(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの開始剤c)が過酸化物であり、且つ、工程i)において、吸水性ポリマー粒子に対して0.1質量%未満の還元剤を添加することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
吸水性ポリマー粒子に対して0.001〜5質量%の無機のリン酸および/またはその塩を添加することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、少なくとも1つの無機のリン酸および/またはその塩および少なくとも1つの有機の2−ヒドロキシ酸および/またはその塩を添加し、該無機のリン酸中のリンが+V未満の酸化数を有し、且つ該有機の2−ヒドロキシ酸がエチレン性不飽和基を有さない、吸水性ポリマー粒子の製造方法、並びに本発明による方法によって得られる吸水性ポリマー粒子に関する。
【0002】
吸水性ポリマー粒子は、おむつ、タンポン、ナプキンおよびその他の衛生物品を製造するために使用されるが、農業園芸における保水剤としても使用される。この吸水性ポリマー粒子は、超吸収体とも称される。
【0003】
吸水性ポリマー粒子の製造は、モノグラフィー「Modern Superabsorbent Polymer Technology」、F.L.BuchholzおよびA.T.Graham,Wiley−VCH,1998,71ページ〜103ページ内に記載されている。
【0004】
吸水性ポリマー粒子の特性を、例えば、使用する架橋剤の量によって調整することができる。架橋剤の含有量の増加と共に、遠心保持容量(CRC)は減少し、且つ吸収量は、21.0g/cm
2(AUL0.3psi)の圧力下で最大値を通る。
【0005】
利用特性、例えばおむつ中での膨潤したゲルベッドの透過性(SFC)、および49.2g/cm
2(AUL0.7psi)の圧力下での吸収を改善するために、一般的には吸水性ポリマー粒子の表面を後架橋させる。それによって粒子表面の架橋度が高まり、これにより49.2g/cm
2(AUL0.7psi)の圧力下での吸収と遠心保持容量(CRC)との関連性を少なくとも部分的になくすことができる。表面の後架橋を、水性のゲル相中で実施することができる。しかし、有利には、乾燥、粉砕され且つ篩別されたポリマー粒子(ベースポリマー)を、後架橋剤でその表面を被覆し、熱により表面を後架橋させ、そして乾燥する。そのために適した架橋剤は、吸水性ポリマー粒子の少なくとも2つのカルボキシレート基と共有結合を形成できる化合物である。
【0006】
吸水性ポリマー粒子の際にしばしば生じる問題は、比較的高温または比較的高湿度下での貯蔵の際に生じる変色である。そのような条件はしばしば、熱帯地方または亜熱帯地方における貯蔵の際に生じる。かかる条件下では、吸水性ポリマー粒子は黄変する傾向があり、そのうえさらに茶色またはそれどころかほぼ黒色になることがある。本来無色の吸水性ポリマー粒子のこの変色は見た目が悪く且つ望ましくない、なぜなら、所望の薄い衛生用品の際に殊に、この変色が目に見え、且つ消費者は見た目の悪い衛生用品を忌避するからである。この変色の原因は完全に明らかになっているわけではないのだが、ただし、反応性化合物、例えば重合からの残留モノマー、多数の開始剤の使用、モノマーもしくは中和剤の不純物、表面の後架橋剤、または使用されるモノマーの安定剤が関与していると考えられる。
【0007】
WO00/55245号A1によれば、吸水性ポリマー粒子の色安定性は、無機の還元剤を添加することによって改善できる。無機の還元剤は例えば、重合後にポリマーゲルに、または熱による表面の後架橋後に添加できる。
【0008】
WO2006/058682号A1は、熱による表面の後架橋の際の酸素の存在が、変色をみちびくことを教示している。
【0009】
WO2004/084962号A1によれば、重合開始剤としてスルフィン酸を使用することが、得られる吸水性ポリマー粒子の色安定性に有利に作用する。
【0010】
WO2008/092842号A1およびWO2008/092843号A1は、同じ目的のために、塩基性塩での被覆を開示している。
【0011】
WO2009/060062号A1によれば、吸水性ポリマー粒子の色安定性を、スルホン酸およびその塩を用いて高めることができ、ここでは、スルホン酸またはその塩は有利には、表面の後架橋の直前に添加される。
【0012】
WO03/014172号A2は、吸水性ポリマー粒子の製造方法を記載しており、ここでは、使用されるアクリル酸は予めアルデヒド捕捉剤で処理されており、なぜなら、殊にアルデヒドの存在が変色をみちびくからであるとのことである。
【0013】
本発明の課題は、色安定性が改善された吸水性ポリマー粒子の製造方法を提供することであった。同時に、該吸水性ポリマー粒子は、殊に、温かく且つ湿った環境中での比較的長い貯蔵の際にも、不快な匂いを発するべきではない。
【0014】
本課題は、下記:
a)少なくとも1つのエチレン性不飽和の酸基含有モノマー、該モノマーは少なくとも部分的に中和されていてよい、
b)少なくとも1つの架橋剤、
c)少なくとも1つの開始剤、
d)随意に、1つまたはそれより多くの、a)で挙げられたモノマーと共重合可能なエチレン性不飽和モノマー、および
e)随意に、1つまたはそれより多くの水溶性ポリマー
を含有するモノマー溶液またはモノマー懸濁液の重合による吸水性ポリマー粒子の製造方法であって、
モノマー溶液を重合させてポリマーゲルにする工程i)、
得られたポリマーゲルを破砕する随意の工程ii)、
ポリマーゲルを乾燥させる工程iii)、
乾燥されたポリマーゲルを粉砕および分級してポリマー粒子にする工程iv)、および
分級されたポリマー粒子を熱により表面を後架橋する随意の工程v)、
を含む製造方法において、工程i)〜v)の前、その間、またはその後に、
・ 少なくとも1つの無機のリン酸および/またはその塩、および
・ 少なくとも1つの有機の2−ヒドロキシ酸および/またはその塩
を、別々または一緒に添加し、該無機のリン酸中のリンが+V未満の酸化数を有し、且つ、該有機の2−ヒドロキシ酸がエチレン性不飽和基を有さないことを特徴とする前記方法によって解決される。
【0015】
無機のリン酸および/またはその塩、もしくは有機の2−ヒドロキシ酸および/またはその塩は、有利には、水溶液として配量される。
【0016】
適した無機のリン酸および/またはその塩は、次亜リン酸(unterphosphorige Saeure)、次亜リン酸(hypophosphorige Saeure)、亜リン酸アンモニウム、次亜リン酸アンモニウム、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、および次亜リン酸カリウムである。
【0017】
とりわけ特に好ましい無機のリン酸および/またはその塩は、次亜リン酸およびそのナトリウム塩である。
【0018】
適した有機の2−ヒドロキシ酸および/またはその塩は、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸、2−ヒドロキシ−2−スルホナトプロピオン酸、2−ヒドロキシ−2−ホスホナト酢酸、2−ヒドロキシ−2−ホスホナトプロピオン酸、ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸並びにそのアンモニウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩である。
【0019】
とりわけ特に好ましい有機の2−ヒドロキシ酸および/またはその塩は、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸、2−ヒドロキシ−2−ホスホナト酢酸、およびヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸、並びにそのナトリウム塩である。
【0020】
比較的多量の還元剤、例えば2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸およびその塩が工程i)において存在することは、吸水性ポリマー粒子の特性に、殊に遠心保持容量(CRC)および抽出分(Extrahierbar)に不利に作用する。それゆえ、工程i)において、吸水性ポリマー粒子に対して有利には0.1質量%未満、特に好ましくは0.02質量%未満、とりわけ特に好ましくは0.01質量%未満の還元剤が用いられる。本発明の意味における還元剤とは、ヘテロ原子を有する化合物であって、該ヘテロ原子がその最大酸化数を有していないものである。従って、スルホン酸およびホスホン酸は、本発明の意味における還元剤ではない。
【0021】
有利には、無機のリン酸および/またはその塩が工程i)の後且つ工程iii)の前に、および/または有機の2−ヒドロキシ酸および/またはその塩が工程i)の前に添加される。
【0022】
無機のリン酸および/またはその塩は還元剤であり、それゆえ、有利には重合完了後に初めて添加される。無機のリン酸および/またはその塩を水溶液として乾燥前に添加する場合、用いられる溶剤を、追加的な工程なく乾燥の際に除去できる。
【0023】
有機の2−ヒドロキシ酸および/またはその塩は、それらができるだけ早い方法工程において添加される場合、吸水性ポリマー粒子内に最適に組み込まれる。
【0024】
吸水性ポリマー粒子に対する無機のリン酸および/またはその塩の供与量は、有利には0.001〜5質量%、特に好ましくは0.01〜2質量%、とりわけ特に好ましくは0.1〜1質量%である。
【0025】
吸水性ポリマー粒子に対する有機の2−ヒドロキシ酸および/またはその塩の供与量は、有利には0.001〜5質量%、特に好ましくは0.01〜1.5質量%、とりわけ特に好ましくは0.05〜0.75質量%である。
【0026】
本発明は、本発明によって用いられる無機のリン酸および有機の2−ヒドロキシ酸が相乗的に作用するという知見に基づいている。
【0027】
以下で、吸水性ポリマー粒子の製造をより詳細に説明する:
吸水性ポリマー粒子は、モノマー溶液またはモノマー懸濁液の重合によって製造され、且つ、通常は水不溶性である。
【0028】
モノマーa)は、有利には水溶性であり、即ち23℃の際の水中での溶解度が、典型的には少なくとも1g/水 100g、有利には少なくとも5g/水 100g、特に好ましくは少なくとも25g/水 100g、とりわけ特に好ましくは少なくとも35g/水 100gである。
【0029】
適したモノマーa)は、例えばエチレン性不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸である。特に好ましいモノマーは、アクリル酸およびメタクリル酸である。アクリル酸がとりわけ特に好ましい。
【0030】
さらに適したモノマーa)は例えば、エチレン性不飽和スルホン酸、例えばスチレンスルホン酸および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)である。
【0031】
不純物は、重合に重大な影響を及ぼすことがある。それゆえ、用いられる原料は、可能な限り高い純度を有するべきである。それゆえ、しばしば、モノマーa)を特別に精製することが有利である。適した精製法は、例えばWO2002/055469号A1、WO2003/078378号A1およびWO2004/035514号A1内に記載されている。適したモノマーa)は、例えばWO2004/035514号A1によって精製されたアクリル酸であって、99.8460質量%のアクリル酸、0.0950質量%の酢酸、0.0332質量%の水、0.0203質量%のプロピオン酸、0.0001質量%のフルフラール、0.0001質量%の無水マレイン酸、0.0003質量%のジアクリル酸および0.0050質量%のヒドロキノンモノメチルエーテルを有するものである。
【0032】
モノマーa)の総量におけるアクリル酸および/またはその塩の割合は、有利には少なくとも50モル%、特に好ましくは少なくとも90モル%、とりわけ特に好ましくは少なくとも95モル%である。
【0033】
モノマーa)は、通常は重合禁止剤、有利にはヒドロキノン半エーテルを貯蔵安定剤として含有する。
【0034】
モノマー溶液は、それぞれ中和されていないモノマーa)に対して、ヒドロキノン半エーテルを、有利には250質量ppmまで、好ましくは最高130質量ppm、特に好ましくは最高70質量ppm、好ましくは少なくとも10質量ppm、特に好ましくは少なくとも30質量ppm、殊に50質量ppm含有する。例えば、モノマー溶液を製造するために、相応の含量のヒドロキノン半エーテルを有するエチレン性不飽和の酸基含有モノマーを使用することができる。
【0035】
好ましいヒドロキノン半エーテルは、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)および/またはα−トコフェロール(ビタミンE)である。
【0036】
適した架橋剤b)は、架橋に適した基を少なくとも2つ有する化合物である。このような基は例えば、ポリマー鎖中にラジカル重合によって導入され得るエチレン性不飽和基、およびモノマーa)の酸基と共有結合を形成できる官能基である。さらに、モノマーa)の少なくとも2つの酸基と配位結合を形成できる多価の金属塩も架橋剤b)として適している。
【0037】
架橋剤b)は、有利には、ポリマー網目にラジカル重合によって導入され得る少なくとも2つの重合可能な基を有する化合物である。適した架橋剤b)は、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、テトラアリルアンモニウムクロリド、テトラアリルオキシエタン(例えばEP0530438号A1内に記載)、ジアクリレートおよびトリアクリレート(例えばEP0547847号A1、EP0559476号A1、EP0632068号A1、WO93/21237号A1、WO2003/104299号A1、WO2003/104300号A1、WO2003/104301号A1およびDE10331450号A1内に記載)、アクリレート基の他にさらなるエチレン性不飽和基を含有する混合アクリレート(例えばDE10331456号A1およびDE10355401号A1内に記載)、または架橋剤混合物(例えばDE19543368号A1、DE19646484号A1、WO90/15830号A1およびWO2002/032962号A2に記載)である。
【0038】
好ましい架橋剤b)は、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル、テトラアリルオキシエタン、メチレンビスメタクリルアミド、15箇所エトキシル化されたトリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートおよびトリアリルアミンである。
【0039】
とりわけ特に好ましい架橋剤b)は、アクリル酸またはメタクリル酸と共にジアクリレートまたはトリアクリレートへとエステル化され、多数箇所エトキシル化および/またはプロポキシル化されたグリセリンであり、例えばそれらはWO2003/104301号A1内に記載されている。3〜10箇所エトキシル化されたグリセリンのジアクリレートおよび/またはトリアクリレートが特に有利である。1〜5箇所エトキシル化および/またはプロポキシル化されたグリセリンのジアクリレートまたはトリアクリレートがとりわけ特に好ましい。3〜5箇所エトキシル化および/またはプロポキシル化されたグリセリンのトリアクリレート、殊に3箇所エトキシル化されたグリセリンのトリアクリレートが最も好ましい。
【0040】
架橋剤b)の量は、それぞれモノマーa)に対して、有利には0.05〜1.5質量%、特に好ましくは0.1〜1質量%、とりわけ特に好ましくは0.3〜0.6質量%である。架橋剤の含有率が増加すると共に、遠心保持容量(CRC)は低下し、且つ吸収量は21.0g/cm
2の圧力下で最大値を通る。
【0041】
開始剤c)としては、重合条件下でラジカルを生じる全ての化合物、例えば熱開始剤、レドックス開始剤、光開始剤を用いることができる。
【0042】
適したレドックス開始剤は、ペルオキソ二硫酸ナトリウム/アスコルビン酸、過酸化水素/アスコルビン酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム/重亜硫酸ナトリウムおよび過酸化水素/重亜硫酸ナトリウムである。有利には、熱開始剤とレドックス開始剤との混合物、例えばペルオキソ二硫酸ナトリウム/過酸化水素/アスコルビン酸が用いられる。しかし、還元成分として有利には、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸、または2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸のジナトリウム塩、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸のジナトリウム塩、および重亜硫酸ナトリウムとの混合物が用いられる。このような混合物は、Brueggolite(登録商標)FF6およびBrueggolite(登録商標)FF7(Brueggeman Chemicals; ハイルブロン; ドイツ)として入手可能である。
【0043】
適した光開始剤は例えば、α開裂剤、水素引き抜き系、およびアジ化物である。適したα開裂剤もしくは水素引き抜き系は例えば、ベンゾフェノン誘導体、例えばミヒラーケトン、フェナントレン誘導体、フルオレン誘導体、アントラキノン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ベンゾインエーテル、およびそれらの誘導体、アゾ開始剤、例えば上記のラジカル形成剤、置換ヘキサアリールビスイミダゾール、またはアシルホスフィンオキシドである。適したアジ化物は、例えば、2−(N,N−ジメチルアミノ)−エチル−4−アジドシンナメート、2−(N,N−ジメチルアミノ)−エチル−4−アジドナフチルケトン、2−(N,N−ジメチルアミノ)−エチル−4−アジドベンゾエート、5−アジド−1−ナフチル−2’−(N,N−ジメチルアミノ)エチルスルホン、N−(4−スルホニルアジドフェニル)マレインイミド、N−アセチル−4−スルホニルアジドアニリン、4−スルホニルアジドアニリン、4−アジドアニリン、4−アジドフェンアシルブロミド、p−アジド安息香酸、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノンおよび2,6−ビス−(p−アジド−ベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノンである。
【0044】
エチレン性不飽和の酸基含有モノマーa)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーd)は、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートである。
【0045】
水溶性ポリマーe)として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、デンプン誘導体、変性セルロース、例えばメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、ポリグリコールまたはポリアクリル酸、有利にはデンプン、デンプン誘導体および変性セルロースを用いることができる。
【0046】
通常、モノマー水溶液が使用される。該モノマー溶液の含水率は、有利には40〜75質量%、特に好ましくは45〜70質量%、とりわけ特に好ましくは50〜65質量%である。モノマー懸濁液、即ち、過剰なモノマーa)、例えばアクリル酸ナトリウムを有するモノマー溶液を用いることも可能である。含水率が増加すると共に、引き続く乾燥の際のエネルギー消費が増加し、且つ含水量が低減すると共に、重合熱は不充分にしか除去することができなくなる。
【0047】
好ましい重合阻害剤は、最適な作用のために溶解された酸素を必要とする。従って、モノマー溶液は重合前に、不活性化、即ち不活性ガス、有利には窒素または二酸化炭素を用いた貫流によって、溶解された酸素を取り除かれることがある。有利には、モノマー溶液の酸素含有率は、重合前に、1質量ppm未満、特に好ましくは0.5質量ppm未満に、とりわけ特に好ましくは0.1質量ppm未満に低下される。
【0048】
方法工程i)において、モノマー溶液またはモノマー懸濁液が重合される。適した反応器は、例えば混練反応器またはベルト式反応器である。ニーダー内で、モノマー水溶液またはモノマー懸濁液の重合の際に発生するポリマーゲルが、例えばWO2001/038402号A1内に記載されるとおり、例えば逆回転撹拌シャフト(gegenlaeufige Ruehrwellen)によって連続的に破砕される。ベルト上での重合は、例えばDE3825366号A1およびUS6241928号内に記載されている。ベルト式反応器における重合の際にポリマーゲルが生じ、それをさらなる方法工程ii)において、例えば押出機内またはニーダー内で破砕しなければならない。
【0049】
乾燥特性を改善するために、ニーダーを用いて得られる破砕されたポリマーゲルをさらに押し出すことができる。
【0050】
しかし、モノマー水溶液を液滴化し、且つ生じた液滴を、加熱されたキャリアガス流中で重合させることも可能である。この際、WO2008/040715号A2およびWO2008/052971号A1内に記載されるとおり、方法工程の重合i)と乾燥iii)とを集約することができる。
【0051】
この得られたポリマーゲルの酸基は通常、部分的に中和されている。この中和は、有利には、モノマーの段階で実施される。これは通常、水溶液として、または好ましくは固体として、中和剤を混入することによって行われる。その中和度は、有利には25〜95mol%、特に好ましくは30〜80mol%、とりわけ特に好ましくは40〜75mol%であり、その際、通常の中和剤、有利にはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属炭酸水素塩並びにそれらの混合物を使用できる。アルカリ金属塩の代わりに、アンモニウム塩を使用することもできる。ナトリウムおよびカリウムは、アルカリ金属として特に好ましいが、しかしながら、とりわけ特に好ましいのは、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウム並びにそれらの混合物である。
【0052】
しかし、重合後の中和を、重合の際に生じるポリマーゲルの段階で実施することも可能である。さらに、重合前に酸基を40mol%まで、有利には10〜30mol%、特に好ましくは15〜25mol%、中和剤の一部をモノマー溶液に予め添加することによって中和すること、および所望の最終中和度を重合の後に初めてポリマーゲルの段階で調節することも可能である。ポリマーゲルを少なくとも部分的に重合後に中和する場合、該ポリマーゲルを、有利には機械により、例えば押出機を用いて破砕し、その際、中和剤を吹き付けるか、塗布するか、または注ぎ、その後、入念に混ぜ合わせることができる。そのために、得られたゲル材料をさらに何回も均質化のために押出すことができる。
【0053】
方法工程iii)において、得られたポリマーゲルを乾燥させる。乾燥機は限定されない。しかし、ポリマーゲルの乾燥は、有利にはベルト式乾燥機を用いて、残留湿分含有率が、有利には0.5〜15質量%、特に好ましくは1〜10質量%、とりわけ特に好ましくは2〜8質量%になるまで実施され、ここで残留湿分含有率は、EDANAより推奨される試験法No.WSP 230.2−05 「Moisture Content」に準拠して測定される。残留湿分が高すぎる場合、乾燥されたポリマーゲルは低すぎるガラス転移温度T
gを有し、且つ、さらに加工を行うことが困難となる。残留湿分が低すぎる場合、乾燥されたポリマーゲルは脆すぎ、且つ、引き続く破砕工程において、小さ過ぎる粒径を有するポリマー粒子(「微粉」)を不要に多量に生じる。ゲルの固体含有率は、乾燥前に、有利には25〜90質量%、特に好ましくは35〜70質量%、とりわけ特に好ましくは40〜60質量%である。しかし、選択的には、乾燥のために流動床乾燥機またはパドル乾燥機も使用できる。
【0054】
方法工程iv)において、乾燥したポリマーゲルを粉砕し且つ分級し、その際、粉砕のために通常は1段式または多段式のロール機、好ましくは2段式または3段式のロール機、ピンミル、ハンマーミルまたはスイングミルを用いることができる。
【0055】
生成物画分として分離されたポリマー粒子の中央粒径(mittlere Partikelgroess)は、有利には少なくとも200μm、特に好ましくは250〜600μm、とりわけ好ましくは300〜500μmである。該生成物画分の中央粒径は、EDANAによって推奨される試験法No.WSP 220.2−05 「Partikel Size Distribution」を用いて算出でき、その際、該ふるい画分の質量割合は累積的にプロットされ、且つ中央粒径はグラフにより特定される。この場合、該中央粒径は、累積して50質量%となるメッシュサイズの値である。
【0056】
少なくとも150μmの粒径を有する粒子の割合は、有利には少なくとも90質量%、特に好ましくは少なくとも95質量%、とりわけ特に好ましくは少なくとも98質量%である。
【0057】
小さ過ぎる粒径を有するポリマー粒子は、透過性(SFC)を減少させる。従って、小さ過ぎるポリマー粒子(「微粉」)の割合は低くなければならない。
【0058】
それゆえ、小さ過ぎるポリマー粒子は、通常は分離され、且つ工程に返送される。これは、有利には重合の前、重合の間または重合直後に、即ち、ポリマーゲルの乾燥前に行われる。小さ過ぎるポリマー粒子を、返送前または返送の間に、水および/または水性界面活性剤で湿らせることができる。
【0059】
後の方法工程において、例えば表面の後架橋または他の被覆工程の後、小さ過ぎるポリマー粒子を分離することも可能である。この場合、返送された小さ過ぎるポリマー粒子は、表面が後架橋されているか、もしくは他の手段で被覆され、例えば熱分解法シリカで被覆されている。
【0060】
重合のために混練反応器が使用される場合、小さ過ぎるポリマー粒子は、有利には重合の最後の3分の1の間に添加される。
【0061】
小さ過ぎるポリマー粒子が、非常に早く添加される、例えば、すでにモノマー溶液に添加されている場合、そのことにより、得られる吸水性ポリマー粒子の遠心保持容量(CRC)が低下する。しかし、例えば架橋剤b)の供与量を調整することによって、これを補償できる。
【0062】
小さ過ぎるポリマー粒子が非常に遅く添加される、例えば、重合反応器の後に接続される装置、例えば押出機内ではじめて添加される場合、その小さ過ぎるポリマー粒子が、得られるポリマーゲルに組み込まれるのは困難である。しかし、不充分に組み込まれた小さ過ぎるポリマー粒子は、粉砕の間に、乾燥されたポリマーゲルから再び解放され、従って分級の際に再度分離され、且つ、返送される小さ過ぎるポリマー粒子の量が増加する。
【0063】
最大850μmの粒径を有する粒子の割合は、有利には少なくとも90質量%、特に好ましくは少なくとも95質量%、とりわけ特に好ましくは少なくとも98質量%である。
【0064】
最大600μmの粒径を有する粒子の割合は、有利には少なくとも90質量%、特に好ましくは少なくとも95質量%、とりわけ特に好ましくは少なくとも98質量%である。
【0065】
大き過ぎる粒径を有するポリマー粒子は、膨潤速度を低下させる。それゆえ、大き過ぎるポリマー粒子の割合は同様に低くなければならない。
【0066】
それゆえ、大き過ぎるポリマー粒子は、通常は分離され、且つ、乾燥されたポリマーゲルの粉砕に返送される。
【0067】
該ポリマー粒子を、特性の改善のために、さらなる工程段階v)において熱的に表面を後架橋させることができる。適した表面後架橋剤は、ポリマー粒子の少なくとも2つのカルボキシレート基と共有結合を形成できる基を含有する化合物である。適した化合物は、例えば多官能性アミン、多官能性アミドアミン、多官能性エポキシド(例えばEP0083022号A2、EP0543303号A1およびEP0937736号A2内に記載)、二官能性または多官能性アルコール(例えばDE3314019号A1、DE3523617号A1およびEP0450922号A2内に記載)、またはβ−ヒドロキシアルキルアミド(例えばDE10204938号A1およびUS6239230号内に記載)である。
【0068】
さらに、DE4020780号C1内には環式カーボネートが、DE19807502号A1内には2−オキサゾリドンおよびその誘導体、例えば2−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリドンが、DE19807992号C1内にはビス−およびポリ−2−オキサゾリジノンが、DE19854573号A1内には2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジンおよびその誘導体が、DE19854574号A1内にはN−アシル−2−オキサゾリドンが、DE10204937号A1内には環式尿素が、DE10334584号A1内には二環式アミドアセタールが、EP1199327号A2内にはオキセタンおよび環式尿素が、およびWO2003/31482号A1内にはモルホリン−2,3−ジオンおよびその誘導体が、適した表面後架橋剤として記載されている。
【0069】
好ましい表面後架橋剤は、エチレンカーボネート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリアミドとエピクロロヒドリンとの反応生成物、およびプロピレングリコールと1,4−ブタンジオールとの混合物である。
【0070】
とりわけ特に好ましい表面後架橋剤は、2−ヒドロキシエチルオキサゾリジン−2−オン、オキサゾリジン−2−オンおよび1,3−プロパンジオールである。
【0071】
さらに、DE3713601号A1内に記載されるとおり、付加的に重合可能なエチレン性不飽和基を含有する表面後架橋剤を用いることもできる。
【0072】
表面後架橋剤の量は、それぞれポリマー粒子に対して、有利には0.001〜2質量%、特に好ましくは0.02〜1質量%、とりわけ特に好ましくは0.05〜0.2質量%である。
【0073】
本発明の好ましい実施態様において、表面を後架橋する前、その間またはその後に、表面後架橋剤に加えて、多価カチオンが粒子表面上に施与される。
【0074】
本発明による方法において用いることができる多価カチオンは、例えば二価のカチオン、例えば亜鉛、マグネシウム、カルシウム、鉄およびストロンチウムのカチオン、三価のカチオン、例えばアルミニウム、鉄、クロム、希土類元素およびマンガンのカチオン、四価のカチオン、例えばチタンおよびジルコニウムのカチオンである。対イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオンおよびカルボン酸イオン、例えば酢酸イオンおよび乳酸イオンが可能である。硫酸アルミニウムおよび乳酸アルミニウムが好ましい。金属塩以外に、ポリアミンも多価カチオンとして用いることができる。
【0075】
多価カチオンの供与量は、それぞれポリマー粒子に対して、例えば0.001〜1.5質量%、有利には0.005〜1質量%、特に好ましくは0.02〜0.8質量%である。
【0076】
表面の後架橋は通常、表面後架橋剤の溶液を、乾燥されたポリマー粒子上に吹き付けて実施される。この吹き付けに続いて、表面後架橋剤で被覆されたポリマー粒子を熱により乾燥させ、その際、表面の後架橋反応は乾燥前にも乾燥の間にも生じ得る。
【0077】
表面後架橋剤の溶液の吹き付けを、有利には、可動式混合器具を備えたミキサー、例えばスクリューミキサー、ディスクミキサーおよびパドルミキサー内で実施する。横型ミキサー、例えばパドルミキサーが特に好ましく、縦型ミキサーがとりわけ特に好ましい。横型ミキサーと縦型ミキサーとは、混合シャフトの取り付け部により区別され、即ち、横型ミキサーは、水平に取り付けられた混合シャフトを有し、且つ縦型ミキサーは、垂直に取り付けられた混合シャフトを有する。適したミキサーは例えば、縦型のPflugschar(登録商標)ミキサー(Gebr. Loedige Maschinenbau GmbH; パーダーボルン; ドイツ)、Vrieco−Nauta Continuousミキサー(Hosokawa Micron BV; ドゥーティンヘム; オランダ)、Processall Mixmillミキサー(Processall Incorporated; シンシナティ; 米国)、およびSchugi Flexomix(登録商標) (Hosokawa Micron BV; ドゥーティンヘム; オランダ)である。しかし、表面後架橋剤の溶液を流動床中で吹き付けることも可能である。
【0078】
表面後架橋剤は、典型的には、水溶液として用いられる。非水性の溶剤含有率もしくは全体の溶剤量によって、ポリマー粒子中への表面後架橋剤の浸透の深さを調節することができる。
【0079】
溶媒としてもっぱら水を使用する場合、有利には界面活性剤を添加する。それによって濡れ挙動が改善され、且つ凝塊形成傾向が減少される。しかし有利には、溶剤の混合物、例えばイソプロパノール/水、1,3−プロパンジオール/水およびプロピレングリコール/水が用いられ、その際、この混合質量比は有利には20:80〜40:60である。
【0080】
熱による表面の後架橋を、有利には接触乾燥機、特に好ましくはパドル乾燥機、とりわけ特に好ましくはディスク乾燥機内で実施する。適した乾燥機は、例えばHosokawa Bepex(登録商標) Horizontal Paddle Dryer(Hosokawa Micron GmbH; ラインガルテン; ドイツ)、Hosokawa Bepex(登録商標) Disc Dryer(Hosokawa Micron GmbH; ラインガルテン; ドイツ)およびNara Paddle Dryer (Nara Machinery Europe; フレッヒェン; ドイツ)である。さらに、流動床乾燥機を用いることもできる。
【0081】
熱による表面の後架橋は、混合機自体の中で、ジャケットの加熱または熱風の吹き込みによって行なうことができる。後に接続される乾燥機、例えばシェルフ乾燥機、回転管状炉または加熱可能なスクリューコンベヤが、同様に適している。流動層乾燥機内で混合および乾燥されることが特に有利である。
【0082】
好ましい表面の後架橋温度は、100〜250℃、好ましくは120〜220℃、特に好ましくは130〜210℃、とりわけ特に好ましくは150〜200℃の範囲にある。この温度での、反応ミキサーまたは乾燥機内での好ましい滞留時間は、有利には少なくとも10分間、特に好ましくは少なくとも20分間、とりわけ特に好ましくは少なくとも30分間であり、且つ通常は最長60分間である。
【0083】
引き続き、表面が後架橋されたポリマー粒子を再度分級でき、その際、小さ過ぎるポリマー粒子および/または大き過ぎるポリマー粒子は分離され、且つ、工程に返送される。
【0084】
表面が後架橋されたポリマー粒子を、特性のさらなる改善のために被覆するか、または後で加湿することができる。
【0085】
後の加湿は、有利には30〜80℃、特に好ましくは35〜70℃、とりわけ特に好ましくは40〜60℃で実施される。低過ぎる温度では、吸水性ポリマー粒子は凝塊形成する傾向にあり、且つ比較的高い温度では、すでに水が顕著に蒸発する。後の加湿のために用いられる水量は、有利には1〜10質量%、特に好ましくは2〜8質量%、とりわけ特に好ましくは3〜5質量%である。後の加湿によって、ポリマー粒子の機械的安定性が高められ、且つ静電帯電傾向が低減される。
【0086】
膨潤速度並びに透過性(SFC)を改善するために適した被覆は、例えば無機の不活性物質、例えば水不溶性の金属塩、有機ポリマー、カチオン性ポリマー並びに二価または多価の金属カチオンである。ダストを結合するために適した被覆は例えばポリオールである。ポリマー粒子の望ましくない充填(Verbackung)傾向に対して適したコーティングは、例えば熱分解法シリカ、例えばAerosil(登録商標) 200および界面活性剤、例えばSpan(登録商標) 20である。
【0087】
本発明のさらなる対象は、本発明による方法によって得られた吸水性ポリマー粒子である。
【0088】
本発明のさらなる対象は、下記:
a’) 少なくとも1つの重合されたエチレン性不飽和の酸基含有モノマーa)、該モノマーは少なくとも部分的に中和されていてよい、
b’) 少なくとも1つの重合された架橋剤b)、
c’) 随意に、1つまたはそれより多くの、a)で挙げられたモノマーと共重合されたエチレン性不飽和モノマーd)、および
d’) 随意に、1つまたはそれより多くの水溶性ポリマーe)、
を含有する吸水性ポリマー粒子であって、該吸水性ポリマー粒子は、
・ 少なくとも1つの無機のリン酸および/またはその塩、および
・ 少なくとも1つの有機の2−ヒドロキシ酸および/またはその塩
を含有し、該無機のリン酸中のリンは+V未満の酸化数を有し、且つ、該有機の2−ヒドロキシ酸はポリマー構造を有さない。ポリマー構造を有する有機の2−ヒドロキシ酸は、重合の際、エチレン性不飽和基を有する2−ヒドロキシ酸を使用する場合に生じる。
【0089】
本発明による方法によって製造された吸水性ポリマー粒子は、典型的には少なくとも15g/g、有利には少なくとも20g/g、好ましくは少なくとも22g/g、特に好ましくは少なくとも24g/g、とりわけ特に好ましくは少なくとも26g/gの遠心保持容量(CRC)を有する。吸水性ポリマー粒子の遠心保持容量(CRC)は通常、60g/g未満である。この遠心保持容量(CRC)は、EDANAにより推奨される試験法No.WSP241.2−05 「Centrifuge Retention Capacity」に準拠して測定される。
【0090】
本発明による方法によって製造された吸水性ポリマー粒子は、49.2g/cm
2の圧力下で、典型的には少なくとも15g/g、有利には少なくとも20g/g、好ましくは少なくとも22g/g、特に好ましくは少なくとも24g/g、とりわけ特に好ましくは少なくとも26g/gの吸収量を有する。吸水性ポリマー粒子の49.2g/cm
2の圧力下での吸収量は通常、35g/g未満である。49.2g/cm
2の圧力下での吸収量は、EDANAにより推奨される試験法No.WSP242.2−05 「Absorption under pressure」と類似して測定され、その際、21.0g/cm
2の圧力の代わりに、49.2g/cm
2の圧力に調節される。
【0091】
本発明のさらなる対象は、少なくとも1つの本発明による組成物を含有する衛生物品、殊に女性用衛生物品、軽度および重度の失禁用衛生物品、または小動物用の敷物である。
【0092】
衛生物品は通常、水不透過性の裏面、水透過性の表面、およびその間に、本発明による吸水性ポリマー粒子および繊維、有利にはセルロースからの吸収性の芯材を有する。吸収性の芯材中の本発明による吸水性ポリマー粒子の割合は、有利には20〜100質量%、好ましくは50〜100質量%である。
【0093】
吸水性ポリマー粒子は、以下に記載される試験方法を用いて試験される。
【0094】
「WSP」と称される標準的な試験法は、「Worldwide Strategie Partners」 EDANA,Avenue Eugene Plasky,157,1030 ブリュッセル、ベルギー、www.edana.org)およびINDA,1100 Crescent Green,Cary,NC 27518、米国、www.inda.org)から共同出版された「Standard Test Methods for the Nonwovens Industry」、2005版内に記載されている。この開示内容については、EDANAからも、INDAからも得られる。
【0095】
方法:
特段記載されない限り、測定は23±2℃の周囲温度および50±10%の相対空気湿度で実施されるものとする。吸水性ポリマー粒子は、測定前によく混合される。
【0096】
遠心保持容量(Centrifuge Retention Capacity)
遠心保持容量(CRC)を、EDANAにより推奨される試験法No.WSP 241.2−05 「Centrifuge Retention Capacity」に準拠して測定する。
【0097】
49.2g/cm2の圧力下での吸収(Absorption under Pressure)
49.2g/cm
2(AUL0.7psi)の圧力下での吸収を、EDANAにより推奨される試験法No.WSP 242.2−05 「Absorption under Pressure」と類似して測定し、その際、21.0g/cm
2(AUL0.3psi)の圧力の代わりに、49.2g/cm
2(AUL0.7psi)の圧力に調節する。
【0098】
抽出分
抽出分を、EDANAによって推奨される試験法No.WSP 270.2−05 「Extractable」に準拠して測定する。
【0099】
液体移送性(Saline Flow Conductivity)
0.3psi(2070Pa)の圧力負荷下での膨潤ゲル層の液体移送性(SFC)を、EP0640330号A1内に記載されるとおり、吸収性ポリマー粒子製の膨潤ゲル層のゲル層透過性として測定し、その際、上記の特許出願の19ページおよび
図8内に記載される装置は、ガラスフリット(40)をもはや使用せず、プランジャ(39)がシリンダ(37)と同様のプラスチック材料からなり、且つ、そのとき全載置面にわたって均一に分布するように21個の同じ大きさの孔を含有するように改造された。測定の手順並びに評価は、EP0640330号A1から変更されていない。流量は自動的に検出される。
【0100】
液体移送性(SFC)は、以下のとおりに計算される:
SFC[cm
3s/g]=(Fg(t=0)×L0)/(d×A×WP)
ここで、Fg(t=0)は、g/秒でのNaCl溶液の流量であり、これは、流量測定のデータFg(t)の線形の回帰分析をもとにt=0に対する外挿によって得られ、L0は、cmでのゲル層の厚さであり、dは、g/cm
3でのNaCl溶液の密度であり、Aは、cm
2でのゲル層の面積であり、WPは、dyn/cm
2でのゲル層上での静水力学的圧力である。
【0101】
ゲルベッド透過性(Gel Bed Permeability)
0.3psi(2070Pa)の圧力負荷下での膨潤ゲル層のゲルベッド透過性(GBP)を、US2005/02567575号(段落[0061]および[0075])内に記載される通り、吸水性ポリマー粒子製の膨潤ゲル層のゲルベッド透過性として測定する。
【0102】
CIE色数(L、a、b)
色測定は、CIELAB法(Hunterlab、第8巻、1996年、第7分冊、1〜4ページ)に相応して、色度計、型式「LabScan XE S/N LX17309」(HunterLab、レストン、米国)を用いて行う。ここで、色は三次元系の座標L、a、およびbによって記載される。ここで、Lは明度を表し、ここでL=0は黒を意味し、且つL=100は白を意味する。aおよびbについての値は、色軸の赤/緑もしくは黄/青上での色の位置を示し、ここで、+aは赤色、−aは緑色、+bは黄色、且つ−bは青色を指す。式 HC60=L−3bに従って、HC60値を算出する。
【0103】
この色測定は、DIN5033−6による3領域法に相応する。
【0104】
エージング試験
測定1(初めの色):内径9cmのプラスチックシャーレを超吸収体の粒子でいっぱいに満たし、その後、これを、ナイフを用いて縁に沿って平らにならし、そしてCIE色数並びにHC60値を測定する。
【0105】
測定2(エージング後):内径9cmのプラスチックシャーレを超吸収体の粒子でいっぱいに満たし、その後、これを、ナイフを用いて縁に沿って平らにならす。その後、該シャーレを覆わずに86%の一定の相対湿度で60℃に調温された空調箱内に置く。該シャーレを、21日経過後に取り出す。室温に冷却後、CIE色数並びにHC60値を再度測定する。
【0106】
実施例
例1(比較例):
2Lの特殊鋼製カップ内に、50質量%の苛性ソーダ326.7gと、凍結させた脱塩水849gを装入した。撹拌しながらアクリル酸392.0gを添加し、その際、添加速度を、温度が35℃を超えないように調整した。その後、該混合物を撹拌しながら、冷浴を用いて冷却した。混合物の温度が20℃に低下したとき、三箇所エトキシル化されたグリセリントリアクリレート0.804g、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(DAROCUR(登録商標)1173、Ciba Specialty Chemicals Inc.; バーゼル; スイス)0.041g、および2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(IRGACURE(登録商標)651、Ciba Specialty Chemicals Inc.;バーゼル、スイス)0.014gを添加した。さらに冷却し、そして15℃に達した際に、ガラスフリットを用いて窒素を導通させることによって、該混合物から酸素を取り除く。0℃に達した際に、過硫酸ナトリウム0.482g(脱塩水5mlに溶解)と、30質量%の過酸化水素溶液0.197g(脱塩水6mlに溶解)とを添加し、該モノマー溶液をガラスシャーレに移した。モノマー溶液の層厚が5cmに調節されるように、ガラスシャーレの寸法を決定した。引き続き、アスコルビン酸0.020g(脱塩水5ml中に溶解)を添加し、且つ、ガラス棒を用いてモノマー溶液を短時間、充分に攪拌した。モノマー溶液が入ったガラスシャーレをUVランプ(UV強度=20mW/cm
2)の下に置き、その際、重合が開始した。16分後、得られたポリマーゲルを、3回、6mmの開孔板を備えた市販の肉挽き機を用いて押出成形し、そして空気循環乾燥棚内にて160℃で1時間、乾燥させた。その後、乾燥させたポリマーゲルを粉砕し、粒径150〜600μmに篩別した。
【0107】
このベースポリマーを、表面の後架橋のために、加熱ジャケットを備えたPflugschar(登録商標)のM5型ミキサー(Gebr. Loedige Maschinenbau GmbH;パーダーボルン;ドイツ)内で、23℃、且つ毎分450回転のシャフト回転数で、二流体噴霧ノズルを用いて、それぞれベースポリマーに対して1.0質量%の1,3−プロパンジオールと、0.06質量%のN−(2−ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリジノンと、2.3質量%の脱塩水と、0.3質量%の乳酸アルミニウムの(22質量%の)水溶液との混合物で被覆した。
【0108】
吹き付け後に、生成物の温度を170℃に上げ、且つ、該反応混合物を、60分間、この温度且つ毎分60回転のシャフト回転数で保持した。得られた生成物を、再び周囲温度に冷却した。表面を後架橋された吸水性ポリマー粒子は、粒径150μm〜600μmに篩別され、且つ以下の特性を有していた:
CRC=37.4g/g
AUL0.7psi=16.4g/g
抽出分=12.8質量%。
【0109】
得られる吸水性ポリマー粒子は、CIE色数がL=88.7、a=−0.6、およびb=9.1であり、且つHC60値が61.4であった。
【0110】
例2(比較例)
実施例1と同様に実施した。モノマー溶液に、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩0.392g(脱塩水10ml中に溶解)を、0.020gのアスコルビン酸の代わりに添加した。
【0111】
表面を後架橋された吸水性ポリマー粒子は、粒径150μm〜600μmに篩別され、且つ以下の特性を有していた:
CRC=37.7g/g
AUL0.7psi=17.1g/g
抽出分=13.4質量%。
【0112】
得られる吸水性ポリマー粒子は、CIE色数がL=90.0、a=−0.8、およびb=8.5であり、且つHC60値が64.5であった。
【0113】
例3(比較例)
実施例1と同様に実施した。モノマー溶液に、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩0.980g(脱塩水15ml中に溶解)を、0.020gのアスコルビン酸の代わりに添加した。
【0114】
表面を後架橋された吸水性ポリマー粒子は、粒径150μm〜600μmに篩別され、且つ以下の特性を有していた:
CRC=37.9g/g
AUL0.7psi=16.8g/g
抽出分=13.9質量%。
【0115】
得られる吸水性ポリマー粒子は、CIE色数がL=90.3、a=−0.8、およびb=7.9であり、且つHC60値が66.6であった。
【0116】
例4
実施例1と同様に実施した。モノマー溶液に、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩0.392g(脱塩水10ml中に溶解)を、0.020gのアスコルビン酸の代わりに添加した。追加的に、3回押し出されたポリマーゲルを、次亜リン酸ナトリウム1.96g(脱塩水10ml中に溶解)と混合し、さらに2回押し出した。
【0117】
表面を後架橋された吸水性ポリマー粒子は、粒径150μm〜600μmに篩別され、且つ以下の特性を有していた:
CRC=37.5g/g
AUL0.7psi=16.6g/g
抽出分=13.6質量%。
【0118】
得られる吸水性ポリマー粒子は、CIE色数がL=90.5、a=−0.8、およびb=6.9であり、且つHC60値が69.8であった。
【0119】
例5
実施例1と同様に実施した。モノマー溶液に、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩0.392g(脱塩水10ml中に溶解)を、0.020gのアスコルビン酸の代わりに添加した。追加的に、3回押し出されたポリマーゲルを、次亜リン酸ナトリウム3.92g(脱塩水15ml中に溶解)と混合し、さらに2回押し出した。
【0120】
表面を後架橋された吸水性ポリマー粒子は、粒径150μm〜600μmに篩別され、且つ以下の特性を有していた:
CRC=37.8g/g
AUL0.7psi=16.9g/g
抽出分=13.8質量%。
【0121】
得られる吸水性ポリマー粒子は、CIE色数がL=91.1、a=−0.8、およびb=6.3であり、且つHC60値が72.2であった。
【0122】
例6(比較例)
実施例1と同様に実施した。追加的に、3回押し出されたポリマーゲルを、次亜リン酸ナトリウム3.92g(脱塩水15ml中に溶解)と混合し、さらに2回押し出した。
【0123】
表面を後架橋された吸水性ポリマー粒子は、粒径150μm〜600μmに篩別され、且つ以下の特性を有していた:
CRC=37.9g/g
AUL0.7psi=16.2g/g
抽出分=13.5質量%。
【0124】
得られる吸水性ポリマー粒子は、CIE色数がL=89.1、a=−0.7、およびb=8.2であり、且つHC60値が74.5であった。
【0125】
例7
実施例1と同様に実施した。モノマー溶液に、Brueggolite(登録商標)FF6 (脱塩水10ml中に溶解)0.392gを、0.020gのアスコルビン酸の代わりに添加した。Brueggolite(登録商標)FF6は、2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸のナトリウム塩と、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩と、重亜硫酸ナトリウムとからの混合物である (Brueggemann Chemicals; ハイルブロン; ドイツ)。追加的に、3回押し出されたポリマーゲルを、次亜リン酸ナトリウム1.96g(脱塩水10ml中に溶解)と混合し、さらに2回押し出した。
【0126】
表面を後架橋された吸水性ポリマー粒子は、粒径150μm〜600μmに篩別され、且つ以下の特性を有していた:
CRC=43.9g/g
AUL0.7psi=11.7g/g
抽出分=28.9質量%。
【0127】
得られる吸水性ポリマー粒子は、CIE色数がL=90.1、a=−0.7、およびb=7.4であり、且つHC60値が67.9であった。
【0128】
例8
実施例1と同様に実施した。モノマー溶液に、2−ヒドロキシ−2−ホスホナト酢酸0.980g(脱塩水15ml中に溶解)を、0.020gのアスコルビン酸の代わりに添加した。追加的に、3回押し出されたポリマーゲルを、次亜リン酸ナトリウム1.96g(脱塩水10ml中に溶解)と混合し、さらに2回押し出した。
【0129】
表面を後架橋された吸水性ポリマー粒子は、粒径150μm〜600μmに篩別され、且つ以下の特性を有していた:
CRC=37.4g/g
AUL0.7psi=17.3g/g
抽出分=12.8質量%。
【0130】
得られる吸水性ポリマー粒子は、CIE色数がL=90.7、a=−0.8、およびb=6.8であり、且つHC60値が70.3であった。
【0131】
例9
実施例1と同様に実施した。モノマー溶液に、1−ヒドロキシ−1,1’−エチリデンジホスホン酸1.57g(脱塩水20ml中に溶解)を、0.020gのアスコルビン酸の代わりに添加した。追加的に、3回押し出されたポリマーゲルを、次亜リン酸ナトリウム2.65g(脱塩水10ml中に溶解)と混合し、さらに2回押し出した。
【0132】
表面を後架橋された吸水性ポリマー粒子は、粒径150μm〜600μmに篩別され、且つ以下の特性を有していた:
CRC=38.1g/g
AUL0.7psi=16.5g/g
抽出分=14.0質量%。
【0133】
得られる吸水性ポリマー粒子は、CIE色数がL=91.0、a=−0.9、およびb=6.2であり、且つHC60値が72.4であった。
【0134】
例10
実施例1と同様に実施した。追加的に、3回押し出されたポリマーゲルを、次亜リン酸ナトリウム3.14g(脱塩水10ml中に溶解)および2−ヒドロキシ−2−ホスホナト酢酸1.18g(脱塩水10ml中に溶解)と混合し、且つ、さらに2回押し出した。
【0135】
表面を後架橋された吸水性ポリマー粒子は、粒径150μm〜600μmに篩別され、且つ以下の特性を有していた:
CRC=37.9g/g
AUL0.7psi=17.4g/g
抽出物=13.0質量%。
【0136】
得られる吸水性ポリマー粒子は、CIE色数がL=90.7、a=−0.7、およびb=7.1であり、且つHC60値が69.4であった。
【0137】
実施例11
実施例1と同様に実施した。モノマー溶液に、次亜リン酸ナトリウム0.980g(脱塩水5ml中に溶解)を、0.020gのアスコルビン酸の代わりに添加した。追加的に、3回押し出されたポリマーゲルを、2−ヒドロキシ−2−ホスホナト酢酸1.18g(脱塩水10ml中に溶解)と混合し、さらに2回押し出した。
【0138】
表面を後架橋された吸水性ポリマー粒子は、粒径150μm〜600μmに篩別され、且つ以下の特性を有していた:
CRC=57.3g/g
AUL0.7psi=10.2g/g
抽出分=46.8質量%。
【0139】
得られる吸水性ポリマー粒子は、CIE色数がL=89.6、a=−0.8、およびb=8.0であり、且つHC60値が65.4であった。
【0140】
例12
容積5Lを有する、Pflugschar(登録商標)パドル乾燥機VT 5R−MK型(Gebr. Loedige Maschinenbau GmbH; パーダーボルン: ドイツ)内で、脱イオン水468g、アクリル酸244.3g、アクリル酸ナトリウムの(37.3質量%の)水溶液1924.9g、およびSartomer(登録商標) SR−344(モル質量約400g/molを有するポリエチレングリコールのジアクリレート) 3.28gを装入し、且つ、20分間、窒素でバブリング(Durchperlen)しながら不活性化した。反応器のシャフトを連続的に、毎分96回転で回転させた。その際、該反応混合物を、次の開始剤の添加が約20℃で行われるように外部から冷却した。最後に、Pflugschar(登録商標)パドル乾燥機内で、攪拌しながら、さらに過硫酸ナトリウム(脱塩水12.12g中に溶解)2.139g、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩(脱塩水20ml中に溶解)1.19g、および過酸化水素の30質量%の水溶液(脱塩水1.15gで希釈)0.127gを、迅速に次々と加えた。反応が遅滞なく開始し、且つ内部温度が30℃に達した際にジャケットを80℃の熱い伝熱媒体で加熱して、該反応を可能な限り断熱的に終了させた。最高温度に達した後、生じたポリマーゲルが50℃未満に冷却されるように再度冷却し(−12℃の冷却液)、その後、搬出した。得られるポリマーゲルを、6mmの開孔板を備えた市販の肉挽き器を用いて3回押し出し、次亜リン酸ナトリウム3.97g(脱塩水15ml中に溶解)と混合し、且つ、さらに2回押し出した。その後、該ポリマーゲルを空気循環乾燥棚内にて、160℃で1時間の間、乾燥させた。その後、乾燥させたポリマーゲルを粉砕し、粒径150〜710μmに篩別した。
【0141】
このベースポリマーを、表面の後架橋のために、加熱ジャケットを備えたPflugschar(登録商標)のM5型ミキサー(Gebr. Loedige Maschinenbau GmbH;パーダーボルン;ドイツ)内で、23℃、且つ毎分450回転のシャフト回転数で、二流体噴霧ノズルを用いて、それぞれベースポリマーに対して1.0質量%の1,3−プロパンジオールと、0.125質量%のN−(2−ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリジノンと、1.5質量%の脱塩水と、0.003質量%のSpan(登録商標)20(ソルビタンモノラウレート)と、2.8質量%の硫酸アルミニウムの(26.8質量%の)水溶液との混合物で被覆した。
【0142】
吹き付け後に、生成物の温度を180℃に上げ、且つ、該反応混合物を、50分間、この温度且つ毎分60回転のシャフト回転数で保持した。得られた生成物を、再び周囲温度に冷却した。表面を後架橋された吸水性ポリマー粒子は、粒径150μm〜710μmに篩別され、且つ以下の特性を有していた:
CRC=27.5g/g
AUL0.7psi=22.6g/g
SFC=145×10
-7cm
3/g
GBP=120ダルシー。
【0143】
得られる吸水性ポリマー粒子は、CIE色数がL=92.5、a=−0.5およびb=3.6であり、且つHC60値が81.7であった。
【0144】
例13
実施例12と同様に実施した。モノマー溶液に、アスコルビン酸0.020g(脱塩水10ml中に溶解)を、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩の代わりに添加した。追加的に、3回押し出されたポリマーゲルを、次亜リン酸ナトリウム3.97gの代わりに、次亜リン酸ナトリウム4.77g(脱塩水15ml中に溶解)および1−ヒドロキシ−1,1’−エチリデンジホスホン酸の二ナトリウム塩4.77g(脱塩水30ml中に溶解)と混合し、且つ、さらに2回押し出した。
【0145】
表面を後架橋された吸水性ポリマー粒子は、粒径150μm〜710μmに篩別され、且つ以下の特性を有していた:
CRC=28.1g/g
AUL0.7psi=23.8g/g
SFC=138×10
-7cm
3s/g
GBP=12ダルシー。
【0146】
得られる吸水性ポリマー粒子は、CIE色数がL=92.8、a=−0.8、およびb=4.0であり、且つHC60値が80.8であった。
【0147】
例14
アクリル酸ナトリウムの(37.5質量%の)水溶液14.3kg、アクリル酸1.4kg、および脱塩水350gを、3箇所エトキシル化されたグリセリントリアクリレート10.6gと混合した。この溶液を、温められ、窒素雰囲気で満たされた液滴化塔(Vertropfungsturm)(180℃、高さ12m、直径2m、ガス速度0.1m/秒、並流、液滴化部は直径40mm、内部高さ2mmであり、且つ、各々直径200μmの60個の開孔部を有する液滴化プレートを有する)内で、32kg/hの供給速度で液滴化した。溶液の温度は25℃であった。液滴化部の直前で、スタティックミキサーによって、モノマー溶液を3つの溶液と混合した。溶液1として2,2’−アゾビス−[2−(2−イミダゾリン−2−イル)−プロパン]−ジヒドロクロリドの、脱塩水中の6質量%の溶液を使用し、溶液2としてペルオキソ二硫酸ナトリウムの、脱塩水中の6質量%の溶液を使用し、且つ、溶液3として2−ヒドロキシ−2−ホスホナト酢酸の、脱塩水中の10質量%の溶液を使用した。溶液1の供給速度は0.642kg/hであり、溶液2の供給速度は0.458kg/hであり、且つ、溶液3の供給速度は0.275kg/hであった。得られるポリマー粒子を、粒径150〜850μmに篩別し、適宜、形成された凝塊を分離する。
【0148】
このベースポリマーを、加熱ジャケットを備えたPflugschar(登録商標)ミキサー M5型(Gebr. Loedige Maschinenbau GmbH; パーダーボルン; ドイツ)内、23℃且つ毎分250回転のシャフト回転数で、二流体ノズルを用い、ベースポリマーに対して2.0質量%の次亜リン酸ナトリウムの30質量%水溶液で被覆した。
【0149】
吹き付け後、該反応混合物を、15分間、毎分60回転のシャフト回転数で保持した。被覆された吸水性ポリマー粒子は、粒径150μm〜850μmに篩別され、且つ以下の特性を有していた:
CRC=32.7g/g
AUL0.7psi=23.2g/g
SFC=20×10
-7cm
3s/g。
【0150】
得られる吸水性ポリマー粒子は、CIE色数がL=93.4、a=0.3、およびb=2.4であり、且つHC60値が86.2であった。
【0151】
例15
実施例14と同様に実施した。溶液3として、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩の、脱塩水中の7質量%溶液を使用した。溶液1の供給速度は0.275kg/hに変更され、且つ、溶液3の供給速度は0.314kg/hであった。
【0152】
得られたベースポリマーを、表面の後架橋のために、加熱ジャケットを備えたPflugschar(登録商標)のM5型ミキサー(Gebr. Loedige Maschinenbau GmbH;パーダーボルン;ドイツ)内で、23℃、且つ毎分450回転のシャフト回転数で、二流体噴霧ノズルを用いて、それぞれベースポリマーに対して1.0質量%の1,2−プロパンジオールと、0.1質量%のエチレングリコールジグリシジルエーテル、1.0質量%の脱塩水と、2.0質量%の次亜リン酸ナトリウムの(30質量%)水溶液との混合物で被覆した。
【0153】
吹き付け後に、生成物の温度を150℃に上げ、且つ、該反応混合物を、60分間、この温度且つ毎分60回転のシャフト回転数で保持した。得られた生成物を、再び周囲温度に冷却した。表面を後架橋された吸水性ポリマー粒子を、150〜850μmの粒径に篩別した。
【0154】
表面を後架橋されたポリマー粒子150gを、500mlのポリエチレン容器内でSipernat(登録商標) D17(疎水性沈降シリカ)0.30gと混合し、且つ、T2C型の揺動ミキサー(Willy A.Bachofen AG Maschinenfabrik; バーゼル; スイス)を用いて15分間、完全に混合した。
【0155】
被覆された吸水性ポリマー粒子は、以下の特性を有していた:
CRC=28.2g/g
AUL0.7psi=22.0g/g
SFC=31×10
-7cm
3s/g。
【0156】
得られる吸水性ポリマー粒子は、CIE色数がL=93.2、a=0.4およびb=2.5であり、且つHC60値が85.7であった。
【0157】
表1: エージング試験後の結果
【表1】