(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(A)成分を得るためのテトラカルボン酸二無水物が、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物及び1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種類のテトラカルボン酸二無水物である請求項1〜3のいずれかに記載の液晶配向剤。
(A)成分を得るためのジアミン化合物が、式(2)で表されるジアミン化合物を全ジアミン化合物の60モル%以上含むジアミン化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の液晶配向剤。
(B)成分のイミダゾール誘導体が、1−プロピルイミダゾール、1−アリルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、及び2−ブチルイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種類である請求項1〜5に記載の液晶配向剤。
(B)成分のイミダゾール誘導体が、1−アリルイミダゾール、1−プロピルイミダゾール、及び1−ブチルイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種類である請求項1〜5に記載の液晶配向剤。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、IPS駆動方式やFFS駆動方式の液晶表示素子において発生する交流駆動による残像を抑制することができる光配向処理法用に適した液晶配向剤、及び該液晶配向剤から得られる液晶配向剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上記の目的を達成するため、鋭意研究を進めたところ、シクロブタン骨格を有する特定構造のテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンに代表される直線性の高いジアミンを有するジアミン化合物との重縮合反応から得られるポリアミック酸と、炭素数3〜10のアルキル基、又はアルケニル基を有するイミダゾール誘導体とを含有せしめた液晶配向剤により上記の目的を達成し得ることを見出した。
【0012】
かくして、本発明は、下記を要旨とするものである。
1.下記の(A)成分、(B)成分及び有機溶媒を含有することを特徴とする液晶配向剤。
(A)成分:下記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を全テトラカルボン酸二無水物の60モル%以上含むテトラカルボン酸二無水物と、下記式(2)で表されるジアミン化合物及び(3)で表されるジアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種類のジアミン化合物を全ジアミン化合物の60モル%以上含むジアミン化合物との重縮合反応から得られるポリアミック酸。
【0013】
【化1】
(式(1)において、R
1、R
2、R
3、及びR
4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、又はフェニル基であり、同一でも異なってもよい。)
【化2】
(式(3)において、A
1は単結合、エステル結合、アミド結合、チオエステル結合、又は炭素数2〜10の2価の有機基である。)
【0014】
(B)成分:下記式(B−1)〜(B−4)からなる群から選ばれる少なくとも1種類のイミダゾール誘導体。
【化3】
(式(B−1)〜(B−4)において、R
5、R
6、R
7、及びR
8は、それぞれ独立して炭素数3〜10のアルキル基、又はアルケニル基である。)
【0015】
2.(A)成分の含有量が1〜10質量%である上記1に記載の液晶配向剤。
3.(B)成分の含有量が、(A)成分100質量部に対して、0.1〜50質量部である上記1又は2に記載の液晶配向剤。
4.(A)成分を得るための上記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物が、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物及び1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種類のテトラカルボン酸二無水物である上記3のいずれかに記載の液晶配向剤。
5.(A)成分を得るためのジアミン化合物が、式(2)で表されるジアミン化合物を全ジアミン化合物の60モル%以上含むジアミン化合物である上記1〜4のいずれかに記載の液晶配向剤。
6.(B)成分のイミダゾール誘導体が、1−プロピルイミダゾール、1−アリルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、及び2−ブチルイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種類である上記1〜5に記載の液晶配向剤。
7.(B)成分のイミダゾール誘導体が、1−アリルイミダゾール、1−プロピルイミダゾール、及び1−ブチルイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種類である上記1〜5に記載の液晶配向剤。
8.(A)成分を得るためのジアミン化合物が、さらに下記式(DA−1)で表されるジアミン化合物を含む上記1〜7に記載の液晶配向剤。
【化4】
9.上記1〜8のいずれかに記載の液晶配向剤を塗布、焼成して得られる液晶配向膜。
10.上記1〜8のいずれかに記載の液晶配向剤を塗布、焼成し、さらに偏光された放射線を照射して得られる液晶配向膜。
【発明の効果】
【0016】
本発明の液晶配向膜は、IPS駆動方式やFFS駆動方式の液晶表示素子において発生する交流駆動による残像を低減し、残像特性に優れたIPS駆動方式やFFS駆動方式の液晶表示素子が得られる。
【0017】
本発明の液晶配向剤から得られる液晶配向膜が、何故に本発明の課題が解決されるかについては、必ずしも明らかではないが、ほぼ次のように考えられる。
【0018】
主鎖にシクロブタン環を有するポリイミドは、偏光された放射線を照射することにより、分子鎖の長軸方向が偏光方向と平行な分子鎖のみに下記式(i)の開環反応が進行し、低分子量化する。一方、分子鎖の長軸方向が偏光方向と垂直な分子鎖においては、下記式(i)の反応は進行せず、高分子量のままで膜中に残存する。これにより、偏光された放射線を照射されたポリイミド膜は、偏光方向に対して垂直な方向に異方性が発現し、液晶配向能が付与される。下記式(i)の反応は、イミド環を形成している場合に最も効率よく進行する。従って、焼成により得られた膜のイミド化率が低い場合には、下記式(i)の反応が僅かしか進行せず、異方性が小さい膜となってしまう。一方、焼成により得られた膜のイミド化率が高い場合には、下記式(i)の反応が充分に進行し、異方性が大きい膜が得られる。IPS駆動方式やFFS駆動方式の液晶表示素子においては、液晶配向膜の異方性が大きいほど、液晶配向性が高く、交流駆動による残像を抑制することができる。
【0019】
【化5】
本発明の液晶配向剤に用いられるイミダゾール誘導体は、ポリアミック酸と共存させることにより、ポリアミック酸の加熱によるイミド化反応を促進することができる。よって、本発明の液晶配向剤を塗布、焼成して得られるポリイミド膜は、イミド化率が高く、偏光された放射線を照射することで、異方性の大きい膜が得られ、液晶配向性の高い液晶配向膜となる。
【0020】
しかしながら、ポリアミック酸の加熱によるイミド化を促進する効果が高い添加剤であっても、その添加剤が膜中に残存した場合には、液晶の配向を阻害し、液晶配向膜の性能を低下させてしまう。これに対して、本発明の液晶配向剤に用いられるイミダゾール誘導体は、ポリアミック酸の加熱によるイミド化を促進する効果が高いだけでなく、焼成時に蒸発、又は昇華しやすい構造を有するため、焼成後、膜中に残存せず、液晶配向性を低下させることがない。
以上のことから、本発明の液晶配向剤から得られる液晶配向膜は、高い液晶配向性を有し、IPS駆動方式やFFS駆動方式の液晶表示素子において発生する交流駆動による残像を抑制することができると考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<(A)成分>
本発明の液晶配向剤に含有する(A)成分は、下記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を全テトラカルボン酸二無水物の60モル%以上含むテトラカルボン酸二無水物と、下記式(2)及び(3)で表されるジアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種類のジアミン化合物を全ジアミン化合物の60モル%以上含むジアミン化合物との重縮合反応から得られるポリアミック酸である。
【0023】
【化7】
式(1)において、R
1、R
2、R
3、及びR
4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数3〜6のアルキニル基、又はフェニル基である。
【0024】
液晶配向性の観点から、R
1、R
2、R
3,及びR
4は、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、又はエチル基が好ましく、水素原子、又はメチル基がより好ましい。
【0025】
上記式(1)で表されるシクロブタン環を有するテトラカルボン酸二無水物の具体例としては、下記式(1−1)〜(1−5)が挙げられる。液晶配向性の観点から(1−1)又は(1−2)がより好ましく、(1−2)がさらに好ましい。
【0026】
【化8】
式(3)で表されるジアミン化合物において、A
1は単結合、エステル結合、アミド結合、チオエステル結合、又は炭素数2〜10の2価の有機基である。
【0027】
A
1において、エステル結合としては、−C(O)O−、又は−OC(O)−で表される。アミド結合としては、−C(O)NH−、又は、−C(O)NR−、−NHC(O)−、−NRC(O)−で表される構造を示すことができる。Rは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、若しくはこれらの組み合わせである。
【0028】
上記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビシクロヘキシル基などが挙げられる。アルケニル基としては、上記のアルキル基に存在する1つ以上のCH−CH構造を、C=C構造に置き換えたものが挙げられ、より具体的には、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、シクロプロペニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などが挙げられる。アルキニル基としては、前記のアルキル基に存在する1つ以上のCH
2−CH
2構造をC≡C構造に置き換えたものが挙げられ、より具体的には、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基などが挙げられる。アリール基としては、例えばフェニル基が挙げられる。
チオエステル結合としては−C(O)S−、又は−SC(O)−で表される構造を示すことができる。
【0029】
A
1が炭素数2〜10の有機基である場合、下記式(4)の構造で表すことができる。
【化9】
式(4)における、A
4、A
5、A
6はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−NR
11−、エステル結合、アミド結合、チオエステル結合、ウレア結合、カーボネート結合、又はカルバメート結合である。R
11は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアリール基、若しくはこれらの組み合わせであり、前記のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基と同様の例を挙げることができる。
【0030】
A
4、A
5、A
6における、エステル結合、アミド結合、及び、チオエステル結合については、前記のエステル結合、アミド結合、及び、チオエステル結合と同様の構造を示すことができる。
【0031】
ウレア結合としては、−NH−C(O)NH−、又は−NR−C(O)NR−で表される構造を示すことができる。Rは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアリール基、若しくはこれらの組み合わせであり、前記のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基と同様の例を挙げることができる。
カーボネート結合としては、−O−C(O)−O−で表される構造を示すことができる。
【0032】
カルバメート結合としては、−NH−C(O)−O−、−O−C(O)−NH−、−NR−C(O)−O−、又は−O−C(O)−NR−で表される構造を示すことができる。Rは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアリール基、若しくはこれらの組み合わせであり、前記のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基と同様の例を挙げることができる。
【0033】
式(4)中のR
9及びR
10は、それぞれ独立して単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、又はアリーレン基、若しくはこれらを組み合わせた基から選ばれる構造である。R
9とR
10の何れかが単結合の場合、R
9又はR
10は炭素数2〜10のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、又はアリーレン基、若しくはこれらを組み合わせた基から選ばれる構造である。
【0034】
上記アルキレン基としては、前記アルキル基から水素原子を1つ除いた構造が挙げられる。より具体的には、メチレン基、1,1−エチレン基、1,2−エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,2−ブチレン基、1,2−ペンチレン基、1,2−へキシレン基、2,3−ブチレン基、2,4−ペンチレン基、1,2−シクロプロピレン基、1,2−シクロブチレン基、1,3−シクロブチレン基、1,2−シクロペンチレン基、1,2−シクロへキシレン基などが挙げられる。
【0035】
アルケニレン基としては、前記アルケニル基から水素原子を1つ除いた構造が挙げられる。より具体的には、1,1−エテニレン基、1,2−エテニレン基、1,2−エテニレンメチレン基、1−メチル−1,2−エテニレン基、1,2−エテニレン−1,1−エチレン基、1,2−エテニレン−1,2−エチレン基、1,2−エテニレン−1,2−プロピレン基、1,2−エテニレン−1,3−プロピレン基、1,2−エテニレン−1,4−ブチレン基、1,2−エテニレン−1,2−ブチレン基などが挙げられる。
【0036】
アルキニレン基としては、前記アルキニル基から水素原子を1つ除いた構造が挙げられる。より具体的には、エチニレン基、エチニレンメチレン基、エチニレン−1,1−エチレン基、エチニレン−1,2−エチレン基、エチニレン−1,2−プロピレン基、エチニレン−1,3−プロピレン基、エチニレン−1,4−ブチレン基、エチニレン−1,2−ブチレン基などが挙げられる。
【0037】
アリーレン基としては、前記アリール基から水素原子を1つ除いた構造が挙げられる。より具体的には、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基などが挙げられる。
【0038】
直線性が高い構造や剛直な構造を有するジアミンを用いた場合、良好な液晶配向性を有する液晶配向膜が得られるため、A
1の構造としては、単結合、又は下記式(A1−1)〜(A1−25)の構造がより好ましい。
【0044】
【化15】
ジアミン化合物の構造が剛直な構造であるほど、液晶配向性に優れた液晶配向膜が得られるため、本発明のポリアミック酸を得るためのジアミン化合物としては、上記式(2)で表されるp−フェニレンジアミンが特に好ましい。
【0045】
上記式(2)、(3)で表されるジアミン化合物の含有量は、全ジアミン中、60モル%〜100モル%が好ましい。上記式(2)、(3)で表されるジアミンの比率が高いほど、良好な液晶配向性を有する液晶配向膜が得られるため、80モル%〜100モル%がより好ましく、90モル%〜100モル%がさらに好ましい。
【0046】
本発明の(A)成分であるポリアミック酸を得るためのテトラカルボン酸二無水物は、式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物以外に下記式(6)で表されるテトラカルボン酸二無水物を含有することができる。
【0047】
【化16】
上記式(6)において、Xは4価の有機基であり、その構造は特に限定されない。具体的例を挙げるならば、下記記式(X−5)〜(X−46)の構造が挙げられる。化合物の入手性の観点から、Xの構造は、X−5、X−6、X−8、X−16、X−17、X−19、X−21、X−25、X−26,X−27、X−28、X−32、X−46が挙げられる。得られる液晶配向膜の透明性が向上するため、脂肪族及び脂肪族環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましく、Xの構造としては、X−8、X−16、X−19、X−25、又はX−46がより好ましい。また、直流電圧により蓄積した残留電荷の緩和が早い液晶配向膜を得られるという観点から芳香族環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましく、Xの構造としては、X−26,X−27、X−28、X−32、X−35、又はX−37がより好ましい。
【0048】
上記式(6)で表されるテトラカルボン酸二無水物の使用量が多すぎると、光配向法によって得られる液晶配向膜の液晶配向性を低下させることがある。よって、上記式(6)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、全テトラカルボン酸二無水物に対して0〜40mol%が好ましく、0〜20mol%がさらに好ましい。
【0052】
【化20】
本発明の(A)成分のポリアミック酸をえるためのジアミン化合物は、式(2)及び(3)で表されるジアミン化合物以外に下記式(7)で表されるジアミン化合物を含有していでもよい。式中Yは2価の有機基であり、その構造は特に限定されない。Yの具体例を挙げるならば、下記記式(Y−1)〜(Y−68)の構造が挙げられる。
【0060】
【化28】
なかでも、(A)成分の有機溶剤に対する溶解性の向上が期待できるため、式(2)及び式(3)以外のジアミン化合物としては、Y−8、Y−20、Y−21、Y−22、Y−27、Y−28、Y−66、Y−67、又はY−68がより好ましく、Y−66が特に好ましい。
上記式(7)で表されるジアミン化合物の使用量が多すぎると、液晶配向膜の液晶配向性を低下させるため、全テトラカルボン酸二無水物に対して0〜40モル%が好ましく、0〜20モル%がさらに好ましい。
【0061】
<(B)成分>
本発明の(B)成分は、下記式(B−1)〜(B−4)からなる群から選ばれる少なくとも1種類のイミダゾール誘導体である。
【化29】
式中、R
5〜R
8は、それぞれ独立して炭素数3〜10のアルキル基、又は炭素数3〜10のアルケニル基である。
【0062】
炭素数3〜10のアルキル基としては、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。アルケニル基としては、上記のアルキル基に存在する1つ以上のCH−CH構造を、C=C構造に置き換えたものが挙げられ、より具体的には、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基などが挙げられる。
【0063】
上記のイミダゾール誘導体のアルキル基、又はアルケニル基の鎖長が長い場合、液晶配向性を阻害し、得られる液晶配向膜の液晶配向性を低下させる可能性がある。そのため、炭素数3〜6がより好ましく、プロピル基、ブチル基、又はアリル基が特に好ましい。
【0064】
上記のイミダゾール誘導体の具体的な構造としては、1−プロピルイミダゾール、1−アリルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、又は2−ブチルイミダゾールが挙げられ、1−プロピルイミダゾール、1−アリルイミダゾール、又は1−ブチルイミダゾールがより好ましく、1−ブチルイミダゾールが特に好ましい。
(B)成分の含有量は、多すぎると、得られる液晶配向膜の液晶配向性を阻害することがあり、少なすぎると本発明の効果が充分に得られないことがある。そのため、(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましく、0.1〜20質量部がより好ましく、0.1〜10質量部が特に好ましい。
【0065】
<ポリアミック酸の製造方法>
本発明の液晶配向剤に用いられるポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応によって得ることができる。
具体的には、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを有機溶媒の存在下で−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜50℃において、30分〜24時間、好ましくは1〜12時間反応させることによって合成できる。
【0066】
上記の反応に用いる有機溶媒は、モノマーおよびポリマーの溶解性からN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、又はγ−ブチロラクトンが好ましく、これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。ポリマーの濃度は、ポリマーの析出が起こりにくく、かつ高分子量体が得やすいという点から、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
【0067】
上記のようにして得られたポリアミック酸は、反応溶液をよく撹拌させながら貧溶媒に注入することにより析出させて回収することができる。また、析出を数回行い、貧溶媒で洗浄後、常温あるいは加熱乾燥することで精製されたポリアミック酸の粉末を得ることができる。貧溶媒は、特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、ヘキサン、ブチルセロソルブ、アセトン、トルエン等が挙げられる。
【0068】
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、(A)成分と(B)成分が有機溶媒中に溶解された溶液の形態を有する。(A)成分であるポリアミック酸の分子量は、重量平均分子量で2,000〜500,000が好ましく、より好ましくは5,000〜300,000であり、さらに好ましくは、10,000〜100,000である。また、数平均分子量は、好ましくは、1,000〜250,000であり、より好ましくは、2,500〜150,000であり、さらに好ましくは、5,000〜50,000である。
【0069】
本発明の液晶配向剤中の(A)成分であるポリアミック酸の含有量は、形成させようとする塗膜の厚みの設定によって適宜変更することができるが、均一で欠陥のない塗膜を形成させるという点から1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、溶液の保存安定性の点からは10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましい。
【0070】
本発明の液晶配向剤に含有される有機溶媒は、(A)成分と(B)成分が均一に溶解するものであれば特に限定されない。その具体例を挙げるならば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。また、単独ではポリマー成分を均一に溶解できない溶媒であっても、ポリマーが析出しない範囲であれば、上記の有機溶媒に混合してもよい。
【0071】
本発明の液晶配向剤は、ポリマー成分を溶解させるための有機溶媒の他に、液晶配向剤を基板へ塗布する際の塗膜均一性を向上させるための溶媒を含有してもよい。かかる溶媒は、一般的に上記有機溶媒よりも低表面張力の溶媒が用いられる。その具体例を挙げるならば、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ブチルセロソルブアセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステル等が挙げられる。これらの溶媒は2種類上を併用してもよい。
【0072】
本発明の液晶配向剤には、上記の他、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、(A)成分である重合体以外のポリマー、液晶配向膜の誘電率や導電性などの電気特性を変化させる目的の誘電体若しくは導電物質、液晶配向膜と基板との密着性を向上させる目的のシランカップリング剤、液晶配向膜にした際の膜の硬度や緻密度を高める目的の架橋性化合物、さらには塗膜を焼成する際にポリアミック酸のイミド化を効率よく進行させる目的のイミド化促進剤等を添加しても良い。
【0073】
<液晶配向膜>
本発明の液晶配向膜は、上記のようにして得られた液晶配向剤を基板に塗布し、乾燥、焼成して得られた塗膜であり、この塗膜面をほぼ直線に偏光した放射線を照射することで得られる。
本発明の液晶配向剤を塗布する基板としては透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、窒化珪素基板、アクリル基板やポリカーボネート基板等のプラスチック基板等を用いることができ、液晶駆動のためのITO電極等が形成された基板を用いることがプロセスの簡素化の点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では片側の基板のみにならばシリコンウエハー等の不透明な物でも使用でき、この場合の電極はアルミニウム等の光を反射する材料も使用できる。本発明の液晶配向剤の塗布方法としては、スピンコート法、印刷法、インクジェット法などが挙げられる。
【0074】
本発明の液晶配向剤を塗布した後の乾燥、焼成工程は、任意の温度と時間を選択することができる。通常は、含有される有機溶媒を十分に除去し、(A)成分であるポリアミック酸をイミド化するために50℃〜120℃で1分〜10分乾燥させ、その後150℃〜300℃で5分〜120分焼成される。焼成後の塗膜の厚みは、特に限定されないが、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、5〜300nm、好ましくは10〜200nmである。
【0075】
本発明の液晶配向剤は光配向処理法で使用する場合に特に有用である。
光配向処理法の具体例としては、前記塗膜表面に、一定方向に偏光した放射線を照射し、場合によってはさらに150〜250℃の温度で加熱処理を行い、液晶配向能を付与する方法が挙げられる。放射線の波長としては、100nm〜800nmの波長を有する紫外線又は可視光線を用いることができる。このうち、100nm〜400nmの波長を有する紫外線が好ましく、200nm〜400nmの波長を有するものが特に好ましい。また、液晶配向性を改善するために、塗膜基板を50〜250℃で加熱しつつ、放射線を照射してもよい。前記放射線の照射量は、1〜10,000mJ/cm
2の範囲にあることが好ましく、100〜5,000mJ/cm
2の範囲にあることが特に好ましい。
以上の様にして作製した液晶配向膜は、液晶分子を一定の方向に安定して配向させることができる。
【実施例】
【0076】
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に、本実施例及び比較例で使用した化合物の略号、及び各特性の測定方法は、以下のとおりである。
DA−1:(下記式(DA−1))
【0077】
【化30】
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BCS:ブチルセロソルブ
【0078】
[粘度]
合成例において、ポリアミック酸エステル及びポリアミック酸溶液の粘度は、E型粘度計TVE−22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE−1(1°34’、R24)、温度25℃で測定した。
[分子量]
また、ポリアミック酸エステルの分子量はGPC(常温ゲル浸透クロマトグラフィー)装置によって測定し、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド換算値として数平均分子量(以下、Mnとも言う。)と重量平均分子量(以下、Mwとも言う。)を算出した。
GPC装置:Shodex社製(GPC−101)
カラム:Shodex社製(KD803、KD805の直列)
カラム温度:50℃
溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H
2O)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(重量平均分子量(Mw) 約900,000、150,000、100,000、30,000)、及び、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(ピークトップ分子量(Mp)約12,000、4,000、1,000)。測定は、ピークが重なるのを避けるため、900,000、100,000、12,000、1,000の4種類を混合したサンプル、及び150,000、30,000、4,000の3種類を混合したサンプルの2サンプルを別々に測定。
【0079】
[FFS駆動液晶セルの交流駆動焼き付き]
ガラス基板上に、第1層目に電極として形状の膜厚50nmのITO電極を、第2層目に絶縁膜として形状の膜厚500nmの窒化珪素を、第3層目に電極として櫛歯形状のITO電極(電極幅:3μm、電極間隔:6μm、電極高さ:50nm)を有するフリンジフィールドスィッチング(Fringe Field Switching:以下、FFSという)駆動用電極が形成されているガラス基板に、スピンコート塗布にて液晶配向剤を塗布した。80℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、250℃の熱風循環式オーブンで60分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面に偏光板を介して、波長254nmの紫外線を照射し、液晶配向膜付き基板を得た。また、対向基板として電極が形成されていない高さ4μmの柱状スペーサーを有するガラス基板にも、同様に塗膜を形成させ、配向処理を施した。
【0080】
上記、2枚の基板を一組とし、基板上にシール剤を印刷し、もう1枚の基板を、液晶配向膜面が向き合い配向方向が0°になるようにして張り合わせた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−2041(メルク株式会社製)を注入し、注入口を封止して、FFS駆動液晶セルを得た。
このFFS駆動液晶セルの58℃の温度下でのV−T特性(電圧−透過率特性)を測定した後、±4V/120Hzの矩形波を4時間印加した。4時間後、電圧を切り、58℃の温度下で60分間放置した後、再度V−T特性を測定し、矩形波印加前後の透過率50%となる電圧の差(ΔV
50)を算出した。
【0081】
(合成例1)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの3000mL四つ口フラスコに、NMPを1378g加えて、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を98.05g(0.502mol)添加した。このテトラカルボン酸二無水物のスラリー液を撹拌しながら、p−フェニレンジアミンを52.18g(0.483mol)添加し、更に固形分濃度が8質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−1)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は182mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=18712、Mw=41702であった。
【0082】
(合成例2)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、p−フェニレンジアミンを11.68g(0.108mol)及び4,4−ジアミノジフェニルエーテルを2.41g(0.0120mol)取り、NMPを340g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を22.82g(0.116mol)添加し、更に固形分濃度が8質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−2)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は178mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=14209、Mw=37227であった。
【0083】
(合成例3)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの500mL四つ口フラスコに、p−フェニレンジアミンを11.67g(0.108mol)及び4,4−ジアミノジフェニルエーテルを2.40g(0.0119mol)取り、NMPを341g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を21.17g(0.108mol)添加し、NMPを38g加えて、室温で2時間撹拌した。次に、ピロメリット酸二無水物を1.83g(8.39mmol)加えて、更に固形分濃度が8質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−3)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は168mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=15454、Mw=41309であった。
【0084】
(合成例4)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの1000mL四つ口フラスコに、p−フェニレンジアミンを19.46g(0.180mmol)及びDA−1を4.47g(0.0188mol)取り、NMPを502g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を38.05g(0.194mol)添加し、更に固形分濃度が10質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−4)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は462mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=16976、Mw=43749であった。
【0085】
(合成例5)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの1000mL四つ口フラスコに、p−フェニレンジアミンを45.96g(0.425mmol)及びDA−1を17.80g(0.075mol)取り、NMPを1390g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を107.83g(0.481mol)添加し、更に固形分濃度が10質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−5)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は215mPa・sであった。また、このポリアミック酸の分子量はMn=12629、Mw=29521であった。
【0086】
(実施例1)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例1で得られたポリアミック酸溶液(PAA−1)を5.01g取り、NMPを3.00g、BCSを2.01g、及び1−ブチルイミダゾールを0.04g加えて、マグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(A−1)を得た。
(実施例2)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例1で得られたポリアミック酸溶液(PAA−1)を5.02g取り、NMPを3.01g、BCSを2.04g、及び1−アリルイミダゾールを0.04g加えて、マグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(A−2)を得た。
(実施例3)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例4で得られたポリアミック酸溶液(PAA−4)を4.02g取り、NMPを4.00g、BCSを2.01g、及び1−ブチルイミダゾールを0.04g加えて、マグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(A−3)を得た。
(実施例4)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例1で得られたポリアミック酸溶液(PAA−1)を5.02g取り、NMPを3.01g、BCSを2.00g、及び2−ブチルイミダゾールを0.04g加えて、マグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(A−4)を得た。
【0087】
(比較例1)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例1で得られたポリアミック酸溶液(PAA−1)を5.01g取り、NMPを3.00g、BCSを2.01g、及び1−エチルイミダゾールを0.04g加えて、マグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(B−1)を得た。
(比較例2)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例1で得られたポリアミック酸溶液(PAA−1)を5.00g取り、NMPを3.03g、BCSを2.02g、及び1−ベンゾイルイミダゾールを0.04g加えて、マグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(B−2)を得た。
(比較例3)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例1で得られたポリアミック酸溶液(PAA−1)を5.01g取り、NMPを3.05g、BCSを2.00g、及び1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾールを0.04g加えて、マグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(B−3)を得た。
(比較例4)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例1で得られたポリアミック酸溶液(PAA−1)を5.02g取り、NMPを3.00g、及びBCSを2.00g加えて、マグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(B−4)を得た。
【0088】
(実施例5)
実施例1で得られた液晶配向剤(A−1)を1.0μmのフィルターで濾過した後、ガラス基板上に、第1層目として膜厚50nmのITO電極を、第2層目として絶縁膜として膜厚500nmの窒化ケイ素を、第3層目として櫛歯形状のITO電極(電極幅:3μm、電極間隔:6μm、電極高さ:50nm)を有するFFS駆動用電極が形成されているガラス基板に、スピンコート塗布にて塗布した。80℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、230℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面に偏光板を介して波長254nmの紫外線を1500mJ/cm
2照射し、液晶配向膜付き基板を得た。また、対向基板として電極が形成されていない高さ4μmの柱状スペーサーを有するガラス基板にも、同様に塗膜を形成させ、配向処理を施した。
【0089】
上記、2枚の基板を一組とし、基板上にシール剤を印刷し、もう1枚の基板を、液晶配向膜面が向き合い配向方向が0°になるようにして張り合わせた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−2041(メルク株式会社製)を注入し、注入口を封止して、FFS駆動液晶セルを得た。
このFFS駆動液晶セルについて、交流駆動焼き付き特性を評価した結果、ΔV
50は2mVであった。
【0090】
(実施例6)
実施例2で得られた液晶配向剤(A−2)を用いた以外は、実施例5と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、交流駆動焼き付き特性を評価した結果、ΔV
50は2mVであった。
(実施例7)
実施例3で得られた液晶配向剤(A−3)を用いた以外は、実施例5と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、交流駆動焼き付き特性を評価した結果、ΔV
50は0mVであった。
(実施例8)
実施例4で得られた液晶配向剤(A−4)を用いた以外は、実施例5と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、交流駆動焼き付き特性を評価した結果、ΔV
50は 2mVであった。
(比較例5)
比較例1で得られた液晶配向剤(B−1)を用いた以外は、実施例5と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、交流駆動焼き付き特性を評価した結果、ΔV
50は4mVであった。
(比較例6)
比較例2で得られた液晶配向剤(B−2)を用いた以外は、実施例5と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、交流駆動焼き付き特性を評価した結果、ΔV
50は4mVであった。
(比較例7)
比較例3で得られた液晶配向剤(B−3)を用いた以外は、実施例5と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、交流駆動焼き付き特性を評価した結果、ΔV
50は4mVであった。
(比較例8)
比較例4で得られた液晶配向剤(B−4)を用いた以外は、実施例5と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、交流駆動焼き付き特性を評価した結果、ΔV
50は5mVであった。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
(実施例9)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例2で得られたポリアミック酸溶液(PAA−2)を5.00g取り、NMPを3.02g、BCSを2.04g、及び1−ブチルイミダゾールを0.04g加えて、マグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(A−5)を得た。
(実施例10)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例3で得られたポリアミック酸溶液(PAA−3)を5.02g取り、NMPを3.00g、BCSを2.03g、及び1−ブチルイミダゾールを0.04g加えて、マグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(A−6)を得た。
(実施例11)
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、合成例5で得られたポリアミック酸溶液(PAA−5)を4.00g取り、NMPを2.01g、BCSを2.00g、及び1−ブチルイミダゾールを0.04g加えて、マグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(A−7)を得た。
【0094】
(実施例12)
実施例9で得られた液晶配向剤(A−5)を用いた以外は、実施例5と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、交流駆動焼き付き特性を評価した結果、ΔV
50は2mVであった。
(実施例13)
実施例10で得られた液晶配向剤(A−6)を用いた以外は、実施例5と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、交流駆動焼き付き特性を評価した結果、ΔV
50は2mVであった。
(実施例14)
実施例11で得られた液晶配向剤(A−7)を用い、波長254nmの紫外線を500mJ/cm
2照射し以外は、実施例5と同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製した。このFFS駆動液晶セルについて、交流駆動焼き付き特性を評価した結果、ΔV
50は1mVであった。