特許第5980787号(P5980787)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5980787ロボットフランジを有する前面開口ウェーハ容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5980787
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】ロボットフランジを有する前面開口ウェーハ容器
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20160818BHJP
   B65D 85/86 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   H01L21/68 T
   B65D85/38 R
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-535049(P2013-535049)
(86)(22)【出願日】2011年10月19日
(65)【公表番号】特表2013-546176(P2013-546176A)
(43)【公表日】2013年12月26日
(86)【国際出願番号】US2011056915
(87)【国際公開番号】WO2012054625
(87)【国際公開日】20120426
【審査請求日】2014年10月20日
(31)【優先権主張番号】61/394,751
(32)【優先日】2010年10月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グレガーソン,バリー
【審査官】 鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−214269(JP,A)
【文献】 特開2000−306988(JP,A)
【文献】 特開2006−128461(JP,A)
【文献】 特開2006−100837(JP,A)
【文献】 米国特許第06186331(US,B1)
【文献】 特開2007−302311(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
B65D 85/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ェーハのための前面開口ウェーハ容器であり、
上壁と、一対の側壁と、後壁と、底壁と、前面開口部を規定するドア枠とを有する容器部分、
前記容器部分の前記上壁にある上延フランジ、及び、
別途の留め具なしで、弾性湾曲部材を有する戻り止めを使用して垂直方向に取付けられる、取外し可能なロボットフランジ、を含み、
前記弾性湾曲部材は、垂直に延びて、前記容器部分の前記上壁の前記上延フランジに取付けられており
連結コア部材が前記ロボットフランジ内に嵌め込まれて前記弾性湾曲部材を所定位置に固定するようになっている
前面開口ウェーハ容器。
【請求項2】
前記ウェーハ容器は直径450mmのウェーハを格納する大きさである、請求項の前面開口ウェーハ容器。
【請求項3】
前記容器は歪みを最小にするための外骨格を含む、請求項1の前面開口ウェーハ容器。
【請求項4】
前記容器は、補助的に歪みを減少させるように、少なくとも4つの壁に前記容器の周囲を取囲む垂直に隆起した繰り返しパターンの構造部材を含む、請求項1の前面開口ウェーハ容器。
【請求項5】
枠部分と内側部分とを含むロボットフランジであって、
前記枠部分は基板容器の上部にある上部ポートに、複数の垂直に配置された片持ちスナップを用いて垂直方向に取付けて係合するためのものであり、さらにその内側に複数の可撓性のスプリング部材を含んでおり、
前記内側部分は戻り止めを含み、該戻り止めは、前記枠部分の内側にある前記可撓性スプリング部材と係合して前記内側部分を所定の位置に固定する、
ロボットフランジ。
【請求項6】
前記枠部分は4つの間隔を置いた前記スプリング部材を含む、請求項のロボットフランジ。
【請求項7】
前記内側部分は8つの垂直に配置された片持ちスナップを含む、請求項のロボットフランジ。
【請求項8】
基板容器の上部に垂直方向に取付けて係合するための枠部分を提供する過程と、
該枠部分を前記基板容器の上部のポート内の所定位置に垂直方向に下ろす過程と、
前記枠部分を戻り止めで所定位置にスナップ嵌めする過程と、
連結コア部を前記枠部分内に固定する過程と
を含む、ロボットフランジを取付ける方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、参照によってここに導入される、2010年10月19日に出願された米国仮出願第61/394,751号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
発明の背景
コンピュータチップなどの集積回路はシリコンウェーハから製造される。シリコンウェーハは、その運搬中及び製造処理段階同士の間で、極度に清浄で、汚染がない環境で維持される必要がある。半導体ウェーハを運搬及び/又は保管するための容器の付加的な、要求される又は所望される特性は、軽量、剛性、清浄度、限られた気体排出、及び費用効果の高い製造性を含む。容器が閉じられている時、容器は密封又はほぼ密封の状態でウェーハを隔離する。端的に述べると、このような容器はウェーハを清浄で、汚染されず、且つ無傷の状態で保つ必要がある。
【0003】
処理段階同士の間でウェーハを運搬及び保管するために、プラスチック容器が何十年に亘って使用されてきた。選定された高分子材料は適切な特性をもたらす。このような容器は、処理装置並びに、容器を運搬する装置/ロボットとインターフェイスするように高度に制御された公差を有する。さらに、このようなプラスチック容器においては、ねじなどの金属の締め具を使用することなく取付け及び取外しできる構成部品を利用することが所望される。金属の締め具は、挿入及び取外される時に粒子を発生させる。
【0004】
費用効果及び改良された製造能力によって、半導体の製造に利用されるウェーハの大きさが増加している。現在、いくつかの製造施設は300mmのウェーハを利用している。ウェーハの大きさが増加して、回路の密度が増加するにつれて、回路はより小さな粒子及び他の汚染物の影響を受けやすくなる。故に、ウェーハの大きさが増加するにつれて、容器の大きさも同様に増加し、ウェーハを清浄で汚染物がない状態に保つという要求はより厳しくなり、その理由はウェーハがより小さな粒子及び他の汚染物の影響をより受けやすくなるからであり、容器の大きさが増加する。加えて、キャリアはロボット操作の厳密さの下でその能力を維持する必要があり、このロボット操作は容器の上部に位置するロボットフランジによってキャリアを持ち上げることを含む。
【0005】
前面開口ウェーハ容器は、直径が大きい300mmのウェーハを運搬及び保管するための業界標準になった。
【0006】
このようなウェーハ容器において、前面ドアは容器部分に掛止でき、ロボットによってウェーハが挿入され取出される前面アクセス開口部を閉じる。容器がウェーハを十分に装填しているときに、ドアが容器部分のドア枠に挿入され、そこに掛止される。設置されているときに、ドアのクッションが上向き、下向き、及び内向きの拘束をもたらす。
【0007】
より大きなウェーハ、例えば300mmの容器を保持及び/又は運搬するための前面開口プラスチック容器の製造において見られる問題は、容器の上部、底部、側部、前部、及び後部に利用される大きなプラスチックが、ウェーハ荷重の増加した重量によって曲がる場合があることである。特に、容器の上部に備えられたロボットフランジによって容器が持ち上げられるときである。曲がることによって、ドア枠の形を歪ませ、実質的にはそれを垂直方向に伸長することにより、ドア枠に対するドアの密封性を低下させる。また、曲がることによって容器がウェーハ係合の影響を受け、より具体的にはウェーハ支持部がウェーハにもたらす拘束を変化させる。
【0008】
300mmのウェーハコンテナでは、いかなる方法においても金属の使用を避けるのが通例である。連結フランジは、ロボットフランジや側部のハンドルなどの付属品を取付けるために使用される。係合部品の一部であり、戻り止めを形成するプラスチックのリーフスプリングは、ロボットフランジなどの構成部品を所定の位置に保つために利用される。本出願の所有者に所有され、参照をもってここに導入される、米国特許第6,010,008号を参照されたい。このようなロボットフランジは、同じくz方向に延びるフランジを利用しながら、z方向に延びる。戻り止めは協働する構造を維持するためのみに作動し、戻り止め構造を通して相当の荷重を負うことなくフランジ上の適切な位置に留まり、例えば、このような戻り止めの弾性的に湾曲できる部分はz方向に延び、x方向の軸周りに湾曲する。故に、容器部接続部へのロボットフランジの直接の負荷は主にy方向で、水平方向に延びるフランジを通して伝達される。このような容器が十分に装填されてロボットフランジによってロボットで支持されるとき、応力解析研究で一次応力は後側部及び前側部とではなく、上部と、フランジに隣接する側部とに見られることが確認される。構造的な視点から、撓み問題を最小にするために、載荷力はキャリア部分の後部により不均一によりよく分配されるのが好ましい。
【0009】
この問題は、ロボットフランジを利用することでいくらかの範囲で取り組まれており、このロボットフランジは容器部分に効果的に乗り、容器の側部を下に延びて、ウェーハの荷重が容器の側壁全体を通して伝達されないようにする。本出願の所有者が所有し、参照をもってここに導入される米国特許第7,347,329号を参照のこと。
【0010】
半導体業界は現在、より大きな直径450mmのウェーハの利用に向かっている。直径がより大きいウェーハは、費用効果をもたらすが、脆性の増加、より大きな重量、及びプラスチック製の容器中のより大きなウェーハを取扱い保管するのに関連するまだ見つかっていない問題もまたもたらす。曲がることと、上部、底部、側部、前部、及び後部の大きなプラスチックに関連する付随の問題とが悪化する。
【0011】
処理されるウェーハの大きさが著しく増加するのに伴い、より小さなウェーハには存在しなかった新たな課題及び問題が生じる。容器内のウェーハの数やウェーハ同士の間隔などの、450mmのウェーハに対する多くの規格は、既存の装置の適合性及びコストの圧迫により、300mmのウェーハ容器の規格と非常によく同じである。そして当然ながら、ウェーハは直径が大きくなるにつれて同様に重くなる。規格化された300mmの容器内に備えられるのと同じ数の450mmウェーハを保持するウェーハ容器は、約40ポンドの重量があると想定される。この重量では、手動で取扱うことがより困難になる。
【0012】
より大きな容器に対して同等の厚さの高分子の壁を使用すると、容器の十分な構造的剛性をもたらさない場合がある。つまり、高分子のより大きな寸法及びより大きな面によって、容器は搭載、運搬、及び輸送において寸法的により不安的になると想定される。壁を厚くすること及び、顕著な強化構造を加えることは、450mmのウェーハ容器の重量をさらに増加させる。
【0013】
さらに、従来の300mmのウェーハ容器は一般的に射出成形される。同等の射出成形方法と、同等の又はより大きな壁の厚さとを利用して、より大きな容器の寸法を適切に制御することは困難であると想定される。現在、300mmのウェーハ容器は、ウェーハ及び外部装置にインターフェイスする構成部品、つまりウェーハ支持部及び運動学的な連結マシンインターフェイスの位置決めをするための主要構造部材として一般にシェル(shell)を利用する。
【0014】
加えて、ドアを密封状態で受入れる開口前部の面積が増加するにつれて、開口部の内部容積が著しく増加する。これはドアと容器部分との間における密封問題がより難しことを示す。
【0015】
より大きな寸法のウェーハはまた、取扱い及び運搬中にそれらを破損の影響をより受けやすくする著しく大きなたるみを有し、より小さなウェーハには要求されない独自の支持を要求する。このより大きなたるみは、ロボットアームによってロボットでウェーハを設置及び取出すことはまだ可能であるが、ウェーハ同士の間における所望の間隔を維持するための課題を提示する。
【0016】
従って、ウェーハの撓みを最小にして、容器の重量を最小にするための設計属性を有する450mmのウェーハ容器のための前面開口構成を改良することが所望される。加えて、ドアに改良された密封性をもたらす構成が所望される。さらに、ウェーハをロボットで取扱う間と同様に、ウェーハ容器内の450mmのウェーハを保管するのに適合するための改良されたウェーハ支持をもたらす構成が所望される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第6,010,008号明細書
【特許文献2】米国特許第7,347,329号明細書
【発明の概要】
【0018】
本発明の一実施形態において、300mm以上の直径が大きいウェーハに適する前面開口ウェーハ容器は取外し可能なロボットフランジを利用し、このロボットフランジは別途の留め具なしで、弾性湾曲部材を有する戻り止めを使用しながら垂直方向に取付けられ、この弾性湾曲部材は容器部分の上壁の上延フランジに取付けられるように垂直に延びる。本発明の実施形態において、複数の上向き且つ外向きに延びる強化リブは、容器部分の上壁から上向きに延び、取付けフランジの4つの全ての側部の各々で、容器部分の左及び右側壁、並びに後側壁に向かって延びる。本発明の実施形態において、上壁のフランジは、前面、後面、左側部、及び右側部の4つの側部を有し、各側部は少なくとも1つの戻り止め機構を有し、この戻り止め機構は、ロボットフランジのネックを下向きに設置するにつれてロボットフランジを捕らえて、上延フランジに係合し、戻り止め機構の弾性可撓性部分を保持位置から、リフトフランジが装着されまた取外されるところである、撓み位置に撓ませるように作動する。本発明の実施形態において、さらなる固定部は、弾性可撓性部分をそれらの保持位置に固定するために、ロボットフランジのネックに挿入保持される。本発明の実施形態において、複数の上向き且つ外向きに延びる強化リブは、取付けフランジの4つ全ての側部の各々に隣接する容器部分の上壁から延びる。リブは取付けフランジの各側部に対して垂直に並ぶ場合があり、上壁から複数の壁を下って容器部分の底部まで又は底部に向かって延び続ける場合がある。
【0019】
応力分析から、ロボット取付けフランジの、後側ではなく、側面に載荷することで生じる撓みは、ウェーハ容器の後壁の著しい内向き外向きの撓みを生じ得ることが分かっている。この撓みは、容器がロボットフランジで持ち上げられる時に荷重を分け合うように、取付けフランジの後側部を利用することで、75%より大きく減少され得る。故に、本発明の特徴及び利点は、ロボット持ち上げ用フランジによって後面の撓みが最小化される容器であり、このフランジは、容器の重量が取付けフランジの4つの全ての側部で分けられるように、取付けフランジの前面、後面、側部で取付けフランジに構造的に接続されている。
【0020】
いくつかの実施形態は直径450mmの大きなウェーハのための前面開口ウェーハ容器を含む。ウェーハ容器は上壁と、底壁と、右側壁と、左側壁と、後壁と、前面開口部を規定するドア枠とを有する。ウェーハ容器はまた、長方形状に複数の側部を有する、上壁にある上延フランジ、並びに上延フランジに操作可能なように取付けられる取付けフランジを含む。ウェーハ容器はさらに、容器部分の上壁から上向きに延び、上壁に沿って上延フランジの側部から容器部分の左及び右側壁、並びに後側壁に向かって延びる、複数の上向き且つ外向きに延びる強化リブを有する。
【0021】
他の実施形態では、直径の大きなウェーハのための前面開口ウェーハ容器が開示されている。これらの実施形態において、ウェーハ容器は上壁と、一対の側壁と、後壁と、底壁と、前面開口部を規定するドア枠とを有する容器部分を含む。容器はまた、容器部分の上壁にある上延フランジと、別途の留め具なしで、弾性湾曲部材を有する戻り止めを使用して垂直方向に取付けられる、取外し可能なロボットフランジとを有し、弾性湾曲部材は、垂直に伸びて、容器部分の上壁の上延フランジに取付けられる。
【0022】
他の実施形態は、直径の大きなウェーハのための、容器部分、取付けフランジ、及び複数の強化リブを含む前面開口ウェーハ容器を対象とする。容器部分は、上壁、底壁、右側壁、左側壁、後側壁、及び前面開口部を有する。取付けフランジは4つの側部を有し、上壁に操作可能なように取付けられる。最後に、複数のリブは、取付けフランジの4つの側部の各々に隣接する容器部分の上壁から延びる、複数の上向き且つ外向きに延びる強化リブを含み、リブは取付けフランジの4つの側部の各々に対して垂直に並び、さらに上壁から右及び左側壁を下って容器部分の底部に向かって延びる。
【0023】
さらに他の実施形態において、本発明は、複数の垂直に配置された片持ちスナップを用いて基板容器の上部にある上部ポートに垂直方向に取付けて係合するための枠部分を含むロボットフランジを含んでおり、さらにその内側に複数の可撓性スプリング部材と、内側部分とを含んでおり、この内側部分は、枠部分の内側の可撓性スプリング部材と係合して内側部分を所定の位置に固定する戻り止めを含む。
【0024】
本発明の実施形態はさらにロボットフランジを取付ける方法を含む。方法は、基板容器の上部に垂直方向に取付けて係合するための枠部分を提供することを含む。さらに、枠部分を基板容器の上部のポート内の所定位置に垂直方向に下ろすこと、枠部分を戻り止めで所定位置にスナップ嵌めすること及び、連結コア部を枠部分内に固定することを含む。
【0025】
他の実施形態は直径の大きなウェーハのための前面開口ウェーハ容器を含む。このような容器は、容器部分、取付けフランジ及び、歪みを最小にする補助的な構造を含む。具体的には、容器部分は概して上壁、底壁、右側壁、左側壁、及び後側壁を含む。取付けフランジは上壁に操作可能なように取付けられ、歪みを最小にする補助的な構造は載荷状態で前記ウェーハ容器の歪みを最小にするために、少なくとも部分的に容器を取囲む。
【0026】
本発明の実施形態の特徴及び利点は、ロボットフランジがねじなどの別途の留め具なしで取付けられることである。
【0027】
本発明の実施形態の特徴及び利点は、4つの全ての側部の戻り止め機構によるフランジの取付けは、単一の連結コアで固定されることである。
【0028】
本発明の実施形態の特徴及び利点は、ロボットフランジによって持ち上げられるときに、ロボットフランジアセンブリを通した載荷は、ウェーハ容器の後壁により均等に分配され、後壁の撓みを最小にし、それによりこのような運搬の間のウェーハの拘束をより安定させる。
【0029】
本発明の実施形態の特徴及び利点は、リーフスプリングが載荷方向と同じ垂直方向に延び、取付けフランジの後向きの付加的な構造のリブを許容することである。従来技術のウェーハ容器のようにロボットフランジが水平方向にスライドするところでは、このようなリブは不可能又はほぼ不可能である。付加的な構造のリブは、側部及び後壁の間で荷重がより均等に広がるようにする。
【0030】
本明細書の発明のいくつかの面、つまりロボットフランジの特徴及び構成部品は、450mmウェーハ及び300mmウェーハより大きな他の基板容器で利用される場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明に従う前面開口ウェーハ容器の斜視図である。
図2】本発明に従う前面開口ウェーハ容器の上部、及びロボットフランジアセンブリの分解図である。
図3】本発明に従うオートメーションフランジの斜視図である。
図4】本発明に従う連結コアの斜視図である。
図5】本発明に従うロボットフランジのアセンブリ段階を示す断面図である。
図6図5に関連するアセンブリを示す断面図である。
図7図5及び6に関連するアセンブリを示す断面図である。
図8図5、6及び7に関連するアセンブリを示す断面図である。
図9図5−8に関連するアセンブリを示す、図1の切断線9−9の断面図である。
図10】本発明に従う前面開口ウェーハ容器の上部、及びロボットフランジアセンブリのさらなる分解図である。
図11】本発明に従う完全に組立てられた前面開口ウェーハ容器の斜視図である。
図12】本発明に従う完全に組立てられた前面開口ウェーハ容器の斜視図である。
図13】本発明に従う前面開口ウェーハ容器の容器部分の斜視図である。
図14】本発明に従う前面開口ウェーハ容器の容器部分の斜視図である。
図15】本発明に従う歪みを最小にする補助的な構造を有する、前面開口ウェーハの容器部分である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図を参照すると、前面開口ウェーハ容器20が図示されており、概して容器部分22を含み、上壁23、一対の右及び左側壁24、25、後壁26、底壁27、前面開口部29を規定するドア枠28、及び前面開口部を閉じるように構成される前面ドア30を有する。ドアは、ドアハウジング44内に位置するラッチ機構42にアクセスする一対の鍵穴36、38を有する。ドアは外側表面50、周部54、及び内側表面56を有する。複数のスロット60が周部に位置しており、複数のラッチタブ64又は先端がドアから延びたり引っ込んだりし、ドア枠の内側表面にある複数の凹部70に係合したり外れたりすることができるようになっている。シール又はガスケット72は、ドアの周囲に従い、ドア枠に係合して、ラッチが作動するときにドアを密封状態で閉じる。
【0033】
オートメーションすなわちロボットフランジアセンブリ76は容器部分の上面78に位置する。ロボットフランジ又は取付けフランジ150は概して枠部分152及び連結コア120を含む。ロボットフランジ150は、垂直な上延フランジ81で規定されるソケット80として構成されるレシーバ77内に垂直方向に取付けられ、この上延フランジ81は、少なくとも4つの側部99を含み長方形に配置されたリブ(ribbing)82で形成されている。上壁23と一体で上壁23から延びる上延フランジ81及びリブは複数の穴84を有し、この穴84は、フランジのベース(base)90から下向きに延びる、複数の下延片持ちスナップ89として構成される、複数のリーフスプリング88の留め具突起又はフック86を受入れるためのものである。リーフスプリング及びフックは対応する肋材と共に戻り止め機構91を構成する。フランジのベースは、各々2つの片持ちスナップを有する4つの側部92、93、94、95を持つ。ロボット持ち上げ用棚(shelves)98は、持ち上げロボットに係合されるようにベースの4つの全ての側部で外向きに延びる。特に、リーフスプリングは載荷方向と同じ方向で垂直に延び、それらは曲がり又は水平方向に弾性的に湾曲してレシーバに係合したり外れたりする。
【0034】
図5−9を参照すると、リーフスプリングの端にテーパをもたらすくさび形表面104は、フランジが単一動作で挿入できるようになっている。フランジ150の枠部分152はレシーバ77又はポート156内に置かれて、テーパ表面がレシーバの係合表面110と係合しながら、下向きに押されてリーフスプリングを内向きに撓ませる。図7を参照。そして突起が穴又は凹部に到達するとき、図8を参照、それらは前記穴又は凹部にスナップ嵌めする。次に連結コア120がフランジの枠部分の内側122によって規定される凹部内に押し込まれ、突起を穴に固定する。特に、図2を参照すると、フランジは4つのスプリング部材130を有し、このスプリング部材130はコアが下に押されるにつれてコアの留め具134と係合することで外向きに撓み、そして留め具の上部にスナップしてコアを所定の位置に固定する。
【0035】
構成部品は概して、一般的に半導体ウェーハに使用される高分子で射出成形をされ得る。例えば、ポリカーボネート、フッ素重合体、ポリエーテルエーテルケトンである。
【0036】
図10では、本発明の一実施形態における、ロボットフランジ150のさらなる分解図が図示されている。ロボットフランジ150はここで、フランジ枠部分152及び、内側部分又は連結コア120を含むように示されている。内側部分120は、枠部分152の内側にある可撓性タブ又はスプリング部材130と係合して内側部分120を所定の位置に固定する、複数の戻り止め又は留め具134を含む。枠部分152は容器22の上壁23上に規定される上部ポート156に取付けられる。より具体的には、上延フランジ81の側部99に。枠部分152は、斜めの表面を持つ上部ポート156内に延びる片持ちスナップ89の形態の突出部を含み、この斜めの表面は枠部分152が上部ポート156に滑り込むにつれて突起部89を内側に撓ませる。枠部分152が所定の位置にあるときに、突起部89のかかり(barb)又は戻り止めは凹部又は開口部84に嵌り込む。
【0037】
図11及び12は、容器部分22、前面ドア30、及び他の機能を含む、完全に組立てられたウェーハ容器20を図示する。具体的には、完全に組立てられたロボットフランジ150が容器22の上壁23にある上部ポート156に存在する状態で図示された、反対向きの斜視図が示されている。さらに、前面ドア30は前面開口部29のドア枠28内に示されている。容器20の底部には、水平方向に配置された底板200があり、この底板200は容器20の外側にあるハウジングの底壁27に隣接して取付けられる。容器の2つの側部の各々には、複数のコンベヤレール202が水平方向に配置されている。これらのコンベヤレールは、ウェーハ容器を扱うのに使用され得るフォークリフトなどの装置によって使用され得る二重のコンベヤレールである。容器の両側のコンベヤレール202の後部の下にある一組の短いリブ204は、キャリアの後側からの自動進入のための先導特性をもたらす。
【0038】
図13及び14は容器部分22の上面斜視図及び底面斜視図を図示する。上述のように、容器設計は歪みを最小化するように容器を取囲むリブ設計を備えている。これらのリブ210は、載荷状態の間に容器の上壁23の歪みを最小化するのに特に有効である。このような歪みはフォークリフト用のコンベヤレール202又はロボットフランジ150のいずれかに生じ得る。
【0039】
これらの図に見られるように、垂直に隆起した、間隔を置いた、平行な複数のリブ部材は係合表面110の2つの側壁からほぼ連続して容器22を一周して延びる。上壁、側壁、及び底壁周りのこの連続する経路は、容器22の全体の外周又は周囲を規定する。二重の水平方向のコンベヤレール202はこれらのリブの経路に交差するが、リブはこれらの機構を介して連続し、途切れていないと見なされるべきである。両側壁に見られるコンベヤレール202はさらに、容器長さに沿っていくらかの線形剛性ももたらす。リブ210はフランジから他の方向に延びる場合があり、大きさ及び構造に関して同じ又は異なる場合がある。いくつかの実施形態は15個より多くの間隔を置いたリブを有し得る。いくつかの実施形態は10から15個の間の間隔を置いたリブを有し得る。いくつかの実施形態は10個より少ない間隔を置いたリブを有し得る。いくつかの実施形態は7から10個のリブを有する。さらに、いくつかの実施形態は取付けフランジ150の側部に、4から6個の側部上のリブ又は7から10個のリブの、均等に間隔を置いたリブを含む。リブ210は様々な大きさ及び寸法であり得る。いくつかの実施形態において、リブ210は収束構造である場合がある。例えば、いくつかの実施形態において、リブは底部で3.9mm、及びその先端で2.2mmの幅を有する。従って、リブ210の各々は3.9から2.2mmの間の平均厚さを有する。
【0040】
リブ202は容器壁から概して上向き且つ外向きに延び、容器の右、左、前、及び後ろの側壁に向かって延びる。リブ210は容器の底壁及び上壁23及び27をx方向に横断し、側壁24及び25をY方向に垂直方向に通る場合がある。リブは容器22の角の各々で丸みを帯びた角226を有する場合がある。
【0041】
図示されるように、間隔を置いたリブは載荷状態で歪みを最小にするための一手段であるが、様々な他の繰り返しの(repeating)リブ又は関連するパターン(related pattern)又は構造部材も可能な場合がある。
【0042】
図15は先の図で見られるリブ構造に対するさらなる代替の実施形態を図示する。具体的には、図示される容器22は載荷状態での歪みを最小にするように外骨格230に取囲まれている。この外骨格230は様々な形状であり得る。例えば、いくつかの実施形態において、外骨格はハウジング壁周りのサドル(saddle)のように延びる補助的な壁を含む。この補助的な組の壁はいくつかの実施形態において、上壁及び側壁を取囲み得る。いくつかの実施形態において、補助的な壁は容器の底表面も取囲み得る。いくつかの実施形態において、外骨格は容器部分と一体で形成される。他の実施形態において、外骨格は容器の壁と別々だが密接して組み合わせられ得る。外骨格の補助的な壁は、開口で外環境にアクセスできる中央空洞を取囲む場合があり、又は代替として完全に閉じられた構造の場合がある。
【0043】
いくつかの実施形態において、外骨格は容器22の外表面に対して一体で且つ連続して固定され得る。他の実施形態において、外骨格は底壁と隣り合う位置250、又は容器の角部の位置260、並びにロボットフランジ150と隣り合う容器部分の位置270にのみ固定され得る。代替として、外骨格は外骨格の周囲に倣って間隔を置いた位置に取付けられ得る。
【0044】
例示の実施形態又は複数の例示の実施形態は、例のみであり、本発明の範囲、適用性、又は構成を何らかの方法で限定する意図はないことをまた理解されたい。むしろ、前述の詳細説明は例示の実施形態又は複数の例示の実施形態を実施できるようにするための開示を当事者に提示するための開示をできるようにする。添付の請求の範囲に記載の発明及びその法的な均等物の範囲から逸脱することなく、構成要素の機能及び配列において様々な変更が可能である。
【0045】
上述の実施形態は例示であり限定する意図はない。付加的な実施形態は請求の範囲内である。本発明は特定の実施形態を参照しながら説明されたが、当業者は変更が本発明の精神及び範囲から逸脱することのない形態及び詳細で実施可能であることを理解するであろう。
【0046】
本発明に対する様々な改良は、本開示を読むことで当業者に明らかであろう。例えば、関連技術の当業者は、本発明の異なる実施形態のために記載された様々な特徴は、本発明の精神のうちで、他の特徴と、単独で、又は異なる組み合わせで、適切に組み合わされ、別にされ、及び再び組み合わされることができる。同様に、上述の様々な特徴は、本発明の範囲又は精神を限定するよりも、例示の実施形態として見なされるべきである。それ故に、上述は本発明の範囲を限定する企図はない。
図1
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図15