【文献】
NIFANT'EV, Ilya E. et al.,Novel Effective Racemoselective Method for the Synthesis of ansa-Zirconocenes and Its Use for the Preparation of C2-Symmetric Complexes Based on 2-Methyl-4-aryltetrahydro(s)indacene as Catalysts for Isotactic Propylene Polymerization and Ethylene-Propylene Copolymerization,ORGANOMETALLICS,2012年,Vol.31,pp.4340-4348
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0031】
本明細書で使用される用語は、単に例示的な実施形態を説明するために使用されたものに過ぎず、本発明を限定する意図はない。単数の表現は文脈上明白に異なる意味を有しない限り、複数の表現を含む。本明細書で、「含む」または「有する」などの用語は、実施された特徴、数字、段階、構成要素またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、構成要素、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0032】
本発明は、多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することができるところ、 特定の実施形態を例示し、下記で詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に対して限定するものでなく、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物または代替物を含むものと理解しれなければならない。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、下記の化学式1で表されるリガンド化合物を提供する。
【0036】
前記化学式1中、
nは、1〜2の整数であり、
R
1〜R
10は、同一または異なり、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基またはシリル基であり、R
1〜R
10のうち互いに隣接する2つ以上は、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を含むアルキリジン基により互いに連結されて環を形成することができ、
R
11は、水素、ハロゲン基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、または炭素数6〜20のアリール基であり、
Qは、炭素またはシリコンである。
【0037】
次に、前記化学式1で定義された各置換基について詳細に説明する。
【0038】
前記アルキル基は、直鎖または分枝鎖のアルキル基を含む。
【0039】
前記アルケニル基は、直鎖または分枝鎖のアルケニル基を含む。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、前記アリール基は炭素数6〜20であることが好ましく、具体的には、フェニル、ナフチル、アントラセニル、ピリジル、ジメチルアニリニル、アニソリルなどがあるが、これら例だけに限定されない。
【0041】
前記アルキルアリール基は、前記アルキル基により置換されたアリール基を意味する。
【0042】
前記アリールアルキル基は、前記アリール基により置換されたアルキル基を意味する。
【0043】
前記ハロゲン基は、フッ素基、塩素基、臭素基またはヨウ素基を意味する。
【0044】
前記アルキルアミノ基は、前記アルキル基により置換されたアミノ基を意味し、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などがあるが、これら例だけに限定されない。
【0045】
前記アリールアミノ基は、前記アリール基により置換されたアミノ基を意味し、ジフェニルアミノ基などがあるが、これら例だけに限定されない。
【0046】
前記シリル基は、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリブチルシリル、トリヘキシルシリル、トリイソプロピルシリル、トリイソブチルシリル、トリエトキシシリル、トリフェニルシリル、トリス(トリメチルシリル)シリルなどがあるが、これら例だけに限定されない。
【0047】
前記アリール基は、炭素数6〜20であることが好ましく、具体的には、フェニル、ナフチル、アントラセニル、ピリジル、ジメチルアニリニル、アニソリルなどがあるが、これら例だけに限定されない。
【0048】
前記化学式1で表されるリガンド化合物は、下記の構造式のうちの一つで表され得るが、これに限定されない。
【0052】
前記構造式中、Meはメチル(methyl)基、Phはフェニル(phenyl)基を示す。
【0053】
前記化学式1で表される化合物は、金属とキレートを形成することができるリガンド化合物であってもよい。
【0054】
また、本発明の他の一実施形態によれば、下記の化学式3で表される化合物と、下記の化学式4で表される化合物とを反応させて下記の化学式5で表される化合物を製造する段階と、下記の化学式5で表される化合物またはそのリチウム塩と、下記の化学式6で表される化合物とを反応させる段階と、を含む下記の化学式1で表されるリガンド化合物の製造方法を提供する。
【0060】
前記化学式1、3、4、5および6中、
nは、1〜2の整数であり、
R
1〜R
10は、同一または異なり、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基またはシリル基であり、R
1〜R
10のうち互いに隣接する2つ以上は、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を含むアルキリジン基により互いに連結されて環を形成することができ、
R
11は、水素、ハロゲン基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、または炭素数6〜20のアリール基であり、
X
3は、ハロゲン基であり、
Qは、炭素またはシリコンである。
【0061】
本発明のリガンド化合物の製造方法において、まず、前記化学式3で表される化合物と、前記化学式4で表される化合物とを反応させて前記化学式5で表される化合物を製造する。
【0062】
より具体的に本発明の一実施形態によれば、前記化学式3で表されるインデニルのハロゲン誘導体化合物と前記化学式4で表されるインドリンまたはテトラヒドロキノリン誘導体化合物とを塩基およびパラジウム触媒の存在下にカップリング反応させてC−N結合を形成することによって、前記化学式5で表される化合物を製造することができる。この時に用いるパラジウム触媒は、特に制限されず、例えば、ビス(トリ(第3ブチル)ホスフィン))パラジウム(((tert−Bu)
3P)
2Pd)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh
3)
4)、パラジウムクロライド(PdCl
2)、パラジウムアセテート(Pd(OAc)
2)またはビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(Pd(dba)
2)などを用いることができる。
【0063】
次に、前記化学式5で表される化合物またはそのリチウム塩と、前記化学式6で表される化合物とを反応させることによって前記化学式1で表されるリガンド化合物を得ることができる。
【0064】
より具体的に本発明の一実施形態によれば、前記化学式5で表される化合物をn−BuLiのような有機リチウム化合物と反応させて化学式5で表される化合物のリチウム塩を製造する。次に、前記化学式6で表される化合物を混合した後、混合物を攪拌して反応させる。以降、反応物を濾過して生成された沈殿物を洗浄し、減圧下で乾燥することによってインデニル基誘導体がQ(炭素またはシリコン)によりC2対称的に架橋された構造である前記化学式1で表されるリガンド化合物を得ることができる。
【0065】
前記本発明の製造方法によれば、前記リガンド化合物はラセミ体(racemic)とメソ(meso)化合物の2形態のうちの一つで得られるか、またはラセミ体とメソが混合された形態で得られてもよい。
【0066】
また、本発明の他の一実施形態によれば、下記の化学式2で表される遷移金属化合物を提供する。
【0067】
本発明の遷移金属化合物は、前記化学式1で表される化合物をリガンドにして4族遷移金属が配位結合された形態であり、下記の化学式2で表され得る。
【0069】
前記化学式2中、
nは、1〜2の整数であり、
R
1〜R
10は、同一または異なり、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基またはシリル基であり、R
1〜R
10のうち互いに隣接する2つ以上は、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を含むアルキリジン基により互いに連結されて環を形成することができ、
R
11は、水素、ハロゲン基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、または炭素数6〜20のアリール基であり、
Qは、炭素またはシリコンであり、
Mは、4族の遷移金属であり、
X
1およびX
2は、同一または異なり、それぞれ独立して、ハロゲン基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアリールアミノ基または炭素数1〜20のアルキリデン基である。
【0070】
本発明の一実施形態によれば、前記Mに該当する4族の遷移金属としては、Ti、Zr、Hfなどがあ挙げられるが、これに限定されない。
【0071】
また本発明の一実施形態によれば、前記化学式2で表される遷移金属化合物は、下記の構造式のうちの一つで表され得るが、これに限定されない。
【0078】
前記構造式中、Meはメチル(methyl)基、Phはフェニル(phenyl)基を示す。
【0079】
また、本発明の他の一実施形態によれば、前記化学式2で表される遷移金属化合物の製造方法を提供する。
【0080】
本発明の他の一実施形態に係る遷移金属化合物の製造方法は、下記の化学式1で表されるリガンド化合物と、下記の化学式7で表される化合物とを反応させる段階を含む。
【0084】
前記化学式1、2および7中
nは、1〜2の整数であり、
R
1〜R
10は、同一または異なり、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基またはシリル基であり、R
1〜R
10のうち互いに隣接する2つ以上は、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を含むアルキリジン基により互いに連結されて環を形成することができ、
R
11は、水素、ハロゲン基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、または炭素数6〜20のアリール基であり、
Qは、炭素またはシリコンであり、
Mは、4族の遷移金属であり、
X
1およびX
2は、同一または異なり、それぞれ独立して、ハロゲン基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアリールアミノ基または炭素数1〜20のアルキリデン基である。
【0085】
本発明の一実施形態によれば、前記Mに該当する4族の遷移金属としては、Ti、Zr、Hfなどがあ挙げられるが、これに限定されない。
【0086】
より具体的に、前記化学式1で表されるリガンド化合物をn−BuLiのような有機リチウム化合物と反応させてリチウム塩を製造した後、前記化学式7で表される金属ソースと混合した後、混合物を攪拌して反応させる。以降、反応物を濾過して生成された沈殿物を洗浄し、減圧下で乾燥することによってリガンド化合物に金属原子が結合した錯体(complex)形態に化学式2で表される有機金属化合物を得ることができる。
【0087】
前記本発明の製造方法によれば、前記化学式2で表される遷移金属化合物は、ラセミ体(racemic)とメソ(meso)化合物の2形態でそれぞれ得られるか、またはラセミ体とメソが混合された形態で得られてもよい。ラセミ体とメソが混合された形態である場合、再結晶化段階を経て最終的にラセミ体だけの遷移金属化合物を得ることができる。
【0088】
前記化学式1で表されるリガンド化合物および化学式2で表される遷移金属化合物は、ビスインデニル基が炭素またはシリコンにより架橋された構造を形成し、インデニル基にそれぞれインドリン基またはテトラヒドロキノリン基が連結されており、C2対称的な架橋構造を示す。前記のように、本発明の遷移金属化合物は、電子的に豊富なインドリン基またはテトラヒドロキノリン基を含むことによって中心金属の電子密度が高くなって高温安定性が高く、高分子量のポリオレフィン系重合体、特に、アイソタクチックポリオレフィン系重合体、例えばアイソタクチックポリプロピレン(isotatic polypropylene)を合成する際に有用に用いることができる。
【0089】
本発明による新規な構造のリガンド化合物およびこれを含む遷移金属化合物は、オレフィン系重合体を製造する際に重合反応触媒として用いることができる。
【0090】
以下、本発明の理解のために好ましい実施例を記載する。下記の実施例は、本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【0091】
<実施例>
下記の実施例で、「一晩中」という用語は、ほぼ12〜16時間を意味し、「常温」という用語は、20〜30℃の温度を意味する。用いた有機試薬および溶媒は、アルドリッチ(Aldrich)社と、メルク(Merck)社で購入して標準方法により精製して用いた。合成のすべての段階において空気と水分の接触を遮断して実験の再現性を高めた。生成された化合物の構造を立証するために、500MHzの核磁気共鳴器(NMR)を用いてスペクトルを得た。
【0092】
リガンド化合物および遷移金属化合物の合成
実施例1
1−(2−methyl−1H−inden−4−yl)−1,2,3,4−tetrahydroquinoleの合成
500mlの2口シュレンクフラスコ(2−neck Schlenk flask)に4−bromo−2−methyl−1H−indene(15.7g、75.63mmol)、1,2,3,4−tetrahydroquinone(11.08g、83.19mmol)、LiOtBu(18.16g、226.89mmol)、Pd(P(tBu)
3)
2(0.77g、1.5mmol)を入れてドライトルエン(dry toluene)252mLを加えて出発物質を溶かした後、110℃のオイルバス(oil bath)下で一晩中攪拌した。常温に冷ました後、脱イオン水(deionized water)151mLを加えて反応を終結させた。
【0093】
有機層を分離した後、水層はジクロロメタン(DCM)50mLで二回抽出した。有機層を集めてNa
2SO
4で乾燥し濾過した後、蒸留して60℃で一晩中にかけて真空乾燥して橙色の化合物(15.8g、4−bromo−2−methyl−1H−indene対比定量収率、出発物質対比80%収率)を得た。
【0094】
1H-NMR (CDCl
3): δ 7.30-7.20 (m, 3H in isomers), 7.15-7.10 (d, J=7.5Hz, 2H in isomers), 7.15-7.10 (d, J=8.0Hz, 1H in isomers), 7.10-7.05 (d, J=8.0Hz, 1H in isomers), 7.05-7.00 (d, J=7.5Hz, 3H in isomers), 7.00-6.95 (d, J=7.5Hz, 2H in isomers), 6.90-6.80 (t, J=7.5Hz, 3H in isomers), 6.65-6.58 (m, 3H in isomers), 6.48 (s, 2H in isomers), 6.33 (s, 1H in isomers), 6.30-6.25 (d, J=8.0Hz, 1H in isomers), 6.25-6.22 (d, J=8.0Hz, 2H in isomers), 3.62-3.59 (t, J=5.5Hz, 6H in 2-quinolinyl of isomers), 3.33 (s, 2H in 1H-indene of isomers), 3.10 (s, 3H in 1H-indene of isomers), 3.00-2.85 (m, 6H in 4-quinolinyl of isomers), 2.22-2.00 (m, 14H in 3H-quinolinyl and 2-Me of isomers)
【0095】
Bis(4−(3,4−dihydroquinolin−1(2H)−yl)−2−methyl−1H−inden−1−yl)−dimethyl silaneの合成
500mLのシュレンクフラスコに1−(2−methyl−1H−inden−4−yl)−1,2,3,4−tetrahydroquinole(15.8g、60.5mmol)を入れてドライジエチルエテール(dry diethyl ether)300mLを加えて出発物質を溶かした後、−78℃でn−BuLi(2.5M in n−Hx)(26.6mL)を加えて常温で一晩中攪拌した。以降、ガラスフリット(G4)を用いて濾過した。ガラスフリットに残っている固体を真空乾燥して白色固体のリチウム化生成物(lithiated product)(14.4g、89%の収率)を得た。グローブボックス内で前記リチウム化生成物(14.2g、53.1mmol)を500mLのシュレンクフラスコに入れた後、ドライトルエン152mL、THF7.6mLを加えて溶かした。−30℃に温度を低くした後、Me
2SiCl
2(3.2mL、26.6mmol)を加えて常温で1日間攪拌した。以降、140℃のオイルバス下で5時間攪拌した。常温で冷ました後、脱イオン水50mLを加えて反応を終了させた。
【0096】
有機層を分離した後、水層はジクロロメタン(DCM)50mLで二回抽出した。有機層を集めてK
2CO
3で乾燥し濾過した後、蒸留して60℃で一晩中にかけて真空乾燥して茶色を帯びる白色固体のリガンド化合物(15.8g、リチウム化生成物対比定量収率、出発物質対比89%収率)を得た。
1H−NMR分析結果、rac:mesoの比率は約1:1であった。
【0097】
1H-NMR (CDCl
3): δ 7.40 (d, J=7.5Hz, 2H, 7,7'-H in indenyl of rac-isomer), 7.25 (d, J=7.5Hz, 2H, 7,7'-H in indenyl of meso-isomer), 7.15 (t, J=7.5Hz, 2H, 6,6'-H in indenyl of rac-isomer), 7.12 (t, J=8.0Hz, 2H, 6,6'-H in indenyl of meso-isomer), 7.10 (d, J=7.5Hz, 2H, 5,5'-H in quinolinyl of of rac-isomer), 7.08 (d, J=7.5Hz, 2H, 5,5'-H in quinolinyl of of meso -isomer), 7.02 (dd, J
1=7.0 Hz, J
2=1.0Hz, 4H, 5,5'-H in indenyl of rac- and meso-isomers), 6.85-6.81 (m, 4H, 7,7'-H in quinolinyl of rac- and meso-isomers), 6.60 (td, J
1=7.5 Hz, J
2=1.0Hz, 4H, 6,6'-H in quinolinyl of rac- and meso-isomers), 6.46 (s, 4H, 3,3'-H in indenyl of rac- and meso-isomers), 6.26 (d, J=8.0Hz, 4H, 8,8'-H in quinolinyl of rac- and meso-isomers), 3.81 (s, 2H, 1,1'-H in indenyl of rac-isomer), 3.79 (s, 2H, 1,1'-H in indenyl of meso-isomer), 3.69-3.57 (m, 8H, 2,2'-H in quinolinyl of rac- and meso-isomers), 2.92 (t, J=6.0Hz, 8H, 4,4'-H in quinolinyl of rac- and meso-isomers), 2.21 (d, J=0.5Hz, 6H, 2,2'-Me in meso-isomer), 2.13 (d, J=1.0Hz, 6H, 2,2'-Me in rac- isomer), 2.13-2.08 (m, 8H, 3,3'-H in quinolinyl of rac- and meso-isomers), -0.27 (s, 3H, SiMe of meso-isomer), -0.29 (s, 6H, SiMe
2 of rac-isomer), -0.30 (s, 3H, SiMe' of meso-isomer)
【0098】
rac−dimethylsilylene−Bis(4−(3,4−dihydroquinolin−1(2H)−yl)−2−methyl−indenyl)zircoium dichlorideの合成
500mLのシュレンクフラスコにBis(4−(3,4−dihydroquinolin−1(2H)−yl)−2−methyl−1H−inden−1−yl)−dimethyl silane10.4g(18mmol、rac:meso=1:1)を入れてドライトルエン285mLを加えて出発物質を溶かした後、−78℃でn−BuLi(2.5M in n−Hx)14.4mLを加えて常温で5時間攪拌した。これを再び−78℃に冷まし、予め準備しておいた−78℃のZrCl
4溶液4.2g(18mmol in 60mL toluene)があるシュレンクフラスコにカニューレ(cannula)を用いて移し、常温で一晩中攪拌した。反応終結後、セライト(celite)が敷かれたガラスフリット(G4)で濾過した。ガラスフリットに残っている固体は、ドライトルエン約5mLで3回洗い落とした。トルエン溶液(Toluene solution)を真空乾燥して赤色の固体を得た。ガラスフリットに残っている固体は、ジクロロメタン(DCM)で溶かし出した。DCM濾過液を真空乾燥して赤色の固体を得た。
1H−NMR分析結果、二つの固体共にrac:meso=1:1のZr錯体(Zr complex)であった。この粗生成物(crude product)を集めて45℃のオイルバスに置いた後、攪拌しながらドライトルエン50mLを加えて溶かした。これを−30℃の冷凍室に3日間保管して再結晶させた。生成された赤色固体をガラスフリット(G4)で濾過してドライn−ヘキサン(dry n−hexane)5mLで二回洗浄した後、真空乾燥してラセミ体(racemic)型の最終結果物1.3g(1.9mmol、10.4%収率)を得た。
【0099】
1H-NMR (Tol-d
3): δ 7.19 (d, J=8.5Hz, 2H, 7,7'-H in indenyl), 7.02 (d, J=7.5Hz, 2H, 5,5'-H in quinolinyl), 6.92 (d, J=7.5Hz, 2H, 5,5'-H in indenyl), 6.85-6.82 (m, 2H, 7,7'-H in quinolinyl), 6.76 (dd, J
1=8.5 Hz, J
2=7.5Hz, 2H, 6,6'-H in indenyl), 6.70-6.68 (m, 2H, 6,6'-H in quinolinyl), 6.67 (s, 2H, 3,3'-H in indenyl), 6.54 (d, J=8.5Hz, 2H, 8,8'-H in quinolinyl), 3.85-3.69 (m, 4H, 2,2'-H in quinolinyl), 2.65-2.54 (m, 4H, 4,4'-H in quinolinyl), 1.95 (s, 6H, 2,2'-Me), 1.90-1.70 (m, 4H, 3,3'-H in quinolinyl), 0.84 (s, 6H, SiMe
2)
【0100】
実施例2
rac−dimethylsilylene−Bis(4−(3,4−dihydroquinolin−1(2H)−yl)−2−methyl−indenyl)hafnium dichlorideの合成
250mLのシュレンクフラスコに前記実施例1で製造されたBis(4−(3,4−dihydroquinolin−1(2H)−yl)−2−methyl−1H−inden−1−yl)−dimethyl silane3g(5.2mmol、rac:meso=1:1)を入れてドライトルエン85mLを加えて出発物質を溶かした後、−78℃でn−BuLi(2.5M in n−Hx)4.4mLを加えて常温で5時間攪拌した。これを再び−78℃に冷まし、予め準備しておいた−78℃のHfCl
4溶液1.7g(5.2mmol in 20mL toluene)があるシュレンクフラスコにカニューレを用いて移し、常温で一晩中攪拌した。反応終結後、セライトが敷かれたガラスフリット(G4)で濾過した。ガラスフリットに残っている固体は、ドライトルエン約3mLで3回洗い落とした。トルエン溶液を真空乾燥して赤色の固体を得た。ガラスフリットに残っている固体は、ジクロロメタン(DCM)で溶かし出した。DCM濾過液を真空乾燥して赤色の固体を得た。
1H−NMR分析結果、二つの固体共にrac:meso=1:1のHf錯体(Hf complex)であった。この粗生成物を集めて45℃のオイルバスに置いた後、攪拌しながらドライトルエン50mLを加えて溶かした。これを−30℃の冷凍室に3日間保管して再結晶させた。生成された赤色固体をガラスフリット(G4)で濾過してドライn−ヘキサン3mLで二回洗浄した後、真空乾燥してラセミ体型の最終結果物1.0g(1.2mmol、23%収率)を得た。
【0101】
1H-NMR (Tol-d
3): δ 7.23 (d, J=9.0Hz, 2H, 7,7'-H in indenyl), 6.98 (d, J=7.5Hz, 2H, 5,5'-H in quinolinyl), 6.90 (d, J=7.0Hz, 2H, 5,5'-H in indenyl), 6.82-6.79 (m, 2H, 7,7'-H in quinolinyl), 6.72 (dd, J
1=8.5 Hz, J
2=7.5Hz, 2H, 6,6'-H in indenyl), 6.68-6.65 (m, 2H, 6,6'-H in quinolinyl), 6.57 (s, 2H, 3,3'-H in indenyl), 6.51 (d, J=8.5Hz, 2H, 8,8'-H in quinolinyl), 3.81-3.66 (m, 4H, 2,2'-H in quinolinyl), 2.63-2.53 (m, 4H, 4,4'-H in quinolinyl), 2.03 (s, 6H, 2,2'-Me), 1.87-1.67 (m, 4H, 3,3'-H in quinolinyl), 0.82 (s, 6H, SiMe
2)
【0102】
比較例1
rac−1,1’−dimethtylsilylene−bis(indenyl)hafnium dichloride
rac−1,1’−dimethtylsilylene−bis(indenyl)hafnium dichloride化合物は、米国特許No.5,905,162のExample1により合成して用いた。
【0103】
プロピレン単独重合体の製造
実施例3
300mLのミニクレーイブ反応器にトルエン溶媒(200mL)を加えた後、反応器の温度を70℃に予熱した。1x10
-3Mのジメチルアニリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート助触媒5mLをトリイソブチルアルミニウム化合物で処理された前記実施例1の遷移金属化合物(5x10
-4M、1mL)を順に反応器に入れた。プロピレン(5bar)を連続注入しながら重合反応を始めた。重合反応を10分間進行した後、残ったガスを取り出して高分子溶液を過量のエタノールがあるビーカーに注いで沈澱を誘導した。得られた高分子をエタノールおよびアセトンでそれぞれ2〜3回洗浄した後、80℃の真空オーブンで12時間以上乾燥した後、物性を測定した。
【0104】
実施例4
前記実施例2の遷移金属化合物を用いたことを除いては、前記実施例3と同様な方法でオレフィン系重合体を製造した。
【0105】
比較例2
前記比較例1の遷移金属化合物を用いたことを除いては、前記実施例3と同様な方法でオレフィン系重合体を製造した。
【0106】
重合体の融点(Tm)は、TA社のQ100を用いて測定した。測定値は重合体の熱履歴(thermal history)をなくすために、1分当り10℃に昇温させた第2次の溶融(melting)を通じて得た。
【0107】
前記実施例3、4および比較例2に対して上記のような方法で物性を測定した後、その結果を下記表1に示した。
【0109】
前記表1を参照すれば、実施例3および4により製造されたプロピレン重合体は、比較例2の重合体に比べて高い融点(Tm)を示した。つまり、本発明の遷移金属化合物を触媒として用いる時、アイソタクチシティー(isotacticity)が高いオレフィン系重合体が得られることを確認した。
【0110】
エチレン−プロピレン共重合体の製造
実施例5
2Lのオートクレーブ反応器にトルエン溶媒(0.8L)とプロピレン(100g)を加えた後、反応器の温度を70℃に予熱した。トリイソブチルアルミニウム化合物で処理された前記実施例1の遷移金属化合物(5x10
-4M、2mL)を触媒貯蔵タンクに入れた後、高圧のアルゴン圧力を加えて反応器に入れ、1x10
-3Mのジメチルアニリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート助触媒10mLを順次に高圧アルゴン圧力を加えて反応器に入れた。重合反応は10分間進行した。反応熱、は反応器内部の冷却コイルを通じて除去して重合温度を最大限一定に維持した。重合反応を10分間進行した後、残ったガスを取り出して高分子溶液を反応器の下部に排出させ、過量のエタノールを加えて冷却させて沈澱を誘導した。得られた高分子をエタノールおよびアセトンでそれぞれ2〜3回洗浄した後、80℃の真空オーブンで12時間以上乾燥した後、物性を測定した。
【0111】
比較例3
前記比較例1の遷移金属化合物を用いたことを除いては、前記実施例5と同様な方法でオレフィン系重合体を製造した。
【0112】
重合体の密度(density)は、190℃のプレスモールド(press mold)で厚さ3mm、半径2mmのシートを製作し、10℃/minで冷却してメトラー (Mettler)秤で測定した。溶融指数(melt flow rate、MFR)は、ASTM D−1238(条件E、230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した。融点(Tm)は、TA社のQ100を用いて測定した。測定値は、重合体の熱履歴をなくすために、1分当り10℃に昇温させた第2次の溶融を通じて得た。
【0113】
前記実施例5および比較例3について上記のような方法で物性を測定した後、その結果を下記表2に示した。