(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5964293
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】基板処理システムで使用するための窓アセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/26 20060101AFI20160721BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20160721BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
H01L21/26 J
H01L21/205
C23C16/44 B
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-514202(P2013-514202)
(86)(22)【出願日】2011年5月26日
(65)【公表番号】特表2013-535097(P2013-535097A)
(43)【公表日】2013年9月9日
(86)【国際出願番号】US2011038053
(87)【国際公開番号】WO2011156141
(87)【国際公開日】20111215
【審査請求日】2014年5月23日
(31)【優先権主張番号】13/112,109
(32)【優先日】2011年5月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/352,630
(32)【優先日】2010年6月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】カールソン, デーヴィッド, ケー.
【審査官】
右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−226262(JP,A)
【文献】
特表2003−500865(JP,A)
【文献】
特開2006−278802(JP,A)
【文献】
特開2001−345269(JP,A)
【文献】
特開2001−308022(JP,A)
【文献】
特開2005−109090(JP,A)
【文献】
特開平02−295121(JP,A)
【文献】
特開2008−047588(JP,A)
【文献】
特開平08−222532(JP,A)
【文献】
特開2000−269155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/26
C23C 16/44
H01L 21/205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システム用の窓アセンブリであって、
光エネルギーに対して少なくとも部分的に透明な第1の窓と、
光エネルギーに対して透明で、前記第1の窓に実質的に平行な第2の窓と、
前記第1および第2の窓の周辺縁部の近傍に配置され、前記第1の窓と前記第2の窓との間に封止間隙を画定するセパレータであり、前記封止間隙を通してガスを流すための入口および出口を有する、セパレータと、
前記封止間隙に配置された複数の光調整要素であって、光調整要素を通過する光エネルギーの1つまたは複数の性質を調整する、複数の光調整要素と
を備え、
前記複数の光調整要素は、両端部に開口を有する複数の管を備える、窓アセンブリ。
【請求項2】
前記複数の管のそれぞれが、
前記第1および第2の窓に垂直な中心軸を有する、円筒状管の形態をとる、請求項1に記載の窓アセンブリ。
【請求項3】
各管の壁の厚さが約1mmから約6mmの範囲にわたる、請求項1に記載の窓アセンブリ。
【請求項4】
各管の壁の厚さが前記壁を通過する光エネルギーの量に反比例する、請求項1に記載の窓アセンブリ。
【請求項5】
各光調整要素が石英を含む、請求項1に記載の窓アセンブリ。
【請求項6】
各光調整要素の前記石英の不透明度が約0パーセントから約100パーセントの範囲にわたる、請求項5に記載の窓アセンブリ。
【請求項7】
前記封止間隙に配置され、前記第1の窓または前記第2の窓の少なくとも一方に結合された1つまたは複数の支持体要素であり、各支持体要素が前記第1の窓と前記第2の窓との間に延びて前記第1の窓と前記第2の窓との間に実質的に均一な間隙距離を維持する、1つまたは複数の支持体要素をさらに備える、請求項1に記載の窓アセンブリ。
【請求項8】
前記窓アセンブリを通過する光エネルギーに対して透明であり、前記セパレータを通って前記第1の窓の間隙対向表面に沿って前記窓アセンブリの前記間隙の中に延びる管と、
前記第1の窓において、前記管の間隙対向端部の上に配置された不透明石英区域と、
前記管に配置され、前記管の前記間隙対向端部に置かれた温度測定チップを有する熱電対と
をさらに備える、請求項1に記載の窓アセンブリ。
【請求項9】
前記第2の窓の第2の厚さに対する前記第1の窓の第1の厚さの比が約1:1から約4:1にわたる、請求項1に記載の窓アセンブリ。
【請求項10】
前記第1の窓および前記第2の窓が石英を含み、前記セパレータが石英またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の一方を含む、請求項1に記載の窓アセンブリ。
【請求項11】
プロセスチャンバであり、前記プロセスチャンバの内部容積部に配置された基板支持体を有する、プロセスチャンバと、
光エネルギーを前記基板支持体の方に誘導する光源と、
前記プロセスチャンバに配置された請求項1から10のいずれか一項に記載の窓アセンブリであり、前記窓アセンブリの前記第1の窓が大気対向表面を有し、前記窓アセンブリの前記第2の窓が内部容積部対向表面を有する、窓アセンブリと
を備える、基板処理システム。
【請求項12】
前記窓アセンブリが、前記基板支持体の上で、前記基板支持体と前記光源との間に配置され、前記第1の窓が前記第2の窓の第2の厚さよりも大きい第1の厚さを有する、請求項11に記載の基板処理システム。
【請求項13】
基板処理システムであって、
プロセスチャンバの内部容積部に配置された基板支持体を有する、プロセスチャンバと、
光エネルギーを前記基板支持体の方に誘導する光源と、
前記プロセスチャンバに配置された窓アセンブリであって、
光エネルギーに対して少なくとも部分的に透明な第1の窓と、
光エネルギーに対して透明で、前記第1の窓に実質的に平行な第2の窓と、
前記第1および第2の窓の周辺縁部の近傍に配置され、前記第1の窓と前記第2の窓との間に封止間隙を画定するセパレータであり、前記封止間隙を通してガスを流すための入口および出口を有する、セパレータとを備える窓アセンブリと
を備え
前記窓アセンブリの前記第1の窓が大気対向表面を有し、前記窓アセンブリの前記第2の窓が内部容積部対向表面を有し、
前記窓アセンブリが前記基板支持体の上に配置され、前記光源が前記基板支持体より下に配置され、前記窓アセンブリが前記第1の窓の間隙対向表面に配置された反射コーティングをさらに含み、前記光源からの光エネルギーが第2の窓を通って前記窓アセンブリに入り、前記光エネルギーが前記反射コーティングによって前記基板支持体の方に反射される、基板処理システム。
【請求項14】
前記反射コーティングが、金(Au)、ニッケル(Ni)もしくは銀(Ag)のうちの少なくとも1つ、または反射性石英を含む、請求項13に記載の基板処理システム。
【請求項15】
前記窓アセンブリが、請求項1から10のいずれか一項に記載の窓アセンブリを備える、請求項13に記載の基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、基板処理システムに関し、より具体的には、基板処理システムで使用するための窓アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
窓は、光源からの放射エネルギーがプロセスチャンバの処理容積部(processing volume)に入ることができるように基板プロセスチャンバの壁に配置することができる。用途によっては、窓は、減圧圧力で(例えば、大気圧より下で)エピタキシャル堆積するように構成されたシステムで利用することがある。残念ながら、発明者は、大きい圧力差が処理容積部の内部と外部との間に(例えば、プロセスチャンバの外の大気圧とプロセスチャンバ内の減圧圧力との間に)存在する場合、平坦で単一片の石英などのような従来の窓の機能が不十分であることを発見した。発明者等は、さらに、従来の窓は処理容積部からの熱損失源となることがあり、かつ窓の温度の調整、または処理容積部に入る放射エネルギーの方向および/または強度の調整のためのいかなる手段も備えることができないことがあることを発見した。
【0003】
したがって、発明者は改善した窓アセンブリを提供した。
【発明の概要】
【0004】
基板処理システムで使用するための装置が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、装置は基板処理システムで使用するための窓アセンブリを含むことができ、窓アセンブリは、光エネルギーに対して少なくとも部分的に透明な第1の窓と、光エネルギーに対して透明で、第1の窓に実質的に平行な第2の窓と、第1および第2の窓の周辺縁部の近傍に配置され、第1の窓と第2の窓との間に封止間隙を画定するセパレータであり、封止間隙を通してガスを流すための入口および出口を有する、セパレータとを備える。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の支持体要素が封止間隙に配置され、各支持体要素は第1の窓と第2の窓との間に延びて第1の窓と第2の窓との間に実質的に均一な間隙距離を維持する。いくつかの実施形態では、複数の光調整要素が、光調整要素を通過する光エネルギーの1つまたは複数の性質を調整するために間隙に配置される。本発明の他の実施形態およびさらなる実施形態が以下で説明される。
【0005】
上述で簡単に要約し、以下でより詳細に説明する本発明の実施形態は、添付図面に示された本発明の例示的な実施形態を参照して理解することができる。しかし、添付図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、本発明は他の等しく有効な実施形態を許容することができるので本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではないことに留意するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による基板処理システムの概略側面図である。
【
図2A】本発明のいくつかの実施形態による窓アセンブリの上面図図である。
【
図2B】本発明のいくつかの実施形態による窓アセンブリの側面断面図である。
【
図2C】本発明のいくつかの実施形態による窓アセンブリの側面断面図である。
【
図3A】本発明のいくつかの実施形態による窓アセンブリの上面図である。
【
図3B】本発明のいくつかの実施形態による窓アセンブリの側面断面図である。
【
図3C】本発明のいくつかの実施形態による窓アセンブリの側面断面図である。
【
図4】本発明のいくつかの実施形態による窓アセンブリの側面断面図である。
【
図5】本発明のいくつかの実施形態による窓アセンブリの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
理解を容易にするために、同一の参照番号が、可能である場合、図面に共通である同一の要素を指定するために使用されている。図は原寸に比例して描かれておらず、見やすいように簡単化されていることがある。1つの実施形態の要素および特徴は、さらなる詳述なしに、他の実施形態に有利に組み込むことができることが意図される。
【0008】
基板処理システムで使用するための窓アセンブリが本明細書で提供される。本発明の窓アセンブリは、有利には、窓アセンブリが配置されるプロセスチャンバの処理容積部の温度とは独立して温度の制御と調整とを行うことができる。さらに、本発明の窓アセンブリは、有利には、窓アセンブリを通って処理容積部に入る放射エネルギーの方向および/または強度の制御と調整とを行うことができる。
【0009】
本明細書で開示される本発明の窓アセンブリの実施形態は、エピタキシャルシリコン堆積プロセスを行うように構成された任意の好適な半導体プロセスチャンバ、例えば、カリフォルニア州、サンタクララのApplied Materials, Inc.から入手可能なRP EPI(登録商標)リアクタなどに設けることができる。例示的なプロセスチャンバが
図1に関して以下で説明され、
図1は、例えば、減圧エピタキシャル堆積プロセスを行うのに好適な半導体基板プロセスチャンバ100の概略断面図を示す。
図1に記載されたエピタキシャル堆積プロセスチャンバは単に例示であり、本明細書で開示されるような窓アセンブリは他のプロセスチャンバで同様に使用することができる。
【0010】
プロセスチャンバ100は、例示として、内部に配置された窓アセンブリ105を有するリッド106を有するチャンバ本体110と、支援システム130と、コントローラ140とを含む。チャンバ本体110は、一般に、上部部分102、下部部分104、および筐体120を含む。上部部分102は下部部分104上に配置され、リッド106と、クランプリング108と、ライナ116と、ベースプレート112と、1つまたは複数の上部ランプ136および1つまたは複数の下部ランプ138と、上部高温計156とを含む。
【0011】
リッド106は窓アセンブリ105を含む。一般に、窓アセンブリ105は、実質的に平行である第1の窓107および第2の窓109と、第1の窓107と第2の窓109との間に配置されたセパレータ111とを含むことができる。セパレータ111は第1および第2の窓の周辺縁部の近傍に配置することができ、第1の窓と第2の窓との間に封止間隙113を画定することができる。いくつかの実施形態では、セパレータは、第1および第2の窓に対応する形状寸法を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1および第2の窓は丸形とすることができ、セパレータ111はリングとすることができる。
【0012】
第1の窓は大気対向表面(atmosphere−facing surface)を含み、第2の窓は、チャンバ本体110の内部容積部に面する内部容積部対向表面を含む。いくつかの実施形態では、第1および第2の窓107、109をセパレータ111に押しつけて封止間隙113を形成するために第1および第2の窓107、109の周辺縁部のまわりにクランプ115を配置することができる。窓アセンブリの実施形態が以下で
図2〜5にさらに詳細に記載される。
【0013】
下部部分104はプロセスガス吸気口114および排気口118に結合され、ベースプレートアセンブリ121と、下部ドーム132と、基板支持体124と、予熱リング122と、基板リフトアセンブリ160と、基板支持アセンブリ164と、1つまたは複数の上部ランプ152および1つまたは複数の下部ランプ154と、下部高温計158とを含む。「リング」という用語は、予熱リング122などのプロセスチャンバのいくつかの構成要素を説明するために使用されるが、これらの構成要素の形状は円形である必要がなく、限定はしないが長方形、多角形、楕円形などを含む任意の形状を含むことができることが意図される。
【0014】
処理の間、基板125は基板支持体124上に配置される。ランプ136、138、152、および154は赤外(IR)放射(すなわち、熱)の供給源であり、動作時に、基板125の端から端まで所定の温度分布を生成する。リッド106、クランプリング116、および下部ドーム132は石英から形成されるが、しかし、他のIR透明でプロセス適合の材料を使用してこれらの構成要素を形成することもできる。
【0015】
図2A〜2Cは、本発明のいくつかの実施形態による窓アセンブリ200を示す。窓アセンブリ200は、
図1に関して上記で説明した窓アセンブリ105として使用することができる。窓アセンブリ200は、第1の窓202、第2の窓204、およびセパレータ206を含む。第1および第2の窓202、204は、実質的に平行で離間した関係がセパレータ206によって維持される。セパレータ206は、第1および第2の窓202、204の周辺縁部の近傍に配置することができ、第1および第2の窓202、204と共に、第1の窓202と第2の窓204との間に封止間隙208を画定する。
【0016】
第1の窓202(
図2Bに断面図で示された)は、例えば、プロセスチャンバ100のランプ136、138からの光エネルギーに対して少なくとも部分的に透明とすることができる。第1の窓202は、石英または別の同様の光学的に透明な材料を含むことができる。第1の窓202が石英を含む実施形態では、石英は不透明度が約50パーセントから約90パーセントの範囲にわたることができる。さらに、第1の窓202は、例えば、第1の窓202の大気対向表面203と封止間隙対向表面205との間の圧力差の範囲にわたって十分な構造安定性を与えるように厚さは変わることができる。代替としてまたは組み合わせて、第1の窓202の厚さは第1の窓202の透明度を調整するように変わることができる。いくつかの実施形態では、第1の窓202の厚さは約4mmから約12mmとすることができる。
【0017】
第2の窓204(
図2Bに断面図で示された)は、例えば、プロセスチャンバ100のランプ136、138、152、または156からの光エネルギーに対して透明とすることができる。第2の窓204は、石英または別の同様の光学的に透明な材料を含むことができる。第2の窓204が石英を含む実施形態では、石英は不透明度が約0パーセントから約50パーセントの範囲にわたることができる。さらに、第2の窓204は、例えば、第2の窓204の内部容積部対向表面207と封止間隙対向表面209との間の圧力差の範囲にわたって十分な構造安定性を与えるように厚さは変わることができる。代替としてまたは組み合わせて、第2の窓204の厚さは第2の窓204の透明度を調整するように変わることができる。いくつかの実施形態では、第2の窓204の厚さは約2mmから約6mmとすることができる。
【0018】
第1および第2の窓202、204は同じ厚さまたは異なる厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、第1の窓202は、例えば、大気とプロセスチャンバ100の内部容積部との間の圧力差などの圧力状態に基づいて窓アセンブリの構造安定性を維持するために第2の窓204よりも厚くすることができる。いくつかの実施形態では、第2の窓204は、例えば、第2の窓204の内部容積部対向表面207のより良好な温度制御を行うために第1の窓202よりも薄くすることができる。内部容積部対向表面207の温度は、第2の窓204の厚さ、および/または流量、および/または封止間隙208を通って流れるガスの組成などのいくつかのパラメータで調整することができる(より詳細に以下で説明される)。いくつかの実施形態では、第2の窓204に対する第1の窓202の厚さの比は約1:1から約4:1にわたる。
【0019】
セパレータ206は第1および第2の窓202、204の周辺縁部の近傍に配置することができ、第1の窓202と第2の窓204との間に封止間隙208を画定する。セパレータ206は、封止間隙208を通してガスを流すために、セパレータ206に配置された入口201および出口210(
図2Cに示すように)を有することができる。ガスは、窓アセンブリの材料上に実質的に堆積されないか、または窓アセンブリの材料と実質的に反応しない任意の好適なガスとすることができる。例えば、ガスは、窒素(N
2)、希ガス(例えば、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)など)、またはそれらの組合せなどの不活性ガスを含むことができる。ガスは、窓アセンブリ200の温度を制御しやすくするために、封止間隙208に入る前に、例えば、ヒータまたは冷却器(図示せず)で温度制御することができる。さらに、窓アセンブリ200の温度は、封止間隙208を通る流量、および/または封止間隙208中で維持される圧力レベルで制御することができる。例えば、封止間隙208の圧力レベルが高いほど、第1および第2の窓202、204の表面へのより多くの熱移送、および/または封止間隙208に入る光のより多くの部分の吸収を促進することができる。
【0020】
セパレータ206は、窓アセンブリの他の構成要素と非反応性である任意の好適な材料、例えば、石英、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、Oリングをもつステンレス鋼などのようなものを含むことができる。
図4に示したものなどのいくつかの実施形態では、第1の窓402、第2の窓404、およびセパレータ406は、石英などの同じ材料から製造することができ、連続的な構造体を形成することができる(例えば、構成要素は全体的にもしくは部分的に接合するか、または完全に単一材料から製造することができる)。
【0021】
図2Aから2Cに戻ると、窓アセンブリ200の温度(または封止間隙208内で近似されるような)は、窓アセンブリ200(またはその構成要素)の温度または温度に相関するメトリックを感知するように位置づけられた熱電対などのセンサで測定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、熱電対218を封止間隙208に配置することができる。熱電対218は温度測定チップ211を含む。熱電対218は、窓アセンブリ200のセパレータ206を通って封止間隙208に延びる管212内に、例えば、第1の窓202の封止間隙対向表面205に沿って配置することができる。管212は、管212の移動を防止するために第1の窓202の封止間隙対向表面205に接合することができる。管212の内部は、封止間隙208と異なる圧力で、例えば大気圧などで維持することができる。管212は、窓アセンブリ200を通過する光エネルギーに対して透明である材料、例えば、透き通った石英などで形成することができ、その結果、管は、窓を通過する光エネルギーに影響を与えない、すなわち基板に熱的影をもたらさない。熱電対218の温度測定チップ211は、封止間隙208内に配置された管212の第1の端部213に配置することができる。いくつかの実施形態では、第1の端部213は窓アセンブリ200の中心の近傍に配置することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、不透明区域214は、一般に、第1の窓202の上から窓アセンブリ200に入る光エネルギーから(および/または実施形態によっては第2の窓204の上から窓アセンブリ200に入る光エネルギーから)熱電対218の温度測定チップ211を遮蔽するために光源と測定チップ211の位置(または管212の第1の端部213)との間に配置することができる。例えば、不透明区域214は、第1の窓202内もしくはその上に、管212内もしくはその上に、またはどこか他の好適な位置に配置することができる。いくつかの実施形態では、不透明区域214は第1の窓202に配置することができる(
図2A〜2Cに示されるように)。不透明区域は、不透明石英、または封止間隙208に入る光に対して不透明である任意の好適な材料とすることができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、窓アセンブリ200は、封止間隙208に配置された1つまたは複数の支持体要素216を含むことができる。各支持体要素216は第1の窓202および第2の窓204の一方または両方に結合することができ、封止間隙対向表面205と209との間に実質的に均一な間隙距離を維持するために第1の窓202の封止間隙対向表面205と第2の窓204の封止間隙対向表面209との間に延びることができる。各支持体要素216は、窓アセンブリを通って、例えば、基板に当たるエネルギーへの各支持体要素216による熱的影響を最小にするために、窓アセンブリ200を通過する光エネルギーに対して透明である材料、例えば、透き通った石英などを含むことができる。封止間隙208に配置される支持体要素216の数は、例えば、第1の窓202の大気対向表面203と第2の窓204の内部容積部対向表面207との間の圧力差、第1および第2の窓202、204の一方または両方のサイズおよび/または厚さなどに基づいて変わることができる(
図2Aには8つの支持体要素が示されているが、これは単に例示である)。
【0024】
いくつかの実施形態では、不透明区域214は、管212の第1の端部213の近くで封止間隙208を通って第2の窓204の封止間隙対向表面209まで延びる支持体要素(支持体要素216と同様の)の一部とすることができる。支持体要素216と同様に、支持体要素は第1の窓202と第2の窓204との間の封止間隙208のための構造支持を行うことができる。適宜、支持体要素および不透明区域214は別々の構成要素とすることができ、その場合、支持体要素は不透明材料または透明材料のいずれかから製造することができる。
【0025】
窓アセンブリ300の代替の実施形態が
図3A〜3Cに示される。窓アセンブリ300は、1つまたは複数の支持体要素216が複数の光調整要素302と取り替えられている(適宜、いくつかの支持体要素216を設けることができる)という点で窓アセンブリ200と異なる。複数の光調整要素302は封止間隙208に配置され、各要素は第1の窓202の封止間隙対向表面205と第2の窓204の封止間隙対向表面209との間に延びる。光調整要素302は、追加として、封止間隙対向表面205と209との間に実質的に均一な間隙距離を維持するために構造支持を行うことができる。
【0026】
光調整要素302はどちらの窓202、204にも結合されず、間隙内で自由に移動することができる。しかし、窓アセンブリ300が組み立てられた後、隣接する光調整要素302、第1および第2の窓202、204、ならびにセパレータ206からの干渉により、光調整要素302は実質的に移動しないようにされ得る。光調整要素302を窓アセンブリ300の他の構成要素に結合させないことによって、窓アセンブリはより容易に組み立ておよび分解することができ、異なる光透過特性を有する光調整要素302を使用して所望に応じて柔軟に再構成することができる(以下で説明するように)。
【0027】
各光調整要素302は、第1および第2の窓202、204に垂直な中心軸を有し、管の両端部に開口を有する管、例えば円筒状管の形状とすることができる。各光調整要素302の壁301の厚さ304は約1mmから約6mmの範囲にわたることができる。各光調整要素302の壁の厚さは、壁を通過する光エネルギーの量に反比例する。さらに、各要素の内径303は約6mmから約24mmの範囲とすることができる。各光調整要素の厚さおよび内径は、各要素を通過する光のコリメーションまたは拡散率の程度を制御するために変更することができる。各光調整要素302は透き通った石英または不透明石英を含むことができる。不透明石英が使用される実施形態では、不透明度は約0パーセントから100パーセントの範囲にわたることができる。
【0028】
複数の光調整要素302は、光透過特性を変更した光調整要素を含むことができる。例えば、光調整要素302は、窓アセンブリ300を通過する光エネルギーの性質を調整するために、異なる壁厚、内径、組成、不透明度など(複数のうちの他の光調整要素302と比較して)を有することができる。例えば、光調整要素302の変更された光透過特性を利用して、窓アセンブリ300を通って異なるエネルギー透過特性を有する複数のゾーンに進む光のコリメーションおよび/または拡散率を調整することができる。代替としてまたは組み合わせて、異なる光透過特性を有する光調整要素302を封止間隙208の全体にわたってまたは特定のゾーンにランダムに分配して、窓アセンブリを通過する光エネルギーの分布をランダム化することができる。ゾーンを生成するのに光調整要素302を使用すると、有利には、ゾーン間の鮮鋭な輪郭が防止され、それによって、例えば、窓の下に配置された基板上でゾーン領域間の熱勾配がより滑らかに移り変わるようになる。
【0029】
いくつかの実施形態では、例えば、片側加熱の実施形態では、窓アセンブリはリフレクタとして働くことができる。例えば、
図5は、例えば、光エネルギーが基板125の下に配置されたランプ152、154によって供給される場合に片側加熱の実施形態のためのプロセスチャンバ100で利用することができる窓アセンブリ500を断面図で示す。窓アセンブリ500は、窓アセンブリ200、300に従って説明した構成要素、例えば、熱電対218、1つまたは複数の支持体要素216、および/または複数の光調整要素302などのうちの任意のものを含むことができる。
図5では、これらの構成要素は単に見やすくするために省略されている。
【0030】
窓アセンブリ500は、第1の窓202の封止間隙対向表面に配置された反射コーティング502を含む。反射コーティング502は、金(Au)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、反射性石英などのうちの少なくとも1つなどの任意の好適なプロセス適合反射性材料を含むことができる。動作時に、光エネルギーは第2の窓204を通って窓アセンブリ500に入り、封止間隙208を通過し、反射コーティング502から反射されて戻され、封止間隙208を通り、第2の窓204から基板125の方に外に出る。複数の光調整要素302が封止間隙208に含まれる実施形態では、封止間隙208に入り、反射コーティング502から反射される光エネルギーのコリメーションおよび/または拡散率を調整するために、複数のうちのその光調整要素は要素の不透明度および/またはサイズを変更することができる。
【0031】
図1に戻ると、基板支持アセンブリ164は、一般に、基板支持体124に結合された複数の支持ピン166を有する支持ブラケット134を含む。いくつかの実施形態では、基板支持アセンブリ164は基板の回転を行うように構成することができる。基板リフトアセンブリ160は、基板リフトシャフト126と、基板リフトシャフト126のそれぞれのパッド127に選択的に載る複数のリフトピンモジュール161とを含む。1つの実施形態では、リフトピンモジュール161は、基板支持体124の第1の開口162を通して移動可能に配置されるリフトピン128のオプションの上部部分を含む。動作時に、基板リフトシャフト126はリフトピン128に係合するように移動される。係合されると、リフトピン128は基板125を基板支持体124の上に上げるか、または基板125を基板支持体124上に下ろすことができる。
【0032】
支援システム130は、プロセスチャンバ100における所定のプロセス(例えば、エピタキシャルシリコン膜の成長)を実行およびモニタするのに使用される構成要素を含む。そのような構成要素は、一般に、様々なサブシステム(例えば、ガスパネル、ガス分配管路、真空および排気サブシステムなど)と、プロセスチャンバ100のデバイス(例えば、電源、処理制御機器など)とを含む。これらの構成要素は当業者にはよく知られており、見やすくするために図面から省略されている。
【0033】
コントローラ140は、一般に、中央処理装置(CPU)142、メモリ144、および支援回路146を含み、プロセスチャンバ100および支援システム130に直接に(
図1に示されるように)または代替としてプロセスチャンバおよび/または支援システムに関連するコンピュータ(またはコントローラ)を介して結合され、それらを制御する。
【0034】
このように、基板処理システムで使用するための窓アセンブリの実施形態が本明細書で提供される。本発明の窓アセンブリは、有利には、窓アセンブリが配置されているプロセスチャンバの処理容積部の温度とは独立して温度の制御と調整とを行う。さらに、本発明の窓アセンブリは、有利には、窓アセンブリを通って処理容積部に入る放射エネルギーの方向および/または強度の制御と調整とを行う。
【0035】
上記は本発明の実施形態に関するが、本発明の他の実施形態およびさらなる実施形態が本発明の基本範囲から逸脱することなく考案され得る。