(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、アモルファスシリコンや多結晶シリコンを用いてなる薄膜トランジスタ(TFT)が、液晶表示装置や有機EL表示装置などのスイッチング素子として広く用いられている。しかし、これらシリコンを用いたTFTの作製に用いられるCVD装置は、高価であるため、大型のTFT素子の製造は製造コストの増大を招くことになる。また、シリコン材料は高温下で成膜されるため、今後フレキシブルディスプレイの基板候補であるプラスチック基板には耐熱性の問題から展開できない。これを解決するために、シリコン半導体に代えて、有機半導体をチャネル半導体層に用いた有機TFTが提案されている。
【0003】
有機半導体は溶液とすることで、低温で印刷成膜できるため、大規模な製造設備を必要とせず、また、耐熱性の乏しいプラスチック上にも適用でき、フレキシブルディスプレイを牽引すると期待されている。一方、有機半導体はシリコン半導体に比べ、キャリア移動度が低く、その結果、TFTの応答速度が遅くなることが実用化の課題であったが、近年、アモルファスシリコン同等の移動度の有機半導体が開発されてきた。
【0004】
例えば、特許文献1には、2,7−置換[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン骨格(以下、[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェンをBTBTと略する)を有する化合物が記載されており、その置換基として、ハロゲン、C
1−C
18アルキル、ハロゲンを有するC
1−C
18アルキル、C
1−C
18アルキルオキシ、C
1−C
18アルキルチオ、もしくはアリール、又は、ハロゲン、C
1−C
18アルキル、ハロゲンを有するC
1−C
18アルキル、C
1−C
18アルキルオキシ、C
1−C
18アルキルチオの少なくとも一つを有するアリールであるものが記載されている。これら化合物の移動度(cm
2/Vs)は、0.17〜0.31cm
2/Vsであるという。
【0005】
また、特許文献2には、2,7−置換BTBT骨格を有する化合物が記載されており、その置換基として、水素原子、ハロゲノ置換C
1−C
36脂肪速炭化水素基であるものが記載されている。これら化合物の移動度(cm
2/Vs)は、0.12〜4.5cm
2/Vsであることが記載されている。
【0006】
また、特許文献3には置換基としてハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、カルボキシル基、チオール基を部分構造として持つBTBT骨格の化合物が記載されている。該化合物を前駆体として成膜後、置換基を脱離又は反応させることで、印刷成膜でも容易に有機半導体膜を形成するという。
更に、特許文献4にはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基などを持つBTBT骨格の化合物を含有するポリマー組成物が記載されている。アルケニル基、アルキニル基、アリール基により共役長を伸ばしたBTBT誘導体を含有することにより、空気中で安定な半導体膜を形成すると報告されている。
【0007】
一方、上記のように、移動度の向上した有機半導体材料は多く報告されているものの、印刷成膜により有機半導体薄膜を形成する場合、印刷時に有機半導体分子がランダムに配列するため、キャリアが流れる流路が形成されず、高い移動度の有機半導体膜を得難い。従って、当該用途では、印刷成膜時に有機半導体分子が一方向に容易に配向し、キャリアが流れやすい膜を与える有機半導体材料が必要とされている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
即ち、本発明は以下の項目から構成される。
1.一般式(1)
【0014】
【化1】
(式中、R
1が置換基を有してもよい炭素数3〜20のアルケニル基であり、R
2が芳香族炭化水素基又は複素芳香族基、炭素数2〜20のアルキル基または炭素数2〜20のアルケニル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基又は複素芳香族基、ハロゲン原子を有する炭素数2〜20のアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基又は複素芳香族基、炭素数3〜20のアルコキシアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基又は複素芳香族基、炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基又は複素芳香族基、炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基又は複素芳香族基から選ばれる基)
で表される有機半導体材料、
2.1に記載の有機半導体材料を用いてなる有機半導体デバイス、
3.1に記載の有機半導体材料を有機半導体層として用いる有機トランジスタ。
【0015】
(一般式(1)で表される化合物)
一般式(1)で表される化合物は、BTBT骨格に置換基を有する化合物であり、一方の置換基が、置換基を有してもよい炭素数3〜20のアルケニル基であり、もう一方の置換基が、芳香族炭化水素基又は複素芳香族基、炭素数2〜20のアルキル基または炭素数2〜20のアルケニル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基又は複素芳香族基、ハロゲン原子を有する炭素数2〜20のアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基又は複素芳香族基、炭素数3〜20のアルコキシアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基又は複素芳香族基、炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基又は複素芳香族基、炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基又は複素芳香族基であることに特徴を有する。
【0016】
(BTBTの置換基の列挙)
本発明の一般式(1)で表される化合物のR
1は、置換基を有してもよい炭素数3〜20のアルケニル基である。ビニル基など、BTBT骨格に直接二重結合が繋がると、共役長が拡がり過ぎ、目的とする高次の液晶相が発現しにくくなるため、本発明のアルケニル基は二重結合がBTBT骨格に直接繋がらないものが好ましい。
このようなアルケニル基としては、特に制限はないが、例えば、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、エイコセニル基、オクタデカ−9,12−ジエニル基、オクタデカ−9,12,15−トリエニル基、エイコサ−11,14−ジエニル基、エイコサ−11,14,17−トリエニル基、エイコサ−5,8,11,14−テトラエニル基、メチルペンテニル基、シクロヘキセン、4−メチルシクロヘキセンなどの直鎖、分
岐のアルケニル基などが挙げられる。これらのアルケニル基は、シス体、トランス体、それらの混合物に関係なく使用できる。
【0017】
また、本発明の一般式(1)で表される化合物のR
2は、芳香族炭化水素基又は複素芳香族基、炭素数2〜20のアルキル基または炭素数2〜20のアルケニル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基又は複素芳香族基、ハロゲン原子を有する炭素数2〜20のアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基又は複素芳香族基、炭素数3〜20のアルコキシアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基又は複素芳香族基、炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基又は複素芳香族基、炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基又は複素芳香族基であり、特に制限はないが、例えば以下のものを挙げることができる。
置換基を有してもよい芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、アセナフテニル基、アントラニル基、フェナントリル基、ナフタセニル基、フルオレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ビフェニル基、p−ターフェニル基、クォーターフェニル基などの無置換の炭素数6〜24の単環または多環式芳香族炭化水素基、
【0018】
o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,4−キシリル基、2,6−キシリル基、メシチル基、ジュリル基、4−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−n−デカフェニル基、4−ステアリルフェニル基、9,9‘−ジヘキシルフルオレニル基など、前記芳香族炭化水素基が炭素数1〜18のアルキル基で置換されたアルキル置換芳香族炭化水素基、
スチリル基、4−ブテニルフェニル基、4−オクタデセニルフェニル基など、前記の芳香族炭化水素基が炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたアルケニル置換芳香族炭化水素基、
【0019】
4−フルオロフェニル基、2,6−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3,4,5,6−パーフルオロフェニル基など、前記の芳香族炭化水素基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲンで置換されたハロゲン化芳香族炭化水素基、
4−(2−エトキシエチル)フェニル基、4−(2−n−ヘキシルオキシエチル)フェニル基、4−(2−n−ヘプチルオキシエチル)フェニル基、4−(2−n−テトラデシルオキシエチル)フェニル基、4−(2−シクロヘキシルオキシエチル)フェニル基、4−(12−エトキシドデシル)フェニル基、4−(シクロヘキシルオキシエチル)フェニル基など、前記芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルコキシアルキル基で置換されたアルコキシアルキル置換芳香族炭化水素基、
【0020】
4−(メチルスルファニルプロピル)フェニル基、4−(2−n−ヘキシルスルファニルエチル)フェニル基、4−(3−n−デシルスルファニルプロピル)フェニル基、4−(シクロヘキシルスルファニルプロピル)フェニル基など、前記の芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基で置換されたアルキルスルファニルアルキル置換芳香族炭化水素基、
【0021】
4−(3−オクチルアミノプロピル)フェニル基、4−(3−ドデシルアミノプロピル)フェニル基、4−(ジエチルアミノエチル)フェニル基など、前記の芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基で置換されたアルキルアミノアルキル置換芳香族炭化水素基、などが挙げられる。
【0022】
また、置換基を有してもよい複素芳香族基としては、ピロリル基、インドリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ベンゾフリル基、トリアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾチエニル基、ピラゾリル基、インドリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、インドリニル基、チアゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、チアジアジニル基、オキサジアゾリル基、ベンゾキノリニル基、チアジアゾリル基、ピロロチアゾリル基、ピロロピリダジニル基、テトラゾリル基、オキサゾリル基など、5員環または6員環の複素芳香族基や、該複素芳香族基にベンゼンが縮合した多環式複素芳香族基、
5−メチルチエニル基、5−ヘキシルチエニル基、5−デカチエニル基、5−ステアリルチエニル基など前記複素芳香族基が炭素数1〜20のアルキル基で置換されたアルキル置換複素芳香族基、
【0023】
フルオロピリジニル基、フルオロインドリル基など、前記の複素芳香族基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲンで置換されたハロゲン化複素芳香族基、
5−(2−エトキシエチル)チエニル基、5−(2−n−テトラデシルオキシエチル)チエニル基、5−(2−シクロヘキシルオキシエチル)チエニル基、5−(12−エトキシドデシル)チエニル基など、前記芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルコキシアルキル基で置換されたアルコキシアルキル置換複素芳香族基、
【0024】
5−(メチルスルファニルプロピル)チエニル基、5−(2−n−ヘキシルスルファニルエチル)チエニル基、5−(3−n−デシルスルファニルプロピル)チエニル基、5−(シクロヘキシルスルファニルプロピル)チエニル基など、前記の芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基で置換されたアルキルスルファニルアルキル置換複素芳香族基、
5−(3−オクチルアミノプロピル)チエニル基、5−(3−ドデシルアミノプロピル)チエニル基、5−(ジエチルアミノエチル)チエニル基など、前記の複素芳香族基が炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基で置換されたアルキルアミノアルキル置換複素芳香族基、などが挙げられる。
【0025】
以上説明した置換基を有する本発明の具体的な化合物として、以下を挙げることがで
きるが、これらに限られるものではない。
【0028】
(本発明化合物の合成)
本発明化合物の合成は、公知慣用の方法を組み合わせて行うことができる。
合成経路の一例は、以下を挙げることができる。
(合成ルートの一例)
【0030】
先ず、BTBTと不飽和脂肪酸クロライドをフリーデルクラフツアシル化反応して片末端に不飽和炭化水素ケトン基を導入し、ウォルフ・キッシュナー還元することによりアルケニル化された化合物を得る。次に、アルケニル置換部位の反対側を発煙硝酸でニトロ化、次いで錫粉末によりアミノ基に還元後、亜硝酸化合物によりジアゾ化し、更にザンドマイヤー反応によりヨウ素化することによりアルケニル基とヨウ素を有する化合物を得る。最後に、該化合物と芳香族又は複素芳香族ホウ酸化合物との鈴木・宮浦カップリングにより、目的とする化合物を得ることができる。
上記反応は、特に限定されることなく、公知慣用の試薬が使用でき、反応温度も公知慣用何れの温度も適用することができる。
【0031】
上記反応は、特に限定されることなく、公知慣用の試薬が使用でき、反応温度も公知慣用何れの温度も適用することができる。
以上のように得られる本発明の有機半導体材料は、分子配置の秩序性が高い、高次の液晶相を経由して結晶化し、成膜後に分子の並びが制御されているため、高い電荷移動度を発現する。特に、本発明の有機半導体材料は、液晶相を阻害せず分子配置の秩序性が高い、アルケニル基を一方に有し、もう一方に芳香族炭化水素基又は複素芳香族基を有する非対称の分子構造とすることにより、広い液晶相温度範囲が発現し、従来化合物より素子間での移動度のバラツキが少なくなるため、種々の有機半導体デバイスに有用である。
【0032】
(液晶相)
本発明化合物が示す液晶相は、SmB,SmBcryst、SmI、SmF、SmE、SmJ、SmG、SmK、およびSmHからなる群から選ばれる液晶相であることが好ましい。この理由は、本発明に関わる液晶物質を液晶相で有機半導体として用いる場合、これらの液晶相は流動性が小さいためイオン伝導を誘起しにくく、また、分子配向秩序が高いため液晶相において高い移動度が期待できるからである。また、本発明に関わる液晶物物質を結晶相で有機半導体として用いる場合には、これらの液晶相は、N相、SmA相およびSmC相に比べて流動性が小さいため、温度の上昇により液晶相に転移した場合にも素子の破壊が起こりにくいためである。液晶相の発現が降温過程においてのみみられる場合は、一旦結晶化すると、結晶温度領域が広がるため、結晶相で応用する場合に好都合である。本発明化合物は、降温過程において、SmBcryst、SmE、SmF、SmI、SmJ、SmG、SmK、又はSmHの相を示すことを特徴とする。
【0033】
更に、このSmBcryst、SmE、SmF、SmI、SmJ、SmG、SmK、又はSmHのうち、より高次のSm相であるSmE、SmGが、前記有機半導体材料を結晶相から昇温させた際に、液晶相に隣接した温度領域で現れる液晶相として特に好ましい。
また、液体性の強い低次の液晶相(N相、SmA相やSmC相)に加えてそれ以外の高次の液晶相が出現する液晶物質では、低次の液晶相では液体性が強いため、分子配向の制御が高次の液晶相に比べて容易であるので、低次の液晶相で分子をあらかじめ配向させておき、高次の液晶相へ転移させることにより、分子配向の揺らぎや配向欠陥の少ない液晶薄膜を得ることができるので、液晶薄膜や結晶薄膜の高品質化が実現できる。
【0034】
液晶物質を有機半導体として用いる場合、それを用いたデバイスに求められる動作温度は通常−20℃〜80℃であるので、本願発明では、SmBcryst、SmE、SmF、SmI、SmJ、SmG、SmK、又はSmH相が出現する温度領域が−20℃以上であることが求められる。また、本発明に関わる液晶物質を結晶相において有機半導体として用いる場合、液晶状態の薄膜(液晶薄膜)を結晶薄膜の作製の前駆体として利用することがその高品質化に有効である。このため、プロセスの簡便さや基材の選択の容易さを考慮すると、液晶物質の液晶相が出現する温度は200℃以下が望ましい。
【0035】
液晶分子におけるコア部に対応する電荷輸送性分子ユニットとして、環数3以上の芳香族π−電子縮環系の分子ユニットを用いることにより、分子位置の揺らぎに対するtransfer積分の冗長性を確保でき、同様に、ベンゼンやチオフェンなどを複数、単結合で連結したπ−電子共役系の分子ユニットではなく、縮環構造を持つ分子ユニットを採用することにより、分子配座が固定されるため、transfer積分の増大が期待でき、移動度の向上に役立つ。従って、本発明のBTBT骨格は該ユニットとして有効である。
【0036】
一方、大きな縮環構造を電荷輸送性分子ユニットをコア部として採用しても、ジアルキルペンタセンやジアルキルベンゾチエノベンゾチオフェンなどの例のように、コア部に直接、炭化水素鎖を連結させた物質では、液晶相の安定化がはかれず、一般に、液晶相を発現しないか、液晶相を発現したとしてもSmA相などの低次の液晶相しか発現しない(文献 Liquid Crystal.Vol.34.No.9(2007)1001−1007. Liquid Crystal.Vol.30.No.5(2003)603−610)。このため、単に電荷輸送性分子ユニットに大きな縮環構造を用いても、液晶相で高い移動度を実現することはできない。BTBT骨格のように、電荷輸送性分子ユニットに分子のフリップーフロップ運動の自由度を与えるためのもう一つの構造ユニットを連結した分子構造をコア部に採用することにより、初めて、高次の液晶相の発現と液晶相における高い移動度の実現が期待される。
【0037】
BTBT骨格に芳香族炭化水素や複素芳香族構造などのもう一つの剛直な構造ユニットを連結した構造(コア部)に、飽和或いは不飽和炭化水素鎖などを連結し、分子に、棒状の分子形状の異方性と液体性を付与することによって、高い確率で液晶相の発現を誘起することが出来る。炭化水素鎖を連結する場合、2本の炭化水素鎖を連結することが一般であるが、炭化水素鎖が1本の場合でも、液晶相はしばしば発現させることができる。この場合、液晶相の出現温度領域は、一般に、降温過程と昇温過程で非対称となることが多い。
【0038】
これは降温過程では、一般に液晶相温度領域が低温まで広がり、逆に、昇温過程では結晶相を高温領域まで広げることに役立つ。特に、不飽和炭化水素鎖を連結した場合に液晶転移温度が低下する傾向がある。この特性は液晶物質の多結晶薄膜を有機半導体として利用する際に、液晶薄膜(液晶相状態の薄膜)をその前駆体として多結晶薄膜を作製する際により低い温度で液晶薄膜を作製できることを意味し、プロセスがより容易になるというメリットがある。また、昇温過程における結晶相温度が高領域まで広がることは、作製された多結晶膜の熱的安定性が向上することを意味し、材料として都合が良い。一方、炭化水素鎖を2本付与すると、一般に、発現した液晶相を安定化されるため、液晶相を用いたデバイス等への応用には都合が良い。
【0039】
以上述べた基本的な分子設計に基づいて物質を合成した場合、その物質の本発明に関わる有用性は、基本的には、液晶相で有機半導体として用いる場合は高次のスメクチック相を発現すること、結晶相で有機半導体として用いる場合は、結晶相温度より高い温度から冷却したときに結晶薄膜に亀裂や空隙を形成しにくく、かつ、結晶相に隣接して、低次の液晶相を発現しないものを選ぶことにより、生かされる。言い換えれば、液晶相で有機半導体として用いる場合は、結晶相に隣接する温度領域において、ネマティック相やSmA相やSmC相以外の液晶相を発現すること、また、結晶相で有機半導体として用いる場合には、結晶相より高い温度領域から冷却して結晶相へ転移させたとき、亀裂や空隙が形成されにくいことが判定基準となる。
【0040】
(スクリーニング法)
これは、以下に述べるスクリーニング法(判定法)によって、容易に判定することが出来る。このスクリーニング法に用いる各測定法の詳細に関しては、必要に応じて、下記の文献を参照することができる。
文献A:偏光顕微鏡の使い方:実験化学講第4版1巻、丸善、P429〜435
文献B:液晶材料の評価:実験化学講座第5版27巻P295〜300、丸善
:液晶科学実験入門日本液晶学会編、シグマ出版
【0041】
(S1)単離した被検物質をカラムクロマトグラフィーと再結晶により精製した後、シリカゲルの薄層クロマトグラフィーにより、該被検物質が単一スポットを示す(すなわち、混合物でない)ことを確認する。
(S2)等方相に加熱したサンプルを毛細管現象を利用して、スライドガラスをスペーサーを介して張り合わせた15μm厚のセルに注入する。一旦、セルを等方相温度まで加熱し、偏光顕微鏡でそのテクスチャーを観察し、等方相より低い温度領域で暗視野とならないことを確認する。これは、分子長軸が基板に対して水平配向していることを示すもので、以後のテクスチャー観察に必要な要件となる。
(S3)適当な降温速度、例えば、5℃/分程度の速度でセルを冷却しながら、顕微鏡によるテクスチャーを観察する。その際、冷却速度が速すぎると、形成される組織が小さくなり、詳細な観察が難しくなるので、再度、等方相まで温度を上げて、冷却速度を調整して、組織が容易に観察しやすい、組織のサイズが50μm以上となる条件を設定する。
【0042】
(S4)上記(S3)項で設定した条件で、等方相から室温(20℃)まで冷却しながらテクスチャーを観察する。この間にセル中で試料が結晶化すると、格子の収縮に伴い、亀裂や空隙が生じ、観察されるテクスチャーに黒い線、または、ある大きさを有する領域が現れる。サンプルを注入する際に空気がはいると同様の黒い領域(一般には丸い)が局所的に生じるが、結晶化によって生じた黒い線や領域は組織内や境界に分布して現われるので容易に区別できる。これらは、偏光子、及び、検光子を回転させても、消失や色の変化が見られないことから、テクスチャーに見られるこれ以外の組織とは容易に識別できる。このテクスチャーが現れる温度を結晶化温度として、その温度より高い温度領域で現れるテクスチャーがネマティック相、SmA相、SmC相でないことを確認する。サンプルがネマチック相を示す場合は、糸巻き状と表現される特徴的なシュリーレンテクスチャー(典型的なシュリーレンテクスチャー)が観察され、SmA相やSmC相を示す場合は、fan−likeテクスチャーと呼ばれる扇型でその領域内は均一組織を有する特徴的なテクスチャー(典型的なFan−likeテクスチャー)が観察されるので、その特徴的なテクスチャーから容易に判定することができる。
【0043】
特殊なケースとして、SmA相からSmB相、SmC相からSmF、SmI相に転移する物質では、相転移温度で一瞬に、視野の変化が見られるが、相転移したテクスチャーにはほとんど変化が見られない場合があり、形成されたSmB相やSmF相、SmI相のテクスチャーをSmA相、SmC相と誤認する場合があるので注意が必要である。その場合は、相転移温度で見られる一瞬の視野の変化に気をつけることが重要である。この確認が必要な場合は、DSCにより、中間相の数を確認した後、それぞれの温度領域でX線回折を測定し、各相に特有の高角度領域(θ−2θの判定において15〜30度)においてピークの有無を確認すれば、SmA相、SmC相(いずれもピークなし)とSmB相、SmF相、SmI相(いずれもピーク有り)を容易に判定することができる。
【0044】
(S5)室温(20℃)で、偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって、黒い組織が見られないものは、有機半導体材料として利用可能であるので、この物質が室温で高次の液晶相、あるいは、結晶相(準安定な結晶相を含む)の如何に関わらず、本発明の範疇として取り扱うものとする。
本発明に関わる有機半導体材料をデバイスに応用する観点からみると、コア部のHOMO、LUMOのエネルギー準位も重要となる。一般に、有機半導体のHOMOレベルは、脱水されたジクロロメタンなどの有機溶媒に被検物質を、例えば、1mmol/Lから10mmol/Lの濃度となるように溶解し、テトラブチルアンモニウム塩などの支持電解質を0.2mol/L程度加え、この溶液にPtなどの作用電極とPtなどの対向電極、およびAg/AgClなど参照電極を挿入後、ポテンショスタットにて50mV/sec程度の速度で掃引し、CV曲線を書かせ、ピークの電位および基準となる、例えばフェロセンなどの既知物質との電位の差より、HOMOレベル、LUMOレベルを見積ることができる。HOMOレベル、LUMOレベルが用いた有機溶媒の電位窓よりも外れている場合、紫外可視吸収スペクトラムの吸収端より、HOMO−LUMOレベルを計算し、測定できたレベルから差し引くことでHOMOレベルやLUMOレベルを見積ることができる。この方法は、J.Pommerehne, H.Vestweber, W.Guss, R.F.Mahrt, H.Bassler, M.Porsch, and J.Daub, Adv.Mater.,7,551(1995)を参照にすることができる。
【0045】
一般に、有機半導体材料のHOMO,LUMOレベルは、それぞれ陽極、陰極と電気的な接触の目安を与え、電極材料の仕事関数との差によって決まるエネルギー障壁の大きさによって電荷注入が制限されることになるので、注意が必要である。金属の仕事関数は、しばしば、電極として用いられる物質の例をあげると、銀(Ag)4.0eV、アルミニウム(Al)4.28eV、金(Au)5.1eV、カルシウム(Ca)2.87eV、クロム(Cr)4.5eV、銅(Cu)4.65eV、マグネシウム(Mg)3.66eV、モリブデン(Mo)4.6eV、白金(Pt)5.65eV、インジウムスズ酸化物(ITO)4.35〜4.75eV、酸化亜鉛(ZnO)4.68eVであるが、前述の観点から、有機半導体材料と電極物質との仕事関数の差は1eV以下が好ましく、より、好ましくは0.8eV以下、さらに好ましくは、0.6eV以下である。金属の仕事関数は、必要に応じて、下記の文献を参照することができる。
文献D:化学便覧 基礎編 改訂第5版II−608−610 14.1 b仕事関数 (丸善出版株式会社)(2004)
【0046】
コア部の共役したπ−電子系の大きさによりHOMO,LUMOエネルギー準位は影響を受けるため、共役系の大きさは材料を選択する際に参考となる。また、HOMO、LUMOエネルギー準位を変化させる方法として、コア部にヘテロ元素を導入することは有効である。
【0047】
適用可能な有機半導体デバイスとしては、ダイオード、有機トランジスタ、メモリ、フォトダイオード、発光ダイオード、発光トランジスタや、ガスセンサー、バイオセンサー、血液センサー、免疫センサー、人工網膜、味覚センサーなどのセンサー類、RFID等が挙げられる。
中でも、本発明の有機半導体材料は、0.1cm
2/Vs以上の高い電荷移動度を有するので、有機トランジスタまたは発光デバイスへの応用が特に有用である。有機トランジスタは、ディスプレイを構成する画素のスイッチング用トランジスタ、信号ドライバー回路素子、メモリ回路素子、信号処理回路素子等として好適に使用できる。ディスプレイの例としては、液晶ディスプレイ、分散型液晶ディスプレイ、電気泳動型ディスプレイ、粒子回転型表示素子、エレクトロクロミックディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、電子ペーパー等が挙げられる。
【0048】
なお、有機トランジスタは、通常、ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極、およびゲート絶縁層、有機半導体層を有して成るものであり、各電極や各層の配置によって種々のタイプのトランジスタがあるが、本発明の有機半導体材料はトランジスタの種類に限定されることなく、何れのトランジスタにも使用することができる。トランジスタの種類については、アルドリッチ社の材料科学の基礎第6号「有機トランジスタの基礎」などを参照することができる。
【0049】
(半導体としての移動度の確認)
後述する実施例おける実験(Time−of−flight法による過渡光電流の測定)により、本発明の有機半導体材料が、半導体としての動作に好適な移動度を有していることが確認可能である。このような方法による移動度の確認の詳細に関しては、例えば文献Appl.Phys.Lett., 71 No.5 602−604(1997)を参照することができる。
【0050】
有機半導体をデバイスに応用する際の有用性はその物質の示す移動度が一つの目安となる。これは、移動度によってデバイスの特性が制限されるからである。従来、アモルファス有機半導体においては移動度は高いものでも10
−2cm
2/Vs程度であり、一般には10
−5〜10
−3cm
2/Vsの値である。したがって、液晶相が示す10
−2cm
2/Vsを超える高い移動度、特に、高次のスメクチック相が示す0.1cm
2/Vsを超える移動度はアモルファス有機半導体材料では実現が難しく、液晶材料の優位性が明白である。
【0051】
液晶性物質は、非液晶物質と同様、結晶相を示すことから、液晶物質を有機半導体として用いる際、液晶相ばかりでなく、結晶相において有機半導体として用いることができることは言うまでもない。一般に、結晶相における移動度は液晶相における移動度に比較して、約半桁から1桁程度高い場合が多く、特に、高移動度を必要とするトランジスタ応用や電荷やエキシトンの大きな拡散長が要請される太陽電池等への応用には結晶相の利用が有効である。
【0052】
(半導体デバイス動作の確認)
実施例に示すように、FETを作製し、その特性を評価することにより本発明の有機半導体材料が、有機トランジスタとして使用可能であることを確認可能である。
このような方法による半導体デバイス動作確認の詳細に関しては、例えば文献 S. F.Nelsona,Y.−Y.Lin,D.J.Gundlach,and T. N.Jackson、Temperature−independent transport in high−mobility pentacene transistors,Appl.Phys.Lett.,72,No.15 1854−1856(1998)を参照することができる。
【実施例】
【0053】
本発明を実施例でさらに詳細に説明する。
<トランジスタの作製>
熱酸化膜付シリコンウエハー(ヘビードープp型シリコン(P+−Si)、熱酸化膜(SiO
2)厚さ:300nm)を20×25mmに切断後、この切断したシリコンウエハー(こののち基板と略す)を中性洗剤、超純水、イソプロピルアルコール(IPA)、アセトン、IPAの順に超音波洗浄を行った。
次に、液晶性有機半導体化合物をキシレンに溶解させ、溶液を調整した。溶液の濃度は1wt%から0.5wt%とした。この溶液、および、溶液を基板に塗布するガラス製のピペットを予め、ホットステージ上で所定の温度に加熱しておき、上記の基板をオーブン内に設置したスピンコータ上に設置し、オーブン内を60℃に昇温した後、溶液を基板上に塗布し、基板を回転(約3000rpm、30秒)させた。回転停止後、基板を素早く取り出し室温まで冷却させた。
更に、有機半導体層を塗布した基板に、真空蒸着法(2×10
−6Torr)を用いて、金をメタルマスクを介してパターン蒸着することにより、ソース・ドレイン電極を形成した(チャネル長:チャネル幅=75μm:3000μm)。
作製した有機トランジスタの評価は、通常の大気雰囲気下において、2電源のソース・メジャーメントユニットを用いて、ソース電極、ドレイン電極間に流れる電流を、ゲート電極(P+−Si)に電圧をスイープ印加(Vsg:+40〜−60V)しながら測定(伝達特性)することによりおこなった(ソース電極、ドレイン電極間電圧Vsd:−80V)。移動度は、該伝達特性における、√Id−Vgの傾きから、飽和特性の式を用いた周知の方法により算出した。なお、移動度の測定は5つのトランジスタについて行い、その平均値と標準偏差を記載した。
【0054】
(実施例1)
Tetrahedron Letters,Vol.52,285頁記載の方法で得たBTBT 7.2g(30mmol)を400mLのジクロロメタンに溶解後−70℃に冷却し、塩化アルミニウム15.9g(120mmol)を加えた後、Journal of Medicinal Chemistry,Vol.36,2595頁記載の方法で得た9−ヘキサデセノイルクロライド8.16g(30mmol)をジクロロメタン20mLに溶解した溶液を滴下した。更に同温で4時間撹拌後、この反応液を冷水に注ぎ、析出した結晶を濾集後、蒸留水、メタノールの順で洗浄した。得られた結晶をトルエンで再結晶し、7−(9−ヘキサデセノイル)BTBTの淡黄色結晶、10.3g(収率72%)を得た。
【0055】
次に、7−(9−ヘキサデセノイル)BTBT 10g(21mmol)、水酸化カリウム4.7g(84mmol)、ヒドラジン水和物63mL(0.53mol)をジエチレングリコール980mLに加え、100℃で1時間撹拌後、更に210℃で5時間反応した。反応液を冷却して析出した結晶を濾集後、蒸留水、メタノールの順に洗浄した。得られた結晶をトルエンで再結晶し、7−(9−ヘキサデセン)BTBTの淡黄色結晶8.1g(収率83.5%)を得た。
【0056】
次に、7−(9−ヘキサデセン)BTBT6.01g(13mmol)を320mLのジクロロメタンに溶解後−50℃に冷却し、発煙硝酸の1.2Mジクロロメタン溶液24mLを30分かけて滴下した。−50℃で更に2時間撹拌した後、26mLの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止した。分液して下層を取り、10%食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮乾固して粗製固体を得た。この固体をメチルイソブチルケトンから再結晶し、2−(9−ヘキサデセン)−7−ニトロBTBTの黄色結晶、4.01g(収率、61%)を得た。
【0057】
次いで、2−(9−ヘキサデセン)−7−ニトロBTBT 3.04g(6mmol)、錫粉末1.84gを酢酸30mLに懸濁し、約70℃で加熱、撹拌下、濃塩酸5.4mLをゆっくりと滴下した。さらに100℃で1時間反応後、10℃以下に冷却し固体を濾取した。この固体をクロロホルム約100mLに分散し、濃アンモニア水、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮乾固し粗製固体を得た。この固体をシリカゲルカラム(クロロホルム/シクロヘキサン=1/2、1%トリエチルアミンを添加)で分離精製し、石油ベンジンから再結晶して微灰色の2−アミノ−7−(9−ヘキサデシル)BTBT 2.24g(収率、78%)を得た。
【0058】
更に、2−アミノ−7−(9−ヘキサデシル)BTBT 1.91g(4mmol)にジクロロメタン60mLを加え、−15℃冷却下、トリフルオロボレート・エーテル錯体864mg、亜硝酸t‐ブチル504mgを滴下した。約1時間で反応温度を5℃まで上げた後、沃素1.6g、沃化カリウム1.32g、沃化テトラブチルアンモニウム100mgのジクロロメタン−THF混液(1:2)12mLの溶液を加えた。加熱環流下、8時間反応した後、クロロホルムで希釈し、10%チオ硫酸ナトリウム、5M水酸化ナトリウム、10%食塩水で順次洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固した。得られた濃褐色の粗製固体をシリカゲルカラム(クロロホルム/シクロヘキサン=1/2)で精製し、クロロホルム−メタノールから結晶化した。次いでリグロインから再結晶し、2−(9−ヘキサデセン)−7−ヨードBTBTを988mg得た(収率42%)。
【0059】
最後に、2−(9−ヘキサデセン)−7−ヨードBTBT 294mg(0.5mmol)にジオキサン8mL、2Mリン酸三カリウム0.5mL、フェニルホウ酸73mg(0.6mmol)を加え、アルゴンガスを20分間バブリングした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム30mg(0.025mmol、東京化成工業),トリシクロヘキシルホスフィン13mg(0.045mmol、和光純薬工業)を加え、95℃で22時間加熱撹拌した。反応液をクロロホルムで希釈し、10%食塩水で洗い、下層を濃縮乾固して粗製固体を得た。この固体をキシレンから再結晶し、(化
5)で表される化合物172mg(収率64%)を得た。
【0060】
【化5】
【0061】
(実施例2)
実施例1で得た化合物を前記の手法で評価した結果、以下の通りであった。
・移動度:0.65cm
2/Vs
・移動度の標準偏差:0.042
・オンオフ比:2.0×10
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【0062】
(比較例1)
【0063】
【化6】
WO2006/077888記載の方法にて上記化合物を合成し、実施例2と同様の手法で評価した結果は下記の通りであった。
・移動度:0.11cm
2/Vs
・移動度の標準偏差:0.059
・オンオフ比:1.0×10
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