(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
25℃における誘電率異方性(Δε)が−2.0から−8.0の範囲であり、20℃における屈折率異方性(Δn)が0.08から0.14の範囲であり、20℃における粘度(η)が10から30mPa・sの範囲であり、20℃における回転粘性(γ1)が60から130mPa・sの範囲であり、ネマチック相−等方性液体相転移温度(Tni)が60℃から120℃の範囲である請求項1から9のいずれか1項に記載の液晶組成物。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の液晶組成物は、一般式(I−IV)で表される化合物を1種又は2種以上含有する。
【0030】
一般式(I−IV)において、式中のR
IV1及びR
IV2は、粘度を低下させる為には、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが更に好ましく、炭素原子数2〜4のアルキル基又は炭素原子数2〜4のアルケニル基であることが特に好ましい。また、直鎖状であることが好ましい。
【0031】
本発明の液晶組成物は、一般式(I−IV)で表される化合物として一般式(I−V)及び一般式(I−V1)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
【0033】
一般式(I−V)及び一般式(I−V1)において、式中のR
V及びR
V1は、粘度を低下させる為には、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることが更に好ましく、炭素原子数2〜4のアルキル基又は炭素原子数2〜4のアルケニル基であることが特に好ましい。また、直鎖状であることが好ましい。更に詳述すると、R
Vは炭素原子数2のアルケニル基であることが好ましく、R
V1は炭素原子数3のアルケニル基であることが好ましい。すなわち、一般式(I−V)及び一般式(I−V1)の側鎖は左側と右側が同じであることも好ましい。粘度を低下させるためにはR
V又はR
V1はアルケニル基であることが好ましい。
【0034】
一般式(I−V)及び一般式(I−V1)で表される化合物のうちいずれか一方を少なくとも1種以上含有してもよいし、一般式(I−V)及び一般式(I−V1)で表される化合物の両方をそれぞれ1種以上含有してもよい。更に具体的には、低い粘度又は低い回転粘性を得るためには一般式(I−V)をより多く含有することが好ましく、大きな弾性定数を得るためには一般式(I−V1)をより多く含有することが好ましく、応答速度の速い液晶表示素子を得るためには、これらを同時にできる限り多く含有することが好ましい。
【0035】
また、一般式(I−IV)で表される化合物として以下の式(I−IV−1)から式(I−IV−6)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0037】
液晶組成物において、一般式(I−IV)で表される化合物群から選ばれる化合物を3から70質量%含有することが好ましく、10から70質量%であることが好ましく、20から60質量%であることが更に好ましく、20から50質量%であることが特に好ましい。更に詳述すると、低い粘度又は低い回転粘性を得るにはその含有量は25から55質量%が好ましいが、低温における析出の抑制を重視する場合にはその含有量は3から40質量%が好ましい。
【0038】
より具体的には、一般式(I−IV)で表される化合物の含有量は、組成物中に下限値として、1質量%(以下組成物中の%は質量%を表す。)以上含有することが好ましく、2%以上含有することが好ましく、5%以上含有することが好ましく、8%以上含有することが好ましく、10%以上含有することが好ましく、13%以上含有することが好ましく、15%以上含有することが好ましく、18%以上含有することが好ましく、20%以上含有することが好ましく、23%以上含有することが好ましく、25%以上含有することが好ましく、28%以上含有することが好ましく、30%以上含有することが好ましく、33%以上含有することが好ましく、35%以上含有することが好ましく、40%以上含有することが好ましく、45%以上含有することが好ましく、50%以上含有することが好ましい。また、上限値として、80%以下含有することが好ましく、70%以下含有することが好ましく、70%以下含有することが好ましく、65%以下含有することが好ましく、60%以下含有することが好ましく、58%以下含有することが好ましく、55%以下含有することが好ましく、53%以下含有することが好ましく、50%以下含有することが好ましく、48%以下含有することが好ましく、45%以下含有することが好ましく、43%以下含有することが好ましく、40%以下含有することが好ましく、38%以下含有することが好ましく、35%以下含有することが好ましく、33%以下含有することが好ましく、30%以下含有することが好ましい。
【0039】
本発明の液晶組成物は、一般式(I)で表される化合物を少なくとも1種以上含有する。
【0041】
一般式(I)において、R
1は光劣化防止能を高めるには水素原子、−O・、−OHであることが好ましく、水素原子又は−OHであることが更に好ましく、水素原子が特に好ましい。また、液晶組成物との相溶性を高めるためには炭素原子数1〜12の無置換のアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基又は炭素原子数3〜12のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜8の無置換のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数3〜8のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜4の無置換のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基又は炭素原子数3又は4のアルケニル基であることが更に好ましい。また、直鎖状であることが好ましい。
R
2,R
3,R
4及びR
5はそれぞれ独立して炭素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましく、無置換のアルキル基であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。R
2,R
3,R
4及びR
5のいずれか1個以上がメチル基であることが更に好ましく、R
2,R
3,R
4及びR
5の全てがメチル基を表すことが特に好ましい。また、R
2とR
3,及び/又はR
4とR
5は互いに結合して環構造を形成してもよい。
【0042】
R
6及びR
7は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましく、製造の容易さから水素原子であることが特に好ましい。
【0043】
n
1は1〜6の整数を表し、M
1は1〜6価の有機基を表し、M
1の価数はn
1が表す数と同じ数であるが、n
1は3であり、M
1は3価の有機基であることが好ましい。
【0044】
n
1は3を表す場合、M
1は一般式(I−M)
【0046】
(式中の、Z
1、Z
2及びZ
3はそれぞれ独立して−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−NH−又は単結合を表す。
Sp
1、Sp
2及びSp
3はそれぞれ独立して単結合又は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し、該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−OCF
2−又は−CF
2O−に置換されてもよい。
Aは
【0048】
(式中の、R
8は、水素原子、−OH又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−、−O−CO−に置換されてもよい。また、環状構造中の水素原子はハロゲン原子又はシアノ基で置換されていてもよい。)
から選ばれる基を表す。)
で表される構造であることが、液晶組成物との相溶性および保存安定性を高めるためには好ましい。
【0049】
ここで、製造の容易さ、および原料の入手容易さより、Z
1、Z
2及びZ
3の少なくとも1個以上は−O−、−CO−O−又は単結合を表すことが好ましく、Z
1、Z
2及びZ
3の全てが−O−、−CO−O−又は単結合を表すことが特に好ましい。また、Sp
1、Sp
2及びSp
3は、単結合又は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表すことが好ましく、単結合又は炭素原子数1〜8のアルキレン基を表すことが好ましく、単結合又は炭素原子数1〜4のアルキレン基を表すことがより好ましい。該アルキレン基は無置換であるか、又はアルキレン基中に存在する1個又は2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−O−、−CO−、−CO−O−又は−O−CO−に置換されていることが好ましく、無置換であることがより好ましい。具体的には、Sp
1、Sp
2及びSp
3は、−CO−、−CH
2−CO−、−CH
2−CH
2−CO−、−CH
2−O−、−CH
2−CH
2−O−、−CH
2−CH
2−CH
2−O−、−CH
2−O−CO−、−CH
2−CH
2−O−CO−、−CH
2−CH
2−CH
2−O−CO−、炭素原子数1〜4の無置換のアルキレン基又は単結合であることが特に好ましい。
【0050】
また、−Sp
1−Z
1−、−Sp
2−Z
2−及び−Sp
2−Z
2−は、それぞれ独立して−CO−O−、−CH
2−CO−O−、−CH
2−CH
2−CO−O−、−CH
2−CH
2−−CH
2−CO−O−、−CH
2−O−、−CH
2−CH
2−O−、−CH
2−CH
2−CH
2−O−、−CH
2−O−CO−O−、−CH
2−CH
2−O−CO−O−又は−CH
2−CH
2−CH
2−O−CO−O−であることが好ましく、−CO−O−、−CH
2−CO−O−又は−CH
2−CH
2−CO−O−であることがより好ましい。
【0053】
(式中の、R
8は、水素原子、−OH又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−又は−O−CO−に置換されてもよい。)で表される構造であることが、液晶組成物との相溶性および保存安定性を高めるためにはより好ましい。ここで、製造の容易さ、および原料の入手容易さより、R
8は、水素原子、−OH、炭素原子数2〜10のアルキル基、−O−CO−R
9(R
9は炭素原子数1〜9のアルキル基を表す)が好ましく、水素原子を表すことが特に好ましい。
【0054】
一般式(I)としてn
1が3を表す化合物は、以下の一般式(I−a)で表される化合物であることが好ましい。
【0056】
(式中の、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7はそれぞれ独立的に一般式(I)中のR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7と同じ意味を表す。Aは一般式(I−M)中のAと同じ意味を表す。Z
I1は−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NH−及び単結合を表す。Sp
I1は単結合又は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表す。複数存在するR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、Z
I1及びSp
I1は同一であっても異なっていてもよい。)
Z
I1は−O−、−CO−O−、単結合を表すことが好ましい。Sp
I1は単結合又は炭素原子数1〜4の無置換のアルキル基を表すことが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0057】
また、一般式(I)としてn
1が3を表す化合物は、一般式(I−a.1)で表される化合物であることが好ましい。
【0059】
(式中、R
H3、R
H4及びR
H5は、それぞれ独立して一般式(I)中のR
1と同じ意味を表す。n
H1及びn
H2はそれぞれ独立して0から4の整数を表す。)
一般式(I−a.1)中、R
H3、R
H4及びR
H5は、水素原子であることが特に好ましい。アルキル基である場合は炭素原子数1から8であることが好ましく、炭素原子数1から5であることが好ましく、炭素原子数1から3であることが好ましく、炭素原子数1であることが更に好ましい。
【0060】
本発明の一般式(I)に示す化合物の好ましい化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0061】
一般式(I)としてn
1が3を表す化合物は、一般式(I−a1)〜(I−a14)で表される化合物が特に好ましい。
【0064】
(式中のR
11、R
12及びR
13は、それぞれ独立して一般式(I)中のR
1と同じ意味を表す。)
より具体的には、一般式(I−a1−1)〜一般式(I−a6−1)で表される化合物が好ましい。
【0066】
また、一般式(I)で表される化合としては、以下の一般式(I−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0068】
一般式(I−1)中、R
HSは、それぞれ独立的に水素原子又は炭素原子数1から10のアルキル基を表すが、水素原子であることが特に好ましい。アルキル基である場合は炭素原子数1から8であることが好ましく、炭素原子数1から5であることが好ましく、炭素原子数1から3であることが好ましく、炭素原子数1であることが更に好ましい。R
HSが複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
【0069】
M
HSはn
HSが1を表す場合炭素原子数1から15のアルキル基を表し、n
HSが2から6の整数を表す場合炭素原子数1から15のアルキレン基を表し、M
HS中に存在する1個以上の−CH
2−は−O−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−、−OCO−、−COO−、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基で置換されてもよいが、液晶組成物へ与える粘性や自身の揮発性を考慮すると、M
HSは炭素原子数2から10のアルキル基又はアルキレン基が好ましく、炭素原子数2から8のアルキル基又はアルキレン基が好ましく、炭素原子数4から8のアルキル基又はアルキレン基が好ましく、炭素原子数6又は8のアルキル基又はアルキレン基が好ましい。M
HSは直鎖状であっても分岐していてもよい。
【0070】
n
HSは1から6の整数を表すが、2から4であることが好ましい。
【0071】
n
HSが1を表す場合、一般式(I−1)で表される化合物は、一般式(I−11)又は一般式(I−12)で表される化合物であることが好ましい。
【0073】
(式中、R
H11は、それぞれ独立的に水素原子又は炭素原子数1から10のアルキル基を表し、Mは炭素原子数1から13のアルキレン基を表す。)
【0075】
(式中、R
H12及びR
113は、それぞれ独立的に水素原子又は炭素原子数1から10のアルキル基を表す。)
n
HSが2を表す場合、一般式(I−1)で表される化合物は、一般式(I−2)で表される化合物であることが好ましい。
【0077】
(式中、R
H1及びR
H2は、それぞれ独立的に水素原子又は炭素原子数1から10のアルキル基を表し、Mは炭素原子数1から15のアルキレン基を表すが、M中に存在する1個以上の−CH
2−は−O−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−、−OCO−、−COO−、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基で置換されてもよい。)
一般式(I−2)中、R
H1及びR
H2は、水素原子であることが特に好ましい。アルキル基である場合は炭素原子数1から8であることが好ましく、炭素原子数1から5であることが好ましく、炭素原子数1から3であることが好ましく、炭素原子数1であることが更に好ましい。
一般式(I−2)中、Mは炭素原子数1から15のアルキレン基を表すが、液晶組成物へ与える粘性や自身の揮発性を考慮すると、Mは炭素原子数2から10のアルキレンが好ましく、炭素原子数4から8のアルキレンが好ましく、炭素原子数6又は8のアルキレンが好ましい。
具体的には、一般式(I−24)、一般式(I−26)及び一般式(I−28)で表される化合物が挙げられる。これらの式中のR
H1及びR
H2は先述のとおりである。
【0079】
更に詳述すると、一般式(I−24H)、一般式(I−26H)及び一般式(I−28H)で表される化合物が挙げられるが、一般式(I−28H)で表されるビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートが最も適切である。
【0081】
また、n
HSが3から6の整数を表す場合、一般式(I−1)で表される化合物は、一般式(I−3)で表される化合物であることが好ましい。一般式(I−3)で表される化合物は有効アミン濃度が高いため、より効果的に作用する化合物である。また、一般式(I−1)で表される化合物において、分子量の小さいものは、液晶表示素子中の配向膜に吸着してしまい、表示ムラを誘発するケースが多いが、一般式(I−3)で表される化合物は分子量が大きくなるため、表示ムラの誘発を防止することができる。
【0083】
(式中、R
H3、R
H4及びR
H5は、それぞれ独立的に水素原子又は炭素原子数1から10のアルキル基を表す。n
H1及びn
H2はそれぞれ独立的に0又は1を表す。n
H3は1から4の整数を表す。n
H3が2,3又は4であり、R
H5が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
一般式(I−3)中、R
H3、R
H4及びR
H5は、水素原子であることが特に好ましい。アルキル基である場合は炭素原子数1から8であることが好ましく、炭素原子数1から5であることが好ましく、炭素原子数1から3であることが好ましく、炭素原子数1であることが更に好ましい。
【0084】
一般式(I−3)中、n
H3は1を表すことが好ましい。具体的には、前記一般式(I−a1)〜(I−a6)で表される化合物が挙げられる。 また、一般式(I−3)中、n
H3は2を表すことが好ましい。具体的には、一般式(I−31)及び一般式(I−32)で表される化合物が挙げられる。これらの式中のR
H3、R
H4及びR
H5は先述のとおりである。
【0087】
より具体的には、一般式(I−32H)で表される化合物が好ましい。
【0089】
なお、一般式(I)で表される化合物は、ヘテロ原子同士が直接結合する構造を含まない。
【0090】
液晶組成物において、一般式(I)で表される化合物を2種以上含有することが好ましい。具体的には、一般式(I−2)、一般式(I−31)、一般式(I−32)、一般式(I−a)で表される化合物群から選択される化合物を2種以上含有することが好ましく、一般式(I−2)及び一般式(I−31)、一般式(I−2)及び一般式(I−32)、一般式(I−2)及び一般式(I−a)、一般式(I−31)及び一般式(I−a)、一般式(I−32)及び一般式(I−a)から選ばれる組み合わせから選択される化合物を含有することが好ましい。
【0091】
液晶組成物において、一般式(I)で表される化合物を、組成物中に下限値として、0.01%以上含有することが好ましく、0.02%以上含有することが好ましく、0.03%以上含有することが好ましく、0.05%以上含有することが好ましく、0.07%以上含有することが好ましく、0.1%以上含有することが好ましく、0.15%以上含有することが好ましく、0.2%以上含有することが好ましく、0.25%以上含有することが好ましく、0.3%以上含有することが好ましく、0.5%以上含有することが好ましく、1%以上含有することが好ましい。また、上限値として5%以下含有することが好ましく、3%以下含有することが好ましく、1%以下含有することが好ましく、0.5%以下含有することが好ましく、0.45%以下含有することが好ましく、0.4%以下含有することが好ましく、0.35%以下含有することが好ましく、0.3%以下含有することが好ましく、0.25%以下含有することが好ましく、0.2%以下含有することが好ましく、0.15%以下含有することが好ましく、0.1%以下含有することが好ましく、0.07%以下含有することが好ましく、0.05%以下含有することが好ましく、0.03%以下含有することが好ましい。
【0092】
より具体的には、0.01から5質量%含有することが好ましく、0.01から0.3質量%であることが好ましく、0.02から0.3質量%であることが更に好ましく、0.05から0.25質量%であることが特に好ましい。更に詳述すると、低温における析出の抑制を重視する場合にはその含有量は0.01から0.1質量%が好ましい。
【0093】
本発明の液晶組成物は、一般式(LC3)〜一般式(LC5)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
【0095】
(式中、R
LC31、R
LC32、R
LC41、R
LC42、R
LC51及びR
LC52はそれぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基又は炭素原子数2〜15のアルケニル基を表し、該基中の1つ又は2つ以上の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−O−又は−S−に置換されても良く、また、R
LC31、R
LC32、R
LC41、R
LC42、R
LC51及びR
LC52中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子又は塩素原子に置換されてもよい。A
LC31、A
LC32、A
LC41、A
LC42、A
LC51及びA
LC52はそれぞれ独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表す。Z
LC31、Z
LC32、Z
LC41、Z
LC42、Z
LC51及びZ
LC52はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−COO−、−OCO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表す。Z
5は−CH
2−又は酸素原子を表す。X
LC41は水素原子又はフッ素原子を表し、m
LC31、m
LC32、m
LC41、m
LC42、m
LC51及びm
LC52はそれぞれ独立して0〜3を表し、m
LC31+m
LC32、m
LC41+m
LC42及びm
LC51+m
LC52は1、2又は3であり、A
LC31〜A
LC52、Z
LC31〜Z
LC52が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
一般式(LC3)〜一般式(LC5)で表される化合物は、誘電率異方性(Δε)が負でその絶対値が3よりも大きな化合物であることが好ましい。
【0096】
一般式(LC3)〜一般式(LC5)において、R
LC31、R
LC41、R
LC51は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシル基、炭素原子数2から7のアルケニル基、炭素原子数2から7のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1から5のアルコキシル基、炭素原子数2から5のアルケニル基又は炭素原子数2から5のアルケニルオキシ基がより好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数2から5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2から5のアルキル基又は炭素原子数2から3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。R
LC32、R
LC42、R
LC52は、それぞれ独立して、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシル基、炭素原子数2から7のアルケニル基、炭素原子数2から7のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1から5のアルコキシル基、炭素原子数2から5のアルケニル基又は炭素原子数2から5のアルケニルオキシ基がより好ましく、炭素原子数1から4のアルコキシル基が更に好ましい。R
LC31、R
LC32、R
LC41、R
LC42、R
LC51及びR
LC52がアルケニル基の場合、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点は環との連結点を表す。)
【0098】
A
LC31、A
LC32、A
LC41、A
LC42、A
LC51及びA
LC52はそれぞれ独立して1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基を表すことが好ましい。
【0099】
Z
LC31〜Z
LC51はそれぞれ独立して単結合、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−、−CF
2O−、−OCF
2−又は−OCH
2−が好ましい。
【0100】
m
LC31、m
LC32、m
LC41、m
LC42、m
LC51及びm
LC52はそれぞれ独立して1又は2を表すことが好ましい。
【0101】
一般式(LC3)として、以下の一般式(II−1)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0103】
(式中、R
21及びR
22は、それぞれ独立して炭素原子数1から10のアルキル基、炭素原子数1から10のアルコキシル基、炭素原子数2から10のアルケニル基又は炭素原子数2から10のアルケニルオキシ基を表し、R
21及びR
22中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−O−又は−S−に置換されても良く、また、R
21及びR
22中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子又は塩素原子に置換されてもよい。A
21は、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表す。Z
21は−OCH
2−、−CH
2O−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2CH
2−又は−CF
2CF
2−を表す。Z
22は−OCH
2−、−CH
2O−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−又は単結合を表すが、R
21と直接結合するZ
22は単結合を表す。m
21は1、2又は3を表し、A
21及びZ
22が複数存在する場合、それらは同一であっても、異なっていてもよい。)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。 一般式(II−1)で表される化合物は、誘電率異方性(Δε)が負でその絶対値が3よりも大きな化合物であることが好ましい。
【0104】
一般式(II−1)中、R
21は、炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1から5のアルコキシル基、炭素原子数2から5のアルケニル基又は炭素原子数2から5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数2から5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2から5のアルキル基又は炭素原子数2から3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。R
22は、炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1から5のアルコキシル基、炭素原子数2から5のアルケニル基又は炭素原子数2から5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1から4のアルコキシル基が更に好ましい。
R
21、及びR
22がアルケニル基の場合、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点は環との連結点を表す。)
【0106】
一般式(II−1)中、A
21はトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すが、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基が好ましい。
Z
21は、−OCH
2−、−CH
2O−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2CH
2−又は−CF
2CF
2−を表すが、−CH
2O−、−CF
2O−、−CH
2CH
2−、又は−CF
2CF
2が好ましく、−CH
2O−、又は−CH
2CH
2−が更に好ましく、−CH
2O−が特に好ましい。
Z
22は、−OCH
2−、−CH
2O−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−又は単結合を表すが、−CH
2O−、−CF
2O−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−又は単結合が好ましく、−CH
2O−、−CH
2CH
2−又は単結合が更に好ましく、−CH
2O−又は単結合が特に好ましい。但し、R
21と直接結合するZ
22は、単結合を表す
m
21は1、2又は3を表し、A
21及びZ
22が複数存在する場合、それらは同一であっても、異なっていてもよい。)
一般式(II−1)で表される化合物は、一般式(II−1A)又は一般式(II−1B)で表される化合物であることが好ましい。
【0108】
(式中、R
21、R
22、A
21及びZ
21は、それぞれ独立的に一般式(II−1)におけるR
21、R
22、A
21及びZ
21と同じ意味を表す。)
【0110】
(式中、B
21はトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表す。R
21、R
22、A
21及びZ
21は、それぞれ独立的に一般式(II−1)におけるR
21、R
22、A
21及びZ
21と同じ意味を表す。)
一般式(II−1A)で表される化合物としては、下記一般式(II−1A−1)〜一般式(II−1A−4)で表される化合物が好ましく、一般式(II−1A−1)で表される化合物、及び一般式(II−1A−4)で表される化合物であることがより好ましく、一般式(II−1A−1)で表される化合物が更に好ましい。
【0112】
(式中、R
21及びR
22は、それぞれ独立的に一般式(II−1)におけるR
21及びR
22と同じ意味を表す。)
一般式(II−1B)で表される化合物としては、下記一般式(II−1B−1)〜一般式(II−1B−6)で表される化合物であることが好ましく、一般式(II−1B−1)、一般式(II−1B−3)で表される化合物、及び一般式(II−1B−6)で表される化合物であることがより好ましく、一般式(II−1B−1)で表される化合物、及び一般式(II−1B−3)で表される化合物であることが更に好ましい。
【0114】
(式中、R
21及びR
22は、それぞれ独立的に一般式(II−1)におけるR
21及びR
22と同じ意味を表す。)
本発明の液晶組成物は、一般式(II−1A)及び一般式(II−1B)で表される化合物のうちいずれか一方を少なくとも1種以上含有してもよいし、一般式(II−1A)及び一般式(II−1B)で表される化合物の両方をそれぞれ1種以上含有してもよい。本発明の液晶組成物は、一般式(II−1A)及び一般式(II−1B)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましく、2種から10種含有することがより好ましい。
【0115】
更に詳述すると、一般式(II−1A)及び一般式(II−1B)は一般式(II−1A−1)及び一般式(II−1B−1)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが好ましく、一般式(II−1A−1)で表される化合物及び一般式(II−1B−1)で表される化合物の組み合わせであることがより好ましい。
【0116】
一般式(II−1)で表される化合物の含有量は10から90質量%であることが好ましく、20から80質量%が更に好ましく、20から70質量%が更に好ましく、20から60質量%が更に好ましく、20から55質量%が更に好ましく、25から55質量%が更に好ましく、30から55質量%が特に好ましい。
【0117】
より具体的には、一般式(II−1)で表される化合物の含有量は、組成物中に下限値として、1質量%(以下組成物中の%は質量%を表す。)以上含有することが好ましく、5%以上含有することが好ましく、10%以上含有することが好ましく、13%以上含有することが好ましく、15%以上含有することが好ましく、18%以上含有することが好ましく、20%以上含有することが好ましく、23%以上含有することが好ましく、25%以上含有することが好ましく、28%以上含有することが好ましく、30%以上含有することが好ましく、33%以上含有することが好ましく、35%以上含有することが好ましく、38%以上含有することが好ましく、40%以上含有することが好ましい。また、上限値として、95%以下含有することが好ましく、90%以下含有することが好ましく、88%以下含有することが好ましく、85%以下含有することが好ましく、83%以下含有することが好ましく、80%以下含有することが好ましく、78%以下含有することが好ましく、75%以下含有することが好ましく、73%以下含有することが好ましく、70%以下含有することが好ましく、68%以下含有することが好ましく、65%以下含有することが好ましく、63%以下含有することが好ましく、60%以下含有することが好ましく、55%以下含有することが好ましく、50%以下含有することが好ましく、40%以下含有することが好ましい。
【0118】
一般式(LC3)として、一般式(II−2)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
【0120】
(式中、R
25及びR
26は、それぞれ独立して炭素原子数1から10のアルキル基、炭素原子数1から10のアルコキシル基、炭素原子数2から10のアルケニル基又は炭素原子数2から10のアルケニルオキシ基を表し、R
25及びR
26中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−O−又は−S−に置換されても良く、また、R
25及びR
26中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子又は塩素原子に置換されてもよい。A
23はトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表す。n
21は1、2又は3を表し、A
23が複数存在する場合、それらは同一であっても、異なっていてもよい。)
一般式(II−2)中、R
25は、それぞれ独立して炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1から5のアルコキシル基、炭素原子数2から5のアルケニル基又は炭素原子数2から5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数2から5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2から5のアルキル基又は炭素原子数2から3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。R
26は、それぞれ独立して炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1から5のアルコキシル基、炭素原子数2から5のアルケニル基又は炭素原子数2から5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1から4のアルコキシル基が更に好ましい。R
25、及びR
26がアルケニル基の場合、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点は環との連結点を表す。)
【0122】
A
23は1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基を表すことが好ましい。
【0123】
n
21は1又は2を表すことが好ましい。
【0124】
一般式(II−2)で表される化合物は、一般式(II−2A)又は一般式(II−2B)で表される化合物であることが好ましい。
【0126】
(式中、R
25、R
26及びA
23は、一般式(II−2)におけるR
25、R
26及びA
23と同じ意味を表す。)
【0128】
(式中、B
23はトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表す。R
25、R
26及びA
23は、それぞれ独立して一般式(II−2)におけるR
25、R
26及びA
23と同じ意味を表す。)
一般式(II−2A)で表される化合物としては、下記一般式(II−2A−1)及び一般式(II−2A−2)で表される化合物が好ましく、一般式(II−2A−2)で表される化合物より好ましい。
【0130】
(式中、R
25及びR
26は、一般式(II−2)におけるR
25及びR
26と同じ意味を表す。)
一般式(II−2B)で表される化合物としては、下記一般式(II−2B−1)〜一般式(II−2B−3)で表される化合物であることが好ましく、一般式(II−2B−1)及び一般式(II−2B−2)で表される化合物であることが更に好ましく、一般式(II−2B−2)で表される化合物であることが特に好ましい。
【0132】
(式中、R
25及びR
26は、一般式(II−2)におけるR
25及びR
26と同じ意味を表す。)
また、一般式(LC3)として、下記一般式(LC3−b)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
【0134】
(式中、R
LC31、R
LC32、A
LC31、A
LC32及びZ
LC31は、一般式(LC3)におけるR
LC31、R
LC32、A
LC31、A
LC32及びZ
LC31と同じ意味を表し、X
LC3b1〜X
LC3b4は水素原子又はフッ素原子を表すが、X
LC3b1及びX
LC3b2又はX
LC3b3及びX
LC3b4のうちの少なくとも一方の組み合わせは共にフッ素原子を表し、m
LC3b1は0又は1を表す。ただし、一般式(LC3−b)において、一般式(II−1)及び一般式(II−2)で表される化合物は除く。)で表される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
【0135】
一般式(LC3−b)としては、下記一般式(LC3−b1)〜一般式(LC3−b10)を表すことが好ましく、一般式(LC3−b1)、一般式(LC3−b3)及び一般式(LC3−b4)を表すことがより好ましく、一般式(LC3−b1)を表すことがより好ましい。本発明の液晶組成物は、一般式(LC3−b1)で表される化合物を必ず含有することが好ましい。
【0137】
(式中、R
LC33及びR
LC34はそれぞれ独立して炭素原子数1から8のアルキル基、炭素原子数1から8のアルコキシル基、炭素原子数2から8のアルケニル基又は炭素原子数2から8のアルケニルオキシル基を表す。)
R
LC33及びR
LC34の組み合わせは特に限定されないが、両方がアルキル基を表すもの、両方がアルケニル基を表すもの、いずれか一方がアルキル基を表し、他方がアルケニル基を表すもの、いずれか一方がアルキル基をあらわし、他方がアルコキシを表すもの、及びいずれか一方がアルキル基をあらわし、他方がアルケニルオキシ基を表すものであることが好ましく、両方がアルキル基を表すもの、及び両方がアルケニル基を表すものであることがより好ましい。
【0138】
また、一般式(LC3−b)としては、下記一般式(LC3−b11)を表すことが好ましい。本発明の液晶組成物は、一般式(LC3−b11)で表される化合物を必ず含有することが好ましい。
【0140】
(式中、R
LC35及びR
LC36はそれぞれ独立して炭素原子数1から8のアルキル基、炭素原子数1から8のアルコキシル基、炭素原子数2から8のアルケニル基又は炭素原子数2から8のアルケニルオキシル基を表す。)
また、一般式(LC3)として、一般式(PAP−1)
【0142】
(式中、R
55およびR
56は、それぞれ独立して炭素原子数1から8のアルキル基、炭素原子数1から8のアルコキシ基、炭素原子数2から8のアルケニル基、炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基を表し、基中の水素原子の1個又は2個以上がフッ素原子で置換されても良い。)で表される化合物を1種又は2種以上含有することも好ましい。
【0143】
R
55は、炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1から4のアルコキシ基、炭素原子数2から5のアルケニル基、炭素原子数2から5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数2から5のアルケニル基が更に好ましくい。R
56は、炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1から4のアルコキシ基、炭素原子数2から5のアルケニル基、炭素原子数2から5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数1から5のアルコキシ基が更に好ましく、炭素原子数1から5のアルコキシ基が更に好ましい。 一般式(LC4)としては下記一般式(LC4−a)から一般式(LC4−c)、一般式(LC5)としては下記一般式(LC5−a)から一般式(LC5−c)を表すことが好ましく、
【0145】
(式中、R
LC41、R
LC42及びX
LC41はそれぞれ独立して前記一般式(LC4)におけるR
LC41、R
LC42及びX
LC41と同じ意味を表し、R
LC51及びR
LC52はそれぞれ独立して前記一般式(LC5)におけるR
LC51及びR
LC52と同じ意味を表し、Z
LC4a1、Z
LC4b1、Z
LC4c1、Z
LC5a1、Z
LC5b1及びZ
LC5c1はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−COO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのがより好ましい。
【0146】
本発明の液晶組成物は、一般式(LC3)で表される化合物として一般式(II−1A)、一般式(II−1B)、一般式(II−2A)及び一般式(II−2B)で表される化合物のうちいずれかを少なくとも1種以上含有してもよいし、一般式(II−1A)及び一般式(II−1B)で表される化合物の両方をそれぞれ1種以上含有してもよいし、一般式(II−2A)及び一般式(II−2B)で表される化合物の両方をそれぞれ1種以上含有してもよい。本発明の液晶組成物は、一般式(II−1A)、一般式(II−1B)、一般式(II−2A)及び一般式(II−2B)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが好ましく、2種から10種含有することがより好ましい。
更に詳述すると、一般式(LC3)で表される化合物は一般式(II−2A−1)及び一般式(II−2B−1)の組み合わせであることが好ましく、一般式(II−2A−1)及び一般式(II−2B−1)及び一般式(II−2B−2)の組み合わせであることが更に好ましい。
【0147】
更に詳述すると、一般式(LC3)で表される化合物は一般式(II−2A−2)及び一般式(II−2B−1)の組み合わせであることが好ましい。
【0148】
更に詳述すると、一般式(LC3)で表される化合物は一般式(II−1A−1)及び一般式(II−1B−1)及び一般式(II−2A−1)の組み合わせであることが更に好ましく、一般式(II−1A−1)及び一般式(II−1B−1)及び一般式(II−2A−2)の組み合わせであることが更に好ましい。
【0149】
更に詳述すると、一般式(LC3)で表される化合物は一般式(II−2A−1)及び一般式(II−2B−1)及び一般式(II−1B−1)の組み合わせであることが更に好ましい。
【0150】
更に詳述すると、一般式(LC3)で表される化合物は一般式(II−2A−2)及び一般式(II−1B−1)の組み合わせであることが好ましく、一般式(II−2A−2)及び一般式(II−1B−1)及び一般式(II−2B−2)の組み合わせであることが更に好ましく、一般式(II−2A−2)及び一般式(II−1B−1)及び一般式(II−1B−3)の組み合わせであることが更に好ましい。
【0151】
更に詳述すると、一般式(LC3)で表される化合物は一般式(II−1A−1)及び一般式(II−1B−1)及び一般式(LC3−b)の組み合わせであることが好ましく、一般式(II−1A−1)及び一般式(II−1B−1)及び一般式(LC3−b1)の組み合わせであることがより好ましく、一般式(II−1A−1)及び一般式(II−1B−1)及び一般式(LC3−b11)の組み合わせであることがより好ましい。
【0152】
本発明の液晶組成物において、一般式(LC3)中のR
LC31、一般式(LC4)中のR
LC41、及び一般式(LC5)中のR
LC51の少なくとも1種以上の化合物がプロペニル基である化合物の群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
【0153】
一般式(LC3)〜一般式(LC5)で表される化合物の含有量は0.5%から95質量%であることが好ましく、10から90質量%であることが好ましく、20から80質量%が更に好ましく、20から70質量%が更に好ましく、20から60質量%が更に好ましく、20から55質量%が更に好ましく、25から55質量%が更に好ましく、30から55質量%が特に好ましい。
【0154】
より具体的には、一般式(LC3)〜一般式(LC5)で表される化合物の含有量は、組成物中に下限値として、0.5%以上含有することが好ましく、1%以上含有することが好ましく、2%以上含有することが好ましく、3%以上含有することが好ましく、4%以上含有することが好ましく、5%以上含有することが好ましく、10%以上含有することが好ましく、15%以上含有することが好ましく、20%以上含有することが好ましく、25%以上含有することが好ましく、30%以上含有することが好ましく、35%以上含有することが好ましく、38%以上含有することが好ましく、40%以上含有することが好ましい。また、上限値として、95%以下含有することが好ましく、90%以下含有することが好ましく、88%以下含有することが好ましく、85%以下含有することが好ましく、83%以下含有することが好ましく、80%以下含有することが好ましく、78%以下含有することが好ましく、75%以下含有することが好ましく、73%以下含有することが好ましく、70%以下含有することが好ましく、68%以下含有することが好ましく、65%以下含有することが好ましく、63%以下含有することが好ましく、60%以下含有することが好ましく、55%以下含有することが好ましく、50%以下含有することが好ましく、40%以下含有することが好ましく、30%以下含有することが好ましく、20%以下含有することが好ましい。
【0155】
本発明の液晶組成物において、一般式(LC3)〜一般式(LC5)で表される化合物群から選ばれる化合物の含有量は10から90質量%であることが好ましく、20から80質量%が更に好ましく、30から70質量%が特に好ましい。
【0156】
より具体的には、一般式(LC3)〜一般式(LC5)で表される化合物の含有量は、組成物中に下限値として、1質量%(以下組成物中の%は質量%を表す。)以上含有することが好ましく、5%以上含有することが好ましく、10%以上含有することが好ましく、13%以上含有することが好ましく、15%以上含有することが好ましく、18%以上含有することが好ましく、20%以上含有することが好ましく、23%以上含有することが好ましく、25%以上含有することが好ましく、28%以上含有することが好ましく、30%以上含有することが好ましく、33%以上含有することが好ましく、35%以上含有することが好ましく、38%以上含有することが好ましく、40%以上含有することが好ましい。また、上限値として、95%以下含有することが好ましく、90%以下含有することが好ましく、88%以下含有することが好ましく、85%以下含有することが好ましく、83%以下含有することが好ましく、80%以下含有することが好ましく、78%以下含有することが好ましく、75%以下含有することが好ましく、73%以下含有することが好ましく、70%以下含有することが好ましく、68%以下含有することが好ましく、65%以下含有することが好ましく、63%以下含有することが好ましく、60%以下含有することが好ましく、55%以下含有することが好ましく、50%以下含有することが好ましく、40%以下含有することが好ましい。
【0157】
本発明の液晶組成物は、一般式(III)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
【0159】
(式中、R
33及びR
34はそれぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の−CH
2−は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CF
2O−又は−OCF
2−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲンで置換されていてもよい。A
31〜A
33はそれぞれ独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表す。Z
31及びZ
32はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表す。m
31は0、1又は2を表し、A
31及びZ
31が複数存在する場合、それらは同一であっても、異なっていてもよい。但し、一般式(III)で表される化合物において、一般式(I−IV)で表される化合物を除く。)
一般式(III)において、R
33及びR
34はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基であることが好ましく、直鎖であることが好ましい。R
33及びR
34がアルケニル基の場合、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。
【0161】
(各式中の黒点は環との連結点を表す。)
R
33及びR
34の組み合わせは特に限定されないが、両方がアルキル基を表すもの、いずれか一方がアルキル基を表し、他方がアルケニル基を表すもの、又は、いずれか一方がアルキル基をあらわし、他方がアルコキシを表すもの、又はいずれか一方がアルキル基をあらわし、他方がアルケニルオキシ基を表すものであることが好ましい。
【0162】
A
31〜A
33はそれぞれ独立して下記の何れかの構造
【0167】
Z
31及びZ
32はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表し、単結合、−CH
2CH
2−、−OCF
2−又は−CF
2O−が更に好ましく、単結合が特に好ましい。
【0168】
m
31は1又は2の整数を表すことが好ましい。A
31及びZ
31が複数存在する場合、それらは同一であっても、異なっていてもよい。
【0169】
一般式(III)で表される化合物は、下記一般式(III−B)から一般式(III−K)で表される化合物であることが好ましい。本発明の液晶組成物は、一般式(III)で表される化合物として、一般式(III−B)から一般式(III−K)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
【0171】
(式中、R
31及びR
32は、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数2から5のアルケニル基、R
32は、炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1から5のアルコキシル基、炭素原子数2から5のアルケニル基又は炭素原子数2から5のアルケニルオキシ基を表す。)
一般式(III)で表される化合物は、一般式(III−D)、一般式(III−F)、一般式(III−G)及び一般式(III−H)から選ばれる化合物であることが好ましく、一般式(III−F)、一般式(III−G)及び一般式(III−H)から選ばれる化合物であることが更に好ましく、一般式(III−G)及び一般式(III−H)から選ばれる化合物であることが更に好ましく、一般式(III−F)及び一般式(III−H)から選ばれる化合物であることも好ましい。更に詳述すると、大きなΔnが求められる場合には、一般式(III−F)、一般式(III−H)及び一般式(III−K)から選ばれる化合物であることが好ましい。
また、一般式(III−D)、一般式(III−G)及び一般式(III−H)で表される化合物においては、R
31は炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数2から5のアルケニル基、R
32は炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数1から5のアルコキシ基であることが好ましく、R
31は炭素原子数2から5のアルケニル基であることが更に好ましく、炭素原子数2又は3のアルケニル基であることが更に好ましく、一般式(III−F)で表される化合物においては、R
31及びR
32はそれぞれ独立して炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数2から5のアルケニル基であることが好ましい。
一般式(III−B)から一般式(III−K)で表される化合物の好ましい具体的な例として、以下のようなものが挙げられる。
【0174】
(式中、R
dは、炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1から5のアルコキシル基、炭素原子数2から5のアルケニル基、炭素原子数2から5のアルケニルオキシ基を表す。但し、一般式(I−V)及は一般式(I−V1)で表される化合物は除く。)
また、一般式(III)で表される化合物として、一般式(VIII−a)、一般式(VIII−c)又は一般式(VIII−d)で表される化合物を1種又は2種以上含有することも好ましい。
【0176】
(式中、R
51およびR
52はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
【0178】
(式中、R
51およびR
52はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
51およびX
52はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表し、X
51およびX
52のいずれか一つはフッ素原子であり、他の一つは水素原子である。)
【0180】
(式中、R
51およびR
52はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
51およびX
52はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表し、X
51およびX
52のいずれか一つはフッ素原子であり、他の一つは水素原子である。)
また、一般式(III)で表される化合物として、一般式(V−9.1)から一般式(V−9.3)で表される化合物を1種又は2種以上含有してもよい。
【0182】
一般式(III)で表される化合物の含有量は、1質量%から60質量%であることが好ましく、10質量%から50質量%であることが好ましく、20質量%から50質量%であることが好ましく、20質量%から40質量%であることが好ましい。
【0183】
より具体的には、一般式(III)で表される化合物の含有量は、組成物中に下限値として、0.5質量%(以下組成物中の%は質量%を表す。)以上含有することが好ましく、1%以上含有することが好ましく、3%以上含有することが好ましく、5%以上含有することが好ましく、8%以上含有することが好ましく、10%以上含有することが好ましく、13%以上含有することが好ましく、15%以上含有することが好ましく、18%以上含有することが好ましく、20%以上含有することが好ましい。また、上限値として、80%以下含有することが好ましく、70%以下含有することが好ましく、65%以下含有することが好ましく、60%以下含有することが好ましく、55%以下含有することが好ましく、50%以下含有することが好ましく、45%以下含有することが好ましく、40%以下含有することが好ましく、38%以下含有することが好ましく、35%以下含有することが好ましく、33%以下含有することが好ましく、30%以下含有することが好ましく、28%以下含有することが好ましく、25%以下含有することが好ましい。
また、一般式(III)で表される化合物として、一般式(N−001)で表される化合物を1種又は2種以上含有してもよい。
【0185】
(式中、R
N1及びR
N2はそれぞれ独立して炭素原子数1から8のアルキル基、炭素原子数1から8のアルコキシル基、炭素原子数2から8のアルケニル基又は炭素原子数2から8のアルケニルオキシル基を表し、L
1及びL
2はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、CH
3又はCF
3を表す。ただし、L
1及びL
2の両方がフッ素原子を表すものを除く。)
R
N1及びR
N2は、炭素原子数1から5のアルキル基を表すことが好ましい。
【0186】
本発明の液晶組成物は、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1A−1)及び一般式(III−F)の化合物を同時に含有することが好ましく、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1A−1)及び一般式(III−H)の化合物を同時に含有することが好ましく、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1)、一般式(II−2A−1)及び一般式(III−F)の化合物を同時に含有することが好ましく、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1)、一般式(II−2A−1)及び一般式(III−H)の化合物を同時に含有することが好ましく、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1)、一般式(II−2A−2)及び一般式(III−F)の化合物を同時に含有することが好ましく、一般式(I−IV)、一般式(I−1)、一般式(II)、一般式(II−2A−2)及び一般式(III−H)の化合物を同時に含有することが好ましく、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1B−1)及び一般式(III−F)の化合物を同時に含有することが好ましく、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1B−1)及び一般式(III−H)の化合物を同時に含有することが好ましく、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1B−3)及び一般式(III−F)の化合物を同時に含有することが好ましく、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1B−3)及び一般式(III−H)の化合物を同時に含有することが好ましく、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1)、一般式(II−2B−1)及び一般式(III−F)の化合物を同時に含有することが好ましく、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1)、一般式(II−2B−1)及び一般式(III−H)の化合物を同時に含有することが好ましく、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1)、一般式(II−2B−2)及び一般式(III−F)の化合物を同時に含有することが好ましく、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1)、一般式(II−2B−2)及び一般式(III−H)の化合物を同時に含有することが好ましい。
【0187】
本発明の液晶組成物は、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1A−1)、一般式(II−1B−1)及び一般式(III−H)の化合物を同時に含有することが更に好ましく、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1A−1)、一般式(II−1B−1)及び一般式(III−H)の化合物を同時に含有することが更に好ましく、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1)、一般式(II−2A−1)、一般式(II−2B−2)及び一般式(III−H)の化合物を同時に含有することが更に好ましく、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1A−1)、一般式(II−2B−1)及び一般式(III−H)の化合物を同時に含有することが更に好ましく、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1A−1)、一般式(II−2B−2)及び一般式(III−H)の化合物を同時に含有することが更に好ましい。
【0188】
本発明の液晶組成物は一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1)、一般式(II−2A−2)、一般式(II−2B−2)及び一般式(III−K)の化合物を同時に含有することが更に好ましく、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1A−1)、一般式(II−1B−1)及び一般式(III−K)の化合物を同時に含有することが更に好ましく、一般式(I−IV)、一般式(I)、一般式(II−1A−1)、一般式(II−1B−1)、一般式(II−1B−3)及び一般式(III−K)の化合物を同時に含有することが更に好ましい。
【0189】
本発明の液晶組成物は、一般式(I−IV)で表される化合物、一般式(I)で表される化合物、及び一般式(II−1)で表される化合物の合計の含有量が、50から99質量%であることが好ましく、55〜99質量%であることが更に好ましく、60〜99質量%であることが更に好ましく、65〜99質量%であることが更に好ましく、70〜99質量%であることが更に好ましく、75〜99質量%であることが特に好ましい。
【0190】
より具体的には、一般式(I−IV)で表される化合物、一般式(I)で表される化合物、及び一般式(II−1)で表される化合物の合計の含有量は、組成物中に下限値として、30質量%(以下組成物中の%は質量%を表す。)以上含有することが好ましく、35%以上含有することが好ましく、40%以上含有することが好ましく、45%以上含有することが好ましく、50%以上含有することが好ましく、55%以上含有することが好ましく、60%以上含有することが好ましく、65%以上含有することが好ましく、70%以上含有することが好ましく、75%以上含有することが好ましく、78%以上含有することが好ましく、80%以上含有することが好ましく、83%以上含有することが好ましく、85%以上含有することが好ましく、90%以上含有することが好ましく、91%以上含有することが好ましい。また、上限値として、 100%以下含有することが好ましく、99%以下含有することが好ましく、95%以下含有することが好ましく、90%以下含有することが好ましく、85%以下含有することが好ましく、80%以下含有することが好ましく、75%以下含有することが好ましく、70%以下含有することが好ましく、65%以下含有することが好ましく、60%以下含有することが好ましく、55%以下含有することが好ましく、50%以下含有することが好ましい。
【0191】
本発明の液晶組成物は、一般式(I−IV)で表される化合物、一般式(I)で表される化合物、一般式(II−1)で表される化合物、及び一般式(LC3)〜一般式(LC5)で表される化合物群から選ばれる化合物の合計の含有量が、50〜99質量%であることが好ましく、55〜99質量%であることが更に好ましく、60〜99質量%であることが更に好ましく、65〜99質量%であることが更に好ましく、70〜99質量%であることが更に好ましく、75〜99質量%であることが特に好ましい。 本発明の液晶組成物は、一般式(I−IV)で表される化合物、一般式(I)で表される化合物、一般式(LC3)〜一般式(LC5)で表される化合物群から選ばれる化合物、及び一般式(III)で表される化合物の合計の含有量が、70〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることが更に好ましく、85〜100質量%であることが更に好ましく、90〜100質量%であることが更に好ましく、95〜100質量%であることが特に好ましい。
【0192】
本発明の液晶組成物は、25℃における誘電率異方性(Δε)が−2.0から−8.0であるが、−2.0から−6.0が好ましく、−2.0から−5.0がより好ましく、−2.5から−4.0が特に好ましい。
【0193】
本発明の液晶組成物は、20℃における屈折率異方性(Δn)が0.08から0.14であるが、0.09から0.13がより好ましく、0.09から0.12が特に好ましい。更に詳述すると、薄いセルギャップに対応する場合は0.10から0.13であることが好ましく、厚いセルギャップに対応する場合は0.08から0.10であることが好ましい。
【0194】
本発明の液晶組成物は、20℃における粘度(η)が10から30mPa・sであるが、10から25mPa・sであることがより好ましく、10から22mPa・sであることが特に好ましい。
【0195】
本発明の液晶組成物は、20℃における回転粘性(γ
1)が60から130mPa・sであるが、60から110mPa・sであることがより好ましく、60から100mPa・sであることが特に好ましい。
【0196】
本発明の液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)が60℃から120℃であるが、70℃から100℃がより好ましく、70℃から85℃が特に好ましい。
【0197】
本発明の液晶組成物は、上述の化合物以外に、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、重合性モノマー又は本発明以外の光安定剤(HALS)等を含有してもよい。
【0198】
例えば、本発明の液晶組成物は、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶として、25℃における誘電率異方性(Δε)が+2.0から+50.0である液晶化合物を含有しても良く、その含有量は0質量%から50質量%であるが、1質量%から30質量%であることが好ましく、3質量%から30質量%であることが好ましく、5質量%から20質量%であることが好ましい。
【0199】
例えば、液晶組成物は重合性モノマーとしてビフェニル誘導体、ターフェニル誘導体等の重合性化合物を0.01から2質量%含有していてもよい。
【0200】
重合性モノマーとしては、一つの反応性基を有する単官能性の重合性化合物、及び二官能又は三官能等の二つ以上の反応性基を有する多官能性の重合性化合物を一種又は二種以上含有してもよい。反応性基を有する重合性化合物はメソゲン性部位を含んでいても、含んでいなくてもよい。
【0201】
反応性基を有する重合性化合物において、反応性基は光による重合性を有する置換基が好ましい。
【0202】
反応性基を有する重合性化合物のうち、単官能性の反応基を有する重合性化合物として具体的には、下記一般式(VI)
【0204】
(式中、X
3は、水素原子又はメチル基を表し、Sp
3は、単結合、炭素原子数1〜8のアルキレン基又は−O−(CH
2)
t−(式中、tは2〜7の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)を表し、Vは炭素原子数2〜20の直鎖もしくは分岐多価アルキレン基又は炭素原子数5〜30の多価環状置換基を表すが、多価アルキレン基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよく、炭素原子数5〜20のアルキル基(基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよい。)又は環状置換基により置換されていてもよく、Wは水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜8のアルキレン基を表す。)で表される重合性化合物が好ましい。
【0205】
上記一般式(VI)において、X
3は、水素原子又はメチル基を表すが、反応速度を重視する場合には水素原子が好ましく、反応残留量を低減することを重視する場合にはメチル基が好ましい。
【0206】
上記一般式(VI)において、Sp
3は、単結合、炭素原子数1〜8のアルキレン基又は−O−(CH
2)
t−(式中、tは2〜7の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)を表すが、炭素鎖があまり長くないことが好ましく、単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基が好ましく、単結合又は炭素原子数1〜3のアルキレン基がより好ましい。また、Sp
3が−O−(CH
2)
t−を表す場合も、tは1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
【0207】
上記一般式(VI)において、Vは炭素原子数2〜20の直鎖もしくは分岐多価アルキレン基又は炭素原子数5〜30の多価環状置換基を表すが、多価アルキレン基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよく、炭素原子数5〜20のアルキル基(基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよい。)又は環状置換基により置換されていてもよく、2つ以上の環状置換基により置換されていることが好ましい。
【0208】
一般式(VI)で表される重合性化合物は更に具体的には、一般式(X1a)
【0210】
(式中、A
1は水素原子又はメチル基を表し、
A
2は単結合又は炭素原子数1〜8のアルキレン基(該アルキレン基中の1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキレン基中の1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていてもよい。)を表し、
A
3及びA
6はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基(該アルキル基中の1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立してハロゲン原子又は炭素原子数1〜17のアルキル基で置換されていてもよい。)を表わし、
A
4及びA
7はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基(該アルキル基中の1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立してハロゲン原子又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよい。)を表し、
pは1〜10を表し、
B
1、B
2及びB
3は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基(該アルキル基中の1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立してハロゲン原子又は炭素原子数3〜6のトリアルコキシシリル基で置換されていてもよい。)を表わす化合物が挙げられる。
【0211】
また、一般式(VI)で表される重合性化合物は具体的には、一般式(X1b)
【0213】
(式中、A
8は水素原子又はメチル基を表し、
6員環T
1、T
2及びT
3はそれぞれ独立して
【0215】
のいずれか(ただしqは1から4の整数を表す。)を表し、
qは0又は1を表し、
Y
1及びY
2はそれぞれ独立して単結合、−CH
2CH
2−、−CH
2O−、−OCH
2−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH
2)
4−、−CH
2CH
2CH
2O−、−OCH
2CH
2CH
2−、−CH
2=CHCH
2CH
2−又は−CH
2CH
2CH=CH−を表し、
Y
3は単結合、−COO−又は−OCO−を表し、
B
8は炭素原子数1〜18の炭化水素基を表す。)で表わす化合物も挙げられる。
【0216】
更に、一般式(VI)で表される重合性化合物は具体的には、一般式(X1c)
【0218】
(式中、R
70は水素原子又はメチル基を表し、R
71は縮合環を有する炭化水素基を表す。)で表わす化合物も挙げられる。
【0219】
また、 反応性基を有する重合性化合物の内、多官能性の反応基を有する重合性化合物が、下記一般式(VII)
【0221】
(式中、X
1及びX
2はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、Sp
1及びSp
2はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜8のアルキレン基又は−O−(CH
2)
s−(式中、sは2〜7の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)を表し、Uは炭素原子数2〜20の直鎖もしくは分岐多価アルキレン基又は炭素原子数5〜30の多価環状置換基を表すが、多価アルキレン基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよく、炭素原子数5〜20のアルキル基(基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよい。)又は環状置換基により置換されていてもよく、kは1〜5の整数を表す。)で表される重合性化合物が好ましい。
上記一般式(VII)において、X
1及びX
2はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表すが、反応速度を重視する場合には水素原子が好ましく、反応残留量を低減することを重視する場合にはメチル基が好ましい。
【0222】
上記一般式(VII)において、Sp
1及びSp
2はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜8のアルキレン基又は−O−(CH
2)
s−(式中、sは2〜7の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)を表すが、炭素鎖があまり長くないことが好ましく、単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基が好ましく、単結合又は炭素原子数1〜3のアルキレン基がより好ましい。また、Sp
1及びSp
2が−O−(CH
2)
s−を表す場合も、sは1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、Sp
1及びSp
2の少なくとも一方が、単結合であることがより好ましく、いずれも単結合であることが特に好ましい。
【0223】
上記一般式(VII)において、Uは炭素原子数2〜20の直鎖もしくは分岐多価アルキレン基又は炭素原子数5〜30の多価環状置換基を表すが、多価アルキレン基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよく、炭素原子数5〜20のアルキル基(基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよい。)、環状置換基により置換されていてもよく、2つ以上の環状置換基により置換されていることが好ましい。
【0224】
上記一般式(VII)において、Uは具体的には、以下の式(VII−1)から式(VII−5)を表すことが好ましく、式(VII−1)から式(VII−3)を表すことがより好ましく、式(VII−1)を表すことが特に好ましい。
【0226】
(式中、両端はSp
1又はSp
2に結合するものとする。)
Uが環構造を有する場合、前記Sp
1及びSp
2は少なくとも一方が単結合を表すことが好ましく、両方共に単結合であることも好ましい。
【0227】
上記一般式(VII)において、kは1〜5の整数を表すが、kが1の二官能化合物、又はkが2の三官能化合物であることが好ましく、二官能化合物であることがより好ましい。
【0230】
で表される重合性化合物を一種又は二種以上含有することが好ましい。
【0231】
一般式(M)において、X
201及びX
202は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又は−CF
3基を表す。X
201及びX
202は、いずれも水素原子であるジアクリレート誘導体、いずれもメチル基であるジメタクリレート誘導体が好ましく、一方が水素原子でありもう一方がメチル基である化合物も好ましい。用途により好ましい化合物を用いることができるが、PSA表示素子においては、一般式(M)で表される重合性化合物はメタクリレート誘導体を少なくとも1個有することが好ましく、2個有することも好ましい。
【0232】
一般式(M)において、Sp
201及びSp
202は、それぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜8のアルキレン基又は−O−(CH
2)
s−(式中、sは2から7の整数を表し、酸素原子は環に結合するものとする。)を表す。Sp
201及びSp
202は、PSA型の液晶表示素子においては少なくとも一方が単結合であることが好ましく、いずれも単結合である化合物又は一方が単結合でもう一方が炭素原子数1〜8のアルキレン基又は−O−(CH
2)
s−であることが好ましく、この場合、炭素原子数1〜4のアルキレン基が好ましく、sは1〜4が好ましい。
【0233】
一般式(M)において、M
201、M
202及びM
203は、それぞれ独立して、トランス−1,4−シクロヘキシレン基(基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH
2−は−O−又は−S−によって置換されていてもよい。)、1,4−フェニレン基(基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH=は−N=によって置換されていてもよい。)、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表し、基中の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子、−CF
3基、炭素原子数1から10のアルキル基、炭素原子数1から10のアルコキシル基又は式(R−1)から式(R−15)のいずれかによって置換されていてもよい。
【0235】
一般式(M)において、Z
201及びZ
202は、それぞれ独立して、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH
2CH
2−、−OCO−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−COO−、−CH
2CH
2−OCO−、−COO−CH
2−、−OCO−CH
2−、−CH
2−COO−、−CH
2−OCO−、−CY
1=CY
2−(式中、Y
1及びY
2は、それぞれ独立して、フッ素原子又は水素原子を表す。)、−C≡C−又は単結合を表すが、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH
2CH
2−、−OCO−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−COO−、−CH
2CH
2−OCO−、−C≡C−又は単結合が好ましく、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH
2CH
2−、−OCO−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−COO−、−CH
2CH
2−OCO−又は単結合が更に好ましい。
【0236】
一般式(M)において、n
201は、0、1又は2を表すが、0又は1が好ましい。但し、M
202及びZ
202が複数存在する場合、それぞれ異なっていても良く、同じでもよい。
【0237】
一般式(M)で表される重合性化合物を少なくとも1種含有していても良く、1種〜5種含有することが好ましく、1種〜3種含有することが更に好ましい。
一般式(M)の含有量は0.01〜2.00質量%であることが好ましく、0.05〜1.00質量%であることが更に好ましく、0.10〜0.50質量%であることが特に好ましい。
【0238】
更に具体的には、一般式(M)においてn
201が0の場合、Sp
201及びSp
202の間の環構造は、式(XXa−1)から式(XXa−5)であることが好ましく、式(XXa−1)から式(XXa−3)であることが更に好ましく、式(XXa−1)又は式(XXa−2)であることが特に好ましい。但し、式の両端はSp
201又はSp
202に結合するものとする。
【0244】
これらの骨格を含む一般式(M)で表される重合性化合物は重合後の配向規制力がPSA型の液晶表示素子に最適であり、良好な配向状態が得られることから、表示ムラが抑制されるか、又は、全く発生しない効果がある。
【0245】
以上のことから、重合性モノマーとして、式(XX−1)から一般式(XX−10)で表される化合物が好ましく、式(XX−1)から式(XX−4)が更に好ましい。
【0247】
式(XX−1)から一般式(XX−10)中、Sp
xxは炭素原子数1〜8のアルキレン基又は−O−(CH
2)
s−(式中、sは2から7の整数を表し、酸素原子は環に結合するものとする。)を表す。
【0248】
式(XX−1)から一般式(XX−10)中、1,4−フェニレン基中の水素原子は、更に、−F、−Cl、−CF
3、−CH
3、式(R−1)から式(R−15)のいずれかによって置換されていてもよい。
【0249】
一般式(M)においてn
201が1の場合、例えば、式(M31)から式(M48)のような重合性化合物が好ましい。
【0251】
式(M31)から式(M48)中の1,4−フェニレン基及びナフタレン基中の水素原子は、更に、−F、−Cl、−CF
3、−CH
3、式(R−1)から式(R−15)のいずれかによって置換されていてもよい。
【0252】
これらの骨格を含む一般式(M)で表される重合性化合物は重合後の配向規制力がPSA型の液晶表示素子に最適であり、良好な配向状態が得られることから、表示ムラが抑制されるか、又は、全く発生しない効果がある。
【0253】
一般式(M)においてn
201が1、なおかつ、式(R−1)又は式(R−2)を複数個有する場合、例えば、式(M301)から式(M316)のような重合性化合物が好ましい。
【0255】
式(M301)から式(M316)中の1,4−フェニレン基及びナフタレン基中の水素原子は、更に、−F、−Cl、−CF
3、−CH
3によって置換されていてもよい。
【0256】
一般式(M)で表される重合性化合物として、例えば、式(Ia−1)〜式(Ia−31)のような重合性化合物も好ましい。
【0261】
また、酸化防止剤は、一般式(H−1)から一般式(H−4)で表されるヒンダードフェノールが好ましい。
【0263】
一般式(H−1)から一般式(H−4)中、R
H1は炭素原子数1から10のアルキル基、炭素原子数1から10のアルコキシル基、炭素原子数2から10のアルケニル基又は炭素原子数2から10のアルケニルオキシ基を表すが、基中に存在する1個の−CH
2−又は非隣接の2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−O−又は−S−に置換されても良く、また、基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子又は塩素原子に置換されてもよい。更に具体的には、炭素原子数2から7のアルキル基、炭素原子数2から7のアルコキシル基、炭素原子数2から7のアルケニル基又は炭素原子数2から7のアルケニルオキシ基であることが好ましく、炭素原子数3から7のアルキル基又は炭素原子数2から7のアルケニル基であることが更に好ましい。
一般式(H−4)中、M
H4は炭素原子数1から15のアルキレン基(該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の−CH
2−は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−に置換されていてもよい。)、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2CF
2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−C≡C−、単結合、1,4−フェニレン基(1,4−フェニレン基中の任意の水素原子はフッ素原子により置換されていてもよい。)又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表すが、炭素原子数1から14のアルキレン基であることが好ましく、揮発性を考慮すると炭素原子数は大きい数値が好ましいが、粘度を考慮すると炭素原子数は大き過ぎない方が好ましいことから、炭素原子数2から12が更に好ましく、炭素原子数3から10が更に好ましく、炭素原子数4から10が更に好ましく、炭素原子数5から10が更に好ましく、炭素原子数6から10が更に好ましい。
一般式(H−1)から一般式(H−4)中、1,4−フェニレン基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH=は−N=によって置換されていてもよい。また、1,4−フェニレン基中の水素原子はそれぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。
一般式(H−1)から一般式(H−4)中、1,4−シクロヘキシレン基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH
2−は−O−又は−S−によって置換されていてもよい。また、1,4−シクロヘキシレン基中の水素原子はそれぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。
更に具体的には、例えば、式(H−11)から式(H−15)が挙げられる。
【0265】
本発明の液晶組成物は、酸化防止剤を1質量ppm以上含有してもよいが、10質量ppm以上が好ましく、20質量ppm以上が好ましく、50質量ppm以上が好ましい。酸化防止剤の含有量の上限は10000質量ppmであるが、1000質量ppmが好ましく、500質量ppmが好ましく、100質量ppmが好ましい。
【0266】
本発明の液晶組成物を用いた液晶表示素子は、表示不良がない又は抑制された、表示品位の優れた応答速度の速いものであり、特に、アクティブマトリックス駆動のVA型、PSVA型、PSA型、FFS型、IPS型又はECB型に適用できる。なお、PSVA型とPSA型は実質的に同義である。
【実施例】
【0267】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
実施例において化合物の記載について以下の略号を用いる。
(側鎖)
−n −C
nH
2n+1 炭素数nの直鎖状のアルキル基
n− C
nH
2n+1− 炭素数nの直鎖状のアルキル基
−On −OC
nH
2n+1 炭素数nの直鎖状のアルコキシル基
nO− C
nH
2n+1O− 炭素数nの直鎖状のアルコキシル基
−V −CH=CH
2
V− CH
2=CH−
−V1 −CH=CH−CH
3
1V− CH
3−CH=CH−
−2V −CH
2−CH
2−CH=CH
2
V2− CH
2=CH−CH
2−CH
2−
−2V1 −CH
2−CH
2−CH=CH−CH
3
1V2− CH
3−CH=CH−CH
2−CH
2−
(連結基)
−CF2O− −CF
2−O−
−OCF2− −O−CF
2−
−1O− −CH
2−O−
−O1− −O−CH
2−
−COO− −COO−
−OCO− −OCO−
(環構造)
【0268】
【化83】
【0269】
実施例中、測定した特性は以下の通りである。
【0270】
T
ni :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
Δn :20℃における屈折率異方性
Δε :25℃における誘電率異方性
η :20℃における粘度(mPa・s)
γ
1 :20℃における回転粘性(mPa・s)
K
33 :20℃における弾性定数K
33(pN)
VHR(UV) :高圧水銀ランプでUVを150(J)照射後の電圧保持率(1V、60Hz、60℃)但し、照度は365nmで100mW/cm
2とした。
(比較例1、実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4)
LC−A(比較例1)に一般式(I−28H)又は(I−32H)で表される化合物を添加したLC−1(実施例1)、LC−2(実施例2)、LC−3(実施例3)及びLC−4(実施例4)の液晶組成物を調製し、その物性値を測定した。液晶組成物の構成とその物性値の結果は表1のとおりであった。
【0271】
【表1】
【0272】
本発明の液晶組成物LC−1、LC−2、LC−3及びLC−4は、粘度(η)が小さく、回転粘性(γ
1)が小さく、K
33が大きく、比較例であるLC−Aよりも十分に高いVHR(UV)であることが確認され、特にLC−4は顕著に高いVHR(UV)であることが確認された。また、表示ムラがないことを確認した。
これを使用した液晶表示素子の応答速度を測定したところ、テレビ用途としては十分に高速応答であった。なお、セル厚は3.5μm、配向膜はJALS2096であり、応答速度の測定条件は、Vonは6V、Voffは1V、測定温度は25℃で、AUTRONIC−MELCHERS社のDMS703を用いた。
また、LC−2を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−2)を0.4質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−2を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.4質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−2を99.7%、重合性モノマーとして(XX−4)を0.3%で調製した液晶組成物に、更に酸化防止剤として(H−14)を20ppm添加した組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−4を99.6質量%、重合性モノマーとして式(M−302)を0.4質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−4を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.4質量%及び式(Ia−31)を0.1質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−4を99.7質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.3質量%で調製した液晶組成物に、更に酸化防止剤として(H−12)を20ppm添加した組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
(比較例2、実施例5、実施例6、実施例7及び実施例8)
LC−B(比較例2)、LC−5(実施例5)、LC−6(実施例6)、LC−7(実施例7)及びLC−8(実施例8)の液晶組成物を調製し、その物性値を測定した。液晶組成物の構成とその物性値の結果は表2のとおりであった。
【0273】
【表2】
【0274】
本発明の液晶組成物であるLC−5、LC−6、LC−7及びLC−8は、粘度(η)が小さく、回転粘性(γ
1)が小さく、K
33が大きく、比較例であるLC−Bよりも顕著に高いVHR(UV)であることが確認され、中でもLC−7およびLC−8は特に高いVHR(UV)であることが確認された。また、表示ムラがないことを確認した。
これを使用した液晶表示素子の応答速度を測定したところ、テレビ用途としては十分に高速応答であった。なお、セル厚は3.5μm、配向膜はJALS2096であり、応答速度の測定条件は、Vonは6V、Voffは1V、測定温度は25℃で、AUTRONIC−MELCHERS社のDMS703を用いた。
また、LC−5を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−2)を0.4質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−7を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.4質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−5を99.7質量%、重合性モノマーとして式(M−302)を0.3質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−7を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.3質量%及び式(Ia−31)を0.1質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
(比較例3、実施例9及び実施例10)
LC−C(比較例3)、LC−9(実施例9)及びLC−10(実施例10)の液晶組成物を調製し、その物性値を測定した。液晶組成物の構成とその物性値の結果は表3のとおりであった。
【0275】
【表3】
【0276】
本発明の液晶組成物LC−9及びLC−10は、粘度(η)が小さく、回転粘性(γ
1)が小さく、K
33が大きく、比較例であるLC−Cよりも顕著に高いVHR(UV)であることが確認された。また、表示ムラがないことを確認した。
これを使用した液晶表示素子の応答速度を測定したところ、モバイル用途としては十分に高速応答であった。なお、セル厚は3.5μm、配向膜はJALS2096であり、応答速度の測定条件は、Vonは5V、Voffは1V、測定温度は25℃で、AUTRONIC−MELCHERS社のDMS703を用いた。
また、LC−9を99.7質量%、重合性モノマーとして式(XX−2)を0.3質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−9を99.7質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.3質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−9を99.5質量%、重合性モノマーとして式(M−302)を0.5質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−9を99.68質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.3質量%及び式(Ia−31)を0.02質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−10を99.7質量%、重合性モノマーとして式(XX−2)を0.3質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−10を99.7質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.3質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−10を99.5質量%、重合性モノマーとして式(M−302)を0.5質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−10を99.65質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.3質量%及び式(Ia−31)を0.05質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
(比較例4、比較例5、実施例11及び実施例12)
LC−D(比較例4)、LC−E(比較例5)、LC−11(実施例11)及びLC−12(実施例12)の液晶組成物を調製し、その物性値を測定した。液晶組成物の構成とその物性値の結果は表4のとおりであった。
【0277】
【表4】
【0278】
本発明の液晶組成物LC−11及びLC−12は、粘度(η)が小さく、回転粘性(γ
1)が小さく、比較例であるLC−DおよびLC−Eよりも顕著に高いVHR(UV)であることが確認された。また、表示ムラがないことを確認した。
これを使用した液晶表示素子の応答速度を測定したところ、モバイル用途としては十分に高速応答であった。なお、セル厚は3.5μm、配向膜はJALS2096であり、応答速度の測定条件は、Vonは6V、Voffは1V、測定温度は25℃で、AUTRONIC−MELCHERS社のDMS703を用いた。
また、LC−11を99.7質量%、重合性モノマーとして式(XX−2)を0.3質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−11を99.7質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.3質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−11を99.5質量%、重合性モノマーとして式(M−302)を0.5質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−11を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.3質量%及び式(Ia−31)を0.1質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−12を99.7質量%、重合性モノマーとして式(XX−2)を0.3質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−12を99.7質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.3質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−12を99.5質量%、重合性モノマーとして式(M−302)を0.5質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−12を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.3質量%及び式(Ia−31)を0.1質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。(比較例6、実施例13、実施例14および実施例15)
LC−F(比較例6)、LC−13(実施例13)、LC−14(実施例14)およびLC−15(実施例15)の液晶組成物を調製し、その物性値を測定した。液晶組成物の構成とその物性値の結果は表5のとおりであった。
【0279】
【表5】
【0280】
本発明の液晶組成物LC−13は、粘度(η)が小さく、回転粘性(γ
1)が小さく、比較例であるLC−Fよりも顕著に高いVHR(UV)であることが確認された。
本発明の液晶組成物LC−13は、ODFの際に滴下痕が発生しなかった。また、この液晶表示素子には配向ムラが発生しなかった。更に、駆動時に焼き付きが発生しないことを確認した。
この液晶表示素子の応答速度を測定したところ、モバイル用途としては十分に高速応答であった。なお、セル厚は3.0μm、配向膜はJALS2096であり、応答速度の測定条件は、Vonは5V、Voffは1V、測定温度は25℃で、AUTRONIC−MELCHERS社のDMS703を用いた。
また、LC−13を99.65質量%、重合性モノマーとして式(XX−2)を0.35質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−13を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.4質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−13を99.7質量%、重合性モノマーとして式(M−302)を0.3質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−13を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.35質量%及び式(Ia−31)を0.05質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−13を99.7質量%、重合性モノマーとして式(XX−2)を0.3質量%で調製した液晶組成物に、更に酸化防止剤として式(H−11)または式(H−14)の化合物を50ppm添加し、PSVA型の液晶表示素子をそれぞれ作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−13を99.5質量%、重合性モノマーとして式(M−302)を0.5質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−13を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−1)を0.1質量%及び式(M−302)を0.3質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
LC−14およびLC−15についても同様の実験を実施し、同様の結果が得られた。
(比較例7、実施例16、実施例17および実施例18)
LC−G(比較例7)、LC−16(実施例16)、LC−17(実施例17)およびLC−18(実施例18)の液晶組成物を調製し、その物性値を測定した。液晶組成物の構成とその物性値の結果は表6のとおりであった。
【0281】
【表6】
【0282】
本発明の液晶組成物LC−16、LC−17およびLC−18は、粘度(η)が小さく、回転粘性(γ
1)が小さく、γ
1/K
33が小さなものであって、比較例であるLC−Gよりも顕著に高いVHR(UV)であることが確認された。
本発明の液晶組成物LC−16、LC−17およびLC−18は、ODFの際に滴下痕が発生しなかった。また、この液晶表示素子には配向ムラが発生しなかった。更に、駆動時に焼き付きが発生しないことを確認した。
この液晶表示素子の応答速度を測定したところ、モバイル用途としては十分に高速応答であった。なお、セル厚は3.0μm、配向膜はJALS2096であり、応答速度の測定条件は、Vonは5V、Voffは1V、測定温度は25℃で、AUTRONIC−MELCHERS社のDMS703を用いた。
また、LC−16を99.65質量%、重合性モノマーとして式(XX−2)を0.35質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−17を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.4質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−18を99.7質量%、重合性モノマーとして式(M−302)を0.3質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−18を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.35質量%及び式(Ia−31)を0.05質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−18を99.7質量%、重合性モノマーとして式(XX−2)を0.3質量%で調製した液晶組成物に更に酸化防止剤として式(H−11)または式(H−14)の化合物を50ppm添加し、PSVA型の液晶表示素子をそれぞれ作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−18を99.5質量%、重合性モノマーとして式(M−302)を0.5質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−18を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−1)を0.1質量%及び式(M−302)を0.3質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
(比較例8、実施例19、実施例20および実施例21)
LC−H(比較例8)、LC−19(実施例19)、LC−20(実施例20)およびLC−21(実施例21)の液晶組成物を調製し、その物性値を測定した。液晶組成物の構成とその物性値の結果は表7のとおりであった。
【0283】
【表7】
【0284】
本発明の液晶組成物LC−19、LC−20およびLC−21は、粘度(η)が小さく、回転粘性(γ
1)が小さく、γ
1/K
33が小さなものであって、比較例であるLC−Hよりも顕著に高いVHR(UV)であることが確認された。
本発明の液晶組成物LC−19、LC−20およびLC−21は、ODFの際に滴下痕が発生しなかった。また、この液晶表示素子には配向ムラが発生しなかった。更に、駆動時に焼き付きが発生しないことを確認した。
この液晶表示素子の応答速度を測定したところ、モバイル用途としては十分に高速応答であった。なお、セル厚は3.0μm、配向膜はJALS2096であり、応答速度の測定条件は、Vonは5.5V、Voffは1V、測定温度は25℃で、AUTRONIC−MELCHERS社のDMS703を用いた。
また、LC−21を99.65質量%、重合性モノマーとして式(XX−2)を0.35質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−21を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.4質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−21を99.7質量%、重合性モノマーとして式(M−302)を0.3質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−21を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.35質量%及び式(Ia−31)を0.05質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−21を99.7質量%、重合性モノマーとして式(XX−2)を0.3質量%で調製した液晶組成物に更に酸化防止剤として式(H−11)または式(H−14)の化合物を50ppm添加し、PSVA型の液晶表示素子をそれぞれ作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−21を99.5質量%、重合性モノマーとして式(M−302)を0.5質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−21を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−1)を0.1質量%及び式(M−302)を0.3質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−19を99.65質量%、重合性モノマーとして式(M−302)を0.35質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−19を99.7質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.28質量%及び式(Ia−31)を0.02質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−19を99.7質量%、重合性モノマーとして式(XX−2)を0.3質量%で調製した液晶組成物に、更に酸化防止剤として式(H−14)の化合物を30ppm添加し、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
(比較例9、実施例22、実施例23および実施例24)
LC−I(比較例9)、LC−22(実施例22)、LC−23(実施例23)およびLC−24(実施例24)の液晶組成物を調製し、その物性値を測定した。液晶組成物の構成とその物性値の結果は表8のとおりであった。
【0285】
【表8】
【0286】
本発明の液晶組成物LC−22、LC−23およびLC−24は、粘度(η)が小さく、回転粘性(γ
1)が小さく、γ
1/K
33が小さなものであって、比較例であるLC−Iよりも顕著に高いVHR(UV)であることが確認された。
本発明の液晶組成物LC−22、LC−23およびLC−24は、ODFの際に滴下痕が発生しなかった。また、この液晶表示素子には配向ムラが発生しなかった。更に、駆動時に焼き付きが発生しないことを確認した。
この液晶表示素子の応答速度を測定したところ、モバイル用途としては十分に高速応答であった。なお、セル厚は3.2μm、配向膜はJALS2096であり、応答速度の測定条件は、Vonは6V、Voffは1V、測定温度は25℃で、AUTRONIC−MELCHERS社のDMS703を用いた。
また、LC−22を99.65質量%、重合性モノマーとして式(XX−2)を0.35質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−22を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.4質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−22を99.7質量%、重合性モノマーとして式(M−302)を0.3質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−23を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−4)を0.35質量%及び式(Ia−31)を0.05質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−23を99.7質量%、重合性モノマーとして式(XX−2)を0.3質量%で調製した液晶組成物に、更に酸化防止剤として式(H−11)の化合物を60ppm添加し、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−23を99.5質量%、重合性モノマーとして式(M−302)を0.5質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−23を99.6質量%、重合性モノマーとして式(M−302)を0.4質量%で調製した液晶組成物に、更に酸化防止剤として式(H−14)の化合物を65ppm添加し、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−23を99.6質量%、重合性モノマーとして式(XX−1)を0.1質量%及び式(M−302)を0.3質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
また、LC−24を99.75質量%、重合性モノマーとして式(M−302)を0.25質量%で調製した液晶組成物を用いて、PSVA型の液晶表示素子を作製したところ、表示不良がなく、十分に高速応答であることを確認した。
【0287】
以上のことから、本発明の液晶組成物は、屈折率異方性(Δn)及びネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)を低下させることなく、粘度(η)が十分に小さく、回転粘性(γ
1)が十分に小さく、弾性定数(K
33)が大きく、VHR(UV)が高く、絶対値が大きな負の誘電率異方性(Δε)を有するものであり、これを用いた液晶表示素子は表示不良がない又は抑制された、表示品位の優れた応答速度の速いものであることが確認された。