(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記無鉛半田ブリッジが、前記第1金属プレート及び第2金属プレートの一面または両面上で前記第1金属プレート及び第2金属プレートと接合されることを特徴とする請求項1に記載の二次電池用部品。
前記無鉛半田ブリッジが、前記第1金属プレートと第2金属プレートとが対向している対向表面の間に直接介在して前記第1金属プレート及び第2金属プレートと接合されたことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用部品。
前記対向表面の中心領域は対面する平坦面の形態を有し、前記中心領域の上段及び下段に位置する側面領域は相互逆方向に傾く傾斜面形態を有することを特徴とする請求項8に記載の二次電池用部品。
前記無鉛半田ブリッジが、前記第1金属プレートと第2金属プレートとが対向しているそれぞれの終端部に形成された第1折曲部と第2折曲部との結合によって形成される空間で、前記第1金属プレート及び第2金属プレートと接合されたことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用部品。
前記無鉛半田ブリッジが、前記第1金属プレートの終端部と第2金属プレートの終端部とが上下に配置され重なるときに形成される空間で、前記第1金属プレート及び第2金属プレートと接合されたことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用部品。
前記無鉛半田ブリッジが、前記第1金属プレートの終端部と第2金属プレートの終端部とに形成された溝の結合によって形成される空間で、前記第1金属プレート及び第2金属プレートと接合されたことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用部品。
前記マルチ電池システムが、パワーツール;電気自動車、ハイブリッド電気自動車、及びプラグインハイブリッド電気自動車を含む電気自動車;電気トラック;または電力貯蔵用システムのいずれか1つ以上の電源として使用されることを特徴とする請求項19に記載のマルチ電池システム。
【背景技術】
【0003】
ビデオカメラ、携帯電話、ノートパソコンなどの携帯用電気製品の使用が活性化されるにつれて、その駆動電源として主に使用される二次電池に対する重要性が増加している。
【0004】
通常充電が不可能な一次電池とは違って、充電及び放電が可能な二次電池はデジタルカメラ、携帯電話、ノートパソコン、パワーツール、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車、大容量電力貯蔵装置など先端分野の開発とともに活発な研究が行われている。
【0005】
特に、リチウム二次電池は、従来の鉛蓄電池、ニッケル‐カドミウム電池、ニッケル‐水素電池、ニッケル‐亜鉛電池など他の二次電池と比べ、単位重量当エネルギー密度が高く、急速充電が可能であるため、その使用が急速に増加している。
【0006】
リチウム二次電池は、作動電圧が3.6V以上であり、携帯用電子機器の電源として使用されるか、または、多数の電池を直列または並列で連結して高出力を要する電気自動車、ハイブリッド自動車、パワーツール、電気自転車、電力貯蔵装置、UPSなどに使用される。
【0007】
また、リチウム二次電池は、ニッケル‐カドミウム電池やニッケル‐水素電池に比べて作動電圧が3倍も高く、単位重量当エネルギー密度の特性も優れるため、その使用が急速に伸びている。
【0008】
リチウム二次電池は、電解質の種類によって液体電解質を使用するリチウムイオン電池と、高分子固体電解質を使用するリチウムイオンポリマー電池とに分けられる。また、リチウムイオンポリマー電池は、高分子固体電解質の種類によって、電解液を全く含まない完全固体型リチウムイオンポリマー電池と、電解液を含んでいるゲル型高分子電解質を使用するリチウムイオンポリマー電池とに分けられる。
【0009】
液体電解質を使用するリチウムイオン電池の場合、殆ど円筒型や角形の金属缶を容器にし、溶接密封した形態で使用される。このように金属缶を容器として使用する缶型二次電池は、その形態が固定されるため、それを電源として使用する電気製品のデザインを制約する短所があり、体積を減らし難い。そこで、電極組立体と電解質をフィルムからなるパウチ包装材に入れて封止して使用するパウチ型二次電池が開発され使用されている。
【0010】
ところが、リチウム二次電池は、過熱すれば爆発する危険があるため、安全性の確保が重要な課題の一つである。リチウム二次電池の過熱には、様々な原因があるが、その一つとしてリチウム二次電池を通じて限界以上の過電流が流れる場合を挙げられる。過電流が流れると、リチウム二次電池がジュール熱によって発熱し、電池の内部温度が急速に上昇する。また、温度の急速な上昇は電解液の分解反応を引き起こし、熱暴走現象(thermal running)を生じさせ、結局は電池の爆発にまでつながる。過電流は、尖った金属物体がリチウム二次電池を貫通するか、正極と負極との間に介在した分離膜の収縮によって正極と負極との間の絶縁が破壊されるか、または、外部に連結された充電回路や負荷の異常によって突入電流(rush current)が電池に印加される場合などに発生する。
【0011】
したがって、リチウム二次電池は、過電流の発生のような異常状況から電池を保護するため、保護回路と結合されて使用される。一般に、前記保護回路には、過電流が発生したとき、充電または放電電流が流れる線路を非可逆的に断線させるヒューズ素子が含まれている。
【0012】
図1は、リチウム二次電池と結合される保護回路の構成のうち、ヒューズ素子の配置構造と動作メカニズムを説明するための回路図である。
【0013】
図示されたように、保護回路は、過電流が発生したとき二次電池を保護するため、ヒューズ素子10、過電流センシングのためのセンシング抵抗20、過電流発生をモニタリングして過電流が発生したときにヒューズ素子10を動作させるマイクロコントローラ30、及び前記ヒューズ素子10への動作電流の流入をスイッチングするスイッチ40を含む。
【0014】
ヒューズ素子10は、セルアセンブリ20の最外側端子に連結された主線路に設けられる。主線路とは、充電電流または放電電流が流れる配線を言う。図面では、ヒューズ素子10が高電位線路Pack+に設けられている。
【0015】
ヒューズ素子10は3端子素子部品であり、2つの端子は充電または放電電流が流れる主線路と、1つの端子はスイッチ40と接続される。また、内部には、主線路と直列連結されて特定温度で溶断するヒューズ11、及び前記ヒューズ11に熱を伝導する抵抗12が含まれている。
【0016】
前記マイクロコントローラ30は、センシング抵抗20の両端の電圧を周期的に検出して過電流の発生如何をモニタリングし、過電流が発生したと判断すれば、スイッチ40をターンオンさせる。すると、主線路に流れる電流がヒューズ素子10側にバイパスされ、抵抗12に印加される。これにより、抵抗12で発生したジュール熱がヒューズ11に伝導されてヒューズ11の温度が上昇し、ヒューズ11の温度が溶断温度まで上昇すれば、ヒューズ11が溶断することで主線路が非可逆的に断線される。主線路が断線されれば、過電流がそれ以上流れなくなるので、過電流により生じる問題を解消することができる。
【0017】
ところが、上記のような従来技術は様々な問題点を抱えている。すなわち、マイクロコントローラ30で故障が生じれば、過電流が発生した状況でもスイッチ40がターンオンしない。すると、ヒューズ素子10の抵抗12に電流が流れなくなり、ヒューズ素子10が動作しない。また、保護回路内にヒューズ素子10を配置するための空間が別に必要となり、ヒューズ素子10の動作制御のためのプログラムアルゴリズムがマイクロコントローラ30に必ず搭載されなければならない。したがって、保護回路の空間効率性が低下し、マイクロコントローラ30の負担を増加させるという短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、保護回路の能動的な過電流遮断機能とは別に、二次電池自体で受動方式の過電流遮断機能を具現するために必要な新たな形態の二次電池用部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明は、従来の部品の全体的な形態は実質的に同様に維持しながら、最小限の構造変更だけで受動方式による過電流遮断機能を具現できる二次電池用部品及びその製造方法を提供することを他の目的とする。
【0020】
また、本発明は、前記二次電池用部品を使用して製造された二次電池及びマルチ電池システムを提供することをさらに他の目的とする。
【0021】
本発明が達成しようとする技術的課題は上記の課題に制限されず、上述されていない他の課題は以下の記載から当業者であれば明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明者らは、リチウム二次電池の安全性を向上させる方案を鋭意研究したところ、プレート状の金属材質の電極リードを第1金属プレートと第2金属プレートとに分けて、前記第1金属プレートと前記第2金属プレートとを150〜300℃の融点を有する板型の無鉛半田物質を使用して連結したとき、過電流によって引き起こされる安全性問題が改善でき、さらに、このような構造の電極リードをあらゆる種類の二次電池に適用できることは勿論、電流の経路に位置する二次電池の各種部品に代替する汎用的な部品としても使用できることを確認し、本発明の完成に至った。
【0023】
上記の課題を達成するため、本発明による二次電池用部品は、150〜300℃の融点を有し、スズ(Sn)及び銅(Cu)を主成分として含む無鉛半田ブリッジ(lead−free solder bridge)を介して連結された第1金属プレート及び第2金属プレートを含む。
【0024】
本発明の一態様によれば、前記第1金属プレート及び第2金属プレートは、実質的に同一平面上に位置し、前記無鉛半田ブリッジは、前記第1金属プレート及び第2金属プレートの一面または両面上で前記第1金属プレートと第2金属プレートとの間でブリッジを形成する。
【0025】
ここで、前記第1金属プレートと第2金属プレートとが前記無鉛半田ブリッジを介して連結された部分を機能的観点で溶断分離部と称することにする。
【0026】
望ましくは、前記第1金属プレートと第2金属プレートとが対向している部分には微細な隙間、すなわち間隙が存在する。前記間隙の幅は狭いほど良いが、望ましくは1mm以下、より望ましくは0.5mm以下、さらに望ましくは0.3mm以下、最も望ましくは0.1mm以下である。
【0027】
望ましくは、前記間隙は、前記溶断分離部の中央部分で、直線形、ジグザグ形、鋸歯形、及び波形のいずれか1つまたはこれらを組み合わせたパターンを有する。
【0028】
望ましくは、前記無鉛半田ブリッジは、前記第1金属プレートとの接合を形成する第1接合部、及び第2金属プレートとの接合を形成する第2接合部によって前記第1金属プレートと第2金属プレートとの間でブリッジを形成する。前記第1接合部と前記第2接合部は、前記間隙の形態によって同一線上に位置することもあり、異なる線上に位置することもあり得る。望ましくは、前記第1接合部及び第2接合部は、レーザーを用いた線溶接(line welding)によって形成される。代案的に、前記第1接合部及び第2接合部は、超音波溶接、抵抗溶接、アーク溶接などによって形成される。
【0029】
望ましくは、前記線溶接は、前記第1接合部及び第2接合部が形成される地点に対応する前記第1金属プレート及び第2金属プレートの上部表面で行う。したがって、前記間隙に隣接した前記第1金属プレート及び第2金属プレートの表面には線溶接パターンが形成されている。
【0030】
本発明の他の態様によれば、前記第1金属プレート及び第2金属プレートは実質的に同一平面上に位置し、前記無鉛半田ブリッジは、前記第1金属プレートと第2金属プレートとが対向している対向表面の間に直接介在して前記第1金属プレートと第2金属プレートとの間でブリッジを形成する。
【0031】
一例として、前記第1金属プレートと第2金属プレートとの対向表面は、前記無鉛半田ブリッジの方向に傾く傾斜面を有する。他の例として、前記第1金属プレートと第2金属プレートとの対向表面は、無鉛半田ブリッジの方向に凸む形態を有し、この場合、前記対向表面の中心領域は対面する平坦面の形態を有し、中心領域の上段及び下段に位置する側面領域は相互逆方向に傾く傾斜面形態を有し得る。さらに他の例として、前記第1金属プレートと第2金属プレートとの対向表面は、凹部(recess)を有する。
【0032】
望ましくは、前記対向表面の多様な形態と関係なく、前記無鉛半田ブリッジと、前記第1金属プレート及び第2金属プレートの対向表面とは、レーザー溶接によって接合される。代案的に、前記無鉛半田ブリッジと、前記第1金属プレート及び第2金属プレートの対向表面とは、超音波溶接、抵抗溶接、アーク溶接などによって接合される。
【0033】
本発明のさらに他の態様によれば、前記第1金属プレート及び第2金属プレートは実質的に同一平面上に位置し、前記無鉛半田ブリッジは、前記第1金属プレートと第2金属プレートとが対向しているそれぞれの終端部に形成された第1折曲部と第2折曲部との結合によって形成される空間で、前記第1金属プレートと第2金属プレートとの間のブリッジを形成する。望ましくは、前記第1折曲部と第2折曲部とは、面対称または点対称関係で結合され得る折曲構造を有する。
【0034】
本発明のさらに他の態様によれば、前記無鉛半田ブリッジは、第1金属プレートの終端部と第2金属プレートの終端部とが上下に配置され重なるときに形成される空間で、前記第1金属プレートと第2金属プレートとの間のブリッジを形成する。
【0035】
本発明のさらに他の態様によれば、前記無鉛半田ブリッジは、第1金属プレートと第2金属プレートとの対向表面にそれぞれ形成されたライン状の溝が結合して形成される空間で、前記第1金属プレートと第2金属プレートとの間のブリッジを形成する。
【0036】
本発明の一態様によれば、前記無鉛半田ブリッジの主成分であるスズの含量は80〜98重量%であり、合金成分である銅の含量は2〜20重量%である。
【0037】
本発明の他の態様によれば、前記無鉛半田ブリッジは、銅の外にニッケル、亜鉛、及び銀のうち少なくとも1つ以上の成分を追加合金成分としてさらに含むことができる。このとき、前記追加合金成分の総含量は、0.01〜10重量%に調節することが望ましい。
【0038】
上述した二次電池用部品は、前記無鉛半田ブリッジを被覆できるように前記溶断分離部を被覆する絶縁テープをさらに含むことができる。望ましくは、前記絶縁テープは、ポリオレフィンフィルム、ポリプロピレンフィルム、酸変性ポリプロピレン(Acid modified polypropylene)フィルムからなる群より選択されたいずれか1つまたはこれらの組合せでなる。
【0039】
上記の課題を達成するため、本発明による二次電池は、上述した二次電池用部品を電極リードとして使用して製造される。したがって、本発明による二次電池は、正極リード及び負極リードの少なくとも1つ以上が上述した二次電池用部品の構造を有する。
【0040】
また、上記の課題を達成するため、本発明は、直列または並列で連結された多数の二次電池を含むマルチ電池システムにおいて、隣接する端子の間を連結するコネクタに上述した二次電池用部品の構造を適用する。
【0041】
また、上記の課題を達成するための本発明による二次電池用部品の製造方法は、相互分離した第1金属プレートと第2金属プレートとを実質的に同一平面上で近接させ、プレートの間に間隙を介設して対向させる段階;前記第1金属プレートと前記第2金属プレートとの対向部分に150〜300℃の融点を有し、スズ(Sn)及び銅(Cu)を含む無鉛半田ブリッジを提供する段階;及び前記無鉛半田ブリッジの一側を前記第1金属プレートに、前記無鉛半田ブリッジの他側を前記第2金属プレートに接合する段階を含む。
【0042】
本発明による二次電池用部品の製造方法は、無鉛半田ブリッジ及び/または前記間隙部分を絶縁テープで被覆する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明の一態様によれば、前記二次電池用部品は、間隙を介設して微細に離隔した第1金属プレートと第2金属プレートとが150〜300℃で溶断される無鉛半田ブリッジを介して連結された構造を有する。したがって、二次電池用部品を通じて過電流が流れる場合、無鉛半田ブリッジの温度が前記溶断温度まで短時間に上昇して溶断することで、過電流の流れが遮断される。また、前記第1金属プレートと第2金属プレートとの間に介設した間隙の幅が狭いため、無鉛半田ブリッジによる部品の抵抗増加が無視できる程度に制限され、部品の全体的なサイズと形状の実質的変化が生じない。
【0044】
本発明の他の態様によれば、前記二次電池用部品を二次電池の電極リードとして使用する場合、保護回路とは独立して二次電池自体で過電流を非可逆的に遮断できるため、二次電池の安全性を向上させることができる。また、前記二次電池用部品を電極リードとして使用する場合、電極リードのサイズと形状に実質的な変化が生じないため、二次電池の構造の設計を変更しなくても過電流遮断機能を二次電池に組み入れることができる。
【0045】
本発明のさらに他の態様によれば、前記二次電池用部品は、プレート状の電極リードを採用した二次電池であれば、その種類に関係なく適用することができる。
【0046】
また、本発明のさらに他の態様によれば、多数の二次電池を含むマルチ電池システムで使用されるコネクタを前記二次電池用部品に代替する場合、コネクタ自体に過電流遮断機能を具現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0050】
図2は本発明の一実施例による二次電池用部品の斜視図であり、
図3は
図2のI−I´線に沿った断面図であり、
図4は
図1に示された部品の中央部分に該当する溶断分離部の拡大平面図である。
【0051】
図2ないし
図4を参照すれば、本発明による二次電池用部品20は、無鉛半田ブリッジ21を通じて連結され、間隙24によって離隔した第1金属プレート22及び第2金属プレート23で構成される。
【0052】
前記間隙24とは、前記第1金属プレート22と第2金属プレート23との間に存在する微細な隙間を意味する。前記間隙24は、部品20を通じて流れる殆どの電流が前記無鉛半田ブリッジ21を通じて第1金属プレート22から第2金属プレート23に流れるように抵抗成分として働く。また、前記間隙24の幅は、無鉛半田ブリッジ21を通じた電流経路の増減と直接的な関連があり、前記間隙24の幅の増加は部品20自体の抵抗増加の要因にもなり得る。したがって、前記間隙24の幅は狭いほど良く、望ましくは1mm以下、より望ましくは0.5mm以下、さらに望ましくは0.3mm以下、最も望ましくは0.1mm以下である。
【0053】
前記第1金属プレート22及び第2金属プレート23は、実質的にXY平面上に位置し、電気的抵抗が0.1mΩ以下の金属または合金からなる。
【0054】
一例として、前記第1金属プレート22及び前記第2金属プレート23は、銅板、アルミニウム板、ニッケルがコーティングされた銅板などからなり得る。前記第1金属プレート22と第2金属プレート23は同じ材質からなるが、異種材質からなっても良い。
前記無鉛半田ブリッジ21は、前記第1金属プレート22及び第2金属プレート23の融点より低い150〜300℃の融点を有し、スズ(Sn)を主成分として、銅(Cu)を合金成分として含み、環境及び人体に有害な鉛(Pb)を含まない環境にやさしい素材からなる。
【0055】
前記無鉛半田ブリッジ21の融点範囲は、遮断しようとする過電流レベルを考慮して設定された。融点が150℃より低ければ、正常な電流が流れても無鉛半田ブリッジ21が溶融することがある。一例として、二次電池用部品20が電気自動車用二次電池に使用される場合、融点が150℃より低ければ、急速充放電電流によって無鉛半田ブリッジ21が溶融することがある。また、融点が300℃より高ければ、過電流が効果的に遮断されないため、二次電池用部品20を使用する効果がない。
【0056】
前記無鉛半田ブリッジ21の構成成分のうちスズは、ブリッジ21の融点と引張強度特性に影響を及ぼす。前記無鉛半田ブリッジ21が150〜300℃の融点を有するとともに良好な引張強度特性を有するように、スズの含量は80重量%以上、望ましくは85〜98重量%の範囲で調節する。銅は二次電池用部品20の電気伝導度を向上させる機能をし、このような機能を勘案して銅の含量は2〜20重量%に、望ましくは4〜15重量%に調節することが望ましい。ここで、重量%は無鉛半田ブリッジ21を構成する物質の総重量を基準にした単位であり、以下同様である。
【0057】
上記のようにスズ及び銅の含量を調節すれば、無鉛半田ブリッジ21の引張強度が良好であるだけでなく、無鉛半田ブリッジ21による抵抗の増加を数%以内に低く抑制することができる。
【0058】
前記無鉛半田ブリッジ21は、より向上した物性を与えるため、スズ及び銅の外にニッケル(Ni)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)などのように電気伝導度の良い金属を追加合金成分としてさらに含むことができる。前記追加合金成分の含量は、物質の総重量対比0.01〜10重量%であることが望ましい。
【0059】
前記無鉛半田ブリッジ21は、前記第1金属プレート22及び第2金属プレート23の一面、すなわち底面で前記第1金属プレート22と第2金属プレート23との間でブリッジを形成する。
【0060】
ここで、前記第1金属プレート22及び第2金属プレート23は、前記無鉛半田ブリッジ21の温度が150〜300℃に上昇すれば、ブリッジ21が液状に溶融しながら間隙24を中心に両側に破断して分離される。
【0061】
したがって、以下では前記第1金属プレート22と第2金属プレート23とが無鉛半田ブリッジ21を介して連結された部分を溶断分離部Aと称する。
【0062】
前記溶断分離部Aは、第1接合部25と第2接合部26を含む。前記第1接合部25は、無鉛半田ブリッジ21と第1金属プレート22とが接合した領域を、前記第2接合部26は、無鉛半田ブリッジ21と第2金属プレート23とが接合した領域を意味する。
【0063】
前記第1接合部25と第2接合部26はY方向に行った線溶接によって形成され、前記第1接合部25は第1金属プレート22と無鉛半田ブリッジ21との界面に、前記第2接合部26は第2金属プレート23と無鉛半田ブリッジ21との界面に形成される。
【0064】
前記線溶接は、第1金属プレート22及び第2金属プレート23の上部(B地点を参照)で行うことが望ましい。したがって、前記間隙24に隣接した前記第1金属プレート22と第2金属プレート23の表面には線溶接パターンが形成されている。前記線溶接はレーザー溶接であることが望ましいが、超音波溶接、抵抗溶接、アーク溶接などのような多様な溶接技術を適用し得る。
【0065】
一方、溶接強度をさらに増加させるため、線溶接の施行回数を増やすことができる。この場合、溶断分離部Aに接合部がさらに形成されることは自明である。また、前記第1接合部25及び第2接合部26は、連続的なラインパターン又は不連続的なラインパターンを有するが、これらに限定されることはない。
【0066】
図5及び
図6は、第1金属プレート22と第2金属プレート23との間の間隙24を様々な模様に変形できることを示している。
【0067】
前記間隙24は、
図5に示されたように、鋸歯状であり得る。このような場合、間隙24の中心部に沿ってY方向に線溶接を行い、無鉛半田ブリッジ21を第1金属プレート22及び第2金属プレート23に接合することができる。線溶接はプレートの上部で行うことが望ましく、線溶接の施行回数によって無鉛半田ブリッジ21と第1金属プレート22及び第2金属プレート23との間には少なくとも1行以上の接合部27が形成される。接合部27は、無鉛半田ブリッジ21と第1金属プレート22との間に形成された第1接合部27aと、無鉛半田ブリッジ21と第2金属プレート23との間に形成された第2接合部27bとが同一線上で交互に位置する構造的特徴を有する。
【0068】
また、前記間隙24は、
図6に示されたように、四角形の突出パターンが相互噛み合う模様であり得る。この場合も、線溶接の施行回数によって無鉛半田ブリッジ21と第1金属プレート22及び第2金属プレート23との間には少なくとも1行以上の接合部28が形成される。また、接合部28は、無鉛半田ブリッジ21と第1金属プレート22との間に形成された第1接合部28aと、無鉛半田ブリッジ21と第2金属プレート23との間に形成された第2接合部28bとが同一線上に交互に位置する構造的特徴を有する。
【0069】
一方、前記間隙24は、
図5及び
図6に示されたパターンの外にも多様な形態のパターンを有し得る。また、前記間隙24は、1つのパターンではなく、上述した様々なパターンが組み合わされたパターンを有することもできる。
【0070】
図7ないし
図14は、二次電池用部品20の多様な変形構造を示した断面図である。
図7ないし
図14において、矢印は線溶接が行われる地点を示し、以下の説明では溶接についての具体的説明は省略する。
【0071】
図7を参照すれば、無鉛半田ブリッジ21´を溶断分離部Aの上部にさらに設けることができる。このとき、前記無鉛半田ブリッジ21´は下側にある無鉛半田ブリッジ21と同じ材質であり、同じ溶接技術によって第1金属プレート22及び第2金属プレート23に接合される。
【0072】
図8aを参照すれば、無鉛半田ブリッジ21は、第1金属プレート22と第2金属プレート23とが対向しているそれぞれの終端に形成された第1折曲部22aと第2折曲部23aとの結合によって形成される空間で、前記第1金属プレート22と第2金属プレート23との間のブリッジを形成することもできる。
【0073】
図8bを参照すれば、無鉛半田ブリッジ21は、第1金属プレート22と第2金属プレート23とが対向しているそれぞれの終端に形成された溝の結合によって形成される空間で、前記第1金属プレート22と第2金属プレート23との間でブリッジを形成することもできる。
【0074】
図8bに示された変形構造の場合、無鉛半田ブリッジ21は溶接の外に次のような工程によっても形成することができる。
【0075】
すなわち、まず、金属プレートを一枚用意した後、金属プレートの上部表面に無鉛半田ブリッジ21が形成されるライン状の溝を形成する。
【0076】
前記ライン状の溝は、物理的または化学的エッチング技術、鋸刃などを用いた機械的切削技術、ダイヤモンドなどの高硬度ナイフを用いた局所スクラッチング技術、電磁気的ビームを用いたエッチング技術、及びスカイビング(skiving)技術のいずれか1つによって形成することができる。
【0077】
前記ライン状の溝が形成されれば、前記溝が形成された地点に無鉛半田ブリッジ21を形成する半田物質を配置する。半田物質としては、無鉛半田ブリッジ21の断面構造と同一であるか又は類似する断面構造を有する半田ワイヤを使用することができる。代案的に、半田物質として微細な半田パウダーが分散された半田ペーストを使用することができる。
【0078】
前記半田物質に含まれたスズ、銅、その他追加金属の含量は、前記溝内に形成される無鉛半田ブリッジ21に与えようとする融点温度の範囲、二次電池用部品を使用して遮断しようとする過電流のレベル、及び二次電池用部品に与えようとする電気的物性及び/または機械的物性を考慮して決定する。
【0079】
前記半田物質が配置されれば、少なくとも前記半田物質が配置された地点にジグ(jig)やローラなどを使用して加圧しながら圧延工程を行う。このとき、前記半田物質が前記溝の内部表面と接触する地点に、半田物質が局所的に溶融するほどの熱エネルギーを印加する。すると、前記接触界面に沿って金属プレートを成す金属成分と半田物質を成す金属成分との間に合金が形成される。このように異種金属成分間に合金が形成されれば、半田物質と金属プレートとの間の界面に形成される面抵抗(surface resistance)を最小化することができる。
【0080】
前記熱エネルギーの印加には、熱伝導方式、超音波振動方式、電磁気的エネルギービームの照射方式、電磁気的誘導方式など様々な方式が適用され得る。しかし、本発明は熱エネルギーを印加する具体的な方式によって限定されることなく、圧延工程を行いながら加圧部分に熱エネルギーを印加できると知られた多様な方式が適用可能である。
【0081】
前記圧延工程が完了し、溝内に無鉛半田ブリッジ21が形成されれば、前記無鉛半田ブリッジ21の下部に間隙を形成し、金属プレートを第1金属プレート22と第2金属プレート23とに区分する。前記間隙の形成には溝の形成に用いられた技術のうちいずれか1つが適用され得る。
【0082】
前記間隙の形成が完了すれば、第1金属プレート22と第2金属プレート23に付着している半田物質の残留物を除去し、二次電池用部品の製造を完了する。
【0083】
一方、
図8aに示された変形構造の場合、前記第1折曲部22aと第2折曲部23aとは相互面対称関係である。しかし、
図9に示されたように、前記第1折曲部22aと第2折曲部23aとが点対称関係になるように折曲構造を形成することもできる。また、
図9において折曲構造を省略することもできる。すなわち、第1金属プレート22と第2金属プレート23との終端を所定幅で上下に重ねたとき生ずる空間に無鉛半田ブリッジ21を形成することができる。
【0084】
図10を参照すれば、無鉛半田ブリッジ21は、矢印で示した地点に線溶接を行って第1金属プレート22及び第2金属プレート23との対向表面S1、S2と直接接合されることもできる。この場合、無鉛半田ブリッジ21の幅は狭いほど望ましい。
【0085】
一方、無鉛半田ブリッジ21と第1金属プレート22及び第2金属プレート23との接合面積を増加させ、部品の引張強度特性を向上させるために、前記対向表面S1、S2は多様な形態に変更することができる。
【0086】
一例として、前記対向表面S1、S2は、
図11に示されたように、無鉛半田ブリッジ21の方向に傾く傾斜面形態であり得る。他の例として、前記対向表面S1、S2は、
図12に示されたように、無鉛半田ブリッジ21の方向に凸む形態になるように、中心領域は対面する平坦面に、中心領域の上段及び下段に位置する側面領域は相互逆方向に傾く傾斜面に形成することができる。さらに他の例として、
図13に示されたように、トレンチ(溝)形態の凹部(recess)構造を有し得る。凹部の形状は楔状、四角形状、半円状など様々な形態になり得る。さらに他の例として、前記凹部構造は、
図14に示されたように、プレートの上部及び下部に延びた側壁を有し得る。
【0087】
図15を参照すれば、本発明による二次電池用部品20は、溶断分離部Aを外気と遮断するために絶縁テープ30で被覆することができる。
図15と違って、前記絶縁テープ30は、溶断分離部Aの上部と下部を全て被覆せず、一方のみを被覆することもできる。前記絶縁テープ30の付着は、本発明が開示するあらゆる形態の二次電池用部品に適用可能である。前記絶縁テープ30は、ポリオレフィンフィルム、ポリプロピレンフィルム、及び酸変性ポリプロピレンからなる群より選択されたいずれか1つまたはこれらの組合せからなり得るが、これらに限定されることはない。
【0088】
図16を参照すれば、本発明による二次電池用部品20は、必要に応じて第1金属プレート22または第2金属プレート23の中間を折り曲げてその形状を自在に変形することができる。図示された「コ」字状の外にも様々な形状に変形可能である。
【0089】
本発明による二次電池用部品の製造方法は、上述した実施例から把握することができる。まず、図示された部品の構造を有する第1金属プレート及び第2金属プレートを用意する。その後、前記第1金属プレートと第2金属プレートとを実質的に同一平面上で近接させ、プレートの間に間隙を介設して対向させる。前記第1金属プレートと第2金属プレートとが対向している部分の構造は、図示されたように様々な形態であり得る。次いで、前記第1金属プレートと前記第2金属プレートとの対向部分に、150〜300℃の融点を有し、スズ(Sn)及び銅(Cu)を含む無鉛半田ブリッジを位置させ、前記無鉛半田ブリッジの一側を前記第1金属プレートに、前記無鉛半田ブリッジの他側を前記第2金属プレートにそれぞれ溶接する。必須ではないが、前記無鉛半田ブリッジ及び/または間隙を外部空気と遮断させる絶縁テープを該当部分に接着させる段階をさらに行うことができる。
【0090】
本発明による二次電池用部品は、多様な方式で二次電池の製造に使用することができる。
【0091】
図17は、上述した二次電池用部品を使用して製造された本発明の実施例によるパウチ型リチウム二次電池の断面図である。
【0092】
図17を参照すれば、本発明による二次電池40は、正極リード41及び負極リード42が電気的に接続された電極組立体43を含む。
【0093】
前記正極リード41及び前記負極リード42は、本発明による二次電池用部品と実質的に同じ構造を有する。すなわち、前記正極リード41及び負極リード42は2つの金属プレートが溶断分離部Aによってブリッジ形態で連結された構造を有する。図面と違って、本発明による二次電池用部品の構造を正極リード41または負極リード42の一方のみに適用することもできる。
【0094】
前記電極組立体43は、正極と負極との間に分離膜が介在した構造を有する単位セルが少なくとも1つ以上組み合わせられた構造である。前記正極及び負極の少なくとも一面には二次電池の作動に必要な活物質がコーティングされており、隣接する単位セルの間には単位セル同士の電気的連結を遮断する絶縁膜が介在していることもある。一例として、前記正極及び負極には、それぞれリチウム系列の正極活物質及び炭素系列の活物質がコーティングされ得る。また、前記分離膜及び絶縁膜は、ポリオレフィン系列の多孔性高分子フィルムからなり得る。上記のような二次電池の構造は、本発明が属した技術分野で周知のことであるため、本発明が電極組立体43の具体的な構造や物質構成などによって限定されることはない。
【0095】
前記電極組立体43は、それぞれの正極及び負極から延びた多数の正極タブ44及び負極タブ45を含む。多数の正極タブ44及び負極タブ45は、1次溶接を通じて1つに集結された後、2次溶接を通じてそれぞれ正極リード41及び負極リード42に接合される。
【0096】
前記電極組立体43は、正極リード41及び負極リード42の終端が外部に露出するように包装材46内に密封される。前記包装材46は、前記電極組立体43と対向する内側面に熱接着層が形成されたアルミニウムパウチフィルムからなる。したがって、前記電極組立体43は包装材46の内側面に沿って熱を伝達し、包装材46内に密封される。前記包装材46内には、二次電池の種類によって液体電解質、固体電解質、ゲル型電解質などが含まれ得る。
【0097】
本発明による二次電池40は、電極リードに溶断分離部Aが設けられているため、電極リードを通じて過電流が流れ、溶断分離部Aに含まれた無鉛半田ブリッジの温度が150〜300℃まで上昇する場合、溶断分離部Aを中心に電極リードが破断されることで、過電流の流れが非可逆的に遮断される。したがって、保護回路とは独立的に過電流から二次電池40を保護することができる。
【0098】
本発明による二次電池用部品20は、二次電池の電極リードの外にも多数の二次電池を直列または並列で連結するときに使用されるコネクタ部品として使用することができる。
【0099】
図18及び
図19は、本発明による二次電池用部品20がコネクタ部品として使用された様子を示した使用状態図である。
【0100】
本発明による二次電池用部品20は、
図18に示されたように、相互隣接する端子50、60と溶接により連結され得る。また、本発明による二次電池用部品20は、
図19に示されたように、隣接する端子50、60とボルト結合によって連結され得る。図示していないが、本発明による二次電池用部品20は、端子50、60とリベット接合によって連結されても良い。ここで端子50、60とは、複数の二次電池が組み合わされた大容量マルチ電池システムにおいて電気的な接続が必要な部品に備えられた端子を称し、その種類に特別な制限はない。また、本発明による二次電池用部品20と端子50、60との間の連結方式は、上述した方式の外にも様々に変形できることは自明である。
【0101】
前記マルチ電池システムとは、多数の二次電池を直列または並列で連結した電池モジュール;多数の電池モジュールを直列または並列で連結した電池パック;多数の電池パックを直列または並列で連結したパックアセンブリーなどを意味する。
【0102】
以上のように、二次電池用部品20を隣接する端子50、60の間に介設すれば、前記端子50、60の間に過電流が流れて二次電池用部品20に含まれた無鉛半田ブリッジの温度が150〜300℃まで上昇する場合、溶断分離部Aを中心に端子50、60の間の電気的連結が破断され、過電流の流れが非可逆的に遮断される。したがって、保護回路とは独立的に過電流からマルチ電池システムを保護することができる。
【0103】
前記マルチ電池システムは、パワーツール(Power Tool);電気自動車(Electric Vehicle)、ハイブリッド電気自動車(Hybrid Electric Vehicle)、及びプラグインハイブリッド電気自動車(Plug−in Hybrid Electric Vehicle)を含む電気自動車;電気トラック;または電力貯蔵装置に使用される大容量の二次電池システムとして使用することができる。
【実施例】
【0104】
以下、本発明の理解を助けるために実験例を開示する。しかし、下記の実験例は本発明をより容易に理解するために提供されるものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0105】
実施例1
負極リードのみに
図2に示された二次電池用部品の構造を適用し、45Ahの容量を有するパウチ型のリチウム二次電池を製造した。したがって、負極リードは2つの銅プレートが線溶接によって無鉛半田ブリッジに接合された構造を有する。銅プレート及び無鉛半田ブリッジの厚さはそれぞれ0.2mm及び0.5mmであった。前記線溶接は3.5kVのエネルギーを有するレーザーを使用して行った。線溶接が行われた地点間の距離は1mmであった。無鉛半田ブリッジは、スズ及び銅の含量がそれぞれ96重量%及び4重量%であり、幅が3mmである半田合金板を使用して形成した。
【0106】
実施例2
無鉛半田ブリッジの形成に使用された合金板の含量がスズ99.4重量%、銅0.5重量%、及びニッケル0.1重量%であることを除き、実施例1と同様に45Ah容量のパウチ型リチウム二次電池を製造した。
【0107】
比較例
無鉛半田ブリッジを設けず、厚さが0.2mmである銅プレートからなる負極リードを使用したことを除き、実施例1と同様に45Ah容量のパウチ型リチウム二次電池を製造した。
【0108】
実験例1:リチウム二次電池の抵抗測定実験
実施例1のリチウム二次電池を25℃の大気圧環境で充電と放電を行った。充電電流の大きさは72Aに、放電電流の大きさは95Aに設定した。
【0109】
リチウム二次電池を充電するとき、SOC(State of Charge)が10%ずつ増加する度に二次電池の抵抗を測定し、平均抵抗値として1.515mΩが得られた。
【0110】
実施例2のリチウム二次電池に対しても実施例1と同様に抵抗測定実験を行い、平均抵抗値として1.529mΩが得られた。
【0111】
比較例のリチウム二次電池に対しても実施例1と同様に抵抗測定実験を行い、平均抵抗値として1.494mΩが得られた。
【0112】
前記抵抗測定実験によれば、実施例1は比較例に比べて1.4%の抵抗増加特性を見せ、実施例2は比較例に比べて2.3%の抵抗増加特性を見せる。したがって、負極リードに本発明による二次電池用部品の構造を適用しても、従来のリチウム二次電池と比べて抵抗特性が大きく変わらないことが分かる。
【0113】
また、実施例2の銅の含量が0.5重量%と非常に低い点に鑑みれば、無鉛半田ブリッジに含有された銅の含量を2〜20重量%に調節することで、少なくとも2.3%未満の抵抗増加特性が得られることが自明である。
【0114】
実験例2:リチウム二次電池の短絡実験
本発明による二次電池用部品の構造がリチウム二次電池の電極リードに適用されたとき、過電流環境における安全性を評価するために短絡実験を行った。
【0115】
実施例1及び2のリチウム二次電池をSOC 100%まで満充電させた後、正極電極と負極電極とを相互連結して短絡条件を形成した。短絡条件を形成した後、一定時間間隔で短絡電流の大きさを測定しながら、負極リードのプレート部分及び二次電池の包装材の中央部分で経時的な温度変化を観察した。短絡電流及び温度のモニタリング結果は、
図20及び
図21に示した。
【0116】
図20を参照すれば、実施例1及び2のリチウム二次電池は全て短絡条件が形成された直後、短絡電流の大きさが1465Aまで急激に上昇し、短絡電流が流れ始めてから1秒もならないうちに負極リードで破断が発生しながら、短絡電流の大きさが0に減少したことが分かる。負極リードが破断したということは、少なくとも負極リードに含まれた無線半田ブリッジの温度が溶融温度まで急激に上昇したことを裏付ける。
【0117】
また、
図21を参照すれば、実施例1及び2のリチウム二次電池は全て短絡電流が急激に増加したにもかかわらず、二次電池の温度に実質的な変化はなく、電極リードの温度は過電流発生の直後に常温から18℃程度増加した後、1分以内に再び常温に戻ることが確認できる。
【0118】
比較例のリチウム二次電池に対しても同様の短絡実験を行った。実験の結果、リチウム二次電池の温度が2分にならないうちに100℃以上に急激に上昇し、リチウム二次電池の封止部分が開かれてガスが放出され、ガス放出の直後にはリチウム二次電池の温度が60℃程度に維持されることが確認できた。
【0119】
上記の実験結果によれば、実施例1及び2のリチウム二次電池の場合、短絡電流が発生すれば直ちに電極リードの破断によって過電流が遮断され、無線半田ブリッジの溶融が起きる電極リードの破断部分のみで150〜300℃の局所的な温度上昇が生じるため、過電流が発生しても二次電池には実質的な影響がないことが分かる。
【0120】
したがって、本発明による二次電池用部品の構造をリチウム二次電池の電極リードに適用すれば、過電流環境におけるリチウム二次電池の安全性を向上できることが分かる。
【0121】
実験例3:リチウム二次電池の過充電実験
本発明による二次電池用部品の構造がリチウム二次電池の電極リードに適用されたとき、過充電時の安全性を評価するために過充電実験を行った。
【0122】
過充電実験では、実施例1〜2及び比較例のリチウム二次電池を使用し、各電池を10V/1Aの条件で過充電して二次電池の状態をモニタリングした。
【0123】
モニタリング項目は、発火有無、爆発有無、及び煙発生有無であり、モニタリングの結果は下記表1に示した。
【0124】
【表1】
【0125】
実験の結果、比較例のリチウム二次電池は、過充電によって電池の温度が急激に上昇し、結局電池の発火及び爆発が発生した。これに比べて、実施例1及び2のリチウム二次電池は、急激な温度上昇によって負極リードが破断されるため、安全性に問題がないことが確認できた。したがって、本発明による二次電池用部品の構造をリチウム二次電池の電極リードに適用すれば、過電流環境だけでなく、過充電環境でも二次電池の安全性が向上できることが分かる。
【0126】
実験例4:二次電池用部品の引張強度特性の評価実験
本発明による引張強度特性を評価するため、次のような実験を行った。
【0127】
まず、本発明による二次電池用部品の無鉛半田ブリッジとして使用される半田物質と金属プレートとの接合強度を測定した。
【0128】
サンプル1
幅1cm、長さ4cm、厚さ0.5mmの銅板と、幅1cm、長さ4cm、厚さ0.5mmであり、スズ及び銅の含量がそれぞれ96重量%及び4重量%である半田合金板とを3mm重ねた後、重畳部分の中央に沿ってレーザーで線溶接を行ってサンプル1を製作した。
【0129】
サンプル2
幅1cm、長さ4cm、厚さ0.5mmの銅板と、幅1cm、長さ4cm、厚さ0.2mmのアルミニウム板とを3mm重ねた後、重畳部分の中央に沿ってサンプル1と同様にレーザーで線溶接を行ってサンプル2を製作した。
【0130】
上記のようにサンプル1及び2を製作した後、UTM(Universal Testing Machine)を使用して各サンプルの引張強度を測定した。その結果、サンプル1の引張強度は233.2N、サンプル2の引張強度は150.9Nであり、サンプル1の引張強度がサンプル2に比べて54.5%程度と非常に大きいことが分かる。したがって、本発明による二次電池用部品に使用される無鉛半田物質は金属プレートとの接合特性が非常に優れることが確認できる。一方、サンプル2の引張強度は、二次電池の電極リードやマルチ電池システムに使用される各種コネクタに求められる引張強度のレベルより大きい。したがって、本発明による無鉛半田ブリッジが、二次電池の電極リードやマルチ電池システムに使用される各種コネクタに適用されても全く問題ないことが分かる。
【0131】
次に、スズ及び銅を含む無鉛半田物質における銅の含量変化による引張強度特性を評価した。そのために、銅の含量が4重量%、6重量%、8重量%、10重量%、15重量%、及び20重量%である6つのサンプル3ないしサンプル8を用意した。
【0132】
サンプル3ないし8の厚さ、幅及び長さは、全て0.5mm、1cm及び5cmにし、各サンプルの引張強度はUTMを使用して測定した。測定結果は
図22に示した。
【0133】
図22を参照すれば、無鉛半田物質の引張強度は銅の含量が4〜8重量%のとき、同じ程度の高い引張強度特性を示すことが分かる。ところで、サンプル1及び2に対する引張強度測定実験を通じて銅の含量が4重量%の無鉛半田物質は金属プレートとの接合特性に優れることを既に確認した。したがって、銅の含量が4〜8重量%の無鉛半田物質の場合も金属プレートとの接合特性が非常に良好であることは自明である。また、銅の含量が4重量%未満になれば、引張強度特性の良好なスズの含量が相対的に増える。したがって、直接測定しなくても、銅の含量が4重量%未満の場合、少なくとも銅の含量が4〜8重量%のときの引張強度水準を維持するはずであることは自明である。
【0134】
一方、銅の含量が10〜20重量%に増えれば、銅の含量が4〜8重量%の場合に比べて引張強度特性が少し低くなることが確認できる。しかし、引張強度の減少量が大きくないため、銅の含量が10〜20重量%の無鉛半田物質も本発明による二次電池用部品への使用に十分な引張強度特性を有するということが自明である。
【0135】
上記の実験結果から、本発明による二次電池用部品の構造の具現に使用される無鉛半田物質は、二次電池の電極リードやマルチ電池システムに使用される各種コネクタとして使用するのに十分な引張強度特性を有することが分かる。
【0136】
したがって、従来使用される電極リードやコネクタの幾何学的規格を実質的に変更せず、電極リードやコネクタを本発明による二次電池用部品に代替することができる。
【0137】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれによって限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。