表示素子)、OCB−LCD及びIPS−LCD(インプレーンスイッチング液晶表示素子)に有用であるが、IPSモードまたはFFSモードの液晶表示素子が特に好ましい。
【0840】
近年スマートフォンに代表される携帯型タブレットに使用する液晶ディスプレイは、急速に開発・普及が進んだIPSモードやFFSモードなどの横電界型液晶ディスプレイでは、低消費電力が重視されることから、主に高Δεの正の誘電異方性を有する液晶組成物が好んで用いられている。その場合、液晶自体の粘性が高くなる傾向にあり、さらに液晶層だけでなくFFS基板絶縁層(例えば後述の
図5、
図7では絶縁層18)へのチャージによるタイムロスも発生し易くなることから、その応答速度は十分ではない。これを改善するために、液晶層のキャパシタンスを低下させる、すなわちΔεが正でありながら非常に小さい液晶組成物を用いることで、液晶層の誘起分極を低減させることができると考えられる。これにより液晶組成物自体の粘性も低下し、IPSやFFSモードとしては極めて速い応答速度を達成することが可能となる。
【0841】
前記液晶表示素子に使用される液晶セルの2枚の基板はガラス又はプラスチックの如き柔軟性をもつ透明な材料を用いることができ、一方はシリコン等の不透明な材料でも良い。透明電極層を有する透明基板は、例えば、ガラス板等の透明基板上にインジウムスズオキシド(ITO)をスパッタリングすることにより得ることができる。
【0842】
前記カラーフィルタは、例えば、顔料分散法、印刷法、電着法又は、染色法等によって作製することができる。顔料分散法によるカラーフィルタの作成方法を一例に説明すると、カラーフィルタ用の硬化性着色組成物を、該透明基板上に塗布し、パターニング処理を施し、そして加熱又は光照射により硬化させる。この工程を、赤、緑、青の3色についてそれぞれ行うことで、カラーフィルタ用の画素部を作製することができる。その他、該基板上に、TFT、薄膜ダイオード等の能動素子を設けた画素電極を設置してもよい。
【0843】
前記基板を、透明電極層が内側となるように対向させる。その際、スペーサーを介して、基板の間隔を調整してもよい。このときは、得られる調光層(液晶層)の厚さが1〜100μmとなるように調整するのが好ましい。1.5から10μmが更に好ましく、偏光板を使用する場合は、コントラストが最大になるように液晶の屈折率異方性Δnとセル厚Gとの積を調整することが好ましい。又、二枚の偏光板がある場合は、各偏光板の偏光軸を調整して視野角やコントラトが良好になるように調整することもできる。更に、視野角を広げるための位相差フィルムも使用することもできる。スペーサーとしては、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子、フォトレジスト材料などからなる柱状スペーサー等が挙げられる。その後、エポキシ系熱硬化性組成物等のシール剤を、液晶注入口を設けた形で該基板にスクリーン印刷し、該基板同士を貼り合わせ、加熱しシール剤を熱硬化させる。
【0844】
2枚の基板間に液晶組成物(必要により重合性化合物を含有する)を狭持させる方法は、通常の真空注入法又はODF法などを用いることができる。しかし真空注入法においては滴下痕が発生しない代わりに、注入の跡が残るという課題がある。本願発明においては、ODF法を用いて製造する表示素子に、より好適に使用することができる。ODF法の液晶表示素子製造工程においては、バックプレーンまたはフロントプレーンのどちらか一方の基板にエポキシ系光熱併用硬化性などのシール剤を、ディスペンサーを用いて閉ループ土手状に描画し、その中に脱気下で所定量の液晶組成物を滴下後、フロントプレーンとバックプレーンを接合することによって液晶表示素子を製造することができる。本発明の液晶組成物は、ODF工程における液晶組成物の滴下が安定的に行えるため、好適に使用することができる。
【0845】
重合性化合物を重合させる方法としては、液晶の良好な配向性能を得るためには、適度な重合速度が望ましいので、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を単一又は併用又は順番に照射することによって重合させる方法が好ましい。紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良いし、非偏光光源を用いても良い。また、重合性化合物含有液晶組成物を2枚の基板間に挟持させて状態で重合を行う場合には、少なくとも照射面側の基板は活性エネルギー線に対して適当な透明性が与えられていなければならない。また、光照射時にマスクを用いて特定の部分のみを重合させた後、電場や磁場又は温度等の条件を変化させることにより、未重合部分の配向状態を変化させて、更に活性エネルギー線を照射して重合させるという手段を用いても良い。特に紫外線露光する際には、重合性化合物含有液晶組成物に交流電界を印加しながら紫外線露光することが好ましい。印加する交流電界は、周波数10Hzから10kHzの交流が好ましく、周波数60Hzから10kHzがより好ましく、電圧は液晶表示素子の所望のプレチルト角に依存して選ばれる。つまり、印加する電圧により液晶表示素子のプレチルト角を制御することができる。横電界型MVAモードの液晶表示素子においては、配向安定性及びコントラストの観点からプレチルト角を80度から89.9度に制御することが好ましい。
【0846】
照射時の温度は、本発明の液晶組成物の液晶状態が保持される温度範囲内であることが好ましい。室温に近い温度、即ち、典型的には15〜35℃での温度で重合させることが好ましい。紫外線を発生させるランプとしては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を用いることができる。また、照射する紫外線の波長としては、液晶組成物の吸収波長域でない波長領域の紫外線を照射することが好ましく、必要に応じて、紫外線をカットして使用することが好ましい。照射する紫外線の強度は、0.1mW/cm
2〜100W/cm
2が好ましく、2mW/cm
2〜50W/cm
2がより好ましい。照射する紫外線のエネルギー量は、適宜調整することができるが、10mJ/cm
2から500J/cm
2が好ましく、100mJ/cm
2から200J/cm
2がより好ましい。紫外線を照射する際に、強度を変化させても良い。紫外線を照射する時間は照射する紫外線強度により適宜選択されるが、10秒から3600秒が好ましく、10秒から600秒がより好ましい。
【0847】
本発明の液晶組成物を用いた液晶表示素子は高速応答と表示不良の抑制を両立させた有用なものであり、特に、アクティブマトリックス駆動用液晶表示素子に有用であり、VAモード、PSVAモード、PSAモード、IPS(イン・プレーン・スイッチング)モード、VA−IPSモード、FFS(フリンジ・フィールド・スイッチング)モード又はECBモード用液晶表示素子に適用できる。
【0848】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る液晶表示素子(液晶ディスプレイの一例)の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0849】
図1は、互いに対向する二つの基板と、前記基板間に設けられたシール材と、前記シール材に囲まれた封止領域に封入された液晶とを備えている液晶表示素子を示す断面図である。
【0850】
具体的には、第1基板100上に、TFT層102、画素電極103を設け、その上からパッシベーション膜104及び第1配向膜105を設けたバックプレーンと、第2基板200上に、ブラックマトリックス202、カラーフィルタ203、平坦化膜(オーバーコート層)201、透明電極204を設け、その上から第2配向膜205を設け、前記バックプレーンと対向させたフロントプレーンと、前記基板間に設けられたシール材301と、前記シール材に囲まれた封止領域に封入された液晶層303とを備え、前記シール材301が接する基板面には突起(柱状スペーサー)302,304が設けられている液晶表示素子の具体的態様を示している。
【0851】
前記第1基板又は前記第2基板は、実質的に透明であれば材質に特に限定はなく、ガラス、セラミックス、プラスチック等を使用することができる。プラスチック基板としてはセルロ−ス、トリアセチルセルロ−ス、ジアセチルセルロ−ス等のセルロ−ス誘導体、ポリシクロオレフィン誘導体、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコ−ル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、さらにガラス繊維−エポキシ樹脂、ガラス繊維−アクリル樹脂などの無機−有機複合材料などを用いることができる。
【0852】
なおプラスチック基板を使用する際には、バリア膜を設けることが好ましい。バリア膜の機能は、プラスチック基板が有する透湿性を低下させ、液晶表示素子の電気特性の信頼性を向上することにある。バリア膜としては、それぞれ、透明性が高く水蒸気透過性が小さいものであれば特に限定されず、一般的には酸化ケイ素などの無機材料を用いて蒸着やスパッタリング、ケミカルベーパーデポジション法(CVD法)によって形成した薄膜を使用する。
【0853】
本発明においては、前記第1基板又は前記第2基板として同素材を使用しても異素材を使用してもよく、特に限定はない。ガラス基板を用いれば耐熱性や寸法安定性の優れた液晶表示素子を作製することができるので好ましい。またプラスチック基板であれば、ロールツウロール法による製造方法に適し且つ軽量化あるいはフレキシブル化に適しており好ましい。また、平坦性及び耐熱性付与を目的とするならば、プラスチック基板とガラス基板とを組み合わせると良い結果を得ることができる。
【0854】
なお後述の実施例においては、第1基板100又は第2基板200の材質として基板を使用している。
【0855】
バックプレーンには、第1基板100上に、TFT層102及び画素電極103を設けている。これらは通常のアレイ工程にて製造される。この上にパッシベーション膜104及び第1配向膜105を設けてバックプレーンが得られる。
【0856】
パッシベーション膜104(無機保護膜ともいう)はTFT層を保護するための膜で、通常は窒化膜(SiNx)、酸化膜(SiOx)等を化学的気相成長(CVD)技術等により形成する。
【0857】
また、第1配向膜105は、液晶を配向させる機能を有する膜であり、通常ポリイミドのような高分子材料が用いられることが多い。塗布液には、高分子材料と溶剤からなる配向剤溶液が使われる。配向膜はシール材との接着力を阻害する可能性があるため、封止領域内にパターン塗布する。塗布にはフレキソ印刷法のような印刷法、インクジェットのような液滴吐出法が用いられる。塗布された配向剤溶液は仮乾燥により溶剤が蒸発した後、ベーキングにより架橋硬化される。この後、配向機能を出すために、配向処理を行う。
【0858】
配向処理は通常ラビング法にて行われる。前述のように形成された高分子膜上を、レーヨンのような繊維から成るラビング布を用いて一方向にこすることにより液晶配向能が生じる。
【0859】
また、光配向法を用いることもある。光配向法は、光感受性を有する有機材料を含む配向膜上に偏光を照射することにより配向能を発生させる方法であり、ラビング法による基板の傷や埃の発生が生じない。光配向法における有機材料の例としては二色性染料を含有する材料がある。二色性染料としては、光二色性に起因するワイゲルト効果による分子の配向誘起もしくは異性化反応(例:アゾベンゼン基)、二量化反応(例:シンナモイル基)、光架橋反応(例:ベンゾフェノン基)、あるいは光分解反応(例:ポリイミド基)のような、液晶配向能の起源となる光反応を生じる基(以下、光配向性基と略す)を有するものを用いることができる。塗布された配向剤溶液は仮乾燥により溶剤が蒸発した後、任意の偏向を有する光(偏光)を照射することで、任意の方向に配向能を有する配向膜を得ることができる。
【0860】
一方のフロントプレーンは、第2基板200上に、ブラックマトリックス202、カラーフィルタ203、平坦化膜201、透明電極204、第2配向膜205を設けている。
【0861】
ブラックマトリックス202は、例えば、顔料分散法にて作製する。具体的にはバリア膜201を設けた第2基板200上に、ブラックマトリックス形成用に黒色の着色剤を均一分散させたカラーレジン液を塗布し、着色層を形成する。続いて、着色層をベーキングして硬化する。この上にフォトレジストを塗布し、これをプリベークする。フォトレジストにマスクパターンを通して露光した後に、現像を行って着色層をパターニングする。この後、フォトレジスト層を剥離し、着色層をベーキングしてブラックマトリックス202が完成する。
【0862】
あるいは、フォトレジスト型の顔料分散液を使用してもよい。この場合は、フォトレジスト型の顔料分散液を塗布し、プリベークしたのち、マスクパターンを通して露光した後に、現像を行って着色層をパターニングする。この後、フォトレジスト層を剥離し、着色層をベーキングしてブラックマトリックス202が完成する。
【0863】
カラーフィルタ203は、顔料分散法、電着法、印刷法あるいは染色法等にて作製する。顔料分散法を例にとると、(例えば赤色の)顔料を均一分散させたカラーレジン液を第2基板200上に塗布し、ベーキング硬化後、該上にフォトレジストを塗布しプリベークする。フォトレジストにマスクパターンを通して露光した後に現像を行い、パターニングする。この後フォトレジスト層を剥離し、再度ベーキングすることで、(赤色の)カラーフィルタ203が完成する。作製する色順序に特に限定はない。同様にして、緑カラーフィルタ203、青カラーフィルタ203を形成する。
【0864】
透明電極204は、前記カラーフィルタ203上に(必要に応じて前記カラーフィルタ203上に表面平坦化のためにオーバーコート層(201)を設け)を設ける。透明電極204は透過率が高い方が好ましく、電気抵抗が小さいほうが好ましい。透明電極204はITOなどの酸化膜をスパッタリング法などによって形成する。
【0865】
また、前記透明電極204を保護する目的で、透明電極204の上にパッシベーション膜を設ける場合もある。
【0866】
第2配向膜205は、前述の第1配向膜105と同じものである。
【0867】
以上、本発明で使用する前記バックプレーン及び前記フロントプレーンについての具体的態様を述べたが、本願においては該具体的態様に限定されることはなく、所望される液晶表示素子に応じた態様の変更は自由である。
【0868】
前記柱状スペーサーの形状は特に限定されず、その水平断面を円形、四角形などの多角形など様々な形状にすることができるが、工程時のミスアラインマージンを考慮して、水平断面を円形または正多角形にすることが特に好ましい。また該突起形状は、円錐台または角錐台であることが好ましい。
【0869】
前記柱状スペーサーの材質は、シール材もしくはシール材に使用する有機溶剤、あるいは液晶に溶解しない材質であれば特に限定されないが、加工及び軽量化の面から合成樹脂(硬化性樹脂)であることが好ましい。一方、前記突起は、フォトリソグラフィによる方法や液滴吐出法により、第一の基板上のシール材が接する面に設けることが可能である。このような理由から、フォトリソグラフィによる方法や液滴吐出法に適した、光硬化性樹脂を使用することが好ましい。
【0870】
例として、前記柱状スペーサーをフォトリソグラフィ法によって得る場合について説明する。
図2は、フォトマスクパターンとしてブラックマトリックス上に形成する柱状スペーサー作製用パターンを使用した露光処理工程の図である。
【0871】
前記フロントプレーンの透明電極204上に、柱状スペーサー形成用の(着色剤を含まない)レジン液を塗布する。続いて、このレジン層402をベーキングして硬化する。この上にフォトレジストを塗布し、これをプリベークする。フォトレジストにマスクパターン401を通して露光した後に、現像を行ってレジン層をパターニングする。この後、フォトレジスト層を剥離し、レジン層をベーキングして柱状スペーサー(
図1の302,304)が完成する。
【0872】
柱状スペーサーの形成位置はマスクパターンによって所望の位置に決めることができる。従って、液晶表示素子の封止領域内と封止領域外(シール材塗布部分)との両方を同時に作製することができる。また柱状スペーサーは封止領域の品質が低下することがないように、ブラックマトリックスの上に位置するように形成させることが好ましい。このようにフォトリソグラフィ法によって作製された柱状スペーサーのことを、カラムスペーサ又はフォトスペーサと呼ぶことがある。
【0873】
前記スペーサーの材質は、PVA−スチルバゾ感光性樹脂などのネガ型水溶性樹脂や多官能アクリル系モノマー、アクリル酸共重合体、トリアゾール系開始剤などの混合物が使用される。あるいはポリイミド樹脂に着色剤を分散させたカラーレジンを使う方法もある。本発明においては特に限定はなく、使用する液晶やシール材との相性に従い公知の材質でスペーサーを得ることができる。
【0874】
このようにして、フロントプレーン上の封止領域となる面に柱状スペーサーを設けた後、該バックプレーンのシール材が接する面にシール材(
図1における301)を塗布する。
【0875】
前記シール材の材質は特に限定はなく、エポキシ系やアクリル系の光硬化性、熱硬化性、光熱併用硬化性の樹脂に重合開始剤を添加した硬化性樹脂組成物が使用される。また、透湿性や弾性率、粘度などを制御するために、無機物や有機物よりなるフィラー類を添加することがある。これらフィラー類の形状は特に限定されず、球形、繊維状、無定形などがある。さらに、セルギャップを良好に制御するために単分散径を有する球形や繊維状のギャップ材を混合したり、基板との接着力をより強化するために、基板上突起と絡まりやすい繊維状物質を混合しても良い。このとき使用する繊維状物質の直径はセルギャップの1/5〜1/10以下程度が望ましく、繊維状物質の長さはシール塗布幅よりも短いことが望ましい。
【0876】
また、繊維状物質の材質は所定の形状が得られるものであれば特に限定されず、セルロース、ポリアミド、ポリエステルなどの合成繊維やガラス、炭素などの無機材料を適宜選ぶことが可能である。
【0877】
シール材を塗布する方法としては、印刷法やディスペンス法があるが、シール材の使用量が少ないディスペンス法が望ましい。シール材の塗布位置は封止領域に悪影響を及ぼさないように通常ブラックマトリックス上とする。次工程の液晶滴下領域を形成するため(液晶が漏れないように)、シール材塗布形状は閉ループ形状とする。
【0878】
前記シール材を塗布したフロントプレーンの閉ループ形状(封止領域)に液晶を滴下する。通常はディスペンサーを使用する。滴下する液晶量は液晶セル容積と一致させるため、柱状スペーサーの高さとシール塗布面積とを掛け合わせた体積と同量を基本とする。しかし、セル貼り合わせ工程における液晶漏れや表示特性の最適化のために、滴下する液晶量を適宜調整することもあれば、液晶滴下位置を分散させることもある。
【0879】
次に、前記シール材を塗布し液晶を滴下したフロントプレーンに、バックプレーンを貼り合わせる。具体的には、静電チャックのような基板を吸着させる機構を有するステージに前記フロントプレーンと前記バックプレーンとを吸着させ、フロントプレーンの第2配向膜とバックプレーンの第1配向膜とが向きあい、シール材ともう一方の基板が接しない位置(距離)に配置する。この状態で系内を減圧する。減圧終了後、フロントプレーンとバックプレーンとの貼り合せ位置を確認しながら両基板位置を調整する(アライメント操作)。貼り合せ位置の調整が終了したら、フロントプレーン上のシール材とバックプレーンとが接する位置まで基板を接近させる。この状態で系内に不活性ガスを充填させ、徐々に減圧を開放しながら常圧に戻す。このとき、大気圧によりフロントプレーンとバックプレーンが貼り合わされ、柱状スペーサーの高さ位置でセルギャップが形成される。この状態でシール材に紫外線を照射してシール材を硬化することによって液晶セルを形成する。この後、場合によって加熱工程を加え、シール材硬化を促進する。シール材の接着力強化や電気特性信頼性の向上のために、加熱工程を加えることが多い。
【0880】
以下、本発明のさらに好ましい液晶表示素子の形態について説明する。
【0881】
本発明に係る液晶表示素子の第二の好ましい実施形態は、第一の配向層および薄膜トランジスタを含む電極層を表面に有する第一の基板と、第二の配向層を表面に有する第二の基板とが配向層同士向かい合うよう離間して配置され、当該前記第一の基板と第二の基板との間に液晶組成物を含む液晶層が充填された液晶表示素子であって、前記薄膜トランジスタを含む電極層は、網目状に配置される複数個のゲート配線及びデータ配線と、前記ゲート配線と前記データ配線との各交差部に設けられる薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続された画素電極と、前記画素電極と離間して第一の基板上に設けられる共通電極と、を備えることが好ましい。また、前記液晶層に近接して設けられている第一の配向層および第二の配向層は、液晶組成物に対してホモジニアス配向を誘起する配向膜であることが好ましい。
【0882】
すなわち、前記液晶表示素子は、第二の偏光板と、第二の基板と、薄膜トランジスタを含む電極層(又は薄膜トランジスタ層とも称する)と、配向膜と、液晶組成物を含む液晶層と、配向膜と、カラーフィルタと、第一の基板と、第一の偏光板と、が順次積層された構成であることが好ましい。
【0883】
共通電極と画素電極とを同一の基板(または電極層)上に離間して設けることで、前記共通電極と前記画素電極との間に生じる電界(E)が平面方向成分を有することができる。そのため、例えば液晶組成物に対してホモジニアス配向を誘起する配向膜を前記配向層に用いると、共通電極と画素電極との間に電圧をかける前は配向膜の配向方向である面方向に配列している液晶分子が光を遮断し、電圧をかけると平面方向にかかる電界(E)により液晶分子が水平に回転して、当該電界方向に沿って配列することで光を遮断する素子を提供できる。
【0884】
また、本発明に係る液晶表示素子の形態としては、いわゆるカラーフィルタオンアレイ(COA)であってもよく、薄膜トランジスタを含む電極層と液晶層との間にカラーフィルタを設けても、または当該薄膜トランジスタを含む電極層と第二の基板との間にカラーフィルタを設けてもよい。すなわち、発明に係る液晶表示素子の構成は、薄膜トランジスタを含む電極層3が形成されている第一の基板と同一の基板側にカラーフィルタ6が形成されていることが好ましい。
【0885】
なお、本明細書における「基板上」とは、基板と直接当接するだけでなく間接的に当接する、いわゆる基板に支持されている状態も含む。
【0886】
本発明に係る液晶表示組成における第二の実施形態のより好ましい別の形態(FFS)は、第一の配向層および薄膜トランジスタを含む電極層を表面に有する第一の基板と、第二の配向層を表面に有する第二の基板とが配向層同士向かい合うよう離間して配置され、当該前記第一の基板と第二の基板との間に液晶組成物を含む液晶層が充填された液晶表示素子であって、前記薄膜トランジスタを含む電極層は、網目状に配置される複数個のゲート配線及びデータ配線と、前記ゲート配線と前記データ配線との各交差部に設けられる薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続された画素電極と、前記画素電極と離間して共に第一の基板上に並設されている共通電極と、を備え、近接する前記共通電極と前記画素電極との最短離間距離dが前記配向層同士の最短離間距離Gより短いことが好ましい。
【0887】
なお本明細書において、共通電極と画素電極との最短離間距離dが、配向層同士の最短離間距離Gより長い条件の液晶表示素子をIPS方式の液晶表示素子と称し、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが、配向層同士の最短離間距離Gより短い条件の素子をFFSと称する。したがって、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが、配向層同士の最短離間距離Gより短いことだけがFFS方式の条件であるため、当該共通電極の表面と画素電極との表面との厚さ方向の位置関係に制限はない。そのため、本発明に係るFSS方式の液晶表示素子としては、
図3〜
図7のように、画素電極が共通電極より液晶層側に設けられてもよく、画素電極と共通電極とが同一面上に設けられていても良い。
【0888】
本発明に係る液晶組成物は特にFFS駆動方式(FFS−LCD)の液晶表示素子に使用すると、液晶層の誘起分極を低減させることができる。また、高速応答、焼き付きの低減の観点で好ましい。
【0889】
本発明に係る第二の実施形態のより好ましい実施形態の一例を
図3〜
図7を用いて以下説明する。
図3は、液晶表示素子の一態様の構造を模式的に示す分解斜視図であり、いわゆるFFS方式の液晶表示素子である。本発明に係る液晶表示素子10は、第二の偏光板8と、第二の基板7と、薄膜トランジスタを含む電極層(又は薄膜トランジスタ層とも称する)3と、配向膜4と、液晶組成物を含む液晶層5と、配向膜4と、カラーフィルタ6と、第一の基板2と、第一の偏光板1と、が順次積層された構成であることが好ましい。また、
図3に示すように、前記第二の基板7および前記第一の基板2は、一対の偏光板1,8により挟持されてもよい。さらに、
図3では、前記第二の基板7と配向膜4との間にカラーフィルタ6が設けられている。さらに、本発明に係る液晶層5と近接し、かつ当該液晶層5を構成する液晶組成物と直接当接するよう一対の配向膜4を(透明)電極(層)3に形成してもよい。
【0890】
本発明に係る液晶表示素子10の他の好適な形態としては、いわゆるカラーフィルタオンアレイ(COA)であってもよく、薄膜トランジスタ層3と液晶層5との間にカラーフィルタ6を設けても、または当該薄膜トランジスタ層3と第一の基板2との間にカラーフィルタ6を設けてもよい。
【0891】
FFS方式の液晶表示素子は、フリンジ電界を利用するものであり、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが、配向層同士の最短離間距離Gより短いと、共通電極と画素電極との間にフリンジ電界が形成され、液晶分子の水平方向および垂直方向の配向を効率的に利用することができる。すなわち、FFS方式の液晶表示素子の場合は、画素電極21の櫛歯形を形成するラインに対して垂直な方向に形成される水平方向の電界と、放物線状の電界を利用することができる。
【0892】
図4は、
図3における基板上に形成された薄膜トランジスタを含む電極層3(または薄膜トランジスタ層3とも称する。)のIIの領域を拡大した平面図である。ゲート配線26とデータ配線25が互いに交差している交差部近傍において、ソース電極27、ドレイン電極24およびゲート電極28を含む薄膜トランジスタ20が、画素電極21に表示信号を供給するスイッチ素子として前記画素電極21と連結して設けられている。当該
図4では一例として、櫛歯状の画素電極21の背面に絶縁層(図示せず)を介して平板体状の共通電極22が一面に形成されている構成を示す。また、前記画素電極21の表面には保護絶縁膜及び配向膜層によって被覆されていてもよい。なお、前記複数のゲート配線26と複数のデータ配線25とに囲まれた領域にはデータ配線25を介して供給される表示信号を保存するストレイジキャパシタ23を設けてもよい。さらに、ゲート配線26と並行して、共通ライン29が設けられる。この共通ライン29は、共通電極22に共通信号を供給するために、共通電極22と連結している。
【0893】
図5は、
図4におけるIII−III線方向に液晶表示素子を切断した断面図の一例である。配向層4および薄膜トランジスタ20(11,12,13,14,15,16,17)を含む電極層3が表面に形成された第一の基板2と、配向層4が表面に形成された第二の基板7と、が所定の間隔Gで配向層同士向かい合うよう離間しており、この空間に液晶組成物を含む液晶層5が充填されている。前記第一の基板2の表面の一部にゲート絶縁膜12が形成され、さらに当該ゲート絶縁膜12の表面の一部に共通電極22が形成されており、更に前記共通電極22および薄膜トランジスタ20を覆うよう絶縁膜18が形成されている。また、前記絶縁膜18上に画素電極21が設けられており、当該画素電極21は配向層4を介して液晶層5と接している。そのため、画素電極と共通電極との最小離間距離dは、ゲート絶縁膜12の(平均)膜厚として調整することができる。また、換言すると、
図5の実施形態では、画素電極と共通電極間の基板に水平方向の距離は0になる。画素電極21の櫛歯状部分の電極幅:l、及び、画素電極21の櫛歯状部分の間隙の幅:mは、発生する電界により液晶層5内の液晶分子が全て駆動され得る程度の幅に形成することが好ましい。
【0894】
図3〜7で示すように、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが配向層同士の最短離間距離Gより短い条件であるFFS方式の液晶表示素子の場合、長軸方向が、配向層の配向方向と平行になるように配置している液晶分子に電圧を印加すると、画素電極21と共通電極22との間に放物線形の電界の等電位線が画素電極21と共通電極22の上部にまで形成され、液晶層5内の液晶分子は、形成された電界に沿って液晶層5内を回転してスイッチング素子としての作用を奏する。より詳細には、例えば液晶組成物に対してホモジニアス配向を誘起する配向膜を前記配向層に用いると、共通電極と画素電極との間に電圧をかける前は配向膜の配向方向である面方向に配列している液晶分子が光を遮断し、電圧をかけると共通電極と画素電極とが同一の基板(または電極層)上に離間して設けられていることに起因する平面方向成分の電界と、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが配向層同士の最短離間距離Gより短いことにより発生するこれら電極の縁由来の垂直方向成分の電界(フリンジ電界)とが発生するため、低い誘電率異方性を有する液晶分子であっても駆動することができる。そのため、液晶組成物自体の特性が高い誘電率異方性(Δε)を有する化合物の量を極力低減することができるため、液晶組成物自体に低粘度の化合物を多く含有させることが可能になる。
【0895】
また、本発明に係る液晶組成物のように低粘度の化合物を多く含有する場合に生じる液晶化合物の析出などの低温安定性に関する問題点についても、一般式(i)と一般式(M−1)との組み合わせ、より好ましくは一般式(i)と、一般式(M−1)と、一般式(L)との組み合わせを採用することによりかかる問題点が解決できるため、本発明に係る液晶組成物をFFSに適用すると最大限にその特性を発揮することができる。
【0896】
本発明に係る液晶組成物のΔεが5以下の比較的低い誘電率異方性を有する液晶分子を用いるため、液晶分子の長軸方向が、発生した電界方向に沿って配列するが、IPS方式と比べて電極間距離が短いため低電圧駆動が可能という観点でΔεが5以下の比較的低い誘電率異方性を有する液晶分子でも駆動することができる。したがって、大きな誘電率異方性を有する液晶分子を用いたFFS方式以外の駆動方式の液晶表示素子に比べて、優れた特性を得ることができる。
【0897】
本発明に係る液晶表示組成における第二の実施形態のより好ましい別の形態の構成は(FFS)、第一の配向層および薄膜トランジスタを含む電極層を表面に有する第一の基板と、第二の配向層を表面に有する第二の基板とが配向層同士向かい合うよう離間して配置され、当該前記第一の基板と第二の基板との間に液晶組成物を含む液晶層が充填された液晶表示素子であって、前記薄膜トランジスタを含む電極層は、共通電極と、網目状に配置される複数個のゲート配線及びデータ配線と、前記ゲート配線と前記データ配線との各交差部に設けられる薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続された画素電極と、を備え、かつ前記画素電極が前記共通電極より第二の基板側に突出して設けられていることが好ましい。また、前記液晶層に近接して設けられている第一の配向層および第二の配向層は、液晶組成物に対してホモジニアス配向を誘起する配向膜であることが好ましい。
【0898】
図6は、
図3における基板上に形成された薄膜トランジスタを含む電極層3(または薄膜トランジスタ層3とも称する。)のIIの領域を拡大した平面図の別の形態である。ゲート配線26とデータ配線25が互いに交差している交差部近傍において、ソース電極27、ドレイン電極24およびゲート電極28を含む薄膜トランジスタ20が、画素電極21に表示信号を供給するスイッチ素子として前記画素電極21と連結して設けられている。また、画素電極21は少なくとも一つの切欠き部でくり抜かれた構造であってもよく、当該
図6にその一例を示す。前記画素電極21は、四角形の平板体の中央部および両端部が三角形状の切欠き部でくり抜かれ、さらに残る領域を8つの長方形状の切欠き部でくり抜かれた形状であり、かつ共通電極22が櫛歯体(図示せず)である。また、前記画素電極の表面には保護絶縁膜及び配向膜層によって被覆されていてもよい。なお、前記複数のゲート配線25と複数のデータ配線24とに囲まれた領域にはデータ配線24を介して供給される表示信号を保存するストレイジキャパシタ23を設けてもよい。なお、上記切欠き部の形状や数などは特に制限されることは無い。
【0899】
図7は、
図6において、
図4と同様のIII−III方向の位置で液晶表示素子を切断した断面図の他の形態の一例である。すなわち、前記
図5の液晶表示素子の構造との相違点は、
図5に示す液晶表示素子は、共通電極が平板体であり、かつ画素電極が櫛歯体である。一方、上記で説明したように、
図7に示す液晶表示素子においては、画素電極21は、四角形の平板体の中央部および両端部が三角形状の切欠き部でくり抜かれ、さらに残る領域を8つの長方形状の切欠き部でくり抜かれた形状であり、かつ共通電極が櫛歯体の構造である。そのため、画素電極と共通電極との最小離間距離dは、ゲート絶縁膜12の(平均)膜厚以上、かつ配向層離間距離G未満になる。また、
図7では共通電極が櫛歯体の構造であるが、この実施形態でも共通電極を平板体にしてもよい。また、いずれにおいても、本発明に係るFFS方式の液晶表示素子は、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが配向層同士の最短離間距離Gより短い条件を満たしさえすればよい。さらに、
図7に示す液晶表示素子の構成では、画素電極21が保護膜18で覆われているが、
図5に示す液晶表示素子の構成では、画素電極21が配向層4で被覆されている。本発明においては、画素電極は保護膜または配向膜のいずれにも被覆されてもよい。
【0900】
また、
図7において、第一の基板2の一方の表面には偏光板が形成され、かつ他方の表面の一部に形成された櫛歯状の共通電極22を覆うようゲート絶縁膜12が形成され、当該ゲート絶縁膜12の表面の一部に画素電極21が形成されており、更に前記画素電極21および薄膜トランジスタ20を覆うよう絶縁膜18が形成されている。また、前記絶縁膜18上に配向層4、液晶層5、配向層4、カラーフィルタ6、第二の基板7および偏光板8が積層している。そのため、画素電極と共通電極との最小離間距離dは、両電極位置、画素電極21の櫛歯状部分の電極幅:l、または画素電極21の櫛歯状部分の間隙の幅:mで調整することができる。
【0901】
図7のように、前記画素電極が前記共通電極より第二の基板側に突出し、かつ両者とも第一の基板上に並列して設けられていると、前記共通電極と前記画素電極との間で平面方向成分の電界を形成し、かつ画素電極の表面と共通電極の表面との厚み方向の高さが相違するため、厚み方向成分の電界(E)も同時にかけることができる。
【0902】
なお、FFS方式の液晶表示素子は、フリンジ電界を利用するものであり、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが、配向層同士の最短離間距離Gより短い条件であれば特に制限されることは無いため、例えば、櫛歯状の画素電極の複数の歯部および櫛歯状の共通電極の複数の歯部が離間して噛合した状態で基板上に設けられて構成であってもよい。この場合、共通電極の歯部と画素電極の歯部との離間距離を配向層同士の最短離間距離Gより短くすればフリンジ電界を利用することができる。
【0903】
本発明の組成物と液晶組成物をFFS方式の液晶表示素子に使用した場合は、用いる液晶組成物のΔεが低いという観点から高速応答、焼き付きの低減という効果を奏することができる。
【実施例】
【0904】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は「質量%」を意味する。
【0905】
実施例中、測定した特性は以下の通りである。
【0906】
Tni :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
Δn :295Kにおける屈折率異方性(別名:複屈折率)
Δε :295Kおける誘電率異方性
η :295Kにおける粘度(mPa・s)
γ1 :295Kにおける回転粘性(mPa・s)
VHR:周波数60Hz,印加電圧5Vの条件下で313Kにおける電圧保持率(%)
焼き付き:
液晶表示素子の焼き付き評価は、表示エリア内に所定の固定パターンを1440時間表示させた後に、全画面均一な表示を行ったときの固定パターンの残像のレベルを目視にて以下の4段階評価で行った。
【0907】
◎残像無し
○残像ごく僅かに有るも許容できるレベル
△残像有り許容できないレベル
×残像有りかなり劣悪
揮発性/製造装置汚染性 :
液晶材料の揮発性評価は、真空攪拌脱泡ミキサーの運転状態をストロボスコープで照らしながら観察し、液晶材料の発泡を目視により観察することによって行った。具体的には、容量2.0Lの真空攪拌脱泡ミキサーの専用容器に液晶組成物を0.8kg入れ、4kPaの脱気下、公転速度15S
−1、自転速度7.5S
−1で真空攪拌脱泡ミキサーを運転し、発泡が始まるまでの時間によって、以下の4段階評価で行った。
【0908】
◎発泡まで3分以上。揮発による装置汚染の可能性が低い。
【0909】
○発泡まで1分以上かつ3分未満。揮発による軽微な装置汚染の懸念あり。
【0910】
△発泡まで30秒以上かつ1分未満。揮発による装置汚染が起きる。
【0911】
×発泡まで30秒以内。揮発による重大な装置汚染の懸念がある。
【0912】
プロセス適合性:
プロセス適合性は、ODFプロセスにおいて、定積計量ポンプを用いて1回に40pLずつ液晶を滴下することを100000回行い、次の「0〜200回、201〜400回、401〜600回、・・・・99801〜100000回」の各200回ずつ滴下された液晶量の変化を以下の4段階で評価した。
【0913】
◎変化が極めて小さい(安定的に液晶表示素子を製造できる)
○変化が僅かに有るも許容できるレベル
△変化が有り許容できないレベル(斑発生により歩留まりが悪化)
×変化が有りかなり劣悪(液晶漏れや真空気泡が発生)
低温での溶解性:
低温での溶解性評価は、液晶組成物を調製後、1mLのサンプル瓶に液晶組成物を0.5g秤量し、これに温度制御式試験槽の中で、次を1サイクル「−20℃(1時間保持)→昇温(0.2℃/毎分)→0℃(1時間保持)→昇温(0.2℃/毎分)→20℃(1時間保持)→降温(−0.2℃/毎分)→0℃(1時間保持)→降温(−0.2℃/毎分)→−20℃」として温度変化を与え続け、目視にて液晶組成物からの析出物の発生を観察し、以下の4段階評価を行った。
【0914】
◎600時間以上析出物が観察されなかった。
【0915】
○300時間以上析出物が観察されなかった。
【0916】
△150時間以内に析出物が観察された。
【0917】
×75時間以内に析出物が観察された。
【0918】
実施例において化合物の記載について以下の略号を用いる。
【0919】
(側鎖構造及び連結構造)
【0920】
尚、実施例において化合物の記載について以下の略号を用いる。
(側鎖)
−n −C
nH
2n+1 炭素原子数nの直鎖状アルキル基
−On −OC
nH
2n+1 炭素原子数nの直鎖状アルコキシ基
−V(またはV0) −C=CH
2 ビニル基
−Vn −C=C−C
nH
2n+1 炭素原子数(n+1)の1−アルケン
−F −F フッ素原子
F− −F フッ素原子
n− CnH
2n+1− 炭素数nの直鎖状のアルキル基
nO− CnH
2n+1O− 炭素数nの直鎖状のアルコキシル基
V− CH
2=CH−
−V1 −CH=CH−CH
3
1V− CH
3−CH=CH−
−2V −CH
2−CH
2−CH=CH
3
V2− CH
3=CH−CH
2−CH
2−
−2V1 −CH
2−CH
2−CH=CH−CH
3
1V2− CH
3−CH=CH−CH
2−CH
2
−COO− −COO−(エステル基)
−CF2O− −CF
2O−基
(環構造)
【0921】
【化374】
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【0922】
(実施例)
【0923】
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【0924】
実施例1〜6の液晶組成物について前述の方法を用いて低温での溶解性評価を行ったところ、実施例3及び実施例5は300時間以上析出が観察されず、実施例1、実施例2、実施例4及び実施例6は600時間以上析出が観察されなかった。
【0925】
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0926】
実施例7〜12の液晶組成物について前述の方法を用いて低温での溶解性評価を行ったところ、実施例10及び実施例12は300時間以上析出が観察されず、実施例7、実施例8、実施例9及び実施例11は600時間以上析出が観察されなかった。
(比較例)
【0927】
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0928】
比較例1及び比較例2の液晶組成物について前述の方法を用いて低温での溶解性評価を行ったところ、いずれの組成物も150時間以内に析出物が観察された。