特許第5964238号(P5964238)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5964238高CRIで色温度調整可能な照明デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5964238
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】高CRIで色温度調整可能な照明デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/00 20100101AFI20160721BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20160721BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20160721BHJP
【FI】
   H01L33/00 L
   H01L33/00 J
   F21S8/02 400
   F21V23/00 140
【請求項の数】10
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2012-544480(P2012-544480)
(86)(22)【出願日】2010年12月15日
(65)【公表番号】特表2013-515354(P2013-515354A)
(43)【公表日】2013年5月2日
(86)【国際出願番号】US2010003190
(87)【国際公開番号】WO2011084135
(87)【国際公開日】20110714
【審査請求日】2012年10月29日
(31)【優先権主張番号】12/643,705
(32)【優先日】2009年12月21日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】クリー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CREE INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ファン デ フェン, アントニー, ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ネグレイ, ジェラルド
【審査官】 金高 敏康
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2003/019072(WO,A1)
【文献】 特開2005−142311(JP,A)
【文献】 特表2008−505433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 − 33/64
F21S 8/02
F21V 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相異なる色の光を放出する第1のLEDおよび第2のLEDを含む固体エミッタの制御グループであって、前記第1のLEDは青色シフト黄色LEDを含み、前記第2のLEDは赤色放出LEDを含み、前記青色シフト黄色LEDは制御グループから放出される量の約60から90%を放出し、前記赤色放出LEDは制御グループから放出される量の約10から40%を放出する、制御グループと、
可変LEDを含む固体エミッタの可変グループであって、前記可変LEDが青色放出LEDと緑色放出LEDとを含む、可変グループとを備え、
前記制御グループと前記可変グループからの光の組合せが、CIEグラフ内の黒体軌跡(BBL)の標準偏差内で放出を引き起こし、前記可変グループの放出強度を変動させることで、前記制御グループと前記可変グループからの組み合わせた光の放出を色温度範囲内で変動させながら、BBLの前記標準偏差内で放出させ
前記可変グループからの放出が変動するとき、前記第1のLEDと前記第2のLEDの放出比がほぼ一定のままである、
固体照明器具。
【請求項2】
前記第1のLEDの放出点がCIEグラフ内のBBLを上回り、前記第2のLEDの放出がBBLを下回る、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記可変グループが、相異なる色の光を放出する相異なるタイプのエミッタを含む、請求項1に記載の照明器具。
【請求項4】
前記可変グループ放出が変動するとき、前記相異なるタイプのエミッタからの光の比が一定のままである、請求項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記可変グループからの放出点が、CIEグラフで前記第1のLEDおよび前記第2のLEDからの放出点の左側にある、請求項1に記載の照明器具。
【請求項6】
前記制御グループと前記可変グループからの組み合わせた放出のCRIが、色温度範囲にわたって90より大きい、請求項1に記載の照明器具。
【請求項7】
前記可変グループが、約488nmの波長を有する光を放出し、前記色温度範囲が約2700〜4000Kである、請求項1に記載の照明器具。
【請求項8】
前記可変グループが、約487nmの波長を有する光を放出し、前記色温度範囲が約2700〜5000Kである、請求項1に記載の照明器具。
【請求項9】
前記可変グループが、約485nmの波長を有する光を放出し、前記色温度範囲が約2700〜6500Kである、請求項1に記載の照明器具。
【請求項10】
前記可変グループが、460nmおよび530nmの波長の光を放出する第1のエミッタおよび第2のエミッタを含み、前記色温度範囲が約2700〜6500Kである、請求項1に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体照明(SSL)に関し、詳細には、放出を組み合わせて所望の特性を有する光を生じさせる複数のLEDチップまたはLEDパッケージを有するSSL照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)(複数可)は、電気エネルギーを光に変換する固体デバイスであり、通常、反対にドープされた層の間に挟まれた1つまたは複数の活性半導体材料層を含む。ドープ層の両端間にバイアスが印加されると、活性層内に正孔および電子が注入され、正孔と電子は活性層内で再結合して光を生成する。光は、活性層およびLEDのすべての表面から放出される。
【0003】
回路または他の同様の構成内でLEDチップを使用するには、環境的および/または機械的な保護、色の選択、集光などを提供するために、パッケージ内にLEDチップを密閉することが知られている。LEDパッケージはまた、LEDパッケージを外部回路に電気的に接続する電気リード、コンタクト、またはトレースを含む。図1に示す典型的なLEDパッケージ10では、単一のLEDチップ12が、はんだ接合または導電性エポキシによって反射カップ13上に取り付けられる。1つまたは複数のワイアボンド11が、LEDチップ12のオーミックコンタクトをリード15Aおよび/または15Bに接続し、リード15Aおよび/または15Bは、反射カップ13に取り付けることができ、または反射カップ13と一体化することができる。反射カップは、蛍光体などの波長変換材料を含有できる封止材料16で充填することができる。第1の波長でLEDによって放出される光は、蛍光体によって吸収することができ、それに応じて蛍光体は、第2の波長の光を放出することができる。次いで、アセンブリ全体が、透明の保護樹脂14内に封止される。保護樹脂14は、LEDチップ12から放出される光を視準するように、レンズの形状に成型することができる。反射カップ13は光を上方向に誘導できるが、光が反射されると、光損失が発生することがある(すなわち、実際の反射器表面の反射率が100%より小さいため、一部の光が反射器カップによって吸収されることがある)。さらに、リード15A、15Bを通る熱を取り出すのは困難なことがあるため、図1に示すパッケージ10などのパッケージにとって、熱の滞留が問題になることがある。
【0004】
図2に示す従来のLEDパッケージ20は、より多くの熱を生成しうる高出力動作により適していることがある。LEDパッケージ20では、1つまたは複数のLEDチップ22が、プリント回路基板(PCB)キャリアなどのキャリア、基板、またはサブマウント23上へ取り付けられる。サブマウント23上に取り付けられた金属反射器24が、LEDチップ(複数可)22を取り囲み、LEDチップ22によって放出された光をパッケージ20から離れる方へ反射する。反射器24はまた、LEDチップ22に機械的な保護を提供する。LEDチップ22上のオーミックコンタクトと、サブマウント23上の電気トレース25A、25Bの間に、1つまたは複数のワイアボンド接続11が作られる。取り付けられたLEDチップ22は次いで、封止剤26で覆われ、封止剤26は、これらのチップに環境的かつ機械的な保護を提供しながら、レンズとしても作用することができる。金属反射器24は通常、はんだまたはエポキシ接合によってキャリアに取り付けられる。
【0005】
図1および2に示すようなLEDおよびLEDパッケージは、以前は白熱または蛍光照明の領域であった照明の適用分野で、より一般的に使用されている。LEDおよびLEDパッケージは、SSL照明器具またはランプ内の光源として構成することができ、単一または複数のLEDまたはLEDパッケージを使用することができる。これらの照明器具は、LEDの放出効率および品質の改善とともに、ますます一般的に受け入れられてきた。LEDは、150L/Wより大きい効率で白色光を生じさせることができることを実証しており、LEDは、今後10年以内で市販の照明デバイスの主流になると予期されている。
【0006】
異なる光源によって生成される光は、色調指数(CRIまたはCRI Ra)および色温度の点から測定することができる。CRIは、理想的な光源または自然の光源と比較して、光源が様々な物体の色を忠実に再現する能力の定量的な測定である。100に迫る高いCRIを有する光源は、写真および映画などの色が重要な適用分野で望ましい可能性がある。日光は、約100という高いCRIを有し、白熱電球は、95より大きい比較的近いCRIを有する。比較すると、蛍光照明は、70〜80の範囲内のより低いCRIを有し、水銀またはナトリウム灯は、40以下というはるかに低いCRIを有する。一般的な室内照明に適した高品質の光は、90より大きいCRIを有するべきである。
【0007】
色温度は、光の色度と理想的な黒体放射体の色度を比較することによって求められる光源の特性である。加熱された黒体放射体が光源によって生じる色に一致する場合の温度(通常、ケルビン(K)単位で測定される)が、その光源の色温度である。白熱光源の場合、その光は熱に由来し、理想的な黒体放射体の光に非常に近接している。5000K以上というより高い色温度は「冷たい」ものであり、緑から青の色を有し、2700〜3500Kというより低い色温度は、「温かい」と見なされ、黄から赤の色を有する。一般的な照明は、2,000〜10,000Kの色温度を有することができ、一般的な照明デバイスの大部分は、2,700〜6,500Kである。
【0008】
白熱放射とは対照的に、蛍光灯などの光源は、主に本体の温度を高くすること以外の処理によって光を放出する。これは、放出される放射が黒体スペクトルの形をとらないことを意味し、これらの光源には、補正済み色温度(CCT)として知られているものが割り当てられる。CCTは、人間の色知覚でランプからの光が最もよく一致していると感じる黒体放射体の色温度である。高品質の光源の場合、照明の色は、黒体スペクトル(すなわち、CIE色度図上の黒体軌跡)の色に可能な限り近いことも重要である。1つのそのような標準偏差は、マクアダム楕円の点から測定され、黒体軌跡への適した近接は通常、4ステップのマクアダム楕円の範囲内である。
【0009】
複数のLEDチップまたはLEDパッケージを利用するSSL照明器具が開発されてきたが、少なくともいくつかは、すべてのLEDチップまたはパッケージの組合せが所望の波長の白色光を生じさせるように、変換材料によって被覆される。これらのいくつかは、YAG:CEまたはBoseなどの変換材料によって覆われた青色放出LED、およびRGB蛍光体によって覆われた青色またはUVのLEDを含む。これらの結果、照明器具は概ね良好な効率を有するが、中程度のCRIしかもたない。これらの照明器具は通常、特に色温度が2700K〜4000Kである場合、所望の高いCRIと高い効率の両方を実証することはできない。
【0010】
異なる個別の光源からの異なる色相を利用し、複数の個別の光源から白色光を生成して、所望の色温度で改善されたCRIを提供する技法が開発されてきた。そのような技法は、「Lighting Device and Lighting Method」という名称の米国特許第7,213,940号に記載されている。1つのそのような構成では、452nmピークの青色InGaN LEDが、YAG:Ce蛍光体などの黄色変換材料で被覆され、はっきりした黄色であり、CIE図上の黒体軌跡を十分に上回る色点を有する色を提供した。黄色変換材料によって被覆された青色放出LEDは、青色シフト黄色(BSY)LEDまたはLEDチップと呼ばれることが多い。BSY放出と、黄色LEDの黄色を黒体曲線の方へ「引き寄せる」赤味を帯びたAlInGaP LEDからの光とを組み合わせて、温白色光を生じさせる。図3は、赤色放出LEDからの赤色光34と異なるBSYエミッタ36からの様々な黄色および黄味を帯びた点との間にタイライン32を有するCIE図30を示す。この手法では、改善されたCRIを有する高効率の温白色光を生成することができる。いくつかの実施形態は、改善された効率を示し、CRI Raは、3500Kを下回る色温度で90より大きかった。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、光エンジン内の1群のエミッタの放出を変動させることによって照明器具の放出特性を所望どおり変動できるように構成された光エンジンを有するSSL照明器具を対象とする。いくつかの実施形態では、照明器具の色温度を特定の範囲内で変動させながら、CIE図内の黒体軌跡の標準偏差内で放出を保つことができる。
【0012】
本発明によるSSL照明器具の一実施形態は、制御グループの固体エミッタと、可変グループの固体エミッタとを含む。制御グループのエミッタと可変グループのエミッタからの光の組合せが、黒体軌跡(BBL)の標準偏差内で放出を引き起こす。さらに、可変グループのエミッタの放出強度を変動させることで、制御エミッタと可変エミッタの組み合わせた放出を温度範囲内で変動させながら、それでもなおBBLの標準偏差内で放出させる。
【0013】
本発明によるSSL照明器具の別の実施形態は、CIEグラフ内のBBLを上回る色点で光を放出する第1のエミッタ、およびBBLを下回る色点で光を放出する第2のエミッタを有する制御グループの固体エミッタを含む。可変グループのエミッタが含まれ、その放出強度は、制御エミッタと可変エミッタの組み合わせた放出を色温度範囲に沿って変動させながら、BBLの標準偏差内で放出を維持するように変動させることができる。
【0014】
本発明による光エンジンの一実施形態は、CIE図内のBBLを上回って放出する第1のエミッタ、およびBBLを下回って放出する第2のエミッタを含む第1のグループの固体エミッタを含む。第1のエミッタと第2のエミッタからの光の組合せが、BBLの標準偏差内で放出色点を生成する。第2のグループの固体エミッタが含まれ、第1のグループのエミッタと第2のグループのエミッタからの光の組合せが、BBLの標準偏差内で放出を引き起こし、第2のグループのエミッタの強度を変動させることで、第1のグループのエミッタおよび第2のグループのエミッタからの放出を色温度範囲内で変動させながら、それでもなおBBLの標準偏差内で放出させる。
【0015】
本発明による照明器具からの放出を変動させる方法の一実施形態は、CIEグラフ上の黒体軌跡(BBL)の標準偏差内で第1の色点にある第1の光源から放出を提供するステップを含む。第2の光源から放出が提供され、その放出強度は、照明器具の放出を放出範囲に沿って変動させるように変動させることができ、放出はすべて、黒体軌跡の標準偏差内にある。
【0016】
本発明による光エンジンのさらに別の実施形態は、緑色蛍光体によって被覆された青色LEDを含む青色シフト緑色(BSG)LEDチップを含むことができる。緑色蛍光体は、青色LEDから放出される青色光の少なくとも一部を吸収して緑色光を放出するように構成される。赤色放出LEDチップが含まれ、BSG LEDチップと赤色LEDチップからの光の組合せが、CIE図のBBLの標準偏差内で色点を有する光を生成する。
【0017】
本発明の上記その他の態様および利点は、本発明の特徴を例として示す以下の詳細な説明および添付の図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】従来技術のLEDランプの一実施形態の断面図である。
図2】従来技術のLEDランプの別の実施形態の断面図である。
図3】BSYエミッタと赤色エミッタの間のタイラインを示すCIE図である。
図4】本発明によるSSL照明器具の一実施形態の側面図である。
図5】本発明によるSSL照明器具の光エンジンの一実施形態の平面図である。
図6】本発明による制御グループのLEDチップの一実施形態に対する放出特性を示すグラフである。
図7】本発明による可変グループのLEDチップの一実施形態に対する放出特性を示すグラフである。
図8】本発明による光エンジンの一実施形態の放出特性を示すグラフである。
図9】本発明による光エンジンの3つの実施形態に対する放出特性を示す表である。
図10】本発明による光エンジンの3つの実施形態に対する放出特性を示すCIEグラフである。
図11】本発明による光エンジンの別の実施形態の平面図である。
図12】本発明による制御グループのLEDチップに対する放出特性を示すグラフである。
図13】本発明による可変グループのLEDチップの別の実施形態に対する放出特性を示すグラフである。
図14】本発明による光エンジンの別の実施形態に対する放出特性を示すグラフである。
図15】本発明による光エンジンの別の実施形態に対する放出特性を示すCIEグラフである。
図16】本発明による光エンジンの別の実施形態に対する放出特性を示す表である。
図17】本発明によるLEDチップの他の実施形態に対する放出特性を示すCIEグラフである。
図18】本発明によるLEDチップのさらに他の実施形態に対する放出特性を示す別のCIEグラフである。
図19】本発明による光エンジンの一実施形態に対する回路概略図である。
図20】本発明による光エンジンの別の実施形態に対する回路概略図である。
図21】本発明による光エンジンの別の実施形態に対する回路概略図である。
図22】本発明による光エンジンの別の実施形態に対する回路概略図である。
図23】スイッチング機構を利用する本発明による光エンジンの一実施形態に対する回路図である。
図24】同じくスイッチング機構を利用する本発明による光エンジンの別の実施形態に対する回路図である。
図25】本発明による光エンジンのさらに別の実施形態に対する回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、複数のエミッタタイプの放出を組み合わせて所望の照明器具放出特性を得るSSLランプまたは照明器具(SSL照明器具)を対象とする。本発明は、詳細には、LEDチップアレイ内に複数の異なるタイプのLEDチップを有し、LEDチップのいくつかが異なる波長の光を放出するSSL照明器具を対象とする。LEDチップのいくつかの放出は、一定のまま保持することができ、他のLEDの放出は、SSL照明器具の放出の色温度をある範囲にわたって変動させるように変動させることができる。本発明の別の態様では、放出は、この色温度範囲にわたってCIE図上のBBLの許容偏差内で保たれる。
【0020】
いくつかの実施形態では、制御グループのLEDチップ内の異なるタイプのLEDチップによって放出される光の比は一定のままであり、可変LEDまたはLEDグループからの光は、SSL照明器具に対する放出特性の所望の変化を提供するように変動される。すなわち、可変グループのLEDチップの放出は、SSL照明器具の放出に対する色温度を特定の温度範囲にわたって変化させながら標準偏差内に留まるように変動させることができる。
【0021】
本発明の他の実施形態では、制御グループのLEDチップは、放出強度が互いに一定の比で保持される第1の色の光および第2の色の光を放出する第1のエミッタタイプおよび第2のエミッタタイプを含むことができる。可変LEDチップまたはLEDチップグループは、色温度の変化などの放出特性の所望の変化を得られるように変動できる第3の色を放出する第3のLEDタイプを含むことができる。これらの実施形態では、第2のエミッタと比較した第1のエミッタの放出の比は一定のままとすることができるが、第3のエミッタの放出と比較した第1のエミッタおよび第2のエミッタに対する放出の比は、SSL照明器具の放出を変動させるように変動させることができる。
【0022】
他の実施形態では、制御グループのLEDチップはまた、放出比が一定のまま保持される第1のエミッタタイプおよび第2のエミッタタイプを含むことができる。可変グループのLEDチップは、2つの間で一定の放出比に保持できる第3の色および第4の色を放出する第3のLEDチップおよび第4のLEDチップを含むことができる。異なるSSL照明器具に対して異なる放出特性を得るために、可変グループのLEDチップからの光の比は、制御グループのLEDチップの光と比較して変動される。すなわち、可変グループのLEDチップの強度は、制御グループと比較して変動される。いくつかの実施形態では、異なるタイプのLEDチップ間の放出の比は、可変グループのLEDチップの放出強度が変動される間、それぞれの対応するグループ内で維持することができる。制御グループのLEDチップは、3つ以上のLEDチップを含むことができ、可変グループのLEDチップは、3つ以上のLEDチップを含むことができ、いくつかの実施形態では、それぞれのグループ内の放出比は一定のままであり、異なるグループ間の放出比は変動することが理解される。さらに他の実施形態では、可変または制御グループのLEDチップ内の放出強度比は、照明器具に対する所望の放出を提供するように変動させることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、可変グループのLEDチップ内の異なるLEDチップの放出強度を変動させることもできる。
【0023】
以下の実施形態について、LEDチップグループの少なくとも1つの放出を変動させることによってSSL照明器具の色温度を変動させることに関連して論じる。しかし他の実施形態では、LEDグループ内で放出特性を変動させることができることが理解される。異なる波長で放出する異なるタイプのLEDチップは、異なる制御レベルまたは範囲を実現しながら、それでもなお所望のCRIを保ち、またBBLの標準偏差内で放出を保つことができることも理解される。
【0024】
可変および制御グループのLEDチップは、多くの異なる波長で光を放出する多くの異なるLEDチップを含むことができることが理解される。一実施形態では、制御LEDチップは、2つの間で一定の放出比に保持されたBSY LEDチップおよび赤色放出LEDチップを含むことができる。可変LEDチップは、所望のSSL照明器具特性に応じて可変量の青色光を提供する1つまたは複数の青色放出LEDチップを含むことができる。後述するように、より多くの青色光を追加してCCTを増大させながら、放出をBBLの標準偏差で維持することができる。別の実施形態では、制御グループのLEDチップは、2つの間で概ね一定の放出比に保たれたBSYチップおよび赤色チップを含むことができる。可変グループのLEDは、同じく2つの間で放出比を保つことができる青色LEDチップおよび緑色LEDチップを含むことができる。SSL照明器具放出のCCTは、制御グループのLEDチップの放出と比較して可変グループのLEDチップの全体的な放出を変動させることによって、変動させることができる。
【0025】
他の実施形態では、制御グループのLEDチップおよび可変グループのLEDチップは、異なる光の色または波長で放出する他のLEDチップタイプを含むことができる。本発明による他のSSL照明器具の実施形態は、緑色変換材料で被覆された青色放出LED(BSG LEDチップ)を含むことができ、これらのLEDからの青色光のすべてまたは大部分は、緑色変換材料によって変換される。BSG LEDチップは、CIE図上のBBLを上回る色点を有する緑味を帯びた光を提供する。BSG放出と、BSG LEDチップの緑色をBBLの方へ引き寄せる赤色または赤味を帯びたLEDチップからの光とを組み合わせて、所望の温度を有する温白色光を生じさせる。この光は、所望の温度でBBLの標準偏差内に入ることができる。
【0026】
上記で論じたように可変光の温度を変動させることが望ましい異なる実施形態では、BSG LEDチップおよび赤色LEDチップは、上述した制御または可変グループのLEDチップを構成することができる。制御LEDチップとしては、BSG LEDチップおよび赤色LEDチップの放出を一定に保持することができ、可変グループの他のLEDチップの放出は、SSL照明器具の放出の色温度をある範囲にわたって変動させるように変動させることができる。本発明の一態様によれば、照明器具の放出は、この色温度範囲にわたってCIE図上のBBLの許容偏差内で保たれる。他の実施形態では、BSGLEDチップおよび赤色LEDチップはまた、可変グループのLEDチップを構成することができ、その放出は、放出色温度をある範囲にわたって変動させながらBBLの標準偏差内で放出を保つように変動させて、制御グループのLEDチップからの放出と組み合わせることができる。
【0027】
本発明について、特定の実施形態を参照して本明細書に説明するが、本発明は、多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に述べる実施形態に限定されると解釈されるべきではないことが理解される。具体的には、本発明について、異なる構成のLEDチップのアレイを有する特定のSSL照明器具に関して後述する。これらは通常、SSL照明器具と呼ばれるが、本発明は、異なるエミッタタイプの多くの異なるアレイ構成を有する多くの他のランプまたは照明の適用分野で使用できることが理解される。これらの照明器具およびその構成要素は、ここに示すものとは異なる形状および寸法を有することができ、アレイ内には異なる数のLEDチップを含むことができる。アレイ内のLEDチップのいくつかまたはすべては、蛍光体を添加した接着剤を含むことができる変換材料で被覆(「蛍光体/接着剤被覆」)することができるが、変換材料をもたないLEDも使用できることが理解される。
【0028】
本発明による照明器具について、LEDチップまたはLEDチップアレイを光源として使用すると説明するが、これらはLEDおよびLEDパッケージを含むこともできることも理解される。本発明によるSSL照明器具では、LED、LEDチップ、またはLEDパッケージの多くの異なる構成を組み合わせることができ、混成または個別の固体照明要素を使用して、照明特性の所望の組合せを提供することができる。説明を容易にするために、以下のSSL照明器具内のエミッタについて、「LEDチップ」を使用すると説明するが、本明細書に記載するエミッタタイプのいずれかを含むことができることが理解される。
【0029】
層、領域、または基板などの要素が別の要素「上」に位置するというとき、他方の要素上に直接位置することができ、または介在要素が存在することもできることも理解される。さらに、本明細書では、「内側」、「外側」、「上(upper)」、「上(above)」、「下(lower)」、「下(beneath)」、および「下(below)」などの相対的な用語、ならびに類似の用語を使用して、1つの層または別の領域の関係について説明することがある。これらの用語は、図に示す向きに加えて、デバイスの異なる向きを包含するものであることが理解される。
【0030】
本明細書では、第1、第2などの用語を使用して、様々な要素、構成要素、および/または区間について説明することがあるが、これらの要素、構成要素、および/または区間は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層、または区間と別の領域、層、または区間を区別するためだけに使用される。したがって、本発明の教示から逸脱することなく、以下で論じる第1の要素、構成要素、領域、層、または区間を、第2の要素、構成要素、領域、層、または区間と呼ぶこともできる。
【0031】
本明細書では、本発明の実施形態について、本発明の実施形態の概略図である横断面図を参照して説明する。したがって、これらの層の実際の厚さは異なる可能性があり、たとえば製造技法および/または公差の結果、図示の形状からの変動が予期される。本発明の実施形態は、本明細書に示す領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、たとえば製造に起因する形状の偏差を含むものとする。正方形または方形として図示または説明する領域は通常、正常な製造公差のために丸くなった特徴または湾曲した特徴を有する。したがって、図に示す領域は、本質的に概略的であり、これらの領域の形状は、デバイスの領域の正確な形状を図示しようとするものではなく、本発明の範囲を限定しようとするものではない。
【0032】
本明細書に説明する構成は、異なる形で構成された異なる特徴を有する多くの異なるSSL照明器具内で利用できることが理解される。図4は、本発明による光源として構成された複数のLEDチップを含むことができる本発明によるSSL照明器具50の一実施形態のみを示す。照明器具50は通常、多くの異なる取付け機構を使用して器具、壁、または天井内で定位置に取り付けることができる筐体52を備える。図示の実施形態では、取付け機構は、第1の取付けクリップ54、第2の取付けクリップ56、および第3の取付けクリップ(図4では見えない)を備える。筐体52内には光エンジン62が構成され、複数のLEDチップ64を備え、LEDチップ64は、LEDチップからの光が筐体52の開口から出るように取り付けられ、LEDチップ64の放出を組み合わせて照明器具50の所望の放出特性を生じさせる。筐体開口を覆って拡散器66を含むことができ、電源/変換器68が含まれる。筐体52はまた、電気供給デバイス72(この実施形態では、ねじ込みソケット)と係合可能な電気的接続領域70を含むことができる。
【0033】
電源/変換器68はまた、筐体内に位置決めすることができ、従来の整流器および高圧変換器を含むことができる。AC電圧を含む電力が照明器具50に供給される場合、電源/変換器68は、AC電力を変換し、LEDチップ64が光を放出するように駆動するのに適合した形で光エンジン62にエネルギーを供給することができる。電力変換器はまた、異なるグループのLEDチップ64に駆動信号を提供するように構成することができ、LEDチップの少なくともいくつかの放出は、電源/変換器の制御下で変動する。これらの制御信号は、周知の電子構成要素および回路を使用して提供することができ、LEDチップのいくつかの放出の変動は、手動で、または電子的に制御することができる。
【0034】
この実施形態では、拡散器66は、効果的な色の混合、デピクセリゼーション(depixelization)、および高い光効率を促進するように設計することができる。拡散器66は、下部筐体への機械的なスナップ嵌めを介して筐体52に取り付けることができ、したがってデバイスを取り外すにはアンインストールする(電源を切る)必要があり、および/または拡散器(レンズ)は、たとえば熱かしめによって永久的に取り付けることができる(すなわち、取り外すには破壊を必要とするはずである)。適した熱かしめ技法は、当技術分野では周知である。
【0035】
図5は、光を放出する複数のLEDチップを含むことができる本発明による光エンジン80の一実施形態を示し、この光を混合して、光エンジン80に対して所望の放出特性を提供する。この実施形態では、LEDチップは、制御グループのLEDチップ(CおよびC)82と、可変グループのLEDチップ(V)84とを含む。上記で論じたように、制御グループのLEDチップ82は、異なる色の光を放出する複数のLEDチップタイプを含むことができ、制御グループ内の異なるタイプのLEDチップの放出強度の比は一定のままである。可変グループのLEDチップ84は、異なる色の光を放出する1つまたは複数のタイプのLEDチップを含むことができ、その放出強度は、光エンジン80からの放出の色温度を変化させるように、制御グループのLEDチップに対して変動させることができる。
【0036】
光エンジン80では、制御グループのLEDチップ82は、複数のBSY LEDチップ(C)86および複数の赤色放出LEDチップ(C)88を含むことができる。他の光エンジンの実施形態は、単一のBSY LEDチップまたは単一の赤色放出LEDチップを有することができることが理解される。上述したように、BSY LEDチップ86は、黄色蛍光体によって被覆された青色LEDを含むことができ、黄色蛍光体は、青色光を吸収して黄色光を放出する。一実施形態では、青色LEDは、主波長範囲が約430nm〜480nm、いくつかの実施形態では約450nm〜460nmの光を放出することができる。さらに他の実施形態では、青色LEDは、約450nmのピーク主波長を放出することができる。青色LEDは、所望の量の青色LED光が黄色蛍光体によって吸収されるように、十分な量の黄色蛍光体で覆うことができ、BSY LEDチップは、所望の量の青色光をLEDから放出し、黄色光を蛍光体から放出する。第III族窒化物材料系からの材料などの多くの異なる半導体材料から作ることができるBSY LEDチップ86内では、多くの異なる青色LEDを使用することができる。LED構造、特徴、ならびにそれらの製作および動作は通常、当技術分野では周知であり、したがって本明細書では論じない。
【0037】
BSY LEDチップ86内では、市販のYAG:Ce蛍光体などの多くの異なる黄色蛍光体を使用することができるが、YAl12:Ce(YAG)などの(Gd,Y)(Al,Ga)12:Ce系に基づく蛍光体から作られる変換粒子を使用すると、全範囲の広い黄色スペクトル放出が可能である。LEDチップ82内で使用できるいくつかの追加の黄色蛍光体は、
Tb3−xRE12:Ce(TAG)、RE=Y、Gd、La、Lu、または
Sr2−x−yBaCaSiO:Eu
を含むことができる。
【0038】
BSY LEDチップ86内の青色LEDは、多くの異なる方法を使用して黄色蛍光体で被覆することができ、1つの適した方法は、どちらも「Wafer Level Phosphor Coating Method and Devices Fabricated Utilizing Method」という名称の米国特許出願第11/656,759号および第11/899,790号に記載されている。両願を、参照により本明細書に組み込む。別法として、これらのLEDチップは、電気泳動堆積(EPD)などの他の方法を使用して被覆することができ、適したEPD方法は、「Close Loop Electrophoretic Deposition of Semiconductor Devices」という名称の米国特許出願第11/473,089号に記載されている。同願もまた、参照により本明細書に組み込む。それだけに限定されるものではないが、スピン被覆を含む他の従来の被覆方法も使用できることが理解される。
【0039】
BSY LEDチップ86に加えて、制御グループのLEDチップ82はまた、赤色放出LEDチップ(C)88を含むことができる。これらは、赤色放出AlInGaPベースのLEDチップなどの従来の赤色放出LEDを含むことができる。赤色放出LEDチップ88はまた、赤色蛍光体などの赤色変換材料によって被覆されたLEDを含むことができる。赤色LEDチップ88は、異なるLEDを含むことができ、いくつかの実施形態は青色または紫外(UV)放出LEDを含むが、異なる色を放出するLEDも使用できることが理解される。これらの実施形態では、LEDは、LED光を吸収して赤色光を再放出するのに十分な量の赤色蛍光体によって覆うことができる。LEDチップ88内では、それだけに限定されるものではないが、
Lu:Eu3+
(Sr2−xLa)(Ce1−xEu)O
SrCe1−xEu
Sr2−xEuCeO
SrTiO:Pr3+,Ga3+
CaAlSiN:Eu2+
SrSi:Eu2+
を含めて、多くの異なる蛍光体を使用することができる。LEDチップ88内で使用されるLEDもまた、LEDチップ86を製作するために使用される方法などの周知の方法を使用して製作することができ、上述した方法を使用して被覆することができる。
【0040】
制御グループのLEDチップ82と可変グループのLEDチップ84の両方に対して、異なる要因によって、黄色変換材料および赤色変換材料によって吸収できるLED光の量が決まり、したがってそれぞれで必要とされる変換材料の必要な量が決まる。これらの要因のいくつかは、それだけに限定されるものではないが、蛍光体粒子の寸法、接着剤材料のタイプ、蛍光体のタイプと放出されるLED光の波長の整合の効率、および蛍光体/接着層の厚さを含む。
【0041】
それだけに限定されるものではないが、10ナノメートル(nm)〜30マイクロメートル(μm)の範囲内またはそれ以上の粒子を含めて、異なる寸法の蛍光体粒子を使用することもできる。より小さい粒子寸法は通常、より大きい寸法の粒子より色をうまく散乱および混合し、より均一の光を提供する。より大きい粒子は通常、より小さい粒子と比較すると、光を変換するのにより効率的であるが、それほど均一でない光を放出する。LEDチップ82、84内の蛍光体はまた、接着剤内に異なる濃度または添加量の蛍光体材料を有することができ、典型的な濃度は、30〜70重量%の範囲内である。いくつかの実施形態では、蛍光体濃度は、約65重量%とすることができ、蛍光体被覆全体にわたって均一に分散させることができるが、いくつかの実施形態では、異なる領域で異なる濃度の蛍光体を有することができると望ましいことが理解される。制御グループのLEDチップ82および可変グループのLEDチップ84内のLEDを覆う蛍光体被覆の適当な厚さは、特定のLEDの光束と組み合わせて上記の要因を考慮することによって決定することができる。
【0042】
図6は、本発明による制御グループLEDチップの一実施形態に対する放出特性を示すグラフ100である。BSY LEDチップ内の青色LED放出からの青色光放出ピーク102は、約450nmであり、BSY LEDチップの蛍光体からの黄色放出ピーク104は、約550nmである。赤色LEDチップからの赤色放出ピーク106は、約625nmである。
【0043】
図5を再び参照すると、可変LEDチップ84の放出強度は、光エンジン80によって放出される光の色温度を変動させるように変動させることができる。上述したように、可変LEDチップ84は、1色の光を放出する1つのLEDチップタイプ、または各タイプが異なる色の光を放出する複数のLEDチップタイプを含むことができる。光エンジン80内では、可変LEDチップ84は、青色放出LEDを含む青色放出LEDチップを含み、青色放出LEDは、第III族窒化物材料系などの周知の半導体材料系から作ることができ、周知の方法を使用して製作することができる。
【0044】
図7は、本発明による可変グループのLEDチップの一実施形態からの放出特性を示すグラフ110である。可変グループは、可変グループのLEDチップに対して約485nmの青色光ピーク放出112を放出することができる。矢印114は、第2の可変グループのLEDチップの放出強度を、光エンジンの放出特性を変動させるように変動させることができることを示す。
【0045】
図5を再び参照すると、制御LEDチップ82および可変LEDチップ84は、サブマウント、基板、またはプリント回路基板(PCB)90(「サブマウント」)に取り付けることができ、サブマウント90は、異なる直列および並列構成でLEDチップを接続できる導電トレース92を有することができる。サブマウント90は、多くの異なる材料から形成することができ、好ましい材料は誘電体など、電気絶縁性である。サブマウント90はまた、アルミナ、窒化アルミニウム、炭化ケイ素などのセラミック、またはポリイミドおよびポリエステルなどのポリマー材料などを含むことができる。いくつかの実施形態では、サブマウント90は、窒化アルミニウムおよび炭化ケイ素などの高い熱伝導性を有する材料を含むことができる。他の実施形態では、サブマウント90は、構成要素からの光の抽出を促進するために、反射性セラミックまたは銀のような金属層などの高反射性材料を含むことができる。他の実施形態では、サブマウント90は、ミネソタ州チャナッセンのBergquist Companyから入手可能なT−Clad熱クラッド絶縁基板材料など、プリント回路基板(PCB)、サファイア、炭化ケイ素、もしくはケイ素、または任意の他の適した材料を含むことができる。PCBの実施形態の場合、標準的なFR−4 PCB、金属コアPCB、または任意の他のタイプのプリント回路基板など、異なるPCBタイプを使用することができる。サブマウント90の寸法は、異なる要因に応じて変動させることができ、1つは、LEDチップ82、84の寸法および数である。
【0046】
サブマウント90はまた、ダイパッドを含むことができ、ダイパッドは導電トレース92とともに、金属または他の導電材料などの多くの異なる材料とすることができる。一実施形態では、これらの材料は、めっきなどの周知の技法を使用して堆積させた銅を含むことができ、次いで標準的なリソグラフィ処理を使用してパターニングすることができる。他の実施形態では、この層は、所望のパターンを形成するようにマスクを使用してスパッタリングすることができる。本発明によるいくつかの実施形態では、導電性の特徴のいくつかは銅のみを含むことができ、他の特徴は追加の材料を含む。たとえば、ダイパッドは、追加の金属で、またはLEDチップを取り付けるのにより適したものにする材料でめっきまたは被覆することができる。一実施形態では、ダイパッドは、粘着性もしくは接着性の材料、または反射層および障壁層でめっきすることができる。LEDチップは、フラックス材料を含有するかどうかにかかわらず従来のはんだ材料、または熱および電気伝導性とすることができる調合されたポリマー材料の使用など、周知の方法および材料を使用して、ダイパッドに取り付けることができる。いくつかの実施形態では、ワイアボンドを含むことができ、ワイアボンドはそれぞれ、導電トレース92の1つとLEDチップ82、84の1つの間を通り、いくつかの実施形態では、ダイパッドおよびワイアボンドのうちの対応するものを通じて、LEDチップ82、84に電気信号が印加される。
【0047】
上記で論じたように、制御LEDチップ82と可変LEDチップ84の組み合わせた放出で、光エンジン80の所望の放出を提供することができる。本発明による一実施形態では、制御グループ82内の異なるLEDチップに対する放出の比は、一定に保持される。すなわち、BSY LEDチップ86の放出強度は、赤色チップ88の放出強度と比較すると一定のままである。異なる実施形態では、BSYチップ86および赤色チップ88の放出は、制御グループのエミッタに対する異なる百分率の全体的な放出を相殺することができ、BSY LEDチップと赤色LEDチップからの光の組合せは、異なる温度の光を生成することができ、BSY LEDチップと赤色LEDチップの放出の比は一定のままである。本発明によるいくつかの実施形態では、BSYチップ86からのルーメンは、制御グループのLEDチップに対して約60〜90%の放出を含むことができ、赤色チップ88からのルーメンは、制御グループのLEDチップからの放出の約10〜40%を含むことができる。一実施形態では、BSY LEDおよび赤色LEDは、第1のグループのエミッタに対する放出のそれぞれ約79%および21%を放出する。制御グループからの全体的な放出はまた、約1500〜4000Kの範囲内の温度を有することができ、一実施形態では約2700Kの色温度を有する。
【0048】
同じく上記で論じたように、可変グループのLEDチップ内のLEDチップ84の放出強度は、光エンジン80によって放出される色温度を変化させるように変動させることができる。可変LEDチップ84に対して青色放出LEDチップを使用することができ、異なる実施形態では、異なる波長の青色光を放出する異なる青色LEDチップを使用することができる。青色LEDチップの強度は、光エンジン80の全体的な放出に青色光が追加されるように増大させることができる。すなわち、制御LEDチップ82からの放出に比べて、青色LEDチップからの光の比が増大される。青色光を追加することで、LEDエンジン80によって放出される光のCCTを増大させる。
【0049】
青色LEDチップからの青色光の波長は、光エンジン80によって作られる混合光が、色温度が増大されたときにBBLの標準偏差内に留まるように選択されるべきである。一実施形態では、混合光は、BBL(接線)の約0.10Δu’v’のままであるべきであり、CRI Raは、CCT範囲全体にわたって可能な限り良好なままであるべきである。別の実施形態では、この光は、BBLの0.01Δu’v’のままであるべきであり、同じ最適化されたCRI Raを有する。
【0050】
図8は、本発明による光エンジン80の一実施形態における制御LEDチップ82と可変LEDチップ84の組み合わせた放出特性を示すグラフ120である。制御グループのLEDからのピーク放出は、BSY LEDチップからの青色ピーク122および黄色ピーク124、ならびに赤色LEDチップからの赤色ピーク126として提供される。可変グループのLEDチップからの放出を青色ピーク127として示し、青色放出の強度は変動する。制御グループのLEDからの光は概ね一定のままであり、青色光の強度は、光エンジンの色温度を変動させるように、制御グループのLEDチップに対して変動される。可変グループのLEDチップに対する最も低い放出強度128(本質的にゼロの放出)は、約2700Kの光エンジンの放出温度に対応する。可変グループからのこの特定の波長の青色光の場合、青色光の放出強度の増大は、3000、3500、4000、4500、5000、および5700という光エンジンの放出温度に対応する。図示の実施形態では、可変グループのLEDチップに対する最も高い放出強度129は、約6500Kの光エンジン色温度に対応する。
【0051】
図9および10は、可変LEDチップに対して異なるピーク放出波長の青色放出LEDチップを利用する本発明による光エンジンの3つの実施形態に対する放出特性を示す。図9は、3つの異なる光エンジンに対する放出特性を挙げる表130であり、図10は、異なる実施形態に対する放出特性を示すCIEチャート140である。図9を参照すると、第1の実施形態132は、484〜491nmの範囲内で光を放出する青色LEDチップを含み、最適の波長は488nmである。この最適の放出を、図10に放出線142によって示す。光エンジン内の青色LEDによって提供されるルーメンの最大の百分率は、約15%である。これにより、最高15%の青色LEDの放出強度に応じて、光エンジンに対するCCTの範囲を約2725〜4000kにすることができる。この温度範囲では、CCTは、このCCT範囲にわたってBBLの0.009Δu’v’のままであり、72という最小のCRI Raを維持する。図10では、これを温度放出線144として示す。
【0052】
青色可変LEDチップに対して484〜491nmという類似の波長範囲を有し、最適の波長が487nmである、第2の実施形態134の特性を示す。図10では、この最適の放出を放出線146として示す。この実施形態では、青色LEDチップによって提供される最大百分率のルーメンは約25%である。この構成では、2725〜5000Kというより大きい可変CCT範囲を実現しながら、図10に温度放出線148によって示す0.009Δu’v’の範囲内のままである。しかしこの結果、放出は、60というより低いCRI Raを有する。したがって、この実施形態は、より大きい温度範囲を可能にするが、CRI Raを低減させる。
【0053】
青色可変LEDチップの放出範囲が484〜487nmであり、最適の放出が484nmである、第3の実施形態136の特性を示す。図10では、この最適の放出を放出線150として示す。この実施形態では、青色LEDチップによって提供される最大百分率のルーメンは、光エンジンからの全体的な放出の約27%である。この構成では、2725〜6000Kというさらに大きい可変CCT範囲を実現しながら、図10に温度放出線152によって示す0.009Δu’v’の範囲内のままである。しかしこの結果、放出は、60というより低いCRI Raを有する。したがって、この実施形態は、さらに大きい温度範囲を可能にするが、CRI Raをさらに低減させる。
【0054】
異なる最適の波長を放出する異なるタイプの青色LEDを使用して、BBLからの所望の標準偏差内で所望の光エンジン波長範囲を実現できることが理解される。上記で論じた3つは、使用できる異なる青色エミッタの例にすぎず、限定的に解釈されるべきではない。
【0055】
上述したように、可変グループのLEDチップは、2つ以上のグループのLEDタイプを含むことができ、各グループは、異なる波長の光を放出する。いくつかの実施形態では、異なるタイプのLED間の光の比は一定のままとすることができ、光エンジン内の可変グループのLEDチップによって提供される光の比は、光エンジンによって放出される光の色温度を変動させるように、制御グループのLEDチップに対して変動される。この複数のLEDタイプの構成は特に、CRI Raを増大させた光エンジンに適用することができる。
【0056】
図11は、図5に示した上述の光エンジン80に類似している本発明による光エンジン170の別の実施形態を示す。光エンジン170は、制御グループのLEDチップ172と、可変グループのLEDチップ174とを含むことができる。図5の光エンジン80と同様に、光エンジン170内の制御グループのLEDチップ172は、BSYチップ176および赤色チップ178を含むことができる。光エンジン80に関して上記で論じたように、図5の可変グループのLEDチップ84からの青色光の変動は、BBLの許容偏差内で色温度範囲を実現する。いくつかの実施形態では、青色光の増大の結果、CRI Raがより低くなる可能性もある。こうしたCRI Raの低減の1つの潜在的な理由は、制御グループのLEDチップからの余分な赤色である。この赤色を相殺する1つの方法は、可変グループのLEDチップ内に、赤色光を相殺する照明内容を含むことである。可変グループのLEDチップの異なる実施形態は、赤色光を相殺してこうしたCRIの低減を低減または解消できる複数のタイプのLEDチップを含むことができる。
【0057】
光エンジン170の場合、可変グループのLEDチップは、青色放出LEDチップ(V)180および緑色放出LEDチップ(V)182を含むことができる。緑色放出LEDチップ182からの緑色は、制御グループのLEDチップ内の赤色を打ち消して、CRIが低減するのを最小にすることができ、所望の色温度範囲にわたって青色放出の比が増大する。いくつかの実施形態では、青色LEDチップ180および緑色LEDチップ182は、これらの間で同じ放出比を維持することができ、したがって光エンジン170のCCTを変動させるのに必要な制御を増大させる必要がない。
【0058】
図12は、図6に示した上述の制御グループのLEDチップ82に対する放出特性に類似の制御グループのLEDチップ170からの放出特性を示すグラフ190である。青色ピーク192および黄色ピーク194は、それぞれ約450nmおよび550nmでBSYエミッタによって生成される。赤色LEDチップからの赤色放出ピーク196は、約625nmである。
【0059】
図13は、可変グループのLEDチップに対する放出特性を示すグラフ200である。ピーク青色放出202は、青色LEDチップによって約460nmで提供される。ピーク緑色放出204は、緑色LEDチップによって約530nmで提供される。矢印206は、青色LEDチップおよび緑色LEDチップの放出強度を、光エンジン170の色温度を変動させるように変動させることができることを示し、2つの放出は、互いに対して色温度を変動させる。
【0060】
図14は、光エンジン170内の制御LEDチップと可変LEDチップに対する組み合わせた放出特性を示すグラフ210である。青色ピーク211、黄色ピーク212、および赤色ピーク213は、上記の図12に示す制御グループのLEDチップに対するBSY LEDチップおよび赤色LEDチップからの光に対応する。可変青色放出214および可変緑色放出215は、図13に示す可変グループのLEDチップから与えられる。矢印216は、青色LEDチップおよび緑色LEDチップの放出強度を、光エンジン放出の色温度を変動させるように変動させることができることを示す。可変グループのLEDチップに対する最も低い放出強度217(本質的にゼロの放出)は、約2700Kの光エンジンの放出温度に対応する。可変グループからのこの特定の波長の青色および緑色光の場合、青色および緑色光の放出強度の増大は、3000、3500、4000、4500、5000、および5700という光エンジンの放出温度に対応する。図示の実施形態では、可変グループのLEDチップに対する最も高い放出強度218は、約6500Kの光エンジン色温度に対応する。
【0061】
図15および16は、制御グループのLEDチップに対してBSYおよび赤色LEDチップ、ならびに可変グループのLEDチップに対して青色および緑色LEDチップを有する、本発明による光エンジンの一実施形態に対する放出特性を示す。図15は、BSY LEDチップ放出点232および赤色LEDチップ放出点234を示すCIEチャート230であり、2つの間のBSYおよび赤色タイライン236が、BSY LEDチップ放出と赤色LEDチップ放出の組合せに起因しうる異なる放出点を示す。この実施形態では、放出を組み合わせて、制御グループの色点238を生成する。可変グループのLEDチップからの色点を、緑色色点240および青色色点242として示し、2つの間のタイライン244は、緑色LEDチップと青色LEDチップからの光の組合せに対する可能な異なる点を示す。この実施形態では、緑色LEDチップと青色LEDチップからの光を組み合わせて、可変LEDチップの色点246とする。
【0062】
光エンジンのタイライン248は、制御LEDチップと可変LEDチップからの光を組み合わせることによって実現できる異なる色点を示す。この実施形態では、可変グループのLEDチップからの青色と緑色の光の比は一定のままであるが、組み合わせた光の強度は、タイライン248に沿って変動することができる。タイライン248は、BBL252の所望の偏差内の白色放出部分250を含む。この実施形態では、標準偏差は、BBLの0.01Δu’v’未満であり、これは、約2700〜6500Kという偏差内の温度範囲を提供する。
【0063】
図16を次に参照すると、光エンジンのこの実施形態に対する放出特性のいくつかを挙げる表260である。光エンジンのCRI Raは、上述した光エンジン80と比較すると改善されている。具体的には、CRI Raは、4500Kの色温度で90.1という最も低い点から、2700Kの色温度で92.7という最も高い点の間で変動する。この色温度範囲全体にわたって、Δu’v’は、0.000002〜0.009667で変動し、これらはすべて、0.01Δu’v’という標的閾値を下回る。
【0064】
異なる制御LEDチップおよび可変LEDチップは、上記の2つの実施形態以外にも、多くの異なる方法で構成することができる。一実施形態では、制御グループのLEDチップまたは可変グループのLEDチップは、所望の色点を実現するために、異なる蛍光体によって被覆された1つのタイプのエミッタを含むことができる。たとえば、制御LEDチップは、黄色蛍光体および赤色蛍光体を有する青色放出LEDを含むことができる。同様に、可変グループのLEDチップは、緑色蛍光体によって被覆された青色LED(BSG LED)を含むことができる。一実施形態では、青色LEDは、440nm〜480nmの波長範囲内で光を放出することができ、上述した異なる方法を使用して、緑色蛍光体で被覆することができる。多くの異なる蛍光体を使用して、それだけに限定されるものではないが、
SrGa:Eu、
Sr2−yBaSiO:Eu、または
SrSi:Eu
を含めて、青色光と緑色光の所望の色点の組合せを提供することができる。
【0065】
蛍光体材料は、30〜60重量%など、黄色蛍光体に対して上述した異なる濃度で、接着剤材料内に含むことができる。粒子はまた、10〜30mmの範囲内などの異なる寸法を有することができる。同じく上記で論じたように、異なる実施形態では、蛍光体は、青色LED全体にわたって均一に分散させることができ、または異なる領域内で異なる濃度を有することができる。
【0066】
図17は、緑色蛍光体によって被覆された青色LEDを含む可変グループのLEDチップに対する放出範囲を示すCIE図270である。青色LEDの放出波を青色放出線272で示し、この放出は、約440nm〜480nmの範囲である。緑色蛍光体の放出を緑色放出線274で示し、放出が535〜565nmの範囲であることを示す。本発明によるBSG LEDの一実施形態に適した放出領域の組合せを放出BSG枠276で示し、この枠の座標が各隅部に位置する。BSG LEDは、枠276内の色点で放出し、図示の実施形態では、枠276は、以下の近似CIE図座標によって作られる第1のCIE色空間を形成する。
点 x y
A 0.15 0.20
B 0.25 0.29
C 0.29 0.40
D 0.17 0.33
【0067】
本発明による異なるBSG LEDは、図17に示すもの以外の多くの異なる形状および寸法を有する異なる色空間内で放出を提供することが理解される。図18は、別のCIE図280を示し、本発明による第2のCIE色空間282および第3のCIE色空間284を示す。第2の色空間282は、5つの点によって画定され、以下の近似CIE座標を有する。
x y
0.13 0.26
0.15 0.20
0.35 0.48
0.26 0.50
0.26 0.28
【0068】
第3の色空間284は、4つの点によって画定され、以下の近似CIE座標を有する。
x y
0.21 0.28
0.26 0.28
0.32 0.42
0.28 0.44
【0069】
第3の色空間284は、第2の色空間282内の領域を覆い、本発明による他の色空間の実施形態は、第2の色空間282内の異なる領域を覆うことができることが理解される。たとえば、他の色空間に対する座標は、第2の色空間の領域を覆うことができる。すなわち、これらの代替実施形態は、第1の色空間の座標と第2の色空間の座標の間の座標を有することができる。代替実施形態からのA座標は、0.13〜0.21の範囲内のx座標および0.26〜0.28の範囲内のy座標を有することができる。同様に、B座標は、0.15〜0.26の範囲内のx座標および0.20〜0.28の範囲内のy座標を有することができる。C座標は、0.32〜0.35の範囲内のx座標および0.42〜0.48の範囲内のy座標を有することができ、D座標は、0.26〜0.28の範囲内のx座標および0.44〜0.50の範囲内のy座標を有することができる。代替枠はまた、これらの枠に多くの異なる形状を与えるように、5以上の座標点を有することができる。代替実施形態は、他のx,y座標を有する多くの他の枠を有することができ、異なる領域を覆う色空間を含むことができ、これらの領域のいくつかは、少なくとも部分的に第2の色空間282の外側に位置することも理解される。
【0070】
制御LEDを含むこともでき、多くの異なるタイプのLEDチップを含むことができる。一実施形態では、制御LEDは、図15に示した上述のBSYおよび赤色を含むことができる。特定のBSG枠内の特定の放出点と制御グループのLEDチップの放出点を組み合わせて、所望の光エンジン放出を提供することができる。図15に示す実施形態のように、BSG可変LEDチップの放出強度は、特定の範囲内で光エンジン放出の温度を変動させるように変動させることができ、放出は、温度範囲にわたってBBLの許容偏差内に留まったままである。一実施形態では、許容偏差は0.01Δu’v’であるが、最高0.10Δu’v’以上の多くの他の偏差を使用できることが理解される。
【0071】
本発明による代替実施形態では、BSG LEDチップは、制御グループのLEDチップを含むことができ、いくつかの実施形態では、BSGチップからの放出は、上述したCIE色空間のいずれか1つの範囲内の1点で行うことができる。BSGチップからの放出は、CIE図上の黒体軌跡(BBL)を上回る色を提供することができ、赤色または赤味を帯びたLEDチップは、BBLを下回る光を提供する。BSG LEDチップからの光と、BSGチップの色点をBBLの方へ「引き寄せる」赤色または赤味を帯びたLEDチップからの光を組み合わせて、所望の温度の白色光を生じさせることができる。
【0072】
赤色LEDチップから放出される光は、多くの異なる波長を有することができ、一実施形態では、この放出は、主に600〜660nmの範囲内で行うことができる。別の実施形態では、赤色LEDチップは、主に605〜625nmの範囲内の波長を有することができる。高品質の光源の場合、BSG LEDチップと赤色LEDチップの組み合わせた照明は、BBLの色に可能な限り近い照明の色を生じさせるべきである。上述したように、1つのそのような標準偏差は、マクアダム楕円の点から測定され、BBLへの適した近接の一実施形態は、10ステップのマクアダム楕円内である。他の実施形態では、適した近接は、4ステップのマクアダム楕円の範囲内とすることができる。
【0073】
BSG LEDチップと赤色LEDチップからの光の組合せは、CCTが2500〜20000Kの範囲である光を提供することができる。いくつかの実施形態では、この範囲は、75以上のCRI Raを有する光で実現することができる。いくつかの実施形態では、この光は、中程度から良好のCRIで約2700KのCCTを呈することができる。さらに他の実施形態では、BSG LEDチップおよび赤色LEDチップからの光は、90以上のCRI Raを有することができ、約3500〜15000Kの範囲内のCCTを有することができる。
【0074】
これらの実施形態では、BSG制御LEDチップおよび赤色制御LEDチップからの放出と可変LEDチップの放出を組み合わせて、特定の範囲内の光エンジン放出の温度を変動させながら、0.01Δu’v’、または最高0.10Δu’v’以上などのBBLの許容偏差内で光を保持することができる。一実施形態では、可変LEDは、青色放出LEDチップを含むことができ、他の実施形態では、可変LEDチップは、所望の全体的な放出変動を提供するために、異なるタイプのLEDチップを含むことができる。上述した実施形態と同様に、可変LEDチップの強度は、所望の範囲内で色温度を変化させるように変動させることができる。
【0075】
制御グループのLEDチップおよび可変グループのLEDチップは、異なる方法で構成された、上述したもの以外の異なる色の光を放出する多くの異なるLEDタイプのLEDチップを含むことができることが理解される。上述した3つの実施形態は、本発明によって提供できる多くの異なる構成の例にすぎない。
【0076】
本発明によれば、制御グループのLEDチップおよび可変グループのLEDチップは、多くの異なる回路構成で提供することができる。図19は、制御グループのLEDチップ292および可変グループのLEDチップ294を含む本発明による光エンジン290の回路概略図の一実施形態を示す。制御LEDチップ292は、BSY LEDチップ296および赤色LEDチップ298を含み、LEDチップ296、298は、直列に結合された状態で示すことができるが、異なる並列および直列構成でともに結合させることもできる。所望の数のBSY LEDチップ296および赤色LEDチップ298を提供することで、異なる色の光に対する所望の放出比が得られる。制御グループのLEDチップ292に、制御入力回路300を通じて一定の駆動信号が印加される。可変グループのLEDチップ294は、青色LED304および緑色LED306を含み、LED304、306は、異なる直列および並列接続でともに結合させることができる。所望の数の青色LED304および緑色LED306を含むことで、2つの間の光の所望の比を提供することができる。可変LEDチップ294に、可変入力回路308を通じて駆動信号を印加することができ、駆動信号は、入力310に基づいて変動する。これにより、上述したように光エンジン290の色温度を変動させるように、可変LEDチップ294の放出強度を変動させる。
【0077】
図20〜22は、制御グループのLEDチップに印加される固定の駆動信号と、可変グループのLEDチップに印加される可変信号とを有する、本発明による光エンジン回路の異なる実施形態を示す。図20を次に参照すると、光エンジン回路310は、制御グループのLEDチップ312と、可変グループのLEDチップ314とを含む。制御グループのLEDチップ312は、一定の電源320に直列に接続された複数のBSY LEDチップ316および赤色LEDチップ318を含む。可変グループのLEDチップ314は、可変電源324に接続された複数の青色LEDチップ322を含む。一定の電源320から制御グループのLED320に印加される電流は、BSY LEDチップ316および赤色LEDチップ318の概ね(時間がたっても温度および劣化のいかなる影響もない)一定の放出強度を実現する。可変電源324は、光エンジンの放出色温度を変動させるように、青色LEDチップ322の放出強度を変動させることができる。
【0078】
図21は、制御グループの放出が一定になるように一定の電源320に結合された同じ制御グループのLEDチップ312を有する光エンジン回路330を示す。直列接続された青色放出LEDチップ334および緑色放出LEDチップ336を含む可変グループのLEDチップ332に、可変電流制御部324が結合される。上記と同様に、可変電源324は、光エンジンの放出色温度を変動させるように、青色放出LED334および緑色放出LED336の放出強度を変動させることができる。この構成では、緑色LEDチップと青色LEDチップの放出比を一定のままにすることも可能である。
【0079】
図22を次に参照すると、制御グループの放出が一定になるように一定の電源320に結合された同じ制御グループのLEDチップ312を有する光エンジン回路340を示す。複数の直列接続された緑色蛍光体で被覆された青色LEDチップ344を含む可変グループのLEDチップ342に、可変電流制御部324が結合される。上記と同様に、可変電源324は、光エンジンの放出色温度を変動させるように、LEDチップ344からの青色および緑色光の放出強度を変動させることができる。
【0080】
本発明による他の実施形態では、光エンジンは、2つの異なる温度のうちの1つで光を提供するように構成できることが理解される。これらの実施形態では、可変グループのLEDチップのオンとオフを切り換えて2つの色温度間を切り換えることができるスイッチング構成を提供することができる。図23は、第1の一定の電源354に結合された制御グループのLEDチップ352と、第2の一定の電源358に結合された可変グループのLEDチップ356とを有する光エンジン回路350を示す。可変グループのLEDのオンとオフを切り換えるために、可変LEDチップ356と一定の電源358の間にスイッチ360が構成される。スイッチ360を開くと、可変LEDチップ356をオフにし、ある温度の光エンジン放出を引き起こす。スイッチ360を閉じると、可変LEDチップをオンにし、別の温度の光エンジン放出を引き起こす。
【0081】
図24は、可変グループのLEDチップ374および一定の電源376と直列に結合された制御グループのLEDチップ372を有する、本発明による光エンジン回路370の別の実施形態を示す。可変LEDチップ374と並列にスイッチ378が結合され、したがって、スイッチ378が閉じると、電流は、閉じたスイッチを通って可変LEDチップ374を迂回する。これにより、ある温度の光エンジン放出を引き起こす。スイッチ378が開くと、電流は可変LEDチップ374を流れ、可変LEDチップ374に光を放出させる。これにより、光エンジンは、第2の色温度で放出する。これらは、本発明によって提供できる多くの異なるスイッチング構成の2つにすぎない。
【0082】
図25は、制御グループのLEDチップ392および可変グループのLEDチップ394を含む本発明による光エンジン回路390の別の実施形態を示す。この回路はまた、制御グループのLEDチップ392および可変グループのLEDチップ394を通過する電流を変動させるように操作できる可変抵抗機構396を含む。これにより、上述したように、光エンジン放出の温度を変動させるように、2つのグループ間の放出強度を変動させる。
【0083】
当業者によれば、本開示の利益を考えると、本発明の主題の精神および範囲から逸脱することなく、多くの変更および修正を加えることができる。したがって、図示の実施形態について、例のみを目的として述べたこと、そして以下の特許請求の範囲に定義する本発明の主題を限定すると解釈されるべきでないことが理解されなければならない。したがって、本発明の精神および範囲は、上述した形態に限定されるべきではない。
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