【実施例1】
【0024】
図1に実施例1に係る発光ダイオード駆動装置100のブロック図を示す。この発光ダイオード駆動装置100は、整流回路2と、LED集合体10と、第一バイパス手段21〜第四バイパス手段24と、電流制御手段30と、電流検出手段4とを備える。この発光ダイオード駆動装置100は、交流電源APに接続されて、交流電圧を整流した整流電圧(脈流電圧)を得るための整流回路2と、複数のLED部で構成されたLED集合体10とを、出力ラインOL上で各々直列に接続している。ここではLED部を4つ使用しており、第一LED部11、第二LED部12、第三LED部13、第四LED部14を直列に接続して、LED集合体10を構成している。さらに出力ラインOLには、LED集合体10と、LED駆動手段3と、電流検出手段4とを直列に接続している。
【0025】
また第一LED部11、第二LED部12、第三LED部13には、各々一端に通電量を制御するための第二バイパス手段22、第三バイパス手段23、第四バイパス手段24が接続される。第二バイパス手段22、第三バイパス手段23、第四バイパス手段24は、それぞれLED部に対して並列に設けられ、他端を電流検出手段4の上流側と接続しており、各LED部への通電量を調整するバイパス経路を構成する。すなわち、第二バイパス手段22、第三バイパス手段23、第四バイパス手段24によってバイパスされる電流量を調整できるので、結果的に各LED部の通電量を制御できる。
図1の例では、第三LED部13と並列に第四バイパス手段24が接続され、第四バイパス経路BP4を形成する。また第二LED部12と並列に第三バイパス手段23が接続され、第三バイパス経路BP3を形成する。さらに第一LED部11と並列に第二バイパス手段22が接続され、第二バイパス経路BP2を形成する。なおここでいう並列接続とは、各LED部の両端と各バイパス手段が接続されていることを要さず、各バイパス手段の一端が各LED部の一端と接続されており、電流が分岐されるように構成されていれば足りる。例えば
図1の例では、第四バイパス手段BP4はその一端を第三LED部13の上流側と接続し、他端を出力ラインOL上で、電流検出手段4の上流側と接続している。このように各バイパス手段の並列接続とは、出力ラインOL上に接続された各LED部の電流を分岐させるような接続形態を指す意味で使用する。
(電流制御回路)
【0026】
またLED部の電流駆動を行う電流回路の制御用に電流制御回路が設けられる。
図1の回路例では、第一バイパス手段21、第二バイパス手段22、第三バイパス手段23、第四バイパス手段24と、電流制御手段30、電流制御信号付与手段5とで、一種の定電流回路が構成されており、この定電流回路の制御は電流制御手段30と電流制御信号付与手段5とで行われる。
(電流制御手段30)
【0027】
電流制御手段30は、電流制御信号付与手段5を介して第一バイパス手段21、第二バイパス手段22、第三バイパス手段23、第四バイパス手段24と接続されており、第一バイパス手段21、第二バイパス手段22、第三バイパス手段23、第四バイパス手段24のON/OFFや電流量連続可変といった動作を制御する。電流制御手段30は、電流検出手段4に接続されてLED集合体10の電流量をモニタし、その値に基づいて第一バイパス手段21、第二バイパス手段22、第三バイパス手段23、第四バイパス手段24の制御量を切り替える。
(第一LED部11〜第四LED部14)
【0028】
一方、各LED部は、一又は複数のLED素子を直列及び/又は並列に接続したブロックである。LED素子は、表面実装型(SMD)や砲弾型のLEDが適宜利用できる。またSMDタイプのLED素子のパッケージは、用途に応じて外形を選択でき、平面視が矩形状のタイプ等が利用できる。さらに、複数のLED素子をパッケージ内で直列及び/又は並列に接続したLEDをLED部として使用することも可能であることは言うまでもない。
【0029】
各LED部に含まれるLED素子の順方向電圧の加算値である小計順方向電圧は、直列接続されたLED素子の個数によって決まる。例えば順方向電圧3.6VのLED素子を6個使用する場合の小計順方向電圧は、3.6×6=21.6Vとなる。
【0030】
この発光ダイオード駆動装置100は、電流検出手段4で検出した電流値に基づいて、各LED部に対する通電量の制御を行う。いいかえると、整流電圧の電圧値でなく、現実に通電される電流量に基づいた電流制御であるため、LED素子の順方向電圧のばらつきに左右されず、適切なタイミングで正確なLED部の切り替えが実現され、信頼性の高い安定した動作が見込まれる。なお電流値の検出には、電流検出手段4等が利用できる。電流検出手段4には、抵抗器等が好適に利用できる。
【0031】
図1の例では、電流制御手段30が第四LED部14の通電量に基づいて、第四バイパス手段24による第四LED部14への通電制限量を制御する。具体的には、第四バイパス手段24及び第三バイパス手段23、第二バイパス手段22、第一バイパス手段21がONの状態で、通電量に応じて、第四バイパス手段24は第四LED部14を電流駆動する。その後入力電圧が上昇して、第四LED部14と第三LED部13を共に駆動できる電圧に達すると、第三LED部13に電流が流れ始め、さらにその電流値が一定量を超えると、第四バイパス手段24はOFFとなる。さらに電流制御手段30が第四LED部14及び第三LED部13の通電量に基づいて、第三バイパス手段23による第四LED部14及び第三LED部13への通電制限量を制御する。具体的には、通電量に応じて第三バイパス手段23は第四LED部14と第三LED部13を電流駆動する。その後入力電圧が上昇して、第四LED部14と第三LED部13と第二LED部12とを共に駆動できる電圧に達すると、第二LED部12に電流が流れ始め、さらにその電流値が一定量を超えると、第三バイパス手段23はOFFとなる。
【0032】
さらに電流制御手段30が第四LED部14、第三LED部13、第二LED部12の通電量に基づいて、第二バイパス手段22による第四LED部14、第三LED部13、第二LED部12への通電制限量を制御する。具体的には、通電量に応じて第二バイパス手段22は第四LED部14と第三LED部13と第二LED部12とを電流駆動する。その後入力電圧が上昇して、第四LED部14と第三LED部13と第二LED部12と第一LED部11を共に駆動できる電圧に達すると、第一LED部11に電流が流れ始め、さらにその電流値が一定量を超えると、第二バイパス手段22はOFFとなる。最後に第一バイパス手段21及び電流制御手段30は、第四LED部14、第三LED部13、第二LED部12、第一LED部11を通電量に応じて電流駆動させる。
【0033】
以上のように発光ダイオード駆動装置100は、家庭用電源等の交流電源APを用いて、その交流を全波整流した後に得られる周期的に変化する脈流電圧に合わせて、直列に配置されたLED素子を適切な個数だけ点灯させるように構成した複数の電流回路を備えており、各電流回路を各々適切に動作させるように複数のLED電流検出回路を動作させることができる。
【0034】
この発光ダイオード駆動装置100は、電流値の上昇に伴って第四LED部14、第三LED部13、第二LED部12、第一LED部11を順次通電させる。特に各LED部への通電量を電流制御によって制限することで、電流量に応じてLED部の通電量の制御を行うことができ、脈流電圧に対して効率よくLEDを点灯駆動できる。
【0035】
さらに
図1の例では、第一バイパス手段21と並列にLED駆動手段3が接続されており、第一バイパス手段21に流れる電流の一部をLED駆動手段3で分岐させることによってLED駆動手段3が第一バイパス手段21の負荷を低減している。
(高調波抑制信号生成手段6)
【0036】
さらに電流制御手段30は、高調波抑制信号生成手段6と接続される。高調波抑制信号生成手段6は、整流回路2から出力される整流電圧に基づいて、高調波抑制信号電圧を生成する。ここでは、高調波抑制信号生成手段6は、整流回路2で整流された整流電圧を適当な大きさに圧縮し、電流制御手段30に送出する。電流制御手段30は、高調波抑制信号生成手段6から送られた信号を参照信号とし、電流検出手段4で検出された電流検出信号と比較する。電流制御手段30はこの比較結果を基に、それぞれの第四バイパス手段24〜第一バイパス手段21を介して適切なタイミングと電流で、それぞれのLED部を駆動する。
(平滑化回路)
【0037】
さらに
図1に示す発光ダイオード駆動装置は、LED集合体10と並列に接続された平滑化回路を備える。平滑化回路は、LED集合体10の消灯期間を低減するための部材である。この平滑化回路は、例えば第一充放電コンデンサ111で構成される。
(第一充放電コンデンサ111への充電)
【0038】
第一充放電コンデンサ111の端子間電圧は、定常動作状態においては第四LED部14〜第一LED部11の全LEDの順方向電圧の和V
fallに等しくなる。従って、入力電圧が第四LED部14〜第一LED部11が駆動される電圧に達すると充電が開始され、入力電圧が第四LED部14〜第一LED部11を、電流制御手段30より指示される電流値で駆動できない電圧まで下降(第四LED部14〜第二LED部12を駆動する状態に移行)すると充電を終了する。充電期間中、充電によりコンデンサ端子電圧が上昇するとV
fallも上昇するため、LED駆動電流が増加し、第一充放電コンデンサ111への充電電流は徐々に減少する。このコンデンサ充電電流とLED駆動電流が合成されて、電流制御手段30で正弦波電流に制御される。これにより、元来正弦波に近似した電流波形で制御されている発光ダイオード駆動装置全体の電流に影響することなく、第一充放電コンデンサ111の充電が行える。
(第一充放電コンデンサ111からの放電)
【0039】
一方で第一充放電コンデンサ111は、ここに溜まった電荷を、接続された第四LED部14〜第一LED部11に放電する。なお第一充放電コンデンサ111の充電電圧は、LED集合体10を構成する直列接続された第四LED部14〜第一LED部11の順方向電圧の和V
f1-4となるので、コンデンサ充電時にLED集合体10に流れる電流以上の電流で第一充放電コンデンサ111が放電されることはない。
(実施例1の回路例)
【0040】
次に、
図1の発光ダイオード駆動装置100を半導体素子を用いて実現した具体的な回路の構成例を、
図2に示す。この発光ダイオード駆動装置100’は、交流電源APに接続された整流回路2としてダイオードブリッジを用いている。また交流電源APと整流回路2との間には、保護抵抗81が設けられる。さらに整流回路2の出力側には、バイパスコンデンサ82が接続される。なお交流電源APと整流回路2との間には、図示しないが過電流阻止のためのヒューズとサージ防護回路を設けてもよい。
(交流電源AP)
【0041】
交流電源APは、100Vや200Vの商用電源が好適に利用できる。この商用電源の100V又は200Vは実効値であり、全波整流された整流波形の最大電圧は約141V又は282Vとなる。
(LED集合体10)
【0042】
LED集合体10を構成する各LED部は、相互に直列に接続すると共に、複数のブロックに分け、ブロック同士の境界からは端子を引き出して、第四バイパス手段24、第三バイパス手段23、第二バイパス手段22、第一バイパス手段21と接続している。
図2の例では、第四LED部14、第三LED部13、第二LED部12、第一LED部11の4つのグループでLED集合体10を構成している。
【0043】
図2に示す各LED部11〜14は、一のLEDシンボルが複数のLEDチップを実装したLEDパッケージ1を表している。この例では、各LEDパッケージ1は、10個のLEDチップを実装している。各LED部の発光ダイオード接続数、あるいはLED部の接続数は、順方向電圧の加算値、すなわち直列接続されたLED素子の総数と、使用する電源電圧とで決定される。例えば商用電源を使用する場合は、各LED部のV
fの合計である合計順方向電圧V
fallが、141V程度、又はそれ以下となるように設定される。
【0044】
なおLED部は、一以上の任意の数のLED素子を備えている。LED素子は、一個のLEDチップや、複数個のLEDチップを一パッケージに纏めたものを利用できる。この例では、図示する一のLED素子として、それぞれ10個のLEDチップを含むLEDパッケージ1を使用している。
【0045】
また
図2の例では、4つのLED部のV
fを同一となるように設計している。ただこの例に限られず、上述の通りLED部数を3以下、あるいは5以上としてもよい。LED部数を増やすことで、電流制御の数を増やしてより細かなLED部間の点灯切り替え制御が可能となる。さらに各LED部のV
fは同一としなくとも良い。
(第一バイパス手段21〜第四バイパス手段24)
【0046】
第一バイパス手段21、第二バイパス手段22、第三バイパス手段23、第四バイパス手段24は、各LED部に対応して、電流駆動するための部材である。このような第一バイパス手段21〜第四バイパス手段24としては、トランジスタ等のスイッチング素子で構成される。特にFETは、ソース−ドレイン間飽和電圧がほぼゼロであるため、LED部への通電量を阻害することがなく好ましい。ただ、第一バイパス手段21〜第四バイパス手段24はFETに限定されるものでなく、バイポーラトランジスタ等でも構成できることはいうまでもない。
【0047】
図2の例では、第一バイパス手段21〜第四バイパス手段24として、LED電流制御トランジスタを利用している。具体的には、第三LED部13、第二LED部12、第一LED部11、LED駆動手段3には、それぞれ第四バイパス手段24〜第一バイパス手段21である第四LED電流制御トランジスタ24B、第三LED電流制御トランジスタ23B、第二LED電流制御トランジスタ22B、第一LED電流制御トランジスタ21Bが接続される。各LED電流制御トランジスタは、その前段のLED部の電流量に応じて、ON状態や電流制御が切り替わる。LED電流制御トランジスタがOFFになると、バイパス経路に電流が流れなくなって、LED部に通電される。すなわち、各第四バイパス手段24〜第一バイパス手段21によってバイパスされる電流量を調整できるので、結果的に各LED部の通電量を制御できることになる。
図2の例では、第三LED部13と並列に第四バイパス手段24が接続され、第四バイパス経路BP4を形成する。また第二LED部12と並列に第三バイパス手段23が接続され、第三バイパス経路BP3を形成する。さらに第一LED部11と並列に第二バイパス手段22が接続され、第二バイパス経路BP2を形成する。さらにまた第一LED電流制御トランジスタ21BがLED駆動手段3と並列に接続され、第一バイパス経路BP1を形成し、第四LED部14、第三LED部13、第二LED部12及び第一LED部11への通電量を制御する。
(逆流防止ダイオード)
【0048】
また各バイパス経路には、逆流防止ダイオードが設けられている。具体的には、第一バイパス経路BP1には第一逆流防止ダイオード121が、第二バイパス経路BP2には第二逆流防止ダイオード122が、第三バイパス経路BP3には第三逆流防止ダイオード123が、第四バイパス経路BP4には第四逆流防止ダイオード124が、それぞれ設けられる。
【0049】
ここで第四LED部14は、並列に接続されたバイパス経路やバイパス手段を設けていない。第三LED部13と並列に接続された第四バイパス手段24が、第四LED部14の電流量を制御するからである。また第一LED部11については、第一LED電流制御トランジスタ21Bが電流制御を行う。
(LED駆動手段3)
【0050】
また
図2の例では、LED駆動手段3として抵抗器を設けている。この例では、第一バイパス手段である第一LED電流制御トランジスタ21Bと並列にLED駆動手段3を接続することで、電流量が大きくなる際に第一バイパス手段に通電される電流をLED駆動手段3にバイパスして、第一バイパス手段への負荷を軽減するよう構成している。ただ、第一バイパス手段に十分な電流耐性を持たせた場合は、LED駆動手段を省略してもよい。
(電流制御手段30B)
【0051】
電流制御手段は、各LED部と対応する第四バイパス手段24〜第一バイパス手段21が、適切なタイミングで電流駆動を行うよう制御する部材である。この電流制御手段は、整流回路2で整流された整流電圧を基準電圧として、バイパス手段の動作を制御する動作制御信号を出力する。これにより、電流検出手段4で検出する出力ラインOL上の電流量を、整流電圧と比例した値に制御できる。この結果、回路全体の入力電流は交流入力電圧に比例した波形となり、高調波の抑制が可能となる。
【0052】
図2の電流制御手段30Bにも、トランジスタ等のスイッチング素子が利用できる。特にバイポーラトランジスタは、電流量の検出に好適に利用できる。この例では電流制御手段30Bを、オペアンプ30Bで構成している。なお電流制御手段は、オペアンプに限定されるものでなく、コンパレータ、バイポーラトランジスタ、MOSFET等でも構成可能であるのはいうまでもない。
【0053】
図2の例では、電流制御手段30Bは、各LED電流制御トランジスタ21B〜24Bの動作を制御する。すなわち、オペアンプ30Bが通電量の制御を行うことで、LED電流制御トランジスタをOFF/電流制御/ONにそれぞれ切り替える。
(電流検出手段4)
【0054】
電流検出手段4は、LED部を直列接続したLED集合体10に通電される電流を電圧降下等により検出するための部材である。電流検出手段4で電流検出を行うことで、LED集合体10を構成する各LED部の電流駆動を行う。またこの電流検出手段4は、LEDの保護抵抗としても機能する。さらに電流検出手段4で検出された電流検出信号に基づいて電流駆動を行うため、電流検出手段4は、電流回路の制御を行う電流制御手段30Bであるオペアンプ30Bと接続されている。この回路例では、第四バイパス手段24、第三バイパス手段23、第二バイパス手段22、第一バイパス手段21と電流制御手段30Bで、一種の定電流回路が構成される。
(電流制御信号付与手段5)
【0055】
さらに電流制御手段30Bと各バイパス手段との間には、電流制御信号付与手段5が介在されている。例えば第四バイパス手段24に付与する動作制御信号と第一バイパス手段21に付与する動作制御信号間には電位差が生じるので、電流制御信号付与手段5を設けることで第四バイパス手段24と第一バイパス手段21の動作の切り替えを確実に行うことが可能となる。電流制御信号付与手段5は、各LED電流制御トランジスタのON/OFFをどの電流のタイミングで行うかを規定する。ここでは、入力電圧の上昇に伴い、第四LED電流制御トランジスタ24B〜第一LED電流制御トランジスタ21Bの順でONされるよう、電流制御信号付与手段5として電流制御信号付与ツェナーダイオード5E、5F、5Gが設定、配置されている。なお
図2の例では、電流制御信号付与手段5をツェナーダイオードで構成しているが、抵抗器、ダイオード等とすることもできる。
【0056】
図2の回路例では、整流回路2で整流された入力電圧の上昇に伴い、第四LED部14から第三LED部13、第二LED部12、第一LED部11への順で、通電量の制御を行うことができる。また入力電圧の下降時には、逆の順序でLEDが消灯される。
(高調波抑制信号生成抵抗60、61)
【0057】
一方
図2の回路例では、電流制御手段30Bをオペアンプ30Bで構成しており、このオペアンプ30Bは、高調波抑制信号生成手段6により制御される。高調波抑制信号生成手段6は、高調波抑制信号生成抵抗60、61で構成される。高調波抑制信号生成抵抗60、61は、整流回路2で整流された整流電圧を分圧する。いいかえると、整流電圧を適当な大きさに圧縮する。電流制御手段であるオペアンプ30Bの+側入力端子には、高調波抑制信号生成抵抗60、61から出力される、圧縮された正弦波である高調波抑制信号が入力される。
(定電圧電源7)
【0058】
オペアンプ30Bは、定電圧電源7により駆動される。定電圧電源7は、オペアンプ電源用トランジスタ70、ツェナーダイオード71、ツェナー電圧設定抵抗72で構成される。この定電圧電源7は、交流電源APを整流回路2で整流した後の整流電圧が、ツェナーダイオード71のツェナー電圧を超えている期間だけ、オペアンプ30Bに電源を供給する。この期間は、LED集合体10の点灯期間を包含するよう設定される。すなわち、LED集合体10の点灯中にオペアンプ30Bを動作させて、点灯を制御する。
【0059】
一方、オペアンプ30Bの−側入力端子には、電流検出抵抗4で検出された電流検出信号である電圧が入力される。電流検出抵抗4の電圧は、オペアンプ30Bの+側入力端子に印加される正弦波に沿って電流制御されるよう制御される。このように、正弦波に沿って電流制御動作を行うため、LED駆動電流が正弦波に近似された波形となる。
【0060】
なおLED部はそれぞれ、複数の発光ダイオード素子を相互に直列に接続して構成できる。これにより、整流電圧を複数の発光ダイオード素子で効果的に分圧できる上、発光ダイオード素子毎の順方向電圧V
fや温度特性のばらつきをある程度吸収して、ブロック単位での制御を均一化できる。ただ、LED部の数や各LED部を構成する発光ダイオード素子数等は、要求される明るさや入力電圧等によって任意に設定でき、例えばLED部を一の発光ダイオード素子で構成したり、LED部の数を多くしてより細かな制御を行うこと、あるいは逆にLED部を2つのみとして制御をシンプルにすることも可能であることは言うまでもない。
【0061】
また、上記構成ではLED部の構成数を4としたが、LED部の数を2又は3としたり、又は5以上とすることもできることはいうまでもない。特に、LED部の数を増やすことで、階段状の電流波形をより細かくした制御が可能となり、一層の高調波成分の抑制が可能となる。また
図2の例では、各LED部がON/OFFされる切り替え動作を、入力電流に対してほぼ均等に分割しているが、均等にする必要は必ずしも無く、異なる電流でLED部を切り替えてもよい。
【0062】
さらに上記の例では、LEDを4つのLED部に分け、各LED部がそれぞれ同一のV
fとなるよう構成しているが、同一のV
fでなくても良い。例えばLED部1のV
fをできるだけ低く、すなわちLED一個分の3.6V程度に設定できれば、電流の立ち上がりタイミングを早く、立下りタイミングを遅くできる。このことは、高調波を減少させるのにさらに有利となる。またこの方法を使用すれば、LED部の数とV
f設定を自由に選択でき、さらに電流波形を正弦波に近似できるため、より柔軟性を高めて高調波抑制を実現することが容易となる。
(電圧変動抑制信号生成手段8)
【0063】
さらに発光ダイオード駆動装置は、電圧変動抑制信号を生成して電流制御手段へ送出する電圧変動抑制信号生成手段8を付加することもできる。電圧変動抑制信号生成手段8は、充放電コンデンサ111と直列に接続されており、整流電圧の変動を検出する。この電圧変動抑制信号生成手段8で検出された整流電圧の変動と、電流検出手段4によって検出された電流検出信号との和に基づいて、電流制御手段30が、各バイパス手段の動作を制御する。これにより、整流電圧が高いときには、各LED部へ通電すると共に充放電コンデンサ111に充電し、一方整流電圧が低いときには充放電コンデンサからの放電電流を各LED部に通電することにより、不点灯期間をなくすことができ、良好な光質が得られる。また、電流検出手段4で検出する出力ラインOL上の電流量は、整流電圧と比例するため、整流電圧の平均値が変化すると、出力ラインOL上の電流量の平均値も比例して変化する。そこで、電流検出信号に整流電圧抑制信号を加えて制御することにより、整流電圧の平均値が変化しても、出力ラインOL上の電流量の平均値が一定に保たれるようにして、安定した光出力が得られる。
【0064】
図2の回路例では、電圧変動抑制信号生成手段8は破線で囲んだ領域で構成され、電圧変動抑制信号を積分した上で、電流検出信号に加算している。これにより、整流電圧が変動しても平均電流が一定になるように制御される。
(第一充放電コンデンサ111への充電)
【0065】
図2に示す発光ダイオード駆動装置100’の電流波形は、
図19で示した電流波形と同じである。ここで
図19は、
図2の発光ダイオード駆動装置100’から第一充放電コンデンサ111を省いた、変形例に係る発光ダイオード駆動装置1800(
図18の回路図)の電流波形を示している。
図18の各部材は、第一充放電コンデンサ111を除いて
図2と同じであるため、詳細説明を省略する。
【0066】
図2の発光ダイオード駆動装置100’における第一充放電コンデンサ111への充電は、電源ラインから第一充放電コンデンサ111、第一逆流防止ダイオード121、第一LED電流制御トランジスタ21Bを通じて行われる。その充電が行われるタイミングは、第一LED電流制御トランジスタ21Bによって、LED集合体10が点灯制御されるときとなる。そして充電電流は、上述の通り、コンデンサ端子電圧とLED集合体10の全V
fとが互いに等しくなるよう充電され、なおかつこの充電電流は、LED集合体10を流れるLED電流と合成され、この合成電流が第四電流制御トランジスタ24Bにより正弦波となるよう電流制御される。これによって、
図18の回路例1800で実現される高調波歪抑制機能を阻害することなく、第一充放電コンデンサ111への充電を行うことができる。
【0067】
一方で、コンデンサ充電中のLED電流は、コンデンサ充電電流を差し引かれる分だけ、減少する。第一LED電流制御トランジスタ21Bが正弦波電流制御する期間は、
図2の回路例では、第四LED部14から第一LED部11までのすべてのLED部が点灯される期間、すなわち電源電圧のピーク近傍の期間となる。また、この期間において光出力もピークとなる。この期間のLED電流を削減できれば、光出力のピークを抑えることができ、光出力のリップル率を低減できる。したがって、この期間に第一充放電コンデンサ111に充電することで、光出力のピークを抑え、かつコンデンサに蓄えた電力を電源電圧の低いときに放電し光出力を得ることで、光出力のリップル率の改善効果が二重に得られる。
(リップル率の改善)
【0068】
発光ダイオード駆動装置において正弦波に近似した入力電流波形を乱すことなく、消灯期間を低減してリップル率を改善することは、出力光の品質向上の面で重要となる。以下、リップル率の改善について、
図17〜
図21に基づいて説明する。出願人は、当初
図17に示すようにLEDを多段に接続しつつ、高調波成分を抑制した発光ダイオード駆動装置1700を開発した。この回路では、第一電流制御手段1731、第二電流制御手段1732、第三電流制御手段1733、第四電流制御手段1734として、それぞれオペアンプを用いている。また出願人はこの装置を改良し、
図18に示す発光ダイオード駆動装置1800も開発した。この発光ダイオード駆動装置1800で得られる電源入力電流波形のグラフを
図19に、第四LED部14での電流波形を
図20に、それぞれ示す。
図19のグラフに示すように、電源入力電流の高調波歪の発生が抑制され、正弦波に近い電流波形でLEDを駆動できる。一方、発光素子にLEDでなく従来の白熱電球を用いた場合の電流波形も、同様にほぼ正弦波となる。ただ白熱電球の場合は、フィラメントの白熱による発光のため、電源周波数(50Hz又は60Hz)に応答せず明滅が生じない。これに対して、発光素子にLEDを用いる場合は、LEDの高い応答性によって電源周波数に対応した明滅を繰り返すという問題がある。この様子を、
図21の正弦波多段駆動回路の光出力波形に示す。これらの客観的評価の指標としては、リップル率(=(最大値−最小値)/平均値)が用いられており、0に近いほど優れている。
図21の光出力のリップル率を計算すると、リップル率=2.0以上となり、他の発光素子のリップル率と比べると、白熱電球の0.1以下、蛍光灯の0.9、インバータ蛍光灯の0.2程度と比較して劣る。このことは、人によっては光の明滅によってちらつきを感じたり、また回転体の照明において回転速度と同期した場合、回転しているのに停止しているように見える等、照明品質を落とすことになる。したがって、
図18の発光ダイオード駆動装置をさらに高品質な照明に用いるには、消灯期間をなくし、リップル率を改善する必要がある。点滅期間を無くすには、コンデンサを用いた平滑化が考えられる。すなわち、電源電圧の高い期間にコンデンサに充電し、電圧の低い期間に放電させることが考えられる。しかしながら、コンデンサを用いると短い充電期間中に急速充電されることとなるため、充電電流が大きくなる。充電電流は、一般にコンデンサの容量が大きくなるほど大きくなる傾向にあるため、このような平滑化の用途に適う大容量のコンデンサの場合は、充電電流が一層大きくなって力率の悪化を招くと共に、高調波歪の規格に不適合となる。また、力率改善のためのアクティブフィルタIC等を使用する場合もあるが、このような素子は高価であり、また高周波スイッチングによるノイズが発生する等の弊害もある。このような問題に対して、実施例1では上述の通り充放電コンデンサ111を用いて、LED集合体10に印加される整流電圧が高いときに充電した電荷を、整流電圧が低いときに放電してLED集合体10に通電することで、LED集合体10への電流量の高低差を抑制して、リップル率を改善することに成功したものである。また充電経路上にLED駆動手段3や第一バイパス手段11〜第四バイパス手段14を設けることで、充放電コンデンサ111への突入電流を抑制して、力率の低下も回避できる。
(第一充放電コンデンサ111からの放電)
【0069】
次に第一充放電コンデンサ111からの放電について説明する。
図2の発光ダイオード駆動装置100’において、第一充放電コンデンサ111の放電回路は、第四LED部14〜第一LED部11で構成されるLED集合体10で構成される。このようにすべてのLED部が放電対象となるが、放電電流は正弦波多段駆動回路に流れず、その動作には影響を与えない。
【0070】
第一充放電コンデンサ111へのコンデンサ充放電電流及び電圧波形を
図3に示す。この図において、コンデンサ充放電電流をI、コンデンサ充放電電圧波形をVで、それぞれ示している。コンデンサの端子電圧は、上述のようにすべてのLED部が点灯された状態でのLED電流、すなわち第一LED電流制御トランジスタ21Bによる制御電流からコンデンサ充電電流を差し引いた電流I
faによるLED端子電圧V
faにほぼ等しく充電される。したがって、第一充放電コンデンサ111の放電を電流制御しなくても、LED端子電圧V
faによって制限され、I
faより大きな放電電流は流れないことになる。
【0071】
コンデンサ充電終了直後は、充電電流がなくなりLED駆動電流が上がり、LED端子電圧も上昇するため放電は起こらない。電源電圧がさらに下がり、正弦波多段駆動回路による第四LED部14、第三LED部13の2グループのLED群を正弦波電流駆動(正弦波多段駆動回路では第二LED部12、第一LED部11は消灯)に移る付近から、LED端子電圧をコンデンサ端子電圧が上回り、放電を開始する。この放電電流は、
図2の正弦波電流駆動に重畳されLEDに流れるため、LED端子電圧は上昇し、放電電流を抑える方向に働き、過度な電流がLEDには流れることはない。電源電圧が下降するのに伴い、正弦波多段駆動回路により駆動されるLED部は減少し、駆動電流によるLED端子電圧変動分も減少する。
【0072】
このように、LED端子電圧は駆動電流の増減に伴って増減する。すなわち、多段駆動回路により駆動されているLED部の端子電圧は、駆動されていないときよりも上昇する。したがって、より多くのLED部が多段駆動回路により駆動されている期間は、LED端子電圧が高くなり、この結果コンデンサ端子電圧を上回る期間は、第一充放電コンデンサ111は放電されない。その一方、第一充放電コンデンサ111は多段駆動回路と分け合った電流で充電されるため、そのときのLED駆動電流は第一充放電コンデンサ111がない場合よりも低いI
faとなる。すなわち、充電完了したコンデンサ端子電圧は、すべてのLED部に対して最大I
faで放電できる電圧V
faでしか充電されていない。電源電圧が下降し、多段駆動回路で駆動されるLED部が減ると、LED端子電圧は減少し、第一充放電コンデンサ111の放電が開始される。なお多段駆動回路で駆動されるLED部の数が少ないほどLED端子電圧は下がり、第一充放電コンデンサ111からの放電電流は上がるが、上記のように充電期間のLED駆動電流I
faを超えることはない。
【0073】
このようにLED部の駆動状況に応じて第一充放電コンデンサ111は逐次放電され、
図21のような正弦波多段駆動回路のみでは消灯している期間でも、LED部を点灯することができる。また、コンデンサの放電は正弦波多段駆動回路と無関係に、すなわち高調波歪抑制効果や高力率を毀損することなく行われる。このため、高調波抑制と高力率を維持しつつも、正弦波多段駆動回路の追加によって消灯期間を低減して、光出力のリップル率を大幅に改善することが可能となる。
【0074】
ここで、実施例1に係る発光ダイオード駆動装置における第四LED部の電流波形を、
図4に示すと共に、対比のため第一充放電コンデンサを有しない
図18の発光ダイオード駆動装置1800における第四LED部の電流波形を、
図20に示す。
図18の構成では電圧が低い領域、
図20において矢印で示す区間では、第四LED部が消灯していた。また第四LED部の駆動波形は、ほぼ正弦波に近い波形を示している。これに対し、実施例1では
図4に示すように電源電圧ピーク時(
図4において水平方向の矢印で示す区間)に、コンデンサ充電を行うことでLED電流を削減させる一方、正弦波多段駆動回路により駆動されるLED部の電流が減少するのに応じてコンデンサ放電電流を増加させる(
図4において縦方向の矢印)。これによって、従来は消灯されていた区間でも第四LED部を点灯させて光出力を得ることができ、この結果LED部が完全に消灯される期間を無くしていることが確認できた。このように、ピークカットした分の電流を本来の消灯期間に回すことで、点灯量を平滑化してちらつきを抑えた高品質なLED部の発光が可能となる。
【0075】
さらに実施例1で得られた光出力の波形を
図5のグラフに示す。この図に示すように、光出力のピーク時に対する暗い時の割合は約60%まで向上させることができ、リップル率が0.6以下となって蛍光灯を上回り、照明品質が大きく向上したことが確認できる。
【0076】
またこの構成によれば、大容量の第一充放電コンデンサ111を搭載しているにもかかわらず、第一充放電コンデンサ111への充電電流が、LED集合体10の駆動電流と合わせて、正弦波電流駆動されることで大きな突入電流の発生を回避できる。さらに、コンデンサ充電電流が正弦波電流駆動で制御されるので、急速充電と比較してコンデンサリップル電流が非常に小さい。このため、LED素子の寿命に比較して短寿命とされるアルミ電解コンデンサを第一充放電コンデンサ111として使用しても長寿命を確保でき、発光ダイオード駆動装置の品質と信頼性を向上できる。
(実施例2)
【0077】
以上の例では、平滑化回路として第一充放電コンデンサ111を1個接続した例を説明した。ただ本発明は、複数のコンデンサを接続することもでき、これによって波形改善効果をさらに高めることができる。このような例を実施例2として、第二充放電コンデンサ112を接続した発光ダイオード駆動装置200のブロック図を
図6Aに、具体的な回路図の例を
図7Aに、またこの回路例における第一充放電コンデンサ111の電流及び電圧波形を
図8に、第二充放電コンデンサ112の電流及び電圧波形を
図9に、それぞれ示す。第二充放電コンデンサ112は、第四LED部14と並列で、かつ第一LED部11と直列に接続されている。この発光ダイオード駆動装置200の電流波形は、
図19で示した電流波形と同じである。
【0078】
図7Aに示す発光ダイオード駆動装置200は、
図2で示した発光ダイオード駆動装置100に対して、第二充放電コンデンサ112と第二放電ダイオード125を付加したものであり、他の部材は
図2とほぼ同様であって、詳細説明は適宜省略する。また、単純化のため、LED部を第二LED部12と第一LED部11の2個とし、第二バイパス手段22と第一バイパス手段21でこれらの点灯を制御するよう構成した発光ダイオード駆動装置200’を、
図6Bに示す。この図に示す発光ダイオード駆動装置200Bは、第二LED部12と直列に接続され、かつ第二LED部12から見て第一LED部11と並列に接続されており、第二LED部12への通電量を制御するための第二バイパス手段22と、第一LED部11と直列に接続され、第二LED部12及び第一LED部11への通電量を制御するための第一バイパス手段21と、第二LED部12と第一LED部11の直列接続体と、並列に接続される第一充放電コンデンサ111と、第二LED部12と並列で、かつ第一LED部11と直列に接続される第二充放電コンデンサ112とを備えている。この第一充放電コンデンサ111は、整流電圧が、第二LED部12及び第一LED部11の順方向電圧の和よりも大きい場合に充電される。また第二LED部12及び第一LED部11の順方向電圧の和よりも小さい場合に放電される。一方で第二充放電コンデンサ112は、整流電圧が第二LED部12の順方向電圧よりも大きい場合に充電され、また第二LED部12の順方向電圧の和よりも小さい場合に放電される。このように構成することで、出力光のリップルの抑制でき、高品質な発光を得ることができる。また、第一充放電コンデンサ111に加えて、第二充放電コンデンサ112を追加したことで、充放電コンデンサで充電されない期間においても、第二充放電コンデンサ112に充電できるため、電流波形の一時的な増加を抑えて、綺麗な波形に近付けることが可能となる。特に第二充放電コンデンサ112を用いて、第二LED部12に印加される整流電圧が高いときに充電した電荷を、整流電圧が低いときに放電して第二LED部12に通電することで、第二LED部12への電流量の高低差を抑制して、リップル率を改善できる利点が得られる。また、充電経路に第二バイパス手段22を設けることで、第二充放電コンデンサ112への突入電流を抑制して、力率の低下を回避できる。
【0079】
また
図7Aに示すように、第二放電ダイオード125は、第二充放電コンデンサ112からの放電電流が第四LED部14〜第二LED部12に流れる放電経路を構成すると共に、第二充放電コンデンサ112への充電電流が第一LED部11に通電することを阻止する。この第二放電ダイオード125は、第二逆流防止ダイオード122と直列に接続され、さらにこれらの間に第二充放電コンデンサ112の一端が接続される。この第二充放電コンデンサ112は、第二逆流防止ダイオード122を介して第二バイパス手段である第二LED電流制御トランジスタ22Bと接続されている。第二充放電コンデンサ112への充電は、第二LED電流制御トランジスタ22Bが電流制御を行っている期間にのみ行われるので、より効果的に光出力のリプルを抑制することが可能となる。
(第二充放電コンデンサ112への充電)
【0080】
第二充放電コンデンサ112への充電は、電源ラインから第二充放電コンデンサ112、第二逆流防止ダイオード122、第二LED電流制御トランジスタ22Bを通じて行われる。その充電が行われるタイミングは第二LED電流制御トランジスタ22Bによって、第四LED部14、第三LED部13及び第二LED部12が点灯制御されるときとなる。そして充電電流は、コンデンサ端子電圧と第四LED部14〜第二LED部12の合計V
fとが互いに等しくなるよう充電され、なおかつこの充電電流は、第四LED部14〜第二LED部12を流れるLED電流と合成され、この合成電流が第二LED電流制御トランジスタ22Bにより正弦波となるよう電流制御される。これによって、
図18の回路例1800で実現される高調波歪抑制機能を阻害することなく、第二充放電コンデンサ112への充電を行うことができる。
【0081】
一方で、コンデンサ充電中のLED電流は、コンデンサ充電電流が差し引かれる分、減少する。第二LED電流制御トランジスタ22Bが正弦波電流制御する期間は、
図7Aの回路例では、第四LED部14から第二LED部12までのLEDが点灯される期間となる。また
図2の回路例では、この期間は
図5において光出力もピークとなる。この期間のLED電流を削減できれば、光出力のピークを抑えることができ、リップル率を低減できる。したがって、この期間に第二充放電コンデンサ112に充電することで、光出力のピークを抑え、かつコンデンサに蓄えた電力を電源電圧の低い時に放電し光出力を得ることで、リップル率の改善効果が二重に得られる。
(第二充放電コンデンサ112からの放電)
【0082】
次に第二充放電コンデンサ112からの放電について説明する。
図7Aの発光ダイオード駆動装置200において、第二充放電コンデンサ112の放電回路は、第四LED部14〜第二LED部12で構成される。放電電流は正弦波多段駆動回路に流れず、その動作には影響を与えない。また第一充放電コンデンサ111の放電の説明で示したのと同様、LEDに対して過度な電流で放電することはない。
【0083】
ここで、実施例2に係る発光ダイオード駆動装置200における第四LED部14の電流波形を、
図10に示すと共に、実施例1の発光ダイオード駆動装置100における第四LED部14の電流波形を示す
図4と比較する。
図2に示した実施例1の構成では、第四LED部14〜第二LED部12が点灯している時期に、
図4において矢印で示す区間で、光出力のピークが存在する。これに対し、
図10に示す実施例2では、電源電圧ピーク時(
図10において水平方向の矢印で示す区間)に、第二充放電コンデンサ112に充電を行うことでLED電流を削減させる一方、正弦波多段駆動回路により駆動されるLED部の電流が減少するのに応じて、コンデンサ放電電流を増加させることで(
図10において縦方向の矢印)、より一層のリップル率改善が可能となる。また、第一充放電コンデンサ111と同様、電流リップルが小さく、アルミ電解コンデンサを使用しても長寿命を確保できる。
【0084】
また、実施例2に係る発光ダイオード駆動装置200で得られる光出力波形を、
図11に示す。この図から、
図5で示した実施例1の光出力よりもリップル率が抑えられていることが確認できる。
【0085】
なお
図7Aの例では、LED部を第四LED部14〜第一LED部11の4個用いた発光ダイオード駆動装置を説明した。ただ、本発明はこの構成に限られず、上述の通りLED部の数は複数であれば3以下、又は5以上の任意の数に設定できる。例えば
図6Bに示した発光ダイオード駆動装置100Bのように、LED部を第二LED部12と第一LED部11の2個でも、効果的なAC多段回路が構築できることは上述の通りである。このような回路例を発光ダイオード駆動装置200Bとして
図7Bに示す。LED部の数は、要求される光量や波高率などの品質、消費電力やコストなどに応じて、適切に選択される。
(実施例3)
【0086】
さらに充放電コンデンサは、2個に限らず3個以上付加することもできる。このような例として、充放電コンデンサを3個用いた実施例3に係る発光ダイオード駆動装置300の回路図を、
図12Aに示す。この図に示すように、第四LED部14と第三LED部13と並列に第三充放電コンデンサ113を接続している。このような構成によって、実施例1、実施例2と同様にリップル率を改善できる。
【0087】
特に第三充放電コンデンサ113を用いて、第二LED部12に印加される整流電圧が高いときに充電した電荷を、整流電圧が低いときに放電して第二LED部12に通電することで、第二LED部12への電流量の高低差を抑制して、リップル率を改善できる利点が得られる。また、充電経路に第三バイパス手段23を設けることで、第三充放電コンデンサ113への突入電流を抑制して、力率の低下を回避できる利点も得られる。
【0088】
また第三放電ダイオード126は、
図12Aに示すように第三充放電コンデンサ113からの放電電流が第四LED部14と第三LED部13に流れる放電経路を構成すると共に、第三充放電コンデンサ113への充電電流が第二LED部12側に通電することを阻止する。この第三放電ダイオード126は、第三逆流防止ダイオード123と直列に接続され、さらにこれらの間に第三充放電コンデンサ113の一端が接続される。この第三充放電コンデンサ113は、第三逆流防止ダイオード123を介して第三バイパス手段である第三LED電流制御トランジスタ23Bと接続されている。第三充放電コンデンサ113への充電は、第三LED電流制御トランジスタ23Bが電流制御を行っている期間にのみ行われるので、より効果的に光出力のリプルを抑制することが可能となる。なお
図12Aの例でも、LED部を第四LED部14〜第一LED部11の4個用いた発光ダイオード駆動装置を説明したが、本発明はこの構成に限られず、LED部の数を3個とすることもできる。このような回路例を発光ダイオード駆動装置300Bとして
図12Bに示す。
(実施例4)
【0089】
さらに充放電コンデンサを4個用いた例を実施例4として、
図13に示す。この図は実施例4に係る発光ダイオード駆動装置400の回路図を示している。ここでは、第四LED部14と並列に第四充放電コンデンサ114を接続している。この構成でも、リップル率の改善が期待できる。第四放電ダイオード127は、第四充放電コンデンサ114からの放電電流が第四LED部14に流れる放電経路を構成すると共に、第四充放電コンデンサ114への充電電流が第三LED部13側に通電することを阻止する。この第四放電ダイオード127は、第四逆流防止ダイオード124と直列に接続され、さらにこれらの間に第四充放電コンデンサ114の一端が接続される。この第四充放電コンデンサ114は、第四逆流防止ダイオード124を介して第四バイパス手段24である第四LED電流制御トランジスタ24Bと接続されている。第四充放電コンデンサ114への充電は、第四LED電流制御トランジスタ24Bが電流制御を行っている期間にのみ行われるので、より効果的に光出力のリプルを抑制することが可能となる。