(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1ユニットセルは、複数設けられて、互いに異なる大きさを有する少なくとも二つのグループに分けられ、前記第2ユニットセルは、複数設けられて、互いに異なる大きさを有する少なくとも二つのグループに分けられ、
前記電極組立体を形成するステップにおいて、前記分離膜シートは、前記第1ユニットセルの大きさと前記第2ユニットセルの大きさとに従いジグザグにフォルディングされる長さが異なることを特徴とする請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、化石燃料を用いる既存のガソリン車両、ディーゼル車両などの大気汚染などを解決するための方案として提示されている電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、並列型ハイブリッド電気自動車(PHEV)などの動力源としても注目されており、自動車などのような中大型デバイスには高出力、大容量の必要性によって、多数の電池セルを電気的に連結した中大型電池モジュールが用いられる。
【0003】
ところが、中大型電池モジュールは可能であれば小さな大きさと重量に製造されるのが好ましいので、高い集積度で充積可能であり、容量に比べて重量が小さな角形電池、パウチ型電池などが中大型電池モジュールの電池セルとして主に製作されている。
【0004】
一般に、電極組立体は正極/分離膜/負極の積層構造でなっており、代表的に、
図1に示す通り、分離膜シート3上に多数の正極1及び負極2を配列し、分離膜シート3の一端部(例えば、
図1の最右側正極1)から始まって順次反時計方向に巻き取ることにより製造される。しかし、このような構造で、中心部の電極と外側部の電極との間には温度勾配が発生して放熱効率が相違することになるので、長時間用いる場合、寿命が短くなる問題がある。
【0005】
または、
図2に示す通り、ジグザグに配置された分離膜シート3の間に正極1及び負極2が交互に順次積層されるよう電極組立体が構成される。このような方式(Z-フォルディング方式と称される)は韓国公開特許第2000-0051741号に開示されている。
【0006】
このような従来の電極組立体の製造方法は、単一の正極及び負極が一層ずつ積層されるため、一つの電極組立体の完成にかかる時間が非常に長くなり、これに伴い電極組立体の生産性が著しく低下されるとの問題点がある。さらに、二次電池に必要な電極数が増加されるほど、フォルディング時に発生する正極、負極間の位置整列の不良率も著しく増加する。ひいては、必要な電極組立体の生産容量を合わせるためにはフォルディング装備が比例して増加されなければならないので、費用増加の問題点がある。したがって、電極組立体の生産性を向上させるとともに、正極と負極の間の位置整列が向上した電極組立体及びその製造方法に対する技術の開発が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述の問題を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、正極/分離膜/負極/分離膜/正極構造の第1ユニットセル及び負極/分離膜/正極/分離膜/負極構造の第2ユニットセルを製造し、Z-フォルディング方式に従って第1ユニットセル及び第2ユニットセルを交互に積層する電極組立体及びその製造方法を実現し、工程の簡素化及びコスト節減の効果を最大化することができるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するための手段として、本発明に係る電極組立体は、第1電極、分離膜、第2電極、分離膜及び第1電極が順次積層された一つ以上の第1ユニットセル;及び第2電極、分離膜、第1電極、分離膜及び第2電極が順次積層された一つ以上の第2ユニットセルを含み、ジグザグにフォルディングされる分離膜シートの間に交互に第1ユニットセルと第2ユニットセルとが反復的に配置され積層されることを特徴とする。
【0010】
ここで、第1電極は正極、第2電極は負極であり、または第1電極は負極、第2電極は正極である。
【0011】
さらに、本発明に係る電極組立体の第1ユニットセル及び第2ユニットセルは、熱と圧力によって電極と分離膜が一体に結合された構造を有することを特徴とする。さらに、電極組立体に熱と圧力を印加することを特徴とする。
【0012】
さらに進んで、本発明に係る電極組立体の両端部の最外側にそれぞれ配置される第1電極または第2電極は、内側に臨む一側面にのみ活物質が塗布されていることを特徴とする。
【0013】
第1ユニットセルは、分離膜、第2電極、分離膜及び第1電極が積層されてなる第1追加ユニットセルを一つ以上さらに含むことができ、第2ユニットセルは、分離膜、第1電極、分離膜及び第2電極が積層されてなる第2追加ユニットセルを一つ以上さらに含むことができる。
【0014】
さらに、本発明に係る電極組立体の第1ユニットセルは、複数設けられて、互いに異なる大きさを有する少なくとも二つのグループに分けられ、第2ユニットセルは、複数設けられて、互いに異なる大きさを有する少なくとも二つのグループに分けられ、分離膜シートは、第1ユニットセルの大きさと第2ユニットセルの大きさとに従いジグザグにフォルディングされる長さが異なることを特徴とする。
【0015】
第1ユニットセルと第2ユニットセルは、それぞれ大きさ順に分離膜シートに交互に配置されることを特徴とする。ここに、電極組立体はステップ形状であることを特徴とする。
【0016】
複数の前記第1ユニットセルのうち一つ以上は、分離膜、第2電極、分離膜及び第1電極が積層されてなる第1追加ユニットセルを一つ以上さらに含み、複数の前記第2ユニットセルのうち一つ以上は、分離膜、第1電極、分離膜及び第2電極が積層されてなる第2追加ユニットセルを一つ以上さらに含み、分離膜シートは、第1ユニットセルの高さと第2ユニットセルの高さとに従いジグザグにフォルディングされる高さが異なることを特徴とする。
【0017】
第1ユニットセルと第2ユニットセルは、それぞれ高さ順に分離膜シートに交互に配置されることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る電極組立体の製造方法は、第1電極、分離膜、第2電極、分離膜及び第1電極が順次積層された一つ以上の第1ユニットセルを形成するステップ;第2電極、分離膜、第1電極、分離膜及び第2電極が順次積層された一つ以上の第2ユニットセルを形成するステップ;及びジグザグにフォルディングされる分離膜シートの間に交互に、第1ユニットセルと第2ユニットセルを反復的に配置して電極組立体を形成するステップを含む。
【0019】
好ましくは、電極組立体を形成するステップは、分離膜シートの一側面に一つ以上の第1ユニットセルを一定間隔離隔して配置し、分離膜シートの一側面の反対側である他側面に一つ以上の第2ユニットセルを一定間隔で離隔して配置し、但し、離隔された第1ユニットセルの間に第2ユニットセルが位置するように配置するステップ;及び分離膜シートをジグザグにフォルディングするステップを含む。
【0020】
または、電極組立体を形成するステップは、分離膜シートの一側面に一つ以上の第1ユニットセルを一定間隔離隔して配置し、分離膜シートの一側面の反対側である他側面に第1ユニットセルと同一の位置に一つ以上の第2ユニットセルを配置するステップ;及び分離膜シートをジグザグにフォルディングするステップを含む。
【0021】
さらに、本発明に係る電極組立体の製造方法は、分離膜シートの両側の折畳部を加圧して圧搾させるステップをさらに含むことができる。
【0022】
第1ユニットセルは、複数設けられて、互いに異なる大きさを有する少なくとも二つのグループに分けられ、第2ユニットセルは、複数設けられて、互いに異なる大きさを有する少なくとも二つのグループに分けられ、電極組立体を形成するステップにおいて、分離膜シートは、第1ユニットセルの大きさと第2ユニットセルの大きさとに従いジグザグにフォルディングされる長さが異なることを特徴とする。
【0023】
第1ユニットセルと第2ユニットセルは、それぞれ大きさ順に分離膜シートに交互に配置されることを特徴とする。
【0024】
電極組立体の製造方法によって製造された電極組立体はステップ形状であることを特徴とする。
【0025】
複数の第1ユニットセルのうち一つ以上は、分離膜、第2電極、分離膜及び第1電極が積層されてなる第1追加ユニットセルを一つ以上さらに含み、複数の第2ユニットセルのうち一つ以上は、分離膜、第1電極、分離膜及び第2電極が積層されてなる第2追加ユニットセルを一つ以上さらに含み、電極組立体を形成するステップにおいて、分離膜シートは、第1ユニットセルの高さと第2ユニットセルの高さとに従いジグザグにフォルディングされる高さが異なることを特徴とする。
【0026】
第1ユニットセルと第2ユニットセルは、それぞれ高さ順に分離膜シートに交互に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、フォルディング工程に第1ユニットセル及び第2ユニットセルを用いて、フォルディング工程の簡素化及びコスト節減の効果を得ることができる。
【0028】
さらに、本発明に係る電極組立体の両端部の最外側にそれぞれ配置される第1電極または第2電極は、内側に臨む一側面にのみ活物質が塗布されるので、コスト節減の効果が発生する。
【0029】
さらに、本発明に係る電極組立体の断面が四角形でないステップ形状を有することができるので、電極組立体が取り付けられる周辺装置の設計自由度を高めることができ、電極組立体が取り付けられる装置内の余裕空間を効率よく用いることができるとの効果が発生する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、図を参照しつつ、本発明に係る構成及び作用を具体的に説明する。図を参照して説明するにおいて、図面符号に係わりなく同一の構成要素は同一の参照符号を与え、これに対する重複説明は略する。第1、第2などの用語は多様な構成要素の説明に用いられてよいが、前記構成要素等は前記用語等によって限定されてはならない。前記用語等は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的だけに用いられる。
【0032】
電極組立体
図3及び
図4を参照すれば、本発明に係る第1ユニットセル100及び第2ユニットセル200が示されている。第1ユニットセル100は、第1電極10、分離膜30、第2電極20、分離膜30及び第1電極10が順次積層されてなる。本例示的実施例では、第1電極10が正極10、第2電極20が負極20となっているが、逆に第1電極10が負極、第2電極20が正極になり得る。さらに、第2ユニットセル200は、負極20、分離膜30、正極10、分離膜30及び負極20が順次積層されてなる。すなわち、第1ユニットセル100の両端は正極10が配置されるように構成され、第2ユニットセル200の両端は負極20が配置されるように構成される。
【0033】
さらに、
図4に示す通り、第1ユニットセル100’は、分離膜30、負極20、分離膜30及び正極10がさらに積層されるように構成されてよい。追加される分離膜30、負極20、分離膜30及び正極10は一つの束(第1追加ユニットセル)となって、複数の第1追加ユニットがさらに積層されるように第1ユニットセルが構成されてよい。したがって、第1追加ユニットがさらに積層されるとしても、第1ユニットセルの両端は同一極である正極10が配置される。これと似て、分離膜30、正極10、分離膜30及び負極20が一つの束(第2追加ユニットセル)となって、複数の第2追加ユニットセルがさらに積層されるように第2ユニットセル200’が構成されてよい。第1追加ユニットセル及び第2追加ユニットセルの追加の可否は電池の容量に従って決定されてよい。結果的に、第1ユニットセル及び第2ユニットセル内には奇数個の電極(2n+1、nは整数)が存在することになり、各ユニットセルの両端は同一極(正極または負極)が配置される。
【0034】
図3に示す通り、正極10は、正極集電体11上の両面にコーティングされる正極活物質12、13を備えた構造に実現されてよい。さらに、負極20は、負極集電体21上の両面にコーティングされる負極活物質22、23を備えた構造に実現されてよい。但し、以後記述されるところのように、電極組立体の両端部の最外側にそれぞれ配置される正極10または負極20は、内側に臨む一側面にのみ活物質が塗布され得る。例えば、電極組立体の最下端に第1ユニットセル100が配置される場合、正極10が電極組立体の最下端に配置されることになるはずである。この場合、正極10の一側面(負極と対向しない面、すなわち、電極組立体の最下端向きの面)には正極活物質12、13が塗布される必要がない。したがって、正極活物質の塗布量を低減させることができるので、費用節減の効果をもたらす。さらに、電極組立体の最上端に第2ユニットセル200が配置される場合、負極20が電極組立体の最上端に配置されることになるはずである。この場合、負極20の一側面(正極と対向しない面、すなわち、電極組立体の最上端向きの面)には負極活物質22、23が塗布される必要がない。したがって、負極活物質の塗布量を低減させることができるので、費用節減の効果をもたらす。
【0035】
図5を参照しつつ、第1ユニットセル100の製造工程について説明する。先ず、ラミネータL1、L2に進入する前に正極10、分離膜30、負極20、分離膜30、正極10の順に上下に配置される。二つの正極10及び負極20は、ラミネータL1、L2に進入する前に適宜な大きさにカッターC1、C2、C3を利用して切断されてよい。このとき、二つの正極10及び負極20が上下一列に整列され、ラミネータL1、L2に進入できるように配置する。勿論、本工程で二つの正極10及び負極20は、切断しない状態で供給されてもよい。
【0036】
以後、ラミネータL1、L2では、熱と圧力で三つの電極と二つの分離膜が接着された構造体、すなわち、第1ユニットセル100を基本単位体に実現することになり、以後、カッターC4を介し切断して第1ユニットセル100を完成したあと、厚さ検査(a)、ビジョン検査(b)、ショート検査(c)などの検査工程がさらに行われてよい。ラミネータL1、L2を通過することになると、分離膜30と正極10及び負極20の間の空隙を減少させることができるので、第1ユニットセル100の性能向上の効果が発生する。第2ユニットセル100も同一の製造工程で実現され得る。
【0037】
本発明の第1実施例に係る電極組立体は、前記ユニットセルの製造工程を介して得た第1ユニットセル100及び第2ユニットセル200がジグザグにフォルディングされる分離膜シート40の間に交互に配置され、反復的に積層されて形成される。
図6に示す通り、分離膜シート40を間に介在させて多数の第1ユニットセル100及び多数の第2ユニットセル200が交互に積層されていることを確認することができる。既存のZ-フォルディング方式において単一正極及び負極を交互に積層することとは異なり、第1ユニットセル100及び第2ユニットセル200を積層することになるので、フォルディング工程の時間を短縮させることができる。さらに、各ユニットセル内に正極及び負極が既に整列され積層されているので、フォルディング工程時に正極、負極の間の位置整列の不良率も著しく減少させることができる。
【0038】
図7に示す通り、電極組立体の上下部を圧搾する工程が追加され、前記圧搾工程を介し分離膜シート40とユニットセル100、200との間の空隙を減少させることができるので、電極組立体の性能向上の効果が発生する。
【0039】
さらに、
図8に示す通り、電極組立体の分離膜シート40の両側の折畳部50、60をそれぞれ上下にプレス圧搾し、簡単に電極組立体の側面を密封させることができる。このような工程を介し、分離膜シート40の両側の折畳部50、60の処理を簡単にすることができ、外観上仕上げが綺麗に処理可能である。一方、分離膜シート40の両側の折畳部50、60の処理には、プレスでない他の圧搾または融着器具が用いられてよい。
【0040】
本発明の第2実施例に係る電極組立体は、ステップ形状(本明細書では、段差を有する形状を指す表現として用いられる)であることを特徴とする。第1ユニットセル100は、複数に設けられて互いに異なる大きさを有する少なくとも二つのグループに分けられ、第2ユニットセル200は、複数に設けられて互いに異なる大きさを有する少なくとも二つのグループに分けられる。w1大きさ(幅または長さなど)を有する第1グループの第1ユニットセル100が複数あってよく、w2大きさを有する第2グループの第1ユニットセル110が複数あってよく、w3大きさを有する第3グループの第1ユニットセル120が複数あってよい。
図11には、w1〜w3の大きさを有する三つのグループ、各グループに一つずつの第1ユニットセルが示されているが、互いに異なる大きさを有する第1ユニットセルのグループの個数には制限がなく、各グループ内に含まれる第1ユニットセルの個数にも制限がない。これは、第2ユニットセル200、210、220に同様に適用される。
【0041】
図11に示す通り、3種の大きさw1〜w3を有する第1ユニットセル及び第2ユニットセルを用いて、
図13に示す通りの四つの層を有するステップ形状の電極組立体が形成され得る。
図13では、第1ユニットセル100、110、120と第2ユニットセル200、210、220とが大きさ順に積層されステップ形状の電極組立体が形成されているが、これに制限されず、多様な形状を有することができる。例えば、w1大きさの第1ユニットセル100、w2大きさの第2ユニットセル210、w1大きさの第1ユニットセル100を積層し、菱形のステップ電極組立体を形成することができる。
【0042】
さらに、同一の大きさの第1ユニットセル及び第2ユニットセルを複数積層し、ステップ形状の各層の高さを異なるように形成することができる。すなわち、第1ユニットセル及び第2ユニットセルのグループの個数と各グループ内の個数とを変更し、大きさ別の配置の順を変えて多様な形状の電極組立体を形成することができる。
【0043】
図12に示す通り、分離膜シート400は、第1ユニットセル100、110、120の大きさw1、w2、w3と第2ユニットセル200、210、220の大きさw1、w2、w3とに従い、ジグザグにフォルディングされる長さが異なることになる。例えば、分離膜シート400にw1大きさを有する第1ユニットセル100が積層され、分離膜シート400が左側方向にフォルディングされて第1ユニットセル100上に積層され、w2大きさを有する第2ユニットセル210が分離膜シート400に積層され、再度分離膜シート400が右側方向にフォルディングされて第2ユニットセル220上に積層され、このような方式でジグザグにフォルディングされると、w1大きさの第1ユニットセル100をカバーするためにフォルディングされる分離膜シート400の長さと、 w2幅の第2ユニットセル210をカバーするためにフォルディングされる分離膜シート400の長さとは互いに異なることになる。すなわち、第1ユニットセル及び第2ユニットセルの大きさの変化に伴い、分離膜シート400のフォルディングされる長さも変わることになる。
【0044】
第1ユニットセル100、110、120と第2ユニットセル200、210、220とは、それぞれ大きさ順に分離膜シート400に交互に配置されてよく、
図13は、大きさ順に配置されたときのステップ形状を有する電極組立体の断面を示している。
【0045】
図13に示す通り、電極組立体の断面が四角形でないステップ形状を有すると、電極組立体が取り付けられる周辺装置の設計自由度を高めることができ、電極組立体が取り付けられる装置内の余裕空間を効率よく用いることができるとの利点がある。
【0046】
複数の第1ユニットセルのうち第1ユニットセル130は、
図4に示す通り、分離膜、第2電極、分離膜及び第1電極が積層されてなる第1追加ユニットセルをさらに含むことができる。さらに、複数の第1ユニットセルのうち第1ユニットセル140は、第1追加ユニットセルを二つ含むことができる。この場合、第1ユニットセル100、130、140の高さは、
図14に示す通り、h1<h2<h3になる。第2ユニットセル200、230、240も分離膜、第1電極、分離膜及び第2電極が積層されてなる第2追加ユニットセルが一つまたは二つ含まれるに伴い、互いに異なる高さを有する複数のユニットセルを有することができる。すなわち、第1ユニットセル100、130、140及び第2ユニットセル200、230、240は、大きさと高さが互いに異なる複数のユニットセルを含むことができる。
図14では、第1ユニットセル100、130、140及び第2ユニットセル200、230、240が3種の互いに異なる高さを有するものと示されているが、これに制限されない。
【0047】
分離膜シート400は、第1ユニットセル100、130、140の高さh1、h2、h3と第2ユニットセル200、230、240の高さh1、h2、h3とに従い、ジグザグにフォルディングされる高さが異なることになる。例えば、分離膜シート400にh1高さを有する第1ユニットセル100が積層され、分離膜シート400が左側方向にフォルディングされて第1ユニットセル130上に積層され、h2高さを有する第2ユニットセル230が分離膜シート400に積層され、再度分離膜シート400が右側方向にフォルディングされて第2ユニットセル240上に積層され、このような方式でジグザグにフォルディングされると、h1高さの第1ユニットセル100をカバーするためにフォルディングされる分離膜シート400の高さと、h2高さの第2ユニットセル230をカバーするためにフォルディングされる分離膜シート400の高さとは互いに異なることになる。すなわち、第1ユニットセル及び第2ユニットセルの高さの変化に伴い、分離膜シート400のフォルディングされる高さも変わることになる。
【0048】
w1大きさを有する第1ユニットセル100及び第2ユニットセル200を複数交互に積層してステップ形状の各層の高さを異なるようにすることができ、または第1追加ユニットセル及び第2追加ユニットセルを複数さらに含む第1ユニットセル140と第2ユニットセル240とを交互に積層してステップ形状の各層の高さを異なるようにすることもできる。
【0049】
さらに、第1ユニットセル100、130、140と第2ユニットセル200、230、240とは、それぞれ高さ順に分離膜シート400に交互に配置されてよい。
【0050】
電極組立体の製造方法
本発明に係る電極組立体の製造方法は、第1電極、分離膜、第2電極、分離膜及び第1電極が順次積層された一つ以上の第1ユニットセルを形成するステップ;第2電極、分離膜、第1電極、分離膜及び第2電極が順次積層された一つ以上の第2ユニットセルを形成するステップ;及びジグザグにフォルディングされる分離膜シートの間に第1ユニットセルと第2ユニットセルを交互に配置して電極組立体を形成するステップを含む。
【0051】
前述された電極組立体の構成は、電極組立体の製造方法に含まれてよい。
【0052】
図9を参照しつつ、電極組立体を形成するステップについて具体的に説明する。分離膜シート40の一側面に一つ以上の第1ユニットセル100を一定間隔離隔して配置する。分離膜シート40の一側面の反対側である他側面に、第2ユニットセル200を前記一定間隔と同様に離隔して配置する。このとき、第2ユニットセル200は、離隔された第1ユニットセル100の間に位置するように配置される。以後、分離膜シート40の一端(
図9の左側)から時計方向に分離膜シート40を折り((1)ステップ:図中丸付き数字で表示、以下同様)、分離膜シート40が折れた状態で、反時計方向に分離膜シート40を再度折り((2)ステップ)、このような式で時計方向と反時計方向にジグザグ方式((3)〜(5)ステップ)で分離膜シート40を折ると、
図6に示すような電極組立体が形成され得る。
【0053】
図10を参照しつつ、電極組立体を形成するステップを説明する。分離膜シート40の一側面に一つ以上の第1ユニットセル100を一定間隔離隔して配置する。分離膜シート40の一側面の反対側である他側面に第1ユニットセル100と同一の位置に第2ユニットセル200を配置する。以後、分離膜シート40の一端(
図9の左側から)から時計方向に分離膜シート40を折り((1)ステップ:図中丸付き数字で表示、以下同様)、分離膜シート40が折れた状態で、反時計方向に分離膜シート40を再度折り((2)ステップ)、このような式で時計方向と反時計方向にジグザグ方式((3)〜(5)ステップ)で分離膜シート40を折ると、
図6に示すような電極組立体が形成され得る。
【0054】
本発明に係る電極組立体の製造方法は、分離膜シート40の両側の折畳部50、60を加圧して圧搾させる工程をさらに含むことができる。加圧して圧搾させるのにプレスが用いられてよいが、これに限定されるものではない。この工程を介しZ-フォルディングで発生する分離膜シート40の両側の折畳部50、60の処理を簡単にすることができ、外観上仕上げが綺麗に処理可能である。
【0055】
以下では、前述した本発明に係る電極組立体を構成する構成要素の具体的な材料及び構成上の特徴を説明する。
【0056】
正極構造
本発明で前記基本単位体に形成される電極は正極または負極に区別され、前記正極及び負極をその間に分離膜を介在させた状態で互いに結合させて製造される。正極は、例えば、正極集電体上に正極活物質、導電材及びバインダの混合物を塗布したあと、乾燥及びプレスして製造され、必要に応じては前記混合物に充填材をさらに添加することもある。このような構造は、シート状に実現されローディングロールに取り付けられる形態で工程に適用できるようになる。
【0057】
[正極集電体]
前記正極集電体は、一般に3〜500μmの厚さに製作する。このような正極集電体は、当該電池に化学的変化を誘発することなく高い導電性を有するものであれば特に制限されるのではなく、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものなどが用いられてよい。集電体は、その表面に微細な凹凸を形成して正極活物質の接着力を高めることもでき、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体などの多様な形態が可能である。
【0058】
[正極活物質]
前記正極活物質は、リチウム二次電池の場合、例えば、リチウムコバルト酸化物(LiCoO
2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO
2)などの層状化合物や、1 またはそれ以上の遷移金属で置換された化合物;化学式Li
1+xMn
2-xO
4(ここで、xは0〜0.33である)、LiMnO
3、LiMn
2O
3、LiMnO
2などのリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(Li
2CuO
2);LiV
3O
8、LiFe
3O
4、V
2O
5、Cu
2V
2O
7などのバナジウム酸化物;化学式LiNi
1-xM
xO
2(ここで、M=Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、BまたはGa であり、x=0.01〜0.3である)で表されるNiサイト型リチウムニッケル酸化物;化学式LiMn
2-xM
xO
2(ここで、M=Co、Ni、Fe、Cr、ZnまたはTaであり、x=0.01〜0.1である)またはLi
2Mn
3MO
8(ここで、M=Fe、Co、Ni、CuまたはZnである)に表されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のLiの一部がアルカリ土類金属イオンで置換されたLiMn
2O
4;ジスルフィド化合物;Fe
2(MoO
4)
3などを挙げることができるが、これらだけに限定されるものではない。
【0059】
前記導電材は、通常正極活物質を含む混合物の全体重量を基準に1〜50重量%で添加される。このような導電材は、当該電池に化学的変化を誘発することなく導電性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維や金属纎維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが用いられてよい。
【0060】
前記バインダは、活物質と導電材などの結合と集電体に対する結合とに助力する成分であって、通常正極活物質を含む混合物の全体重量を基準に1〜50重量%で添加される。このようなバインダの例には、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン-ジエンテルポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブチレンゴム、フッ素ゴム、多様な共重合体などを挙げることができる。
【0061】
前記充填剤は、正極の膨張を抑制する成分として選択的に用いられ、当該電池に化学的変化を誘発することなく繊維状材料であれば特に制限されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系重合体;ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状物質が用いられる。
【0062】
負極構造
負極は、負極集電体上に負極活物質を塗布、乾燥及びプレスして製造され、必要に応じて前記でのような導電材、バインダ、充填剤などが選択的にさらに含まれてよい。このような構造は、シート状に実現されローディングロールに取り付けられる形態で工程に適用できるようになる。
【0063】
[負極集電体]
前記負極集電体は、一般に3〜500μmの厚さに製作される。このような負極集電体は、当該電池に化学的変化を誘発することなく導電性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したもの、アルミニウム-カドミウム合金などが用いられてよい。さらに、正極集電体と同様に、表面に微細な凹凸を形成して負極活物質の結合力を強化させることもでき、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体などの多様な形態に用いられてよい。
【0064】
[負極活物質]
前記負極活物質は、例えば、難黒鉛化炭素、黒鉛系炭素などの炭素;Li
xFe
2O
3(0≦x≦1)、Li
xWO
2(0≦x≦1)、Sn
xMe
1-xMe'
yO
z(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me':Al、B、P、Si、周期律表の1族、2族、3族元素、ハロゲン;0<x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)などの金属複合酸化物;リチウム金属;リチウム合金;ケイ素系合金;錫系合金;SnO、SnO
2、PbO、PbO
2、Pb
2O
3、Pb
3O
4、Sb
2O
3、Sb
2O
4、Sb
2O
5、GeO、GeO
2、Bi
2O
3、Bi
2O
4及びBi
2O
5などの金属酸化物;ポリアセチレンなどの導電性高分子;Li-Co-Ni系材料などを用いることができる。
【0065】
分離膜
本発明に係る分離膜は、フォルディング工程やロール(roll)工程とは係わりなく、単なる積層工程で基本単位体を形成して単純積層を実現することになる。特に、ラミネータにおける分離膜と正極、負極の接着は、ラミネータの内部で分離膜シート自体が熱によって溶融されて接着固定されるようにするものである。これに伴い、圧力が引続き維持されるようにするので、電極と分離膜シートとの間の安定的な界面接触を可能にする。
【0066】
前記分離膜シートまたはセルの正極と負極との間に介在される分離膜は、絶縁性を呈しイオンの移動が可能な多孔性構造であれば、その素材が特に制限されるものではなく、前記分離膜と分離膜シートは、同一の素材であってもよく、その限りでなくてもよい。
【0067】
前記分離膜または分離膜シートは、例えば、高いイオン透過度と機械的強度を有する絶縁性の薄い薄膜が用いられてよく、分離膜または分離膜シートの気孔直径は一般に0.01〜10μmであり、厚さは一般に5〜300μmである。このような分離膜または分離膜シートには、例えば、耐化学性及び疎水性のポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマー;ガラス繊維またはポリエチレンなどで作られたシートや不織布などが用いられる。電解質としてポリマーなどの固体電解質が用いられる場合は、固体電解質が分離膜を兼ねることもできる。好ましくは、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、またはこれらフィルムの組合せによって製造される多層フィルムや、ポリビニリデンフルオリド(polyvinylidene fluoride)、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、またはポリビニリデンフルオリドヘキサフルオロプロピレン(polyvinylidene fluoride hexafluoropropylene)共重合体などの高分子電解質用またはゲル型高分子電解質用高分子フィルムであってよい。
【0068】
前記分離膜は、基本単位セルを構成するため熱融着による接着機能を有しているのが好ましく、前記分離膜シートは、必ずしもそのような機能を有する必要はないが、接着機能を有するものを用いるのが好ましい。
【0069】
本発明に係る前記電極組立体は、正極と負極の電気化学的反応によって電気を生産する電気化学セルに適用可能であるところ、電気化学セルの代表的な例には、スーパーキャパシタ(super capacitor)、ウルトラキャパシタ(ultra capacitor)、二次電池、燃料電池、各種センサ、電気分解装置、電気化学的反応器などを挙げることができ、その中で二次電池が特に好ましい。
【0070】
前記二次電池は、充放電が可能な電極組立体がイオン含有電解液に含浸された状態で電池ケースに内蔵されている構造からなっており、一つの好ましい例において、前記二次電池はリチウム二次電池であってよい。
【0071】
最近、リチウム二次電池は小型モバイル機器のみならず大型デバイスの電源として多くの関心を集めており、そのような分野への適用時に小さい重量を有するのが好ましい。二次電池の重量を低減させる一つの方案として、アルミニウムラミネートシートのパウチ型ケースに電極組立体を内蔵した構造が好ましいことがある。このようなリチウム二次電池に対しては当業界に公知となっているので、本明細書では関連説明を略する。
【0072】
さらに、前で説明したところのように、中大型デバイスの電源として用いるときは、長期間の使用時にも作動性能の低下現象を最大限に抑え、寿命特性に優れ、低廉な費用で大量生産することができる構造の二次電池が好ましい。このような観点で、本発明の電極組立体を含む二次電池は、これを単位電池とする中大型電池モジュールに好ましく用いられてよい。
【0073】
多数の二次電池を含む電池モジュールを含む電池パックの場合、パワーツール(power tool);電気車(Electric Vehicle、EV)、ハイブリッド電気車(Hybrid Electric Vehicle、HEV)及びプラグインハイブリッド電気車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle、PHEV)からなる群より選択される電気車;イーバイク(E-bike);イースクータ(E-scooter);電気ゴルフカート(Electric golf cart);電気トラック;及び電気商用車からなる中大型デバイス群より選択される一つ以上の電源として用いられてよい。
【0074】
中大型電池モジュールは、多数の単位電池を直列方式または直列/並列方式で連結して高出力大容量を提供するように構成されており、それに対しては当業界に公知となっているので、本明細書では関連説明を略する。
【0075】
前述したところのような本発明の詳細な説明では、具体的な実施例に関して説明した。しかし、本発明の範疇から外れない限度内では多様な変形が可能である。本発明の技術的思想は、本発明の記述した実施例に限って定められてはならず、特許請求の範囲だけでなく、当該特許請求の範囲と均等なものらによって定められなければならない。