特許第5959714号(P5959714)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5959714
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20160719BHJP
   H04N 5/369 20110101ALI20160719BHJP
   G02B 7/28 20060101ALI20160719BHJP
   G03B 13/36 20060101ALI20160719BHJP
   G03B 17/17 20060101ALI20160719BHJP
   G02B 13/00 20060101ALI20160719BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20160719BHJP
   G02B 7/34 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   H04N5/225 Z
   H04N5/225 D
   H04N5/335 690
   G02B7/28 N
   G03B13/36
   G03B17/17
   G02B13/00
   G02B13/18
   G02B7/34
【請求項の数】13
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2015-501354(P2015-501354)
(86)(22)【出願日】2014年1月8日
(86)【国際出願番号】JP2014050116
(87)【国際公開番号】WO2014129216
(87)【国際公開日】20140828
【審査請求日】2015年8月4日
(31)【優先権主張番号】特願2013-32100(P2013-32100)
(32)【優先日】2013年2月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】小野 修司
【審査官】 山口 祐一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−253670(JP,A)
【文献】 特開2010−271429(JP,A)
【文献】 特開2006−345056(JP,A)
【文献】 特表2011−505022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/28−7/40
9/00−17/08
21/02−21/04
25/00−25/04
G03B 3/00−3/12
13/30−13/36
15/00−15/16
17/04−17/17
19/00−19/16
H04N 5/222−5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ同一の光軸上に配置された中央部の中央光学系とその周辺部の環状光学系とからなる撮影光学系と、
2次元状に配列された光電変換素子により構成された複数の画素を有する指向性センサであって、前記中央光学系及び前記環状光学系を介して入射する光束をそれぞれ瞳分割して選択的に受光する複数の画素を含む指向性センサと、
前記中央光学系を介して受光した第一画像を示す画像信号と前記環状光学系を介して受光した第二画像を示す画像信号とをそれぞれ前記指向性センサから取得する画像読み出し装置と、を備え、
前記指向性センサは、像面位置における前記中央光学系及び前記環状光学系の瞳形状に応じた指向特性のものが使用され、
前記指向性センサは、瞳分割手段として機能するマイクロレンズを有し、当該マイクロレンズにより瞳像を分離してそれぞれ入射させる、1マイクロレンズ当たりの前記画素の個数が、像高が高くなるにしたがって少なくなるように割り当てられている撮像装置。
【請求項2】
前記指向性センサの各画素のサイズは同一であり、前記マイクロレンズは、像高が高くなるにしたがって小さいサイズのものが使用される請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記マイクロレンズのサイズは同一であり、前記指向性センサの画素のサイズは、像高が高くなるにしたがって大きくなる請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記中央光学系は、その結像倍率が中央部で大きく、周辺側で小さい請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記環状光学系は、その結像倍率が内径側で小さく、外径側で大きい請求項2又は4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記指向性センサは、瞳分割手段として機能する遮光マスクを有し、当該遮光マスクは、像面位置における前記中央光学系及び前記環状光学系の瞳形状に応じた開口形状のものが使用される請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
それぞれ同一の光軸上に配置された中央部の中央光学系とその周辺部の環状光学系とからなる撮影光学系と、
2次元状に配列された光電変換素子により構成された複数の画素を有する指向性センサであって、前記中央光学系及び前記環状光学系を介して入射する光束をそれぞれ瞳分割して選択的に受光する複数の画素を含む指向性センサと、
前記中央光学系を介して受光した第一画像を示す画像信号と前記環状光学系を介して受光した第二画像を示す画像信号とをそれぞれ前記指向性センサから取得する画像読み出し装置と、を備え、
前記中央光学系の第1のイメージサークルと前記環状光学系の第2のイメージサークルとは異なり、
前記指向性センサは、前記第1のイメージサークルと第2のイメージサークルとが重なる領域のみに、前記瞳分割して選択的に受光する画素が配設されている撮像装置。
【請求項8】
前記中央光学系は前記環状光学系より広角である請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
それぞれ同一の光軸上に配置された中央部の中央光学系とその周辺部の環状光学系とからなる撮影光学系と、
2次元状に配列された光電変換素子により構成された複数の画素を有する指向性センサであって、前記中央光学系及び前記環状光学系を介して入射する光束をそれぞれ瞳分割して選択的に受光する複数の画素を含む指向性センサと、
前記中央光学系を介して受光した第一画像を示す画像信号と前記環状光学系を介して受光した第二画像を示す画像信号とをそれぞれ前記指向性センサから取得する画像読み出し装置と、を備え、
前記中央光学系は前記環状光学系より広角であり、
前記環状光学系は、光束を2回以上反射させる反射光学系を有する撮像装置。
【請求項10】
前記指向性センサは、光束を最初に反射させる反射光学系よりも対物側に位置する請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記中央光学系と前記環状光学系とは、一部の光学系を共通に使用する請求項1から10のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項12】
焦点距離の異なる第一の撮影モードと第二の撮影モードとを切り替えるモード切替装置を備え、
前記画像読み出し装置は、前記モード切替装置により前記第一の撮影モードに切り替えられると、前記指向性センサから前記中央光学系を介して受光した前記第一画像を示す画像信号を取得し、前記モード切替装置により前記第二の撮影モードに切り替えられると、前記指向性センサから前記環状光学系を介して受光した前記第二画像を示す画像信号を取得する請求項1から11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記モード切替装置は、焦点距離の異なる2種類の撮影を行うハイブリッド撮影モードに切り替える切替え機能を有し、
前記画像読み出し装置は、前記モード切替装置によりハイブリッド撮影モードに切り替えられると、前記指向性センサから前記中央光学系を介して受光した前記第一画像を示す画像信号と前記環状光学系を介して受光した前記第二画像を示す画像信号とを同時に取得する請求項12に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置に関し、特に広角画像と望遠画像とを同時に取得することができる撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、同一の光軸上に中央部に広角レンズを配設し、その周辺部に環状の望遠レンズを配設した二重の焦点距離の光学システムが提案されている(特許文献1の図1)。この光学システムの環状の望遠レンズは、2枚の反射ミラーを含む反射ミラー型のレンズ構成となっており、焦点距離の長い望遠レンズをコンパクトな構成にしている。また、この光学システムの広角レンズと望遠レンズの結像位置は、それぞれ光軸方向の異なる位置になるように設計されており、それぞれの結像位置に別々の撮像素子が配設されている。
【0003】
また、広角の対物光学系と、望遠の対物光学系と、各対物光学系を通過した光線が共通に通過する共通光学系とを有し、複数の対物光学系により取り込まれる被写体光のいずれかを選択的に共通光学系へ導く反射部材を備えた光学装置が提案されている(特許文献2)。
【0004】
そして、反射部材を可動させることにより、広角の対物光学系と望遠の対物光学系のいずれか一方の対物光学系により取り込まれる被写体光を、共通光学系を介して共通の撮像素子に導くようにしている。
【0005】
また、結像レンズの異なる領域を通過する被写体光を瞳分離し、結像レンズの異なる領域に対応する撮像素子の画素にそれぞれ入射させ、瞳分離した被写体光に対応する複数の画像を同時に撮像する撮像装置が提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2011−505022号公報
【特許文献2】特開2009−122379号公報
【特許文献3】特開2012−88696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の光学システムは、広角レンズ及び望遠レンズによりそれぞれ撮影される広角画像及び望遠画像を、それぞれ光軸方向の異なる位置に配設された別々の撮像素子から取得するようにしているため、装置の小型化及び低コスト化を図ることができないという問題がある。
【0008】
特許文献2に記載の光学装置は、反射部材(反射ミラー)を可動させることにより、広角の対物光学系と望遠の対物光学系のいずれか一方の対物光学系を選択するため、同時に広角画像と望遠画像を撮影することができず、また、反射部材を可動させるための機構が必要になり、装置が大型化するという問題がある。
【0009】
また、特許文献3に記載の撮像装置は、結像レンズの異なる領域を通過する被写体光を瞳分離し、瞳分離した被写体光に対応する複数の画像を、1つの撮像素子により同時に撮像することができるが、特許文献3には、広角画像と望遠画像とを良好に撮像するための具体的な構成に関する記載はない。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、光軸を共通にする中央光学系と環状光学系とによりそれぞれ結像される第一画像及び第二画像を同時に取得することができ、かつコンパクトで安価な撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明の一の態様に係る撮像装置は、それぞれ同一の光軸上に配置された中央部の中央光学系とその周辺部の環状光学系とからなる撮影光学系と、2次元状に配列された光電変換素子により構成された複数の画素を有する指向性センサであって、中央光学系及び環状光学系を介して入射する光束をそれぞれ瞳分割して選択的に受光する複数の画素を含む指向性センサと、中央光学系を介して受光した第一画像を示す画像信号と環状光学系を介して受光した第二画像を示す画像信号とをそれぞれ指向性センサから取得する画像読み出し装置と、を備えている。
【0012】
本発明の一の態様によれば、光軸を共通にする中央光学系と環状光学系とからなる撮影光学系と、中央光学系及び環状光学系を介して入射する光束をそれぞれ瞳分割して選択的に受光する複数の画素を含む指向性センサとを組み合わせることにより、1つの指向性センサにより第一画像と第二画像とを同時に取得することができる。また、中央光学系と環状光学系は、光軸を挟んで並べた並列式の光学系に比べて画質の向上を図ることができる。
【0013】
本発明の他の態様に係る撮像装置において、指向性センサは、像面位置における中央光学系及び環状光学系の瞳形状に応じた指向特性のものが使用されることが好ましい。中央光学系及び環状光学系の瞳形状は、像面位置に応じて変化するためである。
【0014】
本発明の更に他の態様に係る撮像装置において、指向性センサは、瞳分割手段として機能する複数のマイクロレンズを有し、複数のマイクロレンズの1マイクロレンズ当たりに割り当てられる画素の数及び/又は位置は、中央光学系及び前記環状光学系の瞳位置と形状に応じた数及び/又は位置となるようにすることが好ましい。即ち、中央光学系及び環状光学系の瞳形状の像面位置に応じた変化に対して、1マイクロレンズ当たりに割り当てられる画素の数及び/又は位置を最適化することにより対応している。
【0015】
本発明の更に他の態様に係る撮像装置において、指向性センサは、瞳分割手段として機能するマイクロレンズを有し、マイクロレンズにより瞳像を分離してそれぞれ入射させる、1マイクロレンズ当たりの画素の個数が、像高が高くなるにしたがって少なくなるように割り当てられていることが好ましい。1マイクロレンズ当たりの画素の個数を固定化すると、中央部では瞳分離できて各画素に光を入射させることができても、周辺部(像高の高い位置)では、光が入りにくい画素又は光が入らない画素(無駄な画素)が発生する。本発明の更に他の態様によれば、1マイクロレンズ当たりの画素の個数を、像高が高くなるにしたがって少なくなるように割り当てるようにしたため、全ての画素に光が入るようにすることができ、指向性センサの画素を有効に利用することができる。
【0016】
本発明の更に他の態様に係る撮像装置において、指向性センサの各画素のサイズは同一であり、マイクロレンズは、像高が高くなるにしたがって小さいサイズのものが使用されることが好ましい。即ち、像高が高くなるにしたがってマイクロレンズのサイズを小さくすることにより、1マイクロレンズ当たりの画素の個数を、像高が高くなるにしたがって少なくなるようにしている。
【0017】
本発明の更に他の態様に係る撮像装置において、マイクロレンズのサイズは同一であり、指向性センサの画素のサイズは、像高が高くなるにしたがって大きくなることが好ましい。即ち、像高が高くなるにしたがって画素のサイズを大きくすることにより、1マイクロレンズ当たりの画素の個数を、像高が高くなるにしたがって少なくなるようにしている。
【0018】
本発明の更に他の態様に係る撮像装置において、中央光学系は、その結像倍率が中央部で大きく、周辺側で小さいことが好ましい。即ち、中央光学系に魚眼レンズのような特性をもたせている。これにより、第一、第二画像の分割によって指向性センサのサンプリングが粗くなる(中央)領域で、中央光学系の結像倍率を高くし(拡大像にし)、結果としての被写体空間のサンプリング密度を均一に近づけ、画像の品質を向上させるようにしている。
【0019】
本発明の更に他の態様に係る撮像装置において、環状光学系は、その結像倍率が内径側で大きく、外径側で小さいことが好ましい。
【0020】
本発明の更に他の態様に係る撮像装置において、指向性センサは、瞳分割手段として機能する遮光マスクを有し、遮光マスクは、像面位置における中央光学系及び環状光学系の瞳形状に応じた開口形状のものを使用することが好ましい。
【0021】
本発明の更に他の態様に係る撮像装置において、中央光学系の第1のイメージサークルと環状光学系の第2のイメージサークルとは異なり、指向性センサは、第1のイメージサークルと第2のイメージサークルとが重なる領域のみに、瞳分割して選択的に受光する画素が配設されていることが好ましい。これにより、指向性センサの画素を有効に利用することができる。
【0022】
本発明の更に他の態様に係る撮像装置において、中央光学系は環状光学系より広角であることが好ましい。
【0023】
本発明の更に他の態様に係る撮像装置において、環状光学系は、光束を2回以上反射させる反射光学系を有することが好ましい。これにより、環状光学系の光軸方向の寸法を短くすることができ、装置をコンパクトにすることができる。
【0024】
本発明の更に他の態様に係る撮像装置において、指向性センサは、光束を最初に反射させる反射光学系よりも対物側に位置することが好ましい。これにより、撮影光学系の内側に指向性センサを配置することができ、装置の光軸方向の寸法を短くすることができる。
【0025】
本発明の更に他の態様に係る撮像装置において、中央光学系と環状光学系とは、一部の光学系を共通に使用することが好ましい。これにより、装置をコンパクトにし、かつコストダウンを図ることができる。
【0026】
本発明の更に他の態様に係る撮像装置において、焦点距離の異なる第一の撮影モードと第二の撮影モードとを切り替えるモード切替装置を備え、画像読み出し装置は、モード切替装置により第一の撮影モードに切り替えられると、指向性センサから中央光学系を介して受光した第一画像を示す画像信号を取得し、モード切替装置により第二の撮影モードに切り替えられると、指向性センサから環状光学系を介して受光した第二画像を示す画像信号を取得する。これにより、メカ的な切り替えなしに、第一画像又は第二画像を選択的に取得することができる。
【0027】
本発明の更に他の態様に係る撮像装置において、モード切替装置は、焦点距離の異なる2種類の撮影を行うハイブリッド撮影モードに切り替える切り替え機能を有し、画像読み出し装置は、モード切替装置によりハイブリッド撮影モードに切り替えられると、指向性センサから中央光学系を介して受光した第一画像を示す画像信号と環状光学系を介して受光した第二画像を示す画像信号とを同時に取得する。これにより、第一画像及び第二画像を同時に取得することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、光軸を共通にする中央光学系と環状光学系とからなる撮影光学系と、指向性センサとを組み合わせることにより、中央光学系及び環状光学系を介してそれぞれ指向性センサの結像面に結像される第一画像及び第二画像を、瞳分割して同時に取得することができる。また、第一画像及び第二画像を取得する際に、光学系の機械的な切り替えが不要であり、かつ1つの指向性センサにより第一画像及び第二画像を同時に取得することができるため、コンパクトで安価な装置にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の外観斜視図
図2図1に示した撮像装置の内部構成の実施形態を示すブロック図
図3図1に示した撮像装置に適用された撮影光学系の第1の実施形態を示す断面図
図4図3に示した撮影光学系のうちの中央光学系を示す断面図
図5図3に示した撮影光学系のうちの環状光学系を示す断面図
図6図6の(a)部分及び(b)部分はそれぞれ瞳像分離方式及び遮光マスク方式を示す模式図
図7】瞳像分離方式の指向性センサの要部平面図
図8】遮光マスク方式の指向性センサの要部平面図
図9】中央光学系及び環状光学系に対応する瞳形状と、中央光学系及び環状光学系を通過する光線の入射方向別の光線を追跡した図
図10】瞳像分離方式の指向性センサの最適化を説明するために用いた図
図11】最適化された瞳像分離方式の指向性センサの要部断面図
図12】遮光マスク方式の指向性センサの最適化を説明するために用いた図
図13】最適化された遮光マスク方式の指向性センサの要部断面図
図14】中央光学系の好ましい結像特性を示す図
図15】撮影光学系の第2の実施形態を示す断面図
図16図15に示した撮影光学系のうちの中央光学系を示す断面図
図17図15に示した撮影光学系のうちの環状光学系を示す断面図
図18】撮影光学系の第3の実施形態を示す断面図
図19】撮像装置の他の実施形態であるスマートフォンの外観図
図20】スマートフォンの要部構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面に従って本発明に係る撮像装置の実施の形態について説明する。
【0031】
<撮像装置の外観>
図1は本発明に係る第1実施形態の撮像装置の外観斜視図である。図1に示すように、撮像装置10の前面には、撮影光学系12、フラッシュ発光部20等が配置され、上面にはシャッタボタン38−1が設けられている。L1は撮影光学系12の光軸を表す。
【0032】
図2は撮像装置10の内部構成の実施形態を示すブロック図である。
【0033】
この撮像装置10は、撮像した画像をメモリカード54に記録するもので、主として撮影光学系12と、指向性センサ16とに特徴がある。
【0034】
[撮影光学系]
図3は、撮像装置10に適用された撮影光学系12の第1の実施形態を示す断面図である。また、図4及び図5は、それぞれ撮影光学系12のうちの中央光学系13及び環状光学系14をそれぞれ分離して示した図である。
【0035】
この撮影光学系12は、それぞれ同一の光軸上に配置された中央部の中央光学系13とその周辺部の環状光学系14とから構成されている(図4図5参照)。
【0036】
中央光学系13は、第1レンズ13a、第2レンズ13b、第3レンズ13c、レンズ15a、及びカバーガラス15bから構成された広角レンズである。尚、カバーガラス15bは、指向性センサ16の前面に配設されたものである。
【0037】
環状光学系14は、第1レンズ14a、第1反射ミラー14b,第2反射ミラー14c、第2レンズ14d、レンズ15a、及びカバーガラス15bから構成された望遠レンズである。第1レンズ14aに入射した光束は、第1反射ミラー14b及び第2反射ミラー14cにより2回反射された後、第2レンズ14d、レンズ15a、及びカバーガラス15bを通過する。第1反射ミラー14b及び第2反射ミラー14cにより光束が折り返されることにより、焦点距離の長い望遠レンズの光軸方向の長さを短くしている。
【0038】
ここで、レンズ15a及びカバーガラス15bは、中央光学系13と、環状光学系14とに共通に使用される光学系である。
【0039】
図4は、図3に示した撮影光学系12のうちの中央光学系13のみを示す断面図である。
【0040】
図4に示すように、第1レンズ13a、第2レンズ13b、第3レンズ13c、レンズ15a、及びカバーガラス15b等を含む中央光学系13の数値実施例は、下記の[表1]の通りである。尚、図4において、Si(i=1〜12)は、面番号の面を示す。
【0041】
<第1の実施形態の数値実施例(中央光学系13:広角レンズ)>
[表1]
****************************************************************
一般レンズデータ
面 : 12
絞り : 2
システムアパーチャー : 像空間でのFナンバー= 2.4
ガラスカタログ : SCHOTT
レイエイミング : オフ
アポダイゼーション : 均一、係数= 0.00000E+000
温度(C) : 2.00000E+001
圧力 (ATM) : 1.00000E+000
環境に合わせて屈折率データを調整: オフ
有効焦点距離 : 5.094742(システム温度と圧力下の空気中)
有効焦点距離 : 5.094742(像空間)
後側焦点距離 : 0.05198607
トータルトラック : 8.00749
像空間Fナンバー : 2.4
近軸実効Fナンバー : 2.4
実効Fナンバー : 2.332479
像空間NA : 0.2039543
物空間の開口数 : 1.061405e-010
絞り半径 : 1.061405
近軸像高 : 2.595901
近軸倍率 : 0
入射瞳径 : 2.122809
入射瞳位置 : 0.2
射出瞳径 : 2.035911
射出瞳位置 : -4.834201
視野タイプ : 角度(度数)
最大円形視野 : 27
主波長 : 0.55μm
レンズの単位 : ミリメータ
角倍率 : 1.042683
視野 : 3
視野タイプ : 角度(度数)
# X値 Y値 重み
1 0.000000 0.000000 1.000000
2 0.000000 10.000000 1.000000
3 0.000000 27.000000 1.000000
ビネッティング ファクタ
# VDX VDY VCX VCY VAN
1 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
2 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
3 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
波長 : 1
単位 : μm
# 値 重み
1 0.550000 1.000000
----------------------------------------------------------------
面データ概要:
面 タイプ 曲率半径 厚み ガラス 直径 コーニック
物 STANDARD 無限 無限 0 0 Z
1 STANDARD 無限 0.2 2.326619 0
絞 STANDARD 無限 0.73 2.122809 0
3 STANDARD 3.641741 1.34 1.696800, 55.460000 3.258933 0 L1
4 STANDARD -2.680156 0.16 3.157928 0
5 一様非球面 -1.853771 0.6 1.583000,30.050000 3.107938 -1.01357 L2
6 STANDARD 9.334449 0.6 3.194404 0
7 STANDARD -4.516733 0.81 1.583000, 30.050000 3.244493 0 L3
8 一様非球面 -2.167203 1.3 3.54953 -3.68581
9 STANDARD 8.777 1.21 1.583000, 30.050000 6 0 L4
10 一様非球面 3.135 0.5574901 6 -20.3353
11 STANDARD 無限 0.5 1.516800, 64.200000 5.2 0 Glass
12像 STANDARD 無限 5.2 0
----------------------------------------------------------------
面データ詳細:
面 物 : STANDARD Z
面 1 : STANDARD
面 絞 : STANDARD
面 3 : STANDARD L1
面 4 : STANDARD
面 5 : 一様非球面L2
r2 の係数 : 0
r4 の係数 : 0.00250152
r6 の係数 :-0.000193495
r8 の係数 : 0
r10 の係数 : 0
r12 の係数 : 0
r14 の係数 : 0
r16 の係数 : 0
面 6 : STANDARD
面 7 : STANDARD L3
面 8 : 一様非球面
r2 の係数 : 0
r4 の係数 :-0.00387959
r6 の係数 : 0.00277573
r8 の係数 : 0.000133673
r10 の係数 : 3.64299e-005
r12 の係数 : 0
r14 の係数 : 0
r16 の係数 : 0
面 9 : STANDARD L4
アパーチャー : 浮動アパーチャー
最大半径 : 3
面 10 : 一様非球面
r2 の係数 : 0
r4 の係数 :-0.0137242
r6 の係数 : 0.00142977
r8 の係数 :-0.000101171
r10 の係数 : 1.64597e-006
r12 の係数 : 0
r14 の係数 : 0
r16 の係数 : 0
アパーチャー : 浮動アパーチャー
最大半径 : 3
面 11 : STANDARD Glass
アパーチャー : 浮動アパーチャー
最大半径 : 2.6
面 12 像 : STANDARD
****************************************************************
図5は、図3に示した撮影光学系12のうちの環状光学系14のみを示す断面図である。
【0042】
図5に示すように、第1レンズ14a、第1反射ミラー14b,第2反射ミラー14c、第2レンズ14d、レンズ15a、及びカバーガラス15b等を含む環状光学系14の数値実施例は、下記の[表2]の通りである。尚、図5において、Si(i=1〜17)は、面番号の面を示す。
【0043】
<第1の実施形態の数値実施例(環状光学系14:望遠レンズ)>
[表2]
****************************************************************
一般レンズデータ
面 : 17
絞り : 2
システムアパーチャー : 入射瞳径 = 16
ガラスカタログ : SCHOTT
レイエイミング : オフ
アポダイゼーション : 均一、係数= 0.00000E+000
温度(C) : 2.00000E+001
圧力 (ATM) : 1.00000E+000
環境に合わせて屈折率データを調整: オフ
有効焦点距離 : 13.08991(システム温度と圧力下の空気中)
有効焦点距離 : 13.08991(像空間)
後側焦点距離 : -0.01287807
トータルトラック : 10.8
像空間Fナンバー : 0.8181191
近軸実効Fナンバー : 0.8181191
実効Fナンバー : 0.8026466
像空間NA : 0.5214791
物空間の開口数 : 8e-010
絞り半径 : 8
近軸像高 : 1.839666
近軸倍率 : 0
入射瞳径 : 16
入射瞳位置 : 8
射出瞳径 : 13.98026
射出瞳位置 :-11.4504
視野タイプ : 角度(度数)
最大円形視野 : 8
主波長 : 0.5875618μm
レンズの単位 : ミリメータ
角倍率 : 1.144481
視野 : 8
視野タイプ : 角度(度数)
# X値 Y値 重み
1 0.000000 0.000000 1.000000
2 0.000000 2.000000 1.000000
3 0.000000 4.000000 1.000000
4 0.000000 6.000000 0.000000
5 0.000000 8.000000 0.000000
6 0.000000 -3.000000 1.000000
7 0.000000 -5.000000 0.000000
8 0.000000 -7.000000 0.000000
ビネッティング ファクタ
# VDX VDY VCX VCY VAN
1 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
2 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
3 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
4 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
5 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
6 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
7 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
8 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
波長 : 3
単位 : μm
# 値 重み
1 0.486133 1.000000
2 0.587562 1.000000
3 0.656273 1.000000
----------------------------------------------------------------
面データ概要:
面 タイプ 曲率半径 厚み ガラス 直径 コーニック
物 STANDARD 無限 無限 0 0
1 STANDARD 無限 8 18.24865 0
絞 STANDARD 無限 0 16 0
3 一様非球面 -38.9422 1.2 SK6 16.24017 -0.8764911
4 一様非球面 -189.0192 1.6 16.38624 28.84007
5 STANDARD -28.87438 0 MIRROR 16.66602 -0.6495759
6 STANDARD 無限 -1.6 17.69315 0
7 一様非球面 -189.0192 -1.2 SK6 16.30225 28.84007
8 一様非球面 -38.9422 -7 15.5352 -0.8764911
9 STANDARD 110 4.1 MIRROR 12.98573 246.4822
10 STANDARD 無限 0 8.541992 0
11一様非球面 10.48836 0.81 1.583000,30.05000 7.221966 0.1581105 L3
12 一様非球面 -39.02395 0 7.03354 -1544.723
13 STANDARD 無限 1.8 7.700362 0
14 STANDARD 8.777 1.21 1.583000, 30.05000 6 0 L4
15 一様非球面 3.135 0.5574901 5.2 -20.3353
16 STANDARD 無限 0.5 1.516800, 64.20000 2.739079 0 Glass
17像 STANDARD 無限 5.2 0
----------------------------------------------------------------
面データ詳細:
面 物 : STANDARD
面 1 : STANDARD
アパーチャー : 円形アパーチャー
最小半径 : 6
最大半径 :10
面 絞 : STANDARD
アパーチャー : 円形アパーチャー
最小半径 : 5
最大半径 : 9
面 3 : 一様非球面
r2 の係数 : 0
r4 の係数 : 1.8366007e-007
r6 の係数 :-2.6273128e-008
r8 の係数 : 0
r10 の係数 : 0
r12 の係数 : 0
r14 の係数 : 0
r16 の係数 : 0
アパーチャー : 円形アパーチャー
最小半径 : 4
最大半径 : 9
面 4 : 一様非球面
r2 の係数 : 0
r4 の係数 :-4.922135e-007
r6 の係数 : 7.1974477e-008
r8 の係数 : 0
r10 の係数 : 0
r12 の係数 : 0
r14 の係数 : 0
r16 の係数 : 0
アパーチャー : 円形アパーチャー
最小半径 : 4
最大半径 : 9
面 5 : STANDARD
ミラー基板 : 曲線、厚み = 3.33320E-001
アパーチャー : 円形アパーチャー
最小半径 : 4
最大半径 : 9
面 6 : STANDARD
面 7 : 一様非球面
r2 の係数 : 0
r4 の係数 :-4.922135e-007
r6 の係数 : 7.1974477e-008
r8 の係数 : 0
r10 の係数 : 0
r12 の係数 : 0
r14 の係数 : 0
r16 の係数 : 0
アパーチャー : 円形アパーチャー
最小半径 : 4
最大半径 : 9
面 8 : 一様非球面
r2 の係数 : 0
r4 の係数 : 1.8366007e-007
r6 の係数 :-2.6273128e-008
r8 の係数 : 0
r10 の係数 : 0
r12 の係数 : 0
r14 の係数 : 0
r16 の係数 : 0
アパーチャー : 円形アパーチャー
最小半径 : 4
最大半径 : 9
面 9 : STANDARD
ミラー基板 : 曲線、厚み = 2.59715E-001
アパーチャー : 円形アパーチャー
最小半径 : 3.5
最大半径 : 6
面 10 : STANDARD
アパーチャー : 円形アパーチャー
最小半径 : 1.622247
最大半径 : 6
面 11 : 一様非球面 L3
r2 の係数 : 0
r4 の係数 :-0.00078081372
r6 の係数 : 0.00010352365
r8 の係数 : 8.2555892e-006
r10 の係数 : 4.6862634e-007
r12 の係数 : 0
r14 の係数 : 0
r16 の係数 : 0
アパーチャー : 円形アパーチャー
最小半径 : 1.774765
最大半径 : 3.6
面 12 : 一様非球面
r2 の係数 : 0
r4 の係数 :-0.0012390633
r6 の係数 : 0.00034352026
r8 の係数 :-4.5651306e-006
r10 の係数 : 5.9463077e-007
r12 の係数 : 0
r14 の係数 : 0
r16 の係数 : 0
アパーチャー : 円形アパーチャー
最小半径 : 1.774765
最大半径 : 3.6
アパーチャー : 円形アパーチャー
最小半径 : 1.622247
最大半径 : 3.8
面 14 : STANDARD
アパーチャー : 浮動アパーチャー
最大半径 : 3
面 15 : 一様非球面
r2 の係数 : 0
r4 の係数 :-0.0137242
r6 の係数 : 0.00142977
r8 の係数 :-0.000101171
r10 の係数 : 1.64597e-006
r12 の係数 : 0
r14 の係数 : 0
r16 の係数 : 0
アパーチャー : 浮動アパーチャー
最大半径 : 2.6
面 16 : STANDARD Glass
面 17 像 : STANDARD
****************************************************************
[指向性センサ]
次に、図2に示した指向性センサ16について説明する。
【0044】
指向性センサ16は、2次元状に配列された光電変換素子(受光セル)により構成された複数の画素を有し、以下に示す瞳分割手段により中央光学系13及び環状光学系14を介して入射する光束をそれぞれ瞳分割して選択的に受光する画素を含んで構成されている。
【0045】
指向性センサには、瞳結像レンズ(マイクロレンズ)による瞳像分離方式と、遮光マスク方式とがある。
【0046】
図6の(a)部分は瞳像分離方式を示す模式図である。瞳像分離方式は、1つのマイクロレンズ17aに対して複数の受光セル18(画素)が割り当てられており、マイクロレンズ17aに入射する瞳像は、当該マイクロレンズ17aにより複数の受光セル18に結像される。従って、マイクロレンズ17aへの光の入射角度に応じて、瞳像が分離されて対応する受光セル18に結像される。
【0047】
図6の(b)部分は遮光マスク方式を示す模式図である。遮光マスク方式は、マイクロレンズ17bと受光セル18との間に遮光マスク19が配設され、遮光マスク19によりマイクロレンズ17bに入射する光のうちの一部の方向から入射する光を遮光し、遮光マスク19の開口に対応する入射方向の光のみを受光セル18に入射させる。
【0048】
図7は、瞳像分離方式の指向性センサの要部平面図である。この指向性センサは、4画素で1つのマイクロレンズ17aを共有する、4画素1マイクロレンズのタイプであり、上下左右の4視点の画像を得ることができる。各マイクロレンズ17aに対応する4画素には、赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタのうちのいずれか1色が配置される。本例の場合、4視点の各画像を45°回転させると、それぞれベイヤー配列のフィルタ配列になる。
【0049】
尚、1つのマイクロレンズに割り当てる画素の数は任意であり、例えば、1マイクロレンズ当たり100個の画素が割り当てられる場合もある。この場合、1視点当たりの画像サイズは小さくなる。
【0050】
図8は遮光マスク方式の指向性センサの要部平面図である。この指向性センサは、図8上で、左側に開口(四角形の部分)を有する遮光マスク19aが配設された画素と、右側に開口を有する遮光マスク19bが配設された画素とが、RGBの色毎にペアで配列されている。この指向性センサから読み出される奇数ラインの画素からなる画像と、偶数ラインの画素からなる画像とは、左右方向の2視点の画像となる。また、各画像は、ベイヤー配列のモザイク画像となる。
【0051】
尚、遮光マスクの開口は任意の形状にすることができ、その開口に対応する入射方向の光のみを受光セルに入射させることができる。
【0052】
図9は、中央光学系13及び環状光学系14に対応する瞳形状と、中央光学系13及び環状光学系14を通過する光線の入射方向別の光線を追跡した図である。
【0053】
図9の(a)部分は入射角が0°の入射光を追跡した図と、その中央光学系13及び環状光学系14に対応する瞳形状を示している。同図に示すように、反射ミラー型の環状光学系14の中央部に、中央光学系13を埋め込むレイアウトでは、真正面からの入射光については、円形瞳及び円環瞳となる。
【0054】
図9の(b)部分は入射角が3.2°の入射光を追跡した図と、その中央光学系13及び環状光学系14に対応する瞳形状を示し、図9の(c)部分は入射角が14.4°の入射光を追跡した図と、その中央光学系13及び環状光学系14に対応する瞳形状を示している。
【0055】
図9の(b)部分及び(c)部分に示すように、斜め入射の角度が大きくなっていくと、視野が狭い望遠レンズである環状光学系14ではケラレが生じ始め、円環瞳は三日月状に欠けていき、角度が14.4°になると、瞳に殆ど光が通らなくなっていく。
【0056】
尚、中央光学系13に対応する円形瞳は、図9上では同じ形状で表されているが、入射角度に応じて変形する。
【0057】
[指向性センサの構造の最適化]
図9で説明したように入射角に応じて(センサ面上の像高に応じて)、有効に光を通す瞳の形状/大きさが変化する。
【0058】
従って、図10に示す瞳像分離方式の指向性センサの場合において、瞳像分離方式の指向性センサの構造を、センサ中心と周辺とで均一にすると、センサ周辺では、光が入射しない無駄な受光セルが発生し、光の利用効率が下がる。
【0059】
図11は本発明に係る指向性センサ16aの第1の実施形態を示す図である。この指向性センサ16aは、マイクロレンズ1個当たりが受け持つ受光セルの個数が、中央から周辺にいくにしたがって(像高が高くなるにしたがって)少なくなる構造となっている。図11に示す例では、マイクロレンズ1個当たりの受け持つ受光セルの個数(紙面の上下方向の個数)を、中央(入射角0°)では3個、中間(入射角3.2°)では2個、周辺(入射角14.4°)では1個としている。
【0060】
図11に示すように受光セルのサイズが同一の場合、マイクロレンズは、周辺にいくにしたがって小さいサイズで、焦点距離の短いものを使用する。これにより、周辺ほど高密度なサンプリングが可能になる。
【0061】
また、指向性センサの周辺では、マイクロレンズと受光セルとが一対一に対応し、瞳分割機能を有さないものとなっている。即ち、環状光学系14に対応するイメージサークルは、センサ周辺でのケラレのため、中央光学系13に対応するイメージサークルよりも実質的に小さいものとなる。従って、指向性センサ16aは、2つのイメージサークルが重なる領域のみに瞳分割機能を有する画素を配設し、イメージサークルが重ならない領域には、瞳分割機能を有さない画素を配設する。
【0062】
尚、マイクロレンズのサイズを均一にし、受光セルのサイズを、周辺にいくにしたがって大きくするようにしてもよい。この場合、周辺にいくにしたがって受光セルの受光面積が大きくなり、S/N(信号対雑音比)が有利になる。
【0063】
一方、図12に示す遮光マスク方式の指向性センサの場合において、遮光マスクの形状を、センサ中心と周辺とで均一にすると、センサ周辺では、光が入射しない無駄な受光セルが発生し、光の利用効率が下がる。
【0064】
図13は本発明に係る指向性センサ16bの第2の実施形態を示す図である。この指向性センサ16bは、センサ面の位置に応じて変化する中央光学系13及び環状光学系14の瞳形状に応じて、その瞳形状に対応する形状/サイズの開口を有する遮光マスクを採用している。
【0065】
即ち、センサ中央では、円形及び円環状の開口を有する遮光マスクを使用し、周辺にいくにしたがって円環瞳は徐々に三日月状に欠けていくため、その開口形状も同様の形状にする。併せて、マイクロ(集光)レンズの光軸を、受光セルに対して僅かにずらすこと(スケーリングを行うこと)が好ましい。また、円環瞳が完全にケラレる周辺の領域では、環状光学系14用の受光セルをなくし、中央光学系13用の受光セルだけにしてもよい。この場合、センサ周辺の中央光学系13用の受光セルには遮光マスクを設ける必要がなく、センサ周辺での入射光量を増やすことができる。
【0066】
[指向性センサ16aの新たな課題]
図11に示した第1の実施形態の指向性センサ16aは、前述したようにセンサ周辺ほど高密度なサンプリングが可能となる。これは逆の見方をすれば、中央ではサンプリングの密度が低くなるという問題が生じる。
【0067】
そこで、この問題に対して撮影光学系側で対応する。具体的には、中央と周辺とで、被写体空間の拡大率(結像倍率)が異なるような結像特性の光学系にする。即ち、中央光学系13は、図14に示す魚眼レンズのように結像倍率が中央部で大きく、周辺側で小さい結像特性を有するものを使用する。これにより、最終的に被写体空間のサンプリング密度を均一にする。
【0068】
一方、第1の実施形態の指向性センサ16aは、環状光学系14に対応する画像に関しては、センサ中央ほど高密度なサンプリングが可能となる。
【0069】
そこで、環状光学系14は、その結像倍率が内径側で小さく、外径側で大きい結像特性(逆魚眼レンズのような特性)を有するものを使用する。これにより、被写体空間のサンプリング密度を均一にすることができる。
【0070】
図2に戻って、撮像装置10は、図3から図5で説明した中央光学系13及び環状光学系14を有する撮影光学系12と、図11で説明した第1の実施形態の指向性センサ16a,又は図13で説明した第2の実施形態の指向性センサ16bのうちのいずれか一方の指向性センサ16を備えている。装置全体の動作は、中央処理装置(CPU)40によって統括制御される。
【0071】
撮像装置10には、シャッタボタン38−1、モードダイヤル(モード切替装置)、再生ボタン、MENU/OKキー、十字キー、BACKキー等の操作部38が設けられている。この操作部38からの信号はCPU40に入力され、CPU40は入力信号に基づいて撮像装置10の各回路を制御し、例えば、撮影動作制御、画像処理制御、画像データの記録/再生制御、液晶モニタ(LCD)30の表示制御などを行う。
【0072】
シャッタボタン38−1(図1)は、撮影開始の指示を入力する操作ボタンであり、半押し時にONするS1スイッチと、全押し時にONするS2スイッチとを有する二段ストローク式のスイッチで構成されている。
【0073】
モードダイヤルは、静止画を撮影するオート撮影モード、マニュアル撮影モード、人物、風景、夜景等のシーンポジション、及び動画を撮影する動画モードを切り替える選択手段である。また、モードダイヤルは、撮影モード時に、中央光学系13を介して結像される第一画像(広角画像)を取得する第一の撮影モード、環状光学系14を介して結像される第二画像(望遠画像)を取得する第二の撮影モード、広角画像及び望遠画像を同時に取得するハイブリッド撮影モード等を切り替える選択手段として機能する。
【0074】
再生ボタンは、撮影記録した静止画又は動画を液晶モニタ30に表示させる再生モードに切り替えるためのボタンである。MENU/OKキーは、液晶モニタ30の画面上にメニューを表示させる指令を行うためのメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行などを指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作キーである。十字キーは、上下左右の4方向の指示を入力する操作部であり、メニュー画面から項目を選択したり、各メニューから各種設定項目の選択を指示したりするボタン(カーソル移動操作手段)として機能する。また、十字キーの上/下キーは撮影時のズームスイッチあるいは再生モード時の再生ズームスイッチとして機能し、左/右キーは再生モード時のコマ送り(順方向/逆方向送り)ボタンとして機能する。BACKキーは、選択項目など所望の対象の消去や指示内容の取消し、あるいは1つ前の操作状態に戻らせるときなどに使用される。
【0075】
撮影モード時において、被写体光は、撮影光学系12を介して指向性センサ16の受光面に結像される。
【0076】
指向性センサ16の各受光セルの受光面に結像された被写体像は、その入射光量に応じた量の信号電圧(または電荷)に変換される。尚、指向性センサ16は、マイクロレンズ毎にRGBのカラーフィルタが配設されている。
【0077】
指向性センサ16に蓄積された信号電圧(または電荷)は、受光セルそのものもしくは付設されたキャパシタで蓄えられる。蓄えられた信号電圧(または電荷)は、センサ制御部32(画像読み取り装置)により、X−Yアドレス方式を用いたMOS型撮像素子(いわゆるCMOSセンサ)の手法を用いて、画素位置の選択とともに読み出される。
【0078】
これにより、指向性センサ16から中央光学系13に対応する画素群からなる広角画像(第一画像)を示す画像信号と、環状光学系14に対応する画素群からなる望遠画像(第二画像)を示す画像信号とを読み出すことができる。
【0079】
指向性センサ16から読み出された画像信号(電圧信号)は、相関二重サンプリング処理(センサ出力信号に含まれるノイズ(特に熱雑音)等を軽減することを目的として、センサの1画素毎の出力信号に含まれるフィードスルー成分レベルと画素信号成分レベルとの差をとることにより正確な画素データを得る処理)により画素毎のR、G、B信号がサンプリングホールドされ、増幅されたのちA/D変換器21に加えられる。A/D変換器21は、順次入力するR、G、B信号をデジタルのR、G、B信号に変換して画像入力コントローラ22に出力する。尚、MOS型センサでは、A/D変換器が内蔵されているものがあり、この場合、指向性センサ16から直接R、G、Bのデジタル信号が出力される。
【0080】
指向性センサ16の画素位置を選択して画素データを読み出すことにより、広角画像を示す画像信号と望遠画像を示す画像信号とを選択的に読み出すことができるが、指向性センサ16から全ての画素データを読み出してメモリ(SDRAM)48に一時的に記憶し、メモリ48から広角画像と望遠画像の2つの画像データを抽出するようにしてもよい。
【0081】
デジタル信号処理部24は、画像入力コントローラ22を介して入力するデジタルの画像信号に対して、オフセット処理、ホワイトバランス補正及び感度補正を含むゲイン・コントロール処理、ガンマ補正処理、RGB信号から輝度信号Y,色差信号Cr、Cbに変換するRGB/YC変換処理等の所定の信号処理を行う。
【0082】
画像処理部25で処理された画像データは、VRAM(Video Random Access Memory)50に入力される。VRAM50から読み出された画像データはビデオ・エンコーダ28においてエンコーディングされ、カメラ背面に設けられている液晶モニタ30に出力され、これにより被写体像が液晶モニタ30の表示画面上に表示される。
【0083】
操作部38のシャッタボタン38−1の第1段階の押下(半押し)があると、CPU40は、AE動作を開始させ、A/D変換器21から出力される画像データは、AE検出部44に取り込まれる。
【0084】
AE検出部44では、画面全体のG信号を積算し、又は画面中央部と周辺部とで異なる重みづけをしたG信号を積算し、その積算値をCPU40に出力する。CPU40は、AE検出部44から入力する積算値より被写体の明るさ(撮影Ev値)を算出し、この撮影Ev値に基づいて絞り(図示せず)の絞り値及び指向性センサ16の電子シャッタ(シャッタスピード)を所定のプログラム線図に従って決定し、その決定した絞り値に基づいて絞りを制御すると共に、決定したシャッタスピードに基づいてセンサ制御部32を介して指向性センサ16での電荷蓄積時間を制御する。
【0085】
AE動作が終了し、シャッタボタン38−1の第2段階の押下(全押し)があると、その押下に応答してA/D変換器21から出力される画像データが画像入力コントローラ22からメモリ(SDRAM: Synchronous Dynamic RAM)48に入力され、一時的に記憶される。メモリ48に一時的に記憶された画像データは、デジタル信号処理部24及び画像処理部25により適宜読み出され、ここで画像データの輝度データ及び色差データの生成処理(YC処理)を含む所定の信号処理が行われる。YC処理された画像データ(YCデータ)は、再びメモリ48に記憶される。
【0086】
メモリ48に記憶されたYCデータは、それぞれ圧縮伸張処理部26に出力され、JPEG (Joint Photographic Experts Group)などの所定の圧縮処理が実行されたのち、メディア・コントローラ52を介してメモリカード54に記録される。
【0087】
そして、モードダイヤルにより第一の撮影モード又は第二の撮影モードが選択されると、広角画像又は望遠画像を選択的に取得することができ、モードダイヤルによりハイブリッド撮影モードが選択されると、広角画像と望遠画像とを同時に取得することができる。これにより、広角レンズと望遠レンズのメカ的な切り替えや、ズームレンズのズーム操作なしに、広角画像と望遠画像とを取得することができる。
【0088】
[撮影光学系の第2の実施形態]
図15は、撮像装置10に適用された撮影光学系112の第2の実施形態を示す断面図である。また、図16及び図17は、それぞれ撮影光学系112のうちの中央光学系113及び環状光学系114をそれぞれ分離して示した図である。
【0089】
この撮影光学系112は、それぞれ同一の光軸上に配置された中央部の中央光学系113とその周辺部の環状光学系114とから構成されている(図16図17参照)。
【0090】
中央光学系113は、第1レンズ113a、第2レンズ113b、第3レンズ113c、レンズ115a、及びカバーガラス115bから構成された広角レンズである。尚、カバーガラス115bは、指向性センサ16の前面に配設されたものである。
【0091】
環状光学系114は、第1反射ミラー114a,第2反射ミラー114b、レンズ114c、レンズ115a、及びカバーガラス115bから構成された望遠レンズである。
【0092】
ここで、レンズ115a及びカバーガラス115bは、中央光学系113と、環状光学系114とに共通に使用される光学系である。
【0093】
この第2の実施形態の撮影光学系112は、図3に示した第1の実施形態の撮影光学系12に比べて、環状光学系のレンズが1枚少なくなっている。
【0094】
また、結像位置が、第1反射ミラー114aよりも対物側に位置しており、指向性センサ16は、第1反射ミラー114aよりも対物側に配置されている。これにより、撮影光学系112及び指向性センサ16を含む撮像ユニットの厚みを、撮影光学系112の厚みにすることができる。
【0095】
図16に示すように、第1レンズ113a、第2レンズ113b、第3レンズ113c、レンズ115a、及びカバーガラス115b等を含む中央光学系113の数値実施例は、下記の[表3]の通りである。尚、図16において、Si(i=1〜12)は、面番号の面を示す。
【0096】
<第2の実施形態の数値実施例(中央光学系113:広角レンズ)>
[表3]
****************************************************************
一般レンズデータ
面 : 12
絞り : 2
システムアパーチャー : 像空間でのFナンバー= 2.8
ガラスカタログ : SCHOTT
レイエイミング : オフ
アポダイゼーション : 均一、係数= 0.00000E+000
温度(C) : 2.00000E+001
圧力 (ATM) : 1.00000E+000
環境に合わせて屈折率データを調整: オフ
有効焦点距離 : 4.380528(システム温度と圧力下の空気中)
有効焦点距離 : 4.380528(像空間)
後側焦点距離 : -0.06733382
トータルトラック : 7.03
像空間Fナンバー : 2.8
近軸実効Fナンバー : 2.8
実効Fナンバー : 2.831729
像空間NA : 0.1757906
物空間の開口数 : 7.822371e-011
絞り半径 : 0.7822371
近軸像高 : 2.23199
近軸倍率 : 0
入射瞳径 : 1.564474
入射瞳位置 : 0.5
射出瞳径 : 2.226372
射出瞳位置 : -6.301174
視野タイプ : 角度(度数)
最大円形視野 : 27
主波長 : 0.55μm
レンズの単位 : ミリメータ
角倍率 : 0.7027013
視野 : 3
視野タイプ : 角度(度数)
# X値 Y値 重み
1 0.000000 0.000000 1.000000
2 0.000000 10.000000 1.000000
3 0.000000 27.000000 1.000000
ビネッティング ファクタ
# VDX VDY VCX VCY VAN
1 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
2 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
3 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
波長 : 1
単位 : μm
# 値 重み
1 0.550000 1.000000
----------------------------------------------------------------
面データ概要:
面 タイプ 曲率半径 厚み ガラス 直径 コーニック
物 STANDARD 無限 無限 0 0 2.8
1 STANDARD 無限 0.5 2 0
絞 STANDARD 無限 0 1.6 0
3 STANDARD 2.524873 1.1 1.696800, 55.460000 3 0 L1
4 STANDARD -3.770955 0.16 3 0
5 一様非球面 -2.112843 0.35 1.583000, 30.050000 3 -1.01357 L2
6 STANDARD 2.654284 0.7 3 0
7 STANDARD -10.79486 0.81 1.583000, 30.050000 3.4 0 L3
8 一様非球面 -2.531731 0.2 3.4 -3.68581
9 STANDARD 3.901448 1.21 1.583000, 30.050000 5.2 0 L4
10 一様非球面 5.719637 1.5 5.2 -20.3353
11 STANDARD 無限 0.5 1.516800, 64.200000 5.2 0 Glass
12像 STANDARD 無限 5.2 0
----------------------------------------------------------------
面データ詳細:
面 物 : STANDARD 2.8
面 1 : STANDARD
面 絞 : STANDARD
面 3 : STANDARD L1
アパーチャー : 浮動アパーチャー
最大半径 : 1.5
面 4 : STANDARD
アパーチャー : 浮動アパーチャー
最大半径 : 1.5
面 5 : 一様非球面 L2
r2 の係数 : 0
r4 の係数 : 0.00250152
r6 の係数 :-0.000193495
r8 の係数 : 0
r10 の係数 : 0
r12 の係数 : 0
r14 の係数 : 0
r16 の係数 : 0
アパーチャー : 浮動アパーチャー
最大半径 : 1.5
面 6 : STANDARD
アパーチャー : 浮動アパーチャー
最大半径 : 1.5
面 7 : STANDARD L3
アパーチャー : 浮動アパーチャー
最大半径 : 1.7
面 8 : 一様非球面
r2 の係数 : 0
r4 の係数 :-0.00387959
r6 の係数 : 0.00277573
r8 の係数 : 0.000133673
r10 の係数 : 3.64299e-005
r12 の係数 : 0
r14 の係数 : 0
r16 の係数 : 0
アパーチャー : 浮動アパーチャー
最大半径 : 1.7
面 9 : STANDARD L4
アパーチャー : 浮動アパーチャー
最大半径 : 2.6
面 10 : 一様非球面
r2 の係数 : 0
r4 の係数 :-0.0137242
r6 の係数 : 0.00142977
r8 の係数 :-0.000101171
r10 の係数 : 1.64597e-006
r12 の係数 : 0
r14 の係数 : 0
r16 の係数 : 0
アパーチャー : 浮動アパーチャー
最大半径 : 2.6
面 11 : STANDARD Glass
アパーチャー : 浮動アパーチャー
最大半径 : 2.6
面 12 像 : STANDARD
****************************************************************
図17は、図15に示した撮影光学系112のうちの環状光学系114のみを示す断面図である。
【0097】
図17に示すように、第1反射ミラー114a,第2反射ミラー114b、レンズ114c、レンズ115a、及びカバーガラス115b等を含む環状光学系114の数値実施例は、下記の[表4]の通りである。尚、図17において、Si(i=1〜13)は、面番号の面を示す。
【0098】
<第2の実施形態の数値実施例(環状光学系114:望遠レンズ)>
[表4]
****************************************************************
一般レンズデータ
面 : 13
絞り : 2
システムアパーチャー : 入射瞳径 = 16
ガラスカタログ : SCHOTT
レイエイミング : オフ
アポダイゼーション : 均一、係数= 0.00000E+000
温度(C) : 2.00000E+001
圧力 (ATM) : 1.00000E+000
環境に合わせて屈折率データを調整: オフ
有効焦点距離 : 13.18049(システム温度と圧力下の空気中)
有効焦点距離 : 13.18049(像空間)
後側焦点距離 : 0.05954598
トータルトラック : 10.8
像空間Fナンバー : 0.8237809
近軸実効Fナンバー : 0.8237809
実効Fナンバー : 0.7994582
像空間NA : 0.5188624
物空間の開口数 : 8e-010
絞り半径 : 8
近軸像高 : 0.9216699
近軸倍率 : 0
入射瞳径 : 16
入射瞳位置 : 8
射出瞳径 : 72.10137
射出瞳位置 : 59.45525
視野タイプ : 角度(度数)
最大円形視野 : 4
主波長 : 0.5875618μm
レンズの単位 : ミリメータ
角倍率 : -0.221904
視野 : 6
視野タイプ : 角度(度数)
# X値 Y値 重み
1 0.000000 0.000000 1.000000
2 0.000000 1.000000 1.000000
3 0.000000 2.000000 1.000000
4 0.000000 3.000000 1.000000
5 0.000000 3.000000 0.000000
6 0.000000 4.000000 01.000000
ビネッティング ファクタ
# VDX VDY VCX VCY VAN
1 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
2 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
3 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
4 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
5 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
6 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000 0.000000
波長 : 3
単位 : μm
# 値 重み
1 0.486133 1.000000
2 0.587562 1.000000
3 0.656273 1.000000
----------------------------------------------------------------
面データ概要:
面 タイプ 曲率半径 厚み ガラス 直径 コーニック
物 STANDARD 無限 無限 0 0
1 STANDARD 無限 8 17.11883 0
絞 STANDARD 無限 0 16 0
3 STANDARD 無限 2.8 16 0
4 STANDARD -37.69787 0 MIRROR 16.27126 -2.783951
5 STANDARD 無限 -9.8 16.87826 0
6 STANDARD 549.2888 4.1 MIRROR 9.307526 13659.01
7 STANDARD 無限 0 5.943563 0
8 STANDARD 24.47484 0.81 1.583000, 30.050000 6.4 0 L3
9 一様非球面 60.56264 0.2 6.4 546.4789
10 STANDARD 3.901448 1.21 1.583000, 30.050000 5.6 0 L4
11 一様非球面 5.719637 1.5 5.6 -20.3353
12 STANDARD 無限 0.5 1.516800, 64.200000 5.2 0 Glass
13像 STANDARD 無限 5.2 0
----------------------------------------------------------------
面データ詳細:
面 物 : STANDARD
面 1 : STANDARD
アパーチャー : 円形アパーチャー
最小半径 : 6
最大半径 :10
面 絞 : STANDARD
アパーチャー : 円形アパーチャー
最小半径 : 5
最大半径 : 9
面 3 : STANDARD
面 4 : STANDARD
ミラー基板 : 曲線、厚み = 3.25425E-001
アパーチャー : 円形アパーチャー
最小半径 : 4
最大半径 : 9
面 5 : STANDARD
面 6 : STANDARD
ミラー基板 : 曲線、厚み = 1.86151E-001
アパーチャー : 円形アパーチャー
最小半径 : 3
最大半径 : 6
面 7 : STANDARD
アパーチャー : 円形アパーチャー
最小半径 : 1.622247
最大半径 : 6
面 8 : STANDARD L3
アパーチャー : 浮動アパーチャー
最大半径 : 3.2
面 9 : 一様非球面
r2 の係数 : 0
r4 の係数 :-0.00207824
r6 の係数 : 0.0017115516
r8 の係数 :-0.0002973863
r10 の係数 : 2.2547512e-005
r12 の係数 : 0
r14 の係数 : 0
r16 の係数 : 0
アパーチャー : 浮動アパーチャー
最大半径 : 3.2
面 10 : STANDARD L4
アパーチャー : 浮動アパーチャー
最大半径 : 2.8
面 11 : 一様非球面
r2 の係数 : 0
r4 の係数 :-0.0137242
r6 の係数 : 0.00142977
r8 の係数 :-0.000101171
r10 の係数 : 1.64597e-006
r12 の係数 : 0
r14 の係数 : 0
r16 の係数 : 0
アパーチャー : 浮動アパーチャー
最大半径 : 2.8
面 12 : STANDARD Glass
アパーチャー : 浮動アパーチャー
最大半径 : 2.6
面 13 像 : STANDARD
****************************************************************
[撮影光学系の第3の実施形態]
図18は、撮像装置10に適用された撮影光学系の第3の実施形態を示す断面図である。
【0099】
この撮影光学系212は、それぞれ同一の光軸上に配置された中央部の中央光学系213とその周辺部の環状光学系214とから構成されている。
【0100】
中央光学系213は、第1レンズ213a、第2レンズ213b、及びレンズ215から構成された望遠レンズであり、画角αを有している。
【0101】
環状光学系214は、レンズ214a及びレンズ215から構成された広角レンズであり、画角β(β>α)を有し、中央光学系213よりも広角である。ここで、レンズ215は、中央光学系213と、環状光学系214とに共通に使用される光学系である。
【0102】
第3の実施形態の撮影光学系212は、第1、第2の実施形態の撮影光学系と比較すると、反射ミラーを使用しておらず、また、中央光学系213が望遠レンズであり、環状光学系214が広角レンズである点で相違する。
【0103】
撮像装置10の他の実施形態としては、例えば、カメラ機能を有する携帯電話機やスマートフォン、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯型ゲーム機が挙げられる。以下、スマートフォンを例に挙げ、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0104】
<スマートフォンの構成>
図19は、撮像装置10の他の実施形態であるスマートフォン500の外観を示すものである。図19に示すスマートフォン500は、平板状の筐体502を有し、筐体502の一方の面に表示部としての表示パネル521と、入力部としての操作パネル522とが一体となった表示入力部520を備えている。また、筐体502は、スピーカ531と、マイクロホン532と、操作部540と、カメラ部541とを備えている。尚、筐体502の構成はこれに限定されず、例えば、表示部と入力部とが独立した構成を採用することや、折り畳み構造やスライド機構を有する構成を採用することもできる。
【0105】
図20は、図19に示すスマートフォン500の構成を示すブロック図である。図20に示すように、スマートフォンの主たる構成要素として、無線通信部510と、表示入力部520と、通話部530と、操作部540と、カメラ部541と、記憶部550と、外部入出力部560と、GPS(Global Positioning System)受信部570と、モーションセンサ部580と、電源部590と、主制御部501とを備える。また、スマートフォン500の主たる機能として、基地局装置BSと移動通信網NWとを介した移動無線通信を行う無線通信機能を備える。
【0106】
無線通信部510は、主制御部501の指示に従って、移動通信網NWに収容された基地局装置BSに対し無線通信を行うものである。この無線通信を使用して、音声データ、画像データ等の各種ファイルデータ、電子メールデータなどの送受信や、Webデータやストリーミングデータなどの受信を行う。
【0107】
表示入力部520は、主制御部501の制御により、画像(静止画及び動画)や文字情報などを表示して視覚的にユーザに情報を伝達すると共に、表示した情報に対するユーザ操作を検出する、いわゆるタッチパネルであって、表示パネル521と、操作パネル522とを備える。生成された3D画像を鑑賞する場合には、表示パネル521は、3D表示パネルであることが好ましい。
【0108】
表示パネル521は、LCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro-Luminescence Display)などを表示デバイスとして用いたものである。
【0109】
操作パネル522は、表示パネル521の表示面上に表示される画像を視認可能に載置され、ユーザの指や尖筆によって操作される一又は複数の座標を検出するデバイスである。このデバイスをユーザの指や尖筆によって操作すると、操作に起因して発生する検出信号を主制御部501に出力する。次いで、主制御部501は、受信した検出信号に基づいて、表示パネル521上の操作位置(座標)を検出する。
【0110】
図19に示すように、スマートフォン500の表示パネル521と操作パネル522とは一体となって表示入力部520を構成しているが、操作パネル522が表示パネル521を完全に覆うような配置となっている。この配置を採用した場合、操作パネル522は、表示パネル521外の領域についても、ユーザ操作を検出する機能を備えてもよい。換言すると、操作パネル522は、表示パネル521に重なる重畳部分についての検出領域(以下、表示領域と称する)と、それ以外の表示パネル521に重ならない外縁部分についての検出領域(以下、非表示領域と称する)とを備えていてもよい。
【0111】
尚、表示領域の大きさと表示パネル521の大きさとを完全に一致させても良いが、両者を必ずしも一致させる必要はない。また、操作パネル522が、外縁部分と、それ以外の内側部分の2つの感応領域を備えていてもよい。更に、外縁部分の幅は、筐体502の大きさなどに応じて適宜設計されるものである。更にまた、操作パネル522で採用される位置検出方式としては、マトリクススイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式などが挙げられ、いずれの方式を採用することもできる。
【0112】
通話部530は、スピーカ531やマイクロホン532を備え、マイクロホン532を通じて入力されたユーザの音声を主制御部501にて処理可能な音声データに変換して主制御部501に出力したり、無線通信部510あるいは外部入出力部560により受信された音声データを復号してスピーカ531から出力するものである。また、図19に示すように、例えば、スピーカ531を表示入力部520が設けられた面と同じ面に搭載し、マイクロホン532を筐体502の側面に搭載することができる。
【0113】
操作部540は、キースイッチなどを用いたハードウェアキーであって、ユーザからの指示を受け付けるものである。例えば、操作部540は、スマートフォン500の筐体502の表示部の下部、下側面に搭載され、指などで押下されるとオンとなり、指を離すとバネなどの復元力によってオフ状態となる押しボタン式のスイッチである。
【0114】
記憶部550は、主制御部501の制御プログラムや制御データ、通信相手の名称や電話番号などを対応づけたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータ、WebブラウジングによりダウンロードしたWebデータや、ダウンロードしたコンテンツデータを記憶し、またストリーミングデータなどを一時的に記憶するものである。また、記憶部550は、スマートフォン内蔵の内部記憶部551と着脱自在な外部メモリスロットを有する外部記憶部552により構成される。尚、記憶部550を構成するそれぞれの内部記憶部551と外部記憶部552は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、Micro SD(登録商標)メモリ等)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの格納媒体を用いて実現される。
【0115】
外部入出力部560は、スマートフォン500に連結される全ての外部機器とのインターフェースの役割を果たすものであり、他の外部機器に通信等(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、IEEE1394など)又はネットワーク(例えば、インターネット、無線LAN、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association:IrDA)(登録商標)、UWB(Ultra Wideband)(登録商標)、ジグビー(ZigBee)(登録商標)など)により直接的又は間接的に接続するためのものである。
【0116】
スマートフォン500に連結される外部機器としては、例えば、有/無線ヘッドセット、有/無線外部充電器、有/無線データポート、カードソケットを介して接続されるメモリカード(Memory card)やSIM(Subscriber Identity Module Card)/UIM(User Identity Module Card)カード、オーディオ・ビデオI/O(Input/Output)端子を介して接続される外部オーディオ・ビデオ機器、無線接続される外部オーディオ・ビデオ機器、有/無線接続されるスマートフォン、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、有/無線接続されるPDA、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、イヤホンなどがある。外部入出力部は、このような外部機器から伝送を受けたデータをスマートフォン500の内部の各構成要素に伝達することや、スマートフォン500の内部のデータが外部機器に伝送されるようにすることができる。
【0117】
GPS受信部570は、主制御部501の指示に従って、GPS衛星ST1〜STnから送信されるGPS信号を受信し、受信した複数のGPS信号に基づく測位演算処理を実行し、当該スマートフォン500の緯度、経度、高度からなる位置を検出する。GPS受信部570は、無線通信部510や外部入出力部560(例えば、無線LAN)から位置情報を取得できるときには、その位置情報を用いて位置を検出することもできる。
【0118】
モーションセンサ部580は、例えば、3軸の加速度センサなどを備え、主制御部501の指示に従って、スマートフォン500の物理的な動きを検出する。スマートフォン500の物理的な動きを検出することにより、スマートフォン500の動く方向や加速度が検出される。この検出結果は、主制御部501に出力されるものである。
【0119】
電源部590は、主制御部501の指示に従って、スマートフォン500の各部に、バッテリ(図示しない)に蓄えられる電力を供給するものである。
【0120】
主制御部501は、マイクロプロセッサを備え、記憶部550が記憶する制御プログラムや制御データに従って動作し、スマートフォン500の各部を統括して制御するものである。また、主制御部501は、無線通信部510を通じて、音声通信やデータ通信を行うために、通信系の各部を制御する移動通信制御機能と、アプリケーション処理機能を備える。
【0121】
アプリケーション処理機能は、記憶部550が記憶するアプリケーションソフトウェアに従って主制御部501が動作することにより実現するものである。アプリケーション処理機能としては、例えば、外部入出力部560を制御して対向機器とデータ通信を行う赤外線通信機能や、電子メールの送受信を行う電子メール機能、Webページを閲覧するWebブラウジング機能などがある。
【0122】
また、主制御部501は、受信データやダウンロードしたストリーミングデータなどの画像データ(静止画像や動画像のデータ)に基づいて、映像を表示入力部520に表示する等の画像処理機能を備える。画像処理機能とは、主制御部501が、上記画像データを復号し、この復号結果に画像処理を施して、画像を表示入力部520に表示する機能のことをいう。
【0123】
更に、主制御部501は、表示パネル521に対する表示制御と、操作部540、操作パネル522を通じたユーザ操作を検出する操作検出制御を実行する。
【0124】
表示制御の実行により、主制御部501は、アプリケーションソフトウェアを起動するためのアイコンや、スクロールバーなどのソフトウェアキーを表示し、あるいは電子メールを作成するためのウィンドウを表示する。尚、スクロールバーとは、表示パネル521の表示領域に収まりきれない大きな画像などについて、画像の表示部分を移動する指示を受け付けるためのソフトウェアキーのことをいう。
【0125】
また、操作検出制御の実行により、主制御部501は、操作部540を通じたユーザ操作を検出したり、操作パネル522を通じて、上記アイコンに対する操作や、上記ウィンドウの入力欄に対する文字列の入力を受け付けたり、あるいは、スクロールバーを通じた表示画像のスクロール要求を受け付ける。
【0126】
更に、操作検出制御の実行により主制御部501は、操作パネル522に対する操作位置が、表示パネル521に重なる重畳部分(表示領域)か、それ以外の表示パネル521に重ならない外縁部分(非表示領域)かを判定し、操作パネル522の感応領域や、ソフトウェアキーの表示位置を制御するタッチパネル制御機能を備える。
【0127】
また、主制御部501は、操作パネル522に対するジェスチャ操作を検出し、検出したジェスチャ操作に応じて、予め設定された機能を実行することもできる。ジェスチャ操作とは、従来の単純なタッチ操作ではなく、指などによって軌跡を描いたり、複数の位置を同時に指定したり、あるいはこれらを組み合わせて、複数の位置から少なくとも1つについて軌跡を描く操作を意味する。
【0128】
カメラ部541は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge-Coupled Device)などの撮像素子を用いて電子撮影するデジタルカメラである。このカメラ部541に前述した撮像装置10を適用することができる。メカ的な切り替え機構等を必要とせずに、広角画像と望遠画像とを撮影することができ、スマートフォン500のように薄型の携帯端末に組み込むカメラ部として好適である。
【0129】
また、カメラ部541は、主制御部501の制御により、撮影によって得た画像データを、例えばJPEG(Joint Photographic coding Experts Group)などの圧縮した画像データに変換し、記憶部550に記録したり、外部入出力部560や無線通信部510を通じて出力することができる。図19に示すにスマートフォン500において、カメラ部541は表示入力部520と同じ面に搭載されているが、カメラ部541の搭載位置はこれに限らず、表示入力部520の背面に搭載されてもよいし、あるいは、複数のカメラ部541が搭載されてもよい。尚、複数のカメラ部541が搭載されている場合には、撮影に供するカメラ部541を切り替えて単独にて撮影したり、あるいは、複数のカメラ部541を同時に使用して撮影することもできる。
【0130】
また、カメラ部541はスマートフォン500の各種機能に利用することができる。例えば、表示パネル521にカメラ部541で取得した画像を表示することや、操作パネル522の操作入力のひとつとして、カメラ部541の画像を利用することができる。また、GPS受信部570が位置を検出する際に、カメラ部541からの画像を参照して位置を検出することもできる。更には、カメラ部541からの画像を参照して、3軸の加速度センサを用いずに、あるいは、3軸の加速度センサと併用して、スマートフォン500のカメラ部541の光軸方向を判断することや、現在の使用環境を判断することもできる。勿論、カメラ部541からの画像をアプリケーションソフトウェア内で利用することもできる。
【0131】
[その他]
撮影光学系の第1、第2の実施形態の反射ミラー型のレンズ構成のうちの反射ミラーは、凹面鏡や凸面鏡に限らず、平面鏡でもよく、また、反射ミラーの枚数も2枚に限らず、3枚以上設けるようにしてもよい。
【0132】
また、本実施形態の撮影光学系は、中央光学系及び環状光学系のうちの一方を広角レンズ、他方を望遠レンズとしたが、これに限らず、広角レンズ及び望遠レンズのうちの一方を標準レンズにしてもよく、更に、中央光学系と、径の異なる2つの環状光学系を設け、広角レンズ、標準レンズ、及び望遠レンズを各光学系に割り当てるようにしてもよい。
【0133】
また、指向性センサに瞳指向性をもたせるための瞳分割手段としては、図6に示した瞳像分離方式、遮光マスク方式に限らず、瞳分割偏光素子を使用するもの等を適用することができる。
【0134】
更に、中央光学系及び環状光学系の共通のレンズ、又は指向性センサを光軸方向に移動させる移動機構を設け、これにより焦点調節を行うようにしてもよい。
【0135】
また、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0136】
10…撮像装置、12、112、212…撮影光学系、13、113、213…中央光学系、14、114、214…環状光学系、16、16a、16b…指向性センサ、17a、17b…マイクロレンズ、18…受光セル、19、19a、19b…遮光マスク、24…デジタル信号処理部、25…画像処理部、32…センサ制御部、38…操作部、40…中央処理装置(CPU)
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