特許第5966688号(P5966688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産リード株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5966688-配線構造及び基板検査装置 図000002
  • 特許5966688-配線構造及び基板検査装置 図000003
  • 特許5966688-配線構造及び基板検査装置 図000004
  • 特許5966688-配線構造及び基板検査装置 図000005
  • 特許5966688-配線構造及び基板検査装置 図000006
  • 特許5966688-配線構造及び基板検査装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5966688
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】配線構造及び基板検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/28 20060101AFI20160728BHJP
   G01R 31/02 20060101ALI20160728BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   G01R31/28 K
   G01R31/02
   G01R1/073 D
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-150413(P2012-150413)
(22)【出願日】2012年7月4日
(65)【公開番号】特開2014-13181(P2014-13181A)
(43)【公開日】2014年1月23日
【審査請求日】2015年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】392019709
【氏名又は名称】日本電産リード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100143373
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 裕人
(74)【代理人】
【識別番号】100129621
【弁理士】
【氏名又は名称】板坂 清司
(72)【発明者】
【氏名】山下 宗寛
【審査官】 濱本 禎広
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−230335(JP,A)
【文献】 特開2011−227059(JP,A)
【文献】 特開2008−309587(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/28−31/3193
G01R 1/06− 1/073
G01R 31/02−31/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象基板の電気的特性に関する検査に用いられる検査治具に設けられた複数のプローブと、検査用の電源及び電気特性検出部が設けられる検査回路部と前記検査治具のプローブとの電気的な接続関係を切り替える複数の接続切替ユニットとの間を配線により電気的に接続する配線構造であって、
前記複数の接続切替ユニットは、前記検査治具のプローブ側との接続のための複数のユニット端子をそれぞれ有し、
前記複数のプローブの数は、前記複数の接続切替ユニットが有する前記ユニット端子の数より少なく、
前記検査治具の前記プローブと前記接続切替ユニットの前記ユニット端子とが、前記各接続切替ユニットの前記プローブと接続された前記ユニット端子の数が前記接続切替ユニット間で実質的に均等になるように配線により電気的に接続されることを特徴とする配線構造。
【請求項2】
請求項1に記載の配線構造において、
前記検査治具には、前記複数のプローブの端部がそれぞれ接触されて電気的に接続された複数の電極部が設けられ、
前記接続切替ユニットは、略カード状の形態を有し、前記複数のユニット端子が列をなすように配列され、互いに並列配置された状態で前記ユニット端子が、中継コネクタの略マトリクス状に配設された複数の接続ピンの一端部に電気的に接続され、
前記検査治具の前記プローブが、前記電極部を介して配線により前記中継コネクタの前記接続ピンの他端部に電気的に接続されることを特徴とする配線構造。
【請求項3】
請求項2に記載の配線構造において、
前記検査治具の各電極部が、前記各接続切替ユニットの前記ユニット端子が電気的に接続される前記中継コネクタの各列の前記接続ピンに順番に振り分けられて前記配線により電気的に接続されることを特徴とする配線構造。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の配線構造において、
前記検査回路部には、当該検査回路部から前記接続切替ユニット及び前記検査治具の前記プローブを介して前記検査対象基板に供給される電流を検出する電流検出部が、1又は複数の前記接続切替ユニットごとに設けられていることを特徴とする配線構造。
【請求項5】
検査対象基板の電気的特性に関する検査を行う基板検査装置であって、
複数のプローブとそのプローブの端部がそれぞれ接触されて電気的に接続される複数の電極部とを有する検査治具と、
検査用の電源及び電気特性検出部が設けられる検査回路部と、
前記検査治具のプローブ側との接続のための複数のユニット端子をそれぞれ有し、前記検査治具のプローブと前記検査回路部との電気的な接続関係を切り替える複数の接続切替ユニットと、
前記検査回路部及び前記接続切替ユニットを制御する検査制御部と、
前記検査治具の前記電極部と前記接続切替ユニットの前記ユニット端子とを、前記各接続切替ユニットの前記プローブと接続された前記ユニット端子の数が前記接続切替ユニット間で実質的に均等になるように電気的に接続する配線接続部と、
を備え
前記複数のプローブの数は、前記複数の接続切替ユニットが有する前記ユニット端子の数より少ないことを特徴とする基板検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象基板の電気的特性を検査する基板検査装置に用いられる検査治具のプローブと接続切替ユニットとの間を配線により接続する配線構造及び基板検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の基板検査装置では、検査用の電源及び電気特性検出部が設けられる検査回路部と検査治具のプローブとの電気的な接続関係を切り替える複数の接続切替ユニットが設けられる。検査治具には、複数のプローブとそのプローブにそれぞれ接続された複数の電極部とが設けられる。各接続切替ユニットには、検査治具のプローブ側との接続のために複数のユニット端子が設けられる。そして、その各接続切替ユニットのユニット端子と、検査治具の電極部とは、複数の配線を有する配線接続部によってそれぞれ接続される。
【0003】
各接続切替ユニットのユニット端子と、検査治具の電極部との間の従来の配線構造について、実施形態の説明図面である図5及び図6を参照して説明する。ここで、図5は検査治具の電極保持部材によって保持された複数の電極部の構成を模式的に示す平面図であり、図6は接続切替ユニットのユニット端子が接続される中継コネクタの接続ピンを接続切替ユニットが接続される側と反対側から見たときの平面図である。図5中の符号E1〜Enは電極部を示しており、例えば向かって左上隅の電極部から右下隅の電極部に向けて順番に付与されている。なお、電極部を総称する場合は符号「E」を用いる。
【0004】
図6中の符号CP1−1〜CP1−yは、第1番目(最初)の接続切替ユニットSC1のユニット端子に接続された接続ピンを示し、符号CP2−1〜CP2−yは、第2番目の接続切替ユニットSC2のユニット端子に接続された接続ピンを示し、符号CPm−1〜CPm−yは、第m番目(最後)の接続切替ユニットSCmのユニット端子に接続された接続ピンを示している。
【0005】
そして、従来の配線構造では、配線接続部の配線によって、検査治具の各電極部Eが、例えば符号E1〜Enの順番で、まず第1番目の接続切替ユニットSC1に接続された接続ピンCP1−1〜CP1−yに順番に接続される。そして、まだ未接続の電極部Eがある場合は、その電極部Eが符号の若いものから順に、第2番目の接続切替ユニットSC2に接続された接続ピンCP2−1〜CP2−yに順番に接続される。そして、まだ未接続の電極部Eがある場合は、その電極部Eが符号の若いものから順に、第3番目の接続切替ユニットSC3に接続された接続ピンCP3−1〜CP3−yに順番に接続される。以下、全ての電極部Eの接続が完了するまで、この手順で接続が行われていく。
【0006】
なお、先行技術文献としては、例えば特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−98090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の従来の配線構造では、検査治具に設けられるプローブの数が中継コネクタの接続ピンの数よりも少ない場合、中継コネクタに接続される複数の接続切替ユニットのうち、検査治具のプローブがまったく接続されない接続切替ユニットが生じる場合がある。この場合、一部の接続切替ユニット及びそれに付随する構成が全く使用されない状態となるため、検査対象基板に対する検査処理による接続切替ユニットに対する処理負荷がプローブと接続された接続切替ユニットに偏り、検査効率が上がらないという問題がある。この検査効率の問題は、プローブの数が中継コネクタの接続ピンの数よりも大幅に少なく、1番目の接続切替ユニットに接続された1列目の接続ピンだけでプローブとの接続が完了した場合に最も顕著となる。
【0009】
そこで、本発明の解決すべき課題は、複数の接続切替ユニット及びそれらに関連する構成を効率よく使用し、検査効率の向上が図れる配線構造及び基板検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明に係る第1の局面では、検査対象基板の電気的特性に関する検査に用いられる検査治具に設けられた複数のプローブと、検査用の電源及び電気特性検出部が設けられる検査回路部と前記検査治具のプローブとの電気的な接続関係を切り替える複数の接続切替ユニットとの間を配線により電気的に接続する配線構造であって、前記複数の接続切替ユニットは、前記検査治具のプローブ側との接続のための複数のユニット端子をそれぞれ有し、前記複数のプローブの数は、前記複数の接続切替ユニットが有する前記ユニット端子の数より少なく、前記検査治具の前記プローブと前記接続切替ユニットの前記ユニット端子とが、前記各接続切替ユニットの前記プローブと接続された前記ユニット端子の数が前記接続切替ユニット間で実質的に均等になるように配線により電気的に接続される。
【0011】
また、本発明に係る第2の局面では、上記第1の局面に係る配線構造において、前記検査治具には、前記複数のプローブの端部がそれぞれ接触されて電気的に接続された複数の電極部が設けられ、前記接続切替ユニットは、略カード状の形態を有し、前記複数のユニット端子が列をなすように配列され、互いに並列配置された状態で前記ユニット端子が、中継コネクタの略マトリクス状に配設された複数の接続ピンの一端部に電気的に接続され、前記検査治具の前記プローブが、前記電極部を介して配線により前記中継コネクタの前記接続ピンの他端部に電気的に接続される。
【0012】
また、本発明に係る第3の局面では、上記第2の局面に係る配線構造において、前記検査治具の各電極部が、前記各接続切替ユニットの前記ユニット端子が電気的に接続される前記中継コネクタの各列の前記接続ピンに順番に振り分けられて前記配線により電気的に接続される。
【0013】
また、本発明に係る第4の局面では、上記第1ないし第3のいずれかの局面に係る配線構造において、前記検査回路部には、当該検査回路部から前記接続切替ユニット及び前記検査治具の前記プローブを介して前記検査対象基板に供給される電流を検出する電流検出部が、1又は複数の前記接続切替ユニットごとに設けられている。
【0014】
また、本発明の第5の面では、検査対象基板の電気的特性に関する検査を行う基板検査装置であって、複数のプローブとそのプローブの端部がそれぞれ接触されて電気的に接続される複数の電極部とを有する検査治具と、検査用の電源及び電気特性検出部が設けられる検査回路部と、前記検査治具のプローブ側との接続のための複数のユニット端子をそれぞれ有し、前記検査治具のプローブと前記検査回路部との電気的な接続関係を切り替える複数の接続切替ユニットと、前記検査回路部及び前記接続切替ユニットを制御する検査制御部と、前記検査治具の前記電極部と前記接続切替ユニットの前記ユニット端子とを、前記各接続切替ユニットの前記プローブと接続された前記ユニット端子の数が前記接続切替ユニット間で実質的に均等になるように電気的に接続する配線接続部と、を備え、前記複数のプローブの数は、前記複数の接続切替ユニットが有する前記ユニット端子の数より少ない
【発明の効果】
【0015】
本発明の第1ないし第5の局面によれば、検査対象基板の電気的特性に対する検査処理による接続切替ユニットに対する処理負荷を実質的に全ての接続切替ユニットに分散させて、負荷が一部の接続切替ユニットに偏るのを回避できる。その結果、実質的に全ての接続切替ユニット及びそれらに関連する構成を効率よく使用し、検査効率の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る配線構造が適用された基板検査装置の全体的な構成を模式的に示す図である。
図2】検査治具の要部の構成を示す断面図である。
図3図1の基板検査装置によって検査対象基板の配線パターンの導通検査が行われる際の回路構成を示す図である。
図4】接続切替ユニットの構成を模式的に示す正面図である。
図5図2の検査治具における電極保持部材によって保持された複数の電極部の構成を模式的に示す平面図である。
図6】接続切替ユニットのユニット端子が接続される中継コネクタの接続ピンを接続切替ユニットが接続される側と反対側から見たときの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1ないし図6を参照して、本発明の一実施形態に係る配線構造が適用された基板検査装置について説明する。この基板検査装置1は、図1ないし図3に示すように、検査治具11、検査処理部12、接続切替部13、中継コネクタ14、及び配線接続部15とを備えている。接続切替部13は、複数の接続切替ユニットSC1〜SCm(これらを総称する場合は、符号「SC」を用いる)(mは2以上の整数)を有している。
【0018】
検査治具11は、複数のプローブP1〜Pn(これらを総称する場合は、符号「P」を用いる)(nは2以上の整数)と、複数の電極部E1〜En(これらを総称する場合は、符号「E」を用いる)(図5参照)と、先端側及び後端側プローブ保持部材111,112と、電極保持部材113とを備えており、検査対象基板2の電気的特性の検査に用いられる。ここでは、基板検査装置1を用いて、例えば検査対象基板2に設けられた複数の配線パターン21(図3参照)の導通性に関する検査が行われる。
【0019】
導通性の検査は、例えば、配線パターン21上の離れた2点に設けられた検査点22及びその検査点22に接触されたプローブPを介して電流を供給し、そのときに配線パターン21に付与された電圧と、配線パターン21に供給される電流とを検出する。そして、その検出結果に基づいて、配線パターン21の模擬的な抵抗値を算出し、その算出した抵抗値が所定の基準抵抗値以下であるか否かを判定する。算出抵抗値が基準抵抗値以下であれば配線パターン21の導通性に異常がないと判定され、算出抵抗値が基準抵抗値を上回っていれば配線パターン21の導通性に異常があると判定される。
【0020】
複数のプローブP1〜Pnは、その先端部が、検査対象基板2に設けられた対応する検査点22(図3参照)にそれぞれ接触可能に配置されている。先端側及び後端側プローブ保持部材111,112には、プローブPの先端側の部分及び後端側の部分がそれぞれ挿通されて保持される保持孔111a,112aが設けられている。このような先端側及び後端側プローブ保持部材111,112は、互いに間隔をあけた状態で連結部材116により連結固定されている。
【0021】
電極部Eは、先端側及び後端側プローブ保持部材111,112によって保持された各プローブPにそれぞれ対応する位置に配置され、対応する各プローブPの後端部が接触されて電気的に接続される。電極保持部材114には、上下に貫通する複数の保持孔114aが設けられており、その保持孔114aによって電極部Eが保持される。各電極部Eには、後述する配線接続部15の配線151の一端部が電気的に接続される。ここでは、例えば、電極部Eは、配線151の導体部分の端部によって構成されている。
【0022】
検査処理部12は、検査制御部121及び検査回路部122を備えている。検査制御部121は、この基板検査装置1全体の制御を司るとともに、検査回路部122の検出結果に基づいて、検査対象基板2の電気的特性(例えば、配線パターンの導通性等)に関する検査を行う。
【0023】
検査回路部122は、電源部1221(図3参照)、電圧検出部1222(図3参照)、及び複数の電流検出部1223を備えて構成されている。なお、図1では図示の便宜上、電流検出部1223が検査回路部122の枠外に記載されているが、電流検出部1223は検査回路部122に含まれている。電源部1221は、検査制御部121の制御により、後述する接続切替部13及び検査治具11のプローブPを介して、例えば検査対象基板2の複数の配線パターン21のうちから選択された配線パターン21に検査用の電源(例えば、電流)を供給する。電圧検出部1222は、接続切替部13及び検査治具11のプローブPを介して、例えば検査対象基板2の複数の配線パターン21のうちから選択された配線パターン21に付与されている電圧を検出して、検出結果を検査制御部121に与える。
【0024】
電流検出部1223は、図1に示すように、後述する接続切替部13に設けられる1又は複数の接続切替ユニットSCごとに1つずつ設けられている(図1の図示例では、各接続切替ユニットSCごとに1つずつ設けられている)。そして、電流検出部1223は、接続切替部13の対応する接続切替ユニットSC及び検査治具11のプローブPを介して、例えば検査対象基板2の複数の配線パターン21のうちから選択された配線パターン21に供給されている電流を検出して、検出結果を検査制御部121に与える。
【0025】
接続切替部13の接続切替ユニットSCは、検査制御部121によりオン、オフ制御される複数のスイッチング素子を有しており、検査治具11の割り当てられたプローブPと検査回路部122との間の電気的な接続関係を切り替える。このような接続切替ユニットSCは、図4に示すように、略カード状の形態を有しており、検査治具11のプローブP側との接続のための列をなして配列された複数のユニット端子131と、検査回路部122等との接続のための列をなして配列された複数のユニット端子132とを有している。ここで、ユニット端子131の数をy個(yは2以上の整数)とする。
【0026】
中継コネクタ14は、接続切替ユニットSCと後述する配線接続部15との間の電気的な接続を中継するものであり、図1及び後述する図5に示すように、絶縁性のベース部141に略マトリクス状に立設された複数の接続ピンCP1−1〜CP1−y,CP2−1〜CP2−y,CP3−1〜CP3−y,・・・,CPm−1〜CPm−y(これらを総称する場合は符号「CP」を用いる)が設けられている。なお、中継コネクタ14を、接続切替ユニットSC側の第1分割コネクタと、検査治具11側の第2分割コネクタとに2分割して構成し、それらの分割コネクタを嵌合させて中継コネクタ14を構成してもよい。
【0027】
マトリクス状に配列された接続ピンCPの各列に属する接続ピンCPの数(y)は接続切替ユニットSCに設けられるユニット端子131の数(例えば、64本)と一致しており、その各列の接続ピンCPの一端部に各接続切替ユニットSCのユニット端子131が雄雌嵌合等により電気的に接続される。
【0028】
配線接続部15は、各接続切替ユニットSCのユニット端子131に接続された中継コネクタ14の接続ピンCPと、検査治具11の各プローブPに接続された電極部Eとをそれぞれ電気的に接続する複数の配線151を備えている。各配線151の導体部分の一方側の端部は、上述の如く電極部Eを構成しており、各配線151の導体部分の他方側の端部は、中継コネクタ14の接続ピンCPの他端部に接続されている。
【0029】
次に、図5及び図6を参照して、本実施形態に係る基板検査装置1における配線接続部15による接続切替ユニットSC側と検査治具11側との間の具体的な配線構造について説明する。図5中の符号E1〜Enは電極部を示しており、例えば向かって左上隅の電極部から右下隅の電極部に向けて順番に付与されている。
【0030】
図6中の符号CP1−1〜CP1−yは、第1番目(最初)の接続切替ユニットSC1のユニット端子131に接続された接続ピンCPを示し、符号CP2−1〜CP2−yは、第2番目の接続切替ユニットSC2のユニット端子131に接続された接続ピンCPを示し、符号CPm−1〜CPm−yは、第m番目(最後)の接続切替ユニットSCmのユニット端子131に接続された接続ピンCPを示している。
【0031】
そして、本実施形態に係る配線構造では、検査治具11に設けられるプローブPの数が接続切替ユニットSCのユニット端子131が接続された中継コネクタ14の接続ピンCPの数よりも少ない場合において、配線接続部15の複数の配線151によって、検査治具のプローブPが接続された各電極部Eと、接続切替ユニットSCのユニット端子131が接続された中継コネクタ14の接続ピンCPとが、各接続切替ユニットSCのプローブP(電極部E)と接続されたユニット端子131の数が接続切替ユニットSC間で実質的に均等になるように振り分けて接続されている。
【0032】
より具体的には、検査治具11の各電極部Eを、各接続切替ユニットSCが接続される中継コネクタ14の各列の接続ピンCPに順番に振り分けて接続している。例えば、検査治具11の各電極部Eが、符号E1〜Enの順番で、まず各接続切替ユニットSCの1番目(列端部)のユニット端子131に接続された接続ピンCP1−1〜CPm−1に符号CP1−1〜CPm−1の順に順番に接続される。そして、まだ未接続の電極部Eがある場合は、その電極部Eが符号の若いものから順に、各接続切替ユニットSCの2番目のユニット端子131に接続された接続ピンCP1−2〜CPm−2に符号CP1−2〜CPm−2の順に順番に接続される。そして、まだ未接続の電極部Eがある場合は、その電極部Eが符号の若いものから順に、各接続切替ユニットSCの3番目のユニット端子131に接続された接続ピンCP1−3〜CPm−3に符号CP1−3〜CPm−3の順に順番に接続される。以下、全ての電極部Eの接続が完了するまで、この手順で接続が行われていく。
【0033】
また、本実施形態では、接続ピンCPの接続順番が、接続切替ユニットSCが配列される方向に対して、90度ずれて順序付けて接続されることになるため、接続切替ユニットSCと接続順序が縦方向と横方向の関係となるように接続されることもできる。
【0034】
このような本実施形態に係る配線構造によれば、検査治具11に設けられるプローブPの数が接続切替ユニットSCのユニット端子131が接続された中継コネクタ14の接続ピンCPの数よりも少ない場合において、配線接続部15の複数の配線151によって、検査治具の各電極部Eと中継コネクタ14の接続ピンCPとが、各接続切替ユニットSCのプローブP(電極部E)と接続されたユニット端子131の数が接続切替ユニットSC間で実質的に均等になるように振り分けて接続されている。それ故、検査対象基板2の配線パターン21に対する検査処理(ここでは、導通検査処理)による接続切替ユニットSCに対する処理負荷を実質的に全ての接続切替ユニットSCに分散させて、負荷が一部の接続切替ユニットSCに偏るのを回避できる。その結果、実質的に全ての接続切替ユニットSC及びそれらに関連する構成(特に、電流検出部1223)を効率よく使用し、検査効率の向上が図れる。
【0035】
例えば、検査治具11に設けられるプローブPの数が接続切替ユニットSCの数と同数のm個である場合であっても、各プローブPを介した検査処理による負荷を、全ての接続切替ユニットSC及びそれに付随する電流検出部1223を分散することができる。その結果、検査対象基板2に設けられた配線パターン21、検査点22と検査治具11のプローブPとの接続関係によっては、複数の電流検出部1223を同時に使用して、複数の配線パターン21の導通検査を同時並行で行うことも可能となり、検査に要する時間の短縮が図れる。
【符号の説明】
【0036】
1 基板検査装置、11 検査治具、111 先端側プローブ保持部材、112 後端側プローブ保持部材、113 電極部、114 電極保持部材、116 連結部材、12 検査処理部、121 検査制御部、122 検査回路部、1221 電源部、1222 電圧検出部、1223 電流検出部、13 接続切替部、131,132 ユニット端子、14 中継コネクタ、141 ベース部、15 配線接続部、151 配線、2 検査対象基板、21 配線パターン、22 検査点、CP,CP1−1〜CP1−y,CP2−1〜CP2−y,CP3−1〜CP3−y,・・・,CPm−1〜CPm−y 接続ピン、E,E1〜En 電極部、P,P1〜Pn プローブ、SC,SC1〜SCm 接続切替ユニット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6