【実施例】
【0017】
以下、実施例および比較例に基づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例によって何ら制限されるものではない。すなわち、本発明は特許請求の範囲によってのみ制限されるものであり、本発明に含まれる実施例以外の種々の変形を包含するものである。
【0018】
実施例、比較例における評価方法等は、以下の通りである。
(成分組成について)
装置:SII社製SPS3500DD
方法:ICP-OES(高周波誘導結合プラズマ発光分析法)
(相対密度について)
焼結体密度は、焼結体の寸法をノギスで測長し、その体積と測定重量から算出した。
理論密度は、下記に示すように、原料の酸化物の単体密度それぞれに、混合質量比を掛け、得られた値を合計して求めた。また、相対密度は、酸化物焼結体の密度を理論密度で除し、100を掛けて求めた。
理論密度=Σ{(各酸化物の単体密度×混合質量比)+(各酸化物の単体密度×混合重量比)+・・・}
相対密度={(焼結体の密度)/(理論密度)}×100
(バルク抵抗[比抵抗、シート抵抗]について)
装置:NPS社製 抵抗率測定器 Σ−5+
方法:直流4探針法
(屈折率、消衰係数について)
装置:SHIMADZU社製 分光光度計 UV−2450
方法:透過率、表裏面反射率から算出
(成膜方法、条件について)
装置:ANELVA SPL−500
基板:φ4inch
基板温度:室温
【0019】
(実施例1)
In
2O
3粉、TiO
2粉、ZnO粉を準備し、これらの粉末を表1に記載される配合比で調合し、混合した。次に、この混合粉をアルゴン雰囲気下、温度1150℃、圧力250kgf/cm
2の条件でホットプレス焼結した。その後、この焼結体を機械加工してターゲット形状に仕上げた。
次に、上記の仕上げ加工した直径6インチのターゲットを使用して、スパッタリングを行った。スパッタ条件は、DCスパッタ、スパッタパワー500W、酸素を0〜2vol%含有するArガス圧0.5Paとし、膜厚5000Åに成膜した。なお、スパッタ時の基板加熱やスパッタ後のアニールは行わなかった。
結果を表1に示す。表1に示す通り、スパッタリングターゲットは、相対密度が98.9%に達し、バルク抵抗は2.9×10
−3Ω・cmとなり、安定したDCスパッタができた。そして、スパッタ成膜した薄膜は、屈折率が2.10(波長550nm)、消衰係数が0.01(波長450nm)、抵抗値が2.3×10
−2Ω・cm以上と、高屈折率かつ高透過率の導電性膜が得られた。なお、抵抗値については、スパッタ時の酸素量によって若干変動し、酸素量を多くすると抵抗値が上がる傾向にある。そのため、その下限値を記載した。
【0020】
【表1】
【0021】
(実施例2)
In
2O
3粉、TiO
2粉、ZnO粉を準備し、これらの粉末を表1に記載される配合比で調合し、混合した。次に、この混合粉をアルゴン雰囲気下、温度1150℃、圧力250kgf/cm
2の条件でホットプレス焼結した。その後、この焼結体を機械加工してターゲット形状に仕上げた。次に、上記の仕上げ加工した直径6インチのターゲットを使用して、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った。その結果、スパッタリングターゲットは、相対密度が100.3%に達し、バルク抵抗は8.7×10
−3Ω・cmとなり、安定したDCスパッタができた。そして、スパッタ成膜した薄膜は、屈折率が2.15(波長550nm)、消衰係数が0.01未満(波長450nm)、抵抗値が1.8×10
+2Ω・cm以上と、高屈折率かつ高透過率の導電性膜が得られた。
【0022】
(
参考例3)
In
2O
3粉、TiO
2粉、ZnO粉を準備し、これらの粉末を表1に記載される配合比で調合し、混合した。次に、この混合粉をアルゴン雰囲気下、温度1100℃、圧力250kgf/cm
2の条件でホットプレス焼結した。その後、この焼結体を機械加工してターゲット形状に仕上げた。次に、上記の仕上げ加工した直径6インチのターゲットを使用して、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った。その結果、スパッタリングターゲットは、相対密度が99.5%に達し、バルク抵抗は3.5×10
−3Ω・cmとなり、安定したDCスパッタができた。そして、スパッタ成膜した薄膜は、屈折率が2.22(波長550nm)、消衰係数が0.01未満(波長450nm)、抵抗値が1.2×10
+2Ω・cm以上と、高屈折率かつ高透過率の導電性膜が得られた。
【0023】
(
参考例4)
In
2O
3粉、Cr
2O
3粉、ZnO粉を準備し、これらの粉末を表1に記載される配合比で調合し、混合した。次に、この混合粉をアルゴン雰囲気下、温度1100℃、圧力350kgf/cm
2の条件でホットプレス焼結した。その後、この焼結体を機械加工してターゲット形状に仕上げた。次に、上記の仕上げ加工した直径6インチのターゲットを使用して、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った。その結果、スパッタリングターゲットは、相対密度が100.2%に達し、バルク抵抗は8.0×10
−4Ω・cmとなり、安定したDCスパッタができた。そして、スパッタ成膜した薄膜は、屈折率が2.10(波長550nm)、消衰係数が0.02(波長450nm)、抵抗値が2.8×10
−2Ω・cm以上と、高屈折率かつ高透過率の導電性膜が得られた。
【0024】
(実施例5)
In
2O
3粉、TiO
2粉、ZnO粉を準備し、これらの粉末を表1に記載される配合比で調合し、混合した。次に、この混合粉をアルゴン雰囲気下、温度1150℃、圧力250kgf/cm
2の条件でホットプレス焼結した。その後、この焼結体を機械加工してターゲット形状に仕上げた。次に、上記の仕上げ加工した直径6インチのターゲットを使用して、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った。その結果、スパッタリングターゲットは、相対密度が100.1%に達し、バルク抵抗は9.6×10
−4Ω・cmとなり、安定したDCスパッタができた。そして、スパッタ成膜した薄膜は、屈折率が2.12(波長550nm)、消衰係数が0.01未満(波長450nm)、抵抗値が8.7×10
−3Ω・cm以上と、高屈折率かつ高透過率の導電性膜が得られた。
【0025】
(実施例6)
In
2O
3粉、TiO
2粉、ZnO粉を準備し、これらの粉末を表1に記載される配合比で調合し、混合した。次に、この混合粉をアルゴン雰囲気下、温度1100℃、圧力250kgf/cm
2の条件でホットプレス焼結した。その後、この焼結体を機械加工してターゲット形状に仕上げた。次に、上記の仕上げ加工した直径6インチのターゲットを使用して、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った。その結果、スパッタリングターゲットは、相対密度が99.8%に達し、バルク抵抗は8.4×10
−4Ω・cmとなり、安定したDCスパッタができた。そして、スパッタ成膜した薄膜は、屈折率が2.05(波長550nm)、消衰係数が0.01未満(波長450nm)、抵抗値が9.3×10
−3Ω・cm以上と、高屈折率かつ高透過率の導電性膜が得られた。
【0026】
(
参考例7)
In
2O
3粉、Cr
2O
3粉、ZnO粉を準備し、これらの粉末を表1に記載される配合比で調合し、混合した。次に、この混合粉をアルゴン雰囲気下、温度1150℃、圧力350kgf/cm
2の条件でホットプレス焼結した。その後、この焼結体を機械加工してターゲット形状に仕上げた。次に、上記の仕上げ加工した直径6インチのターゲットを使用して、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った。その結果、スパッタリングターゲットは、相対密度が98.2%に達し、バルク抵抗は5.2×10
−3Ω・cmとなり、安定したDCスパッタができた。そして、スパッタ成膜した薄膜は、屈折率が2.07(波長550nm)、消衰係数が0.03(波長450nm)、抵抗値が3.6×10
−2Ω・cm以上と、高屈折率かつ高透過率の導電性膜が得られた。
【0027】
(実施例8)
In
2O
3粉、TiO
2粉、SnO
2粉を準備し、これらの粉末を表1に記載される配合比で調合し、混合した。次に、この混合粉をプレス成形した後、成形体をアルゴン雰囲気下、温度1300℃の条件で常温焼結した。その後、この焼結体を機械加工してターゲット形状に仕上げた。次に、上記の仕上げ加工した直径6インチのターゲットを使用して、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った。その結果、スパッタリングターゲットは、相対密度が97.8%に達し、バルク抵抗は8.7×10
−2Ω・cmとなり、安定したDCスパッタができた。そして、スパッタ成膜した薄膜は、屈折率が2.08(波長550nm)、消衰係数が0.01(波長450nm)、抵抗値が3.1×10
1Ω・cm以上と、高屈折率かつ高透過率の導電性膜が得られた。
【0028】
(比較例1)
In
2O
3粉、Fe
2O
3粉、ZnO粉を準備し、これらの粉末を表1に記載される配合比で調合し、混合した。次に、この混合粉をアルゴン雰囲気下、温度1050℃、圧力350kgf/cm
2の条件でホットプレス焼結した。その後、この焼結体を機械加工してターゲット形状に仕上げた。次に、上記の仕上げ加工した直径6インチのターゲットを使用して、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った。その結果、スパッタ成膜した薄膜は、消衰係数が0.16(波長450nm)と低波長域において光の吸収が生じ、所望の高透過率膜が得られなかった。
【0029】
(比較例2)
In
2O
3粉、TiO
2粉、CuO粉を準備し、これらの粉末を表1に記載される配合比で調合し、混合した。次に、この混合粉をアルゴン雰囲気下、温度1050℃、圧力350kgf/cm
2の条件でホットプレス焼結した。その後、この焼結体を機械加工してターゲット形状に仕上げた。次に、上記の仕上げ加工した直径6インチのターゲットを使用して、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った。その結果、スパッタ成膜した薄膜は、消衰係数が0.2以上(波長450nm)と低波長域において光の吸収が生じ、所望の高透過率膜が得られなかった。
【0030】
(比較例3)
In
2O
3粉、TiO
2粉、ZnO粉を準備し、これらの粉末を表1に記載される配合比で調合し、混合した。このとき、In/Tiの原子比を8.0と大きくした。次に、この混合粉をアルゴン雰囲気下、温度1150℃、圧力250kgf/cm
2の条件でホットプレス焼結した。その後、この焼結体を機械加工してターゲット形状に仕上げた。次に、上記の仕上げ加工した直径6インチのターゲットを使用して、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った。その結果、スパッタ成膜した薄膜は、屈折率が2.01(波長550nm)と屈折率が低下し、所望の高屈折率膜が得られなかった。
【0031】
(比較例4)
In
2O
3粉、TiO
2粉、ZnO粉を準備し、これらの粉末を表1に記載される配合比で調合し、混合した。このとき、Zn/(In+Ti)の原子比を15と大きくした。次に、この混合粉をアルゴン雰囲気下、温度1050℃、圧力250kgf/cm
2の条件でホットプレス焼結した。その後、この焼結体を機械加工してターゲット形状に仕上げた。次に、上記の仕上げ加工した直径6インチのターゲットを使用して、実施例1と同様の条件でスパッタリングを行った。その結果、スパッタ成膜した薄膜は、屈折率が2.02(波長550nm)と、屈折率が低下し、所望の高屈折率膜が得られなかった。