【実施例】
【0019】
図1は、本発明に係るソースドライバを搭載した有機EL表示装置の概略構成を示す図である。
【0020】
図1において、コントロール基板1には、夫々が個別のICチップからなるパネルコントローラ10及び電源回路11が設置されている。
【0021】
表示基板2の表面には、有機EL表示パネルとしての表示パネル20、走査ドライバ21及びソースドライバ22が設置されている。尚、表示基板2は、フィルム状の基板、或いはガラス基板からなる。表示パネル20には、夫々が2次元画面の水平方向に伸張するn個(nは2以上の自然数)の走査ラインC
1〜C
nと、夫々が2次元画面の垂直方向に伸張するm個(mは2以上の自然数)のソースラインS
1〜S
mとが設けられており、走査ラインC及びソースラインSの各交叉部には、画素を担う有機ELセルが形成されている。
【0022】
コントロール基板1に形成されている電源回路11は、基準階調電圧(後述する)を生成する為の高電位側の電源電圧VH及び低電位側の電源電圧VLを生成し、夫々を表示基板2のソースドライバ22に供給する。コントロール基板1に形成されているパネルコントローラ10は、入力映像信号に応じて、表示パネル20の走査ラインC
1〜C
nを順次択一的に選択させるべき走査制御信号を生成し、これを表示基板2に設置されている走査ドライバ21に供給する。走査ドライバ21は、走査制御信号に応じて表示パネル20の走査ラインC
1〜C
nに対して順次択一的に走査パルスを印加する。また、パネルコントローラ10は、入力映像信号に基づき、各画素毎の輝度レベルを表す画素データPDを生成する。この際、表示パネル20における1表示ライン分(m個)の画素データPD
1〜PD
mの生成が為される度に、パネルコントローラ10は、画素データPD
1〜PD
mを、PD
1〜PD
k(k=m/3)、PD
k+1〜PD
2k、及びPD
2k+1〜PD
mなる3つの分割画素データ系列に分割する。そして、パネルコントローラ10は、3系統分の分割画素データ系列PD
1〜PD
k、PD
k+1〜PD
2k、及びPD
2k+1〜PD
mを、夫々個別にソースドライバ22に供給する。更に、コントロール基板1には、赤色基準階調電圧群GMA
R(後述する)を供給する為の基準階調電圧供給ライン群12
R、緑色基準階調電圧群GMA
G(後述する)を供給する為の基準階調電圧供給ライン群12
G、及び青色基準階調電圧群GMA
G(後述する)を供給する為の基準階調電圧供給12
Bが夫々プリント配線されている。尚、基準階調電圧供給ライン群12
R、12
G及び12
Bの各々は、表示パネル20の画面水平方向に伸長する形態にてコントロール基板1にプリント配線されている。
【0023】
尚、上述したようにコントロール基板1で生成された走査制御信号、画素データPD
1〜PD
m、電源電圧VH及び電源電圧VLは、後述するFPC(Flexible printed circuits)を介して表示基板2側に供給される。又、コントロール基板1上にプリント配線されている基準階調電圧供給ライン群12
R、12
G、12
B各々も、かかるFPCを介して表示基板2側に接続されている。
【0024】
表示基板2の表面上に設けられているソースドライバ22は、
図1に示す如く、夫々が独立した矩形状のシリコン基板上に形成されているソースドライバICチップからなる3つのソースドライバ22
1〜22
3によって分割構築されている。
【0025】
ソースドライバ22
1は、パネルコントローラ10から供給された分割画素データ系列PD
1〜PD
kを各画素毎に順次取り込み、各画素データPDにて示される輝度レベルに対応した階調電圧を有するk個の駆動パルス(後述する)を生成し、夫々を表示パネル20のソースラインS
1〜S
kに印加する。ソースドライバ22
2は、パネルコントローラ10から供給された分割画素データ系列PD
k+1〜PD
2kを各画素毎に順次取り込み、各画素データPDにて示される輝度レベルに対応した階調電圧を有するk個の駆動パルスを生成し、夫々を表示パネル20のソースラインS
k+1〜S
2kに印加する。ソースドライバ22
3は、パネルコントローラ10から供給された分割画素データ系列PD
2k+1〜PD
mを各画素毎に順次取り込み、各画素データPDにて示される輝度レベルに対応した階調電圧を有するk個の駆動パルスを生成し、夫々を表示パネル20のソースラインS
2k+1〜S
mに印加する。
【0026】
ソースドライバ22
1〜22
3の各々は、
図2に示すように夫々が同一の内部構成を有する。尚、以降、外部端子、中継端子、入力又は出力バッファを含む接続部を「パッド」と称する。
【0027】
図2において、基準階調電圧生成部220は、電源パッドPA2を介して入力された電源電圧VH、及び電源パッドPA3を介して入力された電源電圧VLに基づき、夫々が9種類の電圧からなる赤色画素用の基準階調電圧V1
R〜V9
R、緑色画素用の基準階調電圧V1
G〜V9
G、及び青色画素用の基準階調電圧V1
B〜V9
Bを生成する。この際、基準階調電圧生成部220は、パッド群PA1を介して入力されたアドレスA
0−3に基づき、上記した基準階調電圧V1
R〜V9
R、V1
G〜V9
G、及びV1
B〜V9
Bの内の1の電圧群を選択する。この際、基準階調電圧V1
R〜V9
Rを選択した場合には、基準階調電圧生成部220は、この選択した基準階調電圧V1
R〜V9
Rを夫々個別に増幅したものを赤色基準階調電圧群GMA
Rとし、これをパッド群PA4を介してチップ外部に出力する。また、基準階調電圧V1
G〜V9
Gを選択した場合には、基準階調電圧生成部220は、この選択した基準階調電圧V1
G〜V9
Gを夫々個別に増幅したものを緑色基準階調電圧群GMA
Gとし、これをパッド群PA4を介してチップ外部に出力する。また、基準階調電圧V1
B〜V9
Bを選択した場合には、基準階調電圧生成部220は、この選択した基準階調電圧V1
B〜V9
Bを夫々個別に増幅したものを青色基準階調電圧群GMA
Bとし、これをパッド群PA4を介してチップ外部に出力する。
【0028】
図3は、かかる基準階調電圧生成部220の内部構成の一例を示す図である。
【0029】
図3において、分圧抵抗回路2201は、直列に接続された10個の抵抗R1〜R10からなる。分圧抵抗回路2201の抵抗R1の一端にはデマルチプレクサ2200の出力端子Aが接続されており、分圧抵抗回路2201の抵抗R10の一端には上記電源電圧VLが固定供給されている。この際、デマルチプレクサ2200を介して上記電源電圧VHが分圧抵抗回路2201の抵抗R1の一端に供給されると、抵抗R1〜R10における各抵抗同士の接続点から、赤色画素用のガンマ特性に基づく電圧を有する基準階調電圧V1
R〜V9
Rが生成される。
【0030】
分圧抵抗回路2202は、直列に接続された10個の抵抗R21〜R30からなる。分圧抵抗回路2202の抵抗R21の一端にはデマルチプレクサ2200の出力端子Bが接続されており、分圧抵抗回路2202の抵抗R30の一端には上記電源電圧VLが固定供給されている。この際、デマルチプレクサ2200を介して上記電源電圧VHが分圧抵抗回路2202の抵抗R21の一端に供給されると、抵抗R21〜R30における各抵抗同士の接続点から、緑色画素用のガンマ特性に基づく電圧を有する基準階調電圧V1
G〜V9
Gが生成される。
【0031】
分圧抵抗回路2203は、直列に接続された10個の抵抗R31〜R40からなる。分圧抵抗回路2203の抵抗R31の一端にはデマルチプレクサ2200の出力端子Cが接続されており、分圧抵抗回路2203の抵抗R40の一端には上記電源電圧VLが固定供給されている。この際、デマルチプレクサ2200を介して上記電源電圧VHが分圧抵抗回路2203の抵抗R31の一端に供給されると、抵抗R31〜R40における各抵抗同士の接続点から、青色画素用のガンマ特性に基づく電圧を有する基準階調電圧V1
B〜V9
Bが生成される。
【0032】
デコーダ2205は、アドレスA
0−3が[1000]である場合には、赤色画素用の基準階調電圧を生成させるべき選択信号SELを生成しこれをデマルチプレクサ2200に供給する。また、デコーダ2205は、アドレスA
0−3が[0100]である場合には、緑色画素用の基準階調電圧を生成させるべき選択信号SELを生成しこれをデマルチプレクサ2200に供給する。また、デコーダ2205は、アドレスA
0−3が[0010]である場合には、青色画素用の基準階調電圧を生成させるべき選択信号SELを生成しこれをデマルチプレクサ2200に供給する。
【0033】
デマルチプレクサ2200は、赤色画素用の基準階調電圧を生成させるべき選択信号SELが供給された場合には、その出力端子Aを介して上記電源電圧VHを、分圧抵抗回路2201〜2203の内の2201だけに供給する。よって、この際、分圧抵抗回路2201によって基準階調電圧V1
R〜V9
Rが生成され、これらがオペアンプ2206に供給される。
【0034】
また、デマルチプレクサ2200は、緑色画素用の基準階調電圧を生成させるべき選択信号SELが供給された場合には、その出力端子Bを介して上記電源電圧VHを、分圧抵抗回路2201〜2203の内の2202だけに供給する。よって、この際、分圧抵抗回路2202によって基準階調電圧V1
G〜V9
Gが生成され、これらがオペアンプ2206に供給される。
【0035】
また、デマルチプレクサ2200は、青色画素用の基準階調電圧を生成させるべき選択信号SELが供給された場合には、その出力端子Cを介して上記電源電圧VHを、分圧抵抗回路2201〜2203の内の2203だけに供給する。よって、この際、分圧抵抗回路2203によって基準階調電圧V1
B〜V9
Bが生成され、これらがオペアンプ2206に供給される。
【0036】
なお、上述のデマルチプレクサ2200を選択回路(マルチプレクサ)に置き換えてオペアンプ2206の前段に配置することも可能である。その場合、例えば、電源電圧VHは分圧抵抗回路2201〜2203の夫々に接続されることとなる。
【0037】
オペアンプ2206は、上記した如き基準階調電圧V1
R〜V9
R、V1
G〜V9
G、及びV1
B〜V9
Bからなる3系統分の基準階調電圧の内で、実際に生成された1系統分(9個)の基準階調電圧を夫々個別に増幅する9個のオペアンプからなる。オペアンプ2206は、基準階調電圧V1
R〜V9
Rが生成された場合には夫々を個別に増幅したものを赤色基準階調電圧群GMA
Rとして出力する。また、オペアンプ2206は、基準階調電圧V1
G〜V9
Gが生成された場合には夫々を個別に増幅したものを緑色基準階調電圧群GMA
Gとして出力する。また、オペアンプ2206は、基準階調電圧V1
B〜V9
Bが生成された場合には夫々を個別に増幅したものを青色基準階調電圧群GMA
Bとして出力する。
【0038】
ここで、
図1に示す実施例において、ソースドライバ22
1には[1000]なるアドレスA
0−3が固定入力されている。よって、ソースドライバ22
1に形成されている基準階調電圧生成部220は、
図4に示すように、赤色基準階調電圧群GMA
Rだけを生成してチップ外部に出力し、これをコントロール基板1の基準階調電圧供給ライン群12
R上に送出する。これにより、赤色基準階調電圧群GMA
Rは、
図4に示す如くコントロール基板1に形成されている基準階調電圧供給ライン群12
Rを介して、ソースドライバ22
1〜22
3各々の赤色階調電圧生成部223
Rに供給される。
【0039】
また、ソースドライバ22
2には[0100]なるアドレスA
0−3が固定入力されている。よって、ソースドライバ22
2に形成されている基準階調電圧生成部220は、
図4に示すように、緑色基準階調電圧群GMA
Gだけを生成してチップ外部に出力し、これをコントロール基板1の基準階調電圧供給ライン群12
G上に送出する。これにより、緑色基準階調電圧群GMA
Gは、
図4に示す如くコントロール基板1に形成されている基準階調電圧供給ライン群12
Gを介して、ソースドライバ22
1〜22
3各々の緑色階調電圧生成部223
Gに供給される。
【0040】
また、ソースドライバ22
3には[0010]なるアドレスA
0−3が固定入力されている。よって、ソースドライバ22
3に形成されている基準階調電圧生成部220は、
図4に示すように、青色基準階調電圧群GMA
Bだけを生成してチップ外部に出力し、これをコントロール基板1の基準階調電圧供給ライン群12
B上に送出する。これにより、青色基準階調電圧群GMA
Bは、
図4に示す如くコントロール基板1に形成されている基準階調電圧供給ライン群12
Bを介して、ソースドライバ22
1〜22
3各々の青色階調電圧生成部223
Bに供給される。
【0041】
このように、基準階調電圧生成部220は、外部入力されたガンマ特性設定信号としてのアドレスA
0−3により、
赤色画素用の第1ガンマ特性に基づく基準階調電圧V1
R〜V9
R(GMA
R)、
緑青色画素用の第2ガンマ特性に基づく基準階調電圧V1
G〜V9
G(GMA
G)、
青色画素用の第3ガンマ特性に基づく基準階調電圧V1
B〜V9
B(GMA
B)、
の内のいずれか1系統分の基準階調電圧を生成する。
【0042】
よって、ソースドライバ22
1〜22
3各々に搭載されている基準階調電圧生成部220は夫々異なるガンマ特性に基づく基準階調電圧を生成するものの、その内部構成(
図2に示す)は全て同一である。従って、ソースドライバ22
1〜22
3の各々を共通のマスクパターンで製造することができるので、システム全体の製造コストを抑えることが可能となる。
【0043】
シフトレジスタラッチ部221は、パッド群PA9を介して入力された分割画素データ系列中における各画素データPDを順次取り込み、k個(k=m/3)分の取り込みが終了する度に、これらk個の画素データPDを画素データP
1〜P
kとして同時にD/A変換部222に供給する。
【0044】
赤色階調電圧生成部223
Rは、コントロール基板1から供給された赤色基準階調電圧群GMA
Rをパッド群PA6を介して取り込み、このGMA
Rによる基準階調電圧V1
R〜V9
Rに基づき、赤色用のガンマ特性に基づく256階調分の赤色用階調電圧VR
1〜VR
256を生成してD/A変換部222に供給する。緑色階調電圧生成部223
Gは、コントロール基板1から供給された緑色基準階調電圧群GMA
Gをパッド群PA7を介して取り込み、このGMA
Gによる基準階調電圧V1
G〜V9
Gに基づき、緑色用のガンマ特性に基づく256階調分の緑色用階調電圧VG
1〜VG
256を生成してD/A変換部222に供給する。青色階調電圧生成部223
Bは、コントロール基板1から供給された青色基準階調電圧群GMA
Bをパッド群PA8を介して取り込み、このGMA
Bによる基準階調電圧V1
B〜V9
Bに基づき、青色用のガンマ特性に基づく256階調分の青色用階調電圧VB
1〜VB
256を生成してD/A変換部222に供給する。尚、上記実施例では、256階調分の階調電圧を用いているが、256階調以上の階調電圧、或いは256階調未満の階調電圧を用いるようにしても良い。
【0045】
D/A変換部222は、画素データP
1〜P
kの内の赤色画素に対応した画素データP
1、P
4、P
7、・・・、P
(k−2)の各々毎に、その画素データPによって表される輝度レベルに対応した階調電圧を赤色用階調電圧VR
1〜VR
256の中から1つ選出し、夫々を階調輝度電圧B
1、B
4、B
7、・・・、B
(k−2)として出力アンプ224に供給する。また、D/A変換部222は、画素データP
1〜P
kの内の緑色画素に対応した画素データP
2、P
5、P
8、・・・、P
(k−1)の各々毎に、その画素データPによって表される輝度レベルに対応した階調電圧を緑色用階調電圧VG
1〜VG
256の中から1つ選出し、夫々を階調輝度電圧B
2、B
5、B
8、・・・、B
(k−1)として出力アンプ224に供給する。また、D/A変換部222は、画素データP
1〜P
kの内の青色画素に対応した画素データP
3、P
6、P
9、・・・、P
kの各々毎に、その画素データPによって表される輝度レベルに対応した階調電圧を青色用階調電圧VB
1〜VB
256の中から1つ選出し、夫々を階調輝度電圧B
3、B
6、B
9、・・・、B
kとして出力アンプ224に供給する。
【0046】
出力アンプ224は、上述したようにD/A変換部222から供給された階調輝度電圧B
1〜B
kを夫々増幅したものを駆動パルスD
1〜D
kとして出力する。この際、
図1に示すソースドライバ22
1に形成されている出力アンプ224は、これら駆動パルスD
1〜D
kを夫々表示パネル20のソースラインS
1〜S
kに印加する。また、ソースドライバ22
2に形成されている出力アンプ224は、これら駆動パルスD
1〜D
kを夫々表示パネル20のソースラインS
k+1〜S
2kに印加する。また、ソースドライバ22
3に形成されている出力アンプ224は、これら駆動パルスD
1〜D
kを夫々表示パネル20のソースラインS
2k+1〜S
mに印加する。
【0047】
以上の如く、
図1に示される有機EL表示装置では、入力映像信号によって表される輝度レベルに対応した階調電圧を有する駆動パルスDを表示パネル20のソースラインSに印加するソースドライバ22を、夫々が独立したICチップである3つのソースドライバ22
1〜22
3に分割して構築している。ここで、ソースドライバ22内において、階調電圧の基準となる各色(赤、緑、青)毎のガンマ特性に基づく赤色基準階調電圧群GMA
R、緑色基準階調電圧群GMA
G及び青色基準階調電圧群GMA
Bを生成するにあたり、ソースドライバ22
1には赤色基準階調電圧群GMA
Rだけを生成する基準階調電圧生成部220を設ける。また、ソースドライバ22
2には緑色基準階調電圧群GMA
Gだけを生成する基準階調電圧生成部220を設け、ソースドライバ22
3には青色基準階調電圧群GMA
Bだけを生成する基準階調電圧生成部220を設けるようにしている。そして、
図4に示す如く、ソースドライバ22
1の基準階調電圧生成部220で生成されたGMA
Rを一旦、チップ外部に出力し、これをコントロール基板1上にプリント配線されている基準階調電圧供給ライン群12
Rを介して、ソースドライバ22
1〜22
3各々に形成されている赤色階調電圧生成部223
Rに供給する。また、ソースドライバ22
2の基準階調電圧生成部220で生成されたGMA
Gを一旦、チップ外部に出力し、これをコントロール基板1上にプリント配線されている基準階調電圧供給ライン群12
Gを介して、ソースドライバ22
1〜22
3各々に形成されている緑色階調電圧生成部223
Gに供給する。更に、ソースドライバ22
3の基準階調電圧生成部220で生成されたGMA
Bを一旦、チップ外部に出力し、これをコントロール基板1上にプリント配線されている基準階調電圧供給ライン群12
Bを介して、ソースドライバ22
1〜22
3各々に形成されている青色階調電圧生成部223
Bに供給するようにしている。
【0048】
要するに、入力映像信号の輝度レベルに対するガンマ特性が夫々異なる赤色基準階調電圧群GMA
R、緑色基準階調電圧群GMA
G及び青色基準階調電圧群GMA
Bを生成するのに必要となる3系統分の基準階調電圧生成部を、1系統分ずつ分散してソースドライバ22
1〜22
3の各々に搭載することと等価になるのである。そして、ソースドライバ22
1〜22
3毎に生成したGMA
R、GMA
G及びGMA
Bを一旦、チップ外部に出力し、これをコントロール基板1の基準階調電圧供給ライン群12
R、12
G及び12
Bを介して、ソースドライバ22
1〜22
3各々の赤色階調電圧生成部223
R、青色階調電圧生成部223
B及び緑色階調電圧生成部223
Gに供給するのである。
【0049】
かかる構成によれば、基準階調電圧生成部220がソースドライバ内に搭載されているので、システム全体のコストを低下させることが可能となる。
【0050】
又、上記した構成によれば、
図3に示す如く、赤色基準階調電圧群GMA
R、緑色基準階調電圧群GMA
G及び青色基準階調電圧群GMA
Bを夫々生成するのに必要となる3系統分のオペアンプ2206が1系統分ずつ分散してソースドライバ22
1〜22
3各々に搭載されることになる。
【0051】
よって、3系統分のオペアンプ2206が各ソースドライバに搭載される場合に比して、ソースドライバ各々のチップサイズが小さくなると共に、各ソースドライバの電力消費量及び発熱量を低下させることが可能となる。
【0052】
更に、
図1に示す構成では、ソースドライバ22
1〜22
3各々の内の1つに搭載されている基準階調電圧生成部220で生成された基準階調電圧群(GMA
R、GMA
G又はGMA
B)を、ソースドライバ22
1〜22
3各々で共有して用いるようにしている。この際、赤色基準階調電圧群GMA
Rを生成する基準階調電圧生成部220に含まれるオペアンプ2206は、ソースドライバ22
1〜22
3各々の内の22
1だけに搭載されている。また、緑色基準階調電圧群GMA
Gを生成する基準階調電圧生成部220に含まれるオペアンプ2206は、ソースドライバ22
1〜22
3各々の内の22
2だけに搭載されている。また、緑色基準階調電圧群GMA
Bを生成する基準階調電圧生成部220に含まれるオペアンプ2206は、ソースドライバ22
1〜22
3各々の内の22
3だけに搭載されている。
【0053】
よって、例えソースドライバ22
1〜22
3各々間でオペアンプ2206のオフセット電圧にずれが生じていても、夫々ガンマ特性が異なる各色(赤、緑、青)単位では、1の基準階調電圧生成部220で生成されたものであるため、ソースドライバ22
1〜22
3各々間でその影響を基準階調電圧群(GMA
R、GMA
G又はGMA
B)が受けることはない。これにより、表示パネル20に表示される画像内でのちらつきを防止することが可能となる。
【0054】
尚、上記実施例におけるソースドライバ22
1(22
2、22
3)では、基準階調電圧生成部220で生成した赤色基準階調電圧群GMA
R(GMA
G、GMA
B)を、
図4に示す如くコントロール基板1側の基準階調電圧供給ライン群12
R(12
G、12
B)を経由させてから自身の赤色階調電圧生成部223
R(223
G、223
B)に供給するようにしている。しかしながら、ソースドライバ22
1(22
2、22
3)の基準階調電圧生成部220で生成した赤色基準階調電圧群GMA
R(GMA
G、GMA
B)を、
図5に示すように、このソースドライバ22
1(22
2、22
3)内の配線をもって自身の赤色階調電圧生成部223
R(223
G、223
B)に供給するようにしても良い。
【0055】
図5に示す構成によれば、
図4に示す構成に比して、各ソースドライバ22
1〜22
3に設けるべきパッド群PAの数が少なくなる。
【0056】
又、上記実施例では、ソースドライバ22を3つのソースドライバ22
1〜22
3で分割して構築させる場合を例にとってその構成を説明したが、4つ以上のソースドライバに分割して構築する場合にも同様に適用可能である。
【0057】
図6は、ソースドライバ22を4つのソースドライバ22
1〜22
4で分割構築させる場合の構成の一例を示す図である。
【0058】
尚、
図6に示す構成では、表示パネル20のソースラインS
1〜S
mを4つのソースドライバ22
1〜22
4で分割して駆動する点を除く他の構成は、
図1に示すものと同一である。
【0059】
ただし、
図6に示す構成においてパネルコントローラ10は、入力映像信号に基づいて生成された1表示ライン分の画素データPD
1〜PD
mを、PD
1〜PD
k(k=m/4)、PD
k+1〜PD
2k、PD
2k+1〜PD
3k、及びPD
3k+1〜PD
mなる4つの分割画素データ系列に分割する。パネルコントローラ10は、分割画素データ系列PD
1〜PD
kをソースドライバ22
1、PD
k+1〜PD
2kをソースドライバ22
2、PD
2k+1〜PD
3kをソースドライバ22
3、PD
3k+1〜PD
mをソースドライバ22
4に夫々供給する。尚、ソースドライバ22
1〜22
4は、全て同一の内部構成(
図2に示す)を有する。
【0060】
よって、ソースドライバ22
1は、画素データPD
1〜PD
k各々に対応した駆動パルスD
1〜D
kを生成し、夫々を表示パネル20のソースラインS
1〜S
kに印加する。また、ソースドライバ22
2は、画素データPD
k+1〜PD
2k各々に対応した駆動パルスD
1〜D
kを生成し、夫々を表示パネル20のソースラインS
k+1〜S
2kに印加する。また、ソースドライバ22
3は、画素データPD
2k+1〜PD
3k各々に対応した駆動パルスD
1〜D
kを生成し、夫々を表示パネル20のソースラインS
2k+1〜S
3kに印加する。また、ソースドライバ22
4は、画素データPD
3k+1〜PD
m各々に対応した駆動パルスD
1〜D
kを生成し、夫々を表示パネル20のソースラインS
3k+1〜S
mに印加する。
【0061】
尚、
図6に示す構成では、
図1に示す構成と同様に、ソースドライバ22
1には[1000]なるアドレスA
0−3が固定入力されており、ソースドライバ22
2には[0100]なるアドレスA
0−3が固定入力されており、ソースドライバ22
3には[0010]なるアドレスA
0−3が固定入力されている。よって、
図1に示す構成と同様に、ソースドライバ22
1が全てのソースドライバ22
1〜22
4に対する赤色基準階調電圧群GMA
Rの供給元、ソースドライバ22
2が全ソースドライバ22
1〜22
4に対する緑色基準階調電圧群GMA
Gの供給元、ソースドライバ22
3が全ソースドライバ22
1〜22
4に対する青色基準階調電圧群GMA
Bの供給元となる。この際、
図6に示す構成においては、ソースドライバ22
4には、アドレスA
0−3、電源電圧VH及びVL各々の供給が為されていない。すなわち、ソースドライバ22
4では、上記した如きアドレスA
0−3、電源電圧VH及びVL各々を入力する為のパッド群PA1、電源パッドPA2及びPA3を空き状態にしておくのである。この際、ソースドライバ22
4には、電源電圧VH及びVLの供給が為されないので、このソースドライバ22
4に搭載されている基準階調電圧生成部220は動作停止状態となる。つまり、ソースドライバ22
4では基準階調電圧の生成を行う必要が無いので、アドレスA
0−3、電源電圧VH及びVL各々用のパッド群PA1、電源パッドPA2及びPA3を空き状態にすることにより基準階調電圧生成部220の動作を停止させて、電力消費を抑えるのである。
【0062】
尚、上記実施例においては、RGBの3色の画素を用いた有機EL表示装置に適用した場合の構成を一例にとって本発明に係るソースドライバについて説明したが、4色、或いはそれ以上の種類の色の画素を用いた有機EL表示装置に対しても同様に適用可能である。例えば、RGB以外に黄色に発光する画素を含む表示パネルを駆動する場合には、ソースドライバ22を4つのソースドライバに分割構築し、各ソースドライバ内に黄色用のガンマ特性に基づく256階調分の黄色用階調電圧を生成する黄色階調電圧生成部223を追加する。この際、4つのソースドライバ各々の内の1つに、黄色画素用の基準階調電圧各々を生成する基準階調電圧生成部220を搭載する。更に、コントロール基板1に、黄色画素用の基準階調電圧を伝送する為の基準階調電圧供給ライン群12
Yを設け、この基準階調電圧供給ライン群12
Yを介して、4つのソースドライバ各々に黄色画素用の基準階調電圧を供給するようにする。
【0063】
また、ソースドライバ22
4では基準階調電圧の生成を行う必要が無いので、アドレスA
0−3に[0000]を割り当ててオペアンプ2206の動作を停止させることも可能であり、また、アドレスA
0−3にソースドライバ22
1〜22
3のいずれかと同様の設定にして並列に基準階調電圧を生成させることも可能である。電源電圧VH及びVLについても空き状態とせず、グランド電位等の固定電位とすることも可能である。
【0064】
次に、夫々が独立したICチップとしての各ソースドライバ22
1〜22
3内での各機能ブロックの配置及び配線形態、並びにコントロール基板1と各ソースドライバ22
1〜22
3との接続形態について、ソースドライバ22
1を抜粋して説明する。
【0065】
図7は、COG(Chip On Glass)の形態でソースドライバ22
1、22
2、及び22
3が表示基板2上に形成される場合、つまり表示基板2がガラス基板である場合に適用される、ソースドライバ22
1のチップ内部の機能ブロック配置及び配線を示すレイアウト図である。
【0066】
図7に示すように、チップ内において、機能ブロックとしてのシフトレジスタラッチ部221、D/A変換部222及び出力アンプ224は、夫々駆動パルスD
1〜D
kの内のD
1〜D
k/2の生成を担う部分と、D
(k/2+1)〜D
kの生成を担う部分とに2分割されて配置される。
【0067】
すなわち、チップの中心よりも表示パネル20の画面水平方向において左側の領域に、入力映像信号に応じて駆動パルスD
1〜D
k/2を生成して表示パネル20のソースラインS
1〜S
k/2に印加する第1駆動部としてのシフトレジスタラッチ部221a、D/A変換部222a及び出力アンプ224aが形成されている。又、チップの中心よりも画面水平方向において右側の領域に、入力映像信号に応じて駆動パルスD
(k/2+1)〜D
kを生成して表示パネル20のソースラインS
(k/2+1)〜S
kに印加する第2駆動部としてのシフトレジスタラッチ部221b、D/A変換部222b及び出力アンプ224bが形成されている。そして、シフトレジスタラッチ部221a、D/A変換部222a及び出力アンプ224aの形成領域と、シフトレジスタラッチ部221b、D/A変換部222b及び出力アンプ224bの形成領域との間に挟まれた中間領域、すなわちチップの中央領域には基準階調電圧生成部220が形成されている。この中間領域において、基準階調電圧生成部220よりも表示パネル20側に近い位置に、赤色階調電圧生成部223
R、緑色階調電圧生成部223
G及び青色階調電圧生成部223
Bが形成されている。更に、この中間領域において、基準階調電圧生成部220よりもコントロール基板1側に近い位置に、データ分離部260が構築されている。
【0068】
又、
図7に示すように、チップの4つの辺縁部の内でコントロール基板1側の辺縁部には、上記した電源パッドPA2及びPA3、パッド群PA4〜PA9が形成されている。すなわち、上記したソースドライバ22が形成されている
図8(a)に示す如きチップ3の底面において、コントロール基板1側の辺縁部に沿って電源パッドPA2及びPA3、パッド群PA4〜PA9が形成されている。尚、パッド群とは、複数の入出力パッドが配置されたものを示す。
図7において、画素データPDを入力する為のパッド群PA9は、チップ辺縁部における中央位置に配置されている。電源電圧VH及びVLを夫々入力する為の電源パッドPA2及びPA3が、パッド群PA9の左右に夫々隣接して配置されている。緑色基準階調電圧群GMA
Gを入力する為のパッド群PA7は、電源パッドPA2に隣接した位置においてこの電源パッドPA2よりも上記中央位置から離れた位置に配置されている。青色基準階調電圧群GMA
Bを入力する為のパッド群PA8は、パッド群PA7に隣接した位置においてこのパッド群PA7よりも上記中央位置から離れた位置に配置されている。基準階調電圧生成部220によって生成された基準階調電圧群(GMA
R、GMA
G又はGMA
B)を外部出力する為のパッド群PA4は、電源パッドPA3に隣接した位置においてこの電源パッドPA3よりも上記中央位置から離れた位置に配置されている。赤色基準階調電圧群GMA
Rを入力する為のパッド群PA6は、パッド群PA4に隣接した位置においてこのパッド群PA4よりも上記中央位置から離れた位置に配置されている。
【0069】
これら電源パッドPA2、PA3、パッド群PA4〜PA9は、
図8(b)に示す如くコントロール基板1及び表示基板2同士を結合するFPC(Flexible printed circuits)4と、表示基板2の表面(又は基板内)とに形成されている金属ライン群(PL2〜4、PL6〜PL9)を介して、コントロール基板1に形成されている電源回路11、パネルコントローラ10、基準階調電圧供給ライン群12
R、12
G、12
Bに接続されている。
【0070】
すなわち、パッド群PA9は、FPC4及び表示基板2内に配線されている金属ライン群PL9を介してパネルコントローラ10に接続されている。上記電源パッドPA2及びPA3の各々は、FPC4及び表示基板2内に配線されている金属ラインPL2及びPL3を夫々介して電源回路11に接続されている。パッド群PA4は、FPC4及び表示基板2内に配線されている金属ライン群PL4を介して、
図8(c)に示す如き多層基板としてのコントロール基板1の第1基板層K1に形成されている基準階調電圧供給ライン群12
Rに接続されている。パッド群PA6は、FPC4及び表示基板2内に配線されている金属ライン群PL6を介して、
図8(c)に示す如きコントロール基板1の第1基板層K1に形成されている基準階調電圧供給ライン群12
Rに接続されている。パッド群PA7は、FPC4及び表示基板2内に配線されている金属ライン群PL7を介して、
図8(c)に示す如きコントロール基板1の第2基板層K2に形成されている基準階調電圧供給ライン群12
Gに接続されている。パッド群PA8は、FPC4及び表示基板2内に配線されている金属ライン群PL8を介して、
図8(c)に示す如きコントロール基板1の第3基板層K3に形成されている基準階調電圧供給ライン群12
Bに接続されている。なお、ガラス基板である表示基板2として、多層の配線層を有するものを用いる場合は、FPC4やコントロール基板1を使用することなく、このガラス基板上に直接パネルコントローラ10や電源IC11を搭載することも可能である。
【0071】
かかるチップ内において、データ分離部260は、パッド群PA9を介して入力された分割画素データ系列PDを前半部の画素データ系列と後半部の画素データ系列とに分離し、この前半部の画素データ系列をチップ内の第1配線層(図示せぬ)に形成されている金属ライン群L0を介してシフトレジスタラッチ部221aに供給する。また、データ分離部260は、上記した如き後半部の画素データ系列を上記第1配線層に形成されている金属ライン群L1を介してシフトレジスタラッチ部221bに供給する。
【0072】
上記電源パッドPA2を介して入力された電源電圧VHは、上記第1配線層とは異なる第2配線層(図示せぬ)に形成されている金属ラインL2を介して基準階調電圧生成部220に供給される。上記電源パッドPA3を介して入力された電源電圧VLは、上記第2配線層に形成されている金属ラインL3を介して基準階調電圧生成部220に供給される。
【0073】
基準階調電圧生成部220によって生成された基準階調電圧群GMA
R(GMA
G、GMA
B)は、上記第2配線層に形成されている金属ライン群L4を介してパッド群PA4に送出される。
【0074】
パッド群PA6を介して入力された赤色基準階調電圧群GMA
Rは、上記第2配線層に形成されている金属ライン群L6を介して赤色階調電圧生成部223
Rに供給される。パッド群PA7を介して入力された緑色基準階調電圧群GMA
Gは、上記第2配線層に形成されている金属ライン群L7を介して緑色階調電圧生成部223
Gに供給される。パッド群PA8を介して入力された青色基準階調電圧群GMA
Bは、上記第2配線層に形成されている金属ライン群L8を介して青色階調電圧生成部223
Bに供給される。
【0075】
赤色階調電圧生成部223
Rによって生成された赤色用階調電圧VR
1〜VR
256は、上記第1配線層に形成されている金属ライン群L9を介してD/A変換部222a及び222b各々に供給される。緑色階調電圧生成部223
Gによって生成された緑色用階調電圧VG
1〜VG
256は、上記第1配線層に形成されている金属ライン群L10を介してD/A変換部222a及び222b各々に供給される。青色階調電圧生成部223
Bによって生成された青色用階調電圧VB
1〜VB
256は、上記第1配線層に形成されている金属ライン群L11を介してD/A変換部222a及び222b各々に供給される。
【0076】
ここで、
図7に示されるレイアウトでは、低電圧(例えば、3.3ボルト)で動作する低電圧機能ブロック群(260、221a、221b)は、チップ表面上においてコントロール基板1側に区画されている低耐圧用のウェル領域WL1に形成される。一方、表示パネル20のソースラインに印加すべき比較的高い電圧を扱う高電圧機能ブロック群(220、222a、222b、224a、224b、223
R、223
G、223
B)は、チップ表面上において上記ウェル領域WL1よりも表示パネル20側に区画されている高耐圧用のウェル領域WL2に形成される。
【0077】
このように、
図7に示されるレイアウトでは、表示パネル20に印加すべき高電圧を生成する高電圧機能ブロック群をチップ内の表示パネル20側に形成することにより、高電圧機能ブロック群及び表示パネル20間の配線長に伴う電圧ロスを抑えている。
【0078】
尚、
図7に示されるD/A変換部(222a、222b)は、実際には、ソースラインS
1〜S
k各々に対応したk個のD/A変換素子(図示せぬ)が、チップの4つの辺縁部の内の1の辺縁部(表示パネル20側の辺縁部)に沿って夫々配列されたものである。
【0079】
よって、D/A変換部(222a、222b)が
図7に示す如き形態で分割されていないと、ソースラインS
1に対応したD/A変換素子に階調電圧を供給する為の金属ライン群L9〜L11の配線長と、ソースラインS
kに対応したD/A変換素子に階調電圧を供給する為の金属ライン群L9〜L11の配線長との間に大幅な差が生じる。つまり、k個のD/A変換素子各々に対する金属ライン群L9〜L11による最長配線長と、最短配線長との差が大となり、配線抵抗の大幅な差異に伴う輝度変動が生じてしまうのである。
【0080】
そこで、
図7に示されるレイアウトでは、上記D/A変換部を含む駆動部を、チップの4つの辺縁部の内の1の辺縁部に沿って、チップの中心よりも画面水平方向において左側の領域と、右側の領域とに分割して構築し、両者の中間領域に、赤色階調電圧生成部223
R、緑色階調電圧生成部223
G及び青色階調電圧生成部223
Bを形成するようにしている。
【0081】
これにより、k個のD/A変換素子各々に対する金属ライン群L9〜L11による最長配線長と最短配線長との差が小さくなり、輝度変動の低減が図られる。
【0082】
また、
図7に示すレイアウトでは、基準階調電圧生成部220を上記中間領域に形成し、コントロール基板1側のチップ辺縁部の中央位置の左右の位置に夫々設けられた電源パッドPA2及びPA3を介して入力された電源電圧VH及びVLを夫々金属ラインL2及びL3を介して上記基準階調電圧生成部220に供給するようにしている。更に、この基準階調電圧生成部220にて生成された基準階調電圧群(GMA
R、GMA
G又はGMA
B)を、上記パッドPA3よりも画面水平方向において左側に隣接するパッド群PA4を介して外部出力する。
【0083】
すなわち、基準階調電圧生成部220をチップの中央領域に形成し、この基準階調電圧生成部220に供給すべき電源電圧VH及びVLを入力する為の電源パッドPA2及びPA3を、表示パネル側のチップ辺縁部における中央位置を隔てた2つの領域に夫々配置する。そして、この基準階調電圧生成部220によって生成された基準階調電圧群(GMA
R、GMA
G又はGMA
B)を外部出力する為のパッドPA4を電源パッドPA3に隣接した位置に配置することにより、基準階調電圧生成部220及びコントロール基板1間を接続する配線長の短縮化を図り、配線抵抗に起因する電圧ロスを抑制するのである。
【0084】
更に、パッド群PA4よりも画面水平方向において左側に隣接するパッド群PA6を介して入力された赤色基準階調電圧群GMA
Rを金属ライン群L6を介して赤色階調電圧生成部223
Rに供給する。また、上記パッドPA2よりも画面水平方向において右側に隣接するパッド群PA7を介して入力された緑色基準階調電圧群GMA
Gを、金属ライン群L7を介して緑色階調電圧生成部223
Gに供給する。また、パッドPA7よりも画面水平方向において右側に隣接するパッド群PA8を介して入力された青色基準階調電圧群GMA
Bを金属ライン群L8を介して青色階調電圧生成部223
Bに供給するようにしている。
【0085】
以上の如きレイアウトにより、チップ中心に対して画面水平方向において左側の領域に、基準階調電圧群(GMA
R)を伝送する為の2系統分の金属ライン群(L4、L6)及びパッド群(PA4、PA6)が配置されることになる。更に、チップ中心に対して画面水平方向において右側の領域に、基準階調電圧群(GMA
G、GMA
B)を伝送する為の2系統分の金属ライン群(L7、L8)及びパッド群(PA7、PA8)が配置されることになる。
【0086】
これにより、チップ中心に対する左側領域及び右側領域には夫々均等に2系統分の金属ライン群が配線されることになるので、
図7に示す如く、データ分離部260を画面水平方向における中央位置に配置することが可能となる。よって、シフトレジスタ221a及び221bに夫々画素データの供給を行う為の金属ライン群L0の配線長と金属ライン群L1の配線長とを一致,或いは両者の差を小さくすることが可能となる。
【0087】
更に、
図7に示す構成では、各ソースドライバチップ毎に生成されて外部出力された基準階調電圧を、表示パネル20の画面水平方向に伸長する形態にてコントロール基板1にプリント配線されている基準階調電圧供給ライン(12
R、12
G、12
B)を介してソースドライバチップの各々に供給するようにしている。
【0088】
よって、ソースドライバチップ毎に、コントロール基板1に形成されている基準階調電圧供給ラインとの接続をFPCによって行えば良いので、各チップ間を独立したラインで個別に接続する場合に比して製造工程数を減らし、その製造コストを抑制させることが可能となる。
【0089】
図9は、
図7に示されるチップ内部の機能ブロック配置及び配線形態の変形例を示すレイアウト図である。
【0090】
尚、
図9において、各機能ブロック(220、221a、221b、222a、222b、223
R、223
G、223
B、224a、224b、260)及びパッド群PA6〜PA9の配置位置、並びに、金属ライン群L0、L1、L6〜L11各々の配線形態については、
図7及び
図8(a)〜
図8(c)に示されるものと同一である。
【0091】
ただし、
図9に示すレイアウトでは、基準階調電圧生成部220にて生成された基準階調電圧群GMA
Rを外部出力する為のパッド群PA4、基準階調電圧生成部220が用いる電源電圧VH及びVLを入力する為の電源パッドPA2及びPA3を、基準階調電圧生成部220が形成されている領域の下部に設けている。すなわち、これら電源パッドPA2、PA3及びパッド群PA4を
図7に示す如きチップの辺縁部ではなく、このチップ底面における、基準階調電圧生成部220の形成領域に対応した位置に設けるのである。これにより、チップ内においては、
図7に示す如き基準階調電圧生成部220と、電源パッドPA2、PA3及びパッド群PA4各々とを接続する金属ラインL2、L3及び金属ライン群L4が不要となる。
【0092】
このように、
図9に示されるレイアウトでは、基準階調電圧生成部220が形成されている領域の下部に電源パッドPA2、PA3及びパッド群PA4を設けることにより、
図7に示す如きチップ内部の金属配線(L2〜L3)を介すことなく、表示基板2及びFPC4に形成されている金属配線(PL2〜PL4、PL6〜PL9)にてコントロール基板1との接続を行うようにしている。この際、表示基板2及びFPC4に設ける配線としては様々な材料が検討されているが、例えば銅であり、チップ内部の配線に比べ太い配線で形成可能となっている。尚、チップ内部の金属配線(L2〜L3)の材料は銅よりも高抵抗のアルミである。
【0093】
よって、
図9に示す如きレイアウトによれば、
図7に示すレイアウトを採用した場合に比して、配線抵抗に伴う電圧ロスを抑えることが可能となる。尚、電源パッドPA2、PA3及びパッド群PA4と共に、パット群PA6〜8も夫々赤色階調電圧生成部223
R、緑色階調電圧生成部223
G、青色階調電圧生成部223
B各々が形成されている領域の下部に設けるようにしても良い。
【0094】
図10は、
図7に示されるチップ内部の機能ブロック配置及び配線形態の変形例を示すレイアウト図である。
【0095】
尚、
図10に示すレイアウトでは、各色毎の階調電圧生成部(223
R、223
G、223
B)の形成位置と、基準階調電圧生成部220の形成位置とを入れ替え、且つ電源パッドPA2、PA3及びパッド群PA4の形成位置を、表示パネル20側のチップ辺縁部に変更した点を除く他のレイアウト及び配線は
図7及び
図8(a)〜
図8(c)に示すものと同一である。
【0096】
図10に示すレイアウトによれば、基準階調電圧生成部220と、電源パッドPA2、PA3及びパッド群PA4との間のチップ内部での金属配線(L2〜L3)の長さが、
図7に示すレイアウトを採用した場合に比して短くなる。
【0097】
よって、
図7に示すレイアウトを採用した場合に比して、配線抵抗に伴う電圧ロスを抑えることが可能となる。
【0098】
図11は、
図7に示されるチップ内部の機能ブロック配置及び配線形態の変形例を示すレイアウト図である。
【0099】
尚、
図11に示すレイアウトでは、電源パッドPA3と、パッド群PA4との配置位置を互いに入れ替えた点を除く他のレイアウト及び配線は
図7及び
図8(a)〜
図8(c)に示すものと同一である。
図11に示すレイアウトによれば、
図7に示すレイアウトを採用した場合に比べて、基準階調電圧生成部220で生成された基準階調電圧群(GMA)をパッド群PA4まで伝送する金属ライン群L4の配線長が短くなる。従って、基準階調電圧群をコントロール基板1側に送出する際のチップ内部での電圧ロスが大きくなる場合には、
図7に示すレイアウトに代えて
図11に示すレイアウトを採用するのが好ましい。
【0100】
図12は、COF(Chip On Film)の形態でソースドライバ22
1、22
2、及び22
3が形成される場合、つまり表示基板2に接続されている例えばポリイミド (polyimide)等からなるフィルム基板7上に形成されている場合に適用される、ソースドライバ22
1のチップ内部の機能ブロック配置、及び配線形態を示すレイアウト図である。
【0101】
尚、
図12に示すレイアウトでは、各機能ブロック(220、221a、221b、222a、222b、223
R、223
G、223
B、224a、224b、260)の配置位置については、
図7に示すものと同一である。更に、データ分離部260と、シフトレジスタラッチ部221a及び221b各々とを第1配線層に形成されている金属ライン群L0及びL1にて接続する点、並びに、各階調電圧生成部(223
R、223
G、223
B)と、D/A変換部222a及び222b各々とを金属ライン群L9〜L11にて接続する点についても、
図7に示すものと同一である。
【0102】
ただし、
図12に示すレイアウトでは、電源パッドPA2、PA3及びパッド群PA4は、基準階調電圧生成部220の形成領域の下部、パッド群PA6〜PA8は、赤色階調電圧生成部223
R、緑色階調電圧生成部223
G及び青色階調電圧生成部223
B各々の形成領域の下部に夫々設けられている。
【0103】
すなわち、
図13(a)に示す如く、チップ3の底部表面における、基準階調電圧生成部220、赤色階調電圧生成部223
R、緑色階調電圧生成部223
G及び青色階調電圧生成部223
B各々の形成領域に対応した位置に、電源パッドPA2、PA3及びパッド群PA4〜PA8が設けられている。また、チップ3の底部表面におけるチップ辺縁部にパッド群PA9が設けられているのである。
【0104】
更に、
図12に示すレイアウトでは、フィルム基板7の4つの辺縁部の内でコントロール基板1側の辺縁部に、パッドF2及びF3、パッド群F4〜F9が配置されている。この際、パッド群F9は、フィルム基板辺縁部における中央位置に配置されている。パッドF2及びF3は、パッド群F9の左右に夫々隣接して配置されている。パッド群F7は、パッドF2に隣接した位置においてこのパッドF2よりも上記中央位置から離れた位置に配置されている。パッド群F8は、パッド群F7に隣接した位置においてこのパッド群F7よりも上記中央位置から離れた位置に配置されている。パッド群F4は、パッドF3に隣接した位置においてこのパッドF3よりも上記中央位置から離れた位置に配置されている。パッド群F6は、パッド群F4に隣接した位置においてこのパッド群F4よりも上記中央位置から離れた位置に配置されている。
【0105】
この際、チップ内に設けられている電源パッドPA2、PA3、パッド群PA4〜PA9の各々は、フィルム基板7の表面又は基板内に形成されている金属ラインFL2及びFL3、金属ライン群FL4〜FL9(二重破線にて示す)によって、フィルム基板7の辺縁部に配置されている上記パッドF2、F3及びパッド群F4〜F9に接続されている。すなわち、パッド群PA9は、金属ライン群FL9によって上記パッド群F9に接続されている。電源パッドPA2は、金属ラインFL2によって上記パッドF2に接続されている。電源パッドPA3は、金属ラインFL3によって上記パッドF3に接続されている。パッド群PA4は、金属ライン群FL4によって上記パッド群F4に接続されている。パッド群PA6は、金属ライン群FL6によって上記パッド群F6に接続されている。パッド群PA7は、金属ライン群FL7によって上記パッド群F7に接続されている。パッド群PA8は、金属ライン群FL8によって上記パッド群F8に接続されている。この際、フィルム基板7に形成されている上記金属ライン(FL2〜FL4及びFL6〜FL9)の材料は、チップ内部の金属配線の材料(例えばアルミ)よりも低抵抗な例えば銅である。
【0106】
ここで、
図12に示すレイアウトを採用した場合には、フィルム基板7の辺縁部に設けられているパッドF2、F3、及びパッド群F4〜F9と、コントロール基板1との間を
図13(b)に示す如くFPC8によって接続する。すなわち、パッド群F9は、FPC8内に配線されている金属ライン群PL9を介してパネルコントローラ10に接続されている。また、パッドF2及びF3の各々は、FPC8内に配線されている金属ラインPL2及びPL3を夫々介して電源回路11に接続されている。パッド群F4は、FPC8内に配線されている金属ライン群PL4を介して、
図8(c)に示す如き多層基板としてのコントロール基板1の第1基板層K1に形成されている基準階調電圧供給ライン群12
Rに接続されている。パッド群F6は、FPC8内に配線されている金属ライン群PL6を介して、
図8(c)に示す如きコントロール基板1の第1基板層K1に形成されている基準階調電圧供給ライン群12
Rに接続されている。パッド群F6は、FPC8内に配線されている金属ライン群PL7を介して、
図8(c)に示す如きコントロール基板1の第2基板層K2に形成されている基準階調電圧供給ライン群12
Gに接続されている。パッド群F6は、FPC8内に配線されている金属ライン群PL8を介して、
図8(c)に示す如きコントロール基板1の第3基板層K3に形成されている基準階調電圧供給ライン群12
Bに接続されている。
【0107】
このように、
図12に示されるレイアウトでは、基準階調電圧生成部220及び各色毎の階調電圧生成部(223
R、223
G、223
B)の下部に電源パッドPA2、PA3及びパッド群PA4〜PA8を設ける。そして、これら電源パッドPA2、PA3及びパッド群PA4〜PA8と、コントロール基板1とを、フィルム基板7に形成されている金属配線(FL2〜FL4、FL6〜FL9)及びFPC8内に形成されている金属配線(PL2〜PL4、PL6〜PL9)を介して接続するようにしている。この際、フィルム基板7及びFPC8内に形成されている金属配線は、チップ内部の金属配線よりも低抵抗な材料であり、且つチップ内部の金属配線よりも太い配線を用いることが可能である。
【0108】
よって、
図12に示す如きCOF形態のレイアウトによれば、
図7に示す如きCOG形態のレイアウトを採用した場合に比して、配線抵抗に伴う電圧ロスを抑えることが可能となる。
【0109】
図14は、COF形態でソースドライバ22
1、22
2、及び22
3がフィルム基板7上に形成される場合に適用される、
図12に示す如きチップ内部の機能ブロック配置及び配線形態の変形例を示すレイアウト図である。
【0110】
尚、
図14に示すレイアウトでは、そのチップ内の機能ブロック配置、及び金属ライン群L0、L1、L9〜L11各々の配線形態については
図7に示すものと同一である。また、
図12に示す構成と同様に、フィルム基板7の4つの辺縁部の内でコントロール基板1側の辺縁部に、パッドF2、F3、及びパッド群F4〜F9が配置されている。
【0111】
ただし、
図14に示すレイアウトでは、電源パッドPA2、PA3及びパッド群PA4〜PA9をチップ辺縁部へ配置した点が
図12とは異なる。この際、これら電源パッドPA2、PA3及びパッド群PA4〜PA9の各々は、フィルム基板7の表面又は基板内に形成されている金属ライン群FL2、FL3及び金属ライン群FL4〜FL9(二重破線にて示す)によって、フィルム基板7の辺縁部に配置されている上記パッドF2、F3及びパッド群F4〜F9に接続されている。そして、
図12に示す構成と同様に、フィルム基板7の辺縁部に設けられているパッドF2、F3及びパッド群F4〜F9と、コントロール基板1との間は、
図13(b)に示す如きFPC8内に形成されている金属ラインPL2及びPL3、金属ライン群PL4、PL6〜PL9によって接続されている。
【0112】
尚、上記実施例では、本発明を有機EL表示パネルを駆動するソースドライバに適用した場合の構成について説明したが、液晶表示パネルを駆動するソースドライバにも同様に適用可能である。
【0113】
図15は、本発明に係るソースドライバICチップを搭載した液晶表示装置の概略構成を示す図である。
【0114】
図15において、コントロール基板5には、夫々が個別のICチップからなるパネルコントローラ50及び電源回路51が設置されている。
【0115】
表示基板6の表面には、液晶表示パネルとしての表示パネル60、走査ドライバ61及びソースドライバ62が設置されている。尚、表示基板6は、ポリイミド (polyimide)等からなるフィルム状の基板、或いはガラス基板からなる。表示パネル60には、夫々が2次元画面の水平方向に伸張するn個(nは2以上の自然数)の走査ラインC
1〜C
nと、夫々が2次元画面の垂直方向に伸張するm個(mは2以上の自然数)のソースラインS
1〜S
mとが設けられており、走査ラインC及びソースラインSの各交叉部には、画素を担う液晶セルが形成されている。
【0116】
コントロール基板5に形成されている電源回路51は、基準階調電圧を生成する為の高電位側の電源電圧VH及び低電位側の電源電圧VLを生成し、夫々を表示基板6のソースドライバ62に供給する。コントロール基板5に形成されているパネルコントローラ50は、入力映像信号に応じて、表示パネル60の走査ラインC
1〜C
nを順次択一的に選択させるべき走査制御信号を生成し、これを表示基板6に設置されている走査ドライバ61に供給する。走査ドライバ61は、走査制御信号に応じて表示パネル60の走査ラインC
1〜C
nに対して順次択一的に走査パルスを印加する。また、パネルコントローラ50は、入力映像信号に基づき、各画素毎の輝度レベルを表す画素データPDを生成する。この際、表示パネル60における1表示ライン分(m個)の画素データPD
1〜PD
mの生成が為される度に、パネルコントローラ50は、画素データPD
1〜PD
mを、PD
1〜PD
k(k=m/2)、PD
k+1〜PD
mなる2つの分割画素データ系列に分割する。そして、パネルコントローラ50は、これら2系統分の分割画素データ系列PD
1〜PD
k、PD
k+1〜PD
mを、夫々個別にソースドライバ62に供給する。更に、コントロール基板5には、正極基準階調電圧群GMA
P(後述する)を供給する為の基準階調電圧供給ライン群52
P、及び負極基準階調電圧群GMA
N(後述する)を供給する為の基準階調電圧供給ライン群52
Nが夫々プリント配線されている。尚、基準階調電圧供給ライン群52
P及び52
Nの各々は、表示パネル60の画面水平方向に伸長する形態にてコントロール基板5にプリント配線されている。
【0117】
尚、上述したようにコントロール基板5で生成された走査制御信号、画素データPD
1〜PD
m、電源電圧VH及びVLは、後述するFPCを介して表示基板6側に供給される。又、コントロール基板5上にプリント配線されている基準階調電圧供給ライン群52
P及び52
G各々も、かかるFPCを介して表示基板6側に接続されている。
【0118】
表示基板6の表面上に設けられているソースドライバ62は、
図15に示す如く、夫々が独立した矩形状のシリコン基板上に形成されているソースドライバICチップからなる2つのソースドライバ62
1及び62
2によって分割構築されている。
【0119】
ソースドライバ62
1は、パネルコントローラ50から供給された分割画素データ系列PD
1〜PD
kを各画素毎に順次取り込み、各画素データPDにて示される輝度レベルに対応した階調電圧を有するk個の駆動パルスを生成し、夫々を表示パネル60のソースラインS
1〜S
kに印加する。ソースドライバ62
2は、パネルコントローラ50から供給された分割画素データ系列PD
k+1〜PD
mを各画素毎に順次取り込み、各画素データPDにて示される輝度レベルに対応した階調電圧を有するk個の駆動パルスを生成し、夫々を表示パネル60のソースラインS
k+1〜S
mに印加する。
【0120】
ソースドライバ62
1及び622の各々は、
図16に示すように夫々が同一の内部構成を有する。
【0121】
図16において、基準階調電圧生成部620は、電源パッドPA2を介して入力された電源電圧VH及び電源パッドPA3を介して入力された電源電圧VLに基づき、夫々が9種類の電圧からなる正極階調駆動用の基準階調電圧V1
P〜V9
P、及び逆相階調駆動用の基準階調電圧V1
N〜V9
Nを生成する。この際、基準階調電圧生成部620は、パッド群PA1を介して入力されたアドレスA
0−1に基づき、上記した基準階調電圧V1
P〜V9
P、及びV1
N〜V9
Nの内の1の電圧群を選択する。この際、基準階調電圧V1
P〜V9
Pを選択した場合には、基準階調電圧生成部620は、この選択した基準階調電圧V1
P〜V9
Pを夫々個別に増幅したものを正極基準階調電圧群GMA
Pとし、これをパッド群PA4を介してチップ外部に出力する。また、基準階調電圧V1
N〜V9
Nを選択した場合には、基準階調電圧生成部620は、この選択した基準階調電圧V1
N〜V9
Nを夫々個別に増幅したものを逆相基準階調電圧群GMA
Nとし、これをパッド群PA4を介してチップ外部に出力する。
【0122】
図17は、かかる基準階調電圧生成部620の内部構成の一例を示す図である。
【0123】
図17において、分圧抵抗回路6201は、電源電圧VH及びVL間に直列に接続された抵抗R1〜R10の各抵抗同士の接続点から、夫々が正極階調駆動用のガンマ特性に基づく電圧を有する正極性の基準階調電圧V1
P〜V9
Pを送出し、これらをセレクタ6202及び極性反転回路6203に供給する。極性反転回路6203は、基準階調電圧V1
P〜V9
Pを夫々個別に負極性の電圧に変換したものを負極階調駆動用の基準階調電圧V1
N〜V9
Nとしてセレクタ6202に供給する。デコーダ6205は、アドレスA
0−1が[10]を示す場合には、正極階調駆動用の基準階調電圧を選択させるべき選択信号SELを生成しこれをセレクタ6202に供給する。また、デコーダ6205は、アドレスA
0−1が[01]を示す場合には、負極階調駆動用の基準階調電圧を選択させるべき選択信号SELを生成しこれをセレクタ6202に供給する。
【0124】
セレクタ6202は、上記した如き2系統分の基準階調電圧V1
P〜V9
P及びV1
N〜V9
Nの内から、選択信号SELによって示される1系統分だけを選択してオペアンプ6206に供給する。すなわち、セレクタ6202は、正極階調駆動用の基準階調電圧を選択させるべき選択信号SELが供給された場合には、基準階調電圧V1
P〜V9
Pを選択してオペアンプ6206に供給する。一方、負極階調駆動用の基準階調電圧を選択させるべき選択信号SELが供給された場合には、セレクタ6202は、基準階調電圧V1
N〜V9
Nを選択してオペアンプ6206に供給する。オペアンプ6206は、実際には、セレクタ6202から供給された基準階調電圧V1〜V9を夫々個別に増幅する9個のオペアンプからなる。オペアンプ6206は、セレクタ6202から基準階調電圧V1
P〜V9
Pが供給された場合には夫々を個別に増幅したものを正極基準階調電圧群GMA
Pとして出力する。一方、セレクタ6202から基準階調電圧V1
N〜V9
Nが供給された場合には、オペアンプ6206は、これら基準階調電圧V1
N〜V9
Nを夫々個別に増幅したものを逆相基準階調電圧群GMA
Nとして出力する。
【0125】
ここで、
図15に示す実施例では、ソースドライバ62
1には[10]なるアドレスA
0−1が固定入力されている。よって、ソースドライバ62
1に形成されている基準階調電圧生成部620は、
図18に示すように、正極基準階調電圧群GMA
Pだけをチップ外部に出力し、これをコントロール基板5の基準階調電圧供給ライン群52
P上に送出する。これにより、正極基準階調電圧群GMA
Pは、
図18に示す如くコントロール基板5に形成されている基準階調電圧供給ライン群52
Pを介して、ソースドライバ62
1及び62
2各々の正極階調電圧生成部623
Pに供給される。また、
図15に示す実施例では、ソースドライバ62
2には[01]なるアドレスA
0−1が固定入力されている。よって、ソースドライバ62
2に形成されている基準階調電圧生成部620は、
図18に示すように、負極基準階調電圧群GMA
Nだけをチップ外部に出力し、これをコントロール基板5の基準階調電圧供給ライン群52
N上に送出する。これにより、負極基準階調電圧群GMA
Nは、
図18に示す如くコントロール基板5に形成されている基準階調電圧供給ライン群52
Nを介して、ソースドライバ62
1〜62
2各々の逆送階調電圧生成部623
Nに供給される。
【0126】
このように、基準階調電圧生成部620は、入力されたガンマ特性設定信号としてのアドレスA
0−1により、
正極階調用の第1ガンマ特性に基づく基準階調電圧V1
P〜V9
P(GMA
P)、
負極階調用の第2ガンマ特性に基づく基準階調電圧V1
N〜V9
N(GMA
N)、
の内のいずれか1系統分の基準階調電圧を生成する。
【0127】
よって、ソースドライバ62
1、62
2各々に搭載されている基準階調電圧生成部620は夫々異なる基準階調電圧を出力するものの、その内部構成(
図16に示す)は全て同一である。従って、ソースドライバ62
1及び62
2を共通のマスクパターンで製造することができるので、システム全体の製造コストを抑えることが可能となる。
【0128】
シフトレジスタラッチ部621は、パッド群PA9を介して入力された分割画素データ系列中における各画素データPDを順次取り込み、k個(k=m/2)の取り込みが終了する度に、これらk個の画素データPDを画素データP
1〜P
kとして同時にD/A変換部622に供給する。
【0129】
正極階調電圧生成部623
Pは、コントロール基板5を介して供給された正極基準階調電圧群GMA
Pをパッド群PA6を介して取り込み、このGMA
Pによる基準階調電圧V1
P〜V9
Pに基づき、正極階調駆動用のガンマ特性に基づく256階調分の正極駆動階調電圧VP
1〜VP
256を生成してD/A変換部622に供給する。
【0130】
逆相階調電圧生成部623
Nは、コントロール基板5を介して供給された負極基準階調電圧群GMA
Nをパッド群PA7を介して取り込み、このGMA
Nによる基準階調電圧V1
N〜V9
Nに基づき、逆相階調駆動用のガンマ特性に基づく256階調分の逆相駆動階調電圧VN
1〜VN
256を生成してD/A変換部622に供給する。
【0131】
D/A変換部622は、例えば奇数フレームに対応した画素データP
1〜P
kに対しては、画素データPの各々毎にその画素データPによって表される輝度レベルに対応した階調電圧を、上記した正極駆動階調電圧VP
1〜VP
256の中から1つ選出し夫々を階調輝度電圧B
1〜B
kとして出力アンプ624に供給する。一方、偶数フレームに対応した画素データP
1〜P
kに対しては、D/A変換部622は、画素データPの各々毎にその画素データPによって表される輝度レベルに対応した階調電圧を、上記した逆相駆動階調電圧VN
1〜VN
256の中から1つ選出し、夫々を階調輝度電圧B
1〜B
kとして出力アンプ624に供給する。かかるD/A変換部622の動作によれば、画素データによるフレーム毎に階調輝度電圧B
1〜B
kの極性が反転する。
【0132】
出力アンプ624は、D/A変換部622から供給された階調輝度電圧B
1〜B
kを夫々増幅したものを駆動パルスD
1〜D
kとして出力する。この際、
図1に示すソースドライバ62
1に形成されている出力アンプ624は、これら駆動パルスD
1〜D
kを夫々表示パネル60のソースラインS
1〜S
kに夫々印加する。また、ソースドライバ62
2に形成されている出力アンプ624は、これら駆動パルスD
1〜D
kを夫々表示パネル60のソースラインS
k+1〜S
mに夫々印加する。また、ソースドライバ62
3に形成されている出力アンプ624は、これら駆動パルスD
1〜D
kを夫々表示パネル60のソースラインS
2k+1〜S
mに印加する。
【0133】
以上の如く、
図15に示される液晶表示装置では、入力映像信号によって表される輝度レベルに対応した階調電圧を有する駆動パルスDを生成して表示パネル60のソースラインSに印加するソースドライバ62を、夫々が独立したICチップである2つのソースドライバ62
1及び62
2に分割して構築している。ここで、ソースドライバ62内において、階調電圧の基準となる各極性(正極、負極)毎のガンマ特性に基づく正極基準階調電圧群GMA
P、及び負極基準階調電圧群GMA
Nを生成するにあたり、ソースドライバ62
1には正極基準階調電圧群GMA
Pだけを生成する基準階調電圧生成部620を設ける。また、ソースドライバ62
2には負極基準階調電圧群GMA
Nだけを生成する基準階調電圧生成部620を設けるようにしている。そして、
図18に示す如く、ソースドライバ62
1の基準階調電圧生成部620で生成されたGMA
Pを一旦、チップ外部に出力し、これをコントロール基板5上にプリント配線されている基準階調電圧供給ライン群52
Pを介して、ソースドライバ62
1及び62
2各々に形成されている正極階調電圧生成部623
Pに供給する。また、ソースドライバ62
2の基準階調電圧生成部620で生成されたGMA
Nを一旦、チップ外部に出力し、これをコントロール基板5上にプリント配線されている基準階調電圧供給ライン群52
Nを介して、ソースドライバ62
1〜62
2各々に形成されている負極階調電圧生成部623
Nに供給するようにしている。
【0134】
要するに、入力映像信号の輝度レベルに対するガンマ特性が夫々異なる正極基準階調電圧群GMA
P及び負極基準階調電圧群GMA
Nを生成するのに必要となる2系統分の基準階調電圧生成部を、1系統分ずつ分散してソースドライバ62
1〜62
2の各々に搭載する。そして、ソースドライバ62
1及び62
2の各々毎に、GMA
P及びGMA
Nを一旦、チップ外部に出力し、これらをコントロール基板5の基準階調電圧供給ライン群52
P及び52
Nを介して、ソースドライバ62
1〜62
2各々の正極階調電圧生成部623
P及び負極階調電圧生成部623
Nに供給するようにしたのである。
【0135】
かかる構成によれば、基準階調電圧生成部620がソースドライバ内に搭載されているので、システム全体のコストを低下させることが可能となる。
【0136】
又、上記した構成によれば、
図17に示す如き正極基準階調電圧群GMA
P及び負極基準階調電圧群GMA
Nを夫々生成するのに必要となる2系統分のオペアンプ6206が1系統分ずつ分散してソースドライバ62
1及び62
2各々に搭載されることになる。
【0137】
よって、2系統分のオペアンプ6206が各ソースドライバに搭載される場合に比して、ソースドライバ各々のチップサイズが小さくなると共に、各ソースドライバの電力消費量及び発熱量を低下させることが可能となる。
【0138】
更に、
図15に示す構成では、ソースドライバ62
1及び62
2各々の内の1つに搭載されている基準階調電圧生成部620で生成された基準階調電圧群(GMA
P又はGMA
N)を、ソースドライバ62
1及び62
2で共有して用いるようにしている。この際、正極基準階調電圧群GMA
Pを生成する基準階調電圧生成部620に含まれるオペアンプ6206は、ソースドライバ62
1及び62
2各々の内の62
1だけに搭載されている。一方、負極基準階調電圧群GMA
Nを生成する基準階調電圧生成部620に含まれるオペアンプ6206は、ソースドライバ62
1及び62
2各々の内の62
2だけに搭載されている。
【0139】
よって、例えソースドライバ62
1及び62
2各々間でオペアンプ6206のオフセット電圧にずれが生じていても、夫々ガンマ特性が異なる階調駆動電圧の各極性(正極、負極)単位では、その影響を基準階調電圧群(GMA
P又はGMA
N)が受けることはないので、表示パネル60に表示される画像内でのちらつきを防止することが可能となる。
【0140】
尚、上記実施例におけるソースドライバ62
1(62
2)では、基準階調電圧生成部620で生成した正極基準階調電圧群GMA
P(GMA
N)を、
図18に示す如くコントロール基板5側の基準階調電圧供給ライン群52
P(52
N)を経由させてから自身の正極階調電圧生成部623
P(623
N)に供給するようにしている。しかしながら、ソースドライバ62
1(62
2)の基準階調電圧生成部620で生成した正極基準階調電圧群GMA
P(GMA
N)を、
図19に示すように、このソースドライバ62
1(62
2)内の配線をもって自身の正極階調電圧生成部623
P(623
N)に供給するようにしても良い。
【0141】
図19に示す構成によれば、
図15に示す構成に比して、各ソースドライバ62
1及び62
2に設けるべきパッド群PAの数が少なくなる。
【0142】
又、
図15に示す実施例では、ソースドライバ62を2つのソースドライバ62
1及び62
2で分割して構築させる場合を例にとってその構成を説明したが、3つ以上のソースドライバに分割して構築する場合にも同様に適用可能である。
【0143】
図20は、ソースドライバ62を4つのソースドライバ62
1〜62
4で分割構築させる場合の構成の一例を示す図である。
【0144】
尚、
図20に示す構成では、表示パネル60のソースラインS
1〜S
mを4つのソースドライバ62
1〜22
4で分割して駆動する点を除く他の構成は、
図15に示すものと同一である。
【0145】
ただし、
図20に示す構成においてパネルコントローラ50は、入力映像信号に基づいて生成された1表示ライン分の画素データPD
1〜PD
mを、PD
1〜PD
k(k=m/4)、PD
k+1〜PD
2k、PD
2k+1〜PD
3k、及びPD
3k+1〜PD
mなる4つの分割画素データ系列に分割する。パネルコントローラ50は、分割画素データ系列PD
1〜PD
kをソースドライバ62
1、PD
k+1〜PD
2kをソースドライバ62
2、PD
2k+1〜PD
3kをソースドライバ62
3、PD
3k+1〜PD
mをソースドライバ62
4に夫々供給する。尚、ソースドライバ62
1〜62
4は、全て同一の内部構成(
図16に示す)を有する。よって、ソースドライバ62
1は、画素データPD
1〜PD
k各々に対応した駆動パルスD
1〜D
kを生成し、夫々を表示パネル60のソースラインS
1〜S
kに印加する。また、ソースドライバ62
2は、画素データPD
k+1〜PD
2k各々に対応した駆動パルスD
1〜D
kを生成し、夫々を表示パネル60のソースラインS
k+1〜S
2kに印加する。また、ソースドライバ62
3は、画素データPD
2k+1〜PD
3k各々に対応した駆動パルスD
1〜D
kを生成し、夫々を表示パネル60のソースラインS
2k+1〜S
3kに印加する。また、ソースドライバ62
4は、画素データPD
3k+1〜PD
m各々に対応した駆動パルスD
1〜D
kを生成し、夫々を表示パネル60のソースラインS
3k+1〜S
mに印加する。
【0146】
尚、
図20に示す構成では、
図15に示す構成と同様に、ソースドライバ62
1には[10]なるアドレスA
0−1が固定入力されており、ソースドライバ62
2には[01]なるアドレスA
0−1が固定入力されている。よって、
図15に示す構成と同様に、ソースドライバ62
1が全てのソースドライバ62
1〜62
4に対する正極基準階調電圧群GMA
Pの供給元、ソースドライバ62
2が全てのソースドライバ62
1〜62
4に対する負極基準階調電圧群GMA
Nの供給元となる。
【0147】
この際、
図20に示す構成においては、ソースドライバ62
3及び62
4各々には、アドレスA
0−1、電源電圧VH及びVLの供給が為されていない。すなわち、ソースドライバ62
3及び62
4各々では、上記した如きアドレスA
0−1、電源電圧VH及びVL各々を入力する為のパッド群PA1、電源パッドPA2及びPA3を空き状態にしておくのである。この際、ソースドライバ62
3及び62
4には、電源電圧VH及びVLの供給が為されないので、ソースドライバ62
3及び62
4各々に搭載されている基準階調電圧生成部620は動作停止状態となる。つまり、ソースドライバ62
3及び62
4では基準階調電圧の生成を行う必要が無いので、アドレスA
0−1、電源電圧VH及びVL各々用のパッド群PA1、電源パッドPA2及びPA3を空き状態にすることにより基準階調電圧生成部620の動作を停止させて、電力消費を抑えるのである。尚、ソースドライバ62
3及び62
4では基準階調電圧の生成を行う必要が無いので、夫々のアドレスA
0−3に[0000]を割り当ててオペアンプ2206の動作を停止させることも可能であり、また、アドレスA
0−3にソースドライバ62
1及び62
2のいずれかと同様の設定にして並列に基準階調電圧を生成させることも可能である。電源電圧VH及びVLについても空き状態とせず、グランド電位等の固定電位とすることも可能である。
【0148】
以下に、夫々が独立したICチップとしての各ソースドライバ62
1及び62
2内に構築される機能ブロックの配置及び配線形態、並びにコントロール基板5と各ソースドライバ62
1及び62
2との接続形態について、ソースドライバ62
1を抜粋して説明する。
【0149】
図21は、COGの形態でソースドライバ62
1及び62
2が表示基板6上に形成される場合、つまり表示基板6がガラス基板である場合に適用される、ソースドライバ62
1のチップ内部の機能ブロック配置及び配線を示すレイアウト図である。
【0150】
図21に示すように、チップ内において、機能ブロックとしてのシフトレジスタラッチ部621、D/A変換部622及び出力アンプ624は、夫々駆動パルスD
1〜D
kの内のD
1〜D
k/2の生成を担う部分と、D
(k/2+1)〜D
kの生成を担う部分とに2分割されて配置される。
【0151】
すなわち、チップの中心よりも画面水平方向において左側の領域に、入力映像信号に応じて駆動パルスD
1〜D
k/2を生成して表示パネル60のソースラインS
1〜S
k/2に印加する第1駆動部としてのシフトレジスタラッチ部621a、D/A変換部622a及び出力アンプ624aが形成されている。又、チップの中心よりも画面水平方向において右側の領域に、入力映像信号に応じて駆動パルスD
(k/2+1)〜D
kを生成して表示パネル60のソースラインS
(k/2+1)〜S
kに印加する第2駆動部としてのシフトレジスタラッチ部621b、D/A変換部622b及び出力アンプ624bが形成されている。そして、シフトレジスタラッチ部621a、D/A変換部622a及び出力アンプ624aの形成領域と、シフトレジスタラッチ部621b、D/A変換部622b及び出力アンプ624bの形成領域との間に挟まれた中間領域、すなわちチップの中央領域には基準階調電圧生成部620が形成されている。この中間領域において、基準階調電圧生成部620よりも表示パネル60側に近い位置に、正極階調電圧生成部623
P、負極階調電圧生成部623
Nが形成されている。更に、この中間領域において、基準階調電圧生成部620よりもコントロール基板1側に近い位置に、データ分離部660が構築されている。
【0152】
尚、例えばロジック電源の如き低電圧(例えば、3.3ボルト)の電源電圧で動作する機能ブロック(660、621a、621b)は、
図21に示す如くコントロール基板1側に設置し、その他の高電圧の電源電圧で動作する機能ブロック(620、622a、622b、624a、624b、623
P、623
N、623
B)は、表示パネル60側に設置される。
【0153】
又、
図21に示すように、チップの4つの辺縁部の内でコントロール基板1側の辺縁部の下部、すなわち、
図22(a)に示す如きチップ3の底面には、電源パッドPA2及びPA3、パッド群PA4、PA6、PA7及びPA9が形成されている。尚、パッド群とは、複数の入出力パッドが配置されたものを示す。
図21において、画素データPDを入力する為のパッド群PA9は、チップ辺縁部における中央位置に配置されている。電源電圧VH及びVLを夫々入力する為の電源パッドPA2及びPA3が、パッド群PA9の左右に夫々隣接して配置されている。負極基準階調電圧群GMA
Nを入力する為のパッド群PA7は、電源パッドPA2に隣接した位置においてこの電源パッドPA2よりも上記中央位置から離れた位置に配置されている。基準階調電圧生成部620によって生成された基準階調電圧群(GMA
P又はGMA
N)を外部出力する為のパッド群PA4は、電源パッドPA3に隣接した位置においてこの電源パッドPA3よりも上記中央位置から離れた位置に配置されている。正極基準階調電圧群GMA
Pを入力する為のパッド群PA6は、パッド群PA4に隣接した位置においてこのパッド群PA4よりも上記中央位置から離れた位置に配置されている。
【0154】
ここで、上記したソースドライバ(62
1、62
2)を含むチップ3の底面に形成されている電源パッドPA2、PA3、パッド群PA4、PA6、PA7及びPA9は、
図22(b)に示す如くコントロール基板5及び表示基板6同士を結合するFPC4と、表示基板6の表面(又は基板内)とに形成されている金属ライン群(PL2〜PL4、PL6、PL7、PL9)を介して、コントロール基板5に形成されている電源回路51及びパネルコントローラ50に接続されている。
【0155】
すなわち、パッド群PA9は、FPC4及び表示基板6内に配線されている金属ライン群PL9を介してパネルコントローラ50に接続されている。上記電源パッドPA2及びPA3の各々は、FPC4及び表示基板6内に配線されている金属ラインPL2及びPL3を夫々介して電源回路51に接続されている。パッド群PA4は、FPC4及び表示基板6内に配線されている金属ライン群PL4を介して
図22(c)に示す如き多層基板としてのコントロール基板5の第1基板層K1に形成されている基準階調電圧供給ライン群52
Pに接続されている。パッド群PA6は、FPC4及び表示基板6内に配線されている金属ライン群PL6を介して、
図22(c)に示す如きコントロール基板5の第2基板層K2に形成されている基準階調電圧供給ライン群52
Pに接続されている。パッド群PA7は、FPC4及び表示基板6内に配線されている金属ライン群PL7を介して基準階調電圧供給ライン群52
Nに接続されている。
【0156】
かかるチップ内において、データ分離部660は、パッド群PA9を介して入力された分割画素データ系列PDを前半部の画素データ系列と後半部の画素データ系列とに分離し、この前半部の画素データ系列を第1配線層(図示せぬ)に形成されている金属ライン群L0を介してシフトレジスタラッチ部621aに供給する。また、データ分離部660は、上記した如き後半部の画素データ系列を上記第1配線層に形成されている金属ライン群L1を介してシフトレジスタラッチ部621bに供給する。
【0157】
上記電源パッドPA2を介して入力された電源電圧VHは、上記第1配線層とは異なる第2配線層(図示せぬ)に形成されている金属ラインL2を介して基準階調電圧生成部620に供給される。上記電源パッドPA3を介して入力された電源電圧VLは、上記第2配線層に形成されている金属ラインL3を介して基準階調電圧生成部620に供給される。
【0158】
基準階調電圧生成部620によって生成された基準階調電圧群GMA
P(GMA
N)は、上記第2配線層に形成されている金属ライン群L4を介してパッド群PA4に送出される。
【0159】
パッド群PA6を介して入力された正極基準階調電圧群GMA
Pは、上記第2配線層に形成されている金属ライン群L6を介して正極階調電圧生成部623
Pに供給される。パッド群PA7を介して入力された負極基準階調電圧群GMA
Nは、上記第2配線層に形成されている金属ライン群L7を介して負極階調電圧生成部623
Nに供給される。
【0160】
正極階調電圧生成部623
Pによって生成された正極用階調電圧VP
1〜VP
256は、上記第1配線層に形成されている金属ライン群L9を介してD/A変換部622a及び622b各々に供給される。負極階調電圧生成部623
Nによって生成された負極用階調電圧VN
1〜VN
256は、上記第1配線層に形成されている金属ライン群L10を介してD/A変換部622a及び622b各々に供給される。
【0161】
ここで、
図21に示されるレイアウトでは、低電圧(例えば、3.3ボルト)で動作する低電圧機能ブロック群(660、621a、621b)は、チップ表面上においてコントロール基板1側に区画されている低耐圧用のウェル領域WL1に形成される。一方、表示パネル60のソースラインに印加すべき比較的高い電圧を扱う高電圧機能ブロック群(620、622a、622b、624a、624b、623
P、623
N)は、チップ表面上において上記ウェル領域WL1よりも表示パネル60側に区画されている高耐圧用のウェル領域WL2に形成される。
【0162】
このように、
図21に示されるレイアウトでは、表示パネル60に印加すべき高電圧を生成する高電圧機能ブロック群をチップ内の表示パネル60側に形成することにより、高電圧機能ブロック群及び表示パネル60間の配線長に伴う電圧ロスを抑えている。
【0163】
尚、
図21に示されるD/A変換部(622a、622b)は、実際には、ソースラインS
1〜S
k各々に対応したk個のD/A変換素子(図示せぬ)が、チップの4つの辺縁部の内の1の辺縁部(表示パネル60側の辺縁部)に沿って夫々配列されたものである。
【0164】
よって、D/A変換部(622a、622b)が
図21に示す如き形態で分割されていないと、ソースラインS
1に対応したD/A変換素子に階調電圧を供給する為の金属ライン群L9〜L10の配線長と、ソースラインS
kに対応したD/A変換素子に階調電圧を供給する為の金属ライン群L9〜L10の配線長との間に大幅な差が生じる。つまり、k個のD/A変換素子各々に対する金属ライン群L9〜L10による最長配線長と、最短配線長との差が大となり、配線抵抗の大幅な差異に伴う輝度変動が生じてしまうのである。
【0165】
そこで、
図21に示されるレイアウトでは、上記D/A変換部を含む駆動部を、チップの4つの辺縁部の内の1の辺縁部に沿って、チップの中心よりも画面水平方向において左側の領域と、右側の領域とに分割して構築し、両者の中間領域に、正極階調電圧生成部623
P、負極階調電圧生成部623
Nを形成するようにしている。
【0166】
これにより、k個のD/A変換素子各々に対する金属ライン群L9〜L10による最長配線長と最短配線長との差が小さくなり、輝度変動の低減が図られる。
【0167】
また、
図21に示すレイアウトでは、基準階調電圧生成部620を上記中間領域に形成し、コントロール基板5側のチップ辺縁部の中央位置の左右の位置に夫々設けられた電源パッドPA2及びPA3を介して入力された電源電圧VH及びVLを夫々金属ラインL2及びL3を介して上記基準階調電圧生成部620に供給するようにしている。更に、この基準階調電圧生成部620にて生成された基準階調電圧群(GMA
P又はGMA
N)を、上記パッドPA3よりも画面水平方向において左側に隣接するパッド群PA4を介して外部出力するようにしている。
【0168】
すなわち、基準階調電圧生成部620をチップの中央領域に形成し、この基準階調電圧生成部620に供給すべき電源電圧VH及びVLを入力する為の電源パッドPA2及びPA3を、表示パネル側のチップ辺縁部における中央位置を隔てた2つの領域に夫々配置する。そして、この基準階調電圧生成部620によって生成された基準階調電圧群(GMA
P又はGMA
N)を外部出力する為のパッドPA4を電源パッドPA3に隣接した位置に配置することにより、基準階調電圧生成部620及びコントロール基板5間を接続する配線長の短縮化を図り、配線抵抗に起因する電圧ロスを抑制するのである。
【0169】
更に、このパッド群PA4よりも画面水平方向において左側に隣接するパッド群PA6を介して入力された正極基準階調電圧群GMA
Pを金属ライン群L6を介して正極階調電圧生成部623
Pに供給する。また、上記パッドPA2よりも画面水平方向において右側に隣接するパッド群PA7を介して入力された負極基準階調電圧群GMA
Nを、金属ライン群L7を介して負極階調電圧生成部623
Nに供給するようにしている。
【0170】
かかるレイアウトにより、
図21に示す如く、チップ中心に対して画面水平方向において左側の領域に、基準階調電圧群(GMA
P)を伝送する為の2系統分の金属ライン群(L4、L6)及びパッド群(PA4、PA6)が配置されることになる。更に、チップ中心に対して画面水平方向において右側の領域に、基準階調電圧群(GMA
N)を伝送する為の1系統分の金属ライン群(L7)及びパッド群(PA7)が配置されることになる。
【0171】
これにより、
図21に示す如く、データ分離部660を画面水平方向における中央位置に配置することが可能となる。よって、シフトレジスタ621a及び621bに夫々画素データの供給を行う為の金属ライン群L0の配線長と金属ライン群L1の配線長との差を小さくすることが可能となる。
【0172】
更に、
図21に示す構成では、各ソースドライバチップ毎に生成されて外部出力された基準階調電圧を、表示パネル60の画面水平方向に伸長する形態にてコントロール基板5にプリント配線されている基準階調電圧供給ライン(12
P、12
N)を介してソースドライバチップの各々に供給するようにしている。
【0173】
よって、ソースドライバチップ毎に、コントロール基板5に形成されている基準階調電圧供給ラインとの接続をFPCによって行えば良いので、各チップ間を独立したラインで個別に接続する場合に比して製造工程数を減らし、その製造コストを抑制させることが可能となる。
【0174】
図23は、
図21に示されるチップ内部の機能ブロック配置及び配線形態の変形例を示すレイアウト図である。
【0175】
尚、
図23に示すレイアウトでは、電源パッドPA3と、パッド群PA6との配置位置を互いに入れ替えた点を除く他のレイアウト及び配線形態は
図21に示すものと同一である。
【0176】
図23に示すレイアウトによれば、
図21に示すレイアウトを採用した場合に比べて、基準階調電圧生成部620で生成された基準階調電圧群(GMA)をパッド群PA4まで伝送する金属ライン群L4の配線長が短くなる。従って、基準階調電圧群をコントロール基板5側に送出する際のチップ内部での電圧ロスが大きくなる場合には、
図21に示すレイアウトに代えて
図23に示すレイアウトを採用するのが好ましい。
【0177】
図24は、COF(Chip On Film)の形態でソースドライバ62
1及び62が上記した如きフィルム基板7上に形成される場合に適用される、ソースドライバ62
1のチップ内部の機能ブロック配置及び配線を示すレイアウト図である。
【0178】
尚、
図24に示すレイアウトでは、各機能ブロック(620、621a、621b、622a、622b、623
P、623
N、624a、624b、660)の配置位置については、
図21に示すものと同一である。更に、データ分離部660と、シフトレジスタラッチ部621a及び621b各々とを金属ライン群L0及びL1にて接続する点、並びに、各階調電圧生成部(623
P、623
N)と、D/A変換部622a及び622b各々とを金属ライン群L9及びL10にて接続する点についても、
図21に示すものと同一である。
【0179】
ただし、
図24に示すレイアウトでは、電源パッドPA2、PA3及びパッド群PA4は、基準階調電圧生成部620の形成領域の下部、パッド群PA6及びPA7は、正極階調電圧生成部623
P、負極階調電圧生成部623
N各々の形成領域の下部に夫々設けられている。すなわち、
図13(a)に示す如く、チップ3の底部表面における、基準階調電圧生成部620、正極階調電圧生成部623
P、負極階調電圧生成部623
N各々の形成領域に対応した位置に、電源パッドPA2、PA3及びパッド群PA4、PA6、PA7、PA9が設けられている。
【0180】
更に、
図24に示すレイアウトでは、フィルム基板7の4つの辺縁部の内でコントロール基板1側の辺縁部に、パッドF2及びF3、パッド群F4、F6、F7及びF9が配置されている。この際、パッド群F9は、フィルム基板辺縁部における中央位置に配置されている。パッドF2及びF3は、パッド群F9の左右に夫々隣接して配置されている。パッド群F7は、パッドF2に隣接した位置においてこのパッドF2よりも上記中央位置から離れた位置に配置されている。パッド群F4は、パッドF3に隣接した位置においてこのパッドF3よりも上記中央位置から離れた位置に配置されている。パッド群F6は、パッド群F4に隣接した位置においてこのパッド群F4よりも上記中央位置から離れた位置に配置されている。
【0181】
この際、チップ内に設けられている電源パッドPA2、PA3、パッド群PA4、PA6、PA7、PA9の各々は、フィルム基板7の表面又は基板内に形成されている金属ラインFL2及びFL3、金属ライン群FL4、FL6、FL7、FL9(二重破線にて示す)にて、フィルム基板7の辺縁部に配置されている上記パッドF2、F3及びパッド群F4、F6、F7及びF9に接続されている。すなわち、パッド群PA9は、金属ライン群FL9によって上記パッド群F9に接続されている。電源パッドPA2は、金属ラインFL2によって上記パッドF2に接続されている。電源パッドPA3は、金属ラインFL3によって上記パッドF3に接続されている。パッド群PA4は、金属ライン群FL4によって上記パッド群F4に接続されている。パッド群PA6は、金属ライン群FL6によって上記パッド群F6に接続されている。パッド群PA7は、金属ライン群FL7によって上記パッド群F7に接続されている。
【0182】
尚、
図24に示すレイアウトを採用した場合には、フィルム基板7の辺縁部に設けられているパッドF2、F3、パッド群F4、F6、F7及びF9と、コントロール基板1との間は
図13(b)に示す如きFPC8によって接続する。
【0183】
このように、
図24に示すレイアウトでは、基準階調電圧生成部620及び各階調極性毎の階調電圧生成部(623
P、623
N)の下部に電源パッドPA2、PA3、パッド群PA4、PA6、PA7及びPA9を設ける。そして、これら電源パッドPAと、コントロール基板5とを、フィルム基板7に形成されている金属配線(FL2〜FL4、FL6、FL7、FL9)及びFPC8内に形成されている金属配線(PL2〜PL4、PL6、PL7、PL9)を介して接続するようにしている。この際、フィルム基板7及びFPC8内に形成されている金属配線は、チップ内部の金属配線よりも低抵抗な材料であり、且つチップ内部の金属配線よりも太い配線を用いることが可能である。
【0184】
よって、
図24に示す如きCOF形態のレイアウトによれば、
図21に示す如きCOG形態のレイアウトを採用した場合に比して、配線抵抗に伴う電圧ロスを抑えることが可能となる。
【0185】
図25は、COF形態でソースドライバ62
1及び62
2がフィルム基板7上に形成される場合に適用される、
図24に示す如きチップ内部の機能ブロック配置及び配線形態の変形例を示すレイアウト図である。
【0186】
尚、
図25に示すレイアウトでは、そのチップ内の機能ブロック配置、及び金属ライン群L0、L1、L9及びL10各々の配線形態については
図21に示すものと同一であるが、電源パッドPA2、PA3、パッド群PA4、PA6、PA7及びPA9をチップ辺縁部へ配置した点が
図24とは異なる。また、
図24に示す構成と同様に、フィルム基板7の4つの辺縁部の内でコントロール基板5側の辺縁部に、パッドF2、F3、パッド群F4、F6、F7及びF9が配置されている。そして、チップに設けられている電源パッドPA3、PA4及びパッド群PA4、PA6、PA7及びPA9の各々は、フィルム基板7の表面又は基板内に形成されている金属ラインFL2、FL3、金属ライン群FL4、FL6、FL7及びFL9(二重破線にて示す)によってフィルム基板7の辺縁部に配置されている上記パッドF2、F3、パッド群F4、F6、F7及びF9に接続されている。この際、
図24に示す構成と同様に、フィルム基板7の辺縁部に設けられているパッドF2、F3、パッド群F4、F6、F7及びF9と、コントロール基板5との間は
図13(b)に示す如きFPC8によって接続されている。
【0187】
ここで、上記実施例では、コントロール基板1(5)及び各ソースドライバ22(62)間をFPC4(8)を中継して接続するようにしているが、コントロール基板1(5)自体をFPC化することにより中継手段としてのFPCを省くようにしても良い。
【0188】
図26は、かかる点に鑑みて為された、コントロール基板及び各ソースドライバ間の配線形態の一例を概略的に示す図である。
【0189】
図26において、コントロール基板1aは、
図1に示されるパネルコントローラ10及び電源回路11をFPC上に形成してなるFPC化されたコントロール基板である。ただし、コントロール基板1aには、コントロール基板1に形成されていた基準階調電圧供給ライン群(12
R、12
G、12
B)は設けられていない。コントロール基板1aのパネルコントローラ10は、上記した走査制御信号を走査制御ラインSLに送出しつつ、上記画素データPD
1〜PD
mをデータラインDL
1に送出する。コントロール基板1aの電源回路11は上記電源電圧VH及びVLを電源ラインGL
1に送出する。
【0190】
表示基板2aは、
図1に示される表示パネル20、ソースドライバ22
1〜22
3、走査ドライバ21が形成されている点については、
図1に示される表示基板2と同一内部構成を有する。ただし、表示基板2aの走査ドライバ21には上記した走査制御ラインSL及び電源ラインGL
1が接続されており、表示基板2aのソースドライバ22
1には上記したデータラインDL
1及び電源ラインGL
1が夫々接続されている。すなわち、コントロール基板1aのパネルコントローラ10及び電源回路11は、中継手段としての上記FPC4を介すことなく、表示基板2aのソースドライバ22
1及び走査ドライバ21に電気的に接続されているのである。
【0191】
ここで、ソースドライバ22
1は、データラインDL
1を介して供給された画素データPDを、このデータラインDL
1を受けた端子とは異なる端子を介してデータラインDL
2に送出する。また、ソースドライバ22
1は、電源ラインGL
1を介して供給された電源電圧VH及びVLを、この電源ラインGL
1を受けた端子とは異なる端子を介して電源ラインGL
2に送出する。
【0192】
ソースドライバ22
2には、これらデータラインDL
2及び電源ラインGL
2が接続されている。ソースドライバ22
2は、データラインDL
2を介して供給された画素データPDを、このデータラインDL
2を受けた端子とは異なる端子を介してデータラインDL
3に送出する。また、ソースドライバ22
2は、電源ラインGL
2を介して供給された電源電圧VH及びVLを、この電源ラインGL
2を受けた端子とは異なる端子を介して電源ラインGL
3に送出する。尚、ソースドライバ22
1及び22
2は、上記した基準階調電圧供給ライン群(12
R、12
G、12
B)をチップ間で連結させる為の基準階調電圧中継ラインQL
1によって互いに接続されている。
【0193】
ソースドライバ22
3には、これらデータラインDL
3及び電源ラインGL
3が接続されている。尚、ソースドライバ22
2及び22
3は、上記した基準階調電圧供給ライン群(12
R、12
G、12
B)をチップ間で連結させる為の基準階調電圧中継ラインQL
2によって互いに接続されている。
【0194】
かかる配線形態により、コントロール基板1aのパネルコントローラ10から送出された画素データPD
1〜PD
mは、表示基板2aに形成されているデータラインDL
1〜DL
3及び各ソースドライバ22を介してソースドライバ22
1〜22
3の各々に供給される。また、電源回路11で生成された電源電圧VH及びVLは、表示基板2aに形成されている電源ラインGL
1〜GL
3及び各ソースドライバ22を介してソースドライバ22
1〜22
3の各々に供給される。
【0195】
よって、
図26に示す配線形態によれば、コントロール基板及び表示基板間を電気的に接続するにあたり中継手段としてのFPCが不要となるので、配線抵抗に伴う電圧ロスを抑えることが可能となる。
【0196】
尚、
図26では、ソースドライバ22
1〜22
3が表示基板2a上に設けられている場合での配線形態を示しているが、各ソースドライバが
図12、
図14、
図24又は
図25に示す如くフィルム基板7上に設けられている場合にも同様な配線形態を採用することが可能である。
【0197】
図27は、かかる点に鑑みて為された、コントロール基板及び各ソースドライバ間の配線形態の他の一例を概略的に示す図である。
【0198】
図27に示される実施例では、ソースドライバ22
1〜22
3が形成されているフィルム基板7
1〜7
3、走査ドライバ21が形成されているフィルム基板8、及び上記したコントロール基板1aの各々が、表示基板2bに接続されている。コントロール基板1aのパネルコントローラ10は、走査制御信号を走査制御ラインSLに送出しつつ、画素データPD
1〜PD
mをデータラインDL
1に送出する。コントロール基板1aの電源回路11は上記電源電圧VH及びVLを電源ラインGL
1に送出する。
【0199】
表示基板2bには、
図1に示される表示パネル20が形成されていると共に、以下の如き各種ラインが形成されている。すなわち、表示基板2bには、ソースドライバ22
1及び走査ドライバ21各々と電源回路11とを接続する電源ラインGL
1、パネルコントローラ10とソースドライバ22
1とを接続するデータラインDL
1、パネルコントローラ10と走査ドライバ21とを接続する走査制御ラインSLが形成されている。更に、表示基板2bには、
図26に示される表示基板2aと同様に、ソースドライバ22
1及び22
2を接続するデータラインDL
2、電源ラインGL
2及び基準階調電圧中継ラインQL
1と、ソースドライバ22
2及び22
3を接続するデータラインDL
3、電源ラインGL
3及び基準階調電圧中継ラインQL
2と、が形成されている。ただし、表示基板2bでは、電源回路11及びソースドライバ22
1同士が、コントロール基板1a及びフィルム基板7
1内を経由して配線された電源ラインGL
1によって接続されており、更にパネルコントローラ10及びソースドライバ22
1同士がデータラインDL
1によって接続されている。また、表示基板2bでは、ソースドライバ22
1及び22
2同士が、フィルム基板7
1及び7
2内を夫々経由して配線されたデータラインDL
2、電源ラインGL
2及び基準階調電圧中継ラインQL
1によって接続されている。更に、表示基板2bでは、ソースドライバ22
2及び22
3同士が、フィルム基板7
2及び7
3内を夫々経由して配線されたデータラインDL
3、電源ラインGL
3及び基準階調電圧中継ラインQL
2によって接続されている。
【0200】
尚、
図27に示す実施例では、FPC化されたコントロール基板(1a)を表示基板(2b)に直接接続するようにしているが、紙フェノール又はガラス・エキシポ等の板材からなるコントロール基板を、フィルム基板7
1〜7
3の内のいずれか1に接続するような配線形態を採用しても良い。
【0201】
図28は、かかる点に鑑みて為された、
図27に示す配線形態の変形例を概略的に示す図である。
【0202】
尚、
図28においては、FPC化されたコントロール基板1aに代えて、紙フェノール又はガラス・エキシポ等の板材からなるコントロール基板1bを採用し、これをフィルム基板7
1に接続した点を除く他の構成は、
図27に示すものと同一である。この際、コントロール基板1bにおいてもコントロール基板1aと同様に、上記したパネルコントローラ10及び電源回路11が形成されているものの、基準階調電圧供給ライン群(12
R、12
G、12
B)は設けられていない。
【0203】
図28に示す構成を採用した場合、パネルコントローラ10及び走査ドライバ21同士が、コントロール基板1b、フィルム基板7
1、コントロール基板1b及びフィルム基板8内を夫々経由して配線された走査制御ラインSLによって接続されている。また、パネルコントローラ10及びソースドライバ22
1同士が、コントロール基板1b及びフィルム基板7
1内を夫々経由して配線されたデータラインDL
1によって接続されている。また、電源回路11及びソースドライバ22
1同士が、コントロール基板1b及びフィルム基板7
1内を夫々経由して配線された電源ラインGL
1によって接続されている。更に、電源回路11及び走査ドライバ21同士が、コントロール基板1b、フィルム基板7
1、コントロール基板1b及びフィルム基板8内を夫々経由して配線された電源ラインGL
1によって接続されている。
【0204】
また、
図17に示す実施例では、分圧抵抗回路6201にて生成された正極性の基準階調電圧V1
P〜V9
P各々の極性を極性反転回路6203で反転させることにより負極性の基準階調電圧V1
N〜V9
Nを生成しているが、極性反転回路6203を用いずに分圧抵抗回路によって直接、負極性の基準階調電圧V1
N〜V9
Nを生成するようにしても良い。
【0205】
図29は、かかる点に鑑みて為された基準階調電圧生成部620の内部構成の他の例を示すブロック図である。
【0206】
尚、
図29に示す構成では、分圧抵抗回路6201に代えて分圧抵抗回路6201aを採用し、極性判定回路6203に代えて分圧抵抗回路6201bを採用して点を除く他の構成は
図17に示すものと同一である。また、
図29に示す構成を採用するにあたり、電源回路11は、上記した高電位側の電源電圧VH及び低電位側の電源電圧VLと共に、これら電源電圧VH及びVLの中間の電圧を有する電源電圧VMを生成してソースドライバ22に供給するようにしている。
【0207】
図29において、分圧抵抗回路6201aは、電源電圧VH及びVM間に直列に接続された抵抗R1〜R10の各抵抗同士の接続点から、夫々が正極階調駆動用のガンマ特性に基づく電圧を有する正極性の基準階調電圧V1
P〜V9
Pを送出し、これらをセレクタ6202に供給する。分圧抵抗回路6201bは、電源電圧VM及びVL間に直列に接続された抵抗RR1〜RR10の各抵抗同士の接続点から、夫々が負極階調駆動用のガンマ特性に基づく電圧を有する負極性の基準階調電圧V1
N〜V9
Nを送出し、これらをセレクタ6202に供給する。