【文献】
藤井 亜里砂 Arisa FUJII,デジタル放送受信機のシングルサインオン A study on Single Sign-On system for a digital TV receiver,映像情報メディア学会技術報告 Vol.29 No.49 ITE Technical Report,日本,(社)映像情報メディア学会 The Institute of Image,2005年 9月 8日,第29巻,pp.77〜81
【文献】
中村 晴幸 Haruyuki Nakamura,通信ネットワークを利用した放送サービスにおける個人情報保護技術要件と漏洩防止を目的とするデータベース,映像情報メディア学会誌 第63巻 第9号 The Journal of The Institute of Image Information and Tele,日本,(社)映像情報メディア学会 The Institute of Image,2009年 9月 1日,第63巻,pp.1272〜1285
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
放送波を介して放送データを受信する放送受信手段と、アプリケーションを提供するアプリケーションサーバが接続されると共に、前記アプリケーションの実行にユーザ個人認証を行う認証サーバが接続される通信回線を介して通信データを送受信する通信送受信手段と、前記放送受信手段で受信した放送データから映像音声及びデータ放送を復号する復号手段と、前記復号手段で復号した映像と取得した前記アプリケーションによる映像とを合成する合成表示手段と、を備える放送通信連携受信装置であって、
前記放送受信手段を介して受信した情報から、前記アプリケーションの実行動作を制御する制御情報と、前記アプリケーションの取得先を示す取得先情報とを含むアプリケーション起動情報を抽出するアプリケーション起動情報抽出手段と、
前記アプリケーション起動情報抽出手段によって抽出した前記アプリケーション起動情報を記憶するアプリケーション起動情報記憶手段と、
前記アプリケーション起動情報に含まれる前記取得先情報で示される取得先から、前記通信送受信手段を介して前記アプリケーションを取得するアプリケーション取得手段と、
前記アプリケーション取得手段によって取得したアプリケーションに対応する前記アプリケーション起動情報に従って、当該アプリケーションの実行動作を制御するアプリケーション管理・実行制御手段と、
前記アプリケーション管理・実行制御手段からの指示により前記アプリケーションを実行させるアプリケーション実行手段と、
前記ユーザ個人のそれぞれを識別する個人識別情報毎に、各アプリケーションサーバ及び認証サーバに対するユーザアカウント情報を含むユーザ個人情報を記憶するユーザアカウント情報記憶手段と、
前記アプリケーション管理・実行制御手段からの指示により前記アプリケーション取得手段を介して前記アプリケーションサーバにアプリケーションの取得要求を行うと共に、前記アプリケーションサーバ及び前記認証サーバからの要求に対して、特定された前記ユーザ個人情報を制御するアプリケーション使用情報管理制御手段と、を備え、
前記アプリケーション使用情報管理制御手段は、ユーザ個人を外部から選択して特定されたときに、前記アプリケーションが終了するまで特定された前記個人識別情報を一時的に記憶すると共に、前記アプリケーションサーバ又は前記認証サーバからの要求に対して、特定された個人識別情報に対応するユーザ個人情報を前記ユーザアカウント情報記憶手段から選択して回答し、前記アプリケーションを実行できるように制御する放送通信連携受信装置。
前記アプリケーション使用情報管理制御手段は、前記アプリケーションサーバに前記認証サーバより当該受信装置を経由して通知される認証完了通知から抽出された、前記認証サーバにおいて認証された結果である証明情報を、一時的に記憶するセッション情報一時記憶手段と、
前記認証完了通知から証明情報を抽出して、前記セッション情報一時記憶手段に記憶させると共に、前記アプリケーションサーバからのユーザ認証要求に、前記セッション情報一時記憶手段に記憶させた前記証明情報を付加するセッション情報管理制御手段と、を更に備える請求項2に記載の放送通信連携受信装置。
前記ユーザアカウント管理制御手段及び前記セッション情報管理制御手段は、前記アプリケーション管理・実行制御手段からの前記実行動作におけるアプリケーションを終了するアプリケーション終了信号を受けて、前記ログインユーザ一時記憶手段に一時的に記憶している前記アプリケーションに対応する個人識別情報を消去すると共に、前記セッション情報記憶手段に一時的に記憶している前記アプリケーションに対応する証明情報を消去する請求項3に記載の放送通信連携受信装置。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る放送通信連携システム、放送通信連携受信装置について、図面を参照して先に説明する。なお、放送通信連携受信装置は、アプリケーション起動情報(AIT)によりアプリケーションを制御する構成として説明する。また、アプリケーションをAPLあるいはアプリとして記載する場合がある。
【0025】
[放送通信連携システムの構成]
最初に、
図1を参照して、放送通信連携システムの構成について説明を行う。
図1に示すように、放送通信連携システム1は、放送と通信とを連携して、アプリケーションを使用するときにユーザの世帯に複数の視聴者であるユーザ個人がいても個人情報を管理して、かつ、SSOで複数のサービスを受けることができるシステムである。なお、放送通信連携システム1は、編成チャンネルに連動するアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション)や、あるいは、編成チャンネルに連動しないアプリケーション(チャンネル非連動アプリケーション)を提示することができるものでもある。ここで、用いられるアプリケーションとは、後記する放送通信連携受信装置400を実行環境として動作するソフトウェア(あるいは、表示されるブラウザによって処理可能な文書、画像、スクリプトなどのデータ)である。また、放送映像は、放送通信連携受信装置400により再生処理されるA/Vコンテンツなどのデータである。
【0026】
図1に示すように、放送通信連携システム1は、放送送信装置100と、リポジトリサーバ(APL起動情報サーバ)200と、APLサーバ300(300a、300b、…300n)と、放送通信連携受信装置400と、認証サーバ500とを備えている。なお、放送通信連携受信装置400は、例えば、携帯電話等の携帯機器600と連携して動作させることも可能となる。
【0027】
放送送信装置100は、放送局に設置され、番組編成に伴う放送番組(コンテンツ)を、放送波Wを介して放送通信連携受信装置400に送信するものである。なお、放送番組は、放送波Wとして、電波により送信してもよいし、通信回線(ネットワーク)Nを介して送信してもよく、ここでは放送波Wにより送信する例として説明する。
また、放送送信装置100は、編成チャンネルに連動したアプリケーションがある場合、あるいは、使用してほしいアプリケーションがある場合には、放送波Wにそのアプリケーションを制御するために必要なアプリケーション起動情報を付加して、放送通信連携受信装置400へ送信する。
ここで、アプリケーション起動情報とは、アプリケーションの識別子(ID)、配置場所等のアプリケーションを特定するための情報、ならびに、当該アプリケーションを制御するための付加的な情報である。
【0028】
リポジトリサーバ(アプリケーション起動情報サーバ)200は、アプリケーション起動情報を提供するサーバである。このリポジトリサーバ200は、放送局から送信しないアプリケーション起動情報を管理するものである。リポジトリサーバ200は、例えば、予めサービス提供者が作成したアプリケーションを検証し、承認を与えたアプリケーション(A〔Authorized〕アプリケーション)に対応したアプリケーション起動情報のみを保持する認証機関(第三者機関)に設置される。あるいは、サービス提供者(一般ユーザを含む)が作成したアプリケーション等で、認証機関の承認を受けていないアプリケーション(一般アプリケーション)に対応したアプリケーション起動情報を保持するものであってもよい。
【0029】
APLサーバ300(300a、300b、…300n)は、サービス事業者が作成したアプリケーションを提供するサーバである。ここでは、APLサーバ300を、個別のサービス事業者が保持することとしているが、放送局内、あるいは、第三者機関に設置しても構わない。APLサーバ300は、放送通信連携受信装置400からアプリケーションの提供の要求があったときに、提供するアプリケーションにユーザ認証が必要である場合、ユーザ認証要求を行う。そして、APLサーバ300は、認証サーバ500からのリダイレクトを受けてユーザ認証を行ったユーザ個人が証明情報により認証されたときに、セッション情報を発行してアプリケーションを放送通信連携受信装置400に提供する。
このAPLサーバ300に蓄積されているアプリケーションは、放送通信連携受信装置400によってダウンロードにより実行される。
【0030】
なお、セッション情報とは認証情報によって、ユーザ個人のユーザ確認が取れたAPLサーバ300と放送通信連携受信装置400との通信路に対して発行される通信路のユニークコードである。また、認証情報とは、アプリケーションに対して正当なユーザ個人であることを証明するユーザ個人IDと、証明情報とを対で備えるデータである。さらに、証明情報とは、パスワード、証明書、指紋データ等の公式に特定したユーザ個人を識別するものである。
【0031】
放送通信連携受信装置400は、放送番組を視聴者に提示するとともに、編成チャンネルに連動したアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション)、あるいは、編成チャンネルに連動していないアプリケーション(チャンネル非連動アプリケーション)を動作させて視聴者に提示するものである。この放送通信連携受信装置400の構成および動作についての詳細は、後記にて説明する。
【0032】
認証サーバ500は、APLサーバ300からのユーザ認証の問合せについて回答するサーバである。この認証サーバ500は、APLサーバ300からのリダイレクトにより放送通信連携受信装置400を経由して送られて来るユーザ認証要求に対して、問合せを受けたユーザ個人が認証されている否かを回答するものである。認証サーバ500は、例えば、APLサーバ300からユーザ個人のユーザ認証要求に関して、リダイレクトにより放送通信連携受信装置400を経由した問い合わせがあると、問合せがあった放送通信連携受信装置400を使用しているユーザ個人に対して、証明情報が有るか否かを判定し、証明情報がなければ、放送通信連携受信装置400にパスワード等の認証情報を要求し、また、証明情報があれば、放送通信連携受信装置400から認証完了通知をAPLサーバ300に受け渡している。
【0033】
つまり、認証サーバ500は、APLサーバ300からのユーザ個人(1a)に対するユーザ認証要求を、放送通信連携受信装置400を経由(リダイレクト)して受取り、受取ったユーザ認証要求内におけるユーザ個人(1a)に対する証明情報の有無を判定する。そして、認証サーバ500は、証明情報が無いと判定した場合には、放送通信連携受信装置400にパスワード等の認証情報を要求する。そして、放送通信連携受信装置400からアプリケーションを使用するユーザ個人(1a)がログインしてユーザ個人(1a)の認証情報が送られてくると、認証サーバ500は、予め記憶しているリストからAPLサーバ300のサービス事業者IDとユーザ個人ID、パスワードを検索し、検索結果が正しければ認証して証明情報を発行する。さらに、認証サーバ500は、発行した証明情報を、リダイレクトURLと認証応答に付加して放送通信連携受信装置400を経由(リダイレクト)してAPLサーバ300に送っている。なお、認証サーバ500は、APLサーバ300から定期的にユーザ個人IDとパスワードとアカウントとが紐付けされているリストを受け取り記憶している。
【0034】
認証サーバ500は、APLサーバ300からのユーザ認証についての問合せに対して、リダイレクトを用いてユーザ個人の情報から認証を行うことでAPLサーバ300に回答している。したがって、後記する放送通信連携受信装置400は、ユーザ認証が必要となるアプリケーションに対して、電源オンから電源オフまでの間に行ったアプリケーションの実行に対して、認証サーバ500がAPLサーバ300との間に介在して情報のやり取りを行うため、ユーザ個人が一度ログイン操作することで足りる、所謂、SSOの操作を行うことが可能となる。なお、認証サーバ500と放送通信連携受信装置400とが関係する動作の詳細は後記する。
【0035】
このように放送通信連携システム1を構成することで、放送通信連携受信装置400において、視聴者(ユーザ)は、放送局が提供する放送番組を視聴するとともに、サービス事業者等が提供するアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション、チャンネル非連動アプリケーション)を動作させることができる。また、放送通信連携システム1は、放送通信連携受信装置400のユーザ個人のユーザ認証が必要なアプリケーションを使用する場合に、APLサーバ300からのユーザ認証に対して認証サーバ500を用いて認証を得るようにしているため、放送通信連携受信装置400におけるアプリケーションを実行する操作性がよく、かつ、後記するようにユーザ個人情報の保護を図ることが可能となる。
【0036】
以下、放送通信連携受信装置400の構成および動作について説明を行う。なお、APL起動情報は、放送波Wから抽出される構成(放送信号解析手段402から抽出、データ放送復号手段404から抽出)あるいは通信により取得される構成(APL起動情報取得手段407)となり、その全てを表示しているが、放送波Wのイベント情報テーブル(EIT:Event Information Table)に配置されて送られる例として説明する。また、
図2において、ユーザ個人選択画面(
図10(a)参照)は放送波Wで送ったものを立ち上げる構成であっても、基本機能として備えている構成であっても、あるいは、APL使用情報管理制御手段420が立ち上げる構成であっても構わない。
図2に示すように、この放送通信連携受信装置400は、編成チャンネルに連動あるいは非連動して動作するアプリケーションを、放送波Wを介して送信されるデジタル放送の信号内のイベント情報テーブル(EIT:Event Information Table)に配置されているアプリケーション起動情報によって認識する。
【0037】
ここでは、
図2に示すように、放送通信連携受信装置400は、放送受信手段401と、放送信号解析手段402と、映像・音声復号手段403と、データ放送復号手段404と、通信送受信手段406と、APL起動情報取得手段407と、APL起動情報記憶手段405と、リスト制御手段408と、APL管理・実行制御手段409と、起動アプリケーション識別情報記憶手段410と、APL取得手段411と、APL記憶手段412と、APL実行手段413と、操作制御手段414と、合成表示手段415と、APL使用情報管理制御手段420と、登録ユーザ記憶手段430と、ユーザアカウント情報記憶手段426とを備えている。
【0038】
放送受信手段401は、アンテナAを介して、放送波Wとして送信される放送データを受信するものである。この放送受信手段401は、放送データを受信、復調し、誤り訂正やTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)復号等の復号を行い、MPEG2のトランスポートストリーム(TS:Transport Stream)として、放送信号解析手段402に出力する。
なお、この放送受信手段401は、アンテナAを介して、電波によって放送信号を受信するものに限定されず、ケーブルを介して、放送信号を受信するものであってもよい。
【0039】
放送信号解析手段402は、放送受信手段401で復調されたストリームデータ(トランスポートストリーム)において、PSI/SI(Program Specific Information〔番組特定情報〕/Service Information〔番組配列情報〕)を解析し、現在選局されている編成チャンネルに対応する映像、音声、データ等のデータを抽出するものである。なお、選局は、後記する操作制御手段414から通知されるチャンネル切替指示に基づいて行われる。
この放送信号解析手段402は、抽出した映像、音声等のデータであるPES(Packetized Elementary Stream)形式のデータについては、映像・音声復号手段403に出力し、抽出したデータ放送等のデータであるセクション形式のデータについては、データ放送復号手段404に出力する。
【0040】
放送信号解析手段402は、APL起動情報抽出手段402aを備えている。
APL(アプリケーション)起動情報抽出手段402aは、放送受信手段401で復調されたストリームデータから、SI(番組配列情報)の一つであるEITの記述子(アプリケーション起動情報記述子)に含まれているアプリケーション起動情報を抽出するものである。このEITは、放送局の放送送信装置100(
図1参照)が、編成チャンネルに紐付いたアプリケーションに対応するアプリケーション起動情報を、放送送信装置100の図示を省略した番組情報埋込手段によって、EITの記述子領域に埋め込むことで生成されたものである。
【0041】
APL起動情報抽出手段402aは、抽出したアプリケーション起動情報をAPL起動情報記憶手段405に書き込み記憶する。また、APL起動情報抽出手段402aは、アプリケーション起動情報を抽出した場合、アプリケーション起動情報が通知された旨(起動情報通知)を、アプリケーションを識別する情報(アプリケーションID)とともに、APL管理・実行制御手段409に通知する。
【0042】
ここで、
図4を参照して、アプリケーション起動情報を埋め込んだEITのデータ構造の例について説明する。
図4は、ARIB STD−B10で規定されているEITに、アプリケーション起動情報を付加する例を示している。ここでは、アプリケーション起動情報を、EITの記述子領域に“アプリケーション起動情報記述子”として付加する。
【0043】
このEITは、編成サービスに含まれるイベントに関する時系列情報である。なお、このEITには、自トランスポートストリームに現在(present)/次(following)のイベント情報を付加したテーブルを示すp/fEIT(“テーブル識別”=0x4E)を用いることが望ましい。これによって、既存のEITの構造を変えることなく、全局のEITを伝送するscheduleEITに比べて少ないデータ量で、アプリケーション起動情報を放送通信連携受信装置400に伝送することが可能になる。
【0044】
また、
図4に示すように、EITのデータ構造のうち、“オリジナルネットワーク識別”、“トランスポートストリーム識別”および“サービス識別”によって、送信するアプリケーション起動情報に対応する編成チャンネルが特定される。
“オリジナルネットワーク識別”は、地上デジタル放送、BSデジタル放送等の放送網(ネットワーク)を識別するための識別子である。また、“トランスポートストリーム識別”は、トランスポートストリーム(TS)を識別するための識別子である。また、“サービス識別”は、トランスポートストリームごとの編成チャンネルを識別するための識別子である。
【0045】
このように、EITにアプリケーション起動情報(アプリケーション起動情報記述子)を付加することで、放送通信連携受信装置400において、編成チャンネルに紐付いたアプリケーション起動情報を認識することができる。
なお、EITのデータ構造における他のデータについては、ARIB STD−B10で規定されているものであるため、ここでは説明を省略する。
【0046】
次に、
図5を参照して、EITに付加するアプリケーション起動情報(アプリケーション起動情報記述子)の内容について説明する。
図5は、アプリケーション起動情報をバイナリ形式で記述した記述子(アプリケーション起動情報記述子)の例を示している。
アプリケーション起動情報記述子は、アプリケーションを特定する情報とともに、アプリケーションを制御するための付加的な情報を含んだデータであって、従来のAITに相当する情報である。
【0047】
アプリケーションを特定する情報としては、以下のような情報がある。
例えば、
図5では、(5)〜(8)行目にアプリケーション名を記載している。また、(9)行目にアプリケーションを作成した組織、(10)行目に組織内で一意に定められたアプリケーションを識別する番号を記載している。この(9)および(10)行目に示す番号が、アプリケーションを一意に特定するアプリケーションIDとなる。
【0048】
また、(20)〜(23)行目および(28)〜(31)行目の組み合わせでアプリケーションの所在(アドレス)を記載している。また、これら以外にも、(32)〜(34)行目に示すように、アプリケーションが利用する付加的な情報、例えば、メタデータ、画像データ等の所在(アドレス)を記述しておくこととしてもよい。このように、付加的なデータの参照先を記載しておくことで、EITに付加するデータ量を抑えることができる。
【0049】
また、アプリケーションを制御するための付加的な情報としては、以下のような情報がある。
例えば、
図5では、(11)行目にアプリケーションの状態を制御する制御コード(アプリケーション制御コード)を記載している。
このアプリケーション制御コードは、例えば、
図6に示すような値をとる。このアプリケーション制御コードは、基本的にはARIB STD−B23で規定されているものと同様である。例えば、“AUTOSTART”は、放送通信連携受信装置400において、ユーザの操作によらず、自動で起動(即時起動)するアプリケーションであることを示す。また、“PRESENT”は、自動で起動するアプリケーションではないが、起動可能(スタンバイ)状態であることを示す。
また、“DESTROY”、“KILL”は、アプリケーションの終了を指示する制御コードであって、通常終了(例えば、ユーザの確認を行って終了)であるのか、強制終了(例えば、ユーザの確認を行わずに即時終了)であるのかを示す。
【0050】
このように、このアプリケーション制御コードは、基本的にはARIB STD−B23で規定されているものと同様であるが、ここでは、さらに、“KILLALL”を付加している。この“KILLALL”は、放送通信連携受信装置400において、編成チャンネルに対応するアプリケーションにかかわらず、現在起動しているすべてのアプリケーションの強制終了を示すものである。
【0051】
また、
図5の(36)行目に、当該アプリケーションがユーザによってリスト表示の候補として表示可能か否かを示す情報(リスト可能フラグ〔isListable〕)を記載している。例えば、このリスト可能フラグがTRUE(“1”)であれば、ユーザが選択して実行可能なアプリケーションであることを示す。また、リスト可能フラグがFALSE(“0”)であれば、当該アプリケーションが、ユーザが選択して実行させるアプリケーションではなく、他のアプリケーションから起動されるアプリケーション(例えば、デコーダ等)であることを示す。
【0052】
このように、放送通信連携受信装置400は、イベント情報テーブルのp/f領域からアプリケーション起動情報を抽出するため、現在放送中のコンテンツと次に放送予定のコンテンツとで用いられるアプリケーションを取得および制御することができ、アプリケーションをコンテンツに連動させて実行することができる。
【0053】
APL起動情報抽出手段402aは、具体的には、放送受信手段401から入力されたTSに含まれるEITのp/f領域に、
図5に示すアプリケーション起動情報に相当する内容が記述されているか否かを確認し、当該内容が記述されている場合、これを抽出する。そして、APL起動情報抽出手段402aは、
図2に示すように、抽出した内容をアプリケーション起動情報としてAPL起動情報記憶手段405に記憶し、APL管理・実行制御手段409に通知する。
【0054】
図2に戻って、放送通信連携受信装置400の構成について説明を続ける。
復号手段40は、映像音声、データ放送等の放送データを復号するものである。この復号手段40は、映像・音声復号手段403と、データ放送復号手段404とを備えている。
映像・音声復号手段403は、放送信号解析手段402で抽出された映像・音声(映像ストリームおよび音声ストリーム)を復号するものである。この映像・音声復号手段403は、映像・音声データが例えば、MPEG2の符号化方式によって符号化されている場合、MPEG2の復号を行い表示可能な出力形式の映像・音声データとして、合成表示手段415に出力する。
【0055】
データ放送復号手段404は、放送信号解析手段402で抽出されたデータ放送のデータを復号するものである。このデータ放送復号手段404は、BMLを解析し、当該BMLを表示可能な出力形式に変換するBMLブラウザの機能を有し、変換した表示データ(データ放送データ)を、合成表示手段415に出力する。
【0056】
APL起動情報記憶手段405は、アプリケーション起動情報を、チャンネル(編成チャンネル、仮想チャンネル)に対応付けて、記憶するものであって、半導体メモリ等の記憶媒体である。ここでは、APL起動情報記憶手段405には、APL起動情報抽出手段402aによって、EITで特定される編成チャンネルに対応付けて、抽出されたアプリケーション起動情報が書き込まれる。また、APL起動情報記憶手段405には、図示しないチャンネル非連動情報取得手段によって、仮想チャンネルに対応付けて、取得されたアプリケーション起動情報が書き込まれる。
通信送受信手段406は、通信インターフェースであり、通信回線Nを介して、各データを送受信するためのものである。
【0057】
APL起動情報取得手段407は、通信送受信手段406を介して、アプリケーション起動情報を取得するものである。APL起動情報取得手段407は、ここでは、図示しないチャンネル連動情報取得手段と、チャンネル非連動情報取得手段とを備えている。
チャンネル連動情報取得手段は、通信送受信手段406を介して、編成チャンネルに連動するアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション)のアプリケーション起動情報を取得するものである。このチャンネル連動情報取得手段は、例えば、起動時に予め定めたサーバ(リポジトリサーバ200〔
図1参照〕)から、
図5で説明したアプリケーション起動情報記述子に“オリジナルネットワーク識別”、“トランスポートストリーム識別”および“サービス識別”といった編成チャンネルを特定する識別子を付加したアプリケーション起動情報を取得し、取得したアプリケーション起動情報を編成チャンネルと紐付けてAPL起動情報記憶手段405に書き込み記憶する。
【0058】
また、図示しないチャンネル非連動情報取得手段は、通信送受信手段406を介して、編成チャンネルに連動していないアプリケーション(チャンネル非連動アプリケーション)のアプリケーション起動情報を取得するものである。チャンネル非連動情報取得手段は、例えば、起動時に予め定めたサーバ(リポジトリサーバ200〔
図1参照〕)から、
図5で説明したアプリケーション起動情報記述子と同じ内容のアプリケーション起動情報を取得し、取得したアプリケーション起動情報をAPL起動情報記憶手段405に書き込み記憶する。あるいは、ユーザによって、後記する操作制御手段414を介して、アプリケーションのリストを表示させる指示(リスト表示指示)が通知された段階で、アプリケーション起動情報を取得することとしてもよい。
【0059】
なお、APL起動情報取得手段407の図示しないチャンネル非連動情報取得手段により取得したアプリケーション起動情報は、特定の編成チャンネルに紐付いたものではない。そこで、チャンネル非連動情報取得手段は、編成チャンネルが存在しない仮想的なチャンネル(仮想チャンネル)に対応付けて、アプリケーション起動情報をAPL起動情報記憶手段405に書き込み記憶することとする。
【0060】
リスト制御手段408は、起動可能なアプリケーションのリストの表示およびアプリケーションの選択の制御を行うローンチャー(Launcher)である。ここでは、リスト制御手段408は、図示しないリスト表示手段と、リスト選択手段とを備えている。
【0061】
リスト制御手段408のリスト表示手段(図示せず)は、起動可能なアプリケーションのリストの表示するものである。この図示しないリスト表示手段は、ユーザから操作制御手段414を介してリスト表示を指示されることで、APL起動情報記憶手段405に記憶されているアプリケーション起動情報に対応するアプリケーションのリストを生成し、表示データとして、合成表示手段415に出力する。
【0062】
図示しないリスト表示手段は、例えば、
図5で説明したアプリケーション起動情報における(7)行目に示したアプリケーション名を表示する。
なお、図示しないリスト表示手段は、
図5で説明したアプリケーション起動情報において、(36)行目に示したリスト可能フラグ(isListable)が、TRUE(“1”)であるアプリケーションのリストのみを表示することとする。これによって、ユーザが起動できない不要なアプリケーションをリストから除外して表示することができる。
【0063】
また、リスト制御手段408のリスト選択手段(図示せず)は、図示しないリスト表示手段によって表示されたアプリケーションのリストにおいて、操作制御手段414を介して指示される、ユーザからのリスト選択指示に基づいて、アプリケーションを選択するものである。例えば、図示しないリスト選択手段は、操作制御手段414を介して、リスト選択指示として、リモコン装置Riの方向(矢印)ボタン(図示せず)の押下信号が通知されることで、複数のアプリケーションのうちで、どのアプリケーションが起動候補として選択されているのかを認識し、決定ボタン(図示せず)の押下信号が通知されることで、実際に起動指示が選択されたアプリケーションを認識する。
このリスト制御手段408(リスト選択手段)は、選択されたアプリケーションを識別する番号(アプリケーションID)を含んだ選択アプリケーション通知をAPL管理・実行制御手段409に出力する。
【0064】
なお、図示しないリスト選択手段は、編成チャンネルに連動していないアプリケーションについては、リストを表示する際に、アプリケーションを即時実行させるか、あるいは、放送通信連携受信装置400内(具体的には、APL記憶手段412)にアプリケーションを蓄積(インストール)させるか否かの選択を、ユーザに選択させることとする。
この場合、図示しないリスト選択手段は、例えば、表示するアプリケーションのリストに、即時実行するか、蓄積するか否かのチェック欄を設けることとしてもよい、アプリケーションが選択された段階で、ユーザに問い合わせを行うこととしてもよい。このアプリケーションを即時実行するか蓄積するか否かを示す情報は、選択アプリケーション通知とともに、APL管理・実行制御手段409に出力されるものとする。
【0065】
APL管理・実行制御手段409は、アプリケーションのライフサイクル(アプリケーションがロード、実行されて終了するまでの過程)を制御するものである。ここでは、APL管理・実行制御手段409は、起動制御手段409aと、終了制御手段409bと、蓄積管理手段409cとを備えている。また、APL管理・実行制御手段409は、アプリケーションを実行、終了させるときにAPL実行手段413に信号を出力し、かつ、アプリケーションを取得するとき、及びアプリケーションを終了するときに信号をAPL使用情報管理制御手段420に出力するように構成されている。
【0066】
起動制御手段409aは、編成チャンネルに連動したアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション)の起動や、編成チャンネルに連動していないアプリケーション(チャンネル非連動アプリケーション)の起動を制御するものである。
具体的には、起動制御手段409aは、APL起動情報抽出手段402aから起動情報通知が通知された際、APL起動情報記憶手段405に記憶されている、起動情報通知とともに通知されるアプリケーションIDに対応するアプリケーション起動情報に記述されているアプリケーション制御コードが“AUTOSTART”のときだけ、アプリケーションを起動することとする。
【0067】
すなわち、起動制御手段409aは、アプリケーション制御コードが“AUTOSTART”のときだけ、アプリケーション起動情報に記述されているアプリケーションの所在からそのアプリケーションを取得する旨(アプリケーション取得指示)を、APL取得手段411に通知し、APL実行手段413に当該アプリケーションを実行する旨(起動制御指示)を通知し、かつ、APL使用情報管理制御手段420に通知する。このように構成することで、例えば、編成チャンネルに連動したアプリケーションがユーザの操作によらず、自動起動されることになる。
【0068】
また、起動制御手段409aは、リスト制御手段408から、選択アプリケーション通知が通知された際には、アプリケーション起動情報に記述されているアプリケーションの所在からそのアプリケーションを取得する旨(アプリケーション取得指示)を、APL使用情報管理制御手段420を介してAPL取得手段411に通知し、APL実行手段413に当該アプリケーションを実行する旨(起動制御指示)を通知する。これによって、リストから、ユーザが選択したアプリケーションが起動されることができる状態となる。
【0069】
なお、起動制御手段409aは、起動中のアプリケーションを識別情報(アプリケーションID)で管理し、起動APL識別情報記憶手段410に起動中のアプリケーションIDを書き込むこととする。また、APL実行手段413において、アプリケーションが他のアプリケーション(子アプリケーション)を起動させた場合、起動制御手段409aは、元のアプリケーション(親アプリケーション)が編成チャンネルに連動している場合、子アプリケーションについても同じ編成チャンネルに連動しているものとし、階層的に対応付けて管理する。
【0070】
終了制御手段409bは、起動中のアプリケーションの終了制御を行うものである。
具体的には、終了制御手段409bは、APL起動情報抽出手段402aから起動情報通知が通知された際、APL起動情報記憶手段405に記憶されている、起動情報通知とともに通知されるアプリケーションIDに対応するアプリケーション起動情報に記述されているアプリケーション制御コードが“DESTROY”、“KILL”または“KILLALL”の場合にアプリケーションを終了させる。
【0071】
なお、アプリケーション制御コードが“DESTROY”の場合、終了制御手段409bは、通知されたアプリケーションIDに対応するアプリケーションを通常終了させる旨、APL実行手段413及びAPL使用情報管理制御手段420に指示する。また、アプリケーション制御コードが“KILL”の場合、終了制御手段409bは、通知されたアプリケーションIDに対応するアプリケーションを強制終了させる旨、APL実行手段413及びAPL使用情報管理制御手段420に指示する。
なお、終了制御手段409bは、アプリケーションを終了させる場合、起動APL識別情報記憶手段410を参照し、終了を指示されたアプリケーションに子アプリケーションが存在する場合は、子アプリケーションから順次終了処理を行い、子アプリケーションが存在しなくなった段階で、親アプリケーションを終了させる。
【0072】
また、アプリケーション制御コードが“KILLALL”の場合、終了制御手段409bは、起動APL識別情報記憶手段を参照し、現在起動しているすべてのアプリケーションを強制終了させる。すなわち、アプリケーション制御コードが“KILLALL”の場合、終了制御手段409bは、“KILLALL”が通知されたアプリケーションID以外に、編成チャンネルに連動して起動している他のアプリケーション、および、編成チャンネルに連動せずに起動しているアプリアプリケーションのすべてについて、アプリケーションを強制終了させる旨、APL実行手段413及びAPL使用情報管理制御手段420に指示する。
【0073】
これによって、例えば、緊急警報放送や緊急地震速報といった緊急に視聴者に通知したい内容を放送したい場合、放送事業者は、“KILLALL”をアプリケーション制御に記述したアプリケーション起動情報を、放送通信連携受信装置400に通知することで、緊急時において、表示画面等のリソースを優先的に使用することができる。
【0074】
蓄積管理手段409cは、放送通信連携受信装置400内(具体的には、APL記憶手段412)にアプリケーションを予め蓄積(インストール)する制御を行うものである。
具体的には、蓄積管理手段409cは、リスト表示手段408aから、起動可能なアプリケーションのリストの中で、ユーザが選択した選択アプリケーションを特定する情報(アプリケーションID)とともに、APL記憶手段412にアプリケーションを蓄積させる旨を通知された場合に、アプリケーション起動情報に記述されているアプリケーションの所在からそのアプリケーションを取得し、APL記憶手段412に書き込む旨(アプリケーション取得指示)を、APL使用情報管理制御手段420を介してAPL取得手段411に通知する。
これによって、APL記憶手段412には、ユーザが選択したアプリケーションが蓄積される。
【0075】
なお、蓄積管理手段409cは、アプリケーションをAPL記憶手段412に蓄積(インストール)した場合、APL起動情報記憶手段405に記憶されている当該アプリケーションに対応するアプリケーション起動情報において、アプリケーションの所在(アドレス)を、APL記憶手段412のアドレスを参照するように更新する。
【0076】
例えば、蓄積管理手段409cは、アプリケーション起動情報の“http://〜”と記載してあるアプリケーションのアドレス表記を、APL記憶手段412内のローカルなアドレス(APL記憶手段412内のアドレス)を示すように“file:///〜”等に変換する。もちろん、アプリケーション起動情報を直接変更せずに、当該アプリケーション起動情報のアドレスを読み替えて参照するような変換規則を、アプリケーション起動情報に対応付けて別途記述しておくこととしてもよい。
【0077】
また、蓄積管理手段409cは、アプリケーションをAPL記憶手段412に蓄積(インストール)した場合、APL起動情報記憶手段405にアプリケーションが蓄積されている旨の状態(蓄積あるいは未蓄積)を書き込み管理することとする。
一方、蓄積管理手段409cは、ユーザの指示に応じて、蓄積したアプリケーションを削除する。すなわち、APL記憶手段412に記憶されているアプリケーションは、蓄積管理手段409c内の蓄積アプリケーションリスト表示手段(図示せず)によってリスト表示され、アプリケーション選択削除手段(図示せず)によって、ユーザからの選択により、APL記憶手段412から削除される。このとき、アプリケーション選択削除手段(図示せず)は、APL起動情報記憶手段405において、対応するAPL蓄積状態を“未蓄積”とする。
【0078】
このように、APL管理・実行制御手段409を構成することで、編成サービスに連動したアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション)に対して、放送局から通知されるアプリケーション起動情報によって、起動・終了の制御を行うことができる。また、編成チャンネルに連動しないアプリケーション(チャンネル非連動アプリケーション)については、ユーザが任意のタイミングで取得・実行することができる。
【0079】
APL取得手段411は、通信送受信手段406を介して、通信回線Nに接続されたAPLサーバ300(
図1参照)から、アプリケーションを取得するものである。
このAPL取得手段411は、起動制御手段409aからAPL使用情報管理制御手段420を介して、ユーザ認証を必要としないアプリケーションの取得に対してAPL取得指示を通知された場合、当該指示で通知されるアプリケーションの所在(アドレス)から、指定されたアプリケーションを取得し、その取得したアプリケーションをAPL実行手段413に出力する。
【0080】
また、APL取得手段411は、蓄積管理手段409cからAPL使用情報管理制御手段420を介して、ユーザ認証を必要としないアプリケーションの取得に対してAPL取得指示を通知された場合、当該指示で通知されるアプリケーションの所在(アドレス)から、指定されたアプリケーションを取得し、その取得したアプリケーションを蓄積管理手段409cに書き込み蓄積する。
APL記憶手段412は、APL取得手段411で取得されたアプリケーションを記憶するもので、ハードディスク等の記憶媒体である。このAPL記憶手段412は、アプリケーションを、任意のタイミングで動作させるために蓄積しておくものである。
このAPL記憶手段412に記憶されているアプリケーションは、APL実行手段413によって読み出され、実行される。
【0081】
APL実行手段413は、APL管理・実行制御手段409からの指示(起動制御指示)に基づいて、アプリケーションの起動および終了を行うものである。
このAPL実行手段413は、起動制御手段409aからアプリケーションを実行する旨が指示された場合、起動制御指示に含まれるアプリケーションを特定する情報(アプリケーションID、所在位置等)に基づいて、アプリケーションおよびアプリケーションを実行する際に必要となるデータ(例えば、メタデータ、アイコンデータ等)をアプリケーションの取得元から取得する。
そして、APL実行手段413は、図示を省略したメモリにアプリケーションを展開(ロード)し、アプリケーションを実行させる。
【0082】
なお、APL実行手段413は、起動制御指示に含まれるアプリケーションの取得元が、“file:///〜”のようにローカルディスク(APL記憶手段412)のアドレスである場合、APL記憶手段412からアプリケーションを読み出し実行する。また、APL実行手段413は、起動制御指示に含まれるアプリケーションの取得元が、“http://〜”のようにネットワーク上のアドレスである場合、APL取得手段411に当該アプリケーションの取得を指示(APL取得指示)し、アプリケーションを取得して実行する。
【0083】
このアプリケーションの実行に伴う画像や音声のデータは、合成表示手段415に出力される。
また、APL実行手段413は、終了制御手段409bから通知されるアプリケーションを終了する旨が指示された場合、指示されたアプリケーションを終了させる。
なお、APL実行手段413は、終了制御手段409bから通常終了あるいは強制終了であるかを、例えば、割り込み信号等によって起動中のアプリケーションに通知し、アプリケーションを終了させる。
【0084】
操作制御手段414は、外部のリモコン装置Ri等の入力手段を介して、放送通信連携受信装置400に対するユーザの操作(例えば、チャンネル変更等)を制御するものである。この操作制御手段414は、リモコン装置Riを介してユーザからチャンネルの変更が指示された場合、選択されたチャンネルのチャンネル番号を含んだチャンネル切替指示を放送信号解析手段402に通知する。これによって、現在視聴中のチャンネルが選局されることになる。また、操作制御手段414は、同じくチャンネル切替指示をAPL管理・実行制御手段409に通知する。これによって、編成チャンネルに連動したアプリケーションの起動や終了が実行されることになる。さらに、APL管理・実行制御手段409がアプリケーションの起動や終了を実行することに伴って、後記するように、APL使用情報管理制御手段420の一時的に記憶している情報を消去することになる。
【0085】
図2に示すように、放送通信連携受信装置400は、電源をオンしたとき、あるいは、アプリケーションを取得、実行するときに、視聴しているユーザ個人を特定するためのリストが映像表示装置Moに表示されてユーザ個人をリモコン装置Riから選択するように構成されている。そして、ここでは、放送通信連携受信装置400は、登録ユーザ記憶手段430を備えており、例えば、APL管理・実行制御手段409からAPL使用情報管理制御手段420に信号が送られて来ると、APL使用情報管理制御手段420が、登録ユーザ記憶手段430に記憶されているリストを合成表示手段415に送り、映像表示装置Moに表示させるように構成されている。登録ユーザ記憶手段430は、ユーザ個人を識別する個人識別情報を記憶するものである。そして、登録ユーザ記憶手段430は、図示しない初期入力手段を介して入力されて登録されているユーザ個人が分かるリスト形式(
図10(a)参照)で、予め記憶している。この登録ユーザ記憶手段430には、例えば、ユーザの家族のユーザ個人を予め識別できる個人識別情報(ユーザ個人の氏名、あるいは、ユニークに決めた名称等)としてリストで表示できるように、リモコン装置Ri等の外部から操作制御手段414を介して入力して記憶されている。
【0086】
放送通信連携受信装置400は、登録ユーザ記憶手段430に記憶されているユーザ個人を識別する個人識別情報に対応したユーザ個人情報を記憶するユーザアカウント情報記憶手段426を備えている。このユーザアカウント情報記憶手段426は、
図3に示すように、ユーザ個人の個人識別情報を示すユーザ名と、各サービスに対するユーザIDと、パスワード等が紐付けられて記憶されている。ユーザアカウント情報記憶手段426は、ユーザ個人の個人識別情報毎に記憶されている。
【0087】
図2に示すように、APL使用情報管理制御手段420は、視聴するユーザ個人の個人情報を他人に使用できないように管理すると共に、ユーザ認証が必要なアプリケーションに対してユーザ個人の操作を行い易くするためのものである。このAPL使用情報管理制御手段420は、APL管理・実行制御手段409からアプリケーションを取得するAPL取得指示を受けて、個人情報を付加して、APL取得手段411にアプリケーション取得指示を行う。そして、APL使用情報管理制御手段420は、APLサーバ300又は認証サーバ500からの要求等に対応してアプリケーションを取得して実行できるように制御する。このAPL使用情報管理制御手段420は、セッション情報管理制御手段421と、セッション情報一時記憶手段422と、ユーザアカウント管理制御手段423と、ログインユーザ一時記憶手段424と、リソース管理手段425と、を備えている。
【0088】
図2に示すように、セッション情報管理制御手段421は、APLサーバ300及び認証サーバ500との間において、証明情報、認証情報、セッション情報を制御するものである。このセッション情報管理制御手段421は、認証サーバ500からリダイレクトしてAPLサーバ300に通知される認証完了通知から証明情報を抽出し、セッション情報一時記憶手段422に記憶させる。また、セッション情報管理制御手段421は、セッション情報一時記憶手段422から記憶している証明情報を、APLサーバ300からリダイレクトして認証サーバ500に通知されるユーザ認証要求に付加する。
【0089】
セッション情報管理制御手段421は、APL管理・実行制御手段409からのアプリケーション終了信号が送られてくると、アプリケーション終了信号に基づいて、セッション情報一時記憶手段422に記憶している証明情報を消去するように構成されている。なお、証明情報は、アプリケーションに対応するパスワード(証明書、指紋データ等)であるので、アプリケーション終了信号を受けることで、証明情報を特定することができるようになっている。また、セッション情報とは、アプリケーションに対して正当なユーザ個人であることを証明するユーザ個人IDと、証明情報とを対で備えるデータである認証情報によって、ユーザ個人のユーザ確認が取れたAPLサーバ300と放送通信連携受信装置400との通信路に対して発行される通信路のユニークコードである。
【0090】
このセッション情報管理制御手段421は、証明情報抽出手段421aと、証明情報付加手段421bと、アドレス書換部421cとを備えている。
証明情報抽出手段421aは、認証サーバ500からAPLサーバ300にリダイレクトされる認証完了通知に付加されている証明情報を抽出するものである。この証明情報抽出手段421aは、リダイレクトのデータ中に認証サーバ500が発行した証明情報が付加されている場合には、その証明情報を抽出し、セッション情報一時記憶手段422に記憶させるように構成されている。また、証明情報抽出手段421aは、リダイレクトにAPLサーバ300が発行したセッション情報が付加されていると、そのセッション情報を証明情報と共に抽出し、セッション情報一時記憶手段422に記憶させる。
【0091】
証明情報加手段421bは、証明情報をユーザ認証要求に付加するものである。この証明情報付加手段421bは、セッション情報一時記憶手段422に記憶されている証明情報が存在したときに、その証明情報をAPLサーバ300からのユーザ認証要求に付加するように構成されている。また、証明情報付加手段421bは、セッション情報一時記憶手段422にセッション情報が記憶されている場合には、そのセッション情報をアプリケーションを取得あるいは実行するときに付加して使用する。なお、証明情報付加手段421bは、セッション情報一時記憶手段422に複数の証明情報がリスト形式で記憶されていたときには、リストに最後に記憶された証明情報をユーザ認証要求に付加するように構成されている。また、セッション情報一時記憶手段に記憶されたセッション情報がリスト形式で記憶されていたときには、アプリケーションに対応するリストに記憶されたセッション情報を使用するように構成されている。
【0092】
アドレス書換部421cは、リダイレクトに記載された書換指示に基づいて、送られて来たリダイレクト先のURLを書換えるものである。このアドレス書換部421cは、ここでは、APLサーバ300からのリダイレクトを受けたときに書換指示が認証サーバ500になるように書換え、また、認証サーバ500からリダイレクトを受けたときに書換指示がAPLサーバ300になるように書換えることを、リダイレクトに示される書換指示により行っている。
【0093】
セッション情報一時記憶手段422は、抽出された証明情報、セッション情報を一時的に記憶する不揮発メモリ等により構成されるものである。このセッション情報一時記憶手段422は、ここでは、APL管理・実行制御手段409からのアプリケーション終了信号を受けて一時的に記憶されている証明情報が消去される。
【0094】
ユーザアカウント管理制御手段423は、ユーザ個人の個人情報を制御して他人に漏洩しないように管理するものである。このユーザアカウント管理制御手段423は、APL管理・実行制御手段409とAPL取得手段411の間で、アプリケーションを取得して実行することができるように動作する。ユーザアカウント管理制御手段423は、ここでは、電源がオンされると、登録ユーザ記憶手段430に記憶されているリストを合成表示手段415に出力して映像表示装置Moに表示する(
図10(a)参照)。そして、操作制御手段414を介してリモコン装置Riからのボタン操作によりユーザ個人を示す個人識別情報が選択されると、ユーザアカウント管理制御手段423は、ログインユーザ一時記憶手段424に選択された個人識別情報を一時的に記憶させる。
【0095】
なお、ユーザ個人選択を行うタイミングは、任意であるが、ここでは、放送通信連携受信装置400の電源がオンされたときに行うこととして説明する。また、ユーザアカウント管理制御手段423は、APL管理・実行制御手段409からのAPL取得指示がなされると、ログインユーザ一時記憶手段424に記憶されている個人識別情報を読み出し、リソース管理手段425を介して、ユーザアカウント情報記憶手段426に予め記憶されている当該個人識別情報に対応するユーザ個人の個人情報を抽出し、APL利用要求に付加してAPL取得手段411に出力している。
【0096】
リソース管理手段425は、ユーザアカウント情報記憶手段426に記憶されているユーザ個人情報を管理するものである。このリソース管理手段425は、ログインユーザ一時記憶手段424に一時的に記憶された個人識別情報が、ユーザアカウント管理制御手段423を介して送られて来ると、その個人識別情報に対応するユーザアカウント情報記憶手段426に記憶されているユーザ個人情報を選択してユーザアカウント管理制御手段423に出力する。
【0097】
合成表示手段415は、アプリケーションリスト(
図10(b)参照)、アプリケーション(
図10(d)参照)、ユーザ個人選択画面(
図10(a)参照)及びログイン画面(
図10(c)参照)のいずれか一つ以上を映像に合成して映像表示装置Moに表示させるものである。この合成表示手段415は、合成した音声については、音声信号として外部に接続されたスピーカ等の音声出力装置Spに出力し、合成した映像(画像)については、映像信号として外部に接続された液晶ディスプレイ等の映像表示装置Moに出力する。合成表示手段415は、映像・音声復号手段403からの映像音声データと、データ放送復号手段404からのデータ放送のデータと、APL実行手段413からのアプリケーションのデータと、APL使用情報管理制御手段から指示により出力される入力画面(ユーザ個人選択画面及びログイン画面)のデータと、を合成して映像表示装置Moに表示している。
【0098】
そして、合成表示手段415は、アプリケーションの持っている初期表示位置、表示形状、色、表示領域等のデータにより、映像データのどの位置にどのような大きさ形状で合成すればよいか分かるので、それらのアプリケーションによる映像を表示するためのデータに基づいて、アプリケーションの映像を映像データに合成して表示している。そして合成表示手段415は、他のアプリケーションリスト、ユーザ個人選択画面、ログイン画面についてもそれぞれが持っている初期表示位置、表示形状、色、表示領域等のデータ、あるいは、予め決められている条件に基づいて映像表示装置Moに、既に表示されている映像等の所定位置に合成するように構成されている。
【0099】
以上のような構成により、放送通信連携受信装置400では、APL使用情報管理制御手段420が、ユーザ個人のユーザ個人情報を他人に漏洩しないように管理し、かつ、APLサーバ300又は認証サーバ500の要求等に対応して、ユーザ認証が必要なアプリケーションを取得して実できるように制御することができる。
【0100】
つぎに、放送通信連携受信装置400の動作を説明する。なお、放送通信連携受信装置等の構成については適宜、
図1から
図3を参照し、放送通信連携システム1の全体的な動作については、
図7を参照して説明し、放送通信連携受信装置の動作については、
図8、
図9を参照して説明する。さらに、映像表示装置Moに表示される模式的な映像の状態については、
図10を参照して説明する。また、放送通信連携受信装置400の動作では、
図7に示すように、第1のAPLサーバ300aと、第2のAPLサーバ300bにそれぞれアプリケーションを要求する例を前提として説明する。
【0101】
図8に示すように、始めに、放送通信連携受信装置400は、電源をオンすると(ステップS1)、APL使用情報管理制御手段420に信号が入力され、ユーザアカウント管理制御手段423からの指示で、登録ユーザ記憶手段430に予め記憶されているユーザ個人選択画面(
図10(a)参照)が映像表示装置Moに表示される。したがって、放送通信連携受信装置400を視聴するユーザ個人の個人識別情報により記載されたリストからリモコン装置Riにより操作制御手段414を介してユーザ選択が行われる(ステップS2)。そして、操作制御手段414から選択されたユーザ個人の個人識別情報がAPL使用情報管理制御手段420のユーザアカウント管理制御手段423に送られる。ユーザアカウント管理制御手段423は、受け取った個人識別情報(選択ユーザ)をログインユーザ一時記憶手段424に一時的に記憶させる(ステップS3)。また、放送通信連携受信装置400は、電源がオンされたときに、放送波WをアンテナAから放送受信手段401を介して受信する。
【0102】
そして、放送通信連携受信装置400は、放送信号解析手段402により復調されたストリームデータにおいて、PSI/SIを解析し、映像、音声、データ放送等のデータを抽出すると共に、抽出した映像、音声等のデータであるPES形式のデータについては、復号手段40の映像・音声復号手段403に出力し、抽出したデータ放送等のデータであるセクション形式のデータについては、復号手段40のデータ放送復号手段404に出力する。さらに、放送通信連携受信装置400は、APL起動情報抽出手段402aによりEITを解析してアプリケーション起動情報を抽出し、アプリケーション起動情報をAPL起動情報記憶手段405に出力して記憶させる。
【0103】
つぎに、放送通信連携受信装置400は、
図2、
図7及び
図8に示すように、アプリケーションを起動する場合、リスト制御手段408からAPLリストを合成表示手段415に出力して映像表示装置Moに表示させ(
図10(b)参照)、リモコン装置Riから操作制御手段414を介して、表示されているAPLリストからアプリケーションを選択する(ステップS4)。アプリケーションが選択されると、リスト制御手段408から選択APL通知がAPL管理・実行制御手段409に送られ、APL管理・実行制御手段409からアプリケーションのAPL取得指示が、APL使用情報管理制御手段420に送られる。APL使用情報管理制御手段420は、APL取得指示を受け取ると、ユーザアカウント管理制御手段423により、ログインユーザ一時記憶手段424に一時的に記憶されている個人識別情報をリソース管理手段425に伝える。
【0104】
リソース管理手段425は、個人識別情報を受け取るとユーザアカウント情報記憶手段426から個人識別情報に対応するユーザ個人情報を選択して取得する(ステップS5)。ユーザアカウント管理制御手段423は、リソース管理手段425が取得したユーザ個人情報を受け取り、セッション情報管理制御手段421を介してAPL取得手段411に送る。そして、セッション情報管理制御手段421は、APL取得手段411にユーザ個人情報(アカウント)を通知し、APL利用要求に付加し(ステップS6)、そのAPL利用要求を、APL取得手段411から通信送受信手段406を介してAPLサーバ300aに送りアプリケーションを要求する(
図7のS100)。
【0105】
APLサーバ300aにAPL利用要求が行われると、APLサーバ300aは、ユーザ認証要求として、リダイレクト先URLに付加した認証リクエストを、放送通信連携受信装置400を経由して認証サーバ500に送信する(
図7のS101)。リダイレクトが経由する放送通信連携受信装置400は、リダイレクトのユーザ認証要求を受信する(ステップS7)。そして、放送通信連携受信装置400は、セッション情報管理制御手段421が、セッション情報一時記憶手段422に証明情報が記憶されているか否かを確認する(ステップS8)。
【0106】
そして、放送通信連携受信装置400は、証明情報がない場合(ステップS8のNo)、リダイレクト先URLをアドレス書換部421cが認証サーバ500宛に書換えて、APLサーバ300aからのユーザ認証要求を認証サーバ500に送る。認証サーバ500は、受け取ったリダイレクトのユーザ認証要求に証明情報がないことを確認して、放送通信連携受信装置400に認証情報要求を行う(
図7のS102)。放送通信連携受信装置400は、認証サーバ500からの認証情報要求を通信送受信手段406により受信して受け付けると、APL使用情報管理制御手段420のユーザアカウント管理制御手段423から合成表示手段415にログイン画面(
図10(c)参照)が出力される。そして、リモコン装置Riから操作制御手段414を介してパスワードが入力されてログイン処理が行われ(ステップS11)、認証情報通知(パスワード)が認証サーバ500に送られる(
図7のS103)。
【0107】
認証情報通知を受け取った認証サーバ500は、認証情報通知に対して認証を行い認証できれば証明情報1を作成して、認証完了通知として作成した証明情報1を付加したユーザ認証応答をリダイレクトにより、APLサーバ300aに放送通信連携受信装置400を経由するように送る(
図7のS104)。
放送通信連携受信装置400は、リダイレクトのユーザ認証応答内の証明情報1を証明情報抽出手段421aが抽出して、セッション情報一時記憶手段422に一時的に記憶させ、アドレス書換部421cによりリダイレクト先URLをAPLサーバ300aに書換えて、認証サーバ500からのユーザ認証応答をAPLサーバ300aに送る(ステップS12)。
【0108】
APLサーバ300aは、リダイレクトのユーザ認証応答を受けてセッション情報を発行し、APL利用応答によりアプリケーションが放送通信連携受信装置400において実行できるようにデータを送る(
図7のS105)。このときに、放送通信連携受信装置400は、発行されたセッション情報を、証明情報抽出手段421aにより抽出して、セッション情報一時記憶手段422に記憶し(ステップS13)、アプリケーションが実行されるときに(ステップS14)、そのセッション情報を適宜使用する。放送通信連携受信装置400において、アプリケーションが実行されると、例えば、
図10(d)に示すように、映像表示装置Moに放送からの映像と通信からのアプリケーションApが合成されて表示されることになる。
【0109】
また、放送通信連携受信装置400は、他のアプリケーションを実行する場合(ステップS15のYes)、前記したステップS4〜S7までを行う。そして、放送通信連携受信装置400からのAPL利用要求をAPLサーバ300bが受け取ると(
図7のS106)、APLサーバ300bは、ユーザ認証要求を、放送通信連携受信装置400を経由して認証サーバ500にリダイレクトにより送る(
図7のS107)。ユーザ認証要求を受け取った放送通信連携受信装置400は、セッション情報一時記憶手段422に既に証明情報1が記憶されているので(ステップS8のYes)、セッション情報管理制御手段421の証明情報付加手段421aが、セッション情報一時記憶手段422に記憶されている証明情報1を、ユーザ認証要求に付加して、リダイレクト先URLをアドレス書換手段421cにより書換えて、APLサーバ300bからのユーザ認証要求を認証サーバ500にリダイレクトする。
【0110】
ユーザ認証要求を受け取った認証サーバ500は、ユーザ認証要求に証明情報1が付加されているので、その証明情報1を確認することで、すでにユーザ認証要求が行われたユーザ個人が認証されていると判断し、証明情報2を作成する。そして、認証サーバ500は、認証完了通知に証明情報2を付加したユーザ認証応答を、放送通信連携受信装置400を経由するようにAPLサーバ300bにリダイレクトで送る(
図7のS108)。
放送通信連携受信装置400は、受け取ったユーザ認証応答から証明情報抽出手段421aが認証情報2を抽出してセッション情報一時記憶手段422に記憶させ、アドレス書換部421cによりリダイレクト先URLをAPLサーバ300bに書換えて送る(ステップS12)。
【0111】
そして、ユーザ認証応答を受け取ったAPLサーバ300bは、リダイレクトのユーザ認証応答を受けてセッション情報を発行し、APL利用応答によりアプリケーションが放送通信連携受信装置400において実行できるようにデータを送る(
図7のS109)。このときに、放送通信連携受信装置400は、発行されたセッション情報を、証明情報抽出手段421aにより抽出して、セッション情報一時記憶手段422に記憶し(ステップS13)、アプリケーションが実行されるときに(ステップS14)、そのセッション情報を適宜使用する。
【0112】
このとき、ステップS8〜S9の動作において、放送通信連携受信装置400では、電源がオンされてオフするまでの間において、一度ログイン処理を行うことで、つぎのアプリケーションを実行するときに、2度目以降のログイン処理を行うことなく、当該アプリケーションを使用することが可能となる。放送通信連携受信装置400では、ステップS15において、更に他のアプリケーションを実行する場合は、ステップS4〜S9、S12〜S14の動作を行なうことで、ログイン処理をすることなく、かつ、ユーザ個人情報を保護した状態で、アプリケーションを実行することができる、所謂シングルサインオン(SSO)を実現できる。
【0113】
つぎに、放送通信連携受信装置400は、アプリケーションが終了する場合(ステップS16のYes)、APL管理・実行制御手段409からAPL実行手段413及びAPL使用情報管理制御手段420がアプリケーションの終了信号を受け取り、APL実行手段413からの終了信号によりアプリケーションが終了される。また、終了信号を受け取ったAPL使用情報管理制御手段420は、セッション情報管理制御手段421がセッション情報一時記憶手段422に記憶しているセッション情報及び証明情報を消去する(ステップS17)と共に、ユーザアカウント管理制御手段423が、ログインユーザ一時記憶手段424に記憶されている個人識別情報を消去する(ステップS17)。そして、電源がオフされた場合には(ステップS18)、終了し、電源がオフされなかった場合には(ステップS18のNo)、ステップS2からの動作が繰り返される。このステップS18のNoの場合とは、放送通信連携受信装置400において、選択されるユーザ個人が代わる場合である。
【0114】
以上説明したように、放送通信連携受信装置400では、APL管理・実行制御手段409とAPL取得手段411と併せてAPL使用情報管理制御手段420及びユーザアカウント情報記憶手段426を備えているため、ユーザ個人のユーザ個人情報を保護した状態で、放送通信連携サービスを受けることができ、かつ、ユーザ認証が必要なアプリケーションを実行するときにSSOの操作を行うことができ操作性にも優れている。
【0115】
また、放送通信連携受信装置400は、ユーザ認証が必要でないアプリケーションを取得して実行する場合には、例えば、ユーザ選択される対象が世帯T(
図3及び
図10(a)参照)において動作がなされ、認証サーバ500とのデータのやり取りがない状態、つまり、
図7で示すS100とS105が行われることで、アプリケーションを実行することが可能となる。
【0116】
なお、放送通信連携受信装置400は、ユーザ個人選択画面を登録ユーザ記憶手段430にリストとして予め記憶する構成として説明したが、放送波Wのカルーセルでユーザ個人選択画面を送るようにすることにしてもよい。また、放送通信連携受信装置400は、ユーザ個人選択画面を電源がオンしたときに表示する構成として説明したが、APLサーバ300からユーザ認証要求が来たときに表示される構成としても構わない。さらに、放送通信連携受信装置400は、セッション情報一時記憶手段422及びログインユーザ一時記憶手段に記憶されている情報を消去するタイミングを、電源がオフされたときにしても構わない。
【0117】
そして、放送通信連携受信装置400では、アプリケーションを起動するAPL起動情報が、放送波WのEITに記述されて送られる例として説明したが、データ放送等のデータであるセクション形式となるカルーセル用の信号に記述されて送られ、データ放送復号手段404のAPL起動情報抽出手段404aにより抽出されてAPL起動情報記憶手段405に記憶させるようにしてもよい。また、アプリケーションを起動するAPL起動情報は、放送波Wで送ることとは別に通信送受信手段406を介してAPL起動情報取得手段407により取得されてAPL起動情報記憶手段405に記憶するように構成してもよい。
【0118】
つまり、放送通信連携受信装置400は、APL起動情報が、どのような手段で取得される構成であっても構わない。また、アプリケーションの種類は、編成チャンネルに連動して起動可能なアプリケーションや、編成チャンネルに非連動なアプリケーションや、独立して起動可能なアプリケーション等、どのようなアプリケーションであっても構わない。
【0119】
また、放送通信連携受信装置400は、
図1に示すように、携帯電話のような携帯機器600との連携を行って、その携帯機器600からの操作を行うようなことができる構成として、アプリケーションの要求から終了等を行うようにしても構わない。携帯機器600によりアプリケーションを実行するように操作しても、個人情報の保護やSSOの操作は前記したように行うことが可能となる。
【0120】
なお、前記した実施形態における放送通信連携受信装置400は、その機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。すなわち、放送通信連携受信装置400は、コンピュータを、前記した各手段として機能させるためのプログラムにより動作させることができる。その場合、プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、その記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行させることによって機能させればよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでもよい。また前記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。