(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る放送通信連携システム100の全体構成図である。放送通信連携システム100は、放送局1と、放送用アンテナ2と、サービスサーバ3(配信サーバ)と、受信機4とを含んで構成される。この放送通信連携システム100では、受信機4において、ISDB(Integrated Services Digital Broadcasting:統合デジタル放送サービス)方式によって放送局1から提供される放送サービスと、インターネット等により構成される通信ネットワークNを介してサービスサーバ3から提供される通信サービスとを連携し、放送通信連携サービスとして受信機4のユーザに提供する。
【0021】
放送局1は、番組編成設備と、番組送出設備と、送信設備とを含んで構成される一般的なデジタル放送用の放送設備(図示省略)を備える。なお、
図1では、放送局1は、1つのみ示されているが、複数の通信事業者それぞれの放送局が存在しているものとする。
放送局1は、放送設備によって、コンテンツや、イベント情報(Event Information Table:EIT)や、アプリケーション管理情報(Application Information Table:AIT)等を制作する。そして、放送局1は、放送設備によって、これらコンテンツ、イベント情報及びAIT等を放送信号に多重化する。そして、放送局1は、放送設備によって、この放送信号を放送波に変調し、放送用アンテナ2を介して放送波を放送する。
【0022】
放送局1から放送される放送波に含まれるコンテンツには、放送スケジュールに従って放送され映像や音声を含んで構成されるコンテンツである番組コンテンツや、番組コンテンツとは非同期に発生する緊急地震速報等のコンテンツである緊急コンテンツ等が含まれる。
【0023】
イベント情報は、番組コンテンツの名称、番組コンテンツの放送日時、番組コンテンツの説明等、コンテンツに関するメタ情報を含む。以下、イベント情報をEITという。
AITは、番組コンテンツに連動するコンテンツを受信機4に提供可能なアプリケーションプログラム(以下、アプリケーションと記載する)を1又は複数管理するための管理情報である。AITには、1又は複数のアプリケーションそれぞれに対応し、1又は複数のアプリケーションそれぞれを管理するための個別管理情報が、1又は複数含まれる。個別管理情報には、アプリケーションを識別するアプリケーションIDや、アプリケーションのライフサイクルを制御するライフサイクル制御情報や、アプリケーションの所在を示すロケーション情報が含まれている(
図4参照)。
【0024】
アプリケーションにより提供されるコンテンツには、番組コンテンツに連動するコンテンツ及び番組コンテンツに連動しないコンテンツが含まれる。以下、アプリケーションにより提供されるコンテンツをアプリ用コンテンツという。
【0025】
放送信号は、従来のデジタル放送の放送信号と同一であり、ARIB(登録商標)(Association of Radio Industries and Broadcast:社団法人電波産業会)標準規格で規定される。
【0026】
図2は、デジタル放送に係る放送信号の伝送プロトコルのスタックを示す図である。
図2に示すように、デジタル放送によって提供される映像、音声等の各種データは、国際標準規格MPEG−2 Systemsで規定されるTSパケット(トランスポートストリームパケット)に格納されて、時分割で多重伝送される。
【0027】
TSパケットには、
図2に示すように、セクションに対してPSI(Program Specific Information)/SI(Service Information)が規定されている。PSI/SIには、TSパケットに格納されているデータの種別を示す情報や、コンテンツの種別を示す情報が含まれている。上述のEITは、SIに含まれている。
【0028】
TSパケットによるデータ伝送は、セクションを用いてデータを伝送する方式とPES(Packetized Elementary Stream)パケットを用いてデータを伝送する方式(データストリーム伝送方式)とに分類される。
【0029】
セクションを用いてデータを伝送する方式には、データカルーセル伝送方式と、イベントメッセージ伝送方式がある。
【0030】
データカルーセル伝送方式は、1又は複数のデータを一定周期で繰り返し伝送される伝送方式であり、この伝送方式によって伝送される個々のデータ(モジュール)には個々のデータを識別するための識別情報が付されている。データカルーセル伝送方式は、受信機4側に個々のデータを任意のタイミングで取得させることを目的として用いられる。
【0031】
イベントメッセージ伝送方式は、放送局1から受信機4に対して、トリガ信号を送るための方式である。イベントメッセージ伝送方式は、データ量が少ないメッセージを放送局1から受信機4に伝送する場合に用いられる。
【0032】
データストリーム伝送方式は、伝送するデータをPESパケットに収容してストリームとして伝送する伝送方式である。データストリーム伝送方式は、映像、音声、字幕データ等のリアルタイム型のデータや、他のストリームとの同期を要するデータの伝送に用いられる。
【0033】
ここで、AITは、TSパケットを用いて様々な方法によって伝送可能である。
すなわち、AITは、TSパケットのSIに含まれるEITに対して記述することによって伝送可能である。
【0034】
また、AITは、セクションを用いてデータカルーセル伝送方式により伝送可能である。AITをデータカルーセル伝送方式により伝送する場合、受信機4側でAITであることを認識できるようにモジュールに対して識別情報が付される。
【0035】
また、AITは、PESとしてコンテンツの映像や音声に多重させて伝送可能である。
【0036】
また、AITは、バイナリ表現又はXML(Extensible Markup Language)によるテキスト表現で記述して、TSパケットに格納することができる。
本実施形態では、AITの伝送方法は、上記の伝送方法の少なくともいずれかに予め規定されているものとする。
【0037】
マルチメディア符号化(BML:Broadcast Markup Language)は、W3C(登録商標)(World Wide Web Consortium)が定義したxHTMLを基礎とし、手続き型言語にはJavaScript(登録商標)を基礎としたECMAScriptを用いて国際標準との整合性を考慮して定義された規格である。
【0038】
サービスサーバ3は、図示は省略するが、番組コンテンツや、アプリケーションに対して配信するコンテンツ(アプリ用コンテンツ)を配信するコンテンツ配信サーバと、受信機4で動作する各種のアプリケーションを配信するアプリケーション配信サーバとを備える。
【0039】
サービスサーバ3は、放送局1の設備と通信可能に接続されており、放送局1から番組コンテンツや、番組コンテンツのメタデータを受信する。
サービスサーバ3は、受信機4から番組コンテンツの取得要求を受け付けたことに応じて、受信機4に対して番組コンテンツを送信する。
【0040】
また、サービスサーバ3は、アプリケーションを記憶しており、受信機4からアプリケーションの取得要求を受け付けたことに応じて、受信機4に対してアプリケーションを送信する。更に、サービスサーバ3は、受信機4においてアプリケーションが実行されている場合に、アプリ用コンテンツの映像データや音声データ等を受信機4に送信する。
【0041】
また、サービスサーバ3は、AITを記憶しており、AITを番組コンテンツに対して多重化させて受信機4に送信する。また、サービスサーバ3は、受信機4からAITの取得要求を受け付けたことに応じて、受信機4に対してAITを送信する。
【0042】
受信機4は、放送局1からの放送を介して受信する番組コンテンツに対して所定の処理を行うことにより、番組コンテンツの映像データ及び音声データを同期して出力する。また、受信機4は、放送局1からの放送と連携し、通信ネットワークNを介してサービスサーバ3から受信する番組コンテンツ(例えば、VODサービスにより提供される番組コンテンツ)に対して所定の処理を行うことにより、番組コンテンツの映像データ及び音声データを同期して出力する。
【0043】
また、受信機4は、AITに基づいてアプリケーションを取得し、取得したアプリケーションを実行する。続いて、受信機4は、実行されているアプリケーションによってサービスサーバ3からアプリ用コンテンツの映像データや音声データ等を取得し、番組コンテンツの映像データ及び音声データに連携させて出力する。以下に、受信機4の機能について詳述する。
【0044】
図3は、本実施形態に係る受信機4の機能構成を示すブロック図である。
受信機4は、受信手段としての放送波受信部11と、第1分離部12と、アプリケーション管理情報取得手段としての放送AIT取得部13と、通信部14と、第2分離部15と、通信AIT取得部16と、操作受付手段としての操作受付部17と、視聴状態検出手段としての視聴状態検出部18と、アプリケーション制御部19と、音声制御部20と、合成表示制御手段としての表示制御部21と、スピーカ22と、ディスプレイ23と、メモリ24と、アプリケーション管理情報記憶手段としてのAIT記憶部25と、アプリケーション記憶手段としてのアプリケーション記憶部26とを備える。
【0045】
放送波受信部11は、放送用アンテナ2を介して放送局1から放送されている放送波を受信する。
【0046】
第1分離部12は、放送波受信部11により受信した放送波を復調し、放送波から放送信号、すなわち、TSパケットを抽出する。そして、第1分離部12は、TSパケットのPSI/SIを参照して、TSパケットに含まれているデータの種別を判別し、映像、音声、EIT等の各種データを抽出する。また、第1分離部12は、予め規定されているAITの伝送方法に応じて、セクション及びPESを参照してAITを抽出する。
【0047】
続いて、第1分離部12は、TSパケットのPESに含まれているデータが音声データである場合、この音声データを音声制御部20に出力する。また、第1分離部12は、TSパケットのPESに含まれているデータが映像データである場合、この映像データを表示制御部21に出力する。
【0048】
また、第1分離部12は、抽出したEITや、緊急警報を示すデータや、その他の各種データをメモリ24に記憶させる。第1分離部12は、抽出したEITから、視聴中の番組コンテンツの識別情報を特定する。そして、第1分離部12は、AITを抽出した場合、抽出したAITと視聴中の番組コンテンツの識別情報とを関連付けて放送AIT取得部13に出力する。
【0049】
放送AIT取得部13は、第1分離部12から出力されたAITと視聴中の番組コンテンツの識別情報とを取得する。そして、放送AIT取得部13は、このAITと、この視聴中の番組コンテンツの識別情報とを関連付けてAIT記憶部25に記憶させる。
【0050】
通信部14は、通信ネットワークNを介してサービスサーバ3とデータの送受信を行う通信インタフェースである。
【0051】
第2分離部15は、通信部14により受信されたデータの種別を判別する。第2分離部15は、受信したデータがAITであると判別した場合、このAITを通信AIT取得部16に出力する。また、第2分離部15は、受信したデータがアプリケーションであると判別した場合、このアプリケーションをアプリケーション制御部19に出力する。
また、第2分離部15は、受信したデータが緊急警報を示すデータである場合、このデータをメモリ24に記憶させる。
【0052】
例えば、第2分離部15は、受信したデータがTSパケットであると判別した場合、映像、音声、AIT等の各種データをTSパケットから抽出する。そして、第2分離部15は、AITを抽出した場合、このAITを通信AIT取得部16に出力し、AIT以外のデータを抽出した場合、このデータをアプリケーション制御部19に出力する。
【0053】
通信AIT取得部16は、第2分離部15から出力されたAITを取得し、AIT記憶部25に記憶させる。
【0054】
操作受付部17は、通信部14を介して、受信機4に設けられているリモコンRを介してユーザから操作を受け付ける。リモコンRには、Hybridcast(登録商標)ボタンが設けられており、このHybridcastボタンが押下されると、後述のメニュー生成部191によって、メニュー画面が生成される。なお、操作受付部17は、携帯電話機等の外部端末から通信部14を介して操作を受け付けてもよい。
【0055】
視聴状態検出部18は、受信機4の視聴状態を検出する。具体的には、視聴状態検出部18は、視聴状態として、受信機4において選局されている放送に対応する放送局1の識別情報を検出する。また、視聴状態検出部18は、EITを参照して、検出された放送局1の識別情報に対応する番組コンテンツの識別情報から、現在時刻に対応する番組コンテンツの識別情報を特定することにより、受信機4において視聴されている番組コンテンツの識別情報を検出する。また、視聴状態検出部18は、後述のアプリケーション実行制御部192により実行されているアプリケーションの識別情報を検出する。また、視聴状態検出部18は、メモリ24に緊急警報を示すデータが記憶されている場合に、受信機が放送又は通信を介して緊急警報を受信したと判定する。そして、視聴状態検出部18は、緊急警報を受信したと判定した場合に視聴状態が緊急状態であると検出する。
【0056】
アプリケーション制御部19は、AIT又はリモコンRを介したユーザの実行指示に基づいてアプリケーションを取得し、取得したアプリケーションの実行を制御する。そして、アプリケーション制御部19は、アプリケーションの実行によってサービスサーバ3から取得されたアプリ用コンテンツの音声データを音声制御部20に出力するとともに、サービスサーバ3から取得されたアプリ用コンテンツの映像データを表示制御部21に出力する。
【0057】
図4は、XML形式で記述されたAITの一例を示す図である。上述したように、AITには、1又は複数のアプリケーションそれぞれに対応し、1又は複数のアプリケーションそれぞれを管理するための個別管理情報が1又は複数含まれる。
具体的には、
図4に示される<mhp:Application>タグから</mhp:Application>タグまでに記述されているコードは、一のアプリケーションに関する個別管理情報に対応している。AITには、</mhp:Application>タグの後に、他のアプリケーションの個別管理情報を新たに記述することによって、複数の個別管理情報を記述することができる。
【0058】
また、個別管理情報に対応するコードのうち、例えば、<mhp:orgId>タグに対応するコードは、アプリケーションを作成した組織の情報である組織情報を示している。本実施形態では、この組織情報が、放送局の識別情報に対応しているものとする。また、<mhp:appId>タグに対応するコードは、アプリケーションの識別情報(アプリケーションID)を示している。
【0059】
また、<mhp:serviceBound>タグに対応するコードは、アプリケーションの連動情報(アプリケーションかバウンドアプリケーションか否か)を示している。また、<mhp:policyLevel>タグに対応するコードは、緊急状態における表示の可否を決定するアプリケーションのポリシーレベルを示している。
【0060】
また、<mhp:controlCode mhp:type=“ARIB−J”>タグに対応するコードは、このアプリケーションのライフサイクル制御情報を示しており、
図4に示される「AUTOSTART」は、受信機4によってアプリケーションを自動実行させるライフサイクル制御情報である。
【0061】
ここで、これら、<mhp:orgId>タグに対応するコード、<mhp:appId>タグに対応するコード、<mhp:serviceBound>タグに対応するコード、<mhp:policyLevel>タグに対応するコード、<mhp:controlCode mhp:type=“ARIB−J”>タグに対応するコードをまとめて、実行可能情報という。
【0062】
また、<mhp:location>タグに対応するコードは、このアプリケーションの所在を示すロケーション情報を示している。
図4に示されるように、ロケーション情報には、アプリケーションの所在として、サービスサーバ3のアドレスが記述されている。なお、ロケーション情報には、アプリケーションの所在として、受信機4のアプリケーション記憶部26のアドレス(パス)を指定することもできる。
【0063】
アプリケーション制御部19は、アプリケーションの実行制御及びアプリケーションのアプリケーション記憶部26への記憶制御を行う。アプリケーション制御部19は、メニュー生成手段としてのメニュー生成部191と、アプリケーション実行制御手段としてのアプリケーション実行制御部192とを備える。
【0064】
メニュー生成部191は、操作受付部17により、受信機4のリモコンRを介して受信機4のユーザから所定の操作として、Hybridcastボタンの押下操作を受け付けたことに応じて、視聴状態検出部18により検出された視聴状態と、AITに含まれる実行可能情報に基づいて、実行可能なアプリケーションを特定し、特定したアプリケーションの情報を含むメニュー画面を生成する。
【0065】
具体的には、メニュー生成部191は、操作受付部17により、Hybridcastボタンの押下操作を受け付けたことに応じて、ライフサイクル制御情報に「実行可能」を示す「PRESENT」が記述されている個別管理情報を抽出する。
【0066】
続いて、メニュー生成部191は、番組コンテンツに連動するアプリケーション(バウンドアプリケーション)に対応する個別管理情報と、番組コンテンツに連動しないアプリケーション(アンバウンドアプリケーション)に対応する個別管理情報とを抽出する。
【0067】
すなわち、メニュー生成部191は、バウンドアプリケーションに対応する個別管理情報として、連動情報に「true」が記述されている個別管理情報を抽出する。
続いて、メニュー生成部191は、抽出された個別管理情報から、視聴状態検出部18により検出された放送局の識別情報に対応する組織情報が記述された個別管理情報に絞込を行う。
続いて、メニュー生成部191は、絞込が行われた個別管理情報から、視聴状態検出部18により検出された番組コンテンツの識別情報に関連付けられているAITに対応する個別管理情報に絞込を行う。
このようにして、メニュー生成部191は、バウンドアプリケーションに対応する個別管理情報から、実行可能な個別管理情報を特定する。
【0068】
また、メニュー生成部191は、アンバウンドアプリケーションに対応する個別管理情報として、連動情報に「false」が記述されている個別管理情報を抽出する。
【0069】
メニュー生成部191は、バウンドアプリケーションに対応する個別管理情報と、アンバウンドアプリケーションに対応する個別管理情報とを抽出した後、これらの個別管理情報から、実行中のアプリケーションの識別情報と一致するアプリケーションの識別情報を含む個別管理情報を除外する。
【0070】
続いて、メニュー生成部191は、視聴状態検出部18によって緊急状態が検出されているか否かを判定する。そして、メニュー生成部191は、緊急状態が検出されていると判定した場合に、抽出されている個別管理情報から、緊急状態時に実行可能なポリシーレベルが付されている個別管理情報に絞込を行う。
【0071】
続いて、メニュー生成部191は、抽出した個別管理情報に対応するアプリケーションの情報を、メニューに掲載するアプリケーションの情報として特定する。ここで、アプリケーションの情報は、アプリケーションの名称や、アプリケーションのアイコンであり、個別管理情報に含まれているか、個別管理情報に基づいて取得可能なものとする。
【0072】
そして、メニュー生成部191は、特定したアプリケーションの情報が表示されたメニュー画面を生成し、生成したメニュー画面を表示制御部21に出力する。その後、表示制御部21により、メニュー画面と第1分離部12から出力された映像(番組コンテンツの映像)とが合成された合成画面が生成され、この合成画面がディスプレイ23に表示される。
【0073】
アプリケーション実行制御部192は、表示制御部21によりメニュー画面が番組コンテンツに合成され、ディスプレイ23に表示された後、操作受付部17によりアプリケーションの選択操作を受け付けたことに応じて、AIT記憶部25に記憶されているAITを参照し、選択されたアプリケーションに対応する個別管理情報を特定する。そして、アプリケーション実行制御部192は、特定した個別管理情報に含まれるロケーション情報に基づいて、サービスサーバ3又はアプリケーション記憶部26からアプリケーションを取得し、取得したアプリケーションを実行する。
【0074】
アプリケーションは、アプリケーション制御部19に対して、アプリ用コンテンツの映像データ及び音声データをサービスサーバ3から取得させる。そして、アプリケーション制御部19は、アプリケーションによって取得したアプリ用コンテンツの音声データを音声制御部20に出力するとともに、アプリケーションによって取得したアプリ用コンテンツの映像データを表示制御部21に出力する。ここで、アプリケーションが番組コンテンツに連動するアプリコンテンツを提供するアプリケーションである場合には、アプリ用コンテンツの映像データ及び音声データが番組コンテンツの映像データ及び音声データに連動してディスプレイ23に表示される。
【0075】
また、アプリケーション実行制御部192は、AIT記憶部25を監視し、新たにAITが記憶された場合に、このAITに記述されているライフサイクル制御情報を参照する。そして、アプリケーション実行制御部192は、AIT記憶部25に記憶されているAITに含まれる個別管理情報のライフサイクル制御情報に基づいて、自動的に実行させるアプリケーションを特定する。具体的には、アプリケーション実行制御部192は、ライフサイクル制御情報に「自動実行」を示す「AUTOSTART」が記述されている個別管理情報に対応するアプリケーションを、自動的に実行させるアプリケーションとして特定する。
【0076】
そして、アプリケーション実行制御部192は、特定したアプリケーションに対応する個別管理情報に記述されているロケーション情報をアプリケーションの取得先として、通信部14及び第2分離部15を介してサービスサーバ3からアプリケーションを取得し、取得したアプリケーションを実行する。この場合、アプリケーションは、受信機4のユーザから明示的な操作指示を受けることなく自動的に実行される。
【0077】
また、アプリケーション実行制御部192は、AIT記憶部25を監視し、実行中のアプリケーションに対応する個別管理情報を記述したAITが新たにAIT記憶部25に記憶された場合、この個別管理情報に含まれるライフサイクル制御情報に基づいて、実行中のアプリケーションを制御する。例えば、実行中のアプリケーションに対応する個別管理情報のライフサイクル制御情報に「終了」を示す「DESTROY」が記述されている場合、アプリケーションの実行を終了する。
【0078】
音声制御部20は、第1分離部12から出力された音声データを、表示制御部21により表示制御される映像データと同期をとりながらスピーカ22に出力する。また、音声制御部20は、アプリケーション制御部19から出力された音声データが表示制御部21により表示制御される映像データと同期可能である場合、この映像データと同期をとりながら音声データをスピーカ22に出力する。
【0079】
表示制御部21は、第1分離部12から出力された映像データを、音声制御部20により出力制御される音声データと同期をとりながらディスプレイ23に表示させる。また、表示制御部21は、アプリケーション制御部19から出力された映像データを、第1分離部12から出力された映像データ(番組コンテンツの映像データ)と合成し、合成された映像データをディスプレイ23に表示させる。
また、表示制御部21は、メニュー生成部191から出力されたメニュー画面を第1分離部12から出力された映像データに合成し、合成された映像データをディスプレイ23に表示させる。
【0080】
メモリ24は、EIT等の番組コンテンツのメタ情報や、緊急警報を示すデータや、その他各種情報を記憶する。
AIT記憶部25は、放送AIT取得部13及び通信AIT取得部16によって取得されたAITを記憶する。また、AIT記憶部25は、アプリケーション記憶部26に記憶されているアプリケーションに対応するAITを記憶する。また、AIT記憶部25は、AITが番組コンテンツに連動するアプリケーションに対応しているAITである場合、放送中の番組コンテンツの識別情報をAITに関連付けて記憶する。
【0081】
アプリケーション記憶部26は、受信機4にプリインストールされているアプリケーションや、受信機4のユーザにより登録されたアプリケーションを記憶する。
【0082】
続いて、受信機4のディスプレイ23にメニュー画面の表示が行われる場合の表示例について説明する。
【0083】
ここで、AIT記憶部25には、
図5に示されている情報を含む個別管理情報が記憶されているものとする。また、視聴状態検出部18により、視聴中の放送局1の識別情報が「100」、視聴中の番組コンテンツの識別情報が「1000」と検出されているものとする。そして、受信機4は、アプリケーションが実行されておらず、
図6にディスプレイ23に示される映像が表示されているものとする。
【0084】
この場合に、操作受付部17により、受信機4のリモコンRを介して受信機4のユーザからHybridcastボタンの押下操作が受け付けられると、メニュー生成部191は、ライフサイクル制御情報に「実行可能」を示す「PRESENT」が記述されている個別管理情報を抽出する。ここでは、
図5に示される全ての個別管理情報が抽出される。
【0085】
続いて、メニュー生成部191は、バウンドアプリケーションに対応する個別管理情報として、連動情報に「true」が記述されている個別管理情報を抽出する。ここでは、メニュー生成部191は、
図5に示されるコメントアプリケーション以外のアプリケーションに対応する個別管理情報を抽出する。
【0086】
続いて、メニュー生成部191は、抽出された個別管理情報から、視聴状態検出部18により検出された放送局1の識別情報に対応する組織情報が記述された個別管理情報に絞込を行う。ここでは、メニュー生成部191は、orgIDに「100」が記述されている字幕アプリケーション、ゆっくり音声アプリケーション、レコメンドアプリケーション、レシピアプリケーションに対応する個別管理情報に絞込を行う。
【0087】
続いて、メニュー生成部191は、絞込が行われた個別管理情報から、視聴状態検出部18により検出された番組コンテンツの識別情報に関連付けられているAITに対応する個別管理情報を抽出する。ここでは、メニュー生成部191は、番組コンテンツ「1000」に対応する個別管理情報として、字幕アプリケーション、ゆっくり音声アプリケーション、レシピアプリケーションに対応する個別管理情報に絞込を行う。
【0088】
また、メニュー生成部191は、アンバウンドアプリケーションに対応する個別管理情報として、連動情報に「false」が記述されている個別管理情報を抽出する。ここでは、メニュー生成部191は、コメントアプリケーションに対応する個別管理情報を抽出する。
【0089】
続いて、実行されているアプリケーションがなく、緊急警報が発せられていないことから、メニュー生成部191は、バウンドアプリケーションに対応し、絞込が行われた個別管理情報と、アンバウンドアプリケーションに対応する個別管理情報とに基づいてメニュー画面を生成し、表示制御部21に出力する。すると、表示制御部21は、
図7に示すようにメニュー画面に対応する映像Aと、番組コンテンツの映像とをディスプレイ23に合成表示させる。
【0090】
続いて、
図7に示すように、メニュー画面に対応する映像Aと番組コンテンツの映像とがディスプレイ23に合成表示されている場合に、メニュー画面に対応する映像Aに基づいてコメントアプリケーションが選択されると、アプリケーション実行制御部192は、コメントアプリケーションの個別管理情報に含まれるロケーション情報に基づいて、サービスサーバ3又はアプリケーション記憶部26からコメントアプリケーションを取得し、取得したコメントアプリケーションを実行する。すると、表示制御部21は、
図8に示すように、コメントアプリケーションに対応する映像A1と、番組コンテンツの映像とをディスプレイ23に合成表示させる。
【0091】
続いて、
図8に示される状況において、受信機4のリモコンRを介して受信機4のユーザからHybridcastボタンの押下操作が受け付けられると、メニュー生成部191は、以下のようにメニュー画面の生成を行う。
【0092】
すなわち、メニュー生成部191は、バウンドアプリケーションに対応する個別管理情報として、ライフサイクル制御情報に「実行可能」を示す「PRESENT」が記述され、連動情報に「true」が記述され、orgIDに「100」が記述されている個別管理情報を抽出する。ここでは、メニュー生成部191は、字幕アプリケーション、ゆっくり音声アプリケーション、レシピアプリケーションに対応する個別管理情報を抽出する。また、メニュー生成部191は、アンバウンドアプリケーションに対応する個別管理情報として、連動情報に「false」が記述されている個別管理情報を抽出する。ここでは、メニュー生成部191は、コメントアプリケーションに対応する個別管理情報を抽出する。
【0093】
続いて、メニュー生成部191は、既に実行されているコメントアプリケーションをメニューから除外する。すると、表示制御部21は、
図9に示すように、コメントアプリケーションに対応する映像A1と、コメントアプリケーションに対応する情報が含まれていないメニュー画面に対応する映像Bと、番組コンテンツの映像とをディスプレイ23に合成表示させる。
【0094】
また、
図10に示すように、緊急警報として緊急地震速報が発せられ、緊急地震速報の映像Cが表示されている場合に受信機4のリモコンRを介して受信機4のユーザからHybridcastボタンの押下操作が受け付けられると、メニュー生成部191は、以下のようにメニュー画面の生成を行う。すなわち、メニュー生成部191は、バウンドアプリケーションに対応する個別管理情報として、ライフサイクル制御情報に「実行可能」を示す「PRESENT」が記述され、連動情報に「true」が記述され、orgIDに「100」が記述されている個別管理情報を抽出する。ここでは、メニュー生成部191は、字幕アプリケーション、ゆっくり音声アプリケーション、レシピアプリケーションに対応する個別管理情報を抽出する。また、メニュー生成部191は、アンバウンドアプリケーションに対応する個別管理情報として、連動情報に「false」が記述されている個別管理情報を抽出する。ここでは、メニュー生成部191は、コメントアプリケーションに対応する個別管理情報を抽出する。
【0095】
続いて、メニュー生成部191は、実行されているアプリケーションがないことから、抽出された個別管理情報からの除外を行わず、視聴状態検出部18によって緊急状態が検出されているか否かを判定する。メニュー生成部191は、緊急状態が検出されていると判定するので、抽出されている個別管理情報から、緊急状態時に実行可能なポリシーレベルが付されている個別管理情報に絞込を行う。ここで、緊急状態時に実行可能なポリシーレベルが「3」である場合、メニュー生成部191は、抽出されている個別管理情報から、ゆっくり音声アプリケーション、コメントアプリケーションに対応する個別管理情報に絞込を行う。すると、表示制御部21は、
図11に示すように、緊急地震速報の映像Cと、メニュー画面に対応する映像Dと、番組コンテンツの映像とをディスプレイ23に合成表示させる。
【0096】
続いて、受信機4における処理の流れについて説明する。
図12は、本実施形態に係る所定の操作を受け付けてから、メニュー画面を介してアプリケーションが実行されるまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【0097】
ステップS1において、メニュー生成部191は、操作受付部17により、受信機4のリモコンRを介して受信機4のユーザから所定の操作(Hybridcastボタンの押下操作)を受け付ける。
【0098】
ステップS2において、メニュー生成部191は、AIT記憶部25に記憶されているAITから、バウンドアプリケーションに対応する個別管理情報を抽出する。具体的には、メニュー生成部191は、ライフサイクル制御情報に「実行可能」を示す「PRESENT」が記述され、連動情報に「true」が記述されている個別管理情報を抽出する。
【0099】
ステップS3において、メニュー生成部191は、ステップS2において抽出された個別管理情報から、視聴状態検出部18により検出された視聴中の放送局1の識別情報に対応する個別管理情報に絞込を行う。
【0100】
ステップS4において、メニュー生成部191は、ステップS3において絞込が行われた個別管理情報から、視聴されている番組コンテンツの識別情報に関連付けられてAIT記憶部25に記憶されているAITに対応する個別管理情報に絞込を行う。
【0101】
ステップS5において、メニュー生成部191は、AIT記憶部25に記憶されているAITから、アンバウンドアプリケーションに対応する個別管理情報を抽出する。具体的には、メニュー生成部191は、ライフサイクル制御情報に「実行可能」を示す「PRESENT」が記述され、連動情報に「false」が記述されている個別管理情報を抽出する。
【0102】
ステップS6において、メニュー生成部191は、視聴状態検出部18が緊急状態を検出しているか否かを判定する。メニュー生成部191は、この判定がYESの場合、ステップS7に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップS8に処理を移す。
【0103】
ステップS7において、メニュー生成部191は、ステップS4において絞込が行われた個別管理情報とステップS5において抽出された個別管理情報から、緊急状態に対応するポリシーレベルの個別管理情報に絞込を行う。
【0104】
ステップS8において、メニュー生成部191は、絞込された個別管理情報に基づいてメニュー画面を生成する。具体的には、メニュー生成部191は、視聴状態検出部18が緊急状態を検出していない場合、ステップS4において絞込が行われた個別管理情報とステップS5において抽出された個別管理情報とに基づいてメニュー画面を生成する。また、メニュー生成部191は、視聴状態検出部18緊急状態を検出している場合、ステップS7において絞込が行われた個別管理情報に基づいてメニュー画面を生成する。
【0105】
ステップS9において、表示制御部21は、ステップS8において生成されたメニュー画面と番組コンテンツの映像とを合成して合成映像を生成し、この合成映像をディスプレイ23に表示させる。
【0106】
ステップS10において、アプリケーション実行制御部192は、操作受付部17によりアプリケーションの選択操作を受け付ける。
【0107】
ステップS11において、アプリケーション実行制御部192は、AIT記憶部25に記憶されているAITを参照し、ステップS10において選択されたアプリケーションに対応する個別管理情報に含まれるロケーション情報に基づいて、アプリケーションを取得する。取得先には、サービスサーバ3のアドレス又はアプリケーション記憶部26のパスが記述されており、アプリケーションは、サービスサーバ3又はアプリケーション記憶部26から取得される。
【0108】
ステップS12において、アプリケーション実行制御部192は、ステップS11において取得されたアプリケーションを実行する。
【0109】
以上、本実施形態によれば、受信機4は、受信機4における視聴状態とAITに含まれる実行可能情報とに基づいて、実行可能なアプリケーションを特定し、特定したアプリケーションの情報を含むメニュー画面を生成する。そして、受信機4は、このメニュー画面によってアプリケーションの選択を受け付ける。よって、受信機4は、視聴状態に応じて実行可能なアプリケーションを適切に提示することができる。
【0110】
また、受信機4は、視聴されている放送局1に対応したアプリケーションの情報を含むメニュー画面を生成するので、視聴されている放送局1に対応したアプリケーションを実行可能なアプリケーションとして提示することができる。
【0111】
また、受信機4は、視聴されている番組コンテンツに対応したアプリケーションの情報を含むメニュー画面を生成するので、視聴されている番組コンテンツに対応したアプリケーションを実行可能なアプリケーションとして提示することができる。
【0112】
また、受信機4は、既に実行されているアプリケーションの重複実行を防止することができる。
【0113】
また、受信機4は、緊急警報が発せられた緊急状態において、実行可能なアプリケーションを、緊急状態でも実行することができるアプリケーションに絞込を行う。よって、受信機4は、緊急状態において不要なアプリケーションの実行を抑制して、緊急状態において必要な情報を受信機4のユーザに閲覧しやすい状態とすることができる。
【0114】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0115】
例えば、本実施形態では、アプリケーション制御部19は、アプリケーションの登録時に、AITをAIT記憶部25に記憶させることとしたが、これに限らない。アプリケーション制御部19は、アプリケーションを登録せずに、アプリケーションを実行したり、アプリケーションを実行してから、実行しているアプリケーションの登録を受け付けるようにしたりしてもよい。
【0116】
また、メニュー生成部191は、メニュー画面に掲載するアプリケーションの情報に対して表示順を設定するようにしてもよい。例えば、EITに番組コンテンツのジャンルを記憶させておくとともに、AITの個別管理情報にアプリケーションのジャンルを記憶させておき、メニュー生成部191は、メニュー画面に掲載するアプリケーションに対応する個別管理情報のジャンルと、番組コンテンツのジャンルが一致する場合に、このアプリケーションの表示順を上位にしてもよい。
【0117】
なお、本実施例では、主に受信機の構成と動作について説明したが、これに限られず、各構成要素を備え、視聴状態に応じて実行可能なアプリケーションを適切に提示するための方法、及びプログラムとして構成されても良い。
【0118】
さらに、受信機の機能を実現するためのプログラムをコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。
【0119】
ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0120】
さらに「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。