(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
選択されたスペクトル特徴が、スペクトルピーク、スペクトルの谷、またはスペクトルのゼロ交差を含み、特性が、波長、幅、または強度を含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
選択されたスペクトル特徴が、スペクトルピーク、スペクトルの谷、またはスペクトルのゼロ交差を含み、特性が、波長、幅、または強度を含む、請求項6に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
様々な図面における同じ参照番号および名称は、同じ要素を示す。
【0019】
1つの光学的監視技法は、研磨中に基板から反射された光のスペクトルを測定し、整合する基準スペクトルをライブラリから識別することである。このスペクトル整合手法に伴う1つの潜在的な問題は、いくつかのタイプの基板で、下にあるダイ特徴について基板間に著しい差があり、その結果、見掛け上は同じ外側層厚さを有する基板から反射されるスペクトルにばらつきが生じることである。こうしたばらつきは、スペクトルの適正な整合をますます困難にし、光学的監視の信頼性を低減させる。
【0020】
この問題を防ぐ1つの技法は、研磨されている基板から反射された光のスペクトルを測定し、スペクトル特徴の特性の変化を識別することである。スペクトルの特徴の特性、たとえばスペクトルピークの波長の変化を追跡することで、バッチ内の基板間の研磨の均一性をより高めることができる。スペクトル特徴の特性のターゲット差を判定することによって、特性の値がターゲット量だけ変化したときに終点を呼び出すことができる。
【0021】
スペクトル特徴は、スペクトルピーク、スペクトルの谷、スペクトル屈曲点、またはスペクトルのゼロ交差を含むことができる。これらの特徴の特性は、波長、幅、または強度を含むことができる。
【0022】
図1は、基板10を研磨するように動作可能な研磨装置20を示す。研磨装置20は、回転可能な円盤状のプラテン24を含み、プラテン24上に研磨パッド30が位置する。プラテンは、軸25の周りを回転するように動作可能である。たとえば、プラテン24を回転させるために、モータで駆動シャフト22を回すことができる。研磨パッド30は、たとえば接着層によって、プラテン24に着脱可能に固定することができる。摩耗すると、研磨パッド30は取り外して交換することができる。研磨パッド30は、外側の研磨層32とより軟質のバッキング層34とを有する2層式の研磨パッドとすることができる。
【0023】
開孔(すなわち、パッドを貫通する孔)または固体窓を含むことによって、研磨パッドを通る光アクセス36が提供される。固体窓は、研磨パッドに固定することができるが、いくつかの実装形態では、固体窓をプラテン24上に支持し、研磨パッド内の開孔内へ突出させることができる。研磨パッド30は通常、プラテン24の凹み26内に位置する光学ヘッド53に開孔または窓が重なるように、プラテン24上に配置される。したがって光学ヘッド53は、研磨されている基板への開孔または窓を通る光アクセスを有する。
【0024】
たとえば、窓は、結晶性またはガラス質の硬質材料、たとえば石英もしくはガラス、またはより軟質のプラスチック材料、たとえばシリコン、ポリウレタン、もしくはハロゲン化ポリマー(たとえば、フッ化ポリマー)、あるいは上記の材料の組合せとすることができる。窓は、白色光に対して透過率を有することができる。固体窓の上面が、結晶性またはガラス質の硬質材料である場合、上面は、擦傷を防止するのに十分に研磨表面から凹ませるべきである。上面が近く、研磨表面に接触する可能性がある場合、窓の上面は、より軟質のプラスチック材料とするべきである。いくつかの実装形態では、固体窓は、研磨パッド内に固定され、ポリウレタン窓または石英とポリウレタンの組合せを有する窓である。窓は、特定の色の単色光、たとえば青色光または赤色光に対して、高い透過率、たとえば約80%の透過率を有することができる。窓は、窓と研磨パッド30のインターフェースから液体が漏れないように、研磨パッド30に封止することができる。
【0025】
一実装形態では、窓は、外側のより軟質のプラスチック材料層で覆われた結晶性またはガラス質の硬質材料を含む。より軟質の材料の上面は、研磨表面と同一平面にすることができる。硬質材料の底面は、研磨パッドの底面と同一平面にすることができ、または研磨パッドの底面に対して凹ませることができる。具体的には、研磨パッドが2つの層を含む場合、固体窓は研磨層内へ組み込むことができ、底部層は、固体窓と位置合わせされた開孔を有することができる。
【0026】
任意選択で、窓の底面は、1つまたは複数の凹みを含むことができる。凹みは、たとえば光ファイバケーブルの端部または渦電流センサの端部を収容するように成形することができる。この凹みにより、光ファイバケーブルの端部または渦電流センサの端部は、研磨されている基板表面から距離を空けて位置することができる。この距離は、窓の厚さより小さい。窓が結晶性またはガラス状の硬質部分を含み、そのような部分内に機械加工によって凹みが形成される実装形態では、凹みは、機械加工によって引き起こされる擦傷を除去するように研磨される。別法として、凹みの表面に溶剤および/または液体ポリマーを添加して、機械加工によって引き起こされた擦傷を除去することができる。機械加工によって通常引き起こされる擦傷の除去は、散乱を低減させ、窓を通る光の透過率を改善することができる。
【0027】
研磨パッドのバッキング層34は、たとえば接着によって、研磨パッドの外側の研磨層32に取り付けることができる。光アクセス36を提供する開孔は、たとえば切断によって、または開孔を含むようにパッド30を成型することによって、パッド30内に形成することができ、窓は、開孔内へ挿入し、たとえば接着剤によってパッド30へ固定することができる。別法として、パッド30内の開孔内へ窓の液体の前駆体を投与して硬化させ、窓を形成することができる。別法として、液体のパッド材料内に、固体の透明要素、たとえば前述の結晶性またはガラス状の部分を位置決めすることができ、液体のパッド材料を硬化させて、透明要素の周りにパッド30を形成することができる。後者2つのいずれの場合も、パッド材料ブロックを形成することができ、このブロックから、成型された窓を有する研磨パッド層を切り出すことができる。
【0028】
研磨装置20は、スラリ/リンス複合アーム39を含む。研磨中、アーム39は、液体およびpH調整剤を含有するスラリ38を投与するように動作可能である。別法として、研磨装置は、研磨パッド30上へスラリを投与するように動作可能なスラリポートを含む。
【0029】
研磨装置20は、基板10を研磨パッド30に当てて保持するように動作可能なキャリアヘッド70を含む。キャリアヘッド70は、支持構造72、たとえばカルーセルからつり下げられており、キャリアヘッドが軸71の周りを回転できるように、キャリア駆動シャフト74によってキャリアヘッド回転モータ76へ接続される。さらに、キャリアヘッド70は、支持構造72内に形成された放射状のスロット内で横方向に振動することができる。動作の際には、プラテンは、プラテンの中心軸25の周りを回転し、キャリアヘッドは、キャリアヘッドの中心軸71の周りを回転して、研磨パッドの上面全体を横方向に平行移動する。
【0030】
研磨装置はまた、以下に論じるように研磨終点を判定するために使用できる光学モニタシステムを含む。光学モニタシステムは、光源51および光検出器52を含む。光は、光源51から研磨パッド30内の光アクセス36を通って進み、基板10に当たって後方反射し、光アクセス36を通って光検出器52へ進む。
【0031】
光を光源51から光アクセス36へ伝送し、再び光アクセス36から光検出器52へ伝送するために、2叉の光ケーブル54を使用することができる。2叉の光ケーブル54は、「トランク」55と、2つの「ブランチ」56および58とを含むことができる。
【0032】
上述のように、プラテン24は凹み26を含み、凹み26内に光学ヘッド53が位置する。光学ヘッド53は、2叉のファイバケーブル54のトランク55のうち、研磨されている基板表面との間で光を伝えるように構成された端部を保持する。光学ヘッド53は、2叉のファイバケーブル54の端部に重なる1つもしくは複数のレンズ、または1つの窓を含むことができる。別法として、光学ヘッド53は単に、トランク55のうち、研磨パッド内の固体窓に隣接する端部を保持することができる。たとえば必要に応じて、光学ヘッド53を凹み26から取り出して、予防または補正のための保守を行うことができる。
【0033】
プラテンは、取り外し可能なin−situモニタモジュール50を含む。in−situモニタモジュール50は、光源51、光検出器52、ならびに光源51および光検出器52との間で信号を送受信する回路の1つまたは複数を含むことができる。たとえば、検出器52の出力は、駆動シャフト22内の回転結合器、たとえばスリップリングを通って光学モニタシステム用のコントローラへ進むデジタル電子信号とすることができる。同様に、光源は、コントローラから回転結合器を通ってモジュール50へ進むデジタル電子信号内の制御コマンドに応答して、オンまたはオフを切り換えることができる。
【0034】
in−situモニタモジュール50はまた、2叉の光ファイバ54のブランチ部分56および58のそれぞれの端部を保持することができる。光源は、光を伝送するように動作可能であり、この光は、ブランチ56を通って伝えられ、光学ヘッド53内に位置するトランク55の端部から出て、研磨されている基板に当たる。基板から反射された光は、光学ヘッド53内に位置するトランク55の端部で受け取られ、ブランチ58を通って光検出器52へ伝えられる。
【0035】
一実装形態では、2叉のファイバケーブル54は、1束の光ファイバである。この束は、光ファイバの第1のグループと光ファイバの第2のグループとを含む。第1のグループ内の光ファイバは、光源51から研磨されている基板表面へ光を伝えるように接続される。第2のグループ内の光ファイバは、研磨されている基板表面から反射された光を受け取って、受け取った光を光検出器52へ伝えるように接続される。光ファイバは、第2のグループ内の光ファイバがX字形状を形成し、2叉の光ファイバ54の長手方向軸上で中心に位置決めされるように構成することができる(2叉のファイバケーブル54の断面面で見る)。別法として、他の構成を実施することができる。たとえば、第2のグループ内の光ファイバは、互いの鏡像であるV字形状を形成することができる。適した2叉の光ファイバは、テキサス州キャロルトンのVerity Instruments,Inc.から入手可能である。
【0036】
通常、研磨パッド窓と、研磨パッド窓に近接する2叉のファイバケーブル54のトランク55の端部の間の距離は最適である。この距離は実験的に判定することができ、たとえば窓の反射率、2叉のファイバケーブルから放出される光線の形状、および監視されている基板までの距離による影響を受ける。一実装形態では、2叉のファイバケーブルは、窓に近接する端部が窓の底部に可能な限り近づくが実際には窓に接触しないように位置する。この実装形態では、研磨装置20は、たとえば光学ヘッド53の一部として、2叉のファイバケーブル54の端部と研磨パッド窓の底面の距離を調整するように動作可能な機構を含むことができる。別法として、2叉のファイバケーブル54の近接端部は、窓の中に埋め込まれる。
【0037】
光源51は、白色光を放出するように動作可能である。一実装形態では、放出される白色光は、200〜800ナノメートルの波長を有する光を含む。適した光源は、キセノンランプまたはキセノン−水銀ランプである。
【0038】
光検出器52は、分析計とすることができる。分析計は基本的に、電磁スペクトルの一部分にわたって光の特性、たとえば強度を測定する光学機器である。適した分析計は、格子分析計である。分析計に対する典型的な出力は、波長を関数とする光の強度である。
【0039】
光源51および光検出器52は、動作を制御して信号を受け取るように動作可能な演算デバイスに接続される。演算デバイスは、研磨装置付近に位置するマイクロプロセッサ、たとえばパーソナルコンピュータを含むことができる。制御に関しては、演算デバイスはたとえば、光源51の起動とプラテン24の回転を同期させることができる。
図2に示すように、コンピュータは、基板10がin−situモニタモジュール50上を通過する直前に開始して直後に終了する一連の閃光を、光源51に放出させることができる。点201〜211はそれぞれ、in−situモニタモジュール50からの光が基板10に当たって反射する位置を表す。別法として、コンピュータは、基板10がin−situモニタモジュール50上を通過する直前に開始して直後に終了する光を、光源51に連続して放出させることができる。
【0040】
研磨が進行するにつれて、たとえば基板全体のプラテン内のセンサの連続掃引から得られるスペクトルは、一連のスペクトルを提供する。いくつかの実装形態では、光源51は、基板10の複数の部分上へ一連の閃光を放出する。たとえば、光源は、基板10の中心部分および基板10の外部部分上へ閃光を放出することができる。基板10から反射された光を光検出器52によって受け取って、基板10の複数の部分から複数の一連のスペクトルを判定することができる。スペクトル内で特徴を識別することができ、各特徴は、基板10の一部分に関連する。これらの特徴は、たとえば、基板10の研磨の終点条件を判定する際に使用することができる。いくつかの実装形態では、基板10の複数の部分を監視することで、基板10の1つまたは複数の部分上の研磨速度を変化させることができる。
【0041】
信号の受取りに関しては、演算デバイスはたとえば、光検出器52によって受け取った光のスペクトルについて記述する情報を運搬する信号を受け取ることができる。
図3Aは、光源の1回の閃光から放出されて基板から反射された光から測定されたスペクトルの例を示す。スペクトル302は、製品基板から反射された光から測定される。スペクトル304は、ベースシリコン基板(シリコン層のみを有するウエハ)から反射された光から測定される。スペクトル306は、光学ヘッド53上に基板が位置しないときに光学ヘッド53によって受け取った光からのものである。本明細書で暗条件と呼ぶこの条件下では、受け取った光は通常、周囲光である。
【0042】
演算デバイスは、前述の信号、または信号の一部分を処理して、研磨ステップの終点を判定することができる。いかなる特定の理論にも限定されることなく、基板10から反射される光のスペクトルは、研磨が進行するにつれて発展する。
図3Bは、当該の膜の研磨が進行するときのスペクトルの発展の一例を提供する。異なるスペクトル線は、研磨における異なる時点を表す。見られるように、反射光のスペクトルの特性は、膜の厚さが変化するにつれて変化し、膜の特定の厚さによって、特定のスペクトルが提示される。膜の研磨が進行するにつれて、反射光のスペクトル内のピーク(すなわち、極大)が観察されるとき、ピークの高さは通常変化し、ピークは、材料が除去されるにつれてより広くなる傾向がある。広くなることに加えて、特定のピークが位置する波長は通常、研磨が進行するにつれて増大する。たとえば、ピーク310(1)は、研磨中の特定の時点におけるスペクトル内のピークを示し、ピーク310(2)は、研磨中の後の時点における同じピークを示す。ピーク310(2)は、ピーク310(1)より長い波長に位置し、ピーク310(1)より広い。ピークの波長および/もしくは幅(たとえば、ピークより下の固定の距離のところで測定される幅、もしくはピークと最も近い谷の間の中間の高さのところで測定される幅)の相対的な変化、ピークの絶対波長および/もしくは幅、または両方を使用して、実験式に従って研磨に対する終点を判定することができる。終点を判定するときに使用する最善のピーク(または複数のピーク)は、何の材料が研磨されているか、およびそれらの材料のパターンに応じて変動する。いくつかの実装形態では、ピーク波長の変化を使用して、終点を判定することができる。たとえば、ピークの開始波長とピークの現在の波長の差がターゲット差に到達したとき、研磨装置20は、基板10の研磨を停止することができる。別法として、ピーク以外の特徴を使用して、基板10から反射された光の波長の差を判定することができる。たとえば、谷、屈曲点、またはxもしくはy軸交点の波長は、光検出器52によって監視することができ、波長が所定の量だけ変化したとき、研磨装置20は、基板10の研磨を停止することができる。いくつかの実装形態では、監視される特性は、波長の代わりに、または波長に加えて、特徴の幅または強度である。特徴は、40nm〜120nm程度シフトできるが、他のシフトも可能であり、たとえば、上限は、特に誘電体研磨剤の場合、はるかに大きい可能性がある。
【0043】
図4Aは、基板10から反射された光の測定されたスペクトル400aの一例を提供する。光学モニタシステムは、スペクトル400aを高域フィルタに通して、スペクトルの全体的な勾配を低減させることができ、その結果、
図4Bに示すスペクトル400bが得られる。たとえば、バッチ内の複数の基板の処理中、ウエハ間に大きなスペクトル差が存在する可能性がある。同じバッチ内の基板間のスペクトル変動を低減させるには、高域フィルタを使用してスペクトルを正規化することができる。例示的な高域フィルタは、0.005Hzのカットオフおよび4のフィルタ次数を有することができる。高域フィルタを使用すると、下にあるばらつきに対する反応性を遮るだけでなく、正当な信号を「平坦化」して特徴の追跡をより容易にする。
【0044】
ユーザが終点を判定するために終点のどの特徴を追跡するかを選択するために、等高線図を生成し、ユーザに表示することができる。
図5Bは、研磨中に基板10から反射された光の複数のスペクトル測定から生成される等高線
図500bの一例を提供し、
図5Aは、等高線図内の特定の瞬間から測定されたスペクトル500aの一例を提供する。等高線
図500bは、スペクトル500a上の関連するピーク502および谷504に起因するピーク領域502および谷領域504などの特徴を含む。時間が進行するにつれて、等高線
図500b内のスペクトル特徴に対する変化によって示されるように、基板10は研磨され、基板から反射される光は変化する。
【0045】
等高線図を生成するには、試験基板を研磨することができ、研磨中に試験基板から反射される光を光検出器52によって測定し、基板10から反射された光の一連のスペクトルを生成することができる。この一連のスペクトルは、たとえば、任意選択で光学モニタシステムの一部とすることができるコンピュータシステム内に記憶することができる。セットアップ基板の研磨は、時間T0に開始し、推定終点時間を越えて継続することができる。
【0046】
試験基板の研磨が完了すると、コンピュータは、たとえばコンピュータのモニタ上に、研磨装置20の操作者に提示するための等高線
図500bを示す。いくつかの実装形態では、コンピュータは、たとえば、スペクトル内のより高い強度値には赤色を割り当て、スペクトル内のより低い強度値には青色を割り当て、スペクトル内の中間の強度値には中間色(オレンジ色から緑色)を割り当てることによって、等高線図を色分けする。他の実装形態では、コンピュータは、スペクトル内のより低い強度値にはグレーの最も濃い陰を割り当て、スペクトル内のより高い強度値にはグレーの最も明るい陰を割り当て、スペクトル内の中間の強度値には中間の陰を割り当てることによって、グレースケールの等高線図を作成する。別法として、コンピュータは、3Dの等高線図を生成することができ、スペクトル内のより高い強度値には最も大きいz値を割り当て、スペクトル内のより低い強度値には最も低いz値を割り当て、スペクトル内の中間の値には中間のz値を割り当てる。3Dの等高線図は、たとえば、カラー、グレースケール、または白黒で表示することができる。いくつかの実装形態では、研磨装置20の操作者は、3Dの等高線図と対話してスペクトルの異なる特徴を見ることができる。
【0047】
研磨中に試験基板を監視することから生成される反射された光の等高線
図500bは、たとえば、ピーク、谷、スペクトルのゼロ交差点、および屈曲点などのスペクトル特徴を含むことができる。これらの特徴は、波長、幅、および/または強度などの特性を有することができる。等高線図で示すように、研磨パッド30がセットアップ基板の上面から材料を除去するにつれて、セットアップ基板から反射される光は、時間とともに変化する可能性があり、したがって特徴の特性は、時間とともに変化する。
【0048】
デバイス基板を研磨する前に、研磨装置20の操作者は、等高線図を見て、セットアップ基板と類似のダイ特徴を有する基板のバッチの処理中に追跡すべき特徴の特性を選択することができる。たとえば、ピーク506の波長を、研磨装置20の操作者によって追跡するように選択することができる。等高線図、具体的には色分けまたは3Dの等高線図の潜在的な利点は、そのような図形表示により、特徴、たとえば時間とともに直線的に変化する特性を有する特徴を容易に視覚的に区別できるため、ユーザによる関連する特徴の選択がより容易になることである。
【0049】
終点基準を選択するために、選択された特徴の特性は、試験基板の研磨前の厚さおよび研磨後の厚さに基づく直線補間によって計算することができる。たとえば、試験基板上の層の厚さD1およびD2は、研磨前および研磨後に測定することができ、ターゲット厚さD’が実現される時間T’に測定できる特性の値は、T’=T1+(T2−T1)
*(D2−D’)/(D2−D1)から計算することができ、特性の値V’は、時間T’で測定されたスペクトルから判定することができる。ピーク506の波長の特有の変化など、選択された特徴の特性に対するターゲット差δVは、V’−V1から判定することができ、上式でV1は、初期値(時間T1)である。したがって、ターゲット差は、時間T1における研磨前の特性の初期値から、研磨が完了すると予期される時間T’における特性の値への変化とすることができる。研磨装置20の操作者は、変化させる特徴の特性に対するターゲット差604を、研磨装置20に関連するコンピュータ内へ入力することができる。
【0050】
V’の値を判定し、そこから点602の値を判定するために、ロバストライン適合を使用して、ライン508を測定されたデータに適合させることができる。時間T’におけるライン508の値からT0におけるライン508の値を引いた値を使用して、点602を判定することができる。
【0051】
スペクトルピーク506などの特徴は、特徴の特性のターゲット差と研磨中にセットアップ基板から除去される材料の量の相関関係に基づいて選択することができる。研磨装置20の操作者は、特性のターゲット差とセットアップ基板から除去される材料の量との間に良好な相関関係を有する特徴の特性を見出すように、異なる特徴および/または特徴の特性を選択することができる。
【0052】
他の実装形態では、終点選択論理により、追跡すべきスペクトル特徴および終点基準を判定する。
【0053】
デバイス基板の研磨について次に考えると、
図6Aは、デバイス基板10の研磨中の追跡される特徴の特性の差分値602a〜dの例示的なグラフ600aである。基板10は、研磨されている基板のバッチの一部とすることができ、研磨装置20の操作者は、セットアップ基板の等高線
図500bから、追跡すべきピークまたは谷の波長などの特徴の特性を選択した。
【0054】
基板10が研磨されるにつれて、光検出器52は、基板10から反射される光のスペクトルを測定する。終点判定論理では、光のスペクトルを使用して、特徴の特性に対する一連の値を判定する。選択された特徴の特性の値は、基板10の表面から材料が除去されるにつれて変化する可能性がある。特徴の特性の一連の値と特徴の特性の初期値の差を使用して、差分値602a〜dを判定する。
【0055】
基板10が研磨されるにつれて、終点判定論理により、追跡されている特徴の特性の現在値を判定することができる。いくつかの実装形態では、特徴の現在値が初期値からターゲット差だけ変化したとき、終点を呼び出すことができる。いくつかの実装形態では、たとえばロバストライン適合を使用して、ライン606が差分値602a〜dに適合される。研磨終点時間を予測するために、差分値602a〜dに基づいて、ライン606の関数を判定することができる。いくつかの実装形態では、この関数は、時間と特性差の1次関数である。ライン606の関数、たとえば勾配および交差は、新しい差分値が計算されるため、基板10の研磨中に変化する可能性がある。いくつかの実装形態では、ライン606がターゲット差604に到達する時間は、推定終点時間608を提供する。ライン606の関数が新しい差分値に対応するように変化するため、推定終点時間608は変化することができる。
【0056】
いくつかの実装形態では、ライン606の関数を使用して、基板10から除去された材料の量を判定し、この関数によって判定される現在値の変化を使用して、ターゲット差にいつ到達して終点を呼び出す必要があるかを判定する。ライン606は、除去された材料の量を追跡する。別法として、基板10から特有の厚さの材料を除去するとき、関数によって判定される現在値の変化を使用して、基板10の上面から除去される材料の量、および終点をいつ呼び出すべきかを判定することができる。たとえば、操作者は、選択された特徴の波長が50ナノメートル変化するように、ターゲット差を設定することができる。たとえば、選択されたピークの波長の変化を使用して、基板10の上層からどれだけの材料が除去されたか、および終点をいつ呼び出すべきかを判定することができる。
【0057】
時間T0で、基板10の研磨前に、選択された特徴の特性値の差は0である。研磨パッド30が基板10を研磨し始めると、識別された特徴の特性値は、基板10の上面から材料が研磨されるにつれて変化する可能性がある。たとえば、研磨中、選択された特徴の特性の波長は、より高い波長またはより低い波長へ動く可能性がある。ノイズの影響を除外すると、特徴の波長、したがって波長の差は、単調に、また多くの場合は直線的に変化する傾向がある。時間T’で、終点判定論理は、識別された特徴の特性がターゲット差δVだけ変化したと判定し、終点を呼び出すことができる。たとえば、特徴の波長が50ナノメートルのターゲット差だけ変化したとき、終点が呼び出され、研磨パッド30は基板10の研磨を停止する。
【0058】
基板のバッチを処理するとき、光学モニタシステムは、たとえば、すべての基板にわたって同じスペクトル特徴を追跡することができる。スペクトル特徴は、基板上の同じダイ特徴に関連付けることができる。スペクトル特徴の開始波長は、基板の下にあるばらつきに基づいて、バッチ全体で基板ごとに変化する可能性がある。いくつかの実装形態では、複数の基板にわたるばらつきを最小にするために、終点判定論理により、選択された特徴の特性値または特徴の特性の値に適合された関数がターゲット差ではなく終点基準EMだけ変化したときに、終点を呼び出すことができる。終点判定論理は、セットアップ基板から判定される予期の初期値EIVを使用することができる。基板10上で追跡されている特徴の特性が識別される時間T0で、終点判定論理は、処理されている基板に対する実際の初期値AIVを判定する。終点判定論理は、初期値の重みIVWを使用して、バッチ全体の基板のばらつきを考慮しながら、実際の初期値が終点判定に与える影響を低減させることができる。基板のばらつきは、たとえば、基板の厚さ、または下にある構造の厚さを含むことができる。初期値の重みは、基板間の処理の均一性を増大させるように、基板のばらつきと相関することができる。終点基準は、たとえば、実際の初期値と予期の初期値の差を初期値の重みに掛けて、ターゲット差を足すことによって判定することができ、たとえばEM=IVW
*(AIV−EIV)+δVである。いくつかの実装形態では、重み付きの組合せを使用して、終点を判定する。たとえば、終点判定論理は、関数からの特性の初期値、および関数からの特性の現在値、ならびに初期値と現在値の第1の差を計算することができる。終点判定論理は、初期値とターゲット値の第2の差を計算し、第1の差と第2の差の重み付きの組合せを生成することができる。
【0059】
図6Bは、基板10の2つの部分で得られる特性測定の差と時間の関係の例示的なグラフ600bである。たとえば、光学モニタシステムは、基板10の縁部部分の方へ位置する1つの特徴および基板10の中心部分の方へ位置する別の特徴を追跡して、どれだけの材料が基板10から除去されたかを判定することができる。セットアップ基板を試験するとき、研磨装置20の操作者は、たとえば、セットアップ基板の異なる部分に対応する追跡すべき2つの特徴を識別することができる。いくつかの実装形態では、スペクトル特徴は、セットアップ基板上の同じタイプのダイ特徴に相当する。他の実装形態では、スペクトル特徴は、セットアップ基板上の異なるタイプのダイ特徴に関連する。基板10が研磨されているとき、光検出器52は、セットアップ基板の選択された特徴に相当する基板10の2つの部分から反射された光の一連のスペクトルを測定することができる。2つの特徴の特性に関連する一連の値は、終点判定論理によって判定することができる。研磨時間が進行するにつれて、現在の特性値から初期の特性値を引くことによって、基板10の第1の部分内の特徴の特性に対する一連の第1の差分値610a〜bを計算することができる。基板10の第2の部分内の特徴の特性に対する一連の第2の差分値612a〜bも、同様に計算することができる。
【0060】
第1のライン614は、第1の差分値610a〜bに適合させることができ、第2のライン616は、第2の差分値612a〜bに適合させることができる。第1のライン614および第2のライン616を、それぞれ第1の関数および第2の関数によって判定して、基板10の推定研磨終点時間618または研磨速度620に対する調整を判定することができる。研磨中、時間TCで、基板10の第1の部分に対して第1の関数を用い、基板の第2の部分に対して第2の関数を用いて、ターゲット差622に基づく終点計算が行われる。基板の第1の部分と基板の第2の部分に対する推定終点時間が異なる(たとえば、第1の部分が第2の部分の前にターゲット厚さに到達する)場合、第1の関数と第2の関数が同じ終点時間618を有するように、研磨速度620に対する調整を行うことができる。いくつかの実装形態では、基板の第1の部分と第2の部分の両方の研磨速度は、両方の部分で同時に終点に到達するように調整される。別法として、第1の部分と第2の部分のいずれかの研磨速度を調整することができる。
【0061】
研磨速度は、たとえば、キャリアヘッド70の対応する領域内の圧力を増大または低減させることによって調整することができる。研磨速度の変化は、圧力の変化に正比例すると仮定することができる。これはたとえば、簡単なプレストンのモデルである。たとえば、基板10の第1の領域が突出し、時間TAでターゲット厚さに到達し、システムがターゲット時間TTを確立したとき、時間T2前の対応する領域内のキャリアヘッド圧力にTT/TAを掛けて、時間T2後のキャリアヘッド圧力を提供することができる。さらに、プラテンもしくはヘッドの回転速度の影響、異なるヘッド圧力の組合せの2次効果、研磨温度、スラリの流量、または研磨速度に影響を与える他のパラメータを考慮して、基板を研磨する制御モデルを開発することができる。研磨処理中の後の時点で、速度を再び適宜調整することができる。
【0062】
図7は、研磨処理に対する終点を判定するときに使用すべきターゲット差δVを選択する方法700を示す。製品基板と同じパターンを有する基板の特性が測定される(ステップ702)。本明細書では、測定される基板を「セットアップ」基板と呼ぶ。セットアップ基板は単に、製品基板と類似し、もしくは同じ基板とすることができ、またはセットアップ基板は、製品基板のバッチからの1つの基板とすることができる。測定される特性は、基板上の当該の特定の位置にある当該の膜の研磨前の厚さを含むことができる。通常、複数の位置の厚さが測定される。これらの位置は通常、それぞれの位置で同じタイプのダイ特徴が測定されるように選択される。測定は、計測ステーションで実行することができる。in−situ光学モニタシステムは、研磨前に基板から反射された光のスペクトルを測定することができる。
【0063】
セットアップ基板は、当該の研磨ステップに従って研磨され、研磨中に得られるスペクトルが収集される(ステップ704)。研磨およびスペクトルの収集は、前述の研磨装置で実行することができる。スペクトルは、研磨中にin−situモニタシステムによって収集される。ターゲット厚さが実現されたときに基板から反射される光のスペクトルが得られるように、基板は過剰研磨され、すなわち推定の終点を越えて研磨される。
【0064】
過剰研磨された基板の特性が測定される(ステップ706)。これらの特性には、研磨前の測定に使用された1つまたは複数の特定の位置にある当該の膜の研磨後の厚さが含まれる。
【0065】
測定された厚さおよび収集されたスペクトルを使用して、収集されたスペクトルを調査することによって、研磨中に監視すべきピークまたは谷などの特定の特徴を選択する(ステップ708)。特徴は、研磨装置の操作者によって選択することができ、または特徴の選択は、(たとえば、従来のピーク発見アルゴリズムおよび実験的ピーク選択式に基づいて)自動化することができる。たとえば、研磨装置20の操作者に、等高線
図500bを提示することができ、操作者は、
図5Bを参照して上述したように、等高線
図500bから、追跡すべき特徴を選択することができる。スペクトルの特定の領域が、研磨中に監視することが望ましい特徴を含むと予期される場合(たとえば、過去の経験、または理論に基づく特徴の挙動の計算による)、その領域内の特徴だけを考慮すればよい。通常、基板が研磨されるにつれてセットアップ基板の上部から除去される材料の量と相関関係を呈する特徴が選択される。
【0066】
測定された研磨前の膜の厚さおよび研磨後の基板の厚さを使用して直線補間を実行し、ターゲット膜の厚さが実現されたおおよその時間を判定することができる。おおよその時間とスペクトルの等高線図を比較して、選択された特徴の特性の終点値を判定することができる。特徴の特性の終点値と初期値の差は、ターゲット差として使用することができる。いくつかの実装形態では、特徴の特性の値に関数を適合させて、特徴の特性の値を正規化する。関数の終点値と関数の初期値の差は、ターゲット差として使用することができる。同じ特徴は、基板のバッチの残り部分の研磨中に監視される。
【0067】
任意選択で、スペクトルは、確度および/または精度を高めるように処理される。スペクトルは、たとえば、スペクトルを共通の基準に正規化し、スペクトルを平均化し、および/またはスペクトルからノイズをフィルタ除去するように処理することができる。一実装形態では、スペクトルに低域フィルタを適用して、急なスパイクを低減または解消する。
【0068】
監視すべきスペクトル特徴は通常、特定の特徴に基づく終点論理を適用することによって、コンピュータデバイスが終点を呼び出すときにターゲット厚さが実現されるように、特定の終点判定論理に対して実験的に選択される。終点判定論理は、特徴の特性のターゲット差を使用して、終点をいつ呼び出すべきかを判定する。研磨が始まるときの特徴の初期の特性値に対して、特性の変化を測定することができる。別法として、終点は、ターゲット差δVに加えて、予期の初期値EIVおよび実際の初期値AIVに対して呼び出すことができる。終点論理は、実際の初期値と予期の初期値の差に開始値の重みSVWを掛けて、基板間の下にあるばらつきを補償することができる。たとえば、終点判定論理は、終点基準EM=SVW
*(AIV−EIV)+δVのときに研磨を終了することができる。いくつかの実装形態では、重み付きの組合せを使用して、終点を判定する。たとえば、終点判定論理は、関数からの特性の初期値、および関数からの特性の現在値、ならびに初期値と現在値の第1の差を計算することができる。終点判定論理は、初期値とターゲット値の第2の差を計算し、第1の差と第2の差の重み付きの組合せを生成することができる。重みを付けた値がターゲット値に到達すると、終点を呼び出すことができる。終点判定論理は、監視された差(または複数の差)と特性のターゲット差を比較することによって、終点を呼び出すべきかどうかを判定することができる。監視された差がターゲット差に整合し、またはターゲット差を超える場合、終点が呼び出される。一実装形態では、監視された差は、終点が呼び出される前に、ある期間(たとえば、プラテンの2回転)にわたって、ターゲット差に整合し、またはターゲット差を超過しなければならない。
【0069】
図8は、特定のターゲット厚さおよび特定の終点判定論理に対する選択されたスペクトル特徴に関連する特性のターゲット値を選択する方法801を示す。ステップ702〜706で上述したように、セットアップ基板が測定および研磨される(ステップ803)。具体的には、スペクトルが収集され、それぞれの収集されたスペクトルが測定される時間が記憶される。
【0070】
特定のセットアップ基板に対する研磨装置の研磨速度が計算される(ステップ805)。平均研磨速度PRは、研磨前の厚さT1および研磨後の厚さT2、ならびに実際の研磨時間PTを使用して計算することができ、たとえば、PR=(T2−T1)/PTである。
【0071】
以下に論じるように、特定のセットアップ基板に対する終点時間を計算して(ステップ807)較正点を提供し、選択された特徴の特性のターゲット値を判定する。終点時間は、計算された研磨速度PR、当該の膜の研磨前の開始厚さST、および当該の膜のターゲット厚さTTに基づいて計算することができる。研磨処理全体にわたって研磨速度が一定であるとすると、終点時間は、簡単な直線補間として計算することができ、たとえば、ET=(ST−TT)/PRである。
【0072】
任意選択で、計算された終点時間は、パターン付きの基板のバッチの別の基板を研磨し、計算された終点時間で研磨を停止し、当該の膜の厚さを測定することによって評価することができる。厚さがターゲット厚さの満足のいく範囲内にある場合、計算された終点時間は満足のいくものである。そうでない場合、計算された終点時間を再計算することができる。
【0073】
計算された終点時間で、セットアップ基板から収集されたスペクトルから、選択された特徴に対するターゲット特性値が記録される(ステップ809)。当該のパラメータが選択された特徴の位置または幅の変化を伴う場合、その情報は、計算された終点時間に先行する期間中に収集されたスペクトルを検査することによって判定することができる。特性の初期値とターゲット値の差は、その特徴に対するターゲット差として記録される。いくつかの実装形態では、単一のターゲット差が記録される。
【0074】
図9は、ピークに基づく終点判定論理を使用して研磨ステップの終点を判定する方法900を示す。前述の研磨装置を使用して、パターン付きの基板のバッチの別の基板が研磨される(ステップ902)。プラテンの回転ごとに、以下のステップが実行される。
【0075】
研磨されている基板表面から反射する光の1つまたは複数のスペクトルを測定し、現在のプラテンの回転に対する1つまたは複数の現在のスペクトルを得る(ステップ904)。任意選択で、現在のプラテンの回転に対して測定される1つまたは複数のスペクトルは、
図7を参照して上述したように、確度および/または精度を高めるように処理される。1つのスペクトルだけが測定される場合、そのスペクトルが現在のスペクトルとして使用される。1回のプラテンの回転に対して2つ以上の現在のスペクトルが測定される場合、これらのスペクトルはグループ化され、各グループ内で平均化され、これらの平均が現在のスペクトルとして指定される。スペクトルは、基板の中心からの径方向の距離によってグループ化することができる。例として、点202および210(
図2)として測定されたスペクトルから、第1の現在のスペクトルを得ることができ、点203および209として測定されたスペクトルから、第2の現在のスペクトルを得ることができ、点204および208として測定されたスペクトルから、第3の現在のスペクトルを得ることができ、以下同様である。選択されたスペクトルピークの特性値は、それぞれの現在のスペクトルに対して判定することができ、研磨は、基板の各領域内で別個に監視することができる。別法として、現在のスペクトルから、選択されたスペクトルピークの特性に対する最悪の場合の値を判定することができ、終点判定論理によって使用することができる。プラテンの各回転中、現在の基板に対する一連のスペクトルに、1つまたは複数の追加のスペクトルが追加される。研磨が進行するにつれて、研磨中に基板から材料が除去されるため、一連のスペクトル内のスペクトルの少なくとも一部は異なる。
【0076】
現在のスペクトルから、選択されたピークに対する現在の特性値が抽出され(ステップ906)、現在の特性値は、
図7において上記で論じた終点判定論理を使用して、ターゲット特性値と比較される(ステップ908)。たとえば、一連のスペクトルから、現在の特徴の特性に対する一連の値が判定され、これらの一連の値に、関数が適合される。この関数は、たとえば、現在の特性値と初期の特性値の差に基づいて研磨中に基板から除去される材料の量を概算できる1次関数とすることができる。終点判定論理が、終点条件が満たされなかったと判定する(ステップ910の「no」の分岐)限り、研磨を継続することができ、ステップ904、906、908、および910が適宜繰り返される。たとえば、終点判定論理は、関数に基づいて、特徴の特性に対するターゲット差にまだ到達していないと判定する。いくつかの実装形態では、基板の複数の部分から反射された光のスペクトルが測定されるとき、終点判定論理は、複数の部分の研磨が同時に、またはほぼ同時に完了するように、基板の1つまたは複数の部分の研磨速度を調整する必要があると判定することができる。終点判定論理が、終点条件が満たされたと判定したとき(ステップ910の「yes」の分岐)、終点が呼び出され、研磨が停止される(ステップ912)。
【0077】
望ましくない光の反射の影響を除去または低減するために、スペクトルを正規化することができる。当該の1つまたは複数の膜以外の媒体による寄与から生じる光の反射には、研磨パッド窓および基板のベースシリコン層からの光の反射が含まれる。窓からの寄与は、暗条件(すなわち、in−situモニタシステム上に基板が配置されていない)下でin−situモニタシステムによって受け取られる光のスペクトルを測定することによって推定することができる。シリコン層からの寄与は、ベアシリコン基板から反射する光のスペクトルを測定することによって推定することができる。これらの寄与は通常、研磨ステップの開始前に得られる。測定された生スペクトルは、次のように正規化される。
正規化スペクトル=(A−Dark)/(Si−Dark)
上式で、Aは生スペクトルであり、Darkは暗条件下で得られるスペクトルであり、Siはベアシリコン基板から得られるスペクトルである。
【0078】
記載の実施形態では、スペクトル内の波長ピークの変化を使用して、終点検出を実行する。ピークの代わりに、またはピークと一緒に、スペクトル内の波長の谷(すなわち、極小)の変化を使用することもできる。終点を検出するときに、複数のピーク(または谷)の変化を使用することもできる。たとえば、各ピークを個別に監視することができ、大部分のピークの変化が終点条件を満たしたとき、終点を呼び出すことができる。他の実装形態では、屈曲点またはスペクトルのゼロ交差の変化を使用して、終点検出を判定することができる。
【0079】
本発明の実施形態および本明細書に記載するすべての関数演算は、本明細書に開示する構造上の手段およびその構造上の均等物、またはそれらの組合せを含めて、デジタル電子回路内、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェア内で実施することができる。本発明の実施形態は、データ処理装置、たとえばプログラム可能な処理装置、コンピュータ、または複数の処理装置もしくはコンピュータによる実行のために、またはその動作を制御するために、1つまたは複数のコンピュータプログラム製品として、すなわち情報キャリア内、たとえば機械可読ストレージデバイス内または伝搬信号内で有形に実施される1つまたは複数のコンピュータプログラムとして、実施することができる。コンパイルまたは解釈された言語を含む任意の形式のプログラム言語で、コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとしても知られている)を書き込むことができ、単独型のプログラム、またはモジュール、構成要素、サブルーチン、もしくは演算環境内で使用するのに適した他のユニットを含む任意の形式で、配置することができる。コンピュータプログラムは、必ずしも1つのファイルに対応するわけではない。プログラムは、他のプログラムもしくはデータを保持するファイルの一部分内、当該プログラム専用の単一のファイル内、または複数の連係ファイル(たとえば、1つもしくは複数のモジュール、サブプログラム、もしくはコード部分を記憶するファイル)内に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上、もしくは1箇所にある複数のコンピュータ上で実行されるように配置することができ、または複数の箇所に分散させて、通信ネットワークによって相互接続することができる。
【0080】
本明細書に記載する処理および論理の流れは、1つまたは複数のプログラム可能な処理装置が、入力データ上で演算して出力を生成することによって、1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行して関数を実行することによって実行することができる。処理および論理の流れはまた、専用の論理回路、たとえばFPGA(フィールドプログラム可能ゲートアレイ)またはASIC(特定用途向けの集積回路)によって実行することができ、装置はまた、このような専用の論理回路として実施することができる。
【0081】
上述の研磨装置および方法は、様々な研磨システムに適用することができる。研磨パッド、もしくはキャリアヘッド、または両方は、研磨表面と基板の間に相対的な運動を提供するように動くことができる。たとえば、プラテンは、回転ではなく周回することができる。研磨パッドは、プラテンに固定された円形(または何らかの他の形状)のパッドとすることができる。終点検出システムのいくつかの態様は、直線研磨システムに適用することができ、たとえば、研磨パッドは、直線的に動く連続式またはオープンリール式のベルトである。研磨層は、標準的な(たとえば、充填剤の有無にかかわらずポリウレタン)研磨材料、軟質材料、または研削剤が固定された材料とすることができる。相対的に位置付けする用語を使用するが、研磨表面および基板は、垂直の向きまたは何らかの他の向きに保持できることを理解されたい。
【0082】
本発明の特定の実施形態について説明した。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。たとえば、特許請求の範囲に記載の動作は、異なる順序で実行することができ、それでもなお、所望の結果を実現することができる。
また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
コンピュータ可読媒体上で有形に実施されるコンピュータプログラム製品であり、
研磨中に監視すべき選択されたスペクトル特徴の識別情報および選択されたスペクトル特徴の特性を受け取る命令と、
基板が研磨されている間に基板から反射された光の一連のスペクトルを測定し、研磨中に材料が除去されるため、一連のスペクトルの少なくとも一部が異なる命令と、
一連のスペクトル内のそれぞれのスペクトルに対する選択されたスペクトル特徴の特性の値を判定して、特性に対する一連の値を生成する命令と、
一連の値に対応する命令と、
関数に基づいて研磨終点または研磨速度に対する調整の少なくとも1つを判定する命令と
を含むコンピュータプログラム製品。
(態様2)
選択されたスペクトル特徴が、スペクトルピーク、スペクトルの谷、またはスペクトルのゼロ交差を含み、特性が、波長、幅、または強度を含む、態様1に記載のコンピュータプログラム製品。
(態様3)
選択されたスペクトル特徴がスペクトルピークを含み、特性がピーク幅を含む、態様2に記載のコンピュータプログラム製品。
(態様4)
研磨終点を判定する命令が、関数から特性の初期値を計算し、関数から特性の現在値を計算し、初期値と現在値の差を計算し、差がターゲット差に到達すると研磨を終了することを含む、態様1に記載のコンピュータプログラム製品。
(態様5)
研磨終点を判定する命令が、関数から特性の初期値を計算し、関数から特性の現在値を計算し、初期値と現在値の第1の差を計算し、初期値とターゲット値の第2の差を計算し、第1の差と第2の差の重み付きの組合せを生成し、重み付きの組合せがターゲット値に到達すると研磨を終了することを含む、態様1に記載のコンピュータプログラム製品。
(態様6)
光の一連のスペクトルが、基板の第1の部分からのものであり、基板が研磨されている間に基板の第2の部分から反射された光の第2の一連のスペクトルを測定する命令と、
第2の一連のスペクトル内のそれぞれのスペクトルに対する選択されたスペクトル特徴の特性の値を判定して、特性に対する第2の一連の値を生成する命令と、
一連の値に第2の関数を対応させる命令と
をさらに含み、
研磨速度に対する調整を判定する命令が、第1の関数の勾配を使用して基板の第1の部分に対する第1の推定研磨終点時間を計算し、第2の関数の勾配を使用して基板の第2の部分に対する第2の推定研磨終点時間を計算し、第1の部分と第2の部分がほぼ同じ時間に研磨を完了するように、第1または第2の部分の研磨速度を調整することを含む、態様1に記載のコンピュータプログラム製品。
(態様7)
関数が時間の1次関数である、態様1に記載のコンピュータプログラム製品。
(態様8)
研磨方法であって、
基板を研磨するステップと、
研磨中に監視すべき選択されたスペクトル特徴の識別情報および選択されたスペクトル特徴の特性を受け取るステップと、
基板が研磨されている間に基板から反射された光の一連のスペクトルを測定するステップであって、研磨中に材料が除去されるため、一連のスペクトルの少なくとも一部が異なるステップと、
一連のスペクトル内のそれぞれのスペクトルに対する選択されたスペクトル特徴の特性の値を判定して、特性に対する一連の値を生成するステップと、
一連の値に対応するステップと、
関数に基づいて研磨終点または研磨速度に対する調整の少なくとも1つを判定するステップと
を含む方法。
(態様9)
選択されたスペクトル特徴が、スペクトルピーク、スペクトルの谷、またはスペクトルのゼロ交差を含み、特性が、波長、幅、または強度を含む、態様8に記載の方法。
(態様10)
選択されたスペクトル特徴がスペクトルピークを含み、特性がピーク幅を含む、態様9に記載の方法。
(態様11)
研磨終点を判定するステップが、関数から特性の初期値を計算し、関数から特性の現在値を計算し、初期値と現在値の差を計算し、差がターゲット差に到達すると研磨を終了することを含む、態様8に記載の方法。
(態様12)
研磨終点を判定するステップが、関数から特性の初期値を計算し、関数から特性の現在値を計算し、初期値と現在値の第1の差を計算し、初期値とターゲット値の第2の差を計算し、第1の差と第2の差の重み付きの組合せを生成し、重み付きの組合せがターゲット値に到達すると研磨を終了することを含む、態様8に記載の方法。
(態様13)
光の一連のスペクトルが、基板の第1の部分からのものであり、基板が研磨されている間に基板の第2の部分から反射された光の第2の一連のスペクトルを測定するステップと、
第2の一連のスペクトル内のそれぞれのスペクトルに対する選択されたスペクトル特徴の特性の値を判定して、特性に対する第2の一連の値を生成するステップと、
一連の値に第2の関数を対応させるステップと
をさらに含み、
研磨速度に対する調整を判定するステップが、第1の関数の勾配を使用して基板の第1の部分に対する第1の推定研磨終点時間を計算し、第2の関数の勾配を使用して基板の第2の部分に対する第2の推定研磨終点時間を計算し、第1の部分と第2の部分がほぼ同じ時間に研磨を完了するように、第1または第2の部分の研磨速度を調整することを含む、態様8に記載の方法。
(態様14)
関数が時間の1次関数である、態様12に記載の方法。
(態様15)
研磨中に監視すべきスペクトル特徴および選択されたスペクトル特徴の特性の識別を支援する方法であって、
試験基板を研磨するステップと、
基板が研磨されている間に基板から反射された光の一連のスペクトルを測定し、研磨中に材料が除去されるため、一連のスペクトルの少なくとも一部が異なるステップと、
一連のスペクトルを等高線図として視覚的に表示するステップと
を含む方法。
(態様16)
等高線図が、強度値の色分けまたは強度値の3D図を含む、態様15に記載の方法。