(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0004】
論理デバイスまたはメモリデバイスなどの半導体デバイスを作製することは、通常、半導体ウェハなどの基板を多数の半導体作製プロセスを使用して処理することであって、それにより、半導体デバイスの種々のフィーチャおよび複数のレベルを形成する、処理することを含む。たとえば、リソグラフィは、レチクルから、半導体ウェハ上の配置されたレジストにパターンを転写することを含む半導体作製プロセスである。さらに、半導体作製プロセスのさらなる例は、化学機械研磨(CMP)、エッチング、堆積、イオン注入を含むが、それに限定されない。複数の半導体デバイスを、単一半導体ウェハ上に配置して作製し、その後、個々の半導体デバイスに分離することができる。
【0005】
検査プロセスは、半導体製造プロセス中に種々のステップで使用されて、レチクルおよびウェハなどの試料上の欠陥が検出される。検査プロセスは、集積回路などの半導体デバイスを作製するという重要な部分であった。しかし、半導体デバイスの寸法が減少するにつれて、検査プロセスは、許容可能な半導体デバイスの成功裏の製造にとってさらにより重要となっている。たとえば、半導体デバイスの寸法が減少するにつれて、比較的小さな欠陥でさえ半導体デバイスの望ましくない収差をもたらす場合があるため、小さなサイズの欠陥の検出が必要となっている。
【0006】
したがって、検査分野における多くの作業が、以前は無視できるほどであったサイズを有する欠陥を検出しうる検査システムを設計することに捧げられた。通常の検査プロセスは、ウェハ上の同様の半導体デバイスのエリアを比較することによって欠陥を検出する。2つのデバイスエリア間で検出される差は、デバイスを不適切に機能させうる欠陥、または、システム動作に影響を及ぼさないであろう有害物でありうる。半導体ウェハ検査の統合フェーズは、欠陥と有害物とを正確に区別しうるように、検査デバイスの、一般に「レシピ(recipe)」と呼ばれる設定を最適化することを含む。潜在的な欠陥が検査システムによって見出された後、ウェハは、通常、欠陥を分類するために精査ツールに移送される。しかし、欠陥の分類は、「レシピ」とも呼ばれる、精査ツールの設定を最適化することであって、それにより、精査ツールが、潜在的な欠陥を適切に分類し、潜在的な欠陥が有害物または偽りの欠陥であると判定しうる、最適化することを必要とする。要するに、特定のウェハロットに関する欠陥の解析は、検査ツールについてレシピをセットアップし最適化すること、および、精査ツールについて異なるレシプをセットアップすることを必要とする。2つの異なるツールについて2つのレシピをセットアップすることは時間がかかりかつ複雑である。
【0007】
多くの異なるタイプの欠陥についての検査もまた、最近、より重要になっている。たとえば、半導体作製プロセスを監視し補正するため検査結果を使用するために、ウェハ上にどんなタイプの欠陥が存在するかを知ることが必要であることが多い。さらに、半導体製造に関わる全てのプロセスをコントロールすることが、考えられる最も高い収率を達成するために望ましいため、多くの異なる半導体プロセスから生じる可能性がある異なるタイプの欠陥を検出する能力を有することが望ましい。検出される異なるタイプの欠陥は、その特性が劇的に変動する場合がある。たとえば、半導体製造プロセス中に検出するのが望ましい場合がある欠陥は、厚さ変動、微粒子欠陥、スクラッチ、抜けているパターンフィーチャまたは不正にサイズ決定されたパターンフィーチャなどのパターン欠陥、および、こうした異種の特性を有する多くの他の欠陥を含むことができる。
【0008】
欠陥精査は、通常、高倍率光学システムまたは走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して、欠陥に関するさらなる情報を高解像度で生成することを含む。欠陥精査により生成される欠陥についての高解像度データは、プロファイル、粗さ、より正確なサイズ情報などのような欠陥の属性を確定するのにより適している。電子分散X線分光(EDS)システムなどのシステムを使用して欠陥解析を実施することができる。こうした欠陥解析を実施して、欠陥の組成などの情報を確定することができる。検査、精査、解析、またはその何らかの組合せにより確定される欠陥の属性を使用して、欠陥のタイプ(すなわち、欠陥分類)、および、おそらくは欠陥の根本原因を特定しうる。次に、この情報を使用して、1つまたは複数の半導体作製プロセスの1つまたは複数のパラメータを監視し変更し、それにより、欠陥を低減または排除しうる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、添付図面に示す、開示される主題が、詳細に参照される。
【0020】
図1A〜
図9を全体的に参照して、設計ベースデバイス評価のための方法およびシステムが、本開示に従って述べられる。本発明は、デバイス(たとえば、半導体デバイス)内の系統的欠陥の予測的監視ならびに欠陥のリスクレベル評価を対象とする。本明細書でさらに詳細に述べるように、デバイスのリスクレベル評価は、所与のデバイスの設計データ内で定義されるクリティカルポリゴンの解析を含む新規なポリゴン頻度(NPF)を利用して達成される。さらに、ランダム欠陥性によるパターングループ化の利用は、ランダム粒子発生から系統的欠陥発生を分離するのを補助することができる。本開示は、設計レイアウトパターン探索能力、正確な検査エリア定義、およびデバイスの設計データ内に存在する関連構造の印刷頻度の理解によって設計アウェアな欠陥検査を実現する。本開示は、i)デバイスの設計ベースリスク評価を提供すること、ii)クリティカル欠陥情報を使用して動的サンプリングを提供すること、iii)メモリデバイス内でメモリデバイスリスク評価および/または収率相関を確定すること、および、iv)空間解析を使用してデバイス処理を監視することを対象とする。
【0021】
本開示全体を通して使用されるように、用語「ウェハ」は、一般に半導体材料または非半導体材料から形成される基板を指す。たとえば、半導体材料または非半導体材料は、単結晶シリコン、ヒ化ガリウム、およびリン化インジウムを含むが、それに限定されない。ウェハは1つまたは複数の層を含むことができる。たとえば、こうした層は、レジスト、誘電体材料、導電性材料、および半導体材料を含むことができるが、それに限定されない。多くの異なるタイプのこうした層が、当技術分野で知られており、本明細書で使用される用語、ウェハは、全てのタイプのこうした層をその上に形成することができるウェハを包含することを意図される。
【0022】
ウェハ上に形成される1つまたは複数の層を、パターン化することができるまたは非パターン化することができる。たとえば、ウェハは複数のダイを含むことができ、それぞれのダイは繰り返し可能なパターン化フィーチャを有する。こうした材料の層の形成および処理は、最終的に完成されたデバイスをもたらしうる。多くの異なるタイプのデバイスをウェハ上に形成することができ、本明細書で使用される用語、ウェハは、当技術分野で知られている任意のデバイスがその上で作製されるウェハを包含することを意図される。
【0023】
実施形態が、本明細書でウェハに関して述べられるが、実施形態は、一般にマスクまたはフォトマスクとも呼ぶことができるレチクルなどの、半導体ターゲットのオーバレイエラーについての欠陥検出の改善のために使用することができることが理解される。多くの異なるタイプのレチクルは、当技術分野で知られており、本明細書で使用される用語「レチクル」、「マスク」、および「フォトマスク」は、当技術分野で知られている全てのタイプのレチクルを包括することを意図される。
【0024】
「フロアプラン(floorplan)」として知られる半導体チップ設計は、セルとして知られる構造を繰返すための設置情報を含む。この情報は、GDSIIまたはOASISファイルフォーマットで通常記憶されるチップの物理的設計から抽出されうる。構造的挙動またはプロセス設計の相互作用は、セルの状況(環境)の関数でありうる。フロアプランを使用することによって、提案される解析は、どのセルタイプに問題があるか、そのセル内の場所がどこか(問題のあるポリゴンの座標)、およびこれが要因である場合、セルに問題がある状況(隣接セルであるもの)を自動的に告げることができる。
【0025】
所与のウェハについて検査器によって見出される各欠陥は、ダイおよびレチクルレベルで通常行われる標準的なセルリピータ解析を受けることになる。従来から、リピータ解析が、セル欠陥性に関して、ダイにわたって、レチクルにわたって、ウェハにわたって、またウェハ−ウェハ間で実施されて、プロセス変動に敏感である弱い構造と相互作用する、ダイレベル現象、レチクルレベル現象、ウェハレベル現象、およびプロセス機器レベル現象のシグネチャを特定する。
【0026】
他の実施形態では、レチクル検査システムによって生成されるレチクルの画像は、設計データ空間内で設計データとして使用される。レチクルは、ウェハ上に設計データを印刷するために使用される。こうして、レチクルの画像が、高倍率光学レチクル検査システムまたは電子ビームベースレチクル検査システムによってそれぞれ取得される。代替的に、レチクルの画像は、エリア画像化レチクルシステムによって取得されるレチクルのエリア画像とすることができる。レチクルの画像は、1つまたは複数のステップを実施するために設計データを使用する、本明細書で述べる実施形態のうちの任意の実施形態で、設計データ用のプロキシとして使用することができる。
【0027】
本開示で使用される用語「設計データ(design data)」は、一般に、集積回路の物理的設計および複雑なシミュレーションまたは簡単な幾何演算とブール演算による、物理的設計から算出されるデータを指す。さらに、レチクル検査システムによって取得されるレチクルの画像および/またはその派生物は、設計データ用の1つまたは複数のプロキシとして使用することができる。こうしたレチクル画像またはその派生物は、設計データを使用する本明細書で述べる任意の実施形態で、設計レイアウトの代替物として役立つことができる。設計データおよび設計データプロキシは、その全てが参照によって本明細書に組み込まれる、2010年3月9日に発行されたKulkarniによる米国特許第7,676,007号、2011年5月25日に出願されたKulkarniによる米国特許出願シリアル番号第13/115,9587号、2011年10月18日に発行されたKulkarniによる米国特許第8,041,103号、および2009年8月4日に発行されたZafar等による米国特許第7,570,796号に記載される。
【0028】
図1Aおよび
図1Bは、本明細書でさらに述べる種々のプロセスを実施するために利用することができる検査システム100を示す。一態様では、シシテム100は、サンプルステージ112上に配設される半導体ウェハ104上の欠陥を検出するように構成された検査ツール102を含むことができる。検査ツール102は、限定はしないが、明視野検査システム、暗視野検査システム、または電子ビーム検査システムなどの、当技術分野で知られている任意の適切な検査システムを含むことができる。さらなる態様では、検査ツール102は、照明源106、ビームスプリッタ108、および検出器110を含むことができる。
【0029】
照明源106は、当技術分野で知られている任意の照明源を含むことができる。たとえば、照明源106は、レーザ源などの狭帯域光源を含むことができる。さらなる実施形態では、照明源106は、光をビームスプリッタ108に向けるように構成することができる。次に、ビームスプリッタ108は、照明源106から、サンプルステージ112上に配設されるウェハ104の表面に光を向けるように構成することができる。さらに、ビームスプリッタ108は、ウェハ104から反射した光を検出器110に送るように構成することができる。
【0030】
検出器110は、当技術分野で知られている任意の適切な検出器を含むことができる。一実施形態では、検出器110は、電荷結合素子(CCD)カメラを含むことができる。検出器110は、ウェハ104上の実際の欠陥(たとえば、欠陥122)を検出するために使用することができる。さらなる実施形態では、検出器110の出力は、1つまたは複数のコンピューテティングシステム114に通信可能に結合することができる。この点に関して、1つまたは複数のコンピューティングシステム114は、検出器110によって収集され送信された検出データを使用してウェハ104上の実際の欠陥を検出するように構成することができる。1つまたは複数のコンピューティングシステム110は、ウェハ104上の欠陥を検出するために、当技術分野で知られている任意の方法および/またはアルゴリズムを利用することができる。検査ツール102が、半導体ウェハにわたって分布した欠陥を検出するために利用することができることを当業者は認識すべきである。たとえば、
図1Bに示すように、ウェハ104は、ウェハ104の複数のダイ120にわたって分布した複数の欠陥を含む場合がある。
【0031】
さらに、1つまたは複数のコンピューティングシステム110は、任意の適した方法で(当技術分野で知られている任意の適した伝送媒体を含むことができる
図1に示す点線で示す1つまたは複数の伝送媒体によって)検出器に結合することができ、それにより、コンピュータシステムは、検出器によって生成される出力を受信しうる。さらに、検査ツール102が2つ以上の検出器(図示せず)を含む場合、1つまたは複数のコンピューティングシステム110は、上述したように各検出器に結合することができる。さらなる実施形態では、ウェハ104は、サンプルステージ112上に配設することができる。サンプルステージ112は、当技術分野で知られている任意の適切な機械組立体および/またはロボット組立体を含むことができる。
【0032】
さらなる実施形態では、検査ツール102は、半導体ウェハ104の欠陥を動的に検出するために、システム100の別のサブシステムからの命令を受入れるように構成することができる。たとえば、検査ツール102は、システム100の1つまたは複数のコンピューティングシステム114からの命令を受入れることができる。1つまたは複数のコンピューティングシステム114からの命令を受入れると、検査ツール102は、は、提供される命令において特定される半導体ウェハ104の場所で検査プロセスを実施することができる。1つまたは複数のコンピューティングシステム110は、本明細書で述べる方法の実施形態のうちの任意の方法の実施形態の任意の他のステップ(複数可)を実施するように構成することができる。
【0033】
別の実施形態では、システム100の1つまたは複数のコンピューティングシステム110は、有線部および/または無線部を含む伝送媒体によって他のシステムからのデータまたは情報(たとえば、検査システムからの検査結果または計測システムからの計測結果)を受信するかつ/または取得するように構成することができる。こうして、伝送媒体は、1つまたは複数のコンピューティングシステム110とシステム100のサブシステムとの間のデータリンクとして役立つことができる。さらに、1つまたは複数のコンピューティングシステム110は、伝送媒体を介してデータを外部システムに送信することができる。
【0034】
1つまたは複数のコンピューティングシステム110は、パーソナルコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列コンピュータ、または当技術分野で知られている任意の他のデバイスを含むことができるが、それに限定されない。一般に、用語「コンピューティングシステム(computing system)」は、メモリ媒体からの命令を実行する1つまたは複数のプロセッサを有する任意のデバイスを包含するよう幅広く定義することができる。
【0035】
本明細書でさらに述べる方法などの方法を実装するプログラム命令118は、キャリア媒体116を通じて伝送するかまたはキャリア媒体116上に記憶することができる。キャリア媒体116は、ワイヤ、ケーブル、または無線伝送リンクなどの伝送媒体とすることができる。キャリア媒体116はまた、読出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスクまたは光ディスク、あるいは磁気テープなどの記憶媒体を含むことができる。
【0036】
図1に示すシステム100の実施形態は、本明細書で述べるようにさらに構成することができる。さらに、システム100は、本明細書で述べる方法の実施形態(複数可)の任意の方法の実施形態の任意の他のステップ(複数可)を実施するように構成することができる。
【0037】
図2は、設計ベースデバイス評価のためのコンピュータ実装式方法200で実施されるステップを示すフロー図である。
【0038】
第1のステップ202にて、複数の関心のパターンは、ウェハに関連付けられる設計データを利用して定義することができる。特定されるPOIのそれぞれは、所与のデバイスのパフォーマンスにとってあるレベルのクリティカリティを持つことができることが本明細書で留意される。いくつかの実施形態では、複数のPOIは、電子設計自動化(EDA)ツールからのデータおよび他の知識を利用して半導体ウェハ上で特定することができる。EDAによって生成される設計に関する任意のこうした情報は、複数のPOIを特定するために使用することができる。たとえば、POIは、ウェハのPOIと同じ層または別の層上でクリティカルパスの一部を形成するか、あるいは、クリティカルパスにまたはクリティカルパスの近くに位置するパターンとして選択することができる。さらに、設計データは、任意の適した方法で1つまたは複数のPOIについて探索される場合がある。たとえば、1つまたは複数のPOIについて設計データを探索することは、Kulkarni等およびZafar等による先に参照した特許出願に記載されるように実施することができる。さらに、POI(複数可)は、この特許出願で記載される任意の他の方法またはシステムを使用して選択または特定することができる。さらなる実施形態では、複数のPOIは、設計ルールチェック(DRC)プロセス、光学ルールチェック(ORC)、または不良解析(FA)プロセスを利用して特定されて、デバイスパフォーマンスにとってクリティカルなパターンを特定することができる。別の実施形態では、複数のPOIは、プロセスウィンドウ定性化法(PWQ)を利用して特定することができる。1つまたは複数のPOIについて設計データを探索することは、参照により組込まれる、Kulkarni等およびZafar等による上述した参考文献に記載されるように実施することができる。さらに、POI(複数可)は、これらの特許出願で記載される任意の他の方法またはシステムを使用して選択または特定することができる。
【0039】
第2のステップ204にて、設計ベース分類(DBC)データベースを生成することができる。一態様では、DBCデータベースは、所与のデバイスのパフォーマンスにとってクリティカルな関心のパターンのそれぞれに関連付けられる設計データを含む。たとえば、DBCデータベースは、グラフィカルデータストリーム(GDS)ファイルなどのデータ構造に記憶される設計データを組み込むことができる。GDSIIファイルは、設計レイアウトデータの表現のために使用される1つのクラスのファイルである。他のタイプのファイルは、GLIファイルおよびOASISファイルを含むことができる。さらなる態様では、POIを特定すると、DBCデータベースは、設計ベースビニング(DBB)プロセスを利用して形成することができる。GDSファイルタイプおよび設計ベースビニングの利用は、一般に、参照により組込まれる、Kulkarni等およびZafar等による参考文献に記載される。一般的に、システム100は(たとえば、1つまたは複数のコンピューティングシステム110を介して)、注目すべきパターンタイプを、そのパターンの対応する空間座標(たとえば、X−Y座標)と共に含むデータベースまたはライブラリを、特定の設計と共に生成することができる。
【0040】
さらなる態様では、DBCデータベースは、ステップ302で定義される各POIに関連付けられるクリティカリティ因子または「重み(weight)」を含むことができる。いくつかの実施形態では、POIのそれぞれに関連付けられるクリティカリティの「重み」は、限定はしないが、ウェハのロジック部/メモリ部、機能試験、不良解析(FA)、および同様なものに関連付けられるデータなどの試験データを利用して確定される。本明細書でさらに述べるように、所与のデバイス内のパターンの発生の頻度と共に、パターンに関連付けられるクリティカリティ因子は、所与のダイまたはデバイス全体についての不良の相対的リスクレベルを確定するために使用することができる。
【0041】
第3のステップ206にて、1つまたは複数の検査結果を受信することができる。一態様では、検査ツール102の検出器110からの1つまたは複数の検査結果は、1つまたは複数のコンピューティングシステム114によって受信することができる。1つまたは複数のコンピューティングシステム114によって受信される検査結果は、当技術分野で知られる任意のタイプの検査データを含むことができる。たとえば、検査データは、明視野(BF)検査データまたは暗視野(DF)検査データを含むことができるが、それに限定されない。第4のステップ208にて、ステップ206にて取得される1つまたは複数の検査結果は、DBCライブラリのPOIのそれぞれと比較されて、クリティカルなPOIの発生を監視することができる。
【0042】
第5のステップ208にて、それぞれの関心のパターンの収率影響を、エンドオブライン収率データを使用して確定することができる。この点に関して、それぞれの関心のパターンのクリティカリティは、所与のパターンがエンドオブライン収率に及ぼす影響を解析することによって定性化することができる。先に述べたように、それぞれの関心のパターンは、異なるクリティカリティを持つ。所与の関心のパターンの相対的クリティカリティを評価するため、パターンタイプが、試験データ(たとえば、ロジック試験、メモリ試験、機能試験、FA、および同様なもの)を使用して評価することができる。さらに、クリティカリティは、設計パターングループ化を利用して系統的に確定することができ、システムが、従来技術で必要とされる欠陥分類を必要とすることなく、クリティカリティを確定することを可能にする。
【0043】
第6のステップ210にて、関心のパターンのそれぞれの発生の頻度およびクリティカリティが監視されて、デバイスエクスカーションがあるかデバイスを監視することができる。一実施形態では、それぞれの関心のパターンに関連付けられるクリティカリティを、所与の関心のパターンの発生の頻度と共に、正規化されたパレトチャートにおいて監視し表示することができる。
図3は、パターンタイプの関数としてのエリア欠陥密度を示す重み付きパレトチャート300を示す。斜線バーは、欠陥密度の予測レベルを示し、一方、白バーは、実際の欠陥密度を示す。たとえば、この状況における典型的なパレトチャートは、x軸に沿ってGDSパターングループIDを、y軸に沿って欠陥計数を示すことができる。一般的に、パレトチャートは、異なるグループのそれぞれになるようビニングされる欠陥の数を示し、異なるグループのそれぞれは、GDSパターンの異なる部分に対応する。実際の欠陥密度と予測欠陥密度との比が典型的な値より大きいとき、デバイスエクスカーションが一般に示されることを当業者はさらに認識すべきである。パレトチャートを使用するエクスカーション解析は、参照により本明細書に組込まれる2011年7月5日に発行されたFlorenceによる米国特許第7,975,245号に記載される。
【0044】
図4は、パターンタイプの関数としての欠陥密度を示す統計的プロセスコントロール(SPC)データ400のセットを示す。
図4のデータ400は、各POIのクリティカリティを利用して生成される所与のビンについてのある期間にわたって生成される重み付きトレンドチャート404を示す。このタイプの解析プロセスを利用すると、プロセスツール変動を含む典型的な欠陥密度レベル402を超えるエクスカーション406は、プロセスツール共通性によって解析することができる。たとえば、KLA−TENCORによって生成されるKLARITYは、プロセスツール共通性によって解析することができる、プロセスツール変動を含むプロセスエクスカーション問題を解析するのに適する。この開示の本方法およびシステムが、種々の関心のパターンに関連付けられる重み付きクリティカリティ値を使用してSPCチャート400の生成を可能にすることが本明細書で留意される。
【0045】
第7のステップ212にて、デバイスリスクレベルは、クリティカルポリゴンのそれぞれの発生の頻度およびクリティカルポリゴンのそれぞれについてのクリティカリティを利用して、デバイスについての正規化されたポリゴン頻度を計算することによって確定することができる。一態様では、デバイスに関連付けられる設計データのクリティカルポリゴンは、設計ベース探索アルゴリズムを利用して確定される。一実施形態では、本発明の設計ベース分類アルゴリズムは、クリティカルパターンがそこに位置する、デバイスの設計データ内の1つまたは複数のポリゴンを特定することができる。したがって、ステップ212にて見出されるクリティカルポリゴンの空間的解析は、デバイスにおいて見出される物理的欠陥によって生成されるデバイスの総合的デバイスリスクを示すことができる。さらなる実施形態では、システム100は、各ポリゴンタイプの発生の頻度を含む頻度テーブルを、各ポリゴンタイプに関連付けられる対応するリスクレベルと共に生成することができる。
【0046】
さらなる実施形態では、物理的FAまたはDRCが共に、システム100によって利用されて、クリティカルポリゴンのサイズ、位置、および頻度を確定することができる。別の態様では、シミュレーションプロセスを、クリティカルポリゴンを確定するために利用することができる。システム100の1つまたは複数の設計ファイルを利用して、詳細な検査エリアを生成することができ、設計レイアウトの種々のブロックにおけるクリティカルポリゴンの設置と共に、検査調節およびビニングの改善を可能にする。
図5は、本発明のクリティカルポリゴンの概念図を示す。
図5に示すように、複数のポリゴンタイプ502を利用することができる。こうして、クリティカルポリゴンの少なくとも一部分は、本方法の前のステップで特定されたクリティカルパターンに近接して位置することができる。デバイスの設計データを使用したポリゴンの実装は、一般に、参照により本明細書に組込まれる2009年8月3日に出願されたZafarによる米国特許出願シリアル番号第12/534,547号に記載される。
【0047】
さらなる態様では、システム100は、特定されたクリティカルポリゴンを利用して総合的デバイスリスクレベルを確定することができる。こうして、システム100の1つまたは複数のコンピューティングシステム110は、設計データを使用して特定されたそれぞれの個々のクリティカルポリゴンに関連付けられる発生の頻度およびクリティカリティを利用してデバイスについての正規化されたポリゴン頻度を計算することができる。サイズおよび/またはクリティカリティにおけるクリティカルポリゴンの数が増加するにつれて、(クリティカルポリゴンと相関する)クリティカル欠陥の存在による不良の総合的リスクもまた増加することになることが本明細書で留意される。たとえば、観測される高いレベルのクリティカルポリゴンは、デバイスがチップ不良の高い確率を有することを示す。
【0048】
不良のデバイスレベルリスクは、
【数1】
として表すことができる。
【0049】
ここで、DLRはデバイスリスクレベルを示し、NPFは正規化されたポリゴン頻度を示し、f
pはポリゴンの各タイプについてのポリゴン頻度を示し、Aはそれぞれのポリゴンタイプの面積を示す。この点に関して、正規化ポリゴン頻度アルゴリズムを利用して計算されるデバイスレベルリスクは、パターン不良指数を示し、パターン不良指数は、1つまたは複数のクリティカルパターンの結果としての各デバイスの不良のリスクを評価するために使用することができる。こうして、生成される頻度テーブルは、系統的収率損失を含むプロセス変動に対しする感度によって割当てることができるデバイスリスクレベルの評価を可能にする。一般的に、先の説明は、制限として解釈されるべきでない。正規化ポリゴン頻度アルゴリズムを、任意の数のポリゴンおよびポリゴン形状に拡張することができることが本明細書で企図される。さらに、実際のデバイスレベルリスクと計算された正規化ポリゴン頻度との間の相関関数は、任意の適した形態をとることができる。
【0050】
さらなる実施形態では、高いレベルのクリティカルポリゴンを示すNPFチャートを検出すると、ファウンドリユーザは、考えられる収率損失を低減するために、プロセス仕様(たとえば、オーバレイ、クリティカルな寸法、厚さ、プロセスツール因子、および同様なもの)を厳しくするか、または、DFMルールを修正するかを判定することができる。
図5は、高いNPFデバイスについてどの様式の処置が講じられるかを判定するための選択可能な閾値と共に、デバイスの機能にわたるNPF(NPF across a function of devices)の概念図を示す。プロセス仕様を最適化するための閾値およびDFMに関して設計を最適化するための閾値は、点線506および504でそれぞれ示される。トレンドライン502は、示すデバイス、デバイスA、デバイスB、およびデバイスCの状態を示す。たとえば、相対的に低いNPFを示す(したがって、不良の低いリスクにある)デバイスAの場合、選択される閾値は、システム100(たとえば、ファウンドリファブソフトウェアを実装するシステム)が、適切な処置のためにファウンドリユースにフィードバックを提供するようにさせることができる。たとえば、
図5のデバイスAの場合、システム100は、プロセス仕様を最適化する推奨をユーザに与えることができる。別の例として、デバイスBの場合、システム100は、DFMに関するデバイス設計を最適化する推奨をユーザに与えることができる。
【0051】
図7は、クリティカル欠陥を利用して動的サンプリングを提供するためのコンピュータ実装式方法700で実施されるステップを示すフロー図である。フロー
図200の状況で本明細書において先に述べた実施形態および実現技術が、方法700に拡張されると解釈されるべきであることに出願人は留意する。
【0052】
第1のステップ702にて、ウェハ上の複数のクリティカルパターンタイプを特定することができる。一実施形態では、デバイス上の複数のクリティカルパターンは、デバイスパフォーマンスまたは収率損失にとって各パターンタイプのクリティカリティまたは重要性を利用して特定することができる。この点に関して、複数の欠陥を特定すると、システム100のコンピューティングシステム110は、特定のパターンタイプになるよう複数の欠陥をグループ化することができる。複数のパターンを利用して、システム100は、所与のダイまたはウェハ全体について各パターンに関連付けられる相対的リスクレベルをさらに提供することができる(より詳細には方法200参照)。
【0053】
第2のステップ704にて、デバイスリスクレベルは、特定されたクリティカルパターンタイプまたは関心のパターンのそれぞれについての計算されたリスクレベルおよび発生の頻度を利用して確定することができる。第3のステップ706にて、デバイスの1つまたは複数のエクスカーションを特定することができる。この点に関して、関連するエクスカーションは、クリティカルパターンタイプのそれぞれに関連付けられるリスクレベルおよび発生の頻度を利用して特定することができる。たとえば、所与のパターンタイプに関連付けられる欠陥密度が所定の基準を超えるとき、システム100は、デバイスエクスカーションとしてインスタンスを特定することができる。たとえば、
図3に示すものと同様のパレトチャートは、関連するエクスカーションを特定するために使用することができる。それぞれの関心のパターンの解析情報を利用して、リスク指数を、ウェハの各ダイについて確定することができる。確定されたリスク指数に基づいて、プロセス条件に対して変更を行うこと、または、最低でも収率の減少を予測することを考えるかどうかについての推奨を示す信号を、ユーザ(たとえば、設計ユーザ)に送信することができる。
【0054】
第4のステップ708にて、1つまたは複数のデバイスエクスカーションの特定に応答して、動的ウェハ選択を確定することができる。この点に関して、クリティカルPOIを利用してエクスカーションが検出されると、ユーザは、ウェハ選択を増加したいと思うことが本明細書で企図される。第5のステップ710にて、特定されたクリティカルパターンタイプの1つまたは複数を、動的にサンプリングすることができる。一実施形態では、欠陥サンプリングの量は、クリティカルパターン発生の数に比例して変化する場合がある。したがって、特定のクリティカルパターンが他のパターンタイプに比べて発生頻度が増加するにつれて、より発生し易いパターンが、高いレートでサンプリングされることになる。別の実施形態では、システム100は、低頻度のパターンのサンプリングを可能にするために、高頻度のパターンについてのサンプリングレートを比較的低いレートに維持するよう調整することができる。これは、サンプリングバジットが存在するとき、特に有利である。
【0055】
図8は、メモリデバイス内で収率相関を確定するためのコンピュータ実装式方法800で実施されるステップを示すフロー図である。フロー
図200の状況で本明細書において先に述べた実施形態および実現技術が、方法800に拡張されると解釈されるべきであることに出願人は留意する。全てのデバイス収率損失が、その領域のクリティカリティによって定義されない欠陥の存在に関連するわけではないことが本明細書で留意される。たとえば、冗長エリア内の欠陥は、収率に影響を全く及ぼさない場合があり、一方、SAエリア内の欠陥は、デバイス収率に対する大きな影響を示す場合がある。以下の方法は、キルドダイ解析(killed die analysis)におけるより微細な解像度のために、厳密な検査エリア定義をセットアップし、設計データを収率データに相関させるのを補助するために設計データの使用を組み込む。設計データの使用は、デバイス上の複数のエリア(たとえば、主要エリアと冗長エリア)間のより微細な分離を可能にし、一方、同様に、コスメティック欠陥が、影響が大きい欠陥から識別されることを可能にする。
【0056】
第1のステップ802にて、複数の領域は、設計データを利用してデバイスの1つまたは複数の基本的エリアに基づいて定義することができる。いくつかの実施形態では、その領域は、デバイスの主要エリア、SAエリア、デバイスの冗長メモリエリア、またはデバイスのダミーエリアの少なくとも1つに基づくことができる。第2のステップ804にて、1回または複数回の検査測定を、ステップ802にて定義された領域に関して実施することができる。たとえば、検査プロセスは、暗視野検査または明視野検査などの、当技術分野で知られている任意の検査プロセスを含むことができる。第3のステップ806にて、所定のコントロール限界を下回る1つまたは複数の定義された領域の1つまたは複数のダイを、ステップ804にて収集された検査データを利用して特定することができる。この点に関して、ユーザは、1つまたは複数のダイにおける予想される欠陥頻度に基づいて制限されるコントロールを確立することができる。第4のステップ808にて、所定のコントロール限界を下回る1つまたは複数のダイをその領域のそれぞれのインラインデータと比較することによって、収率損失に影響を及ぼす領域を特定することができる。この点に関して、システム100は、クリティカルな関心のパターンを使用するダイロールアップに基づいてダイを特定し、ビニングすることができる。ダイ当たりの欠陥密度または欠陥計数と対照的に、ダイ指数を、各ダイに関連付けられるリスクを確定するように構成することができることが本明細書で企図される。
【0057】
図9は、空間解析を使用してデバイス処理を監視するためのコンピュータ実施式方法900で実施されるステップを示すフロー図である。フロー
図200の状況で本明細書において先に述べた実施形態および実現技術が、方法900に拡張されると解釈されるべきであることに出願人は留意する。デバイス処理機器は、限定はしないが、エッチレート差、チャンバ内のプラズマパターン、排気および吸気ガス流パターン、および温度変動などの種々の因子による不良またはプロセス変動シグネチャに遭遇することが多いことが本明細書で留意される。これらのタイプの変動は、パターン不良および/またはノイズレベル変化をもたらす。変動する空間的信号の解析を、プロセスを監視し、ノイズをフィルタリング除去し、プロセスツール不良を隔離するために使用することができる。
【0058】
第1のステップ902にて、プロセス変動シグネチャを、検査ツールを使用して、1つまたは複数のプロセスステップ間で1つまたは複数のデバイスを検査することによって監視することができる。第2のステップ904にて、デバイスの1つまたは複数の関心のパターンを、設計ベース分類プロセスを使用して、監視されるプロセス変動に関連付けることができる。第3のステップ906にて、1つまたは複数の機器シグネチャを、ステップ904にて見出される関連付けられる関心のパターンを使用して、システム100によって特定することができる。さらなるステップ908にて、1つまたは複数の機器シグネチャを、取得される欠陥マップから減算するために使用することができる。この点に関して、機器シグネチャを、欠陥マップから除去することができ、したがって、欠陥マップに存在する欠陥パターンを隔離する。この補正は、システム100が、系統的機器シグネチャを除去することを可能にし、総合的欠陥データを改善する。
【0059】
本明細書で述べる方法の全ては、方法の実施形態の1つまたは複数のステップの結果を記憶媒体に記憶することを含む。その結果は、本明細書で述べる結果の任意の結果を含むことができ、また、当業者に知られている任意の方法で記憶することができる。記憶媒体は、本明細書で述べる任意の記憶媒体または当技術分野で知られている任意の他の適した記憶媒体を含むことができる。結果が記憶された後、その結果は、記憶媒体内でアクセスされうる、本明細書で述べる方法またはシステムの実施形態の任意のものによって使用されうる、ユーザに対する表示のためにフォーマットされうる、別のソフトウェアモジュール、方法、またはシステムによって使用されうる、などである。さらに、その結果を、「永久的に(permanently)」、「半永久的に(semi-permanently)」、「一時的に(temporarily)」、またはある期間の間、記憶することができる。たとえば、記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)とすることができ、その結果は、記憶媒体内に必ずしも無期限に存続することができるわけではない。
【0060】
上述した方法の実施形態のそれぞれが、本明細書で述べる任意の他の方法(複数可)の任意の他のステップ(複数可)を含むことができることがさらに企図される。さらに、上述した方法の実施形態のそれぞれを、本明細書で述べるシステムの任意のシステムによって実施することができる。
【0061】
最新技術が、システムの態様のハードウェア実装とソフトウェア実装との間に差がほとんど残されていない点まで進んでおり、ハードウェアまたはソフトウェアの使用が、一般に、(ある状況では、ハードウェアとソフトウェアとの間の選択が重要になりうる点で、常にそうではないが)コスト対効率のトレードオフを示す設計選択であることを当業者は認識するであろう。本明細書で述べるプロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術がそれによって実施されうる種々の担体(たとえば、ハ−ドウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア)が存在すること、および、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術が配備される状況によって好ましい担体が変動することになることを当業者は理解するであろう。たとえば、実装者は、速度および精度が最重要であると判定する場合、主にハードウェアおよび/またはファームウェアの担体を選択することができる。代替として、柔軟性が最重要である場合、実装者は、主にソフトウェア実装を選択することができる。または、再び代替として、実装者は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアのある組合せを選択することができる。したがって、本明細書で述べるプロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術をそれによって実施することができる、考えられるいくつかの担体が存在し、そのいずれもが、利用される任意の担体が、担体が配備されることになる状況、実装者の特定の関心事(たとえば、速度、柔軟性、または予測可能性)(そのうちの任意のものが変動する場合がある)に依存する選択である点で、本質的に他の担体より優れていない。実装の光学的態様が、通常、光学指向のハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアを採用することになることを当業者は認識するであろう。
【0062】
本明細書で述べる方法でデバイスおよび/またはプロセスを述べ、したがって、こうした述べたデバイスおよび/またはプロセスをデータ処理システムに統合するためにエンジニアリング技法を使用することが当技術分野内で一般的であることを当業者は認識するであろう。すなわち、本明細書で述べるデバイスおよび/またはプロセスの少なくとも一部分は、適度の量の実験によってデータ処理システムに統合されうる。典型的なデータ処理システムが、一般に、システムユニットハウジング、ビデオディスプレイデバイス、揮発性および不揮発性メモリなどのメモリ、マイクロプロセッサおよびデジタル信号プロセッサなどのプロセッサ、オペレーティングシステム、ドライバ、グラフィカルユーザインタフェース、およびアプリケーションプログラムなどのコンピュータのエンティティ、タッチパッドまたはタッチスクリーンなどの1つまたは複数の相互作用デバイス、ならびに/または、フィードバックループおよびコントロールモータ(たとえば、位置および/または速度を検知するためのフィードバック;コンポーネントおよび/または量を移しかつ/または調整するためのコントロールモータ)を含むコントロールシステムの1つまたは複数を含むことを当業者は認識するであろう。典型的なデータ処理システムは、データコンピューティング/データ通信システムおよび/またはネットワークコンピューティング/ネットワーク通信システムにおいて通常見出されるような任意の適した市販のコンポーネントを利用して実装することができる。
【0063】
本明細書で述べる主題は、異なる他のコンポーネント内に含まれるかまたはそれに接続される異なるコンポーネントを示すことがある。示すこうしたアーキテクチャは、単に例示であること、および、実際には、同じ機能を達成する多くの他のアーキテクチャが実装されうることが理解される。概念的な意味で、同じ機能を達成するためのコンポーネントの任意の配置は、所望の機能が達成されるように効果的に「関連付けられている(associated)」。したがって、特定の機能を達成するために本明細書で組合される任意の2つのコンポーネントは、アーキテクチャまたは中間コンポーネントによらず、所望の機能が達成されるように互いに「関連付けられている」と見なされうる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つのコンポーネントはまた、所望の機能を達成するために、互いに「動作可能に接続されている(operably connected)」または「動作可能に結合されている(operably coupled」と見なされうる。また、そのように関連付けられることが可能な任意の2つのコンポーネントはまた、所望の機能を達成するために、互いに「動作可能に結合可能である(operably couplable)」と見なされうる。動作可能に結合可能な、の特定の例は、物理的に嵌合可能なおよび/または物理的に相互作用するコンポーネント、および/または、無線で相互作用可能なおよび/または無線で相互作用するコンポーネント、および/または、論理的に相互作用するおよび/または論理的に相互作用可能なコンポーネントを含むが、それに限定されない。
【0064】
本明細書で述べる本主題の特定の態様が示され述べられたが、本明細書の教示に基づいて、本明細書で述べる主題から逸脱することなく変更および修正を行うことができ、そのより広い意味の態様、したがって、添付クレームが、本明細書で述べる主題の真の趣旨および範囲内にある全てのこうした変更および修正を、その範囲内に包含することが当業者に明らかになる。
【0065】
さらに、本発明が添付クレームによって定義されることが理解される。一般に、本明細書で、特に添付クレーム内(たとえば、添付クレームの要部)で使用される用語は、一般に、「非限定的な(open)」用語として意図されることが当業者によって理解されるであろう(たとえば、用語「含んでいる(including)」は、「…を含んでいるがそれに限定されない(including but not limited)」として解釈されるべきであり、用語「有している(having)」は、「少なくとも…を有している(having at least)」として解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「…を含むがそれに限定されない(includes but not limited)」として解釈されるべきである、など)。特定の数の導入クレーム列挙が意図される場合、導入されたクレーム記載についての特定の数が意図される場合、こうした意図はクレーム中に明示的に記載され、こうした記載がない場合は、こうした意図も存在しないことが当業者によってさらに理解されるであろう。たとえば、理解の補助として、後続の添付クレームは、クレーム記載を導入するために、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」の使用を含むことができる。しかし、こうした句の使用は、不定冠詞「ある(a)」または「ある(an)」によるクレーム記載の導入が、たとえ同一のクレームが「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」という導入句および「ある(a)」または「ある(an)」などの不定冠詞を含むときでも、こうして導入されたクレーム記載を含む任意の特定のクレームを、1つだけのこうした記載事項を含む発明に限定することを示唆すると解釈されるべきではない(たとえば、「ある(a)」および/または「ある(an)」は、通常、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。さらに、導入されたクレーム記載についての特定の数が明示的に記載される場合でも、こうした記載は、通常、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることを、当業者は認識するであろう(たとえば、他に修飾語のない、「2つの記載事項」という単なる記載は、通常、少なくとも2つの記載事項、または2つ以上の記載事項を意味する)。さらに、「A、B、およびCなどの少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般に、こうした構造は、当業者がその表記を理解することになる意味で意図される(たとえば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、および/またはAとBとCの全て、などを有するシステムを含むがそれに限定されない)。「A、B、またはCなどの少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般に、こうした構造は、当業者がその表記を理解することなる意味で意図される(たとえば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、および/またはAとBとCの全て、などを有するシステムを含むがそれに限定されない)。さらに、2つ以上の代替的な用語を表す実質的にあらゆる離接語および/または離接句は、説明文内であろうと、特許請求の範囲内であろうと、または図面内であろうと、その用語のうちの1つ、その用語のうちのいずれか、またはそれらの用語の両方を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者によってさらに理解されるであろう。たとえば、句「AまたはB」は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むことが理解されるであろう。
【0066】
本発明の特定の実施形態が示されたが、本発明の種々の修正形態および実施形態を、先の開示の範囲および趣旨から逸脱することなく当業者によって行うことができることが明らかである。したがって、本発明の範囲は、添付特許請求の範囲のみによって制限されるべきである。
【0067】
本開示およびその付随する利点の多くが、先の説明によって理解されることになると思われ、また、開示される主題から逸脱することなく、または、その素材の利点の全てを犠牲にすることなく、コンポーネントの形態、構造、および配置において種々の変更を行うことができることが明らかになるであろう。述べる形態は、単に例示であり、こうした変更を包含することが、添付特許請求の範囲の意図である。