(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
対向する一対の導電膜の間に液体が満たされていると共に該液体内に板状コロイド粒子材料が含有され、該板状コロイド粒子材料が、前記一対の導電膜に対して平行な配向状態と該一対の導電膜に対して垂直な配向状態との間で配向制御される光学素子において、
前記液体として、純水が用いられ、
前記板状コロイド粒子材料として、一辺の長さが1〜10μm程度であって厚さが1μm以下の異方性のあるものが用いられ、
前記一対の導電膜に、電圧を印加して該導電膜に対して前記板状コロイド粒子材料を起立する配向状態に変化させて、前記光学素子の透過率を低下させ、
前記一対の導電膜に電圧を印加していないときに、前記光学素子の透過率が電圧印加時よりも高透過率となる、
ことを特徴とする光学素子。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記光学素子においては、当初、一対の基板により誘電性液体(高粘性液体)にせん断力を与えることにより、板状粒子を該一対の基板に平行な配向状態(入射光が反射される状態:特許文献1の
図4イ参照)とした上で、以後、その配向状態から板状粒子を一対の基板に対して垂直な配向状態(光を吸収する状態:特許文献1の
図4ロ参照)に変化させるときには、一対の基板内面にそれぞれ設けられる導電膜に電圧が印加されて基板に垂直方向の電界が発生され、板状粒子を一対の基板に対して垂直な配向状態から平行な配向状態に戻すときには、電圧印加方向を基板に平行な方向とされて基板に平行な方向の電界が発生される。このため、板状粒子を、一対の基板に対して垂直な配向状態から平行な配向状態とする場合においては、板状粒子を、一対の基板に平行な配向状態から垂直な配向状態にする場合に比べて、電圧を印加する間隔が長くなり、適正な配向状態とするためには、電圧を増大させて電界を高めざるを得ない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、板状粒子の可逆的な配向変化を行うに際し、その際に用いる印加電圧を極力、低減できる光学素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明(請求項1に係る発明)にあっては、
対向する一対の導電膜の間に液体が満たされていると共に該液体内に板状コロイド粒子材料が含有され、該板状コロイド粒子材料が、前記一対の導電膜に対して平行な配向状態と該一対の導電膜に対して垂直な配向状態との間で配向制御される光学素子において、
前記液体として、純水が用いられ、
前記板状コロイド粒子材料として、一辺の長さが1〜10μm程度であって厚さが1μm以下の異方性のあるものが用いられ、
前記一対の導電膜に、電圧を印加して該導電膜に対して前記板状コロイド粒子材料を起立する配向状態に変化させる構成としてある。この請求項1の好ましい態様としては請求項2以下の記載となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明(請求項1に係る発明)によれば、一対の導電膜に、電圧を印加して該導電膜に対して前記板状コロイド粒子材料を起立する配向状態に変化させるることから、その一対の導電膜に対して板状コロイド粒子材料を起立する配向状態に変化させるときには、短い一対の導電膜間に電圧を印加して、印加電圧を、従前同様、低い状態に維持できる一方、板状コロイド粒子材料を一対の導電膜に対して平行な配向状態に変化させるときには、電圧を印加しなくても、比較的粘性の低い純水の下で、板状コロイド粒子材料の大きさ、形状(一辺の長さが1〜10μm程度であって厚さが1μm以下)、重量等を利用して、その板状コロイド粒子材料を、導電膜に向けて倒伏させてその導電膜に対して平行状態とすることができる。このため、一対の導電膜に対して板状コロイド粒子材料を平行な配向状態に変化させるときに、印加電圧を不要とすることができ、板状粒子である板状コロイド粒子材料の可逆的な配向変化を行うに際して、その際に用いる印加電圧を極力、低減できる。
また、板状コロイド粒子材料が比較的粘性の低い純水中で配向変化することから、一対の導電膜間に高粘性液体が用いられる場合に比して、板状コロイド粒子材料の配向変化の応答速度を高めることができる。
さらに、電圧を印加する場合(一対の導電膜に対して板状コロイド粒子材料を垂直な配向状態とするとき)であっても、一対の導電膜間に絶縁性の高い純水が満たされていることから、その電圧印加時に、電流をほとんど流さないようにすることができる。このため、消費電力を著しく低減させることができる。
【0009】
請求項2に係る発明によれば、一対の導電膜に、該一対の導電膜に対して板状コロイド粒子材料を起立する配向状態に変化させるときにのみ、電圧が印加されるように設定されていることから、前記請求項1と同様の作用効果を具体的に得ることができる。
【0010】
請求項3に係る発明によれば、印加電圧は、5Vrms以下の交流電圧であって周波数が1kHz以上であることから、前記板状コロイド粒子材料を、的確に、一対の導電膜に対して垂直な配向状態とすることができる。
この場合、印加電圧を、5Vrms以下の交流電圧としているのは、5Vrms以下の交流電圧で十分に、一対の導電膜に対して板状コロイド粒子材料を垂直な配向状態とすることができ、5Vrmsを超える交流電圧を用いても無駄だからである。また、周波数を1kHz以上としているのは、純水の導電性(絶縁性)が何等かの原因に基づき変化して、周波数(印加電圧)が変化したとしても、板状コロイド粒子材料が一対の導電膜に対して垂直な配向状態に変化することを確保するためである。
【0011】
請求項4に係る発明によれば、板状コロイド粒子材料のアスペクト比が2以上であることから、異方性を高めて、電圧印加時の配向精度を高めることができる。
【0012】
請求項5に係る発明によれば、当該光学素子が調光素子であることから、板状コロイド粒子材料の配向制御を調光に有効に利用することができる。
【0013】
請求項6に係る発明によれば、コロイド粒子材料が層状珪酸塩であることから、そのコロイド粒子材料を用いた配向制御により、散乱光と透過光との切り換え(透過光制御)に具体的に用いることができる。
また、コロイド粒子材料が無機物(層状珪酸塩)であることから、エレクトロクロミック(EC)材料や液晶に比べて、高速応答性や高耐久性の点で優位性を有することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1において、符号1は、透過光制御を行う実施形態に係る光学素子を示す。この光学素子1は、一対の透明基板2間に調光層3が介在される構成とされている。
【0016】
前記一対の各透明基板2としては、透明なガラス、樹脂体等が用いられている。その一対の透明基板2の間には、その周縁部において図示を略すスペーサが設けられており、これにより、一対の透明基板2間に密閉空間が区画されている。
【0017】
前記調光層3は、
図1に示すように、一対の導電膜4と、純水5と、板状コロイド粒子材料6と、から構成されている。
前記一対の各導電膜4は、前記各透明基板2の内面にそれぞれ設けられている。このため、一対の導電膜4は、一対の透明基板2間の密閉空間を利用して、一定間隔(セルギャップ)をあけた状態をもって対向配置されている。この一対の導電膜4間のセルギャップに関しては、後述の板状コロイド粒子材料6の配向制御(電圧制御)を考慮して、本実施形態においては、10μm〜50μm程度の範囲に設定されている。
【0018】
前記純水5は、
図1に示すように、一対の導電膜4間(一対の透明基板2が区画する密閉空間内)に充填されている。この純水5は、後述の板状コロイド粒子材料6の配向制御を考慮して、他の液体よりも低粘性で且つ絶縁性が高いことに着目して用いられており、本実施形態においては、メルクミリポワ製Milli-Qにより生成した比抵抗18MΩ・cm以上の純水が用いられている。
【0019】
前記板状コロイド粒子材料6は、配向制御が行われるものとして、
図1に示すように、前記純水5中に含有されている。この板状コロイド粒子材料6は、
図2に示すように、一辺を1〜10μm程度の略正方形状としつつ、厚さを1μm以下(好ましくは、0.1μm〜1μm)としたものが用いられる。これにより、板状コロイド粒子のアスペクト比(1辺の長さ/厚み)は、各長さを適宜選択して、2以上、好ましくは10以上(より好ましくは10〜100)に設定されている。アスペクト比を高めることにより、コロイド粒子により大きな分極を誘起することが可能となり、板状コロイド粒子材料6の配向性能を高めることができるからである。
ここで、板状コロイド粒子材料6の一辺を1μm以上としているのは、その厚みとの関係で、実際上、アスペクト比を容易に2以上とするためである。板状コロイド粒子材料6の一辺を10μm以下としているのは、10μmを超えるものを製造することは可能であるが、10μm超えるものは応答速度が遅くなること等を考慮したためである。また、板状コロイド粒子材料6の厚さを1μm以下としているのは、透明性を高めること等を考慮したからであり、板状コロイド粒子材料6の厚さを0.1μm以上としているのは、機械的強度や耐久性を向上させるためである。
【0020】
本実施形態においては、板状コロイド粒子材料として、層状珪酸塩に代表されるH型アイレライトが用いられている。H型アイレライトとは、Na型アイレライトをプロトンで置換したものであり、Na型アイレライトは、シリカコロイド、水酸化ナトリウム、水の混合物から水熱反応により得られる。そして、H型アイレライトは、塩酸水溶液によるNa型アイレライトのイオン交換により得られる。
また本実施形態においては、H型アイレライトとNa型アイレライトの格子面間隔はそれぞれ、0.772nmと1.157nmである。精製したH型アイレライトの平均的サイズと形は、1辺が3.5μmの正方形で厚みが0.17μmである。したがって、上記の作製法で得られた板状コロイド粒子材料のアスペクト比(1辺の長さ/厚み)は約20である。
図3は、このような板状コロイド粒子材料6を示す顕微鏡写真である。
【0021】
この板状コロイド粒子材料6の純水5中での濃度は、その板状コロイド粒子材料6の適正な配向制御が行えるようにすべく、セルギャップが50μmの場合には、全体に対して0.5〜10重量%に設定されている。具体的には、板状コロイド粒子材料6の濃度は、セルギャップが50μmの場合には、全体に対して4重量%前後とされている。
【0022】
このような板状コロイド粒子材料6は、該板状コロイド粒子材料6に電界等が及ばない通常持には、
図1、
図4に示すように、導電膜4に対して平行な配向状態(倒伏状態)となることになっている。これは、大きさ、形状(一辺の長さが1〜10μm程度であって厚さが1μm以下)、重量等に基づき、板状コロイド粒子材料6が、比較的粘性の低い純水の下で、重力場に対して安定な倒伏状態を導電膜に向けてとるからである。勿論、このような現象は、一対の導電膜4が上下に配置される態様で使用される場合(
図1、
図4に示す状態)に限らず、一対の導電膜4が上下に起立した態様で使用される場合においても生じる。一対の導電膜4間の狭い間隔(セルギャップ)の下では、粘性が高くなって、板状コロイド粒子材料6が、一対の導電膜4間において、導電膜4に向けて倒伏された状態で維持されるからであり、また、板状コロイド粒子材料6が、一旦、倒伏された状態で、一対の導電膜4が上下に起立した態様にされたとしても、倒伏された状態で維持されるからである。
【0023】
前記一対の導電膜4には、
図5に示すように、交流電源7が接続されている。この交流電源7は、本実施形態においては、ON,OFF制御されることになっており、交流電源7がONとされたときには、交流電圧が一対の導電膜4間に印加され、この交流電圧の印加に基づき、導電膜4の並設方向(
図5中、上下方向)を向く電界が付与されることになっている。これにより、各板状コロイド粒子材料6は、導電膜4に対して垂直な配向状態となる。
具体的に説明すれば、溶液中に分散したコロイド粒子に、外部から電場を与えると溶液と粒子の界面に電荷が誘起される。そこで生じる電荷量は溶媒と粒子の分極率に依存し、その相違により双極子モーメントが誘起される。粒子は、この双極子モーメントを電場の方向に向きを揃えようとするので配向する。このため、本実施形態において、一対の導電膜間に交流電圧を印加して電界を与えたときには、上述のとおり、各板状コロイド粒子材料6は、
図5に示すように、導電膜4に対して垂直な配向状態となる。
【0024】
このような場合の交流電圧としては、5Vrms以下であって周波数が1kHz以上のものが用いられる。この交流電圧は、板状コロイド粒子材料6が的確に導電膜4に対して垂直な配向状態に変化することができるようにする観点から選択されているが、5Vrms以下としているのは、5Vrms以下の交流電圧で十分に、一対の導電膜4に対して板状コロイド粒子材料6を垂直な配向状態とすることができ、5Vrmsを超える交流電圧を用いても無駄だからである。また、周波数を1kHz以上としているのは、板状コロイド粒子の分極の緩和が無視でき、安定かつより大きな分極が得られるからである。
具体的には、周波数が1kHz〜100kHzで、数百ミリVrms〜2Vrms程度の非常に低い交流電圧が用いられる。この程度の交流電圧でも、前述の板状コロイド粒子材料6を配向制御可能だからである。
この交流電圧は、一対の導電膜4間の間隔(セルギャップ)に大きく依存している。たとえば、セルギャップが50μmの場合には、板状コロイド粒子材料6の配向を制御するために電圧として、1Vrms以上が必要となり、セルギャップが10μmの場合には、200mVrms以上が必要となる。この場合、本光学素子1の消費電力は、セルギャップが50μmの場合に計算上約56nW、セルギャップが10μmの場合に約11nW程度と極めて低消費電力となる。
【0025】
一方、交流電源7がOFFとされたときには、交流電圧が一対の導電膜4間に印加されず、電界が発生しないことになる。このため、前述した如く、板状コロイド粒子材料6は、その大きさ、形状、重量等に基づき、重力場に対して安定な導電膜4側に倒伏して該導電膜4に対して平行な配向状態となる。
勿論、一対の導電膜4が上下に起立した態様で、その導電膜4に対して板状コロイド粒子材料6を垂直に配向させた状態で使用されていても、交流電源7をOFFとすると共に、一対の導電膜4を上下方向に並設される配置とすれば、板状コロイド粒子材料6は、導電膜4に対して平行な配向状態となる。
【0026】
このように、この光学素子1においては、交流電圧のON,OFFにより電場をON,OFFすることができ、その電場のON,OFFだけで各板状コロイド粒子材料6の配向を可逆的に制御できる。これにより、光学素子1に入射された入射光は、交流電圧のON,OFFにより、透過光又は散乱光として出射される。
しかもこの場合、交流電圧を使用するON時であっても、一対の導電膜4間の狭いセルギャップに基づき使用電圧を非常に低いものにできる。さらには、一対の導電膜4間に満たされる液体として、絶縁性の高い純水が使用されることから、ほとんど電流を流さないようにすることができ、消費電力についても極めて低いものにできる。
【0027】
図6、
図7は、光学素子1の中に配置された板状コロイド粒子材料6の状態を光学顕微鏡を用いて観察した結果を示すものである。そのうち、
図6は一対の導電膜4間に交流電圧が印加されていない状態を示すものであり、
図7は一対の導電膜4間に交流電圧が印加された状態を示すものである。この
図6、
図7の結果から、一対の導電膜4間に交流電圧が印加されていないときには(
図6に示す場合)、各板状コロイド粒子材料6が導電膜4に平行な配向状態を示し、一対の導電膜4間に交流電圧が印加されているときには(
図7に示す場合)、各板状コロイド粒子材料6が導電膜4に対して垂直な配向状態を示し、交流電圧のON,OFF制御により、各板状コロイド粒子材料6の配向が可逆的に変化することが確認できた。この場合、印加交流電圧を0.7Vrms、周波数を10kHz、一対の導電膜4間の間隔(セルギャップ)を50μmとした。
【0028】
図8は、一対の導電膜4に対する電圧の印加(ON),印加無(OFF)による光学素子1の透過率の変化を示すものである。印加電圧は2Vrms、周波数は10kHz、導電膜と導電膜の間隔(セルギャップ)は50μmである。この
図8は水だけ封入した素子の透過率を1として規格化してある。この
図8の結果によれば、電圧の印加により透過率の30%程度の変化が観察される。また、電圧印加に対する応答速度は1秒以下と非常に速い。この場合、より小さなセルギャップの素子を用いることで、実際に印加する電圧を数分の一まで下げることも可能である。
尚、
図8において、上側に配置される矢印が電圧印加を示し、下側に配置される矢印が電圧印加無を示している。
【0029】
図9、
図10は、文字の上に実施形態に係る光学素子1を設置して文字の見え方を観察した結果を示すものである。そのうち、
図9は一対の導電膜4間に交流電圧が印加されていない状態を示すものであり、
図10は一対の導電膜4間に交流電圧が印加された状態を示すものである。この
図9、
図10の結果から、電圧印加の有無に応じて文字が見えたり見えなかったりすることが分かる。この場合、印加電圧は2Vrms、周波数は10μmkHz、導電膜4と導電膜4との間隔(セルギャップ)は50μmとされた。
【0030】
したがって、このような光学素子1においては、一対の導電膜4には、該一対の導電膜4に対して板状コロイド粒子材料6を垂直な配向状態とするときにのみ、電圧が印加されることが好ましいことから、その一対の導電膜4に対して板状コロイド粒子材料6を垂直な配向状態に変化させるときには、短い一対の導電膜4間に電圧を印加して、使用印加電圧を、従前同様、低い状態に維持できる。その一方、板状コロイド粒子材料6を一対の導電膜4に対して平行な配向状態に変化させるときには、電圧を印加しなくても、比較的粘性の低い純水の下で、板状コロイド粒子材料6の大きさ、形状(一辺の長さが1〜10μm程度であって厚さが1μm以下)、重量等を利用して、その板状コロイド粒子材料6は、導電膜4に向けて倒伏して、その導電膜4に対して平行状態となる。このため、一対の導電膜4に対して板状コロイド粒子材料6を平行な配向状態に変化させるときに、印加電圧を不要とすることができ、板状粒子である板状コロイド粒子材料6の可逆的な配向変化を行うに際して、その際に用いる印加電圧を低減できる。
【0031】
また、板状コロイド粒子材料6が比較的粘性の低い純水5中で配向変化することから、高粘性液体の下で配向変化する場合とは異なり、板状コロイド粒子材料6の配向変化の応答速度を高めることができる。
【0032】
さらに、電圧を印加して一対の導電膜4に対して板状コロイド粒子材料6を垂直な配向状態とするときであっても、一対の導電膜4間に絶縁性の高い純水が満たされていることから、その電圧印加時に、電流をほとんど流さないようにすることができる。このため、消費電力を著しく低減させることができる。
【0033】
勿論この場合、配向制御される対象物が、無機物(層状珪酸塩)であるコロイド粒子材料6であることから、当該光学素子1は、エレクトロクロミック(EC)材料や液晶を用いるものに比べて、高速応答性や高耐久性の点で優位性を有する。
【0034】
以上実施形態について説明したが本発明においては、次の態様を包含する。
(1)板状コロイド粒子材料6を、導電膜4に対して垂直な配向状態と平行な配向状態の切り換えに限らず、その両者の中間の配向状態をも、起立配向状態の一つとして、印加電圧調整等により取り得るようにすること。
(2)当該光学素子1を、入射光を透過光又は散乱光に切り換えるものとして用いるだけでなく、反射又は吸収の切り換え等、種々の態様に用いること。