特許第5968041号(P5968041)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社トクヤマの特許一覧

特許5968041光硬化性ナノインプリント用組成物およびパターンの形成方法
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5968041
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】光硬化性ナノインプリント用組成物およびパターンの形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20160728BHJP
   C08F 2/44 20060101ALI20160728BHJP
   C08G 77/04 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   H01L21/30 502D
   C08F2/44 C
   C08G77/04
【請求項の数】6
【全頁数】54
(21)【出願番号】特願2012-97939(P2012-97939)
(22)【出願日】2012年4月23日
(65)【公開番号】特開2013-225625(P2013-225625A)
(43)【公開日】2013年10月31日
【審査請求日】2015年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003182
【氏名又は名称】株式会社トクヤマ
(72)【発明者】
【氏名】金川 聖忠
(72)【発明者】
【氏名】梅川 秀喜
(72)【発明者】
【氏名】川端 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 優子
【審査官】 今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/155365(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/137176(WO,A1)
【文献】 特開2013−012673(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/111656(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/161944(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 1/00−1/86、7/20−7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記式(1)
【化1】
(式中、
、R同種又は異種の炭素数1〜4のアルキル基であり、
アリール基であり、
アリール基または炭素数1〜4のアルコキシ基であり、
nは1〜10の整数である)で示される有機珪素化合物の加水分解物、および
下記式(2)
【化2】
(式中、
は、水素原子、またはメチル基であり、
は、炭素数1〜20のアルキレン基または炭素数3〜10のシクロアルキレン基であり、
は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜4のシクロアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基であり、
は、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数3〜4のシクロアルキル基であり、
lは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、kは1〜3の整数であり、
l+m+kは4であり、
、R、R、およびRがそれぞれ、複数存在する場合には、複数のR、R、R、およびRは、それぞれ、同種又は異種の基であってよい)
で示される(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物の加水分解物を含む加水分解物混合物、
(B)(メタ)アクリル基を有する重合性単量体、並びに
(C)光重合開始剤
含有し、
前記(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B)100質量部に対して、
前記式(1)で示される有機珪素化合物10〜400質量部、および前記式(2)で示される(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物3〜300質量部を含む加水分解成分混合物を加水分解して得られる加水分解物混合物(A)、並びに
前記光重合開始剤(C)0.1〜10質量部
を含むことを特徴とする光硬化性ナノインプリント用組成物。
【請求項2】
前記加水分解物混合物(A)が、さらに下記式(3)
【化3】
(式中、
Mは、タングステン、スズ、インジウム、アンチモンまたはハフニウムであり、
は、炭素数1〜10のアルキル基であり、同種又は異種の基であってもよく、
pは、Mがタングステンの場合5であり、Mがスズ、ハフニウムの場合4であり、Mがインジウム、アンチモンの場合3である)
で示される金属アルコキシドの加水分解物を含むことを特徴とする請求項1記載の光硬化性ナノインプリント用組成物。
【請求項3】
前記(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B)100質量部に対して、
前記式(1)で示される有機珪素化合物10〜400質量部、前記式(2)で示される(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物3〜300質量部、および前記式(3)で示される金属アルコキシド0.1〜150質量部を含む加水分解成分混合物を加水分解して得られる加水分解物混合物(A)、並びに
前記光重合開始剤(C)0.1〜10質量部
を含むことを特徴とする請求項に記載の光硬化性ナノインプリント用組成物。
【請求項4】
前記加水分解物混合物(A)が、前記式(1)で示される有機珪素化合物、および前記式(2)で示される(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物の合計100質量部に対して、前記式(3)で示される金属アルコキシドを0.2〜50質量部含む加水分解成分混合物を加水分解して得られる加水分解物混合物であることを特徴とする請求項に記載の光硬化性ナノインプリント用組成物。
【請求項5】
請求項1〜のいずれかに記載の光硬化性ナノインプリント用組成物を基板上に塗布し、該組成物からなる塗膜を形成する工程、
パターンが形成された金型パターン形成面と前記塗膜とを接触させ、その状態で光を照射して塗膜を硬化させる工程、
前記金型を、硬化した塗膜から分離して、前記金型のパターン形成面に形成されているパターンに対応するパターンを基板上に形成する工程
を含むことを特徴とするパターンの形成方法。
【請求項6】
基板がサファイア基板であって、請求項記載のパターンの形成方法により基板上に形成したパターンをマスクとして、基板表面を塩素系ガスによりドライエッチングして加工することを特徴とする表面加工サファイア基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な光硬化性ナノインプリント用組成物に関し、さらに、前記光硬化性ナノインプリント用組成物を用いて基板上にパターンを形成する新規なパターン形成方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路は、より微細化され、高精度なものが要求されているが、このような微細加工は、高度の半導体集積回路の他にも光反射防止付与やLED基板における光取り出し効率向上等の光学・照明用途や、2次電池、太陽電池、燃料電池等のエネルギー開発、バイオテクノロジー等、多岐の用途において、インプリント技術による微細加工が盛んに検討されている。
【0003】
インプリント技術とは、基板上に形成したいパターンに対応するパターンの凹凸を有する金型を、基板表面に形成された塗膜上に型押し、剥離することにより所望のパターンを該基板表面に転写する工程からなり、低コストで量産化が可能な微細加工技術として期待されている。
【0004】
この技術を使用することによって、ナノオーダーの微細なパターンを形成することができる。インプリント技術の中でも、特に、数ナノ〜数百ナノメートル(nm)の超微細なパターンを形成する技術はナノインプリント技術と呼ばれている。
【0005】
このインプリント技術について、その方法は、基板表面に形成する塗膜材の特性により2種類に大別される。その1つは、パターンが転写される塗膜材を加熱して塑性変形させた後、金型を押し付け、冷却して、塗膜材を硬化させることによって、パターンを転写する熱ナノインプリントの方法である。また、他の1つは、金型又は基板の少なくとも一方が光透過性であるものを使用し、基板上に塗膜材として液状の光硬化性組成物を塗布して塗膜を形成し、金型を押し付けて塗膜と接触させ、ついで、金型又は基板を介して光を照射して該塗膜材を硬化させることによって、パターンを転写する方法である。これらの中でも、光照射によりパターンを転写する光インプリントの方法は、高精度のパターンを形成できるものであるため、ナノインプリント技術において広く利用されるようになっており、該方法に好適に用いられる光硬化性組成物の開発が進められている。
【0006】
ナノインプリント技術においては、基材表面と塗膜を硬化させて得られるパターンとの密着性、および該パターンと金型との離型性が重要になる。金型からの離型性については、金型表面にフッ素系処理剤で表面処理を施しで離型性を付与したり、光硬化性組成物と金型の界面にペンタフルオロプロパンガス等のフッ素系ガスを介在させてインプリントする技術が一般的に知られている。一方、基材との密着性は、基材表面を処理したり、昜接着層を設けたり、光硬化性組成物の組成によって改善が試みられている。基板との密着性と金型からの離型性は、相反する特性であるが、生産性を高めるためにより一層の改善が望まれている。
【0007】
例えば特許文献1においては、加水分解縮合物のみのナノインプリント用組成物での、(1)膜の弾性率が高すぎるために膜が割れる現象(クラック)が発生する、(2)膜表面のタッキネス(粘着性)が発現しない、(3)モールドのパターンの痕跡(パターン痕)が膜に残りにくい、という課題を解決するために、加水分解縮合物に、重合性単量体、光重合開始剤を加えた光硬化性組成物が提案されている。
【0008】
また、ナノインプリント技術は、金型にてパターンを転写した塗膜材(以下、硬化膜ともいう)を元に、基板に所望のパターンを形成するものである。基板にパターンを形成するには、酸素ガス、フッ素系ガス、塩素系ガス等により、硬化膜、及び基板のドライエッチングを行う。このようなドライエッチング処理では、基板を保護するパターニングされた硬化膜もエッチングされることから、基板と硬化膜とのエッチング速度比が重要となる。そのため、種々のパターンニングを行う上で、上記ガスにエッチングされ難い硬化膜となる光硬化性組成物の開発が数多くなされている(以下、この特性をエッチング耐性ともいう)。
【0009】
このエッチング耐性を改良するために、アリール置換基を有する重合性単量体を含む光硬化性組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
しかしながら、本発明者等の検討によると、特許文献2に記載の光硬化性組成物においても、以下の点で改善の余地があることが判明した。
【0011】
特許文献2に記載された光硬化性組成物は、粘度が高く、基材に塗膜する時に薄膜を作製しづらい。また、有機化合物のみを使用しているためと考えられるが、基材密着性が悪く、インプリント時に基材から硬化体が剥がれる場合があり、改善の余地があった。
【0012】
なお、サファイア基板のドライエッチングには、一般的に塩素系ガスの使用がよく検討されている。エッチング耐性を改良するためにアリール基置換基を含有する化合物を含むことが知られているが、塩素系ガスのエッチング耐性を持つ光硬化性ナノインプリント用組成物は、開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2010−251434号公報
【特許文献2】特開2009−218550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、塩素系ガスのエッチング耐性に優れ、生産性に優れた光硬化性ナノインプリント用組成物を提供することにある。また、比較的低い圧力で金型を押し当てた場合でも、パターンの転写が容易にでき、且つ、該パターンの基材との密着性が良く、金型からの離型性が良い等、パターン転写性が良好な光硬化性ナノインプリント用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者は、塩素系ガスのエッチング耐性や生産性に優れ、パターン転写性を向上させるため、アリール置換基を有する有機珪素化合物と重合性単量体の組み合わせについて、種々検討を行った。その結果、前述の組み合わせに加えて、アクリルシラン加水分解物を加えることによって、ナノインプリントパターン転写性とエッチング耐性、特に塩素系ガスに対するエッチング耐性とが両立することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
すなわち、本発明は、
(A)下記式(1)
【0017】
【化1】
【0018】
(式中、
、Rは同種又は異種の炭素数1〜4のアルキル基であり、
はアリール基であり、
はアリール基または炭素数1〜4のアルコキシ基であり、
nは1〜10の整数である。)で示される有機珪素化合物の加水分解物、および
下記式(2)
【0019】
【化2】
【0020】
(式中、
は、水素原子、またはメチル基であり、
は、炭素数1〜20のアルキレン基または炭素数3〜10のシクロアルキレン基であり、
は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜4のシクロアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基であり、
は、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数3〜4のシクロアルキル基であり、
lは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、kは1〜3の整数であり、
l+m+kは4であり、
、R、R、およびRがそれぞれ、複数存在する場合には、複数のR、R、R、およびRは、それぞれ、同種又は異種の基であってよい)
で示される(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物の加水分解物を含む加水分解物混合物、
(B)(メタ)アクリル基を有する重合性単量体、並びに
(C)光重合開始剤
含有し、
前記(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B)100質量部に対して、
前記式(1)で示される有機珪素化合物10〜400質量部、および前記式(2)で示される(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物3〜300質量部を含む加水分解成分混合物を加水分解して得られる加水分解物混合物(A)、並びに
前記光重合開始剤(C)0.1〜10質量部
を含むことを特徴とする光硬化性ナノインプリント用組成物である。
【0021】
第二の発明は、
前記光硬化性ナノインプリント用組成物を基板上に塗布し、該組成物からなる塗膜を形成する工程、
パターンが形成された金型のパターン形成面と前記塗膜とを接触させ、その状態で光を照射して塗膜を硬化させる工程、
前記金型を、硬化した塗膜から分離して、前記金型のパターン形成面に形成されているパターンに対応するパターンを基板上に形成する工程
を含むことを特徴とするパターンの形成方法である。
【0022】
第三の発明は、
基板がサファイア基板であって、前記パターンの形成方法により形成したパターンをマスクとして基板表面を塩素系ガスによりエッチングすることを特徴とするサファイア基板の表面加工方法である。
【0023】
なお、本発明において、(メタ)アクリル基とは、メタクリル基又はアクリル基を意味する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、分散性が良く、該組成物を塗膜とし硬化させた後の硬化膜の基材密着性が良好で、パターン転写性・生産性に優れている。しかも従来の光硬化性ナノインプリント用組成物では、エッチング耐性、特に塩素系ガスに対するエッチング耐性に改善の余地があるのに対し、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、パターン転写性が優れており、エッチング耐性、特に塩素系ガスのエッチング耐性を有する硬化膜を形成するのに、好適な組成物である。
【0025】
また金属アルコキシドの加水分解物を配合した光硬化性ナノインプリント用組成物は、塩素系ガスに対するエッチング耐性がより向上する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、光硬化性ナノインプリント用組成物に関するものであり、
(A)下記式(1)
【0027】
【化3】
(式中、
、Rは同種又は異種の炭素数1〜4のアルキル基であり、
はアリール基であり、
はアリール基または炭素数1〜4のアルコキシ基であり、
nは1〜10の整数である)
で示される有機珪素化合物の加水分解物、および
下記式(2)
【0028】
【化4】
(式中、
は、水素原子、またはメチル基であり、
は、炭素数1〜20のアルキレン基または炭素数3〜10のシクロアルキレン基であり、
は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜4のシクロアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基であり、
は、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数3〜4のシクロアルキル基であり、
lは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、kは1〜3の整数であり、
l+m+kは4であり、
、R、RおよびRがそれぞれ、複数存在する場合には、複数のR、R、RおよびRは、それぞれ、同種又は異種の基であってもよい)
で示される(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物の加水分解物、を含む加水分解物混合物(以下、単に、「加水分解物混合物(A)」ともいう)、(B)(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(以下、単に、「重合性単量体(B)」ともいう)、並びに(C)光重合性開始剤を含むものである。
【0029】
なお、本発明において、ナノインプリントとは、5nm以上100μm以下のパターン、更には、5nm以上500nm以下の微細なパターンを良好に形成できるものを指す。ただし、当然のことながら、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、100μmを越えるパターンの形成にも使用できる。
【0030】
以下、順を追って説明する。先ず、加水分解物混合物(A)について説明する。
【0031】
(加水分解物混合物(A))
本発明において、加水分解物混合物(A)は、前記式(1)で示される有機珪素化合物の加水分解物、前記式(2)で示される(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物の加水分解物を含む加水分解物混合物である。該前記式(1)で示される有機珪素化合物の加水分解物、該前記式(2)で示される(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物の加水分解物を含む加水分解物の加水分解の度合いは、アルコキシ基が全て加水分解されていても良く、アルコキシ基の一部分が加水分解されていてものでも良い。
【0032】
(有機珪素化合物)
本発明においては、下記式(1)
【0033】
【化5】
【0034】
(式中、
、Rは同種又は異種の炭素数1〜4のアルキル基であり、
はアリール基であり、
はアリール基または炭素数1〜4のアルコキシ基であり、
nは1〜10の整数である。)
で示される有機珪素化合物(以下、単に「有機珪素化合物」ともいう)の加水分解物を使用する。
【0035】
この有機珪素化合物の加水分解物を使用することにより、エッチング耐性、特に塩素系ガスに対するエッチング耐性に優れた硬化膜を形成することができる光硬化性のナノインプリント用組成物が得られる。
【0036】
前記式(1)において、R、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基が挙げられ、中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基が好ましい。−OR、−ORで示されるアルコキシ基は、加水分解時に−OR、−OR由来のアルコールを生成するが、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、このアルコールを含んでいてもよい。そのため、他成分と容易に混合できるアルコールとなること、および基板上に塗膜を形成した後、容易に除去できるアルコールとなることを考慮すると、具体的には、R、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
【0037】
は、アリール基としては、フェニル基、ベンジル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基を挙げることができ、中でもフェニル基が好ましい。該アリール基はアルキル基、エーテル基、グリコールエーテル基、水酸基、ハロゲン等の置換基を有していても良い。
【0038】
は、アルコキシ基としては、メチルアルコキシ基、エチルアルコキシ基、プロピルアルコキシ基、イソプロピルアルコキシ基、ブチルアルコキシ基、sec−ブチルアルコキシ基、イソブチルアルコキシ基、tert−ブチルアルコキシ基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ベンジル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等を挙げることができる。該アルコキシ基及びアリール基は、アルキル基、エーテル基、グリコールエーテル基、水酸基、ハロゲン等の置換基を有していても良い。アルコキシ基、アリール基としては、中でもメチルアルコキシ基、エチルアルコキシ基、プロピルアルコキシ基、イソプロピルアルコキシ基、ブチルアルコキシ基、フェニル基が好ましい。この−Rで示されるアルコキシ基は、加水分解時にR由来のアルコールを生成するが、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、このアルコールを含んでいてもよい。そのため、他成分と容易に混合できるアルコールとなること、および基板上に塗膜を形成した後、容易に除去できるアルコールとなることを考慮すると、具体的には、Rがアルコキシ基の場合、メチルアルコキシ基、エチルアルコキシ基、プロピルアルコキシ基、イソプロピルアルコキシ基、ブチルアルコキシ基、sec−ブチルアルコキシ基、イソブチルアルコキシ基、tert−ブチルアルコキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基であることが好ましい。
【0039】
なかでも、Rが炭素数6〜12のアリール基であることがエッチング耐性、特に塩素系ガスのエッチング耐性が良好な硬化膜を形成する点で好ましい。
【0040】
また、該有機珪素化合物は、前記式(1)において、nが1〜10の整数を満足するものであれば、単一の化合物であってもよいし、nの値が異なる複数の有機珪素化合物の混合物であってもよい。単一の化合物を使用する場合、nの値は、より比較的低い圧力でのパターンの転写性や、100nm以下などの微細パターンの転写を勘案すると、1以上7以下が好ましい。また、複数の有機珪素化合物の混合物を使用する場合、nの平均値は、1.1以上10以下となることが好ましく、さらには、より比較的低い圧力でのパターンの転写性や、100nm以下などの微細パターンの転写を勘案すると、1.1以上7以下がより好ましい。
【0041】
これら有機珪素化合物を具体的に例示すれば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン、およびそれらの重縮合物が挙げられる。中でも、加水分解時に生成するアルコールが、塗膜を形成した後、容易に除去できるアルコールであることや、反応性等の理由から、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、およびそれらの重縮合物が好ましい。
【0042】
((メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物)
本発明においては、下記式(2)
【0043】
【化6】
【0044】
(式中、
は、水素原子、またはメチル基であり、
は、炭素数1〜20のアルキレン基または炭素数3〜10のシクロアルキレン基であり、
は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜4のシクロアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、
は、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数3〜4のシクロアルキル基であり、
lは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、kは1〜3の整数であり、
l+m+kは4であり、
、R、RおよびRがそれぞれ、複数存在する場合には、複数のR、R、RおよびRは、それぞれ、同種又は異種の基であってもよい。)
で示される(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(以下、単に「(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物」ともいう)の加水分解物を使用する。
【0045】
この(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物を使用することにより、分散性のよい光硬化性ナノインプリント用組成物が得られ、濾過による精製が容易となり生産性が良好となる。また、光硬化により得られる硬化膜の微細な構造において、無機成分と有機成分とが比較的均質な状態で分散したものとなる(無機成分が極端に凝集したような分散状態とはならない)。その結果、均一な転写パターン、および均一な残膜を形成することができるものと推定される。
【0046】
前記式(2)において、Rは水素原子あるいはメチル基である。これらの中でも水素原子のほうが、光硬化性ナノインプリント用組成物を硬化させる際の光硬化速度が速いので好ましい。
【0047】
は、炭素数1〜20のアルキレン基又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、2−メチルブチレン基、2−メチル−2−ブチレン基、3−メチルブチレン基、3−メチル−2−ブチレン基、ペンチレン基、2−ペンチレン基、3−ペンチレン基、3−ジメチル−2−ブチレン基、3,3−ジメチルブチレン基、3,3−ジメチル−2−ブチレン基、2−エチルブチレン基、ヘキシレン基、2−ヘキシレン基、3−ヘキシレン基、2−メチルペンチレン基、2−メチル−2−ペンチレン基、2−メチル−3−ペンチレン基、3−メチルペンチレン基、3−メチル−2−ペンチレン基、3−メチル−3−ペンチレン基、4−メチルペンチレン基、4−メチル−2−ペンチレン基、2,2−ジメチル−3−ペンチレン基、2,3−ジメチル−3−ペンチレン基、2,4−ジメチル−3−ペンチレン基、4,4−ジメチル−2−ペンチレン基、3−エチル−3−ペンチレン基、ヘプチレン基、2−ヘプチレン基、3−ヘプチレン基、2−メチル−2−ヘキシレン基、2−メチル−3−ヘキシレン基、5−メチルヘキシレン基、5−メチル−2−ヘキシレン基、2−エチルヘキシレン基、6−メチル−2−ヘプチレン基、4−メチル−3−ヘプチレン基、オクチレン基、2−オクチレン基、3−オクチレン基、2−プロピルペンチレン基、2,4,4−トリメチルペンチレン基、2−メチルヘプチレン基、3−メチルヘプチレン基、4−メチルヘプチレン基、2,2,4−トリメチルペンチレン基、2,2,3−トリメチルペンチレン基、2,3,4−トリメチルペンチレン基、2,3,3−トリメチルペンチレン基、3,3−ジメチルへキシレン基、3,4−ジメチルへキシレン基、2,3−ジメチルへキシレン基、2,4−ジメチルへキシレン基、2,2−ジメチルへキシレン基、2,5−ジメチルへキシレン基、2,2,3,3−テトラメチルブチレン基、3−エチル−2−メチルペンチレン基、3−エチルへキシレン基、3−エチル−3−メチルペンチレン基、ノニレン基、2,3,4−トリメチルへキシレン基、3,4−ジメチルへキシレン、3,5−ジメチルへキシレン基、3,3−ジメチルへキシレン基、3,3−ジエチルペンチレン基、4,4−ジメチルへキシレン基、3−エチル−2,4−ジメチルペンチレン基、2,3,5−トリメチルへキシレン基、2,2,4,4−テトラメチルペンチレン基、2,2−ジメチルヘプチレン基、2,6−ジメチルヘプチレン基、2,5−ジメチルヘプチレン基、2,4−ジメチルヘプチレン基、4−エチルヘプチレン基、3−メチルオクチレン基、4−メチルオクチレン基、2,3,ジメチルヘプチレン基、4−エチル2−メチルへキシレン基、3−エチル−4−メチルへキシレン基、2−メチルオクチレン基、2,2,5−トリメチルへキシレン基、3,3−ジメチルヘプチレン基、2,2,3,3−テトラメチルペンチレン基、3−エチルヘプチレン基、2,2,3−トリメチルヘキシレン基、2,2,4−トリメチルヘキシレン基、2,3,3−トリメチルヘキシレン基、2,4,4−トリメチルヘキシレン基、3,3,4−トリメチルヘキシレン基、3−エチル−2,2−ジメチルペンチレン基、2,3,3,4−テトラメチルペンチレン基、3−エチル−2−メチル−ヘキシレン基、デキレン基、2−メチルノニレン基、2,2,5,5−テトラメチルヘキシレン基、2,7−ジメチルオクチレン基、2,2,6−トリメチルヘプチレン基、2,6−ジメチルオクチレン基、2,4,6−トリメチルヘプチレン基、4−プロピル−ヘプチレン基、2,4,4−トリメチルヘプチレン基、2,3,6−トリメチルヘプチレン基、2,4−ジメチルオクチレン基、3,3−ジメチルオクチレン基、3,3,4,4−テトラメチルヘキシレン基、3−エチルオクチレン基、3−メチルノニレン基、2,3−ジメチルオクチレン基、3,3,5−トリメチルヘプチレン基、3−エチル−2,4−ジメチルヘキシレン基、2,2,3,3−テトラメチルヘキシレン基、3−エチル−2−メチルヘプチレン基、2,2,4−トリメチルヘプチレン基、5−メチルノニレン基、4−エチルオクチレン基、2,2−ジメチルオクチレン基、3,5−ジメチルオクチレン基、3,6−ジメチルオクチレン基、4,4−ジメチルオクチレン基、2,2,4,5−テトラメチルヘキシレン基、4−メチルノニレン基、3−エチル−3−メチル−ヘプチレン基、3,3−ジメチルヘキシレン基、4−エチル−4−メチルペンチレン基、3,4−ジエチルヘキシレン基、2,4,5−トリメチルヘプチレン基、3,4,4−トリメチルヘプチレン基、3−エチル−2,2−ジメチルヘキシレン基、2,2,5−トリメチルヘプチレン基、2,2,4,4−テトラメチルヘキシレン基、4−(1−メチルエチル)−ヘプチレン基、4−エチル−2−メチルヘプチレン基、4−エチル−3−メチルヘプチレン基、3−エチル−4−メチルヘプチレン基、2,2,3−トリメチルヘプチレン基、2,3,3−トリメチルヘプチレン基、2,3,4−トリメチルヘプチレン基、3−エチル−2,3−ジメチルヘキシレン基、4−エチル−2,4−ジメチルヘキシレン基、3−エチル−2,5−ジメチルヘキシレン基、4−エチル−3,3−ジメチルヘキシレン基、3−エチル−3,4−ジメチルヘキシレン基、2,2,3,4−テトラメチルへキシレン基、2,2,3,5−テトラメチルへキシレン基、2,3,3,4−テトラメチルへキシレン基、2,3,3,5−テトラメチルへキシレン基、2,3,4,4−テトラメチルへキシレン基、2,3,4,5−テトラメチルへキシレン基、3,3−ジメチル−2−メチルペンチレン基、ジメチルオクチレン基、ウンデシレン基、4−メチルデキシレン基、3−(1,1−ジメチルエチル)−2,2−ジメチルペンチレン基、4−エチルノニレン基、5,5−ジメチルノニレン基、2−メチル−3−(1−メチルエチル)−ヘプチレン基、2−メチルデキレン基、3−メチルデキレン、2,2,3,5,5−ペンタメチルヘキシレン基、3−エチルノニレン基、5−エチルノニレン基、4−プロピルオクチレン基、2,2−ジメチルノニレン基、3,3−ジメチルノニレン基、3−エチル−3−メチルオクチレン基、3,3−ジエチル−ヘプチレン基、4,4−ジメチルノニレン基、4−エチル−4−メチルオクチレン基、4−メチル−4−プロピルヘプチレン基、4,4−ジエチルヘプチレン基、3,4−ジメチルノニレン基、2,4−ジメチルノニレン基、3,5−ジメチルノニレン基、4,6−ジメチルノニレン基、2,7−ジメチルノニレン基、2,8−ジメチルノニレン基、3,6−ジメチルノニレン基、2,2,4−トリメチルオクチレン基、2,2,6,6−テトラメチルヘプチレン基、2,3,5,6−テトラメチルヘプチレン基、2,3,3,4,5−ペンタメチル−ヘキシレン基、4−(1,1−ジメチルエチル)−ヘプチレン基、2,2,4,4,5−ペンタメチル−ヘキシレン基、2,2,3,3,4,4−ヘキサメチルペンチレン基、3,3−ジメチル−2,2−ジメチルペンチレン基、3−エチル−2,3−ジメチルペンチレン基、4−エチル−2,3−ジメチルペンチレン基、5−エチル−2,3−ジメチルペンチレン基、3−エチル−2,4−ジメチルペンチレン基、4−エチル−2,4−ジメチルペンチレン基、5−エチル−2,4−ジメチルペンチレン基、3−エチル−2,5−ジメチルペンチレン基、4−エチル−2,5−ジメチルペンチレン基、5−エチル−2,5−ジメチルペンチレン基、3−エチル−2,6−ジメチルペンチレン基、4−エチル−2,6−ジメチルペンチレン基、4−エチル−3,3−ジメチルペンチレン基、5−エチル−3,3−ジメチルペンチレン基、3−エチル−3,4−ジメチルペンチレン基、4−エチル−3,4−ジメチルペンチレン基、3−エチル−4,5−ジメチルペンチレン基、3−エチル−3,5−ジメチルペンチレン基、4−エチル−3,5−ジメチルペンチレン基、3−エチル−4,4−ジメチルペンチレン基、2,2,3,3−テトラメチルヘプチレン基、2,2,3,4−テトラメチルヘプチレン基、2,2,3,5−テトラメチルヘプチレン基、2,2,3,6−テトラメチルヘプチレン基、2,2,4,4−テトラメチルヘプチレン基、2,2,4,5−テトラメチルヘプチレン基、2,2,4,6−テトラメチルヘプチレン基、2,2,5,5−テトラメチルヘプチレン基、2,2,5,6−テトラメチルヘプチレン基、2,3,3,4−テトラメチルヘプチレン基、2,3,3,5−テトラメチルヘプチレン基、2,3,3,6−テトラメチルヘプチレン基、2,3,4,4−テトラメチルヘプチレン基、2,3,4,5−テトラメチルヘプチレン基、2,3,4,6−テトラメチルヘプチレン基、2,3,5,5−テトラメチルヘプチレン基、2,4,4,5−テトラメチルヘプチレン基、2,4,4,6−テトラメチルヘプチレン基、2,4,5,5−テトラメチルヘプチレン基、3,3,4,4−テトラメチルヘプチレン基、3,3,4,5−テトラメチルヘプチレン基、3,3,5,5−テトラメチルヘプチレン基、3,4,4,5−テトラメチルヘプチレン基、2,2−ジメチル−3−(1−メチルエチル)ヘキシレン基、2,3−ジメチル−3−(1−メチルエチル)ヘキシレン基、2,4−ジメチル−3−(1−メチルエチル)ヘキシレン基、2,5−ジメチル−3−(1−メチルエチル)ヘキシレン基、3,3−ジメチル−2−メチルヘキシレン基、3,4−ジメチル−2−メチルヘキシレン基、4,4−ジメチル−2−メチルヘキシレン基、3,4−ジメチル−3−メチルヘキシレン基、3,3−ジメチル−4−メチルヘキシレン基、3−エチル−2,2,3−トリメチルへキシレン基、4−エチル−2,2,3−トリメチルへキシレン基、3−エチル−2,2,4−トリメチルへキシレン基、4−エチル−2,2,4−トリメチルへキシレン基、3−エチル−2,2,5−トリメチルへキシレン基、4−エチル−2,2,5−トリメチルへキシレン基、4−エチル−2,3,3−トリメチルへキシレン基、3−エチル−2,3,4−トリメチルへキシレン基、4−エチル−2,3,4−トリメチルへキシレン基、3−エチル−2,3,5−トリメチルへキシレン基、3−エチル−2,4,5−トリメチルへキシレン基、3−エチル−2,4,4−トリメチルへキシレン基、3−エチル−3,4,4−トリメチルへキシレン基、2,2,3,3,4−ペンタメチルヘキシレン基、2,2,3,3,5−ペンタメチルヘキシレン基、2,2,3,4,4−ペンタメチルヘキシレン基、2,2,3,4,5−ペンタメチルヘキシレン基、2,3,4−トリメチル−3−(1−メチルエチル)ペンチレン基、3,3−ジメチル−2,4−ジメチルペンチレン基、3−エチル−2,2,3,4−テトラメチルペンチレン基、3,5,5−トリメチルオクチレン基、4,4,5−トリメチルオクチレン基、2−メチル−4−プロピルヘプチレン基、3−メチル−4−プロピルヘプチレン基、2−メチル−4−(1−メチルエチル)ヘプチレン基、3−メチル−4−(1−メチルエチル)ヘプチレン基、4−メチル−4−(1−メチルエチル)ヘプチレン基、3,4−ジメチル−ヘプチレン基、3,5−ジメチル−ヘプチレン基、3−エチル−2,2−ジメチルヘプチレン基、4−(1−メチルエチル)オクチレン基、3−エチル−2−メチルオクチレン基、4−エチル−2−メチルオクチレン基、4−エチル−3−メチルオクチレン基、5−エチル−3−メチルオクチレン基、3−エチル−6−メチルオクチレン基、3−エチル−4−メチルオクチレン基、4−エチル−5−メチルオクチレン基、3−エチル−5−メチルオクチレン基、2,2,3−トリメチルオクチレン基、2,2,5−トリメチルオクチレン基、2,2,7−トリメチルオクチレン基、2,3,3−トリメチルオクチレン基、2,3,4−トリメチルオクチレン基、2,3,5−トリメチルオクチレン基、2,
4,4−トリメチルオクチレン基、2,4,5−トリメチルオクチレン基、2,4,7−トリメチルオクチレン基、2,5,5−トリメチルオクチレン基、3,3,4−トリメチルオクチレン基、3,3,5−トリメチルオクチレン基、3,3,6−トリメチルオクチレン基、3,4,4−トリメチルオクチレン基、2,4,5−トリメチルオクチレン基、3,4,6−トリメチルオクチレン基、4−エチル−2,2−ジメチルヘプチレン基、5−エチル−2,2−ジメチルヘプチレン基、ドデキレン基、4−エチル−2,6−ジメチルオクチレン基、3−イソプロピル−2,2,3,4−テトラメチルペンチレン基、3−イソプロピル−2,2,4,4−テトラメチルペンチレン基、トリデキレン、2−メチルドデキレン基、4−メチルドデキレン基、2,4,6,8−テトラメチルノニレン基、2,6−ジメチルウンデキレン基、4,7−ジメチルウンデキレン基、3−メチルドデキレン基、4−プロピルデキレン基、3,3−ジエチルノニレン基、4−エチル−4−プロピルオクチレン基、4,4−ジプロピルヘプチレン基、4,4−ジエチルノニレン基、2,2,4,4,6,6−ヘキサメチルヘプチレン基、3−(1,1−ジメチルエチル)−2,2,4,4−テトラメチルペンチレン基、3,3,7,7−テトラメチルノニレン基、3,5,7−トリメチルデキレン基、4,5,7−トリメチルデキレン基、5−メチルドデキレン基、6−メチルドデキレン基、2,2,3,5,6,6−ヘキサメチルヘプチレン基、4−(1,1−ジメチルエチル)−2,6−ジメチルヘプチレン基、2,2,3−トリメチルデキレン基、4,4,6,6−テトラメチルノニレン基、3,5−ジエチル−3,5−ジメチルヘプチレン基、2,3,4,5,6−ペンタメチルオクチレン基、3,3,4,5,6−ペンタメチルオクチレン基、3,3−ジメチル−2,2,4,4−テトラメチルペンチレン基、2,2,3,4,4−ペンタメチル−3−(1−メチルエチル)−ペンチレン基、メチルドデキレン基、3−エチル−3−メチル−4−プロピルヘプチレン基、テトラデキシン基、2−メチルトリデキレン基、3,3,4,4−テトラエチルヘキシレン基、2,3−ジメチルドデキレン基、2,4−ジメチルドデキレン基、5−ブチルデキレン基、2,6,10−トリメチルウンデキレン基、4−プロピルウンデキレン基、2,11−ジメチルドデキレン基、6−メチルトリデキレン基、5−エチルドデキレン基、6−メチルトリデキレン基、5−エチルドデキレン基、6,7−ジメチルドデキレン基、6−エチル−5−メチルウンデキレン基、4−メチル−5−プロピルノニレン基、4,5−ジプロピルオクチレン基、2,2,3,5,5−ペンタメチル−3−(1−メチルエチル)へキシレン基、2,5,6,9−テトラメチルデキレン基、3,6−ジエチル−4,5−ジメチルオクチレン基、2,2,4,5,7,7−ヘキサメチルオクチレン基、3−(1,1−ジメチルエチル)−2,2,5,5−テトラメチルヘキシレン基、2,2−ジメチルドデキレン基、4−エチル−2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプチレン基、5−エチル−4−プロピルノニレン基、5−メチル−4−プロピルデキレン基、5−エチル−6−メチルウンデキレン基、3−メチルトリデキレン基、4−メチルトリデキレン基、5−メチルトリデキレン基、5,5,6,6−テトラメチルデキレン基、3−エチルドデキレン基、4,6,8−トリメチルウンデキレン基、2,2,6,6−テトラメチル−4−(1−メチルエチル)ヘプチレン基、2,6−ジメチルドデキレン基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタメチルヘキシレン基、2,4,7,9−テトラメチルデキレン基、2,6,9−トリメチルウンデキレン基、2,4,4,5,5,7−ヘキサメチルオクチレン基、5,5−ジメチルドデキレン基、3,7−ジメチルドデキレン基、3,3,8,8−テトラメチルデキレン基、3,4,7,8−テトラメチルデキレン基、5,8−ドデキレン基、6−エチルドデキレン基、4−エチルドデキレン基、5−プロピルウンデキレン基、2,5−ジメチル−3,4−ビス(1-メチルエチル)ヘキシレン基、ペンタデキレン基、2−メチルテトラデキレン基、2,6,10−テトラメチルドデキレン基、2,2,3−テトラメチルドデキレン基、7−メチルテトラデキレン基、2,3−ジメチルトリデキレン基、4−メチルテトラデキレン基、5−メチルテトラデキレン基、6−メチルテトラデキレン基、6,8−ジメチルトリデキレン基、2,6,11−テトラメチルドデキレン基、3−メチルテトラデキレン基、4−(1,1−ジメチルエチル)−2,2,6,6−テトラメチルヘプチレン基、3−(1,1−ジメチルエチル)−2,2,3,5,5−ペンタメチルヘプチレン基、2,2−ジメチルトリデキレン基、4−エチル−3−メチルドデキレン基、6−エチルトリデキレン基、2,3,5,7,8−ヘキサメチルノニレン基、2,4,8,10−テトラメチルウンデキレン基、5−エチルトリデキレン基、5,5,7,7−テトラメチルウンデキレン基、4,6−ジエチル−4,6−ジメチルノニレン基、2,2,5,5,8,8−ヘキサメチルノニレン基、3,5,7−トリエチルノニレン基、5,9−ジメチルトリデキレン基、ヘキサデキレン基、2−メチルペンタデキレン基、7,8−ジメチルテトラデキレン基、3−メチルペンタデキレン基、2,6,10−テトラメチルトリデキレン基、2,2,4,4,6,8,8−ヘプタメチルノニレン基、2,2,4,4,5,5,7,7−オクタメチルオクチレン基、5−ブチルドデキレン基、7−メチルペンタデキレン基、2,3−ジメチルテトラデキレン基、8−メチルペンタデキレン基、2,4,6,8,10−ペンタメチルウンデキレン基、2,5,8,11−テトラメチルドデキレン基、4−メチルペンタデキレン基、5−メチルペンタデキレン基、6−メチルペンタデキレン基、3,7,11−トリメチルトリデキレン基、2,5,5,6,6,9−ヘキサメチルデキレン基、2,2−ジメチルテトラデキレン基、4,6,7,9−テトラメチルデキレン基、6−エチルテトラデキレン基、2,2,3,8,9,9−ヘキサメチルデキレン基、3−エチルテトラデキレン基、2,2,4,7,9,9−ヘキサメチルデキレン基、3,3,6,6−テトラエチルデキレン基、2,6,9,10−テトラメチルドデキレン基、6−エチル−2,10−ジメチルドデキレン基、5,7−ジエチルドデキレン基、2,5,9−トリメチルトリデキレン基、7−エチルテトラデキレン基、5−エチルテトラデキレン基、6−ブチルドデキレン基、4−メチル−9−プロピルドデキレン基、ヘプタデキレン基、3,3−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2,2,4,4−テトラメチルペンチレン基、5,5−ジブチルノニレン基、3−メチルヘキサデキレン基、4−メチルヘキサデキレン基、5−メチルヘキサデキレン基、6−メチルヘキサデキレン基、7−メチルヘキサデキレン基、8−メチルヘキサデキレン基、2,2,4,4,6,6,8,8−オクタメチルノニレン基、3,7,11−テトラメチルテトラデキレン基、2,6−ジメチルペンタデキレン基、6−エチルペンタデキレン基、3,8−ジメチルペンタデキレン基、2,3,10−テトラメチルペンタデキレン基、6,10−ジメチルペンタデキレン基、7−エチル−3,11−ジメチル−トリデキレン基、6,7−ジエチルトリデキレン基、2,5,9−トリメチルテトラデキレン基、2,5,9,12−テトラメチルトリデキレン基、オクタデキレン基、2−メチルヘプタデキレン基、3−メチルヘプタデキレン基、4−メチルヘプタデキレン基、5−メチルヘプタデキレン基、6−メチルヘプタデキレン基、7−メチルヘプタデキレン基、8−メチルヘプタデキレン基、2,15−ジメチルヘキサデキレン基、2,6,10−トリメチルペンタデキレン基、9−メチルヘプタデキレン基、2,2−ジメチルヘキサデキレン基、3,7,11−トリメチルペンタデキレン基、5,6−ジエチル−2,5,6,9−テトラメチルデキレン基、3,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2,2,5,5−テトラメチルヘキシレン基、6−エチルヘキサデキレン基、3,5,7,8−テトラメチルテトラデキレン基、2,6,9,13−テトラメチルテトラデキレン基、2,5−ジメチルヘキサデキレン基、4,6−ジプロピルドデキレン基、5,7−ジメトキシヘキサデキレン基、トリメチルペンタデキレン基、7,10−ジメトキシヘキサデキレン基、2,2,5,5,10,10−ヘキサメチルドデキレン基、ノナデキレン基、2−メチルオクタデキレン基、3−メチルオクタデキレン基、4−メチルオクタデキレン基、5−メチルオクタデキレン基、6−メチルオクタデキレン基、7−メチルオクタデキレン基、8−メチルオクタデキレン基、9−メチルオクタデキレン基、2,16−ジメチルヘプタデキレン基、2,6,10,10−テトラメチルペンタデキレン基、2,6,10,14−テトラメチルペンタデキレン基、2,4,6,10−テトラメチルペンタデキレン基、3−エチルヘプタデキレン基、3、7、11−トリエチルヘキサデキレン基、2,2−ジメチルヘプタデキレン基、2,6−ジメチルヘプタデキレン基、2,10,14−トリメチルヘキサデキレン基、2,6,14−トリメチルヘキサデキレン基、6−エチルヘプタデキレン基、2,4,6,8,10,11−ヘキサメチルトリデキレン基、2,4,6,8,9,12−ヘキサメチルトリデキレン基、5−エチルヘプタデキレン基、2,4,6,8,10,12−ヘキサメチルトリデキレン基、9−エチルヘプタデキレン基、2,3,10−トリメチルヘキサデキレン基、6,10−ジメチルヘプタデキレン基、エイコシレン基、2,6,11,15−テトラメチルヘキサデキレン基、2,6,10,14−テトラメチルヘキサデキレン基、2−メチルノナデキレン基、3−メチルノナデキレン基、4−メチルノナデキレン基、5−メチルノナデキレン基、6−メチルノナデキレン基、7−メチルノナデキレン基、8−メチルノナデキレン基、9−メチルノナデキレン基、10−メチルノナデキレン基、3−エチルオクタデキレン基、2,6,11,15−テトラメチルヘキサデキレン基、2,6,10,14−テトラメチルヘキサデキレン基、6,6,11,11−テトラメチルヘキサデキレン基、2,6,7,8,8,12−ヘキサメチルテトラデキレン基、2,17−ジメチルオクタデキレン基、5,5,11,11−テトラメチルオクタデキレン基、2,2,15,15−テトラメチルオクタデキレン基、9,10−ジメチルオクタデキレン基、8,11−ジメチルオクタデキレン基、2,4−ジメチルオクタデキレン基、7,11−ジメチルオクタデキレン基、2,4,6,9,11,13−ヘキサメチルテトラデキレン基、2,4,6,8,11,12−ヘキサメチルテトラデキレン基、2,6−ジメチルオクタデキレン基、5,6−ジブチル−5,6−ジメチルデキレン基、2,6,10−トリメチル−7−(3−メチルブチル)ドデキレン基、6−ペンチル−7−プロピルドデキレン基、4,6,8−トリプロピルウンデキレン基、7,10−ジメチルオクタデキレン基、6,10−ジメチルオクタデキレン基等のアルキレン基;シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロプロピルメチレン基、シクロペンチルレン基、シクロへキシレン基、シクロオクチレン基等のシクロアルキレン基が挙げられる。
【0048】
これらの中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基等の炭素数1〜4のアルキレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基等の炭素数3〜4のシクロアルキレン基が好ましい。
【0049】
は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜4のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、ベンジル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、o−メチルナフチル基等のアリール基を挙げることができる。中でも、メチル基、エチル基が好ましい。
【0050】
は、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数3〜4のシクロアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
【0051】
この−ORで示されるアルコキシ基は、加水分解時にR由来のアルコールを生成するが、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、このアルコールを含んでいてもよい。そのため、他成分と容易に混合できるアルコールとなること、および基板上に塗膜を形成した後、容易に除去できるアルコールとなることを考慮すると、具体的には、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
【0052】
また、lは1が好ましく、mは0〜2が好ましく、kは1〜3が好ましい。ただし、l、m、およびnの合計、すなわち、l+m+nは4である。
【0053】
このような(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物を具体的に例示すれば、トリメトキシシリルメチレン(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルジメチレン(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、トリエトキシシリルメチレン(メタ)アクリレート、トリエトキシシリルジメチレン(メタ)アクリレート、トリエトキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、トリプロポキシシリルメチレン(メタ)アクリレート、トリプロポキシシリルエチレン(メタ)アクリレート、トリプロポキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、トリブトキシシリルメチレン(メタ)アクリレート、トリブトキシシリルジメチレン(メタ)アクリレート、トリブトキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、トリイソプロポキシシリルメチレン(メタ)アクリレート、トリイソプロポキシシリルジメチレン(メタ)アクリレート、トリイソプロポキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、ジメトキシメチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、ジメトキシメチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、ジメトキシメチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、ジエトキシメチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、ジエトキシメチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、ジエトキシメチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、ジメトキシエチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、ジメトキシエチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、ジメトキシエチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、ジエトキシエチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、ジエトキシエチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、ジエトキシエチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、メトキシジメチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、メトキシジメチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、メトキシジメチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、エトキシジメチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、エトキシジメチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、エトキシジメチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、メトキシジエチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、メトキシジエチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、メトキシジエチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、エトキシジエチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、エトキシジエチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、エトキシジエチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、トリメトキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、トリエトキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレートが好ましい。
【0054】
(その他の加水分解物成分(金属アルコキシド))
本発明においては、加水分解物混合物(A)は、さらに、下記式(3)
【0055】
【化7】
【0056】
(式中、
Mは、タングステン、スズ、インジウム、ハフニウム、アンチモンであり、
は、炭素数1〜10のアルキル基であり、同種又は異種の基であってもよく、
Mがタングステンの場合、pは5であり、
Mがスズ、ハフニウムの場合、pは4であり、
Mがインジウム、アンチモンの場合、pは3である。)
で示される金属アルコキシド(以下、単に「金属アルコキシド」ともいう)の加水分解物を含むことができる。
【0057】
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、エッチング耐性、特に塩素系ガスに対するエッチング耐性の優れた硬化膜を形成することができるが、この金属アルコキシドを使用することにより、塩素系ガスに対するエッチング耐性をさらに向上させることができる。そして、金属アルコキシドの加水分解物の使用量で、塩素系ガスのエッチング速度を調整することもできる。
【0058】
前記式(3)において、Mは、より塩素系ガスに対するエッチング耐性を高めるためにはタングステンであることが好ましい。
【0059】
また、酸化タングステンアルコキシド(IV)等の酸化タングステンアルコキシドも本発明の効果を損なわない範囲内で含んでいても良い。
【0060】
またRは、適度な加水分解速度という点から炭素数2〜4のアルキル基がより好ましい。この−ORで示されるアルコキシ基も、上記の有機珪素化合物等と同じく、加水分解時にR由来のアルコールを生成するが、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、このアルコールを含んでいてもよい。そのため、−ORが他成分と容易に混合できるアルコールとなること、および基板上に塗膜を形成した後、容易に除去できるアルコールとなることを考慮すると、具体的には、Rは、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の炭素数2〜4のアルキル基であることが好ましい。
【0061】
好適な金属アルコキシドを例示すれば、ペンタメチルタングステンアルコキシド、ペンタエチルタングステンアルコキシド、ペンタイソプロピルタングステンアルコキシド、ペンタプロピルタングステンアルコキシド、ペンタイソブチルタングステンアルコキシド、ペンタブチルタングステンアルコキシド、ペンタペンチルタングステンアルコキシド、ペンタヘキシルタングステンアルコキシド、ペンタヘプチルタングステンアルコキシド、ペンタオクチルタングステンアルコキシド、ペンタノニルタングステンアルコキシド、ペンタデシルタングステンアルコキシド;テトラメチルスズアルコキシド、テトラエチルスズアルコキシド、テトライソプロピルスズアルコキシド、テトラプロピルスズアルコキシド、テトライソブチルスズアルコキシド、テトラブチルスズアルコキシド、テトラペンチルスズアルコキシド、テトラヘプチルスズアルコキシド、テトラヘキシスズアルコキシド、テトラヘプチルスズアルコキシド、テトラオクチルスズアルコキシド、テトラノニルスズアルコキシド、テトラデシルスズアルコキシド;テトラメチルハフニウムアルコキシド、テトラエチルハフニウムアルコキシド、テトライソプロピルハフニウムアルコキシド、テトラプロピルハフニウムアルコキシド、テトライソブチルハフニウムアルコキシド、テトラブチルハフニウムアルコキシド、テトラペンチルハフニウムアルコキシド、テトラヘプチルハフニウムアルコキシド、テトラヘキシハフニウムアルコキシド、テトラヘプチルハフニウムアルコキシド、テトラオクチルハフニウムアルコキシド、テトラノニルハフニウムアルコキシド、テトラデシルハフニウムアルコキシド;トリメチルインジウムアルコキシド、トリエチルインジウムアルコキシド、トリイソプロピルインジウムアルコキシド、トリプロピルインジウムアルコキシド、トリイソブチルインジウムアルコキシド、トリブチルインジウムアルコキシド、トリペンチルインジウムアルコキシド、トリヘキシルインジウムアルコキシド、トリヘプチルインジウムアルコキシド、トリオクチルインジウムアルコキシド、トリノニルインジウムアルコキシド、トリデシルインジウムアルコキシド;トリメチルアンチモンアルコキシド、トリエチルアンチモンアルコキシド、トリイソプロピルアンチモンアルコキシド、トリプロピルアンチモンアルコキシド、トリイソブチルアンチモンアルコキシド、トリブチルアンチモンアルコキシド、トリペンチルアンチモンアルコキシド、トリヘキシルアンチモンアルコキシド、トリヘプチルアンチモンアルコキシド、トリオクチルアンチモンアルコキシド、トリノニルアンチモンアルコキシド、トリデシルアンチモンアルコキシドが挙げられる。その中でも、ペンタエチルタングステンアルコキシド、ペンタイソプロピルタングステンアルコキシド、ペンタプロピルタングステンアルコキシド、ペンタイソブチルタングステンアルコキシド、ペンタブチルタングステンアルコキシドが好ましい。
【0062】
(加水分解物混合物(A)の製造方法)
本発明において、加水分解物混合物(A)を構成する有機珪素化合物と(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物は、以下の配合量とすることが好ましい。つまり、加水分解物混合物(A)は、下記に詳述する重合性単量体(B)100質量部に対して、有機珪素化合物を10〜400質量部、および(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物を3〜300質量部含む加水分解成分混合物を加水分解したものであることが好ましい。加水分解により、アルコキシ基が全て加水分解されていても良く、一部分が部分的に加水分解された状態でも良い。加水分解に使用する水の量は、特に制限はないが、塗膜の濡れ性やより良好なナノインプリントパターン転写性を勘案すると、上記混合物の全アルコキシ基のモル数に対して、0.1倍モル以上2.0倍モル以下から好ましく選択できる。
【0063】
有機珪素化合物と(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物との配合量が前記範囲を満足することにより、加水分解物混合物の分散性の良い光硬化性ナノインプリント用組成物となり、濾過による精製が容易で生産性を向上することができる。また、比較的低圧でのナノインプリントが可能となるため、使用するモールドの寿命を長くすることもできる。加水分解物混合物の分散性や比較的低圧でのナノインプリントを考慮すると、重合性単量体(B)100質量部に対して、有機珪素化合物の使用量は、30〜300質量部であることがより好ましく、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物の使用量は、5〜250質量部であることがより好ましい。さらには、有機珪素化合物の使用量は、30〜200質量部であることが好ましく、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物の使用量は、10〜200質量部であることが好ましく、有機珪素化合物の使用量は、35〜140質量部であることが特に好ましく、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物の使用量は、15〜180質量部であることが特に好ましい。
【0064】
本発明において、加水分解物混合物(A)は、さらに、金属アルコキシドの加水分解物を含むことができる。金属アルコキシドの加水分解物を含むことで、硬化膜の塩素系ガスに対するエッチング耐性をさらに向上させることができる。金属アルコキシドは、以下の配合量とすることが好ましい。つまり、上記加水分解成分混合物を、下記に詳述する重合性単量体(B)100質量部に対して、さらに、金属アルコキシドを0.1〜150質量部を含む加水分解成分混合物とし、該加水分解成分混合物を加水分解したものであることが好ましい。
【0065】
(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物と金属アルコキシドの配合量が前記範囲を満足することにより、加水分解混合物の分散性の良い光硬化性ナノインプリント用組成物となり、より良好なパターン転写性、濾過による精製が容易で生産性を向上することができる。また、比較的低圧でのナノインプリントが可能となるため、使用するモールドの寿命も長くすることができる。さらに金属アルコキシドの加水分解物を配合することにより、エッチング耐性、特に塩素系ガスのエッチング耐性が向上する。加水分解混合物の分散性や比較的低圧でのナノインプリント等を考慮すると、重合性単量体(B)100質量部に対して、金属アルコキシドの使用量は0.5〜100質量部、であることがより好ましい。さらには、金属アルコキシドの使用量は1〜80質量部であることがより好ましく、3〜50質量部であることが特に好ましい。
【0066】
また、金属アルコキシドは、有機珪素化合物と(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物との合計100質量部に対して、0.2〜50質量部であることが好ましい。金属アルコキシドの使用量を前記範囲とすることにより、塩素系ガスによるエッチング耐性が特に改善される。そのため、金属アルコキシドの使用量は、より好ましくは1〜40質量部であり、さらに好ましくは2〜30質量部である。
【0067】
(加水分解物混合物(A)の製造方法:加水分解に使用する水、およびその量)
本発明において、加水分解混合物(A)を得るために使用する水の量は、特に制限されないが、全アルコキシド基のモル数に対して、0.1倍モル以上2.0倍モル以下の量であることが塗膜の濡れ性やより良好なナノインプリントナノインプリントパターン転写性の点から好ましい。
【0068】
なお、全アルコキシ基のモル数とは、(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物の使用モル数と該(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物1分子中に存在するアルコキシ基の数との積と、金属アルコキシドの使用モル数と該金属アルコキシド1分子中に存在するアルコキシ基の数との積、さらに有機珪素化合物を使用する場合には、有機珪素化合物の使用モル数と該有機珪素化合物1分子中に存在するアルコキシ基の数との積を加えたものである。
【0069】
水の量が、0.1倍モル未満の場合には、縮合が不十分となり、塗膜を形成する際に濡れ性が悪くハジキが発生し易くなるため好ましくない。一方、2.0倍モル以上となる場合には、比較的低い圧力でのナノインプリントナノインプリントパターン転写性が低下し、モールドの破損等の要因となることがある。縮合の程度や比較的低圧力でのパターン形成を考慮すると、水の量は、上記混合物の全アルコキシド基のモル数に対して、好ましくは0.2倍モル以上1.5倍モル以下、さらに0.5倍モル以上1.2倍モル以下であることが好ましい。
【0070】
本発明において、前記水には、酸が含まれてもよい。使用する酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸等の無機酸、有機リン酸、蟻酸、酢酸、無水酢酸、クロロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、イタコン酸、シュウ酸、ムチン酸、尿酸、バルビツル酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、酸性陽イオン交換樹脂が挙げられる。酸を使用する場合には、特に制限されるものではないが、その使用量は、全アルコキシ基のモル数に対して、水素イオンが0.0001倍モル以上0.01倍モル以下となる量とすることが好ましい。また、この酸はそのまま使用することもできるが、酸水溶液、又は水に分散させた状態のものを使用することが好ましい。この場合、0.1〜6Nの濃度のものを使用することが好ましい。この場合、使用した水は、上記水の使用量に含まれるものとする。
【0071】
本発明において、加水分解物混合物(A)は、加水分解させる成分(アリール基を有する有機珪素化合物、及び(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物(金属アルコキシドを用いる場合には金属アルコキシドも含む))を、前記量の水と混合する。水と混合する方法は、特に制限されるものではないが、均一な光硬化性ナノインプリント用組成物を製造するためには、加水分解させる成分を最初に混合して加水分解成分混合物とした後、該加水分解成分混合物に水を加えて加水分解を実施することが好ましい。
【0072】
加水分解させる成分と水との混合は、5℃以上60℃以下の温度にて実施すればよい。この際、加水分解を容易に進行させるため、希釈溶媒を使用することもできる。希釈溶媒としては、炭素数1〜4のアルコールが好ましく、特に、エタノールを使用することが好ましい。希釈溶媒の使用量は、前記加水分解成分混合物100質量部に対して、50〜400質量部であることが好ましい。
【0073】
(加水分解混合物(A)の製造方法:加水分解条件)
本発明において、加水分解における反応温度は、特に制限されないが、通常は、5〜60℃の範囲から選択される。反応時間は、前記反応温度との兼ね合いで適宜選択すれば良く、通常は、10分〜12時間の範囲から選択される。
【0074】
(加水分解物混合物(A)の使用方法、物性)
上記の方法に従い、加水分解物混合物(A)を準備することができる。本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、前記加水分解物混合物(A)の他に、加水分解時に副生するアルコール及び加水分解に使用した水を含むこともできる。さらには、加水分解を容易に進めるために使用した希釈溶媒を含むこともできる。
【0075】
得られる加水分解物混合物(A)は、他の成分との混合のし易さ、光硬化性ナノインプリント用組成物の生産性等を考慮すると、25℃における粘度が0.1〜100mPa・secであることが好ましい。なお、この粘度の値は、音叉式粘度計:AND VIBRO VISCOMETER SV-1Aにより測定した値であり、副生したアルコール、使用した水、および希釈のために使用した希釈溶媒を含む状態で用いる場合には、これらを含んだものを測定した際の値である。
【0076】
また、加水分解物混合物(A)は、製造後、直に、他の成分と混合して光硬化性ナノインプリント用組成物とすることが好ましい。ただし、そうすることができない場合には、製造後、経時変化させないため、−30℃〜15℃以下の温度で保存しておくことが好ましい。この場合も、加水分解物混合物(A)の粘度は、前記範囲を満足していることが好ましい。
【0077】
次に、上記方法で得られた加水分解物混合物(A)と併用して使用する(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B)について説明する。
【0078】
((メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B))
本発明において、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B)(以下、単に「重合性単量体(B)」ともいう)は、特に制限されるものではなく、光重合に使用される公知の重合性単量体を使用することができる。この重合性単量体(B)は、前記式(2)で示される(メタ)アクリル基を有する有機珪素化合物を含まない。好ましい化合物としては、(メタ)アクリル基を有し、分子中に珪素原子を含まない重合性単量体が挙げられる。これら重合性単量体(B)は、1分子中に1つの(メタ)アクリル基を有する単官能重合性単量体であってもよいし、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリル基を有する多官能重合性単量体であってもよい。さらには、これら単官能重合性単量体および多官能重合性単量体を組み合わせて使用することもできる。
【0079】
重合性単量体(B)の例を具体的に例示すれば、1分子中に1つの(メタ)アクリル基を有する単官能重合性単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、長鎖アルキル(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、エトキシエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、プロポキシエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、エトキシプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、プロポキシプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンタン(メタ)アクリレート誘導体、アクリロイルモルホリン等の脂肪族アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、フェノキシプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロフェノキシキシエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェノキシプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールアクリレート、アルキルフェノールエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、アルキルフェノールプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、下記式(4)
【0080】
【化8】
【0081】
(式中、
10は、水素原子、またはメチル基であり、
11は、炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数1〜10のヒドロキシアルキレン基であり、
qは1〜10の整数である。)
で示される分子内にο−フェニルフェノール基を有する単量体等の芳香環を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0082】
1分子中に2つの(メタ)アクリル基を有する多官能重合性単量体(2官能重合性単量体)としては、例えば、分子内にアルキレンオキサイド結合を有する単量体が好ましく、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、下記式(5)
【0083】
【化9】
【0084】
(式中、
12、R13、R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、またはメチル基であり、
a、およびbは、それぞれ、0以上の整数、ただし、a+bの平均値は2〜25である)
で示されるポリオレフィングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0085】
なお、上記式(5)で示されるポリオレフィングリコールジ(メタ)アクリレートは、通常、分子量の異なる分子の混合物で得られる。そのため、a+bの値は平均値となる。本発明の効果がより発揮されるためには、a+bの平均値は2〜15であることが好ましく、特に、2〜10であることが好ましい。
【0086】
また、その他の2官能重合性単量体としては、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族ジ(メタ)アクリレート;エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、工トキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、下記式(7)
【0087】
【化10】
【0088】
(式中、
16、R17は、それぞれ独立に水素原子、またはメチル基であり、
18、R19は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキレン基、炭素数2〜10の(ポリ)エチレングリコール基、または炭素数3〜12の(ポリ)プロピレングリコール基であり、それぞれ、同種又は異種の基であってもよい。)
で示されるフルオレン構造を有するジ(メタ)アクリレート等の芳香環を有するジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0089】
さらに、該多官能重合性単量体において、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリレート基を有する重合性単量体としては、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレートが挙げられる。
【0090】
上記重合性単量体(B)の中でも、塩素系ガスのエッチング耐性を向上させることができるという点から、分子内にο−フェニルフェノール基を有する単量体、分子内にフルオレン構造を有する単量体が好ましく、具体的にはエトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、前記式(4)で示される分子内にο−フェニルフェノール基を有する単量体、前記式(7)で示されるフルオレン構造を有するジ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0091】
本発明において、これら重合性単量体(B)は、使用する用途、形成するパターンの形状に応じて、単独で使用することも、複数種類のものを組み合わせて使用することもできる。
【0092】
式(4)で示される分子内にο−フェニルフェノール基を有する単量体について説明する。
【0093】
下記式(4)
【0094】
【化11】
【0095】
(式中、
10は、水素原子、またはメチル基であり、
11は、炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数1〜10のヒドロキシアルキレン基である。)
において、R10は水素原子あるいはメチル基である。
【0096】
11は、炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数1〜10のヒドロキシアルキレン基である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、2−メチルブチレン基、2−メチル−2−ブチレン基、3−メチルブチレン基、3−メチル−2−ブチレン基、ペンチレン基、2−ペンチレン基、3−ペンチレン基、3−ジメチル−2−ブチレン基、3,3−ジメチルブチレン基、3,3−ジメチル−2−ブチレン基、2−エチルブチレン基、ヘキシレン基、2−ヘキシレン基、3−ヘキシレン基、2−メチルペンチレン基、2−メチル−2−ペンチレン基、2−メチル−3−ペンチレン基、3−メチルペンチレン基、3−メチル−2−ペンチレン基、3−メチル−3−ペンチレン基、4−メチルペンチレン基、4−メチル−2−ペンチレン基、2,2−ジメチル−3−ペンチレン基、2,3−ジメチル−3−ペンチレン基、2,4−ジメチル−3−ペンチレン基、4,4−ジメチル−2−ペンチレン基、3−エチル−3−ペンチレン基、ヘプチレン基、2−ヘプチレン基、3−ヘプチレン基、2−メチル−2−ヘキシレン基、2−メチル−3−ヘキシレン基、5−メチルヘキシレン基、5−メチル−2−ヘキシレン基、2−エチルヘキシレン基、6−メチル−2−ヘプチレン基、4−メチル−3−ヘプチレン基、オクチレン基、2−オクチレン基、3−オクチレン基、2−プロピルペンチレン基、2,4,4−トリメチルペンチレン基、2−メチルヘプチレン基、3−メチルヘプチレン基、4−メチルヘプチレン基、2,2,4−トリメチルペンチレン基、2,2,3−トリメチルペンチレン基、2,3,4−トリメチルペンチレン基、2,3,3−トリメチルペンチレン基、3,3−ジメチルへキシレン基、3,4−ジメチルへキシレン基、2,3−ジメチルへキシレン基、2,4−ジメチルへキシレン基、2,2−ジメチルへキシレン基、2,5−ジメチルへキシレン基、2,2,3,3−テトラメチルブチレン基、3−エチル−2−メチルペンチレン基、3−エチルへキシレン基、3−エチル−3−メチルペンチレン基、ノニレン基、2,3,4−トリメチルへキシレン基、3,4−ジメチルへキシレン、3,5−ジメチルへキシレン基、3,3−ジメチルへキシレン基、3,3−ジエチルペンチレン基、4,4−ジメチルへキシレン基、3−エチル−2,4−ジメチルペンチレン基、2,3,5−トリメチルへキシレン基、2,2,4,4−テトラメチルペンチレン基、2,2−ジメチルヘプチレン基、2,6−ジメチルヘプチレン基、2,5−ジメチルヘプチレン基、2,4−ジメチルヘプチレン基、4−エチルヘプチレン基、3−メチルオクチレン基、4−メチルオクチレン基、2,3,ジメチルヘプチレン基、4−エチル2−メチルへキシレン基、3−エチル−4−メチルへキシレン基、2−メチルオクチレン基、2,2,5−トリメチルへキシレン基、3,3−ジメチルヘプチレン基、2,2,3,3−テトラメチルペンチレン基、3−エチルヘプチレン基、2,2,3−トリメチルヘキシレン基、2,2,4−トリメチルヘキシレン基、2,3,3−トリメチルヘキシレン基、2,4,4−トリメチルヘキシレン基、3,3,4−トリメチルヘキシレン基、3−エチル−2,2−ジメチルペンチレン基、2,3,3,4−テトラメチルペンチレン基、3−エチル−2−メチル−ヘキシレン基、デキレン基、2−メチルノニレン基、2,2,5,5−テトラメチルヘキシレン基、2,7−ジメチルオクチレン基、2,2,6−トリメチルヘプチレン基、2,6−ジメチルオクチレン基、2,4,6−トリメチルヘプチレン基、4−プロピル−ヘプチレン基、2,4,4−トリメチルヘプチレン基、2,3,6−トリメチルヘプチレン基、2,4−ジメチルオクチレン基、3,3−ジメチルオクチレン基、3,3,4,4−テトラメチルヘキシレン基、3−エチルオクチレン基、3−メチルノニレン基、2,3−ジメチルオクチレン基、3,3,5−トリメチルヘプチレン基、3−エチル−2,4−ジメチルヘキシレン基、2,2,3,3−テトラメチルヘキシレン基、3−エチル−2−メチルヘプチレン基、2,2,4−トリメチルヘプチレン基、5−メチルノニレン基、4−エチルオクチレン基、2,2−ジメチルオクチレン基、3,5−ジメチルオクチレン基、3,6−ジメチルオクチレン基、4,4−ジメチルオクチレン基、2,2,4,5−テトラメチルヘキシレン基、4−メチルノニレン基、3−エチル−3−メチル−ヘプチレン基、3,3−ジメチルヘキシレン基、4−エチル−4−メチルペンチレン基、3,4−ジエチルヘキシレン基、2,4,5−トリメチルヘプチレン基、3,4,4−トリメチルヘプチレン基、3−エチル−2,2−ジメチルヘキシレン基、2,2,5−トリメチルヘプチレン基、2,2,4,4−テトラメチルヘキシレン基、4−(1−メチルエチル)−ヘプチレン基、4−エチル−2−メチルヘプチレン基、4−エチル−3−メチルヘプチレン基、3−エチル−4−メチルヘプチレン基、2,2,3−トリメチルヘプチレン基、2,3,3−トリメチルヘプチレン基、2,3,4−トリメチルヘプチレン基、3−エチル−2,3−ジメチルヘキシレン基、4−エチル−2,4−ジメチルヘキシレン基、3−エチル−2,5−ジメチルヘキシレン基、4−エチル−3,3−ジメチルヘキシレン基、3−エチル−3,4−ジメチルヘキシレン基、2,2,3,4−テトラメチルへキシレン基、2,2,3,5−テトラメチルへキシレン基、2,3,3,4−テトラメチルへキシレン基、2,3,3,5−テトラメチルへキシレン基、2,3,4,4−テトラメチルへキシレン基、2,3,4,5−テトラメチルへキシレン基、3,3−ジメチル−2−メチルペンチレン基、ジメチルオクチレン基等のアルキレン基;トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等のポリメチレン基;1−ヒドロキシエチレン基、2−ヒドロキシエチレン基、1−ヒドロキシプロピレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、3−ヒドロキシプロピレン基、1−ヒドロキシイソプロピレン基、2−ヒドロキシイソプロピレン基、3−ヒドロキシイソプロピレン基、1−ヒドロキシブチレン基、2−ヒドロキシブチレン基、3−ヒドロキシブチレン基、4−ヒドロキシブチレン基、1−ヒドロキシイソブチレン基、2−ヒドロキシイソブチレン基、3−ヒドロキシイソブチレン基、1−ヒドロキシsec−ブチレン基、2−ヒドロキシsec−ブチレン基、3−ヒドロキシsec−ブチレン基、4−ヒドロキシsec−ブチレン基、1−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピレン基、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピレン基、1−ヒドロキシ−2−メチルブチレン基、2−ヒドロキシ−2−メチルブチレン基、3−ヒドロキシ−2−メチルブチレン基、4−ヒドロキシ−2−メチルブチレン基、1−ヒドロキシ2−メチル−2−ブチレン基、3−ヒドロキシ2−メチル−2−ブチレン基、4−ヒドロキシ2−メチル−2−ブチレン基、1−ヒドロキシ−3−メチルブチレン基、2−ヒドロキシ−3−メチルブチレン基、3−ヒドロキシ−3−メチルブチレン基、4−ヒドロキシ−3−メチルブチレン基、1−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブチレン基、2−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブチレン基、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブチレン基、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブチレン基、1−ヒドロキシペンチレン基、2−ヒドロキシペンチレン基、3−ヒドロキシペンチレン基、4−ヒドロキシペンチレン基、5−ヒドロキシペンチレン基、1−ヒドロキシ−2−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−2−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−2−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−2−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−2−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−3−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−3−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−3−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−3−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−3−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−3−ジメチル−2−ブチレン基、2−ヒドロキシ−3−ジメチル−2−ブチレン基、3−ヒドロキシ−3−ジメチル−2−ブチレン基、4−ヒドロキシ−3−ジメチル−2−ブチレン基、1−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチレン基、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチレン基、4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチレン基、1−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2−ブチレン基、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2−ブチレン基、4−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2−ブチレン基、1−ヒドロキシ−2−エチルブチレン基、2−ヒドロキシ−2−エチルブチレン基、3−ヒドロキシ−2−エチルブチレン基、4−ヒドロキシ−2−エチルブチレン基、1−ヒドロキシ−ヘキシレン基、2−ヒドロキシ−ヘキシレン基、3−ヒドロキシ−ヘキシレン基、4−ヒドロキシ−ヘキシレン基、5−ヒドロキシ−ヘキシレン基、6−ヒドロキシ−ヘキシレン基、1−ヒドロキシ−2−ヘキシレン基、2−ヒドロキシ−2−ヘキシレン基、3−ヒドロキシ−2−ヘキシレン基、4−ヒドロキシ−2−ヘキシレン基、5−ヒドロキシ−2−ヘキシレン基、6−ヒドロキシ−2−ヘキシレン基、1−ヒドロキシ−3−ヘキシレン基、2−ヒドロキシ−3−ヘキシレン基、3−ヒドロキシ−3−ヘキシレン基、4−ヒドロキシ−3−ヘキシレン基、5−ヒドロキシ−3−ヘキシレン基、6−ヒドロキシ−3−ヘキシレン基、1−ヒドロキシ−2−メチルペンチレン基、2−ヒドロキシ−2−メチルペンチレン基、3−ヒドロキシ−2−メチルペンチレン基、4−ヒドロキシ−2−メチルペンチレン基、5−ヒドロキシ−2−メチルペンチレン基、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−2−メチル−2−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−2−メチル−2−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−2−メチル−2−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−2−メチル−2−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−2−メチル−3−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−2−メチル−3−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−2−メチル−3−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−2−メチル−3−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−2−メチル−3−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−3−メチルペンチレン基、2−ヒドロキシ−3−メチルペンチレン基、3−ヒドロキシ−3−メチルペンチレン基、4−ヒドロキシ−3−メチルペンチレン基、5−ヒドロキシ−3−メチルペンチレン基、1−ヒドロキシ−3−メチル−2−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−3−メチル−2−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−3−メチル−2−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−3−メチル−3−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−3−メチル−3−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−3−メチル−3−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−3−メチル−3−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−4−メチルペンチレン基、2−ヒドロキシ−4−メチルペンチレン基、3−ヒドロキシ−4−メチルペンチレン基、4−ヒドロキシ−4−メチルペンチレン基、5−ヒドロキシ−4−メチルペンチレン基、1−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−3−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−3−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−3−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−3−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−3−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−3−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−3−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−3−ペンチレン基、1−
ヒドロキシ−2,4−ジメチル−3−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−2,4−ジメチル−3−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−2,4−ジメチル−3−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−2,4−ジメチル−3−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−2,4−ジメチル−3−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−3−エチル−3−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−3−エチル−3−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−3−エチル−3−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−3−エチル−3−ペンチレン基、1−ヒドロキシヘプチレン基、2−ヒドロキシヘプチレン基、3−ヒドロキシヘプチレン基、4−ヒドロキシヘプチレン基、5−ヒドロキシヘプチレン基、6−ヒドロキシヘプチレン基、7−ヒドロキシヘプチレン基、1−ヒドロキシ−2−ヘプチレン基、2−ヒドロキシ−2−ヘプチレン基、3−ヒドロキシ−2−ヘプチレン基、4−ヒドロキシ−2−ヘプチレン基、5−ヒドロキシ−2−ヘプチレン基、6−ヒドロキシ−2−ヘプチレン基、7−ヒドロキシ−2−ヘプチレン基、1−ヒドロキシ−3−ヘプチレン基、2−ヒドロキシ−3−ヘプチレン基、3−ヒドロキシ−3−ヘプチレン基、4−ヒドロキシ−3−ヘプチレン基、5−ヒドロキシ−3−ヘプチレン基、6−ヒドロキシ−3−ヘプチレン基、7−ヒドロキシ−3−ヘプチレン基、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ヘキシレン基、3−ヒドロキシ−2−メチル−2−ヘキシレン基、4−ヒドロキシ−2−メチル−2−ヘキシレン基、5−ヒドロキシ−2−メチル−2−ヘキシレン基、6−ヒドロキシ−2−メチル−2−ヘキシレン基、1−ヒドロキシ−2−メチル−3−ヘキシレン基、2−ヒドロキシ−2−メチル−3−ヘキシレン基、3−ヒドロキシ−2−メチル−3−ヘキシレン基、4−ヒドロキシ−2−メチル−3−ヘキシレン基、5−ヒドロキシ−2−メチル−3−ヘキシレン基、6−ヒドロキシ−2−メチル−3−ヘキシレン基、1−ヒドロキシ−5−メチルヘキシレン基、2−ヒドロキシ−5−メチルヘキシレン基、3−ヒドロキシ−5−メチルヘキシレン基、4−ヒドロキシ−5−メチルヘキシレン基、5−ヒドロキシ−5−メチルヘキシレン基、6−ヒドロキシ−5−メチルヘキシレン基、1−ヒドロキシ−5−メチル−2−ヘキシレン基、2−ヒドロキシ−5−メチル−2−ヘキシレン基、3−ヒドロキシ−5−メチル−2−ヘキシレン基、4−ヒドロキシ−5−メチル−2−ヘキシレン基、5−ヒドロキシ−5−メチル−2−ヘキシレン基、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ヘキシレン基、1−ヒドロキシ−2−エチルヘキシレン基、2−ヒドロキシ−2−エチルヘキシレン基、3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシレン基、4−ヒドロキシ−2−エチルヘキシレン基、5−ヒドロキシ−2−エチルヘキシレン基、6−ヒドロキシ−2−エチルヘキシレン基、1−ヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチレン基、2−ヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチレン基、3−ヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチレン基、4−ヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチレン基、5−ヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチレン基、6−ヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチレン基、7−ヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチレン基、1−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘプチレン基、2−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘプチレン基、3−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘプチレン基、4−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘプチレン基、5−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘプチレン基、6−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘプチレン基、1−ヒドロキシオクチレン基、2−ヒドロキシオクチレン基、3−ヒドロキシオクチレン基、4−ヒドロキシオクチレン基、5−ヒドロキシオクチレン基、6−ヒドロキシオクチレン基、7−ヒドロキシオクチレン基、8−ヒドロキシオクチレン基、1−ヒドロキシ−2−オクチレン基、2−ヒドロキシ−2−オクチレン基、3−ヒドロキシ−2−オクチレン基、4−ヒドロキシ−2−オクチレン基、5−ヒドロキシ−2−オクチレン基、6−ヒドロキシ−2−オクチレン基、7−ヒドロキシ−2−オクチレン基、8−ヒドロキシ−2−オクチレン基、1−ヒドロキシ−3−オクチレン基、2−ヒドロキシ−3−オクチレン基、3−ヒドロキシ−3−オクチレン基、4−ヒドロキシ−3−オクチレン基、5−ヒドロキシ−3−オクチレン基、6−ヒドロキシ−3−オクチレン基、7−ヒドロキシ−3−オクチレン基、8−ヒドロキシ−3−オクチレン基、1−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、2−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、3−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、4−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、5−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、1−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルペンチレン基、2−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルペンチレン基、3−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルペンチレン基、5−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルペンチレン基等のヒドロキシアルキレン基が挙げられる。
【0097】
これらの中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の炭素数1〜4のアルキレン基または炭素数3〜4のポリメチレン基;またはヒドロキシメチレン基、1−ヒドロキシメチレン基、2−ヒドロキシメチレン基、1−ヒドロキシプロピレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、3−ヒドロキシプロピレン基、1−ヒドロキシイソプロピレン基、2−ヒドロキシイソプロピレン基、3−ヒドロキシイソプロピレン基、1−ヒドロキシブチレン基、2−ヒドロキシブチレン基、3−ヒドロキシブチレン基、4−ヒドロキシブチレン基等の炭素数1〜4のヒドロキシアルキレン基であることが好ましい。
【0098】
式(4)で示される分子内にο−フェニルフェノール基を有する単量体の中でも、好適な化合物としては、3−O−フェニルフェノールエチルアクリレート、3−O−フェニルフェノールプロピルアクリレート、3−O−フェニルフェノールブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−O−フェニルフェノールプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−O−フェニルフェノールブチルアクリレート、3−ヒドロキシ−3−O−フェニルフェノールプロピルアクリレート等が挙げられる。
【0099】
式(7)で示される分子内にο−フェニルフェノール基を有する単量体について説明する。
【0100】
下記式(7)
【0101】
【化12】
【0102】
(式中、
16、R17は、水素原子、またはメチル基であり、
18、R19は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキレン基、炭素数1〜10の(ポリ)エチレングリコール、炭素数1〜12の(ポリ)プロピレングリコールである。)
において、R16、R17は水素原子、またはメチル基である。
【0103】
18、R19は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキレン基、炭素数1〜10の(ポリ)エチレングリコール、または炭素数1〜12の(ポリ)プロピレングリコールである。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、2−メチルブチレン基、2−メチル−2−ブチレン基、3−メチルブチレン基、3−メチル−2−ブチレン基、ペンチレン基、2−ペンチレン基、3−ペンチレン基、3−ジメチル−2−ブチレン基、3,3−ジメチルブチレン基、3,3−ジメチル−2−ブチレン基、2−エチルブチレン基、ヘキシレン基、2−ヘキシレン基、3−ヘキシレン基、2−メチルペンチレン基、2−メチル−2−ペンチレン基、2−メチル−3−ペンチレン基、3−メチルペンチレン基、3−メチル−2−ペンチレン基、3−メチル−3−ペンチレン基、4−メチルペンチレン基、4−メチル−2−ペンチレン基、2,2−ジメチル−3−ペンチレン基、2,3−ジメチル−3−ペンチレン基、2,4−ジメチル−3−ペンチレン基、4,4−ジメチル−2−ペンチレン基、3−エチル−3−ペンチレン基、ヘプチレン基、2−ヘプチレン基、3−ヘプチレン基、2−メチル−2−ヘキシレン基、2−メチル−3−ヘキシレン基、5−メチルヘキシレン基、5−メチル−2−ヘキシレン基、2−エチルヘキシレン基、6−メチル−2−ヘプチレン基、4−メチル−3−ヘプチレン基、オクチレン基、2−オクチレン基、3−オクチレン基、2−プロピルペンチレン基、2,4,4−トリメチルペンチレン基等のアルキレン基;トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等のポリメチレン基、1−ヒドロキシエチレン基、2−ヒドロキシエチレン基、1−ヒドロキシプロピレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、3−ヒドロキシプロピレン基、1−ヒドロキシイソプロピレン基、2−ヒドロキシイソプロピレン基、3−ヒドロキシイソプロピレン基、1−ヒドロキシブチレン基、2−ヒドロキシブチレン基、3−ヒドロキシブチレン基、4−ヒドロキシブチレン基、1−ヒドロキシイソブチレン基、2−ヒドロキシイソブチレン基、3−ヒドロキシイソブチレン基、1−ヒドロキシsec−ブチレン基、2−ヒドロキシsec−ブチレン基、3−ヒドロキシsec−ブチレン基、4−ヒドロキシsec−ブチレン基、1−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピレン基、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピレン基、1−ヒドロキシ−2−メチルブチレン基、2−ヒドロキシ−2−メチルブチレン基、3−ヒドロキシ−2−メチルブチレン基、4−ヒドロキシ−2−メチルブチレン基、1−ヒドロキシ2−メチル−2−ブチレン基、3−ヒドロキシ2−メチル−2−ブチレン基、4−ヒドロキシ2−メチル−2−ブチレン基、1−ヒドロキシ−3−メチルブチレン基、2−ヒドロキシ−3−メチルブチレン基、3−ヒドロキシ−3−メチルブチレン基、4−ヒドロキシ−3−メチルブチレン基、1−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブチレン基、2−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブチレン基、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブチレン基、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブチレン基、1−ヒドロキシペンチレン基、2−ヒドロキシペンチレン基、3−ヒドロキシペンチレン基、4−ヒドロキシペンチレン基、5−ヒドロキシペンチレン基、1−ヒドロキシ−2−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−2−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−2−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−2−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−2−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−3−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−3−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−3−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−3−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−3−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−3−ジメチル−2−ブチレン基、2−ヒドロキシ−3−ジメチル−2−ブチレン基、3−ヒドロキシ−3−ジメチル−2−ブチレン基、4−ヒドロキシ−3−ジメチル−2−ブチレン基、1−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチレン基、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチレン基、4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチレン基、1−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2−ブチレン基、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2−ブチレン基、4−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2−ブチレン基、1−ヒドロキシ−2−エチルブチレン基、2−ヒドロキシ−2−エチルブチレン基、3−ヒドロキシ−2−エチルブチレン基、4−ヒドロキシ−2−エチルブチレン基、1−ヒドロキシ−ヘキシレン基、2−ヒドロキシ−ヘキシレン基、3−ヒドロキシ−ヘキシレン基、4−ヒドロキシ−ヘキシレン基、5−ヒドロキシ−ヘキシレン基、6−ヒドロキシ−ヘキシレン基、1−ヒドロキシ−2−ヘキシレン基、2−ヒドロキシ−2−ヘキシレン基、3−ヒドロキシ−2−ヘキシレン基、4−ヒドロキシ−2−ヘキシレン基、5−ヒドロキシ−2−ヘキシレン基、6−ヒドロキシ−2−ヘキシレン基、1−ヒドロキシ−3−ヘキシレン基、2−ヒドロキシ−3−ヘキシレン基、3−ヒドロキシ−3−ヘキシレン基、4−ヒドロキシ−3−ヘキシレン基、5−ヒドロキシ−3−ヘキシレン基、6−ヒドロキシ−3−ヘキシレン基、1−ヒドロキシ−2−メチルペンチレン基、2−ヒドロキシ−2−メチルペンチレン基、3−ヒドロキシ−2−メチルペンチレン基、4−ヒドロキシ−2−メチルペンチレン基、5−ヒドロキシ−2−メチルペンチレン基、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−2−メチル−2−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−2−メチル−2−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−2−メチル−2−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−2−メチル−2−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−2−メチル−3−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−2−メチル−3−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−2−メチル−3−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−2−メチル−3−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−2−メチル−3−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−3−メチルペンチレン基、2−ヒドロキシ−3−メチルペンチレン基、3−ヒドロキシ−3−メチルペンチレン基、4−ヒドロキシ−3−メチルペンチレン基、5−ヒドロキシ−3−メチルペンチレン基、1−ヒドロキシ−3−メチル−2−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−3−メチル−2−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−3−メチル−2−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−3−メチル−3−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−3−メチル−3−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−3−メチル−3−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−3−メチル−3−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−4−メチルペンチレン基、2−ヒドロキシ−4−メチルペンチレン基、3−ヒドロキシ−4−メチルペンチレン基、4−ヒドロキシ−4−メチルペンチレン基、5−ヒドロキシ−4−メチルペンチレン基、1−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−3−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−3−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−3−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−3−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−3−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−3−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−3−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−3−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−2,4−ジメチル−3−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−2,4−ジメチル−3−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−2,4−ジメチル−3−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−2,4−ジメチル−3−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−2,4−ジメチル−3−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−ペンチレン基、3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−ペンチレン基、1−ヒドロキシ−3−エチル−3−ペンチレン基、2−ヒドロキシ−3−エチル−3−ペンチレン基、4−ヒドロキシ−3−エチル−3−ペンチレン基、5−ヒドロキシ−3−エチル−3−ペンチレン基、1−ヒドロキシヘプチレン基、2−ヒドロキシヘプチレン基、3−ヒドロキシヘプチレン基、4−ヒドロキシヘプチレン基、5−ヒドロキシヘプチレン基、6−ヒドロキシヘプチレン基、7−ヒドロキシヘプチレン基、1−ヒドロキシ−2−ヘプチレン基、2−ヒドロキシ−2−ヘプチレン基、3−ヒドロキシ−2−ヘプチレン基、4−ヒドロキシ−2−ヘプチレン基、5−ヒドロキシ−2−ヘプチレン基、6−ヒドロキシ−2−ヘプチレン基、7−ヒドロキシ−2−ヘプチレン基、1−ヒドロキシ−3−ヘプチレン基、2−ヒドロキシ−3−ヘプチレン基、3−ヒドロキシ−3−ヘプチレン基、4−ヒドロキシ−3−ヘプチレン基、5−ヒドロキシ−3−ヘプチレン基、6−ヒドロキシ−3−ヘプチレン基、7−ヒドロキシ−3−ヘプチレン基、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ヘキシレン基、3−ヒドロキシ−2−メチル−2−ヘキシレン基、4−ヒドロキシ−2−メチル−2−ヘキシレン基、5−ヒドロキシ−2−メチル−2−ヘキシレン基、6−ヒドロキシ−2−メチル−2−ヘキシレン基、1−ヒドロキシ−2−メチル−3−ヘキシレン基、2−ヒドロキシ−2−メチル−3−ヘキシレン基、3−ヒドロキシ−2−メチル−3−ヘキシレン基、4−ヒドロキシ−2−メチル−3−ヘキシレン基、5−ヒドロキシ−2−メチル−3−ヘキシレン基、6−ヒドロキシ−2−メチル−3−ヘキシレン基、1−ヒドロキシ−5−メチルヘキシレン基、2−ヒドロキシ−5−メチルヘキシレン基、3−ヒドロキシ−5−メチルヘキシレン基、4−ヒドロキシ−5−メチルヘキシレン基、5−ヒドロキシ−5−メチルヘキシレン基、6−ヒドロキシ−5−メチルヘキシレン基、1−ヒドロキシ−5−メチル−2−ヘキシレン基、2−ヒドロキシ−5−メチル−2−ヘキシレン基、3−ヒドロキシ−5−メチル−2−ヘキシレン基、4−ヒドロキシ−5−メチル−2−ヘキシレン基、5−ヒドロキシ−5−メチル−2−ヘキシレン基、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ヘキシレン基、1−ヒドロキシ−2−エチルヘキシレン基、2−ヒドロキシ−2−エチルヘキシレン基、3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシレン基、4−ヒドロキシ−2−エチルヘキシレン基、5−ヒドロキシ−2−エチルヘキシレン基、6−ヒドロキシ−2−エチルヘキシレン基、1−ヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチレン基、2−ヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチレン基、3−ヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチレン基、4−ヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチレン基、5−ヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチレン基、6−ヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチレン基、7−ヒドロキシ−6−メチル−2−ヘプチレン基、1−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘプチレン基、2−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘプチレン基、3−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘプチレン基、4−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘプチレン基、5−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘプチレン基、6−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘプチレン基、1−ヒドロキシオクチレン基、2−ヒドロキシオクチレン基、3−ヒドロキシオクチレン基、4−ヒドロキシオクチレン基、5−ヒドロキシオクチレン基、6−ヒドロキシオクチレン基、7−ヒドロキシオクチレン基、8−ヒドロキシオクチレン基、1−ヒドロキシ−2−オクチレン基、2−ヒドロキシ−2−オクチレン基、3−ヒドロキシ−2−オクチレン
基、4−ヒドロキシ−2−オクチレン基、5−ヒドロキシ−2−オクチレン基、6−ヒドロキシ−2−オクチレン基、7−ヒドロキシ−2−オクチレン基、8−ヒドロキシ−2−オクチレン基、1−ヒドロキシ−3−オクチレン基、2−ヒドロキシ−3−オクチレン基、3−ヒドロキシ−3−オクチレン基、4−ヒドロキシ−3−オクチレン基、5−ヒドロキシ−3−オクチレン基、6−ヒドロキシ−3−オクチレン基、7−ヒドロキシ−3−オクチレン基、8−ヒドロキシ−3−オクチレン基、1−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、2−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、3−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、4−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、5−ヒドロキシ−2−プロピルペンチレン基、1−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルペンチレン基、2−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルペンチレン基、3−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルペンチレン基、5−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルペンチレン基等のヒドロキシアルキレン基、エチレングリコール基、ジエチレングリコール基、トリエチレングリコール基、テトラエチレングリコール基、ペンタエチレングリコール基等のポリエチレングリコール基、プロピレングリコール基、ジプロピレングリコール基、トリプロピレングリコール基、テトラプロピレングリコール基等のポリプロピレングリコール基が挙げられる。
【0104】
これらの中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基等の炭素数1〜4のアルキレン基又は、1−ヒドロキシエチレン基、2−ヒドロキシエチレン基、1−ヒドロキシプロピレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、3−ヒドロキシプロピレン基、1−ヒドロキシイソプロピレン基、2−ヒドロキシイソプロピレン基、3−ヒドロキシイソプロピレン基、1−ヒドロキシブチレン基、2−ヒドロキシブチレン基、3−ヒドロキシブチレン基、4−ヒドロキシブチレン基、1−ヒドロキシイソブチレン基等の炭素数1〜4のヒドロキシアルキレン基、又は、エチレングリコール基、ジエチレングリコール基等の炭素数2〜4のポリエチレングリコール基又は、プロピレングリコールの炭素数3のポリプロピレングリコール基が好ましい。
【0105】
式(7)で示される分子内にο−フェニルフェノール基を有する単量体の中でも、好適な化合物としては、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシメトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルオキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピルオキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシブチルオキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシヒドロキシエチルエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシヒドロキシイソプロピルオキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシヒドロキシブチルオキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチレングリコキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロピレングリコキシ)フェニル]フルオレン等が挙げられる。
【0106】
次に、光重合開始剤(C)について説明する。
【0107】
(光重合開始剤(C))
本発明において、光重合開始剤(C)は特に制限されるものではなく、重合性単量体(B)を光重合できるものであれば、いかなる光重合開始剤も使用できる。
【0108】
光重合開始剤としては、具体的に、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モリフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン等のアセトフェノン誘導体;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2−メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド誘導体;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等のO−アシルオキシム誘導体;ジアセチル、アセチルベンゾイル、ベンジル、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジオン、4,4’−ジメトキシベンジル、4,4’−オキシベンジル、カンファーキノン、9,10−フェナンスレンキノン、アセナフテンキノン等のα−ジケトン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル;2,4−ジエトキシチオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、メチルチオキサンソン等のチオキサンソン誘導体;ベンゾフェノン、p,p’−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p’−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン誘導体が好適に使用される。
【0109】
これら光重合開始剤は、1種あるいは2種以上を混合して使用される。
【0110】
また、α−ジケトンを用いる場合には、第3級アミン化合物と組み合わせて用いることが好ましい。α−ジケトンと組み合わせて用いることのできる第3級アミン化合物としては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ−n−ブチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、m−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミルエステル、N,N−ジメチルアンスラニリックアシッドメチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、p−ジメチルアミノフェネチルアルコール、p−ジメチルアミノスチルベン、N,N−ジメチル-3,5−キシリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチル−α−ナフチルアミン、N,N−ジメチル−β−ナフチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、2,2’−(n−ブチルイミノ)ジエタノール等が挙げられる。
【0111】
本発明においては、アセトフェノン誘導体、アシルホスフィンオキサイド誘導体、O−アシルオキシム誘導体、α−ジケトンを使用することが好ましい。
【0112】
本発明において、上記光重合開始剤の使用量は、前記重合性単量体(B)100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがエッチング耐性の観点からより好ましい。
【0113】
(光硬化性ナノインプリント用組成物におけるその他の添加成分)
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の成分を配合することができる。
【0114】
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物の使用に当たり、前記光硬化性ナノインプリント用組成物を基板上に塗布して使用するが、この場合、光硬化性ナノインプリント用組成物を溶媒で希釈して使用することもできる。また、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物を安定化させる目的、又は、その他の目的で溶媒を配合することもできる。使用される溶媒としては、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物が溶解する溶媒であれば、何ら制限なく使用でき、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、トルエン、クロロホルム、酢酸エチルエステル、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルラクテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、ブチルアセテート、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、ポリエチレングリコール、水、アルコールを挙げることができる。なお、水、アルコールは、新たに配合することもできるし、加水分解物混合物(A)を製造した際に使用した水、副生したアルコールであってもよい。また、加水分解物混合物(A)を製造する際に希釈溶媒として使用した溶媒が、上記溶媒に含まれてもよい。
【0115】
溶媒を使用する場合、使用量は特に制限されず、目的の塗膜の厚みに応じて、適宜選択される。中でも、溶媒および光硬化性ナノインプリント用組成物の合計量を100質量%とすると、該溶媒の濃度が10〜99質量%となる範囲とすることが好ましい。
【0116】
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物には、その他の公知の添加剤を配合することができる。具体的には、界面活性剤、重合禁止剤、反応性希釈剤等を配合することができる。界面活性剤は塗膜の均一性の点から、重合禁止剤は保存中に重合しないように安定化させるために配合される。
【0117】
界面活性剤を配合する場合には、重合性単量体(B)100質量部に対して、0.0001〜0.1質量部、好ましくは、0.0005〜0.01質量量部の割合で配合することができる。
【0118】
界面活性剤としては、フッ素含有界面活性剤、シリコーン含有界面活性剤、脂肪族系界面活性剤を使用できる。中でも、光硬化性ナノインプリント用組成物がシリコンウエハ等の基板へ塗布されるものの場合、はじきを生ずることなく、組成物を均一に塗布し易い点から、脂肪族系界面活性剤を使用することがより好ましい。
【0119】
界面活性剤の例としては、デシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルコール硫酸エステルの金属塩類、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等の脂肪族カルボン酸金属塩類、ラウリルアルコールとエチレンオキサイドとの付加物を硫酸化したラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム等の高級アルキルエーテル硫酸エステルの金属塩類、スルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸ジエステル類、高級アルコールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩類等のアニオン性活性剤;ドデシルアンモニウムクロリド等のアルキルアミン塩類およびトリメチルドデシルアンモニウムブロミド等の4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤;ドデシルジメチルアミンオキシド等のアルキルジメチルアミンオキシド類、ドデシルカルボキシベタイン等のアルキルカルボキシベタイン類、ドデシルスルホベタイン等のアルキルスルホベタイン類、ラウラミドプロピルアミンオキシド等のアミドアミノ酸塩等の両性イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル類、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル類、脂肪酸ポリオキシエチレンラウリルエステル等の脂肪酸ポリオキシエチレンエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンラウリルエステル等のポリオキシエチレンソルビタンエステル類等の非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。界面活性剤は、それぞれ単独で使用できるだけでなく、必要に応じて、複数の種類を組み合わせて併用することもできる。
【0120】
重合禁止剤を配合する場合には、重合性単量体(B)100質量部に対して、0.01〜1.0質量部、好ましくは、0.1〜0.5質量部の割合で配合することができる。
【0121】
重合禁止剤の例としては、公知のものを挙げることができ、例えば、最も代表的なものは、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノン、ブチルヒドロキシトルエン等を挙げることができる。
【0122】
反応性希釈剤としては、N−ビニルピロリドン等の公知のものを挙げることができる。
【0123】
反応性希釈剤の添加量は特に制限されず、金型からのパターンの形成に影響を及ぼさない範囲で適宜選択され、重合性単量体(B)100質量部に対して、通常、1〜50質量部の範囲から適宜選択される。その中でも、光硬化性ナノインプリント用組成物の低粘度化、パターンの機械的強度等を勘案すると、5〜30質量部であることが好ましい。
【0124】
また、他の添加成分として、パイパーブランチポリマーのような球状微粒子を添加することもできる。この場合、直径は1〜10nm、分子量10,000〜100,000の球状ハイパーブランチポリマーを配合することが好ましい。配合量は、重合性単量体(B)100質量部に対して0.1〜10質量部の量であることが好ましい。
【0125】
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、加水分解物混合物(A)、重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、および必要に応じて配合するその他の添加成分を混合することによって調製される。これら成分の添加順序は特に制限されるものではない。
【0126】
次に、この光硬化性ナノインプリント用組成物を使用して、基板上にパターンを形成する方法について説明する。
【0127】
(光硬化性インプリン用組成物を用いたパターンの形成法)
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物を用いたパターン形成方法について説明する。
【0128】
先ず、上記方法に従って調製した光硬化性ナノインプリント用組成物を、基材上に公知の方法に従って塗布することにより、塗膜を形成する。
【0129】
該基材としては、特にその形態、材質は制限されるものではなく、基板、シート、フィルム状のものが使用できる。具体的には、シリコンウエハ、石英、ガラス、サファイア、各種金属材料、アルミナ・窒化アルミニウム・炭化珪素・窒化珪素等のセラミックス、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、シクロオレフィン樹脂フィルムのような公知の基板、シート、フィルムを使用することができる。なお、これら基材は、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物よりなる硬化膜との密着性をより改善するために、表面処理を施すこともできる。
【0130】
これら基材上に、スピンコート法、ディッピング法、ディスペンス法、インクジェット法、スプレーコート法、ロールtoロール法のような公知の方法により、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物を塗布することによって、塗膜を形成すればよい。塗膜の厚みは、特に制限されるものではなく、目的とする用途に応じて適宜決定すればよいが、通常0.1〜5μmであり、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、0.01〜0.1μmの厚みの塗膜の形成にも好適に適用できる。
【0131】
乾燥温度は、塗膜が乾燥する温度であれば、特に制限されないが、通常は、40℃〜150℃の範囲から選択できる。
【0132】
薄く塗布するためは、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物を有機溶媒にて希釈して塗布することも可能であり、その場合は、用いる有機溶媒の沸点、揮発性に応じて、乾燥温度を適宜決定すればよい。
【0133】
次に、所望のパターンが形成されている金型のパターン形成面を、前記塗膜と接触させる。この際、金型は、光照射を介して、塗布された組成物を硬化させることにより硬化膜を形成できるように、透明な材質、例えば、石英や透明な樹脂フィルムで形成されていることが好ましい。本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、金型を押し付ける際に比較的低圧でパターンを転写することができる。この際の圧力は、特に制限されるものではないが、0.01MPa〜1MPaの圧力でパターンを転写できる。なお、当然のことながら、上記圧力の上限値以上の圧力でもパターンの転写は可能である。
【0134】
その後、金型のパターン形成面と塗膜とを接触させた状態のまま、光を照射して、塗膜を硬化させる。照射する光は、波長が500nm以下で、光の照射時間は、0.1〜300秒の範囲から選択される。塗膜の厚み等にもよるが、通常、1〜60秒である。
【0135】
光重合時の雰囲気として、大気下でも重合可能であるが、光重合反応を促進する上で、酸素阻害の少ない雰囲気下での光重合が好ましい。例えば、窒素ガス雰囲気下、不活性ガス雰囲気下、フッ素系ガス雰囲気下、真空雰囲気下等が好ましい。
【0136】
光硬化後、硬化した塗膜から金型を分離することにより、基板上に硬化した塗膜(硬化膜)によりパターンが形成された積層体が得られる。
【0137】
(基板へのパターン形成:硬化膜によりパターンを形成した積層体のエッチング)
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、形成される硬化膜が優れたエッチング耐性を示す。そのため、該硬化膜より形成されるパターンは、酸素ガス、フッ素系ガス、塩素系ガス等によるエッチング耐性が非常に良好となり、酸素ガス、フッ素系ガス、塩素系ガス等によるエッチングによってナノスケールの凹凸構造を有する基材を製造する際のマスクとして好適に用いることができる。特に、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物から得られる硬化膜は、サファイア基板を加工するための塩素系ガスに対するエッチング耐性に優れていることから、サファイア基板を表面加工する際のマスクとして用いるのに適している。なお、塩素系ガスとしては、反応性イオンエッチングに用いられる公知のガスを使用することができる。具体的には、塩素、三塩化ホウ素、四塩化炭素を挙げることができ、必要に応じて、酸素ガス、フッ素系ガス等を混合して使用することもできる。
【0138】
上記したようにして得た、金型にてパターンを転写した硬化膜を表面に有する基板(硬化膜によりパターンを形成した積層体)に、硬化膜のパターンに基づくパターンを形成する方法としては、先ず、硬化膜の肉薄部分(残膜)をドライエッチングにより除去し、基板表面を出す。さらに、残膜を除去した部分の基板のドライエッチングを行う。硬化膜の肉厚部分により覆われた基板は硬化膜の肉厚部分がマスクとなり全てドライエッチングされない。最後に残った硬化膜の肉厚部分を除去することにより、基板表面をドライエッチング加工した基板を得ることができる。硬化膜の肉厚部分の除去方法としては、ドライエッチングや、ウエットエッチングによって除去することができ、なかでもサファイア基板へのパターン形成の場合、フッ素系ガスによるドライエッチングが好適に用いられる。
【0139】
硬化膜の肉薄部分(残膜)をドライエッチングにより除去した後、残膜を除去した部分の基板表面に金属を蒸着することもできる。
【0140】
サファイア基板表面を加工することにより、LEDの光取り出し効率の向上や結晶転移の少ない均質なGaN成長が期待される。
【実施例】
【0141】
以下、本発明を実施例および比較例を掲げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0142】
(1)ろ過性の評価
以下の実施例、比較例で得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を0.2μmφ孔径、直径25mmのシリンジフィルターおよび10mlシリンジにて、手で10mlをろ過した際、20sec以内にろ過できたものを○、1min以内にろ過できたものを△、途中で目詰まりしてろ過できなかったものを×とした。
【0143】
(2)硬化膜の基板密着性の評価
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を、1−メトキシ−2−プロパノールにて希釈し、サファイア基板(片鏡面、厚さ430μm、表面粗さRa≦0.1nm、面方位C面)上に、3000rpm、30秒間でスピンコートし、110℃において2分間乾燥した後、UV照射して、厚み約1μmの光硬化性ナノインプリント用組成物による光硬化膜を作製し、ニチバン(株)製15mm幅セロハンテープ405を用い(長さ5cm)、指圧にて3往復密着させたのち剥離して、
硬化膜が全く剥がれなかったもの :5
剥離面積が10%未満のも :4
剥離面積が10%以上50%未満のもの :3
剥離面積が50%以上100%未満のもの:2
剥離面積が100%(全面剥離)のもの :1
として評価した。
【0144】
(3)転写性の評価
(光硬化性ナノインプリント用組成物の塗布)
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を、1−メトキシ−2−プロパノールにて60重量%となるよう希釈した。希釈した光硬化性ナノインプリント用組成物を、シリコンウエハ(P型、片鏡面、酸化膜なし)上に、3000rpm、30秒間でスピンコートし、110℃において2分間乾燥して、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗膜が約1μmの厚みでコーティングしたシリコンウエハを得た。
【0145】
(パターンの形成:積層体の製造)
200nmライン/スペースの石英モールドを用い、ナノインプリント装置(三明電子産業(株)製、ImpFlex-Essential)において、上記のようにして得られた光硬化性ナノインプリント用組成物の塗膜を有するシリコンウエハに、圧力0.5MPaをかけLED365nm光源から光を10秒間照射して、光ナノインプリントを行った。なお、用いた石英モールドは、あらかじめフッ素系表面処理(ダイキン工業(株)製、オプツールHD−1100DH)で離型処理を施した。
【0146】
走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、光硬化性ナノインプリント用組成物を用いてサファイア基板(基材)上に形成したパターンの形状転写性を評価した。転写性の評価は、計100本の幅200nmラインが200nmの間隔で形成されたパターンが全て転写できているものを「○」とし、一部にパターン形状の不良が見られるものを△とし、全てのパターンが転写できていないものを「×」として評価した。
【0147】
(4)エッチング耐性の評価
(サファイア基板へのエッチング)
サファイア基板(片鏡面、厚さ430μm、表面粗さRa≦0.1nm、面方位C面)を反応性イオンエッチング装置を用いて、以下の条件にて塩素ガスによるドライエッチングを行い、一定時間でのエッチング量(サファイア基板の減少質量)を測定した。
<塩素ガスによるドライエッチング条件>
塩素ガス流量:20sccm
バイアスパワー:80W
基板冷却温度:5℃
(硬化膜のエッチング)
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を1−メトキシ−2−プロパノールにて希釈して、シリコンウエハ(P型、片鏡面、酸化膜なし)上に、3000rpm、30秒間でスピンコートし、110℃において2分間乾燥した後、UV照射して、厚み約1μmの光硬化性ナノインプリント用組成物の硬化膜でコーティングしたシリコンウエハを得た。得られた硬化膜でコーティングしたシリコンウエハを、サファイア基板の塩素ガスによるドライエッチングと同じ条件にてドライエッチングを行い、一定時間での硬化膜の減少質量を測定した。
【0148】
(サファイア選択比の算出)
サファイア基板のみでのサファイア基板の減少質量と光硬化性ナノインプリント用組成物の硬化膜の減少質量との比(サファイア基板の減少質量/光硬化性ナノインプリント用組成物の硬化膜の減少質量)を算出し、これを光硬化性ナノインプリント用組成物の硬化膜のサファイア選択比とした。サファイア選択比の値が高いほど、光硬化性ナノインプリント用組成物による硬化膜はサファイア基板と比較して、塩素ガスによるエッチングを受け難く、サファイア基板を用いた場合における塩素エッチング耐性が良いことになる。
【0149】
実施例1
(加水分解物混合物(A)の製造)
エタノール13.6g、(メタ)アクリル基含有珪素化合物としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)3.0g、有機珪素化合物としてフェニルトリメトシキシラン(東京化成工業(株)製)9.2gを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール4.3g/水1.3g/2N−HCl 0.2gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール1.0g/水0.6gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、有機珪素化合物の加水分解物、および(メタ)アクリル基含有珪素化合物の加水分解物の混合物を含む加水分解物混合物(A)を得た。
【0150】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B)として、ヒドロキシエチル化o−フェニルフェノールアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−LEN−10)5.0g、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−BPEF)5.0gを使用した。
【0151】
光重合開始剤(C)として、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(BASFジャパン(株)製、IRGACURE(登録商標)379 EG)0.2gを使用した。
【0152】
重合禁止剤として、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.015g、ブチルヒドロキシトルエン0.002gを使用した。
【0153】
上記重合性単量体(B)と光重合開始剤(C)と重合禁止剤とを均一に混合し、その混合物を1.0g分取した。該混合物1.0gに、得られた加水分解物混合物(A)4.1gを添加し、室温で15分間攪拌することにより光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表1、2に示した。
【0154】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0155】
実施例2
(加水分解物混合物(A)の製造)
エタノール13.6g、(メタ)アクリル基含有珪素化合物としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)3.0g、有機珪素化合物としてジフェニルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製LS-5300)11.0gを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール4.3g/水0.9g/2N−HCl 0.2gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール1.0g/水0.5gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、有機珪素化合物の加水分解物と(メタ)アクリル基含有珪素化合物の加水分解物を含む加水分解物混合物(A)を得た。
【0156】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記加水分解物混合物(A)4.2gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表1、2に示した。
【0157】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0158】
実施例3
(加水分解物混合物(A)の製造)
実施例2と同様の操作を行い、加水分解物混合物(A)を得た。
【0159】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記加水分解物混合物(A)1.1gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表1、2に示した。
【0160】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0161】
実施例4
(加水分解物混合物(A)の製造)
実施例2と同様の方法で加水分解物混合物(A)を得た。
【0162】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記加水分解物混合物(A)10.0gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表1、2に示した。
【0163】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0164】
実施例5
(加水分解物混合物(A)の製造)
エタノール13.6g、(メタ)アクリル基含有珪素化合物としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)3.0g、有機珪素化合物としてジフェニルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製LS-5300)11.0gを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール4.3g/水1.4g/2N−HCl 0.2gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール1.0g/水0.7gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、有機珪素化合物の加水分解物と(メタ)アクリル基含有珪素化合物の加水分解物を含む加水分解物混合物(A)を得た。
【0165】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記加水分解物混合物(A)1.2gを添加後、室温で15分間攪拌混合し(?)、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表1、2に示した。
【0166】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0167】
実施例6
(加水分解物混合物(A)の製造)
実施例5と同様の方法で加水分解物混合物(A)を得た。
【0168】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記加水分解物混合物(A)4.4gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表1、2に示した。
【0169】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0170】
実施例7
(加水分解物混合物(A)の製造)
エタノール13.6g、(メタ)アクリル基含有珪素化合物としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)3.0g、有機珪素化合物としてジフェニルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製LS-5300)11.0gを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール4.3g/水0.7g/2N−HCl 0.1gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール1.0g/水0.4gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、有機珪素化合物の加水分解物と(メタ)アクリル基含有珪素化合物の加水分解物を含む加水分解物混合物(A)を得た。
【0171】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記加水分解物混合物(A)4.2gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表1、2に示した。
【0172】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0173】
実施例8
(加水分解物混合物(A)の製造)
エタノール11.8g、(メタ)アクリル基含有珪素化合物としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)3.0g、有機珪素化合物としてジフェニルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製LS-5300)11.0gを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール3.7g/水2.7g/2N−HCl 0.5gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール0.9g/水1.5gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、有機珪素化合物の加水分解物と(メタ)アクリル基含有珪素化合物の加水分解物を含む加水分解物混合物(A)を得た。
【0174】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記加水分解物混合物(A)4.3gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表1、2に示した。
【0175】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0176】
実施例9
(加水分解物混合物(A)の製造)
実施例2と同様の操作を行い、加水分解物混合物(A)を得た。
【0177】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1において、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体として、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンの代わりにエトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学(株)製、ABE -300)5.0gを用い、加水分解物混合物(A)4.3gを添加したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表1、2に示した。
【0178】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0179】
実施例10
(加水分解物混合物(A)の製造)
エタノール13.6g、(メタ)アクリル基含有珪素化合物としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)3.0g、有機珪素化合物としてジフェニルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製LS-5300)5.5g、フェニルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製LS-4800)5.4gを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール4.2g/水0.9g/2N−HCl 0.2gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール1.0g/水0.5gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、有機珪素化合物の加水分解物と(メタ)アクリル基含有珪素化合物の加水分解物を含む加水分解物混合物(A)を得た。
【0180】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記加水分解物混合物(A)4.2gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表1、2に示した。
【0181】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0182】
実施例11
(加水分解物混合物(A)の製造)
エタノール13.6g、(メタ)アクリル基含有珪素化合物としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)3.0g、有機珪素化合物としてジフェニルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製LS-5300)7.3g、フェニルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製LS-4800)3.6gを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール4.3g/水0.9g/2N−HCl 0.2gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール1.0g/水0.5gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、有機珪素化合物の加水分解物と(メタ)アクリル基含有珪素化合物の加水分解物を含む加水分解物混合物(A)を得た。
【0183】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記加水分解物混合物(A)4.2gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表1、2に示した。
【0184】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0185】
実施例12
(加水分解物混合物(A)の製造)
エタノール8.4g、(メタ)アクリル基含有珪素化合物としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)1.5g、有機珪素化合物としてジフェニルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製LS-5300)5.3g、タングステン(V)エトキシド(Alfa Aesar製)1.6gとを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール2.6g/水0.6g/2N−HCl 0.1gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール0.6g/水0.3gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、有機珪素化合物の加水分解物、(メタ)アクリル基含有珪素化合物の加水分解物および金属アルコキシドの加水分解物を含む加水分解物混合物(A)を得た。
【0186】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記加水分解物混合物(A)4.2gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表1、2に示した。
【0187】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0188】
実施例13
(加水分解物混合物(A)の製造)
エタノール8.4g、(メタ)アクリル基含有珪素化合物としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)1.5g、有機珪素化合物としてジフェニルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製LS-5300)5.8g、タングステン(V)エトキシ(Alfa Aesar製)ド0.8gとを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール2.6g/水0.5g/2N−HCl 0.1の2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール0.6g/水0.3gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、有機珪素化合物の加水分解物、(メタ)アクリル基含有珪素化合物の加水分解物および金属アルコキシドの加水分解物を含む加水分解物混合物(A)を得た。
【0189】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記加水分解物混合物(A)4.9gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表1、2に示した。
【0190】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0191】
実施例14
(加水分解物混合物(A)の製造)
エタノール14.8g、(メタ)アクリル基含有珪素化合物としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)3.0g、有機珪素化合物としてジフェニルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製LS-5300)11.0g、エチルシリケート40(コルコール(株)製 テトラエトキシシランの平均5量体物)1.0gとを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール4.6g/水1.1g/2N−HCl 0.1の2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール1.1g/水0.5gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、有機珪素化合物の加水分解物と(メタ)アクリル基含有珪素化合物の加水分解物を含む加水分解物混合物(A)を得た。
【0192】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記加水分解物混合物(A)4.1gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表3、4に示した。
【0193】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0194】
実施例15
(加水分解物混合物(A)の製造)
エタノール13.4g、(メタ)アクリル基含有珪素化合物としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)3.0g、有機珪素化合物としてジフェニルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製LS-5300)7.8g、エチルシリケート40(コルコール(株)製 テトラエトキシシランの平均5量体物)2.9gとを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール4.2g/水1.1g/2N−HCl 0.2の2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール1.00g/水0.6gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、有機珪素化合物の加水分解物と(メタ)アクリル基含有珪素化合物の加水分解物を含む加水分解物混合物(A)を得た。
【0195】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記加水分解物混合物(A)3.8gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表3、4に示した。
【0196】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0197】
実施例16
(加水分解物混合物(A)の製造)
実施例2と同様の操作を行い、加水分解物混合物(A)を得た。
【0198】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1において、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B)として、ヒドロキシエチル化o−フェニルフェノールアクリレートの量を2.0gにし、更にトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−DCP)3.0gを添加したものを用い、加水分解物混合物(A)4.2gを添加したこと以外は実施例1と同様にして室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表3、4に示した。
【0199】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0200】
実施例17
(加水分解物混合物(A)の製造)
エタノール24.1g、(メタ)アクリル基含有珪素化合物としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)3.0g、有機珪素化合物としてジフェニルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製LS-5300)21.1gとを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール7.5g/水1.8g/2N−HCl 0.2gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール1.8g/水0.9gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、有機珪素化合物の加水分解物と(メタ)アクリル基含有珪素化合物の加水分解物を含む加水分解物混合物(A)を得た。
【0201】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記加水分解物混合物(A)4.3gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表3、4に示した。
【0202】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0203】
実施例18
(加水分解物混合物(A)の製造)
エタノール3.0g、(メタ)アクリル基含有珪素化合物としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)3.0g、有機珪素化合物としてジフェニルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製LS-5300)0.8gとを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール1.0g/水0.4g/2N−HCl 0.2gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール1.0g/水0.2gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、有機珪素化合物の加水分解物と(メタ)アクリル基含有珪素化合物の加水分解物を含む加水分解物混合物(A)を得た。
【0204】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記加水分解物混合物(A)4.2gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表3、4に示した。
【0205】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0206】
実施例19
(加水分解物混合物(A)の製造)
実施例2と同様の方法で加水分解物混合物(A)を得た。
【0207】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1において、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B)としてアクリレート系フルオレン誘導体(大阪ガスケミカル(株)製、オグゾールEA-F5503)10.0gを用い、加水分解物混合物(A)4.2gを添加したこと以外は実施例1と同様にして室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表3、4に示した。
【0208】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0209】
実施例20
(加水分解物混合物(A)の製造)
実施例2と同様の方法で加水分解物混合物(A)を得た。
【0210】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1において、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B)としてアクリレート系フルオレン誘導体(大阪ガスケミカル(株)製、オグゾールEA-F5003)10.0gを用い、加水分解物混合物(A)4.2gを添加したこと以外は実施例1と同様にして室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表3、4に示した。
【0211】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0212】
実施例21
(加水分解物混合物(A)の製造)
実施例2と同様の方法で加水分解物混合物(A)を得た。
【0213】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1において、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B)として、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンの代わりにアクリレート系フルオレン誘導体(大阪ガスケミカル(株)製、オグゾールEA-F5503)5.0gを用い、加水分解物混合物(A)4.2gを添加したこと以外は実施例1と同様にして室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表3、4に示した。
【0214】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0215】
実施例22
(加水分解物混合物(A)の製造)
実施例2と同様の方法で加水分解物混合物(A)を得た。
【0216】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
光重合開始剤(C)として、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン0.05gを用い、加水分解物混合物(A)4.2gを添加したこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表3、4に示した。
【0217】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0218】
実施例23
(加水分解物混合物(A)の製造)
実施例2と同様の方法で加水分解物混合物(A)を得た。
【0219】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1において、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B)として、ポリエチレングリコール#200ジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−200)5.0g、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−DCP)5.0gを用い、加水分解物混合物(A)4.2gを添加したこと以外は実施例1と同様にして室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表3、4に示した。
【0220】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0221】
比較例1
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
加水分解物混合物(A)を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表3、4に示した。
【0222】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0223】
比較例2
(加水分解物混合物(A)の製造)
エタノール4.3g、(メタ)アクリル基含有珪素化合物としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)4.5gとを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール1.4g/水0.4g/2N−HCl 0.07gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール0.4g/水0.3gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、(メタ)アクリル基含有珪素化合物の加水分解物を含む加水分解物混合物(A)を得た。
【0224】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記加水分解物混合物(A)4.3gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表3、4に示した。
【0225】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。塗膜の硬化収縮が大きく、表面に凹凸状の突起が見られたため、サファイア選択比は算出できなかった。
【0226】
比較例3
(加水分解物混合物(A)の製造)
エタノール3.1g、有機珪素化合物としてジフェニルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製LS-5300)3.0gとを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール1.0g/水0.2g/2N−HCl 0.03gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール0.2g/水0.1gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、有機珪素化合物の加水分解物を含む加水分解物混合物(A)を得た。
【0227】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記加水分解物混合物(A)4.4gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表3、4に示した。
【0228】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。光硬化性ナノインプリント用組成物は光硬化性が不十分で、パターンの形成が出来なかった。また、光硬化性が不十分なため、サファイア選択比は算出できなかった。
【0229】
比較例4
(加水分解物混合物(A)の製造)
エタノール13.6g、(メタ)アクリル基含有珪素化合物としてトリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製KBM-5103)3.0g、有機珪素化合物としてテトラエトキシシラン(東京化成工業(株)製)9.4gを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール4.3g/水1.2g/2N−HCl 0.2gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール1.0g/水0.6gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、有機珪素化合物の加水分解物と(メタ)アクリル基含有珪素化合物の加水分解物および金属アルコキシドの加水分解物を含む加水分解物混合物(A)を得た。
【0230】
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、および重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(1.0g)に前記加水分解物混合物(A)4.1gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合を表3、4に示した。
【0231】
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を用い、ろ過性、硬化膜の基板密着性、転写性、サファイア選択比を評価した。その結果を表5、6に示した。
【0232】
実施例24
(表面加工サファイア基板の製造)
実施例2で得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を、1−メトキシ−2−プロパノールにて10重量%となるよう希釈した。希釈した光硬化性ナノインプリント用組成物を、サファイア基板(片鏡面、厚さ430μm、表面粗さRa≦0.1nm、面方位C面)上に、3000rpm、30秒間でスピンコートし、110℃において2分間乾燥して、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗膜が約100nmの厚みでコーティングしたサファイア基板を得た。
【0233】
直径230nm、深さ200nmのホールパターンの樹脂性モールドを用い、ミカドテクノス(株)製 真空加圧UV硬化装置(VS005−200C−UV)を用い、上記のようにして得られた光硬化性ナノインプリント用組成物の塗膜を有するサファイア基板に、圧力1MPaをかけメタルハライドランプにて光を60秒間照射して、光ナノインプリントを行った。樹脂モールドを剥離し、サファイア基板上にピラーパターンが転写したサンプルを得た。
【0234】
反応性イオンエッチング装置を用いて、上記サンプルを塩素ガスによるドライエッチング条件にて、転写パターンをマスクとして、サファイア基板のドライエッチングによるサファイア基板の表面加工を行った。得られたサンプルをSEM観察したところ、サファイア基板表面がエッチングされ、表面加工できていることを確認した。
【0235】
【表1】
【0236】
【表2】
【0237】
【表3】
【0238】
【表4】
【0239】
【表5】
【0240】
【表6】