特許第5958731号(P5958731)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5958731
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】光学素子及びそれを用いた液晶パネル
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/30 20060101AFI20160719BHJP
   G02F 1/13363 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   G02B5/30
   G02F1/13363
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2010-77587(P2010-77587)
(22)【出願日】2010年3月30日
(65)【公開番号】特開2011-209537(P2011-209537A)
(43)【公開日】2011年10月20日
【審査請求日】2013年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124970
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 通洋
(72)【発明者】
【氏名】秋山 英也
【審査官】 南 宏輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−309772(JP,A)
【文献】 特開2006−284736(JP,A)
【文献】 特開2006−284735(JP,A)
【文献】 特開2007−193017(JP,A)
【文献】 特開2004−198480(JP,A)
【文献】 特開2004−226753(JP,A)
【文献】 特開2001−318223(JP,A)
【文献】 特開2005−272614(JP,A)
【文献】 特開2009−041007(JP,A)
【文献】 特開2006−268033(JP,A)
【文献】 特開2007−301986(JP,A)
【文献】 特開2008−006810(JP,A)
【文献】 特開2007−226016(JP,A)
【文献】 特開2009−139712(JP,A)
【文献】 特開2007−071932(JP,A)
【文献】 特開平09−090333(JP,A)
【文献】 特開2005−134521(JP,A)
【文献】 特開2006−209097(JP,A)
【文献】 特開2007−114449(JP,A)
【文献】 特開2007−178624(JP,A)
【文献】 特開2012−003114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/30
G02F 1/1335−1/13363
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の一方の面に設けられた光配向膜層および重合性液晶組成物の層を有する積層体であり、かつ前記重合性液晶組成物層中の重合性基を有する液晶化合物を配向させた状態で重合させた位相差膜を1層または複数層と、
粘着剤層と、
前記位相差膜と前記粘着剤層との間に前記位相差膜と当接して設けられたガラス転移温度80℃以上の等方性樹脂層と、を有することを特徴とする光学素子。
【請求項2】
前記基板の他方の面に設けられた偏光子をさらに含む、請求項1に記載の光学素子。
【請求項3】
前記偏光子の表面に粘着剤が設けられている、請求項2に記載の光学素子。
【請求項4】
前記偏光子の表面にさらに保護フィルムが設けられている、請求項2または3に記載の光学素子。
【請求項5】
前記等方性樹脂層は、インキおよび塗料に使用されている(メタ)アクリル系樹脂、アクリルアルキッド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂およびエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項6】
請求項1〜5に記載の光学素子をパネル全面に貼り付けてなることを特徴とする液晶パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相差性をコントロールする目的で液晶パネルの前面に貼り付けて使用する光学素子に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に液晶パネル(液晶ディスプレイ、液晶表示装置、LCD)は、位相差性をコントロールする目的で、位相差膜がパネル前面(視認面)に設置されている。最近では位相差膜として、塗布法で作成できる、光配向膜層と重合性液晶組成物の重合層からなる位相差膜(これは、基板上に、光配向膜層と重合性液晶組成物の層とを有する積層体の、前記重合性液晶組成物層中の重合性基を有する液晶化合物を配向させた状態で重合させて得る方法が一般的である)が検討されている(例えば特許文献1参照)。また前記位相差膜に粘着層を設けておき、別途作成した液晶パネル前面に貼り付ける方法も行われており、位相差膜の他に偏光板等を組み入れた粘着層付きの光学素子が検討されている(例えば特許文献2参照)。
【0003】
前記位相差膜を粘着層で貼り付けた液晶パネルの品質管理試験として、耐熱性試験がある。これは通常、使用されているプラスチック部品等の耐熱温度を加味して80℃〜90℃程度の高温で行われる試験である。しかしながらこの試験において、貼り付けた位相差膜の位相差が低下するといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−209097号公報
【特許文献2】特開2007−140480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、耐熱性試験においても位相差が低下しない、粘着層付きの位相差膜である光学素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、位相差膜と粘着層との間に、ガラス転移温度80℃以上の等方性樹脂層を有することで、前記課題を解決した。
位相差膜は前述の通り、光配向膜上に重合性液晶を塗布し重合性液晶を配向させた状態で硬化させている。粘着層は該硬化した重合性液晶層に直接接触するように設けられており、該粘着層が耐熱試験において流動し、硬化した重合性液晶層の配向に影響を与えることを見出し、該該位相差膜と粘着層との間に、耐熱試験によって流動しないガラス転移温度80℃以上の等方性樹脂層を設けることで、前記課題を解決できることを見出した。
【0007】
即ち本発明は、基板上に、少なくとも光配向膜層と重合性液晶組成物の層とを有する積層体の、前記重合性液晶組成物層中の重合性基を有する液晶化合物を配向させた状態で重合させた位相差膜を1層もしくは複数層と、粘着剤層とをこの順に有してなる光学素子であって、前記位相差膜層と前記粘着剤層との間にガラス転移温度80℃以上の等方性樹脂層を有する光学素子を提供する。
【0008】
また本発明は、前記記載の光学素子をパネル前面に貼り付けてなる液晶パネルを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、耐熱性試験においても位相差が低下しない、粘着層付きの位相差膜である光学素子を得ることが可能となる。本発明の光学素子をパネル全面に貼り付けてなる液晶パネルは、耐熱性試験においても位相差が低下しないので、耐熱性試験後も良好な表示を保持し続けることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(位相差膜)
本発明で使用する位相差膜は、基板上に、少なくとも光配向膜と重合性液晶組成物の層とを有する積層体の、前記重合性液晶組成物層中の重合性基を有する液晶化合物を配向させた状態で重合させた膜である。
【0011】
(位相差膜 基板)
本発明で使用する基板としては実質的に透明であれば材質に特に限定はなく、ガラス、セラミックス、プラスチック等を使用することができる。プラスチック基板としてはセルロ−ス、トリアセチルセルロ−ス、ジアセチルセルロ−ス等のセルロ−ス誘導体、ポリシクロオレフィン誘導体、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコ−ル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリエーテルサルホン、ポリアリレートなどを用いることができる。
【0012】
(位相差膜 光配向膜層)
本発明で使用する光配向膜とは、後述の、光の吸収により液晶配向能を生じる基(光配向性基)を有する化合物(以下光配向性化合物と称す)を含有する、液晶配向能を有する膜である。
光配向性基とは、光を照射することで生じる、光二色性に起因するワイゲルト効果による分子の配向誘起もしくは異性化反応(例:アゾベンゼン基)、二量化反応(例:シンナモイル基)、光架橋反応(例:ベンゾフェノン基)、あるいは光分解反応(例:ポリイミド基)のような、液晶配向能の起源となる光反応を生じる基を表す。中でも、光二色性に起因するワイゲルト効果による分子の配向誘起もしくは異性化反応、二量化反応、あるいは光架橋反応を利用したものが、配向性に優れ、重合性液晶を簡単に配向させることができ好ましい。
具体的には、前記光配向性基が吸収しうる波長の偏光を、塗膜表面あるいは塗膜表面とは反対側の基板側から、面に対して垂直に、あるいは斜め方向から照射すればよい。また、光配向性基が、ワイゲルト効果による分子の配向誘起もしくは異性化反応等を利用する基である場合には、該基が効率よく吸収する波長の非偏光を、塗膜表面あるいは基板側から、面に対して斜め方向から照射し液晶配向機能を与えてもよい。また、偏光と非偏光とを組み合わせても良い。
偏光は直線偏光、楕円偏光のいずれでも良いが、効率よく光配向を行うためには、消光比の高い直線偏光を用いることが好ましい。
光配向性基としては特に限定されないが、中でも、C=C、C=N、N=N、及びC=Oからなる群より選ばれる少なくとも一つの二重結合(但し、芳香環を形成する二重結合を除く)を有する基が特に好ましく用いられる。
【0013】
これらの光配向性基として、C=C結合を有する基としては、例えば、ポリエン基、スチルベン基、スチルバゾ−ル基、スチルバゾリウム基、シンナモイル基、ヘミチオインジゴ基、カルコン基等の構造を有する基が挙げられる。C=N結合を有する基としては、芳香族シッフ塩基、芳香族ヒドラゾン等の構造を有する基が挙げられる。N=N結合を有する基としては、アゾベンゼン基、アゾナフタレン基、芳香族複素環アゾ基、ビスアゾ基、ホルマザン基等の構造を有する基や、アゾキシベンゼンを基本構造とするものが挙げられる。C=O結合を有する基としては、ベンゾフェノン基、クマリン基、アントラキノン基等の構造を有する基が挙げられる。これらの基は、アルキル基、アルコキシ基、アリ−ル基、アリルオキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、ハロゲン化アルキル基等の置換基を有していても良い。
【0014】
中でも、光異性化反応により光配向性を示すアゾベンゼン基又はアントラキノン基、あるいは、光二量化反応により光配向性を示すベンゾフェノン基、シンナモイル基、カルコン基、又はクマリン基が、光配向に必要な偏光の照射量が少なく、かつ得られた光配向膜の熱安定性、経時安定性が優れているため、特に好ましい。
【0015】
光配向性化合物は公知であり、具体的には例えば、特開2002−250924号公報や特開2002−317013号公報に記載の化合物をあげることができる。
【0016】
一般に、光配向性化合物の分子量は、重量平均分子量に換算して1×10〜1×10の範囲が好ましく、低分子化合物でも、光配向性基を有するポリマーであってもよい。あまり分子量が高くなると、光配向性基が系中で動きづらくなり、光に対して感度が下がる傾向にあるので、1×10〜1×10の範囲がより好ましく、1×10〜5×10の範囲が更に好ましい。前記光配向性基を有するポリマーの分子量は、重量平均分子量に換算して1×10〜1×10程度が好ましい。中でも低分子の光配向性化合物が、光の応答性が早く、一様に配向させることができ好ましい。
【0017】
(位相差膜 重合性液晶組成物層)
本発明で使用する重合性液晶組成物は、前記光配向膜層を有する基板上に塗布または印刷し、前記重合性液晶組成物層中の重合性基を有する液晶化合物を配向させた状態で重合させる。
ここで使用する重合性液晶組成物としては、汎用の重合性液晶組成物を使用することができる。また、重合性液晶組成物を塗布または印刷する方法、配向させる方法、及び重合方法については特に限定されることなく、公知の方法で得ることができる。
例えば、ハンドブック オブ リキッド クリスタルズ Handbook of Liquid Crystals (ディー デムス D. Demus, ジェー ダブル グッドビー J. W. Goodby, ジー ダブル グレイ G. W. Gray, エイチ ダブル スピース H. W. Spiess, ブイ ビル V. Vill編集、ワイリー ブイ シーエイチ Wiley−VCH 社発行、1998年)、季刊化学総説No.22、液晶の化学(日本化学会編、1994年)、あるいは、特開平7−294735号公報、特開平8−3111号公報、特開平8−29618号公報、特開平11−80090号公報、特開平11−148079号公報、特開2000−178233号公報、特開2002−308831号公報、特開2002−145830号公報に記載されているような、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基等の構造が複数繋がったメソゲンと呼ばれる剛直な部位と、(メタ)アクリロイル基、ビニルオキシ基、エポキシ基といった重合性基とを有する棒状液晶化合物が挙げられる。
【0018】
また、例えば、ハンドブック オブ リキッド クリスタルズ Handbook of Liquid Crystals (ディー デムス D. Demus, ジェー ダブル グッドビー J. W. Goodby, ジー ダブル グレイ G. W. Gray, エイチ ダブル スピース H. W. Spiess, ブイ ビル V. Vill編集、ワイリー ブイ シーエイチ Wiley−VCH 社発行、1998年)、季刊化学総説No.22、液晶の化学(日本化学会編、1994年)や、特開平07−146409号公報に記載されている重合性基を有するディスコティック液晶化合物が挙げられる。中でも、重合性基を有する棒状液晶化合物が、液晶相温度範囲が室温前後の低温を含むものを作りやすく好ましい。
【0019】
塗布または印刷方法としては、スピンコーター、キャップコーター、ダイコーター、マイクログラビアコーターなどにより塗布する方法や、フレキソ印刷法やグラビア印刷法などにより印刷する方法などがある。
【0020】
また、配向させる方法には特に限定はないが、例えば、重合性液晶組成物溶液を塗布または印刷後、必要に応じてホットプレートや恒温槽により有機溶媒を乾燥させ、重合性液晶組成物の等方相−液晶相転移温度まで加熱し、それから液晶相を示す温度まで徐々に冷却を行う方法がある。一端等方相にしてから液晶相に戻すことで、配向均一性をより向上させることができる。有機溶媒を乾燥させる温度は、乾燥後の重合性液晶組成物が液晶相を示す温度であれば良く、溶媒を徐々に乾燥するような温度は、配向の均一性が良好となるため好ましい。
【0021】
また、重合方法としては、例えば、本発明の製造方法で得た光配向膜が有する光の吸収帯とは異なる光吸収波長帯域を持つ光重合開始剤を予め重合性液晶組成物あるいは光配向膜の一方又は両方に添加しておき、重合性液晶組成物を配向させた後、光重合開始剤の吸収帯を有する光を照射して重合する方法や、熱重合開始剤を予め前記と同様に添加したおき、重合性液晶組成物を配向させた後、加熱し重合する方法等が上げられる。
このようにして、位相差膜が得られる。
【0022】
(位相差膜 粘着剤)
粘着剤は感圧接着剤とも呼称される接着剤の一種で、一般的には常温で短時間、わずかな圧力を加えるだけで、被着体同士を接着させることが可能である。前記位相差膜上に設ける粘着剤層は、公知の粘着剤を使用してよいが、耐熱性試験後もタック性を有するものが好ましく、例えば、アクリル樹脂、イソブチレンゴム樹脂、スチレン−ブタジエンゴム樹脂、イソプレンゴム樹脂、天然ゴム樹脂、シリコーン樹脂などの溶剤型粘着剤や、アクリルエマルジョン樹脂、スチレンブタジエンラテックス樹脂、天然ゴムラテックス樹脂、スチレン−イソプレン共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、スチレン−エチレン−ブチレン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルメチルエーテルなどの無溶剤型粘着剤などがあげられる。
また、粘着強度を調整するために粘着付与剤(タッキファイヤー)を添加してもよい。粘着付与剤は特に限定されず、例えばロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、及びこれらの変性品、誘導体、水素添加品等があげられる。
粘着付与剤の配合量は特に限定されず、全樹脂固形分100質量部に対して100質量部以下、好ましくは50質量部以下とすることが好ましい。
【0023】
実用的には、上記粘着剤層または接着剤層の表面は、本発明の光学素子が実際に使用されるまでの間、任意の適切なセパレータによってカバーされ、汚染が防止され得る。セパレータは、例えば、任意の適切なフィルムに、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤による剥離コートを設ける方法が挙げられる。 このような粘着剤としては、例えば日東電工(株)製の透明両面接着シートCS9621やHJ−9150W、住友スリーエム(株)製の接着剤転写テープF−9460や8141、(株)サンエー化研製の粘着テープWR−B2等が挙げられる。
【0024】
(ガラス転移温度80℃以上の等方性樹脂層)
本発明においては、前記位相差膜層と前記粘着剤層との間にガラス転移温度(以下Tgと称す)80℃以上の等方性樹脂層を有することが特徴である。Tgとは、等方性樹脂層を粘弾性測定装置にて、周波数 1Hz、5℃/分の昇温速度で測定した際の、損失弾性率/貯蔵弾性率で表わされるtanδが極大となる温度をTgとした。
Tgが80℃以上の範囲にある等方性樹脂層としては、インキおよび塗料に使用されている(メタ)アクリル系樹脂、アクリルアルキッド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、その他エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物等のなかから適宜選択して使用することができる。また適宜混合して使用してもよい。
【0025】
例えば、(メタ)アクリル系樹脂であれば、(メタ)アクリル系樹脂の原料モノマーのホモポリマーのTgから計算し算出したTgを、具体的には以下のFoxの式により算出されたTgが80℃以上のアクリル系樹脂を適宜選択することができる。
【0026】
【数1】
【0027】
例えば、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/8/30/37)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):23/8/15/54)メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):29/16/35/20)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/25/39/11)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/25/45/5)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/10/45/20)、メタクリル酸/シクロヘキシルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/70/5)、メタクリル酸/シクロヘキシルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):23/70/7)、メタクリル酸/スチレン/メチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/60/15)、メタクリル酸/スチレン/メチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/50/25)、メタクリル酸/スチレン/メチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):29/61/10)、メタクリル酸/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):23/60/17)、メタクリル酸/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):29/61/10)、メタクリル酸/スチレン/エチルアクリレート共重合体(共重合体組成(質量比):25/70/5)、メタクリル酸/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):20/80)、メタクリル酸/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):28/72)、メタクリル酸/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):32/68)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/65/10)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):30/61/9)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/60/11)、メタクリル酸/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/47/24)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/22/40/13)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/15/47/9)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/18/50/3)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/15/40/20)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/15/35/25)、メタクリル酸/スチレン/シクロヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):31/64/5)、メタクリル酸/スチレン/シクロヘキシルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/15/60)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/27/46/2)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/15/50/6)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):25/27/36/12)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/13/38/20)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン/ブチルメタクリレート共重合体(共重合組成比(質量比):29/5/31/35)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):25/29/46)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):20/53/27)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):29/19/52)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):30/13/57)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):28/13/59)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):32/8/60)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):29/31/40)、メタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):25/41/34)、及びメタクリル酸/メチルメタクリレート/スチレン共重合体(共重合組成比(質量比):20/56/24)、スチレン/メチルメタクリレート/t−ブチルメタクリレート/ラウリルメタクリレートの共重合体やメチルメタクリレート/ボルニルメタクリレート/t−ブチルメタクリレートの共重合体などが挙げられる。
【0028】
また、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であれば、硬化後のTgが80℃以上の多官能の(メタ)アクリレートを主成分として好ましく使用でき、例えば、主鎖構造にエステル結合を有し、少なくとも2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するポリエステル(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリンで変性して得られるエポキシ(メタ)アクリレート、エチルオキシド、プロピレンオキシド、環状ラクトンなどで変性された(メタ)アクリレート等や、ビス(アクリロイルエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、PO変性ビスフェノールAジアクリレート、ECH変性ビスフェノールA型アクリレート、ECH変性フタル酸ジアクリレート、ECH変性ヘキサヒドロフタル酸ジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ロジン変性エステルアクリレート、EO変性リン酸ジメタクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート、ジぺンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジぺンタエリスリトールヘキサアクリレート等の、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの多官能の(メタ)アクリレートは、公知のラジカル光重合開始剤、例えば、ベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、ベンゾイルイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン等を適宜添加して使用することができる。
【0029】
(光学素子の製造方法)
本発明の光学素子は、前記位相差膜上に、スピンコーター、キャップコーター、ダイコーター、マイクログラビアコーターなどにより塗布する方法や、フレキソ印刷法やグラビア印刷法などにより印刷する方法などで、前記Tg80℃以上の等方性樹脂層を設け、その上に前記粘着剤層を設ける。
前記等方性樹脂層や前記粘着層を塗布または印刷する際には、適宜有機溶剤で希釈して使用してもよい。また、等方性樹脂層として活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を使用する場合には、塗布または印刷後、紫外線又は可視光線等の活性エネルギー線を照射して硬化させる。光の波長は300nm〜400nmが好ましい。光源としては、例えば、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を使用することができる。該光源の照度は、500W/m2以上であると、硬化が速く好ましい。照射する光量は、積算光量に換算して20000J/m2以上であれば良好に硬化させることができる。また、本発明の液晶パネルシール用熱硬化性組成物は、空気雰囲気下においても良好な光硬化性を示すが、窒素などの不活性ガス雰囲気下で光硬化させると、少ない積算光量で硬化させることができるので、より好ましい。
【0030】
前記等方性樹脂層の膜厚は0.01μm〜30μmであることが望ましく、好ましくは0.05μmから3μmである。
【0031】
また、前記位相差膜を複数層塗り重ねたものを光学素子として使用してもよい。その場合は、各々の位相差膜の光軸がなす角度が所望の範囲となるように積層される。
【0032】
(その他の光学層)
本発明の光学素子は、その他目的に応じて、さらに他の光学層を備えていてもよい。このような他の光学層としては、目的や画像表示装置の種類に応じて任意の適切な光学層が採用され得る。具体例としては、偏光子、液晶フィルム、光散乱フィルム、回折フィルム、さらに別の光学補償層(位相差フィルム)保護フィルム等が挙げられる。
【0033】
(その他の光学層 偏光子)
本発明で使用する偏光子としては特に限定はなく、目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、1 〜 8 0 μ m 程度である。
前記偏光子は、本発明の位相差膜の基板の、光配向膜を設けた側とは反対側の面に、前記粘着剤等を介して貼り付けることが好ましい。また、前記偏光子の表面に、更に保護フィルムを設けてもよい。保護フィルムとしては、偏光板の保護フィルムとして使用されているものであれば特に限定はなく、例えばトリアセチルセルロース( T A C ) 等のセルロース系樹脂系フィルム、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、アクリル系、アセテート系等の透明樹脂系フィルム等が挙げられる。
上記保護フィルムは、透明で、色付きが無いことが好ましい。具体的には、厚み方向の
位相差値が、好ましくは− 9 0 n m 〜 + 9 0 n m であり、さらに好ましくは− 8 0 n m 〜+ 8 0 n m であり、最も好ましくは− 7 0 n m 〜 + 7 0 n m である。
【0034】
(液晶パネル)
本発明の光学素子は、各種画像表示装置(例えば、液晶表示装置、自発光型表示装置)に好適に使用され得る。液晶表示装置は従来から、卓上計算機や電子時計などに使用されているが、さらに最近では、携帯電話などのモバイル機器から大型テレビに至るまで、画面サイズを問わずに使用されるようになってきており、急激にその用途が広がりつつある。液晶表示装置に広く一般に使用されている伝統的な偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向している偏光子の両面に、液状の接着剤を介して透明保護フィルム、特にトリアセチルセルロースフィルムを接着した構成で製造されている。これに本発明の光学素子を塗布で積層した形態で、感圧接着剤(粘着剤)を用いて液晶パネルに貼合され、画像表示装置とされる。
【実施例】
【0035】
以下、実施例及び比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書では特に断りのない限り、部および%は質量基準である。
【0036】
(光配向膜層用溶液Aの調製)
式(1)で表される化合物を、水、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、2−ブトキシエタノール、からなる等体積混合溶媒に溶解し、固形分1質量%溶液とした。この溶液を孔径0.45μmのフィルタ−で濾過し、光配向膜層用溶液Aとした。
【0037】
【化1】
【0038】
(重合性液晶組成物溶液Bの調製)
式(2)、及び式(3)で表される化合物を質量比で等量混合した重合性液晶組成物を調製し、重合性液晶組成物100質量部に対し、式(4)で表される質量平均分子量47000の添加剤を0.5質量部、チバスペシャリティケミカルズ(株)製の光重合開始剤「イルガキュア907」を4質量部、キシレン233質量部を混合し、重合性液晶組成物溶液Bとした。該重合性液晶組成物溶液Bからキシレンを蒸発させた後の液晶組成物は25℃において液晶相を示し、以下の実施例は25℃において調製した。次いで孔径0.45μmのフィルタ−で濾過した。
【0039】
【化2】
【0040】
【化3】
【0041】
【化4】
【0042】
(位相差膜C)
TACフィルムをコロナ処理した後、光配向膜層用溶液Aをマイクログラビアコータを用いて成膜し、膜厚20nmの層を形成した。これを80℃で乾燥した後、偏光照射装置から365nmを中心波長とする偏光紫外線を該層面の法線方向から0.5J/cm照射し、配向処理された光配向膜Aを形成した。この照射偏光の振動方向はフィルムの長手方向に対し−15°とする。次いで光配向膜A上に、前記重合性液晶組成物溶液Bをマイクログラビアコータを用いて塗布し、80℃で乾燥後、窒素雰囲気下で紫外線を0.5J/cm照射した。自動複屈折計KOBRA−ADH21を使い、室温で測定した結果、波長589nmにおける位相差が264nm、遅相軸の方位角がフィルムの長手方向に対し75°の位相差膜Cを得た。
【0043】
(耐熱性試験用サンプルの評価)
位相差値の測定は室温で行い、耐熱性試験は85℃のオーブン中に置く。耐熱性試験用サンプルの耐熱性試験前の位相差値を100%と規格化した場合、500時間経過した時点における位相差値の低下が2.0%以下ならば、信頼性試験を合格とする。
【0044】
(実施例1)
位相差膜Cの重合性液晶組成物層の硬化表面側をコロナ処理した後、その上に(メタ)アクリル系樹脂であるWDL−787(Tg=90℃、DIC株式会社製)をマイクログラビアコータを用いて成膜し、80℃で乾燥後、膜厚2μmの層を形成した。続いて、WDL−787層の表面をコロナ処理した後、軽剥離面のカバーフィルムを剥がした粘着剤CS9621(日東電工(株)製)を貼り合わせ、位相差膜Cをトリミングした。粘着剤CS9621のもう一方のカバーフィルムを剥がし粘着面を無アルカリガラスOA−10(日本電気硝子(株)製)上に貼り合わせ、ガラスに貼合した耐熱性試験用サンプルを得た。耐熱性試験500時間後、位相差値の低下率は1.1%であった。
【0045】
(実施例2)
位相差膜Cの重合性液晶組成物層の硬化表面側をコロナ処理した後、その上に(メタ)アクリル系樹脂であるWGL−929(Tg=118℃、DIC株式会社製)をマイクログラビアコータを用いて成膜し、80℃で乾燥後、膜厚2μmの層を形成した。続いて、WDL−787層の表面をコロナ処理した後、軽剥離面のカバーフィルムを剥がした粘着剤CS9621(日東電工(株)製)を貼り合わせ、位相差膜Cをトリミングする。粘着剤CS9621のもう一方のカバーフィルムを剥がし粘着面を無アルカリガラスOA−10(日本電気硝子(株)製)上に貼り合わせ、ガラスに貼合した耐熱性試験用サンプルを得る。耐熱性試験500時間後、位相差値の低下率は1.4%であった。
【0046】
(実施例3)
位相差膜Cの重合性液晶組成物の硬化表面側をコロナ処理した後、その上に活性エネルギー線硬化性化合物であるM−309(東亞合成株式会社製)の100部とチバスペシャリティケミカルズ(株)製の光重合開始剤「イルガキュア907」の4部を2−ブトキシエタノール233部に溶解した溶液を、マイクログラビアコータを用いて成膜し、80℃で乾燥後、窒素雰囲気下で紫外線を0.5J/cm照射し、膜厚2μmの層を形成した。続いて、M−309の硬化層(Tg=250℃)表面をコロナ処理した後、軽剥離面のカバーフィルムを剥がした粘着剤CS9621(日東電工(株)製)を貼り合わせ、位相差膜Cをトリミングした。粘着剤CS9621のもう一方のカバーフィルムを剥がし粘着面を無アルカリガラスOA−10(日本電気硝子(株)製)上に貼り合わせ、ガラスに貼合した耐熱性試験用サンプルを得た。耐熱性試験500時間後、位相差値の低下率は1.1%であった。
【0047】
(比較例1)
位相差膜Cの重合性液晶組成物の硬化表面側をコロナ処理した後、その上に活性エネルギー線硬化性化合物であるM−208(東亞合成株式会社製)の100質量部とチバスペシャリティケミカルズ(株)製の光重合開始剤「イルガキュア907」の4質量部を2−ブトキシエタノール233部に溶解した溶液を、マイクログラビアコータを用いて成膜し、80℃で乾燥後、窒素雰囲気下で紫外線を0.5J/cm照射し、膜厚2μmの層を形成した。続いて、M−208の硬化層(Tg=75℃)表面をコロナ処理した後、軽剥離面のカバーフィルムを剥がした粘着剤CS9621(日東電工(株)製)を貼り合わせ、位相差膜Cをトリミングした。粘着剤CS9621のもう一方のカバーフィルムを剥がし粘着面を無アルカリガラスOA−10(日本電気硝子(株)製)上に貼り合わせ、ガラスに貼合した耐熱性試験用サンプルを得た。耐熱性試験500時間後、位相差値の低下率は2.1%であった。
【0048】
(参考例1)
位相差膜Cの重合性液晶組成物の硬化表面側をコロナ処理した後、軽剥離面のカバーフィルムを剥がした粘着剤CS9621(日東電工(株)製)を貼り合わせ、位相差膜Cをトリミングした。粘着剤CS9621のもう一方のカバーフィルムを剥がし粘着面を無アルカリガラスOA−10(日本電気硝子(株)製)上に貼り合わせ、ガラスに貼合した耐熱性試験用サンプルを得た。耐熱性試験500時間後、位相差値の低下率は3.1%であった。
【0049】
【表1】

【0050】
この結果、実施例1〜3の、Tgが80℃以上の等方性樹脂を用いた例は、いずれも信頼性試験の結果は合格であった。Tgが75℃の等方性樹脂を用いた比較例1は、300時間以降の位相差低下率は2%を超えてしまい、不合格となった。