(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表面の反射率が低い物品面上に形成された反射率の高い微細な突起ないし突条の高さを計測する方法であって、載置された物品面に対するレーザービームの照射角が1〜40°の範囲となるように設定されたレーザーを照射しつつレーザーと物品面とを相対的に移動させて走査を行い、前記突起ないし突条による散乱光の強度を光検出部により検出し、前記装置の過程で検出された散乱光の強度分布におけるピークの幅を求め、該ピークの幅から前記突起ないし突条の高さを求めることを特徴とする物品面上の突起ないし突条の高さを計測する方法。
表面の反射率が低い物品面上に形成された反射率の高い微細な突起ないし突条の高さの計測装置であって、計測対象の物品を載置する台部と、該台上に載置された物品面に対し照射角が1〜40°の範囲となるようにレーザービームを照射するレーザーと、レーザービームが照射された時に物品面上の突起ないし突条による散乱光を受光し散乱光強度を検出する光検出部と、前記物品面上へのレーザーの照射時にレーザーと物品とを相対的に移動させる走査を制御するための走査制御部と、前記光検出部により取得された散乱光強度のデータを処理する演算処理装置と、を備え、前記演算処理装置は前記レーザーと物品とを相対的に移動させつつレーザービームを照射した時に前記光検出部により取得された散乱光の強度分布におけるピークの幅を求め、該ピークの幅から前記突起ないし突条の高さを求める演算を行うものであることを特徴とする物品面上の突起ないし突条の高さの計測装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明による物品面における微細な突起ないし突条の形状寸法を計測する方法及びその装置の形態について説明する。物品としては代表的なものとして太陽光セルについて考え、太陽光セル面上に配設され突条ないし突条の形状をなすフィンガー電極の高さを計測する場合について説明する。
【0020】
図1(a)は太陽光セルの一部分を切り取った形で、斜視図で示したものである。太陽光セル1は多層の半導体として構成され、下側から裏面電極2、P+形層3、p形層4、n形層5の順に積層され、その上側は反射防止膜6で被覆されている。各層の導電型はこの例と異なるものも可能である。
【0021】
p形層4の上面側は蝕刻により数百nm程度の大きさの微細な凹凸部が一様に多数形成され、その上側に積層されるn形層5、反射防止膜6も同様に多数の微細な凹凸部が一様に分布する形状になっている。
【0022】
多数の細帯状のフィンガー電極10が平行に配設され、下端側はn形層5に達している。また、フィンガー電極10に直交する方向にこれより幅の広いバスバー電極11が複数配設されている。フィンガー電極10、バスバー電極11、裏面電極2は銀、銅、ニッケル、アルミニウム等を含む金属でスクリーン印刷法等により形成される。フィンガー電極10、バスバー電極11の配設形態は例示のもののほかにも種々考えられる。
図1(b)は、
図1(a)に示した太陽光セル1のA−A線上にとった一部の断面図であり、各層の構成とフィンガー電極とを断面で示している。
【0023】
図1(a),(b)に示されるような太陽光セル1では、フィンガー電極10、バスバー電極11が反射防止膜6で被覆されたセル面より上方に突出した形状になっているが、製品としては、電極の高さを規定値とすることが必要とされ、そのためには製造段階で電極の高さを計測する必要がある。
【0024】
図2(a)は1つの電極10の断面形を示しており、太陽光セルの上面側の反射防止膜6より突出する部分が幅w、高さhの矩形形状となっているものである。
図2(b)は電極10の断面形状が台形になっている場合を示している。これらの断面形状は、製品の所定の製造工程でどのようになるかを予めサンプル調査を行う等により確認しておく。
【0025】
フィンガー電極10のような突起ないし突条の高さの計測について以下説明する。計測手法としては、照明光を照射された太陽光セル面を撮像装置で撮影して得られた画像を用いて電極の高さを求める例と、太陽光セルにレーザーを照射し電極での散乱光を検出し得られた光強度分布から電極の高さを求める例について説明する。
【0026】
(1)画像の撮影による高さの計測
図3は画像の撮影により太陽光セル1面上に突出するフィンガー電極の高さを測定する装置の形態を示す概略図である。太陽光セル1は水平な載置台(図示せず)上に載置されており、太陽光セル面を撮影するカメラ20が太陽光セル1の面に対して撮影光軸が角度θをなすように所定位置に設置されている。カメラ20はCCD等の撮像素子により撮影するものであり、撮影レンズは焦点深度の浅いものを用いる。
【0027】
カメラ20での撮影で取得された画像信号はケーブルで接続された画像処理装置30に移送され、画像処理がなされる。40は撮影時に太陽光セル1面に照明光Lを照射する照明光源であり、照明光Lはその基準方向が太陽光セル1面への法線に関してカメラ20側にあるように照明光源40を設置する。
【0028】
このようにカメラ20、照明光源40を設置して、照明光下において太陽光セル1を撮影することにより、
図4のような画像が得られる。カメラ20の撮影レンズの焦点深度が浅いことにより、照明光下での特定の1つの電極のみに合焦した画像がハイライト部Hとして得られ、その前後の電極は画像中には現れず、また、太陽光セル1面の上側の反射防止膜は微細な凹凸があり、反射光光量も少なく、基本的にカメラ20と反対側の向きに反射するので、カメラ20側には反射光がほとんど来ない。そのため、
図4における電極の画像となるハイライト部以外は暗い背景部となる。
【0029】
画像をもとに計測を正確に行う上で、太陽光セル面と電極とのコントラストが高い画像となることが必要であり、照明光源40としてはそのようなコントラストの高いものが得られるようにすることが課せられる。電極は金属製であり、どの波長の光でも反射するが、セルは長波長光を吸収するものが多いことから、赤色系の光とするのがよい。また、セル表面の反射率の角度依存性にもよるが、照明光の指向性を高めるように、コリメータレンズで擬似平行光とするのが好ましい。
【0030】
図4における画像上でのハイライト部Hの幅を求めることにより、電極の高さが得られる。
図4における画像はハイライト部Hと背景部とのほぼ2値的な画像になるが、実際には境界部分においてある程度の勾配をもって輝度が変化するのであり、ハイライト部の方向(
図4で横方向)に直交する方向(幅方向)が電極の高さに対応する方向になり、これをX方向として、X方向での輝度分布を示すと、
図5のようになる。縦方向を輝度BRとすると、ハイライト部の大部分は最大輝度B
0となっているが、その幅の両側では急激な勾配で輝度が増大、減少するようになっている。
【0031】
このことから、予め輝度の閾値B
thを決めておき、輝度BRが閾値B
thとなる箇所のX方向座標をX
1、X
2とし、このX
1、X
2間の距離を
図4の電極の画像における幅dとするのが妥当である。X
1、X
2間の撮影画面上における距離dはX
1、X
2に相当する画像の間の画素数、すなわち閾値B
thを超える画素数を計数して得られた画素数の値を用いて求めることができる。撮影のために設置されたカメラの撮像素子に関して、画素の寸法、画素間の距離は既定のものであり、また、設置されたカメラと、被写体である電極との位置関係から、カメラの撮影光学系による結像の倍率も既定値となるので、得られた電極画像の幅dと結像の倍率とから、電極の幅に相当する値を求めることができる。
【0032】
実際に閾値を決めるに際しては、実測に合う形でいくつかの決め方があり、例えば、最大輝度B0に対する割合が何%となる値とする、最小輝度から何%以上となる値とする、あるいは、半値幅とするようにすることができる。また、セルの表面側(電極の上側)と界面側(電極の下側)とでは輝度の変化が異なり、界面側では表面側よりも滑らかな輝度変化となることがあるため、それぞれの端側で閾値規定の異なる基準を設けることが適切な場合がある。
【0033】
また、他にサブピクセルまで求める方法として、2次微分が0となる点(ゼロクロス)を求めることが有効なものとなる。これについて
図6(a),(b)を参照して説明する。
図6(a)は実測で得られた太陽光セル面上のフィンガー電極を含む部分の画像における輝度分布を横座標に画素をとって示している。
図6(b)は(a)の輝度分布をもとに2次微分を横座標に画素をとって示したものである。2次微分0は(a)のグラフの変曲点に対応し、2個より多くあり得るが、
図4のような画像におけるハイライト部の幅に相当するものとしては、両端側の2個のゼロクロス点を採用し、これをそれぞれの側の閾値とする。
【0034】
図4のような画像として得られる電極の高さを求めるに際して、画像におけるハイライト部の幅に相当する量を、画素数を計数して求めるのであるが、画像におけるハイライト部の占める範囲が非常に小さい場合に、画像処理の操作を画面全体に対して行うことは、実際問題として非効率的になることが多くある。その場合に画像処理を行うに際し画像全体を対象とするのでなく、計測対象となるハイライト部近傍を選択し、あるいは場合によっては、エッジ位置の部分を選択して画像処理を行うようにしてもよい。これらについては、ロバスト性との兼ね合いで適宜選択的に実施することができる。
【0035】
画素の寸法、画素間の距離が知られていないカメラの場合に、電極の幅に相当する値を求めるために、カメラとの位置関係で撮影される電極の位置と同じ位置になるように標準尺の目盛を配置してカメラで撮影し、標準尺の目盛の画像上での寸法を記憶手段に記憶しておき、撮影で得られた画像上の電極の幅と標準尺の目盛とを対比する演算を行うことによるものとすることもできる。この場合にも、画像上での長さは画素数の計数を用いることで得られる。
【0036】
図3に示されるフィンガー電極の高さを測定する装置の形態において、太陽光セルの面とカメラの撮影光軸との角度θは小さいものとしてあり、撮影により得られた画像の幅dは実質的に太陽光セル上の電極の高さに即したものであると言えるが、実際にはこの角度θがそれほど小さくなければ、画像上での幅dは電極の幅そのものには対応しなくなると考えられる。
【0037】
この点について
図7(a)に関連して説明すると、矩形の斜線部分は電極の断面を示しており、PQの側の側面が撮影される範囲となっている。上辺側は照明光による反射光がカメラ側には向かないので、撮影画像には寄与しない。カメラの撮影光軸は太陽光セルの面に対して角度θをなしているので、撮影される部分の高さは、撮影光軸に垂直な方向における部分に相当する大きさD、すなわち、h・cosθになる。この値はθが小さければほぼ1となるが、θがある程度の大きさであると、上述のように求められた高さをさらに1/cosθ倍して補正したものを高さとする必要がある。
【0038】
このように、カメラの撮影光軸が太陽光セルの面に対して傾斜する角度θをできるだけ小さくする方が高さを求める上でよいとも言えるが、θが非常に小さくほぼ0になると、
図3の測定形態において見られるように、複数の電極が前後にある場合に、対象となる電極よりカメラ側にある電極により撮影光が一部遮られることになり、正確な測定ができなくなる。また、θが大きくなると、撮影画面には電極の上面の反射光も取り込まれて、電極の側面のみの画像とは見られなくなることから、θについては上限がある。このように、太陽光セル面に対する撮影光軸の角度として適切な範囲は限られるものになり、実際には1〜40°の範囲とすべきであり、好ましくは3〜10°の範囲とするのがよい。
【0039】
図7(b)は電極の断面が矩形でなく
図2(b)のように台形形状になっていて、側面が太陽光セル面への法線に対して傾斜している場合の高さの計測に関して説明する図である。台形の側面が法線となす角度をαとすると、α>θの場合に、撮影光軸に垂直な方向における部分に相当する大きさDはPQの長さのcos(α−θ)倍であり、高さhはPQのcosα倍であるから、大きさDに相当するものとして撮影された画像で得られた高さに対して、実際の高さhはcosα/cos(α−θ)倍となる。したがって、前述のように撮影して得られた画像から求められた高さをcosα/cos(α−θ)倍するという演算上の操作を行うのがよい。α<θの場合には、同様に考えると、実際の高さhは撮影して得られた画像から求められた高さをcosα/cos(θ−α)倍するのがよい。電極の断面が台形となる場合の側面が太陽光セル面の法線に対してなす角度αについては、前述したように、予めサンプリング等により求めておく。
【0040】
高さを計測する対象物品面上の突起ないし突条として、太陽光セルの電極に関して説明しているが、本発明による計測手法としては太陽光セルの電極に限られることはない。一般的には物品の面上の微細な突起ないし突条の高さが計測の対象となるが、突起部ないし突条部が金属等の材質あるいは金属光沢を有するものであって、物品の他の面は反射率が低いものであるか、粗面状になっており、計測対象となる突起部ないし突条部がそれ以外の部分に対して高いコントラストを有する画像として撮影されることが条件となる。
【0041】
また、高さを計測する対象物品面上の突起ないし突条として、太陽光セル面上のフィンガー電極の場合、高さが10μm以上のもの、特に30〜40μmのものが計測するのに適切な範囲のものとなり、上限は200μm程度になる。
【0042】
撮影するカメラはフィンガー電極のような微細な突起ないし突条についての画像上で像を識別可能な解像度を有することが必要であり、解像度が最低でも10μm/dotを有すること、好ましくは1〜2μm/dotの範囲とするのがよい。0.5μm/dot以下では光波長以下になり、検出が困難であると考えられる。また、サブピクセルの考え方では、画素あたりの解像度が1μm程度であっても、サブミクロンまでの突起の高さを求めることは可能である。
【0043】
図3に示す太陽光セルの電極の高さを計測する装置においてセル面を撮影するカメラとして
図4に示される電極についての画面を撮影する一般的に使用される撮影装置を用いたものとして例示したが、高さを計測する上で
図4のような画面全体として撮影することは必ずしも必要ではない。画像処理を行うに際し画像全体を対象とするのでなく、計測対象となるハイライト部近傍を選択し、あるいは場合によっては、エッジ位置の部分を選択して画像処理を行うようにしてもよいことについては、前述したが、セル面の撮影手段としては、高さの計測のための画像データが得られるものとすればよいので、製造工程においてインラインで電極の高さを計測する場合に、
図4のようになる電極の長さ方向に対し直交する方向のライン状部分を撮像するように設定されたラインセンサにより撮像して画像データを取得することによっても前述した画像処理により電極の高さを計測することができる。
【0044】
このように、セル面を撮影する手段としては、一般的にはCCD、CMOS等の撮像素子を備えたカメラであるが、いわゆる画面を撮影するエリアセンサ型のものに限らず、一次元撮像素子によるラインセンサ型の撮像手段を用いてもよい。
【0045】
(2)散乱光の検出による高さの計測
図8は散乱光の検出により台部に載置された太陽光セル1の面上に突出するフィンガー電極の高さを測定する装置の形態を示す概略図である。50は太陽光セル1の面に対して上側に小さい角度θをなしてレーザービームを照射するレーザーであり、60はレーザービームが照射されたフィンガー電極での散乱光の強度を検出するフォトダイオード等による光検出部であり、70は光検出部60で検出された散乱光の強度データを演算処理して電極の高さを求める演算処理部である。さらに、図示されていないが、太陽光セル1を載置する台部と、レーザー50及び光検出部60とを相対的に(矢印方向に)移動させるための走査制御部が備えられる。
【0046】
太陽光セル1に対するレーザー50によるレーザービームの照射角θは1〜40°の範囲の角度とするのがよいが、3〜10°とするのがより好ましい。高さ測定時において一定とする。フォトダイオード等による光検出部60は電極での散乱光を受光する位置として、太陽光セル1面に垂直の方向またはそれよりレーザー50の側に配置する。レーザービームを照射する状態で、
図8で矢印の方向に太陽光セル1を載置した台部を移動させ走査し、その時に光検出部60で散乱光の強度を検出しデータを取得する。このような走査を太陽光セル1の全面にわたっておこない、得られた散乱光強度のデータを演算処理することにより電極の高さを求める。
【0047】
レーザービームを太陽光セル1の全面にわたって走査する際に、
図8の面に垂直方向の走査を先に行い、その後に矢印方向の走査を行うという形態をとるのが、走査に要する時間を短縮することからは有利である。この場合、レーザー50からのレーザービームを、回転するポリゴンミラーの面で反射して太陽光セル1の面を照射するようにし、ポリゴンミラーの回転により
図8の面に垂直方向の走査を行う。ポリゴンミラーにおける反射点と太陽光セル1面への入射点との距離を、太陽光セル1の面における走査範囲に対してある程度大きくとることにより、太陽光セル1面へのレーザービームの入射角θは実際上一定であるとすることができる。
【0048】
太陽光セル1における電極のピッチが2000μmである場合に、
図8で矢印方向に走査して得られた散乱光強度は、例えばθ=10°の場合の実測で得られた結果から、
図9のような分布になり、電極のピッチごとに散乱光のピークが現れ、それぞれ幅Sを有している。各ピークについて幅を特定するには、例えば半値幅とするというように予め規定しておくのであるが、ピークのプロフィールはレーザースポット径等に応じて変化し得るので、そのような条件を加味してピーク幅を求める基準を調整し定めるのがよい。
【0049】
散乱光強度分布におけるピークの幅Sから電極の高さhが求められる。レーザービームの照射が太陽光セル面に対して角度θだけ傾斜する場合に補正項としてtanθをかける必要があり、h=Stanθとなる。
図9のようなθ=10°の場合の散乱光強度分布から求められた高さは
図10のようになり、電極番号は
図9における各ピークに対応している。
【0050】
太陽光セル1の全面にわたってレーザービームの走査を行い、散乱光強度を検出することに電極の高さが求められることになり、各太陽光セルについて高さを求めるために、太陽光セル全面を走査する必要がある。
図8のように、レーザービームがセル面に対してなす角θが小さければ、セル上方からレーザービームを照射する場合に比して、それだけ矢印方向への走査に要する時間は少なくなる。ただし、角θは電極の頂部を通るレーザービームが隣の電極より手前に入射する程度の大きさとしなければならない。
【0051】
レーザー50の側から見た太陽光セル面上の電極は
図11のようになり、各電極が前後に重ならずに近接する状態となるように角θを設定すれば、
図8における矢印方向の走査距離が短くなり、走査に要する時間が短くなる。
図11で、各電極が30μm程度の高さのものであって、セル面に長さ150mmの電極が平行に75本形成されている場合のセル面の走査に要する最小の時間について考えると、1セル当たりの最小走査面積は電極長さ×電極高さ×本数として150mm×0.03mm×75本=337.5mm
2である。
【0052】
最短計測時間/1セル:10μmの分解能を実現するためには、測定点当たりの面積は10μm×10μm=100μm
2/点であり、光検出部のフォトダイオードのサンプリング点数は、3375000点/1セルとなる。周波数3.375MHzで走査のスピード33750mmが可能であれば、測定のための走査に要する時間は1s/1セルとなる。このように、セル面へのレーザービームの照射の角θを小さく設定することにより、セル面の走査に要する時間、すなわち測定に要する時間を短くすることができ、スループットが高められる。散乱光の強度分布から高さを求める手法では、レンズによる結像光学系を用いないので、ボケの影響を考える必要はない。
【0053】
このように、太陽光セル面へのレーザービームを走査した際の散乱光を測定して得られた強度分布から電極の高さを求めることにより、例えば特許文献1のように太陽光セルを面内で移動しつつ撮影し検査を行う従来の検査手法に比し、計測に要する時間が格段に短縮することができ、回転ポリゴンミラーにより主走査を行う場合には、さらに計測時間を短縮することができるものである。