特許第5961209号(P5961209)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友電気工業株式会社の特許一覧 ▶ 日本電信電話株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5961209-光信号中継装置および通信制御方法 図000002
  • 特許5961209-光信号中継装置および通信制御方法 図000003
  • 特許5961209-光信号中継装置および通信制御方法 図000004
  • 特許5961209-光信号中継装置および通信制御方法 図000005
  • 特許5961209-光信号中継装置および通信制御方法 図000006
  • 特許5961209-光信号中継装置および通信制御方法 図000007
  • 特許5961209-光信号中継装置および通信制御方法 図000008
  • 特許5961209-光信号中継装置および通信制御方法 図000009
  • 特許5961209-光信号中継装置および通信制御方法 図000010
  • 特許5961209-光信号中継装置および通信制御方法 図000011
  • 特許5961209-光信号中継装置および通信制御方法 図000012
  • 特許5961209-光信号中継装置および通信制御方法 図000013
  • 特許5961209-光信号中継装置および通信制御方法 図000014
  • 特許5961209-光信号中継装置および通信制御方法 図000015
  • 特許5961209-光信号中継装置および通信制御方法 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961209
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】光信号中継装置および通信制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/291 20130101AFI20160719BHJP
   H04B 10/075 20130101ALI20160719BHJP
   H04B 10/272 20130101ALI20160719BHJP
【FI】
   H04B9/00 291
   H04B9/00 175
   H04B9/00 272
【請求項の数】4
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2014-73775(P2014-73775)
(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-198269(P2015-198269A)
(43)【公開日】2015年11月9日
【審査請求日】2015年4月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】特許業務法人ワンディーIPパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】川西 康之
(72)【発明者】
【氏名】岩田 章人
(72)【発明者】
【氏名】船田 知之
(72)【発明者】
【氏名】村田 拓史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 博之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 猛
(72)【発明者】
【氏名】高橋 元悟
(72)【発明者】
【氏名】桐原 誉人
(72)【発明者】
【氏名】辻 幸嗣
【審査官】 前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−109248(JP,A)
【文献】 特開2009−159290(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/291
H04B 10/075
H04B 10/272
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した光信号を増幅して送信する光信号中継装置であって、
前記光信号を受けて増幅する半導体光増幅器と、
前記半導体光増幅器に供給する駆動電流の大きさを変更することにより前記半導体光増幅器の利得を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が所定の閾値未満である場合、前記半導体光増幅器の利得が一定になるように前記駆動電流の大きさを調整し、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が前記所定の閾値以上である場合、前記半導体光増幅器の出力する光信号の強度が、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度に応じて設定される目標値になるように前記駆動電流の大きさを調整し、
前記所定の閾値は、前記半導体光増幅器の出力が飽和領域に入る手前の前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度であり、
前記目標値は、前記半導体光増幅器の出力が飽和領域とならない値である、光信号中継装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が前記所定の閾値以上である場合、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて前記目標値を小さい値に設定するかまたは前記目標値を一定にする第1制御を行い、
前記制御部は、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が前記所定の閾値以上であり、かつ前記駆動電流の大きさが所定の電流閾値以下である場合、または前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が前記所定の閾値より大きい所定の閾値以上である場合、前記第1制御の代わりに、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて前記目標値を大きい値に設定する第2制御を行う、請求項1に記載の光信号中継装置。
【請求項3】
半導体光増幅器を含み、受信した光信号を増幅して送信する光信号中継装置を備える光通信システムにおける通信制御方法であって、
前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度を取得するステップと、
前記半導体光増幅器に供給する駆動電流の大きさを変更することにより前記半導体光増幅器の利得を制御するステップとを含み、
前記半導体光増幅器の利得を制御するステップにおいては、取得した前記強度が所定の閾値未満である場合、前記半導体光増幅器の利得が一定になるように前記駆動電流の大きさを調整し、取得した前記強度が前記所定の閾値以上である場合、前記半導体光増幅器の出力する光信号の強度が、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度に応じて設定される目標値になるように前記駆動電流の大きさを調整し、
前記所定の閾値は、前記半導体光増幅器の出力が飽和領域に入る手前の前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度であり、
前記目標値は、前記半導体光増幅器の出力が飽和領域とならない値である、通信制御方法。
【請求項4】
前記半導体光増幅器の利得を制御するステップにおいては、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が前記所定の閾値以上である場合、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて前記目標値を小さい値に設定するかまたは前記目標値を一定にする第1制御を行い、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が前記所定の閾値以上であり、かつ前記駆動電流の大きさが所定の電流閾値以下である場合、または前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が前記所定の閾値より大きい所定の閾値以上である場合、前記第1制御の代わりに、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて前記目標値を大きい値に設定する第2制御を行う、請求項3に記載の通信制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光信号中継装置および通信制御方法に関し、特に、半導体光増幅器を用いる光信号中継装置および通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットが広く普及しており、利用者は世界各地で運営されているサイトの様々な情報にアクセスし、その情報を入手することが可能である。これに伴って、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)およびFTTH(Fiber To The Home)等のブロードバンドアクセスが可能な装置も急速に普及してきている。
【0003】
IEEE Std 802.3ah(登録商標)−2004(非特許文献1)には、複数のONU(ONU:Optical Network Unit)が光通信回線を共有して局側装置(OLT:Optical Line Terminal)とのデータ伝送を行なう媒体共有形通信である受動的光ネットワーク(PON:Passive Optical Network)の1つの方式が開示されている。すなわち、PONを通過するユーザ情報およびPONを管理運用するための制御情報を含め、すべての情報がイーサネット(登録商標)フレームの形式で通信されるEPON(Ethernet(登録商標) PON)と、EPONのアクセス制御プロトコル(MPCP(Multi−Point Control Protocol))およびOAM(Operations Administration and Maintenance)プロトコルとが規定されている。局側装置とONUとの間でMPCPフレームをやり取りすることによって、ONUの加入、離脱、および上りアクセス多重制御などが行なわれる。また、非特許文献1では、MPCPメッセージによる、新規ONUの登録方法、帯域割り当て要求を示すレポート、および送信指示を示すゲートについて記載されている。
【0004】
なお、1ギガビット/秒の通信速度を実現するEPONであるGE−PONの次世代の技術として、IEEE802.3av(登録商標)−2009として標準化が行なわれた10G−EPONすなわち通信速度が10ギガビット/秒相当のEPONにおいても、アクセス制御プロトコルはMPCPが前提となっている。
【0005】
光通信システムにおいて、局側装置と光回線終端装置との距離が長くなる場合、光信号の伝送特性を維持するために、光信号の中継装置が設置される場合がある。このような光信号中継装置の一例として、たとえば、特許第4919067号公報(特許文献1)には、以下のような構成が開示されている。すなわち、光バースト信号の中継をする光バースト信号中継装置であって、上り光バースト信号を電気の中継信号に変換する光/電気変換器と、前記光/電気変換器により変換された中継信号を再生する上り信号再生部と、この光バースト信号中継装置を1つの光回線終端装置として識別させるため、PONのプロトコルに準拠したフレームを作成する通信・切替制御部と、エラー情報を監視し、エラー情報が発生すれば、エラー情報パターンを前記通信・切替制御部に出力するエラー情報監視部と、前記光/電気変換器と前記上り信号再生部との間に設置され、前記通信・切替制御部の制御に応じて、前記通信・切替制御部から得られる監視情報信号と前記光/電気変換器から得られる中継信号とを切り替えて、前記上り信号再生部に供給するための第1の切替部とを備える。前記通信・切替制御部は、前記エラー情報監視部から取得されたエラー情報パターンを含む監視情報信号を作成して、光バースト区間の空きスロットに前記監視情報信号を供給する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】IEEE Std 802.3ah(登録商標)−2004
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4919067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
光信号中継装置における処理の一例として、受信した光信号を、電気信号に変換することなく外部へ送信する構成が考えられる。このような構成においては、たとえば、モニタ用の受光素子を用いて出力光の強度を計測し、計測結果に基づいて光増幅器の利得調整を行い、出力光の強度が一定になるように制御することができる。
【0009】
このような光信号中継装置において、光信号の強入力時における光増幅器の出力飽和による伝送品質の低下を抑制し、対向装置とのパワーバジェットを確保する技術が望まれる。
【0010】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、受信した光信号を増幅して送信する光信号中継装置において、光信号の強入力時における光増幅器の出力飽和による伝送品質の低下を抑制し、対向装置とのパワーバジェットを確保することが可能な光信号中継装置および通信制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる光信号中継装置は、受信した光信号を増幅して送信する光信号中継装置であって、前記光信号を受けて増幅する半導体光増幅器と、前記半導体光増幅器に供給する駆動電流の大きさを変更することにより前記半導体光増幅器の利得を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が所定の閾値未満である場合、前記半導体光増幅器の利得が一定になるように前記駆動電流の大きさを調整し、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が前記所定の閾値以上である場合、前記半導体光増幅器の出力する光信号の強度が、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度に応じて設定される目標値になるように前記駆動電流の大きさを調整する。
【0012】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる通信制御方法は、半導体光増幅器を含み、受信した光信号を増幅して送信する光信号中継装置を備える光通信システムにおける通信制御方法であって、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度を取得するステップと、前記半導体光増幅器に供給する駆動電流の大きさを変更することにより前記半導体光増幅器の利得を制御するステップとを含み、前記半導体光増幅器の利得を制御するステップにおいては、取得した前記強度が所定の閾値未満である場合、前記半導体光増幅器の利得が一定になるように前記駆動電流の大きさを調整し、取得した前記強度が前記所定の閾値以上である場合、前記半導体光増幅器の出力する光信号の強度が、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度に応じて設定される目標値になるように前記駆動電流の大きさを調整する。
【0013】
本発明は、このような特徴的な処理部を備える光信号中継装置として実現できるだけでなく、かかる特徴的な処理をステップとする方法として実現したり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現したりすることができる。また、本発明は、光信号中継装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現したり、光信号中継装置を含むシステムとして実現したりすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、受信した光信号を増幅して送信する光信号中継装置において、光信号の強入力時における光増幅器の出力飽和による伝送品質の低下を抑制し、対向装置とのパワーバジェットを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光通信システムの構成を示す図である。
図2図2は、本発明の第1の実施の形態に係る光信号中継装置の構成を示す図である。
図3図3は、本発明の第1の実施の形態に係る光信号中継装置における下り信号中継部の構成を示す図である。
図4図4は、光ファイバアンプの入力光と利得との関係の一例を示す図である。
図5図5は、光ファイバアンプの入力光と出力光との関係の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の第1の実施の形態に係る光信号中継装置における半導体光増幅器の制御内容の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の第1の実施の形態に係る光信号中継装置における半導体光増幅器の制御内容の他の例を示す図である。
図8図8は、本発明の第1の実施の形態に係る光信号中継装置が光増幅器の制御を行なう際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図9図9は、光増幅器における入力光と利得および出力光との関係、ならびに入力信号および出力信号の振幅の一例を示す図である。
図10図10は、本発明の第2の実施の形態に係る光信号中継装置における半導体光増幅器の制御内容の一例を示す図である。
図11図11は、本発明の第2の実施の形態に係る光信号中継装置が光増幅器の制御を行なう際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図12図12は、本発明の第3の実施の形態に係る光信号中継装置における下り信号中継部の構成を示す図である。
図13図13は、本発明の第3の実施の形態に係る光信号中継装置における半導体光増幅器の制御内容の一例を示す図である。
図14図14は、本発明の第3の実施の形態に係る光信号中継装置における半導体光増幅器の制御内容の他の例を示す図である。
図15図15は、本発明の第3の実施の形態に係る光信号中継装置が光増幅器の制御を行なう際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
【0017】
(1)本発明の実施の形態に係る光信号中継装置は、受信した光信号を増幅して送信する光信号中継装置であって、前記光信号を受けて増幅する半導体光増幅器と、前記半導体光増幅器に供給する駆動電流の大きさを変更することにより前記半導体光増幅器の利得を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が所定の閾値未満である場合、前記半導体光増幅器の利得が一定になるように前記駆動電流の大きさを調整し、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が前記所定の閾値以上である場合、前記半導体光増幅器の出力する光信号の強度が、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度に応じて設定される目標値になるように前記駆動電流の大きさを調整する。
【0018】
このように、電流制御に対する利得の応答が速い等の半導体光増幅器の特徴に着目し、この特徴を利用する構成により、たとえば、半導体光増幅器を用いる構成において特に伝送品質の低下する飽和領域を回避しながら、誤った利得制御による過出力を防ぐことができる。あるいは、たとえば、半導体光増幅器の利得が低下する飽和領域における光信号の変調振幅の縮小を抑制することができる。したがって、本発明の実施の形態に係る光信号中継装置では、受信した光信号を増幅して送信する光信号中継装置において、光信号の強入力時における光増幅器の出力飽和による伝送品質の低下を抑制し、対向装置とのパワーバジェットを確保することができる。
【0019】
(2)好ましくは、前記制御部は、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が前記所定の閾値以上である場合、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて前記目標値を小さい値に設定するかまたは前記目標値を一定にする第1制御を行い、前記制御部は、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が前記所定の閾値以上であり、かつ前記駆動電流の大きさが所定の電流閾値以下である場合、または前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が前記所定の閾値より大きい所定の閾値以上である場合、前記第1制御の代わりに、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて前記目標値を大きい値に設定する第2制御を行う。
【0020】
このように、半導体光増幅器の利得を一定とする制御と第1制御とを切り替えるとともに、第1制御と第2制御とを切り替える構成により、半導体光増幅器の出力が飽和領域に入ることをある範囲まで防ぎながら、半導体光増幅器の利得の低下による光信号の変調振幅の縮小を抑制することができる。
【0021】
(3)本発明の実施の形態に係る通信制御方法は、半導体光増幅器を含み、受信した光信号を増幅して送信する光信号中継装置を備える光通信システムにおける通信制御方法であって、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度を取得するステップと、前記半導体光増幅器に供給する駆動電流の大きさを変更することにより前記半導体光増幅器の利得を制御するステップとを含み、前記半導体光増幅器の利得を制御するステップにおいては、取得した前記強度が所定の閾値未満である場合、前記半導体光増幅器の利得が一定になるように前記駆動電流の大きさを調整し、取得した前記強度が前記所定の閾値以上である場合、前記半導体光増幅器の出力する光信号の強度が、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度に応じて設定される目標値になるように前記駆動電流の大きさを調整する。
【0022】
このように、電流制御に対する利得の応答が速い等の半導体光増幅器の特徴に着目し、この特徴を利用する構成により、半導体光増幅器を用いる構成において特に伝送品質の低下する飽和領域を回避しながら、誤った利得制御による過出力を防ぐことができる。あるいは、たとえば、半導体光増幅器の利得が低下する飽和領域における光信号の変調振幅の縮小を抑制することができる。したがって、本発明の実施の形態に係る通信制御方法では、受信した光信号を増幅して送信する光信号中継装置において、光信号の強入力時における光増幅器の出力飽和による伝送品質の低下を抑制し、対向装置とのパワーバジェットを確保することができる。
【0023】
(4)好ましくは、前記半導体光増幅器の利得を制御するステップにおいては、前記半導体光増幅器の利得を制御するステップにおいては、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が前記所定の閾値以上である場合、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて前記目標値を小さい値に設定するかまたは前記目標値を一定にする第1制御を行い、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が前記所定の閾値以上であり、かつ前記駆動電流の大きさが所定の電流閾値以下である場合、または前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が前記所定の閾値より大きい所定の閾値以上である場合、前記第1制御の代わりに、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて前記目標値を大きい値に設定する第2制御を行う。
【0024】
このように、半導体光増幅器の利得を一定とする制御と第1制御とを切り替えるとともに、第1制御と第2制御とを切り替える構成により、半導体光増幅器の出力が飽和領域に入ることをある範囲まで防ぎながら、半導体光増幅器の利得の低下による光信号の変調振幅の縮小を抑制することができる。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0026】
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光通信システムの構成を示す図である。
【0027】
図1を参照して、光通信システム301は、たとえばGE−PONであり、上位ネットワークに接続された局側装置201と、光信号中継装置101と、1または複数のONU202と、光カプラ211,212とを備える。なお、光通信システム301は、10G−EPONであってもよい。
【0028】
局側装置201は、PONの上位側に位置する光終端装置であり、電話局および変電所等に設置され、複数のONU202と通信を行なう。また、ONU202は、PONの下位側に位置する光終端装置であり、加入者側の建物、および屋外の電柱上等に設置され、1つの局側装置201と通信を行なう。
【0029】
光通信システム301において、各ONU202は、光カプラ211から分岐された複数の光ファイバに接続されている。光カプラ211および光信号中継装置101は、1つの光ファイバを介して接続されている。光カプラ212および光信号中継装置101は、1つの光ファイバを介して接続されている。光カプラ212から分岐された光ファイバには、1または複数のONU202も接続されている。また、光カプラ212および局側装置201は、1つの光ファイバを介して接続されている。
【0030】
このように、光通信システム301では、複数の光カプラを用いる構成により、局側装置201または光信号中継装置101と任意の数のONU202とを接続することができる。
【0031】
各ONU202と局側装置201とは、光ファイバおよび光カプラを介して、また、ONU202の接続位置に応じて光信号中継装置101を介して接続され、互いに光信号を送受信する。光通信システム301では、各ONU202は、共通の通信回線すなわちPON回線を介して上り光信号を局側装置201へ送信し、また、各ONU202から局側装置201への光信号が時分割多重される。また、光通信システム301では、局側装置201から各ONU202へ連続的な光信号が送信される。
【0032】
局側装置201は、自己とONU202との間に接続される光信号中継装置101を介してONU202との間で光信号を送受信可能である。
【0033】
光信号中継装置101は、局側装置201から送信された光信号のONU202への中継、およびONU202から送信された光信号の局側装置201への中継を行なう。
【0034】
以下、ONUから上位ネットワークへの方向を上り方向と称し、上位ネットワークからONUへの方向を下り方向と称する。
【0035】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る光信号中継装置の構成を示す図である。
【0036】
図2を参照して、光信号中継装置101は、電気/光変換器11と、下り信号中継部12と、光/電気変換器13と、上り信号再生部14とを備える。
【0037】
光/電気変換器13は、ONU202から送信される上り光信号を受信して電気信号に変換し、上り信号再生部14へ出力する。
【0038】
上り信号再生部14は、たとえば、光/電気変換器13から受けた電気信号からクロックを抽出し、抽出したクロックを用いて当該電気信号の波形整形を行なうとともに当該電気信号を電気/光変換器11へ出力する。
【0039】
電気/光変換器11は、上り信号再生部14から受けた電気信号を上り光信号に変換して局側装置201へ送信する。
【0040】
下り信号中継部12は、局側装置201から送信される下り光信号を受信し、受信した下り光信号を増幅してONU202へ送信する。
【0041】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る光信号中継装置における下り信号中継部の構成を示す図である。
【0042】
図3を参照して、下り信号中継部12は、半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)21と、光カプラ22,23と、電流供給部24と、入力検知部25と、出力/利得制御部26と、出力検知部27と、切替制御部28とを含む。
【0043】
光カプラ22は、局側装置201から受信した下り光信号を分岐して半導体光増幅器21および入力検知部25へ出力する。
【0044】
半導体光増幅器21は、光カプラ22から受けた下り光信号を増幅して光カプラ23へ出力する。半導体光増幅器21の利得は、電流供給部24から供給される駆動電流に応じて変化する。具体的には、たとえば、大まかな特性の傾向として、駆動電流が大きくなると半導体光増幅器21の利得が大きくなり、駆動電流が小さくなると半導体光増幅器21の利得が小さくなる。
【0045】
光カプラ23は、半導体光増幅器21から受けた下り光信号を分岐してONU202および出力検知部27へ出力する。
【0046】
入力検知部25は、フォトダイオード等の受光素子31と、図示しない電流電圧変換回路およびA/Dコンバータとを含む。入力検知部25において、受光素子31は、光カプラ22から受けた下り光信号の強度に応じた大きさの電流を出力する。電流電圧変換回路は、受光素子31の出力電流を電圧に変換して出力する。A/Dコンバータは、電流電圧変換回路から受けた電圧のレベルを示すデジタル信号を出力/利得制御部26および切替制御部28へ出力する。
【0047】
出力検知部27は、フォトダイオード等の受光素子32と、図示しない電流電圧変換回路およびA/Dコンバータとを含む。出力検知部27において、受光素子32は、光カプラ23から受けた下り光信号の強度に応じた大きさの電流、すなわち半導体光増幅器21の出力光の強度に応じた大きさの電流を出力する。電流電圧変換回路は、受光素子32の出力電流を電圧に変換して出力する。A/Dコンバータは、電流電圧変換回路から受けた電圧のレベルを示すデジタル信号を出力/利得制御部26へ出力する。
【0048】
出力/利得制御部26は、たとえば、入力検知部25から受けたデジタル信号および出力検知部27から受けたデジタル信号の少なくともいずれか一方に基づいて駆動電流の大きさを決定し、決定した駆動電流の大きさを示す制御信号を電流供給部24へ出力する。
【0049】
電流供給部24は、駆動電流を半導体光増幅器21に供給し、出力/利得制御部26から受けた制御信号に従って、半導体光増幅器21に供給する駆動電流の大きさを変更する。
【0050】
ここで、半導体光増幅器21の代わりにEDFA(Erbium Doped−Fiber Amplifier)およびラマン増幅等の光ファイバアンプを用いる光信号中継装置を考える。この光信号中継装置では、光カプラ22および光カプラ23間に増幅用ファイバが接続され、増幅用ファイバの前段で光信号の伝送路にレーザダイオードを用いてポンプ光が注入され、増幅用ファイバの後段で光信号の伝送路からポンプ光が分離される。このレーザダイオードの駆動電流値を変更することにより、ポンプ光の強度が変化し、光ファイバアンプの利得が制御される。
【0051】
図4は、光ファイバアンプの入力光と利得との関係の一例を示す図である。図4において、横軸は光ファイバアンプの入力光の強度であり、縦軸は光ファイバアンプの利得である。
【0052】
図5は、光ファイバアンプの入力光と出力光との関係の一例を示す図である。図5において、横軸は光ファイバアンプの入力光の強度であり、縦軸は光ファイバアンプの出力光の強度である。
【0053】
図4および図5を参照して、光ファイバアンプの利得は入力光の強度が大きくなるにつれて緩やかに低下し、そして、光信号の強入力による光ファイバアンプの飽和領域では、入力光の強度が大きくなるにつれて当該利得が大幅に低下するとともに、出力光の強度が増加しなくなる。
【0054】
ここで、前述のような、モニタ用の受光素子を用いて出力光の強度を計測し、計測結果に基づいて光増幅器の利得調整を行い、出力光の強度が一定になるように制御する光信号中継装置では、光信号の強入力時に光増幅器の出力が飽和すると、出力光の波形が歪み、また、誤った利得調整によって過出力となり、伝送品質が低下してしまうという問題がある。
【0055】
そこで、図4および図5に示すような特性を利用して、光ファイバアンプを用いる構成では、光ファイバアンプの利得の低下を検知して、出力光に対してリミッタを設け、過出力を防ぐ構成が考えられる。
【0056】
ここで、光ファイバアンプでは、ポンプ光の変化に対する利得の応答時間が長いことから、入力光の強度が大きくなった際にポンプ光を変更する構成では、過出力が生じてしまう可能性がある。
【0057】
これに対して、上記のように光ファイバアンプの飽和領域を利用して出力光にリミッタをかける構成により、過出力をより確実に防ぐことができる。
【0058】
一方、半導体光増幅器は、図4および図5と同様の特性を持つことに加えて、飽和領域における伝送特性が急激に悪化する、具体的には、波形歪みが生じ、チャープすなわち周波数スペクトラムが広がり、また、ノイズが増大する、という特性を持つ。
【0059】
このため、半導体光増幅器を用いる構成において、光ファイバアンプを用いる構成と同様に飽和領域における利得の低下を検知し、出力光に対してリミッタを設ける構成では、伝送品質が低下してしまう。
【0060】
すなわち、半導体光増幅器を用いる構成では、光ファイバアンプを用いる構成とは異なる方法を採用する必要がある。
【0061】
ここで、半導体光増幅器は、光ファイバアンプのようなポンプ光が不要であり、増幅素子に対する電流制御によって利得を変えることができ、この電流制御に対する利得の応答が速い。
【0062】
本願発明者らは、このような半導体光増幅器の特徴に着目し、上記問題点を解決する方法を発見した。すなわち、本発明の第1の実施の形態に係る光信号中継装置では、以下のような構成および動作により、上記問題点を解決する。
【0063】
再び図3を参照して、切替制御部28は、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が所定の閾値未満である場合、出力/利得制御部26を介して、半導体光増幅器21の利得が一定になるように駆動電流の大きさを調整する。また、切替制御部28は、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が上記所定の閾値以上である場合、出力/利得制御部26を介して、半導体光増幅器21の出力する光信号の強度が目標値になるように駆動電流の大きさを調整する。
【0064】
より詳細には、たとえば、出力/利得制御部26は、入力検知部25から受けたデジタル信号および出力検知部27から受けたデジタル信号から現在の半導体光増幅器21の利得を算出し、半導体光増幅器21の利得が一定となるように駆動電流の大きさを変更する利得一定制御を行なう。
【0065】
また、たとえば、出力/利得制御部26は、出力検知部27から受けたデジタル信号の示す受光素子32の出力電流すなわち出力側の下り光信号の強度が目標値となるように駆動電流の大きさを変更する飽和回避制御を行なう。
【0066】
切替制御部28は、入力検知部25から受けたデジタル信号に基づいて、出力/利得制御部26が利得一定制御を行なうか、飽和回避制御を行なうかを切り替える制御を行なう。具体的には、切替制御部28は、利得一定制御を行なう旨を示す制御信号または飽和回避制御を行なう旨を示す制御信号を出力/利得制御部26へ出力する。
【0067】
出力/利得制御部26は、切替制御部28から受けた制御信号の示す制御の種別に従った駆動電流の設定を行なう。
【0068】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る光信号中継装置における半導体光増幅器の制御内容の一例を示す図である。図6において、横軸は、半導体光増幅器21の入力光の強度であり、縦軸は、半導体光増幅器21の出力光の強度である。
【0069】
図6を参照して、切替制御部28は、図に示す網掛け部分のような、入力光の強度P1を境界として利得一定制御と飽和回避制御とを切り替える制御目標エリアA1を設定する。
【0070】
切替制御部28は、半導体光増幅器21の入出力特性が制御目標エリアA1内に収まるように、出力/利得制御部26を制御する、すなわち半導体光増幅器21への駆動電流を制御する。
【0071】
すなわち、切替制御部28は、入力光の強度が上記所定の閾値以上である場合、入力光の強度が上記所定の閾値以上である状態において利得一定制御を継続した場合と比べて、同じ入力光の強度に対する出力光の強度が小さくなるように駆動電流の大きさを調整する。
【0072】
具体的には、出力/利得制御部26は、入力光の強度がP1未満である状態において、利得一定制御を行なう。このとき、半導体光増幅器21の入出力特性は、グラフG1に沿い、入力光の強度が大きくなるにつれて出力光の強度が大きくなる特性となる。
【0073】
また、出力/利得制御部26は、入力光の強度がP1以上になると、このときの出力光の強度であるT1を半導体光増幅器21の出力光の強度の目標値とする飽和回避制御を行なう。飽和回避制御においては、半導体光増幅器21の入出力特性は直線C1に沿う。すなわち、入力光の強度がP1のとき、半導体光増幅器21の入出力特性はグラフG1と一致し、入力光の強度がP2(>P1)のとき、半導体光増幅器21の入出力特性はグラフG2と一致し、入力光の強度がP3(>P2)のとき、半導体光増幅器21の入出力特性はグラフG3と一致する。
【0074】
このように、入力光の強度が所定の切り替え閾値すなわちP1以上になると利得一定制御から飽和回避制御に切り替える構成により、強入力時においても半導体光増幅器21の入出力特性が制御目標エリアA1内に収まり、半導体光増幅器21の出力が飽和領域に入ることを防ぐことができる。
【0075】
また、利得一定制御から飽和回避制御に切り替えたときの出力光の強度T1を飽和回避制御の目標値とする構成により、半導体光増幅器21の入出力特性の連続性を確保することができる。すなわち、目標利得および目標出力の切り替わりにおける駆動電流の変化を抑えることができるため、利得一定制御および飽和回避制御の境界をまたぐような入力光の強度の変化による瞬間的な過出力、波形歪みおよび過電流等を防ぐことができる。
【0076】
また、切替制御部28は、さらに、以下のような制御を行なうことも可能である。すなわち、切替制御部28は、出力/利得制御部26を介して、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が上記所定の閾値以上である場合、半導体光増幅器21の出力する光信号の強度が、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度に応じて設定される目標値になるように駆動電流の大きさを調整する。たとえば、目標値は、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて小さい値に設定される。また、たとえば、目標値は、入力光の強度がP1以上である状態において利得一定制御を継続したと仮定した場合と比べて、入力光の強度の変化に対する出力光の強度の変化が小さくなるように設定される。
【0077】
より詳細には、切替制御部28は、たとえば、飽和回避制御における出力光の強度の目標値として、半導体光増幅器21の入力光の強度に応じた複数種類の目標値を保持しており、出力/利得制御部26が飽和回避制御を行っている状態において、入力検知部25から受けたデジタル信号の示す受光素子31の出力電流レベルに対応する目標値を示す制御信号を出力/利得制御部26へ出力する。
【0078】
すなわち、切替制御部28は、駆動電流についてフィードバック制御を行い、飽和回避制御における目標値についてフィードフォワード制御を行なう。
【0079】
出力/利得制御部26は、切替制御部28から受けた制御信号の示す目標値を、飽和回避制御における目標値とする。
【0080】
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る光信号中継装置における半導体光増幅器の制御内容の他の例を示す図である。図7において、横軸は、半導体光増幅器21の入力光の強度であり、縦軸は、半導体光増幅器21の出力光の強度である。
【0081】
図7を参照して、切替制御部28は、図に示す網掛け部分のような、入力光の強度P11を境界として利得一定制御と飽和回避制御とを切り替える制御目標エリアA2を設定する。
【0082】
切替制御部28は、半導体光増幅器21の入出力特性が制御目標エリアA2内に収まるように、出力/利得制御部26を制御する、すなわち半導体光増幅器21への駆動電流を制御する。
【0083】
具体的には、出力/利得制御部26は、入力光の強度がP11未満である状態において、利得一定制御を行なう。このとき、半導体光増幅器21の入出力特性は、グラフG11に沿い、入力光の強度が大きくなるにつれて出力光の強度が大きくなる特性となる。
【0084】
また、出力/利得制御部26は、入力光の強度がP11以上になると、このときの出力光の強度であるT11を半導体光増幅器21の光の強度の目標値とする飽和回避制御を行なう。飽和回避制御においては、半導体光増幅器21の入出力特性は直線C2に追従する。すなわち、入力光の強度がP11のとき、半導体光増幅器21の入出力特性はグラフG11と一致する。また、出力/利得制御部26は、入力光の強度がP12以上になると、グラフG12の入出力特性においてP12に対応する出力光の強度であるT12を目標値とする飽和回避制御を行なう。また、出力/利得制御部26は、入力光の強度がP13以上になると、グラフG13の入出力特性においてP13に対応する出力光の強度であるT13を目標値とする飽和回避制御を行なう。
【0085】
このように、入力光の強度が所定の切り替え閾値すなわちP11以上になると利得一定制御から飽和回避制御に切り替え、飽和回避制御においては、入力光の強度に応じた目標値を設定する構成により、駆動電流の変化に対する飽和領域のシフト、すなわち飽和領域に入るときの入力光の強度のシフトが小さい半導体光増幅器を用いる場合でも、半導体光増幅器21の入出力特性を制御目標エリアA2内に収め、半導体光増幅器21の出力が飽和領域に入ることを防ぐことができる。
【0086】
また、利得一定制御から飽和回避制御に切り替えたときの出力光の強度T11を飽和回避制御の最初の目標値とする構成により、半導体光増幅器21の入出力特性の連続性を確保することができる。すなわち、目標利得および目標出力の切り替わりにおける駆動電流の変化を抑えることができるため、利得一定制御および飽和回避制御の境界をまたぐような入力光の強度の変化による瞬間的な過出力、波形歪みおよび過電流等を防ぐことができる。
【0087】
[動作]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る光通信システムにおける光信号中継装置の動作について説明する。
【0088】
光通信システム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0089】
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る光信号中継装置が光増幅器の制御を行なう際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【0090】
具体的には、図8を参照して、まず、切替制御部28は、入力検知部25から受けたデジタル信号から半導体光増幅器21の入力光の強度を取得する(ステップS1)。
【0091】
次に、切替制御部28は、入力光の強度が切り替え閾値未満である場合(ステップS2でYES)、出力/利得制御部26に利得一定制御を行なわせる(ステップS3)。
【0092】
一方、切替制御部28は、入力光の強度が切り替え閾値以上である場合(ステップS2でNO)、当該強度に応じた目標値を設定し(ステップS4)、設定した目標値の飽和回避制御を出力/利得制御部26に行なわせる(ステップS5)。
【0093】
ところで、受信した光信号を、電気信号に変換することなく外部へ送信する光信号中継装置においては、たとえば、モニタ用の受光素子を用いて出力光の強度を計測し、計測結果に基づいて光増幅器の利得調整を行い、出力光の強度が一定になるように制御することができる。このような光信号中継装置において、光信号の強入力時における光増幅器の出力飽和による伝送品質の低下を抑制し、対向装置とのパワーバジェットを確保する技術が望まれる。具体的には、光信号の強入力時に光増幅器の出力が飽和すると、出力光の波形が歪み、また、誤った利得調整によって過出力となり、伝送品質が低下してしまうという問題がある。
【0094】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る光信号中継装置では、半導体光増幅器21は、光信号を受けて増幅する。出力/利得制御部26は、半導体光増幅器21に供給する駆動電流の大きさを変更することにより半導体光増幅器21の利得を制御する。そして、切替制御部28は、出力/利得制御部26を介して、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が所定の閾値未満である場合、半導体光増幅器21の利得が一定になるように駆動電流の大きさを調整する。また、切替制御部28は、出力/利得制御部26を介して、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が上記所定の閾値以上である場合、半導体光増幅器21の出力する光信号の強度が、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度に応じて設定される目標値になるように駆動電流の大きさを調整する。
【0095】
このように、電流制御に対する利得の応答が速い等の半導体光増幅器の特徴に着目し、この特徴を利用する構成により、半導体光増幅器を用いる構成において特に伝送品質の低下する飽和領域を回避しながら、誤った利得制御による過出力を防ぐことができる。
【0096】
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る光信号中継装置では、受信した光信号を増幅して送信する光信号中継装置において、光信号の強入力時における光増幅器の出力飽和による伝送品質の低下を抑制し、対向装置とのパワーバジェットを確保することができる。
【0097】
また、本発明の第1の実施の形態に係る通信制御方法では、まず、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度を取得する。次に、半導体光増幅器21に供給する駆動電流の大きさを変更することにより半導体光増幅器21の利得を制御する。そして、半導体光増幅器21の利得を制御する際に、取得した強度が所定の閾値未満である場合、半導体光増幅器21の利得が一定になるように駆動電流の大きさを調整し、取得した強度が上記所定の閾値以上である場合、半導体光増幅器21の出力する光信号の強度が、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度に応じて設定される目標値になるように駆動電流の大きさを調整する。具体的には、たとえば、切替制御部28は、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて当該目標値を小さい値に設定する。また、たとえば、切替制御部28は、半導体光増幅器21の入力光の強度が上記所定の閾値以上である状態において利得一定制御を継続したと仮定した場合と比べて、入力光の強度の変化に対する出力光の強度の変化が小さくなるように当該目標値を設定する。
【0098】
このように、電流制御に対する利得の応答が速い等の半導体光増幅器の特徴に着目し、この特徴を利用する構成により、半導体光増幅器を用いる構成において特に伝送品質の低下する飽和領域を回避しながら、誤った利得制御による過出力を防ぐことができる。
【0099】
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る通信制御方法では、受信した光信号を増幅して送信する光信号中継装置において、光信号の強入力時における光増幅器の出力飽和による伝送品質の低下を抑制し、対向装置とのパワーバジェットを確保することができる。
【0100】
なお、本発明の第1の実施の形態に係る光通信システムでは、光信号中継装置101が切替制御部28を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。光通信システム301における光信号中継装置101以外の他の装置が切替制御部28を備え、半導体光増幅器21の入力光の監視、利得一定制御および飽和回避制御の切り替え、ならびに飽和回避制御における目標値の設定を行なう構成であってもよい。
【0101】
また、本発明の第1の実施の形態に係る光通信システムでは、下り方向において、半導体光増幅器21の入力光の監視、利得一定制御および飽和回避制御の切り替え、ならびに飽和回避制御における目標値の設定を行なう構成であるとしたが、これに限定するものではなく、上り方向において、下り方向と同様に、半導体光増幅器21の入力光の監視、利得一定制御および飽和回避制御の切り替え、ならびに飽和回避制御における目標値の設定を行なう構成とすることも可能である。
【0102】
また、本発明の第1の実施の形態に係る光信号中継装置では、切替制御部28は、半導体光増幅器21の入力光の強度が所定の切り替え閾値以上になると利得一定制御から飽和回避制御に切り替える構成であるとしたが、これに限定するものではない。切替制御部28は、たとえば半導体光増幅器21の入力光の強度が所定の切り替え閾値未満の場合において、これらの制御とは異なる内容の制御と利得一定制御とを切り替える構成であってもよい。すなわち、光信号中継装置101において、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が所定の閾値未満となる範囲において利得一定制御が行なわれる領域があり、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が上記所定の閾値以上となる範囲において飽和回避制御が行なわれる領域があればよい。
【0103】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0104】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る光通信システムと比べて出力光の強度の目標値の設定内容を変更した光通信システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る光通信システムと同様である。
【0105】
[課題]
図9は、光増幅器における入力光と利得および出力光との関係、ならびに入力信号および出力信号の振幅の一例を示す図である。
【0106】
図9を参照して、光波形の品質として、OMA(Optical Modulation Amplifier)すなわち光信号の変調振幅がある。
【0107】
光通信システムでは、要求される最小値以上にOMAを維持することにより、光信号の伝送品質を良好なレベルに保つことが望まれる。
【0108】
入力光の強度が大きくない状態K1では、光増幅器が論理ローレベルの光信号を受けるときの利得と光増幅器が論理ハイレベルの光信号を受けるときの利得との差は小さい。
【0109】
一方、入力光の強度が大きい状態K2では、光増幅器が論理ローレベルの光信号を受けるときの利得と比べて、光増幅器が論理ハイレベルの光信号を受けるときの利得がかなり小さくなる。
【0110】
このため、光増幅器から出力される増幅後の光信号の論理ローレベルおよび論理ハイレベルの差であるOMAは、状態K1と比べて状態K2の方が圧縮されて小さくなる。すなわち、飽和領域に近づくほどOMAが小さくなり、光信号の伝送品質が低下してしまう。
【0111】
ここで、前述のように、半導体光増幅器は、光ファイバアンプのようなポンプ光が不要であり、増幅素子に対する電流制御によって利得を変えることができ、この電流制御に対する利得の応答が速い。
【0112】
本願発明者らは、このような半導体光増幅器の特徴に着目し、上記問題点を解決する方法を発見した。すなわち、本発明の第2の実施の形態に係る光信号中継装置では、以下のような構成および動作により、上記問題点を解決する。
【0113】
すなわち、切替制御部28は、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が所定の閾値未満である場合、出力/利得制御部26を介して、半導体光増幅器21の利得が一定になるように駆動電流の大きさを調整する。また、切替制御部28は、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が上記所定の閾値以上である場合、出力/利得制御部26を介して、半導体光増幅器21の出力する光信号の強度が目標値になるように駆動電流の大きさを調整する。
【0114】
より詳細には、たとえば、出力/利得制御部26は、入力検知部25から受けたデジタル信号および出力検知部27から受けたデジタル信号から現在の半導体光増幅器21の利得を算出し、半導体光増幅器21の利得が一定となるように駆動電流の大きさを変更する利得一定制御を行なう。
【0115】
また、たとえば、出力/利得制御部26は、出力検知部27から受けたデジタル信号の示す受光素子32の出力電流すなわち出力側の下り光信号の強度が目標値となるように駆動電流の大きさを変更するOMA補償制御を行なう。
【0116】
切替制御部28は、入力検知部25から受けたデジタル信号に基づいて、出力/利得制御部26が利得一定制御を行なうか、OMA補償制御を行なうかを切り替える制御を行なう。具体的には、切替制御部28は、利得一定制御を行なう旨を示す制御信号またはOMA補償制御を行なう旨を示す制御信号を出力/利得制御部26へ出力する。
【0117】
出力/利得制御部26は、切替制御部28から受けた制御信号の示す制御の種別に従った駆動電流の設定を行なう。
【0118】
より詳細には、切替制御部28は、出力/利得制御部26を介して、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が上記所定の閾値以上である場合、半導体光増幅器21の出力する光信号の強度が、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度に応じて設定される目標値になるように駆動電流の大きさを調整する。たとえば、目標値は、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて大きい値に設定される。また、たとえば、目標値は、入力光の強度がP1以上である状態において利得一定制御を継続したと仮定した場合と比べて、入力光の強度の変化に対する出力光の強度の変化が小さくなるように設定される。
【0119】
具体的には、切替制御部28は、たとえば、OMA補償制御における出力光の強度の目標値として、半導体光増幅器21の入力光の強度に応じた複数種類の目標値を保持しており、出力/利得制御部26がOMA補償制御を行っている状態において、入力検知部25から受けたデジタル信号の示す受光素子31の出力電流レベルに対応する目標値を示す制御信号を出力/利得制御部26へ出力する。
【0120】
すなわち、切替制御部28は、駆動電流についてフィードバック制御を行い、OMA補償制御における目標値についてフィードフォワード制御を行なう。
【0121】
出力/利得制御部26は、切替制御部28から受けた制御信号の示す目標値を、OMA補償制御における目標値とする。
【0122】
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る光信号中継装置における半導体光増幅器の制御内容の一例を示す図である。図10において、横軸は、半導体光増幅器21の入力光の強度であり、縦軸は、半導体光増幅器21の出力光の強度である。
【0123】
図10を参照して、切替制御部28は、図に示す網掛け部分のような、入力光の強度P21を境界として利得一定制御とOMA補償制御とを切り替える制御目標エリアA3を設定する。
【0124】
切替制御部28は、半導体光増幅器21の入出力特性が制御目標エリアA3内に収まるように、出力/利得制御部26を制御する、すなわち半導体光増幅器21への駆動電流を制御する。
【0125】
具体的には、出力/利得制御部26は、入力光の強度がP21未満である状態において、利得一定制御を行なう。このとき、半導体光増幅器21の入出力特性は、グラフG21に沿い、入力光の強度が大きくなるにつれて出力光の強度が大きくなる特性となる。
【0126】
また、出力/利得制御部26は、入力光の強度がP21以上になると、このときの出力光の強度であるT21を半導体光増幅器21の光の強度の目標値とするOMA補償制御を行なう。OMA補償制御においては、半導体光増幅器21の入出力特性は直線C3に追従する。すなわち、入力光の強度がP21のとき、半導体光増幅器21の入出力特性はグラフG21と一致する。また、出力/利得制御部26は、入力光の強度がP22以上になると、グラフG22の入出力特性においてP22に対応する出力光の強度であるT22を目標値とするOMA補償制御を行なう。また、出力/利得制御部26は、入力光の強度がP23以上になると、グラフG23の入出力特性においてP23に対応する出力光の強度であるT23を目標値とするOMA補償制御を行なう。
【0127】
このように、入力光の強度が所定の切り替え閾値すなわちP21以上になると利得一定制御からOMA補償制御に切り替え、OMA補償制御においては、入力光の強度が大きくなるにつれて大きな目標値を設定する。このような構成により、半導体光増幅器21の駆動電流を増加させて出力光の強度を上げることができるため、半導体光増幅器21の入出力特性を制御目標エリアA3内に収め、半導体光増幅器21の利得の低下によるOMAの縮小を抑制することができる。
【0128】
また、利得一定制御からOMA補償制御に切り替えたときの出力光の強度T21をOMA補償制御の最初の目標値とする構成により、半導体光増幅器21の入出力特性の連続性を確保することができる。すなわち、目標利得および目標出力の切り替わりにおける駆動電流の変化を抑えることができるため、利得一定制御およびOMA補償制御の境界をまたぐような入力光の強度の変化による瞬間的な過出力、波形歪みおよび過電流等を防ぐことができる。
【0129】
[動作]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る光通信システムにおける光信号中継装置の動作について説明する。
【0130】
光通信システム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0131】
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る光信号中継装置が光増幅器の制御を行なう際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【0132】
具体的には、図11を参照して、まず、切替制御部28は、入力検知部25から受けたデジタル信号から半導体光増幅器21の入力光の強度を取得する(ステップS11)。
【0133】
次に、切替制御部28は、入力光の強度が切り替え閾値未満である場合(ステップS12でYES)、出力/利得制御部26に利得一定制御を行なわせる(ステップS13)。
【0134】
一方、切替制御部28は、入力光の強度が切り替え閾値以上である場合(ステップS12でNO)、当該強度に応じた目標値を設定し(ステップS14)、設定した目標値のOMA補償制御を出力/利得制御部26に行なわせる(ステップS15)。
【0135】
ところで、受信した光信号を、電気信号に変換することなく外部へ送信する光信号中継装置においては、たとえば、モニタ用の受光素子を用いて出力光の強度を計測し、計測結果に基づいて光増幅器の利得調整を行い、出力光の強度が一定になるように制御することができる。このような光信号中継装置において、光信号の強入力時における光増幅器の出力飽和による伝送品質の低下を抑制し、対向装置とのパワーバジェットを確保する技術が望まれる。具体的には、入力光の強度が大きくなって光増幅器の飽和領域に近づくほどOMAが小さくなり、光信号の伝送品質が低下してしまうという問題がある。
【0136】
これに対して、本発明の第2の実施の形態に係る光信号中継装置では、半導体光増幅器21は、光信号を受けて増幅する。出力/利得制御部26は、半導体光増幅器21に供給する駆動電流の大きさを変更することにより半導体光増幅器21の利得を制御する。そして、切替制御部28は、出力/利得制御部26を介して、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が所定の閾値未満である場合、半導体光増幅器21の利得が一定になるように駆動電流の大きさを調整する。また、切替制御部28は、出力/利得制御部26を介して、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が上記所定の閾値以上である場合、半導体光増幅器21の出力する光信号の強度が、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度に応じて設定される目標値になるように駆動電流の大きさを調整する。具体的には、切替制御部28は、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて当該目標値を大きい値に設定する。また、たとえば、切替制御部28は、半導体光増幅器21の入力光の強度が上記所定の閾値以上である状態において利得一定制御を継続したと仮定した場合と比べて、入力光の強度の変化に対する出力光の強度の変化が小さくなるように当該目標値を設定する。
【0137】
このように、電流制御に対する利得の応答が速い等の半導体光増幅器の特徴に着目し、この特徴を利用する構成により、入力光の強度が大きくなるにつれて半導体光増幅器21の駆動電流を増加させて出力光の強度を上げることができるため、半導体光増幅器21の利得の低下によるOMAの縮小を抑制することができる。
【0138】
したがって、本発明の第2の実施の形態に係る光信号中継装置では、受信した光信号を増幅して送信する光信号中継装置において、光信号の強入力時における光増幅器の出力飽和による伝送品質の低下を抑制し、対向装置とのパワーバジェットを確保することができる。
【0139】
また、本発明の第2の実施の形態に係る通信制御方法では、まず、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度を取得する。次に、半導体光増幅器21に供給する駆動電流の大きさを変更することにより半導体光増幅器21の利得を制御する。そして、半導体光増幅器21の利得を制御する際に、取得した強度が所定の閾値未満である場合、半導体光増幅器21の利得が一定になるように駆動電流の大きさを調整し、取得した強度が上記所定の閾値以上である場合、半導体光増幅器21の出力する光信号の強度が、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度に応じて設定される目標値になるように駆動電流の大きさを調整する。具体的には、当該目標値は、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて大きい値に設定される。
【0140】
このように、電流制御に対する利得の応答が速い等の半導体光増幅器の特徴に着目し、この特徴を利用する構成により、入力光の強度が大きくなるにつれて半導体光増幅器21の駆動電流を増加させて出力光の強度を上げることができるため、半導体光増幅器21の利得の低下によるOMAの縮小を抑制することができる。
【0141】
したがって、本発明の第2の実施の形態に係る通信制御方法では、受信した光信号を増幅して送信する光信号中継装置において、光信号の強入力時における光増幅器の出力飽和による伝送品質の低下を抑制することができる。
【0142】
なお、本発明の第2の実施の形態に係る光通信システムでは、光信号中継装置101が切替制御部28を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。光通信システム301における光信号中継装置101以外の他の装置が切替制御部28を備え、半導体光増幅器21の入力光の監視、利得一定制御およびOMA補償制御の切り替え、ならびにOMA補償制御における目標値の設定を行なう構成であってもよい。
【0143】
また、本発明の第2の実施の形態に係る光通信システムでは、下り方向において、半導体光増幅器21の入力光の監視、利得一定制御およびOMA補償制御の切り替え、ならびにOMA補償制御における目標値の設定を行なう構成であるとしたが、これに限定するものではなく、上り方向において、下り方向と同様に、半導体光増幅器21の入力光の監視、利得一定制御およびOMA補償制御の切り替え、ならびにOMA補償制御における目標値の設定を行なう構成とすることも可能である。
【0144】
ここで、OMA補償制御では、半導体光増幅器21の飽和領域またはこれに近い領域でのOMAの縮小と半導体光増幅器21の出力光の強度増加との相殺を行いながら当該出力光の目標値として適切な値を設定していく必要がある。このため、半導体光増幅器21の飽和領域、特に、半導体光増幅器21への入力光が大きい場合に用いる低駆動電流域における半導体光増幅器21の入出力特性を把握することが重要である。
【0145】
そこで、光通信システム301は、半導体光増幅器21の入出力特性を測定する測定部を備える。なお、飽和回避制御を行なう本発明の第1の実施の形態に係る光通信システムがこのような測定部を備える構成であってもよい。
【0146】
たとえば、当該測定部は、光信号中継装置101の外部に設けられ、半導体光増幅器21の入出力特性の測定結果に基づく上記目標値を光信号中継装置101に設定する構成であってもよい。あるいは、たとえば、光信号中継装置101が当該測定部を備え、光信号中継装置101の起動シーケンスにおいて自動的に半導体光増幅器21の入出力特性の測定および目標値の設定を行なう構成であってもよい。
【0147】
また、光通信システム301は、たとえば上記測定部による半導体光増幅器21の入出力特性の測定結果に基づいて、飽和回避制御を行なうか、あるいはOMA補償制御を行なうかを判定する判定部を備える構成であってもよい。
【0148】
また、本発明の第2の実施の形態に係る光信号中継装置では、切替制御部28は、半導体光増幅器21の入力光の強度が所定の切り替え閾値以上になると利得一定制御からOMA補償制御に切り替える構成であるとしたが、これに限定するものではない。切替制御部28は、たとえば半導体光増幅器21の入力光の強度が所定の切り替え閾値未満の場合において、これらの制御とは異なる内容の制御と利得一定制御とを切り替える構成であってもよい。すなわち、光信号中継装置101において、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が所定の閾値未満となる範囲において利得一定制御が行なわれる領域があり、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が上記所定の閾値以上となる範囲においてOMA補償制御が行なわれる領域があればよい。
【0149】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る光通信システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0150】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0151】
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る飽和回避制御と第2の実施の形態に係るOMA補償制御とを切り替え可能な光通信システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る光通信システムと同様である。
【0152】
図12は、本発明の第3の実施の形態に係る光信号中継装置における下り信号中継部の構成を示す図である。
【0153】
図12を参照して、切替制御部28は、入力検知部25から受けたデジタル信号および出力/利得制御部26から受けた制御信号の少なくともいずれか一方に基づいて、出力/利得制御部26が利得一定制御を行なうか、飽和回避制御を行なうか、OMA補償制御を行うかを切り替える制御を行なう。具体的には、切替制御部28は、利得一定制御を行なう旨を示す制御信号、飽和回避制御を行なう旨を示す制御信号またはOMA補償制御を行なう旨を示す制御信号を出力/利得制御部26へ出力する。
【0154】
出力/利得制御部26は、切替制御部28から受けた制御信号の示す制御の種別に従った駆動電流の設定を行なう。
【0155】
より詳細には、切替制御部28は、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が所定の切り替え閾値以上である場合、半導体光増幅器21の駆動電流の目標値を一定にするかまたは半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて上記目標値を小さい値に設定する飽和回避制御を行う。
【0156】
また、切替制御部28は、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が切り替え閾値以上であり、かつ駆動電流の大きさが所定の電流閾値以下である場合、飽和回避制御の代わりに、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて上記目標値を大きい値に設定するOMA補償制御を行う。
【0157】
図13は、本発明の第3の実施の形態に係る光信号中継装置における半導体光増幅器の制御内容の一例を示す図である。図13において、横軸は、半導体光増幅器21の入力光の強度であり、縦軸は、半導体光増幅器21の駆動電流の大きさである。
【0158】
図13を参照して、切替制御部28は、たとえば、入力光の強度に基づいて利得一定制御と飽和回避制御とを切り替えるとともに、駆動電流の大きさに基づいて飽和回避制御とOMA補償制御とを切り替える。切替制御部28は、出力/利得制御部26を制御する、すなわち半導体光増幅器21への駆動電流を制御することにより、これらの切り替えを行う。
【0159】
具体的には、出力/利得制御部26は、たとえば入力光の強度がP30以上かつP31未満の範囲において、利得一定制御を行なう。
【0160】
また、出力/利得制御部26は、入力光の強度が所定の切り替え閾値すなわちP31以上になると、たとえばこのときの出力光の強度を半導体光増幅器21の出力光の強度の目標値とする飽和回避制御を行なう。具体的には、出力/利得制御部26は、図6に示すような、目標値を一定とする、すなわち1種類の目標値を設定する飽和回避制御、または図7に示すような入力光の強度に応じた複数種類の目標値を設定する飽和回避制御を行う。
【0161】
また、出力/利得制御部26は、飽和回避制御とOMA補償制御とを切り替えるための駆動電流の閾値を設定する。具体的には、出力/利得制御部26は、所定の電流閾値としてIth=(Iagc−ΔI)を設定する。ここで、Iagcは、利得一定制御において半導体光増幅器21に供給される駆動電流の大きさである。
【0162】
ここでは、入力光の強度がP31以上になってからP32,P33と上昇しても駆動電流の大きさが電流閾値Ithより大きいことから、切替制御部28は、出力/利得制御部26による飽和回避制御を継続し、OMA補償制御への切り替えを行わない。
【0163】
図14は、本発明の第3の実施の形態に係る光信号中継装置における半導体光増幅器の制御内容の他の例を示す図である。図14の見方は図13と同様である。
【0164】
図14を参照して、出力/利得制御部26は、入力光の強度がP31以上になって飽和回避制御を行っている状態において、入力光の強度の上昇に伴い駆動電流が小さくなり、入力光の強度がP32になったときに駆動電流の大きさが電流閾値Ith以下になると、たとえばこのときの出力光の強度を半導体光増幅器21の光の強度の目標値とするOMA補償制御を行なう。出力/利得制御部26は、OMA補償制御においては、入力光の強度が大きくなるにつれて大きな目標値を設定する。これにより、入力光の強度の上昇に伴う駆動電流の低下度合いは飽和回避制御と比べて小さくなる。
【0165】
このように、駆動電流の大きさが電流閾値Ith以下になると飽和回避制御からOMA補償制御に切り替える構成により、半導体光増幅器21の出力が飽和領域に入ることをある範囲まで防ぎながら、半導体光増幅器21の利得の低下によるOMAの縮小を抑制することができる。
【0166】
[動作]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る光通信システムにおける光信号中継装置の動作について説明する。
【0167】
光通信システム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0168】
図15は、本発明の第3の実施の形態に係る光信号中継装置が光増幅器の制御を行なう際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【0169】
図15を参照して、まず、切替制御部28は、入力検知部25から受けたデジタル信号から半導体光増幅器21の入力光の強度を取得する(ステップS21)。
【0170】
次に、切替制御部28は、入力光の強度が切り替え閾値未満である場合(ステップS22でYES)、出力/利得制御部26に利得一定制御を行なわせる(ステップS23)。
【0171】
一方、切替制御部28は、入力光の強度が切り替え閾値以上である場合であって(ステップS22でNO)、半導体光増幅器21の駆動電流が電流閾値より大きいときには(ステップS24でYES)、飽和回避制御を出力/利得制御部26に行なわせる(ステップS25)。
【0172】
他方、切替制御部28は、入力光の強度が切り替え閾値以上である場合であって(ステップS22でNO)、半導体光増幅器21の駆動電流が電流閾値以下であるときには(ステップS24でNO)、OMA補償制御を出力/利得制御部26に行なわせる(ステップS25)。
【0173】
以上のように、本発明の第3の実施の形態に係る光信号中継装置では、切替制御部28は、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が所定の切り替え閾値以上である場合、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて半導体光増幅器21の駆動電流の目標値を小さい値に設定するかまたは当該目標値を一定にする飽和回避制御を行う。また、切替制御部28は、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が切り替え閾値以上であり、かつ駆動電流の大きさが所定の電流閾値以下である場合、飽和回避制御の代わりに、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて上記目標値を大きい値に設定するOMA補償制御を行う。
【0174】
このように、利得一定制御と飽和回避制御とを切り替えるとともに、飽和回避制御とOMA補償制御とを切り替える構成により、半導体光増幅器21の出力が飽和領域に入ることをある範囲まで防ぎながら、半導体光増幅器21の利得の低下によるOMAの縮小を抑制することができる。
【0175】
また、本発明の第3の実施の形態に係る通信制御方法では、半導体光増幅器21の利得を制御するステップにおいて、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が所定の切り替え閾値以上である場合、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて半導体光増幅器21の駆動電流の目標値を小さい値に設定するかまたは当該目標値を一定にする飽和回避制御を行う。また、半導体光増幅器21の利得を制御するステップにおいて、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が切り替え閾値以上であり、かつ駆動電流の大きさが所定の電流閾値以下である場合、飽和回避制御の代わりに、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて上記目標値を大きい値に設定するOMA補償制御を行う。
【0176】
このように、利得一定制御と飽和回避制御とを切り替えるとともに、飽和回避制御とOMA補償制御とを切り替える構成により、半導体光増幅器21の出力が飽和領域に入ることをある範囲まで防ぎながら、半導体光増幅器21の利得の低下によるOMAの縮小を抑制することができる。
【0177】
なお、本発明の第3の実施の形態に係る光通信システムでは、光信号中継装置101が切替制御部28を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。光通信システム301における光信号中継装置101以外の他の装置が切替制御部28を備え、半導体光増幅器21の入力光および駆動電流の監視、利得一定制御、飽和回避制御およびOMA補償制御の切り替え、ならびに飽和回避制御およびOMA補償制御における目標値の設定を行なう構成であってもよい。
【0178】
また、本発明の第3の実施の形態に係る光通信システムでは、下り方向において、半導体光増幅器21の入力光および駆動電流の監視、利得一定制御、飽和回避制御およびOMA補償制御の切り替え、ならびに飽和回避制御およびOMA補償制御における目標値の設定を行なう構成であるとしたが、これに限定するものではなく、上り方向において、下り方向と同様に、半導体光増幅器21の入力光および駆動電流の監視、利得一定制御、飽和回避制御およびOMA補償制御の切り替え、ならびに飽和回避制御およびOMA補償制御における目標値の設定を行なう構成とすることも可能である。
【0179】
また、本発明の第3の実施の形態に係る光信号中継装置では、切替制御部28は、入力光の強度の上昇に伴い利得一定制御から飽和回避制御への切り替えを行い、駆動電流の低下に伴い飽和回避制御からOMA補償制御への切り替えを行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。切替制御部28は、入力光の強度の上昇に伴い利得一定制御からOMA補償制御へ切り替え、その後、飽和回避制御へ切り替える構成であってもよい。すなわち、切替制御部28は、半導体光増幅器21の出力する光信号の強度が、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度に応じて設定される目標値になるように駆動電流の大きさを調整する制御として、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて当該目標値を小さい値に設定するかまたは当該目標値を一定にする飽和回避制御と、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて当該目標値を大きい値に設定するOMA補償制御とを切り替え可能であればよい。
【0180】
また、本発明の第3の実施の形態に係る光信号中継装置では、切替制御部28は、半導体光増幅器21の駆動電流の大きさに基づいて飽和回避制御とOMA補償制御とを切り替える構成であるとしたが、これに限定するものではない。切替制御部28は、半導体光増幅器21の入力光の強度に基づいて飽和回避制御とOMA補償制御とを切り替える構成であってもよい。すなわち、切替制御部28は、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が切り替え閾値より大きい所定の閾値以上である場合、飽和回避制御の代わりに、半導体光増幅器21が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて上記目標値を大きい値に設定するOMA補償制御を行う構成であってもよい。
【0181】
その他の構成および動作は第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る光通信システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0182】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0183】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
【0184】
[付記1]
受信した光信号を増幅して送信する光信号中継装置であって、
前記光信号を受けて増幅する半導体光増幅器と、
前記半導体光増幅器に供給する駆動電流の大きさを変更することにより前記半導体光増幅器の利得を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が所定の閾値未満である場合、前記半導体光増幅器の利得が一定になるように前記駆動電流の大きさを調整し、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が前記所定の閾値以上である場合、前記半導体光増幅器の出力する光信号の強度が、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度に応じて設定される目標値になるように前記駆動電流の大きさを調整し、
前記光信号中継装置は、PONにおいて用いられ、
前記光信号は、局側装置から宅側装置へ送信される下り光信号である、光信号中継装置。
【0185】
[付記2]
受信した光信号を増幅して送信する光信号中継装置であって、
前記光信号を受けて増幅する半導体光増幅器と、
前記半導体光増幅器に供給する駆動電流の大きさを変更することにより前記半導体光増幅器の利得を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記半導体光増幅器の利得が一定になるように前記駆動電流の大きさを調整する第1制御を行なうこと、および前記半導体光増幅器の出力する光信号の強度が、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度に応じて設定される目標値になるように前記駆動電流の大きさを調整する第2制御を行なうことが可能であり、
前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が所定の閾値未満となる範囲において前記第1制御が行なわれる領域があり、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が前記所定の閾値以上となる範囲において前記第2制御が行なわれる領域がある、光信号中継装置。
【0186】
[付記3]
前記制御部は、前記第2制御として、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて前記目標値を小さい値に設定するかまたは前記目標値を一定にする制御と、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が大きくなるにつれて前記目標値を大きい値に設定する制御とを切り替え可能である、付記2に記載の光信号中継装置。
【0187】
[付記4]
受信した光信号を増幅して送信する光信号中継装置であって、
前記光信号を受けて増幅する半導体光増幅器と、
前記半導体光増幅器に供給する駆動電流の大きさを変更することにより前記半導体光増幅器の利得を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が所定の閾値未満である場合、前記半導体光増幅器の利得が一定になるように前記駆動電流の大きさを調整する第1制御を行い、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が前記所定の閾値以上である場合、前記半導体光増幅器の出力する光信号の強度が、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度に応じて設定される目標値になるように前記駆動電流の大きさを調整する第2制御を行い、
前記制御部は、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度が前記所定の閾値以上である状態において前記第1制御を行なうと仮定した場合と比べて、前記半導体光増幅器が受ける光信号の強度の変化に対する前記半導体光増幅器の出力する光信号の強度の変化が小さくなるように前記目標値を設定する、光信号中継装置。
【符号の説明】
【0188】
11 電気/光変換器
12 下り信号中継部
13 光/電気変換器
14 上り信号再生部
21 半導体光増幅器
22,23 光カプラ
24 電流供給部
25 入力検知部
26 出力/利得制御部
27 出力検知部
28 切替制御部
101 光信号中継装置
201 局側装置
202 ONU
211,212 光カプラ
301 光通信システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15