特許第5973746号(P5973746)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5973746
(24)【登録日】2016年7月22日
(45)【発行日】2016年8月23日
(54)【発明の名称】送信装置及び受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04J 3/00 20060101AFI20160809BHJP
   H04N 7/173 20110101ALI20160809BHJP
【FI】
   H04J3/00 M
   H04N7/173 610Z
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-39427(P2012-39427)
(22)【出願日】2012年2月24日
(65)【公開番号】特開2013-175949(P2013-175949A)
(43)【公開日】2013年9月5日
【審査請求日】2015年1月5日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用 平成23年9月15日に社団法人電子情報通信学会が主催する2011年ソサイエティ大会にて発表
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100143568
【弁理士】
【氏名又は名称】英 貢
(72)【発明者】
【氏名】袴田 佳孝
(72)【発明者】
【氏名】中村 直義
(72)【発明者】
【氏名】小山田 公之
(72)【発明者】
【氏名】倉掛 卓也
(72)【発明者】
【氏名】日下部 武志
【審査官】 阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−004260(JP,A)
【文献】 特開2008−136052(JP,A)
【文献】 特開平09−247647(JP,A)
【文献】 特開2008−193601(JP,A)
【文献】 特開2000−183841(JP,A)
【文献】 特開2006−287750(JP,A)
【文献】 特開2000−228650(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 3
H04L 7
H04L 12
H04N 7
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
TS(Transport Stream)パケットを割り当てる複数のパケット配置用スロットとヘッダ情報用の1つのスロットからなるフレームにて可変長パケットを多重伝送する送信装置であって、
伝送するTSパケットと同サイズのパケット長であり、且つ先頭に前記TSパケットと同じ同期パターンを割り当てられる固定長の第3のパケットを生成し、伝送する可変長パケットを分割して各分割された当該可変長パケットのデータを前記第3のパケットに順次割り当てる可変長パケット分割部と、
予め定められた複数のパケット配置用スロットを有するフレームにて前記TSパケット及び前記第3のパケットを伝送するために、前記TSパケット及び前記第3のパケットに関するフレーム中の相対的な配列位置を示すための配列位置情報と前記可変長パケットの先頭位置を示すための先頭位置情報とを含む多重フレームヘッダ情報を、当該TSパケット用の既定スロット数の複数TS多重フレームの形式に合うよう生成する多重フレームヘッダ生成部と、
1つのフレームに1つの前記多重フレームヘッダ情報のスロットを配置し、前記TSパケット及び前記第3のパケットを当該1つのフレームのパケット配置用スロットごとに配列して多重化し、当該複数TS多重フレームとして構成する多重化部と、
前記複数TS多重フレームの多重化信号を外部に送信する送信部と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記可変長パケットの先頭位置情報は、各パケット配置用スロットに当該可変長パケットの先頭が含まれるか否かを示す情報であり、当該先頭が含まれる際の先頭位置情報には前記同期パターンから数えて何バイト目かを示す情報が記述されていることを特徴とする、請求項に記載の送信装置。
【請求項3】
前記可変長パケットは、IP(Internet Protocol)パケット、TLV(type length value)パケット、又はGSE(Generic Stream Encapsulated)パケットのいずれかからなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記送信部は、前記多重化信号をケーブルテレビの伝送路にて伝送することを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項5】
TS(Transport Stream)パケット形式のヘッダ情報を有するTSパケット列の多重化信号から可変長パケットのデータを受信する受信装置であって、
TSパケット用の既定スロット数の複数TS多重フレームの形式に合うよう生成されている多重フレームヘッダ情報を含む当該複数TS多重フレームで伝送されるTSパケット列の多重化信号を受信する受信部と、
前記多重フレームヘッダ情報からTSパケット及び当該TSパケットと同サイズのパケット長であり、且つ先頭に前記TSパケットと同じ同期パターンを割り当てられる固定長の第3のパケットに関するフレーム中の相対的な配列位置を示すための配列位置情報と前記可変長パケットの先頭位置を示すための先頭位置情報とを抽出し、前記配列位置情報を基にTSパケット列から当該第3のパケットのデータを分離する分離部と、
前記先頭位置情報を基に前記第3のパケットのデータから当該可変長パケットを再構成して復元する可変長パケット復元部と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項6】
前記第3のパケットの先頭には前記TSパケットと同じ同期パターンを割り当てられており、前記受信部は、前記TSパケットと前記第3のパケットとを当該複数TS多重フレームの同一のパケットとみなして受信することを特徴とする、請求項に記載の受信装置。
【請求項7】
前記可変長パケットの先頭位置情報は、各パケット配置用スロットに当該可変長パケットの先頭が含まれるか否かを示す情報であり、当該先頭が含まれる際の先頭位置情報には前記同期パターンから数えて何バイト目かを示す情報が記述されていることを特徴とする、請求項5又は6に記載の受信装置。
【請求項8】
前記可変長パケットは、IP(Internet Protocol)パケット、TLV(type length value)パケット、又はGSE(Generic Stream Encapsulated)パケットのいずれかからなることを特徴とする、請求項からのいずれか一項に記載の受信装置。
【請求項9】
前記受信部は、前記多重化信号をケーブルテレビの伝送路にて受信することを特徴とする、請求項からのいずれか一項に記載の受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスポートストリーム(TS:Transport Stream)のパケットと可変長パケットとを多重伝送する送信装置及びその受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送では、トランスポートストリームを用いて映像信号や音声信号を多重化して伝送している。トランスポートストリームとは、MPEG‐2トランスポートストリームのパケットのような同期パターン0x47で始まる固定長(188バイト)パケットの列情報のまとまりをなすものである。
【0003】
現在のケーブルテレビでは、日本CATV技術協会標準規格(例えば、非特許文献1参照)に準拠した、1フレームあたり1個のTSパケット形式の多重フレームヘッダ情報を格納するスロットと52個のパケット配置用スロットからなる複数TS多重フレーム(TSMF:Transport Streams Multiplexing Frame)が使用されている。このフレームを用いて、BSデジタル放送や地上デジタル放送の再送信サービスが運用されている。
【0004】
一方、通信系や蓄積系のファイル型コンテンツ配信サービスを追加するため、衛星放送、地上放送、ケーブルテレビの1チャンネルなどの一つの変調器から送出するTSに加えてIP(Internet Protocol)パケットを伝送可能とする方法がいくつか提案されている。
【0005】
これまで提案されている「TSに加えてIPパケットを伝送可能とする技法」は、大きく2つに分けられる。
【0006】
IPパケットを伝送可能とする技法の1つ目は、MPEG−2 SystemsのTSパケットにIPパケットをカプセル化する方式で、MPE(Multi Protocol Encapsulation)(例えば、非特許文献2参照)とULE(Unidirectional Lightweight Encapsulation)(例えば、非特許文献3参照)がある。MPEはIPパケットをMPEG‐2 Systemsで規定されたセクション形式にカプセル化し、TSパケットに格納する方式である。ULEはIPパケットにEtherTypeフィールド、宛先アドレスフィールド及びCRCフィールドを付加した後、MPEG‐2 Systemsで規定されたプライベートストリームにカプセル化し、TSパケットに格納する方式である。これらの方式は、伝送路符号化側から見ればTSパケットなので、既存のTSを伝送するための伝送方式が利用でき、IPを用いた新しいサービスを行う方式と従来のTSのみを伝送する方式を共通に受信する受信機も作りやすいと考えられる。日本国内では、地上デジタル放送の伝送方式を利用して、ULEを用いた方式がマルチメディア放送で採用されている。
【0007】
IPパケットを伝送可能とする技法の2つ目は、高度BSデジタル放送(例えば、非特許文献4参照)やDVB‐C2(例えば、非特許文献5参照)などで実現されている。高度BSデジタル放送では、IPパケットをTLV(type length value)パケット(例えば、非特許文献6,7参照)にカプセル化し、TSとは異なるスロットにTLVパケットを割り当てることで伝送路を共有している。尚、フレーム内のスロットは固定長のため、可変長のTLVパケットを無駄なく割り当てるためにTMCC内に割り当てスロット毎にTLVパケットの先頭位置を記述する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。DVB‐C2では、IPパケットをカプセル化したGSE(Generic Stream Encapsulated)及びTSを、それぞれPLP(Physical Layer Pipe)という共通の形式に変換し、これをフレーム化して伝送する。
【0008】
ところで、ケーブルテレビで通信サービス用に運用されているIPパケットの伝送は、Docsis(Data-over-cable Interface Specifications)で実現されている(例えば、非特許文献8参照)。Docsisでは、4バイトの独自のMACヘッダとIPパケットを載せるペイロードで構成された全長188バイトのパケットを伝送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008‐136052号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】JCTEA STD−002 5.0版,“デジタル放送有線テレビジョン放送 多重化装置”,日本CATV技術協会,2007年10月
【非特許文献2】ETSI EN 301 192‐V1.4.1,“Digital Video Broadcasting(DVB);DVB Specification for data broadcasting,”European Standard,2004年6月
【非特許文献3】G. Fairhurst and B. C. Nocker,“Unidirectional Lightweight Encapsulation(ULE)for Transmission of IP Datagrams over an MPEG-2 Transport Stream(TS)”,IETF,RFC4326, 2005年12月
【非特許文献4】ARIB STD−B44 1.0版,“高度広帯域衛星デジタル放送の伝送方式”,一般社団法人 電波産業会,2009年7月29日
【非特許文献5】ETSI EN 302 769‐V1.2.1,“Digital Video Broadcasting (DVB); Frame structure channel coding and modulation for a second generation digital transmission system for cable systems(DVB-C2)”,2011年4月
【非特許文献6】S. Aoki and K. Aoki,“Efficient Multiplexing Scheme for IP Packets over the Advanced Satellite Broadcasting System”, IEEE Transactions on Consumer Electronics, vol. 55, no. 1, pp.49-55, 2009年2月
【非特許文献7】ARIB STD−B32 1.0版,“デジタル放送における映像符号化、音声符号化及び多重化方式”,一般社団法人 電波産業会,2001年5月31日
【非特許文献8】CableLabs,Data-Over-Cable Service Interface Specifications(DOCSIS)3.0, CM-SP-MULPIv3.0-I17-111117,“MAC and Upper Layer Protocols Interface Specification”,2011年11月17日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
MPEG‐2 SystemsのTSパケットにIPパケットをカプセル化するMPEやULEによる方式では、上記のように既存の伝送方式を利用できるというメリットがあるが、IPヘッダ情報のほかにTSパケットヘッダ、プライベートストリームヘッダ及びセクションヘッダがパケットのヘッダ情報を加える必要がある。更に、IPパケットを固定長のTSパケットに収容するとスタッフィングが発生する可能性があるため、オーバーヘッドが大きくなり伝送効率が悪いという欠点がある。オーバーヘッドの量はIPパケットのペイロード長によって異なるが、非特許文献5によれば、ペイロード長が2000バイト付近であれば5〜14%、4000バイト付近で4〜8%のオーバーヘッドとなっている。
【0012】
一方、高度BSデジタル放送やDVB‐C2では、ヘッダ情報を伝送制御信号等で共有化してIPパケットをカプセル化(高度BSデジタル放送であればTLVパケットにカプセル化し、DVB‐C2であればジェネリックストリームにカプセル化)して多重伝送するため、オーバーヘッドを少なくでき伝送効率の面で利点がある。しかしながら、高度BSデジタル放送やDVB‐C2の方式では、IPパケットをカプセル化した信号用にTSとは別の専用の受信処理が必要となるため、既存のTSのみのシステムとの共用受信機を作る場合に、異なる伝送方式に対応しなければならず、共用できる部分が少なくなり受信機のコスト上昇につながる。
【0013】
また、Docsisでは、IPパケットの伝送に関しては既存の通信サービス用の伝送機器と共用できる部分が多いが、デジタル放送のTSをIPパケットに載せて伝送するために、Docsisのパケットのヘッダ情報としてIPヘッダ及びMACヘッダが加わり伝送効率が悪くなるという欠点がある。
【0014】
このため、デジタル放送のTSを伝送するのと同時にIPパケットなどの可変長パケットを効率よく伝送できる技法が望まれる。
【0015】
本発明の目的は、上記の課題を考慮して為されたものであり、デジタル放送のTSを伝送するのと同時にIPパケットなどの可変長パケットを効率よく伝送可能とする、送信装置及び受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の送信装置は、TS(Transport Stream)パケットを割り当てる複数のパケット配置用スロットとヘッダ情報用の1つのスロットからなるフレームにて可変長パケットを多重伝送する送信装置であって、伝送するTSパケットと同サイズのパケット長であり、且つ先頭に前記TSパケットと同じ同期パターンを割り当てられる固定長の第3のパケット(本願明細書中、「TS‐likeパケット」と称される)を生成し、伝送する可変長パケットを分割して各分割された当該可変長パケットのデータを前記第3のパケットに順次割り当てる可変長パケット分割部と、予め定められた複数のパケット配置用スロットを有するフレームにて前記TSパケット及び前記第3のパケットを伝送するために、前記TSパケット及び前記第3のパケットに関するフレーム中の相対的な配列位置を示すための配列位置情報と前記可変長パケットの先頭位置を示すための先頭位置情報とを含む多重フレームヘッダ情報を、当該TSパケット用の既定スロット数の複数TS多重フレームの形式に合うよう生成する多重フレームヘッダ生成部と、1つのフレームに1つの前記多重フレームヘッダ情報のスロットを配置し、前記TSパケット及び前記第3のパケットを当該1つのフレームのパケット配置用スロットごとに配列して多重化し、当該複数TS多重フレームとして構成する多重化部と、前記複数TS多重フレームの多重化信号を外部に送信する送信部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
これにより、可変長パケットをTSパケット長のオーバーヘッドが少ない形式のパケットにカプセル化し、TSパケットと同時に可変長パケットを多重化することが可能となることから、伝送路の構成上においても伝送機器の共有化を図りつつ効率よく伝送することが可能となる。
【0019】
そして、受信側で、TSパケットと可変長パケットにデータを格納する第3のパケット(即ち、本願明細書中の「TS‐likeパケット」)とを識別する復調処理を軽減させることができ、効率よく伝送することが可能となる。
【0020】
また、本発明の送信装置において、前記可変長パケットの先頭位置情報は、各パケット配置用スロットに当該可変長パケットの先頭が含まれるか否かを示す情報であり、当該先頭が含まれる際の先頭位置情報には前記同期パターンから数えて何バイト目かを示す情報が記述されていることを特徴とする。
【0021】
これにより、伝送効率としてオーバーヘッドを軽減させることができ、効率よく伝送することが可能となる。
【0022】
また、本発明の送信装置において、前記可変長パケットは、IP(Internet Protocol)パケット、TLV(type length value)パケット、又はGSE(Generic Stream Encapsulated)パケットのいずれかからなることを特徴とする。
【0023】
このように、パケット長の情報を有する任意のタイプの可変長パケットを多重化した信号を伝送することができる。
【0024】
また、本発明の送信装置において、前記送信部は、前記多重化信号をケーブルテレビの伝送路にて伝送することを特徴とする。
【0025】
これにより、高度BSデジタル放送も利用可能なTLV(type length value)パケット形式でIPパケットのデータを伝送可能とすることで伝送機器の共有率を高め、再送信装置を考慮した広い用途での利用や利用効率の高い伝送システムの構築が可能となる。
【0026】
更に、本発明の受信装置は、TS(Transport Stream)パケット形式のヘッダ情報を有するTSパケット列の多重化信号から可変長パケットのデータを受信する受信装置であって、TSパケット用の既定スロット数の複数TS多重フレームの形式に合うよう生成されている多重フレームヘッダ情報を含む当該複数TS多重フレームで伝送されるTSパケット列の多重化信号を受信する受信部と、前記多重フレームヘッダ情報からTSパケット及び当該TSパケットと同サイズのパケット長であり、且つ先頭に前記TSパケットと同じ同期パターンを割り当てられる固定長の第3のパケットに関するフレーム中の相対的な配列位置を示すための配列位置情報と前記可変長パケットの先頭位置を示すための先頭位置情報とを抽出し、前記配列位置情報を基にTSパケット列から当該第3のパケットのデータを分離する分離部と、前記先頭位置情報を基に前記第3のパケットのデータから当該可変長パケットを再構成して復元する可変長パケット復元部と、を備えることを特徴とする。

【0027】
これにより、可変長パケットをTSパケット長のオーバーヘッドが少ない形式のパケットにカプセル化され、TSパケットと同時に可変長パケットを多重化されていながら容易に可変長パケットを抽出できることから、伝送路の構成上においても伝送機器の共有化を図りつつ効率よく伝送することが可能となる。
【0028】
また、本発明の受信装置において、前記第3のパケットの先頭には前記TSパケットと同じ同期パターンを割り当てられており、前記受信部は、前記TSパケットと前記第3のパケットとを当該複数TS多重フレームの同一のパケットとみなして受信することを特徴とする。
【0029】
これにより、TSパケットと可変長パケットにデータを格納する第3のパケット(即ち、本願明細書中の「TS‐likeパケット」)とを識別する復調処理を軽減させることができ、効率よく伝送することが可能となる。
【0030】
また、本発明の受信装置において、前記可変長パケットの先頭位置情報は、各パケット配置用スロットに当該可変長パケットの先頭が含まれるか否かを示す情報であり、当該先頭が含まれる際の先頭位置情報には前記同期パターンから数えて何バイト目かを示す情報が記述されていることを特徴とする。
【0031】
これにより、伝送効率としてオーバーヘッドを軽減させることができ、効率よく伝送することが可能となる。
【0032】
また、本発明の受信装置において、前記可変長パケットは、IP(Internet Protocol)パケット、TLV(type length value)パケット、又はGSE(Generic Stream Encapsulated)パケットのいずれかからなることを特徴とする。
【0033】
このように、パケット長の情報を有する任意のタイプの可変長パケットが多重化された信号を受信して分離することができる。
【0034】
また、本発明の受信装置において、前記受信部は、前記多重化信号をケーブルテレビの伝送路にて受信することを特徴とする。
【0035】
これにより、高度BSデジタル放送で規格化されているTLV(type length value)パケット形式でIPパケットのデータを伝送可能とすることで伝送機器の共有率を高め、再送信装置を考慮した広い用途での利用や利用効率の高い伝送システムの構築が可能となる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、デジタル放送のTSを伝送するのと同時にIPパケットなどの可変長パケットを効率よく伝送することが可能となる。また、既存のケーブルテレビで実用化されている日本CATV技術協会標準規格に準拠した複数TS多重フレーム(TSMF)のデータ構造配列情報を拡張することで、可変長パケットをTSパケット長のオーバーヘッドが少ない形式のパケットにカプセル化し、TSパケットと同時に可変長パケットを複数TS多重フレーム(TSMF)に多重化することが可能となることから、効率的に既存のTSとともに可変長パケットを伝送することができるとともに、伝送路の構成上においても伝送機器の共有化を図ることができ、安価に、効率の良い伝送システムを構築できる。また、高度BSデジタル放送で規格化されているTLV(type length value)パケット形式でIPパケットのデータを伝送可能とすることで伝送機器の共有率を高め、再送信装置を考慮した広い用途での利用や利用効率の高い伝送システムの構築が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明による一実施形態の送信装置の概略構成図である。
図2】本発明による一実施形態の送信装置における可変長パケット分割部での可変長パケットの分割例を説明する図である。
図3】本発明による一実施形態の送信装置における複数TS多重フレームの一例を示す図である。
図4】本発明による一実施形態の送信装置における多重フレームヘッダ情報の一例を示す図である。
図5】本発明による一実施形態の受信装置の概略構成図である。
図6】本発明による一実施形態の送信装置の一実施例を示す図である。
図7】本発明による一実施形態の受信装置の一実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明による一実施形態の送信装置10及び受信装置20について、図面を参照してそれぞれ詳細に説明する。本例では、IPパケットやTLVパケット或いはGSEパケットなどの可変長パケットを、TSパケットと同時に複数TS多重フレーム(TSMF)に多重化して伝送する例について説明する。複数TS多重フレーム(TSMF)は、TSパケットを割り当てる複数のパケット配置用スロットと多重フレームヘッダ情報用の1つのスロットからなる。
【0039】
〔送信装置〕
図1は、本発明による一実施形態の送信装置10の概略構成図である。送信装置10は、可変長パケット分割部11と、多重化部12と、多重フレームヘッダ生成部13と、送信部14とを備える。
【0040】
可変長パケット分割部11は、伝送するTSパケットと同サイズのパケット長の第3のパケット(以下、「TS‐likeパケット」と称する)を生成し、伝送する可変長パケットを分割して各分割された当該可変長パケットのデータをTS‐likeパケットに順次割り当て、多重化部12に送出する。
【0041】
多重フレームヘッダ生成部13は、予め定められた複数のパケット配置用スロットを有するフレームにてTSパケット及びTS‐likeパケットを伝送するために、TSパケット及びTS‐likeパケットに関するフレーム中の相対的な配列位置を示すための配列位置情報(即ち、ストリーム種別を示す情報)と可変長パケットの先頭位置を示すための先頭位置情報とを含む多重フレームヘッダ情報を生成し、多重化部12に送出する。本発明に係る多重フレームヘッダ情報は、詳細に後述するが、既存の複数TS多重フレーム(TSMF)におけるデータ構造配列情報を基に、上記の配列位置情報と先頭位置情報とを含むように拡張したものである。
【0042】
多重化部12は、1つのフレームに1つの多重フレームヘッダ情報のスロットを配置し、TSパケット及びTS‐likeパケットを当該1つのフレームのパケット配置用スロットごとに配列して多重化し、多重フレームヘッダ情報のスロットを加えて複数TS多重フレームとして構成し、送信部14に送出する。
【0043】
送信部14は、多重化部12から得られる複数TS多重フレームの多重化信号に対して、所定の符号化変調を施し搬送波として外部に送信する。複数TS多重フレーム(TSMF)による搬送波(多重化信号)は、ケーブルテレビにおけるケーブル通信網を伝送路として利用することができる。
【0044】
このように、送信装置10において、まず、可変長パケット分割部11によって、入力した可変長パケットを分割し、分割したデータを固定長のTS‐likeパケットにカプセル化する。また、可変長パケット分割部11は、TS‐likeパケット内での可変長パケットの先頭位置情報を生成して、多重フレームヘッダ生成部13に送出する。
【0045】
図2に、可変長パケット分割部11での可変長パケットの分割例を示す。可変長パケット分割部11に入力した可変長パケットを187バイトごとに分割し、先頭に1バイトの同期パターン(0x47を記述)を付加した188バイト長のTS‐likeパケットにカプセル化し、多重化部12に供給する。また、可変長パケットに格納されているパケット長情報から可変長パケットの先頭位置がTS‐likeパケットの同期パターン(0x47)から数えて何バイト目であるかを示す情報を当該先頭位置情報により多重フレームヘッダ生成部13に供給する。
【0046】
図2において、可変長パケットの先頭位置情報は、1つ目のTS‐likeパケットのパケット配置用スロットは1バイト目を示す‘0’、2つ目は‘先頭位置なしを示す値’、3つ目はXバイト目を示す‘X−1’、4つ目はYバイト目を表す‘Y−1’、5つ目は‘先頭位置なしを示す値’となる。
【0047】
図1を参照するに、多重フレームヘッダ生成部13は、既存の複数TS多重フレーム(TSMF)におけるデータ構造配列情報に対して、TS‐likeパケット及びTSパケットをフレーム内のパケット配置用スロットごとに配列する配列位置情報(即ち、ストリーム種別を示す情報)と、可変長パケット分割部11から供給される可変長パケットの先頭位置情報とを付加して、本発明に係る多重フレームヘッダ情報を多重化部12に供給する。
【0048】
図3は、送信装置10における複数TS多重フレーム(TSMF)の一例を示す図である。複数TS多重フレーム(TSMF)は、本発明に係る多重フレームヘッダ情報を格納するスロットと、TS‐likeパケット及びTSパケットを割り当てる52個のパケット配置用スロットを有し、スロット長は188バイトである。
【0049】
また、図4に、本発明に係る多重フレームヘッダ情報の一例を示す。まず、日本CATV技術協会標準規格に準拠し現在運用されている複数TS伝送時のTSパケットのフレーム内のデータ構造配列情報では、TSの伝送ストリームID(ts_id/original_network_id)の情報と相対ストリーム番号としての相対TS番号(relative_ts_number)の情報を対応させて与えられている。相対ストリーム番号としての相対TS番号の情報は、フレームの各パケット配置用スロットに格納されたTSパケットの相対的な配置位置を示している。そして、相対ストリーム番号の情報を用いて間接的に伝送ストリームID(ts_id/original_network_id)の情報と対応させることで各ストリームのデータ構造配列が分かるようになっている。
【0050】
そこで、本実施形態の送信装置10においては、この既存の複数TS多重フレームのデータ構造配列情報を拡張して、TS‐likeパケット及びTSパケットをフレーム内のパケット配置用スロットごとに配列する新たなデータ構造配列情報をつくるために、伝送ストリームID毎にストリームがTSパケット、もしくはTS‐likeパケットであるかを示すストリーム種別の情報を新たに付加したものとする。これにより、既存の複数TS多重フレームのデータ構造配列情報に含まれている相対ストリーム番号の情報及び伝送ストリームIDの情報とは別にストリーム種別の情報を加えることで、TS‐likeパケット及びTSパケットをフレーム内のパケット配置用スロットごとに配列する配列位置情報を含むデータ構造配列情報を定めて多重フレームヘッダ生成部13に設定しておくことができる。
【0051】
多重フレームヘッダ生成部13は、拡張したデータ構造配列情報と、可変長パケットの先頭位置情報として可変長パケット分割部11から供給された値とを基に多重フレームヘッダ情報のパケットを生成する。つまり、多重フレームヘッダ生成部13は、既存の複数TS多重フレームのデータ構造配列情報に対して、配列位置情報(即ち、ストリーム種別を示す情報)及び可変長パケットの先頭位置の情報を付加した多重フレームヘッダ情報を生成して多重化部12に供給する。ここで、図4に例示するように、当該ストリーム種別の情報及び可変長パケットの先頭位置情報は、既存のデータ構造配列情報を含むヘッダ情報の拡張情報の領域に格納することができる。
【0052】
図1を参照するに、多重化部12は、伝送するTSパケットと、可変長パケット分割部11から供給されるTS‐likeパケットとを入力し、多重フレームヘッダ生成部13から供給された多重フレームヘッダ情報のデータ構造配列を基に、TSパケット及びTS‐likeパケットをフレームに多重化した信号を送信部に供給する。
【0053】
送信部14では、フレームに多重化したTSパケット及びTS‐likeパケットの信号を所定の符号化変調方式で変調信号を生成し、この変調信号を、伝送する周波数に変換した搬送波(多重化信号)を生成して出力する。
【0054】
〔受信装置〕
図5は、本発明による一実施形態の受信装置20の概略構成図である。受信装置20は、TSパケット形式のヘッダ情報を有するTSパケット列の多重化信号から可変長パケットのデータを受信する装置であり、受信部21と、分離部22と、可変長パケット復元部23とを備える。
【0055】
受信部21は、TSパケット形式のヘッダ情報を図4に例示した本発明に係る多重フレームヘッダ情報として有する複数TS多重フレームで伝送されるTSパケット列の搬送波(多重化信号)を受信して復調し、分離部22に送出する。
【0056】
分離部22は、多重フレームヘッダ情報からTSパケット及び当該TSパケットと同サイズのパケット長のTS-likeパケットに関するフレーム中の相対的な配列位置を示すための配列位置情報と可変長パケットの先頭位置を示すための先頭位置情報とを抽出し、配列位置情報を基にTSパケット列から当該TS-likeパケットのデータを分離し、先頭位置情報及びTS-likeパケットのデータ列を可変長パケット復元部23に送出する。
【0057】
可変長パケット復元部23は、先頭位置情報を基にTS-likeパケットのデータから当該可変長パケットを再構成して復元する。
【0058】
このように、受信装置20において、受信部21では、受信した搬送波を復調してフレームを取り出して分離部22へ出力し、分離部22では、多重フレームヘッダ情報に格納されているデータ構造配列情報の配列位置情報を基にTSパケットとTS-likeパケットを抜き出して分離する。出力されたTS-likeパケットは、先頭位置情報とともに可変長パケット復元部23に供給される。可変長パケット復元部23では、分離部22から供給された可変長パケットの先頭位置情報を基にTS-likeパケットのデータを合成し可変長パケットを復元する。
【0059】
これにより、デジタル放送のTSを伝送するのと同時にIPパケットなどの可変長パケットを効率よく伝送することが可能となる。また、既存のケーブルテレビで実用化されている日本CATV技術協会標準規格に準拠した複数TS多重フレーム(TSMF)におけるデータ構造配列情報を拡張することで、可変長パケットをTSパケット長のオーバーヘッドが少ない形式のパケットにカプセル化し、TSパケットと同時に可変長パケットを複数TS多重フレーム(TSMF)に多重化することが可能となることから、伝送路の構成上においても伝送機器の共有化を図ることができ、効率の良い伝送システムを構築できる。
【0060】
次に、図6及び図7を参照して、本発明による一実施例の送信装置10aと受信装置20aについて説明する。本例では、TSパケット(MPEG‐2 SystemsのTSパケット)とは別に、可変長パケットであるTLVパケットを多重して伝送する例について説明する。
【0061】
(実施例の送信装置)
図6は、本発明による一実施例の送信装置10aのブロック図である。送信装置10aは、可変長パケット分割部11aと、TSMF多重化部12aと、多重フレームヘッダ生成部13aと、送信部14aとを備える。また、送信装置10aは、データ構造配列情報設定部131を備える。可変長パケット分割部11aは、レート調整部111と、TS-likeパケット化部112とを備える。送信部14aは、QAM変調部141,142とを備える。
【0062】
可変長パケット分割部11a、TSMF多重化部12a、多重フレームヘッダ生成部13a及び送信部14aは、それぞれ図1を参照して説明した可変長パケット分割部11、多重化部12、多重フレームヘッダ生成部13及び送信部14に対応する。
【0063】
データ構造配列情報設定部131は、相対ストリーム番号の情報及び伝送ストリームIDの情報を含む既存のTSパケットのデータ構造配列情報に対して、TSパケットや可変長パケットのストリーム種別の情報を含めて拡張したデータ構造配列情報を多重フレームヘッダ生成部13aに設定する機能を有する。
【0064】
TLVパケットは、IPv4パケット/IPv6パケット/ヘッダ圧縮IPパケット/伝送制御信号/Nullの5種類のタイプを持ち、先頭にパケットタイプ及びパケット長の値を付加した可変長パケットであり、広い用途に利用できる仕様となっている(例えば、非特許文献4,7参照)。
【0065】
レート調整部111は、TLVパケットの伝送レートを調整するためにNullを挿入する機能部である。
【0066】
TS-likeパケット化部112は、レート調整後のTLVパケットのデータをTS-likeパケットにカプセル化して、TSMF多重化部12aに送出する。
【0067】
また、TS-likeパケット化部112は、TLVパケットの先頭位置を示すための先頭位置情報を多重フレームヘッダ生成部13aに送出する。
【0068】
多重フレームヘッダ生成部13aは、データ構造配列情報設定部131から供給される拡張したデータ構造配列情報に、TS-likeパケット化部112から得られる先頭位置情報を加え、図4に例示する多重フレームヘッダ情報を生成してTSMF多重化部12aに送出する。
【0069】
TSMF多重化部12aは、伝送するTSパケットと、可変長パケット分割部11aから供給されるTS‐likeパケットとを入力し、多重フレームヘッダ生成部13aから供給された多重フレームヘッダ情報のデータ構造配列情報を基に、TSパケット及びTS‐likeパケットをフレームに多重化し、多重フレームヘッダ情報のフレームを加えて複数TS多重フレームを構築し送信部14aに供給する。
【0070】
送信部14におけるQAM変調部141,142は、それぞれ複数TS多重フレームを構築した信号に対してQAM変調を施し、この変調信号をそれぞれのTSパケット及びTS‐likeパケットに対応する複数のチャンネルの周波数に変換した搬送波(多重化信号)を生成して外部に出力する。
【0071】
(実施例の受信装置)
図7は、本発明による一実施例の受信装置20aのブロック図である。本実施例の実施例の受信装置20aは、受信部21aと、分離部22aと、可変長パケット復元部23aとを備える。受信部21aは、QAM復調部211,212を備える。可変長パケット復元部23aは、TLVパケット復元部231を備える。
【0072】
受信部21a、分離部22a及び可変長パケット復元部23aは、それぞれ図5を参照して説明した受信部21、分離部22及び可変長パケット復元部23に対応する。
【0073】
受信部21aは、TSパケット形式のヘッダ情報を多重フレームヘッダ情報とした複数TS多重フレームで伝送されるTSパケット列の多重化信号について、それぞれのTSパケット及びTS‐likeパケットに対応する複数のチャンネルの周波数に変換した搬送波で受信して復調し、分離部22aに送出する。
【0074】
分離部22aは、多重フレームヘッダ情報からTSパケット(本例では、MPEG‐2 SystemsのTSパケット)及び当該TSパケットと同サイズのパケット長のTS-likeパケットに関するフレーム中の相対的な配列位置を示すための配列位置情報と可変長パケットの先頭位置を示すための先頭位置情報とを抽出し、配列位置情報を基にTSパケット列から当該TS-likeパケットのデータを分離し、先頭位置情報及びTS-likeパケットのデータ列を可変長パケット復元部23aに送出する。
【0075】
可変長パケット復元部23aにおけるTLVパケット復元部231では、先頭位置情報を基に、TLVパケットのデータを格納するTS-likeパケットのデータを合成してTLVパケットを復元する。
【0076】
この実施例では、TSに対して可変長パケットであるTLVパケットを多重する例を説明したが、多重する可変長パケットとしてIPパケットやGSEパケットについても同様に、多重化することが可能である。即ち、パケット長情報を持つ可変長パケットであれば、送信側では上記と同様に分割して複数TS多重フレーム(TSMF)に多重化して伝送し、受信側では受信した搬送波(多重化信号)から可変長パケットを復元することができる。尚、IPパケットやGSEパケットを直接TS‐likeパケットにカプセル化することができるが、IPパケットをTLVパケットに一旦カプセル化した後、上記のようにTLVパケットからTS‐likeパケットにカプセル化するように構成してもよい。
【0077】
これにより、デジタル放送のTSを伝送するのと同時にIPパケットなどの可変長パケットを効率よく伝送することが可能となる。また、既存のケーブルテレビで実用化されている日本CATV技術協会標準規格に準拠した複数TS多重フレーム(TSMF)におけるデータ配列構造情報を拡張することで、可変長パケットをTSパケット長のオーバーヘッドが少ない形式のパケットにカプセル化し、TSパケットと同時に可変長パケットを複数TS多重フレーム(TSMF)に多重化することが可能となることから、伝送路の構成上においても伝送機器の共有化を図ることができ、効率の良い伝送システムを構築できる。
【0078】
さらに、高度BSデジタル放送でも規格化されているTLV(type length value)パケット形式でIPパケットのデータを伝送可能とすることで伝送機器の共有率を高め、再送信装置を考慮した広い用途での利用や利用効率の高い伝送システムの構築が可能となる。
【0079】
上述の実施形態及び実施例では特定の例を基に説明したが、様々な応用が可能である。例えば、TSパケットと同時にTLVパケットを多重する例について説明したが、欧州規格に準拠するGSEパケットや今後利用される他の可変長パケットについても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明によれば、デジタル放送のTSを伝送するのと同時にIPパケットなどの可変長パケットを効率よく伝送することが可能となるので、可変長パケットを利用する送信装置及び受信装置の用途に有用である。特に、既存のケーブルテレビで利用される複数TS多重フレーム(TSMF)のデータ構造配列情報を拡張することで、効率的に既存のTSとともに可変長パケットを伝送することができることから、ケーブルテレビの伝送路を利用した可変長パケットの伝送用途に有用である。
【符号の説明】
【0081】
10,10a 送信装置
11,11a 可変長パケット分割部
12,12a 多重化部
13,13a 多重フレームヘッダ生成部
14,14a 送信部
20,20a 受信装置
21,21a 受信部
22,22a 分離部
23,23a 可変長パケット復元部
111 レート調整部
112 TS-likeパケット化部
131 データ構造配列情報設定部
141,142 QAM変調部
211,212 QAM復調部
231 TLVパケット復元部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7