(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記酸化物半導体層の表面に酸化物薄膜を形成し、前記酸化物薄膜を部分的に除去して前記酸化物薄膜から成るストッパー層を形成し、前記酸化物薄膜が除去された部分に、ソース領域の少なくとも一部と、ドレイン領域の少なくとも一部とを露出させて、前記ソース領域の露出部分と前記ドレイン領域の露出部分に接触する前記電極層を形成する請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
IGZO薄膜(InGaZnO
x薄膜)は、移動度が高いという優れた電気特性を持ち、また、可視光を透過させる光学特性を有し、透明膜を形成できる。
また、アモルファスの場合は、IGZO薄膜は、室温から150℃という低温で成膜することができ、プラスチックスの基板上に形成できることから、フレキシブルデバイスの材料にも適している。
本発明の実施例では、酸化物半導体としてアモルファスIGZO薄膜を採用し、電極材料には、銅を主成分としている。
図5は、本発明の実施例の液晶表示装置であり、本発明の第一例のトランジスタ11の断面図が、液晶表示部と共に示されている。
このトランジスタ11を説明すると、該トランジスタ11では、ガラス基板31の表面に細長のゲート電極層32が配置されており、ゲート電極層32上には、少なくとも幅方向に亘り、ゲート電極層32を覆うように、ゲート絶縁膜33が配置されている。
【0013】
ゲート絶縁膜33上には、酸化物半導体層34が配置され酸化物半導体層34上に、幅方向の両端に互いに分離して、ソース電極層51とドレイン電極層52とが形成されている。
ソース電極層51とドレイン電極層52の間には凹部55が設けられ、この凹部55によってソース電極層51とドレイン電極層52とは分離された状態で、ソース電極層51とドレイン電極層52とは、それぞれ酸化物半導体層34に接続されている。
ソース電極層51とドレイン電極層52は、本発明の電極層である。
ソース電極層51とドレイン電極層52は、酸化物半導体層34上に形成された酸素拡散防止薄膜37と、酸素拡散防止薄膜37と接する高導電性薄膜38を有している。高導電性薄膜38は酸化物半導体層34と接しないことが好ましい。酸素拡散防止薄膜37は、酸素含有銅薄膜であり、高導電性薄膜38は、銅薄膜である。酸素含有銅薄膜は、銅を主成分とし酸素を含有する膜である。銅薄膜は、銅を主成分とし、酸素含有銅薄膜より酸素含有量が低く、抵抗が低い膜である。
【0014】
符号36は、ストッパー層である。
ソース電極層51とドレイン電極層52は、後述する銅が主成分の二層構造の積層型電極層40(
図3(a))によって構成されており、凹部55は、その積層型電極層40の部分的エッチングによって形成されている。この凹部55が形成される部分の積層型電極層40の下方位置には、ストッパー層36が配置され、積層型電極層40がエッチング除去されても、エッチング液はストッパー層36に接触しても、ストッパー層36よりも下方に位置する酸化物半導体層34には接触しないようにされている。
ソース電極層51上と、ドレイン電極層52上と、その間の凹部55上には、水分等の侵入防止のため、保護膜41が形成されており、凹部55の部分では、酸化物半導体層34上のストッパー層36には、保護膜41が接触している。
【0015】
液晶表示領域14には画素電極82が配置されており、画素電極82上には液晶83が配置されている。液晶83上には上部電極81が位置しており、画素電極82と上部電極81との間に電圧が印加されると液晶83の配向が変化し、液晶83を通る光の偏光性が変わる。
光の偏向性が変わると、光の偏光性と偏光フィルタの偏向性との間の関係がかわるから、偏光フィルタを透光していた光が遮蔽され、又は、偏光フィルタに遮蔽されていた光が透光する。
このように、光の偏光性が変わると透光状態と遮光状態との間を切換えることができ、光の偏光性を変化させることで、光の透光状態と遮光状態とを制御することができる。
画素電極82はソース電極層51やドレイン電極層52と電気的に接続されており、トランジスタ11がON・OFFすることで、画素電極82への電圧印加の開始・終了が行われる。
【0016】
ここでは画素電極82は、ドレイン電極層52に接続された配線層42の一部から成っている。配線層42は透明導電層であり、例えば、ITOで構成されている。配線層42は、ゲート電極層32を構成する薄膜と同じ薄膜から成る配線層84に接続されている。
【0017】
このトランジスタ11の製造工程を説明する。
このトランジスタ11は、先ず、ガラス基板31上に、スパッタ法や蒸着法等の真空薄膜形成方法によって第一の導電性薄膜を形成し、第一の導電性薄膜をパターニングして
図1(a)に示すように、ゲート電極層32を形成する。第一の導電性薄膜には、ガラスとの密着性が高い金属薄膜等を用いることができる。
【0018】
第一の導電性薄膜のパターニングによってゲート電極層32が形成されると、ゲート電極層32が位置する部分以外はガラス基板表面が露出する。
図1(b)に示すように、ガラス基板31とゲート電極層32の表面に、SiO
2、SiNx等のゲート絶縁膜33を形成する。このゲート絶縁膜33は、必要な平面形状にパターニングする。
【0019】
次に、ゲート絶縁膜33上に酸化物半導体の薄膜を形成し、パターニングして、
図1(c)に示すように、パターニングされた酸化物半導体の薄膜から成る酸化物半導体層34を形成する。
次いで、
図2(a)に示すように、酸化物半導体層34の表面と、酸化物半導体層34の間に露出するゲート絶縁膜33の表面に亘って酸化物絶縁薄膜35を形成し、
図2(b)に示すように、その酸化物絶縁薄膜35をパターニングして、酸化物絶縁薄膜から成るストッパー層36を形成する。
【0020】
そして
図2(b)の状態の処理対象物80では、ストッパー層36の表面と、酸化物半導体層34のソース領域の部分の表面と、ドレイン領域の部分の表面とが露出しており、ストッパー層36は他の部分の表面を覆っている。
上述したように、後の工程で、積層型電極層40を除去して凹部55を形成する部分の積層型電極層40の下方位置には、ストッパ層36が配置されている。
この処理対象物80をスパッタ装置の内部の真空雰囲気中に搬入し、スパッタ装置の真空雰囲気中にスパッタリングガス(Arガス)と酸素ガスとを導入する。
スパッタ装置の内部を、酸素が含有されたスパッタリング雰囲気にし、スパッタ装置内に配置され、銅を主成分(88at%以上)として含有する銅ターゲット(銅原子を100原子%としたとき、銅とは異なる金属である金属添加物を12原子%以下の範囲で含有するターゲットであり、金属添加物を含有しない純銅のターゲットを含む)を、スパッタ装置の内部に、スパッタリングガスと酸素ガスを導入しながらスパッタし、ストッパー層36の表面と、酸化物半導体層34のソース領域71及びドレイン領域72の露出部分の表面とに接触する酸素拡散防止薄膜37を形成する。スパッタリングガスは、アルゴンガス等の希ガスである。
この酸素拡散防止薄膜37の銅と金属添加物との比率はターゲット中の銅と金属添加物の比率と同じ値であるが、銅と金属添加物(金属添加物が0原子%の場合を含む)のターゲットが酸素ガスを含む雰囲気中でスパッタされるため、酸素が銅と結合して酸化銅が生成され、酸素拡散防止薄膜37中には酸化銅が含有される。酸素拡散防止薄膜37は、高導電性薄膜38よりも含有する酸素の濃度は高い。
次に、酸素ガスの導入を停止し、スパッタリングガスを導入しながら酸素拡散防止薄膜37を形成したときの銅ターゲットをスパッタリングし、
図3(a)に示すように、酸素拡散防止薄膜37の表面に、銅原子を88原子%以上含有する高導電性薄膜38を形成し、酸素拡散防止薄膜37と高導電性薄膜38とから成る積層型電極層40を形成する。
スパッタリングによる高導電性薄膜38の形成の際には、酸素ガスはスパッタリング雰囲気中に導入されておらず、高導電性薄膜38中には酸化銅は発生しないので高導電性薄膜38の導電率は高い。
酸素拡散防止薄膜37と高導電性薄膜38の、銅に対する金属添加物の割合は、それらを形成したターゲットの割合と同じ、もしくは高導電性薄膜のみ純銅を用いてもよい。
【0021】
このように、本発明では、高導電性薄膜38と酸化物半導体層34の間には、酸素拡散防止薄膜37が配置されており、高導電性薄膜38は酸化物半導体層34とは接触しない。積層型電極層40と酸化物半導体層34との間の酸素の濃度差は、高導電性薄膜38が酸化物半導体層34と接触する場合よりも、酸素拡散防止薄膜37が酸化物半導体層34と接触する場合の方が小さくなっており、酸化物半導体層34から積層型電極層40への酸素の拡散が防止される。
【0022】
また、酸素拡散防止薄膜37は、酸素を含有することから、酸素拡散防止薄膜37の酸化物に対する密着性は高く、積層型電極層40は酸化物半導体層34や、他の酸化物の薄膜から剥離しない。また、酸素拡散防止薄膜37と高導電性薄膜38の両方とも、銅が88原子%以上含有されており、酸素拡散防止薄膜37と高導電性薄膜38とは同じ金属を主成分として含有しているので、互いの薄膜の間の密着性も高い。従って、高導電性薄膜38が酸素拡散防止薄膜37から剥離することもない。
酸素拡散防止薄膜37は、ストッパー層36や、酸化物半導体層34の表面にも形成されており、高導電性薄膜38は酸素拡散防止薄膜37の表面に形成されている。従って、積層型電極層40は、ストッパー層36や酸化物半導体層34から剥離することはない。
【0023】
また、酸素拡散防止薄膜37は、銅原子に対するバリア機能を有しており、酸素拡散防止薄膜37から酸化物半導体層34内に銅原子は拡散せず、また、高導電性薄膜38と酸化物半導体層34の間には酸素拡散防止薄膜37が位置しているから、高導電性薄膜38中の銅原子は拡散を酸素拡散防止薄膜37で阻止され、酸化物半導体層34中への銅原子拡散が防止されている。
酸素拡散防止薄膜37と高導電性薄膜38とが形成された後、高導電性薄膜38表面にレジスト膜を形成し、レジスト膜をパターニングし、高導電性薄膜38表面の、ソース領域71の上の位置と、ドレイン領域72の上の位置とに、レジスト膜を配置する。
図3(b)の符号39は、そのレジスト膜を示している。
【0024】
この状態で、銅等の金属を溶解させるエッチング液に浸漬すると、レジスト膜39の間に露出した高導電性薄膜38と、高導電性薄膜38の露出部分直下に位置する酸素拡散防止薄膜37とがエッチング液によってエッチングされる。
その結果、積層型電極層40は、レジスト膜39で覆われたソース領域71上の部分とドレイン領域72上の部分だけが残り、
図3(c)に示すように、ソース領域71上で残った酸素拡散防止薄膜37と高導電性薄膜38とによってソース電極層51が形成され、ドレイン領域72上で残った酸素拡散防止薄膜37と高導電性薄膜38とによってドレイン電極層52が形成される。
ソース電極層51とドレイン電極層52は互いに離間されており、ゲート電極層32の一端上にソース電極層51の一部が位置し、他端上にドレイン電極層52の一部が位置している。ソース電極層51の縁部分と、ドレイン電極層52の縁部分は、ストッパー層36上に乗っている。
【0025】
酸化物半導体層34の、ソース領域71とドレイン領域72の間がチャネル領域73であり、ゲート電極層32は、ゲート絶縁膜33を挟んでチャネル領域73と対向する位置にある。この状態では、酸化物半導体層34と、ゲート絶縁膜33と、ゲート・ソース・ドレイン電極層32、51、52とでトランジスタ11が構成されている。
【0026】
次いで、
図4(a)に示すようにレジスト膜39を除去し、
図4(b)に示すようにSiNxやSiO
2等の絶縁膜から成る保護膜41を形成し、
図5に示すように保護膜41にヴィアホールやコンタクトホール等の接続孔43を形成し、接続孔43底面に露出するソース電極層51やドレイン電極層52等と他の素子の電極層との間をパターニングした配線層42で接続し、ゲート・ソース・ドレイン電極層32、51、52に電圧を印加できるようになると、トランジスタ11は動作することができるようになる。符号83は液晶であり、符号81は上部電極であり、後工程で配置される。
以上は、酸化物半導体層34を浸食するエッチング液を用いて高導電性薄膜38と酸素拡散防止薄膜37とをエッチングしたため、ストッパー層36によってエッチング液を酸化物半導体層34に接触させないようにしていたが、酸化物半導体層34を浸食しないエッチング液を用いる場合は、酸化物半導体層34はエッチング液に接触できるのでストッパー層36は不要である。
【0027】
その例を説明すると、
図6(c)は、液晶表示装置の一部であり、ストッパー層36を有さないトランジスタ12が示されている。液晶表示領域は省略されている。
ストッパー層36を有さないトランジスタ12の形成工程を説明すると、
図6(a)を参照し、同図は、ゲート絶縁膜33上に、パターニングされた酸化物半導体層34を形成する。
次いで、酸素拡散防止薄膜37と高導電性薄膜38をこの順序で形成して積層させ、積層型電極層40を構成し、酸化物半導体層34のソース領域71上の
積層型電極層40の高導電性薄膜38表面とドレイン領域72上の積層型電極層40
の高導電性薄膜38表面とにレジスト膜39を配置した状態
で、酸化物半導体層34を浸食しないエッチング液に浸漬し、高導電性薄膜38と酸素拡散防止薄膜37のうちのレジスト膜39で覆われていない部分をエッチング除去する。(
図6(b))
このとき、酸化物半導体層34とエッチング液が接触するが、酸化物半導体層34は浸食されない。
【0028】
レジスト膜39除去後、
図6(c)に示すように、保護膜41に接続孔43を形成して配線をソース電極層51やドレイン電極層52に接続すると、ストッパー層36を有さないトランジスタ12が動作できる状態になる。
このトランジスタ12では、ガラス基板31側から、ゲート電極層32、ゲート絶縁膜33、酸化物半導体層34、ソース・ドレイン電極層51、52がこの順序で位置しており、ボトムゲート型のトランジスタであるが、本発明は、
図7に示すようなトップゲート型のトランジスタ13であってもよい。
【0029】
このトランジスタ13は、ガラス基板31上に、部分的に酸化物半導体層34が形成されており、酸化物半導体層34と、酸化物半導体層34間に露出するガラス基板31上にゲート絶縁膜33が形成されている。
【0030】
ゲート絶縁膜33のうちのチャネル領域73上の部分には、ゲート電極層32が配置されており、ゲート絶縁膜33上には、ゲート電極層32を覆うように、酸化物から成る薄膜である層間絶縁層61が配置されている。
ゲート絶縁膜33と層間絶縁層61のソース領域71上の部分とドレイン領域72上の部分とには、接続孔43が形成されている。層間絶縁層61上には、接続孔43の底部にソース領域71表面とドレイン領域72表面とが露出された状態で、酸素拡散防止薄膜37と高導電性薄膜38がこの順序で積層形成され、二層構造の積層型電極
層が構成されている。
【0031】
この積層型電極
層はパターニングされており、酸素拡散防止薄膜37がソース領域71表面と接触したソース電極層51と、ドレイン領域72表面と接触し、ソース電極層51とは分離されたドレイン電極層52とが形成され、トランジスタ13が構成されている。
なお、ソース電極層51とドレイン電極層52と、その間に露出された層間絶縁層61上には保護膜41が形成されている。
【0032】
このトランジスタ13でも、高導電性薄膜38は層間絶縁層61等の酸化物から成る絶縁膜や、酸化物半導体層34には直接接触しておらず、酸素拡散防止薄膜37を介して接触するようになっており、酸素拡散防止薄膜37の高い密着力によって高導電性薄膜38は剥離せず、また、酸素拡散防止薄膜37のバリア特性によって、高導電性薄膜38中や酸素拡散防止薄膜37中の銅原子は、絶縁膜や酸化物半導体層34内に拡散しないようになっている。
【実施例】
【0033】
以下の実施例や比較例では、酸化物半導体にはInGaZnOを用いた。酸素拡散防止薄膜37と高導電性薄膜38は、スパッタリング法により形成した。スパッタリングガスにはアルゴンガスを用い、酸化ガスには、酸素を用いた。
本発明の実施例として、表1〜表3中の、番号1〜13で示した組成の酸素拡散防止薄膜37と高導電性薄膜38から成る積層型電極層40を形成し、積層型電極層40と酸化物半導体層34の密着性と、酸化物半導体層34の酸素引き抜き発生(還元発生)の有無を検査した。
密着性は、積層型電極層40の表面に所定個数の接着テープを貼付した後、各接着テープを引き剥がし、接着テープに積層型電極層40が付着したか否かで判断した。
還元発生の有無は、積層型電極層40と酸化物半導体層34を二次イオン分析(SIMS)し、積層型電極層40表面から酸化物半導体層34の内部までの酸素濃度を測定し、深さ方向の酸素含有量の変化と酸化銅の含有量の変化から還元性の有無を判断した。
表1〜3の「膜構成」の欄には、「/」の左側に高導電性薄膜38の構成材料が示され、右側に、酸素拡散防止薄膜37の構成材料が示されている。
表1〜3の1〜13に記載された「膜構成」から分かるように、高導電性薄膜38は純銅の薄膜で構成されており、高導電性薄膜38を形成したターゲットもCu100原子%である。
酸素拡散防止薄膜37の構成材料は、酸素を含まない場合と含む場合の両方が示されており、銅と金属添加物、又は銅と金属添加物と酸素である。
「合金添加量 at%」の欄には、酸素拡散防止薄膜37の、銅を100原子%としたときの金属添加物の含有割合(原子%)が示されており、酸素拡散防止薄膜37を形成したターゲットの銅と金属添加物の割合もこの値である。
「酸素添加量 %」の欄には、スパッタリングの際の、スパッタリングガス圧力に対する酸素ガスの圧力が示されている。酸素添加量がA%のとき、「スパッタガス(アルゴンガス)圧力:酸素ガス圧力=100:A」である。
「IGZO膜との密着性」の欄は、密着性の検査結果であり、「as depo.」は、積層型電極層40の形成後、加熱する前の測定による検査結果であり、「400℃ aneal」は、保護膜41の形成条件を模擬し、保護膜41を形成せずに、酸化物半導体層34と積層型電極層40とが形成された測定対象物を、保護膜41の形成温度(ここでは400℃)に加熱した後の測定による検査結果である。
引き剥がした接着テープに積層型電極層40が付着したことにより、密着性が悪いと判断すべきものを×、接着テープに積層型電極層40が付着しなかったことにより、密着性が高いと判断すべきものを○にして記載した。
「IGZO膜の還元発生有無」については、保護膜41の形成温度(ここでは400℃)に加熱した後の測定であり、還元が発生したと判断すべきものを×、還元の発生は無かったと判断すべきものを○にして記載してある。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
表1〜3に示されているように、金属添加物が、Mg(番号2)の積層型電極層40は、「IGZO膜との密着性」と「IGZO膜の還元発生有無」が全部○に成るのは、「合金添加量 at%」が1以上、且つ、「酸素添加量 %」が3以上の場合であり、Al(番号3)の積層型電極層40については、それぞれ5以上、3以上であり、各表1〜3から、各金属添加物の「合金添加量 at%」と「酸素添加量 %」の必要な値の最低値が読み取れる。
純銅の場合でも、「酸素添加量 %」の値が5(
圧力%)以上であれば、密着性が高く、還元反応は発生しなくなるから、金属添加物の有無に拘わらず、酸素添加量5
圧力%が酸素添加量の最小値になる。
番号2、5の場合、金属添加物を最低1原子%含有させれば、酸素含有量は最低3
圧力%でよい。
また、金属添加物の最大の含有量は、MgとAlを含有番号4の膜構成のときであり、Mgは2原子%、Alは10原子%の合計量12%が最大値となる。この金属添加物の含有量の最大値であるときは、銅の含有量は、最小値の88原子%となる。
番号4の膜構成を除外したときには、金属添加物の含有量の最大値は、番号2、3の膜構成の5原子%となり、その場合には、銅の含有率の最小値は95原子%となる。
【0038】
なお、各番号1〜13の種類の金属添加物において、「酸素添加量 %」は、20以上であっても「IGZO膜との密着性」と「IGZO膜の還元発生有無」の検査結果は○(良)になると予想されるが、抵抗値が大きくなって好ましくないので、最大値は20にすることが考えられる。
【0039】
上記酸化物半導体はInGaZnOであったが、本発明はそれに限定されるものではなく、ZnOやSnO
2等の酸化物半導体も含まれる。
【0040】
また、本発明の酸素拡散防止薄膜は、スパッタ法によって形成する形成方法に限定されず、蒸着法等の他の成膜方法によって形成されたものも含まれる。
【0041】
また、酸素拡散防止薄膜37が接触する酸化物から成る絶縁膜(一例として上記ストッパー層36)はSiO
2膜であったが、本発明はそれに限定されるものではなく、酸化物から成る絶縁膜には、酸化物を含有する薄膜も含まれる。本発明の絶縁膜には例えばSiON膜、SiOC膜、SiOF膜、Al
2O
3膜、Ta
2O
5膜、HfO
2膜、ZrO
2膜が含まれる。