(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の電池の電池用端子同士を接続するためのAlまたはAl合金からなる電池端子接続板と、前記電池の電池用負極とに接続可能であり、かつ、前記電池の電池ケースの蓋の上面上に配置可能なように構成された電池用負極端子であって、
前記電池端子接続板と接続される第1領域と、前記第1領域と同一面側の隣接する第2領域とを含み、AlまたはAl合金からなる第1金属層と、
前記電池用負極と接続され、NiまたはNi合金からなる第2金属層と、
が接合されることにより形成されたクラッド材からなり、
前記第2金属層は、前記第1金属層の前記第2領域で、前記第1金属層に対して積層するように配置されている、電池用負極端子。
前記第1金属層の凹部は、前記第2領域において、前記第1領域と前記第2領域とが隣接する第1方向に対して直交する第2方向の一方端部から他方端部まで延びるように形成されており、
前記第2金属層は、前記第2方向の一方端部から他方端部まで延びるように前記第1金属層の凹部に埋め込まれている、請求項4に記載の電池用負極端子。
前記第1領域における前記第1金属層と、前記第2領域における前記第1金属層に対して積層された前記第2金属層とは、隣接して平坦面状に形成されている、請求項3に記載の電池用負極端子。
前記電池用負極端子を構成する前記クラッド材は、前記電池ケースの蓋と絶縁された状態で、前記電池ケースの蓋の上面上に配置可能なように構成されている、請求項1に記載の電池用負極端子。
前記第1領域における前記第1金属層の少なくとも一部は、平板状の前記電池端子接続板と溶接可能なように平坦面状に形成されている、請求項1に記載の電池用負極端子。
前記第1金属層は、前記電池の電池用正極と接続可能であるとともに、前記電池端子接続板と接続されるAlまたはAl合金からなる電池用正極端子と同じ金属材料からなる、請求項2に記載の電池用負極端子。
複数の電池の電池用端子同士を接続するためのAlまたはAl合金からなる電池端子接続板と、前記電池の電池用負極とに接続可能であり、かつ、前記電池の電池ケースの蓋の上面上に配置可能なように構成された電池用負極端子の製造方法であって、
前記電池端子接続板と接続される第1領域と、前記第1領域と同一面側の隣接する第2領域とを含み、AlまたはAl合金からなる第1金属層を複数形成可能な、所定の方向に延びる第1金属材を準備する工程と、
前記電池用負極と接続され、NiまたはNi合金からなる第2金属層を複数形成可能な、前記所定の方向に延びる第2金属材を準備する工程と、
前記第2金属材を、前記第1金属材に対して前記所定の方向に沿って積層するように接合することによって、前記第1金属層の前記第2領域で、前記第2金属材が前記第1金属材に対して積層するように配置されたクラッド材を前記所定の方向に延びるように形成する工程と、
前記クラッド材から、各々が前記第1金属層および前記第2金属層を含む複数の前記電池用負極端子を形成する工程とを備える、電池用負極端子の製造方法。
前記クラッド材から前記複数の電池用負極端子を形成する工程は、前記所定の方向に所定の間隔を隔てて前記複数の電池用負極端子を前記クラッド材から打ち抜くことによって、前記クラッド材から前記複数の電池用負極端子を形成する工程を含む、請求項17に記載の電池用負極端子の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特開2001−6746号公報に開示されたAl層とNi層とのクラッド体を介して、Cuからなる負極端子とAlからなるAlリードとの接続へ適用を検討したが、Al層とNi層とが全面に渡って互いに接合されている場合には、Alリードとクラッド体のAl層とを溶接する際に加えられる熱の一部が、リードとクラッド体とが溶接される部分に対応するAl層とNi層との界面に到達し、熱に起因して、Al層とNi層との界面にAlとNiとを含む金属間化合物が形成される場合がある。この場合、界面の金属間化合物に起因して、Al層(第1金属層)とNi層(第2金属層)との接合強度が低下し、その結果、Al層(第1金属層)とNi層(第2金属層)とが剥離するという不具合を生じることが分かった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、第1金属層と第2金属層との界面に金属間化合物が形成されることを抑制することによって、第1金属層と第2金属層とが互いに剥離しにくい電池用負極端子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による電池用負極端子は、複数の電池の電池用端子同士を接続するための
AlまたはAl合金からなる電池端子接続板と
、電池の電池用負極とに接続可能であ
り、かつ、電池の電池ケースの蓋の上面上に配置可能なように構成された電池用負極端子であって、電池端子接続板と接続される第1領域と、第1領域と同一面側の隣接する第2領域とを含み、AlまたはAl合金からなる第1金属層と、電池用負極と接続され、NiまたはNi合金からなる第2金属層と、が接合されることにより形成されたクラッド材からなり、第2金属層は、第1金属層の第2領域で、第1金属層に対して積層するように配置されている。
【0008】
なお、上記「第1金属層」および「第2金属層」には、第1金属層の一部に第2金属層が埋め込まれる構造などが含まれている。また、上記「電池端子接続板と接続される第1領域」には、実際に電池端子接続板と接続される領域のみ含む場合の他、実際に電池端子接続板と接続される領域およびその周辺の領域を含む場合も含まれている。また、上記「第1領域と同一面側の隣接する第2領域」は、電池端子接続板と接続される第1領域と同一面側にある領域であって、電池端子接続板と接続される第1領域と隣接し、かつ、電池端子接続板と接続される第1領域とは異なる領域であることを意味している。また、「同一面側にある」とは、第1領域と第2領域とが同一面上にある(面一である)場合だけでなく、段差部を介して同一面側にある場合なども含まれている。
【0009】
この発明の第1の局面による電池用負極端子では、上記のように、
AlまたはAl合金からなる電池端子接続板と接続される第1領域と、第1領域と同一面側の隣接する第2領域とを含む第1金属層の第2領域で、第2金属層を第1金属層に対して積層するように配置することによって、電池端子接続板と接続される第1領域には第2金属層は配置されないので、電池用負極端子と電池端子接続板とが接続される際の熱が、第1金属層と第2金属層との界面に到達することを抑制することができる。これにより、第1金属層と第2金属層との界面にAlとNiとを含む金属間化合物が形成されることを抑制することができるので、第1金属層と第2金属層との接合強度が低下することを抑制することができる。その結果、第1金属層と第2金属層とが互いに剥離することを抑制することができる。
また、AlまたはAl合金からなる電池端子接続板を用いて、複数の電池の電池用端子同士を電気的に接続することができる。この際、AlまたはAl合金は、一般的な電池端子接続板の材料であるCuやNiなどよりも軽量であるので、複数の電池と、各々の電池を接続する複数の電池端子接続板とから構成される電池接続体の重量を軽量化することができる。
【0010】
上記第1の局面による電池用負極端子において、好ましくは
、NiまたはNi合金からなる第2金属層は、CuまたはCu合金からなる電池用負極に接続可能に構成されている。このように構成すれば
、NiまたはNi合金からなる第2金属層を、CuまたはCu合金からなる電池用負極に接続可能に構成すれば、電池用負極にAlまたはAl合金からなる第1金属層を接続する場合と異なり、AlとCuとを含む脆弱な金属間化合物が接続部分に形成されるのを抑制することができる。これにより、電池用負極端子と電池用負極とを強固に接続することができる。
【0011】
上記第1の局面による電池用負極端子において、好ましくは、第1金属層および第2金属層は、電池用負極端子の電池とは反対側の同一面側に配置されている。このように構成すれば、電池用負極端子の電池とは反対側の面側から、第1金属層に電池端子接続板を容易に接続することができるとともに、第2金属層に電池用負極を容易に接続することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、第1金属層の第2領域において、第1金属層に対して積層された第2金属層が電池用負極と接続されており、第1金属層の第2領域には、凹部が形成されており、第2金属層は、第1金属層の凹部に埋め込まれた状態で、第1金属層と接合されている。このように構成すれば、第1金属層の凹部によって、凹部に埋め込まれる第2金属層の位置決めを容易に行うことができる。
【0013】
上記第2金属層が凹部に埋め込まれている電池用負極端子において、好ましくは、第1金属層の凹部は、第2領域において、第1領域と第2領域とが隣接する第1方向に対して直交する第2方向の一方端部から他方端部まで延びるように形成されており、第2金属層は、第2方向の一方端部から他方端部まで延びるように第1金属層の凹部に埋め込まれている。このように構成すれば、1つの端子用材料から複数の電池用負極端子を形成する場合に、第2方向に延びるようにストライプ状に凹部および第2金属層が形成された端子用材料を、第2方向に所定の間隔を隔てて第1方向に切断することなどによって、容易に、1つの端子用材料から凹部を有する複数の電池用負極端子を得ることができる。
【0014】
上記第1金属層に凹部が形成された電池用負極端子において、好ましくは、凹部は、溝部であり、第2金属層は、
第1領域と第2領域とが隣接する第1方向の両端面が露出しない状態で、
第1方向に対して直交する第2方向の一方端部から他方端部まで延びるように第1金属層の溝部に埋め込まれている。このように構成すれば、電池用負極端子が、第2金属層の端面が露出している形状(エッジレイ(EDGELAYS)形状)のクラッド材からなる場合と異なり、クラッド材を形成する際に、第2金属層に対して第1方向の一方側に位置する第1金属層の上面だけでなく、他方側に位置する第1金属層の上面も押圧することができる。これにより、容易に第1金属層と第2金属層とが接合されたクラッド材を形成することができる。また、第1金属層の溝部の一対の内側面と、第2金属層の第1方向の両端面とをそれぞれ接合することができるので、一方側しか接合しないようなエッジレイ形状のクラッド材と比べて、第1金属層と第2金属層との接合強度を向上させることができる。
【0015】
上記凹部が溝部である電池用負極端子において、好ましくは、第1金属層の溝部の第1方向の幅は、第1金属層の第1方向の長さの半分以下である。このように構成すれば、第1金属層において電池端子接続板と接続される第1領域を十分に確保することができるので、電池用負極端子と電池端子接続板とを容易に接続することができる。
【0016】
上記第1金属層に凹部が形成された電池用負極端子において、好ましくは、凹部は、切り欠き部であり、第2金属層は、
第1領域と第2領域とが隣接する第1方向の一方端面が露出した状態で、
第1方向に対して直交する第2方向の一方端部から他方端部まで延びるように第1金属層の切り欠き部に接合されている。このように構成すれば、たとえば、第1金属層の表面にマスクを形成して第2金属層の表面のみを加工する場合に、電池用負極端子が、第2金属層の両端面が露出していない形状(インレイ(INLAYS)形状)のクラッド材からなる場合と異なり、第1金属層のマスクを第2金属層の一方側にのみ形成すればよいので、容易に、第2金属層の表面のみを加工することができる。
【0017】
上記第1金属層および第2金属層が電池とは反対側の同一面側に配置される電池用負極端子において、好ましくは、第1領域における第1金属層と、第2領域における第1金属層に対して積層された第2金属層とは、隣接して平坦面状に形成されている。このように構成すれば、第1金属層と第2金属層とによって凹凸形状が形成されている場合と異なり、第1金属層と第2金属層との接続部に異物が接触したり引っ掛かったりすることが抑制される。これにより、第1金属層と第2金属層との接続部を起点として第1金属層と第2金属層とが互いに剥離することを抑制することができる。
【0018】
上記第1の局面による電池用負極端子において、好ましくは、第2金属層の厚みは、第2領域における第1金属層の厚み以下である。このように構成すれば、AlまたはAl合金よりも単位体積当たりの電気抵抗および重量(比重)が大きいNiまたはNi合金からなる第2金属層の厚みをAlまたはAl合金からなる第1金属層の厚み以下にすることにより、第1金属層と第2金属層とのクラッド材からなる電池用負極端子の電気抵抗および重量が大きくなるのを抑制することができる。
【0019】
この場合、好ましくは、第2金属層の厚みは、第2領域における第1金属層と第2金属層との合計の厚みの10%以上50%以下である。このように構成すれば、電池用負極端子の電気抵抗および重量が大きくなるのをより抑制することができる。
【0020】
上記第1の局面による電池用負極端子において、好ましくは、電池用負極端子を構成するクラッド材は、電池ケースの蓋と絶縁された状態で、電池ケースの蓋の上面上に配置可能なように構成されている。このように構成すれば、電池用負極端子と電池ケースの蓋とを絶縁することによって、電池用負極端子と電池ケースの蓋との短絡を防止することができる。
【0021】
上記第1の局面による電池用負極端子において、好ましくは、第1領域における第1金属層の少なくとも一部は、平板状の電池端子接続板と溶接可能なように平坦面状に形成されている。このように構成すれば、平坦面状の第1金属層と平板状の電池端子接続板とを容易に溶接することができる。
【0022】
上記第1の局面による電池用負極端子において、好ましくは、第2領域には、第1金属層と第2金属層とを貫通する穴部が形成されており、少なくとも第2金属層の内周面に、穴部に挿入された電池用負極が接続可能なように構成されている。このように構成すれば、より確実に、穴部に挿入された電池用負極と第2金属層とを電気的に接続することができる。
【0023】
上記第1の局面による電池用負極端子において、好ましくは、第1金属層は、第1領域に形成され、電池端子接続板と係合可能な突起部を含む。このように構成すれば、第1金属層の突起部により、電池端子接続板と第1金属層とを位置決めすることができるので、電池端子接続板と第1金属層とを確実に接続することができる。
【0024】
上記第1金属層がAlまたはAl合金からなる電池端子接続板に接続可能な電池用負極端子において、好ましくは、電池の電池用正極と接続可能であるとともに、電池端子接続板と接続されるAlまたはAl合金からなる電池用正極端子と同じ金属材料からなる。このように構成すれば、同じ金属材料(AlまたはAl合金)からなる電池用正極端子と電池用負極端子の第1金属層とを、AlまたはAl合金からなる電池端子接続板を用いて接続することができるので、複数の電池と、各々の電池を接続する複数の電池端子接続板とから構成される電池接続体の重量をより軽量化することができる。
【0025】
この発明の第2の局面による電池用負極端子の製造方法は、複数の電池の電池用端子同士を接続するための
AlまたはAl合金からなる電池端子接続板と
、電池の電池用負極とに接続可能であ
り、かつ、電池の電池ケースの蓋の上面上に配置可能なように構成された電池用負極端子の製造方法であって、電池端子接続板と接続される第1領域と、第1領域と同一面側の隣接する第2領域とを含み、AlまたはAl合金からなる第1金属層を複数形成可能な、所定の方向に延びる第1金属材を準備する工程と、電池用負極と接続され、NiまたはNi合金からなる第2金属層を複数形成可能な、所定の方向に延びる第2金属材を準備する工程と、第2金属材を、第1金属材に対して所定の方向に沿って積層するように接合することによって、第1金属層の第2領域で、第2金属材が第1金属材に対して積層するように配置されたクラッド材を所定の方向に延びるように形成する工程と、クラッド材から、各々が第1金属層および第2金属層を含む複数の電池用負極端子を形成する工程とを備える。
【0026】
この発明の第2の局面による電池用負極端子の製造方法では、上記のように、
AlまたはAl合金からなる電池端子接続板と接続される第1領域と、第1領域と同一面側の隣接する第2領域とを含む第1金属層の第2領域で、第2金属材が第1金属材に対して積層するように配置されたクラッド材を形成する工程と、クラッド材から、各々が第1金属層および第2金属層を含む複数の電池用負極端子を形成する工程とを備えることによって、電池端子接続板と接続される第1領域には第2金属層は配置されないので、電池用負極端子と電池端子接続板とが接続される際の熱が、第1金属層と第2金属層との界面に到達することを抑制することができる。これにより、第1金属層と第2金属層との界面にAlとNiとを含む金属間化合物が形成されることを抑制することができるので、第1金属層と第2金属層との接合強度が低下することを抑制することができる。その結果、第1金属層と第2金属層とが互いに剥離することを抑制することができる。また、クラッド材を所定の方向に延びるように形成する工程を備えることによって、所定の方向と直交する方向に切断することなどによって、容易に、1つのクラッド材から複数の電池用負極端子を得ることができる。
【0027】
上記第2の局面による電池用負極端子の製造方法において、好ましくは、第1金属材を準備する工程は、第1金属層の第2領域に、所定の方向に沿って延びる凹部を形成する工程を含み、クラッド材を所定の方向に延びるように形成する工程は、第2金属材を、第1金属材の凹部に所定の方向に沿って配置した状態で、第1金属材と第2金属材とを接合する工程を含む。このように構成すれば、第1金属層の凹部によって、凹部に埋め込まれる第2金属層の位置決めを容易に行うことができる。
【0028】
この場合、好ましくは、凹部は、溝部であり、第2金属材を凹部に配置した状態で接合する工程は、第2金属材を、第1金属材の凹部に、所定の方向と直交する方向の両端面が露出しないように所定の方向に沿って配置した状態で、第1金属材と第2金属材とを接合する工程を有する。このように構成すれば、電池用負極端子が、第2金属層の端面が露出している形状(エッジレイ(EDGELAYS)形状)のクラッド材からなる場合と異なり、クラッド材を形成する際に、第2金属層に対して第1方向の一方側に位置する第1金属層の上面だけでなく、他方側に位置する第1金属層の上面も押圧することができる。これにより、容易に第1金属層と第2金属層とが接合されたクラッド材を形成することができる。また、第1金属層の溝部の一対の内側面と、第2金属層の第1方向の両端面とをそれぞれ接合することができるので、一方側しか接合することができないエッジレイ形状のクラッド材と比べて、第1金属層と第2金属層との接合強度を向上させることができる。
【0029】
上記第2の局面による電池用負極端子の製造方法において、好ましくは、クラッド材から複数の電池用負極端子を形成する工程は、所定の方向に所定の間隔を隔てて複数の電池用負極端子をクラッド材から打ち抜くことによって、クラッド材から複数の電池用負極端子を形成する工程を含む。このように構成すれば、1つのクラッド材から所定の形状を有する複数の電池用負極端子を容易に得ることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、上記のように、第1金属層と第2金属層とが互いに剥離することを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
まず、
図1〜
図7を参照して、本発明の一実施形態によるリチウムイオン電池接続体100の構造について説明する。
【0034】
本発明の一実施形態によるリチウムイオン電池接続体100は、電気自動車(EV、electric vehicle)や、ハイブリッド自動車(HEV、hybrid electric vehicle)、住宅蓄電システムなどに用いられる大型の電池システムである。このリチウムイオン電池接続体100は、
図1に示すように、複数のリチウムイオン電池1が、複数の平板状のバスバー101によって電気的に接続されることによって構成されている。なお、リチウムイオン電池1は、本発明の「電池」の一例であり、バスバー101は、本発明の「電池端子接続板」の一例である。
【0035】
また、リチウムイオン電池接続体100では、平面的に見てリチウムイオン電池1の短手方向(X方向)に沿って並ぶように、複数のリチウムイオン電池1が配置されている。また、リチウムイオン電池接続体100では、Y方向の一方側(Y1側)に後述する正極端子7が位置するとともに、Y方向の他方側(Y2側)に後述する負極端子8が位置するリチウムイオン電池1と、Y2側に正極端子7が位置するとともに、Y1側に負極端子8が位置するリチウムイオン電池1とが、X方向に沿って交互に配置されている。
【0036】
また、所定のリチウムイオン電池1の正極端子7は、X方向に延びるAlからなるバスバー101のX方向の一方端に抵抗溶接により溶接(接合)されている。また、その所定のリチウムイオン電池1と隣接するリチウムイオン電池1の負極端子8は、Alからなるバスバー101のX方向の他方端に抵抗溶接により溶接されている。これにより、リチウムイオン電池1の正極端子7は、Alからなるバスバー101を介して、隣接するリチウムイオン電池1の負極端子8と接続されている。このようにして、複数のリチウムイオン電池1が直列に接続されたリチウムイオン電池接続体100が構成されている。
【0037】
リチウムイオン電池1は、
図2に示すように、略直方体形状の外形形状を有している。また、リチウムイオン電池1は、上方(Z1側)に配置される蓋部材2と下方(Z2側)に配置される電池ケース本体3とを備えている。この蓋部材2および電池ケース本体3は、共にNiめっき鋼板からなる。なお、蓋部材2は、本発明の「電池ケースの蓋」の一例である。
【0038】
蓋部材2は、
図3に示すように、平板状に形成されている。また、蓋部材2には、厚み方向(Z方向)に貫通するように、一対の穴部2aおよび2bが設けられている。この一対の穴部2aおよび2bは、蓋部材2の長手方向(Y方向)に所定の間隔を隔てて形成されているとともに、蓋部材2の短手方向(X方向)の略中央に形成されている。また、一対の穴部2aおよび2bには、それぞれ、後述する正極円柱部42および後述する負極円柱部52が下方(Z2側)から挿入されるように構成されている。
【0039】
また、リチウムイオン電池1は、正極部4および負極部5と図示しない電解液とを備えている。正極部4は、電解液と接触する正極40と、正極40に電気的に接続される集電部41と、集電部41の上部に形成され、上方(Z1側)に突出する正極円柱部42とから構成されている。また、正極部4の正極40、集電部41および正極円柱部42は、共にAlからなる。
【0040】
負極部5は、電解液と接触する負極50と、負極50に電気的に接続される集電部51と、集電部51の上部に形成され、上方(Z1側)に突出する負極円柱部52とから構成されている。また、負極部5の負極50、集電部51および負極円柱部52は、共にCuからなる。さらに、負極円柱部52の外部に露出する部分には、Niめっき層52a(
図6参照)が形成されている。なお、負極部5は、本発明の「電池用負極」の一例である。
【0041】
また、正極40と負極50とは、セパレータ6によって互いに絶縁された状態でロール状に積層されている。また、セパレータ6によって互いに絶縁された正極部4および負極部5と電解液とが電池ケース本体3の収納部3aに収納された状態で、電池ケース本体3と蓋部材2とが溶接されるように構成されている。これにより、蓋部材2と電池ケース本体3との間から電解液が漏れることが抑制された状態で、電池ケース本体3の収納部3aが密閉されるように構成されている。
【0042】
また、
図3に示すように、蓋部材2のY1側の上面2c(Z1側の面)には、正極端子7が配置されているとともに、蓋部材2のY2側の上面2c上には、負極端子8が配置されている。また、正極端子7および負極端子8は、共に、略平板状に形成されているとともに、4隅に面取り(R面取り)加工が施されている。また、
図4に示すように、正極端子7および負極端子8は、共に、長手方向(Y方向)に約40mmの長さL1を有するとともに、短手方向(X方向)に約20mmの長さL2を有している。また、
図5に示すように、正極端子7および負極端子8は、Z方向に約1.8mmの厚みt1を有している。なお、正極端子7は、本発明の「電池用端子」および「電池用正極端子」の一例であり、負極端子8は、本発明の「電池用端子」および「電池用負極端子」の一例である。
【0043】
正極端子7は、Alからなる。また、正極端子7は、
図4に示すように、長手方向(Y方向)の一方側(Y1側)で、厚み方向(Z方向)に貫通するように形成された穴部70と、他方側(Y2側)に配置されたバスバー接合部71とを有している。穴部70は、短手方向(X方向)の略中央に形成されているとともに、
図5に示すように、正極部4の正極円柱部42が下方(Z2側)から挿入されるように構成されている。
【0044】
また、正極部4の正極円柱部42が、正極端子7の上面よりも上方(Z1側)に露出するように穴部70に挿入された状態で、穴部70の上部の内側面と、正極円柱部42とがレーザ溶接によって接合されている。これにより、穴部70のZ1側の内側面と、正極円柱部42との接合部分に主にAlからなる溶接部72が形成されている。
【0045】
また、
図5に示すように、バスバー接合部71の平坦面状の上面71aには、平板状のバスバー101が抵抗溶接により溶接されるように構成されている。
【0046】
ここで、本実施形態では、
図5〜
図7に示すように、負極端子8は、Alからなる基材層80と、Niからなる端子接続層81とが接合されたクラッド材からなる。なお、基材層80および端子接続層81は、それぞれ、本発明の「第1金属層」および「第2金属層」の一例である。
【0047】
具体的な負極端子8の構成としては、
図5に示すように、基材層80は、溝部82とバスバー接合部83とを有している。溝部82では、
図7に示すように、Y1側の内側面82aが基材層80のY方向の中央部よりも若干Y1側に位置するとともに、Y2側の内側面82bが基材層80のY2側の端部よりもY1側に位置するように形成されている。そして、バスバー接合部83は、溝部82の内側面82aからY1側の端部までのバスバー101と接続される領域Aに対応している。なお、領域Aは、本発明の「第1領域」の一例である。
【0048】
また、
図6に示すように、端子接続層81は、基材層80に形成された溝部82に埋め込まれた状態で、基材層80に積層されている。そして、溝部82に端子接続層81が埋め込まれた状態で、基材層80と端子接続層81とが接合されている。つまり、負極端子8は、端子接続層81が基材層80のY方向の両端部に露出しない形状(インレイ(INLAYS)形状)のクラッド材からなる。なお、溝部82は、本発明の「凹部」の一例である。
【0049】
また、
図5に示すように、バスバー接合部83は、溝部82のY1側に配置されているとともに、バスバー101が抵抗溶接により溶接される領域Aに設けられている。また、溝部82は、基材層80における、負極端子8のバスバー101と接続される領域Aと同一面側(Z1側)の隣接する領域Bに形成されている。なお、領域Bは、本発明の「第2領域」の一例である。
【0050】
また、溝部82のX1側およびX2側の基材層80の上面(Z1側の面)と、端子接続層81の上面81aとは、共に上方(Z1側)に露出しているとともに、略平坦面状になるように接続されている。つまり、端子接続層81の上面81aとバスバー接合部83の上面83aとは、共に上方(Z1側)に露出しているとともに、境界部(接続部)に段差を有しない略平坦面状になるように接続されている。
【0051】
また、
図6に示すように、領域Bにおいて、基材層80の厚みt2は、約1.3mmであるとともに、端子接続層81の厚みt3は、約0.5mmである。つまり、端子接続層81の厚みt3(約0.5mm)は、基材層80の厚みt2(約1.3mm)よりも小さい。なお、端子接続層81の厚みt3(約0.5mm)は、負極端子8の厚みt1(約1.8mm、厚みt2およびt3の合計)の約28%の大きさである。
【0052】
また、
図7に示すように、溝部82は、基材層80のX1側の端部80aからX2側の端部80bまで、X方向に延びるように形成されているとともに、端子接続層81は、X1側の端部81bからX2側の端部81cまで、X方向に延びるように溝部82に埋め込まれている。つまり、溝部82および端子接続層81は、共に、X方向に約20mmの長さL2を有している。また、溝部82および端子接続層81は、共に、Y方向に約15mmの幅W1を有している。つまり、溝部82および端子接続層81のY方向の幅W1(約15mm)は、負極端子8のY方向の長さL1(約40mm)の半分(約20mm)以下である。なお、X方向は、本発明の「第2方向」の一例である。
【0053】
バスバー接合部83は、負極端子8のうち、溝部82のY1側の基材層80のみからなる領域Aに配置されている。また、バスバー接合部83は、Y方向に約15mmの長さL3を有している。また、
図5に示すように、バスバー接合部83の平坦面状の上面83aには、平板状のバスバー101が抵抗溶接により溶接されるように構成されている。
【0054】
また、
図6および
図7に示すように、負極端子8は、長手方向(Y方向)の一方側(Y2側)で、厚み方向(Z方向)に貫通するように形成された穴部84を有している。この穴部84は、領域Bに形成されているとともに、短手方向(X方向、
図7参照)の略中央に形成されている。また、穴部84は、
図6に示すように、負極部5の負極円柱部52が下方(Z2側)から挿入されるように構成されている。なお、Y方向は、本発明の「第1方向」の一例である。
【0055】
また、本実施形態では、穴部84は、領域Bにおいて、Z2側に配置された基材層80とZ1側に配置された端子接続層81とを貫通するように形成されている。つまり、穴部84の内側面のうちのZ1側には、端子接続層81が位置するとともに、Z2側には、基材層80が位置するように構成されている。また、負極部5の負極円柱部52が、端子接続層81の上面81aよりも上方(Z1側)に露出するように穴部84に挿入された状態で、穴部84の内側面と、負極円柱部52とがレーザ溶接によって溶接されている。具体的には、端子接続層81によって構成される穴部84の内側面81dと、負極円柱部52のNiめっき層52aとが溶接されている。これにより、端子接続層81の内側面81dと、負極円柱部52のNiめっき層52aとの溶接部分に、主にNiからなる溶接部85が形成されている。
【0056】
また、
図5に示すように、正極端子7および負極端子8と蓋部材2との間には、それぞれ、リング状のパッキン9aおよび9bが配置されている。このパッキン9aおよび9bは絶縁性を有する材料からなるとともに、正極端子7および負極端子8と蓋部材2とが接触することを抑制するように配置されている。これにより、正極端子7および負極端子8と、蓋部材2の上面2cとが絶縁されるように構成されている。また、パッキン9aおよび9bの穴部には、それぞれ、正極円柱部42および負極円柱部52が挿入されている。
【0057】
次に、
図1〜
図3および
図5〜
図8を参照して、本発明の一実施形態によるリチウムイオン電池1の製造プロセスおよびリチウムイオン電池接続体100の製造プロセスについて説明する。
【0058】
まず、約4mmの厚みを有するAlからなるAl板280を準備する。このAl板280は、短手方向(Y方向)に約60mmの幅を有するとともに、長手方向(X方向)に延びるように形成されている。また、Al板280は、X方向にロール状に巻き取られている。そして、切削加工により、Al板280の所定の領域にY方向に約15mmの幅を有するとともに、厚み方向に約1.3mmの深さを有する溝部82(
図8参照)をX方向に延びるように形成する。
【0059】
また、約2mmの厚みを有するNiからなるNi板281を準備する。このNi板281は、短手方向(Y方向)に約15mmの幅を有するとともに、長手方向(X方向)に延びるように形成されている。また、Ni板281は、X方向にロール状に巻き取られている。そして、Ni板281を、Al板280の溝部82に、Y方向の両端部が露出しないようにX方向に沿って埋め込む。そして、Al板280とNi板281とに所定の圧力を加えることによって、Al板280とNi板281とを接合させる。この際、溝部82のY方向の一方側(Y1側)に位置するAl板280の上面と、Y方向の他方側(Y2側)に位置するAl板280の上面とを押圧しながらAl板280とNi板281とを接合する。
【0060】
その後、Al板280とNi板281との接合材に対して、約580℃の温度を約10秒以上約3分以下の範囲で加える。その後、Al板280とNi板281との接合材を徐々に冷却することによって、拡散焼鈍を行う。そして、再度、熱処理したAl板280とNi板281との接合材に圧力を加えることによって、
図8に示すように、端子接続層81がX方向に延びる溝部82にX方向に沿って埋め込まれた状態で、Al板280とストライプ状のNi板281とが接合されたクラッド材200が形成される。このクラッド材200は、長手方向(X方向)に延びるとともに、X方向にロール状に巻き取られている。
【0061】
また、クラッド材200では、Ni板281が接合された溝部82に対応するAl板280の領域Bにおいて、Al板280(基材層80)の厚みt2(
図6参照)は、約1.3mmになるとともに、Ni板281(端子接続層81)の厚みt3(
図6参照)は、約0.5mmになる。
【0062】
その後、プレス加工によって、クラッド材200から複数の負極端子8を打ち抜く。この際、Y方向に約40mmの長さL1(
図7参照)を有するとともに、X方向に約20mmの長さL2(
図7参照)を有するように、打ち抜き線200aに沿って負極端子8を打ち抜く。その際、複数の負極端子8は、X方向に所定の間隔を隔てた状態で、クラッド材200から打ち抜かれる。それと同時に、穴部84を、領域Bにおいて基材層80と端子接続層81とを貫通するように形成する。これにより、
図7に示すように、基材層80と、X1側の端部81bからX2側の端部81cまでX方向に延びるように形成された端子接続層81とを備えるとともに、領域Bに穴部84が形成された負極端子8が、ロール状のクラッド材200から複数形成される。
【0063】
そして、負極端子8をパッキン9bを介して蓋部材2のY2側の上面上に配置した状態で、負極端子8と負極部5の負極円柱部52とを溶接する。具体的には、
図6に示すように、蓋部材2の穴部2bから露出させた負極円柱部52を、パッキン9bの穴部を通過させた後に、負極端子8の端子接続層81の上面81aよりも上方(Z1側)に露出するように負極端子8の穴部84に挿入する。そして、端子接続層81によって構成される穴部84のZ1側の内側面81dと、負極円柱部52とをレーザ溶接によって溶接する。これにより、端子接続層81と、負極円柱部52のNiめっき層52aとの溶接部分に、主にNiからなる溶接部85が形成されて、負極端子8と負極部5とが接続される。
【0064】
また、
図5に示すように、穴部70を有し、Alからなる正極端子7を準備する。そして、負極端子8と負極部5の負極円柱部52と同様に、正極端子7をパッキン9aを介して蓋部材2のY1側の上面上に配置した状態で、Alからなる正極端子7と正極部4の正極円柱部42とを溶接する。これにより、穴部70のZ1側の内側面と、正極円柱部42との溶接部分に主にAlからなる溶接部72が形成されて、正極端子7と正極部4とが接続される。その後、
図3に示すように、セパレータ6によって互いに絶縁された正極部4および負極部5と電解液とを電池ケース本体3の収納部3aに収納した状態で、電池ケース本体3と蓋部材2とを溶接する。これにより、
図2に示すリチウムイオン電池1が製造される。
【0065】
その後、
図1に示すように、X方向に沿って複数のリチウムイオン電池1を配置する。そして、所定のリチウムイオン電池1のバスバー接合部71における正極端子7と、バスバー101のX方向の一方端とを抵抗溶接するとともに、その所定のリチウムイオン電池1と隣接するリチウムイオン電池1のバスバー接合部83における負極端子8の基材層80と、バスバー101のX方向の他方端とを抵抗溶接する。この際、
図5に示すように、平坦面状のバスバー接合部71の上面71aと、平板状のバスバー101とが溶接されるとともに、平坦面状のバスバー接合部83の上面83aと、平板状のバスバー101とが溶接される。これにより、正極端子7のバスバー接合部71とバスバー101とが、Alからなる接合部(図示せず)を介して溶接される。また、負極端子8のバスバー接合部83とバスバー101とが、Alからなる接合部(図示せず)を介して溶接される。
【0066】
これにより、複数のリチウムイオン電池1が複数のAlからなるバスバー101によって直列に接続された、
図1に示すリチウムイオン電池接続体100が製造される。
【0067】
本実施形態では、上記のように、バスバー101と接続される領域Aと、領域Aと同一面側(Z1側)の隣接する領域Bとを含む基材層80の領域Bで、Niからなる端子接続層81を基材層80に対して積層するように配置することによって、バスバー101と接続される領域Aには端子接続層81は配置されないので、負極端子8とバスバー101とが接続される際の熱が、基材層80と端子接続層81との界面に到達することを抑制することができる。これにより、基材層80と端子接続層81との界面にAlとNiとを含む金属間化合物が形成されることを抑制することができるので、基材層80と端子接続層81との接合強度が低下することを抑制することができる。その結果、基材層80と端子接続層81とが互いに剥離することを抑制することができる。
【0068】
また、本実施形態では、上記のように、Alからなるバスバー接合部83の平坦面状の上面83aを、Alからなる平板状のバスバー101が抵抗溶接により溶接されるように構成すれば、Alからなるバスバー101を用いて、複数のリチウムイオン電池1の正極端子7と負極端子8とを電気的に接続することができる。この際、Alは、一般的なバスバー101の材料であるCuやNiなどよりも軽量であるので、リチウムイオン電池接続体100の重量を軽量化することができる。
【0069】
また、本実施形態では、上記のように、Niからなる端子接続層81によって構成される穴部84の内側面81dと、負極円柱部52のNiめっき層52aと溶接すれば、負極円柱部52にAlからなる基材層80を接続する場合と異なり、AlとCuとを含む脆弱な金属間化合物が接続部分に形成されるのを抑制することができる。これにより、負極端子8と負極部5とを強固に接続することができる。
【0070】
また、一般的なバスバーを構成するCuは、酸化により脆弱な酸化物が形成される点、電気抵抗が小さい点および光を反射しやすい点などにより、溶接に適さない材料である。したがって、一般的にCuを溶接する場合には、Niでめっき処理する必要がある。さらに、Cuは、Alよりも耐食性が低いため、耐食性向上の面からも、Niでめっき処理する必要がある。一方、本実施形態では、上記のように、バスバー接合部83において、バスバー接合部83における負極端子8のAlからなる基材層80と、Alからなるバスバー101とを抵抗溶接すれば、Cuからなるバスバーを用いる場合と比べて、バスバー101をNiでめっき処理する必要がないので、容易に、負極部5と負極端子8とを接続することができる。
【0071】
また、本実施形態では、上記のように、バスバー接合部83において、バスバー接合部83における負極端子8のAlからなる基材層80と、Alからなるバスバー101とを抵抗溶接すれば、Alは、Cuと比べて電気抵抗が大きいので、Cuからなるバスバーを用いる場合よりも、通電した溶接部分をより発熱させることができる。これにより、バスバー接合部83とバスバー101との溶接部分を容易に溶融させることができるので、より容易に、負極端子8とバスバー101とを接続することができる。また、Alは、CuおよびNiと比べて比重が小さいので、バスバー101にAlを用いれば、CuまたはNiからなるバスバーを用いる場合よりも、リチウムイオン電池接続体100を軽量化することができる。
【0072】
また、本実施形態では、上記のように、Alからなる基材層80とNiからなる端子接続層81を、共に上側(Z1側)に配置すれば、上側から、基材層80(バスバー接合部83)にバスバー101を容易に接続することができるとともに、端子接続層81に負極部5の負極円柱部52を容易に接続することができる。
【0073】
また、本実施形態では、上記のように、溝部82を、基材層80の領域Bに形成するとともに、端子接続層81を、基材層80の溝部82に埋め込まれた状態で、基材層80と接合すれば、基材層80の溝部82によって、溝部82に埋め込まれる端子接続層81の位置決めを容易に行うことができる。
【0074】
また、本実施形態では、上記のように、負極端子8を、端子接続層81が基材層80のY方向の両端部に露出しない形状(インレイ形状)のクラッド材からなるように構成すれば、負極端子が、端子接続層の端面が露出している形状(エッジレイ(EDGELAYS)形状)のクラッド材からなる場合と比べて、クラッド材200を形成する際に、一方側(Y1側)に位置するAl板280の上面だけでなく、他方側(Y2側)に位置するAl板280の上面も押圧することができる。これにより、容易に基材層80と端子接続層81とが接合されたクラッド材200を形成することができる。また、基材層80の溝部82の一対の内側面と、端子接続層81のY方向の両端面とをそれぞれ接合することができるので、一方側しか接合しないようなエッジレイ形状のクラッド材と比べて、基材層80と端子接続層81との接合強度を向上させることができる。
【0075】
また、本実施形態では、上記のように、溝部82を、基材層80のX1側の端部80aからX2側の端部80bまで、X方向に延びるように形成するとともに、端子接続層81を、X1側の端部81bからX2側の端部81cまで、X方向に延びるように溝部82に埋め込むように構成すれば、Al板280およびストライプ状のNi板281とが形成されたクラッド材200を、X方向に延びるように形成するとともに、X方向に所定の間隔を隔てた状態で打ち抜くことにより、容易に、溝部82と面取り加工された形状とを有するとともに、Alからなる基材層80とNiからなる端子接続層81とが接合された複数の負極端子8を、1つのクラッド材200から得ることができる。
【0076】
また、本実施形態では、上記のように、溝部82および端子接続層81のY方向の幅W1(約15mm)が、負極端子8のY方向の長さL1(約40mm)の半分(約20mm)以下であるように構成すれば、基材層80においてバスバー接合部83を十分に確保することができるので、基材層80とバスバー101とを容易に接続することができる。
【0077】
また、本実施形態では、上記のように、端子接続層81の上面81aとバスバー接合部83の上面83aとを、境界部(接続部)に段差を有しない略平坦面状になるように互いに接続すれば、バスバー接合部83(基材層80)と端子接続層81とによって凹凸形状が形成されている場合と異なり、基材層80と端子接続層81との接続部(溝部82の内側面82a)に異物が接触したり引っ掛かったりすることが抑制される。これにより、基材層80と端子接続層81との接続部を起点として基材層80と端子接続層81とが互いに剥離することを抑制することができる。
【0078】
また、本実施形態では、上記のように、穴部84を、Z2側に配置された基材層80とZ1側に配置された端子接続層81とを貫通するように領域Bに形成すれば、穴部84に挿入された負極部5と端子接続層81とを容易に電気的に接続することができる。
【0079】
また、本実施形態では、上記のように、端子接続層81によって構成される穴部84の内側面81dと、負極円柱部52とを溶接すれば、端子接続層81の内側面81dと穴部84に挿入された負極部5の負極円柱部52とを溶接することによって、より確実に、穴部84に挿入された負極部5と端子接続層81とを電気的に接続することができる。
【0080】
また、本実施形態では、上記のように、端子接続層81の厚みt3(約0.5mm)を、基材層80の厚みt2(約1.3mm)よりも小さくするとともに、負極端子8の厚みt1(約1.8mm、厚みt2およびt3の合計)の約28%の大きさにすれば、Alよりも単位体積当たりの電気抵抗および重量(比重)が大きいNiからなる端子接続層81の厚みt3を、Alからなる基材層80の厚みt2よりも小さくすることにより、基材層80と端子接続層81とのクラッド材からなる負極端子8の電気抵抗および重量が大きくなるのを抑制することができる。
【0081】
また、本実施形態では、上記のように、パッキン9aおよび9bを用いることにより、正極端子7および負極端子8と、蓋部材2の上面2cとを絶縁すれば、負極端子8と蓋部材2との短絡を防止することができる。
【0082】
また、本実施形態では、上記のように、バスバー接合部83の平坦面状の上面83aに、平板状のバスバー101を抵抗溶接により溶接すれば、平坦面状の基材層80と平板状のバスバー101とを容易に溶接することができる。
【0083】
また、本実施形態では、上記のように、負極端子8の基材層80が、Alからなる正極端子7およびバスバー101と同じAlからなるように構成すれば、複数のリチウムイオン電池1と、各々のリチウムイオン電池1を接続する複数のバスバー101とから構成されるリチウムイオン電池接続体100の重量をより軽量化することができる。また、Al同士が接続されるので、基材層80とバスバー101との接触抵抗、および、正極端子7とバスバー101との接触抵抗を共に小さくすることができる。
【0084】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0085】
たとえば、上記実施形態では、負極端子8を、端子接続層81が基材層80のY方向の両端部に露出しない形状(インレイ形状)のクラッド材からなる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、
図9に示す第1変形例のように、負極端子308を、端子接続層381が基材層380のY1側の端部には露出させない一方、Y2側の端部に露出させる形状(エッジレイ形状)のクラッド材からなるように構成してもよい。この際、上記実施形態の溝部82の代わりに、Y1側の内側面382aを有する一方、Y2側の内側面を有さない切り欠き部382を基材層380に形成すればよい。これにより、たとえば、基材層380の表面にマスクを形成して端子接続層381の表面のみを加工する場合に、インレイ形状のクラッド材と比べて、基材層380のマスクを端子接続層381の一方側(Y1側)にのみ形成すればよいので、容易に、端子接続層381の表面のみを加工することが可能である。なお、負極端子308は、本発明の「電池用負極端子」の一例である。なお、基材層380および端子接続層381は、それぞれ、本発明の「第1金属層」および「第2金属層」の一例であり、切り欠き部382は、本発明の「凹部」の一例である。
【0086】
また、上記実施形態では、正極端子7の平坦面状のバスバー接合部71に、平板状のバスバー101が抵抗溶接により溶接されるとともに、負極端子8の平坦面状のバスバー接合部83に、平板状のバスバー101が抵抗溶接により溶接される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、
図10に示す第2変形例のリチウムイオン電池接続体100のように、リチウムイオン電池401の正極端子407のバスバー接合部471および負極端子408の基材層80(
図5参照)からなるバスバー接合部483に、それぞれ、突起部407aおよび408aを形成するとともに、バスバー102に、突起部407aおよび408aがそれぞれ挿入される穴部102aおよび102bを形成してもよい。これにより、突起部407aと穴部102aとによって、正極端子407とバスバー102との位置決めを容易に行うことが可能になるので、バスバー102と正極端子407とを確実に接続することが可能である。同様に、突起部408aと穴部102bとによって、負極端子408とバスバー102との位置決めを容易に行うことが可能になるので、バスバー102と負極端子408の基材層80とを確実に接続することが可能である。なお、リチウムイオン電池401は、本発明の「電池」の一例であり、バスバー102は、本発明の「電池端子接続板」の一例である。また、正極端子407は、本発明の「電池用端子」および「電池用正極端子」の一例であり、負極端子408は、本発明の「電池用端子」および「電池用負極端子」の一例である。
【0087】
また、上記実施形態では、端子接続層81の厚みt3(約0.5mm)を、基材層80の厚みt2(約1.3mm)よりも小さくするとともに、負極端子8の厚みt1(約1.8mm、厚みt2およびt3の合計)の約28%の大きさにした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、端子接続層81の厚みt3は、負極端子8の厚みt1の約28%未満の大きさであってもよい。この際、端子接続層81によって構成される穴部84の内側面81dと、負極円柱部52との接合強度を確保するために、端子接続層81の厚みt3は、負極端子8の厚みt1の約10%以上の大きさであるのが好ましい。また、端子接続層81の厚みt3は、負極端子8の厚みt1の約28%より大きくてもよい。この際、負極端子8の重量を軽量にすることと、負極端子8の電気抵抗を小さくすることとを目的として、端子接続層81の厚みt3は、負極端子8の厚みt1の約50%以下の大きさであるのが好ましい。つまり、端子接続層81の厚みt3は、基材層80の厚みt2以下であるのが好ましい。
【0088】
また、上記実施形態では、抵抗溶接によって、負極端子8のAlからなる基材層80と、Alからなるバスバー101とを接続した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、レーザ溶接によって、負極端子8のAlからなる基材層80と、Alからなるバスバー101とを接続してもよい。この場合、Alは、Cuと比べて光の反射が小さく、レーザ光を多く吸収するので、バスバー101と基材層80とをより発熱させることが可能である。これにより、バスバー101と基材層80との溶接部分を容易に溶融させることが可能であるので、Cuからなるバスバーを用いる場合と比べて、より容易に、バスバー101と負極端子8とを接続することが可能である。
【0089】
また、上記実施形態では、抵抗溶接によって、負極端子8のAlからなる基材層80と、Alからなるバスバー101とを接続した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、TIG(Tangsten Inert Gas)溶接によって、負極端子8のAlからなる基材層80と、Alからなるバスバー101とを接続してもよい。この際、TIG溶接においては、局所的に熱が加えられる抵抗溶接と比べて溶接時の熱が基材層80により加えられやすい。したがって、負極端子8のNiからなる端子接続層81を、基材層80の領域Bで、基材層80に対して積層するように配置することによって、基材層80と端子接続層81とが互いに剥離することを抑制することができるという本発明の効果を、より顕著に得ることが可能である。
【0090】
また、上記実施形態では、レーザ溶接によって、穴部84のZ1側の内側面81dと、負極円柱部52とを接続した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、抵抗溶接または超音波溶接によって、穴部84のZ1側の内側面81dと、負極円柱部52とを接続してもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、正極端子7、負極端子8の基材層80およびバスバー101が共にAlからなる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、正極端子7、負極端子8の基材層80およびバスバー101をAl合金からなるように構成してもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、負極端子8の端子接続層81がNiからなる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、負極端子8の端子接続層81をNi合金からなるように構成してもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、蓋部材2および電池ケース本体3を、共にNiめっき鋼板により構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、蓋部材2および電池ケース本体3を、共にAlからなるように構成することによって、蓋部材2および電池ケース本体3を正極として使用するように構成してもよい。この際、蓋部材2および電池ケース本体3の任意の位置にバスバー101が接続される。これにより、AlはNiめっき鋼板よりも比重が小さいので、リチウムイオン電池接続体100を軽量化することが可能である。さらに、正極端子7およびパッキン9aが不要になるので、部品点数を減少させることが可能である。
【0094】
また、上記実施形態では、端子接続層81の上面81aとバスバー接合部83の上面83aとを、略平坦面状になるように互いに接続した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、端子接続層81の上面81aがバスバー接合部83の上面83aよりも上方に突出するように互いに接続してもよいし、下方に窪むように互いに接続してもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、リチウムイオン電池1の正極端子7および負極端子8に、バスバー101と正極部4または負極部5とを接続した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、リチウムイオン電池1の発電状態などを計測するために、リチウムイオン電池1の正極端子7および負極端子8の各々に、ワイヤをさらに接続してもよい。これにより、リチウムイオン電池1の劣化の度合いなどの状況を計測および把握することが可能になるので、各々のリチウムイオン電池1における充放電量を調節することが可能になる。
【0096】
また、上記実施形態では、リチウムイオン電池接続体100において、複数のリチウムイオン電池1が直列に接続された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、リチウムイオン電池接続体100において、複数のリチウムイオン電池1の一部または全てを並列に接続してもよい。