(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本実施の形態における情報提供システムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。情報提供システム10は、情報処理装置として機能するコンピュータ、例えばサーバー100と、カメラ200と、後述する依頼者が操作する情報端末、例えばパソコン300とで構成される。なお、
図1では、カメラ200は1台である例を示しているが、複数のカメラ200がサーバー100に接続されていても構わない。
【0009】
サーバー100は、操作部材101と、接続IF(インターフェース)102と、制御装置103と、HDD(ハードディスクドライブ)104と、モニタ105とを備えている。
【0010】
操作部材101は、使用者によって操作される種々の装置、例えばキーボードやマウスを含む。接続IF102は、サーバー100とカメラ200とを接続するためのインターフェースである。本実施の形態では、サーバー100は、この接続IF102を介してカメラ200との間でデータの送受信を行う。なお、接続IF102としては、サーバー100とカメラ200とを有線接続するためのUSBインターフェースや、無線接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。
【0011】
制御装置103は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、サーバー100の全体を制御する。なお、制御装置103を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリを含む。
【0012】
HDD104は、接続IF102を介して取り込まれた種々のデータや、制御装置103で実行される種々のプログラムのデータ等を記録するための記録装置である。なお、HDD104に記録されるプログラムのデータは、CD−ROMやDVD−ROMなどの記憶媒体に記録されて提供され、使用者が当該記憶媒体を用いてプログラムのデータをHDD104にインストールすることによって、制御装置103がプログラムを実行できるようになる。例えば、後述する
図2のフローチャートに示す処理を実行するためのプログラムもHDD104に記録されている。モニタ105は、例えば液晶モニタであって、制御装置103から出力される種々の表示用データが表示される。
【0013】
カメラ200は、操作部材201と、レンズ202と、撮像素子203と、制御装置204と、メモリカードスロット205と、モニタ206と、接続IF207と、GPSセンサ208とを備えている。操作部材201は、使用者によって操作される種々の入力部材、例えば電源ボタン、レリーズボタン、ズームボタン、十字キー、決定ボタン、再生ボタン、削除ボタンなどを含んでいる。
【0014】
レンズ202は、不図示のマウント部を介してカメラ200に着脱可能な構成となっていてもよいし、カメラ200と一体となっていてもよい。なお、レンズ202は、複数の光学レンズから構成されるが、
図1では代表して1枚のレンズで表している。また、レンズ202は、不図示のズームレンズを含んでおり、レンズ駆動部202aによってズームレンズが駆動されることによって、ズーム倍率を変更することができる。撮像素子203は、例えばCCDやCMOSなどのイメージセンサにより構成され、レンズ102を通過した光束による被写体像を光電変換してアナログ画像信号を生成し、生成したアナログ画像信号を制御装置204へ出力する。
【0015】
制御装置204は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路により構成され、カメラ200を制御する。なお、制御装置204を構成するメモリには、SDRAMやフラッシュメモリが含まれる。SDRAMは、揮発性のメモリであって、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリとして使用されたり、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、フラッシュメモリは、不揮発性のメモリであって、制御装置204が実行するプログラムのデータや、プログラム実行時に読み込まれる種々のパラメータなどが記録されている。例えば、後述する
図2のフローチャートに示す処理を実行するためのプログラムは、HDD104ではなくこのフラッシュメモリに記録してもよい。
【0016】
制御装置204は、撮像素子203から入力されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換し、種々の画像処理を施した後に所定の画像形式、例えばJPEG形式の本画像データを生成する。また、制御装置204は、生成した本画像データに基づいて、表示用画像データ、例えばサムネイル画像データを生成する。制御装置104は、本画像データとサムネイル画像データとを含み、さらにヘッダ情報を付加した画像ファイルを生成してメモリカードスロット205へ出力する。
【0017】
メモリカードスロット205は、記憶媒体としてのメモリカードを挿入するためのスロットであり、制御装置204から出力された画像ファイルをメモリカードに書き込んで記録する。また、メモリカードスロット205は、制御装置204からの指示に基づいて、メモリカード内に記憶されている画像ファイルを読み込む。
【0018】
モニタ206は、カメラ100の背面に搭載された液晶モニタ(背面モニタ)であり、当該モニタ206には、メモリカードに記憶されている画像やカメラ200を設定するための設定メニューなどが表示される。また、制御装置204は、使用者によってカメラ200のモードがライブビューモードに設定されると、撮像素子103から時系列で取得した画像の表示用画像データ(以下、「スルー画」)をモニタ206に出力する。これによってモニタ206にはスルー画が表示される。
【0019】
接続IF207は、サーバー100とカメラ200とを接続するためのインターフェースである。本実施の形態では、サーバー100は、この接続IF207を介してサーバー100との間でデータの送受信を行う。なお、接続IF207としては、サーバー100とカメラ200とを有線接続するためのUSBインターフェースや、無線接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。
【0020】
GPSセンサ208は、GPS信号受信部と位置演算部を備えている。GPS信号受信部は、GPS衛星から位置を特定するための位置情報を受信し、位置演算部は、GPS信号受信部が受信した位置情報に基づいて、カメラ200の現在位置を特定する。
【0021】
本実施の形態における情報提供システムでは、サーバー100は、ネットワークを介して接続されている情報端末300を介して、依頼者からの写真撮影の依頼を受け付ける。具体的には、依頼者は、情報端末300を操作して、地図上である場所を指定し、その場所の近所に住んでいる人、またはその場所の近辺を通りかかった人に、その場所の写真を撮影してもらうように依頼を出す。依頼者からの依頼内容を示す情報(依頼内容を示すデータ)は、情報端末300からネットワークを介してサーバ100へ送信される。
【0022】
サーバー100は、依頼者からの上記撮影依頼を受け付けると、依頼内容を、その依頼内容に基づいて特定される撮影地点付近にいる撮影者に通知する。例えば、カメラ200が基地局を介して通信網に接続している場合には、その基地局の位置に基づいて、あるいは、カメラ200がGPS機能を備えている場合にはGPSセンサ208からの出力に基づいて、現在のカメラ200の位置を特定し、サーバー100と通信可能な複数のカメラ200のうち、依頼者からの依頼内容に基づいて特定される撮影地点付近にいるカメラ200の位置を特定する。そして、サーバー100は、特定したカメラ200に依頼内容を通知することにより、そのカメラ200の所有者である撮影者に依頼内容を通知する。
【0023】
サーバー100からの依頼を受けた撮影者は、依頼内容に基づいて撮影地点で撮影を行い、その結果得られた画像をサーバー100へアップロードする。依頼者は、情報端末300からサーバー100へアクセスすることにより、依頼内容に基づいて撮影された画像を閲覧することができる。なお、サーバー100は、撮影者によって画像がアップロードされた場合には、依頼者に対してメールを送る等して、依頼内容に沿った画像がアップロードされた旨を通知するようにしてもよい。これにより、依頼者は、定期的にサイトを確認しなくても、画像がアップロードされたことを知ることができる。
【0024】
図2は、本実施の形態におけるサーバー100、カメラ200、および情報端末300における処理の流れ、および両者間のデータの流れを示したフローチャートである。以下、
図2を用いて、本実施の形態におけるサーバー100、カメラ200、および情報端末300の処理の流れについて説明する。
【0025】
まず、情報端末300の処理について説明する。ステップS1において、情報端末300のCPUは、依頼者によって地図上で撮影地点が特定されたか否かを判断する。例えば、使用者は、情報端末300が備えるモニタ上に表示された地図上で、撮影地点を特定する。ここで特定された撮影地点に関する情報、例えば撮影地点の緯度経度情報が依頼内容情報に含まれる。ステップS1で肯定判断した場合には、ステップS2へ進み、CPUは、依頼者によってその撮影地点での撮影対象、すなわち依頼者が何を撮影して欲しいかが指定されたか否かを判断する。例えば、使用者は、その撮影地点から見える風景、建物、または観光名所等を撮影対象として指定する。ここで指定された撮影対象を特定するための情報も依頼内容情報に含まれる。
【0026】
その後、ステップS3へ進み、CPUは、依頼者によって、その依頼の緊急度が指定されたか否かを判断する。依頼者は、その依頼の緊急度がどの程度かを、例えば緊急度が最も高い「緊急」、緊急度が2番目に高い「少し急ぎ」、緊急度が低い「いつでもよい」の3段階で指定する。ここで指定された緊急度を示す情報も依頼内容情報に含まれる。その後、ステップS4へ進み、CPUは、上述したステップS1からS3の処理で特定した撮影地点を特定するための情報、撮影対象を特定するための情報、および緊急度を示す情報を含む依頼内容情報を作成する。そして、ステップS5において、CPUは、作成した依頼内容情報をサーバー100へ送信する。
【0027】
次に、サーバー100側の処理について説明する。ステップS10において、サーバー100の制御装置103は、依頼者から上述した依頼内容情報を受信したか否かを判断する。ステップS10で肯定判断した場合には、ステップS20へ進む。ステップS20では、制御装置103は、依頼内容情報に基づいて、撮影地点を特定する。その後、ステップS30へ進む。
【0028】
ステップS30では、制御装置103は、特定した撮影地点の周辺に存在するカメラ200を探索する。例えば、サーバー300には、撮影者を特定するための情報として、カメラ200を示すIDが登録されており、カメラ200からは、所定時間間隔またはカメラ200の所定操作により、カメラ200の位置を示す情報がサーバー300に送信される。このカメラ200から送信される位置情報により、制御装置103は、各カメラ200の位置を特定することができるため、撮影地点の周辺に存在するカメラ200を探索することが可能となる。
【0029】
このとき、制御装置103は、依頼内容情報に基づいて依頼の重要度を特定する。ここでは、制御装置103は、依頼の重要度として、依頼の緊急度を特定し、該緊急度に応じて撮影地点を中心としたカメラ200の探索範囲を決定する。具体的には、制御装置103は、緊急度が高い依頼の場合には、より多くの撮影者に依頼内容を通知する必要があると判断し、カメラ200の探索範囲を広くする。一方で、制御装置103は、緊急度が低い依頼の場合には、それほど多くの撮影者に依頼内容を通知する必要はないと判断し、カメラ200の探索範囲を狭くする。
【0030】
例えば、
図3に示すような、依頼の緊急度と探索範囲との対応関係を示したデータをあらかじめ記録しておき、制御装置103は、この対応関係に基づいて探索範囲を決定する。具体的には、制御装置103は、緊急度を示す情報が「緊急」を示す情報であると判断した場合には、撮影地点を中心に半径1kmの範囲を探索範囲とする。また、緊急度を示す情報が「少し急ぎ」を示す情報であると判断した場合には、撮影地点を中心に半径200mの範囲を探索範囲とする。また、緊急度を示す情報が「いつでもよい」を示す情報であると判断した場合には、撮影地点を中心に半径10mの範囲を探索範囲とする。
【0031】
その後、ステップS40へ進み、制御装置103は、ステップS30での探索結果に基づいて、上述した探索範囲内にカメラ200が存在しているか否かを判断する。ステップS40で肯定判断した場合には、ステップS50へ進み、制御装置103は、探索範囲内に存在するカメラ200に対して、依頼者からの依頼内容に基づく撮影依頼情報を送信して、処理を終了する。撮影依頼情報には、撮影者に依頼内容を通知するために必要な情報、例えば、依頼内容情報と同様に、撮影地点を特定するための情報、撮影対象を特定するための情報、および緊急度を示す情報が含まれる。なお依頼内容情報は、複数の依頼に関する情報を含んでもよい。
【0032】
次に、撮影依頼情報を受信するカメラ200側の処理について説明する。ステップS110において、カメラ200の制御装置204は、サーバー100から撮影依頼情報を受信して、ステップS120へ進む。
【0033】
ステップS120では、制御装置204は、モニタ206に撮影依頼の内容を表示して、撮影者に通知する。例えば、制御装置204は、
図4(a)に示すように、スルー画上にアイコン4aを表示することにより、サーバー100から撮影依頼情報を受信したことを撮影者に通知する。これにより、撮影者は、現在地の周辺に依頼内容に基づく撮影地点があることを把握することができる。この場合、制御装置204は、アイコン4a内に、その撮影地点に対して依頼を行った依頼者の人数を表示するようにしてもよい。例えば、制御装置204は、受信した撮影依頼情報に基づいて、その撮影地点に対する依頼の数をカウントし、カウント結果をアイコン4aないに表示すればよい。これによって、撮影者は、その依頼について、依頼者の人数を把握することができる。
【0034】
また、制御装置204は、依頼の緊急度に応じてアイコン4aの表示形態を変えるようにしてもよい。例えば、緊急度に応じてアイコン4aの色を変えたり、アイコン4aの大きさを変えたり、アイコン4aの形を変えたりする。あるいは、緊急度が「緊急」の場合のみ、アイコン4aを点滅表示させ、それ以外の場合には、常時点灯させるようにしてもよい。これにより、撮影者は、アイコン4aを見るだけで、依頼の緊急度を把握することができる。あるいは、アイコンではなく、文字や他の図形により通知するようにしてもよい。
【0035】
撮影者(回答者)は、アイコン4aを選択することにより、依頼内容の詳細を確認することができる。例えば、撮影者は、操作部材201に含まれる十字キーや決定ボタン等を操作してアイコン4aを選択したり、モニタ206がタッチパネルを備えている場合には、アイコン4aを指やタッチペンでタッチすることによりアイコン4aを選択することができる。制御装置204は、撮影者によってアイコン4aが選択されたことを検出した場合には、画面表示を例えば
図4(b)に示すように変化させることにより、依頼内容の詳細を表示する。
図4(b)に示す例では、スルー画上に、緊急度を示すアイコン4aとともに、依頼内容を示すメッセージ4bを表示している。撮影者は、このメッセージ4bを確認することにより、依頼者からの依頼内容を正確に把握することができる。すなわち、
図4(b)に示す画面を見た撮影者は、撮影地点において、花が咲いているかどうかを確認することができる風景を撮影すればよいことを把握することができる。
【0036】
なお、撮影者に正確な撮影地点を知らせる方法としては、例えば、サーバー100の制御装置103の表示画像の送信により、制御装置204は、モニタ206上に地図を表示し、該地図上に撮影地点を表示することで知らせるようにしてもよい。また、カメラ200がGPS機能を備えている場合には、GPSセンサ208からの出力に基づいて現在位置を特定し、現在位置から撮影地点まで経路案内を行うようにしてもよい。あるいは、モニタ206上に撮影地点の画像を表示することにより、撮影地点を知らせるようにしてもよい。
【0037】
その後、ステップS130へ進み、制御装置204は、撮影者によって撮影が行われたか否かを判断する。ステップS130で肯定判断した場合には、ステップS140へ進み、制御装置204は、撮像素子203から入力されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換し、種々の画像処理を施した後に所定の画像形式、例えばJPEG形式の本画像データを生成する。また、制御装置204は、生成した本画像データに基づいて、表示用画像データ、例えばサムネイル画像データを生成する。制御装置104は、本画像データとサムネイル画像データとを含み、さらにヘッダ情報を付加した画像ファイルを生成し、メモリカードスロット205内のメモリカードに記録する。その後、ステップS150へ進む。
【0038】
撮影者は、依頼内容に基づいて撮影を行った後は、依頼者への報告のために画像ファイルをサーバー100にアップロードする。このため、ステップS150では、制御装置204は、撮影者によって操作部材201が操作されて、画像ファイルのサーバー100へのアップロードが指示されたか否かを判断する。ステップ150で肯定判断した場合には、ステップS160へ進み、制御装置204は、撮影者によってアップロードが指示された画像ファイルをサーバー100へ送信して、処理を終了する。
【0039】
このとき、撮影者は、画像ファイルに報告メッセージを添付してアップロードできるようにしてもよい。例えば、
図4(b)に示す依頼内容に対して、撮影した画像ファイルに、花の開花状況を説明するためのメッセージとして、「満開です」、「八分咲きです」、「まだ咲いていません」等を示すためのメッセージ情報を添付できるようにしてもよい。このメッセージ情報は、例えば、画像ファイルのヘッダ情報に記録してもよいし、画像ファイルとは別のデータファイルにその画像ファイルと関連付けて記録してもよい。
【0040】
次に、画像ファイルを受信するサーバー100側の処理について説明する。ステップS60において、制御装置103は、カメラ200から回答情報として画像ファイルを受信する。この画像ファイルの受信によりステップS70以降の処理がスタートする。ステップS70では、制御装置103は、受信した画像ファイルをHDD104に記録して、ステップS80へ進む。
【0041】
ステップS80では、制御装置103は、依頼者から依頼に対する回答、すなわち依頼に応じてカメラ200から送信された回答情報の表示が指示されたか否かを判断する。例えば、依頼者は、サイトにアクセスし、自分の依頼に対して回答が届いているかを確認する。そして、回答が届いている場合には、その内容を表示した回答ページへのリンクをクリックして、回答の表示を指示する。ステップS80で肯定判断した場合には、ステップS90へ進む。
【0042】
ステップS90では、制御装置103は、例えば、
図5に示すような撮影者によって撮影された画像を表示した回答表示画面をアクセス元の依頼者の端末、例えばパソコンへ送信して、処理を終了する。これによって、依頼者は、依頼内容に対する回答を自身のパソコン等の画面上で確認することができる。なお、上述したように、画像ファイルに撮影者からの報告メッセージが添付されている場合には、画像上に報告メッセージ5aを表示する。これによって、実際に現場を見てきた撮影者からの報告メッセージによって、依頼者は、より正確に現場の状況を把握することができる。
【0043】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)サーバー100において、制御装置103は、依頼者の端末から撮影に関する依頼内容を含む依頼内容情報を受信し、依頼内容情報に基づいて撮影地点を特定し、特定した撮影地点に基づいてカメラ200の探索範囲を決定し、決定した探索範囲内のカメラ200に対して、依頼内容情報に基づく撮影依頼情報を送信するようにした。これによって、依頼者からの依頼を探索範囲内のカメラ200に自動的に送信することができる。
【0044】
(2)制御装置103は、依頼内容情報に基づいて依頼の緊急度を特定し、該緊急度に応じて撮影地点を中心としたカメラ200の探索範囲を決定するようにした。これによって、緊急度に応じて最適な探索範囲を決定することができる。
【0045】
(3)制御装置103は、カメラ200から画像ファイルを回答情報として受信し、受信した画像ファイルに基づく回答表示画面を依頼者の端末に提示するようにした。これによって、依頼者は、撮影者からの回答を自身が所有するパソコン等で確認することができる。
【0046】
(4)カメラ200において、制御装置204は、サーバー100から撮影依頼情報を受信し、受信した撮影依頼情報に基づいて、依頼者からの撮影依頼の内容を特定し、特定した撮影依頼の内容をモニタ206に表示するようにした。これによって、依頼者からの依頼内容を撮影者に通知することができる。
【0047】
(5)制御装置204は、撮影依頼情報に基づいて撮影地点を特定し、特定した撮影地点を地図上に表示して撮影者に通知するようにした。これにより、撮影者は、正確な撮影地点を把握することができる。
【0048】
(6)制御装置204は、スルー画上にアイコン4aを表示することにより、サーバー100から撮影依頼情報を受信したことを撮影者に通知するようにした。これによって、撮影者は、現在地の周辺に依頼内容に基づく撮影地点があることを把握することができる。
【0049】
(7)制御装置204は、依頼の緊急度に応じてアイコン4aの表示形態を変えるようにした。これにより、撮影者は、アイコン4aを見るだけで、依頼の緊急度を把握することができる。
【0050】
―変形例―
なお、上述した実施の形態の情報提供システムは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、依頼者は、パソコン等の端末を使用して回答結果を確認できる例について説明した。しかしながら、これに加えて、依頼者は、回答結果を確認した後に、その回答内容に対する評価を行えるようにしてもよい。例えば、制御装置103は、情報端末300上での依頼者による評価データの入力を受け付けるようにし、依頼者は、
図6に示すように、回答結果に対して星印を付加して評価するようにしてもよい。なお、
図6の例では、回答内容に対して「大満足」として星が3つ付加された例を示している。あるいは、制御装置103は、依頼者によって付けられた星印の数、依頼の重要度、例えば、依頼の緊急度や依頼者の人数等に基づいて、その回答結果に対して付与する評価値を演算するようにしてもよい。
【0051】
また、制御装置103は、サイトへのアクセス者に対して、撮影者ごとの過去の評価結果を開示するようにしてもよい。これにより、撮影者は、自身の回答に対する評価結果を確認することができる。また、他のアクセス者は、どの撮影者の評価が高いかを把握することができる。依頼者は、この評価結果を参考にして、依頼を出す撮影者を任意に選択できるようにしてもよい。また、依頼者は、評価が一定値以上の撮影者のみに依頼を出せるようにしてもよい。これにより、依頼者は、過去の評価が高い撮影者に限定して依頼を出すことができ、質の高い回答結果が得られる可能性が高くなる。
【0052】
また、本実施の形態における情報提供システムを提供する事業者は、依頼者からの評価結果に基づいて撮影者にポイントを付与し、撮影者に対してポイントに応じた特典を提供するようにしてもよい。例えば、一定以上のポイントを獲得した撮影者に対して賞品を提供したり、HDD104内のユーザー専用記憶領域を多く分け与えるようにしてもよい。
【0053】
(2)上述した実施の形態では、制御装置103は、依頼の重要度に応じて撮影地点を中心としたカメラ200の探索範囲を決定するように、依頼の緊急度を依頼の重要度として用いるようにした。しかしながら、制御装置103は、1つの撮影地点に対する依頼者の人数を依頼の重要度として用いるようにし、該依頼者の人数に応じて撮影地点を中心としたカメラ200の探索範囲を決定するようにしてもよい。例えば、1つの撮影地点に対する依頼者の人数が多いほど、その撮影地点を中心とした探索範囲を広くするようにすればよい。具体的には、ある観光名所に対する依頼人数が10人以上の場合には、撮影地点を中心に半径1kmの範囲を探索範囲とする。また、依頼人数が5人以上、10人未満の場合には、撮影地点を中心に半径200mの範囲を探索範囲とする。また、依頼人数が5人未満の場合には、撮影地点を中心に半径10mの範囲を探索範囲とする。これにより、ある撮影地点に対する依頼人数が多いほど、その地点に対する依頼の重要性が高いことを加味して、依頼の重要度に応じた適切な探索範囲を設定することができる。または、制御装置103は、依頼の緊急度にかかわらず、撮影地点からの距離が所定距離以下の範囲をカメラ200の探索範囲として決定するようにしてもよい。
【0054】
あるいは、サーバー100側で探索範囲を決定せずに、カメラ200側で、緊急度に応じてその依頼を受け付けるか否かを判定するようにしてもよい。例えば、撮影者は、緊急度が「緊急」の場合のみ依頼を受け付け、それ以外の場合には依頼を受け付けないように設定できるようにしてもよい。この場合、制御装置204は、サーバー100から受信した撮影依頼情報に基づいて、緊急度が「緊急」であると判定した場合には、スルー画上に
図4に示したアイコン4aを表示して撮影者に通知し、それ以外の場合には、アイコン4aを表示しない。
【0055】
あるいは、制御装置204は、緊急度が「緊急」の場合には、現在位置が撮影地点から半径1km以内であればアイコン4aを表示し、緊急度が「ちょっと急ぎ」の場合には、現在位置が撮影地点から半径200m以内であればアイコン4aを表示し、緊急度が「いつでもいい」の場合には、現在位置が撮影地点から半径10m以内であればアイコン4aを表示するようにしてもよい。あるいは、撮影者は、緊急度に関係なく、現在位置が撮影地点から所定の範囲内にあるときのみアイコン4aを表示するように設定できるようにしてもよい。また、カメラ200のモードが消費電力を低減するためのスリープモードに移行している場合には、緊急度が「緊急」の場合や、その撮影地点に対する依頼人数が所定人数以上のときのみ、アイコン4aを表示するようにしてもよい。
【0056】
(3)上述した実施の形態では、制御装置103は、依頼者からの依頼内容に基づいて撮影依頼情報を作成し、該撮影依頼情報をカメラ200へ送信することにより、撮影者に対して撮影依頼を出す例について説明した。このとき、依頼者は、依頼に対する回答期限を任意に設定できるようにしてもよい。例えば、依頼者は、撮影地点の画像をいつまでに撮影して欲しいかを任意に設定することができ、制御装置103は、依頼者によって設定された期限内のみ撮影者からの回答を受け付けるようにすればよい。これにより、依頼者が望まない時期に回答がなされることを防ぐことができる。
【0057】
(4)上述した実施の形態では、制御装置103は、
図5に示すような回答表示画面をアクセス元の依頼者の端末、例えばパソコンへ送信することにより、依頼者がパソコン等の画面上で回答結果を確認できる例について説明した。このとき、探索範囲内に複数のカメラ200が存在していた場合には、複数の回答が寄せられる可能性がある。このような場合には、制御装置103は、回答結果を一覧表示した回答一覧画面をアクセス元の依頼者の端末へ送信し、一覧内から依頼者によっていずれかの回答が選択されたときに、その回答の内容を表示した回答表示画面をアクセス元の依頼者の端末へ送信すればよい。
【0058】
この場合、制御装置103は、回答一覧画面における回答の表示順を、回答の受け付け時刻が古い順としてもよいし、回答の受け付け時刻が新しい順としてもよい。あるいは、変形例(1)で上述したように、撮影者に評価が付されている場合には、評価が高い撮影者の回答ほど上位に表示されるようにしてもよい。また、依頼者は、自身の端末上で回答の表示順を任意に変更できるようにしてもよい。これにより、依頼者は、1つの依頼に対して複数の回答があった場合でも、自身が望む回答を容易に探すことが可能となる。
【0059】
(5)上述した実施の形態では、依頼者は、撮影を依頼したい地点を地図上で指定することにより、撮影地点を指定する例について説明した。しかしながら、依頼者は、ランドマーク名や住所を指定することによって撮影地点を指定するようにしてもよい。あるいは、過去の依頼履歴から同じ場所を撮影地点として指定できるようにしてもよい。また、依頼者が所有する画像に撮影地点を示す位置データが付されている場合には、その位置データを用いて撮影地点を指定できるようにしてもよい。
【0060】
(6)上述した実施の形態では、依頼を受けた撮影者は、撮影地点で撮影を行う例について説明した。このとき、制御装置204は、撮影地点から対象物を撮影するために画角を変更する必要があるか否かを判定し、画角を変更する必要があると判定した場合には、レンズ駆動部202aを制御してズームレンズを駆動させて、自動的にズーム倍率を変更して画角を変えるようにしてもよい。あるいは、制御装置204は、撮影者に対して画角を変更するように促してもよい。
【0061】
(7)また、制御装置203は、撮影者に依頼情報(撮影地点)を知らせるようにしてもよい。例えば、制御装置203は、カメラ200の現在位置と依頼された撮影地とから、スルー画上にその撮影地が含まれる場合には、その場所を示す表示を行うようにしてもよい。また、スルー画上に撮影地点が含まれない場合には、撮影地点の方向を矢印等で示すようにしてもよい。この場合、カメラ200は、方角を検出するための電子コンパスを搭載する必要がある。あるいは、制御装置203は、カメラ200の現在位置と依頼された撮影地とから、画角を広くすればスルー画上にその撮影地が含まれる場合には、レンズ駆動部202aを制御してズームレンズを駆動させて、自動的にズーム倍率を変更して画角を広げるようにしてもよい。この場合もカメラ200は、方角を検出するための電子コンパスを搭載する必要がある。また、制御装置203は、モニタ206上に地図を表示し、地図に撮影地点を示す情報を重ねて表示するようにしてもよい。
【0062】
(8)上述した実施の形態では、撮影者が使用する回答用の端末として、カメラ200を用いる例について説明した。しかしながら、撮影機能と通信機能を備える他の機器、例えば携帯電話や携帯情報端末等を回答端末として用いることもできる。
【0063】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。