(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5969137
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月17日
(54)【発明の名称】パウチ型ケース、電池セル及び電池セルの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 2/02 20060101AFI20160804BHJP
H01M 2/08 20060101ALI20160804BHJP
H01M 2/36 20060101ALI20160804BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20160804BHJP
【FI】
H01M2/02 K
H01M2/08 K
H01M2/36 101A
H01M10/04 W
H01M10/04 Z
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-536730(P2015-536730)
(86)(22)【出願日】2014年6月5日
(65)【公表番号】特表2015-531157(P2015-531157A)
(43)【公表日】2015年10月29日
(86)【国際出願番号】KR2014005018
(87)【国際公開番号】WO2015037813
(87)【国際公開日】20150319
【審査請求日】2014年10月27日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0110111
(32)【優先日】2013年9月13日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】シム ホン ソク
(72)【発明者】
【氏名】キム セ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム ミン ス
(72)【発明者】
【氏名】ウ ジョン ギュ
【審査官】
宮田 透
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−311661(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/140709(WO,A1)
【文献】
特開2014−060016(JP,A)
【文献】
特開2001−015099(JP,A)
【文献】
特開2005−093261(JP,A)
【文献】
特開2002−151052(JP,A)
【文献】
特開2009−181862(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2010−0110150(KR,A)
【文献】
特表2013−535791(JP,A)
【文献】
特開2005−059870(JP,A)
【文献】
特開2010−269838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/02− 2/08
H01M 2/36
H01M 10/04
B65D 30/00−30/28
B65D 33/00−33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体を収容する内部空間を有するパウチ型のボディー部; 及び
前記ボディー部から延長されて前記内部空間へ電解液を案内する注入部を含み、
前記注入部は、ジグザグ形態にしわ寄るように形成され、
前記注入部は、内部に向かって下向きに傾くように折れた突起を、その全幅にわたって含むことを特徴とするパウチ型ケース。
【請求項2】
前記注入部は、前記電解液が前記電極組立体に含浸された後、前記ボディー部から除去されることを特徴とする請求項1に記載のパウチ型ケース。
【請求項3】
前記ボディー部は、前記注入部の除去された部分がシーリングされてシーリング面が形成されることを特徴とする請求項2に記載のパウチ型ケース。
【請求項4】
前記ボディー部は、前記注入部との間にしわが形成されていないシーリング部が備えられることを特徴とする請求項1に記載のパウチ型ケース。
【請求項5】
前記ボディー部は、連続した3面にシーリング面が形成され、残りの1面に非シーリング面が形成され、前記注入部は前記非シーリング面に形成されることを特徴とする請求項1に記載のパウチ型ケース。
【請求項6】
前記注入部は、前記非シーリング面からジグザグ形態にしわ寄るように延長されて形成されることを特徴とする請求項5に記載のパウチ型ケース。
【請求項7】
電極組立体を準備する準備段階;
前記電極組立体が収容されるように請求項1に記載のパウチ型ケースを製作する製作段階;
前記パウチ型ケースの注入部を介して電解液を注入する注入段階;
前記パウチ型ケースを真空チャンバに入れ、前記電解液を前記電極組立体に含浸させる含浸段階;
前記パウチ型ケースのボディー部と注入部との間をシーリングするシーリング段階;
前記パウチ型ケースのボディー部から前記注入部を切断して除去する切断段階;を含むことを特徴とする電池セルの製造方法。
【請求項8】
前記製作段階は、
前記電極組立体の上部と下部にフィルム形態のパウチをそれぞれ配置させてパウチ組立体を形成する配置段階; 及び
前記パウチ組立体の枠のうち一側部を除いた残りを全てシーリングする傍ら、シーリングされていない一側部には上面と下面を同時に加圧してジグザグ形態にしわ寄った注入部を形成するシーリング及び注入部の形成段階を含むことを特徴とする請求項7に記載の電池セルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジグザグ形態にしわ寄った電解液注入部を有するパウチ型ケースと、該パウチ型ケースを含む電池セル及び電池セルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電池は化学的または物理的反応を利用して電気エネルギーを得るようにしたものであって、このような化学的な電池は一次電池と二次電池に分けられる。すなわち、マンガン電池、アルカリ電池及び水銀電池などのように一度で使い捨てる電池を一次電池と称し、充電池や鉛蓄電池のように電気を使い切ってから再び充電させて使うことができる電池を二次電池と称する。
【0003】
最近は、携帯電話、PDA、スマートフォン及びノートパソコンなどの携帯用電子機器の普及の増加に伴い、1回の充電で長く使うことができ、寿命の長い二次電池に対する技術開発が求められている。
【0004】
このような二次電池は、充放電効率や電流容量などを考慮して内部に幾多ののセル、換言すれば、単位電池等を接続した電池セルの形式で設けられており、現在は高いエネルギー密度、軽量、高電圧、無公害、高出力、高速充電、優れた寿命などの長所を有したリチウム二次電池が脚光を浴びている。
【0005】
一方、前記電池セルに対する詳しい内容は、韓国特許公開番号第10-2012-0061354号に開示されている。
【0006】
すなわち、従来の技術に係るパウチ型電池セル10は、
図1に示したところのように、パウチ型ケース20及び電極組立体30を含む。
【0007】
パウチ型ケース20は、上部及び下部ケース21、22が密着された状態で結合される構造を有する。
【0008】
電極組立体30は、正極板、負極板、及び前記正極板と負極板との間に介在される分離膜で構成された単位セル(A)が繰り返して積層された構造を有し、正極板には正極タブが、前記負極板には負極タブが備えられる。
【0009】
このような構成を有する従来の技術に係るパウチ型電池セル10は、電極組立体30をパウチケース20に搭載した後、電解液を注入し、シーリング及び後処理工程を経て完成される。
【0010】
ここで、前記パウチケース20には、
図2に示されたところのように、電解液を容易に注入するための注入部23が備えられ、注入部23はパウチ型ケース20の非シーリング面に長く延長して形成される。
【0011】
しかし、従来の技術に係るパウチ型電池セル10は、電解液をパウチ型ケース20の内部に注入した後、電池セル10を真空チャンバ(図示省略)に挿入して含浸工程を行うことになるが、このとき真空チャンバ内部の圧力によってパウチ型ケース20が圧縮されながら、パウチ型ケース20に注入された電解液が注入部23を介して容易に外部へ排出されるとの問題があった。
【0012】
さらに、パウチ型ケース20の注入部23は垂直に長く形成されており、ここが真空チャンバの内部圧力によって容易に圧縮されながら、電解液が容易に外部へ排出されるとの問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は前述の問題を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、パウチ型ケースに備えられた注入部の形状を改善し、電解液が容易に外部へ排出されないように遮断するパウチ型ケース及びそれを含む電池セルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述の課題を解決するための手段として、本発明は、パウチ型ケースに備えられた注入部をジグザグ形態にしわ寄るように形成し、ここに注入部の強度増大及び面積増大によって電解液の外部排出を防止することができる。
【0015】
このため、本発明の一実施例に係るパウチ型ケースは、電極組立体を収容する内部空間を有するパウチ型のボディー部; 及び前記ボディー部から延長されて前記内部空間に電解液を案内する注入部を含み、前記注入部はジグザグ形態にしわ寄るように形成されることを特徴とする。
【0016】
前記注入部は、前記電解液が注入される方向に沿ってジグザグ形態にしわ寄るように形成されてよい。
【0017】
前記注入部は、前記電解液が前記電極組立体に含浸された後、前記ボディー部から除去されてよい。
【0018】
前記ボディー部は、前記注入部の除去された部分がシーリングされて形成されるシーリング部を備えることができる。
【0019】
前記注入部は、前記ボディー部の枠がシーリングされる時、一体にしわ寄るように形成されてよい。
【0020】
前記ボディー部は、連続した3面にシーリング面が形成され、残りの1面に非シーリング面が形成され、前記注入部は前記非シーリング面に形成されてよい。
【0021】
前記注入部は、前記非シーリング面からジグザグ形態にしわ寄るように延長されて形成されてよい。
【0022】
一方、本発明の一実施例に係るパウチ型ケース、前記パウチ型ケースの内部に備えられる電極組立体及び電解液を含んで電池セルを備えることができる。
【0023】
前記本発明の一実施例に係るパウチ型ケースを含んだ電池セルは、前記電極組立体が収容されるようにパウチ型ケースを製作する製作段階; 前記パウチ型ケースの注入部を介して電解液を注入する注入段階; 前記パウチ型ケースを真空チャンバに入れて前記電解液を前記電極組立体に含浸させる含浸段階; 前記パウチ型ケースのボディー部と注入部との間をシーリングするシーリング段階; 前記パウチ型ケースのボディー部から前記注入部を切断して除去する切断段階;を含んで製造されてよい。
【0024】
前記製作段階は、前記電極組立体の上部と下部にフィルム形態のパウチをそれぞれ配置させてパウチ組立体を形成する配置段階; 及び前記パウチ組立体の枠のうち一側部を除いた残りを全てシーリングする傍ら、シーリングされていない一側部には上面と下面を同時に加圧してジグザグ形態にしわ寄った注入部を形成するシーリング及び注入部の形成段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、ジグザグ形態にしわ寄った注入部を有するパウチ型ケースを備えることにより、真空チャンバの圧力を高めて含浸工程を行うとしても、パウチ型ケースに注入された電解液が注入部を介して外部に排出されることを防止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】従来の技術に係る電池セルを示した斜視図である。
【
図2】従来の技術に係る注入部を備えたパウチ型ケースを示した図である。
【
図3】本発明の実施例に係る注入部を備えたパウチ型ケースを示した断面図である。
【
図4】本発明の実施例に係る注入部を備えたパウチ型ケースを示した正面図である。
【
図5】本発明の実施例に係る注入部を備えたパウチ型ケースの注入部を示した拡大図である。
【
図6】本発明の実施例に係る注入部を備えたパウチ型ケースを含む電池セルの製造方法を示したフローチャートである。
【
図7】本発明の実施例に係る電池セルの製造方法による製造過程を示した図であって、注入部が備えられたパウチ型ケースを製造する過程を示した図である。
【
図8】本発明の実施例に係る電池セルの製造方法による製造過程を示した図であって、電極組立体及び電解液を注入する過程を示した図である。
【
図9】本発明の実施例に係る電池セルの製造方法による製造過程を示した図であって、含浸工程を示した図である。
【
図10】本発明の実施例に係る電池セルの製造方法による製造過程を示した図であって、パウチ型ケースのボディー部と注入部との間をシーリングする過程を示した図である。
【
図11】本発明の実施例に係る電池セルの製造方法による製造過程を示した図であって、注入部を切断して電池セルを完成する過程を示した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明に係るパウチ型ケースは、電解液を注入するための注入部を含み、前記注入部をジグザグ形態にしわ寄るように形成し、ここに注入部の強度増大と接触面積増大によって電解液の外部排出を防止する構成を有する。
【0028】
以下、図を参照し、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施することができるよう本発明の実施例を詳しく説明する。しかし、本発明は幾多の異なる形態に具現されてよく、ここで説明する実施例に限られない。また、図で本発明を明らかに説明するため説明と係わりのない部分は省略し、明細書全体を通して類似の部分に対しては類似の図面符号を付けた。
【0029】
[本発明の実施例に係るパウチケース]
本発明の実施例に係るパウチ型ケース100は、
図3及び
図4に示したところのように、電極組立体200を収容する内部空間111を有するパウチ型のボディー部110、及びボディー部110から延長されて内部空間111に電解液(図示省略)を案内する注入部120を含む。
【0030】
ボディー部110は、内部に電極組立体200を収容する内部空間111が形成され、外側枠のうち連続した3面にシーリング面112が形成され、残りの1面に非シーリング面が形成され、該非シーリング面に注入部120が形成される。
【0031】
注入部120は、
図5に示されたところのように、ボディー部110の非シーリング面からジグザグ形態にしわ寄るように延長されて形成される。すなわち、電解液が注入される方向に沿ってジグザグ形態にしわ寄るように形成され、ここに強度及び接触面積が増大されるに伴い電解液の外部排出を防止する。
【0032】
すなわち、注入部120は、
図5に示す通り、ジグザグ形態にしわ寄るように折れながら強度及び接触面積が増大され、ここに外部の圧力にも容易に圧縮されず、電解液が外部に排出される時間を遅延しながら、電解液300の外部排出を防止する。さらに、注入部120は内部に向かって下向きに傾くように折れた突起121によって電解液の上昇を遮断し、ここに電解液300の上昇速度を減速させて外部排出を防止する。
【0033】
一方、注入部120は、電解液300と電極組立体200の含浸工程後、ボディー部110から除去されてよく、ここに電池セルの完成品の形態を有することになる。すなわち、注入部120は電解液を注入する傍ら、含浸工程の際、電解液の外部排出を防止する構成であり、ここに含浸工程が完了すれば、パウチケース100のボディー部110から除去してパウチ型ケース100のサイズを最適化させる。
【0034】
また、ボディー部110は、注入部120の除去された部分がシーリングされてシーリング面が形成され、ここにボディー部110の全体がシーリングされて電解液300の外部排出を防止する。
【0035】
一方、ボディー部110と注入部120との間にはシーリング部130が形成されてよく、シーリング部130はジグザグ形態にしわ寄るように形成されず、平たく形成されてシーリング力を高めることができる。
【0036】
すなわち、 シーリング部130は、注入部120が除去される前にシーリングされ、 ここに注入部120をより安定的に除去することができ、電解液300が外部に排出されることを防止する。
【0037】
このような構成を有する本発明の実施例に係るパウチ型ケース100の製造方法は、電極組立体200を挟んで2枚のフィルム型パウチをそれぞれ配置した後、2枚のフィルム型パウチの一側面を除いた残りの面をシーリングして電極組立体200が収容されるようにボディー部110を形成すると共に、シーリングされていない一側面を加圧してジグザグ形態にしわ寄った注入部120を形成する。
【0038】
ここで、注入部120は、
図5に示されたところのように、ジグザグ形態にしわ寄るように形成、すなわち電解液が注入される方向に沿ってジグザグ形態にしわ寄るように形成され、ここに強度及び面積の増大とともにジグザグに突出された突起121を介して電解液の外部排出を防止する。
【0039】
したがって、本発明の実施例に係るパウチ型ケース100は、ボディー部110及び注入部120を加圧するとしても、注入部120がジグザグ形態にしわ寄るように形成されているので、容易に圧縮されず、注入部120の接触面接を大きく増大させることができ、注入部120の内部に向かって突出された突起121によって電解液を多段に遮断して電解液300の外部排出を防止する。
【0040】
さらに、注入部120は、ボディー部110の枠のシーリング時に同時に形成されるため、製作が容易で効率性を向上させることができる。
一方、前述したところのような構成を有するパウチ型ケース100を含んで電池セル400を製作することができる。
【0041】
[本発明の実施例に係る電池セル]
本発明の実施例に係る電池セル400は、
図3に示す通り、注入部120を備えたパウチ型ケース100、パウチ型ケース100の注入部120を介して収容される電極組立体200及び電解液300を含む。
【0042】
ここで、注入部120は、パウチ型ケース100の内部に収容された電極組立体200 及び電解液300の含浸工程後、パウチ型ケース100のボディー部110から除去され、ここに完成品である電池セル400を完成することができる(
図11を参照)。
【0043】
以下、このような構成を有する本発明の実施例に係る電池セルの製造方法を説明する。
【0044】
[本発明の実施例に係る電池セルの製造方法]
本発明の実施例に係る電池セルの製造方法は、
図6に示されたところのように、電極組立体200を準備する準備段階(S10)、電極組立体200が収容されるようにパウチ型ケース100を製作する製作段階(S20)、パウチ型ケース100の注入部120を介して電解液300を注入する注入段階(S30)、パウチ型ケース100を真空チャンバ400に入れて電解液300を電極組立体200に含浸させる含浸段階(S40)、パウチ型ケース100のボディー部110と注入部120との間をシーリングするシーリング段階(S50)、パウチ型ケース100のボディー部110から注入部120を切断して除去する切断段階(S60)を含む。
【0045】
以下、本発明の実施例に係る電池セルの製造方法を、
図7から
図11を参照して詳しく説明する。
【0046】
電極組立体の準備段階(S10)は、正極板、負極板、及び前記正極板と負極板との間に介在され、前記正極板と負極板との間を電気的に絶縁させる分離膜で構成される単位セルを繰り返して積層して電極組立体200を製作する。
【0047】
一方、このように製作されて準備される電極組立体は、一つ以上の負極、分離膜、正極を順次積層して巻き取ったジェリーロール型電極組立体、負極、分離膜、正極が順次積層された単位セルを長いフィルム形態の分離膜に配置した後、単一方向に巻き取ったスタック(stack)・アンド・フォールディング(folding)型電極組立体、負極、分離膜、正極が順次積層された単位セルを長いフィルム形態の分離膜に配置した後、ジグザグ方向に巻き取ったスタック・アンド・フォールディング型電極組立体、及び負極、分離膜、正極及び分離膜が順次積層されて設けられた基本単位体が1個以上積層される単位体スタックを含む電極組立体のうちいずれか一つである。
【0048】
前述したところのように電極組立体が準備されると、パウチ型ケースの製作段階(S20)を行う。
【0049】
パウチ型ケースの製作段階(S20)は、
図7に示されたところのように、パウチ組立体101を形成する配置段階と、パウチ組立体101のシーリング及び注入部の形成段階とを含む。
【0050】
すなわち、配置段階は、電極組立体200の上部と下部にフィルム形態のパウチ101a、101bをそれぞれ配置させてパウチ組立体101を形成する。この際、電極組立体200はパウチ組立体101の後述する一側面の反対面側に位置するように配置し、このように配置が完了されると、シーリング及び注入部の形成段階を行う。
【0051】
シーリング及び注入部の形成段階は、パウチ組立体101の枠のうち一側面を除いた残りを全てシーリングして電極組立体200が収容されたボディー部110を形成する傍ら、シーリングされていない一側面は上面と下面を同時に加圧してジグザグ形態にしわ寄った注入部120を形成する。そうすると、
図3に示されたパウチ型ケース100が完成される。
【0052】
前述したところのように、パウチ型ケースが完成されると、電解液を注入する注入段階(S30)を行う。
【0053】
注入段階(S30)は、
図8に示されたところのように、注入部120が上部に向かうようにパウチ型ケース100を配置した後、注入部120を介してボディー部110の内部に電解液300を注入する。そうすると、ボディー部110に収容された電極組立体200と電解液300が含浸される。
【0054】
この際、電極組立体200と電解液300の含浸力を高めるために含浸段階(S40)を行う。
【0055】
含浸段階(S40)は、
図9に示されたところのように、注入部120が上部に向かった状態でパウチ型ケース100を真空チャンバ500に入れた後、真空チャンバ500を作動させる。そうすると、真空チャンバ500の内部圧力が増加しながらパウチ型ケース100を加圧し、ここに電極組立体200と電解液300の含浸力を高めることになる。
【0056】
ここで、真空チャンバ500の内部圧力によってパウチ型ケース100が圧縮されながら、パウチ型ケース100に注入された電解液300が漸次注入部120に流入されるように上昇するが、このとき、注入部120はジグザグ形態にしわ寄るように形成されているので、電解液300の上昇速度を遅延させることができ、さらに注入部120の内部に向かって突出された突起121により電解液300を遮断し、電解液300の上昇速度を遅延させることができる。
【0057】
すなわち、電解液の外部排出が防止されるに伴い、真空チャンバ500の圧力を一層高く上昇させることができ、ここに含浸力を高めることができる。
【0058】
前述したところのように、電極組立体200と電解液300の含浸が完了すれば、 注入部120が連結されたパウチ型ケース100の非シーリング面をシーリングするシーリング段階(S50)を行う。
【0059】
シーリング段階(S50)は、
図10に示されたところのように、パウチ型ケース100のボディー部110と注入部120との間を高温で加熱された圧入片で加圧してシーリングし、ここにパウチ型ケース100の全体枠がシーリングされる。
【0060】
ここで、ボディー部110と注入部120との間に平たいシーリング部130を形成する場合、さらに容易にシーリング段階(S50)を行うことができる。
【0061】
前述したところのように、シーリング段階(S50)が完了すれば、注入部120を除去する切断段階(S60)を行う。
【0062】
切断段階(S60)は、
図11に示されたところのように、パウチ型ケース100のボディー部110から注入部120を刀を利用して切断する。一方、ボディー部110の非シーリング面をシーリングすると同時に注入部120を切断して除去することもできる。
【0063】
このように注入部120を除去すれば、本発明の実施例に係る電池セル400の完成品が完成される。
したがって、本発明の実施例に係る電池セルの製造方法は、パウチ型ケース100の製作時にジグザグ形態にしわ寄った注入部を形成することにより、電極組立体200と電解液300の含浸過程の際、電解液の外部排出を著しく防止することができ、ここに品質の増大及び作業時間を大きく短縮することができるので生産性を高めることができる。