(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
処理液を貯留する処理液容器と、被処理基板に上記処理液を吐出する吐出ノズルと、上記処理液容器と上記吐出ノズルを接続する供給管路と、上記供給管路に介設され、上記処理液を濾過するフィルタと、上記フィルタの二次側の上記供給管路に介設されるポンプと、上記ポンプと上記フィルタの二次側の供給管路を接続する戻り管路と、上記処理容器と上記フィルタの一次側とを接続する上記供給管路に介設される供給ポンプと、上記供給ポンプの吸入側及び吐出側にそれぞれ設けられる吸入開閉弁及び吐出開閉弁と、上記ポンプの上記フィルタとの接続部、上記吐出ノズルとの接続部及び上記戻り管路との接続部にそれぞれ設けられる第1,第2及び第3の開閉弁と、上記ポンプ、上記第1,第2,第3の開閉弁、上記供給ポンプ、上記供給開閉弁及び吐出開閉弁を制御する制御部とを具備する液処理装置に用いられ、コンピュータに制御プログラムを実行させるソフトウェアが記憶されたコンピュータ読取可能な液処理用記憶媒体であって、
上記制御プログラムは、上記ポンプの吸入により上記フィルタを通過する所定量の処理液を上記ポンプ内に吸入する工程と、上記ポンプ内に吸入された上記処理液の一部を上記吐出ノズルから吐出する工程と、上記ポンプ内の残りの処理液を上記フィルタの一次側に戻す工程と、上記供給ポンプの駆動により上記処理液容器からの処理液の補充量を戻り量に加えて合成する工程と、上記処理液の吐出と上記フィルタによる濾過を行う工程を実行するように組まれていることを特徴とする液処理用記憶媒体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1及び特許文献2に記載の液処理装置では、フィルタにより濾過された薬液(処理液)が第1の容器(バッファー容器)に戻され、第1の容器に戻された薬液をウエハに吐出している。そのため、薬液の濾過効率の向上を図るためには、第1の容器に戻された薬液を複数回循環させて濾過を複数回行う必要がある。しかしながら、薬液を複数回循環させて濾過を行うことでスループットが低下するため、薬液を複数回循環させて濾過を行い、かつスループットの低下の生じない液処理装置の開発が望まれている。
【0009】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、フィルタを介して循環される処理液の吐出と循環回数を制御することで、装置の大掛かりな変更をすることなく、一のフィルタで複数のフィルタを設けた場合と同様の濾過効率を得ると共に、スループット低下の防止を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、この発明の液処理装置は、 処理液を貯留する処理液容器と、 被処理基板に上記処理液を吐出する吐出ノズルと、 上記処理液容器と上記吐出ノズルを接続する供給管路と、 上記供給管路に介設され、上記処理液を濾過するフィルタと、 上記フィルタの二次側の上記供給管路に介設されるポンプと、 上記ポンプと上記フィルタの二次側の供給管路を接続する戻り管路と、 上記処理容器と上記フィルタの一次側とを接続する上記供給管路に介設される供給ポンプと、上記供給ポンプの吸入側及び吐出側にそれぞれ設けられる吸入開閉弁及び吐出開閉弁と、 上記ポンプの上記フィルタとの接続部、上記吐出ノズルとの接続部及び上記戻り管路との接続部にそれぞれ設けられる第1,第2及び第3の開閉弁と、 上記ポンプ、上記第1,第2,第3の開閉弁、上記供給ポンプ、上記供給開閉弁及び吐出開閉弁を制御する制御部とを具備し、 上記制御部からの制御信号に基づいて、上記ポンプの吸入により上記フィルタを通過する処理液の一部を上記吐出ノズルから吐出し、残りの処理液を上記フィルタの一次側の供給管路に戻し、上記供給ポンプの駆動により上記処理液容器からの処理液と合成して、上記処理液の吐出と上記フィルタによる濾過を行うことを特徴とする(請求項1)。
【0011】
この発明において、上記フィルタの一次側の供給管路に戻される戻り量が、上記吐出ノズルから吐出される吐出量と同量以上であるのが好ましい(請求項2)。
【0012】
また、この発明において、上記フィルタに接続するドレイン管路にドレイン弁を介設すると共に、該ドレイン弁を上記制御部により制御可能に形成するのが好ましい(請求項3)。
【0013】
また、この発明において、上記ポンプ及び上記供給ポンプは可変容量ポンプであることが好ましい(請求項4)。
【0014】
また、この発明において、上記第2,第3の開閉弁は流量制御可能な開閉弁で構成されるものであってもよい(請求項5)。これにより、吐出量と戻り量を所定の比率に設定することができる。
【0015】
この発明の液処理方法は、 処理液を貯留する処理液容器と、被処理基板に上記処理液を吐出する吐出ノズルと、上記処理液容器と上記吐出ノズルを接続する供給管路と、 上記供給管路に介設され、上記処理液を濾過するフィルタと、 上記フィルタの二次側の供給管路に介設されるポンプと、 上記ポンプと上記フィルタの二次側の供給管路を接続する戻り管路と、 上記処理容器と上記フィルタの一次側とを接続する上記供給管路に介設される供給ポンプと、上記供給ポンプの吸入側及び吐出側にそれぞれ設けられる吸入開閉弁及び吐出開閉弁と、 上記ポンプの上記フィルタとの接続部、上記吐出ノズルとの接続部及び上記戻り管路との接続部にそれぞれ設けられる第1,第2及び第3の開閉弁と、 上記ポンプ、上記第1,第2,第3の開閉弁、上記供給ポンプ、上記供給開閉弁及び吐出開閉弁を制御する制御部と、を具備する液処理装置を用いた液処理方法であって、 上記ポンプの吸入により上記フィルタを通過する所定量の処理液を上記ポンプ内に吸入する工程と、 上記ポンプ内に吸入された上記処理液の一部を上記吐出ノズルから吐出する工程と、 上記ポンプ内の残りの処理液を上記フィルタの一次側に戻す工程と、 上記供給ポンプの駆動により上記処理液容器からの処理液の補充量を戻り量に加えて合成する工程と、 上記処理液の吐出と上記フィルタによる濾過を行う工程を含むことを特徴とする(請求項6)。
【0016】
この発明において、上記フィルタの一次側の供給管路に戻される戻り量が、上記吐出ノズルから吐出される吐出量と同量以上であるのが好ましい(請求項7)。
【0017】
この場合、処理液を上記吐出ノズルから吐出する工程と、吐出量以上の補充量を上記供給ポンプ内に吸入する工程とを同時に行うようにしてもよい(請求項8)。
【0018】
請求項9記載の発明は、請求項6記載の液処理方法において、上記フィルタに接続するドレイン管路にドレイン弁を介設すると共に、該ドレイン弁を上記制御部により制御可能に形成し、上記合成する工程の際に、上記ドレイン弁を開いて、処理液中に存在する気泡を上記フィルタから排出する脱気工程を更に含むことを特徴とする。
【0019】
また、この発明の液処理用記憶媒体は、 処理液を貯留する処理液容器と、被処理基板に上記処理液を吐出する吐出ノズルと、上記処理液容器と上記吐出ノズルを接続する供給管路と、上記供給管路に介設され、上記処理液を濾過するフィルタと、上記フィルタの二次側の上記供給管路に介設されるポンプと、上記ポンプと上記フィルタの二次側の供給管路を接続する戻り管路と、上記処理容器と上記フィルタの一次側とを接続する上記供給管路に介設される供給ポンプと、上記供給ポンプの吸入側及び吐出側にそれぞれ設けられる吸入開閉弁及び吐出開閉弁と、上記ポンプの上記フィルタとの接続部、上記吐出ノズルとの接続部及び上記戻り管路との接続部にそれぞれ設けられる第1,第2及び第3の開閉弁と、上記ポンプ、上記第1,第2,第3の開閉弁、上記供給ポンプ、上記供給開閉弁及び吐出開閉弁を制御する制御部とを具備する液処理装置に用いられ、コンピュータに制御プログラムを実行させるソフトウェアが記憶されたコンピュータ読取可能な液処理用記憶媒体であって、 上記制御プログラムは、上記ポンプの吸入により上記フィルタを通過する所定量の処理液を上記ポンプ内に吸入する工程と、上記ポンプ内に吸入された上記処理液の一部を上記吐出ノズルから吐出する工程と、上記ポンプ内の残りの処理液を上記フィルタの一次側に戻す工程と、上記供給ポンプの駆動により上記処理液容器からの処理液の補充量を戻り量に加えて合成する工程と、上記処理液の吐出と上記フィルタによる濾過を行う工程を実行するように組まれていることを特徴とする(請求項10)。
【発明の効果】
【0020】
この発明の液処理装置、液処理方法及び記憶媒体によれば、制御部からの制御信号に基づいて、ポンプの吸入によりフィルタを通過する処理液の一部を吐出ノズルから吐出し、残りの処理液をフィルタの一次側に戻し、供給ポンプの駆動により処理液容器からの処理液の補充量を戻り量に加えて合成して、処理液の吐出とフィルタによる濾過を行うため、装置の大掛かりな変更をすることなく、一のフィルタで複数のフィルタを設けた場合と同様の濾過効率を得ると共に、スループット低下の防止を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施形態について、添付図面に基づいて説明する。ここでは、この発明に係る液処理装置(レジスト液処理装置)を塗布・現像処理装置に適用した場合について説明する。
【0023】
上記塗布・現像処理装置は、
図1及び
図2に示すように、被処理基板であるウエハWを複数枚例えば25枚密閉収納するキャリア10を搬出入するためのキャリアステーション1と、このキャリアステーション1から取り出されたウエハWにレジスト塗布,現像処理等を施す処理部2と、ウエハWの表面に光を透過する液層を形成した状態でウエハWの表面を液浸露光する露光部4と、処理部2と露光部4との間に接続されて、ウエハWの受け渡しを行うインターフェース部3とを具備している。
【0024】
キャリアステーション1には、キャリア10を複数個並べて載置可能な載置部11と、この載置部11から見て前方の壁面に設けられる開閉部12と、開閉部12を介してキャリア10からウエハWを取り出すための受け渡し手段A1とが設けられている。
【0025】
インターフェース部3は、処理部2と露光部4との間に前後に設けられる第1の搬送室3A及び第2の搬送室3Bにて構成されており、それぞれに第1のウエハ搬送部30A及び第2のウエハ搬送部30Bが設けられている。
【0026】
また、キャリアステーション1の奥側には筐体20にて周囲を囲まれる処理部2が接続されており、この処理部2には手前側から順に加熱・冷却系のユニットを多段化した棚ユニットU1,U2,U3及び液処理ユニットU4,U5の各ユニット間のウエハWの受け渡しを行う主搬送手段A2,A3が交互に配列して設けられている。また、主搬送手段A2,A3は、キャリアステーション1から見て前後方向に配置される棚ユニットU1,U2,U3側の一面部と、後述する例えば右側の液処理ユニットU4,U5側の一面部と、左側の一面をなす背面部とで構成される区画壁21により囲まれる空間内に配置されている。また、キャリアステーション1と処理部2との間、処理部2とインターフェース部3との間には、各ユニットで用いられる処理液の温度調節装置や温湿度調節用のダクト等を備えた温湿度調節ユニット22が配置されている。
【0027】
棚ユニットU1,U2,U3は、液処理ユニットU4,U5にて行われる処理の前処理及び後処理を行うための各種ユニットを複数段例えば10段に積層した構成とされており、その組み合わせはウエハWを加熱(ベーク)する加熱ユニット(図示せず)、ウエハWを冷却する冷却ユニット(図示せず)等が含まれる。また、ウエハWに所定の処理液を供給して処理を行う液処理ユニットU4,U5は、例えば
図1に示すように、レジストや現像液などの薬液収納部14の上に反射防止膜を塗布する反射防止膜塗布ユニット(BCT)23,ウエハWにレジスト液を塗布する塗布ユニット(COT)24、ウエハWに現像液を供給して現像処理する現像ユニット(DEV)25等を複数段例えば5段に積層して構成されている。塗布ユニット(COT)24は、この発明に係る液処理装置5を具備する。
【0028】
上記のように構成される塗布・現像処理装置におけるウエハの流れの一例について、
図1及び
図2を参照しながら簡単に説明する。まず、例えば25枚のウエハWを収納したキャリア10が載置部11に載置されると、開閉部12と共にキャリア10の蓋体が外されて受け渡し手段A1によりウエハWが取り出される。そして、ウエハWは棚ユニットU1の一段をなす受け渡しユニット(図示せず)を介して主搬送手段A2へと受け渡され、塗布処理の前処理として例えば反射防止膜形成処理、冷却処理が行われた後、塗布ユニット(COT)24にてレジスト液が塗布される。次いで、主搬送手段A2によりウエハWは棚ユニットU1〜U3の一の棚をなす加熱ユニットで加熱(ベーク処理)され、更に冷却された後棚ユニットU3の受け渡しユニットを経由してインターフェース部3へと搬入される。このインターフェース部3において、第1の搬送室3A及び第2の搬送室3Bの第1のウエハ搬送部30A及び第2のウエハ搬送部30Bによって露光部4に搬送され、ウエハWの表面に対向するように露光手段(図示せず)が配置されて露光が行われる。露光後、ウエハWは逆の経路で主搬送手段A2まで搬送され、現像ユニット(DEV)25にて現像されることでパターンが形成される。しかる後ウエハWは載置部11上に載置された元のキャリア10へと戻される。
【0029】
次に、この発明に係る液処理装置5の第1実施形態について説明する。
【0030】
<第1実施形態>
この発明に係る液処理装置5は、
図3に示すように、処理液であるレジスト液Lを貯留する処理液容器60と、被処理基板であるウエハにレジスト液Lを吐出(供給)する吐出ノズル7と、処理液容器60と吐出ノズル7を接続する供給管路51と、供給管路51に介設され、レジスト液Lを濾過するフィルタ52と、フィルタ52の二次側の供給管路51に介設されるポンプ70と、ポンプ70の吐出側とフィルタ52の一次側とを接続する戻り管路55と、処理容器60とフィルタ52とを接続する供給管路51に介設される供給ポンプ80と、供給ポンプ80の吸入側及び吐出側にそれぞれ設けられる吸入開閉弁V6及び吐出開閉弁V7と、ポンプ70のフィルタ52との接続部、吐出ノズル7との接続部及び戻り管路55との接続部にそれぞれ設けられる第1,第2及び第3の開閉弁V1〜V3と、ポンプ70、第1,第2,第3の開閉弁V1〜V3、供給ポンプ80、吸入開閉弁V6及び吐出開閉弁V7を制御する制御部101とを具備する。
【0031】
ここで、ポンプ70の吐出側とフィルタ52の一次側とを接続する戻り管路55とは、第1実施形態においては、ポンプ70とトラップタンク53とを接続する第1の戻り管路55aと、トラップタンク53とフィルタ52の一次側の第2の処理液供給管路51bとを接続する第2の戻り管路55bに相当する。
【0032】
供給管路51は、処理液容器60とこの処理液容器60から導かれたレジスト液Lを一時貯留するバッファタンク61とを接続する第1の処理液供給管路51aと、バッファタンク61とポンプ70とを接続する第2の処理液供給管路51bと、ポンプ70と吐出ノズル7とを接続する第3の処理液供給管路51cとから構成される。第2の処理液供給管路51bには、供給ポンプ80とフィルタ52が介設され、フィルタ52の二次側の第2の処理液供給管路51bにはトラップタンク53が介設されている。また、第3の処理液供給管路51cには吐出ノズル7から吐出されるレジスト液Lの供給制御を行う供給制御弁57が介設されている。また、フィルタ52及びトラップタンク53には、レジスト液L中に発生した気泡を排出するためのドレイン管路56が介設されている。
【0033】
処理液容器60の上部には、不活性ガス例えば窒素(N2)ガスの供給源62と接続する第1の気体供給管路58aが設けられている。また、この第1の気体供給管路58aには、可変調整可能な圧力調整手段である電空レギュレータRが介設されている。この電空レギュレータRは、後述する制御部101からの制御信号によって作動する操作部例えば比例ソレノイドと、該ソレノイドの作動によって開閉する弁機構とを具備しており、弁機構の開閉によって圧力を調整するように構成されている。また、バッファタンク61の上部には、バッファタンク61の上部に滞留する不活性ガス例えば窒素(N2)ガスを大気に開放する第2の気体供給管路58bが設けられている。
【0034】
第1の気体供給管路58aの電空レギュレータRと処理液容器60との間には電磁式の開閉弁V11が介設されている。また、第1の処理液供給管路51aには電磁式の開閉弁V12が介設されている。また、第2の処理液供給管路51bのバッファタンク61とフィルタ52との間には電磁式の開閉弁V13が介設されている。また、第2の戻り管路55bには、電磁式の開閉弁V14が介設されている。また、ドレイン管路56には電磁式の開閉弁V15,V16が介設されている。開閉弁V11〜V16及び電空レギュレータRは、制御部101からの制御信号によって制御されている。
【0035】
バッファタンク61には、貯留されるレジスト液Lの所定の液面位置(充填完了位置、要補充位置)を監視し、貯留残量を検出する上限液面センサ61a、下限液面センサ61bが設けられている。処理液容器60からバッファタンク61にレジスト液Lが供給されている場合において、レジスト液Lの液面位置が上限液面センサ61aによって検知されると、開閉弁V11,V12が閉じ、処理液容器60からバッファタンク61へのレジスト液Lの供給が停止する。また、レジスト液Lの液面位置が下限液面センサ61bによって検知されると、開閉弁V11,V12が開き、処理液容器60からバッファタンク61へのレジスト液Lの供給が開始される。
【0036】
次に、
図7に基づいて、ポンプ70の詳細な構造について説明する。
図7に示されるポンプ70は可変容量ポンプであるダイヤフラムポンプであり、このダイヤフラムポンプ70は、可撓性部材であるダイヤフラム71にてポンプ室72と作動室73に仕切られている。
【0037】
ポンプ室72には、第1の開閉弁V1を介して第2の処理液供給管路51bに接続され、第2の処理液供給管路51b内のレジスト液Lを吸入するための一次側連通路72aと、第2の開閉弁V2を介して第3の処理液供給管路51cに接続され、第3の処理液供給管路51cにレジスト液Lを吐出する二次側連通路72bと、第3の開閉弁V3を介して第1の戻り管路55aに接続され、第1の戻り管路55aにレジスト液Lを吐出する循環側連通路72cが設けられている。
【0038】
作動室73には制御部101からの信号に基づいて作動室73内の気体の減圧及び加圧を制御する駆動手段74が接続されている。駆動手段74は、エアー加圧源75a(以下に加圧源75aという)と、エアー減圧源75b(以下に減圧源75bという)と、流量センサであるフローメータ77と、電空レギュレータ78と、圧力センサ79とを備えている。
【0039】
作動室73は、給排切換弁V4を介して駆動手段74側に接続する給排路73aが設けられており、この給排路73aに給排切換弁V4を介して加圧源75aと減圧源75bに選択的に連通する管路76が接続されている。この場合、管路76は、作動室73に接続する主管路76aと、この主管路76aから分岐され、減圧源75bに接続する排気管路76bと、加圧源75aに接続する加圧管路76cとで形成されている。主管路76aには流量センサであるフローメータ77が介設され、排気管路76bに介設される排気圧を調整する圧力調整機構と、加圧管路76cに介設される加圧すなわちエアー圧を調整する圧力調整機構とが電空レギュレータ78にて形成されている。この場合、電空レギュレータ78は、排気管路76bと加圧管路76cとを選択的に接続する共通の連通ブロック78aと排気管路76b又は加圧管路76cの連通を遮断する2つの停止ブロック78b,78cと、連通ブロック78a、停止ブロック78b,78cを切換操作する電磁切換部78dを備える電空レギュレータ78にて形成されている。また、電空レギュレータ78には圧力センサ79が設けられており、圧力センサ79によって管路76が接続する作動室73内の圧力が検出される。
【0040】
上記のように構成されるダイヤフラムポンプ70の作動室73側に接続される作動エアーの給排部において、駆動手段74を構成する上記フローメータ77と圧力センサ79及び電空レギュレータ78は、それぞれ制御部101と電気的に接続されている。そして、フローメータ77によって検出された管路76内の排気流量と、圧力センサ79によって検出された管路76内の圧力が制御部101に伝達(入力)され、制御部101からの制御信号が電空レギュレータ78に伝達(出力)されるように形成されている。
【0041】
一方、供給ポンプ80は可変容量ポンプであるローリングエッジダイヤフラムポンプで形成されており、駆動手段であるステッピングモータ81によって駆動される。この供給ポンプ80の吸入側即ちバッファタンク61側に連通する吸入路(図示せず)には電磁式の吸入開閉弁V6が設けられ、吐出側即ちフィルタ52側に連通する吐出路(図示せず)には電磁式の吐出開閉弁V7が設けられている。
【0042】
上記のように構成される供給ポンプ80によれば、レジスト液Lの吐出量を制御することができると共に、吸入から吐出まで同じ速度で制御することができるので、気泡が混入するのを防止することができる。
【0043】
制御部101は記憶媒体である制御コンピュータ100に内蔵されており、制御コンピュータ100は、制御部101の他に、制御プログラムを格納する制御プログラム格納庫102と、外部からデータを読み取る読取部103と、データを記憶する記憶部104を内蔵している。また、制御コンピュータ100は、制御部101に接続された入力部105と、液処理装置5の様々な状態を表示するモニタ部106と、読取部103に挿着されると共に制御コンピュータ100に制御プログラムを実行させるソフトウェアが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体107が備えられており、制御プログラムに基づいて上記各部に制御信号を出力するように構成されている。
【0044】
制御プログラム格納庫102には、ポンプ70へのレジスト液Lの吸入、ポンプ70から吐出ノズル7へのレジスト液Lの吐出、ポンプ70から戻り管路55を介してフィルタ52の一次側の第2の処理液供給管路51bへのレジスト液Lの供給、供給ポンプ80の駆動によりバッファタンク61から補充したレジスト液Lと戻り管路55を介して戻るレジスト液Lとの合成を行い、合成されたレジスト液Lを吐出ノズル7へのレジスト液Lの吐出量とポンプ70から戻り管路55を介して第2の処理液供給管路51bに戻るレジスト液Lの戻り量の比率に応じた回数でフィルタ52による濾過を実行するための制御プログラムが格納されている。
【0045】
また、制御プログラム格納庫102には、フィルタ52による濾過を行う際に、ドレイン弁V15を開いて、フィルタ52からレジスト液L中の気泡を排出する脱気工程を実行するための制御プログラムが格納されている。
【0046】
また、制御プログラムは、ハードディスク、コンパクトディスク、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、メモリカード等の記憶媒体107に格納され、これら記憶媒体107から制御コンピュータ100にインストールされて使用される。
【0047】
次に、
図4〜
図6、
図8〜
図13に基づいて、この実施形態における液処理装置5の動作について説明する。まず、制御部101からの制御信号に基づいて、第1の気体供給管路58aに介設された開閉弁V11と第1の処理液供給管路51aに介設された開閉弁V12が開放し、N2ガス供給源62から処理液容器60内に供給されるN2ガスの加圧によってレジスト液Lをバッファタンク61内に供給する。
【0048】
バッファタンク61内に所定量のレジスト液Lが供給(補充)されると、上限液面センサ61aからの検知信号を受けた制御部101からの制御信号に基づいて、開閉弁V11,V12が閉じる。このとき、第1の開閉弁V1は開き、開閉弁V2,V3は閉じている。また、給排切換弁V4が排気側に切り換わり、この状態で圧力センサ79によってダイヤフラムポンプ70の作動室73内の圧力が検出され、検出された圧力の検出信号が制御部101に伝達(入力)される。また、給排切換弁V4が排気側に切り換わった後に、供給ポンプ80の吐出開閉弁V7が開き、開閉弁V13が開く。
【0049】
次に、電空レギュレータ78が減圧源75b側に連通して、作動室73内のエアーを排気する。このとき、フローメータ77によって排気流量が検出され、検出された排気流量の検出信号が制御部101に伝達(入力)される。作動室73内のエアーの排気を行うことで、第2の処理液供給管路51bから所定量のレジスト液Lがポンプ室72に吸入される(ステップS1)。このとき、レジスト液Lがフィルタを通過するため、レジスト液Lの濾過回数は1回となる。
【0050】
次に、第1,第3の開閉弁V1,V3を閉じ、第2の開閉弁V2及び供給制御弁57を開く。このとき、給排切換弁V4を吸気側に切り換え、電空レギュレータ78を加圧側に連通して、作動室73内にエアーを供給することで、ポンプ室72に吸入されたレジスト液Lの一部(例えば5分の1)が吐出ノズル7を介してウエハに吐出される(ステップS2)。
【0051】
この場合において、ポンプ室72に吸入されているレジスト液Lの量は、作動室73内に供給されるエアーの供給量により調整される。即ち、作動室73に供給されるエアーの供給量を少なくすることで作動室73の体積増加が少なくなり、ウエハに吐出されるレジスト液Lの吐出量が少なくなる。また、作動室73に供給されるエアーの供給量を多くすることで作動室73の体積増加が多くなり、ウエハに吐出されるレジスト液Lの吐出量が多くなる。この実施形態では、ポンプ室72に吸入されているレジスト液Lの5分の1がウエハに吐出される。また、作動室73に供給されるエアーの供給量は、記憶部104に記憶されたデータに基づいて定められている。
【0052】
なお、ポンプ室72に吸入されるレジスト液Lの量を調整する方法として、作動室73内に供給されるエアーの供給量を調整する代わりに、エアーの供給時間を調整してもよく、あるいは、作動室73内に供給されるエアーの供給を制御部101から発信されるパルス信号によって調整してもよい。
【0053】
次に、第1,第2の開閉弁V1,V2を閉じ、第3の開閉弁V3,開閉弁V14を開き、作動室73内のエアーの供給量を多くすることで、ポンプ室72に吸入された残りのレジスト液L(例えば5分の4)が戻り管路55a,55bを介してフィルタ52の一次側の第2の処理液供給管路51bに戻される(ステップS3)。この実施形態では、ステップS1でポンプ室72に吸入されたレジスト液Lの5分の4が第2の処理液供給管路51bに戻される。
【0054】
次に、第3の開閉弁V3を閉じ、供給ポンプ80の吐出開閉弁V7を開いて供給ポンプ80を駆動し、第1の開閉弁V1,開閉弁V13を開くことで、第2の処理液供給管路51bに戻されたレジスト液Lと供給ポンプ80内に吸入されたレジスト液Lが合成され、ステップS1に戻った状態で、合成されたレジスト液Lがポンプ室72に吸入される。このとき、バッファタンク61からポンプ室72に供給されるレジスト液Lの量は、ウエハへの吐出量と等量となる。従って、この実施形態では、ポンプ室72に吸入されているレジスト液Lの5分の1の量のレジスト液Lが供給ポンプ80の駆動によりバッファタンク61から第2の処理液供給管路51bに補充される。
【0055】
なお、合成されたレジスト液Lのフィルタ52により濾過を行う際に、ドレイン弁V15が開いて、レジスト液L中に存在する気泡がフィルタ52からドレイン管路56を介して排出される。
【0056】
ここで、戻り管路55を介して第2の処理液供給管路51bに戻ってきたレジスト液Lはフィルタ52により濾過されているが、バッファタンク61から供給されるレジスト液Lはフィルタ52で濾過されていない。従って、戻り管路55を介して第2の処理液供給管路51bに戻ってきたレジスト液Lとバッファタンク61から補充されるレジスト液Lの合成によるレジスト液Lの濾過回数をレジスト液Lの合成濾過回数として求める場合、レジスト液Lの合成濾過回数と、ポンプ70に吸入されたレジスト液Lのウエハへの吐出量と第2の処理液供給管路51bへの戻り量の関係は、次式(1)で示される。
【0057】
An=(a+b)/a−b/a×{b/(a+b)}
n−1 ・・・(1)
ここで、Anはウエハに吐出されるレジスト液Lの合成濾過回数であり、式(1)で表わされる合成濾過回数を循環合成濾過回数という。また、a,bはレジスト液Lのウエハへの吐出量と戻り管路55への戻り量の比であり、nはフィルタ52にレジスト液Lを通過させた回数(処理回数)である。また、レジスト液Lの合成濾過回数Anがこの発明の吐出量と戻り量の比率の合成に応じた回数に相当する。上述した式(1)から、合成濾過回数Anは、処理回数nを大きくすることにより(a+b)/aの値に飽和する。このAn,n,a,bの関係を
図13に示す。
【0058】
図13に示すように、a=1,b=4の場合には、処理回数nの増加に従って合成濾過回数Anが5に近づくように収束する。同様に、a=1,b=2の場合には合成濾過回数Anが3に近づき、a=1,b=1の場合には合成濾過回数Anが2に近づき、a=2,b=1の場合には合成濾過回数Anが1.5に近づき、a=5,b=1の場合には合成濾過回数Anが1.2に近づくように収束する。
【0059】
この実施形態では、戻り管路55を介して第2の処理液供給管路51bに戻ってきたレジスト液Lとバッファタンク61から供給されるレジスト液Lの流量の比は4対1であり、戻り管路55を介して第2の処理液供給管路51bに戻ってきたレジスト液Lの濾過回数は1回、バッファタンク61から供給されるレジスト液Lの濾過回数は0回である。この場合には、
図10、
図11に示すように、フィルタ52の一次側の第2の処理液供給管路51bに供給されるレジスト液Lの合成濾過回数は0.8回となり、このレジスト液Lをフィルタ52に通過させることでレジスト液Lの合成濾過回数は1.8回となる。
【0060】
このようなステップS1〜S3の工程を繰り返すことで、ポンプ70にレジスト液Lを吸入し、ポンプ70に吸入したレジスト液Lの一部(5分の1)をウエハに吐出すると共にポンプ70に吸入したレジスト液Lの残り(5分の4)を第2の供給管路51bに戻し、バッファタンク61からレジスト液Lを補充する工程を繰り返す。一例として、ウエハへの吐出量と第2の処理液供給管路51bに戻る戻り量との比を1対4とした場合は、a=1,b=4であるため、合成濾過回数を上記式(1)に基づいて計算をすると、ステップS1からS3を5回繰り返した場合(n=5)において、合成濾過回数A5は3.36回となる。
【0061】
次に、表1に基づいて第1実施形態の効果について説明する。表1には、循環合成濾過と後述する往復合成濾過の合成濾過回数Anに対するステップS1〜S3を行う際にかかる時間(サイクルタイム)と、パーティクル規格化数が示されている。ここで、パーティクル規格化数とは、濾過を行っていないレジスト液Lをウエハに吐出した際のパーティクル数、又は濾過を1回行ったレジスト液Lをウエハに吐出した際のパーティクル数に対する循環合成濾過又は往復合成濾過を行ったレジスト液Lをウエハに吐出した際のパーティクル数の比をいう。
【表1】
【0062】
合成濾過回数Anを5回行う循環合成濾過方法では、サイクルタイムは24.9秒であり、パーティクル規格化数は17、1回濾過に対するパーティクル規格化数は77となった。従って、合成濾過回数Anを5回行う循環合成濾過方法では、濾過を1回行う場合とほぼ同じサイクルタイムを実現することができ、濾過されていないレジスト液Lと比較してパーティクル数を17%に抑え、濾過を1回行ったレジスト液Lと比較してパーティクル数を77%に抑えることができた。
【0063】
また、合成濾過回数Anを10回行う循環合成濾過方法では、サイクルタイムは35.9秒であり、パーティクル規格化数は7、1回濾過に対するパーティクル規格化数は32となった。従って、合成濾過回数Anを10回行う循環合成濾過方法では、濾過されていないレジスト液Lと比較してパーティクル数を7%に抑え、濾過を1回行ったレジスト液Lと比較してパーティクル数を32%に抑えることができた。また、合成濾過回数Anを5回行う循環合成濾過方法と比較してもパーティクル数を41%に抑えることができた。
【0064】
従って、フィルタによる濾過を1回行った場合と同様のスループットを確保しつつ濾過効率を向上させることができるため、装置の大掛かりな変更をすることなく、一のフィルタで複数のフィルタを設けた場合と同様の濾過効率を得ると共に、スループット低下の防止を図ることができる。
【0065】
この実施形態では、ポンプ室72に吸入されたレジスト液Lの一部を吐出ノズル7を介してウエハに吐出する状態では、バッファタンク61から供給ポンプ80内にレジスト液Lは吸入されていないが、
図5Aに示すように、レジスト液Lを吐出ノズル7から吐出する工程と、吐出量以上の補充量を供給ポンプ80内に吸入する工程とを同時に行ってもよい。これにより、レジスト液Lを吐出ノズル7から吐出している際に、吐出量以上の補充量を供給ポンプ80内に吸入するので、スループットの向上が図れる。
【0066】
<第2実施形態>
次に、
図14〜
図17に基づいて、この発明に係る液処理装置の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成については、同一部分に同一符号を付して説明は省略する。
【0067】
第2実施形態においては、ダイヤフラムポンプ70の吐出側とフィルタ52の一次側とを接続する戻り管路55とは、トラップタンク53、フィルタ52を介してフィルタ52の一次側の第2の処理液供給管路51bへのレジスト液Lの供給を可能にする第1の戻り管路55aに相当する。
【0068】
第2実施形態の動作は、第1実施形態で行われる動作を示す
図12のステップS1,S2については同一であるが、ステップS3で異なる。すなわち、ダイヤフラムポンプ70に吸入されているレジスト液Lを第2の処理液供給管路51bに戻す際のレジスト液Lの経路が異なっている。
【0069】
図17に示すように、ダイヤフラムポンプ70に流入されているレジスト液Lの一部をウエハに吐出した後、第1,第2の開閉弁V1,V2,開閉弁V14が閉じられ、第3の開閉弁V3,開閉弁V13が開いた状態で、作動室73内にエアーを供給することで、ポンプ室72に流入しているレジスト液Lが戻り管路55a、フィルタ52を介してフィルタ52の一次側の第2の処理液供給管路51bに戻される。そして、第1実施形態と同様に、ウエハへの吐出量と等量のレジスト液Lがバッファタンク61から補充される。従って、レジスト液Lはダイヤフラムポンプ70への吸入時と第2の処理液供給管路51bへの戻りの時にフィルタ52により濾過される。
【0070】
従って、ダイヤフラムポンプ70に吸入されたレジスト液Lの一部は、第1の戻り管路55aと第2の処理液供給管路51bを通過する過程、換言すれば第2の処理液供給管路51bを往復する過程でフィルタ52による濾過(以下に、往復合成濾過という)が行われる。この場合のウエハに吐出されるレジスト液Lの合成濾過回数Anと、ダイヤフラムポンプ70に吸入されたレジスト液Lのウエハへの吐出量と第2の処理液供給管路51bへの戻り量の関係は、次式(2)で示される。
【0071】
An=(a+2b)/a−2b/a×{b/(a+b)}
n−1 ・・・(2)
ここで、式(2)で表わされる合成濾過回数を往復合成濾過回数という。
【0072】
一例として、ウエハへの吐出量と第2の処理液供給管路51bに戻る戻り量との比を1対4とした場合は、a=1,b=4であるため、合成濾過回数を上記式(2)に基づいて計算をすると、ステップS1からS3を5回繰り返した場合(n=5)において、合成濾過回数A5は4.21回となる。
【0073】
次に、表1に基づいて第2実施形態の効果について説明する。第2実施形態における合成濾過回数Anを5回行う往復合成濾過方法では、サイクルタイムは20.5秒であり、パーティクル規格化数は18、1回濾過に対するパーティクル規格化数は82となった。従って、合成濾過回数Anを5回行う往復合成濾過方法では、濾過を1回行う場合よりも速いサイクルタイムを実現することができ、濾過されていないレジスト液Lと比較してパーティクル数を18%に抑え、濾過を1回行ったレジスト液Lと比較してパーティクル数を82%に抑えることができた。
【0074】
また、合成濾過回数Anを10回行う往復合成濾過方法では、サイクルタイムは26.0秒であり、パーティクル規格化数は8、1回濾過に対するパーティクル規格化数は36となった。従って、合成濾過回数Anを10回行う往復合成濾過方法では、濾過されていないレジスト液Lと比較してパーティクル数を8%に抑え、濾過を1回行ったレジスト液Lと比較してパーティクル数を36%に抑えることができた。また、合成濾過回数Anを5回行う往復合成濾過方法と比較してもパーティクル数を44%に抑えることができた。
【0075】
従って、第1実施形態と同様に、フィルタによる濾過を1回行った場合と同様のスループットを確保しつつ濾過効率を向上させることができるため、装置の大掛かりな変更をすることなく、一のフィルタで複数のフィルタを設けた場合と同様の濾過効率を得ると共に、スループット低下の防止を図ることができる。
【0076】
また、第2実施形態の往復合成濾過方法では、レジスト液Lを第2の処理液供給管路51bに戻す際にもフィルタ52を通過させるため、第2実施形態では、第1実施形態と比べてウエハ上に付着するパーティクルの数を減少させることができる。
【0077】
<第3実施形態>
図18に基づいて、この発明に係る液処理装置の第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態において、第1実施形態と同一の構成については、同一部分に同一符号を付して説明は省略する。
【0078】
第3実施形態では、ダイヤフラムポンプ70と第3の処理液供給管路51cとの接続部に設けられている開閉弁V2の代わりに逆止弁(図示せず)が設けられ、流量調整弁V4が第3の処理液供給管路51cと戻り管路55との接続部の二次側の第3の処理液供給管路51cに介設される。流量調整弁V4は、吐出ノズル7に吐出されるレジスト液Lの流量を調整可能な開閉弁である。
【0079】
また、ダイヤフラムポンプ70と戻り管路55との接続部に設けられている第3の開閉弁V3の代わりに、流量調整弁V5がダイヤフラムポンプ70とトラップタンク53との間の第1の戻り管路55aに介設される。流量調整弁V5は、第2の処理液供給管路51bに戻るレジスト液Lの流量を調整可能な開閉弁である。この流量調整弁V4,V5は制御部101によって制御される。
【0080】
第3実施形態の動作は、第1実施形態で行われる動作を示す
図12のステップS1については同一であるが、ステップS2,S3で異なる。ダイヤフラムポンプ70に流入されているレジスト液Lを吐出ノズル7を介してウエハに吐出する際には、第1の開閉弁V1,流量調整弁V5を閉じると共に流量調整弁V4を開き、駆動手段74を駆動させることでダイヤフラムポンプ70に吸入されたレジスト液Lの一部(例えば5分の1)の吐出を行う。このとき、第3の処理液供給管路51cを流通するレジスト液Lの流量は、流量調整弁V4によって調整される。
【0081】
次に、ダイヤフラムポンプ70に流入されているレジスト液Lを戻り管路55を介して第2の処理液供給管路51bに戻す際には、流量調整弁V4を閉じると共に流量調整弁V5を開き、駆動手段74を駆動させることでダイヤフラムポンプ70に吸入されているレジスト液Lの一部(例えば5分の4)を戻り管路55に流入させる。このとき、第2の処理液供給管路51bを戻るレジスト液Lの流量は、流量調整弁V5によって調整される。
【0082】
従って、第1実施形態、第2実施形態と同様に、フィルタによるレジスト液の濾過を行っていない場合及び1回濾過した場合と同様のスループットを確保しつつ濾過効率を向上させることができるため、装置の大掛かりな変更をすることなく、一のフィルタで複数のフィルタを設けた場合と同様の濾過効率を得ると共に、スループット低下の防止を図ることができる。