(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記状態固有データは、測定された流量、圧力、弁位置、流量設定値、寄生流量、訂正されたフローセンサ信号、制御ループゲイン、制御ループ時定数、流量インジケータ、及び流量インジケータ時定数からなるグループから選択されること
を特徴とする請求項1の方法。
前記機能パラメータは、圧力変化、圧力変化に対する弁位置変化の比率、最大流量偏差、クローズドループ制御モードへ切り替える瞬間の流量偏差、オープンループ制御モードの継続時間、弁のスタート位置、過渡遅れ、過渡的な立ち上がり時間、過渡的な立ち下がり時間、オーバーシュート、制御時間、ゼロオフセット、及び定常流における弁シフトからなるグループから選択されること
を特徴とする請求項1の方法。
マスフローコントローラを通過する流体の質量流量を表示するマスフローセンサ、前記流体の流量を調節する制御弁、並びに前記流体の質量流量の設定値及び表示に応答して前記制御弁の位置を制御する制御部を含むマスフロー制御システムと、
短期データ記憶部と、
発生した動作上の状態の変化の種類の夫々について、前記動作上の状態の変化の種類に応じて状態固有データを選択し、選択した状態固有データのスナップショットを取得し、状態固有データの各スナップショットを、発生した前記動作上の状態の変化の種類に関係した機能パラメータ値へ還元し、また、前記短期データ記憶部に記憶され、特定の種類の状態の変化が個々に独立して発生している間に得られた複数の機能パラメータ値を特徴づける統計値を生成するデータ収集部と、
現在の機能パラメータ値及び前記短期データ記憶部に記憶された前記統計値を用いて、故障を診断する診断部と
を備えることを特徴とするマスフローコントローラ。
前記状態固有データは、測定された流量、圧力、弁位置、流量設定値、寄生流量、訂正されたフローセンサ信号、制御ループゲイン、制御ループ時定数、流量インジケータ、及び流量インジケータ時定数からなるグループから選択されること
を特徴とする請求項8のマスフローコントローラ。
前記機能パラメータは、圧力変化、圧力変化に対する弁位置変化の比率、最大流量偏差、クローズドループ制御モードへ切り替える瞬間の流量偏差、オープンループ制御モードの継続時間、弁のスタート位置、過渡遅れ、過渡的な立ち上がり時間、過渡的な立ち下がり時間、オーバーシュート、制御時間、ゼロオフセット、及び定常流における弁シフトからなるグループから選択されること
を特徴とする請求項8のマスフローコントローラ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
いくつかの実施形態によって、発明に係るマスフローコントローラ(MFC)は開示される。流体の流量を制御している間、MFCにおける本発明に係るオンボードのデータ収集・診断システムは、MFCの動作に関する多くの情報(例えば、設定値、流量、弁位置、過渡遅れ及びオーバーシュート等)を集める。MFCのいくつかの種類におけるこれらの情報は、フィルタリングされ(例えば、選択され)、MFCの内部メモリに保存され(記録され)、MFCの内部で処理及び解析され、更には、MFCから外部のコンピュータへダウンロードされる。
【0011】
その情報に基づいて、MFCは、性能を「直ちにその場で」改善するために自動的にその動作パラメータを調節し、現在の故障を検出し、将来起こり得る故障を予測し、現在及び予測されるイベントについてオペレータに通知し、更なる分析並びに可能なツール処理の調節及びMFC設計の改善のためにアプリケーションエンジニア及びMFCエンジニアに有用な情報を提供することが可能である。
【0012】
オンボードの診断・データ収集システムの利点は、ツールのデータ転送帯域幅、処理能力及び記憶容量の制約によってエンドユーザが非常に詳細な情報(データスナップショット)を得ることができないためにユーザがアクセスできない内部の「低レベルの」データ及び情報を、使用することができることである。本明細書で更に議論されるように、「低レベルの」データ及び情報は、測定された(例えば生の)センサデータ及び「計算された」(例えば中間的な)制御ループ変数であってもよい。更に、利用者は、ツールを監視するため及びツール警報/警告システムを動作させるためには、そのような「低レベルの」情報を必要としない。
【0013】
本明細書で更に議論されるように、MFCは、ツールのアイドルサイクル中及び処理中に、内部信号及び機能パラメータを監視することが可能である。MFCの処理能力は、通常の動作の間に、MFCの機能及び性能に影響を及ぼさずに、かなり大量のデータを取得し、処理し、記憶し、分析することを可能にする。ここで注目すべき重要なことは、MFCには、設定値、圧力、又は処理ステップの継続時間のようなツール処理に特有の情報を監視する必要も無く、収集する必要も無いことである。本明細書で議論されたデータ収集および分析は、一般的には、処理には無関係である。
【0014】
有益にも、本明細書に開示された発明に係るMFCの実施形態のファームウェア(オンボード制御ソフトウェア)は、種々のMFCセンサから連続して入力される全ての測定データ及びMFCの制御システムで使用される全ての「計算された」(中間的な)制御ループ変数へのアクセス権を有する。結果的に、MFCの実施形態は以下のことが可能である:
・短期メモリにデータ(測定されたもの及び計算されたもの)の比較的大きなスナップショットを記録する
・「機能パラメータ」の形で有用な情報を抽出するために、リアルタイムでデータスナップショットを処理する
・現在の故障又は起こり得る故障を検出し、利用者に警告するために、機能パラメータ値の予備的な分析を実行する
・機能パラメータの表現(例えば、統計的な表現)を、「データセット」として、長期メモリに記憶し、そのデータセットを使用して、危険なパラメータの傾向の検出及び故障の予測を行う
・技術及びトラブルシューティングでの更なる利用のために、長期メモリにあるデータセットから情報を提供する
【0015】
本明細書で更に議論されるように、測定又は計算され、MFCのメモリに記憶され、診断又はトラブルシューティングに利用される二つの種類のデータがあり、それらは生のセンサデータ及び機能パラメータである。生のセンサデータは、ツールのアイドルサイクル中に取得することが可能であり、同様に、処理(例えば、薄膜生成プロセス)の最中にも取得することが可能である。生のセンサデータは、MFCの基本的な機能を確認するために使用される「低レベルの」データである。しかし、一般的には、生のセンサデータはMFCの性能を保証するためには使用されない。その代わりに、機能パラメータは、流量の設定値又は圧力等の特定の動作状態で、MFCの性能を特徴づける。機能パラメータは、MFCの性能及び仕様への準拠を確認するために使用される。
【0016】
今図面を参照すれば、
図1は、MFC100の操作及び整備をより良く管理するためにオンボードのデータ収集及び分析を使用するマスフローコントローラ(MFC)100を示している。これらのコンポーネントの図示された配置は、論理的なものであり、実際のハードウェアの図を意味しない。従って、コンポーネントは、実際には、結合されること、更に分離されること、除去されること及び/又は補充されることが可能である。当業者に認められるように、
図1に示されたコンポーネントは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらのどのような組み合わせで実現されてもよい。更に、本明細書の観点では、個々のコンポーネントの構成は当業者の技術知識の範囲内である。
【0017】
いくつかの実施形態では、MFC100によって制御される流体は液体(例えば硫酸)であり、また他の実施形態では、流体は気体(例えば窒素)である。しかしながら、本開示の助けがあれば当業者に認められるように、MFC100によって運ばれる流体は、例えば、気体又は液体等の任意の相の化合物及び/又は元素の混合物を含むような、どのような種類の流体であってもよい。アプリケーションによって、MFC100は、半導体製造装置のツールへ流体を運搬してもよく、高圧下で又は低温下で流体を運搬するか、又は異なった種類のタンク若しくは容器へ流体を運搬するように構成されていてもよい。
【0018】
図示されたように、本実施形態では、MFC100の基部105は、気体が通過するバイパス110を含んでいる。バイパス110は、メインパス115及びセンサ管120を通過する気体の割合を一定に制御している。結果として、センサ管120を通過する流体(例えば気体又は液体)の流量は、MFC100のメインパスを通過して流れる流体の流量を示す。
【0019】
本実施形態では、センサ管120は、小口径の管であり、MFC100の熱式マスフローセンサ125の一部をなす。一般に、熱式マスフローセンサ125は、センサ管120を通過する流量を示し、その結果、MFC100のメインパス115を通過する流量を示すデジタル信号である出力信号130を提供するように構成されている。当業者に容易に認識されるように、ブリッジ配置された抵抗温度計要素(例えば導電線のコイル)、抵抗測温体(RTD)及び熱電対を含む様々な異なる技術が、アナログ処理技術、アナログ−デジタル変換技術及びデジタル処理技術と共に、熱式マスフローセンサ125を実現するために用いられてもよい。当業者は、更に、出力信号130は、MFC100の物理的特性及び/又はMFC100を通って流れる流体(例えば気体)の特性に基づいて調整(例えば、予め定められた較正係数で信号130が調整される)されてもよいことを認識するだろう。
【0020】
本実施形態では、熱式マスフローセンサ125に加えて制御部140が制御システムの一部になっている。制御システムは、設定値信号155によって示される流量を提供するために出力信号130に基づいて制御弁150の位置を制御する制御信号145を生成する動作を行う。制御弁150は、圧電弁又は電磁弁によって実現されてもよく、また、制御信号145は、電圧(圧電弁の場合)でもよく、電流(電磁弁の場合)でもよい。図示されるように、制御部140は、また、より正確に流量を制御するために温度及び圧力の入力を利用する。圧力及び温度センサの両方、並びにマスフローコントローラに関連して対応する実施態様は、当業者には良く知られており、結果として、温度及び圧力のセンサシステムについての詳細はこの明細書中には含まれていない。
【0021】
図1に示されるように、典型的なMFC100は、また、データ収集部160、診断部165及び予測部170を有するオンボード分析部156を含んでいる。更に、短期データ記憶部175及び長期データ記憶部180は、データアーカイブ190を利用する外部処理ツール185に加えて、オンボード分析部156に接続されている。
【0022】
一般に、オンボード分析部156は、MFC100の性能を「直ちにその場で」改善するために、現在の故障を検出するために、起こり得る未来の故障を予測するために、現在のイベント及び予測されたイベントについてオペレータに報告するために、また、更なる分析並びに可能なツール処理の調節及びMFC設計の改善のための有用な情報をアプリケーションエンジニア及びMFCのエンジニアへ提供するために、動作する。
【0023】
データ収集部160は、少なくとも一部で、対象となる状態が生じた場合に、マスフローコントローラの動作状態及び制御ループ変数に関するデータのスナップショットを収集し、スナップショット中の大量のサンプルを、一般的にはデータのスナップショットを特徴づける機能パラメータ値へ要約し、更に、機能パラメータ値を、短期データ記憶部175に記憶される統計値のデータセットへ要約するために動作する。また、診断部165は、本明細書で更に議論されるような診断機能を提供するために、短期データ記憶部175中のデータセットにアクセスする。更に、統計値のデータセットは、定期的に長期データ記憶部180に記憶され(或いは、一又は複数のイベントに呼応して長期データ記憶部に記憶され)、本明細書で更に議論されるように予測部170で使用される。更に、データセットの集積は、データアーカイブ190中のデータを分析するために特にプログラムされた一又は複数のコンピュータで実現される外部処理ツール185による分析のために、MFC100外のデータアーカイブ190に保管されてもよい。例えば、収集されたデータのより詳細な分析を行うために、データは、外部処理ツール185へ転送され、より効率的で精巧なソフトウェアツールで処理されることが可能である。この機能は、トラブルシューティング及び一層の製品開発のために、MFCエンジニアによって使用されることが可能である。
【0024】
MFC100のユーザ(例えばアプリケーションエンジニア)は、(現場で)ツール上のMFCの性能を最適化及び向上させるべく、MFCの較正パラメータ又は調整パラメータを調節するために、収集している情報を使用してもよい。例えば、ツール制御ソフトウェアは、「過渡遅れ」及び「オーバーシュート」機能パラメータの統計データを読み出し、それらの値に基づいて、流量の過渡信号の最適な波形を提供するためにツールの設定値タイミングを調整してもよい。
【0025】
図2を参照すれば、それは、データ収集部160によって実行されるデータ収集の方法を示すフローチャートである。図示されるように、データ収集部160は、動作状態及び制御ループ変数を示す信号を受信する(ブロック200)。動作状態は流量及び圧力の状態を含んでおり、制御ループ変数は、計算されたであろう変数の値を含んでいる。流量及び圧力に関して、熱的マスフローコントローラ125の出力信号は流量の状態を取得するために用いられてもよく、圧力の状態はコントローラで受信された圧力信号から得られてもよい。圧力信号は、メインパス115の中でセンサ管120から上流に位置する圧力センサ(図示せず)に由来してもよい。
【0026】
制御ループ変数は、計算された値であり、MFC100の制御システムの様相を特徴づける。
図3を簡潔に参照すれば、一又は複数の制御ループ変数値が得られているMFC100の制御ループの一部が示されている。
図3で示されたコンポーネントは、単に典型的なものであり必ずしも必要なものではないことは認識されるべきであり、本明細書で開示された発明の様相は、特定の制御スキーム又は制御ループアーキテクチャに限定されるものではない。
図3に示されるように、制御ループコンポーネントは可変ゲイン入力320、設定値調整部322、ノイズ低減部324及びリードバックフィルタ326を含んでいる。MFC100が弁350へ安定した入力を供給するように、可変ゲイン入力320は、制御ループへ可変ゲインを供給してもよい。可変ゲイン入力320は、それゆえ、多数の流量の状態(例えば、これには限定されないものの、多数の圧力値等)全体にわたったより安定した積分信号316をもたらしてもよい。ノイズ低減フィルタ324は、一箇所で、ノイズ低減フィルタ324から出力された組み合わせ信号308”のノイズが低減され、それによって、弁350のより正確な調節を生み出すように、ループ処理を遅くするために、可変ゲインが適用された後に、組み合わせ信号308’を受信してもよい。設定値調整部322は、設定値信号318を修正すべく適合されている。また、修正された設定値信号318’は、一つの実施形態中では、第1加算器319に受信されてもよい。
図3では、設定値調整部322は、設定値信号318’が適切に処理されるように信号318’を修正してもよい。第1加算器19は、誤差信号312を第2加算器310へ出力してもよい。第2加算器310は、また、比例信号314を受信し、組み合わせ信号308を出力してもよい。
【0027】
また、
図3には、フィードフォワード制御信号330が示されている。フィードフォワード制御信号330は、設定値信号318から弁350へ事実上直接に制御信号を設定すべく適合されている。フィードフォワード制御信号330は、一般的に積分信号316が設定されているものよりも流量の変化に対してより素早い弁の反応が望まれている場合に、いくつかのアプリケーションにおいて設定される。一つの実施形態では、フィードフォワード制御信号330は、弁特性データ332を含んでいてもよい。弁特性データ332は、設定値、圧力、流体の種類及びその他のパラメータを考慮に入れて、フィードフォワード制御信号330を修正してもよい。一つの実施形態は、更に、弁313の中のヒステリシスの効果を補整すべく適合されたヒステリシス補整部334を含んでいてもよい。フィードフォワード制御信号330及びヒステリシス補整部334は、米国特許出願番号12/356,661名称「マスフローコントローラヒステリシス補整システム及び方法」に開示されたフィードフォワード制御信号330及びヒステリシス補整部334に類似しているかもしれないが、それは参考文献として全体が組み込まれている。積分信号316又はフィードフォワード制御信号330を受信したとき、弁350は、流体340の流量を調整すべく適合されている。センサ309は、次に、流体340の実際の流量を測定し、測定した流量信号311を出力する。
【0028】
この典型的な制御ループの一又は複数の以下のような制御ループ変数が、取得されてもよい(また、以下に議論されるように、対象となる状態が発生した場合に、収集されてもよい):即ち、修正された設定値信号318’、第1のエラー(「組み合わせ」)信号308、可変ゲイン制御信号320、第2のエラー(「組み合わせ」)信号308’、ノイズ低減制御信号324、第3のエラー(「組み合わせ」)信号308”、弁制御信号316、測定された流量信号311である。
【0029】
図2を再び参照すれば、一又は複数の動作状態への変化がある場合(ブロック202)、状態固有データのサンプルは、状態変化があると、マスフローコントローラの動作特性のスナップショット及び制御ループ変数を得るために、記録される(ブロック204)。データスナップショットは、例えば全ての制御ループサイクルにおいて(例えば3秒間隔で)許容される最大のサンプリングレートで取得された夫々のデータパラメータの1000サンプルを含んでいてもよい。しかし、これは決して必須ではなく、他のサンプルレートが利用されてもよい。
【0030】
サンプルの記録を引き起こすであろう状態変化は、流量の設定値の変化、又はMFC100が制御している流体の圧力の変化を含んでいてもよい。弁位置の変化、実行される「ゼロオフセット」手続き、又は時間経過等の他の状態も状態固有データの記録を引き起こすかもしれないことが、更に考えられる。
【0031】
例えば
図4Aを参照すれば、示されているのは、典型的な流量プロファイル、及びサンプルの記録を引き起こす検出済の状態である。また
図4Bは、サンプリングされる動作状態の少なくとも一部を描いている。
図4Aで描かれた例では、設定値がゼロの値からゼロでない値にまで変化したことが、データスナップショットの記録を引き起こす。また、
図4Bは、
図4Aで描かれるスナップショットの初期部分の間における設定値、流量及び弁位置の取得されたサンプルを描いている。
【0032】
記録されたデータパラメータのセットは、ブロック202で検出される状態変化の種類に応じて、異なることができる。ほとんどの状態変化については、以下のデータパラメータが記録されている。即ち、測定された流量、圧力及び弁位置である。しかし、他のいくつかの種類の状態変化については、他の状態固有データパラメータが記録可能である。例えば、以下のパラメータが記録されるかもしれないことが考えられる。即ち、流量設定値、寄生流量、訂正されたフローセンサ信号、制御ループゲイン、制御ループ時定数、流量インジケータ(リードバック)信号、及び流量インジケータ時定数である。
【0033】
図2に示されるように、サンプルが記録された(ブロック204)後、複数の状態固有機能パラメータの夫々について、機能パラメータ値がサンプルに基づいて決定される(ブロック206)。夫々の機能パラメータは、複数サンプルのスナップショットの異なる形態を簡潔に特徴づける。従って、単一の機能パラメータ値は、簡潔に、スナップショットの間のMFC100の動作に関する関連情報を提供する。また、特定の機能パラメータは、変化する特定の状態に応じて変化してもよいので、夫々の機能パラメータは、状態に特有である。
【0034】
例えば
図4Cに示されるように、
図4Aに描かれたゼロからゼロでない値への設定値の変化は、以下の機能パラメータと関連しているかもしれない。即ち、過渡遅れ、過渡的な立ち上がり時間、定常流におけるオーバーシュートである。そして、
図4Cには示されないものの、弁のスタート位置、制御時間、及び弁シフトも、ゼロからゼロでない値への設定値の変化に関連した機能パラメータであるかもしれない。「弁シフト」という用語は、特定の流量設定値及び圧力における実際の弁位置と較正された弁位置との間の違いを指す。弁シフト値は、適応的な弁のスタート位置の計算に使用される。このことは、米国特許出願番号13/206,022名称「適応的な弁開始位置を備えたマスフローコントローラアルゴリズム」に詳細に記述されており、この内容は参考文献として全体が本明細書に組み込まれている。
【0035】
ゼロでない値からゼロでない値への設定値の変化は、以下の機能パラメータと関連しているかもしれない。即ち、過渡遅れ、過渡的な立ち上がり/立下り時間、オーバーシュート、制御時間、定常流での弁シフトである。また、ゼロでない値からゼロへの設定値の変化は、以下の機能パラメータと関連しているかもしれない。即ち、過渡遅れ、過渡的な立下り時間、オーバーシュート、制御時間、及びゼロオフセット(定常流)である。
【0036】
設定値の変化に加えて、圧力変化も、データスナップショットの記録を引き起こすことがある。また、ゼロでない流れの圧力変化は、以下の機能パラメータに関連しているかもしれない。即ち、圧力変化、圧力変化に対する弁位置変化の比率、最大流量偏差、クローズドループ制御モードへ切り替える瞬間の流量偏差、及びオープンループ制御モードの継続時間である。ゼロの流れの期間に生じる圧力変化は、機能パラメータとして、圧力変化及び最大流量偏差を有してもよい。
【0037】
図2に示されるように、一旦、データスナップショットに基づいて機能パラメータ値が決定された場合は(ブロック208)、複数のデータセットの夫々は、短期データ記憶部175で更新される。出願人は、全ての機能パラメータ値を短期データ記憶部175及び長期データ記憶部180に記憶することはMFCで利用できるメモリを過剰に消費するということを発見している。また、出願人は、本明細書に記載された診断及び予測の能力を提供するためには、全ての機能パラメータ値の記録は不必要であることをも発見している。より具体的には、出願人は、通常は、状態が変化する度に全てのパラメータ値の保存を必要とするほど速くパラメータ値が変化することは無いことを発見している。
【0038】
結果として、いくつかの実施形態では、データセットの夫々は、機能パラメータ値の生の値の代わりに、機能パラメータ値の統計的特性値を含んでいる。より具体的には、これらの実施形態における短期データ記憶部175の更新は、パラメータ値を特徴づける統計データを更新することを含んでいる。更に本明細書で議論されるように、パラメータ値は、安定した動作温度が続いている間に同様の設定値及び圧力の状態(例えば、特定の較正条件に近い状態)の下で取得され、これにより、同様の温度で得られたパラメータの統計データが組み合わされる。
【0039】
図4Dに示すように、データセットは、夫々以下の情報を含んでいるであろう。即ち、機能パラメータ(「種類」又は「ID」)、データセットの開始時刻、統計に使用された機能パラメータサンプルの数、平均温度、設定値の範囲(例えば10の範囲の一つ)、圧力範囲(例えば六つの範囲の一つ)、及びパラメータのための統計データである。統計データは、平均(算術平均された)値、標準偏差、最小値及び最大値を含んでいてもよい。いくつかのバリエーションでは、メモリ容量を節約するために、一つの「ピークトゥピーク」値を個別の最小値及び最大値の代わりに記憶することが可能である。
【0040】
必須では無いものの、出願人は、短期データ記憶部175及び長期データ記憶部180に保存された異なるデータセットの数は、夫々のデータセットを動作状態の範囲に関連付けることによって低減されるかもしれないことを発見している。より具体的には、データ記録を引き起こす状態がブロック204で発生するときの設定値及び圧力の両方の範囲は、記憶されるデータセットの数を低減するために、確定されていてもよい。
【0041】
設定値及び圧力の特定範囲は、MFC100の較正に使用される較正設定値及び較正圧力によって決定されてもよい。例えば、較正が10個の流量設定値及び6個の圧力で実行された場合は、統計データを組み合わせるための10個の設定値範囲(ビン)及び6個の圧力範囲(ビン)が存在するであろう。
【0042】
例えば、較正設置値が0.3%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、40%、70%、100%である場合は、その後、設定値範囲は表1に示されるように構成されてもよい。
【0044】
これらの夫々の範囲内では、MFC100の応答は実質的に同一であると予想される。
【0045】
また、較正圧力が15psi、20psi、30psi、40psi、50psi及び65psiである場合は、圧力範囲は以下の表2のように構成されてもよい。
【0047】
設定値範囲に関して、あるビンから別のビンまでのどんな設定値の変化も、相当するデータセット(データセットがまだ生成されていない場合)又はデータセットが既に生成されている場合にブロック208で更新されたデータセットという結果になるブロック202での状態変化としてみなされるであろう。結果として、110種類の異なった遷移(90種類のゼロでない設定値ビン間の遷移、10種類のゼロの設定値からゼロでない設定値ビンへの遷移、及び10種類のゼロでない設定値ビンからゼロの設定値への遷移)があり、設置値の変化を原因とするものだけで、110種類の異なった状態変化が存在する可能性がある。しかし、夫々の設定値の変化は、更に、6種類の圧力範囲の一つに関連して発生してもよく、このため、データの記録を引き起こす660種類の潜在的な状態変化が存在してもよい。しかし、この潜在的な状態変化の数は、効果的に記憶されて分析されるには多すぎるかもしれないし、更に/或いは、この潜在的な状態変化の数はいくつかのMFCには不必要かもしれない。
【0048】
しかしながら、出願人は、いくつかの動作範囲にわたるMFCの応答は、一又は複数の他の動作範囲でのMFCの応答に基づいて予想され、その結果、異なった範囲での応答が一つのデータセットで特徴づけられるであろうことを発見している。例えば、二つのゼロでない設定値間の変化があった場合、変化の夫々について新しいデータセットを生成する必要は無い。経験上、出願人は、任意の二つの範囲間の遷移に対するMFCの応答は、振幅を除いて実質的に同一になることを発見している。例えば、第1の設定値ビンと第2の設定値ビンとの間の設定値の遷移に対するMFCの応答は、第1の設定値ビンと第10の設定値ビンとの間の設定値の遷移に対する応答と同一に見えるはずである。但し、振幅だけは異なるであろう。従って、振幅が拡大・縮小されれば、応答(例えば遅延、立ち上がり時間及びオーバーシュート)は非常に類似しているだろう。結果として、データセットの90個の組み合わせを保持する代わりに、一つのビンから他のビンへの遷移に対応する一つのデータセットが生成されてもよい。言い換えれば、機能パラメータ値を拡大・縮小することによって、MFCの振る舞いは、ゼロでない設定値からゼロでない設定値への遷移の全てについて比較可能になるであろう。
【0049】
ゼロでない設定値からゼロの設定値への変化に関して、ゼロでない設定値からゼロへの10種類の異なる組み合わせの代わりに、一つのデータセットだけが生成されてもよい。なぜなら、結果が適切に拡大・縮小される場合にはMFCは同様の応答を示すと予想されるからである。しかし、ゼロの設定値と他の設定値範囲との間の遷移について、これらの遷移は個別の状態変化と考えられるので、ゼロの設定値と他のゼロでない設定値範囲との間の遷移について少なくとも10個の潜在的なデータセットが存在するだろう。
【0050】
従って、設定値の遷移の110種類の異なる組み合わせの代わりに、次のような12種類の状態変化が代わりに使用されてもよい。ゼロでない設定値間の設定値の変化についての一つの状態変化。ゼロでない設定値からゼロの設定値への変化についての一つの状態変化。設定値のゼロからゼロでない値への変化についての10種類の状態変化。
【0051】
また、表1及び表2にある範囲の典型的な組み合わせは、6種類の異なる圧力範囲を含んでいるので、潜在的に72種類の異なる状態固有データセットが存在する。このことは、上で議論された660種類の潜在的な状態固有データセットからの大幅な縮小である。
【0052】
設定値の変化に加えて、MFC100が一定の設定値に設定されている間に圧力の変化があってもよい。6個の異なる圧力に関連して11個の異なる設定値(即ち、ゼロの設定値及び10個の設定値ビン)が存在するので、一定の設定値での圧力変化に関連付けられた66個の異なる状態固有データセットが存在してもよい。データを低減するためのこのアプローチは効果的で効率的であるものの、それは多くの実施形態において決して必須ではなく、状態固有データセットの異なる数を低減するためにその他のアプローチが利用されてもよいことが考えられる。更に、場合によってはより多くのデータセットを持つことが望ましいことが、確かに考えられる。
【0053】
必須では無いものの、いくつかの実施形態では、夫々のMFC100は、ユーザへ基準データセットと共に送付される。例えば、製造時にデバイスが較正された後、デバイスは、いくつかの機能パラメータのための最初の統計データを得るために、異なった動作状態(例えば、較正状態と同一の状態)の下でいくつかの作業を実行することが可能であり、また、最初の「基準」データセットとしてこれらのデータをメモリに記憶することが可能である。
【0054】
通常のプロセスの実行を始めている間に、ユーザは、ツール(例えば、薄膜形成ツール)上で同一の手順を実行することが可能である。ユーザは、標準のプロセスを、この特定のプロセスについての最初の統計データを得るために、複数回実行してもよい。特定のプロセスについての「基準」データセットは、MFC100から引き出され、プロセスの期待される表現又は「指紋」として、データアーカイブ190に記憶されることが可能である。夫々のMFCユニットの性能は変化してもよいものの、ユニット間での再現性の要件が満たされているならば、MFCの一般的な振る舞いは似ているはずである。新しいMFCデバイスがツールに据え付けられる場合、予め記憶されている「指紋」データは、デバイスへアップロードされ、この特定のツール及びプロセスに対して「基準」として使用されることが可能である。
【0055】
図2に示すように、データセットが更新された後、機能パラメータに影響する状態は監視される(ブロック210)。また、発生するイベント(ブロック212)が無い場合は、現在のデータセットは短期データ記憶部175に残される。また、ブロック200〜210に関連したステップが追加の状態変化について繰り返され、夫々のデータセットが更新される。
【0056】
例えば
図5を参照すれば、一連のN個の動作状態の変化が示されている。この動作状態の変化は、夫々に、
図2のブロック200〜208を参照して記述されたように短期データ記憶部175内のデータセットを更新するために使用される機能パラメータ値へ要約されるデータのスナップショットを、引き起こす。例えば、一連のN個のスナップショットは、予め定義された時間が終了するか又は温度変化が発生する等のイベントが発生するまで連続的に得られるスナップショットである。図示されるように、N個のスナップショットの夫々は、機能パラメータ値へ要約される生データを含んでいる。また、機能パラメータ値は、更に、N個のデータスナップショットに亘って得られる機能パラメータ値の統計的表現へ要約される。図示されるように、夫々のスナップショットの後、MFCのメモリ(例えばRAMメモリ)は、生データと、短期データ記憶部175内のデータセットを更新するために使用される生成済の機能パラメータ値とを記憶する。次のスナップショットが発生する場合、次のスナップショットからの生データは、短期データ記憶部175内のデータセットを更新するために同様に使用される新しい機能パラメータ値を生成するために、使用される。
【0057】
イベントが発生した(ブロック212)場合、その後、現在のデータセットの集合は、長期データ記憶部180に記憶される(ブロック214)。多くの実施形態では、時間経過又は温度変化のいずれかが、現在のデータセットの集合が長期データ記憶部180に記憶されることを引き起こすだろう。
図6を簡潔に参照すれば、長期データ記憶部180に記憶される複数のデータセット集合の描写が示されている。現在のデータセットの長期データ記憶部180への記憶を引き起こすイベントが時間である場合は、データ収集部160は、現在のデータセットを日々自動的に長期データ記憶部180に記憶させるように設定されていてもよい。しかし、他の時間経過も考慮される。更に、温度に大幅な変化があった場合は、温度の変化がパラメータ値に影響する前に現在のデータセットが長期データ記憶部180に記憶されるように、タイマーは無効にされてもよい。
オンボードでの診断
【0058】
多くの実施形態に従って、MFC100は、MFC100の一又は複数のコンポーネントに何か故障があるかどうかを判定するために短期データ記憶部175内のデータセットを利用するように構成されている。例えば、応答時間、オーバーシュート及び安定性を含む現在の機能パラメータ値は、短期データ記憶部175内のデータセットと、故障を暗示しているかもしれない何らかの違いを識別するために比較されてもよい。
【0060】
得られた診断データは、また、故障を予測するために使用されてもよい。例えば、フィールド履歴及び診断データは、差し迫っている故障を示唆する傾向を決定するために使用されることが可能である。有益にも、本発明に係るMFC100のいくつかの実施形態は、故障が顧客の製造プロセスに悪影響を及ぼす前に故障を識別することができる。例えば、与えられた圧力について与えられた流量を達成するために弁位置が時間をかけて増加する傾向を取っている場合(例えば、可能性のある汚染の問題を示している)、この情報は、可能性のある汚染の問題が、気体が仕様の範囲外へ運ばれ始める程度にまで進行することを防止するために、集められて報告されてもよい(例えば、フラグ又はアラームによって)。
【0061】
長期データ記憶部180に記憶されたデータセット集合は、オンボードでの傾向分析に使用される。予測処理は、プロセッサが動作上の重大なタスクを実行していないときに限って実行される優先度の低いファームウェアタスクとして実行されてもよい。傾向分析では、現在のセンサ信号及び機能パラメータ統計データは、長期データ記憶部180に記憶されたより古いデータと比較される。例えば、100%の定常流の弁位置が、時間経過に従って連続的に増加しており、所定の限界(例えば90%)に近づいている場合は、可能性のある故障が近い将来に発生するかもしれないことを示すアラームフラグが設定されることが可能である。
【0062】
傾向分析に基づいて、故障又は性能劣化の根本的原因についてのいくつかの結論(例えば、汚染、機械的な欠陥、間違った構成等)を得ることが可能である。例えば、圧力が変化するイベントに応答する弁位置への流量感度が増加している場合、結果として誤った流量の読み取りをもたらすような、バイパス110の汚染が発生しているかもしれない。
信頼モード
【0063】
いくつかの実施形態では、MFC100は、処理手順の中の特定のステップを調べ、同一の処理の前回の実行内容と比較する。例えば、MFCは、時間、圧力変動、安定性及び弁位置を調べてもよい。また、これを受けて、MFCは、同量の気体が後のステップで供給された信頼水準を(例えば百分率で)報告してもよい。
ツールデータ収集及び評価
【0064】
多くの場合では、MFC100は、ガスボックス中のデバイスの中で最大の処理能力を含んでいる。結果として、MFC100は、フィルタが交換を必要としているかを決定して報告するために使用されてもよく、計量器を通って送られた夫々の種類の気体の総量を(例えば一日単位で)追跡して報告するために使用されてもよい。加えて、最後のリセット以降に計量器を通過した気体全体が監視され報告されてもよい。更に、パラメータはリセット間に追跡され、これにより、流量が設定された最後の時点からの任意の変化が報告されてもよい。他の例として、逆流の発生が追跡され、これにより、逆流の量及び逆流が発生したときの時点が追跡されてもよい。
オンボード調整
【0065】
MFCのオンボード調整の能力は、多くの米国特許出願に記述されている。例えば、米国出願公開番号US20110307104名称「適応的なオンツールマスフローコントローラ調整」、及び米国出願番号13/324175名称「多種の気体を使用する用途のための適応的な圧力無感応MFCアルゴリズム」である。これらは参考文献として本明細書に組み込まれており、両方ともオンボード調整の技術を教える。
【0066】
本明細書に記述されたデータ収集は、新しいオンボード調整アルゴリズムの実施のために有効に使用されることができる有用な情報を提供する。例えば、傾向分析データは、ゼロオフセット温度補償を改善するために使用することができる。
【0067】
次に
図7を参照すれば、
図1を参照して記述されたMFC100を実現するために利用されてもよい物理的なコンポーネントを描いたブロック
図700が示されている。図示されるように、ディスプレイ部712及び不揮発性メモリ720はバス722で接続されており、更に、バス722で、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)724、処理部(N個の処理コンポーネントを含む)726、電磁式又は圧電式の弁730と通信できる弁ドライバ部728、及びインタフェース部732が接続されている。
図7に描かれたコンポーネントは物理的なコンポーネントを表しているものの、
図7はハードウェア図としては意図されていない。それゆえ、
図7で描かれた多くのコンポーネントは、通常の構成物で実現されてもよく、又は、付加された物理的なコンポーネントの中に分散されてもよい。更に、他の既存の及びまだ開発されていない物理的なコンポーネント及びアーキテクチャが、
図7を参照して記述された機能コンポーネントを実現するために利用されてもよいことは、確かに考えられる。
【0068】
このディスプレイ部712は、一般にコンテンツの表示をユーザへ提供するために作動する。いくつかの実施例では、ディスプレイはLEDディスプレイ又はOLEDディスプレイで実現される。一般的に、不揮発性メモリ720は、データと
図1に描かれた機能コンポーネントに関連したコードを含む実行用コードとを記憶(例えば持続的に記憶)すべく機能する。いくつかの実施形態では、例えば、不揮発性メモリ720は、ブートローダコード、ソフトウェア、オペレーティングシステムコード、ファイルシステムコード、及び
図1に関して議論されたコンポーネントの一又は複数の実現を容易にするためのコードを含んでいる。
【0069】
多くの実施例では、不揮発性メモリ720は、フラッシュメモリ(例えばNAND又はONENAND(登録商標)メモリ)で実現されている。しかし、他の種類のメモリが同様に使用されてもよいことは確かに考えられる。不揮発性メモリ720からコードを実行することは可能であるかもしれないけれども、不揮発性メモリ720中の実行用コードは、典型的にはRAM724にロードされ、処理部726中のN個の処理コンポーネントの内の一又は複数の処理コンポーネントによって実行される。図示されるように、処理コンポーネント726は、制御部140及びオンボード分析部156によって実行される機能に利用されるアナログの温度及び圧力の入力を受け付けてもよい。
【0070】
RAM724に連携したN個の処理コンポーネントは、一般的に、
図1に描かれた機能コンポーネントを実現するために、不揮発性メモリ720に記憶された命令を実行すべく動作する。例えば、制御部140は、N個の処理コンポーネントの内の一又は複数の処理コンポーネントによって、RAM724から実行される非一時的でプロセッサによる読み取りが可能な制御コードに連携して実現されてもよい。更に、オンボード分析部156は、N個の処理コンポーネントの内の一又は複数の処理コンポーネントによって、
図2で描かれた方法を実行するためにRAM724から実行される非一時的でプロセッサによる読み取りが可能な制御コードに連携して実現されてもよい。また、短期データ記憶部175はRAM724で実現されてもよく、長期データ記憶部は不揮発性メモリ720で実現されてもよい。
【0071】
インタフェース部732は、一般的に、ユーザとMFC100とのやり取りを可能にさせる一又は複数のコンポーネントを表す。インタフェース部732は、例えば、キーパッド、タッチスクリーン、及び一又は複数のアナログ又はデジタル制御装置を含んでいてもよい。また、インタフェース部732は、ユーザからの入力を設定値信号155へ変換するために使用されてもよい。また、通信部734は、一般的に、MFC100の、外部ネットワークとの通信、及び
図1を参照して記述された外部処理ツール185を含む外部デバイスとの通信を可能にさせる。当業者は、種々の無線通信(例えばWiFi)又は有線通信(例えばイーサネット(登録商標))を可能にするために、通信部734はコンポーネント(例えば、集積されたもの又は分散されたもの)を含んでもよいことを認識するだろう。
【0072】
図7に描かれたマスフローセンサ736は、
図1に示されたマスフローセンサ125を実現するための当業者に知られたコンポーネントの集合を表す。これらのコンポーネントは、センサ素子、増幅器、アナログ−デジタル変換コンポーネント及びフィルタを含んでいてもよい。
【0073】
当業者は、本明細書で議論された情報及び信号は、種々の異なった技術及び技法のいずれを使用して表されてもよいことを認識するだろう。例えば、以上の記述の全体に亘って参照されてもよいデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場或いは磁性粒子、光学場或いは光学粒子、又はそれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0074】
当業者は、本明細書に開示された実施形態に関連して記述された、種々の例示された論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムステップは、
図7に描かれたコンポーネントとは別の代替コンポーネントによって実現されてもよいことを更に認識するであろう。このハードウェア及びソフトウェアの交換可能性を明確に説明するために、種々の例示されたコンポーネント、ブロック、モジュール、回路及びステップは、一般的にその機能に着目して上述された。そのような機能がハードウェア、ファームウェア又はソフトウェアのいずれで実施されるかということは、特定のアプリケーション、又はシステム全体に課せられた設計上の制約に依存する。当業者は、夫々の特定のアプリケーションについて種々の方法で記述された機能を実施してもよい。しかし、そのような実施の決定は、本発明の範囲からの逸脱を引き起こすとは解釈されるべきではない。
【0075】
より具体的には、本明細書に開示された実施形態に関連して記述された、種々の例示された論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、書き換え可能ゲートアレイ(FPGA)若しくは他のプログラム可能な論理デバイス、ディスクリートのゲート若しくはトランジスタ論理回路、ディスクリートのハードウェアコンポーネント、又は本明細書で記述された機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせによって、実現又は実行されてもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよい。しかし、その代わりに、任意の在来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ又は状態機械であってもよい。プロセッサもまた、計算デバイスの組み合わせで実現されてもよい。例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、DSPコアと連結した一若しくは複数のマイクロプロセッサ、又はその他の同様の構成であってもよい。
【0076】
本明細書に開示された実施形態に関連して記述された方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサ(例えば
図7で示されたような)で実行されたソフトウェアモジュール、又はその二つの組み合わせで直接に具体化されてもよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、着脱可能なディスク、CD−ROM、又は技術上知られている記憶メディアの任意の他の形態等のような、非一時的でプロセッサによる読み取りが可能なメディア上に常駐してもよい。典型的な記憶メディアは、プロセッサがその記憶メディアから情報を読み出し、またその記憶メディアに情報を書き込めるように、プロセッサに接続されている。それとは別に、記憶メディアはプロセッサに内蔵されていてもよい。プロセッサ及び記憶メディアはASICに内蔵されていてもよい。
【0077】
開示された実施形態のこれまでの記述は、どのような当業者でも本発明の作成又は使用をできるようにするために提供されている。これらの実施形態に対する種々の変更は、当業者にとって容易に明らかになるであろう。また、本明細書で定義された総括的な原則は、発明の趣旨又は範囲から外れない限り、他の実施形態に適用されてもよい。従って、本発明は、本明細書で示された実施形態に限定されることを意図されたものではなく、本明細書で開示された原則及び新規の特徴と矛盾しない最大の範囲に一致することを意図されたものである。