【課題を解決するための手段】
【0015】
このような背景に鑑み、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、酸化物透明導電膜を酸性及びアルカリ性溶液の両者を用いて特定の条件で表面処理を行うことにより、極めて高いヘイズ率を有し、広い波長領域に渡って光散乱能に優れる酸化物透明導電膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
本発明の態様は以下の通りである。
(1)表面の中心線平均粗さRaが30nm〜200nm、表面にサイズの異なるテクスチャを有し、そのテクスチャ幅の平均値が100nm〜10μmである酸化物透明導電膜において、当該テクスチャ内面に微細な柱状の凸部を有し、酸化亜鉛を主成分とすることを特徴とする酸化物透明導電膜。
(2)微細な柱状の凸部の平均径が10〜80nmであり、当該凸部の高さが80nm以下である(1)に記載の酸化物透明導電膜。
(3)酸化物透明導電膜が主として亜鉛、元素M(Mはアルミニウム及び/またはガリウム)、チタン及び酸素から構成され、その原子比が、
(M+Ti)/(Zn+M+Ti)=0.010〜0.055
M/(Zn+M+Ti)=0.002〜0.025
Ti/(Zn+M+Ti)=0.002〜0.048
である(1)又は(2)に記載の酸化物透明導電膜。
(4)酸化亜鉛を主成分とする酸化物透明導電膜を、無機酸の水溶液で表面処理した後、アルカリ性水溶液で表面処理することを特徴とする(1)又は(2)に記載の酸化物透明導電膜の製造方法。
(5)酸化物透明導電膜が主として亜鉛、元素M(Mはアルミニウム及び/またはガリウム)、チタン及び酸素から構成され、その原子比が、
(M+Ti)/(Zn+M+Ti)=0.010〜0.055
M/(Zn+M+Ti)=0.002〜0.025
Ti/(Zn+M+Ti)=0.002〜0.048
である(4)に記載の酸化物透明導電膜の製造方法。
(6)酸化物透明導電膜がスパッタリング法により成膜したものである(4)又は(5)に記載の酸化物透明導電膜の製造方法。
(7)上述の(6)に記載の酸化物透明導電膜の製造方法において、スパッタリング法による成膜時の基材温度が100〜250℃である酸化物透明導電膜の製造方法。
(8)請求項1乃至3いずれかに記載の酸化物透明導電膜と基材により構成されることを特徴とする酸化物透明導電膜付基体。
(9)上述の(8)に記載の基体を用いた電子素子または光学素子。
(10)上述の(8)に記載の基体を用いた光電変換素子。
(11)上述の(1)乃至(3)いずれかに記載の酸化物透明導電膜を用いることを特徴とする太陽電池。
【0017】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】
本発明の酸化物透明導電膜は、表面の中心線平均粗さRaが30nm〜200nm、表面にサイズの異なるテクスチャを有し、そのテクスチャ幅の平均値が100nm〜10μmである酸化物透明導電膜において、当該テクスチャ内面に微細な柱状の凸部を有し酸化亜鉛を主成分とするものである。
【0019】
本発明の酸化物透明導電膜の中心線平均粗さRaは30nm〜200nmである。好ましくは、40nm〜200nm、より好ましくは50nm〜200nmである。このような範囲とすることで高い光散乱能を得ることができる。
【0020】
本発明の酸化物透明導電膜はその表面にサイズの異なるテクスチャを有する。ここで、テクスチャとは、表面の微細な凹部を意味するが、その形状には特に限定はなく、凹型レンズ状、V字状のくぼみ等を挙げることができる。そのテクスチャの幅とは、1つのテクスチャを二本の平行な線ではさんだとき、二直線間の距離が最大となる値をいう。本発明において、テクスチャの幅の平均値は100nm〜10μmであり、150nm〜5μmが好ましく、150nm〜3μmがさらに好ましい。このように、表面にサイズの異なるテクスチャが形成された薄膜は、特定サイズのテクスチャが形成された薄膜と比較して高い光散乱能を示す。
【0021】
本発明の酸化物透明導電膜は、そのテクスチャ内面にさらに微細な柱状の凸部を有する。すなわち、前記したように幅の平均値が100nm〜10μmのテクスチャの内面に微細な柱状の凸部が形成されている。このような微細な柱状の凸部が形成されることにより、光散乱能を著しく高めることができる。特に、前記のテクスチャ内面に形成された微細な柱状の凸部の平均径は10〜80nmが好ましく、15〜75nmが更に好ましい。また微細な柱状の凸部の高さが80nm以下であることが好ましく、5〜50nmが更に好ましい。これにより広い波長域でヘイズ率を高めることが可能である。
【0022】
ここで微細な柱状の凸部の平均径とは、当該凸部の高さの1/2における直径の平均値である。また微細な凸部の高さとは、膜の断面を走査型顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、当該凸部の頭頂部からテクスチャ曲面への法線の長さである。また微細な柱状の凸部は、テクスチャ内面の単位面積当たり7.0×10
9〜1.0×10
10個/cm
2存在することが好ましく、またその頭頂部は尖った形状を有していても平らであってもよい。
【0023】
本発明においては、前記したテクスチャ形状が凹型レンズ状であることがより好ましい。ここで、凹型レンズ状テクスチャについて詳細に説明する。凹型レンズ状テクスチャは、膜を通過する光を屈折させる小型レンズとして作用する。凹型レンズ状テクスチャの形状については特に限定はなく、深さ方向の曲面形状は円弧形であるが、必ずしも完全な円弧である必要はない。また、凹型レンズの真上から見た形状は完全円形である必要はない。凹型レンズの深さとは、1つの凹型レンズの、水平方向に対して最も低い位置にある点と最も高い位置にある点との高低差を表す。凹型レンズの幅/深さとは、凹型レンズの幅とレンズの深さとの比を意味する。凹型レンズの幅/深さの値は各レンズが有する光散乱能を決定する主要要因の一つである。凹型レンズの幅/深さの値が小さいことはレンズが深く狭く形成されていることを表し、凹型レンズの幅/深さの値が大きいことは浅く平面的なレンズが形成されていることを意味する。本発明において、凹型レンズの幅/深さは、平均値が1〜5であることがより好ましく、1〜3が一層好ましい。
【0024】
本発明の透明導電膜の表面形状および構成の一例を、
図1を用いて模式的に説明する。本発明の透明導電膜は、例えば
図1に示されるように、膜表面に複数の凹型レンズ状テクスチャが互いに境界を共有してランダムに配置されている。ここで、境界を共有するとは、一つのレンズ輪郭が隣接するレンズ輪郭に一点以上で接していることを意味する。また、ランダムに配置とは凹型レンズが特定の規則性を持たずに配置されていること意味する。これらの凹型レンズ状テクスチャが薄膜表面に占める割合は薄膜表面積の90%以上であることが好ましい。
【0025】
光散乱能を高めるためにこれら凹型レンズ状テクスチャは、凹型レンズ状テクスチャaの内部に凹型レンズ状テクスチャbを有していることが好ましい。かつ凹型レンズ状テクスチャaまたはbの端部が他の凹型レンズ状テクスチャaまたはbと境界を共有する構造となっているとよい。
【0026】
また、凹型レンズ状テクスチャa内部に存在する凹型レンズ状テクスチャbの幅は、凹型レンズ状テクスチャaの幅より小さく、好ましくは凹型レンズ状テクスチャaの幅の80%以下である。凹型レンズ状テクスチャbの幅がaの幅の80%を超えると、テクスチャの複雑さが低下するため光散乱能が低下する。
【0027】
膜表面に形成されたa、bの凹型レンズ幅/深さの平均値は1〜5であることが好ましい。凹型レンズ幅/深さの平均値が5を超えると光を効率的に散乱する曲率が無くなるため光散乱能が低下する。また、凹型レンズ幅/深さの平均値が1未満となると凹型レンズの曲面と基板とがなす角が大きくなり、凹型レンズ曲面での全反射を誘起するため、光の散乱能を低下させてしまう。
【0028】
また、多様なサイズの凹型レンズが互いに境界を共有してランダムに配置されて表面テクスチャを構成している方が光散乱能の向上が期待できる。
【0029】
膜表面に形成される凹型レンズ状テクスチャa、bの総数は合計で1.0×10
6〜5.0×10
6個/mm
2が好ましく、より好ましくは2.0×10
6〜4.0×10
6個/mm
2である。a、bの数の割合はaが10〜80%、bが90〜20%であることが好ましい。より好ましくはaが30〜70%、bが70〜30%である。ただし、a+b=100%である。
【0030】
凹型レンズの総数が1.0×10
6個/mm
2を下回ると表面テクスチャの形状の複雑さが低下するため光散乱能が低下する恐れがある。さらにa、bの割合が偏りすぎると表面テクスチャの形状の複雑さが低下するため光散乱能が低下することがある。
【0031】
本発明において、これら表面形状は以下に示す方法により測定することが可能である。
すなわち、膜表面を走査型電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微鏡(AFM)、または透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、得られる観察写真より凹型レンズの幅、深さ、膜表面のテクスチャ形状を解析し、表面に形成された凹型レンズの数、凹型レンズサイズの分布、表面粗さ、表面積を求めることができる。また、テクスチャ内面に微細な柱状の凸部を観測することができる。
【0032】
本発明では、光散乱能を評価するパラメータとしてヘイズ率(H)を使用する。ヘイズ率は評価するサンプルを透過する光の中、サンプルによって散乱された光の量を表しており、この値が大きいとき、その物質の光散乱能は大きいことを意味し、一般的に光散乱を評価するパラメータとして用いられる。ここで、ヘイズ率は、サンプルの透過率(Ta)と散乱透過率(Td)を用いて以下のように定義される。
H(%)=(Td(%)/Ta(%))×100
前述のように本発明の酸化物透明導電膜において、テクスチャ内面に存在する微細な柱状の凸部の平均径が10〜80nmであり、当該凸部の高さが80nm以下であると、波長400nm〜600nmにおけるヘイズ率の平均値が90%以上、かつ波長600nm〜1000nmにおけるヘイズ率の平均値が40%以上となる。テクスチャ内面に存在する微細な柱状の凸部の平均径や高さが上記範囲を逸脱すると、広い波長域でヘイズ率を高める効果が小さくなる。
【0033】
本発明の酸化物透明導電膜は、Cuを線源とするX線回折パターン(XRD)の2Θ=30〜40°の範囲内に検出される回折ピークが六方晶系ウルツ型構造に帰属される(100)面、(002)面、(101)面のみから構成されることが好ましい。このような回折パターンであることにより、広い波長域でヘイズ率が高く、抵抗の低い膜が得られる。
【0034】
本発明の酸化物透明導電膜は、主として亜鉛、元素M(Mはアルミニウム及び/またはガリウム)、チタン及び酸素から構成され、その原子比が、
(M+Ti)/(Zn+M+Ti)=0.010〜0.055
M/(Zn+M+Ti)=0.002〜0.025
Ti/(Zn+M+Ti)=0.002〜0.048
であることが好ましい。この範囲とすることで、低抵抗で赤外領域の光透過率と耐久性に優れた膜を得ることが可能となる。特に(M+Ti)/(Zn+M+Ti)は好ましくは0.010〜0.05である。また、M/(Zn+M+Ti)は好ましくは0.003〜0.02である。Ti/(Zn+M+Ti)は好ましくは0.003〜0.04、さらに好ましくは0.003〜0.03である。
【0035】
ここで、元素Mはアルミニウムが含まれていることがより好ましい。元素Mにアルミニウムが含まれることにより、耐久性が改善されるからであり、アルミニウム、ガリウム各元素をそれぞれAl、Gaとしたときに、Al/(Al+Ga)=0.5〜1であることが好ましく、一層好ましくは0.8〜1である。
【0036】
なお、本発明においては、不可避的な微量の不純物の混入は問わない。
【0037】
次に、本発明の透明導電膜を成膜する方法について説明する。
【0038】
本発明では、表面の中心線平均粗さRaが30nm〜200nm、表面にサイズの異なるテクスチャを有し、そのテクスチャ幅の平均値が100nm〜10μmである酸化物透明導電膜において、当該テクスチャ内面に微細な柱状の凸部を有し、酸化亜鉛を主成分とする酸化物透明導電膜が最終的に得られる成膜方法であれば、特に限定されることはないが、大面積に均一な膜厚で成膜可能で有る点で、酸化亜鉛を主成分とする酸化亜鉛系ターゲットを用いたスパッタリング法により成膜されることが好ましい。
【0039】
特に、Tiと元素Mを前述の割合で含有する酸化亜鉛系ターゲットを用いることが好ましい。このターゲットの組成は、好ましくは元素M(M=Alおよび/またはGa)およびTiがそれぞれ
(M+Ti)/(Zn+M+Ti)=0.010〜0.055
M/(Zn+M+Ti)=0.002〜0.025
Ti/(Zn+M+Ti)=0.002〜0.048
である。特に(M+Ti)/(Zn+M+Ti)は好ましくは0.010〜0.05である。また、M/(Zn+M+Ti)は好ましくは0.003〜0.02である。Ti/(Zn+M+Ti)は好ましくは0.003〜0.04、さらに好ましくは0.003〜0.03である酸化亜鉛系ターゲットを用いることが好ましい。このような組成範囲とすることにより、当該酸化亜鉛系ターゲットを用いて得られる酸化物透明導電膜を、低抵抗で赤外領域の光透過率と耐久性に優れた膜とすることが可能となる。
【0040】
ここで、元素Mはアルミニウムが含まれていることがより好ましい。これは、元素Mにアルミニウムが含まれることにより、得られる酸化物透明導電膜の耐久性が改善されるからであり、アルミニウム、ガリウム各元素をそれぞれAl、Gaとしたときに、Al/(Al+Ga)=0.5〜1であることが好ましく、一層好ましくは0.8〜1である。
【0041】
このような酸化亜鉛系ターゲットは、例えば、所定の組成を有する原料粉末を混合、成形、焼結し、得られた焼結体を用いて構成することができる。
【0042】
本発明の酸化物透明導電膜の成膜方法として、スパッタリング法を用いた場合、その方法にはDCスパッタリング法、RFスパッタリング法、ACスパッタリング法、DCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法等を適宜選択することができるが、これらの中、大面積に均一に、かつ高速成膜可能な点でDCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法が好ましい。
【0043】
スパッタリング時に用いられる基材の温度は特に限定されるものではないが、その基材の耐熱性に影響される。例えば、無アルカリガラスを基材とした場合は通常250℃以下、樹脂製のフィルムを基材とした場合は、通常150℃以下が好ましい。もちろん、石英、セラミックス、金属等の耐熱性に優れた基材を用いる場合には、それ以上の温度で成膜することも可能である。このような状況の中、スパッタリング時に用いられる基材の温度は適宜選択されるものであるが、一般的には100〜250℃で成膜されることが好ましい。
酸化亜鉛を主成分とする酸化物透明導電膜の場合、基材の温度が100℃を下回ると結晶性が低下し、光学特性が悪化することがある。基材の温度が250℃を上回ると積層膜相互での元素拡散等の問題が生じることがあり、そのための処理等が煩雑になるため、好ましくない。
【0044】
スパッタリング時の雰囲気ガスは、不活性ガス、例えばアルゴンガスを用いる。必要に応じて、酸素ガス、窒素ガス、水素ガス等を用いてもよいが、通常は酸素分圧0.1%以下のアルゴン雰囲気で行う。酸素分圧が1%以上では所望のテクスチャが得られない恐れがある。
【0045】
スパッタガス圧は0.2〜0.6Paであることが好ましい。この圧力範囲において、Tiおよび元素M(Alおよび/またはGa)を添加した酸化亜鉛ターゲットを用いて成膜を行うことで所望のテクスチャとなる膜が得られやすくなる。
【0046】
スパッタ圧が1.0Paを上回ると所望の表面テクスチャを得ることが難しくなる。また、0.2Paを下回ると表面処理で形成される凹型レンズの数が著しく減少し、光散乱能が悪化することがある。
【0047】
本発明で用いられる基材については特に限定はない。例えば、アルミニウム、銅、ステンレス等の金属、アルミナ、チタニア、シリコンカーバイド等のセラミックス、ガラスなどの無機基材に成膜し、基体とすることができる。さらに成膜温度を250℃以下とできるためPET(ポリエチレンテレフタラート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルスルホン)、COP(シクロオレフィンポリマー)、ポリイミド、TAC(トリアセチルセルロース)フィルム、アクリルフィルムなどの有機基材に成膜し、基体とすることができる。ここで、基体とは薄膜が成膜された基材を意味する。
【0048】
次に表面処理について説明する。酸化亜鉛を主成分とする酸化物透明導電膜に施す表面処理として、本発明においてはウェットエッチングを行う。
【0049】
このウェットエッチングには、無機酸の水溶液として、無機酸(硫酸、塩酸、硝酸、リン酸など)の水溶液または複数の無機酸を混合した水溶液を用いることができ、またアルカリ性水溶液として、アルカリ(アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物など)の水溶液または複数のアルカリを混合した水溶液を用いることができ、いずれも膜表面に接触させればよい。無機酸の水溶液としては特に水素イオン濃度が0.001〜0.2mol/lであることが好ましく、酸の種類としては塩酸を用いることがさらに好ましい。それは塩酸の塩化物イオンのサイズが他の酸(硝酸、硫酸等)の陰イオンより小さいからである。
【0050】
本発明においては、無機酸の水溶液で表面処理した後、アルカリ性水溶液で表面処理することが必須である。酸、アルカリとpHの異なる溶液を用いることにより、様々な微細な凹凸を膜表面に個別に形成することが可能となり、より高い光散乱性能を得ることが可能となる。このとき、エッチングされる膜は物理的蒸着(PVD)法、中でも特にスパッタリング法により成膜されていることがより好ましい。酸化亜鉛を主成分とする酸化物透明導電膜は、物理蒸着(PVD)法によって、化学蒸着(CVD)法等と比較して結晶性に優れた膜を得やすいため、エッチングにより高い光散乱能を有する膜が得ることが容易になる。中でもスパッタリング法は大面積に均一な成膜が可能であるため、大面積のエッチング後の膜を得るためには好適である。
エッチングに用いる溶液の液温は、特に限定されるものではないが、通常、室温〜沸点未満で行う。
【0051】
さらに好ましくは、酸、アルカリそれぞれの溶液でのエッチングはそれぞれ複数回に分けて行う方が良く、短時間のエッチングを繰り返した方が高い光散乱能を得やすい。
このようにして表面処理された基体は太陽電池、フォトダイオード、光センサー、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ、光情報伝達装置などに用いる電子素子または光学素子に好適に応用される。