(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
2枚以上で5枚以下のディスクであって、1枚のディスクが他のディスクの上に存在するように配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の複合要素の製造方法。
前記用いられる接着促進剤c)が反応性の一成分形ポリウレタンシステムまたは多成分形ポリウレタンシステムであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の複合要素の製造方法。
前記外層として、木材、サンドイッチ状の石膏ボード、ガラスタイル、アルミニウムフォイル、アルミニウム、銅板または薄鋼板を用いることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の複合要素の製造方法。
【背景技術】
【0002】
本発明では、複合要素は、少なくとも1つの外層及びこの外層に固着された層からなるシート状構造物をさす。
【0003】
このような複合要素としては、例えば、ヨーロッパ特許出願1516720で開示される、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームのコア及び金属の外層を有する複合要素が挙げられる。このような複合要素はしばしば、サンドイッチ状の複合要素として言及されている。更なる例としては、例えば、国際公開2006/120234で開示されるように、少なくとも1つの外層と、ミネラルウール、またはポリウレタンフォームまたはポリスチレンフォームのようなプラスチックフォームといった有機断熱材料である断熱材料を含む既製のコアとを有する複合要素が挙げられる。更なる例としては、木材、合板、パーティクルボード、金属またはプラスチックといった好適な材料からなる2つの外層と、ハニカム構造、または折畳みあるいは差し込みにより形成され例えば国際公開2007/093538で開示されるコンプライジングボードといった好適なコアとからなる、いわゆる軽量建築材が挙げられる。広義には、複合要素は、プラスチック、ビニールまたは金属を含む外層で被覆された木材、パーティクルボードといった小型材である。
【0004】
複合要素の製造では、コアと外層との間を強固なボンドで接着する必要がある。既製のコアを有する複合要素の場合、通常は接着剤が有用である。サンドイッチ状の複合要素の場合、原則として、発泡体と外層との間を接着する強固な接着剤が有用である。それにも関わらず、外層から発泡体を剥離すること等による発泡体の表面の欠損が生じ得る。従って、ヨーロッパ特許出願1516720で開示されるように、外層とコアとの間に接着促進剤を施与することが有益である。
【0005】
接着剤または接着促進剤を施与するには、さまざまな可能性がある。特に有益な施与の手法としては、回転ディスクによるものがある。この手法による施与の場合は、エアロゾルを形成することなく均一な層を形成することができる。
【0006】
国際公開2006/29786では、サンドイッチ状の複合要素の製造方法が開示されており、回転ディスクの手法によって接着促進剤が施与される。ディスクは平坦であって、好ましくは楕円形または星形であることが好ましい。ディスクの更なる構成は、カスケードに近似した構成を有し、接着促進剤を放出する開口部を具備している。
【0007】
ヨーロッパ特許出願1593438では、サンドイッチ状の複合要素を製造する装置が開示されており、少なくとも1つの開口部を有する回転ディスクによって、外層に接着促進剤が施与される。
【0008】
国際公開2006/120234では、複合要素の製造方法が開示されており、コアが、固着的に外層に結合される。接着剤の施与は、ヨーロッパ特許出願1516720で開示されるように、回転ディスクによって同様に行われる。
【0009】
国際公開2007/0936538では、軽量建築材の製造方法が開示されており、接着剤の施与は、国際公開2006/29786で開示されるように、回転ディスクによって同様に行われる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の特に好ましい実施の形態は、ディスクが上向き端部を有することである。この上向き端部に、歯が配置される。接着剤を可能な限り均一にかつ精巧に分割された手法で外層/下方表面の内側に施与できるように、歯の幅、数及びテーパ角度が互いに仕上げられる。
【0019】
歯は、三角または四角であり、0.5〜40mmの幅を有し、0.1〜50mmの長さを有する。歯は、同じ形状または異なった形状及びサイズであってもよい。歯は、水平に、または90°までの間で上方または下方に向かって配置される。
【0020】
本発明の好適な実施の形態では、歯は、先端に向かうに従って漸次先細りとなる。もっとも、先端の丸まった歯であってもよい。本発明の更なる実施の形態では、歯は矩形または台形である。重要なことは、歯が液体と接触することで、狭い範囲での液滴サイズの分布へ導くことである。
【0021】
上向き端部は、ディスクに対して0〜150°を超過した角度で上に向いている。上向き角度は、80°〜100°であることが好ましい。上向き端部は、ディスク上での均一なフィルムの流れに資する。上向き端部への移行部は、角度がつけられていても丸みを帯びていてもよい。
【0022】
歯の数は、特に、外層を介した液体及び、例えば、濃度、粘性、表面張力といった固着剤の材料特性に基づく要求分配には依存しない。好ましくは、ディスクは少なくとも4枚、歯数は600個以下、好ましくは20〜80個、特に40〜60個が好ましい。
【0023】
ディスクの基本形状は、好ましくは円形である。ディスクを楕円形または星形に形成することもできる。また、3つの交差する円形の内側の4本の線で描かれる幾何学形に形成することもできる。この配置については後述する。内側の円は、回転軸上に中心点を有する。より大きな径を有する他の2つの円は、回転軸を通過する直線上に中心点を有し、その半径は、円の中心点と回転軸との間の距離よりも大きく、より小さな円が交差するほど大きい。上向きの排出領域の端部は円形で、均一な流れに資する。円の直径は、可能な限り大きくすることができる。
【0024】
このようなディスクを、
図1〜
図3に示す。
【0025】
図4は、本発明によるディスクの別の形状を示す図である。
【0026】
図4aで示すS字形のディスクまたは
図4bで示す凹部を有するディスク、または
図4cで示す直線形のベース形状を有するディスクが用いられる。
図4におけるω記号で示す矢線は、それぞれのディスクの回転可能な方向を示す。
【0027】
ディスクの輪郭は、円形から離れすぎないことが重要である。そうでなければ、接着剤c)、特に、輪郭線の切断端部が、それぞれの歯を介して噴射を形成することができず、複数の噴射となってまとまりのない施与挙動となるからである。
【0028】
S字形のディスクは、噴射が集中する臨界点が丸く形成されていることから、円形から逸脱した比較的大きなくぼみを有することが許容される。しかし、このため、S字形のディスクは、一方向のみの回転で操作される。
【0029】
更なる実施の形態としては、材料が装置の下部から噴霧部に移動されるベル状であってもよい。以下の実施の形態では、ディスク状のものにもベル状のものにも適用される。
【0030】
上向き端部の長さに対するディスクの直径の長さ比率は、5/1から100/1、好ましくはおよそ20/1である。
【0031】
外層の幅、またはバンドの幅次第では、楕円形のディスクの場合、楕円形の長手方向を基準として、ディスクは0.05〜0.4mの直径を有し、好ましくは0.1〜0.3m、特に好ましくは0.12〜0.25mの直径を有する。バンド幅に対するディスクの直径の割合は、0.05〜0.35である。
【0032】
ディスクは、湿潤される外層より上に、好ましくは、0.01〜0.3mの高さで配置され、好ましくは、0.03〜0.18m、特に好ましくは0.03〜0.15mの高さで配置される。
【0033】
外層に対して回転ディスクは水平に、または水平から15°の僅かなずれで配置される。
【0034】
下部外層上での接着促進剤による湿潤半径は、好ましくは0.05〜1.5m、更に好ましくは0.35〜1.20mである。比較的広い外層の場合は、隣接して並べられたまたは位置ずれした2以上のディスクを用いることが可能である。
【0035】
ディスクの回転速度は、好ましくは200〜2500min
-1、特に、200〜2000min
-1、及び600〜1200min
-1が好ましい。均一な施与を確保する可能性は、回転速度の振動による。この過程において、回転速度を定期的に、一時的に減速させ再び初期レベルに増速させる。一時的な減速の結果、投射距離は減少しコーティングの分布は均一になる。減速は当初の回転速度の10%が上限であり、好ましくは50%〜80%である。
【0036】
散布されるべき流量は、10g/min〜5kg/min、好ましくは200g/min〜2kg/min、特に好ましくは400g/min〜1.8kg/minである。
【0037】
本発明の特徴的な実施の形態では、ディスクは他のディスクの上に配置され、少なくとも2枚で5枚以下、特に好ましくは2枚のディスクを有する。上方のディスクの直径は、下方のディスクの直径より大きいことが好ましく、その比率は、上方から下方に向かって1/0.8〜1/10、好ましくは3/5である。少なくとも上方のディスクは歯を備え、全てのディスクが歯を備えることが望ましい。上記した形状は全て結合することができる。一番上のディスク形状と下部側のベル形状からなる構成部品を用いることもできる。
【0038】
複数のディスクを用いる利点は、コーティングの分布がより均一になることである。
【0039】
他のディスクの上にディスクを配置する場合は、接着剤はそれぞれのディスクに個別に施与されることが好ましい。下部のディスクに接着剤を供給するためには、上部のディスクとの間に開放部分を設けるべく、同軸上のギャップを設けなければならない。ギャップの内部半径は、シャフトの直径と一致する。対応するディスクの外径とギャップの外径の比率は、少なくとも0.98であり、好ましくは、0.2〜0.5である。しかし、1つのディスクだけに供給することもでき、他のディスクへの分配は、ボアやガイド溝といった好適な内部機構によって実現される。ボアやガイド溝の数は4〜12個、好ましくは4〜8個、特に好ましくは4個である。開放部分はそれぞれ25〜900mm
2の共通する領域を有し、好ましくは100〜650mm
2、特に好ましくは100〜400mm
2である。ベル形状の場合、材料は一番上に施与され、上記したガイド溝によって下部に移動される。
【0040】
ディスクは、接着促進剤に対して不活性な材料であれば全ての材料から形成することができる。金属やプラスチックが好ましい。ディスクは、好ましくはプラスチックから形成される。ポリオレフィンやポリスチレン、ポリアミドといった熱可塑性樹脂、ポリオキシメチレン(POM)といったテフロン(登録商標)やポリアセタールが、ここでは特に好適である。
【0041】
木板、サンドイッチ状の石膏ボード、ガラスタイル、アルミニウムフォイル、アルミニウム、銅板または薄鋼板は、外層a)に用いることができる。薄鋼板は被覆されていてもされていなくともよい。コロナ放電処理が施されていないことが好ましい。
【0042】
軽量建築材の製造では、木板またはパーティクルボードが外層a)に用いることができ、例えばコンプライジングウッドまたはボードといったハニカム構造は、層b)に用いることができる。
【0043】
軟質繊維板の製造では、ミネラルウール、発泡ポリスチレンまたは、硬質ポリウレタンフォームとも呼ばれるイソシアネート系硬質フォームを含む断熱材料を、外層a)に強固に固着される層b)に用いることができる。イソシアネート系硬質フォームは、イソシアヌレート基で改質可能である。
【0044】
層b)にイソシアネート系硬質フォームを用いることで、一般的に、複合要素の製造は連続的に行われる。硬質フォームの液状の出発原料は外層a)に施与され、フォームを付与するために硬化する。
【0045】
通常使用される外層としての金属シートまたはフォイルの使用の際に、これらは、しばしば、ダブルベルトユニットで硬化され最終的に所望の長さに切断されるPUまたはPIRシステムとも呼ばれるイソシアネート系硬質フォームb)の出発原料とともに発泡されるポリウレタンとともにフォーム能力を増大するために、ロールから連続して解かれ、型彫りされ、加熱され、付加的にコロナ放電処理される。
【0046】
外層は、好ましくは2〜25m/minの一定速度で移動され、2〜15m/min、及び3〜12m/min、特に3〜9m/minが好ましい。外層は、PUシステムb)の施与から、好ましくは接着促進剤の施与から全持続時間の間において少なくとも水平に位置する。接着促進剤は、外層が僅かに移動方向に傾いて水平移動が行われない場合でも施与が可能である。
【0047】
通常、一液型または二液型接着剤は、ミネラルウールまたはポリスチレンを基礎とした軽量建築部材または軟質繊維板の製造の接着剤として用いることができる。
【0048】
イソシアネート系硬質フォームを基礎とした複合要素の継続的な製造では、ポリウレタン、特に二成分系の接着促進剤c)を用いることが好ましい。接着促進剤c)の施与は、外層の延伸とPUまたはPIRシステムの施与との間の過程のどの時点でも、原則として行うことができる。
【0049】
接着促進剤の施与とPUまたはPIRシステムb)の施与との間の距離が小さい場合であっても有効である。結果として、この過程における廃棄物は、製造過程の最初、最後及び不測の障害の生じている間において最小限度に留まる。
【0050】
二成分系の使用の場合、接着促進剤c)は、回転ディスクへの供給に先立って機械的に混合される。高圧または低圧ミキサー、好ましくは低圧ミキサーを用いることが可能であり、例えば、流れに沿って撹拌する部材といった好適な供給装置を介してディスクに供給される。ディスクが駆動されて回転される場合は、ディスクの下に存在する連続的に運搬された外層上の接着促進剤c)の広範囲な分布が生じる。混合し、接着促進剤をディスクに供給するためには、例えば、プラスチックを含む撹拌部材を用いることができる。金属シートの単位m
2当たりの所望の施与の量が認識可能となるように、連続的に操作するダブルベルトの速度に合わせた接着促進剤c)の施与が調整される。
【0051】
下部外層に接着促進剤の施与が完了した後、イソシアネート系硬質フォームのための出発原料が施与される。
【0052】
接着促進剤c)の反応は、システムb)及びc)が互いに反応し(PU/PIRシステムの施与の際の接着促進剤c)のオープンタイムを経過していない)、限界時間経過後に硬化するように調整される。
【0053】
接着促進剤c)の使用によって、ダブルベルトの温度を55℃に低下させることができる。
【0054】
用いられる接着促進剤は、先行技術として公知のポリウレタン系の接着促進剤である。これらは、一般的に、イソシアネートと、反応混合物中でイソシアネートに反応する基の数に対するイソシアネート基の数の比率が0.8〜1.8:1、好ましくは1〜1.6:1となるように好適に選択された転換比率を有する、イソシアネートに対して反応する2つの水素原子を有する混合物とを反応させることによって得ることができる。
【0055】
用いられるポリイソシアネートは、一般的には、脂肪族、脂環式、特に好適には芳香族のジ−及び/またはポリイソシアネートである。トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及び特に、ジフェニルメタンジイソシアネートとポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(天然のMDI)が好適に用いられる。
【0056】
好ましくは、BASF SEのLupranat(登録商標)M50、Lupranat(登録商標)M70のイソシアネートが用いられる。本実施の形態で特徴的なことは、イソシアネート系硬質フォームb)及び接着促進剤c)の調製で用いられるイソシアネートは、同一のものである。Lurranat(登録商標)M70は好適な実施の形態で用いられ、Lupranat(登録商標)M200は特に好適な実施の形態で用いられる。
【0057】
イソシアネートと反応する少なくとも2つの水素原子を有する好適な混合物は、一般的には、例えば、分子状態のβ−ケトといったOH基、SH基、NH基、NH
2基及びCH酸基から選択される2以上の反応基を運搬するものである。
【0058】
ポリエテロール及び/またはポリエステロールが好適に用いられ、特に好適なのはポリエーテルポリオールである。用いられるポリエテロール及び/またはポリエステロールのヒドロキシル価は、好ましくは25〜800mgKOH/gであり、分子質量は一般的に400を超過する。ポリウレタンは、鎖延長剤及び/または架橋剤を用いないでまたは用いて調製される。用いられる鎖延長剤及び/または架橋剤は、特にジ−または三官能性のアミン及びアルコール、特に分子質量が400より小さい、好ましくは60〜300のジオール及び/またはトリオールである。
【0059】
接着促進剤c)のポリオール成分は、好ましくは、100〜1000mPasの粘着性、好ましくは100〜800mPas、特に好ましくは150〜400mPas(25℃)を有する。
【0060】
接着促進剤は、付加的または反応性を有する防炎加工剤を任意に含み得る。そのような防炎加工材は、ポリオール成分の総質量を基に、0.1〜30質量%の量が一般的に用いられる。
【0061】
好ましくは、ポリオールを用いたポリイソシアネートの反応に物理的発泡剤を付加しないことが好ましい。しかし、用いられるポリオールは、発泡剤として作用する残留水を含んだままである。層b)のイソシアネート系硬質フォームに用いられる場合に好適に費消される生成された接着促進剤は、200〜1200g/l、好ましくは400〜1000g/l、特に好ましくは450〜900g/lの密度を有する。
【0062】
本発明の方法に用いられるイソシアネート系硬質フォームは、一般的な手法、及び、発泡剤、触媒、慣用的な助剤、及び/または添加剤の存在下において、イソシアネート基と反応する少なくとも2つの水素原子を有する混合物を反応させる公知の手法で調製される。出発原料が用いられることを考慮すれば、特に、後述のことがいえる。
【0063】
好適な有機ポリイソシアネートは、好ましくは、芳香族の多官能性のイソシアネートである。
【0064】
トルエン2,4−及び2,6−ジイソシアネート(TDI)及び異性体混合物に関するもの、ジフェニルメタン4,4’−、2,4’−及び2,2’−ジイソシアネート(MDI)及び異性体混合物に関するもの、ジフェニルメタン4,4−及び2,4’−ジイソシアネートの混合物、ポリフェニルポリメチレン、ポリイソシアネート、ジフェニルメタン4,4−、2,4’−及び2,2’−ジイソシアネートの混合物及びポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(天然のMDI)及び天然のMDIの混合物及びトルエンジイソシアネートが、例として挙げられる。有機ジ−及びポリイソシアネートは、個別にまたは混合物の形式で用いることができる。
【0065】
しばしば、いわゆる改質多官能性イソシアネート、例えば、有機ジ−及び/またはポリイソシアネートの化学反応によって得られる生成物が用いられる。イソシアヌレート及び/またはウレタン基を含むジ−及び/またはポリイソシアネートが、例として挙げられる。改質ポリイソシアネートは、任意に、互いに混合され、または、例えば、ジフェニルメタン2,4’−、4,4’−ジイソシアネート、天然のMDI、トルエン2,4−及び/または2,6−ジイソシアネートといった未改質の有機ポリイソシアネートと混合される。
【0066】
加えて、多官能性のイソシアネートと多官能性のポリオール及びそれらと他のジ−及びポリイソシアネートの混合物との反応生成物もまた用いることができる。
【0067】
29〜33質量%であって25℃で150〜1000mPasの範囲の密度のNCOを有する天然のMDIは、有機ポリイソシアネートとして特に有益であることが知られている。
【0068】
特に、25〜800mgKOH/gの範囲でヒドロキシル価を有するポリエーテルアルコール及び/またはポリエステルアルコールは、イソシアネート基と反応する少なくとも2つの水素原子を有する混合物として用いられる。
【0069】
用いられるポリエステルアルコールは、例えば、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、及び好ましくはフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及び異性ナフタレンジカルボン酸といった2〜12個の炭素原子を有する多官能性のカルボン酸とともに、2〜12個の炭素原子を有し、特に好ましくは2〜6の炭素原子を有する多官能性のアルコール、好ましくはジオールの凝縮によって調製される。
【0070】
用いられるポリエステロールは、一般的に1.5〜4の官能価を有する。
【0071】
特に、例えば、触媒、好ましくはアルカリ金属水酸化物の存在下でH機能出発原料とともにアルキレン酸化物のアニオン重合という公知の手法によって調製されるポリエーテルポリオールが用いられる。
【0072】
用いられるアルキレン酸化物は、一般に、エチレン酸化物及び/またはプロピレン酸化物、好ましくは純−1,2−プロピレン酸化物である。
【0073】
用いられる出発原料は、特に、少なくとも3、好ましくは4〜8のヒドロキシ基を有し、または少なくとも2つの主な分子状態のアミノ基を有する混合物である。
【0074】
トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリトリトール、例えばグルコース、ソルビトール、マンニトール及びスクロース、多官能性フェノール、例えばフェノールのオリゴマー縮合物といった糖質混合物及びホルムアルデヒド、フェノールのマンニッヒ縮合物、ホルムアルデヒド及びジアルカノールアミン及びメラミンは、少なくとも3個、好ましくは、分子状態で4〜8個のヒドロキシ基を有する出発原料として用いられる。
【0075】
芳香族のジ−及び/またはポリアミン、例えばフェニレンジアミン、2,3−、2,4−、3,4−及び2,6−トルエンジアミン及び4,4’−、2,4’−及び2,2’−ジアミノジフェニルメタン、及び脂肪族ジ−及びポリアミン、例えばエチレンジアミンが、少なくとも2つの主な分子状態のアミノ基を有する出発原料として好適に用いられる。
【0076】
ポリエーテルポリオールは、好ましくは3〜8個の官能価を有し、ヒドロキシ価は、好ましくは25mgKOH/g〜800mgKOH/g、特に240mgKOH/g〜570mgKOH/gを有する。
【0077】
イソシアネートと反応する少なくとも2つの水素原子を含む混合物は、任意的に付随して用いられる鎖延長剤及び架橋剤を含む。メカニズムの特性を改質するために、二官能性の鎖延長剤、三官能性及び高官能性の架橋剤を付加すること、及び任意的にこれらを混合することが有益であることが知られている。アルカノールアミン及び特に、分子量が400個より少ない、好ましくは60〜300個のジオール及び/またはトリオールを鎖延長剤及び/または架橋剤として用いることは好適である。
【0078】
鎖延長剤、架橋剤またはこれらの混合物は、ポリオール成分を基として1〜20質量%、好ましくは2〜5質量%を適切に用いることができる。
【0079】
硬質フォームの調製は、通常、発泡剤、触媒、防炎加工剤及び気泡安定剤及び、必要ならば、更に助剤及び/または添加剤の存在下で実行される。
【0080】
二酸化炭素を除去したイソシアネート基と反応する水は、発泡剤として用いることができる。水との組み合わせまたは好ましくは水に代えて、いわゆる物理的発泡剤もまた用いることができる。これらは、用いられる成分に不活性であり、一般に室温では液状であってウレタン反応の条件下で気化する混合物である。これらの混合物の沸点は、50℃以下であることが好ましい。物理的発泡剤は、室温下では気体であって、例えば、二酸化炭素、低沸点アルカン及びフルオロアルカンといった、用いられる成分中に圧入され、またはその成分中に溶解する混合物を含む。
【0081】
混合物は、一般的に、アルカン及び/または少なくとも4つの炭素原子を有するシクロアルカン、ジアルキルエーテル、エステル、ケトン、アセタール、1〜8個の炭素原子を有するフルオロアルカン及びアルキル鎖、特にテトラメチルシラン中に1〜3の炭素原子を有するテトラアルキルシランから構成される族から選択される。
【0082】
プロパン、n−ブタン、イソブタン及びシクロブタン、n−ペタン、イソペンタン及びシクロペンタン、シクロヘキサン、ジメチルエーテル、メチルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルホルメート、対流圏で劣化されてオゾン層を破壊しないトリフルオロメタン、ジフルオロメタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、ジフルオロエタン及びヘプタフルオロプロパンといったアセトン及びフルオロアルカンが、例として挙げられる。上記した物理的発泡剤は、単独で用いることも、互いに組み合わせて用いることもできる。
【0083】
ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームは、通常、防炎加工剤を含む。無臭素防炎加工剤を用いることが好ましい。リン原子を含む防炎加工剤が好ましく、特に、トリスクロロイソプロピルホスフェート、ジエチルエタンホスホネート、トリエチルホスフェート及び/またはジフェニルクレジルホスフェートが用いられたものが好ましい。
【0084】
用いられる触媒は、特に、イソシアネート基と、イソシアネート基と反応する基の反応を大幅に速める混合物である。このような触媒は、例えば、二次脂肪族アミン、イミダゾール、アミジン及びアルカノールアミン及び/または、特にスズを基礎とした有機金属混合物といった強力な塩基性アミンである。
【0085】
イソシアヌレート基が硬質フォームに混合される場合は、特殊な触媒が要求される。用いられるイソシアヌレート触媒は、通常、金属カルボン酸塩、特に酢酸カリウム及びその溶解液である。触媒は、単独で用いることもでき、要求に応じて、それぞれの混合物でも用いることができる。
【0086】
用いられる助剤及び/または添加剤は、この目的でよく知られた物質である。例えば、界面活性物質、泡安定剤、気泡制御剤、充填剤、顔料、染料、加水分解安定剤、帯電防止剤及び制カビ剤及び制菌剤である。
【0087】
本発明に係る方法を実施するために用いられる出発原料、発泡剤、触媒及び/または添加剤についての更なる情報は、例えば、Kunststoffhandbuch,volume7,「ポリウレタン」Carl−Hanser−Munich著「第1版 1966年」、「第2版 1983年」、「第3版 1993年」)で確認することができる。
【0088】
イソシアネート系硬質フォームを調製するためには、ポリイソシアネート及びイソシアネート基と反応する少なくとも2つの水素原子を有する混合物は、ポリウレタンフォームの場合のイソシアネートインデックスが、100〜220個、好ましくは115〜180個の範囲となるように反応する。硬質ポリウレタンフォームは、回分式または従来のミキサー装置を連続的に用いて調製することができる。
【0089】
ポリイソシアヌレートフォームの調製では、インデックスを180個より大きく、好ましくは200〜500個、特に好ましくは250〜500個で調製することができる。
【0090】
出発原料の混合は、従来のミキサー装置を用いて作用させることができる。
【0091】
通常、本発明に係る硬質PUフォームは、二成分系手法によって調製される。この手法では、イソシアネート基と反応する少なくとも2つの水素原子を有する混合物は、発泡剤、触媒及びいわゆるポリオール成分を付与する助剤及び/または添加剤と混合される。この助剤及び/または添加剤は、ポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物、及び任意的に、イソシアネート成分とも呼ばれる発泡剤と反応される。
【0092】
出発原料は、一般的には、15〜35℃、好ましくは20〜30℃の温度で混合される。反応混合物は、高圧または低圧計量機で混合される。
【0093】
この目的に用いられる硬質フォームの密度は、10〜400kg/m
3、20〜200が好ましく、特に30〜100kg/m
3が好ましい。
【0094】
複合要素の厚みは、通常、5〜250mmの範囲内である。
【0095】
本発明に係るディスクの形状によれば、ディスクの反応した接着剤を増強することなしに製品寿命を長期化することができる。驚くべきことに、ディスクの材料を増強することなしに、外層への接着剤の分布や液滴のサイズは実質的に変わらない。驚くべきことに、ディスクから分離した液滴の飛行経路も実質的に一定を維持している。外層のスプレーされた表面の端部は、本発明に係るディスクの形状によれば、明確に輪郭を規定できるという点も利点である。