【実施例】
【0100】
以下、実施例を挙げて本発明を更に記述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
(実施例1) 式(I−33)で表される化合物の製造
【0101】
【化44】
【0102】
4つ口フラスコに、4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェノール 50.0g(0.23モル)をとり、ジクロロメタン 200mLに懸濁させた。氷冷しながら、塩化スルフリル 34.0g(0.25モル)を反応液の温度が15℃を超えないよう徐々に滴下した。室温で5時間撹拌した後、食塩水 300mLで3回洗浄した。溶媒を留去した後、ヘキサン 300mLを加え分散洗浄することにより、式(I−33−2)で表される化合物 56.0g(0.22モル)を得た。
【0103】
4つ口フラスコに、式(I−33−2)で表される化合物15.0g(0.059モル)、式(I−33−3)で表される化合物14.8g(0.059モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.36g(2.9ミリモル)をとり、ジクロロメタン 59mLに懸濁させた。氷冷しながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 8.9g(0.071モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、溶媒を留去した。ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、アルミナ)により精製した。ジクロロメタン/ヘキサンにより再結晶を行い目的物である式(I−33)で表される化合物 20.3gを得た。
式(I−33)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl
3)δ 0.91(t,7.3Hz,3H),1.04(m,2H),1.17〜1.49(m,7H),1.89(t,13.5Hz,4H),2.21(quin,6.5Hz,2H),2.46(t,12.0Hz,1H),4.16(t,6.1Hz,2H),4.39(t,6.1Hz,2H),5.85(dd,10.3,1.4Hz,1H),6.14(dd,17.4,10.5Hz,1H),6.42(dd,17.4,1.6Hz,1H),6.98(d,8.8Hz,2H),7.15(m,2H),7.31(d,1.7Hz,1H),8.17(d,8.8Hz,2H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 14.4,20.0,28.5,33.4,34.2,36.9,39.6,43.9,61.1,64.6,114.3,121.4,123.4,126.2,126.5,128.2,128.5,131.0,132.5,145.0,146.9,163.2,164.1,166.1ppm.
LRMS(EI)m/z 484,486
(実施例2) 式(I−34)で表される化合物の製造
【0104】
【化45】
【0105】
4つ口フラスコに、式(I−33−2)で表される化合物15.0g(0.059モル)、式(I−34−1)で表される化合物17.2g(0.059モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.36g(2.9ミリモル)をとり、ジクロロメタン 69mLに懸濁させた。氷冷しながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 8.9g(0.071モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、溶媒を留去した。ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、アルミナ)により精製した。ジクロロメタン/ヘキサンにより再結晶を行い目的物である式(I−34)で表される化合物 20.3gを得た。
式(I−34)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl
3)δ 0.90(t,7.3Hz,3H),1.04(m,2H),1.15〜1.57(m,10H),1.73(quin,7.3Hz,2H),1.87(m,5H),2.47(t,12.0Hz,1H),4.05(t,6.4Hz,2H),4.18(t,6.7Hz,2H),5.82(dd,10.4,1.5Hz,1H),6.13(dd,17.2,10.4Hz,1H),6.40(dd,17.2,1.5Hz,1H),6.97(d,8.7Hz,2H),7.15(m,2H),7.31(d,1.7Hz,1H),8.16(d,8.8Hz,2H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 14.4,20.0,25.7,25.7,28.5,28.9,33.4,34.2,36.9,39.6,43.9,64.4,68.0,114.3,121.1,123.4,126.2,126.5,128.5,128.5,130.5,132.5,145.0,146.9,163.5,164.2,166.3ppm.
LRMS(EI)m/z 526,528
(実施例3) 式(I−35)で表される化合物の製造
【0106】
【化46】
【0107】
4つ口フラスコに、式(I−33−2)で表される化合物15.0g(0.059モル)、式(I−35−1)で表される化合物17.7g(0.059モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.36g(2.9ミリモル)をとり、ジクロロメタン 71mLに懸濁させた。氷冷しながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 8.9g(0.071モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、溶媒を留去した。ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、アルミナ)により精製した。ジクロロメタン/ヘキサンにより再結晶を行い目的物である式(I−35)で表される化合物 25.3gを得た。
式(I−35)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl
3)δ 0.91(t,7.2Hz,3H),1.05(m,2H),1.14〜1.52(m,7H),1.90(t,14.3Hz,4H),2.26(quin,6.2Hz,2H),2.48(t,12.4Hz,1H),4.23(t,6.1Hz,2H),4.42(t,6.1Hz,2H),5.84(dd,10.4,1.2Hz,1H),6.15(dd,17.5,10.4Hz,1H),6.43(dd,17.5,1.6Hz,1H),7.15〜7.24(m,4H),7.34(d,1.7Hz,1H),7.81(d,8.6Hz,1H),7.90(d,9.0Hz,1H),8.17(dd,8.5,1.7Hz,1H),8.73(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 14.4,20.0,28.5,33.4,34.2,36.9,39.6,43.9,61.3,64.5,106.4,119.9,123.4,124.0,126.2,126.3,126.5,127.0,127.9,128.3,128.6,130.9,131.1,131.9,137.6,145.1,147.1,159.0,164.7,166.1ppm.
LRMS(EI)m/z 534,536
(実施例4) 式(I−36)で表される化合物の製造
【0108】
【化47】
【0109】
4つ口フラスコに、6−(trans−4−プロピル)シクロヘキシル−2−ナフトール 50.0g(0.19モル)をとり、ジクロロメタン 200mLに懸濁させた。氷冷しながら、塩化スルフリル 28.2g(0.21モル)を反応液の温度が15℃を超えないよう徐々に滴下した。室温で5時間撹拌した後、食塩水 300mLで3回洗浄した。溶媒を留去した後、ヘキサン 300mLを加え分散洗浄することにより、式(I−36−2)で表される化合物 55.8g(0.18モル)を得た。
【0110】
4つ口フラスコに、式(I−36−2)で表される化合物15.0g(0.050モル)、式(I−33−3)で表される化合物12.5g(0.050モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.31g(2.5ミリモル)をとり、ジクロロメタン 50mLに懸濁させた。氷冷しながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 7.6g(0.060モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、溶媒を留去した。ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、アルミナ)により精製した。ジクロロメタン/ヘキサンにより再結晶を行い目的物である式(I−36)で表される化合物 21.9gを得た。
式(I−36)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl
3)δ 0.92(t,7.3Hz,3H),1.11(q,12.3Hz,2H),1.24(m,2H),1.36(m,3H),1.56(qd,12.8,3.2Hz,2H),1.92(d,12.4Hz,2H),1.99(d,12.4Hz,2H),2.22(quin,6.4Hz,2H),2.65(tt,11.9,3.4Hz,1H),4.17(t,6.2Hz,2H),4.39(t,6.2Hz,2H),5.85(dd,10.3,1.8Hz,1H),6.14(dd,17.3,10.3Hz,1H),6.43(dd,17.3,1.5Hz,1H),7.00(d,8.9Hz,2H),7.35(d,8.8Hz,1H),7.51(d,8.9Hz,1H),7.66(s,1H),7.76(d,8.9Hz,1H),8.19(d,8.7Hz,1H),8.23(d,8.9Hz,2H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 14.4,20.0,28.5,33.5,34.2,37.0,39.7,44.5,61.1,64.6,114.3,121.4,121.9,123.0,124.2,124.9,127.4,127.8,128.2,130.1,131.0,132.5,132.6,144.4,146.0,163.2,164.1,166.1ppm.
LRMS(EI)m/z 534,536
(実施例5) 式(I−37)で表される化合物の製造
【0111】
【化48】
【0112】
4つ口フラスコに、式(I−36−2)で表される化合物15.0g(0.050モル)、式(I−34−1)で表される化合物14.6g(0.050モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.31g(2.5ミリモル)をとり、ジクロロメタン 58mLに懸濁させた。氷冷しながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 7.6g(0.060モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、溶媒を留去した。ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、アルミナ)により精製した。ジクロロメタン/ヘキサンにより再結晶を行い目的物である式(I−37)で表される化合物 23.1gを得た。
式(I−37)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl
3)δ 0.92(t,7.7Hz,3H),1.10(qd,12.5,2.4Hz,2H),1.25(m,2H),1.36(m,3H),1.52(m,6H),1.73(quin,7.1Hz,2H),1.81〜2.00(m,6H),2.65(tt,12.0,3.1Hz,1H),4.06(t,6.5Hz,2H),4.19(t,6.5Hz,2H),5.82(dd,10.6,1.4Hz,1H),6.13(dd,17.3,10.3Hz,1H),6.43(dd,17.3,1.7Hz,1H),7.00(d,8.7Hz,2H),7.35(d,8.7Hz,1H),7.51(d,8.7Hz,1H),7.66(s,1H),7.76(d,8.7Hz,1H),8.19(d,8.7Hz,1H),8.23(d,8.7Hz,2H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 14.4,20.0,25.7,28.5,28.9,33.5,34.2,37.0,39.7,44.4,64.4,68.1,114.3,121.1,121.9,123.0,124.2,124.9,127.4,127.8,128.5,130.0,132.5,132.6,144.4,146.0,163.6,164.2,166.3ppm.
LRMS(EI)m/z 576,578
(実施例6) 式(I−5)で表される化合物の製造
【0113】
【化49】
【0114】
4つ口フラスコに式(I−36−2)で表される化合物15.0g(0.050モル)、アクリル酸6−クロロヘキシル 14.3g(0.075モル)、炭酸カリウム 10.4g(0.075モル)を加え、N,N−ジメチルホルムアミド 60mLに懸濁させた。90℃で10時間加熱攪拌した後、ジクロロメタン 150mL及び10%塩酸 150mLを加え分液処理した。続いて食塩水 150mLで3回洗浄した後、溶媒を留去した。ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/アルミナ)により精製した後、ジクロロメタン/ヘキサンを用いて再結晶を行い、目的物である式(I−5)で表される化合物 13.7gを得た。
式(I−5)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl
3)δ 0.91(t,7.6Hz,3H),1.09(qd,11.8,3.0Hz,2H),1.23(m,2H),1.35(m,3H),1.43〜1.63(m,7H),1.72(quin,7.1Hz,2H),1.81〜1.99(m,6H),2.61(tt,11.9,3.2Hz,1H),4.17(q,7.1Hz,4H),5.80(dd,10.3,1.5Hz,1H),6.11(dd,17.6,10.7Hz,1H),6.39(dd,17.1,1.5Hz,1H),7.23(d,8.8Hz,1H),7.45(dd,8.8,2.1Hz,1H),7.56(s,1H),7.67(d,9.8Hz,1H),8.13(d,8.8Hz,1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 14.4,20.0,25.7,25.7,28.5,29.3,33.5,34.2,37.0,39.7,44.3,64.5,70.1,115.5,117.8,123.5,124.5,127.4,127.7,128.6,129.9,130.4,130.5,143.9,151.5,166.3ppm.
LRMS(EI)m/z 456,458
(実施例7) 式(I−4)で表される化合物の製造
【0115】
【化50】
4つ口フラスコに、4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェノール 50.0g(0.23モル)をとり、ジクロロメタン 200mLに懸濁させた。氷冷しながら、塩化スルフリル 77.6g(0.57モル)を反応液の温度が15℃を超えないよう徐々に滴下した。室温で5時間撹拌した後、食塩水 300mLで3回洗浄した。溶媒を留去した後、ヘキサン 300mLを加え分散洗浄することにより、式(I−4−1)で表される化合物 62.0g(0.22モル)を得た。
【0116】
4つ口フラスコに、式(I−4−1)で表される化合物15.0g(0.052モル)、N−エチルジイソプロピルアミン 8.1g(0.062モル)をとり、ジクロロメタン 60mLに懸濁させた。氷冷しながら塩化アクリロイル 5.6g(0.062モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。室温で2時間撹拌した後、食塩水 100mLで3回洗浄した。ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、アルミナ)により精製した。ジクロロメタン/ヘキサンにより再結晶を行い目的物である式(I−4)で表される化合物 19.0gを得た。
式(I−4)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl
3)δ 0.91(t,7.3Hz,3H),1.25〜1.61(m,11H),1.89(m,2H),2.21(quin,6.5Hz,2H),5.85(dd,10.3,1.4Hz,1H),6.14(dd,17.4,10.5Hz,1H),6.42(dd,17.4,1.6Hz,1H),7.31(d,1.7Hz,1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 14.4,20.5,29.3,31.0,31.1,37.1,42.7,124.8,127.5,131.0,134.1,144.1,156.4,164.3ppm.
LRMS(EI)m/z 340,342
(実施例8) 式(I−21)で表される化合物の製造
【0117】
【化51】
【0118】
4つ口フラスコに、式(I−33−2)で表される化合物 50.0g(0.20モル)をジクロロメタン 150mLに懸濁させた。ピリジン 15.8g(0.20ミリモル)を加えた。氷冷しながらトリフルオロメタンスルホン酸無水物 56.4g(0.20モル)を滴下した。室温で5時間撹拌した後、5%塩酸 150mL、水 150mL、飽和重曹水 150mLで洗浄し、溶媒を留去した。ジクロロメタンを用いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、アルミナ)により精製し、式(I−21−1)で表される化合物 73.1g(0.19モル)を得た。
【0119】
4つ口フラスコに式(I−21−1)で表される化合物 73.1g(0.19モル)、ヨウ化銅(I)0.72g(3.8ミリモル)をとり、トリエチルアミン 73mL、N,N−ジメチルホルムアミド 219mLに懸濁させた。フラスコ内を窒素ガスで置換した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)2.2g(1.9ミリモル)を加えた。80℃で加熱しながら、トリメチルシリルアセチレン 28.0g(0.29モル)を滴下した。80℃で5時間加熱撹拌した後、トルエン 300mLで希釈し、水 300mLで2回、食塩水 300mLで分液処理した。溶媒を留去した後、ジクロロメタンを用いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製し式(I−21−2)で表される化合物 44.3g(0.13モル)を得た。
【0120】
フラスコに式(I−21−2)で表される化合物 44.3g(0.13モル)をとり、ジクロロメタン 89mL及びメタノール 89mLに溶解させた。炭酸カリウム 27.0g(0.20モル)を加え室温で6時間撹拌した。析出物をろ過し水 30mLで分液処理した。溶媒を留去した後、ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製し式(I−21−3)で表される化合物 32.2g(0.12モル)を得た。
【0121】
4つ口フラスコに式(I−21−3)で表される化合物 32.2g(0.12モル)、ヨウ化銅(I)0.46g(2.4ミリモル)、4−テトラヒドロピラニルオキシヨードベンゼン 30.4g(0.10モル)をとり、トリエチルアミン 30mL、N,N−ジメチルホルムアミド 90mLに懸濁させた。フラスコ内を窒素ガスで置換した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)1.2g(1.0ミリモル)を加え、80℃で5時間加熱撹拌した後、トルエン 200mLで希釈し、水 200mLで2回、食塩水 200mLで分液処理した。溶媒を留去した後、ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製し式(I−21−3)で表される化合物 30.6g(0.070モル)を得た。
【0122】
フラスコに式(I−21−3)で表される化合物 30.6g(0.070モル)をとり、ジクロロメタン 61mL及びメタノール 61mLに溶解させた。10%塩酸 30mLを加え室温で5時間撹拌した。ジクロロメタン 150mLで希釈した後、水 200mLで2回、食塩水 200mLで1回洗浄し溶媒を留去した。ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することにより式(I−21−5)で表される化合物 23.7g(0.067モル)を得た。
【0123】
式(I−21−5)で表される化合物 23.7g(0.067モル)を実施例7と同様の方法により塩化アクリロイルと反応させ、精製することにより、目的物である式(I−21)で表される化合物 25.9gを得た。
式(I−21)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl
3)δ 0.91(t,7.3Hz,3H),1.27〜1.61(m,11H),1.86(m,2H),2.72(quin,6.5Hz,1H),5.85(dd,10.3,1.4Hz,1H),6.14(dd,17.4,10.5Hz,1H),6.42(dd,17.4,1.6Hz,1H),7.14(dd,7.5,1.4Hz,1H),7.25(d,7.5Hz,2H),7.45(m,2H),7.56(d,7.5Hz,2H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 14.4,20.5,29.3,31.0,31.1,37.1,43.2,93.3,93.3,115.7,119.5,121.2,124.2,125.9,127.5,132.7,133.4,134.1,134.6,145.6,151.0,164.3ppm.
LRMS(EI)m/z 406,408
(実施例9) 式(I−24)で表される化合物の製造
【0124】
【化52】
【0125】
フラスコに4−(trans−4−エチルシクロヘキシル)フェノール 50.0g (0.24モル)をとり、アセトニトリル 200mLに懸濁させた。Selectfluor 93.5g(0.26モル)を加え、70℃で48時間加熱撹拌した。溶媒を留去し、酢酸エチル200mLに溶解させ、食塩水 200mLで3回洗浄した。溶媒を留去した後、ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、アルミナ)により精製した。ジクロロメタン/ヘキサンにより再結晶を行い式(I−24−2)で表される化合物 18.7g(0.084モル)を得た。
【0126】
式(I−24−2)で表される化合物 18.7g(0.084モル)を実施例8と同様の方法でトリフラート化することにより、式(I−24−3)で表される化合物 28.6g(0.081モル)を得た。
【0127】
4つ口フラスコに、式(I−24−3)で表される化合物 28.6g(0.081モル)、4−ヒドロキシフェニルホウ酸 11.2g(0.081モル)、炭酸カリウム 16.8g(0.12モル)をとり、エタノール 86mL、水 29mLに懸濁させた。フラスコ内を窒素ガスで置換した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)0.94g(0.81ミリモル)を加えた。80℃で7時間加熱撹拌した後、トルエン 300mLで希釈し、5%塩酸 300mLで分液処理した。溶媒を留去し、アセトン/ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することにより式(I−24−4)で表される化合物 20.6g(0.069モル)を得た。
【0128】
式(I−24−4)で表される化合物 20.6g(0.069モル)を実施例6と同様の方法によりメタクリル酸6−クロロヘキシルと反応させ、精製することにより、目的物である式(I−24)で表される化合物 22.5gを得た。
式(I−24)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl
3)δ 0.90(t,8.0Hz,3H),1.27〜1.86(m,17H),2.01(s,3H),2.72(quin,6.5Hz,1H),3.97(t,7.1Hz,2H),4.06(t,7.1Hz,2H),6.40(d,2.1Hz,1H),6.48(d,2.1Hz,1H),6.90(d,8.0Hz,1H),7.05(d,7.5Hz,2H),7.13(d,7.5Hz,1H),7.69(m,3H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 11.9,17.9,25.6,25.8,29.0,29.3,29.6,30.7,31.1,38.7,43.7,65.6,68.7,114.0,114.9,124.1,125.2,126.2,128.1,129.2,129.7,136.0,145.0,158.3,158.4,167.2ppm.
LRMS(EI)m/z 466
(実施例10) 式(I−47)で表される化合物の製造
【0129】
【化53】
【0130】
4つ口フラスコに、式(I−36−2)で表される化合物15.0g(0.050モル)、4−アセトキシ安息香酸 9.0g(0.050モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.31g(2.5ミリモル)をとり、ジクロロメタン 45mLに懸濁させた。氷冷しながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 7.6g(0.060モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、溶媒を留去した。ジクロロメタンを用いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製した。ジクロロメタン/メタノールにより再結晶を行い式(I−47−1)で表される化合物 18.6g(0.040モル)を得た。
【0131】
4つ口フラスコに式(I−47−1)で表される化合物 18.6g(0.040モル)をとり、テトラヒドロフラン 74mLに溶解させた。17%アンモニア水 18mLを加え室温で7時間撹拌した後、5%塩酸 150mL、食塩水 150mLで2回洗浄し、溶媒を留去した。メタノール/水で再結晶を行い式(I−47−2)で表される化合物 16.1g(0.038モル)を得た。
【0132】
式(I−47−2)で表される化合物 16.1g(0.038モル)を実施例6と同様の方法により3−クロロプロパノールと反応させ、精製することにより式(I−47−3)で表される化合物 13.0g(0.027モル)を得た。
【0133】
4つ口フラスコに、式(I−47−3)で表される化合物 13.0g(0.027モル)、3−エチル−3−オキセタンメタノール 3.8g(0.032モル)、トリフェニルホスフィン 8.4g(0.032モル)をとり、テトラヒドロフラン 52mLに溶解させた。氷冷しながらジイソプロピルアゾジカルボキシラート 6.5g(0.032モル)を反応温度が15℃を超えないよう徐々に滴下した。溶媒を留去した後、メタノールで分散洗浄し、ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/アルミナ)により精製した後、ジクロロメタン/ヘキサンを用いて再結晶を行い、目的物である式(I−47)で表される化合物 12.5gを得た。
式(I−47)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl
3)δ 0.90,(t,8.0Hz,3H),0.92(t,7.3Hz,3H),1.11(q,12.3Hz,2H),1.24(m,2H),1.36(m,3H),1.56(qd,12.8,3.2Hz,2H),1.69(q,8.0Hz,2H),1.92(d,12.4Hz,2H),1.99(d,12.4Hz,2H),2.22(quin,6.4Hz,2H),2.65(tt,11.9,3.4Hz,1H),3.79(s,2H),4.14(d,12.4Hz,2H),4.17(t,6.2Hz,2H),4.39(m,4H),7.00(d,8.9Hz,2H),7.35(d,8.8Hz,1H),7.51(d,8.9Hz,1H),7.66(s,1H),7.76(d,8.9Hz,1H),8.19(d,8.7Hz,1H),8.23(d,8.9Hz,2H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 14.1,14.4,20.0,28.5,28.8,33.5,34.2,37.0,39.7,42.4,44.5,61.1,64.6,79.7,80.7,80.7,114.3,121.4,121.9,123.0,124.2,124.9,127.4,127.8,130.1,132.5,132.6,144.4,146.0,163.2,164.1ppm.
LRMS(EI)m/z 578,580
(実施例11) 式(I−60)で表される化合物の製造
【0134】
【化54】
【0135】
4つ口フラスコに、4−ヒドロキシフェニルホウ酸 20.0g(0.15モル)、1,8−ジアミノナフタレン保護p−ブロモフェニルホウ酸 46.8g(0.15モル)、炭酸カリウム 31.1g(0.23モル)をとり、エタノール 140mL、水 47mLに懸濁させた。フラスコ内を窒素ガスで置換した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)1.7g(1.5ミリモル)を加えた。80℃で7時間加熱撹拌した後、トルエン 300mLで希釈し、5%塩酸 300mLで分液処理した。溶媒を留去し、アセトン/ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することにより式(I−60−1)で表される化合物 42.9g(0.13モル)を得た。
【0136】
4つ口フラスコに、式(I−60−1)で表される化合物 42.9g(0.13モル)をとり、テトラヒドロフラン 129mLに溶解させた。硫酸43mLを加え、室温で48時間撹拌した。酢酸エチル 129mLで希釈した後、食塩水 258mLで3回分液処理した。溶媒を留去した後、ヘキサン 258mLで分散洗浄することにより式(I−60−2)で表される化合物 27.8g(0.13モル)を得た。
【0137】
4つ口フラスコに、式(I−60−2)で表される化合物 27.8g(0.13モル)、式(I−21−1)で表される化合物 50.0g(0.13モル)、炭酸カリウム 27.0g(0.20モル)をとり、エタノール 200mL、水 50mLに懸濁させた。フラスコ内を窒素ガスで置換した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)1.5g(1.3ミリモル)を加えた。80℃で10時間加熱撹拌した後、トルエン 300mLで希釈し、5%塩酸 300mLで分液処理した。溶媒を留去し、アセトン/ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することにより式(I−60−3)で表される化合物 40.5g(0.10モル)を得た。
【0138】
ディーンスターク装置を備えた4つ口フラスコに、式(I−60−3)で表される化合物 40.5g(0.10モル)、3−メルカプトプロピオン酸 15.9g(0.15モル)、p−トルエンスルホン酸・1水和物 4.1gをとり、トルエン 122mLに懸濁させた。水を除去しながら110℃で7時間加熱還流させた後、食塩水 200mLで3回分液処理した。溶媒を留去し、アセトン/ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することにより目的の式(I−60)で表される化合物 34.5g(0.070モル)を得た。
式(I−60)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl
3)δ 0.90(t,8.0Hz,3H),1.25〜1.61(m,12H),1.86(m,2H),2.52(t,7.1Hz,2H),2.72(quin,7.0Hz,1H),2.83(t,7.1Hz,2H),7.15(m,2H),7.25(m,5H),7.56(s,1H),7.65(d,7.5Hz,1H),7.76(d,7.5Hz,2H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 14.4,19.6,20.5,29.3,31.0,31.1,33.4,37.1,43.2,122.1,126.6,126.8,127.2,127.2,129.0,129.5,132.3,136.6,137.4,137.6,139.7,144.8,150.2,172.3ppm.
LRMS(EI)m/z 492,494
(実施例12) 式(I−32)で表される化合物の製造
【0139】
【化55】
【0140】
フラスコに4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノール 20.0g(0.081モル)をとり、アセトニトリル 100mLに懸濁させた。Selectfluor 71.9g(0.20モル)を加え、70℃で50時間加熱撹拌した。溶媒を留去し、酢酸エチル200mLに溶解させ、食塩水 200mLで3回洗浄した。溶媒を留去した後、ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、アルミナ)により精製した。ジクロロメタン/ヘキサンにより再結晶を行い、式(I−32−2)で表される化合物 18.8g(0.067モル)を得た。
【0141】
フラスコにtrans−4−ヒドロキシシクロヘキシルカルボン酸 20.0g(0.14モル)、アクリル酸6−クロロヘキシル 31.7g(0.17モル)、テトラブチルアンモニウムクロリド 1.95g(7.0ミリモル)を加えた。5%水酸化ナトリウム水溶液200mLに懸濁させ、100℃で20時間加熱攪拌した後、酢酸エチル 150mL及び10%塩酸 150mLを加え分液処理した。続いて食塩水 150mLで3回洗浄した後、溶媒を留去した。メタノール/水及びアセトン/ヘキサンを用いて再結晶を行い、式(I−32−4)で表される化合物 20.8g(0.070モル)を得た。
【0142】
4つ口フラスコに、式(I−32−2)で表される化合物15.0g(0.053モル)、式(I−32−4)で表される化合物15.8g(0.053モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.31g(2.5ミリモル)をとり、ジクロロメタン 80mLに懸濁させた。氷冷しながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 7.6g(0.060モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、溶媒を留去した。ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、アルミナ)により精製した。ジクロロメタン/ヘキサンにより再結晶を行い目的物である式(I−32)で表される化合物 20.8gを得た。
式(I−32)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl
3)δ 0.90(t,7.3Hz,3H),1.25〜1.33(m,12H),1.40〜1.46(m,7H),1.57(m,6H),1.67(q,7.3Hz,4H),1.73(q,7.2Hz,4H),2.27(quin,7.0Hz,1H),2.72〜2.79(m,2H),3.37(t,6.4Hz,2H),4.15(t,6.4Hz,2H),5.82(dd,10.4,1.5Hz,1H),6.13(dd,17.2,10.4Hz,1H),6.40(dd,17.2,1.5Hz,1H),6.58(s,2H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 14.0,21.0,23.1,26.3,26.5,27.8,29.2,29.7,30.0,31.3,31.7,32.6,32.8,34.7,35.8,39.2,66.8,68.0,72.2,109.7,124.3,128.6,130.3,144.8,156.3,165.0,173.0ppm.
LRMS(EI)m/z 562
(実施例13) 式(I−61)で表される化合物の製造
下記経路により式(I−61)で表される化合物を合成した。
【0143】
【化56】
【0144】
(実施例14) 式(I−67)で表される化合物の製造
下記経路により式(I−67)で表される化合物を合成した。
【0145】
【化57】
(実施例15) 式(I−77)で表される化合物の製造
下記経路により式(I−77)で表される化合物を合成した。
【0146】
【化58】
【0147】
(実施例16) 式(I−81)で表される化合物の製造
下記経路により式(I−81)で表される化合物を合成した。
【0148】
【化59】
【0149】
(実施例1から6に記載の化合物及び比較化合物1から3の評価)
実施例1から6に記載の本願発明の式(I−33)から式(I−37)及び式(I−5)で表される化合物並びに、特開2008−195762号公報(特許文献1)記載の当該分野において通常用いられる化合物である比較化合物1、本願発明の化合物と類似の化学構造を有する、特開平7−53961号公報(特許文献3)記載の比較化合物2及び特許4496439号公報(特許文献4)記載の比較化合物3の転移温度の測定を行いその結果を下記表1に記載する。
【0150】
【化60】
【0151】
【表1】
【0152】
表1より、本願発明の実施例1から6において製造した本願発明の式(I−33)から式(I−37)及び式(I−5)で表される化合物は、生産工程上容易に取り扱い可能な温度域において充分なネマチック液晶相を示すことがわかる。
(実施例1から16に記載の化合物及び比較化合物1から3の評価)
実施例1から16の化合物並びに、比較化合物1から3の最大添加濃度の測定を行いその結果を下記表2に記載する。
【0153】
ここで、最大添加濃度とは、母体液晶に評価対象となる化合物を50%から80%まで10%刻みで添加した組成物を各々調製し、調製した組成物を25℃で15時間放置した場合において、結晶の析出が起こらない当該化合物の最大添加濃度と定義する。最大添加濃度が大きい化合物は保存安定性が高く、長期間の保存によっても結晶の析出が発生しないことを意味する。
【0154】
最大添加濃度を測定するために、下記化合物(VI):38%、化合物(VII):32%、化合物(VIII):15%及び化合物(IX):15%からなる液晶組成物を母体液晶とした。
【0155】
【化61】
【0156】
【表2】
【0157】
表2より、本願発明の実施例1から16の化合物はいずれも比較化合物1から3と比較して結晶の析出の起こらない最大添加濃度が同等若しくはそれ以上であり、高い保存安定性を示すことがわかる。
(実施例17から32、比較例1から3)
前述の化合物(VI)、化合物(VII)、化合物(VIII)及び化合物(IX)に、実施例1から16において製造した本願発明の式(I−33)から式(I−37)、式(I−5)、式(I−4)、式(I−21)、式(I−24)、式(I−47)、式(I−60)、式(I−32)、式(I−61)、式(I−67)、式(I−77)及び式(I−81)で表される化合物を下記表3〜5の組成に従い添加して、実施例17から32の重合性液晶組成物を調製した。又、同様に比較化合物1、比較化合物2及び比較化合物3を含む重合性液晶組成物を調製した。
【0158】
【表3】
【0159】
【表4】
【0160】
【表5】
【0161】
調製した重合性液晶組成物の転移温度を下記表6に示す。
【0162】
【表6】
【0163】
本願発明の式(I−33)から式(式I−37)及び式(I−5)で表される化合物を含む実施例17から実施例22はいずれも生産工程上容易に取り扱い可能な温度域において充分なキラルネマチック液晶相を示すことがわかる。
(実施例33から48、比較例4から6)
次に、本願実施例17から32の重合性液晶組成物並びに比較例1から3の重合性液晶組成物のそれぞれ98%に、光重合開始剤イルガキュア907(チバスペシャリティーケミカル社製)を2%添加した後シクロヘキサノンに溶解させ、ポリイミド付きガラスにスピンコートし、これに高圧水銀ランプを用いて4mW/cm
2の紫外線を120秒間照射し、実施例33から48の重合体及び比較例4から6の重合体を得た。得られた重合体のヘイズ値、外観及びコレステリックピッチを評価しその結果下記表7に記載する。
ここで、ヘイズ値は下記式
ヘイズ(%)=Td/Tt×100
(式中、Tdは拡散透過率、Ttは全光線透過率を表す。)で表され、測定にはヘイズ測定装置(日本電色工業株式会社製NHD2000)を用い、基板上5カ所について測定を行い、その平均をとった。また、目視によって重合体上にムラ等が無く全体に均一であれば○、ムラが見られる場合は×とした。選択反射波長の測定には、UV/VIS分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製U−4100)を用いた。選択反射波長λ及びピッチpには下記関係式
【0164】
【数1】
【0165】
が成立する。選択反射波長λを測定し、当該重合体のピッチを算出した。
【0166】
【表7】
【0167】
※外観:○ 良好、× ムラ有り
本願発明の式(I−33)から式(I−37)、式(I−5)、式(I−4)、式(I−21)、式(I−24)、式(I−47)、式(I−60)、式(I−32)、式(I−61)、式(I−67)、式(I−77)及び式(I−81)で表される化合物を含有する本願重合体実施例33から本願重合体実施例48においては、いずれもヘイズ値が小さく、またムラの発生も無く均一な重合体が得られた。一方、比較化合物1及び比較化合物2を含有する重合体比較例4及び重合体比較例5においては、ヘイズ値が大きく、また重合体上に白い筋状のムラが生じており不均一な重合体が得られた。更にピッチも381nm及び360nmと本願重合体に比べて長くなってしまった。また、比較化合物3を含有する重合体比較例6においては、ヘイズ値が小さく、ムラも見られなかったが、ピッチが380nmと、本願重合体と比較しコレステリックピッチが長くなってしまった。このため、本願重合体と同等のピッチを誘起するためにはより多量のキラル化合物を添加する必要がある。
【0168】
このように、本願発明の化合物はいずれも、比較化合物1及び比較化合物2と比較して保存安定性が高く、また重合体とした場合にヘイズ値が低くムラも無いことから高いコレステリック配向性を有することが分かる。また、本願発明の化合物はいずれも比較化合物1、比較化合物2及び比較化合物3と比較して、短いコレステリックピッチを示すことがわかる。