(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965641
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】プラズマ助長酸化を使用したパッシベーションを伴うシリコンエッチング方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20160728BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/302 101C
【請求項の数】20
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-533222(P2011-533222)
(86)(22)【出願日】2009年10月9日
(65)【公表番号】特表2012-507144(P2012-507144A)
(43)【公表日】2012年3月22日
(86)【国際出願番号】US2009060214
(87)【国際公開番号】WO2010047976
(87)【国際公開日】20100429
【審査請求日】2012年10月5日
【審判番号】不服2014-14343(P2014-14343/J1)
【審判請求日】2014年7月23日
(31)【優先権主張番号】12/257,210
(32)【優先日】2008年10月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィニチェク・ヤロスロウ・ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ケビ・ロバート・ピー.
【合議体】
【審判長】
河口 雅英
【審判官】
加藤 浩一
【審判官】
鈴木 匡明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−103876(JP,A)
【文献】
特開平11−111686(JP,A)
【文献】
特開平10−064881(JP,A)
【文献】
特表2007−507110(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン層又はシリコンウエハが中に置かれたエッチングチャンバを使用して、前記シリコン層又は前記シリコンウエハの上に形成されたパターン化マスクを通して前記シリコン層又は前記シリコンウエハをエッチングする方法であって、
フッ素含有ガスと酸素・水素含有ガスとを含むエッチングガスを前記エッチングチャンバ内へ提供することと、
前記エッチングガスからプラズマを生成することと、
前記プラズマを使用して、前記シリコン層又は前記シリコンウエハ内に、ビアホール及びトレンチなどの特徴をエッチングにより形成することであって、前記プラズマを生成する前記エッチングガスは、パッシベーション層を、前記エッチングされている特徴の側壁上に形成するように選択されており、前記パッシベーション層がx≧1且つy≧1としてSiOxHyを含有するようにOHラジカルを用いて前記パッシベーション層の組成を調整する、ことと、
前記エッチングガスを停止させることと、
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、更に、
前記エッチング中にバイアス電圧を印加することを備える方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記酸素・水素含有ガスは、水蒸気を含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記フッ素含有ガスは、SF6を含み、SF6に対する前記酸素・水素含有ガスの流量の比は3/8である、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記フッ素含有ガスは、更に、SiF4を含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記エッチングガスは、更に、O2を含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
前記エッチングガスは、更に、CO2又はCOの少なくとも一方を含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記フッ素含有ガス及び前記酸素・水素含有ガスは、異なる場所に設けられた異なるガス入口から別々に前記エッチングチャンバに導入される、方法。
【請求項9】
シリコン層又はシリコンウエハが中に置かれたエッチングチャンバを使用して、前記シリコン層又は前記シリコンウエハの上に形成されたパターン化マスクを通して前記シリコン層又は前記シリコンウエハをエッチングする方法であって、
フッ素含有ガスを含むエッチングガスを上流エッチングチャンバ内へ提供することと、
前記エッチングガスからプラズマを生成することと、
前記プラズマからの反応媒体を前記エッチングチャンバに導入することと、
前記反応媒体がOHラジカルを含むように、酸素及び水素を含有するパッシベーションガスを前記エッチングチャンバ内へ提供することと、
前記反応媒体を使用して、前記シリコン層又は前記シリコンウエハ内に、ビアホール及びトレンチなどの特徴をエッチングにより形成することであって、前記プラズマを生成する前記エッチングガス及び前記パッシベーションガスは、パッシベーション層を、前記エッチングされている特徴の側壁上に形成するように選択されており、前記パッシベーション層がx≧1且つy≧1としてSiOxHyを含有するようにOHラジカルを用いて前記パッシベーション層の組成を調整する、ことと、
前記反応媒体及び前記パッシベーションガスを停止させることと、
を備える、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、更に、
前記エッチング中にバイアス電圧を印加することを備える方法。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の方法であって、
前記パッシベーションガスは、水蒸気を含む、方法。
【請求項12】
請求項9又は10に記載の方法であって、
前記フッ素含有ガスは、SF6を含み、SF6に対する前記酸素・水素含有ガスの流量の比は3/8である、方法。
【請求項13】
パターン化マスクを通してシリコン層又はシリコンウエハ内にビアホール及びトレンチなどの特徴をエッチングするための装置であって、
プラズマ処理チャンバであって、
プラズマ処理チャンバエンクロージャを形成するチャンバ壁と、
前記プラズマ処理チャンバエンクロージャ内において基板を支えるための基板サポートと、
前記プラズマ処理チャンバエンクロージャ内の圧力を調整するための圧力調整器と、
プラズマを維持するために前記プラズマ処理チャンバエンクロージャに電力を供給するための少なくとも1つの電極と、
前記基板サポートに電気的に接続されたRFバイアス源と、
前記少なくとも1つの電極に電気的に接続された少なくとも1つのRF電力源と、
前記プラズマ処理チャンバエンクロージャ内へガスを提供するためのガス入口と、
前記プラズマ処理チャンバエンクロージャからガスを排出するためのガス出口と、
を含むプラズマ処理チャンバと、
前記ガス入口と流体接続しているエッチングガス源であって、
フッ素含有ガス源と、
酸素・水素含有ガス源と、
を含むエッチングガス源と、
前記エッチングガス源、前記RFバイアス源、及び前記少なくとも1つのRF電力源に可制御式に接続されたコントローラであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータ可読媒体であって、
前記シリコン層をエッチングするためのコンピュータ可読コードであって、
前記フッ素含有ガス源から前記プラズマ処理チャンバにフッ素含有ガスを流し込むためのコンピュータ可読コードと、
前記酸素・水素含有ガス源から前記プラズマ処理チャンバに酸素・水素含有ガスを流し込むためのコンピュータ可読コードと、
前記フッ素含有ガス及び前記酸素・水素含有ガスからプラズマを形成するためのコンピュータ可読コードと、
バイアス電圧を印加するためのコンピュータ可読コードと、
前記シリコン層又は前記シリコンウエハ内に、ビアホール及びトレンチなどの特徴をエッチングにより形成するためのコンピュータ可読コードであって、前記プラズマを生成するエッチングガスは、パッシベーション層を、前記エッチングされている特徴の側壁上に形成するように選択されており、前記パッシベーション層がx≧1且つy≧1としてSiOxHyを含有するようにOHラジカルを用いて前記パッシベーション層の組成を調整する、コンピュータ可読コードと、
前記フッ素含有ガス及び前記酸素・水素含有ガスを停止させるためのコンピュータ可読コードと、
を含むコンピュータ可読コードを含むコンピュータ可読媒体と、
を含むコントローラと、
を備える、装置。
【請求項14】
請求項1〜2のいずれか一項に記載の方法であって、
前記酸素・水素含有ガスは、水蒸気を含む、方法。
【請求項15】
請求項1〜2、及び、14のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フッ素含有ガスは、SF6を含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記フッ素含有ガスは、更に、SiF4を含む、方法。
【請求項17】
請求項1〜2、及び、14〜16のいずれか一項に記載の方法であって、
前記エッチングガスは、更に、O2を含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記エッチングガスは、更に、CO2又はCOの少なくとも一方を含む、方法。
【請求項19】
請求項1〜2、及び、14〜18のいずれか一項に記載の方法であって、
前記エッチングガス及び前記酸素・水素含有ガスは、異なる場所に設けられた異なるガス入口から別々に前記エッチングチャンバに導入される、方法。
【請求項20】
請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フッ素含有ガスは、SF6を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスの形成に関する。本発明は、特に、シリコン材料内に特徴をエッチングすることに関する。
【背景技術】
【0002】
ビアホール及びトレンチなどの特徴は、特徴の側壁がその上に形成されたパッシベーション層によってエッチング反応から保護される異方性エッチングを使用して、シリコン基板内に形成される。エッチングガスは、通常、化学エッチング用のハロゲンガス(SF
6など)と、パッシベーション用の酸素(O
2)ガスとを含む。パッシベーション層は、通常、特徴の側壁の酸化によって形成されて酸化シリコンを含有する酸化物膜(SiO
xをベースにした膜)である。パッシベーション層の組成は、エッチング化学剤及びマスク材料によって影響され得る。過剰な側壁パッシベーションは、ピンチオフを引き起こすことがあり、過少な側壁パッシベーションは、ボーイング、アンダカット、及びCD(限界寸法)劣化を引き起こすことがある。
【0003】
シリコン基板内には、プラズマエッチングサイクルと蒸着(パッシベーション)サイクルとの交互の迅速な繰り返しを利用する「高速交互」プラズマエッチングプロセス(ガス調節プロセス)の使用によって、深い特徴も形成され得る。一般に、エッチングサイクル及び蒸着サイクルのための基本的なプロセスガスは、それぞれSF
6及びC
4F
8である。方向性のエッチングを達成するために、C
4F
8パッシベーションサイクル中は、側壁保護ポリマ層が蒸着される。SF
6エッチングサイクル中は、イオン助長エッチングによって水平面(ビアの底部など)からパッシベーションポリマが除去され、次いで、そうして露出された領域から、遊離フッ素によってシリコンが等方的にエッチングされる。
【0004】
ガス調節プロセスでは、プラズマ処理リアクタに供給されるプロセスガスは、高速でオンオフ切り替えされ、その結果、プロセスは、ウエハからシリコンが除去されるエッチング状態から、ウエハ上に材料が蒸着されシリコンは除去されない蒸着状態へ、そして再びエッチング状態へ、素早く切り替わる。交互サイクルの継続時間は、通常、比較的短時間であり、シリコン基板内の所望の深さに到達するには、通常、多数のサイクルが必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
以上を達成するために、尚且つ本発明の目的にしたがって、本発明は以下の形態として実現できる。
(1)本発明の第1の形態は、
シリコン層又はシリコンウエハが中に置かれたエッチングチャンバを使用して、前記シリコン層又は前記シリコンウエハの上に形成されたパターン化マスクを通して前記シリコン層又は前記シリコンウエハをエッチングする方法であって、
フッ素含有ガスと酸素・水素含有ガスとを含むエッチングガスを前記エッチングチャンバ内へ提供することと、
前記エッチングガスからプラズマを生成することと、
前記プラズマを使用して、前記シリコン層又は前記シリコンウエハ内に、ビアホール及びトレンチなどの特徴をエッチングにより形成することであって、前記プラズマを生成する前記エッチングガスは、パッシベーション層を、前記エッチングされている特徴の側壁上に形成するように選択されており、前記パッシベーション層がx≧1且つy≧1としてSiO
xH
yを含有するようにOHラジカルを用いて前記パッシベーション層の組成を調整する、ことと、
前記エッチングガスを停止させることと、
を備える、方法である。
(2)本発明の第2の形態は、シリコン層又はシリコンウエハが中に置かれたエッチングチャンバを使用して、前記シリコン層又は前記シリコンウエハの上に形成されたパターン化マスクを通して前記シリコン層又は前記シリコンウエハをエッチングする方法であって、
フッ素含有ガスを含むエッチングガスを上流エッチングチャンバ内へ提供することと、
前記エッチングガスからプラズマを生成することと、
前記プラズマからの反応媒体を前記エッチングチャンバに導入することと、
前記反応媒体がOHラジカルを含むように、酸素及び水素を含有するパッシベーションガスを前記エッチングチャンバ内へ提供することと、
前記反応媒体を使用して、前記シリコン層又は前記シリコンウエハ内に、ビアホール及びトレンチなどの特徴をエッチングにより形成することであって、前記プラズマを生成する前記エッチングガス
及び前記パッシベーションガスは、パッシベーション層を、前記エッチングされている特徴の側壁上に形成するように選択されており、前記パッシベーション層がx≧1且つy≧1としてSiO
xH
yを含有するようにOHラジカルを用いて前記パッシベーション層の組成を調整する、ことと、
前記反応媒体及び前記パッシベーションガスを停止させることと、
を備える、方法である。
(3)本発明の第3の形態は、パターン化マスクを通してシリコン層又はシリコンウエハ内に、ビアホール及びトレンチなどの特徴をエッチングするための装置であって、
プラズマ処理チャンバであって、
プラズマ処理チャンバエンクロージャを形成するチャンバ壁と、
前記プラズマ処理チャンバエンクロージャ内において基板を支えるための基板サポートと、
前記プラズマ処理チャンバエンクロージャ内の圧力を調整するための圧力調整器と、
プラズマを維持するために前記プラズマ処理チャンバエンクロージャに電力を供給するための少なくとも1つの電極と、
前記
基板サポートに電気的に接続されたRFバイアス源と、
前記少なくとも1つの電極に電気的に接続された少なくとも1つのRF電力源と、
前記プラズマ処理チャンバエンクロージャ内へガスを提供するためのガス入口と、
前記プラズマ処理チャンバエンクロージャからガスを排出するためのガス出口と、
を含むプラズマ処理チャンバと、
前記ガス入口と流体接続しているエッチングガス源であって、
フッ素含有ガス源と、
酸素・水素含有ガス源と、
を含むエッチングガス源と、
前記ガス源、前記RFバイアス源、及び前記少なくとも1つのRF電力源に可制御式に接続されたコントローラであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータ可読媒体であって、
前記シリコン層をエッチングするためのコンピュータ可読コードであって、
前記フッ素含有ガス源から前記プラズマ処理チャンバにフッ素含有ガスを流し込むためのコンピュータ可読コードと、
前記酸素・水素含有ガス源から前記プラズマ処理チャンバに酸素・水素含有ガスを流し込むためのコンピュータ可読コードと、
前記フッ素含有ガス及び前記酸素・水素含有ガスからプラズマを形成するためのコンピュータ可読コードと、
バイアス電圧を印加するためのコンピュータ可読コードと、
前記シリコン層又は前記シリコンウエハ内に、ビアホール及びトレンチなどの特徴をエッチングにより形成するためのコンピュータ可読コードであって、前記プラズマを生成する前記エッチングガスは、パッシベーション層を、前記エッチングされている特徴の側壁上に形成するように選択されており、前記パッシベーション層がx≧1且つy≧1としてSiO
xH
yを含有するようにOHラジカルを用いて前記パッシベーション層の組成を調整する、コンピュータ可読コードと、
前記フッ素含有ガス及び前記酸素・水素含有ガスを停止させるためのコンピュータ可読コードと、
を含むコンピュータ可読コードを含むコンピュータ可読媒体と、
を含むコントローラと、
を備える、装置である。
一実施形態では、シリコン層を、その上に形成されたパターン化マスクを通してエッチングする方法が提供される。シリコン層は、エッチングチャンバ内に置かれる。フッ素含有ガス、及び、酸素・水素含有ガスを含むエッチングガスが、エッチングチャンバ内へ提供される。エッチングガスからプラズマが生成され、該プラズマを使用してシリコン層内に特徴がエッチングされる。エッチングガスは、次いで、停止される。プラズマは、OHラジカルを含んでよい。
【0006】
発明の別の顕現では、シリコン層を、その上に形成されたパターン化マスクを通して下流プラズマを使用してエッチングする方法が提供される。シリコン層は、エッチングチャンバ内に置かれる。フッ素含有ガスを含むエッチングガスが、上流エッチングチャンバ内へ提供される。エッチングガスからプラズマが生成される。プラズマからの反応媒体がエッチングチャンバに導入され、更に、反応媒体がOHラジカルを含むように、酸素及び水素を含有するパッシベーションガスもエッチングチャンバ内へ提供される。反応媒体を使用してシリコン層内に特徴がエッチングされる。反応媒体及びパッシベーションガスは、次いで、停止される。パッシベーションガスは、水蒸気又はアルコールの少なくとも一方を含んでよい。
【0007】
発明の別の顕現では、パターン化マスクを通してシリコン層内に特徴をエッチングするための装置が提供される。装置は、プラズマ処理チャンバと、エッチングガス源と、コントローラとを含む。プラズマ処理チャンバは、プラズマ処理チャンバエンクロージャを形成するチャンバ壁と、プラズマ処理チャンバエンクロージャ内において基板を支えるための基板サポートと、プラズマ処理チャンバエンクロージャ内の圧力を調整するための圧力調整器と、プラズマを維持するためにプラズマ処理チャンバエンクロージャに電力を供給するための少なくとも1つの電極と、該少なくとも1つの電極に電気的に接続された少なくとも1つのRF電力源と、プラズマ処理チャンバエンクロージャ内へガスを提供するためのガス入口と、プラズマ処理チャンバエンクロージャからガスを排出するためのガス出口とを含む。エッチングガス源は、ガス入口と流体接続しており、フッ素含有ガス源と、酸素・水素含有ガス源とを含む。コントローラは、ガス源、RFバイアス源、及び少なくとも1つのRF電力源に可制御式に接続される。コントローラは、少なくとも1つのプロセッサと、シリコン層をエッチングするためのコンピュータ可読コードを含むコンピュータ可読媒体とを含む。シリコン層をエッチングするためのコンピュータ可読コードは、(a)フッ素含有ガス源からプラズマチャンバにフッ素含有ガスを流し込むためのコンピュータ可読コードと、(b)酸素・水素含有ガス源からプラズマチャンバに酸素・水素含有ガスを流し込むためのコンピュータ可読コードと、(c)フッ素含有ガス及び酸素・水素含有ガスからプラズマを形成するためのコンピュータ可読コードと、(d)バイアス電圧を印加するためのコンピュータ可読コードと、(e)シリコン層内に特徴をエッチングするためのコンピュータ可読コードと、(f)フッ素含有ガス及び酸素・水素含有ガスを停止させるためのコンピュータ可読コードとを含む。
【0008】
本発明は、以下の適用例としても実現可能である。
[適用例1]
シリコン層が中に置かれたエッチングチャンバを使用して、前記シリコン層の上に形成されたパターン化マスクを通して前記シリコン層をエッチングする方法であって、
フッ素含有ガス、及び、酸素・水素含有ガスを含むエッチングガスを前記エッチングチャンバ内へ提供することと、
前記エッチングガスからプラズマを生成することと、
前記プラズマを使用して前記シリコン層内に特徴をエッチングすることと、
前記エッチングガスを停止させることと、
を備える方法。
[適用例2]
適用例1に記載の方法であって、
前記プラズマは、OHラジカルを含む、方法。
[適用例3]
適用例1又は2に記載の方法であって、更に、
前記エッチング中にバイアス電圧を印加することを備える方法。
[適用例4]
適用例1又は2に記載の方法であって、
前記酸素・水素含有ガスは、水蒸気を含む、方法。
[適用例5]
適用例4に記載の方法であって、
前記エッチングは、x≧1且つy≧1として、SiOxHyを含有するパッシベーション層を、前記エッチングされている特徴の側壁上に形成することを含む、方法。
[適用例6]
適用例1又は2に記載の方法であって、
前記酸素・水素含有ガスは、アルコールを含む、方法。
[適用例7]
適用例6に記載の方法であって、
前記エッチングは、n≧0、x≧1、y≧0で且つn及びyをともにゼロでないとして、SiCnOxHyを含有するパッシベーション層を、前記エッチングされている特徴の側壁上に形成することを含む、方法。
[適用例8]
適用例1又は2に記載の方法であって、
前記フッ素含有ガスは、SF6を含む、方法。
[適用例9]
適用例8に記載の方法であって、
前記フッ素含有ガスは、更に、SiF4を含む、方法。
[適用例10]
適用例1又は2に記載の方法であって、
前記エッチングガスは、更に、O2を含む、方法。
[適用例11]
適用例10に記載の方法であって、
前記エッチングガスは、更に、CO2又はCOの少なくとも一方を含む、方法。
[適用例12]
適用例1又は2に記載の方法であって、
前記エッチングガス及び前記酸素・水素含有ガスは、異なる場所に設けられた異なるガス入口から別々に前記エッチングチャンバに導入される、方法。
[適用例13]
シリコン層が中に置かれたエッチングチャンバを使用して、前記シリコン層の上に形成されたパターン化マスクを通して前記シリコン層をエッチングする方法であって、
フッ素含有ガスを含むエッチングガスを上流エッチングチャンバ内へ提供することと、
前記エッチングガスからプラズマを生成することと、
前記プラズマからの反応媒体を前記エッチングチャンバに導入することと、
前記反応媒体がOHラジカルを含むように、酸素及び水素を含有するパッシベーションガスを前記エッチングチャンバ内へ提供することと、
前記反応媒体を使用して前記シリコン層内に特徴をエッチングすることと、
前記反応媒体及び前記パッシベーションガスを停止させることと、
を備える方法。
[適用例14]
適用例13に記載の方法であって、更に、
前記エッチング中にバイアス電圧を印加することを備える方法。
[適用例15]
適用例13又は14に記載の方法であって、
前記パッシベーションガスは、水蒸気又はアルコールの少なくとも一方を含む、方法。
[適用例16]
適用例15に記載の方法であって、
前記エッチングは、x≧1且つy≧1として、SiOxHyを含有するパッシベーション層を、前記エッチングされている特徴の側壁上に形成することを含む、方法。
[適用例17]
適用例15に記載の方法であって、
前記エッチングは、n≧0、x≧1、y≧0で且つn及びyをともにゼロでないとして、SiCnOxHyを含有するパッシベーション層を、前記エッチングされている特徴の側壁上に形成することを含む、方法。
[適用例18]
適用例13又は14に記載の方法であって、
前記フッ素含有ガスは、SF6を含む、方法。
[適用例19]
パターン化マスクを通してシリコン層内に特徴をエッチングするための装置であって、
プラズマ処理チャンバであって、
プラズマ処理チャンバエンクロージャを形成するチャンバ壁と、
前記プラズマ処理チャンバエンクロージャ内において基板を支えるための基板サポートと、
前記プラズマ処理チャンバエンクロージャ内の圧力を調整するための圧力調整器と、
プラズマを維持するために前記プラズマ処理チャンバエンクロージャに電力を供給するための少なくとも1つの電極と、
前記少なくとも1つの電極に電気的に接続された少なくとも1つのRF電力源と、
前記プラズマ処理チャンバエンクロージャ内へガスを提供するためのガス入口と、
前記プラズマ処理チャンバエンクロージャからガスを排出するためのガス出口と、
を含むプラズマ処理チャンバと、
前記ガス入口と流体接続しているエッチングガス源であって、
フッ素含有ガス源と、
酸素・水素含有ガス源と、
を含むエッチングガス源と、
前記ガス源、前記RFバイアス源、及び前記少なくとも1つのRF電力源に可制御式に接続されたコントローラであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータ可読媒体であって、
前記シリコン層をエッチングするためのコンピュータ可読コードであって、
前記フッ素含有ガス源から前記プラズマチャンバにフッ素含有ガスを流し込むためのコンピュータ可読コードと、
前記酸素・水素含有ガス源から前記プラズマチャンバに酸素・水素含有ガスを流し込むためのコンピュータ可読コードと、
前記フッ素含有ガス及び前記酸素・水素含有ガスからプラズマを形成するためのコンピュータ可読コードと、
バイアス電圧を印加するためのコンピュータ可読コードと、
前記シリコン層内に特徴をエッチングするためのコンピュータ可読コードと、
前記フッ素含有ガス及び前記酸素・水素含有ガスを停止させるためのコンピュータ可読コードと、
を含むコンピュータ可読コードを含むコンピュータ可読媒体と、
を含むコントローラと、
を備える装置。
[適用例20]
適用例1〜3のいずれか一項に記載の方法であって、
前記酸素・水素含有ガスは、水蒸気を含む、方法。
[適用例21]
適用例20に記載の方法であって、
前記エッチングは、x≧1且つy≧1として、SiOxHyを含有するパッシベーション層を、前記エッチングされている特徴の側壁上に形成することを含む、方法。
[適用例22]
適用例1〜3、及び、20〜21のいずれか一項に記載の方法であって、
前記酸素・水素含有ガスは、アルコールを含む、方法。
[適用例23]
適用例22に記載の方法であって、
前記エッチングは、n≧0、x≧1、y≧0で且つn及びyをともにゼロでないとして、SiCnOxHyを含有するパッシベーション層を、前記エッチングされている特徴の側壁上に形成することを含む、方法。
[適用例24]
適用例1〜3、及び、20〜23のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フッ素含有ガスは、SF6を含む、方法。
[適用例25]
適用例24に記載の方法であって、
前記フッ素含有ガスは、更に、SiF4を含む、方法。
[適用例26]
適用例1〜3及び20〜25のいずれか一項に記載の方法であって、
前記エッチングガスは、更に、O2を含む、方法。
[適用例27]
適用例26に記載の方法であって、
前記エッチングガスは、更に、CO2又はCOの少なくとも一方を含む、方法。
[適用例28]
適用例1〜3、及び、20〜27のいずれか一項に記載の方法であって、
前記エッチングガス及び前記酸素・水素含有ガスは、異なる場所に設けられた異なるガス入口から別々に前記エッチングチャンバに導入される、方法。
[適用例29]
適用例13〜17のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フッ素含有ガスは、SF6を含む、方法。
本発明のこれら及びその他の特徴は、発明の詳細な説明において、尚且つ添付の図面との関連のもとで、より詳しく以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付の図面において、本発明は、限定的なものではなく例示的なものとして示され、図中、類似の参照符号は、同様の要素を指すものとする。
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態にしたがった、シリコン層をエッチングするプロセスのハイレベルなフローチャートである。
【0011】
【
図2】本発明の一実施形態にしたがった、特徴をエッチングされているシリコン層の断面の一例を概略的に示す図である。
【0012】
【
図3】発明の一実施形態を実施するために使用され得るプラズマ処理システムの一例の概略図である。
【0013】
【
図4】発明の実施形態に使用されるコントローラを実装するのに適したコンピュータシステムを示す図である。
【0014】
【
図5】本発明の別の実施形態にしたがった、シリコン層をエッチングするプロセスのハイレベルなフローチャートである。
【0015】
【
図6】発明の一実施形態を実施するために使用され得る下流プラズマ処理システムの一例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、添付の図面に示されるような幾つかの好ましい実施形態を参照にして、本発明の詳細な説明が行われる。以下の説明では、本発明の完全な理解を可能にするために、多くの詳細が特定されている。しかしながら、当業者ならば明らかなように、本発明は、これらの一部又は全部の詳細を特定しなくても実施され得る。また、本発明を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセスステップ及び/又は構造の詳細な説明は省略される。
【0017】
上述のように、側壁パッシベーションは、特徴の側壁を横方向のエッチングから保護して特徴の異方性エッチングを実現するために、シリコンエッチングにおいて使用される。例えば、シリコンエッチングプロセス中に正確な側壁を形成することによって、実質的に鉛直なプロファイルが得られる。従来の定常状態シリコンエッチングでは、側壁パッシベーション層は、シリコン特徴側壁の酸化によって形成される。結果得られるパッシベーション層は、通常、酸化シリコン膜である。これに対して、ガス調節プロセスでは、蒸着工程中に、C
4F
8などの炭素含有ガスから形成されるプラズマを使用して側壁パッシベーション層が蒸着される一方で、続くエッチング工程では、SF
6などのフッ素含有ガスから形成されるプラズマを使用してシリコン層がエッチングされ、これらの蒸着工程及びエッチング工程は、高速で交互に切り替えられる。結果得られるパッシベーション層は、通常、ポリマである。
【0018】
出願人らは、酸化物をベースにしたパッシベーション層を形成し、SF
6などのフッ素含有ガスを使用したエッチングプロセス中に特徴側壁を保護するために、O
2、SO
2、CO
2、COなどの酸素含有ガスをパッシベーションガスとして使用した。側壁パッシベーション層は、SiO
2(O
2が使用された場合)、SiO
x(SO
2が使用/追加された場合)、並びに/又はSiC若しくはSiOC(CO
2及び/若しくはCOが使用/追加された場合)を含む。N
2O又はNO
2が使用/追加されてもよく、その場合、パッシベーション層は、SiN又はSiONを更に含むことになる。B
2H
6、BCl
3などのその他のガスも追加されてよく、この場合、パッシベーション層は、SiOBN又はSiBNも含み得る。設計要件を満たす十分な薄さであり、尚且つ特徴側壁を保護することができる十分な強度及び耐性であるパッシベーション層を構築するために、出願人らは、新規のパッシベーションガスと、その結果得られる新規のパッシベーション層とを開発した。
【0019】
本発明の実施形態にしたがうと、側壁パッシベーション層の組成は、パッシベーション層がSiOHを含むように、又はより一般的にはx≧1且つy≧1としてSiO
xH
yを含むように、OHラジカルを使用して調節される。プラズマ中にOHラジカルを提供するために、パッシベーションガスは、酸素及び水素を含む。例えば、パッシベーションガスは、水蒸気及び/又はアルコールを含む。パッシベーションガスがアルコールを含む場合は、パッシベーション層は、更に、SiCOH及び/又はSiOC、又はより一般的にはn≧0、x≧1、y≧0で且つn及びyをともにゼロでないとしてSiC
nO
xH
yを含んでよい。水蒸気又はアルコール蒸気(OHラジカル)を使用したシリコンの酸化(パッシベーション層の成長)は、酸素(Oタイプのラジカル)を使用した場合よりも高速であると考えられる。パッシベーション層は、SiO
xも含んでよい。
【0020】
理解を促すために、
図1は、発明の一実施形態で使用されるプロセスのハイレベルなフローチャートであり、ここで、シリコン層は、その上に形成されたパターン化マスクを通してエッチングチャンバを使用してエッチングされる。シリコン層を中に置かれたエッチングチャンバ内へ、フッ素(F)含有ガス、及び、酸素(O)・水素(H)含有ガスを含むエッチングガスが提供される(ステップ102)。例えば、フッ素含有ガスは、SF
6を含む。フッ素含有ガスは、更に、SiF
4を含んでよい。また、フッ素含有ガスは、NF
3又はCF
4でもよく、又は、SF
6、NF
3、SiF
4、及び/若しくはCF
4の組み合わせであってもよい。その他のハロゲン含有ガスが、エッチングガスに追加されてもよい。パッシベーションガスとして機能する酸素・水素含有ガスは、本発明の一実施形態にしたがうと、水蒸気である。酸素・水素含有ガスは、アルコール(C
nH
2n-1−OH)であってもよい。更に別の実施形態では、酸素・水素含有ガスは、水蒸気及びアルコールを含んでよい。エッチングガスは、更に、O
2、及び/又はCO
2若しくはCOの少なくとも一方を含んでよい。また、CO、CO
2、水、及び/又はアルコールに加えて、ケトン(アセトン、CH
3CO−CH
3など)も、パッシベーションガスとして使用されてよい。更に、アルデヒド(末端カルボニル基−CHOを含む)、エステル(R’をアルキル基、Rをカルボキシル基として一般構造R−COO−R’を有する)、及びエーテル(一般構造R−O−Rを有する)などの、その他の化学物質も挙げられる。なお、特定の反応効果を提供するために、キャリアガス及び/又は希釈ガスが化学剤に追加されてもよいことが留意されるべきである。
【0021】
本発明の一実施形態にしたがうと、パッシベーションガスは、蒸発によって、液体前駆体(水又は液体アルコール)から生成され得る。OHラジカル(又は水蒸気)もまた、下流プラズマリアクタを使用して、高温のO
2ガス及びH
2ガスから生成され得る。パッシベーションガス(水蒸気又はアルコール)は、エッチングチャンバに導入される前に、フッ素含有ガスと混合されてよい。或いは、フッ素含有ガス及びパッシベーションガスは、別々のガス入口からエッチングチャンバに導入されてよく、そのなかで、プラズマが生成される。
【0022】
図1を参照すると、フッ素含有ガス
と酸素・水素含有パッシベーションガス(例えば水蒸気及び/又はアルコール)
とを含むエッチングガスから、プラズマが生成される(ステップ104)。プラズマ中、水蒸気は、ヒドロキシルラジカル(OH)を提供し、アルコールは、ヒドロキシル基(OH)を提供する。「ヒドロキシル基」は、通常、有機化合物中の置換基であるときの官能基「−HO」を表わすために使用される。本明細書及び特許請求の範囲では、「ヒドロキシル」又は「ヒドロキシルラジカル」は、(無機化合物又は水からの)ヒドロキシルラジカル及び(有機化合物又はアルコールからの)ヒドロキシル基の両方を意味する。
【0023】
バイアス電圧が印加され(ステップ106)、プラズマを使用してシリコン層内に特徴がエッチングされる(ステップ104)。理解を促すために、
図2は、特徴をエッチングされているシリコン層200の断面の一例を示している。シリコン層200は、シリコンウエハであってよい。シリコン材料は、結晶質シリコン、ポリシリコン、又は非晶質シリコンであってよい。シリコン材料は、ドープシリコン又は歪みシリコンであってもよい。シリコン層200の上に、シリコン材料上の特徴204を定めたパターン化マスク202が提供される。マスク202は、フォトレジスト(PR)マスク又はハードマスク(酸化物)であってよい。マスク202は、前のステップでエッチングされたであろう導電層及び/又は誘電体層などのその他の層もマスクの下に含んでよい(不図示)。シリコン材料内にエッチングされた特徴204は、
図2に示されるように、鉛直な(すなわち、実質的に90度の)プロファイル角度を有するであろう。特徴204は、用途によっては先細のプロファイル(すなわち、角度が90度未満のプロファイル)を有するであろう。シリコンエッチングが、5ミクロンから400ミクロンに及ぶ深さに特徴がエッチングされるディープシリコンエッチングであるのに対して、競合するCOMSデバイスの層の通常の厚さは、3〜5ミクロンである。本発明は、なかでも特に高アスペクト比の場合の、ディープシリコンエッチングに適している。例えば、特徴のアスペクト比は、少なくとも80であってよい、或いは、特徴の深さは、少なくとも80μmであってよい。
【0024】
本発明の実施形態にしたがうと、側壁パッシベーション層210は、OHラジカルを使用して形成され、その組成は、SiO
xをベースにしたパッシベーション層と比べて調節される。シリコンの酸化は、Oタイプのラジカルを使用するよりも、OHラジカルを使用した方が速いと考えられる。本発明の実施形態のパッシベーション層は、SiOHを含む。パッシベーション層は、また、SiO
xも含んでよい。より一般的には、パッシベーション層は、x≧1且つy≧1として、SiO
xH
yを含む。アルコールが使用される場合は、パッシベーション層は、更に、SiCOH及び/又はSiOCを含んでよい。より一般的には、n≧0、x≧1、y≧0で且つn及びyをともにゼロでないとして、SiC
nO
xH
yを含む。
【0025】
SiOHを含むパッシベーション層(SiO
xH
y又はSiC
nO
xH
y)は、SiOH成分を含まない従来のSiO
xベースのパッシベーション層よりも薄くて尚且つ強い(耐性がある)とも考えられる。エッチングプロセス中は、特徴204の側壁206上及び底部208上においてパッシベーションが発生する。バイアス電圧が印加されるので(
図1のステップ106)、荷電粒子(イオン)は、特徴の底部208には衝突するが、側壁206には全く又はあまり衝突しない。したがって、側壁上では、パッシベーション層210の形成が、エッチャント(F)ラジカルから側壁206を保護し続ける。その一方で、特徴の底部208では、パッシベーション層は、形成されると同時にイオン支援エッチングによって除去されるので、露出されたシリコンは、ラジカルによってエッチングされる。SiO
xH
y及び/又はSiC
nO
xH
yを含むパッシベーション層210は、ラジカルによって容易にはエッチングされず、その除去には、イオンの衝突が必要である。
【0026】
所望の特徴がエッチングされた後(ステップ108)、エッチングガスは停止される(ステップ110)。
【0027】
上述のような、SF
6などのフッ素含有ガス
と酸素・水素含有ガス(パッシベーションガス)
とを含むエッチングガスを使用した連続的な非交互エッチングプロセス(定常状態)によって、高いエッチング効率と所望のプロセス柔軟性とが達成され得る。プロセスが連続的であるのは、たとえプロセス中に供給ガスフローの設定点が変わっても(例えば、高い値から低い値へ一定の割合で減少しても、又はその逆に増加しても)、エッチングガスフローはオンオフ切り替えされず、むしろ、シリコン層200内に特徴204がエッチングされている間、ガス供給は継続してオン状態であり続けるからである。プロセスが非交互的であるのは、それが「エッチング」状態から「蒸着」状態に変化せず、むしろ、シリコンのエッチングとエッチングの抑制(パッシベーション)とがエッチングプロセス中に同時に生じるからである。このような連続プロセスでは、合計プロセス時間の100%にわたってシリコンが除去されているので、そのエッチング効率は、高速で交互するプロセスと比べて大幅に向上され得る。また、ガスフローは連続的であるので、ガスフローコントローラなどの標準的なハードウェアが使用されてよく、したがって、プロセスをサポートするために必要とされるシステムの費用及び複雑性が軽減される。
【0028】
定常状態シリコンエッチングプロセスの一例は、2500WのTCP電力及び250Vのバイアス電圧で、SF
6及びH
2O蒸気を含むエッチングガスを使用する。エッチングガスフローは、800sccmのSF
6及び300sccmのH
2O蒸気を含んでよい。エッチングガスフローは、80ミリトールで80sccmのO
2及び50sccmのCOを含んでよい。或いは、もしアルコールが使用される場合は、化学剤は、800sccmのSF
6及び300sccmのC
2H
5OH(エタノール)又はCH
3OH(メタノール)蒸気を含む。エッチングガスフローは、80ミリトールで120sccmのO
2及び50sccmのCOを含んでよい。ウエハ基板温度は、0℃に設定される。更に、CO、CO
2、及びアルコールの使用に加えて、ケトン(アセトン、CH
3CO−CH
3など)も使用されてよい。
【0029】
また、連続エッチングプロセスのプロセスパフォーマンス及び柔軟性は、連続エッチングプロセス中に、プラズマ電力、ウエハバイアス電力、プロセスチャンバ圧力などの代表的なプロセスパラメータを変化させることによって向上され得る。例えば、プラズマ電力供給及び/又はウエハバイアス電圧は、ウエハに到達する反応性プラズマ成分の中性対帯電比をバランスさせるために、オンオフ式に又は高低式にパルス生成されてよい。別の例では、プラズマ電力、ウエハバイアス電力、及び/又はプラズマ処理チャンバ内の圧力は、連続エッチングプロセス中に、高い値から低い値へ一定の割合で減少されてよい、又はその逆に増加されてよい。
【0030】
図3は、本発明の一実施形態にしたがった、シリコン層をエッチングするプロセスを実施するために使用され得るプラズマ処理システム300の一例を概略的に示している。プラズマ処理システム300は、プラズマ処理チャンバ304を中に有するプラズマリアクタ302を含む。整合回路網308によって調整されるプラズマ電力供給部306は、プラズマ処理チャンバ304内にプラズマ314を発生させるために、窓312の近くに位置するTCPコイル310に電力を供給する。TPCコイル(上部電力源)310は、処理チャンバ304内に一様な拡散プロファイルを形成するように構成されてよい。例えば、TCPコイル310は、プラズマ314内にトロイダル電力分布を形成するように構成されてよい。窓312は、TCPコイル310をプラズマチャンバ304から隔てつつ、TCPコイル310からプラズマチャンバ304へのエネルギの通過を可能にするように提供される。整合回路網318によって調整されるウエハバイアス電圧電力供給部316は、電極320によって支えられているウエハ322上のバイアス電圧を設定するために、電極320に電力を供給する。コントローラ324は、プラズマ電力供給部306及びウエハバイアス電圧供給部316を設定する。
【0031】
プラズマ電力供給部306及びウエハバイアス電圧電力供給部316は、例えば、13.56MHz、27MHz、2MHz、400kHz、又はこれらの組み合わせなどの、特定の高周波数で動作するように構成されてよい。プラズマ電力供給306及びウエハバイアス電力供給部316は、所望のプロセスパフォーマンスを達成するために所定範囲の電力を供給するように適切にサイズ決定されてよい。例えば、本発明の一実施形態では、プラズマ電力供給部306は、300〜10000ワットの範囲の電力を供給してよく、ウエハバイアス電圧電力供給部316は、10〜1000Vの範囲のバイアス電圧を供給してよい。また、TPCコイル310及び/又は電極320は、2つ又は3つ以上のサブコイル又はサブ電極からなってよく、これらは、1つの電力供給部によって又は複数の電力供給部によって電力供給されてよい。
【0032】
図3に示されるように、プラズマ処理システム200は、更に、ガス源/ガス供給メカニズム330を含む。ガス源は、フッ素含有ガス源332、パッシベーションガス源(酸素・水素含有ガス源)334、及び随意としての追加のガス源336を含む。ガス源332、334、及び336は、ガス入口340を通じて処理チャンバ304と流体接続している。ガス入口340は、チャンバ304内において任意の好都合な場所に設けられてよく、単一ノズル又はシャワーヘッドなどの、ガスを注入するための任意の形態をとり得る。好ましくは、しかしながら、ガス入口340は、「可調整」ガス注入プロファイルを形成するように構成されてよく、これは、プロセスチャンバ304内の複数ゾーンへのそれぞれのガスフローの独立調整を可能にする。プロセスガス及び副生成物は、圧力制御弁342及びポンプ344を通じてチャンバ304から除去され、これらは、プラズマ処理チャンバ304内を特定の圧力に維持する働きもする。ガス源/ガス供給メカニズム330は、コントローラ324によって制御される。
【0033】
プラズマ処理システム300は、窓312全域における温度勾配を低減させるため及び窓312の全体的な動作温度を下げるための窓冷却システム(不図示)も含んでよい。
【0034】
図4は、本発明の1つ又は複数の実施形態で使用され得る(
図3における)コントローラ324を実装するのに適したコンピュータシステム400のブロック図を概略的に示している。コンピュータシステム400は、集積回路、プリント回路基板、及び小型の携帯用端末から巨大なスーパーコンピュータに及ぶ多くの物理的形態をとり得る。コンピュータシステム400では、システムバス420に、種々様々なサブシステムが取り付けられる。(1つ又は複数の)プロセッサ422(中央演算処理装置、すなわちCPUとも称される)は、システムメモリ424を含むストレージデバイスに接続される。メモリ424は、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び読み出し専用メモリ(ROM)を含む。当該分野で周知のように、ROMは、CPUに対してデータ及び命令を単方向的に伝送する働きをし、RAMは、通常、データ及び命令を双方向的に伝送するために使用される。これらのメモリは、いずれのタイプも、後述される任意の適切な種類のコンピュータ可読媒体を含み得る。CPU422には、固定ディスク426も双方向的に接続され、これは、追加のデータストレージ容量を提供し、やはり、後述される任意のコンピュータ可読媒体を含み得る。固定ディスク426は、プログラムやデータなどを格納するために使用されてよく、通常は、一次ストレージよりも低速な二次ストレージ媒体(ハードディスクなど)である。なお、固定ディスク426内に保持される情報は、もし適切であれば、メモリ424内の仮想メモリとして標準的な形で組み入れ可能であることがわかる。コンピュータシステム400に対してデータを出し入れするために、ディスクドライブ428を通じて取り外し可能ディスク414が使用されてよい。取り外し可能ディスク414は、後述される任意のコンピュータ可読媒体の形態をとり得る。シリアルポート432を通じて、USBフラッシュドライブなどのポータブルメモリ434も使用されてよい。
【0035】
CPU422は、ディスプレイ404、キーボード410、コンピュータマウスなどのユーザポインティングデバイス412、スピーカ430、及び入出力(I/O)コントローラ436などの様々な入出力デバイスにも接続される。一般に、入出力デバイスは、ビデオディスプレイ、トラックボール、マウス、キーボード、マイクロフォン、タッチセンサ式ディスプレイ、トランスデューサカード読み取り装置、磁気テープ若しくは紙テープ読み取り装置、タブレット、スタイラス、音声もしくは手書き文字認識装置、バイオメトリック読み取り装置、又は他のコンピュータの任意であってよい。CPU422は、ネットワークインターフェース440を使用して別のコンピュータまたは通信ネットワークに随意に接続されてよい。このようなネットワークインターフェースがあれば、CPU422は、上述された方法のステップを実施する過程において、ネットワークから情報を受信する、又はネットワークに情報を出力することができると考えられる。更に、本発明の方法の実施形態は、CPU422上のみで実行されてもよいし、或いは処理の一部を共有するリモートCPUと連携してインターネットなどのネットワークを通じて実行されてもよい。
【0036】
コンピュータシステム400は、プラズマ処理システムを診断するために及びプラズマプロセスを制御するために、ガスフロー、圧力、温度、電力などの関連のプロセスデータを収集及び格納するように構成されてよい。
【0037】
また、本発明の実施形態は、更に、コンピュータによって実行される各種の動作を実施するためのコンピュータコードを記録されたコンピュータ可読媒体を伴うコンピュータストレージ製品に関する。媒体およびコンピュータコードは、本発明の目的のために特別に設計及び構成されたものであってもよいし、或いはコンピュータソフトウェアの分野の当業者にとって周知で且つ利用可能なものであってもよい。コンピュータ可読媒体の具体例としては、ハードディスク、フロッピィディスク、及び磁気テープなどの磁気媒体、CD−ROM及びホログラフィックデバイスなどの光媒体、フロプティカルディスクなどの光磁気媒体、並びに特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、ROMデバイス、及びRAMデバイスなどの、プログラムコードの格納及び実行のために特別に構成されたハードウェアデバイスが、非限定的に挙げられる。コンピュータコードの例は、コンパイラによって生成されるなどのマシンコード、及びインタープリタを使用してコンピュータによって実行される高水準コードを含むファイルを含む。コンピュータ可読媒体は、搬送波に組み込まれたコンピュータデータ信号によって伝送され尚且つプロセッサによって実行可能な一連の命令を表すコンピュータコードであってもよい。
【0038】
本発明の一実施形態にしたがうと、下流プラズマチャンバは、シリコン層をエッチングするために使用され、パッシベーションガスフローは、プラズマの下流に導入されてよい。
図5は、発明の一実施形態で使用されるプロセスを概略的に示しており、ここで、シリコン層は、その上に形成されたパターン化マスクを通して、下流プラズマチャンバを使用してエッチングされる。
図6は、本発明の一実施形態にしたがった、シリコン層をエッチングするプロセスを実施するために使用され得る下流プラズマ処理システム600の一例を概略的に示している。
【0039】
図6に示されるように、下流プラズマ処理システム600は、エッチングチャンバ602と、上流プラズマチャンバ610とを含む。整合回路網608によって調整されるプラズマ電力供給部606は、エッチングチャンバ602の上に位置する上流プラズマチャンバ610に電力を供給する。上流プラズマチャンバ610は、RF電力又はマイクロ波を使用してプラズマ612を励起させ得る。ポート652を通して、プラズマ612からエッチングチャンバ602へ反応媒体650が流れ込む。ウエハベースプラズマ源及びバイアス電圧電力供給部616は、プラズマ及びバイアス電圧を提供する。整合回路網618によって調整される電力供給616は、ウエハ622の上にプラズマを提供するために及び電極620によって支えられているウエハ622上のバイアス電圧を設定するために、ウエハ622を上に位置決めされた電極620に電力を供給する。コントローラ624は、上流プラズマ電力供給部606、並びにウエハベースプラズマ源及びバイアス電圧電力供給部616を設定する。コントローラ624は、上述されたコンピュータシステム400(
図4A及び
図4B)を使用して実装され得る。また、ウエハベースプラズマ源及びバイアス電圧電力供給部616は、1つ又は複数の周波数を提供し得る。例えば、13.56MHz単独、27MHzと2MHz、及び27MHz以上(60MHzなど)と400kHzが使用されてよい。ウエハベースプラズマ源及びバイアス電圧電力供給部616は、2つの別々の発生器、すなわちプラズマ源としての高周波数発生器と、バイアス電圧源としてのより低周波数のものとを含んでよい。
【0040】
下流プラズマ処理システム600は、更に、ガス源/ガス供給メカニズム630を含む。ガス源は、フッ素含有ガス源632、パッシベーションガス源(酸素・水素含有ガス源)636、及び随意としての追加のガス源634を含む。フッ素含有ガス源632及び追加のガス源(随意)634は、ガス入口614を通じてプラズマチャンバ610と流体接続している。パッシベーションガス源634は、ガス入口640を通じてエッチングチャンバ602と流体接続している。ガス入口614及び640は、上流プラズマチャンバ610内及びエッチングチャンバ602内において任意の好都合な場所にそれぞれ設けられてよく、単一ノズル又はシャワーヘッドなどの、ガスを注入するための任意の形態をとり得る。好ましくは、しかしながら、ガス入口614及び640は、「可調整」ガス注入プロファイルを形成するように構成されてよく、これは、それぞれのガスフローの独立調整を可能にする。プロセスガス及び副生成物は、圧力制御弁642及びポンプ644を通じてエッチングチャンバ604から除去され、これらは、プラズマ処理チャンバ604内を特定の圧力に維持する働きもする。ガス源/ガス供給メカニズム630は、コントローラ624によって制御される。
【0041】
図5に示されるように、フッ素含有ガスを含むエッチングガスが上流プラズマチャンバ610内へ提供され(ステップ502)、エッチングガスからプラズマ612が生成される(ステップ504)。エッチングガスは、先の実施形態と同様に、追加のガス源634から供給され得るその他の成分を含んでよい。プラズマ612からの反応媒体650が、エッチングチャンバ602に運び込まれる(ステップ506)。反応媒体650は、ラジカル及びイオンを含む。反応媒体650がOHラジカルを含むように、エッチングチャンバ602に、酸素及び水素を含有するパッシベーションガス654(例えば、水蒸気及び/又はアルコール)が入口640を通じて導入される(ステップ508)。バイアス電圧が印加され(ステップ510)、反応媒体を使用してシリコン層内に特徴がエッチングされる(ステップ512)。次いで、反応媒体及びパッシベーションガスは、停止される(ステップ514)。
【0042】
本発明の別の実施形態にしたがうと、新規のパッシベーションガスは、交互する蒸着ステップとエッチングステップとの繰り返しからなるガス調節プロセスのエッチング工程において使用されてもよい。通常、蒸着ステップは、C
4F
8を含む蒸着ガスを使用し、エッチングステップは、SF
6を含有するエッチングガスを使用する。エッチングステップでは、SF
6を含有するエッチングガスに、酸素及び水素を含むパッシベーションガス(例えば、水蒸気及び/又はアルコール)が追加されてよい。
【0043】
本発明は、幾つかの好ましい実施形態の観点から説明されているが、本発明の範囲に含まれるものとして、代替形態、置換形態、変更形態、及び代わりとなる各種の等価形態がある。また、本発明の方法及び装置を実現する多くの代替の方法があることも、留意されるべきである。したがって、以下の添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨及び範囲に含まれるものとして、このようなあらゆる代替形態、置換形態、及び代わりとなる各種の等価形態を含むものと解釈されることを意図される。