【実施例】
【0072】
以下、実施例を挙げて本発明を更に記述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
(実施例1) 式(I−1)で表される化合物の製造
【0073】
【化24】
【0074】
撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸(式(A−1)で表される化合物) 200g(1.2モル)、酢酸700mL、無水酢酸133g(1.3モル)、硫酸3gを加え、60℃に加熱し9時間反応させた。反応液に水1Lを加え氷冷しながら2時間撹拌した後、析出した固体を濾過した。得られた固体を水1Lで2度分散洗浄した。固体を乾燥させることにより式(A−2)で表される化合物 203gを得た。
【0075】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(A−2)で表される化合物 25.0g(0.12モル)、2,4−ジメチルフェノール 13.2g(0.11モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP) 0.7g(5.4ミリモル)、ジクロロメタン 125mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC) 16.4g(0.13モル)を滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 33g、溶離液:ジクロロメタン 264mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をメタノール 102mLで分散洗浄した後、乾燥させることにより式(A−3)で表される化合物 29.0gを得た。
【0076】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(A−3)で表される化合物 29.0g(0.092モル)、トルエン 87mL及びテトラヒドロフラン 87mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 10.1g(0.14モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸 100mLで中和し分液した後、有機層を食塩水100mLで2回洗浄した。溶媒を留去し、得られたオイル状物質をメタノール 90mL及び水 90mLの混合溶媒から再結晶した。得られた固体を乾燥させることにより式(A−4)で表される化合物 20.1gを得た。
【0077】
撹拌装置、還流装置及び温度計を備えた反応装置に6−ヒドロキシー2−ナフトエ酸 190g(1.0モル)、炭酸カリウム 350g(0.25モル)、3−クロロプロパノール 190g(2.0モル)、テトラブチルアンモニウムブロミド 16g(50ミリモル)を加えエタノール 1500mL及び水 50mLに懸濁させた。78℃で24時間加熱還流させた。水酸化カリウム 120gを水 600mLに溶解させた水溶液を滴下した。60℃で1時間撹拌した。エタノールを留去した後、5%塩酸を少しずつ加え反応液を酸性にした。結晶を濾過し、再結晶により精製を行い、式(A−5−2)で表される化合物 239.4gを得た。
【0078】
撹拌装置、温度計及びディーンスターク装置を備えた反応容器に式(A−5−2)で表される化合物 230g(0.93モル)、3−クロロプロピオン酸 213g(2.0モル)p−トルエンスルホン酸一水和物 8.9g(0.047モル)を加えトルエン 1600mLに溶解させた。110℃で2時間水を除去しながら加熱還流させた。室温まで冷却しテトラヒドロフラン 1600mL及び水 1000mLを加え分液処理した。有機層を食塩水で洗浄した後、溶媒を留去した。得られた粗体をメタノール及び水の混合溶媒で3回分散洗浄することにより式(Aー5−3)で表される化合物 289g(0.86モル)を得た。
【0079】
撹拌装置、温度計及び還流装置を備えた反応容器に式(Aー5−3)で表される化合物 289g(0.86モル)を加えテトラヒドロフラン 1450mLに溶解させた。トリエチルアミン 260g(2.56モル)を反応液の温度が15℃を超えないよう徐々に滴下した。66℃で6時間加熱還流させた後、室温まで放冷し10%塩酸 750mLを加えた。分液処理した後、有機層を食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。テトラヒドロフラン及びヘキサンの混合溶媒で再結晶を行うことにより式(A−5)で表される化合物 250gを得た。
【0080】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(A−4)で表される化合物 20.1g(0.074モル)、6−(3−アクリロイルオキシ−プロピルオキシ)−2−ナフトエ酸(式(A−5)で表される化合物) 24.4g(0.081モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.45g(3.7ミリモル)及びジクロロメタン 122mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 11.2g(0.089モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 41g、溶離液:ジクロロメタン 328mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタン 41mL及びメタノール 123mLの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−1)で表される化合物 32.7gを得た。
(式(I−1)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 2.21(s,3H),2.27(quin,2H),2.35(s,3H),3.92(s,3H),4.24(t,2H),4.43(t,2H),5.85(dd,1H),6.15(dd,1H),6.43(dd,1H),7.01〜7.10(m,3H),7.20〜7.24(m,2H),7.34(d,1H),7.81〜7.95(m,4H),8.17(dd,1H),8.74(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 16.2,20.9,28.6,56.2,61.3,64.5,106.5,114.0,120.0,121.6,123.2,123.3,123.9,126.3,127.0,127.5,127.9,128.2,128.3,129.8,131.0,131.1,131.8,132.0,135.7,137.6,144.6,147.3,151.6,159.1,164.4,164.6,166.2ppm.
LRMS(EI)m/z 554(100).
(実施例2) 式(I−3)で表される化合物の製造
【0081】
【化25】
【0082】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(A−2)で表される化合物 30.0g(0.14モル)、p−クレゾール 14.0g(0.13モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.8g(6.5ミリモル)、ジクロロメタン 150mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 19.7g(0.16モル)を滴下した。滴下終了後、室温で8時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 39g、溶離液:ジクロロメタン 312mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をメタノール 117mLで分散洗浄した後、乾燥させることにより式(B−1)で表される化合物 35.8gを得た。
【0083】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(B−1)で表される化合物 35.8g(0.12モル)、トルエン 107mL及びテトラヒドロフラン 107mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 13.1g(0.18モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸 200mLで中和し分液した後、有機層を食塩水200mLで2回洗浄した。溶媒を留去し、得られたオイル状物質をメタノール 120mL及び水 120mLの混合溶媒から再結晶した。得られた固体を乾燥させることにより式(B−2)で表される化合物 30.1gを得た。
【0084】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(B−2)で表される化合物 30.1g(0.12モル)、6−(3−アクリロイルオキシ−プロピルオキシ)−2−ナフトエ酸 38.7g(0.13モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.71g(5.8ミリモル)及びジクロロメタン 193mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 17.7g(0.14モル)を滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 63g、溶離液:ジクロロメタン 504mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタン 63mL及びメタノール 189mLの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−3)で表される化合物 51.6gを得た。
(式(I−3)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 2.27(quin,2H),2.39(s,3H),3.91(s,3H),4.24(t,2H),4.42(t,2H),5.85(dd,1H),6.15(dd,1H),6.43(dd,1H),7.10(d,2H),7.19〜7.26(m,4H),7.33(d,1H),7.81〜7.84(m,2H),7.89〜7.93(m,2H),8.17(dd,1H),8.73(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 20.9,28.6,56.2,61.3,64.6,76.7,77.0,77.2,77.3,106.5,113.9,115.5,120.0,121.4,123.2,123.2,123.3,123.9,126.4,127.1,128.0,128.3,130.0,131.0,131.2,132.0,135.6,137.6,144.6,148.7,151.5,159.1,164.5,164.8,166.2ppm.
LRMS(EI)m/z 540(100).
(実施例3) 式(I−7)で表される化合物の製造
【0085】
【化26】
【0086】
実施例2においてp−クレゾールに換えて4−エチルフェノールを用いる以外は同様にして式(I−7)で表される化合物を製造した。
(式(I−7)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 1.27(t,3H),2.27(quin,2H),2.69(q,2H),3.91(s,3H),4.24(t,2H),4.43(t,2H),5.85(dd,1H),6.15(dd,1H),6.44(dd,1H),7.14(d,2H),7.20〜7.27(m,4H),7.33,(d,1H),7.81〜7.85(m,2H),7.91(td,2H),8.17(dd,1H),8.73(1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 15.6,28.3,28.6,56.2,61.3,64.6,106.5,114.0,120.0,121.4,123.2,123.4,123.9,126.4,127.1,128.0,128.3,128.9,131.0,131.2,132.0,137.6,141.9,144.6,148.8,151.5,159.1,164.5,164.8,166.2ppm.
LRMS(EI)m/z 554(100).
(実施例4) 式(I−8)で表される化合物の製造
【0087】
【化27】
【0088】
撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸0.5水和物(式(D−1)で表される化合物) 105g(0.58モル)、酢酸350mL、無水酢酸65.0g(0.64モル)及び硫酸1.5gを加え、60℃に加熱し8時間反応させた。反応液に水1Lを加え氷冷しながら1時間撹拌した後、析出した固体を濾過した。得られた固体を水1Lで2度分散洗浄した。固体を乾燥させることにより式(D−2)で表される化合物 120.6gを得た。
【0089】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(D−2)で表される化合物 25.0g(0.12モル)、p−クレゾール 11.4g(0.11モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.6g(5.2ミリモル)及びジクロロメタン 125mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 15.9g(0.13モル)を滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 32g、溶離液:ジクロロメタン 256mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をメタノール 96mLで分散洗浄した後、乾燥させることにより式(D−3)で表される化合物 28.5gを得た。
【0090】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(D−3)で表される化合物 28.5g(0.094モル)、トルエン 86mL及びテトラヒドロフラン 86mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 10.3g(0.14モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸 150mLで中和し分液した後、有機層を食塩水150mLで2回洗浄した。溶媒を留去し、得られたオイル状物質をメタノール 74mL及び水 74mLの混合溶媒から再結晶した。得られた固体を乾燥させることにより式(D−4)で表される化合物 23.8gを得た。
【0091】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(D−4)で表される化合物 23.8g(0.091モル)、6−(3−アクリロイルオキシ−プロピルオキシ)−2−ナフトエ酸 29.9g(0.099モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.55g(4.5ミリモル)及びジクロロメタン 150mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 13.7g(0.11モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 49g、溶離液:ジクロロメタン 392mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタン 49mL及びメタノール 147mLの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−8)で表される化合物 40.5gを得た。
(式(I−8)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 2.25(quin,2H),2.38(s,3H),4.24(t,2H),4.43(t,2H),5.86(dd,1H),6.15(dd,1H),6.44(dd,1H),7.11(d,2H),7.20〜7.26(m,4H),7.49(d,1H),7.83(d,1H),7.91(d,1H),8.18(m,2H),8.36(m,1H),8.76(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 20.9,28.6,61.3,64.6,106.5,120.2,121.2,123.3,124.2,126.2,127.3,127.8,127.9,128.3,128.6,129.8,130.1,131.0,131.2,132.3,135.8,137.8,148.5,151.6,159.3,163.7,164.0,166.2ppm.
LRMS(EI)m/z 544(100),546(30).
(実施例5) 式(I−15)で表される化合物の製造
【0092】
【化28】
【0093】
実施例2においてp−クレゾールに換えて6−プロピル−2−ナフトールを用いる以外は同様にして式(I−15)で表される化合物を製造した。
(式(I−15)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 1.27(t,3H),1.66(m,2H),2.27(quin,2H),2.66(t,2H),3.91(s,3H),4.24(t,2H),4.43(t,2H),5.85(dd,1H),6.15(dd,1H),6.44(dd,1H),7.14(d,2H),7.20〜7.27(m,4H),7.30〜7.45,(m,3H),7.81〜7.90(m,4H),8.17(dd,1H),8.73(1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 13.6,25.2,30.3,38.4,56.0,63.1,68.5,105.5,108.9,116.1,117.4,119.7,122.3,122.8,125.5,125.8,126.1,126.4,127.0,128.0,128.4,128.4,128.6,128.8,129.2,130.3,130.4,130.8,132.5,132.8,136.1,143.9,152.1,154.8,160.1,164.0,164.0,165.0ppm.
LRMS(EI)m/z 618(100).
(実施例6) 式(I−16)で表される化合物の製造
【0094】
【化29】
【0095】
実施例2においてp−クレゾールに換えてトランス−4−プロピルシクロヘキサノールを用いる以外は同様にして式(I−16)で表される化合物を製造した。
(式(I−16)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 1.27〜1.43(m,12H),2.27〜2.35(m,6H),3.91(s,3H),4.02(quin,1H),4.24(t,2H),4.43(t,2H),5.85(dd,1H),6.15(dd,1H),6.44(dd,1H),7.14(d,2H),7.20(d,1H),7.81〜7.85(m,2H),7.91(td,2H),8.17(dd,1H),8.73(1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 14.3,20.9,25.8,25.8,29.2,29.2,30.3,32.0,36.9,56.0,63.1,68.5,72.3,105.5,115.7,119.7,122.3,122.4,125.8,126.1,127.0,128.0,128.8,128.8,130.3,130.4,130.8,136.1,143.0,154.8,160.1,165.0,164.0,167.0ppm.
LRMS(EI)m/z 574(100).
(実施例7) 式(I−17)で表される化合物の製造
【0096】
【化30】
【0097】
撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸(式(G−1)で表される化合物) 100g(0.52モル)、酢酸350mL、無水酢酸57.8g(0.57モル)及び硫酸1.5gを加え、60℃に加熱し10時間反応させた。反応液に水1Lを加え氷冷しながら1時間撹拌した後、析出した固体を濾過した。得られた固体を水1Lで2度分散洗浄した。固体を乾燥させることにより式(G−2)で表される化合物 111gを得た。
【0098】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(G−2)で表される化合物 25.0g(0.106モル)、p−クレゾール 10.4g(0.096モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.6g(4.8ミリモル)及びジクロロメタン 125mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 14.6g(0.12モル)を滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 31g、溶離液:ジクロロメタン 248mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をメタノール 124mLで分散洗浄した後、乾燥させることにより式(G−3)で表される化合物 26.7gを得た。
【0099】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(G−3)で表される化合物 26.7g(0.082モル)、トルエン 80mL及びテトラヒドロフラン 80mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 9.0g(0.12モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸 180mLで中和し分液した後、有機層を食塩水180mLで2回洗浄した。溶媒を留去し、得られたオイル状物質をメタノール 70mL及び水 70mLの混合溶媒から再結晶した。得られた固体を乾燥させることにより式(G−4)で表される化合物 22.6gを得た。
【0100】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(G−4)で表される化合物 22.6g(0.079モル)、6−(3−アクリロイルオキシ−プロピルオキシ)−2−ナフトエ酸 26.2g(0.087モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.49g(4.0ミリモル)及びジクロロメタン 131mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 12.0g(0.095モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 45g、溶離液:ジクロロメタン 360mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタン 45mL及びメタノール 135mLの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−17)で表される化合物 36.9gを得た。
(式(I−17)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 1.99(quin,2H),2.35(s,3H),3.73(s,3H),4.04(t,2H),4.15(t,2H),5.80(dd,1H),6.05(dd,1H),6.43(dd,1H),6.39(d,1H),6.88(d,1H),6.93(d,1H),6.95(d,2H),6.97(s,1H),6.99(d,1H),7.03(d,2H),7.04(d,1H),7.60(d,1H),7.64(d,1H),7.75(d,1H),8.20(d,1H),8.52(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 20.9,30.3,56.0,63.1,68.5,105.5,112.2,115.7,118.9,119.7,122.3,122.4,122.4,127.0,125.8,126.1,128.0,128.6,129.6,129.6,130.3,130.4,130.8,132.7,134.5,136.1,137.9,145.6,150.1,154.8,160.1,162.0,164.0,165.0ppm.
LRMS(EI)m/z 566(100).
(実施例8) 式(I−13)で表される化合物の製造
【0101】
【化31】
【0102】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(A−2)で表される化合物 30.0g(0.14モル)、4−シアノ−3−フルオロフェノール 17.8g(0.13モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.8g(6.5ミリモル)及びジクロロメタン 150mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 19.7g(0.16モル)を滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 31g、溶離液:ジクロロメタン 248mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をメタノール 124mLで分散洗浄した後、乾燥させることにより式(H−1)で表される化合物 39.0gを得た。
【0103】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(H−1)で表される化合物 39.0g(0.12モル)、トルエン 80mL及びテトラヒドロフラン 80mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 13.0g(0.18モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸 180mLで中和し分液した後、有機層を食塩水180mLで2回洗浄した。溶媒を留去し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル、溶離液:ジクロロメタン)により精製した。得られた固体を乾燥させることにより式(H−2)で表される化合物 18.3gを得た。
【0104】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(H−2)で表される化合物 18.3g(0.064モル)、6−(3−アクリロイルオキシ−プロピルオキシ)−2−ナフトエ酸 21.0g(0.071モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.4g(3.2ミリモル)及びジクロロメタン 105mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 9.7g(0.077モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 40g、溶離液:ジクロロメタン 360mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタン 45mL及びメタノール 135mLの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−13)で表される化合物 30.5gを得た。
(式(I−13)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 1.99(quin,2H),3.73(s,3H),4.04(t,2H),4.15(t,2H),5.80(dd,1H),6.05(dd,1H),6.43(dd,1H),6.97(s,1H),7.04(s,1H),7.04(d,1H),7.10(d,1H),7.19(d,1H),7.56(d,1H),7.60(d,1H),7.72(s,1H),7.75(d,1H),7.77(d,1H),8.20(d,1H),8.52(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 30.3,56.0,63.1,68.5,96.3,105.5,109.1,116.1,116.5,117.7,119.7,122.3,122.8,125.8,126.1,127.0,128.0,128.4,128.6,130.3,130.4,130.8,134.0,136.1,143.9,154.8,159.0,160.1,164.0,164.0,165.0,166.0ppm.
LRMS(EI)m/z 569(100).
(実施例9)式(I−14)で表される化合物の製造
【0105】
【化32】
【0106】
撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に2−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸(式(J−1)で表される化合物) 50.0g(0.32モル)、酢酸150mL、無水酢酸39.2g(0.38モル)及び硫酸2.5gを加え、60℃に加熱し10時間反応させた。反応液に水1Lを加え氷冷しながら1時間撹拌した後、析出した固体を濾過した。得られた固体を水1Lで2度分散洗浄した。固体を乾燥させることにより式(J−2)で表される化合物 60.9gを得た。
【0107】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(J−2)で表される化合物 60.9g(0.31モル)、4−フルオロフェノール 31.3g(0.28モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 1.7g(14ミリモル)及びジクロロメタン 300mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 42.3g(0.34モル)を滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 100g、溶離液:ジクロロメタン 1L)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をメタノール 240mLで分散洗浄した後、乾燥させることにより式(J−3)で表される化合物 81.5gを得た。
【0108】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(J−3)で表される化合物 81.5g(0.28モル)、トルエン 240mL及びテトラヒドロフラン 240mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 30.6g(0.42モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸 240mLで中和し分液した後、有機層を食塩水480mLで2回洗浄した。溶媒を留去し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル、溶離液:ジクロロメタン)により精製した。得られた固体を乾燥させることにより式(J−4)で表される化合物 25.1gを得た。
【0109】
実施例1の式(A−5)で表される化合物の製造方法と同様の方法により、式(J−5)で表される化合物を製造した。
【0110】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(J−4)で表される化合物 25.1g(0.10モル)、6−(6−アクリロイルオキシヘキシロキシ)−2−ナフトエ酸 37.7g(0.11モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.61g(5.0ミリモル)及びジクロロメタン 180mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 15.1g(0.12モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 60g、溶離液:ジクロロメタン 600mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタン 60mL及びメタノール 120mLの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−14)で表される化合物 50.6gを得た。
(式(I−14)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 1.29(quin,4H),1.57(quin,2H),1.71(quin,2H),4.04(t,2H),4.15(t,2H),5.80(dd,1H),6.05(dd,1H),6.43(dd,1H),6.97(s,1H),7.04(m,3H),7.13(d,2H),7.28(d,1H),7.60(d,1H),7.75(d,1H),7.92(s,1H),7.98(d,1H),8.20(d,1H),8.52(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 26.3,26.5,30.0,30.6,66.8,72.3,105.5,115.9,115.9,117.5,119.7,122.9,123.0,123.0,125.8,126.1,126.1,127.0,128.0,128.6,129.0,130.3,130.4,130.8,136.1,145.3,148.7,154.9,158.9,160.1,164.0,164.0,165.0ppm.
LRMS(EI)m/z 574(100).
(実施例10)
式(I−2)で表される化合物の製造
【0111】
【化33】
【0112】
実施例9において、4−フルオロフェノールをp−クレゾールに置き換える以外は同様の方法によって式(I−2)で表される化合物を製造した。
(式(I−2)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 1.43(m,4H),1.62(t,2H),1.76(t,2H),2.34(s,3H),3.97(t,2H),4.16(t,2H),5.59(dd,1H),6.05(dd,1H),6.27(dd,1H),7.23(d,1H),7.25(d,2H),7.30(d,2H),7.39(s,1H),7.50(d,1H),7.87(d,1H),7.88(d,1H),7.93(d,1H),8.06(d,1H),8.32(d,1H),8.64(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 21.3,25.6,25.8,29.0,29.6,65.3,68.7,108.2,117.8,118.8,121.5,121.5,123.1,126.3,126.3,126.4,127.1,128.2,128.2,128.6,129.4,129.4,130.1,130.9,131.3,135.2,141.0,142.8,146.4,153.7,158.0,165.2,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 570(100).
(実施例11)
式(I−4)で表される化合物の製造
【0113】
【化34】
【0114】
実施例1の式(A−5)で表される化合物の製造方法と同様の方法により、式(I−4−1)で表される化合物を製造した。
【0115】
実施例2において、式(A−5)で表される化合物を式(I−4−1)で表される化合物に置き換える以外は同様の方法によって式(I−4)で表される化合物を製造した。(式(I−4)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 2.11(quin,2H),2.34(s,3H),3.83(s,3H),4.20(d,2H),4.39(d,2H),5.59(dd,1H),6.05(dd,1H),6.27(dd,1H),7.03(d,1H),7.25(d,2H),7.30(d,2H),7.41(d,1H),7.58(d,1H),7.84(s,1H),7.85(d,1H),7.99(d,1H),8.16(d,1H),8.49(d,1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 21.3,28.4,55.8,61.6,64.9,113.7,120.2,120.5,121.5,121.5,123.0,124.4,120.6,126.4,127.3,127.3,128.0,128.2,129.4,129.4,130.2,131.3,131.6,135.2,137.0,143.6,144.0,146.4,151.5,165.2,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 558(100).
(実施例12)
式(I−5)で表される化合物の製造
【0116】
【化35】
【0117】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(D−4)で表される化合物 25.0g(0.095モル)、4−アセトキシ安息香酸 17.1g(0.095モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.6g(5.2ミリモル)及びジクロロメタン 125mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 14.4g(0.11モル)を滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 32g、溶離液:ジクロロメタン 256mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をメタノール 96mLで分散洗浄した後、乾燥させることにより式(K−1)で表される化合物 32.3gを得た。
【0118】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(K−1)で表される化合物 32.3g(0.076モル)、トルエン 64mL及びテトラヒドロフラン 64mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 6.68g(0.091モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸 150mLで中和し分液した後、有機層を食塩水150mLで2回洗浄した。溶媒を留去し、得られたオイル状物質をメタノール 64mL及び水 64mLの混合溶媒から再結晶した。得られた固体を乾燥させることにより式(K−2)で表される化合物 28.3gを得た。
【0119】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(K−2)で表される化合物 28.3g(0.074モル)、式(A−5)で表される化合物 22.2g(0.074モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.55g(4.5ミリモル)及びジクロロメタン 150mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 13.7g(0.11モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 49g、溶離液:ジクロロメタン 392mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタン 49mL及びメタノール 147mLの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−5)で表される化合物 39.3gを得た。
(式(I−5)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 2.11(quin,2H),2.34(s,3H),4.20(t,2H),4.39(t,2H),5.59(dd,1H),6.05(dd,1H),6.27(dd,1H),7.23(d,1H),7.25(d,2H),7.30(d,2H),7.39(s,1H),7.46(d,1H),7.52(d,2H),7.88(d,1H),7.93(d,1H),8.17(d,1H),8.21(s,1H),8.32(d,1H),8.64(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 21.3,28.4,61.6,64.9,108.2,117.8,121.5,121.5,121.5,121.5,122.9,126.3,126.4,127.0,127.1,128.2,128.2,128.4,128.8,129.4,129.4,129.8,130.1,130.7,130.7,130.9,131.3,132.0,135.2,141.0,146.4,152.6,154.6,158.0,165.2,165.2,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 665(100),667(30).
(実施例13)
式(I−6)で表される化合物の製造
【0120】
【化36】
【0121】
実施例1の式(A−5)で表される化合物の製造方法と同様の方法により、式(L−5)で表される化合物を製造した。
【0122】
実施例12において、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸を4−ヒドロキシ安息香酸に、p−クレゾールをtrans−4−プロピルシクロヘキサノールに、4−アセトキシ安息香酸を3−フルオロ−4−アセトキシ安息香酸に、式(A−5)で表される化合物を式(L−5)で表される化合物に置き換える以外は同様の方法によって式(I−6)で表される化合物を製造した。
(式(I−6)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 0.90(t,3H),1.25(q,2H),1.43−1.99(m,18H),2.00(quin,2H),2.87(quin,2H),3.21(dd,1H),3.37(t,2H),3.46(dd,1H),3.91(quin,1H),4.39(d,2H),7.23(d,1H),7.39(s,1H),7.48(d,2H),7.50(d,1H),7.87(d,1H),7.88(d,1H),7.93(d,1H),8.06(d,1H),8.14(d,2H),8.32(d,1H),8.64(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 14.4,20.5,21.3,25.8,29.0,29.4,29.7,29.7,31.0,31.0,32.3,34.7,37.1,52.0,62.0,65.0,69.0,70.9,77.9,108.2,117.8,118.8,121.5,121.5,123.1,126.3,126.3,126.4,126.9,127.1,128.2,128.6,130.1,130.3,130.3,130.9,141.0,142.8,153.7,153.7,158.0,165.2,165.2,165.9ppm.
LRMS(EI)m/z 738(100).
(実施例14)
式(I−19)で表される化合物の製造
【0123】
【化37】
【0124】
撹拌装置を備えたフラスコにクロロヒドロキノン 20.0g(0.14モル)、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム 1.74g(6.9ミリモル)を加え、ジクロロメタン60mLに溶解させた。氷冷しながら3,4−ジヒドロ−2H−ピラン 17.5g(0.17モル)を滴下した。反応終了後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(M−1)で表される化合物20.5gを得た。
【0125】
温度計及び撹拌装置を備えたフラスコに式(M−1)で表される化合物20.5g(0.090モル)、4−プロピルベンジルアルコール 13.5g(0.090モル)、トリフェニルホスフィン 28.3g(0.11モル)を加え、ジクロロメタン80mLに溶解させた。氷冷しながらアゾジカルボン酸ジイソプロピル 21.8g(0.11モル)を15℃を超えないよう滴下した。室温で5時間撹拌させた後、カラムクロマトグラフィーによって精製を行い、式(M−2)で表される化合物 28.6gを得た。
【0126】
フラスコに式(M−2)で表される化合物 28.6g(0.079モル)を加えテトラヒドロフラン 50mL及びメタノール 50mLに溶解させた。濃塩酸 0.5mLを加え室温で10時間撹拌した。分液処理を行った後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(M−3)で表される化合物 21.6gを得た。
【0127】
実施例1の式(A−5)で表される化合物の製造方法と同様の方法により、式(M−4)で表される化合物を製造した。
【0128】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(M−3)で表される化合物 21.6g(0.078モル)、式(M−4)で表される化合物 24.9g(0.078モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.55g(4.5ミリモル)及びジクロロメタン 150mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 11.9g(0.094モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィーにより精製した後、ジクロロメタン及びメタノールの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−19)で表される化合物 36.1gを得た。
(式(I−19)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 0.90(t,3H),1.65(sextet,2H),2.11(quin,2H),2.62(t,2H),4.20(t,2H),4.39(t,2H),5.16(s,2H),5.59(dd,1H),6.05(dd,1H),6.27(dd,1H),7.00(d,1H),7.03(d,1H),7.14(d,1H),7.18(d,2H),7.38(d,2H),7.46(d,1H),7.58(d,1H),7.99(d,1H),8.16(d,1H),8.49(d,1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 13.7,24.1,28.4,37.9,61.6,64.9,70.3,116.1,120.2,120.5,120.7,123.0,123.4,126.0,126.4,127.2,127.2,127.3,127.3,128.2,128.3,128.3,130.2,131.3,131.6,134.0,137.0,140.9,144.0,145.0,151.4,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 577(100),579(30).
(実施例15)
式(I−28)で表される化合物の製造
【0129】
【化38】
【0130】
温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に4−アセトキシ安息香酸 10.0g(0.056モル)、メチルヒドロキノン 3.45g(0.028モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.34g(2.8ミリモル)及びジクロロメタン 150mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 7.71g(0.061モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィーにより精製した後、ジクロロメタン及びメタノールの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(N−1)で表される化合物 9.96gを得た。
【0131】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(N−1)で表される化合物 9.96g(0.022モル)、トルエン 50mL及びテトラヒドロフラン 50mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 3.57g(0.061モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸で中和し分液した後、カラムクロマトグラフィーにより精製した。得られた固体を乾燥させることにより式(N−2)で表される化合物 9.61gを得た。
【0132】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(N−2)で表される化合物 9.61g(0.026モル)、式(A−5)で表される化合物 15.8g(0.053モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.32g(2.6ミリモル)及びジクロロメタン 100mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 7.32g(0.058モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィーにより精製した後、ジクロロメタン及びメタノールの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−28)で表される化合物 19.6gを得た。
(式(I−28)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 2.11(quin,4H),2.15(s,3H),4.20(t,4H),4.39(t,4H),5.59(dd,2H),6.05(dd,2H),6.27(dd,2H),7.23(d,2H),7.25(d,1H),7.39(s,2H),7.42(d,1H),7.46(d,1H),7.52(d,4H),7.88(d,2H),7.93(d,2H),8.29(d,4H),8.32(d,2H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 15.3,28.4,61.6,64.9,108.2,117.8,119.0,121.5,121.5,121.9,123.6,126.3,126.4,127.0,127.1,128.2,128.2,130.1,130.7,130.9,131.1,131.3,141.0,147.1,150.2,154.6,158.0,165.2,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 928(100).
(実施例16)
式(I−30)で表される化合物の製造
【0133】
【化39】
【0134】
温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に式(N−2)で表される化合物 15.0g(0.041モル)、2−アセトキシ−6−ナフトエ酸 19.0g(0.082モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.50g(4.1ミリモル)及びジクロロメタン 150mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 11.4g(0.091モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィーにより精製した後、ジクロロメタン及びメタノールの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(AA−1)で表される化合物 26.0gを得た。
【0135】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(AA−1)で表される化合物 26.0g(0.033モル)、トルエン 50mL及びテトラヒドロフラン 50mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 6.62g(0.091モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸で中和し分液した後、カラムクロマトグラフィーにより精製した。得られた固体を乾燥させることにより式(AA−2)で表される化合物 27.6gを得た。
【0136】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(AA−2)で表される化合物 27.6g(0.039モル)、トリエチルアミン 5.1g(0.086モル)を加えジクロロメタン 100mLに懸濁させた。氷冷しながら塩化アクリロイル 7.43g(0.082モル)を反応温度が15℃を超えないよう滴下した。室温で5時間撹拌した後、5%塩酸及び食塩水で分液処理した。カラムクロマトグラフィーにより精製した後、ジクロロメタン及びメタノールの混合溶媒から2回再結晶を行い、式(I−30)で表される化合物 31.2gを得た。
(式(I−30)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 2.15(s,3H),5.59(dd,2H),6.05(dd,2H),6.27(dd,2H),7.23(d,2H),7.25(d,1H),7.39(s,2H),7.42(d,1H),7.46(d,1H),7.52(d,4H),7.88(d,2H),7.93(d,2H),8.29(d,4H),8.32(d,2H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 15.3,108.2,117.8,119.0,121.5,121.5,121.9,123.6,126.3,126.4,127.0,127.1,128.2,128.2,130.1,130.7,130.9,131.1,131.3,141.0,147.1,150.2,154.6,158.0,165.2,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 939(100).
(実施例17)
式(I−42)で表される化合物の製造
【0137】
【化40】
【0138】
撹拌装置を備えたフラスコに3−クロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド 20.0g(0.13モル)、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム 1.74g(6.9ミリモル)を加え、ジクロロメタン80mLに溶解させた。氷冷しながら3,4−ジヒドロ−2H−ピラン 17.5g(0.17モル)を滴下した。反応終了後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(AB−1)で表される化合物30.1gを得た。
【0139】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器にトリフェニルホスフィン 36.1g(0.14モル)、tert−ブトキシカリウム 15.5g(0.14モル)を加えテトラヒドロフラン 100mLに懸濁させた。−20℃に冷却しながら4−ブロモベンジルブロミド 31.3g(0.13モル)のテトラヒドロフラン溶液を滴下した。−20℃で1時間撹拌した後、式(AB−1)で表される化合物30.1g(0.13モル)のテトラヒドロフラン溶液を滴下した。さらに−20℃で1時間撹拌した後、室温で5時間撹拌した。カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(AB−2)で表される化合物 39.4gを得た。
【0140】
耐圧反応容器に式(AB−2)で表される化合物 39.4g(0.10モル)、テトラヒドロフラン 200mL、2.5%パラジウム担持フィブロイン 1.9gを加え、水素雰囲気(0.5MPa)で6時間反応させた。触媒を濾過した後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(AB−3)で表される化合物 35.7gを得た。
【0141】
加熱装置、温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に式(AB−3)で表される化合物 35.7g(0.090モル)、ヨウ化銅(I)0.34g(1.8ミリモル)、トリメチルシリルアセチレン 13.3g(0.14モル)を加え、トリエチルアミン 35mL及びN,N−ジメチルホルムアミド 105mLに溶解させた。反応容器を窒素ガス雰囲気にした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 1.04g(0.90ミリモル)を加え、90℃で10時間加熱撹拌した。トルエン及び水を加え分液処理した後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(AB−4)で表される化合物 24.2gを得た。
【0142】
撹拌装置を備えた反応容器に式(AB−4)で表される化合物 24.2g(0.059モル)を加え、メタノール150mLに溶解させた。炭酸カリウム 12.1g(0.088モル)を加え、室温で10時間撹拌した。5%塩酸及び酢酸エチルを加え分液処理した後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(AB−5)で表される化合物 19.4gを得た。
【0143】
加熱装置、温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に式(AB−5)で表される化合物 19.4g(0.057モル)、ヨウ化銅(I)0.22g(1.1ミリモル)、6−ブロモ−2−ナフトール 12.7g(0.057モル)を加え、トリエチルアミン 20mL及びN,N−ジメチルホルムアミド 60mLに溶解させた。反応容器を窒素ガス雰囲気にした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 0.66g(0.57ミリモル)を加え、90℃で10時間加熱撹拌した。トルエン及び水を加え分液処理した後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(AB−6)で表される化合物 13.7gを得た。
【0144】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(AB−6)で表される化合物 13.7g(0.028モル)、トリエチルアミン 3.7g(0.037モル)を加えジクロロメタン 80mLに懸濁させた。氷冷しながら塩化アクリロイル 3.1g(0.034モル)を反応温度が15℃を超えないよう滴下した。室温で5時間撹拌した後、5%塩酸及び食塩水で分液処理した。カラムクロマトグラフィーにより精製した後、ジクロロメタン及びメタノールの混合溶媒から2回再結晶を行い、式(AB−7)で表される化合物 14.5gを得た。
【0145】
フラスコに式(AB−7)で表される化合物 14.5g(0.027モル)を加えテトラヒドロフラン 50mL及びメタノール 50mLに溶解させた。濃塩酸 0.5mLを加え室温で10時間撹拌した。分液処理を行った後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(AB−8)で表される化合物 12.0gを得た。
【0146】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(AB−8)で表される化合物 12.0g(0.026モル)、4−アセトキシ−3−メトキシ安息香酸 5.56g(0.026モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.32g(2.6ミリモル)及びジクロロメタン 50mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 4.0g(0.032モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィーにより精製した後、ジクロロメタン及びメタノールの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(AB−9)で表される化合物 13.7gを得た。
【0147】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(AB−9)で表される化合物 13.7g(0.021モル)、トルエン 30mL及びテトラヒドロフラン 30mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 2.32g(0.032モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸 100mLで中和し分液した後、有機層を食塩水で洗浄した。アセトン/ヘキサン混合溶媒で再結晶を行い、得られた固体を乾燥させることにより式(AB−10)で表される化合物 11.1gを得た。
【0148】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(AB−10)で表される化合物 11.1g(0.018モル)、式(A−5)で表される化合物 5.53g(0.018モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.22g(1.8ミリモル)及びジクロロメタン 100mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 2.8g(0.022モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィーにより精製した後、ジクロロメタン及びメタノールの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−42)で表される化合物 13.0gを得た。
(式(I−42)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 2.11(quin,2H),2.82(t,4H),3.83(s,3H),4.20(t,2H),4.39(t,2H),5.50(dd,1H),5.59(dd,1H),6.03(dd,1H),6.05(dd,1H),6.10(dd,1H),6.27(dd,1H),7.16(d,1H),7.23(d,1H),7.24(d,1H),7.25(d,2H),7.39(s,1H),7.40(d,1H),7.41(d,1H),7.54(d,2H),7.55(d,1H),7.56(s,1H),7.63(d,1H),7.84(s,1H),7.85(d,1H),7.88(d,1H),7.93(d,1H),7.95(d,1H),8.29(d,1H),8.32(d,1H),8.64(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 28.4,36.9,37.4,55.8,61.6,64.9,89.7,93.3,108.2,109.5,113.7,117.3,117.6,117.8,119.9,122.9,123.0,124.4,126.0,126.3,126.4,127.1,127.3,127.5,128.0,128.2,128.2,128.7,129.7,129.8,129.8,129.8,129.9,130.0,130.1,130.9,131.3,131.5,132.2,132.2,134.1,134.4,137.6,141.0,141.8,143.6,144.6,151.5,153.4,158.0,164.3,165.2,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 885(100),887(30).
(実施例18)
式(I−46)で表される化合物の製造
【0149】
【化41】
【0150】
実施例8において、式(A−2)で表される化合物を4−アセトキシ−2−クロロ安息香酸に、4−シアノ−3−フルオロフェノールを2,4−ジメチルフェノールに置き換えた以外は同様の方法によって式(I−46)で表される化合物を製造した。
(式(I−46)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 2.11(quin,2H),2.15(s,3H),2.34(s,3H),4.20(t,2H),4.39(t,2H),5.59(dd,1H),6.05(dd,1H),6.27(dd,1H),7.11(d,1H),7.13(d,1H),7.17(s,1H)7.23(d,1H),7.39(s,1H)7.40(d,1H),7.72(s,1H),7.88(d,1H),7.93(d,1H),8.23(d,1H),8.32(d,1H),8.64(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 15.6,21.6,28.4,61.6,64.9,108.2,117.8,119.6,122.3,122.9,126.3,126.4,126.4,127.1,128.2,128.2,128.6,130.1,130.4,130.9,131.3,131.3,132.1,135.1,135.4,141.0,147.3,157.9,158.0,165.2,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 559(100),561(30).
(実施例18)
式(I−48)で表される化合物の製造
【0151】
【化42】
【0152】
実施例1の式(A−5)で表される化合物の製造方法と同様の方法により、式(AC−1)で表される化合物を製造した。
【0153】
実施例1において、式(A−5)で表される化合物を式(AC−1)で表される化合物に置き換えた以外は同様の方法によって、式(I−48)で表される化合物を製造した。
(式(I−48)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 2.01(s,3H),2.21(s,3H),2.27(quin,2H),2.35(s,3H),3.92(s,3H),4.24(t,2H),4.43(t,2H),5.85(dd,1H),6.15(dd,1H),6.43(dd,1H),7.01〜7.10(m,3H),7.20〜7.24(m,2H),7.34(d,1H),7.81〜7.95(m,4H),8.17(dd,1H),8.74(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 16.2,17.9,20.9,28.6,56.2,61.3,64.5,106.5,114.0,120.0,121.6,123.2,123.3,123.9,126.3,127.0,127.5,127.9,128.2,128.3,129.8,131.0,131.1,131.8,132.0,135.7,137.6,144.6,147.3,151.6,159.1,164.4,164.6,166.2ppm.
LRMS(EI)m/z 568(100).
(実施例19)
式(I−49)で表される化合物の製造
【0154】
【化43】
【0155】
実施例1の式(A−5)で表される化合物の製造方法と同様の方法により、式(AD−1)で表される化合物を製造した。
【0156】
実施例10において、式(I−2−1)で表される化合物を式(AD−1)で表される化合物に置き換えた以外は同様の方法によって、式(I−49)で表される化合物を製造した。
(式(I−49)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 1.43(m,4H),1.62(t,2H),1.76(t,2H),2.01(s,3H),2.34(s,3H),3.97(t,2H),4.16(t,2H),5.59(dd,1H),6.05(dd,1H),6.27(dd,1H),7.23(d,1H),7.25(d,2H),7.30(d,2H),7.39(s,1H),7.50(d,1H),7.87(d,1H),7.88(d,1H),7.93(d,1H),8.06(d,1H),8.32(d,1H),8.64(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 17.9,21.3,25.6,25.8,29.0,29.6,65.3,68.7,108.2,117.8,118.8,121.5,121.5,123.1,126.3,126.3,126.4,127.1,128.2,128.2,128.6,129.4,129.4,130.1,130.9,131.3,135.2,141.0,142.8,146.4,153.7,158.0,165.2,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 584(100).
(実施例20)
式(I−52)で表される化合物の製造
【0157】
【化44】
【0158】
実施例12において、式(A−5)で表される化合物を式(AC−1)で表される化合物に置き換えた以外は同様の方法によって、式(I−52)で表される化合物を製造した。
(式(I−52)で表される化合物の物性値)
1H NMR(CDCl
3)δ 2.01(s,3H),2.11(quin,2H),2.34(s,3H),4.20(t,2H),4.39(t,2H),5.59(dd,1H),6.05(dd,1H),6.27(dd,1H),7.23(d,1H),7.25(d,2H),7.30(d,2H),7.39(s,1H),7.46(d,1H),7.52(d,2H),7.88(d,1H),7.93(d,1H),8.17(d,1H),8.21(s,1H),8.32(d,1H),8.64(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl
3)δ 17.9,21.3,28.4,61.6,64.9,108.2,117.8,121.5,121.5,121.5,121.5,122.9,126.3,126.4,127.0,127.1,128.2,128.2,128.4,128.8,129.4,129.4,129.8,130.1,130.7,130.7,130.9,131.3,132.0,135.2,141.0,146.4,152.6,154.6,158.0,165.2,165.2,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 678(100),680(30).
(実施例21、比較例1)
実施例1から実施例4に記載の本願発明の式(I−1)、式(I−3)、式(I−7)及び式(I−8)で表される化合物及び当技術分野において高い屈折率異方性を有する事が知られている特開2008−88291号公報記載の比較化合物1、特開2008−195762号公報記載の比較化合物2、特開平2−238087号公報記載の比較化合物3及びEP1786887B1号公報に記載の比較化合物4、特開2008−179654号公報記載の比較化合物5、特開2007−119415号公報記載の比較化合物6の物性値を下記表1に記載した。
【0159】
【化45】
【0160】
【表1】
【0161】
本願発明の式(I−1)、式(I−3)、式(I−7)及び式(I−8)で表される化合物はいずれも広い温度域においてネマチック液晶相を示すことから、組成物に添加することにより組成物の液晶相を安定化する効果が期待される。比較化合物2は単体では昇温過程において液晶相を示さないことから、組成物に添加すると組成物の液晶相温度域が狭くなるといったデメリットがある。
【0162】
また、当該化合物の保存安定性を評価するために、化合物VI(30%)、化合物VII(30%)、化合物VIII(30%)及び化合物IX(10%)からなる母体液晶に対して当該化合物を10%から60%まで5%刻みで添加した重合性液晶組成物を各々調製した。調製した重合性液晶組成物を25℃で10時間放置した後、結晶の析出が起こらない当該化合物の最大添加濃度を上記表1に記載した。本願発明の式(I−1)、式(I−3)、式(I−7)及び式(I−8)で表される化合物はいずれも比較化合物1から比較化合物6のいずれの化合物と比較しても結晶の析出が起こらない当該化合物の最大添加濃度は高く、従って高い保存安定性を示すことがわかった。
【0163】
【化46】
【0164】
本願発明の式(I−1)、式(I−3)、式(I−7)、式(I−8)、式(I−28)、式(I−30)、式(I−48)及び式(I−52)で表される化合物及び比較化合物1から比較化合物6を含む重合性液晶組成物を下記表2及び3のように調製した。
【0165】
【表2】
【0166】
【表3】
【0167】
本願発明の式(I−1)、式(I−3)、式(I−7)及び式(I−8)で表される化合物を含有する本願組成物1から本願組成物4は、いずれも広い温度域でキラルネマチック液晶相を示し、また高い屈折率異方性を有することが分かる。
【0168】
【表4】
【0169】
次に、本願組成物1から本願組成物8及び比較組成物1から比較組成物6のそれぞれの重合性液晶組成物98%に光重合開始剤イルガキュア907(チバスペシャリティーケミカル社製)を2%添加した後シクロヘキサノンに溶解させ、ポリイミド付きガラスにスピンコートし、これに高圧水銀ランプを用いて4mW/cm
2の紫外線を120秒間照射し、本願重合体1から本願重合体8及び比較重合体1から比較重合体6を得た。得られた重合体のヘイズ値と外観を評価した。ヘイズ値は下記式
ヘイズ(%)=Td/Tt×100
(式中、Tdは拡散透過率、Ttは全光線透過率を表す。)で表され、測定にはヘイズ測定装置(日本電色工業株式会社製NHD2000)を用い、基板上5カ所について測定を行い、その平均をとった。また、目視によって重合体上にムラ等が無く全体に均一であれば◎、ムラが見られる場合はムラの程度によって△又は×とした。本願発明の式(I−1)、式(I−3)、式(I−7)、式(I−8)、式(I−28)、式(I−30)、式(I−48)及び式(I−52)で表される化合物を含有する本願重合体1から本願重合体8においては、いずれもヘイズ値が低く、ムラも無く均一な重合体が得られた。一方、比較重合体1及び比較重合体3においては、ヘイズ値が高く、重合体上に白い筋状のムラが生じており不均一な重合体が得られた。比較重合体2、比較重合体4、比較重合体5及び比較重合体6においては重合体上に白い筋状のムラが若干生じた。
【0170】
このように、本願発明の化合物はいずれも屈折率異方性が大きく、比較化合物に対して保存安定性が高いことが分かる。また、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を重合させた場合、ヘイズ値が低くムラも無いことから、本願発明の化合物は高い配向性を有することが分かる。従って、コレステリック構造を有する光学フィルム等の用途に有用である。
【0171】
【表5】
※外観:◎ 良好、△ 若干ムラ有り、× ムラ多い