(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて容易に理解されよう。図面において同様の参照番号は同様の構成要素を示すことが理解されよう。図中の描写は必ずしも正しい縮尺ではないことも理解されよう。
【0020】
本発明は、その特定の実施形態および具体的な特徴について特に示され記載されている。ここで以下に記載された実施形態は、例示的であって限定的ではないと解釈されるべきである。形態および詳細へのさまざまな変更および改変が本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされえる当業者には容易に理解されよう。
【0021】
以下の詳細な説明は、表面検査ツールおよびそれらの使用方法のさまざまな実施形態を記載する。特に本発明の実施形態は、ウェーハ表面全体をスキャンし、反射光信号を測定し、そのような測定を用いてウェーハの表面を特徴付ける。ある実施形態においては、散乱光信号および反射光信号の両方が測定され、表面上の部分的透過レイヤの厚さが決定され、表面上の欠陥のサイズが決定される。本発明の原理にしたがって表面のさらなる特徴付けも可能である。
【0022】
従来の不透明表面上の欠陥検出において、欠陥のサイズは、その欠陥によって散乱される光の量に相関している。この概念は、
図2(a)によって概略的に図示され、ここで垂直軸201は、検査された表面(欠陥を含む)によって散乱された光(強度I)に対応し、水平軸202は、散乱を発生する欠陥のサイズdに対応する。データ点203は、欠陥サイズ/散乱強度のペアに対応する。不透明な表面上では、このようなデータ点203は、既知のサイズの欠陥を用いて較正カーブ204を生成するために容易に用いられえる。それからこの較正カーブ204は、未知のサイズの欠陥のサイズを測るために用いられえる。
【0023】
前述のように、表面の上部が少なくとも一部透明な(partially transmissive)材料の薄いレイヤを含むとき(例えば
図1に示されるように)図はかなり複雑になる。少なくとも一部透明なレイヤは、特定の波長(または波長の帯域)における光の少なくとも一部がその材料を透過することを許す材料から形成される。このようなレイヤは、散乱光を用いて表面内の欠陥のサイズを検査する既存の検査スキームをめちゃくちゃにしえる。よって、一部透明な材料のレイヤの効果は、正確に欠陥のサイズ(または場合によってはその存在)を決定するために補償されなければならない。
【0024】
図2(b)は、この問題のある局面を示すのに役立つ散乱された光の振る舞いの簡略図である。垂直軸211は、検査表面(欠陥を含む)によって散乱された光(強度I)に対応し、水平軸212は、一部透明なレイヤの厚さtに対応する。ふつう厚さtおよび散乱強度Iの間の「周期的な」関係が規定されえる。この関係は、カーブ215によって図示され、これは一部透明なレイヤの厚さの範囲にわたっての第1波長における光ビームの散乱の振る舞いを記述する。すぐにわかるのは、多くの異なる厚さが任意の散乱強度(例えば強度213)につながりえることである。よって
図2(a)を参照して、一部透明なレイヤは測定された散乱強度I(したがって較正カーブ)に大きく影響を与えるので、任意の与えられた測定された散乱強度Iは、一部透明なレイヤの厚さが既知でない限り、多くの異なるパーティクルサイズに対応しえる。
【0025】
前述のように、この分野には基板の一部透明なレイヤの厚さを決定する方法がある。しかしこのような方法は、表面上のいくつかの選択された点におけるこのような厚さを決定するだけであり、このような方法は非常に時間がかかる。一部透明なレイヤの厚さは表面全体にわたって大きく変わりえるので、このような個々の点での測定は、一部透明なレイヤが、光散乱の特定の測定がなされた点においてどのくらい厚いかを教示しない。よってこのような測定はあまり役に立たない。
【0026】
これまで、連続的にウェーハ表面全体をスキャンし、ウェーハ全体の表面にわたっての反射光信号厚さを追跡するウェーハマップを生成できる方法または装置は構築されてきていない。同様に、ウェーハ表面全体をスキャンし、一部透明なレイヤの厚さをウェーハの表面全体にわたって追跡するウェーハマップを生成する方法または装置は構築されてきていない。さらに本発明によってなされたこのような厚さ測定は、ウェーハの同じ部分の欠陥スキャンと同時になされえる。よって厚さ情報および欠陥情報が同時に得られ、検査された表面(典型的には半導体ウェーハ)についての高速な欠陥および厚さの特徴付けが可能である。そのようにウェーハを検査するいくつかの実施形態は、15〜20秒で300mmウェーハ全体を検査することができる。これらは、本発明の多くの優位な特徴である。これらおよび他の効果は以下に詳細に記載される。
【0027】
本発明の実施形態は、それぞれの一部透明なレイヤ(既知の材料で構成される)の光の反射の振る舞いは、照射光の波長に依存して変化するという事実を利用する。前述のように、一部透明なレイヤが特定の波長における光で照射されるとき、一部透明なレイヤの厚さtに関連する光強度のパターンが確立されえる。さらに照射光の波長が変化するとき、厚さtに関連する光強度の異なるパターンが確立されえる。
【0028】
図3は、異なる波長を有する2つの光ビームの反射光の信号パターンの簡略化された図を示す。垂直軸301は、反射された光の信号R(例えば反射光信号の強度)の光学パラメータを表し、水平軸302は、一部透明なレイヤの厚さtを表す。その上に形成された既知の材料でできた一部透明なレイヤを有するウェーハが用いられる。それぞれのビームは、ウェーハの同じ点上に投射され、反射された光信号を作る。それぞれの波長について、それぞれの材料は、反射光信号値対材料の厚さの特定の特性「周期」パターンに対応する。材料の種類が与えられるとき、本発明の装置および方法は、データベースから適切なパターンを呼び出すことができる。あるいは、そのようなパターンは、特定のアルゴリズムにしたがって生成されえる。
【0029】
第1波長(例えば488nm)における光は、一部透明なレイヤを含む材料の厚さtに関連付けられた反射された光強度の第1パターン303を生成する。もし、例えば、第1反射強度r
1が測定され、第1パターン303と関連付けられるなら、一部透明なレイヤの厚さtは決定されえない。むしろ、ありえる複数の厚さPは、識別されえる全てのものになる。しかし、もし第2波長の光(例えば633nm)も同じ点に投射されるなら、反射光強度の異なるパターン304対材料の厚さtが生成される。第2反射強度r
2を測定し、その値をパターン304と比較することによって、一部透明なレイヤの厚さtは、こんどは決定されえる。しばしば、第1波長において測定された反射強度r
1(例えば488nm)および第2波長(例えば633nm)における測定された反射強度値r
2の両方に対応する厚さtは一つだけしか存在しない。それぞれの一部透明な材料(例えばSi
3N
4、SiO
2、および以下に限定されないが、多くの低K誘電体材料を含む、半導体製造において用いられる他の材料)についてこのような波長依存の振る舞いは既知であるので、反射光強度Rの波長依存パターン対厚さtが決定されえる。典型的なそのようなパターンは、本発明の原理によって構成された装置の実施形態のメモリ内に記憶されるか、またはそのようなパターンは、当業者に知られたアルゴリズムおよび手法を用いてこれら実施形態によって生成されえる。
【0030】
図4は、一部透明レイヤの厚さを決定する他のアプローチを図示を表す。このようなアプローチにおいては、反射されたビームの測定された光学パラメータを、基板上の一部透明レイヤの厚さtに相関付けるためにパラメトリックプロット400が用いられる。示されるように、測定された光学パラメータは、与えられた波長において反射された光の信号の強度に対応する。それぞれのデータ点401は、基板上の一部透明レイヤの厚さtに対応する。また示された実施形態において、垂直軸402は、第1波長(例えば633nm)における反射光信号の強度に関連付けられる。同様に、水平軸403は、第2波長(例えば488nm)における反射光信号の強度に関連付けられる。よって、パラメトリックカーブ410は、一部透明レイヤの厚さに関連付けられた2つの異なる波長における反射光信号強度のプロットである。示されるように、データ点401は、増加する一部透明レイヤの厚さに対応し、データ点401””はデータ点401’”より厚く、データ点401’”はデータ点401”より厚くなどとなっている。パラメトリックカーブ410の強調された部分415において、第1波長における反射光信号の強度は、一部透明レイヤの厚さが増すにつれ、増す。また、第2波長における反射光信号の強度は、一部透明レイヤの厚さが増すにつれ、増す。パラメトリックカーブ410上のそれぞれの点は、一部透明レイヤの厚さに対応するので、パラメトリック値の組み合わせの大部分が、一部透明レイヤの単一の厚さに対応することは容易に見てとれるだろう。しかし、いくつかの例外も指摘される。例えばパラメトリックカーブ410は、円で囲まれた領域411内の点で「交差」する。
【0031】
図5は、円で囲まれた領域411の拡大図である。交差点421は、同じパラメトリック値(ここでは2つの異なる波長における測定された反射光強度値)を有する2つの厚さに対応する。正しい厚さを決定する一つの方法は、検査者が一部透明レイヤのだいたいの厚さのレンジを知っておくことである。よってもし交差点421が8ミクロン(μm)厚さおよび2μm厚さのレイヤに対応し、ウェーハ上のレイヤは1〜3μm厚さの範囲にあり、実際のレイヤの厚さも対応する1μm厚さに対応する可能性が高い。しかし、検査者は、そのような厚さ情報に常にアクセスを持つとは限らない。そうではなく(またこちらのほうがふつうだが)、実際の厚さの差異はずっと互いに近く、したがってそのような方法によっては簡単には解決しにくい。例えば、もし交差点421がレイヤの1.8ミクロン(μm)の厚さに、そしてレイヤの2.5μmの厚さに対応し、レイヤが1〜3μmの厚さの範囲にあることが知られているなら、このような方法は必要とされる明瞭さを提供しない。しかし、正しい厚さを特定するために用いられえる方法の一つは、レイヤの厚さを決定するために既知の厚さ方向に移動することである。この方法は以下のように機能する。ライン434によって規定されるカーブの一部を参照すれば、1.6μmの厚さは点433に対応し、また点434は厚さ2.0μmに対応することがわかる。よって、ライン422に沿って移動することは、厚さが増すにつれ上に上がり、右に行く矢印によって規定される。またライン423によって規定されるカーブの一部を参照すれば、2.6μmの厚さは点431に対応し、また点432は厚さ2.5μmに対応することがわかる。よって、ライン423に沿って移動することは、厚さが減るにつれ下に下がり、右に行く矢印によって規定される。よって、検査者は、1.8μmより厚い(例えば2.0μm)ある点についての光学パラメータを測定し、カーブ上でデータがどちらに移動するかを観察できる。もし例えば、データが点421からライン422に沿って点434に向かって移動するなら、検査者は点421についての厚さは約1.8μmであることがわかる。さらに光の2つの波長を用いることに基づく厚さ決定の、当業者に知られる他の方法も用いられえる。
【0032】
他の関連するアプローチにおいて、他のビーム(例えば、第3の波長における)が導入されえる。よってそれぞれのデータ点は、3次元でパラメータ化されえる。これは、複雑な3次元パラメータカーブになる。このようなパラメータ化されたカーブが3−Dの交差点を持つことは非常に起こりにくいことである。したがってこのような3つのビーム(3軸)アプローチにおいては、厚さがより簡単に決定されえる。例えば
図4を参照すれば、第3軸(ビーム)は、紙面の中へ(または紙面から外へ)延びえる。
【0033】
図6(a)および6(b)を参照して、さらなる光学パラメータが用いられて、ウェーハの表面を特徴付けられる。図示された例においては、反射光信号は、反射されたビームの位相および偏波(polarization)についての光学パラメータについて測定される。このような位相および偏波測定は、反射された光からなされ、ウェーハ表面を特徴付けるために用いられえる。
図6(a)に示されるように、照射ビームおよび反射ビーム間の位相変化が決定され、これを用いてウェーハ表面が特徴付けられる。特に、このような情報は、ウェーハの表面上の一部反射レイヤの厚さを決定するために用いられえる。前述の反射光強度測定のように、位相変化の測定(ここでは位相測定とも呼ばれる)もまた、一部反射レイヤの厚さに依存する。よって位相変化の測定は垂直軸601についてプロットされえ、一部透明材料の厚さtの測定は垂直軸602についてプロットされえる。図示された実施形態において、ウェーハは、2つの異なる波長において照射される。簡略化された概略プロットからわかるように、第1波長λ
1における厚さtに対する位相変化の第1パターン603は、第2波長λ
2における厚さtに対する位相変化の第2パターン604とは異なる。よって、表面上の同じ点は、表面を照射するのに用いられる光の波長に依存して位相変化の2つの異なる値を提供する。よって
図3で示されたのと同じプロセスが用いられて、一部透明レイヤについての厚さを決定できる。唯一、異なる点は、光学パラメータが反射されたビームの強度ではなく、反射されたビームについて位相変化である点である。さらに位相変化情報は、
図4に示されたのと同じような方法でパラメータ化されえる。やはり唯一、異なるのは、用いられる光学パラメータが反射されたビームについての位相変化であって、反射されたビームの強度ではないことである。
【0034】
図6(b)に示されるように、照射ビームおよび反射ビーム間の偏波の変化が決定され、ウェーハ表面を特徴付けるのに用いられえる。特にこのような情報は、ウェーハの表面上の一部反射レイヤの厚さを決定するために用いられえる。前述の反射光強度の測定のように、偏波の変化(change in polarity)の測定(ここでは偏光解析(ellipsometry)とも呼ばれる)は、一部反射レイヤの厚さに依存する。よって偏波(または偏波の変化)の測定は、垂直軸611についてプロットされ、一部透明材料の厚さtの測定は、垂直軸612についてプロットされえる。図示された実施形態において、ウェーハは、2つの異なる波長(例えばλ
3、λ
4)で照射される。簡略化された概略プロットからわかるように、第1波長λ
3において決定された厚さtに対する偏波のあるパターン606は、第2波長λ
4において決定された厚さtに対する偏波の他のパターンとは異なる。よって表面上の同じ点が、表面を照射するのに用いられる光の波長に依存して偏波についての2つの異なる値を提供する。よって
図3について図示されたのと同じプロセスが、一部透明レイヤについての厚さを決定するために用いられえる。唯一、異なる点は、光学パラメータが反射されたビームの強度ではなく、反射されたビームの偏波である点である。さらに偏波情報は、
図4に示されたのと同じような方法でパラメータ化されえる。やはり唯一、異なるのは、用いられる光学パラメータが反射されたビームについての偏波であって、反射されたビームの強度ではないことである。ある実施形態においては、3つの異なる入力偏波が提供されえ、これらは、入射平面に平行にアラインされたP偏波、入射平面に垂直にアラインされたS偏波、および光波の周波数においてS偏波およびP偏波の間で交番する連続的に変化する入射偏波として特徴付けられる円偏波である。PおよびS偏波およびそれらの同相成分における差についての反射係数の相対振幅を特徴付けるこれら偏光分析パラメータは、よく知られており、文献にも多く記載されている。強度、偏波、および位相について上述したのと同様に反射光信号の角度が測定され、表面特徴付け情報を提供するために用いられえることに注意されたい。
【0035】
2つ(またはそれ以上)の異なる波長における光ビームを用いることに加えて、照射光ビームは、表面上の2つ(またはビームの数に依存してそれ以上)の異なる入射角で導かれえる。あるいは本発明の実施形態は、2つ(またはそれ以上)の同じ波長の光ビームだが、異なる入射角で用いられえる。
図7(a)は、ある典型的な実施形態を示す。第1ビームI
1は、表面に第1角θで導かれ、第2ビームI
2は、表面に第1角Ψで導かれ、入射ビームI
1、I
2のそれぞれに対応する反射されたビームR
1、R
2が形成される。反射されたビームのそれぞれは、適切な集光角で検出され、所望の光学パラメータが測定され、ウェーハ表面を特徴付けるのに用いられる(例えば一部透明な表面レイヤの厚さを決定するために)。図示された実施形態において、それぞれの照射ビームI
1、I
2について同じ波長の光が用いられる。
図7(b)で示される実施形態においては、反射されたビームR
1、R
2の強度I
Rを、一部透明レイヤの厚さに相関付けるカーブがシステムメモリから呼び出され、ウェーハの表面を特徴付けるのに用いられえる。見られるように、異なる角における2つのビームは異なるパターンを有する。一般に、入射角が急であればあるほど、パターンの反復間隔は短くなる。これは
図7(b)によってはっきり図示され、ここで第1反射ビームR
1に対応する光信号S
1は、第2反射ビームR
2に対応する光信号S
2よりも短い間隔を有する。例えば
図3、4、および5について上述のように、一部透明な表面レイヤの厚さを決定するために2つ(またはそれ以上)の光信号も用いられえる。
【0036】
図8(a)および8(b)は、本発明の原理にしたがって構成された2つの例示的装置の実施形態の簡略化されたブロック図である。
図8(a)を参照し、第1実施形態801が示される。図示された実施形態は、ウェーハ803のためのサポート802を含む。パターン付きでない(un-patterned)ウェーハがターゲット物体として言及されるが、他の基板、特に一部透明レイヤを有するパターン付きでないウェーハも検査されえる。また発明者は、反射性ガラス、反射性メタライゼーションレイヤ、または複合材料、または他の表面のような他のコーティングされた表面を持つターゲット物体も検査され、本発明によって測定されえると想定する。またパターン付きの(patterned)表面(例えばパターン付きウェーハ)も後述のように本発明の原理にしたがって検査されえる。
【0037】
サポート802は、ふつう、真空を用いてウェーハ803をサポート802上に固定して置くウェーハチャックを含む。もちろんウェーハ803は、多くの他のアプローチを利用してサポート802に固定されてもよい。ウェーハ803および入射ビームI
1、I
2の間の相対的動きが提供される。典型的には、図示された実施形態のサポート802は、ウェーハ803を回転すること804によって、入射ビームI
1、I
2に対して相対的動きを提供する。ウェーハ803の回転速度は、モータ805によって制御され、これは典型的にはコンピュータ化された制御システム810によって制御される。追加の動きの半径方向の次元806が提供され、これによりウェーハが回転されるとき、入射ビームI
1、I
2はウェーハ表面にわたって半径方向に移動し、所望であればウェーハ803表面の全体をスキャンできる螺旋スキャンパターンを発生する。このような半径方向の動きは、例えば、同じくコンピュータ化された制御システム810によって制御されるステージモータ(概略的に807によって図示される)を用いて導かれえる。サポート802(つまりウェーハ803)の位置は既知であり、コンピュータ化された制御システム810によって注意深く制御される。スキャニングおよびウェーハ搬送メカニズムの具体的な形態は、ウェーハ位置が既知であり、入射ビームI
1、I
2に相対的に移動されえる限り、重要ではない。
【0038】
照射要素811は典型的には、第1ビームI
1を作る第1光源812、および第2ビームI
2を作る第1光源813を含む。光源812および813は通常、単一の波長を有するビームを作る(例えば単一波長レーザまたはフィルタリングされた多色ランプを用いて)。あるいは多波長レーザが用いられて2つのビームが作られえる。実施形態(後述)によっては、1つ以上のフィルタリングされない多色光源が用いられえる。図示された実施形態において、第1ビームI
1および第2ビームI
2はそれぞれ同じ波長を有し、異なる入射角(それぞれεおよびφ)でウェーハ803上に導かれる。これらビームI
1、I
2はウェーハ上に入射し、散乱された光の信号Sおよび反射された光の信号R
1、R
2を作る。
【0039】
散乱された光Sは、集光され、そのような目的のために構築され構成されたフォトセンサ要素(不図示)によって測定される。この散乱された光は、典型的には欠陥検出および分析に用いられるものである。多くの従来技術によるシステムにおいては、反射された光信号(例えばR
1、R
2)は検出されず、または測定されない。しかし本発明の実施形態においては、反射された光の信号は、さらにウェーハ表面を特徴付けるために検出され利用される。検出器要素814および815は、反射された光の信号R
1、R
2を検出するよう構成される。多くの異なる個別またはアレイタイプの検出器が検出器要素814および815として用いられえる。ある実現例においては、光倍増管(PMT)が用いられえる。さらに電荷結合素子(CCD)検出器アレイも用いられえる。またデバイスおよび検出器構成の多くの他のタイプも用いられえ、以下に限定されないが、個別光検出器デバイス、CMOSアレイ、多陰極PMT、フォトダイオードアレイ、および当業者に知られた他のアレイ光検出器が用いられえる。さらに偏波検出器および位相検出器が本発明の実施形態を実現するために用いられえる。検出器要素814および815は、反射された光の信号R
1、R
2を、分析のためにシステムの他の処理回路816に伝送される電気信号に変換する。典型的には処理回路816は、記憶された値または計算された値を用いて生成された、ルックアップテーブルまたは膜厚計算機817を含む。膜厚計算機817は、一部反射材料についての材料特性および反射光信号パラメータに基づいた標準の膜厚式でプログラムされる。例えばそのような式は、反射光信号の強度および入射ビームの角度に基づきえる。そのような計算機817は、処理回路816の一部でありえるが、異なる機能が実行されるので別個のブロックとして図示されている。離散波長を用いて薄膜の膜厚を計算する式は、従来技術のこの分野、例えば反射偏光分析でよく知られる。いったん薄膜決定がなされると、薄膜の膜厚を表す信号が処理回路816に伝送される。それから処理回路816は、散乱検出器(不図示)からの散乱光の強度に基づいてパーティクル/欠陥サイズ測定を調整しえる。
【0040】
KLA-Tencor Model DLSという検査ツール(カリフォルニア州、サンノゼのKLA-Tencor Corporation)は、本発明の原理を組み込むよう変更されえることに注意されたい。代替の実施形態においては、ビーム(例えばI
1、I
2)は、異なる角度で投射されるのに加えて異なる波長を有するビームを含みえる。さらに3つ以上のビームを有する実施形態も利用されえる。本発明の原理にしたがって、このようなビームは、異なる角度および異なる波長でウェーハ上に導かれえる。これら実施形態は、追加のビームを検出するための追加の検出器を利用しえる。さらに検出器の異なるタイプ(例えば位相および波長に敏感な検出器)も用いられえる。さらに検出器は、異なる集光角度において光を検出するよう配置されえる。
【0041】
図8(b)は、代替の実施形態のブロック図を示す。前述のように、装置はウェーハ803のためのサポート802を含む。やはりさまざまな基板が検査されえる。前と同様、ウェーハ803は、サポート802に固定され、サポート802は、ウェーハ803を回転させること804によって入射ビーム821、822に対して相対的な動きを提供する。ウェーハ803の回転速度は、典型的にはモータ805によって制御され、これは典型的にはコンピュータ化された制御システム810によって制御される。上述のように、動きの半径方向の次元806が提供され、これにより所望であれば、ウェーハ803表面の全体をスキャンできる螺旋スキャンパターンを発生できる。やはり、このような半径方向の動きは、例えば、同じくコンピュータ化された制御システム810によって制御されるステージモータ(概略的に807によって図示される)を用いて導かれえる。前と同様に、サポート802の位置は既知であり、コンピュータ化された制御システム810によって注意深く制御される。
【0042】
照射要素825は典型的には、第1波長における第1ビーム821を作り、第2波長における第2ビームを作る光源を含む。このような光源は、それぞれが異なる波長のビームを作る2つ以上のレーザを含みえる。あるいは光源は、実質的に単一色光の2つ(またはそれ以上)の帯域幅群を作る多色光源を含みえる。さらに代替として、複数の波長の光を発生するために多波長レーザ(2つ以上の波長の光を作ることができるレーザ)も用いられえる。図示された実施形態において、第1波長を有する第1ビーム821、および第2波長を有する第2ビーム822それぞれは、同じ入射角においてウェーハ803に導かれる。ビーム821、822はウェーハ上に入射し、散乱された光Sおよび反射された光ビームR
1、R
2を作る。
【0043】
散乱された光の信号Sは集められ、概略的に図示されたフォトセンサ要素826によって測定されえる。以前と同様に、この散乱された光は、典型的には欠陥検出および分析のために用いられる。追加の検出器要素831および832は、反射された光信号R
1、R
2をそれぞれ検出するよう構成される。ここで図示されたように、ダイクロイックビームスプリッタが用いられることによって、反射された信号R
1、R
2は適切な検出器上に導かれる。前と同様に、検出器要素821、823としては多くの異なる個別の、またはアレイタイプの検出器が用いられえる。ある実施形態においては、PMT検出器およびCCDアレイが用いられえる。やはり前述のように、デバイスおよび検出器の多くの他のタイプが用いられえ、以下に限定されないが、個別光検出器デバイス、CMOSアレイ、多陰極PMT、フォトダイオードアレイ、および当業者に知られた他のアレイ光検出器が用いられえる。さらに本発明の実施形態を実現するためには偏波検出器および位相検出器も用いられえる。偏波検出器および位相検出器は、反射された光の信号R
1、R
2を検出し、その信号を、分析のためにシステムの他の処理回路836に伝送される電気信号に変換する。
【0044】
前と同様に、典型的には処理回路836は、記憶された値または計算された値を用いて生成された、ルックアップテーブルまたは膜厚計算機817を含む。いったん薄膜決定がなされると、薄膜の膜厚を表す信号が処理回路836に伝送される。それから処理回路836は、散乱検出器(不図示)からの散乱光の強度に基づいてパーティクル/欠陥サイズ測定を調整しえる。加えて、ビームからの散乱された光は、システムの光検出器要素を用いて検出されえる。特に、フォトセンサ要素826は、複数の異なる検出器デバイスを含みえる。加えて、このようなデバイスは、異なる光学的状態(偏波、波長など)を検出するように構成されえ、また異なる集光角において光を検出するよう配置されえる。
【0045】
再び、代替の実施形態においては、ビーム(例えば821、822)は、異なる波長を有する追加のビームをさらに含みえる。さらなる検出器が、追加のビームを検出するように含まれえる。
【0046】
従来のツールは、欠陥を検出するためにパターン付きではないベア基板を連続的にスキャンし、入射ビームから散乱された光を測定できる。従来のツールは、前述した理由のために、もし一部透明レイヤが基板上に存在するなら、この連続的なスキャンを達成できない。従来のツールは、その上に形成された一部透明なレイヤの厚さを決定するよう連続的にはスキャンできない。よって従来のツールにおいては、一部透明レイヤが存在するときは、欠陥のサイズを検出し決定するためには連続的なスキャンは用いられえない。本発明の実施形態のある効果は、実施形態がウェーハ表面の全体を連続的にスキャンし、同時に反射光信号および散乱光信号を表面上の同じ点から検出し、同時に一部透明レイヤの厚さを決定でき、この情報を同じ点についての散乱された光信号と共に用いることによって、基板上の欠陥の位置およびサイズを決定できることである。
【0047】
図9は、回転されつつ(902)、検査ツール(概略的にボックス903によって図示される)によってスキャンされるウェーハの簡略化された概略的な上から下を見た図である。全体のウェーハ901が1つの連続的なスキャンパターンでスキャンされえる。このようなパターンは、螺旋パターン904によって図示される。螺旋パターン904は、ウェーハがスキャンされるとき、光908のドットがウェーハ表面にわたってマッピングするパスを記述する。
【0048】
発明者は、本発明の実施形態の反射光の光信号は、ウェーハ表面のマップを作るように用いられえると想定する。このようなマップは、ウェーハ表面にわたっての一部透明レイヤの厚さの空間分布のマップでありえる。適用可能な場合における定量的膜厚測定は、フィルムレイヤコントローラの堆積パラメータを特徴付け、補正するために用いられえる。また反射率測定および/または定量的または相対的膜厚決定は、パーティクル/欠陥カウントおよびサイズ測定を補正するのにもかなり有用であり、また透明または不透明にかかわらず、任意の表面または薄膜の質または不均一性についての情報を提供するのにもかなり有用である。
【0049】
さらに、反射された光の信号は、反射された光の強度以上のものについて(例えば偏波、位相、およびさらには角度も)測定されえるので、反射光光学信号についての任意の測定された光学パラメータ値のマップが作られえる。このようなマップは、単にウェーハの表面にわたって反射されたビームについての測定された光学パラメータ値の空間分布のプロットである。このようなマップは、ウェーハの多くの他の表面特性と共に、ウェーハの地形図であるウェーハのバックグラウンド「ヘイズ」を決定するのに用いられえる。加えて、反射された光についての測定された光学パラメータのこのようなマップは、そのように測定されたパラメータ値における顕著な変化に関連付けられたプロセス欠陥を確認するのに用いられえる。例えばそのようなウェーハマップは、ウェーハ表面にわたって反射された信号強度のプロットからなる。あるいはそのようなプロットは、以下に限定されないが、反射光の偏波、反射光の位相、反射光の反射角などを含む他の反射光の光学パラメータについてウェーハの表面を記述する。このような実現例は、その上に一部透明レイヤが形成された表面を特徴付けるのに非常に有用であるだけでなく、表面を照射するのに用いられる光の波長に不透明である材料から形成される表面を特徴付けるのにも非常に有用である。そのような表面の例には、以下に限定されないが、未処理シリコンウェーハおよびウェーハ上に形成された金属コーティングが含まれる。
【0050】
他の実施形態においては、本発明の原理は、パターン付きウェーハに適用可能である。パターン付きウェーハは、表面の特徴付けを促進するためにその上に形成された専用のテストサイトと共に構成されえる。反射光信号の測定は、製造ステップ(群)が所望の微小寸法(CD)公差内に入るか、または2つの製造レイヤ間のオーバレイアライメントが所望の仕様に収まるかを評価するのに用いられえる。ウェーハのこのような特性付けは、ウェーハ上に製造された複数のテストサイトを用いて達成できる。ウェーハは、多色光ビームで照射されスキャンされる。多色光ビームからの反射された光の信号は、反射光強度スペクトラムを作る。多色光ビームは、テストサイト上に導かれ、対応する反射光強度スペクトラムが測定されるとき、スペクトラムの変化は、ウェーハCDの幅および深さを決定するために分析されえる。テストサイトのある適切なタイプは、その格子についての規則的な間隔を規定する、所定の均等に間隔が設けられたパターンを有する回折格子である。
【0051】
図10は、そのようなCD測定の実現例を概略的に示す。その上に形成された複数のテストサイト1002を有するウェーハ1001は、多色光ビームでスキャンされる。螺旋スキャンパターン1003が図示される。反射された光ビームについての光学信号は、連続的に検出され、メモリに保存される。メモリはそれからアクセスされ、テストサイト1002に対応する光学信号はそれからアクセスされる。それぞれのそのような信号は、対応する光学スペクトラム1004を生成する。スペクトラムは、そのような格子について期待されるスペクトラムに対してそれから分析される。期待されるスペクトラムからの偏位は、所望のCDまたは所望のオーバレイからのバラツキの範囲および大きさを特定するのに用いられえる。このような方法は当業者に知られる。
【0052】
本発明は、ある好ましい実施形態およびそれらの特定の特徴について特に示され記載されてきた。しかし上述の実施形態は、本発明の原理を記載するよう意図されており、その範囲を限定するよう意図されないことに注意されたい。したがって当業者には容易にわかるように、形態および詳細におけるさまざまな変更および改変が、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされえる。示された実施形態に対する他の実施形態および変化形は、当業者には明らかであり、添付の特許請求の範囲で規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされえる。特に、発明者は、実施形態が2つ、3つ、4つ、およびそれより多い光ビームが有利であることを想定する。さらに照射ビームについて異なる入射角度および異なる波長を用いる実施形態は、発明者によって優位性があると特に想定されている。さらに、複数の多数の検出器デバイスを組み込んだ実施形態も本発明の原理によって想定される。そのような実施形態は、多くの異なる集光角から受け取られた光を検出するよう構成される検出器を組み込みえる。さらにそのような検出器は、当業者に知られるように、光の特定の波長、光の偏波、または他の光の特性を検出しえる。さらに特許請求の範囲において単数の要素への参照は、明示的に規定されない限り、「1つであって唯一」であることを意味するよう意図されず、そうではなく「1つまたはそれより多い」ことを意味するよう意図される。さらにここで図示されて開示された実施形態は、ここで具体的に開示されていない任意の要素なしで実施しえる。
【0053】
また、本発明は、以下の形態または適用例として実現することも可能である。
【0054】
[適用例1]少なくとも2つの光ビームを表面上に導くことによって、前記少なくとも2つの光ビームのそれぞれについて反射された光の信号および散乱された光の信号を生成する照射要素であって、前記少なくとも2つの光ビームは、少なくとも2つの異なる波長群、または少なくとも2つの異なる、表面に対しての入射角群のうちのいずれかを有する、照射要素、
前記反射された光の信号を受け取るよう構成される光学検出器、および
前記反射された光の信号を分析することによって一部透明レイヤについての厚さの値を決定する回路
を備える表面検査装置。
【0055】
[適用例2]適用例1に記載の表面検査装置であって、前記光学検出器は、異なる波長における反射された光信号を検出するよう構成される表面検査装置。
【0056】
[適用例3]適用例1に記載の表面検査装置であって、前記光学検出器は、異なる偏波における反射された光信号を検出するよう構成される表面検査装置。
【0057】
[適用例4]適用例1に記載の表面検査装置であって、前記光学検出器は、異なる集光角度における反射された光信号を検出するよう構成される表面検査装置。
【0058】
[適用例5]適用例1に記載の表面検査装置であって、前記光学検出器は、前記散乱された光の信号および前記反射された光の信号を検出するよう構成され、
前記回路は、前記反射された光の信号を分析することによって前記一部透明レイヤについての厚さの値を決定し、前記厚さの値を組み合わせて利用して前記散乱された光の信号を分析することによって前記表面内の欠陥を検出する
表面検査装置。
【0059】
[適用例6]適用例5に記載の表面検査装置であって、前記表面にわたって前記少なくとも2つの光ビームの相対的動きを提供することによって、前記表面全体が前記装置によって検査されえるスキャン要素をさらに含む表面検査装置。
【0060】
[適用例7]第1ビームおよび第2ビームを含む少なくとも2つの光ビームを、その上に形成された一部透明レイヤを有する前記ワークピースの一部上に導くことによって、前記少なくとも2つの光ビームのそれぞれについて反射された光の信号および散乱された光の信号を生成する照射要素、
前記ワークピースの表面にわたって前記少なくとも2つの光ビームの相対的動きを提供するよう構成されるスキャン要素、
前記第1ビームによってそれが前記ワークピース上をスキャンするときに作られる第1の反射された光の信号を受け取り、前記第1の反射された光の信号に関連付けられた光学パラメータ値を測定し、前記光学パラメータ値を関連付けられた第1電気信号に変換するよう構成された第1光学検出器要素、
前記第2ビームによってそれが前記ワークピース上をスキャンするときに作られる第2の反射された光の信号を受け取り、前記第2の反射された光の信号に関連付けられた光学パラメータ値を測定し、前記光学パラメータ値を関連付けられた第2電気信号に変換するよう構成された第2光学検出器要素、
前記関連付けられた第1および第2電気信号を受け取り、前記信号を用いて前記一部透明レイヤについての厚さの値を決定する回路、
前記少なくとも2つのビームが前記ワークピース上をスキャンするときに前記散乱された光の信号を受け取り、前記散乱された光の信号を関連付けられた第3電気信号に変換するよう構成された第3光学検出器要素、および
前記第3電気信号および前記一部透明レイヤについての厚さの値を受け取り、前記一部透明レイヤの前記厚さの効果を補正することによって、前記第3電気信号が前記ワークピースの欠陥を特定し特徴付けるのに用いられえる回路
を備える表面検査装置。
【0061】
[適用例8]適用例7に記載の表面検査装置であって、前記スキャン要素は、前記ワークピースの前記表面にわたって前記少なくとも2つの光ビームの連続的な相対動きを可能にすることによって、前記ウェーハの表面全体のスキャンを促進する表面検査装置。
【0062】
[適用例9]適用例8に記載の表面検査装置であって、前記第1ビームは、前記第2ビームとは異なる角度において前記ワークピースの前記表面上に導かれる表面検査装置。
【0063】
[適用例10]適用例8に記載の表面検査装置であって、前記第1ビームおよび前記第2ビームはそれぞれ異なる波長を有する光を含む表面検査装置。
【0064】
[適用例11]適用例10に記載の表面検査装置であって、前記第1ビームは、前記第2ビームとは異なる角度において前記ワークピースの前記表面上に導かれる表面検査装置。
【0065】
[適用例12]適用例8に記載の表面検査装置であって、前記第1光学検出器要素は、光強度値、光偏波値、前記反射された光の信号の角度、および前記第1の反射された光の信号に関連付けられた位相値の中から選択された前記第1の反射された光の信号に関連付けられた光学パラメータ値を測定し、
前記第2光学検出器要素は、光強度値、光偏波値、前記反射された光の信号の角度、および前記第2の反射された光の信号に関連付けられた位相値の中から選択された前記第2の反射された光の信号に関連付けられた光学パラメータ値を測定する
表面検査装置。
【0066】
[適用例13]適用例7に記載の表面検査装置であって、前記照射要素は、前記ワークピースの前記一部上に導かれる第3光ビームを含む少なくとも3つの光ビームを備えることによって、第3の反射された光の信号および他の散乱された光の信号を生成し、
前記ワークピース上がスキャンされるとき前記第3ビームによって作られた前記第3の反射された光の信号を受け取り、前記第3の反射された光の信号に関連付けられた光学パラメータ値を測定し、前記光学パラメータを関連付けられた第4電気信号に変換するよう構成された第4光学検出器をさらに含み、
前記回路は、前記第4電気信号をさらに受け取り、前記第4電気信号を用いて前記一部透明レイヤの前記厚さをさらに決定する
表面検査装置。
【0067】
[適用例14]適用例7に記載の表面検査装置であって、
第3光学検出器要素は、前記少なくとも2つのビームが前記ワークピース上をスキャンするときに前記散乱された光の信号を前記第1ビームから受け取るよう構成された第1光学検出器サブ要素、および前記散乱された光の信号を前記第2ビームから受け取るよう構成された第2光学検出器サブ要素を含み、前記第1および第2散乱された光の信号を関連付けられた電気信号に変換し、
前記回路は、前記第1および前記第2の散乱された光の信号および前記一部透明レイヤについての厚さの値に関連付けられた前記電気信号をさらに受け取り、前記一部透明レイヤの前記厚さの効果を補正することによって、前記第1および前記第2散乱された光の信号に関連付けられた電気信号が前記ワークピースの欠陥を特定し特徴付けるよう用いられえる
表面検査装置。
【0068】
[適用例15]表面検査を行う方法であって、
表面を有するワークピースを提供すること、
少なくとも2つの光ビームで前記ワークピースの前記表面を連続的にスキャンすることによって、少なくとも2つの反射された光の信号を生成すること、
前記反射された光の信号を検出すること、および
前記反射された光の信号を処理することによって前記ワークピースの前記表面を特徴付けること
を含む方法。
【0069】
[適用例16]適用例15に記載の方法であって、前記ワークピースを提供することは、その表面上に形成された少なくとも1つの一部透明レイヤを有するワークピースを提供することを含み、
前記反射された光の信号を処理することによって前記ワークピースの前記表面を特徴付けることは、前記反射された光の信号を処理することによって前記ワークピース上に形成された前記少なくとも1つの一部透明レイヤの前記厚さを決定する方法。
【0070】
[適用例17]適用例15に記載の方法であって、前記反射された光の信号を処理することによって前記ワークピースの前記表面を特徴付けることは、前記反射された光の信号を処理することによって、前記ワークピースの前記表面上にわたって分布する反射された光の信号値の空間分布を含む前記ワークピースのマップを生成する方法。
【0071】
[適用例18]適用例17に記載の方法であって、前記反射された光の信号を検出することは、前記反射された光の信号の光学パラメータ値を測定することを含み、ここで前記反射された光の信号についての前記光学パラメータ値は、光強度値、光偏波値、角度値、および前記反射された光の信号に関連付けられた位相値の中から選択され、
前記反射された光の信号を処理することによって前記ワークピースの前記表面を特徴付けることは、前記反射された光の信号の前記測定された光学パラメータ値を処理することによって、前記ワークピースの前記表面上にわたって分布する反射された光の信号についての測定された光学パラメータ値の空間分布を含む前記ワークピースのマップを生成する方法。
【0072】
[適用例19]適用例16に記載の方法であって、
前記ワークピースを連続的にスキャンすることは、第1波長における第1ビームおよび第2波長における第2ビームを含む少なくとも2つの異なる波長を有する少なくとも2つの単色光ビームでスキャンすることによって、前記第1波長における第1の反射された光の信号および前記第2波長における第2の反射された光の信号を含む反射された信号を作ることを含み、
前記反射された光の信号を前記検出することは、前記第1の反射された光の信号および前記第2の反射された光の信号を検出することを含み、
前記処理することは、前記第2の反射された光の信号と共に前記第1の反射された光の信号を分析することによって前記少なくとも1つの一部透明レイヤの前記厚さを決定することを含む方法。
【0073】
[適用例20]適用例19に記載の方法であって、処理することは、前記少なくとも1つの一部透明レイヤの前記厚さを用いて、前記ワークピースの前記表面上にわたる前記少なくとも1つの一部透明レイヤの前記厚さの空間分布を含む前記ワークピースのマップを生成することを含む方法。
【0074】
[適用例21]適用例19に記載の方法であって、処理することは、前記第1の反射された光の信号の光学パラメータを前記第2の反射された光の信号の光学パラメータと共に分析することによって、前記少なくとも1つの一部透明レイヤの前記厚さを決定することを含み、前記光学パラメータは、光強度、光偏波、角度、および光変化のうちから選択される方法。
【0075】
[適用例22]適用例15に記載の方法であって、
前記ワークピースを連続的にスキャンすることは、それぞれのビームが前記ワークピースの前記表面に異なる角度で入射することによって、第1角度における第1の反射された光の信号および第2角度における第2の反射された光の信号を含む反射された信号を作るよう構成される第1ビームおよび第2ビームを含む少なくとも2つの光ビームでスキャンすることを含み、
前記反射された光の信号を前記検出することは、前記第1の反射された光の信号および前記第2の反射された光の信号を検出することを含む方法。
【0076】
[適用例23]適用例22に記載の方法であって、前記ワークピースを連続的にスキャンすることは、前記第1ビームおよび前記第2ビームのそれぞれが光の異なる波長を有するように少なくとも2つの光ビームでスキャンすることを含む方法。
【0077】
[適用例24]適用例16に記載の方法であって、
前記ワークピースを少なくとも2つの光ビームでスキャンすることは、散乱された光の信号および反射された光の信号の両方を生成し、
検出することは、前記散乱された光の信号および前記反射された光の信号を検出することを含み、
前記処理することは、前記反射された光の信号を処理することによって前記少なくとも1つの一部透明レイヤの前記厚さを決定することを含み、そのような厚さ情報を前記散乱された光の信号と共に用いることによって前記ワークピース内の欠陥を検出し特徴付けることを含む方法。
【0078】
[適用例25]適用例24に記載の方法であって、
前記ワークピースを少なくとも2つの光ビームでスキャンすることは、第1波長における第1ビームおよび第2波長における第2ビームを含む少なくとも2つの異なる波長における少なくとも2つの単色光ビームでスキャンすることによって、前記第1波長における第1の反射された光の信号および前記第2波長における第2の反射された光の信号を含む反射された信号を作ることを含み、
前記反射された光の信号を前記検出することは、前記第1の反射された光の信号および前記第2の反射された光の信号を検出することを含み、
前記処理することは、前記第1の反射された光の信号を前記第2の反射された光の信号と共に分析することによって、前記少なくとも1つの一部透明レイヤの前記厚さを決定することを含む方法。
【0079】
[適用例26]適用例22に記載の方法であって、
検出することは、前記第1の反射された光の信号に関連付けられた光学パラメータ値および前記第2の反射された光の信号に関連付けられた光学パラメータ値を検出することを含み、
前記処理することは、前記第1の反射された光の信号についての前記光学パラメータ値を前記第2の反射された光の信号についての前記光学パラメータ値と共に分析することによって、前記少なくとも1つの一部透明レイヤの前記厚さを決定することを含む方法。
【0080】
[適用例27]適用例26に記載の方法であって、
前記第1および第2の反射された光の信号に関連付けられた光学パラメータ値を検出することは、前記反射された光の信号に関連付けられた光強度値、光偏波値、角度、および位相値のうちから選択される光学パラメータ値を検出することを含む方法。
【0081】
[適用例28]適用例25に記載の方法であって、前記スキャンすることは、前記第1ビームおよび前記第2ビームが異なる角度において前記ワークピースの表面上に入射するように、前記ワークピースを前記第1ビームおよび前記第2ビームでスキャンすることをさらに含み、
前記検出することは、前記第1の反射された光の信号に関連付けられた光学パラメータおよび前記第2の反射された光の信号に関連付けられた光学パラメータを検出することを含み、
前記処理することは、前記第1の反射された光の信号についての前記光学パラメータ値を前記第2の反射された光の信号についての前記光学パラメータと共に分析することによって、前記少なくとも1つの一部透明レイヤの前記厚さ決定することを含む方法。
【0082】
[適用例29]適用例28に記載の方法であって、前記第1および第2の反射された光の信号に関連付けられた光学パラメータ値を検出することは、前記反射された光の信号に関連付けられた光強度値、光偏波値、角度、および位相値のうちから選択される光学パラメータ値を検出することを含む方法。
【0083】
[適用例30]適用例24に記載の方法であって、前記ワークピースをスキャンすることは、前記ワークピースの表面上に少なくとも2つの異なる角度において入射し、それによりそれぞれ互いに異なる角度における第1の反射された光の信号および第2の反射された光の信号を発生する少なくとも2つの単色光ビームでスキャンすることを含み、
検出することは、前記散乱された光の信号および前記2つの反射された光の信号を検出することを含み、
前記反射された光の信号の前記処理は、前記2つの反射された光の信号を処理することによって前記少なくとも1つの一部透明レイヤの前記厚さを決定することを含む方法。
【0084】
[適用例31]適用例16に記載の方法であって、
連続的に前記ワークピースをスキャンすることは、前記ワークピースの前記全体の表面を少なくとも2つの光ビームでスキャンすることによって、それぞれの光ビームに関連付けられた少なくとも2つの反射された光の信号を生成することを含む反射された光の信号を生成することを含み、
前記反射された光の信号を検出することは、前記少なくとも2つの反射された光の信号のそれぞれについての光学パラメータ値を測定することを含み、
前記反射された光の信号を処理することによって前記ワークピースの前記表面を特徴付けることは、前記少なくとも1つの一部透明レイヤの厚さを、
前記少なくとも1つの一部透明レイヤについての厚さを、前記少なくとも2つの光ビームによって生成された前記反射された光の信号についての前記測定された光学パラメータ値に関連付けるパラメトリックカーブにアクセスすること、および
前記反射された光の信号についての前記測定された光学パラメータ値にユニークに関連付けられた厚さの値を特定し、それにより前記ワークピースの前記全体表面についての前記少なくとも1つの一部透明レイヤについての厚さを決定すること
によって決定することを含む方法。
【0085】
[適用例32]適用例31に記載の方法であって、パラメトリックカーブにアクセスすることは、少なくとも2つの軸を有するパラメトリックカーブにアクセスすることを含む方法。
【0086】
[適用例33]適用例31に記載の方法であって、前記ワークピースの前記全体表面を連続的にスキャンすることは、それぞれの光ビームが光の異なる波長を有する少なくとも2つの光ビームで達成される方法。
【0087】
[適用例34]適用例31に記載の方法であって、前記ワークピースの前記全体表面を連続的にスキャンすることは、それぞれの光ビームが前記ワークピース上に異なる角度において導かれる少なくとも2つの光ビームで達成される方法。
【0088】
[適用例35]適用例33に記載の方法であって、それぞれ光の異なる波長を有する前記少なくとも2つのビームは、それぞれ異なる角度で前記ワークピース上に導かれる方法。
【0089】
[適用例36]適用例31に記載の方法であって、前記少なくとも2つの反射された光の信号のそれぞれについての光学パラメータ値を測定することは、前記反射された光の信号に関連付けられた光強度値、光偏波値、角度、および位相値のうちから選択される光学パラメータ値を測定することを含む方法。
また、本発明は、以下の形態として実現することも可能である。
・形態1
表面検査を行う方法であって、
その表面上に形成された複数のテストパターンを有するワークピースを提供すること、
前記ワークピースの前記表面を多色光でスキャンすることによって前記ワークピースの前記テストパターンを照射し反射された光のスペクトラムを生成すること、
前記反射された光のスペクトラムを検出すること、および
前記多色光ビームを前記反射された光のスペクトラムと比較することによって前記ワークピース表面の属性を特徴付けること
を含む方法。
・形態2
形態1に記載の方法であって、前記多色光ビームを前記反射された光のスペクトラムと比較することによって前記ワークピース表面の属性を特徴付けることは、前記ワークピースの前記表面上に形成された2つのレイヤ間のアライメントを決定することを含む方法。
・形態3
形態1に記載の方法であって、前記多色光ビームを前記反射された光のスペクトラムと比較することによって前記ワークピース表面の属性を特徴付けることは、前記ワークピースの前記表面上に形成されたフィーチャが微小寸法についての所望の仕様に適合するかを決定することを含む方法。
・形態4
形態1に記載の方法であって、
ワークピースを提供することは、パターン付きワークピースを提供することを含み、前記テストパターンは、所定の規則的間隔を有する回折格子を備え、
前記多色光ビームを前記反射された光のスペクトラムと比較することによって前記ワークピース表面の属性を特徴付けることは、前記多色光ビームを、前記テストパターンによって反射された前記反射された光のスペクトラムと比較することによって、前記ワークピース表面の属性を特徴付けることを含む方法。
・形態5
形態4に記載の方法であって、前記ワークピースは、パターン付きウェーハを備える方法。
・形態6
形態1に記載の方法であって、
前記提供されたワークピースは、パターン付きでないウェーハを備え、前記テストパターンは、所定の規則的間隔を有する回折格子を備え、
前記多色光ビームを前記反射された光のスペクトラムと比較することによって前記ワークピース表面の属性を特徴付けることは、前記多色光ビームを、前記テストパターンによって反射された前記反射された光のスペクトラムと比較することによって、前記ワークピース表面の属性を特徴付けることを含む方法。
・形態7
形態1に記載の方法であって、前記ワークピースの前記表面を多色光でスキャンすることは、前記ワークピースの前記テストパターンを照射して前記表面の大部分をスキャンすることによって、それぞれのテストパターンに関連付けられた反射された光のスペクトラムを生成することを含み、
前記反射された光のスペクトラムを検出することは、前記テストパターンに関連付けられた前記反射された光のスペクトラムだけを選択的に検出することを含み、
前記多色光ビームを前記反射された光のスペクトラムと比較することは、前記多色光ビームを、前記テストパターンに関連付けられた前記反射された光のスペクトラムと比較することによって前記ワークピース表面の属性を特徴付けることを含む方法。