【実施例】
【0024】
本発明の実施例において、具材の含有量及び粘度は以下のように測定した。
【0025】
具材の含有量の測定方法
具材入り野菜すりつぶし状調味液に清水を加えて2倍希釈することにより希釈液中に具材を分散させ、この分散物をJISZ8801−2000(日本工業規格)の目開き2mmの標準フルイで濾過する。次に、当該目開き2mmの標準フルイの裏側よりキムタオル(登録商標)を用いて余分な水分を除き、当該目開き2mmのフルイ上に残る具材の量を測定する。
【0026】
ボストウィック粘度計による粘度
KO式ボストウィック粘度計の試料投入部に品温20℃の試料を満杯量充填し、仕切り板をはね上げてから、30秒後の試料流出先端までの距離を測定する。
【0027】
BH形粘度計による粘度の測定方法
(1)具材入り野菜すりつぶし状調味液の粘度
具材入り野菜すりつぶし状調味液をJISZ8801−2000(日本工業規格)の目開き2mmの標準フルイで濾過し、この濾液を試料とする。ここで、粘度が高く濾過できない試料については、5mmをこえる具材を取り除いたものを試料とする。このように調整した試料についてBH形粘度計で、品温20℃、回転数20rpmの条件で、粘度が0.375Pa・s未満のときローターNo.1、0.375Pa・s以上1.5Pa・s未満のときローターNo.2、1.5Pa・s以上3.75Pa・s未満のときローターNo.3、3.75Pa・s以上7.5Pa・s未満のときローターNo.4、7.5Pa・s以上15Pa・s未満のときローターNo.5、15Pa・s以上のときローターNo.6を使用し、測定開始後ローターが2回転した時の示度により値を求める。なお、更に粘度が高い場合は、回転数:2rpmの条件で、ローター:No.6を使用し2回転した時の示度により値を求める。
【0028】
(2)具材入り野菜すりつぶし状調味液を2倍希釈した場合の粘度
具材入り野菜すりつぶし状調味液に清水を加えて2倍希釈することにより希釈液中に具材を分散させ、この分散物をJISZ8801−2000(日本工業規格)の目開き2mmの標準フルイで濾過し、この濾液を試料とする。このように調整した試料について(1)と同様にしてBH形粘度計で測定する。
【0029】
[実施例1]
トマトをミキサーで粉砕し、常法により鍋で6倍に濃縮するまで煮詰めた。次に、この処理済みトマトと下記配合原料とを合わせて撹拌タンクに投入し、これらを全体が略均一となって一体感がでるまで撹拌混合して具材入り野菜すりつぶし状調味液を調製した。
【0030】
得られた具材入り野菜すりつぶし状調味液は、目開き2mmのフルイ上に残る具材の含有量が具材入り野菜すりつぶし状調味液全体に対して40%であり、具材入り野菜すりつぶし状調味液の粘度がボストウィック粘度計による測定値として1.2cmであった。また、具材入り野菜すりつぶし状調味液を2倍希釈した場合に希釈前後における粘度の差は、BH形粘度計の測定値で129Pa・sであった。
【0031】
得られた具材入り野菜すりつぶし状調味液を喫食したところ、口に入れると一体感があるが、咀嚼後すぐに一体感がなくなり複数種類の各具材特有の食感と液部のさらっとした食感がそれぞれ独立して感じることができ、食感の変化と多様な食感の点から大変好ましいものであった。
【0032】
<具材入り野菜すりつぶし状調味液の配合割合>
大豆油 1部
ズッキーニ(ボイル済み5mmダイスカット品) 40部
トマト(ミキサーで粉砕し6倍濃縮するまで煮詰めたもの)40部
キサンタンガム 0.2部
食塩 2部
冷水膨潤性澱粉(冷水分散時の大きさが0.1〜5mm) 0.5部
香辛料 0.1部
清水 残余
(合計) 100部
【0041】
[実施例4]
実施例1において下記配合割合に変えた以外は同様の方法で具材入り野菜すりつぶし状調味液を調製した。
【0042】
得られた具材入り野菜すりつぶし状調味液は、目開き2mmのフルイ上に残る具材の含有量が具材入り野菜すりつぶし状調味液全体に対して30%であり、具材入り野菜すりつぶし状調味液の粘度がボストウィック粘度計による測定値として7cmであった。また、具材入り野菜すりつぶし状調味液を2倍希釈した場合に希釈前後における粘度の差は、BH形粘度計の測定値で59Pa・sであった。
【0043】
得られた具材入り野菜すりつぶし状調味液を喫食したところ、口に入れるとある程度は一体感が感じられた。そして、咀嚼後は一体感がなくなり複数種類の各具材特有の食感と液部のさらっとした食感がそれぞれある程度は独立して感じることができ、好ましいものであった。
【0044】
<具材入り野菜すりつぶし状調味液の配合割合>
大豆油 1部
ズッキーニ(ボイル済み5mmダイスカット品) 30部
トマト(ミキサーで粉砕し6倍濃縮するまで煮詰めたもの)30部
キサンタンガム 0.2部
食塩 2部
冷水膨潤性澱粉(冷水分散時の大きさが0.1〜5mm)0.2部
香辛料 0.1部
清水 残余
(合計) 100部
【0045】
[実施例5]
実施例1において下記配合割合に変えた以外は同様の方法で具材入り野菜すりつぶし状調味液を調製した。
【0046】
得られた具材入り野菜すりつぶし状調味液は、目開き2mmのフルイ上に残る具材の含有量が具材入り野菜すりつぶし状調味液全体に対して35%であり、具材入り野菜すりつぶし状調味液の粘度がボストウィック粘度計による測定値として6cmであった。また、具材入り野菜すりつぶし状調味液を2倍希釈した場合に希釈前後における粘度の差は、BH形粘度計の測定値で46Pa・sであった。
【0047】
得られた具材入り野菜すりつぶし状調味液を喫食したところ、口に入れるとある程度は一体感が感じられた。そして、咀嚼後は一体感がなくなり複数種類の各具材特有の食感と液部のさらっとした食感がそれぞれある程度は独立して感じることができ、好ましいものであった。
【0048】
<具材入り野菜すりつぶし状調味液の配合割合>
大豆油 1部
ズッキーニ(ボイル済み5mmダイスカット品) 15部
赤ピーマン(ボイル済み5mmダイスカット品) 10部
ニンジン(ボイル済み5mmダイスカット品) 10部
トマト(ミキサーで粉砕し6倍濃縮するまで煮詰めたもの)30部
キサンタンガム 0.2部
食塩 2部
冷水膨潤性澱粉(冷水分散時の大きさが0.1〜5mm) 0.3部
香辛料 0.1部
清水 残余
(合計) 100部
【0049】
[試験例1]
具材入り野菜すりつぶし状調味液の冷水膨潤性澱粉の含有量が、具材入り野菜すりつぶし状調味液に与える影響を調べるために以下の試験を行った。つまり、冷水膨潤性澱粉の含有量が表1の含有量となるように変えた以外は実施例1と同様にして5種類の具材入り野菜すりつぶし状調味液を調製した。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
表1より、粒子状の冷水膨潤性澱粉を配合量が増えることにより、ボストウィック粘度計による粘度が増加すること、また、それに比例して具材入り野菜すりつぶし状調味液を2倍希釈した場合の希釈前後における粘度の差の値が大きくなる傾向があることが理解できる。また、得られた具材入り野菜すりつぶし状調味液を喫食したところ、いずれも、口に入れると一体感があるが、咀嚼後すぐに一体感がなくなり複数種類の各具材特有の食感と液部のさらっとした食感がそれぞれ独立して感じることができ、食感の変化と多様な食感の点から大変好ましいものであった。中でも、粒子状の冷水膨潤性澱粉を配合したものは、口に入れた後の食感の変化が感じられやすくなり好ましかった。
【0052】
[比較例1]
下記配合原料を鍋に投入し撹拌しながら煮立てることにより具材入り野菜すりつぶし状調味液を調製した。
【0053】
得られた具材入り野菜すりつぶし状調味液の粘度がボストウィック粘度計による測定値として8.7cmであった。また、具材入り野菜すりつぶし状調味液を2倍希釈した場合に希釈前後における粘度の差は、BH形粘度計の測定値で21Pa・sであった。
【0054】
得られた具材入り野菜すりつぶし状調味液を喫食したところ、タマネギの食感がある程度感じられたものの口に入れた後の食感の変化は感じられなかった。
【0055】
<具材入り野菜すりつぶし状調味液の配合割合>
トマト(ホールトマト粉砕物) 50部
トマトペースト 5部
タマネギ(ボイル済み5mmダイスカット品) 35部
食塩 2部
澱粉 1部
香辛料 1部
清水 残余
(合計) 100部