(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
処理液を貯留する処理液容器と、被処理基板に上記処理液を吐出する吐出ノズルと、上記処理液容器と上記吐出ノズルを接続する供給管路と、上記供給管路に介設され、上記処理液を濾過するフィルタと、上記フィルタの二次側の上記供給管路に介設されるポンプと、上記ポンプと上記フィルタの二次側の供給管路を接続する戻り管路と、上記ポンプの上記フィルタとの接続部、上記吐出ノズルとの接続部及び上記戻り管路との接続部にそれぞれ設けられる第1,第2及び第3の開閉弁と、上記ポンプ及び上記第1,第2,第3の開閉弁を制御する制御部とを具備する液処理装置に用いられ、コンピュータに制御プログラムを実行させるソフトウェアが記憶されたコンピュータ読取可能な液処理用記憶媒体であって、
上記制御プログラムは、上記ポンプの吸入により上記フィルタを通過する所定量の処理液を上記ポンプ内に吸入する工程と、上記ポンプ内に吸入された上記処理液の一部を上記吐出ノズルから吐出する工程と、上記ポンプ内の残りの処理液を上記フィルタの一次側に戻す工程と、上記処理液容器からの補充量を戻り量に加えて合成する工程と、合成された処理液の吐出と上記フィルタによる濾過を行う工程を実行するように組まれていることを特徴とする液処理用記憶媒体。
処理液を貯留する処理液容器と、被処理基板に上記処理液を吐出する吐出ノズルと、上記処理液容器と上記吐出ノズルを接続する供給管路と、上記供給管路に介設され、上記処理液を濾過するフィルタと、上記フィルタの二次側の上記供給管路に介設されるポンプと、上記ポンプと上記フィルタの一次側を接続する主戻り管路と、上記フィルタの二次側と該フィルタの一次側を接続する副戻り管路とからなる戻り管路と、上記ポンプの上記フィルタとの接続部、上記吐出ノズルとの接続部及び上記戻り管路との接続部にそれぞれ設けられる第1,第2及び第3の開閉弁と、上記ポンプ及び上記第1,第2,第3の開閉弁を制御する制御部とを具備する液処理装置に用いられ、コンピュータに制御プログラムを実行させるソフトウェアが記憶されたコンピュータ読取可能な液処理用記憶媒体であって、
上記制御プログラムは、上記ポンプの吸入により上記フィルタを通過する所定量の処理液を上記ポンプ内に吸入する工程と、上記ポンプ内に吸入された上記処理液の一部を上記吐出ノズルから吐出する工程と、上記ポンプ内の残りの処理液を上記フィルタの一次側に戻す工程と、上記処理液容器からの補充量を戻り量に加えて合成する工程と、合成された処理液の吐出と上記フィルタによる濾過を行う工程を実行するように組まれていることを特徴とする液処理用記憶媒体。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】この発明に係る液処理装置を適用した塗布・現像処理装置に露光処理装置を接続した処理システムの全体を示す概略斜視図である。
【
図3】この発明に係る液処理装置の第1実施形態を示す概略断面図である。
【
図4】第1実施形態の液処理装置におけるポンプ吸入動作を示す概略断面図である。
【
図5】第1実施形態の液処理装置における処理液吐出動作を示す概略断面図である。
【
図6】第1実施形態の液処理装置における処理液循環動作を示す概略断面図である。
【
図7】第1実施形態の液処理装置におけるポンプを示す概略断面図である。
【
図8】第1実施形態の液処理装置における1回目のポンプ吸入動作時の合成濾過回数を示す概略断面図である。
【
図9】第1実施形態の液処理装置における処理液吐出動作時の吐出量を示す概略断面図である。
【
図10】第1実施形態の液処理装置における処理液循環動作時の循環量と合成濾過回数を示す概略断面図である。
【
図11】第1実施形態の液処理装置における2回目のポンプ吸入動作時の合成濾過回数を示す概略断面図である。
【
図12】第1実施形態の液処理装置における一連のポンプ吸入動作、処理液吐出動作、処理液循環動作を示すフローチャートである。
【
図13】レジスト液のウエハへの吐出量と戻り量の比率に対する合成濾過回数を示すグラフである。
【
図14】この発明に係る液処理装置の第2実施形態を示す概略断面図である。
【
図15】第2実施形態の液処理装置におけるポンプ吸入動作を示す概略断面図である。
【
図16】第2実施形態の液処理装置における処理液吐出動作を示す概略断面図である。
【
図17】第2実施形態の液処理装置における処理液循環動作を示す概略断面図である。
【
図18】この発明に係る液処理装置の第3実施形態を示す概略断面図である。
【
図19】第3実施形態の液処理装置におけるポンプ吸入動作を示す概略断面図である。
【
図20】第3実施形態の液処理装置における処理液吐出動作を示す概略断面図である。
【
図21】第3実施形態の液処理装置における処理液循環動作を示す概略断面図である。
【
図22】この発明に係る液処理装置の第3実施形態の一の変形例を示す概略断面図である。
【
図23】この発明に係る液処理装置の第3実施形態の他の変形例を示す概略断面図である。
【
図24】この発明に係る液処理装置の第3実施形態の他の変形例を示す概略断面図である。
【
図25】この発明に係る液処理装置の第3実施形態の他の変形例を示す概略断面図である。
【
図26】この発明に係る液処理装置の第4実施形態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施形態について、添付図面に基づいて説明する。ここでは、この発明に係る液処理装置(レジスト液処理装置)を塗布・現像処理装置に適用した場合について説明する。
【0023】
上記塗布・現像処理装置は、
図1及び
図2に示すように、被処理基板であるウエハWを複数枚例えば25枚密閉収納するキャリア10を搬出入するためのキャリアステーション1と、このキャリアステーション1から取り出されたウエハWにレジスト塗布,現像処理等を施す処理部2と、ウエハWの表面に光を透過する液層を形成した状態でウエハWの表面を液浸露光する露光部4と、処理部2と露光部4との間に接続されて、ウエハWの受け渡しを行うインターフェース部3とを具備している。
【0024】
キャリアステーション1には、キャリア10を複数個並べて載置可能な載置部11と、この載置部11から見て前方の壁面に設けられる開閉部12と、開閉部12を介してキャリア10からウエハWを取り出すための受け渡し手段A1とが設けられている。
【0025】
インターフェース部3は、処理部2と露光部4との間に前後に設けられる第1の搬送室3A及び第2の搬送室3Bにて構成されており、それぞれに第1のウエハ搬送部30A及び第2のウエハ搬送部30Bが設けられている。
【0026】
また、キャリアステーション1の奥側には筐体20にて周囲を囲まれる処理部2が接続されており、この処理部2には手前側から順に加熱・冷却系のユニットを多段化した棚ユニットU1,U2,U3及び液処理ユニットU4,U5の各ユニット間のウエハWの受け渡しを行う主搬送手段A2,A3が交互に配列して設けられている。また、主搬送手段A2,A3は、キャリアステーション1から見て前後方向に配置される棚ユニットU1,U2,U3側の一面部と、後述する例えば右側の液処理ユニットU4,U5側の一面部と、左側の一面をなす背面部とで構成される区画壁21により囲まれる空間内に配置されている。また、キャリアステーション1と処理部2との間、処理部2とインターフェース部3との間には、各ユニットで用いられる処理液の温度調節装置や温湿度調節用のダクト等を備えた温湿度調節ユニット22が配置されている。
【0027】
棚ユニットU1,U2,U3は、液処理ユニットU4,U5にて行われる処理の前処理及び後処理を行うための各種ユニットを複数段例えば10段に積層した構成とされており、その組み合わせはウエハWを加熱(ベーク)する加熱ユニット(図示せず)、ウエハWを冷却する冷却ユニット(図示せず)等が含まれる。また、ウエハWに所定の処理液を供給して処理を行う液処理ユニットU4,U5は、例えば
図1に示すように、レジストや現像液などの薬液収納部14の上に反射防止膜を塗布する反射防止膜塗布ユニット(BCT)23,ウエハWにレジスト液を塗布する塗布ユニット(COT)24、ウエハWに現像液を供給して現像処理する現像ユニット(DEV)25等を複数段例えば5段に積層して構成されている。塗布ユニット(COT)24は、この発明に係る液処理装置5を具備する。
【0028】
上記のように構成される塗布・現像処理装置におけるウエハの流れの一例について、
図1及び
図2を参照しながら簡単に説明する。まず、例えば25枚のウエハWを収納したキャリア10が載置部11に載置されると、開閉部12と共にキャリア10の蓋体が外されて受け渡し手段A1によりウエハWが取り出される。そして、ウエハWは棚ユニットU1の一段をなす受け渡しユニット(図示せず)を介して主搬送手段A2へと受け渡され、塗布処理の前処理として例えば反射防止膜形成処理、冷却処理が行われた後、塗布ユニット(COT)24にてレジスト液が塗布される。次いで、主搬送手段A2によりウエハWは棚ユニットU1〜U3の一の棚をなす加熱ユニットで加熱(ベーク処理)され、更に冷却された後棚ユニットU3の受け渡しユニットを経由してインターフェース部3へと搬入される。このインターフェース部3において、第1の搬送室3A及び第2の搬送室3Bの第1のウエハ搬送部30A及び第2のウエハ搬送部30Bによって露光部4に搬送され、ウエハWの表面に対向するように露光手段(図示せず)が配置されて露光が行われる。露光後、ウエハWは逆の経路で主搬送手段A2まで搬送され、現像ユニット(DEV)25にて現像されることでパターンが形成される。しかる後ウエハWは載置部11上に載置された元のキャリア10へと戻される。
【0029】
次に、この発明に係る液処理装置5の第1実施形態について説明する。
【0030】
<第1実施形態>
この発明に係る液処理装置5は、
図3に示すように、処理液であるレジスト液Lを貯留する処理液容器60と、被処理基板であるウエハにレジスト液Lを吐出(供給)する吐出ノズル7と、処理液容器60と吐出ノズル7を接続する供給管路51と、供給管路51に介設され、レジスト液Lを濾過するフィルタ52と、フィルタ52の二次側の供給管路51に介設されるポンプ70と、フィルタ52の二次側とポンプ70の一次側とを接続する供給管路51に介設されるトラップタンク53と、ポンプ70の吐出側とフィルタ52の一次側とを接続する戻り管路55と、ポンプ70のフィルタ52との接続部、吐出ノズル7との接続部及び戻り管路55との接続部にそれぞれ設けられる第1,第2及び第3の開閉弁V1〜V3と、ポンプ70及び第1,第2,第3の開閉弁V1〜V3を制御する制御部101とを具備する。
【0031】
ここで、ポンプ70の吐出側とフィルタ52の一次側とを接続する戻り管路55とは、第1実施形態においては、ポンプ70とトラップタンク53とを接続する第1の戻り管路55aと、トラップタンク53とフィルタ52の一次側の第2の処理液供給管路51bとを接続する第2の戻り管路55bに相当する。
【0032】
供給管路51は、処理液容器60とこの処理液容器60から導かれたレジスト液Lを一時貯留するバッファタンク61とを接続する第1の処理液供給管路51aと、バッファタンク61とポンプ70とを接続する第2の処理液供給管路51bと、ポンプ70と吐出ノズル7とを接続する第3の処理液供給管路51cとから構成される。第2の処理液供給管路51bにはフィルタ52が介設され、フィルタ52の二次側の第2の処理液供給管路51bにはトラップタンク53が介設されている。また、第3の処理液供給管路51cには吐出ノズル7から吐出されるレジスト液Lの供給制御を行う供給制御弁57が介設されている。また、フィルタ52及びトラップタンク53には、レジスト液L中に発生した気泡を排出するためのドレイン管路56が介設されている。
【0033】
処理液容器60の上部には、不活性ガス例えば窒素(N2)ガスの供給源62と接続する第1の気体供給管路58aが設けられている。また、この第1の気体供給管路58aには、可変調整可能な圧力調整手段である電空レギュレータRが介設されている。この電空レギュレータRは、後述する制御部101からの制御信号によって作動する操作部例えば比例ソレノイドと、該ソレノイドの作動によって開閉する弁機構とを具備しており、弁機構の開閉によって圧力を調整するように構成されている。また、バッファタンク61の上部には、バッファタンク61の上部に滞留する不活性ガス例えば窒素(N2)ガスを大気に開放する第2の気体供給管路58bが設けられている。
【0034】
第1の気体供給管路58aの電空レギュレータRと処理液容器60との間には電磁式の開閉弁V11が介設されている。また、第1の処理液供給管路51aには電磁式の開閉弁V12が介設されている。また、第2の処理液供給管路51bのバッファタンク61とフィルタ52との間であって、第2の処理液供給管路51bと第2の戻り管路55bとの接続部の二次側に電磁式の開閉弁V13が介設されている。また、第2の戻り管路55bには、電磁式の開閉弁V14が介設されている。また、ドレイン管路56には電磁式の開閉弁V15,V16が介設されている。開閉弁V11〜V16及び電空レギュレータRは、制御部101からの制御信号によって制御されている。
【0035】
バッファタンク61には、貯留されるレジスト液Lの所定の液面位置(充填完了位置、要補充位置)を監視し、貯留残量を検出する上限液面センサ61a、下限液面センサ61bが設けられている。処理液容器60からバッファタンク61にレジスト液Lが供給されている場合において、レジスト液Lの液面位置が上限液面センサ61aによって検知されると、開閉弁V11,V12が閉じ、処理液容器60からバッファタンク61へのレジスト液Lの供給が停止する。また、レジスト液Lの液面位置が下限液面センサ61bによって検知されると、開閉弁V11,V12が開き、処理液容器60からバッファタンク61へのレジスト液Lの供給が開始される。
【0036】
次に、
図7に基づいて、ポンプ70の詳細な構造について説明する。
図7に示されるポンプ70は可変容量ポンプであるダイヤフラムポンプであり、このダイヤフラムポンプ70は、可撓性部材であるダイヤフラム71にてポンプ室72と作動室73に仕切られている。
【0037】
ポンプ室72には、開閉弁V1を介して第2の処理液供給管路51bに接続され、第2の処理液供給管路51b内のレジスト液Lを吸入するための一次側連通路72aと、開閉弁V2を介して第3の処理液供給管路51cに接続され、第3の処理液供給管路51cにレジスト液Lを吐出する二次側連通路72bと、開閉弁V3を介して第1の戻り管路55aに接続され、第1の戻り管路55aにレジスト液Lを吐出する循環側連通路72cが設けられている。
【0038】
作動室73には制御部101からの信号に基づいて作動室73内の気体の減圧及び加圧を制御する駆動手段74が接続されている。駆動手段74は、エアー加圧源75a(以下に加圧源75aという)と、エアー減圧源75b(以下に減圧源75bという)と、流量センサであるフローメータ77と、電空レギュレータ78と、圧力センサ79とを備えている。
【0039】
作動室73は、給排切換弁V4を介して駆動手段74側に接続する給排路73aが設けられており、この給排路73aに給排切換弁V4を介して加圧源75aと減圧源75bに選択的に連通する管路76が接続されている。この場合、管路76は、作動室73に接続する主管路76aと、この主管路76aから分岐され、減圧源75bに接続する排気管路76bと、加圧源75aに接続する加圧管路76cとで形成されている。主管路76aには流量センサであるフローメータ77が介設され、排気管路76bに介設される排気圧を調整する圧力調整機構と、加圧管路76cに介設される加圧すなわちエアー圧を調整する圧力調整機構とが電空レギュレータ78にて形成されている。この場合、電空レギュレータ78は、排気管路76bと加圧管路76cとを選択的に接続する共通の連通ブロック78aと排気管路76b又は加圧管路76cの連通を遮断する2つの停止ブロック78b,78cと、連通ブロック78a、停止ブロック78b,78cを切換操作する電磁切換部78dを備える電空レギュレータ78にて形成されている。また、電空レギュレータ78には圧力センサ79が設けられており、圧力センサ79によって管路76が接続する作動室73内の圧力が検出される。
【0040】
上記のように構成されるダイヤフラムポンプ70の作動室73側に接続される作動エアーの給排部において、駆動手段74を構成する上記フローメータ77と圧力センサ79及び電空レギュレータ78は、それぞれ制御部101と電気的に接続されている。そして、フローメータ77によって検出された管路76内の排気流量と、圧力センサ79によって検出された管路76内の圧力が制御部101に伝達(入力)され、制御部101からの制御信号が電空レギュレータ78に伝達(出力)されるように形成されている。
【0041】
制御部101は記憶媒体である制御コンピュータ100に内蔵されており、制御コンピュータ100は、制御部101の他に、制御プログラムを格納する制御プログラム格納部102と、外部からデータを読み取る読取部103と、データを記憶する記憶部104を内蔵している。また、制御コンピュータ100は、制御部101に接続された入力部105と、液処理装置5の様々な状態を表示するモニタ部106と、読取部103に挿着されると共に制御コンピュータ100に制御プログラムを実行させるソフトウェアが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体107が備えられており、制御プログラムに基づいて上記各部に制御信号を出力するように構成されている。制御プログラム格納部102には、ポンプ70へのレジスト液Lの吸入、ポンプ70から吐出ノズル7へのレジスト液Lの吐出、ポンプ70から戻り管路55を介してフィルタ52の一次側の第2の処理液供給管路51bへのレジスト液Lの供給、バッファタンク61から補充したレジスト液Lと戻り管路55を介して戻るレジスト液Lとの合成を行い、合成されたレジスト液Lを吐出ノズル7へのレジスト液Lの吐出量とポンプ70から戻り管路55を介して第2の処理液供給管路51bに戻るレジスト液Lの戻り量の比率に応じた回数でフィルタ52による濾過を実行するための制御プログラムが格納されている。
【0042】
また、制御プログラムは、ハードディスク、コンパクトディスク、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、メモリカード等の記憶媒体107に格納され、これら記憶媒体107から制御コンピュータ100にインストールされて使用される。
【0043】
次に、
図4〜
図6、
図8〜
図13に基づいて、この実施形態における液処理装置5の動作について説明する。まず、制御部101からの制御信号に基づいて、第1の気体供給管路58aに介設された開閉弁V11と第1の処理液供給管路51aに介設された開閉弁V12が開放し、N2ガス供給源62から処理液容器60内に供給されるN2ガスの加圧によってレジスト液Lをバッファタンク61内に供給する。
【0044】
バッファタンク61内に所定量のレジスト液Lが供給(補充)されると、上限液面センサ61aからの検知信号を受けた制御部101からの制御信号に基づいて、開閉弁V11,V12が閉じる。このとき、開閉弁V1は開き、開閉弁V2,V3は閉じている。また、給排切換弁V4が排気側に切り換わり、この状態で圧力センサ79によってダイヤフラムポンプ70の作動室73内の圧力が検出され、検出された圧力の検出信号が制御部101に伝達(入力)される。また、給排切換弁V4が排気側に切り換わった後に、開閉弁V13が開く。
【0045】
次に、電空レギュレータ78が減圧源75b側に連通して、作動室73内のエアーを排気する。このとき、フローメータ77によって排気流量が検出され、検出された排気流量の検出信号が制御部101に伝達(入力)される。作動室73内のエアーの排気を行うことで、第2の処理液供給管路51bから所定量のレジスト液Lがポンプ室72に吸入される(ステップS1)。このとき、レジスト液Lがフィルタを通過するため、レジスト液Lの濾過回数は1回となる。
【0046】
次に、開閉弁V1,V3を閉じ、開閉弁V2及び供給制御弁57を開く。このとき、給排切換弁V4を吸気側に切り換え、電空レギュレータ78を加圧側に連通して、作動室73内にエアーを供給することで、ポンプ室72に吸入されたレジスト液Lの一部(例えば5分の1)が吐出ノズル7を介してウエハに吐出される(ステップS2)。
【0047】
この場合において、ポンプ室72に吸入されているレジスト液Lの量は、作動室73内に供給されるエアーの供給量により調整される。即ち、作動室73に供給されるエアーの供給量を少なくすることで作動室73の体積増加が少なくなり、ウエハに吐出されるレジスト液Lの吐出量が少なくなる。また、作動室73に供給されるエアーの供給量を多くすることで作動室73の体積増加が多くなり、ウエハに吐出されるレジスト液Lの吐出量が多くなる。この実施形態では、ポンプ室72に吸入されているレジスト液Lの5分の1がウエハに吐出される。また、作動室73に供給されるエアーの供給量は、記憶部104に記憶されたデータに基づいて定められている。
【0048】
なお、ポンプ室72に吸入されるレジスト液Lの量を調整する方法として、作動室73内に供給されるエアーの供給量を調整する代わりに、エアーの供給時間を調整してもよく、あるいは、作動室73内に供給されるエアーの供給を制御部101から発信されるパルス信号によって調整してもよい。
【0049】
次に、開閉弁V1,V2を閉じ、開閉弁V3,V14を開き、作動室73内のエアーの供給量を多くすることで、ポンプ室72に吸入された残りのレジスト液L(例えば5分の4)が戻り管路55a,55bを介して第2の処理液供給管路51bに戻される(ステップS3)。この実施形態では、ステップS1でポンプ室72に吸入されたレジスト液Lの5分の4が第2の処理液供給管路51bに戻される。
【0050】
次に、開閉弁V3を閉じ、開閉弁V1,V13を開くことで、第2の処理液供給管路51bに戻されたレジスト液Lとバッファタンク61に補充されているレジスト液Lが合成され、ステップS1に戻った状態で、合成されたレジスト液Lがポンプ室72に吸入される。このとき、バッファタンク61からポンプ室72に供給されるレジスト液Lの量は、ウエハへの吐出量と等量となる。従って、この実施形態では、ポンプ室72に吸入されているレジスト液Lの5分の1の量のレジスト液Lがバッファタンク61から第2の処理液供給管路51bに補充される。
【0051】
ここで、戻り管路55を介して第2の処理液供給管路51bに戻ってきたレジスト液Lはフィルタ52により濾過されているが、バッファタンク61から供給されるレジスト液Lはフィルタ52で濾過されていない。従って、戻り管路55を介して第2の処理液供給管路51bに戻ってきたレジスト液Lとバッファタンク61から補充されるレジスト液Lの合成によるレジスト液Lの濾過回数をレジスト液Lの合成濾過回数として求める場合、レジスト液Lの合成濾過回数と、ポンプ70に吸入されたレジスト液Lのウエハへの吐出量と第2の処理液供給管路51bへの戻り量の関係は、次式(1)で示される。
【0052】
An=(a+b)/a−b/a×{b/(a+b)}
n−1 ・・・(1)
ここで、Anはウエハに吐出されるレジスト液Lの合成濾過回数であり、式(1)で表わされる合成濾過回数を循環合成濾過回数という。また、a,bはレジスト液Lのウエハへの吐出量と戻り管路55への戻り量の比であり、nはフィルタ52にレジスト液Lを通過させた回数(処理回数)である。また、レジスト液Lの合成濾過回数Anがこの発明の吐出量と戻り量の比率の合成に応じた回数に相当する。上述した式(1)から、合成濾過回数Anは、処理回数nを大きくすることにより(a+b)/aの値に飽和する。このAn,n,a,bの関係を
図13に示す。
【0053】
図13に示すように、a=1,b=4の場合には、処理回数nの増加に従って合成濾過回数Anが5に近づくように収束する。同様に、a=1,b=2の場合には合成濾過回数Anが3に近づき、a=1,b=1の場合には合成濾過回数Anが2に近づき、a=2,b=1の場合には合成濾過回数Anが1.5に近づき、a=5,b=1の場合には合成濾過回数Anが1.2に近づくように収束する。
【0054】
この実施形態では、戻り管路55を介して第2の処理液供給管路51bに戻ってきたレジスト液Lとバッファタンク61から供給されるレジスト液Lの流量の比は4対1であり、戻り管路55を介して第2の処理液供給管路51bに戻ってきたレジスト液Lの濾過回数は1回、バッファタンク61から供給されるレジスト液Lの濾過回数は0回である。この場合には、
図10、
図11に示すように、フィルタ52の一次側の第2の処理液供給管路51bに供給されるレジスト液Lの合成濾過回数は0.8回となり、このレジスト液Lをフィルタ52に通過させることでレジスト液Lの合成濾過回数は1.8回となる。
【0055】
このようなステップS1〜S3の工程を繰り返すことで、ポンプ70にレジスト液Lを吸入し、ポンプ70に吸入したレジスト液Lの一部(5分の1)をウエハに吐出すると共にポンプ70に吸入したレジスト液Lの残り(5分の4)を第2の供給管路51bに戻し、バッファタンク61からレジスト液Lを補充する工程を繰り返す。一例として、ウエハへの吐出量と第2の処理液供給管路51bに戻る戻り量との比を1対4とした場合は、a=1,b=4であるため、合成濾過回数を上記式(1)に基づいて計算をすると、ステップS1からS3を5回繰り返した場合(n=5)において、合成濾過回数A5は3.36回となる。
【0056】
次に、表1に基づいて第1実施形態の効果について説明する。表1には、循環合成濾過と後述する往復合成濾過の合成濾過回数Anに対するステップS1〜S3を行う際にかかる時間(サイクルタイム)と、パーティクル規格化数が示されている。ここで、パーティクル規格化数とは、濾過を行っていないレジスト液Lをウエハに吐出した際のパーティクル数、又は濾過を1回行ったレジスト液Lをウエハに吐出した際のパーティクル数に対する循環合成濾過又は往復合成濾過を行ったレジスト液Lをウエハに吐出した際のパーティクル数の比をいう。
【表1】
【0057】
合成濾過回数Anを5回行う循環合成濾過方法では、サイクルタイムは24.9秒であり、パーティクル規格化数は17、1回濾過に対するパーティクル規格化数は77となった。従って、合成濾過回数Anを5回行う循環合成濾過方法では、濾過を1回行う場合とほぼ同じサイクルタイムを実現することができ、濾過されていないレジスト液Lと比較してパーティクル数を17%に抑え、濾過を1回行ったレジスト液Lと比較してパーティクル数を77%に抑えることができた。
【0058】
また、合成濾過回数Anを10回行う循環合成濾過方法では、サイクルタイムは35.9秒であり、パーティクル規格化数は7、1回濾過に対するパーティクル規格化数は32となった。従って、合成濾過回数Anを10回行う循環合成濾過方法では、濾過されていないレジスト液Lと比較してパーティクル数を7%に抑え、濾過を1回行ったレジスト液Lと比較してパーティクル数を32%に抑えることができた。また、合成濾過回数Anを5回行う循環合成濾過方法と比較してもパーティクル数を41%に抑えることができた。
【0059】
従って、フィルタによる濾過を1回行った場合と同様のスループットを確保しつつ濾過効率を向上させることができるため、装置の大掛かりな変更をすることなく、一のフィルタで複数のフィルタを設けた場合と同様の濾過効率を得ると共に、スループット低下の防止を図ることができる。
【0060】
<第2実施形態>
次に、
図14〜
図17に基づいて、この発明に係る液処理装置の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成については、同一部分に同一符号を付して説明は省略する。
【0061】
第2実施形態の液処理装置5は、第1実施形態における第2の戻り管路55bと開閉弁V14を省いた構成となっており、戻り管路65はポンプ70の吐出側とトラップタンク53を接続する第1の戻り管路65aと、トラップタンク53とフィルタ52の二次側を接続する第2の処理液供給管路51bとで形成される。
【0062】
第2実施形態の動作は、第1実施形態で行われる動作を示す
図12のステップS1(
図15に示すポンプ室72へのレジスト液Lの吸入),ステップS2(
図16に示すウエハWへのレジスト液Lの吐出)については同一であるが、ステップS3で異なる。すなわち、
図17に示すように、ポンプ70に吸入されているレジスト液Lをフィルタ52の一次側の第2の処理液供給管路51bに戻す際のレジスト液Lの経路が異なっている。
【0063】
図17に示すように、ポンプ70に流入されているレジスト液Lの一部をウエハに吐出した後、開閉弁V1,V2が閉じられ、開閉弁V3,V13が開いた状態で、作動室73内にエアーを供給することで、ポンプ室72に流入しているレジスト液Lが戻り管路65a、フィルタ52を介してフィルタ52の一次側の第2の処理液供給管路51bに戻される。そして、第1実施形態と同様に、ウエハWへの吐出量と等量のレジスト液Lがバッファタンク61から補充される。従って、レジスト液Lはポンプ70への吸入時と第2の処理液供給管路51bへの戻りの時にフィルタ52により濾過される。
【0064】
従って、ポンプ70に吸入されたレジスト液Lの一部は、第1の戻り管路65aと第2の処理液供給管路51bを通過する過程、換言すれば第2の処理液供給管路51bを往復する過程でフィルタ52による濾過(以下に、循環往復合成濾過という)が行われる。この場合のウエハに吐出されるレジスト液Lの合成濾過回数Anと、ポンプ70に吸入されたレジスト液Lのウエハへの吐出量と第2の処理液供給管路51bへの戻り量の関係は、次式(2)で示される。
【0065】
An=(a+2b)/a−2b/a×{b/(a+b)}
n−1 ・・・(2)
ここで、式(2)で表わされる合成濾過回数を循環往復合成濾過回数という。
【0066】
一例として、ウエハへの吐出量と第2の処理液供給管路51bに戻る戻り量との比を1対4とした場合は、a=1,b=4であるため、合成濾過回数を上記式(2)に基づいて計算をすると、ステップS1からS3を5回繰り返した場合(n=5)において、合成濾過回数A5は4.21回となる。
【0067】
次に、表1に基づいて第2実施形態の効果について説明する。第2実施形態における合成濾過回数Anを5回行う循環往復合成濾過方法では、サイクルタイムは20.5秒であり、パーティクル規格化数は18、1回濾過に対するパーティクル規格化数は82となった。従って、合成濾過回数Anを5回行う循環往復合成濾過方法では、濾過を1回行う場合よりも速いサイクルタイムを実現することができ、濾過されていないレジスト液Lと比較してパーティクル数を18%に抑え、濾過を1回行ったレジスト液Lと比較してパーティクル数を82%に抑えることができた。
【0068】
また、合成濾過回数Anを10回行う循環往復合成濾過方法では、サイクルタイムは26.0秒であり、パーティクル規格化数は8、1回濾過に対するパーティクル規格化数は36となった。従って、合成濾過回数Anを10回行う循環往復合成濾過方法では、濾過されていないレジスト液Lと比較してパーティクル数を8%に抑え、濾過を1回行ったレジスト液Lと比較してパーティクル数を36%に抑えることができた。また、合成濾過回数Anを5回行う循環往復合成濾過方法と比較してもパーティクル数を44%に抑えることができた。
【0069】
従って、第1実施形態と同様に、フィルタによる濾過を1回行った場合と同様のスループットを確保しつつ濾過効率を向上させることができるため、装置の大掛かりな変更をすることなく、一のフィルタで複数のフィルタを設けた場合と同様の濾過効率を得ると共に、スループット低下の防止を図ることができる。
【0070】
また、第2実施形態の循環往復合成濾過方法では、レジスト液Lを第2の処理液供給管路51bに戻す際にもフィルタ52を通過させるため、第2実施形態では、第1実施形態と比べてウエハ上に付着するパーティクルの数を減少させることができる。
【0071】
<第3実施形態>
図18〜
図21に基づいて、この発明に係る液処理装置の第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態において、第1,第2実施形態と同一の構成については、同一部分に同一符号を付して説明は省略する。
【0072】
第3実施形態の戻り管路85は、主戻り管路を構成する第1の主戻り管路85a及び第2の主戻り管路85bと、フィルタ52の二次側とフィルタ52の一次側を接続する副戻り管路85cとからなる。第1の主戻り管路85aはポンプ70の吐出側とトラップタンク53とを接続し、第2の主戻り管路85bはトラップタンク53とフィルタ52の一次側の第2の液処理供給管路51bとを接続する。この場合、第2の主戻り管路85bは、開閉弁V13とフィルタ52の間の第2の液処理供給管路51bに接続される。また、副戻り管路85cは、フィルタ52とトラップタンク53との間の第2の液処理供給管路51bと、バッファタンク61とフィルタ52との間の第2の液処理供給管路51bとを接続する。
【0073】
フィルタ52の二次側の第2の液処理供給管路51bと副戻り管路85cとの接続部と、トラップタンク53との間の第2の液処理供給管路51bには、電磁式の開閉弁V21が介設されている。また、第2の主戻り管路85bには電磁式の開閉弁V24が介設され、副戻り管路85cには電磁式の開閉弁V25が介設されている。これらの開閉弁V21,V24,V25は上記制御部(図示せず)からの制御信号によって制御可能に形成されている。
【0074】
第3実施形態の動作は、第1実施形態で行われる動作を示す
図12のステップS1(
図19に示すポンプ室72へのレジスト液Lの吸入),ステップS2(
図20に示すウエハWへのレジスト液Lの吐出)については同一であるが、ステップS3で異なる。
【0075】
すなわち、
図21に示すように、ダイヤフラムポンプ70に流入されているレジスト液Lを戻り管路85を介して第2の処理液供給管路51bに戻す際には、開閉弁V2を閉じると共に開閉弁V24,V25を開き、駆動手段74を駆動させることでダイヤフラムポンプ70に吸入されているレジスト液Lの一部(例えば5分の4)を戻り管路85に流入させる。
【0076】
次に、
図19に示すように、開閉弁V3,V24,V25を閉じ、開閉弁V1,V13,V21を開くことで、第2の処理液供給管路51bに戻されたレジスト液Lとバッファタンク61に補充されているレジスト液Lが合成され、ステップS1に戻った状態で、合成されたレジスト液Lがポンプ室72に吸入される。
【0077】
従って、第1実施形態、第2実施形態と同様に、フィルタによるレジスト液の濾過を行っていない場合及び1回濾過した場合と同様のスループットを確保しつつ濾過効率を向上させることができるため、装置の大掛かりな変更をすることなく、一のフィルタで複数のフィルタを設けた場合と同様の濾過効率を得ると共に、スループット低下の防止を図ることができる。
【0078】
次に、
図22〜
図25を参照して第3実施形態の変形例について説明する。
【0079】
図22に示す変形例においては、第3実施形態の戻り管路86は、ポンプ70の吐出側とトラップタンク53とを接続する第1の主戻り管路86aと、トラップタンク53とフィルタ52の吸入側とを接続する第2の主戻り管路86bと、フィルタ52の吐出側とフィルタ52の一次側の第2の液処理供給管路51bを接続する副戻り管路86cとからなる。ここで、第1の主戻り管路86aと第2の主戻り管路86bとがこの発明における主戻り管路に相当する。また、第2の主戻り管路86bには電磁式の開閉弁V24が介設され、副戻り管路86cには電磁式の開閉弁V25が介設され、これらの開閉弁V24,V25は上記制御部(図示せず)からの制御信号によって制御可能に形成されている。
【0080】
図23に示す変形例においては、第3実施形態の戻り管路87は、ポンプ70の吐出側とトラップタンク53とを接続する第1の主戻り管路87aと、トラップタンク53とフィルタ52の一次側の第2の液処理供給管路51bとを接続する第2の主戻り管路87bと、フィルタ52の吐出側とフィルタ52の一次側の第2の液処理供給管路51bを接続する副戻り管路87cとからなる。ここで、第1の主戻り管路87aと第2の主戻り管路87bとがこの発明における主戻り管路に相当する。また、第2の主戻り管路87bには電磁式の開閉弁V24が介設され、副戻り管路87cには電磁式の開閉弁V25が介設され、これらの開閉弁V24,V25は上記制御部(図示せず)からの制御信号によって制御可能に形成されている。
【0081】
図24に示す変形例においては、第3実施形態の戻り管路88は、ポンプ70の吐出側とトラップタンク53とを接続する第1の主戻り管路88aと、トラップタンク53とフィルタ52の吸入側とを接続する第2の主戻り管路88bと、フィルタ52の二次側の第2の液処理供給管路51bとフィルタ52の一次側の第2の液処理供給管路51bに接続する副戻り管路88cとからなる。ここで、第1の主戻り管路88aと第2の主戻り管路88bとがこの発明における主戻り管路に相当する。また、第2の主戻り管路88bには電磁式の開閉弁V24が介設され、副戻り管路88cには電磁式の開閉弁V25が介設され、これらの開閉弁V24,V25は上記制御部(図示せず)からの制御信号によって制御可能に形成されている。
【0082】
図25に示す変形例においては、第3実施形態の戻り管路89は、ポンプ70の吐出側とフィルタ52の一次側の第2の液処理供給管路51bとを接続する主戻り管路89aと、フィルタ52の二次側の第2の液処理供給管路51bとフィルタ52の一次側の第2の液処理供給管路51bに接続する副戻り管路89bとからなる。また、戻り管路89aには電磁式の開閉弁V24が介設され、この開閉弁V24は図示されていない制御部101からの制御信号によって制御可能に形成されている。
【0083】
図22〜
図24に示す第3実施形態の変形例の動作は、
図12に示すステップS1(
図19に示すポンプ室72へのレジスト液Lの吸入)、ステップS2(
図20に示すウエハWへのレジスト液Lの吐出)については同一の動作となるが、ステップS3で異なる。
【0084】
すなわち、ダイヤフラムポンプ70に流入されているレジスト液Lを戻り管路86を介して第2の処理液供給管路51bに戻す際には、開閉弁V2を閉じると共に開閉弁V24,V25を開き、駆動手段74を駆動させることでダイヤフラムポンプ70に吸入されているレジスト液Lの一部(例えば5分の4)を戻り管路86に流入させる。また、ダイヤフラムポンプ70に流入されているレジスト液Lを戻り管路87,88を介して第2の処理液供給管路51bに戻す際にも、同様に、開閉弁V2を閉じると共に開閉弁V24,V25を開き、駆動手段74を駆動させることでダイヤフラムポンプ70に吸入されているレジスト液Lの一部(例えば5分の4)を戻り管路87,88に流入させる。
【0085】
また、
図25に示す第3実施形態の変形例の動作は、
図19,
図20に示す第3実施形態で行われるステップS1,S2については同一の動作となるが、
図21に示すステップS3については、主戻り管路89aを流通するレジスト液Lがトラップタンク53を経由することなくフィルタ52に流入する点で異なっている。
【0086】
なお、
図22〜
図24の第3の実施形態の変形例において、戻り管路86,87,88に、
図25に示したようにトラップタンク53を介さない構成を組み合わせてもよい。
【0087】
従って、第3実施形態の変形例においても、第1実施形態、第2実施形態と同様に、フィルタによるレジスト液の濾過を行っていない場合及び1回濾過した場合と同様のスループットを確保しつつ濾過効率を向上させることができるため、装置の大掛かりな変更をすることなく、一のフィルタで複数のフィルタを設けた場合と同様の濾過効率を得ると共に、スループット低下の防止を図ることができる。
【0088】
<第4実施形態>
図26に基づいて、この発明に係る液処理装置の第4実施形態を説明する。なお、第4実施形態において、第1実施形態と同一の構成については、同一部分に同一符号を付して説明は省略する。
【0089】
第4実施形態では、ダイヤフラムポンプ70と第3の処理液供給管路51cとの接続部に設けられている開閉弁V2の代わりに逆止弁(図示せず)が設けられ、流量調整弁V6が第3の処理液供給管路51cと戻り管路55との接続部の二次側の第3の処理液供給管路51cに介設される。流量調整弁V6は、吐出ノズル7に吐出されるレジスト液Lの流量を調整可能な開閉弁である。
【0090】
また、ダイヤフラムポンプ70と戻り管路55との接続部に設けられている開閉弁V3の代わりに、流量調整弁V5がポンプ70とトラップタンク53との間の第1の戻り管路55aに介設される。流量調整弁V5は、第2の処理液供給管路51bに戻るレジスト液Lの流量を調整可能な開閉弁である。この流量調整弁V5,V6は制御部101によって制御される。
【0091】
また、第4実施形態の戻り管路55は、第3の液処理供給管路51cとトラップタンク53とを接続する第1の戻り管路55aと、トラップタンク53とフィルタ52の一次側の第2の液処理供給管路51bとを接続する第2の戻り管路55bとからなる。
【0092】
第4実施形態の動作は、第1実施形態で行われる動作を示す
図12のステップS1(ポンプ室72へのレジスト液Lの吸入)については同一であるが、ステップS2(ウエハWへのレジスト液Lの吐出)、ステップS3(戻り管路55へのレジスト液Lの戻し)で異なる。ダイヤフラムポンプ70に流入されているレジスト液Lを吐出ノズル7を介してウエハWに吐出する際には、開閉弁V1,流量調整弁V5を閉じると共に流量調整弁V6を開き、駆動手段74を駆動させることでダイヤフラムポンプ70に吸入されたレジスト液Lの一部(例えば5分の1)の吐出を行う。このとき、第3の処理液供給管路51cを流通するレジスト液Lの流量は、流量調整弁V4によって調整される。
【0093】
次に、ダイヤフラムポンプ70に流入されているレジスト液Lを戻り管路55を介して第2の処理液供給管路51bに戻す際には、流量調整弁V6を閉じると共に流量調整弁V5を開き、駆動手段74を駆動させることでダイヤフラムポンプ70に吸入されているレジスト液Lの一部(例えば5分の4)を戻り管路55に流入させる。このとき、第2の処理液供給管路51bを戻るレジスト液Lの流量は、流量調整弁V5によって調整される。
【0094】
従って、第1実施形態〜第3実施形態と同様に、フィルタによるレジスト液の濾過を行っていない場合及び1回濾過した場合と同様のスループットを確保しつつ濾過効率を向上させることができるため、装置の大掛かりな変更をすることなく、一のフィルタで複数のフィルタを設けた場合と同様の濾過効率を得ると共に、スループット低下の防止を図ることができる。
【0095】
なお、第4実施形態においては、第1実施形態と同様の構成の第2の処理液供給管路51bとドレイン管路56に介設されるトラップタンク53、フィルタ52、開閉弁V13〜V16を用いているが、第2実施形態、第3実施形態と同様の構成の第2の処理液供給管路51b、ドレイン管路56、トラップタンク53、フィルタ52、開閉弁V13〜V16を用いてもよい。このような構成にしても、装置の大掛かりな変更をすることなく、一のフィルタで複数のフィルタを設けた場合と同様の濾過効率を得ると共に、スループット低下の防止を図ることができる。