【実施例】
【0028】
次に、実施例について説明する。なお、本実施例は発明の一例を示すためのものであり、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想に含まれる他の態様及び変形を含むものである。
【0029】
(実施例1)
純度99.9999%以上のタンタルに、ニオブを5massppm、タングステンを4masspppm添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して長さ1000mm、直径200mmφのインゴットとした。
次に、このインゴットを室温で鍛伸した後に切断し、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって、厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1480K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって、厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。なお、再結晶焼鈍温度は、1400〜1500K温度の範囲で調整可能であり、同様の効果が得られる。
次に、これを冷間で圧延及び1173Kの再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。
ターゲットの平均結晶粒径は50μmであり、結晶粒径のばらつきは20%であった。また、ニオブ及びタングステン含有量のばらつきは20%であった。この結果を表1に示す。
なお、途中及び最後の冷間加工並びに再結晶焼鈍は、上記平均結晶粒径及び結晶粒径のばらつきとなるように調節した。なお、この平均結晶粒径とばらつきは、ニオブやタングステンの添加量によっても変化するが、加工条件によっても調節が可能である。
【0030】
このようにして得られたターゲットをスパッタ装置に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、投入電力15kw、Arガス流量を8sccmとし、75kWhrのプレスパッタリングを実施した後、12インチ径のシリコンウエハ上に15秒間成膜した。シート抵抗は膜厚に依存するので、ウエハ内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。具体的には、ウエハ上の49点のシート抵抗を測定し、その標準偏差(σ)を算出した。
その結果を、同様に表1に示す。表1から明らかなように、本実施例においては、シート内抵抗分布が小さい(1.0%)、すなわち膜厚分布が小さいことを示している。また、スパッタリングの成膜速度を測定したところ、8Å/secであった。
【0031】
【表1】
【0032】
(実施例2)
純度99.9999%以上のタンタルに、ニオブを1massppm、タングステンを5massppm添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して長さ1000mm、直径200mmφのインゴットとした。
次に、このインゴットを室温で鍛伸した後に切断し、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって、厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1480K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって、厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。
ターゲットの平均結晶粒径は120μmであり、結晶粒径のばらつきは10%であった。また、ニオブ及びタングステン含有量のばらつきは30%であった。この結果を、同様に表1に示す。
なお、途中及び最後の冷間加工並びに再結晶焼鈍は、上記平均結晶粒径及び結晶粒径のばらつきとなるように調節した。なお、この平均結晶粒径とばらつきは、ニオブやタングステンの添加量によっても変化するが、加工条件によっても調節が可能である。
【0033】
このようにして得られたターゲットをスパッタ装置に取り付け、スパッタリングを行った。なお、スパッタリングの条件は実施例1と同一とした。次に、ウエハ内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。なお、シート抵抗の測定方法等は実施例1と同様とした。その結果を、同様に表1に示す。表1から明らかなように、本実施例においては、シート内抵抗分布が小さい(1.3%)、すなわち膜厚分布が小さいことを示している。また、スパッタリングの成膜速度を測定したところ、9.5Å/secであった。
【0034】
(実施例3)
純度99.9999%以上のタンタルに、ニオブを5massppm、タングステンを1massppm添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して長さ1000mm、直径200mmφのインゴットとした。
次に、このインゴットを室温で鍛伸した後に切断し、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって、厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1480K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって、厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。
ターゲットの平均結晶粒径は100μmであり、結晶粒径のばらつきは10%であった。また、ニオブ及びタングステン含有量のばらつきは30%であった。この結果を、同様に表1に示す。
なお、途中及び最後の冷間加工並びに再結晶焼鈍は、上記平均結晶粒径及び結晶粒径のばらつきとなるように調節した。なお、この平均結晶粒径とばらつきは、ニオブやタングステンの添加量によっても変化するが、加工条件によっても調節が可能である。
【0035】
このようにして得られたターゲットをスパッタ装置の取り付け、スパッタリングを行った。なお、スパッタリングの条件は実施例1と同一とした。次に、ウエハ内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。なお、シート抵抗の測定方法等は実施例1と同様とした。その結果を、同様に表1に示す。表1から明らかなように、本実施例においては、シート内抵抗分布が小さい(1.5%)、すなわち膜厚分布が小さいことを示している。また、スパッタリングの成膜速度を測定したところ、9Å/secであった。
【0036】
(実施例4)
純度99.9999%以上のタンタルに、ニオブを1massppm、タングステンを1massppm添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して長さ1000mm、直径200mmφのインゴットとした。
次に、このインゴットを室温で鍛伸した後に切断し、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって、厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1480K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって、厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。ターゲットの平均結晶粒径は140μmであり、結晶粒径のばらつきは8%であった。また、ニオブ含有量のばらつきは50%であった。この結果を、同様に表1に示す。
なお、途中及び最後の冷間加工並びに再結晶焼鈍は、上記平均結晶粒径及び結晶粒径のばらつきとなるように調節した。なお、この平均結晶粒径とばらつきは、ニオブやタングステンの添加量によっても変化するが、加工条件によっても調節が可能である。
【0037】
このようにして得られたターゲットをスパッタ装置の取り付け、スパッタリングを行った。なお、スパッタリングの条件は実施例1と同一とした。次に、ウエハ内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。なお、シート抵抗の測定方法等は実施例1と同様とした。その結果を、同様に表1に示す。表1から明らかなように、本実施例においては、シート内抵抗分布が小さい(2.0%)、すなわち膜厚分布が小さいことを示している。また、スパッタリングの成膜速度を測定したところ、10Å/secであった。
【0038】
(比較例1)
純度99.999%のタンタルに、ニオブを10massppm、タングステンを10massppm添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して長さ1000mm、直径200mmφのインゴットとした。
次に、このインゴットを室温で鍛伸した後に切断し、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって、厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1480K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって、厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。ターゲットの平均結晶粒径は30μmであり、結晶粒径のばらつきは30%であった。また、ニオブ及びタングステン含有量のばらつきは10%であった。この結果を、同様に表1に示す。
【0039】
このようにして得られたターゲットをスパッタ装置の取り付け、スパッタリングを行った。なお、スパッタリングの条件は実施例1と同一とした。次に、ウエハ内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。なお、シート抵抗の測定方法等は実施例1と同様とした。その結果を、同様に表1に示す。表1から明らかなように、本比較例においては、シート内抵抗分布は小さい(1.0%)、すなわち膜厚分布が小さかったが、スパッタリングの成膜速度を測定したところ、6Å/secと、本実施例に比べて成膜速度が遅かった。
【0040】
(比較例2)
純度99.999%のタンタルに、ニオブを15massppm、タングステンを5massppm添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して長さ1000mm、直径200mmφのインゴットとした。
次に、このインゴットを室温で鍛伸した後に切断し、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって、厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1480K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって、厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。ターゲットの平均結晶粒径は25μmであり、結晶粒径のばらつきは30%であった。また、ニオブ及びタングステン含有量のばらつきは10%であった。この結果を、同様に表1に示す。
【0041】
このようにして得られたターゲットをスパッタ装置の取り付け、スパッタリングを行った。なお、スパッタリングの条件は実施例1と同一とした。次に、ウエハ内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。なお、シート抵抗の測定方法等は実施例1と同様とした。その結果を、同様に表1に示す。表1から明らかなように、本比較例においては、シート内抵抗分布は小さい(1.0%)、すなわち膜厚分布が小さかったが、スパッタリングの成膜速度を測定したところ、5.5Å/secと、本実施例に比べて成膜速度が遅かった。
【0042】
(比較例3)
純度99.999%のタンタルに、ニオブを5massppm、タングステンを15massppm添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して長さ1000mm、直径200mmφのインゴットとした。
次に、このインゴットを室温で鍛伸した後に切断し、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって、厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1480K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって、厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。ターゲットの平均結晶粒径は35μmであり、結晶粒径のばらつきは30%であった。また、ニオブ及びタングステン含有量のばらつきは10%であった。この結果を、同様に表1に示す。
【0043】
このようにして得られたターゲットをスパッタ装置の取り付け、スパッタリングを行った。なお、スパッタリングの条件は実施例1と同一とした。次に、ウエハ内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。なお、シート抵抗の測定方法等は実施例1と同様とした。その結果を、同様に表1に示す。表1から明らかなように、本比較例においては、シート内抵抗分布は小さい(1.0%)、すなわち膜厚分布が小さかったが、スパッタリングの成膜速度を測定したところ、6Å/secと、本実施例に比べて成膜速度が遅かった。
【0044】
(比較例4)
純度99.9999%以上のタンタルに、ニオブを0.5massppm、タングステンを0.05massppmを添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して長さ1000mm、直径200mmφのインゴットとした。
次に、このインゴットを室温で鍛伸した後に切断し、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって、厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1480K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって、厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。ターゲットの平均結晶粒径は200μmであり、結晶粒径のばらつきは15%であった。また、ニオブ及びタングステン含有量のばらつきは50%であった。この結果を、同様に表1に示す。
【0045】
このようにして得られたターゲットをスパッタ装置の取り付け、スパッタリングを行った。なお、スパッタリングの条件は実施例1と同一とした。次に、ウエハ内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。なお、シート抵抗の測定方法等は実施例1と同様とした。その結果を、同様に表1に示す。表1から明らかなように、本比較例においては、シート内抵抗分布が大きい(5.0%)、すなわち膜厚分布が大きいことを示している。なお、スパッタリングの成膜速度を測定したところ、10Å/secであった。
【0046】
以上について、純度99.9999%以上のタンタルに、ニオブ及びタングステンを合計で10massppmを超える添加量とすると、成膜速度は遅くなり、過剰な添加は好ましくないことが分かった、また、ニオブ及びタングステンを合計で1massppm未満の添加量とすると、急速に結晶粒径の粗大化とばらつきが大きくなって、好ましくないことが分かった。