【文献】
Negishi, Makoto; Ogawa, Shinji; Osawa, Masashi; Kawara, Tatsuo; Kusumoto, Tetsuo; Takeuchi, Kiyofumi; Takehara, Sadao; Takatsu, Haruyoshi,Design, synthesis and physical properties of new liquid crystal materials for active matrix LCD. New aromatic ring systems prepared by regioselective fluorination as new mesogens containing fluorines,Molecular Crystals and Liquid Crystals Science and Technology, Section A: Molecular Crystals and Liquid Crystals ,2001年,364,865-872
【文献】
Nguyen Huu Tinh,Mesomorphic properties of some new polar naphthalene related compounds,Molecular Crystals and Liquid Crystals, Letters Section,1989年,6(5),145-150
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
一般式(1)において、Rは、粘度を低下させるためには炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが特に好ましい。また、直鎖状であることが好ましい。
【0017】
存在するA
1及びA
2は各々独立して、粘度の低下を重視する場合にはトランス−1,4−シクロヘキシレン基又は無置換の1,4−フェニレン基であることが好ましく、トランス−1,4−シクロヘキシレン基であることが更に好ましく、Δεの増大を重視する場合には
【0020】
存在するZ
1及びZ
2は各々独立して、粘度の低下を重視する場合には−CF
2O−、−OCF
2−、−CF=CF−又は単結合であることが好ましく、−CF
2O−、−OCF
2−又は単結合であることが更に好ましい。
【0021】
X
1及びX
3は各々独立して、Δεの増大を重視する場合には共にフッ素原子であることが好ましく、粘度を重視する場合には、X
1が水素原子であることが好ましい。
【0022】
X
2はΔεを重視する場合には、フッ素原子トリフルオロメチル基又はシアノ基である事が好ましく、粘度を重視する場合にはフッ素原子又はトリフルオロメトキシ基である事が好ましい。
【0023】
YはΔεを重視する場合にはフッ素原子である事が好ましい。
【0024】
mはT
niを重視する場合には2又は3である事が好ましく、Δεを重視する場合には0または1である事が好ましい。
【0025】
nはT
niを重視する場合には0又は1である事が好ましく、Δεを重視する場合には1から3である事が好ましい。
【0026】
m+nはT
niを重視する場合には2又は3である事が好ましく、粘度を重視する場合には0又は1である事が好ましい。
【0027】
なお、一般式(1)で表される化合物において、ヘテロ原子同士が直接結合する構造となることはない。
【0028】
好ましい化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。 一般式(1)の中では以下の一般式(1−1)〜一般式(1−73)で表される各化合物が好ましい。
【0041】
(式中、R
1は各々独立して炭素数1〜15のアルキル基、炭素数2〜15のアルケニル基、炭素数1〜15のアルコキシ基又は炭素数2〜15のアルケニルオキシ基を表す。)
本発明の液晶組成物において一般式(1)で表される化合物の含有量が少ないとその効果が現れないため、液晶組成物中に下限値として、1%(組成物中の%は質量%を表す。以下同様。)が好ましく、2%が好ましく、5%が更に好ましい。又、含有量が多いと析出等の問題を引き起こすため、上限値としては、50%が好ましく、30%がより好ましく、20%が更に好ましく、10%が特に好ましい。一般式(1)で表される化合物は1種のみで使用することもできるが、2種以上の化合物を同時に使用してもよい。
【0042】
液晶組成物の物性値を調整するために一般式(1)で表される化合物以外の化合物を使用してもよく、液晶相を持つ化合物以外にも必要に応じて液晶相を持たない化合物を添加することもできる。
【0043】
このように、一般式(1)で表される化合物と混合して使用することのできる化合物の好ましい代表例としては、本発明の提供する組成物においては、その第一成分として一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有するが、その他の成分として特に以下の第二から第六成分から少なくとも1種含有することが好ましい。
【0044】
即ち、第二成分はいわゆるフッ素系(ハロゲン系)のp型液晶化合物であって、以下の一般式(A1)〜(A3)で示される化合物を挙げることができる。
【0046】
上式中、R
bは炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、これらは直鎖状であっても分岐を有していてもよく、3〜6員環の環状構造を有していてもよく、基内に存在する任意の−CH
2−は−O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−により置換されていてもよく、基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子またはトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよいが、炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1−アルケニル基、炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基、末端が炭素原子数1〜3のアルコキシ基により置換された炭素原子数1〜5のアルキル基が好ましい。また、分岐により不斉炭素が生じる場合には、化合物として光学活性であってもラセミ体であってもよい。
【0047】
環A、環B及び環Cは各々独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基またはピリジン−2,5−ジイル基を表すが、トランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン-トランス−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基又は1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基が好ましい。特に環Bがトランス−1,4−シクロへキシレン基またはトランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基である場合に、環Aはトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましく、環Cがトランス−1,4−シクロへキシレン基またはトランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基である場合に環B及び環Aはトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。また、(A3)において環Aはトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。
【0048】
L
a、L
b及びL
cは連結基であって、各々独立して単結合、エチレン基(−CH
2CH
2−)、1,2−プロピレン基(−CH(CH
3)CH
2−及び−CH
2CH(CH
3)−)、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は−CH=NN=CH−を表すが、単結合、エチレン基、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CF=CF−又は−C≡C−が好ましく、単結合又はエチレン基が特に好ましい。また、(A2)においてはその少なくとも1個が、(A3)においてはその少なくとも2個が単結合を表すことが好ましい。
【0049】
環Zは芳香環であり以下の一般式(La)〜(Lc)のいずれかひとつを表す。
【0051】
式中、Y
a〜Y
jは各々独立して水素原子あるいはフッ素原子を表すが、(La)において、Y
a及びY
bの少なくとも1個はフッ素原子であることが好ましく、(Lb)において、Y
d〜Y
fの少なくとも1個はフッ素原子であることが好ましく、特にY
dはフッ素原子であることがさらに好ましく、(Lc)において、Y
h及びY
iの少なくとも1個はフッ素原子であることが好ましく、特にY
hはフッ素原子であることがさらに好ましい。
【0052】
末端基P
aはフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基、2個以上のフッ素原子により置換された炭素原子数2又は3のアルコキシ基、2個以上のフッ素原子により置換された炭素原子数2又は3のアルキル基、2個以上のフッ素原子により置換された炭素原子数2又は3のアルケニル基又は2個以上のフッ素原子により置換された炭素原子数2又は3のアルケニルオキシ基を表すが、フッ素原子、トリフルオロメトキシ基又はジフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
【0053】
第三成分はいわゆるシアノ系のp型液晶化合物であって、以下の一般式(B1)〜(B3)で示される化合物を挙げることができる。
【0055】
上式中、R
cは炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、これらは直鎖状であっても分岐を有していてもよく、3〜6員環の環状構造を有していてもよく、基内に存在する任意の−CH
2−は−O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−により置換されていてもよく、基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子又はトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよいが、炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1-アルケニル基、炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基、末端が炭素原子数1〜3のアルコキシ基により置換された炭素原子数1〜5のアルキル基が好ましい。又、分岐により不斉炭素が生じる場合には、化合物として光学活性であってもラセミ体であってもよい。
【0056】
環D、環E及び環Fは各々独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又はピリジン−2,5−ジイル基を表すが、トランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基又は1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基が好ましい。特に環Eがトランス−1,4−シクロへキシレン基又はトランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基である場合に、環Dはトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましく、環Fがトランス−1,4−シクロへキシレン基又はトランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基である場合に環D及び環Eはトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。又、(B3)において環Dはトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。
【0057】
L
d、L
e及びL
fは連結基であって、各々独立して単結合、エチレン基(−CH
2CH
2−)、1,2−プロピレン基(−CH(CH
3)CH
2−及び)−CH
2CH(CH
3)−)、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−OCH
2−、−CH
2O−又は−CH=NN=CH−を表すが、単結合、エチレン基、−COO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CF=CF−又は−C≡C−が好ましく、単結合、エチレン基又は−COO−が特に好ましい。又、一般式(B2)においてはその少なくとも1個が、一般式(B3)においてはその少なくとも2個が単結合を表すことが好ましい。
【0059】
環Yは芳香環であり以下の一般式(Ld)〜(Lf)のいずれかひとつを表す。
【0061】
式中、Y
k〜Y
qは各々独立的して水素原子あるいはフッ素原子を表すが、(Ld)において、Y
k及びY
lの少なくとも1個はフッ素原子であることが好ましく、(Le)において、Y
m〜Y
oの少なくとも1個はフッ素原子であることが好ましく、特にY
mはフッ素原子であることがさらに好ましく、(Lf)において、Y
p及びY
qの少なくとも1個はフッ素原子であることが好ましく、特にY
pはフッ素原子であることがさらに好ましい。
【0062】
第四成分は誘電率異方性が0程度である、いわゆる非極性液晶化合物であり、以下の一般式(C1)〜(C3)で示される化合物を挙げることができる。
【0064】
上式中、R
d及びP
eは各々独立して炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、これらは直鎖状であっても分岐を有していてもよく、3〜6員環の環状構造を有していてもよく、基内に存在する任意の−CH
2−は−O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−により置換されていてもよく、基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子又はトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよいが、炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1−アルケニル基、炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基、炭素原子数1〜3の直鎖状アルコキシ基又は末端が炭素原子数1〜3アルコキシ基により置換された炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基が好ましく、更に少なくとも一方は炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1−アルケニル基又は炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基であることが特に好ましい。
【0065】
環G、環H、環I及び環Jは各々独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子あるいはメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又はピリジン−2,5−ジイル基を表すが、各化合物において、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又はピリジン−2,5−ジイル基は1個以内であることが好ましく、他の環はトランス−1,4−シクロへキシレン基あるいは1〜2個のフッ素原子又はメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基であることが好ましい。環G、環H、環I及び環Jに存在するフッ素原子数の合計は2個以下が好ましく、0又は1個が好ましい。
【0066】
L
g、L
h及びL
iは連結基であって、各々独立して単結合、エチレン基(−CH
2CH
2−)、1,2−プロピレン基(−CH(CH
3)CH
2−及び)−CH
2CH(CH
3)−)、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は−CH=NN=CH−を表すが、単結合、エチレン基、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CF=CF−、−C≡C−又は−CH=NN=CH−が好ましく、一般式(C2)においてはその少なくとも1個が、一般式(C3)においてはその少なくとも2個が単結合を表すことが好ましい。
【0067】
なお、一般式(C1)〜(C3)で示される化合物は一般式(A1)〜(A3)で示される化合物及び一般式(B1)〜(B3)で示される化合物を除く。
【0068】
一般式(A1)〜(A3)で示される化合物、一般式(B1)〜(B3)及び一般式(C1)〜(C3)で示される化合物で示される化合物において、ヘテロ原子同士が直接結合する構造となることはない。
【0069】
第五成分は液晶組成物にらせん構造を誘起する為に用いられる、光学活性な化合物である。好ましくは不斉炭素原子を持つ化合物であり、1−メチルヘプチルオキシ基を持つ化合物である事がさらに好ましい。
【0070】
第六成分は応答速度を改善もしくは液晶組成物の配向性を改善する為に加えられる、紫外線照射又は加熱により重合させる事が可能な重合性官能基を持つ化合物である。重合性基としてはアクリルオキシ基又はメタクリルオキシ基である事が好ましく、メタクリルオキシ基である事が更に好ましい。また、重合性官能基を1から3個有する事が好ましく、2個有する事が更に好ましい。
【0071】
本発明において、一般式(1)で表される化合物は、以下のようにして製造することができる。勿論本発明の趣旨及び適用範囲は、これら製造例により制限されるものではない。
(製法1)
一般式(2)
【0073】
(式中Yは一般式(1)におけるYと同じ意味を表す。)で表される化合物は公開特許公報2004−91361を基に製造する事が出来る。
【0074】
一般式(2)で表される化合物とトリフルオロメタンスルホン酸無水物を塩基存在下反応させる事で、一般式(3)
【0076】
(式中Yは一般式(1)におけるYと同じ意味を表す。)で表される化合物を得る事が出来る。
【0077】
溶媒としては反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン又は1,1,2,2−テトラクロロエタン等の塩素系溶媒、ヘキサン、トルエン又はキシレン等の炭化水素系溶媒が好ましく、ジクロロメタン又はクロロホルムが更に好ましい。またこれら溶媒を単独で使用しても、混合して使用してもよい。
【0078】
塩基としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、ピリジン又はルチジン等の含窒素芳香族系塩基、トリエチルアミン又はジイソプロピルアミン等の脂肪族系アミン等が好ましく、ピリジンが特に好ましい。
【0079】
反応温度としては、反応を好適に進行させる温度であればいずれでも構わないが、−20°〜40℃が好ましく、0℃から30℃が更に好ましい。
【0080】
続いて、一般式(3)で表される化合物と一般式(4)
【0082】
(式中R、A
1及びZ
1は各々独立して、一般式(1)におけるR、A
1及びZ
1と同じ意味を表し、Mはm−1を表し、mは一般式(1)におけるmと同じ意味を表すが、mが0の場合は含まない、W
1は
【0084】
(式中、R
2及びR
3は各々独立して直鎖であっても又は分岐していても良い炭素原子数1から5のアルキル基又は水素原子を表し、
Eは基中に存在する一つ以上の水素原子が各々独立してメチル基に置換されていても良い−(CH
2)
p−を表し、
pは2、3又は4を表す。)を表す。)で表される化合物を塩基及び遷移金属触媒の存在下反応させる事で、一般式(5)
【0086】
(式中Y、R、A
1及びZ
1は各々独立して、一般式(1)におけるY、R、A
1及びZ
1と同じ意味を表し、Mは一般式(4)におけるMと同じ意味を表す。)で表される化合物を得る事が出来る。
【0087】
塩基としては、反応を円滑に進行させるものであればいずれでも構わないが、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン等のアミン系試薬、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩類又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類が好ましく、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩が更に好ましい。また、これらの塩基は必要に応じて水溶液として用いても良い。
【0088】
溶媒としては、反応を円滑に進行させるものであればいずれでも構わないが、エタノール、メタノール又はプロパノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、トルエン又はキシレン等の芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒が好ましく、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、トルエン、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサンが更に好ましい。またこれら溶媒を単独で使用しても、混合して使用してもよい。
【0089】
遷移金属触媒としては、反応を円滑に進行させるものであればいずれでも構わないが、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)、二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)等のパラジウム系遷移金属触媒又はニッケル系遷移金属触媒が好ましく、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)又は二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)が更に好ましい。また、反応の進行を促進するため、必要に応じてホスフィン系配位子を加えても良い。
【0090】
反応温度としては、反応を好適に進行させる温度であればいずれでも構わないが、室温〜溶媒が還流する温度が好ましく、室温〜80℃である事が更に好ましく、40℃〜60℃である事が特に好ましい。
【0091】
続いて、一般式(5)で表される化合物を塩基と反応させ、ホウ酸エステル誘導体と反応させる事で、一般式(6)
【0093】
(式中Y、R、A
1及びZ
1は、一般式(1)におけるY、R、A
1及びZ
1と同じ意味を表し、Mは一般式(4)におけるMと同じ意味を表す。)で表される化合物を得る事が出来る。
【0094】
反応溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又はtert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ヘキサン又はヘプタン等の脂肪族系溶媒が好ましく、ジエチルエーテル又はテトラヒドロフランが更に好ましい。またこれら溶媒を単独で使用しても、混合して使用してもよい。
【0095】
塩基としては、Yが水素原子である場合にはブチルリチウム、sec−ブチルリチウム又はtert−ブチルリチウム等の有機リチウム系試薬が好ましく、sec−ブチルリチウム又はtert−ブチルリチウムが更に好ましい。Yがフッ素原子である場合にはブチルリチウム、sec−ブチルリチウム又はtert−ブチルリチウム等の有機リチウム系試薬、リチウムジイソプロピルアミド等のリチウムアミド系試薬が好ましく、ブチルリチウムが更に好ましい。
【0096】
ホウ酸エステル類としては、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリイソプロピルが好ましい。
【0097】
一般式(5)で表される化合物を塩基と反応させる際には、反応を好適に進行させる温度であればいずれでも構わないが、−78℃から−20℃である事が好ましく、−78℃から−40℃である事が更に好ましい。ホウ酸エステルと反応させる際には、反応を好適に進行させる温度であればいずれでも構わないが、−78℃から室温が好ましく、−40℃から−20℃である事が更に好ましい。
【0098】
続いて、一般式(6)で表される化合物と過酸化水素を反応させる事で、一般式(7)
【0100】
(式中Y、R、A
1及びZ
1は、一般式(1)におけるY、R、A
1及びZ
1と同じ意味を表し、Mは一般式(4)におけるMと同じ意味を表す。)で表される化合物を得る事が出来る。
【0101】
反応溶媒としては、反応を円滑に進行させるものであればいずれでも構わないが、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン又はジクロロメタンを用いる事が更に好ましい。またこれら溶媒を単独で使用しても、混合して使用してもよい。
【0102】
温度としては、反応を円滑に進行させる温度であればいずれでも構わないが、0℃から反応溶媒が還流するまでの温度が好ましく、10℃から45℃の温度が更に好ましい。
【0105】
(式中X
1〜X
3、A
2、Z
2及びnは、一般式(1)におけるX
1〜X
3、A
2、Z
2及びnと同じ意味を表し、X
4は塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)で表される化合物を、金属試薬と反応させた後にN,N−ジメチルホルムアミドと反応させ、水を加えて加水分解する事で、一般式(9)
【0107】
(式中X
1〜X
3、A
2、Z
2及びnは、一般式(1)におけるX
1〜X
3、A
2、Z
2及びnと同じ意味を表す。)で表される化合物を得る事が出来る。
【0108】
反応溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又はtert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ヘキサン又はヘプタン等の炭化水素系溶媒が好ましく、ジエチルエーテル又はテトラヒドロフランが更に好ましい。またこれら溶媒を単独で使用しても、混合して使用してもよい。
【0109】
金属試薬としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、金属マグネシウム、金属亜鉛又は金属ナトリウム等の金属、ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム又はtert−ブチルリチウム等の有機リチウム試薬が好ましく、金属マグネシウム又はブチルリチウムが更に好ましい。
【0110】
反応温度としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、金属マグネシウム又は金属亜鉛等の金属と反応させる際には0℃から溶媒の還流温度が好ましく、40℃から溶媒の還流温度である事が更に好ましく、ブチルリチウム等の有機リチウム試薬と反応させる際には−78℃から−20℃までが好ましく、−78℃から−40℃までが更に好ましい。
【0111】
続いて、一般式(9)で表される化合物を還元剤と反応させる事で、一般式(10)
【0113】
(式中X
1〜X
3、A
2、Z
2及びnは、一般式(1)におけるX
1〜X
3、A
2、Z
2及びnと同じ意味を表す。)で表される化合物を得る事が出来る。
【0114】
反応溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又はtert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、トルエン又はキシレン等の炭化水素系溶媒が好ましく、ジエチルエーテル又はテトラヒドロフランが更に好ましい。またこれら溶媒を単独で使用しても、混合して使用してもよい。
【0115】
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム又は水素化リチウムナトリウム等のヒドロホウ素系試薬、リチウムアルミニウムハイドライド又は水素化ジイソブチルアルミニウム等の水素化アルミニウム系試薬、水素雰囲気下パラジウムカーボン又は白金黒等の遷移金属触媒を用いる事が好ましく、水素化ホウ素ナトリウムが更に好ましい。
【0116】
反応温度としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、0℃から溶媒の還流温度までが好ましく、0℃から40℃までが更に好ましい。
【0117】
続いて、一般式(7)で表される化合物を、ホスフィン誘導体及びアゾジカルボン酸エステル存在下一般式(10)で表される化合物を反応させる事で、一般式(1)で表される化合物を得る事が出来る。
【0118】
反応溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、ジイソプロピルエーテル又はテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ヘキサン又はヘプタン等の脂肪族系溶媒、トルエン又はキシレン等の芳香族系溶媒が好ましく、テトラヒドロフランが更に好ましい。またこれら溶媒を単独で使用しても、混合して使用してもよい。
【0119】
ホスフィン誘導体としてはトリフェニルホスフィンが好ましい。
【0120】
アゾジカルボン酸エステルとしては、アゾジカルボン酸ジエチル又はアゾジカルボン酸ジイソプロピルが好ましく、アゾジカルボン酸ジイソプロピルが更に好ましい。
【0121】
反応温度としては、好適に反応を進行させる温度であればいずれでも構わないが、−20℃から40℃までが好ましく、−10℃から20℃までが更に好ましい。
(製法2)
一般式(3)で表される化合物を遷移金属触媒存在下、一般式(11)
【0123】
(式中Rは、一般式(1)におけるRと同じ意味を表し、W
2は
【0125】
(式中Uは塩素原子、臭素原子又はよう素原子を表す。)
を表す。)で表される化合物と反応させる事で、一般式(12)
【0127】
(式中R及びYは、一般式(1)におけるR及びYと同じ意味を表す。)で表される化合物を得る事出来る。
【0128】
遷移金属触媒としては、反応を円滑に進行させるものであればいずれでも構わないが、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)、二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)等のパラジウム系遷移金属触媒又はニッケル系遷移金属触媒が好ましく、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)又は二塩化[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)が更に好ましい。また、反応の進行を促進するため、必要に応じてホスフィン系配位子を加えても良い。
【0129】
反応温度としては、反応を円滑に進行させる温度であればいずれでも構わないが、W
2がリチウム原子を表す場合には、−76℃から−20℃である事が好ましく、−76℃から−40℃である事が更に好ましい。W
2がMgU又はZnUを表す場合には、0℃から反応溶媒が還流する温度までが好ましく、40℃から反応溶媒が還流する温度までが更に好ましい。
【0130】
反応溶媒としては、反応を円滑に進行させるものであればいずれでも構わないが、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又はtert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、トルエン又はキシレン等の芳香族系溶媒、ヘキサン又はヘプタン等の脂肪族系溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン又はtert−ブチルメチルエーテルが更に好ましい。またこれら溶媒を単独で使用しても、混合して使用してもよい。
【0131】
これ以降の工程は、製法1に示した方法にて実施する事で、一般式(1)で表される化合物を得る事が出来る。
【実施例】
【0132】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0133】
以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
【0134】
相転移の表記において、Crは結晶相、Nはネマチック相、Isoは等方相を表す。
【0135】
化合物記載に下記の略号を使用する。
【0136】
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
Me:メチル基、Pr:n−プロピル基、Bu:n−ブチル基
Tf:トリフルオロメタンスルホニル基
(実施例1)[6−(2−フルオロ−4−プロピルフェニル)−1,3−ジフルオロナフタレン−2−オキシ]−(3,4,5−トリフルオロフェニル)メタンの製造
【0137】
【化34】
【0138】
(1−1) 窒素雰囲気下、5,7−ジフルオロ−2−ナフトール(18.0g、公開特許公報2004−91361を基に製造)をジクロロメタン(90mL)に溶解させ、ピリジン(8.7g)を加えた後に氷冷した。氷冷下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(29.6g)を加えた後、室温にて1時間撹拌した。反応液を氷冷し、10%塩酸(90mL)を撹拌しながら静かに加え、分液した。有機層を飽和食塩水(90mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、有機溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で、トリフルオロメタンスルホン酸5,7−ジフルオロナフタレン−2−イル(31.2g)を得た。
(1−2) (1−1)で得られたトリフルオロメタンスルホン酸5,7−ジフルオロナフタレン−2−イル(10g)、2mol/L炭酸水素ナトリウム水溶液(35mL)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.48g)及びTHF(50mL)を混合撹拌し、50℃に加熱した。50℃にて2−フルオロ−4−プロピルフェニルホウ酸(6.4g)をTHF(20mL)に溶解させた溶液を加えた後、50℃にてさらに5時間撹拌した。放冷し、ヘキサン(100mL)を加えて分液し、有機層を飽和食塩水(150mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。有機溶媒を減圧留去し、得られた残渣をアルミナカラムクロマトグラフィーにより精製する事で、2−(2−フルオロ−4−プロピルフェニル)−5,7−ジフルオロナフタレン(9.38g)を得た。
(1−3) 窒素雰囲気下、(1−2)で得られた2−(2−フルオロ−4−プロピルフェニル)−5,7−ジフルオロナフタレン(9.38g)をTHF(50mL)に溶解させ、−50℃に冷却した。−50℃にて1.6mol/Lブチルリチウムヘキサン溶液(21mL)をゆっくりと加えた後、−50℃にてさらに1時間撹拌した。−50℃にてホウ酸トリメチル(4.22g)をゆっくりと加えた後、室温までゆっくりと昇温した。氷冷し、水(10mL)を加えた後、10%塩酸(40mL)を加えて分液し、有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄した。有機層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)を加え、30%過酸化水素水(4.25g)をゆっくりと加えた後、40℃にて14時間撹拌した。氷冷下10%亜硫酸ナトリウム水溶液(100mL)及びトルエン(100mL)を加えて分液し、有機層を飽和食塩水(150mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。有機溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した後、エタノールから再結晶する事で、6−(2−フルオロ−4−プロピルフェニル)−1,3−ジフルオロ−2−ナフトール(7.25g)を得た。
(1−4) 窒素雰囲気下、(1−3)にて得られた6−(2−フルオロ−4−プロピルフェニル)−1,3−ジフルオロ−2−ナフトール(7.25g)、3,4,5−トリフルオロベンジルアルコール(3.71g)及びトリフェニルホスフィン(7.21g)をTHF(35mL)に溶解させ、−10℃に冷却した。−10℃にてアゾジカルボン酸ジイソプロピル(5.10g)をゆっくりと加えた後、室温にて1時間撹拌した。水(5mL)を加えて撹拌し、有機溶媒を減圧留去した。残渣にヘキサン(150mL)、60%メタノール水溶液(100mL)及び70%tert−ブチルヒドロペルオキシド水溶液(1g)を加えて2時間撹拌した。混合液を分液し、有機層を60%メタノール水溶液(100mL)及び飽和食塩水(100mL)にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。有機溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、エタノールから再結晶する事で、[6−(2−フルオロ−4−プロピルフェニル)−1,3−ジフルオロナフタレン−2−オキシ]−(3,4,5−トリフルオロフェニル)メタン(8.07g)を得た。
MS m/z:460[M
+]
1HNMR(CDCl
3、TMS内部標準)δ(ppm)=8.05(1H,d,J=8.7Hz),7.88(1H,s),7.75(1H,d,J=8.7Hz),7.37−7.34(1H,m),7.27(1H,t,J=8.0Hz),7.09(2H,d,J=6.8Hz),7.06−6.98(2H,m),5.17(2H,s),2.49(1H,t,J=7.4Hz),1.64−1.54(2H,m),0.91(3H,t,J=7.4Hz)
(実施例2)[6−(2−フルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)−1,3−ジフルオロナフタレン−2−オキシ]−(3,4−ジフルオロフェニル)メタンの製造
【0139】
実施例1に記載の方法と同様にして行う事で、[6−(2−フルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)−1,3−ジフルオロナフタレン−2−オキシ]−(3,4−ジフルオロフェニル)メタン(4.03g)を得た。
MS m/z:524[M
+]
1HNMR(CDCl
3、TMS内部標準)δ(ppm)=8.04(1H,d,J=8.7Hz),7.88(1H,s),7.76(1H,d,J=8.7Hz),7.39−7.34(1H,m),7.33−7.30(1H,m),7.27(1H,t,J=8.0Hz),7.20−7.14(2H,m),7.08−6.99(2H,m),5.12(2H,s),2.50(1H,tt,J1=12.0Hz,J2=3.2Hz),1.92−1.85(4H,m),1.52−1.42(2H,m),1.38−1.31(3H,m),1.23−1.19(2H,m),1.11−1.01(2H,m),0.91(3H,t,J=7.2Hz)
(実施例3)(1,3−ジフルオロ−6−プロピルナフタレン−2−オキシ)−[trans−4−(4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)3,5−ジフルオロフェニル)シクロヘキシル]メタンの製造
【0140】
(3−1) 窒素雰囲気下、金属マグネシウム(4.3g)をTHF(5mL)に懸濁させ、1−ブロモプロパン(20.7g)をTHF(80mL)に溶解させた溶液を穏やかに還流する速度で加え、更に40℃にて1時間撹拌した。続いて塩化亜鉛(24.1g)をTHF(25mL)に懸濁させた溶液を加えた後、室温にて1時間撹拌する事で有機亜鉛試薬溶液を調製した。窒素雰囲気下、別の反応容器に実施例(1−1)にて得られたトリフルオロメタンスルホン酸5,6,7−トリフルオロ−2−ナフチル(50.2g)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(9.3g)をTHF(300mL)に溶解させた溶液を40℃に加熱し、先に調製した有機亜鉛試薬溶液をゆっくりと加えた後、溶媒が還流する温度でさらに1時間撹拌した。氷冷した後、10%塩酸(300mL)及びトルエン(300mL)を加えて分液し、水層にトルエン(200mL)を加えて抽出し、有機層を併せ、有機層を飽和食塩水(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。有機溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で、6−プロピル−1,3−ジフルオロナフタレン(18.1g)を得た。
(3−2) 窒素雰囲気下、(1−1)で得られた6−プロピル−1,3−ジフルオロナフタレン(18.1g)をTHF(90mL)に溶解し、−40℃に冷却した。冷却下、1.6mol/L ブチルリチウムヘキサン溶液(65mL)をゆっくりと加え、−40℃にてさらに30分間撹拌した。続いて、ホウ酸トリメチル(11.9g)をゆっくりと加えた後、室温までゆっくりと昇温した。10%塩酸(100mL)を加えて分液し、飽和食塩水(100mL)にて洗浄した。有機層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)を加えた後、15%過酸化水素水溶液(19.9g)をゆっくりと加え、40℃にて14時間撹拌した。氷冷下、10%亜硫酸ナトリウム水溶液(150mL)を加えて分液し、水層にトルエン(100mL)を加えて抽出した。有機層を併せ、飽和食塩水にて洗浄し、有機層に無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。有機層を減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で、6−プロピル−1,3−ジフルオロ−2−ナフトール(19.2g)を得た。
(3−3) アルゴン雰囲気下、マグネシウム20.3gをTHF(40mL)に懸濁し、3,5−ジフルオロブロモベンゼン(149g)のTHF(450mL)溶液を内温40から65℃で滴下した。室温で1時間攪拌後、1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール(100g)のTHF(300mL)溶液を内温40から60℃で滴下し、室温で1時間攪拌した。水(250mL)、飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)、トルエン750mLの順で加え、室温で30分撹拌後、有機層を分取した。これを飽和食塩水で2回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、淡黄色固体として4−(3,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシシクロヘキサノンエチレンケタールを178g得た。
(3−4) アルゴン雰囲気下、(3−3)で得られた4−(3,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシシクロヘキサノンエチレンケタール(178g)およびピリジン120gをトルエン700mLに溶解し、トリホスゲン68gのトルエン(276mL)溶液を内温22℃以下で滴下した。内温20〜25℃で2時間攪拌後、水(800mL)にあけた。有機層を水(300mL)で2回、飽和食塩水(300mL)2回の順で洗浄し、1−(3,5−ジフルオロフェニル)−4−シクロへキセノンエチレンケタールのトルエン溶液を得た。
(3−5) (3−4)で得られた溶液に5%パラジウム炭素(50%含水品、15g)を加え、オートクレーブ中、水素圧0.4MPa、外温40℃で4時間撹拌した。触媒をろ別し、得られた溶液ある程度濃縮し、4−(3,5−ジフルオロフェニル)シクロヘキサノンエチレンケタールのトルエン溶液を得た。
(3−6) (3−5)で得られた溶液にギ酸500mLを加え、内温40℃で4時間撹拌した。水500mLを加えて撹拌し、有機層を飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、淡黄色固体として4−(3,5−ジフルオロフェニル)シクロヘキサノンを119g得た。
(3−7) アルゴン雰囲気下、メトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド263gをTHF(800mL)に懸濁し、カリウム−tert−ブトキシド90gを内温0℃以下で加え、内温0℃で20分撹拌した。(3−6)で得られた4−(3,5−ジフルオロフェニル)シクロヘキサノン(119g)のTHF(300mL)溶液を内温5℃以下で加え、内温−5〜8℃で30分撹拌した。水(10mL)を加えた後溶媒を減圧留去し、残渣に水(400mL)、メタノール(400mL)、ヘキサン(500mL)および70%t−ブチルヒドロペルオキシド水溶液7.3gを加え、室温で1時間撹拌した。有機層を分取し、水層をヘキサンで抽出した後有機層を合わせ、50%メタノール水溶液、水2回の順で洗浄し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣に10%塩酸(400mL)およびTHF(400mL)を加え、1時間加熱還流した。有機層を分取し、水層を酢酸エチルで抽出した後有機層を合わせ、飽和食塩水で2回洗浄した。溶媒を減圧留去し、残渣にメタノール(300mL)および10%水酸化ナトリウム水溶液(20mL)を加えて5から−15℃で1時間撹拌した。10%塩酸で中和した後、水(300mL)、THF(200mL)および酢酸エチル(400mL)を加え、有機層を飽和食塩水で2回洗浄した後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、淡黄色オイルとしてトランス−4−(3,5−ジフルオロフェニル)シクロヘキサンカルバルデヒドを112g得た。
(3−8) (3−7)で得られたトランス−4−(3,5−ジフルオロフェニル)シクロヘキサンカルバルデヒド(112g)をエタノール(224mL)、THF(30mL)および水(30mL)に溶解し、外温5℃で水素化ほう素ナトリウム(9.4g)をゆっくり加え、外温5℃で10分撹拌した。反応溶液を10%塩酸(450mL)にゆっくりあけてしばらく撹拌した後、有機層を分取し、水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水で2回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を減圧留去し、淡黄色オイルとしてトランス−4−(3,5−ジフルオロフェニル)シクロヘキシルメタノールを110g得た。
(3−9) アルゴン雰囲気下、(3−2)で得られた6−プロピル−1,3−ジフルオロ−2−ナフトール(19.2g)、3−8で得られたトランス−4−(3,5−ジフルオロフェニル)シクロヘキシルメタノール(19.5g)及びトリフェニルホスフィン(24.9g)をTHF(100mL)に溶解し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(18.3g)を内温23℃以下で滴下した。室温で1時間攪拌後、水(10mL)を加え、溶媒を減圧留去した。残渣にヘキサン(100mL)、水(50mL)、メタノール(100mL)を加え、有機層を分取し、水層をヘキサン(50mL)で抽出した後有機層を合わせ、50%メタノール水溶液(100mL)で2回、飽和食塩水(100mL)の順で洗浄した。得られた溶液をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/へキサン)で精製し、溶媒を減圧留去し、エタノールから再結晶する事で、[4−(3,5−ジフルオロフェニル)シクロヘキシル]−(6−プロピル−1,3−ジフルオロナフタレン−2−オキシ)メタン(32.2g)を得た。
(3−10) アルゴン雰囲気下、(3−9)で得られた[4−(3,5−ジフルオロフェニル)シクロヘキシル]−(6−プロピル−1,3−ジフルオロナフタレン−2−オキシ)メタン(32.2g)をTHF(300mL)に溶解し、1.6mol/L ブチルリチウムヘキサン溶液(55mL)を内温−50〜−60℃で滴下した。−40℃に昇温した後再び−60℃に冷却し、よう素(24.7g)をTHF(100mL)に溶解させた溶液を−50℃以下で滴下した。内温0℃まで昇温後、10%亜硫酸ナトリウム水溶液(100mL)を滴下し、室温で1時間撹拌し、有機層を分取した。水層をトルエン(100mL)で抽出し、有機層を合わせ、5%亜硫酸ナトリウム水溶液(100mL)、飽和食塩水(100mL)2回で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去する事で、粗製[4−(3,5−ジフルオロ−4−ヨードフェニル)シクロヘキシル]−(6−プロピル−1,3−ジフルオロナフタレン−2−オキシ)メタン(31.5g)を得た。
(3−11) アルゴン雰囲気下、(3−10)で得られた[4−(3,5−ジフルオロ−4−ヨードフェニル)シクロヘキシル]−(6−プロピル−1,3−ジフルオロナフタレン−2−オキシ)メタン(31.5g)、炭酸カリウム(11.3g)、5,5−ジメチル−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−[1,3,2]ジオキサボリナン(16.6g,WO2003/105860に記載の方法により製造した)、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.3g)をDMF(150mL)に懸濁し、内温100〜115℃で19時間撹拌した。室温で水(500mL)およびトルエン(200mL)を加え、有機層を分取した。水層にトルエン(80mL)を加えて抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(300mL)で2回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した後、エタノール・アセトン混合溶媒から再結晶する事で、(1,3−ジフルオロ−6−プロピルナフタレン−2−オキシ)−[trans−4−(4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)3,5−ジフルオロフェニル)シクロヘキシル]メタン(21.7g)を得た。
MS m/z:560[M
+]
1HNMR(CDCl
3、TMS内部標準)δ(ppm)=8.05(1H,d,J=8.7Hz),7.88(1H,s),7.75(1H,d,J=8.7Hz),7.37−7.34(1H,m),7.10(2H,t,J=7.6Hz),6.86(2H,d,J=9.3Hz),6.71(2H,d,J=9.2Hz),3.94(2H,d,J=6.4Hz),2.57−2.49(3H,m),2.10−1.97(4H,m),1.89−1.81(1H,m),1.66−1.58(2H,m),1.56−1.43(2H,m),1.31−1.21(2H,m),0.93(3H,t,J=7.2Hz)
(実施例4)[1,3−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)ナフタレン−2−オキシ]−[4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)フェニル]メタンの製造
【0141】
【化35】
【0142】
実施例1〜3に記載の方法と同様にして行う事で、[1,3−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)ナフタレン−2−オキシ]−[4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)フェニル]メタン(5.1g)を得た。
MS m/z:648[M
+]
1HNMR(CDCl
3、TMS内部標準)δ(ppm)=8.04(1H,d,J=8.6Hz),7.84(1H,s),7.74(1H,d,J=8.8Hz),7.63(2H,d,J=8.0Hz),7.57(2H,d,J=8.0Hz),7.39−7.34(1H,m),7.27(1H,t,J=8.0Hz),7.25−7.22(4H,m),7.08−6.99(2H,m),5.02(2H,s),2.58(1H,tt,J1=12.1Hz,J2=3.3Hz),1.90−1.81(4H,m),1.59−1.48(2H,m),1.31−1.27(3H,m),1.22−1.19(2H,m),1.11−1.01(2H,m),0.91(3H,t,J=7.2Hz)
(実施例5)[1−フルオロ−6−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)ナフタレン−2−オキシ]−(3,4,5−トリフルオロフェニル)メタンの製造
【0143】
【化36】
【0144】
文献(特開2001−39905)記載の方法と同様にして行う事により、6−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)−2−ナフトールを得た後、実施例1〜3に記載の方法と同様にして行う事により、[1−フルオロ−6−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)ナフタレン−2−オキシ]−(3,4,5−トリフルオロフェニル)メタン(5.1g)を得た。
MS m/z:430[M
+]
1HNMR(CDCl
3、TMS内部標準)δ(ppm)=7.96−7.95(2H,m),7.55(1H,d,J=8.4Hz),7.13−7.05(2H,m),7.08−7.04(2H,m),5.19(2H,s),2.42−2.35(1H,m),1.87(4H,d,J=11.2Hz),1.39−1.17(7H,m),1.07−0.93(2H,m),0.90(3H,t,J=7.2Hz)
(参考例1)1−フルオロ−2−[2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチル]−6−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)ナフタレンの製造
【0145】
【化37】
【0146】
文献(特開2001−39905)記載の方法により、1−フルオロ−2−[2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチル]−6−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)ナフタレン(10.3g)を得た。
(実施例6) 液晶組成物の調製−1
以下の組成からなるホスト液晶組成物(H)
【0147】
【化38】
【0148】
を調製した。ここで、(H)の物性値は以下の通りである。
【0149】
ネマチック相上限温度(T
ni):117.2℃
誘電率異方性(Δε):4.38
屈折率異方性(Δn):0.0899
粘度(η
20):20.3mPa・s
この母体液晶(H)80%と、実施例1で得られた[6−(2−フルオロ−4−プロピルフェニル)−1,3−ジフルオロナフタレン−2−オキシ]−(3,4,5−トリフルオロフェニル)メタン20%からなる液晶組成物(M−A)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
【0150】
T
ni:116.4℃
Δε:9.94
Δn:0.1189
η
20:26.9mPa・s
[6−(2−フルオロ−4−プロピルフェニル)−1,3−ジフルオロナフタレン−2−オキシ]−(3,4,5−トリフルオロフェニル)メタンの添加による効果として、T
niをほとんど変化させず(外挿T
ni=113.1℃)、Δεが正に大きくし(外挿Δε=32.2)、η
20をあまり大きくしない(外挿η
20=53.2mPa・s)ことが分かった。また、調製した液晶組成物(M−A)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持したことから、高い保存安定性を示す事がわかった。
(実施例7) 液晶組成物の調製−2
母体液晶(H)80%と実施例2で得られた[6−(2−フルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)−1,3−ジフルオロナフタレン−2−オキシ]−(3,4−ジフルオロフェニル)メタン20%からなる液晶組成物(M−B)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
【0151】
T
ni:130.5℃
Δε:8.20
Δn:0.1135
η
20:31.1mPa・s
[6−(2−フルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)−1,3−ジフルオロナフタレン−2−オキシ]−(3,4−ジフルオロフェニル)メタンの添加による効果として、T
niを大きく上昇させ(外挿T
ni=183.6℃)、Δεを正に大きくし(外挿Δε=23.5)、比較的粘度を上昇させにくい(外挿η
20=74.3mPa・s)ことが分かった。また、調製した液晶組成物(M−B)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持したことから、高い保存安定性を示す事がわかった。
(実施例8) 液晶組成物の調製−3
母体液晶(H)80%と実施例3で得られた(1,3−ジフルオロ−6−プロピルナフタレン−2−オキシ)−[trans−4−(4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)3,5−ジフルオロフェニル)シクロヘキシル]メタン20%からなる液晶組成物(M−C)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
【0152】
T
ni:118.4℃
Δε:12.2
Δn:0.1141
η
20:34.5mPa・s
(1,3−ジフルオロ−6−プロピルナフタレン−2−オキシ)−[trans−4−(4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)3,5−ジフルオロフェニル)シクロヘキシル]メタンの添加による効果として、T
niをほとんど変化させず(外挿T
ni=123.4℃)、Δεを正に非常に大きくし(外挿Δε=43.6)、比較的粘度を上昇させない(外挿η
20=91.4mPa・s)ことが分かった。また、調製した液晶組成物(M−C)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持したことから、高い保存安定性を示す事がわかった。
(実施例9)液晶組成物の調製−4
母体液晶(H)90%と実施例4で得られた[1,3−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)ナフタレン−2−オキシ]−[4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)フェニル]メタン10%からなる液晶組成物(M−D)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
【0153】
T
ni:134.3℃
Δε:5.83
Δn:0.1114
η
20:35.9mPa・s
[1,3−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)ナフタレン−2−オキシ]−[4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)フェニル]メタンの添加による効果として、T
niを極めて大きく上昇させ(外挿T
ni=288.1℃)、Δεを正に大きくし(外挿Δε=18.9)、粘度をほとんど上昇させない(外挿η
20=35.9mPa・s)ことが分かった。また、調製した液晶組成物(M−D)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持したことから、高い保存安定性を示す事がわかった。
(参考例−2)液晶組成物の調製−5
母体液晶(H)80%と参考例1で得られた1−フルオロ−2−[2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチル]−6−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)ナフタレン20%からなる液晶組成物(M−E)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
【0154】
T
ni:113.2℃
Δε:6.80
Δn:0.1093
η
20:39.9mPa・s
1−フルオロ−2−[2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチル]−6−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)ナフタレンの添加による効果として、T
niを下降させ(外挿T
ni=97.0℃)、Δεを正に大きくし(外挿Δε=16.5)、粘度を大きく上昇させてしまう(外挿η
20=118.1mPa・s)ことが分かった。また、調製した液晶組成物(M−E)は、室温にて一ヶ月間以上均一なネマチック液晶状態を維持したことから、高い保存安定性を示す事がわかった。
【0155】
実施例6と参考例2を比較する事により、本願発明化合物は参考化合物と比べて、高い保存安定性を維持しながら、T
ni及びΔεを大きく上昇させ、さらに粘度を低下させる効果が極めて大きい事がわかる。