(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
導光板用の透光性樹脂シートの背面を撥液化するために用いられるプラズマ処理装置であって、放電室を有し、前記放電室には、透光性樹脂シートの搬送方向に、透光性樹脂シート導入口、一対または複数対の電極対、処理用ガス導入口、透光性樹脂シート導出口が順に設けられ、
前記処理用ガス導入口は、全ての前記電極対よりも前記搬送方向の下流側に配置され、処理用ガスを鉛直方向下向きに供給する、プラズマ処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
【0018】
まず、本発明の製造方法によって得られる導光板の一例について説明する。
図3に示す導光板1は、透光性樹脂シート11と反射ドット12とから構成される。透光性樹脂シート11は、端面11cから入射された光が出射される光出射面11aと光出射面11aと対向する背面11bとを有する。
【0019】
透光性樹脂シート11は、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル樹脂シート、ポリスチレンシートまたはポリカーボネート系樹脂シートであることが好ましく、これらのなかでも、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル樹脂シートが好ましい。また、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル樹脂シートの中でも、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂シートが好ましい。なお、透光性樹脂シート11は拡散粒子を含んでいてもよい。
【0020】
透光性樹脂シート11の光出射面11aは、
図3に示すように平坦面であってもよく、凹凸を有する面であってもよい。なお、透光性樹脂シート11の厚みは、1.0mm以上5.0mm以下であることが好ましい。また、透光性樹脂シート11の大きさは、特に限定されないが、例えば、短辺が300mm〜1500mmであり、長辺が500mm〜1800mmである。
【0021】
複数の反射ドット12は、背面11b上に互いに離間して配置されている。反射ドット12の個数および配置パターンは、均一な面状の光が効率的に出射面11aから出射されるように調整される。
【0022】
光源91は、
図3に示すように、互いに対向する一対の端面11cの側方に配置される。光源91は、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)等の線状光源であってもよいが、LED等の点状光源であることが好ましい。なお、
図3では、互いに対向する端面11cの側方に光源91をそれぞれ配置した場合を示したが、光源91は、少なくとも一方の端面の側方に配置されていればよい。
【0023】
上記構成において、光源91から出力された光は、端面11cから透光性樹脂シート11に入射する。透光性樹脂シート11に入射した光は、反射ドット12において乱反射することにより、主として出射面11aから出射される。出射面11aから出射した光は光学部材92に供給される。このとき、均一な面状の光が効率的に出射面11aから出射されるように、反射ドット12の個数および配置パターンは調整されている。
【0024】
光学部材92に供給された光は、偏光フィルム等の光学シートで処理され、液晶セル、その上の偏光フィルム等を通過して、液晶表示部を高輝度で照らすことになる。
【0025】
<導光板の製造方法>
以下、本発明の導光板の製造方法の一例について説明する。以下で説明する製造方法は、
図1のフロー図に示されるように透光性樹脂シート投入ステップ(S1)と、撥液処理ステップ(S2)と、パターン印刷ステップ(S3)と、パターン硬化ステップ(S4)とをこの順で含む。以下に各ステップの詳細を説明する。
【0026】
(S1:透光性樹脂シート投入ステップ)
まず、両面に保護フィルムが貼付された透光性樹脂シートを荷台から取り出し、片側の保護フィルムを剥がす。この透光性樹脂シートを保護フィルムが剥がされた面が上側となるように、搬送装置に投入する。搬送装置としては、光学フィルム等の製造に用いられる種々公知の装置を用いることができ、例えば、ベルトコンベア、テーブルシャトル、コロ、エア浮上移送装置が挙げられる。
【0027】
本実施形態では、透光性樹脂シートは、製造される導光板のサイズに合わせて予め所定の大きさに裁断されていても良いが、長尺の透光性樹脂シート上に反射ドットを形成し、その後に透光性樹脂シートを所定の大きさに裁断してもよい。
【0028】
(S2:撥液処理ステップ)
透光性樹脂シート11の背面11bには、反射ドット12を印刷する前に、撥液処理が施される。撥液処理は、背面11bのほぼ全面に均一に施されることが好ましい。
【0029】
撥液処理の程度としては、撥液処理された透光性樹脂シート11の背面11bに水滴を滴下した際の接触角が85度〜120度であることが好ましい。接触角を85度以上とすることで、反射ドット12同士の連結を防止することができ、また、より密に反射ドット12を設けることができる。更に、接触角を120度以下とすることで、反射ドット12と透光性樹脂シート11の密着性を高く保つことが可能である。
【0030】
ここで、接触角とは、静的接触角である。撥液処理された面の静的接触角は、例えば、(株)マツボー製携帯接触角計PG−Xを用いて測定することができる。具体的には、例えば、純水2μLを滴下ノズル先端にペンダント状に形成し、ノズルを下降・上昇させることで純水液滴を撥液処理後の面に滴下した。滴下直後の液滴をライブ画像として取り込み、液滴の液滴計と液滴高さとを解析することによって、静的接触角が自動計算される。
【0031】
撥液処理は、プラズマ処理により行なわれる。プラズマ処理による撥液処理の例としては、プラズマ・エッチングによって透光性樹脂シート11の背面11bを粗化した後に、例えば、粗化された背面11bをフッ素系ガスプラズマによってフッ素化したり、粗化された背面11bに撥液性の単分子膜を形成すること、撥液化合物から構成される被膜をプラズマCVDによって背面11b上に形成したり、プラズマ重合によって背面11b上に撥液性薄膜を形成したりする処理が挙げられる。これらのうち、フッ素系ガスプラズマによるフッ素化が、簡便で且つ均一に表面処理を行える点で好ましい。
【0032】
図2は、撥液処理ステップに用いるプラズマ処理装置の一例を示す模式図である。
図2に示す大気圧プラズマ処理装置は、放電室66内に一対または複数対の電極対(上部電極63aおよび下部電極63b)を備え、上部電極63aと下部電極63bとの間に電圧を印加する電源(図示せず)を備える。なお、
図2においては、放電室66内に二対の電極対を有する場合を図示している。また、処理用ガスをガス貯蔵タンク610から放電室612内に導入するための上部導管611と、使用後の処理用ガスを放電室612内から排出するための下部導管613とを備える。放電室66内には仕切り板62が設けられており、仕切り板62は、プラズマ処理に用いる全ての電極対より下流側に処理用ガスを導入するスリット(処理用ガス導入口)62aを有しており、ガス貯蔵タンク610から上部導管611を通して供給された処理用ガスが、この仕切り板62のスリット62aから放電室66内へ供給される。仕切り板62におけるスリット62aの位置は
図2に示されているものに限定されない。
【0033】
放電室66には、透光性樹脂シート11の搬送方向に順に、透光性樹脂シート導入口661、上述の複数の電極対(上部電極63aおよび下部電極63b)、処理用ガス導入口62a、透光性樹脂シート導出口662が設けられている。
【0034】
対向する電極63a,63bは電極母材を含み、少なくとも一方の電極において、電極母材の対向面が誘電体で被覆されている。プラズマが発生する放電部位64は、対向する電極63a,63bのいずれか一方のみが誘電体で被覆されている場合には、誘電体と誘電体が被覆されていない電極の電極母材との間であり、対向する電極63a,63bの両方が誘電体で被覆されている場合には、誘電体間である。
【0035】
電極63a,63bの構造は、電界集中によるアーク放電の発生を避けるために、上部電極63aと下部電極63bとの間の距離が略一定とされた構造が好ましく、この条件を満たす電極構造としては、平行平板型、円筒対向平板型、球対向平板型、双曲面対向平板型、同軸円筒型構造等が挙げられる。例えば、プラズマ処理の対象となる透光性樹脂シートが方形状である場合には、平行平板型の電極であることが好ましい。
【0036】
電極63a,63bを構成する電極母材の材料としては、例えば、銀、白金、アルミニウム、銅、鉄等の純金属や、ステンレス(SUS)、真鍮等の多成分系の金属などを用いることができる。
【0037】
電極母材を被覆する誘電体としては、例えば、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、ゲルマン酸塩系ガラス等の無機ガラスおよびこれらの混合物、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン等のプラスチックおよびこれらの混合物、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、チタン酸バリウム等の金属酸化物、および、これらの混合物などの固体誘電体を用いることができる。
【0038】
誘電体で上部電極63aおよび/または下部電極63bを被覆する方法としては、特に制限されないが、例えば、溶射法、電極のフレーム枠に誘電体を螺子等で機械的に固定する方法が挙げられる。誘電体の厚さは、好ましくは0.01〜10mmである。
【0039】
電極63a,63bの対向面間の距離は、処理される透光性樹脂シート11の厚さ、印加される電圧の大きさ、均一な層の形成しやすさ等を考慮して決定されるが、対向する電極63a,63bの一方のみに誘電体が被覆された場合、両方に誘電体が被覆された場合のいずれにおいても、50mm以下であることが好ましい。最短距離が50mm以下であれば、均一な放電プラズマを発生させ易いためである。
【0040】
図2に示す大気圧プラズマ処理装置を用いた撥液処理では、透光性樹脂シート11を透光性樹脂シート導入口661から放電室66内に導入し、上部電極63aと下部電極63bの間に透光性樹脂シート11を配置し、大気圧下(大気圧および大気圧近傍の圧力下を含む)で、処理用ガス供給口62aから電極63a,63bの対向面間に処理用ガス67を導入し、電源から対向する電極間に電圧を印加してプラズマを発生させることにより、該プラズマと透光性樹脂シート11とが接触し、透光性樹脂シート11の背面11b上に撥液処理層を形成することができる。なお、本発明において、「大気圧または大気圧近傍の圧力」とは、0.8〜1.2気圧の圧力を意味する。
【0041】
本発明のプラズマ処理装置は、搬送方向に順に、一対または複数対の電極対(上部電極63aおよび下部電極63b)、処理用ガス導入口62aが設けられている。プラズマ処理装置がこのように構成され、撥液処理ステップにおいて電極対の間に配置された透光性樹脂シート11に対して搬送方向の下流側から処理用ガス67が供給されることにより、プラズマ処理を、背面11bの全面にほぼ均一に施すことができる。透光性樹脂シート11の背面11bの全面にほぼ均一にプラズマ処理を施すことにより、パターン印刷処理後の導光板に生じる波ムラ、外周部のムラの発生を抑制することができる。なお、処理用ガス導入口62aからの処理用ガスの供給方向が上流側に向かう方向である場合、透光性樹脂シート11の表面に供給される処理用ガスが不均一となることがあり、プラズマ処理にムラが生じる場合があるので、処理用ガスの供給方向は鉛直方向下向きが好ましい。
【0042】
プラズマ処理装置の構成は、放電室66において、全ての電極対に対して搬送方向の下流側から処理用ガスが供給される構成であれば
図2に示されるように二対の電極対が放電室66内に均等に配置される構成に限定されることはなく、複数の電極対が搬送方向の上流側に偏って配置されている構成であってもよい。
【0043】
放電室66内でのプラズマ放電により、処理用ガスから副生成物としてHFが生成するため、放電室66から排出される使用済みの処理用ガスは、下部導管613を通してスクラバー614に送られ、ガス中のHFを吸着剤で捕集した後に、無害成分のみとなったガスが工場外へ排出される。
【0044】
処理用ガスは、不活性ガスと、炭化水素の水素原子の少なくとも一つがフッ素原子に置換されたガス(以下、「フッ化炭化水素ガス」という。)とを含有することが好ましい。より好ましくは、処理用ガスは、不活性ガスとフッ化炭化水素ガスとからなる。
【0045】
不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、窒素またはこれらの混合ガスが挙げられる。なかでも、放電を均一かつ安定に維持できることから、ヘリウムまたはアルゴンの少なくとも一方からなる不活性ガスが好ましい。
【0046】
フッ化炭化水素ガスは、炭化水素の水素原子の少なくとも一つがフッ素原子に置換されていればよいが、良好な撥液性(撥水性および撥油性)を発現できることから、水素原子の全てがフッ素原子に置換されていることが好ましい。炭化水素の水素原子の全てがフッ素原子に置換されたフッ化炭化水素としては、4フッ化メタン(CF
4)、4フッ化エチレン、6フッ化プロピレン、8フッ化ブチレン等が挙げられる。なかでも、取り扱い性や入手のし易さから、4フッ化メタン(CF
4)が好ましい。
【0047】
処理用ガス中のフッ化炭化水素ガスの濃度は0.1〜10体積%が好ましい。フッ化炭化水素ガスの濃度が0.1体積%以上であれば、処理の効率が向上する傾向にある。フッ化炭化水素ガスの濃度が10体積%以下であれば、プラズマの安定性が増大する傾向にある。
【0048】
処理用ガスの供給速度は、放電室66の容積等によって適宜設定されるが、不活性ガスの供給速度は好ましくは100〜1000L/分であり、フッ化炭化水素ガスの供給速度は好ましくは0.1〜10L/分である。処理用ガスは、単独、または複数のスリット62aから、上記供給速度で放電室66内に供給される。各スリット62aからの供給速度は、それぞれ、上記好ましい供給速度から適宜設定される。
【0049】
また、電極間に電圧を印加する際に、供給される電力は、電力面密度が2〜8W/cm
2となる範囲に制御することが好ましい。電力面密度が2W/cm
2以上であれば、撥液処理層を効率的に形成しやすくなる。電力面密度が8W/cm
2以下であれば、プラズマ照射熱による透光性樹脂シート11の変形を抑制できる。なお、「電力面密度」とは、一対の対向電極間に投入する電力をプラズマと接している電極の表面積で割った値である。
【0050】
透光性樹脂シート11をプラズマに曝す時間、すなわちプラズマによる照射時間は、印加電圧、電力面密度等によって異なるが、通常、60秒間以下が好ましい。処理時間がこのような範囲であると、プラズマ照射熱による透光性樹脂シート11の変形が抑制される傾向にある。
【0051】
放電室66内の空間の幅(透光性樹脂シートの幅方向の長さ)は、透光性樹脂シート11の幅方向の両側に10〜30mmずつのスペースができるように設定されることが好ましい。すなわち、放電室66内の空間の幅は、透光性樹脂シート11の幅に20〜60mmを加えた長さであることが好ましい。放電室66内の空間の幅は、該幅方向の両側に設けられたスペーサー等により調節することができる。
【0052】
なお、
図2では、プラズマ処理を大気圧にて行なう場合を示しているため、放電室612内の圧力を調整する圧力調整手段は図示されていないが、0.1〜110kPaの範囲内であって、大気圧以外の圧力下にてプラズマ処理を行う場合には、真空ポンプや減圧弁等の圧力調整手段を設けて、適宜所望の圧力に調整すればよい。
【0053】
(S3:パターン印刷ステップ)
上記のように撥液処理された透光性樹脂シートの背面(印刷面)に、インクジェット方式の印刷機を用いて、反射ドットをパターン印刷する。
【0054】
大気圧プラズマ処理を終えた後、インクジェット印刷装置のステージに移載された基板にドットパターンが印刷され、その後の紫外線照射装置によりインクが硬化される。
【0055】
上述のインクジェット式印刷機を用いたパターン印刷に用いられるインクは光硬化型のインクであり、このましくは紫外線(UV)硬化型のインクである。インクは、顔料を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。インクは、光重合性成分と、光重合開始剤とを含有することが好ましい。
【0056】
なお、インクは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、顔料、光重合性成分および光重合開始剤以外の成分を含有していてもよい。
【0057】
また、光源から導光板に入射する光を反射ドットで上方向に反射させるため、より反射効率の良くなる屈折率を有するインク材料を選定することが好ましい。さらに、組み立て時、運送時およびエンドユーザでの使用時でも導光板から反射ドットが剥離しないために、インクの材料は透光性樹脂シートとの十分な密着性を有することが好ましい。
【0058】
以上のようにして、反射ドットとなるパターンが印刷された透光性樹脂シートは、印刷ステージ上から、移載装置により再び搬送装置上に移載される。
【0059】
(S4:パターン硬化ステップ)
透光性樹脂シートの背面に印刷されたインクは、UVランプからのUV照射により硬化される。これにより、硬化したインクからなる反射ドットが形成された導光板が得られる。硬化の目的は、透光性樹脂シート上に形成された反射ドットの形状を保つことと、透光性樹脂シートからの反射ドットの剥がれを防ぐことである。
【0060】
以上で説明したとおり、本発明の導光板の製造方法においては、インクを撥液処理された背面(印刷面)11bに印刷することから、反射ドット12同士の連結が抑制される。これにより、複数の反射ドット12を高精度で所望のパターンに配置することができる。したがって、光源91から導光板1に供給される光を光出射面11aから効率的に取り出すことができ、その結果、導光板1の光出射面11aから光をより高い輝度で出射できる。また、光出射面11aからほぼ均一に光を出射させることも可能となる。
【実施例】
【0061】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0062】
(実施例1)
(1) 透光性樹脂シートの準備
本実施例においては、透光性樹脂シートとして、717mm×411mmのPMMA樹脂シート(厚さ3mm)を使用した。なお、このPMMA樹脂シートの両面には、マスキングフィルム(剥離可能な保護フィルム)が貼り付けられている。
【0063】
上記実施形態と同様に、PMMA樹脂シートの一方の面からマスキングフィルムを剥離し、露出したPMMA樹脂シートの表面(背面)、および、マスキングフィルムが貼り付けられたままである他方の面(光出射面)に対して、エアー洗浄を行った後、大気圧プラズマ処理により撥液処理を施した。具体的なプラズマ処理装置の構成および処理条件は、以下のとおりである。
【0064】
<プラズマ処理装置の構成および処理条件>
図2に示したようなプラズマ処理装置を大気圧下にて使用した。すなわち、放電室に、透光性樹脂シートの搬送方向に順に、透光性樹脂シート導入口、二対の電極対(上部電極および下部電極)、処理用ガス導入口、透光性樹脂シート導出口が設けられているプラズマ処理装置を使用した。
【0065】
プラズマ処理装置において、放電室内の空間の幅(透光性樹脂シートの幅方向の長さ)は、透光性樹脂シートの幅方向の両側に20mmずつのスペースができるように、757mm(717mm+20mm×2)に設定した。なお、放電室内の搬送方向の長さは420mm、幅は960mm、高さは82mmであり、放電室内の空間の幅は、該幅方向の両側に設けられたスペーサー(長さ420mm、幅290mm)により調節した。
【0066】
使用したプラズマ処理装置において、透光性樹脂シート導入口から搬送方向上流側の電極対の中心までの距離は350mmであり、搬送方向上流側の電極対と搬送方向下流側の電極対との中心間距離は110mmであり、搬送方向下流側の電極対の中心から透光性樹脂シート導出口までの距離は350mmとした。透光性樹脂シート導入口および透光性シート導出口の高さは、透光性樹脂シートの上面から7mmとした。各電極対において、上部電極63aと下部電極63bとの間隔は5mmとした。
【0067】
処理用ガスとして、ArガスおよびCF
4ガスからなる混合ガスを使用し、Arガスが340L/分、CF
4ガスが3.4L/分の割合で、放電室内に供給されるようにした。このとき、CF
4ガスに対するArガスの比率は1.0体積%である。なお、処理用ガスは、2つの電極対のうち、搬送方向の下流側の電極対のさらに下流側から鉛直方向下向きに供給した。
【0068】
透光性樹脂シートは搬送速度10m/分で搬送し、上部電極63aと下部電極63bに、電源から供給される電力面密度は約0.5W/cm
2とした。
【0069】
(3)導光板の製造
上記のようにして準備したPMMA樹脂シート(透光性樹脂シート)と紫外線硬化型インクとを用いて、導光板を製造した。
【0070】
具体的には、まず、PMMA樹脂シートの撥液処理された面に紫外線硬化型インクを、インクジェット印刷によってパターン印刷した。次いで、印刷されたインクに紫外線を照射し、インクを光硬化させて反射ドットを形成した。その結果、複数の反射ドットを有する導光板を得た。パターン印刷条件および紫外線照射条件は以下のとおりである。なお、ドットパターンにおけるドット同士の間隔は、1mmとした。
【0071】
(比較例1)
撥液処理において、実施例1で用いた
図2に示すプラズマ処理装置とは、処理用ガス供給口のみが異なるプラズマ処理装置を用いた点以外、その他の条件は実施例1と同様とし、複数の反射ドットを有する導光板を得た。
【0072】
比較例1では、2つの電極対(電極63a、63bよりなる電極対)より搬送方向の上流側の仕切り板上に処理用ガス供給口を設けたプラズマ処理装置を用いた。処理用ガス供給口からは、鉛直方向下向きに処理用ガスを供給した。
【0073】
(評価)
実施例1、比較例1の導光板について、波ムラ、縁ムラの評価を次の通りに行なった。表1に評価結果を表わす。
【0074】
<波ムラ評価>
目視により波ムラを評価した。
【0075】
<縁ムラ評価>
目視により縁ムラを評価した。
【0076】
【表1】
【0077】
表1に示す結果より、実施例1によると、良好な撥液処理が施され、波ムラ、縁ムラがほとんど発生しない導光板が得られた。