(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エッチング液によりシリサイド層の上側に配置された未反応金属層を除去するエッチング方法であって、前記エッチング液が、塩酸と硝酸とスルホン酸化合物とヘテロ原子を含む化合物からなる金属防食剤と水とを含有し、前記金属防食剤は、これを含有する薬液と、これ含まない薬液の下記ニッケル溶解度比が20%以上であるエッチング方法。
(ニッケル溶解度:ニッケル粉末をエッチング液に添加して10分間60℃で処理する。そのろ液中に含まれるニッケルの溶解濃度。)
ニッケル溶解度比(%)
={防食剤を含むニッケル溶解度/防食剤を含まないニッケル溶解度}×100
シリコンウエハ上側にシリコン層と金属層とをその順に形成した半導体基板とする工程と、前記半導体基板をアニールする工程と、当該半導体基板に請求項1〜12のいずれか1項に記載のエッチング液を付与し、当該エッチング液と前記金属層とを接触させ、当該金属層を選択的に除去する工程とを有する半導体基板製品の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、最近になってソース・ドレイン電極等の構成材料についてさらに検討が進み、SiGeエピタキシャル層の適用が提案されている。そうすると、その上側で形成されるシリサイド層にもゲルマニウム(Ge)が含まれることとなる。例えば、上記NiPtシリサイド層は、そこにゲルマニウムが含まれるNiPtGeシリサイド層として構成されることとなる。本発明者らの実験および解析を通じ、上記のようにゲルマニウム(Ge)を含むシリサイド層においては、エッチングの際に、これを含まないものとは異なる挙動を示すことが分かってきた。
【0007】
そこで本発明は、ゲルマニウムを含む場合であっても、シリサイド層の損傷を抑制し、その上側に配置された金属層を選択的かつ的確に除去することができるエッチング液、これを用いたエッチング方法、エッチング液のキット、および半導体基板製品の製造方法の提供を目的とする。また、上記の良好なエッチングを達成しつつ、一方で必要により露出する他の部材の損傷を防ぐことができるエッチング液、これを用いたエッチング方法、エッチング液のキット、および半導体基板製品の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題は以下の手段により解決された。
〔1〕シリサイド層の上側に配置された金属層を除去するエッチング液であって、
塩酸と硝酸とスルホン酸化合物とヘテロ原子を含む化合物からなる金属防食剤と水とを含有し、
金属防食剤は、これを含有する薬液と、これを含まない薬液の下記ニッケル溶解度比が20%以上であるエッチング液。
(ニッケル溶解度:ニッケル粉末をエッチング液に添加して10分間60℃で処理する。そのろ液中に含まれるニッケルの溶解濃度。)
ニッケル溶解度比(%)
={1−Sb/Sa}×100
Sa:防食剤を含まないニッケル溶解度
Sb:防食剤を含むニッケル溶解度
〔2〕金属防食剤がカルボン酸化合物、アゾール化合物、およびベタイン化合物から選ばれる〔1〕に記載のエッチング液。
〔3〕カルボン酸化合物がポリカルボン酸化合物である〔2〕に記載のエッチング液。
〔4〕アゾール化合物がチアゾール化合物である〔2〕に記載のエッチング液。
〔5〕ベタイン化合物が、第四級アンモニウム基とカルボキシル基またはスルホン酸基とを分子内に持つ化合物である〔2〕に記載のエッチング液。
〔6〕スルホン酸化合物がメタンスルホン酸またはトルエンスルホン酸である〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のエッチング液。
〔7〕シリサイド層が、NiPtシリサイドまたはNiPtGeシリサイドである〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のエッチング液。
〔8〕金属層がNi、Ptまたはこれらの組合せを含有する〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のエッチング液。
〔9〕塩酸を0.01質量%以上0.5質量%以下で含有する〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のエッチング液。
〔10〕硝酸を0.1質量%以上20質量%以下で含有する〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のエッチング液。
〔11〕スルホン酸化合物を25質量%以上95質量%以下で含有する〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載のエッチング液。
〔12〕金属防食剤を0.01質量%以上5質量%以下で含有する〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載のエッチング液。
〔13〕エッチング液によりシリサイド層の上側に配置された未反応金属層を除去するエッチング方法であって、エッチング液が、塩酸と硝酸とスルホン酸化合物とヘテロ原子を含む化合物からなる金属防食剤と水とを含有し、金属防食剤は、これを含有する薬液と、これ含まない薬液の下記ニッケル溶解度比が20%以上であるエッチング方法。
(ニッケル溶解度:ニッケル粉末をエッチング液に添加して10分間60℃で処理する。そのろ液中に含まれるニッケルの溶解濃度。)
ニッケル溶解度比(%)
={防食剤を含むニッケル溶解度/防食剤を含まないニッケル溶解度}×100
〔14〕金属防食剤がカルボン酸化合物、アゾール化合物、およびベタイン化合物から選ばれる〔13〕に記載のエッチング方法。
〔15〕シリサイド層が、NiPtシリサイドまたはNiPtGeシリサイドである〔13〕または〔14〕に記載のエッチング方法。
〔16〕金属防食剤を0.05質量%以上10質量%以下で含有する〔13〕〜〔15〕のいずれか1項に記載のエッチング方法。
〔17〕シリサイド層の上側に配置された金属層を除去するエッチング液のキットであって、
塩酸および水を含む第1液と硝酸および水を含む第2液とを有し、
第1液、第2液、および必要により採用されるそれ以外の第3液の少なくともいずれかが、スルホン酸化合物とヘテロ原子を含む化合物からなる金属防食剤とをそれぞれまたは両者をともに含有し、金属防食剤は、これを含有する薬液のニッケル溶解度と、これ含まない薬液の下記ニッケル溶解度比が20%以上であるエッチング液のキット。
(ニッケル溶解度:ニッケル粉末をエッチング液に添加して10分間60℃で処理する。そのろ液中に含まれるニッケルの溶解濃度。)
ニッケル溶解度比(%)
={1−Sb/Sa}×100
Sa:防食剤を含まないニッケル溶解度
Sb:防食剤を含むニッケル溶解度
〔18〕シリコンウエハ上側にシリコン層と金属層とをその順に形成した半導体基板とする工程と、前記半導体基板をアニールする工程と、当該半導体基板に請求項1〜12のいずれか1項に記載のエッチング液を付与し、当該エッチング液と前記金属層とを接触させ、当該金属層を選択的に除去する工程とを有する半導体基板製品の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ゲルマニウムを含む場合であっても、シリサイド層の損傷を抑制し、その上側に配置された金属層を選択的かつ的確に除去することができる。また、上記の良好なエッチングを達成しつつ、一方で隣接するアルミニウム等の金属電極層やSiO
2等の絶縁層の損傷を好適に防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず、本発明のエッチング方法に係るエッチング工程の好ましい実施形態について、
図1、
図2に基づき説明する。
【0012】
[エッチング工程]
図1はエッチング前後の半導体基板を示した図である。本実施形態の製造例においては、シリコン層2の上面に金属層1が配置されている。シリコン層としてはソース電極、ドレイン電極を構成するSiGeエピタキシャル層が適用されている。本発明においては、SiGeエピタキシャル層であることが、そのエッチング液の顕著な効果が発揮されるため好ましい。
【0013】
金属層1の構成材料としては、タングステン(W)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、NiPtなどが挙げられる。金属層の形成は通常この種の金属膜の形成に適用される方法を用いることができ、具体的には.CVD(Chemical Vapor Deposition)による成膜が挙げられる。このときの金属層の厚さは特に限定されないが、5nm以上50nm以下の膜の例が挙げられる。本発明においては、金属層がNiPt層(Pt含有率0質量%超20質量%以下が好ましい),Ni層(Pt含有率0質量%)であることが、そのエッチング液の顕著な効果が発揮されるため好ましい。
【0014】
上記の工程(a)においてシリコン層2の上側に金属層1が形成された後、アニール(焼結)が行われ、その界面に金属−Si反応膜(シリサイド層)3が形成される(工程(b))。アニールは通常この種の素子の製造に適用される条件によればよいが、例えば、200〜1000℃で処理することが挙げられる。このときのシリサイド層3の厚さは特に限定されないが、50nm以下の層とされている例が挙げられ、さらに10nm以下の層とされている例が挙げられる。下限値は特にないが、1nm以上が実際的である。このシリサイド層は低抵抗膜として適用され、その下部に位置するソース電極、ドレイン電極と、その上部に配置される配線とを電気的に接続する導電部として機能する。したがって、シリサイド層に欠損や腐食が生じるとこの導通が阻害され、素子誤作動等の品質低下につながることがある。特に、昨今、基板内部の集積回路構造は微細化されてきており、微小な損傷であっても素子の性能にとって大きな影響を与えうる。そのため、そのような欠損や腐食は可及的に防止されることが望ましい。
【0015】
次いで、残存した金属層1のエッチングが行われる(工程(b)−>工程(c))。本実施形態においては、このときエッチング液が適用され、金属層1の上側からエッチング液を付与し接触させることで、金属層1を除去する。エッチング液の付与の形態については後述する。
【0016】
本発明の好ましい実施形態に係るエッチング液によれば、上記エッチング工程(工程(c))において、金属層1を選択的にエッチングしながら、その下部にあるシリサイド層の損傷を効果的に抑制・防止することができる。この効果は、さらに下部に位置するシリコン層にゲルマニウムが含まれるゲルマニウム含有NiPtシリサイド層(NiPtGeSi層ないしNiPtGeシリサイド層などと称する)に対して特に顕著となる。
【0017】
その効果の理由は未だ解明しきれていない点を含むが以下のように推定される。一例としてNiPtシリサイド基板について言うと、そのシリサイド層の内部にはNi、Pt、Si、Geからなる複合金属組織が存在する。このとき、希王水系の薬液では、シリサイド層中のSiはその酸化膜(保護膜)を形成するため溶解速度が遅いのに対し、卑な金属であるNiは溶解速度が速く表面のシリコン酸化膜層を越え内部で溶出が進行する。そのためシリサイド内部の酸化が進行すると解される。また、NiPt合金では、より卑なNi溶出が優先的に進むことによりその孔食が加速される。ここで、NiPt未反応層の除去性を保持するためには、添加剤にはPtの溶解性を落とさないことが望まれる。
【0018】
これに対して、本発明のエッチング液によれば、特定の添加剤(金属防食剤)が選択されたため、シリサイド層上側のPt/Niの良好なエッチング性を維持しつつ、Niの溶出を抑え、シリサイド層表面の孔食を抑制・防止できる。言わば、相反する性能をバランスよく高いレベルで両立したものと言える。ここで説明した反応機構には推定を含む部分があり、また、この説明によって本発明が何ら限定して解釈されるものではない。なお、上記ではNiPt金属を用いた例を示したが、シリサイド金属を変更してもよく、本発明に係るエッチング液は、特定の金属と基板の選択比が高い場合等に広く適用することができ有効である。
【0019】
シリコン層2は、SiGeエピタキシャル層からなり、化学的気相成長(CVD)法により、特定の結晶性を有するシリコン基板上に結晶成長させて形成するとことができる。あるいは、電子線エピタキシ(MBE)法等により、所望の結晶性で形成したエピタキシャル層としてもよい。
【0020】
シリコン層をP型の層とするには、濃度が1×10
14cm
−3〜1×10
21cm
−3程度のボロン(B)がドープされることが好ましい。N型の層とするには、リン(P)が1×10
14cm
−3〜1×10
21cm
−3の濃度でドープされることが好ましい。
【0021】
SiGeエピタキシャル層におけるGe濃度は、3〜15質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることがより好ましい。なお、本明細書においてGeの濃度は、以下のようにして測定した値を言う。
(Ge濃度)
ゲルマニウム(Ge)を含む第一層の基盤をエッチングESCA(アルバックファイ製 Quantera)にて0〜30nmまでの深さ方向を分析し、3〜15nm分析結果におけるGe濃度の平均値をGe濃度(質量%)とする。
【0022】
(MOSトランジスタの加工)
図2は、MOSトランジスタの製造例を示す工程図である。(A)はMOSトランジスタ構造の形成工程、(B)は金属膜のスパッタ工程、(C)は1回目のアニール工程、(D)は金属膜の選択除去工程、(E)は2回目のアニール工程である。
図に示すように、シリコン基板21の表面に形成されたゲート絶縁膜22を介してゲート電極23が形成されている。シリコン基板21のゲート電極23の両側にエクステンション領域が別途形成されていてもよい。本実施形態では、ゲート電極23の上側に、NiPt層との接触を防ぐ保護層24が形成されている。さらに、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜からなるサイドウォール25が形成され、イオン注入によりソース領域26及びドレイン領域27が形成されている。
次いで、図に示すように、NiPt膜28が形成され、急速アニール処理が施される。これによって、NiPt膜28中の元素をシリコン基板中に拡散させてシリサイド化させる。この結果、ソース電極26及びドレイン電極27の上部がシリサイド化されて、NiPtGeSiソース電極部26A及びNiPtGeSiドレイン電極部27Aが形成される。このとき、必要により、
図2(E)に示したように2回目のアニールをすることにより電極部材を所望の状態に変化させることができる。前記1回目と2回目のアニール温度は特に限定されないが、例えば、400〜1100℃で行うことができる。
【0023】
シリサイド化に寄与せずに残ったNiPt膜28は、本発明のエッチング液を用いることによって除去することができる(
図2(C)(D))。このとき、図示したものは大幅に模式化して示しており、シリサイド化された層(26A,27A)の上部に堆積して残るNiPt膜があってもなくてもよい。半導体基板ないしその製品の構造も極めて簡略化して図示しており、必要に応じて、必要な部材があるものとして解釈すればよい。
【0024】
半導体基板内部にはさらにアルミニウムや銅などで形成された他の電極が露出していることがある。アルミニウムは比較的安価な材料であり、今日その適用が広がっている。一方で腐食性の高い材料であるためにその保護が求められる。特に、上記のようなウエットエッチング工程において露出されている場合には、その損傷が激しくなる場合があり、これをできるだけ防止し良好な状態を維持することが望まれる。本発明の好ましい実施形態によれば、このようなアルミニウム等からなる電極の損傷を効果的に抑制ないし防止することができ好ましい。
【0025】
[エッチング液]
次に、本発明のエッチング液の好ましい実施形態について説明する。本実施形態のエッチング液は塩酸と硝酸とスルホン酸化合物と金属防食剤と水とを含有する。以下、任意のものを含め、各成分について説明する。
【0026】
(塩酸)
本発明に係るエッチング液には塩酸が含まれる。その濃度は、エッチング液中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.03質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0.05質量%以下が特に好ましい。上記上限値以下とすることで、シリサイド層の過度の損傷を防ぐ点で好ましい。特に、ニッケルの溶解には塩酸(塩素イオン)が寄与するので、この量を制限することが好ましい。一方、上記下限値以上とすることが、十分な速度で金属層をエッチングする観点で好ましい。エッチング液の成分の同定に関しては、塩酸として確認される必要まではなく、水溶液中で塩素イオン(Cl
−)が同定されることにより、その存在および量が把握されるものである。
本発明においては、第7族の元素の酸として塩酸のみを含むことが好ましく、逆にシュウ酸を含まないことが好ましい。なお、ゲルマニウムを含むシリサイド層においては、塩化ニトロシル(NOCl)が関与しているものと解される。
【0027】
(硝酸)
本発明に係るエッチング液には硝酸が含まれる。その濃度は、エッチング液中、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、20質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が特に好ましい。上記上限値以下とすることで、シリサイド層の過度の損傷を防ぐ点で好ましい。一方、上記下限値以上とすることが、十分な速度で金属層をエッチングする観点で好ましい。なお、エッチング液の成分の同定に関しては、硝酸として確認される必要まではなく、水溶液中で硝酸イオン(NO
3−)が同定されることにより、その存在および量が把握されるものである。
【0028】
(スルホン酸化合物)
本発明に係るエッチング液にはスルホン酸化合物が含まれる。このスルホン酸化合物はその作用からスルホン酸化合物(A)とスルホン酸化合物(B)とに大別される。
【0029】
・スルホン酸化合物(A)
スルホン酸化合物(A)は金属層をエッチングする作用をもたらす物質であり、メタンスルホン酸が挙げられる。
スルホン酸化合物(A)の濃度は、エッチング液中、25質量%以上であることが好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、95質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下が特に好ましい。
【0030】
・スルホン酸化合物(B)
スルホン酸化合物(B)はNiPtシリサイドを酸化抑制する作用をもたらす物質であり、任意の添加剤である。スルホン酸化合物は、後記金属防食剤(必須成分)には含めない。スルホン酸化合物(B)としては、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
【化1】
【0031】
Rは、複数であるときそれぞれ独立して、直鎖または分岐鎖のアルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、環状アルキル基(炭素数3〜12が好ましく、3〜6がより好ましい)、Cl、Br、F、OH、NO
2、またはSO
3H、CO
2Hである。前記アルキル基はさらに置換基を有していてもよく、例えば、Cl、Br、F、OH、NO
2、SO
3H、CO
2Hを有していてもよい。
nは0〜5の整数である。mは1〜6の整数である。
Rは、なかでも、少なくともSO
3H基に対して4位に置換基を有することが好ましく、パラトルエンスルホン酸化合物であることがより好ましく、パラトルエンスルホン酸であることが特に好ましい。
スルホン酸化合物(B)の濃度は、エッチング液中、任意成分であり含まれなくてもよいが、適用する場合には、0質量%超であることが好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が特に好ましい。
【0032】
(金属防食剤)
本発明に係るエッチング液には金属防食剤が含まれる。この金属防食剤は、卑な金属の防食性を有するものであり、ヘテロ原子(好ましくは窒素原子、酸素原子、または硫黄原子)を含む化合物からなる。具体的には実施例で採用した測定方法により測定したニッケル粉末溶解度の比(ニッケル溶解度比)で20質量%以上を示す化合物である。ニッケル溶解度比は、さらに25%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、35%以上であることがさらに好ましく、40%以上であることが特に好ましい。上限は特に限定されないが、70%以下であることが実際的である。
【0033】
前記金属防食剤は、前記スルホン酸化合物(B)、カルボン酸化合物(分子内に1つ以上のカルボン酸を有する化合物)、アゾール化合物(分子内に1つ以上の窒素原子を有する複素芳香族化合物)、およびベタイン化合物(分子内に塩基性基と酸性基とを有する化合物)から選ばれることが好ましい。
【0034】
・カルボン酸化合物
前記カルボン酸化合物はポリカルボン酸化合物であることが好ましい。特に、ジカルボン酸化合物、トリカルボン酸化合物、テトラカルボン酸化合物が好ましい。具体的には、マロン酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、フタル酸、グルタル酸が好ましい。その中でも特にマロン酸、シュウ酸、クエン酸が好ましい。
【0035】
・アゾール化合物
前記アゾール化合物はチアゾール化合物であることが好ましい。チアゾール化合物はさらに置換基を有していてもよく、当該置換基としては、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、アルキニル基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)、アルコキシ基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アシル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アミノ基(炭素数0〜6が好ましく、0〜3がより好ましい)、Cl、Br、F、OH、NO
2、SO
3H、CO
2Hが挙げられる。
【0036】
・ベタイン化合物
前記ベタイン化合物は酸性基と塩基性基を分子内にもつ化合物であり、第四級アンモニウム基とカルボキシル基又はスルホン酸基とを分子内にもつ化合物であることが好ましい。ベタイン化合物の炭素数は特に限定されないが、炭素数1以上24以下が好ましく、1以上16以下がより好ましく、1以上8以下が特に好ましい。具体的には、ベタイン[N(CH
3)
3+−CH
2−COO
−]またはスルホベタイン[N(CH
3)
3+−CH
2−SO
3−]が好ましい。
【0037】
金属防食剤の濃度は、エッチング液中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、0.5質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下が特に好ましい。この添加量を規定することにより、良好なエッチング性を維持しながら、シリサイド層の孔食を効果的に抑制できるため好ましい。
【0038】
(水媒体)
本発明のエッチング液には、その媒体として水(水媒体)が適用される。水(水媒体)としては、本発明の効果を損ねない範囲で溶解成分を含む水性媒体であってもよく、あるいは不可避的な微量混合成分を含んでいてもよい。なかでも、蒸留水やイオン交換水、あるいは超純水といった浄化処理を施された水が好ましく、半導体製造に使用される超純水を用いることが特に好ましい。
【0039】
本発明のエッチング液は上記の成分を含む(comprise)ことが好ましく、実質的に上記の各成分からなる(consist essentially of)ことがより好ましい。実質的に上記の各成分からなるとは、基本的かつ新規な性質に本質的な影響を与えないものを含有していてもよいことを意味する。また、有する(have)、含有する(contain)等というときには、含む(comprise)と同義であり、他のいかなる成分等の含有も許容する意味である。
【0040】
(pH)
本発明においては、エッチング液のpHを3以下とすることが好ましく、2以下とすることがより好ましく、1以下とすることが特に好ましい。上記上限値以下とすることがNiPt膜の十分なエッチング速度を確保する観点で好ましい。
【0041】
(キット)
本発明におけるエッチング液は、その原料を複数に分割したキットとしてもよい。例えば、第1液として前記塩酸を水に含有する液組成物を準備し、第2液として前記硝酸を水媒体に含有する液組成物を準備する態様が挙げられる。このときその他の必須成分である、スルホン酸化合物や金属防食剤はそれぞれ別にあるいはともに第1液、第2液、またはその他の第3液に含有させておく。なかでも、スルホン酸化合物(B)を第2液に含有させ、金属防食剤を第1液に含有させることが好ましい。スルホン酸化合物(A)は第1液及び第2液の両液に含有させることが好ましい。
その使用例としては、両液を混合してエッチング液を調液し、その後適時に前記エッチング処理に適用する態様が好ましい。このようにすることで、各成分の分解による液性能の劣化を招かずにすみ、所望のエッチング作用を効果的に発揮させることができる。ここで、混合後「適時」とは、混合ののち所望の作用を失うまでの時期を指し、具体的には60分以内であることが好ましく、30分以内であることがより好ましく、10分以内であることがさらに好ましく、1分以内であることが特に好ましい。下限は特にないが、1秒以上であることが実際的である。
【0042】
第1液と第2液との混合の仕方は特に限定されないが、第1液と第2液とをそれぞれの流路に流通させ、両者をその合流点で合流させて混合することが好ましい。その後、さらに流路を流通させ、合流して得られたエッチング液を吐出口から吐出ないし噴射し、半導体基板と接触させることが好ましい。この実施形態でいうと、前記合流点での合流混合から半導体基板への接触までの過程が、前記「適時」に行われることが好ましい。これを、
図3を用いて説明すると、調製されたエッチング液が吐出口13から噴射され、処理容器(処理槽)11内の半導体基板Sの上面に適用される。同図に示した実施形態では、A及びBの2液が供給され、合流点14で合流し、その後流路fcを介して吐出口13に移行するようにされている。流路fdは薬液を再利用するための返戻経路を示している。半導体基板Sは回転テーブル12上にあり、回転駆動部Mによって回転テーブルとともに回転されることが好ましい。なお、このような基板回転式の装置を用いる実施態様は、キットにしないエッチング液を用いた処理においても同様に適用することができる。
なお、本発明のエッチング液は、その使用用途に鑑み、液中の不純物、例えば金属分などは少ないことが好ましい。
【0043】
(容器)
本発明のエッチング液は、(キットであるか否かに関わらず)対腐食性等が問題とならない限り、任意の容器に充填して保管、運搬、そして使用することができる。また、半導体用途向けに、容器のクリーン度が高く、不純物の溶出が少ないものが好ましい。使用可能な容器としては、アイセロ化学(株)製の「クリーンボトル」シリーズ、コダマ樹脂工業(株)製の「ピュアボトル」などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
[エッチング条件]
本発明のエッチング方法においては、枚葉式装置を用いることが好ましい。具体的に枚葉式装置は、処理槽を有し、該処理槽で前記半導体基板を搬送もしくは回転させ、その処理槽内に前記エッチング液を付与して、当該半導体基板に前記エッチング液を接触させるものであることが好ましい。
枚葉式装置のメリットとしては、(i)常に新鮮なエッチング液が供給されるので、再現性がよい、(ii)面内均一性が高いといったことが挙げられる。さらに、エッチング液を複数に分けたキットを利用しやすく、例えば、前記第1液と第2液をインラインで混合し、吐出する方法が好適に採用される。このとき、前記の第1液と第2液とを共に温度調節するか、どちらか一方だけ温調し、インラインで混合して吐出する方法が好ましい。なかでも、共に温調する実施態様がより好ましい。ラインの温度調節を行うときの管理温度は、後記処理温度と同じ範囲とすることが好ましい。
枚葉式装置はその処理槽にノズルを具備することが好ましく、このノズルを半導体基板の面方向にスイングさせてエッチング液を半導体基板に吐出する方法が好ましい。このようにすることにより、液の劣化が防止でき好ましい。また、キットにして2液以上に分けることで有害なガス等を発生させにくくすることができ好ましい。
【0045】
さらに詳細な条件について説明すると、本発明の好ましい実施形態では、枚葉式装置において、半導体基板を所定の方向に搬送もしくは回転させ、その空間にエッチング液を付与(吐出、噴射、流下、滴下等)して前記半導体基板に前記エッチング液を接触させる。
【0046】
エッチングを行う処理温度は、後記実施例で示す温度測定方法において、40℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましく、55℃以上であることが特に好ましい。上限としては、80℃以下であることが好ましく、70℃以下であることがより好ましい。上記下限値以上とすることにより、シリサイド層に対する十分なエッチング速度を確保することができ好ましい。上記上限値以下とすることにより、エッチング処理速度の経時安定性を維持することができ好ましい。エッチング液の供給速度は特に限定されないが、0.05〜5L/minとすることが好ましく、0.1〜3L/minとすることがより好ましい。上記下限値以上とすることにより、エッチングの面内の均一性を一層良好に確保することができ好ましい。上記上限値以下とすることにより、連続処理時に安定した性能を確保でき好ましい。半導体基板を回転させるときには、その大きさ等にもよるが、上記と同様の観点から、50〜1000rpmで回転させることが好ましい。
【0047】
本発明の好ましい実施形態に係る枚葉式のエッチングにおいては、半導体基板を所定の方向に搬送もしくは回転させ、その空間にエッチング液を噴射して前記半導体基板に前記エッチング液を接触させることが好ましい。エッチング液の供給速度や基板の回転速度についてはすでに述べたことと同様である。
【0048】
本発明の好ましい実施形態に係る枚葉式の装置構成においては、
図4に示すように、吐出口(ノズル)を移動させながら、エッチング液を付与することが好ましい。具体的に、本実施形態においては、シリサイド層を有する半導体基板Sに対してエッチング液を適用する際に、基板がr方向に回転させられている。他方、該半導体基板の中心部から端部に延びる移動軌跡線tに沿って、吐出口が移動するようにされている。このように本実施形態においては、基板の回転方向と吐出口の移動方向とが異なる方向に設定されており、これにより両者が互いに相対運動するようにされている。その結果、半導体基板の全面にまんべんなくエッチング液を付与することができ、エッチングの均一性が好適に確保される構成とされている。
吐出口(ノズル)の移動速度は特に限定されないが、0.1cm/s以上であることが好ましく、1cm/s以上であることがより好ましい。一方、その上限としては、30cm/s以下であることが好ましく、15cm/s以下であることがより好ましい。移動軌跡線は直線でも曲線(例えば円弧状)でもよい。いずれの場合にも移動速度は実際の軌跡線の距離とその移動に費やされた時間から算出することができる。
【0049】
前記金属層は高いエッチングレートでエッチングされることが好ましい。金属層のエッチングレート[R1]は、特に限定されないが、生産効率を考慮し、20Å/min以上であることが好ましく、50Å/min以上がより好ましく、70Å/min以上であることが特に好ましい。上限は特にないが、1200Å/min以下であることが実際的である。
【0050】
金属層の露出幅は特に限定されないが、本発明の利点がより顕著になる観点から、2nm以上であることが好ましく、4nm以上であることがより好ましい。同様に効果の顕著性の観点から、上限値は1000nm以下であることが実際的であり、100nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましい。
【0051】
さらに、本発明のエッチング液は、Al、Cu、Ti、W等の金属電極層、HfO
2、SiO
2、SiOC、SiON等の絶縁膜層を含む半導体基板に適用されることも好ましい。これに対し、本発明の好ましい実施形態に係るエッチング液は効果的な腐食抑制効果を発揮しうる。なお、本明細書において、金属化合物の組成をその元素の組合せにより表記した場合には、任意の組成のものを広く包含する意味である。例えば、SiOC(SiON)とは、SiとOとC(N)とが共存することを意味し、その量の比率が1:1:1であることを意味するものではない。このことは、本明細書において共通し、別の金属化合物についても同様である。
【0052】
[半導体基板製品の製造]
本実施形態においては、シリコンウエハ上に、前記シリコン層と金属層とを形成した半導体基板とする工程と、前記半導体基板をアニールする工程、当該半導体基板にエッチング液を付与し、エッチング液と金属層とを接触させて、前記金属層を選択的に除去する工程とを介して、所望の構造を有する半導体基板製品を製造することが好ましい。このとき、エッチングには前記特定のエッチング液を用いる。上記の工程の順序は制限されて解釈されるものではなく、それぞれの工程間にさらに別の工程を含んでいてもよい。
ウェハサイズは特に限定されないが、直径8インチ、直径12インチ、または直径14インチのものを好適に使用することができる。
【実施例】
【0053】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0054】
金属防食剤について、下記の試験を行いその、シート抵抗、ニッケルの溶解度、白金の溶解度、シリサイド層に対するダメージを測定した。結果を表1に示す。下表Aの処方に従って測定した結果を「標準ニッケル溶解度」として下表1に示した。
1.下記Ni粉末を0.1895g準備した。
2.各金属防食剤試料を2質量%加えた第1液(HCI含有)と、第2液(HNO
3含有)とを下表Aの処方で準備した。
3.第1液100gと第2液100gとをそれぞれ60℃に昇温して混合した。
4.Ni粉末を添加して、60℃で10分間処理した。
5.ろ過で未反応のNi粉末を除去した。
6.下記ICP装置にてろ液中に含まれるNi溶解濃度を測定した。
【0055】
【表A】
Ni粉末:株式会社 高純度化学研究所nickel、粉末、還元粉末
CAS7740−02−0 :53マイクロメートル以下
ICP分析装置:製造元 Perkin Elmer
型番 Optima 7300PV
【0056】
(シート抵抗の測定方法)
シート抵抗の測定方法としては四端子法を用いて行い、JIS K7194に準拠した方法で実施した。
シート抵抗測定器 :
製造元 日立国際電気エンジニアリング(株)
型番 本体 VR−120S
四探針プローブ KS−TC−200−MT−200g
電流を30 mA 流したときの電圧を測定
【0057】
(サリサイド加工基板の作製)
市販のシリコン基板(直径:20cm)上に、SiGeをエピタキシャル成長させ、Pt/Ni金属層(厚さ20nm、Pt/Niの比率:10/90[質量基準])をその順で形成した。このとき、SiGeエピタキシャル層は、ゲルマニウムを5〜10質量%含有していた。この半導体基板を、800℃で10秒アニールし、シリサイド層を形成して試験基板とした。アニール後のシリサイド層の厚さは15nmであり、金属層の厚さは5nmであった。
【0058】
(エッチング試験)
上記の試験用基板に対して、枚葉式装置(SPS−Europe B.V.社製、POLOS(商品名)))にて下記の条件でエッチングを行い、評価試験を実施した。
・処理温度:60℃
・吐出量:1L/min.
・ウェハ回転数500rpm
・ノズル移動速度 7cm/s
なお、エッチング液の供給は、下記のように2液に分けライン混合により行った(
図3参照)。供給ラインfcは加熱により60℃で温度調節した。
第1液(A):塩酸 + メタンスルホン酸 および水
第2液(B):硝酸 + メタンスルホン酸 および水
第1液と第2液との比率は質量で等量となるようにした。メタンスルホン酸の量は第1液と第2液とで質量でほぼ等量となるように両液に配合した。金属防食剤は第1液に添加した。パラトルエンスルホン酸は、第2液に添加した。
【0059】
(処理温度の測定方法)
株式会社堀場製作所製の放射温度計IT−550F(商品名)を前記枚葉式装置内のウェハ上30cmの高さに固定した。ウェハ中心から2cm外側のウェハ表面上に温度計を向け、薬液を流しながら温度を計測した。温度は、放射温度計からデジタル出力し、パソコンで連続的に記録した。このうち温度が安定した10秒間の温度を平均した値をウェハ上の温度とした。
【0060】
(pH)
pHは、室温(25℃)においてHORIBA社製、F−51(商品名)で測定した。
【0061】
(金属層の除去性)
金属層(Pt/Ni層)が除去されていることは、後記シリサイド層ダメージで行われるESCA測定で、PtおよびNiが検出されないことにより確認した。その結果、実施例および比較例のいずれの試料についても、金属層の顕著な残りは確認されなかった。
【0062】
(シリサイド層のダメージ:D(Si))
シリサイド層のダメージは前記シート抵抗の変化量及びエッチングESCAによる酸素プロファイル測定により行った。結果を下記のように区分して序列付けた。
NiPtを除去した部分の
C:シート抵抗が4.0(Ω/□)以上上昇した
B:シート抵抗に4.0(Ω/□)以上の上昇はみられず
ESCA測定により2.5nmの深さの酸素濃度が
20質量%以上と見積もられた
A:シート抵抗に3.5(Ω/□)以上の上昇はみられず
ESCA測定により2.5nmの深さの酸素濃度が
20質量%未満と見積もられた
【0063】
(Al層のダメージ:D(Al))
Al層のダメージは前記シート抵抗の変化量により行った。結果を下記のように区分して序列付けた。
Alを付した部分の
C:シート抵抗が1.50(mΩ/□)以上上昇した
B:シート抵抗が1.0(mΩ/□)以上1.5(mΩ/□)未満上昇した
A:シート抵抗の上昇が1.0(mΩ/□)未満であった
【0064】
【表1】
cから始まる番号の試験は比較例
MSA、HCl、HNO
3、PTSAの数値は濃度(質量%)を意味する。金属防食剤の配合量(質量%)は( )内に示した。残部は水である。
NiPtGeSi Rs:薬液処理前後のシート抵抗の差分
(薬液処理前シート抵抗 − 処理後シート抵抗)
MSA:メタンスルホン酸
PTSA:p−トルエンスルホン酸
D(Si):シリサイド層のダメージ
D(Al):Alのダメージ
【0065】
ICP(Ni):金属防食剤のニッケル溶解度
表中の下線は各防食剤の「標準ニッケル溶解度」(表A参照)に該当するものを示す
ニッケル溶解度比=
(1−Sb
*/Sa
*)×100
Sa
*:c01の標準ニッケル溶解度
Sb
*:各防食剤の標準ニッケル溶解度
【0066】
上記の結果から、本発明のエッチング液によれば、NiPt未反応層の良好なエッチングと、NiPtGeSi層(シリサイド層)の酸化抑制とを両立することができることが分かる。また、アルミニウムにダメージを与えない端子材料の耐腐食性にも優れている。