(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フォーカスレンズを含む撮像レンズにおける第1及び第2の領域を通過した被写体像が瞳分割されてそれぞれ結像される第1及び第2の画素群を有する撮像素子における第1の画素群から出力された画像信号に基づく第1の画像及び第2の画素群から出力された画像信号に基づく第2の画像に基づいて、前記第1の画像を予め定められた分割方向に分割して得られた複数の分割画像から選択される第1の分割画像、及び前記第2の画像を前記分割方向に分割して得られた複数の分割画像であって、前記第1の分割画像に対応する分割領域を表す分割画像を除いた分割画像から選択される第2の分割画像を配置した、合焦確認に使用する表示用画像を生成する生成部と、
表示領域を有し、かつ当該表示領域の表面にタッチパネルが設けられた表示部と、
前記表示部に対して前記生成部により生成された前記表示用画像を表示する制御を行う表示制御部と、
前記表示部に前記表示用画像が表示された状態において、当該表示用画像上の前記第1の分割画像または前記第2の分割画像の選択操作が前記タッチパネルを介して行われたことを検出する第1検出部と、
前記表示用画像に対して、前記分割方向と交差する交差方向への移動操作が前記タッチパネルを介して行われたことを検出する第2検出部と、
前記第1検出部により前記選択操作が検出されたことに続いて、前記第2検出部により前記移動操作が検出された場合、前記フォーカスレンズを光軸方向に移動させる移動部に対して、前記フォーカスレンズを前記移動操作に応じて移動させる制御を行う合焦制御部と、
を備えた画像処理装置。
前記合焦制御部は、前記第1検出部により検出された選択操作が前記第1の分割画像の選択操作であるか前記第2の分割画像の選択操作であるかを判別する第1の判別と、前記第2検出部により検出された移動操作が前記交差方向に沿った第1の方向および第2の方向の何れの方向への移動操作であるかを判別する第2の判別を行い、前記第1の判別の結果と前記第2の判別の結果に基づいて前記フォーカスレンズの移動方向を決定し、前記フォーカスレンズを移動させる制御を前記移動部に対して行う
請求項1乃至3の何れか1項記載の画像処理装置。
前記第1の分割画像及び前記第2の分割画像は、前記表示用画像内において前記分割方向に隣接して配置され、前記第1の分割画像と前記第2の分割画像との境界線を通過する移動操作が前記タッチパネルを介して行われたことを検出する第3検出部を更に備え、
前記合焦制御部は、前記第1検出部により前記選択操作が検出されたことに続いて、前記第2検出部及び前記第3検出部により移動操作が検出された場合、前記フォーカスレンズを前記移動操作に応じて移動させる制御を前記移動部に対して行う
請求項1乃至3の何れか1項記載の画像処理装置。
前記合焦制御部は、前記第1検出部により検出された選択操作が前記第1の分割画像及び第2の分割画像の双方の選択操作であり、かつ前記第2検出部により検出された移動操作が前記第1の分割画像及び前記第2の分割画像の各々において前記交差方向に沿って互いに異なる方向であった場合、前記第1の分割画像の移動操作及び第2の分割画像の移動操作の各々の移動方向に基づいて前記フォーカスレンズの移動方向を決定し、前記フォーカスレンズを移動させる制御を前記移動部に対して行う
請求項1乃至3の何れか1項記載の画像処理装置。
前記合焦制御部は、前記第2検出部により検出された移動操作における前記タッチパネルに対する接触操作が継続されている間、前記フォーカスレンズを前記接触操作における接触位置の移動に応じて前記光軸方向に移動させる制御を前記移動部に対して行う
請求項1乃至14の何れか1項記載の画像処理装置。
前記移動部により前記フォーカスレンズが移動されている状態において、前記タッチパネルに対する選択操作が一旦解除された後、前記表示領域の何れかの位置における接触操作が前記タッチパネルを介して行われたことを検出する第4検出部を更に備え、
前記合焦制御部は、前記第4検出部により前記接触操作が検出された場合、前記フォーカスレンズの移動を停止させる制御を前記移動部に対して行う
請求項16記載の画像処理装置。
前記合焦制御部は、前記フォーカスレンズの移動を開始させた後、当該移動に伴って当該フォーカスレンズの移動速度を減速させて当該フォーカスレンズを停止させる制御を前記移動部に対して行う
請求項16記載の画像処理装置。
前記合焦制御部は、前記第2検出部により検出された前記移動操作における移動時間が予め定められた第2閾値以上であった場合、前記第2検出部により検出された移動操作における前記タッチパネルに対する接触操作が継続されている間、前記フォーカスレンズを前記接触操作における接触位置に応じて前記光軸方向に移動させる制御を前記移動部に対して行い、前記移動時間が前記第2閾値未満であった場合、前記フォーカスレンズを前記光軸方向における当該接触位置に応じた移動方向に継続的に移動させる制御を前記移動部に対して行う
請求項1乃至14の何れか1項記載の画像処理装置。
前記表示制御部は、前記表示用画像を拡大する制御に伴い、前記表示用画像の大きさが前記表示領域全体の大きさと等しくなった場合は、前記表示用画像を拡大する制御を停止する
請求項28または29記載の画像処理装置。
前記表示制御部は、前記表示用画像を拡大する制御に伴い、前記表示用画像の大きさが前記表示領域全域よりも大きくなった場合は、前記表示用画像の一部分を前記表示領域に表示させる制御を行う
請求項28または29記載の画像処理装置。
前記表示制御部は、前記表示用画像の拡大後に前記表示用画像を縮小する場合において、前記表示用画像の大きさが拡大前の前記表示用画像の大きさとなった場合に、前記表示用画像を縮小する制御を停止する
請求項28乃至30の何れか1項記載の画像処理装置。
フォーカスレンズを含む撮像レンズにおける第1及び第2の領域を通過した被写体像が瞳分割されてそれぞれ結像される第1及び第2の画素群を有する撮像素子における第1の画素群から出力された画像信号に基づく第1の画像及び第2の画素群から出力された画像信号に基づく第2の画像に基づいて、前記第1の画像を予め定められた分割方向に分割して得られた複数の分割画像から選択される第1の分割画像、及び前記第2の画像を前記分割方向に分割して得られた複数の分割画像であって、前記第1の分割画像に対応する分割領域を表す分割画像を除いた分割画像から選択される第2の分割画像を配置した、合焦確認に使用する表示用画像を生成する生成ステップと、
表示領域を有し、かつ当該表示領域の表面にタッチパネルが設けられた表示部に対して前記生成ステップにより生成された前記表示用画像を表示する制御を行う表示制御ステップと、
前記表示部に前記表示用画像が表示された状態において、当該表示用画像上の前記第1の分割画像または前記第2の分割画像の選択操作が前記タッチパネルを介して行われたことを検出する第1検出ステップと、
前記表示用画像に対して、前記分割方向と交差する交差方向への移動操作が前記タッチパネルを介して行われたことを検出する第2検出ステップと、
前記第1検出ステップにより前記選択操作が検出されたことに続いて、前記第2検出ステップにより前記移動操作が検出された場合、前記フォーカスレンズを光軸方向に移動させる移動部に対して、前記フォーカスレンズを前記移動操作に応じて移動させる制御を行う合焦制御ステップと、
を備えた画像処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、添付図面に従って本発明に係る撮像装置の実施の形態の一例について説明する。
【0053】
[第1実施形態]
本実施形態に係る撮像装置100は、レンズ交換式カメラである。また、撮像装置100は、
図1に示すように、カメラ本体200と、カメラ本体200に交換可能に装着されるズームレンズである交換レンズ258と、を含み、レフレックスミラーが省略されたデジタルカメラである。交換レンズ258は、光軸方向に移動可能なフォーカスレンズ302を有する撮像レンズ16、フォーカスリング260、スライド機構303、及びモータ304を備えている(
図3参照、詳細後述)。また、カメラ本体200には、ハイブリッドファインダー(登録商標)220が設けられている。ここで言うハイブリッドファインダー220とは、例えば光学ビューファインダー(以下、「OVF」という)及び電子ビューファインダー(以下、「EVF」という)が選択的に使用されるファインダーを指す。
【0054】
カメラ本体200と交換レンズ258とは、カメラ本体200に備えられたマウント256と、マウント256に対応する交換レンズ258側のマウント346(
図3参照)とが結合されることにより交換可能に装着される。また、交換レンズ258の鏡筒には、マニュアルフォーカスモード時に使用されるフォーカスリング260が設けられている。撮像装置100は、フォーカスリング260の回転操作に伴ってフォーカスレンズ302を光軸方向に移動させ、被写体距離に応じた合焦位置において後述の撮像素子20(
図3参照)に被写体光を結像させることができる。
【0055】
カメラ本体200の前面には、ハイブリッドファインダー220に含まれるOVFのファインダー窓241が設けられている。また、カメラ本体200の前面には、ファインダー切替えレバー214が設けられている。ファインダー切替えレバー214を矢印SW方向に回動させると、ファインダーに表示される像が、OVFによって視認可能な光学像とEVFによって視認可能な電子像(ライブビュー画像)との間で切り換わるようになっている(後述)。なお、OVFの光軸L2は、交換レンズ258の光軸L1とは異なる光軸である。また、カメラ本体200の上面には、主としてレリーズスイッチ211及び撮影モードや再生モード等の設定用のダイヤル212が設けられている。
【0056】
撮影準備指示部及び撮影指示部としてのレリーズスイッチ211は、撮影準備指示状態と撮影指示状態との2段階の押圧操作が検出可能に構成されている。撮影準備指示状態とは、レリーズスイッチ211が、待機位置から中間位置(半押し位置)まで押下される状態を指し、撮影指示状態とは、レリーズスイッチ211が、中間位置を超えた最終押下位置(全押し位置)まで押下される状態を指す。なお、以下では、「待機位置から半押し位置まで押下される状態」を「半押し状態」といい、「待機位置から全押し位置まで押下される状態」を「全押し状態」という。
【0057】
本第1実施形態に係る撮像装置100では、動作モードとして撮影モードと再生モードとがユーザの指示に応じて選択的に設定される。撮影モードでは、マニュアルフォーカスモードとオートフォーカスモードとがユーザの指示に応じて選択的に設定される。オートフォーカスモードでは、レリーズスイッチ211を半押し状態にすることにより後述する撮影制御処理が実行され、その後、レリーズスイッチ211を全押し状態にすると露光(撮影)が行われる。
【0058】
図2に示すように、カメラ本体200の背面には、OVFのファインダー接眼部242、表示入力部216、十字キー222、MENU/OKキー224、BACK/DISPボタン225が設けられている。
【0059】
本実施形態に係る表示入力部216は、画像(静止画像および動画像)や文字情報等を表示して視覚的にユーザに情報を伝達するとともに、表示した情報に対するユーザ操作を検出する、いわゆるタッチパネル・ディスプレイである。すなわち、表示入力部216は、表示部213と、タッチパネル215とを備えている。表示部213は、LCD(、Liquid Crystal Display)、有機EL(Organic Electroluminescence)ディスプレイ等により実現される。また、表示部213は、撮影モード時に連続フレームを撮像されて得られた連続フレーム画像(ライブビュー画像等)の表示に用いられる。また、表示部213は、静止画撮影の指示が与えられた場合に単一フレームを撮像されて得られた単一フレーム画像(静止画像等)の表示にも用いられる。更に、表示部213は、再生モード時の再生画像の表示やメニュー画面の表示等にも用いられる。
【0060】
また、タッチパネル215は、表示部213の表示面上に表示される画像を視認可能に表示部213に積層され、ユーザの指や尖筆等によって接触された位置を示す座標を検出するデバイスである。タッチパネル215をユーザの指や尖筆によって操作すると、タッチパネル215は、操作に起因して発生する、上記接触された位置を示す検出信号をCPU12に出力する。
【0061】
なお、表示部213の表示領域の大きさとタッチパネル215の大きさとを完全に一致させても良いが、両者を必ずしも一致させる必要は無い。また、タッチパネル215において採用される位置検出方式としては、マトリクススイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等が挙げられ、いずれの方式を採用しても良い。
【0062】
十字キー222は、メニューの選択、ズームやコマ送り等の各種の指令信号を出力するマルチファンクションのキーとして機能する。MENU/OKキー224は、表示部213の画面上にメニューを表示させる指令を行うためのメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行などを指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作キーである。BACK/DISPボタン225は、選択項目など所望の対象の消去や指定内容の取消、あるいは1つ前の操作状態に戻すときなどに使用される。
【0063】
図3は、本実施形態に係る撮像装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0064】
交換レンズ258は、本発明に係る移動部の一例であるスライド機構303及びモータ304を含む。スライド機構303は、フォーカスリング260の操作が行われることによりフォーカスレンズ302を光軸L1方向に移動させる。スライド機構303には光軸L1方向へスライド可能にフォーカスレンズ302が取り付けられている。また、スライド機構303にはモータ304が接続されており、スライド機構303は、モータ304の動力を受けてフォーカスレンズ302を光軸L1方向に沿ってスライドさせる。
【0065】
モータ304は、マウント256,346を介してカメラ本体200に接続されており、カメラ本体200からの命令に従って駆動が制御される。なお、本実施形態では、モータ304の一例として、ステッピングモータを適用している。従って、モータ304は、カメラ本体200からの命令によりパルス電力に同期して動作する。
【0066】
撮像装置100は、撮影した静止画像や動画像を記録するデジタルカメラであり、カメラ全体の動作は、
図3に示されるCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)12によって統括制御されている。同図に示すように、撮像装置100は、CPU12の他に、操作部14、インタフェース部24、メモリ26及びエンコーダ34を含む。また、撮像装置100は、本発明に係る表示制御部の一例である表示制御部36、接眼検出部37及び外部インタフェース(I/F)39を含む。また、撮像装置100は、画像処理部28を含む。
【0067】
CPU12、操作部14、インタフェース部24、メモリ26、画像処理部28、エンコーダ34、表示制御部36、接眼検出部37及び外部インタフェース(I/F)39は、バス40を介して相互に接続されている。なお、メモリ26は、パラメータやプログラムなどが記憶された不揮発性の記憶領域(一例としてEEPROMなど)と画像などの各種情報が一時的に記憶される揮発性の記憶領域(一例としてSDRAMなど)とを有する。
【0068】
なお、本第1実施形態に係る撮像装置100では、CPU12が、撮像によって得られた画像のコントラスト値が最大となるように焦点調整モータを駆動制御することによって合焦制御を行う。また、CPU12は、撮像によって得られた画像の明るさを示す物理量であるAE情報を算出する。CPU12は、レリーズスイッチ211が半押し状態とされたときには、AE情報により示される画像の明るさに応じたシャッタースピード及びF値を導出する。そして、導出したシャッタースピード及びF値となるように関係各部を制御することによって露出状態の設定を行う。
【0069】
操作部14は、撮像装置100に対して各種指示を与える際に操作者によって操作されるユーザインタフェースである。操作部14によって受け付けられた各種指示は操作信号としてCPU12に出力され、CPU12は、操作部14から入力された操作信号に応じた処理を実行する。
【0070】
操作部14は、レリーズスイッチ211、ダイヤル212、表示部213、ファインダー切替えレバー214、十字キー222、MENU/OKキー224及びBACK/DISPボタン225を含む。
【0071】
カメラ本体200は、位置検出部23を含む。位置検出部23は、CPU12に接続されている。位置検出部23は、マウント256,346を介してフォーカスリング260に接続されており、フォーカスリング260の回転角度を検出し、検出結果である回転角度を示す回転角度情報をCPU12に出力する。CPU12は、位置検出部23から入力された回転角度情報に応じた処理を実行する。
【0072】
ダイヤル212により撮影モードが設定されると、被写体を示す画像光は、手動操作により移動可能なフォーカスレンズ302を含む撮像レンズ16及びシャッタ18を介してカラーの撮像素子(一例としてCMOSセンサ)20の受光面に結像される。撮像素子20に蓄積された信号電荷は、デバイス制御部22から加えられる読出し信号によって信号電荷(電圧)に応じたデジタル信号として順次読み出される。撮像素子20は、いわゆる電子シャッタ機能を有しており、電子シャッタ機能を働かせることにより、読出し信号のタイミングによって各フォトセンサの電荷蓄積時間(シャッタスピード)を制御する。なお、本第1実施形態に係る撮像素子20は、CMOS型のイメージセンサであるが、これに限らず、CCDイメージセンサでもよい。
【0073】
撮像素子20には一例として
図4に示すようなカラーフィルタ21が設けられている。一例として
図4に示すように、カラーフィルタ21は、輝度信号を得るために最も寄与するG(緑)に対応する第1のフィルタG、R(赤)に対応する第2のフィルタR及びB(青)に対応する第3のフィルタBを含む。
図4に示す例では、撮像素子20の各画素に対してGフィルタ、Rフィルタ及びBフィルタが行方向(水平方向)及び列方向(垂直方向)の各々に所定の周期性をもって配置されている。そのため、撮像装置100は、R,G,B信号の同時化(補間)処理等を行う際に、繰り返しパターンに従って処理を行うことが可能となる。なお、同時化処理とは、単板式のカラー撮像素子のカラーフィルタ配列に対応したモザイク画像から画素毎に全ての色情報を算出する処理である。例えば、RGB3色のカラーフィルタからなる撮像素子の場合、同時化処理とは、RGBからなるモザイク画像から画素毎にRGB全ての色情報を算出する処理を意味する。
【0074】
また、本実施形態に係る撮像装置100は、位相差AF機能を有する。更に、本実施形態に係る撮像素子20は、位相差AF機能を働かせた場合に用いられる複数の位相差検出用の画素を含む。この複数の位相差検出用の画素は予め定めたパターンに従って配置されている。
【0075】
位相差検出用の画素は、水平方向の左半分が遮光された第1の画素L及び水平方向の右半分が遮光された第2の画素Rの何れかである。なお、以下では、第1の画素L及び第2の画素Rを区別して説明する必要がない場合は「位相差画素」と称する。
【0076】
一例として
図5に示すように、第1の画素Lは遮光部材20Aを有し、第2の画素Rは遮光部材20Bを有する。遮光部材20Aは、フォトダイオードPDの前面側(マイクロレンズM側)に設けられており、フォトダイオードPDの受光面の左半分を遮光する。一方、遮光部材20Bは、フォトダイオードPDの前面側に設けられており、フォトダイオードPDの受光面の右半分を遮光する。
【0077】
マイクロレンズM及び遮光部材20A,20Bは瞳分割部として機能し、第1の画素Lは、撮像レンズ16の射出瞳を通過する光束の光軸の左側のみを受光し、第2の画素Rは、撮像レンズ16の射出瞳を通過する光束の光軸の右側のみを受光する。このように、射出瞳を通過する光束は、瞳分割部であるマイクロレンズM及び遮光部材20A,20Bにより左右に分割され、それぞれ第1の画素Lおよび第2の画素Rに入射する。
【0078】
また、
図6に示すように、撮像レンズ16の射出瞳を通過する光束のうちの左半分の光束に対応する被写体像(左眼用画像)と、右半分の光束に対応する被写体像(右眼用画像)とにおける、焦点が合っている(合焦状態である)領域は、撮像素子20上の同じ位置(合焦位置)に結像する。これに対し、撮像装置100に対して被写体より近い位置において焦点が合っている所謂前ピンの領域、又は撮像装置100に対して被写体より遠い位置において焦点が合っている所謂後ピンの領域は、それぞれ撮像素子20上の異なる位置に入射する(位相がずれる)。
【0079】
図7及び
図8には、撮像装置100が被写体距離の異なる2本の柱(ここでは一例として形状、大きさ及び色が何れも相違しない2本の柱)を被写体として撮像して得たスプリットイメージの一例が示されている。ここで、スプリットイメージとは、右眼分割画像と左眼分割画像とを所定方向(例えば、視差発生方向と直交する方向)に隣接させて配置した画像を指す。右眼分割画像とは、右眼用画像を予め定められた分割方向(一例として視差発生方向と直交する方向)に分割して得た複数の分割画像から選択される一部の分割画像を指す。左眼分割画像とは、左眼用画像を上記分割方向に分割して得た複数の分割画像から、右眼分割画像に対応する分割領域を表す画像を除いて選択される分割画像を指す。なお、
図7、
図8、
図13、
図14、
図23、
図24、
図25A、
図25B、
図36、
図37、
図38、
図46、及び
図47に示す例では、説明の便宜上、右眼分割画像に含まれる柱を示す柱画像を右眼用画像と称し、左眼分割画像に含まれる柱を示す柱画像を左眼用画像と称する。
【0080】
一例として
図7に示すように、上記後ピンの領域では(2本の柱のうち被写体距離が長い方(撮像レンズ16から遠い方)の柱に焦点が合っている場合)、右眼用画像(2本の柱のうち被写体距離が短い方の柱を示す柱画像である右眼用画像)は、表示部213を観察する操作者から見て左方向(
図7の正面視左方向)にずれる。また、上記後ピンの領域では、左眼用画像(2本の柱のうち被写体距離が短い方の柱を示す柱画像である左眼用画像)は、表示部213を観察する操作者から見て右方向(
図7の正面視右方向)にずれる。一方、一例として
図8に示すように、上記前ピンの領域では(2本の柱のうち被写体距離が短い方(撮像レンズ16から近い方)の柱に焦点が合っている場合)、右眼用画像(2本の柱のうち被写体距離が長い方の柱を示す柱画像である右眼用画像)は上記右方向にずれ、左眼用画像(2本の柱のうち被写体距離が長い方の柱を示す柱画像である左眼用画像)は上記左方向にずれる。このように、本実施形態に係る撮像装置100は、右眼用画像と左眼用画像とで視差が異なる視差画像を取得することができる。
【0081】
本実施形態に係る撮像装置100は、第1の画素Lの画素値と第2の画素Rの画素値とに基づいて位相のずれ量を検出する。そして、検出した位相のずれ量を提示することによって、ユーザ操作によるフォーカスレンズ302の焦点位置の調整を補助する。なお、以下では、遮光部材20A,20Bを区別して説明する必要がない場合は符号を付さずに「遮光部材」と称する。
【0082】
本実施形態に係る撮像素子20は、第1の画素群、第2の画素群及び第3の画素群に分類される。第1の画素群とは、例えば複数の第1の画素Lを指す。第2の画素群とは、例えば複数の第2の画素Rを指す。第3の画素群とは、例えば複数の通常画素を指す。ここで言う「通常画素」とは、例えば位相差画素以外の画素(例えば遮光部材20A,20Bを有しない画素)を指す。なお、以下では、第1の画素群から出力される画像信号により示されるRAW画像を「第1の画像」と称する。また、第2の画素群から出力される画像信号により示されるRAW画像を「第2の画像」と称する。更に、第3の画素群から出力される画像信号により示されるRAW画像を「第3の画像」と称する。
【0083】
第1の画素群及び第2の画素群に含まれる各画素は、第1の画素群と第2の画素群との間で水平方向についての位置が1画素内で揃う位置に配置されている。また、第1の画素群及び第2の画素群に含まれる各画素は、第1の画素群と第2の画素群との間で垂直方向についての位置も1画素内で揃う位置に配置されている。
図4に示す例では、水平方向及び垂直方向の各々について直線状に第1の画素Lと第2の画素Rとが複数画素分(本実施形態では、2画素分)の間隔を空けて交互に配置されている。すなわち、L画素及びR画素は、同一列及び同一行にそれぞれ含まれる。
【0084】
また、
図4に示す例では、第1及び第2の画素群に含まれる各画素の位置を水平方向及び垂直方向の各々について1画素内で揃う位置としているが、水平方向及び垂直方向の少なくとも一方について所定画素数内(例えば2画素以内)に収まる位置としてもよい。なお、ピントずれ以外の要因で画像ずれが発生するのを最大限に抑制するためには、一例として
図4に示すように、第1及び第2の画素群に含まれる各画素の位置を水平方向及び垂直方向の各々について1画素内で揃う位置とすることが好ましい。
【0085】
位相差画素は、一例として
図4に示すように、2×2画素(例えば、
図4の正面視左上から3行3列目、3行4列目、4行3列目、及び4行4列目の画素)に対応する正方配列のGフィルタの画素に対して設けられている。本実施形態では、2×2画素のGフィルタのうちの
図4の正面視右下角の画素が位相差画素に対して割り当てられている。
【0086】
このように、カラーフィルタ21では、2×2画素のGフィルタの右下角部の画素に対して遮光部材が設けられており、垂直方向及び水平方向ともに複数画素分の間隔を空けて位相差画素が規則的に配置されている。このため、位相差画素の周囲に通常画素が比較的多く配置されるので、通常画素の画素値から位相差画素の画素値を補間する場合における補間精度を向上させることができる。しかも、位相差画素間において補間に利用する通常画素が重複しないように第1乃至第3の画素群に含まれる各画素が配置されているので、補間精度のより一層の向上が期待できる。
【0087】
図3に戻って、撮像素子20は、第1の画素群から第1の画像を示す画像信号(各第1の画素の画素値を示すデジタル信号)を出力し、第2の画素群から第2の画像を示す画像信号(各第2の画素の画素値を示すデジタル信号)を出力する。また、撮像素子20は、第3の画素群から第3の画像を示す画像信号(各通常画素の画素値を示すデジタル信号)を出力する。なお、上記第3の画像は有彩色の画像であり、例えば通常画素の配列と同じカラー配列のカラー画像である。また、上記第1の画像、上記第2の画像及び上記第3の画像を示す画像データは、インタフェース部24を介してメモリ26における揮発性の記憶領域に一時記憶される。
【0088】
また、画像処理部28は、通常処理部30を有する。通常処理部30は、第3の画素群に対応するR,G,B信号を処理することにより第2の表示用画像の一例である有彩色の通常画像を生成する。また、画像処理部28は、スプリットイメージ処理部32を有する。スプリットイメージ処理部32は、第1の画素群及び第2の画素群に対応するG信号を処理することにより第2の表示用画像の一例である無彩色のスプリットイメージを生成する。なお、本実施形態に係る画像処理部28は、一例として、画像処理に係る複数の機能を実現する回路を1つにまとめた集積回路であるASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現される。ここで、CPU12は、後述する撮影制御処理プログラムを実行し、スプリットイメージ処理部32にスプリットイメージを生成させ、生成されたスプリットイメージを表示部213に表示させる制御を行う。しかし、画像処理部28のハードウェア構成はASICに限定されるものではなく、例えばプログラマブルロジックデバイスやCPU、ROM及びRAMを含むコンピュータなどの他のハードウェア構成であっても良い。
【0089】
一方、エンコーダ34は、入力された信号を別の形式の信号に変換して出力する。また、ハイブリッドファインダー220は、電子像を表示するLCD247を有する。LCD247における所定方向の画素数(一例として視差発生方向である水平方向の画素数)は、表示部213における同方向の画素数よりも少ない。表示制御部36は表示部213及びLCD247に各々接続されており、LCD247及び表示部213が選択的に制御されることによりLCD247又は表示部213により画像が表示される。なお、以下では、表示部213及びLCD247を区別して説明する必要がない場合は「表示装置」と称する。
【0090】
なお、本実施形態に係る撮像装置100は、ダイヤル212により上述したマニュアルフォーカスモードとオートフォーカスモードとを切り替え可能に構成されている。何れかのフォーカスモードが選択されると、表示制御部36は、スプリットイメージが合成されたライブビュー画像を表示装置に表示させる。また、ダイヤル212によりオートフォーカスモードが選択されると、CPU12は、位相差検出部及び自動焦点調整部として動作する。位相差検出部は、第1の画素群から出力された第1の画像と第2の画素群から出力された第2の画像との位相差を検出する。自動焦点調整部は、検出された位相差に基づいてフォーカスレンズ302のデフォーカス量をゼロにするように、デバイス制御部22からマウント256,346を介してモータ304を制御し、フォーカスレンズ302を合焦位置に移動させる。なお、上記の「デフォーカス量」とは、例えば第1の画像及び第2の画像の位相ずれ量を指す。
【0091】
また、接眼検出部37は、ユーザがファインダー接眼部242を覗き込んだことを検出し、検出結果をCPU12に出力する。従って、CPU12は、接眼検出部37での検出結果に基づいてファインダー接眼部242が使用されているか否かを把握することができる。
【0092】
更に、外部I/F39は、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの通信網に接続され、通信網を介して、外部装置(例えばプリンタ)とCPU12との間の各種情報の送受信を司る。従って、撮像装置100は、外部装置としてプリンタが接続されている場合、撮影した静止画像をプリンタに出力して印刷させることができる。また、撮像装置100は、外部装置としてディスプレイが接続されている場合は、撮影した静止画像やライブビュー画像をディスプレイに出力して表示させることができる。
【0093】
図9に示すように、通常処理部30及びスプリットイメージ処理部32は、それぞれWBゲイン部、ガンマ補正部及び同時化処理部を有し(図示省略)、メモリ26に一時記憶された元のデジタル信号(RAW画像)に対して各処理部において順次信号処理を行う。すなわち、WBゲイン部は、R,G,B信号のゲインを調整することによりホワイトバランス(WB)を実行する。ガンマ補正部は、WBゲイン部においてWBが実行された各R,G,B信号をガンマ補正する。同時化処理部は、撮像素子20のカラーフィルタ21の配列に対応した色補間処理を行い、同時化したR,G,B信号を生成する。なお、通常処理部30及びスプリットイメージ処理部32は、撮像素子20により1画面分のRAW画像が取得される毎に、そのRAW画像に対して並列に画像処理を行う。
【0094】
通常処理部30は、インタフェース部24からR,G,BのRAW画像が入力され、第3の画素群のR,G,B画素における、位相差画像において遮光されている画素に対して、第1の画素群及び第2の画素群のうちの同色の周辺画素(例えば隣接するG画素)を用いて補間する。通常処理部30は、上記補間により得られる画像を、表示用の通常画像及び記録用の通常画像としても良い。
【0095】
また、通常処理部30は、生成した記録用の通常画像の画像データをエンコーダ34に出力する。通常処理部30により処理されたR,G,B信号は、エンコーダ34により記録用の信号に変換(エンコーディング)され、記録部42(
図9参照)に記録される。また、通常処理部30は、生成した表示用の通常画像の画像データを表示制御部36に出力する。なお、以下では、説明の便宜上、上記の「記録用の通常画像」及び「表示用の通常画像」を区別して説明する必要がない場合は「記録用の」との文言及び「表示用の」との文言を省略して「通常画像」と称する。
【0096】
撮像素子20は、第1の画素群及び第2の画素群の各々の露出条件(一例として電子シャッタによるシャッタ速度)を変えることができ、これにより露出条件の異なる画像を同時に取得することができる。従って、画像処理部28は、露出条件の異なる画像に基づいて広ダイナミックレンジの画像を生成することができる。また、同じ露出条件によって複数の画像を同時に取得することができ、これらの画像を加算することによりノイズの少ない高感度の画像を生成し、あるいは高解像度の画像を生成することができる。
【0097】
一方、スプリットイメージ処理部32は、メモリ26に一旦記憶されたRAW画像から第1の画素群及び第2の画素群のG信号を抽出し、第1の画素群及び第2の画素群のG信号に基づいて無彩色のスプリットイメージを生成する。RAW画像から抽出される第1の画素群及び第2の画素群の各々は、上述したようにGフィルタの画素による画素群である。そのため、スプリットイメージ処理部32は、第1の画素群及び第2の画素群のG信号に基づいて、無彩色の左の視差画像である左眼用画像及び無彩色の右の視差画像である右眼用画像を生成することができる。
【0098】
スプリットイメージ処理部32は、右眼用画像を予め定められた分割方向(
図10A及び
図10Bの正面視上下方向)に分割して複数(本実施形態では、2枚)の分割画像を取得し、当該複数の分割画像から一部の画像を選択することにより右眼分割画像を得る。また、スプリットイメージ処理部32は、左眼用画像を上記分割方向に分割して複数(本実施形態では、2枚)の分割画像を取得し、当該複数の分割画像から右眼分割画像に対応する分割領域を表す画像を除いて、左眼分割画像を選択する。そして、スプリットイメージ処理部32は、右眼分割画像及び左眼分割画像を各々対応する領域に配置することによりスプリットイメージを生成する。なお、このようにして生成されたスプリットイメージの画像データは表示制御部36に出力される。
【0099】
一例として
図10A及び
図10Bに示すように、スプリットイメージ300において、右眼用画像300A及び左眼用画像300Bが、上記分割方向に交互に配置される。スプリットイメージ300は、撮像レンズ16の焦点が合焦位置からずれている場合、
図10Aに示すように、右眼用画像300A及び左眼用画像300Bの各々が上記分割方向とは交差する方向(
図10A及び
図10Bの正面視左右方向であり、以下、「交差方向」という。)に合焦位置からのずれ量に応じた量だけずれている画像となる。一方、スプリットイメージ300は、上記焦点が合焦位置に一致している場合、
図10Bに示すように、右眼用画像300A及び左眼用画像300Bの各々が上記交差方向に対して同位置となる画像となる。
【0100】
本実施形態に係る撮像装置100では、メモリ26には、表示部213におけるスプリットイメージ300の表示領域を示す表示領域情報が予め記憶されている。この表示領域情報は、表示部213の表示領域内における予め定められた座標系によって示された、表示領域の範囲(本実施形態では、通常画像301の中央部)を示す情報である。また、本実施形態に係るメモリ26には、スプリットイメージ300の分割方向を示す分割方向情報、及びスプリットイメージ300の分割数を示す分割数情報が予め記憶されている。
【0101】
スプリットイメージ処理部32は、上記分割方向情報をメモリ26から読み出すことにより、右眼用画像300A及び左眼用画像300Bの分割方向を決定する。また、スプリットイメージ処理部32は、上記分割数情報をメモリ26から読み出すことにより、スプリットイメージ300の分割数を決定する。そして、スプリットイメージ処理部32は、以上の処理によって得られた分割方向及び分割数に基づいてスプリットイメージ300を生成する。
【0102】
表示制御部36は、通常処理部30から入力された第3の画素群に対応する記録用の画像データと、スプリットイメージ処理部32から入力された第1、第2の画素群に対応するスプリットイメージの画像データとに基づいて表示用の画像データを生成する。例えば、表示制御部36は、通常処理部30から入力された第3の画素群に対応する記録用の画像データにより示される通常画像の表示領域内に、スプリットイメージ処理部32から入力された画像データにより示されるスプリットイメージ300を合成する。そして、合成して得た画像データを表示装置に出力する。
【0103】
本実施形態では、通常画像301にスプリットイメージ300を合成する際、通常画像301の一部の画像に代えてスプリットイメージ300を嵌め込むことにより合成するが、合成方法はこれに限定されない。例えば、通常画像301の上にスプリットイメージ300を重畳させる合成方法であってもよい。また、スプリットイメージ300を重畳する際に、スプリットイメージ300が重畳される領域に対応する通常画像301の一部の画像とスプリットイメージ300との透過率を適宜調整して重畳させる合成方法であってもよい。あるいは、通常画像301及びスプリットイメージ300を各々異なるレイヤによって表示させても良い。これにより、ライブビュー画像における通常画像の表示領域内に、スプリットイメージ300を表示させることができる。なお、ライブビュー画像とは、連続的に撮影している被写体像を表示装置の画面上に連続的に表示させる際の、被写体像を示す画像である。
【0104】
また、
図9に示すように、ハイブリッドファインダー220は、OVF240及びEVF248を含む。OVF240は、対物レンズ244と接眼レンズ246とを有する逆ガリレオ式ファインダーであり、EVF248は、LCD247、プリズム245及び接眼レンズ246を有する。
【0105】
また、対物レンズ244の前方には、液晶シャッタ243が配設されており、液晶シャッタ243は、EVF248を使用する際に、対物レンズ244に光学像が入射しないように遮光する。
【0106】
プリズム245は、LCD247に表示される電子像又は各種の情報を反射させて接眼レンズ246に導くと共に、光学像とLCD247に表示される情報(電子像、各種の情報)とを合成する。
【0107】
ここで、ファインダー切替えレバー214を
図1に示す矢印SW方向に回動させると、回動させる毎にOVF240により光学像を視認することができるOVFモードと、EVF248により電子像を視認することができるEVFモードとが交互に切り替えられる。
【0108】
表示制御部36は、OVFモードの場合、液晶シャッタ243が非遮光状態になるように制御し、ファインダー接眼部242から光学像が視認できるようにする。また、LCD247には、スプリットイメージ300のみを表示させる。これにより、光学像の一部にスプリットイメージ300が重畳されたファインダー像を表示させることができる。
【0109】
一方、表示制御部36は、EVFモードの場合、液晶シャッタ243が遮光状態になるように制御し、ファインダー接眼部242からLCD247に表示される電子像のみが視認できるようにする。なお、LCD247には、表示部213に出力されるスプリットイメージ300が合成された画像データと同等の画像データが入力される。これにより、表示制御部36は、表示部213と同様に通常画像301の一部にスプリットイメージ300が合成された電子像を表示させることができる。
【0110】
表示装置に通常画像301及びスプリットイメージ300の各々を示す画像信号が入力されたとする。この場合、表示装置は、一例として
図10A及び
図10Bに示すように、入力された画像信号によって示されるスプリットイメージ300を画面中央部の矩形状とされたスプリットイメージ300の表示領域に表示する。また、表示装置は、入力された画像信号が示す通常画像301をスプリットイメージ300の外周領域に表示する。また、表示装置は、スプリットイメージ300を示す画像信号が入力されずに通常画像301を示す画像信号のみが入力された場合、入力された画像信号によって示される通常画像301を表示装置の表示領域の全域に表示する。また、表示装置は、通常画像301を示す画像信号が入力されずにスプリットイメージ300を示す画像信号が入力された場合、入力された画像信号によって示されるスプリットイメージ300を表示領域に表示し、外周領域を空白領域とする。
【0111】
ところで、本実施形態に係る撮像装置100は、スプリットイメージ300を表示部213に表示させた際に、ユーザによるタッチパネル215を介したスプリットイメージ300に対する操作を検出すると、その検出結果に応じて焦点調整を行う。
【0112】
本実施形態に係る撮像装置100では、上記スプリットイメージ300に対する操作として、スクロール操作、フリック操作、及び相反移動操作が適用される。
【0113】
ここでいうスクロール操作は、タッチパネル215上の所望の位置を指で指定し、指定位置を移動させる移動操作を第1の時間(本実施形態では、100m秒)以上継続して行う操作である。また、ここでいうフリック操作は、タッチパネル215上の所望の位置を指で指定し、上記移動操作を行い、かつ当該移動操作が開始されてから第2の時間(本実施形態では、100m秒)が経過するまでの間にタッチパネル215から指を離す操作である。
【0114】
なお、スクロール操作及びフリック操作を行う場合には、右眼用画像300Aまたは左眼用画像300Bの領域内の1点を指等で指定して右眼用画像300A及び左眼用画像300Bの何れか一方を選択する選択操作を直前に行う。
【0115】
更に、ここでいう相反移動操作は、右眼用画像300A及び左眼用画像300Bの領域内を各々1点ずつ指定して右眼用画像300A及び左眼用画像300Bの各々を選択する選択操作を行った後、スクロール操作またはフリック操作により各々の指定位置を上記交差方向に沿って相反する方向に移動させる操作である。
【0116】
次に、
図11を参照して、本実施形態に係る撮像装置100の作用を説明する。なお、
図11は、撮像装置100がマニュアルフォーカスモードに設定されており、かつダイヤル212が撮影モードに設定された際にCPU12によって実行される撮影制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、当該プログラムは、メモリ26の所定の記憶領域に予め記憶されている。
【0117】
まず、ステップS401では、第3の画素群から出力された画像信号に基づく通常画像301を示す画像データを、インタフェース部24を介して取得し、通常画像301を表示部213に表示させる制御を行う。
【0118】
このように、本実施形態に係る撮像装置100は、通常画像301を示す画像データを第3の画素群から取得するが、当該画像データの取得方法はこれに限定されない。例えば、第1の画素群から出力された画像信号に基づく右眼用画像300Aを示す画像データ、及び第2の画素群から出力された画像信号に基づく左眼用画像300Bを示す画像データから通常画像301を示す画像データを生成しても良い。
【0119】
また、この際の通常画像301を示す画像データを生成する方法としては、例えば、右眼用画像300Aまたは左眼用画像300Bを示す画像データをそのまま通常画像301を示す画像データとする方法が例示される。また、右眼用画像300Aまたは左眼用画像300Bを示す画像データにおいて隣接する各画素の間に補間画素を配置させ、当該補間画素を囲む画素の画素値の平均値を当該補間画素の画素値として通常画像301を示す画像データを生成する方法であっても良い。更に、通常画像301を生成する方法は、右眼用画像300A及び左眼用画像300Bを示す画像データを合成することにより通常画像301を示す画像データを生成する方法であっても良い。
【0120】
次のステップS403では、スプリットイメージ処理部32に対してスプリットイメージ300を生成させる制御を行い、生成されたスプリットイメージ300を表示部213に表示させる制御を行う。本実施形態に係る撮像装置100では、CPU12は、通常画像301の中央部に重畳させて表示させる。
【0121】
このように、本実施形態に係る撮像装置100では、CPU12は、通常画像301及びスプリットイメージ300の双方を表示部213に表示させるが、これに限定されず、スプリットイメージ300のみを表示部213に表示させても良い。
【0122】
次のステップS405では、タッチパネル215によってタッチ操作が検出されたか否かを判定する。ステップS405において肯定判定となった場合はステップS407に移行する一方、否定判定となった場合は後述するステップS425に移行する。
【0123】
ステップS407では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作が、右眼用画像300Aまたは左眼用画像300Bに対するタッチ操作であるか否かを判定する。ステップS407において肯定判定となった場合は後述するステップS411に移行する。
【0124】
一方、ステップS407で否定判定となった場合はステップS409に移行し、タッチ操作に応じた処理を実行した後、後述するステップS425に移行する。なお、当該タッチ操作に応じた処理としては、例えば当該タッチ操作による指定位置を含む当該指定位置の周辺領域において自動合焦制御を行う処理や、当該周辺領域を拡大表示させる処理等が例示される。
【0125】
ステップS411では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作が、1点を指定するタッチ操作であるか否かを判定する。ステップS411において肯定判定となった場合はステップS412に移行する一方、否定判定となった場合は後述するステップS421に移行する。
【0126】
ステップS412では、上記タッチ操作による指定位置が移動したか否かを判定する。本実施形態に係る撮像装置100においては、上記指定位置が予め定められた距離(本実施形態では、10ピクセル)以上移動した場合に、上記指定位置が移動したと判定する。ステップS412において肯定判定となった場合はステップS413に移行する一方、否定判定となった場合は上記ステップS409に移行する。
【0127】
ステップS413では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作が、スクロール操作であるか否かを判定する。この際、CPU12は、当該タッチ操作における移動操作が上記第1の時間以上継続し、かつ当該移動操作により指定位置が上記交差方向に予め定められた第1の距離(本実施形態では、10ピクセル)以上移動した場合に、スクロール操作であると判定する。
【0128】
このように、本実施形態に係る撮像装置100ではタッチ操作の継続時間に基づきスクロール操作であるか否かを判定するが、スクロール操作の判定方法はこれに限定されない。例えば、操作部14を介してスクロール操作に適用された予め定められた操作が行われ、かつタッチ操作が上記第1の時間以上継続し、かつ当該移動操作により指定位置が上記第1の距離以上移動したか否かに基づき、スクロール操作であるか否かを判定しても良い。
【0129】
ステップS413において肯定判定となった場合はステップS415に移行し、後述するスクロール処理を実行する一方、否定判定となった場合はステップS417に移行する。
【0130】
ステップS417では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作が、フリック操作であるか否かを判定する。この際、CPU12は、当該タッチ操作における移動操作が上記第1の時間以上継続せず、かつ当該移動操作により指定位置が上記交差方向に上記第1の距離以上移動した場合に、フリック操作であると判定する。
【0131】
このように、本実施形態に係る撮像装置100ではタッチ操作の継続時間及び指定位置の移動距離に基づきタッチ操作がフリック操作であるか否かを判定するが、フリック操作の判定方法はこれに限定されない。例えば、操作部14を介してフリック操作に適用させた予め定められた操作が行われ、かつタッチ操作が上記第1の時間以上継続せず、かつ当該移動操作により指定位置が上記第1の距離以上移動したか否かに基づき、フリック操作であるか否かを判定しても良い。
【0132】
ステップS417において肯定判定となった場合はステップS419に移行し、後述するフリック処理を実行する一方、否定判定となった場合は後述するステップS425に移行する。
【0133】
一方、ステップS421では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作が、2点を指定するタッチ操作であるか否かを判定する。ステップS421において肯定判定となった場合は、ステップS423に移行し、後述する相反移動処理を実行する一方、否定判定となった場合はステップS425に移行する。
【0134】
ステップS425では、ダイヤル212が撮影モード以外のモードに設定されたか否かを判定することにより、撮影制御処理プログラムの終了指示が入力されたか否かを判定する。ステップS425において肯定判定となった場合はS427に移行する一方、否定判定となった場合は後述するステップS431に移行する。
【0135】
ステップS427では、ステップS401の処理によって表示部213に表示した通常画像301の表示を停止させる制御を行う。また、次のステップS429では、ステップS403の処理によって表示部213に表示したスプリットイメージ300の表示を停止させる制御を行い、本撮影制御処理プログラムを終了する。
【0136】
一方、ステップS431では、レリーズスイッチ211に対する全押し操作が検出されたか否かを判定することにより、撮影指示が入力されたか否かを判定する。ステップS431において否定判定となった場合は上述したステップS405に戻る一方、肯定判定となった場合はステップS433に移行する。
【0137】
ステップS433では、通常画像301を示す画像データをメモリ26に記録する撮影処理を行い、本撮影制御処理プログラムを終了する。なお、上記撮影処理は一般的に行われている処理であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0138】
なお、本実施形態に係る撮像装置100では、スクロール操作であるかフリック操作であるかがタッチ操作の継続時間に基づき判定されるが、判定方法はこれに限定されない。例えば、スクロール操作であるかフリック操作であるかが移動操作による移動距離に基づき判定されても良い。この場合には、移動操作による移動距離が予め定められた距離以上であった場合にスクロール操作であると判定され、当該予め定められた距離未満であった場合にフリック操作であると判定されると良い。また、スクロール操作であるかフリック操作であるかは移動操作における移動速度で判定されても良い。この場合には、移動操作における移動速度が予め定められた速度以上であった場合にフリック操作であると判定され、当該予め定められた速度未満であった場合にスクロール操作であると判定されると良い。
【0139】
次に、
図12を参照して、スクロール処理を行う際の撮像装置100の作用を説明する。なお、
図12は、撮影制御処理プログラムの実行の途中でCPU12によって実行されるスクロール処理ルーチンプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、当該プログラムは、メモリ26の所定の記憶領域に予め記憶されている。
【0140】
まず、ステップS501では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作が、右眼用画像300Aに対するタッチ操作であったか否かを判定する。ステップS501において肯定判定となった場合はステップS503に移行する一方、否定判定となった場合はステップS405の処理によって検出されたタッチ操作が左眼用画像300Bに対するものであったと見なして、後述するステップS519に移行する。
【0141】
ステップS503では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における移動操作が、上記右方向への移動操作であるか否かを判定する。ステップS503において肯定判定となった場合はステップS505に移行する一方、否定判定となった場合は上記移動操作が左方向への移動であると見なし、後述するステップS513に移行する。
【0142】
ステップS505では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における指定位置の上記交差方向に対する移動距離を取得する。CPU12は、本スクロール処理ルーチンプログラムを実行してから本ステップS505の処理を初めて行う場合には、上記タッチ操作が開始された際の指定位置から現在の指定位置までの上記交差方向に対する距離を移動距離として取得する。一方、本スクロール処理ルーチンプログラムを実行してから本ステップS505の処理の実行が2回目以降である場合は、前回の指定位置から現在の指定位置までの距離を移動距離として取得する。
【0143】
次のステップS507では、フォーカスレンズ302をフォーカスレンズ302の光軸方向のうちの現在の合焦位置に対してより近距離側の被写体に合焦する方向(焦点位置が撮像装置100に近付く方向)にステップS505において取得した移動距離に応じた距離だけ移動させる。本実施形態に係る撮像装置100では、指定位置の移動距離に予め定められた第1係数を乗算して得られた値を、フォーカスレンズ302の移動距離としている。
【0144】
なお、上記第1係数としては、フォーカスレンズ302の光軸方向に対する移動可能な長さを、タッチパネル215における検出可能領域の上記交差方向に対する長さによって除算して得られた値が例示される。しかし、第1係数はこれに限定されない。なお、第1係数を小さくするほど、フォーカスレンズ302の移動を精密に行うことができ、第1係数を大きくするほど、フォーカスレンズ302の移動を高速に行うことができる。また、ユーザにより操作部14を介して第1係数を示す情報を入力するようにしても良い。
【0145】
一例として
図13の上図に示すように、上記後ピンの状態において、タッチパネル215を介するユーザ操作により右眼用画像300A上の指定位置310が右方向に移動したとする。この場合、
図13の下図に示すように、CPU12は、フォーカスレンズ302を上記光軸方向に沿って焦点位置が撮像装置100に近付く方向に移動させることにより、フォーカスレンズ302の焦点が合焦位置に近付いていく。
【0146】
なお、上記ステップS505では、指定位置310の上記交差方向への移動距離を取得し、上記ステップS507では、フォーカスレンズ302を当該移動距離に応じた距離だけ移動させるが、これに限定されない。例えば、上記ステップS505において指定位置310の上記交差方向への移動速度を取得し、フォーカスレンズ302を当該移動速度に応じた距離(例えば、当該移動速度に比例する距離)だけ移動させても良い。
【0147】
次のステップS509では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作におけるタッチパネル215への接触が継続しているか否かを判定する。ステップS509において肯定判定となった場合は上記ステップS503に戻る一方、否定判定となった場合は本スクロール処理ルーチンプログラムを終了して、撮影制御処理プログラム(メインルーチン)の上記ステップS425に移行する。
【0148】
一方、ステップS513では、ステップS505の処理と同様に、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における指定位置310の上記交差方向に対する移動距離を取得する。
【0149】
次のステップS515では、フォーカスレンズ302を、フォーカスレンズ302の光軸方向のうちの現在の合焦位置に対してより遠距離側の被写体に合焦する方向(焦点位置が撮像装置100から遠ざかる方向)に、ステップS513において取得した移動距離に応じた距離だけ移動させる。本実施形態に係る撮像装置100では、指定位置310の移動距離に上記第1係数を乗算した値を、フォーカスレンズ302の移動距離としている。
【0150】
図14の上図に示すように、前ピンの状態において、タッチパネル215を介するユーザ操作により右眼用画像300A上の指定位置310が左方向に移動したとする。この場合、
図14の下図に示すように、CPU12は、フォーカスレンズ302をフォーカスレンズ302の光軸方向に沿って焦点位置が撮像装置100から遠ざかる方向に移動させることにより、フォーカスレンズ302の焦点が合焦位置に近付いていく。
【0151】
次のステップS517では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作が継続しているか否かを判定する。ステップS517において肯定判定となった場合は上記ステップS503に戻る一方、否定判定となった場合は、上記ステップS425に移行する。
【0152】
一方、ステップS519では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における移動操作が、左方向への移動操作であるか否かを判定する。ステップS519において肯定判定となった場合はステップS521に移行する一方、否定判定となった場合は上記移動操作が右方向への移動操作であると見なし、後述するステップS529に移行する。
【0153】
ステップS521では、ステップS505の処理と同様に、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における指定位置310の上記交差方向に対する移動距離を取得する。
【0154】
次のステップS523では、ステップS507の処理と同様に、フォーカスレンズ302をフォーカスレンズ302の光軸方向のうちの焦点位置が撮像装置100に近付く方向にステップS521において取得した移動距離に応じた距離だけ移動させる。本実施形態に係る撮像装置100では、指定位置310の移動距離に上記第1係数を乗算した値を、フォーカスレンズ302の移動距離としている。
【0155】
次のステップS525では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作が継続しているか否かを判定する。ステップS525において肯定判定となった場合は上記ステップS519に戻る一方、否定判定となった場合は、上記ステップS425に移行する。
【0156】
一方、ステップS529では、ステップS505の処理と同様に、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における指定位置310の上記交差方向に対する移動距離を取得する。
【0157】
次のステップS531では、ステップS515の処理と同様に、フォーカスレンズ302をフォーカスレンズ302の光軸方向のうちの焦点位置が撮像装置100から遠ざかる方向にステップS529において取得した移動距離に応じた距離だけ移動させる。
【0158】
次のステップS533では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作が継続しているか否かを判定する。ステップS533において肯定判定となった場合は上記ステップS519に戻る一方、否定判定となった場合は、上記ステップS425に移行する。
【0159】
次に、
図15を参照して、フリック処理を行う際の撮像装置100の作用を説明する。なお、
図15は、撮影制御処理プログラムの実行の途中でCPU12によって実行されるフリック処理ルーチンプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、当該プログラムは、メモリ26の所定の記憶領域に予め記憶されている。
【0160】
なお、本実施形態に係るメモリ26には、一例として
図16に示すような、フリック操作時の移動操作における指定位置310の移動速度とフォーカスレンズ302の移動速度との関係を示す対応情報が記憶されている。なお、
図16に示すグラフでは、横軸がフリック操作時の移動操作における指定位置310の移動速度を示し、縦軸がフォーカスレンズ302の移動速度を示している。また、上記指定位置の移動速度については、上記右方向をプラス方向とし、上記左方向をマイナス方向として示している。なお、
図16に示すように、本実施形態に係る撮像装置100では、上記指定位置310の移動速度が速いほど、フォーカスレンズ302の移動速度が速くなる。ただし、上記指定位置310の移動速度が予め定められた第1閾値(本実施形態では、−25ピクセル/秒)から予め定められた第2閾値(本実施形態では、25ピクセル/秒)までの間である場合には、フォーカスレンズ302の移動速度が0(零)となる。これは、上記移動操作の移動速度が上記第1閾値から上記第2閾値までの間である場合には、ユーザの意思によって上記指定位置310が移動した可能性より、指の震え等、ユーザの意思に反して指定位置310が移動した可能性の方が高いからである。
【0161】
このように、本実施形態に係る撮像装置100では、タッチパネル215を介してフリック操作が行われた場合、当該フリック操作における移動操作の移動速度に応じて、フォーカスレンズ302の移動速度を決定する。
【0162】
まず、ステップS601では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作が、右眼用画像300Aに対するタッチ操作であったか否かを判定する。ステップS601において肯定判定となった場合はステップS603に移行する一方、否定判定となった場合はステップS405の処理によって検出されたタッチ操作が左眼用画像300Bに対するものであったと見なして、後述するステップS617に移行する。
【0163】
ステップS603では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における移動操作が、上記右方向への移動操作であるか否かを判定する。ステップS603において肯定判定となった場合はステップS605に移行する一方、否定判定となった場合は上記移動操作が左方向への移動であると見なし、後述するステップS611に移行する。
【0164】
ステップS605では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における指定位置310の上記交差方向に対する移動速度を取得する。CPU12は、上記移動操作における指定位置310の移動距離を、移動が開始されてから終了されるまでの時間によって除算して得られた値を移動速度として取得する。
【0165】
次のステップS607では、フォーカスレンズ302の移動速度を導出する。本実施形態に係る撮像装置100では、対応情報をメモリ26から読出し、当該対応情報においてS605において取得した移動速度に対応する移動速度を導出する。このように、本実施形態に係る撮像装置100では、指定位置310の移動速度と対応情報とに基づいてフォーカスレンズ302の移動速度を導出するが、これに限定されない。例えば、指定位置310の移動速度を変数としてフォーカスレンズ302の移動速度を導出する予め定められた計算式を用いることにより、指定位置310の移動速度に基づいてフォーカスレンズ302の移動速度を導出しても良い。
【0166】
次のステップS609では、フォーカスレンズ302の光軸方向のうちの焦点位置が撮像装置100に近付く方向へのステップS607において導出した移動速度に応じた速度によってフォーカスレンズ302の移動を開始させ、後述するステップS631に移行する。
【0167】
一方、ステップS611では、ステップS605の処理と同様に、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における指定位置310の上記交差方向に対する移動速度を取得する。
【0168】
次のステップS613では、ステップS607の処理と同様に、フォーカスレンズ302の移動速度を導出する。
【0169】
次のステップS615では、フォーカスレンズ302の光軸方向のうちの焦点位置が撮像装置100から遠ざかる方向へのステップS613において導出した移動速度に応じた速度でのフォーカスレンズ302の移動を開始させる制御を行い、後述するステップS631に移行する。
【0170】
一方、ステップS617では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における移動操作が、上記左方向への移動操作であるか否かを判定する。ステップS617において肯定判定となった場合はステップS619に移行する一方、否定判定となった場合は上記移動操作が右方向への移動であると見なし、後述するステップS625に移行する。
【0171】
次のステップS619では、ステップS605の処理と同様に、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における指定位置310の上記交差方向に対する移動速度を取得する。
【0172】
次のステップS621では、ステップS607の処理と同様に、フォーカスレンズ302の移動速度を導出する。
【0173】
次のステップS623では、フォーカスレンズ302の光軸方向のうちの焦点位置が撮像装置100に近付く方向へのステップS621において導出した移動速度に応じた速度によってフォーカスレンズ302の移動を開始させ、後述するステップS631に移行する。
【0174】
一方、ステップS625では、ステップS605の処理と同様に、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における指定位置310が上記交差方向へ移動する移動速度を取得する。
【0175】
次のステップS627では、ステップS607の処理と同様に、フォーカスレンズ302の移動速度を導出する。
【0176】
次のステップS629では、フォーカスレンズ302の光軸方向のうち、焦点位置が撮像装置100から遠ざかる方向へ、ステップS627において導出した移動速度に応じた速度によってフォーカスレンズ302の移動を開始させる制御を行い、ステップS631に移行する。
【0177】
ステップS631では、再度タッチ操作が検出されるまでステップS609、S615、S623及びS629の何れかの処理によって開始されたフォーカスレンズ302の移動を継続した後、ステップS633に移行する。本実施形態に係る撮像装置100では、フリック操作が行われた後に、タッチパネル215の領域全体における何れかの位置が再び指定された場合、再度タッチ操作が検出されたと判定する。
【0178】
ステップS633では、フォーカスレンズ302の移動を停止させる制御を行い、本フリック処理ルーチンプログラムを終了する。
【0179】
以上のように、本実施形態に係る撮像装置100は、フリック処理において、フリック操作が行われたことに基づいてフォーカスレンズ302を移動させると共に、再度タッチ操作が行われたことに基づいてフォーカスレンズ302を停止させる。
【0180】
なお、フォーカスレンズ302を停止させるタイミングは、再度タッチ操作が行われたタイミングに限定されず、フォーカスレンズ302の移動速度を徐々に低下させることにより停止させても良い。以下、フリック処理の別例1について説明する。
【0181】
次に、
図17を参照して、フリック処理の別例1を行う際の撮像装置100の作用を説明する。なお、
図17は、撮影制御処理プログラムの実行の途中においてCPU12によって実行されるフリック処理ルーチンプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、当該プログラムは、メモリ26の所定の記憶領域に予め記憶されている。
【0182】
なお、本実施形態に係るメモリ26には、フォーカスレンズ302の移動が開始されてから停止させるまでの時間である停止時間を示す停止時間情報が予め記憶されている。
【0183】
まず、ステップS701では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作が、右眼用画像300Aに対するタッチ操作であったか否かを判定する。ステップS701において肯定判定となった場合はステップS703に移行する一方、否定判定となった場合はステップS405の処理によって検出されたタッチ操作が左眼用画像300Bに対するものであったと見なして、後述するステップS721に移行する。
【0184】
ステップS703では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における移動操作が、上記右方向への移動操作であるか否かを判定する。ステップS703において肯定判定となった場合はステップS705に移行する一方、否定判定となった場合は上記移動操作が左方向への移動であると見なし、後述するステップS713に移行する。
【0185】
ステップS705では、ステップS605の処理と同様に、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における指定位置310の上記交差方向に対する移動速度を取得する。
【0186】
次のステップS707では、ステップS607の処理と同様に、フォーカスレンズ302の初速度となる移動速度を導出する。
【0187】
次のステップS709では、フォーカスレンズ302の移動速度を減速させるための所定時間(本実施形態では、1秒)毎の減速速度を導出する。まず、本実施形態に係る撮像装置100では、上記停止時間情報をメモリ26から読み出す。次に、本実施形態に係る撮像装置100では、ステップS707において導出した移動速度によってフォーカスレンズ302の移動を開始させた場合に、当該開始のタイミングから上記停止時間が経過するタイミングにおいてフォーカスレンズ302の移動を停止させるための上記減速速度を導出する。なお、本実施形態に係る撮像装置100では、ステップS707において導出した移動速度を、フォーカスレンズ302の移動を開始させてから停止時間が経過するまでの時間によって除算して得られる値を上記減速速度とする。
【0188】
次のステップS711では、フォーカスレンズ302の光軸方向のうち、焦点位置が撮像装置100に近付く方向へ、ステップS707において導出した移動速度に応じた速度によってフォーカスレンズ302の移動を開始させる制御を行い、後述するステップS739に移行する。
【0189】
一方、ステップS713では、ステップS705の処理と同様に、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における指定位置310の上記交差方向に対する移動速度を取得する。
【0190】
ステップS715では、ステップS707の処理と同様に、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における指定位置310の上記交差方向に対する初速度となる移動速度を導出する。
【0191】
次のステップS717では、ステップS709の処理と同様に、フォーカスレンズ302の所定時間毎の減速速度を導出する。
【0192】
次のステップS719では、フォーカスレンズ302の光軸方向のうち、焦点位置が撮像装置100から遠ざかる方向へ、ステップS715において導出した移動速度に応じた速度によってフォーカスレンズ302の移動を開始させる制御を行い、後述するステップS739に移行する。
【0193】
一方、ステップS721では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における移動操作が、上記左方向への移動操作であるか否かを判定する。ステップS721において肯定判定となった場合はステップS723に移行する一方、否定判定となった場合は上記移動操作が右方向への移動であると見なし、後述するステップS731に移行する。
【0194】
ステップS723では、ステップS705の処理と同様に、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における指定位置310の上記交差方向に対する移動速度を取得する。
【0195】
次のステップS725では、ステップS707の処理と同様に、フォーカスレンズ302の初速度となる移動速度を導出する。
【0196】
次のステップS727では、ステップS709の処理と同様に、フォーカスレンズ302の所定時間毎の減速速度を導出する。
【0197】
次のステップS729では、フォーカスレンズ302の光軸方向のうち、焦点位置が撮像装置100に近付く方向へ、ステップS725において導出した移動速度に応じた速度によってフォーカスレンズ302の移動を開始させる制御を行い、後述するステップS739に移行する。
【0198】
一方、ステップS731では、ステップS705の処理と同様に、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における指定位置310の上記交差方向に対する移動速度を取得する。
【0199】
次のステップS733では、ステップS707の処理と同様に、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作におけるフォーカスレンズ302の初速度となる移動速度を導出する。
【0200】
次のステップS735では、ステップS709の処理と同様に、フォーカスレンズ302の所定時間毎の減速速度を取得する。
【0201】
次のステップS737では、フォーカスレンズ302の光軸方向のうち、焦点位置が撮像装置100から遠ざかる方向へ、ステップS733において導出した移動速度に応じた速度によってフォーカスレンズ302の移動を開始させる制御を行い、ステップS739に移行する。
【0202】
ステップS739では、所定時間(本実施形態では、1秒)が経過するまで待機した後、ステップS741に移行する。
【0203】
ステップS741では、ステップS709、S717、S727及びS735の何れかの処理によって導出された減速速度に応じた速度をフォーカスレンズ302の移動速度から減速させる制御を行う。
【0204】
次のステップS743では、フォーカスレンズ302の移動が停止したか否かを判定する。ステップS743において否定判定となった場合は上記ステップS739に戻る一方、肯定判定となった場合は本フリック処理ルーチンプログラムを終了する。
【0205】
図18は、本実施形態に係る撮像装置100におけるフォーカスレンズ302の移動が開始されてからの経過時間とフォーカスレンズ302の移動速度との関係の一例を示すグラフである。なお、
図18に示すグラフでは、横軸がフォーカスレンズ302の移動が開始されてからの経過時間を示し、縦軸がフォーカスレンズ302の移動速度を示している。また、
図18では、フォーカスレンズ302の移動が開始されてからの経過時間は、フォーカスレンズ302の移動が開始されてから停止させるまでの時間が1となるように規格化されている。更に、
図18では、経過時間は、フォーカスレンズ302の移動が開始されてから停止するまでの停止時間が1となるように規格化されている。
【0206】
一例として
図18に示すグラフでは、本実施形態に係る撮像装置100は、上記経過時間が進むほどフォーカスレンズ302の移動速度が遅くなり、フォーカスレンズ302の移動を開始させてから上記停止時間が経過したタイミングにおいて当該移動速度が0(零)となる。このように、本実施形態に係る撮像装置100では、タッチパネル215を介してフリック操作が行われた場合、フォーカスレンズ302の移動が開始されてからの経過時間が進むほどフォーカスレンズ302の移動速度が次第に遅くなっていき、フォーカスレンズ302はやがて停止する。
【0207】
以上のように、本実施形態に係る撮像装置100は、フリック処理において、フリック操作が行われたことに基づいてフォーカスレンズ302を移動させると共に、フォーカスレンズ302の移動速度を徐々に減速させることによりフォーカスレンズ302を停止させても良い。
【0208】
なお、フォーカスレンズ302を停止させる方法は、フォーカスレンズ302の移動速度を徐々に減速させる方法に限定されず、フォーカスレンズ302を指定位置310の移動距離に応じた移動量だけ移動させた後に停止させても良い。例えば、フォーカスレンズ302の駆動をパルスモータによって行う場合、フォーカスレンズ302の全駆動範囲に対して1000パルスが割り当てられているとする。指定位置310の移動量が表示部312の全画面範囲の10%分(例えばVGA(640×210)の場合に長手方向に64画素分)であった場合にはフォーカスレンズ302を100パルス分移動させた後に停止させる。
【0209】
なお、フリック処理においてフォーカスレンズ302を停止させるタイミングは、これらの方法に限定されず、フォーカスレンズ302による撮像画像が合焦した場合にフォーカスレンズ302の移動を停止させても良い。以下、フリック処理の別例2について説明する。
【0210】
次に、
図19を参照して、フリック処理を行う際の撮像装置100の作用を説明する。なお、
図19は、撮影制御処理プログラムの実行の途中においてCPU12によって実行されるフリック処理ルーチンプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、当該プログラムは、メモリ26の所定の記憶領域に予め記憶されている。
【0211】
まず、ステップS801では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作が、右眼用画像300Aに対するタッチ操作であったか否かを判定する。ステップS801において肯定判定となった場合はステップ803に移行する一方、否定判定となった場合はステップS405の処理によって検出されたタッチ操作が左眼用画像300Bに対するものであったと見なして、後述するステップS817に移行する。
【0212】
ステップS803では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における移動操作が、上記右方向への移動操作であるか否かを判定する。ステップS803において肯定判定となった場合はステップS805に移行する一方、否定判定となった場合は上記移動操作が左方向への移動であると見なし、後述するステップS811に移行する。
【0213】
ステップS805では、右眼用画像300A上において合焦状態を確認するための領域とする合焦判定領域を決定する。本実施形態に係る撮像装置100では、選択操作が行われた際の指定位置310(
図13及び
図14参照)を中心とした予め定められた長さ(本実施形態では、一例として500ピクセル)の半径を持つ円状の領域としている。しかし、合焦判定領域の決定方法はこれに限定されず、例えば、右眼用画像300Aの中央部に位置する円状、矩形状等の領域としても良い。また、これに限らず、例えば、指示位置310から右眼用画像300Aと左眼用画像300Bとの境界線311に引いた垂線と境界線311との交点を中心とした予め定められた長さの半径(
図13の上図に示す例では、右眼用画像300A(被写体である2本の柱のうちの被写体距離が短い方の柱を示す柱画像である右眼用画像300A)及び左眼用画像300B(被写体である2本の柱のうちの被写体距離が長い方の柱を示す柱画像である左眼用画像300B)を包含する円の半径)を有する円状の領域としても良い。
【0214】
次のステップS807では、フォーカスレンズ302の光軸方向のうち、焦点位置が撮像装置100に近付く方向へ、予め定められた移動速度(本実施形態では、50ピクセル/秒)によってフォーカスレンズ302の移動を開始させる制御を行う。
【0215】
次のステップS809では、合焦しているか否かの判定を繰り返し行い、合焦していると判定した場合、後述するステップS831に移行する。本実施形態に係る撮像装置100では、例えば、合焦判定領域内の右眼用画像300A(
図13の上図に示す例では、被写体である2本の柱のうちの被写体距離が短い方の柱を示す柱画像である右眼用画像300A)及び左眼用画像300B(
図13の上図に示す例では、被写体である2本の柱のうちの被写体距離が短い方の柱を示す柱画像である左眼用画像300B)の相互の画素毎の位相差を導出し、導出した位相差が0(零)を含む予め定められた範囲内であった場合に、合焦していると判定する。
【0216】
この際、本実施形態に係る撮像装置100では、合焦判定領域内に主要被写体が存在する場合には、合焦判定領域における主要被写体(複数の主要被写体が含まれる場合は、そのうちの何れか)に対応する領域(例えば、
図13の上図に示す例では、2本の柱(複数の主要被写体の一例)のうちの被写体距離が短い方の柱を示す柱画像である右眼用画像300A、及び2本の柱のうちの被写体距離が短い方の柱を示す柱画像である左眼用画像300B)が合焦している場合に、合焦していると判定する。
【0217】
図20は、本実施形態に係る撮像装置100におけるフォーカスレンズ302の移動が開始されてからの経過時間とフォーカスレンズ302の相対位置との関係の一例を示すグラフである。なお、
図20に示すグラフでは、横軸がフォーカスレンズ302の移動が開始されてからの経過時間を示し、縦軸がフォーカスレンズ302の相対位置を示している。また、
図20では、
図18と同様に、フォーカスレンズ302の移動が開始されてからの経過時間は、フォーカスレンズ302の移動が開始されてから停止させるまでの時間が1となるように規格化されている。更に、
図20では、フォーカスレンズ302の相対位置は、指定位置310を選択操作した際のフォーカスレンズ302の位置を0(零)とした場合の相対位置である。
【0218】
一例として
図20に示すように、本実施形態に係る撮像装置100では、フォーカスレンズ302を移動させることによって右眼用画像300A及び左眼用画像300Bの相互の位相差が低減していき、当該位相差が0(零)となる位置においてフォーカスレンズ302の移動を停止させる。
【0219】
このように、本実施形態では、右眼用画像300A及び左眼用画像300Bの相互の位相差が0(零)となった場合に合焦していると判定するが、通常画像301が合焦しているか否かの判定方法はこれに限定されない。
【0220】
図21は、
図20と同様に、本実施形態に係る撮像装置100におけるフォーカスレンズ302の移動が開始されてからの経過時間とフォーカスレンズ302の相対位置との関係の一例を示すグラフである。なお、
図21に示すグラフでは、
図20と同様に、横軸がフォーカスレンズ302の移動が開始されてからの経過時間を示し、縦軸がフォーカスレンズ302の相対位置を示している。また、
図21では、
図18及び
図20と同様に、フォーカスレンズ302の移動が開始されてからの経過時間は、フォーカスレンズ302の移動が開始されてから停止させるまでの時間が1となるように規格化されている。更に、
図21では、フォーカスレンズ302の相対位置は、選択操作における指定位置310を0とした相対位置である。
【0221】
一例として
図21に示すように、フォーカスレンズ302を移動させながらスプリットイメージ300のコントラスト値を導出し、コントラスト値が最大となる位置においてフォーカスレンズ302の移動を停止させる。
【0222】
このように、本実施形態では、スプリットイメージ300のコントラスト値に基づき合焦の判定を行うが、これに限定されず、通常画像301のコントラスト値に基づき合焦の判定を行っても良い。
【0223】
なお、通常画像301の合焦状態を確認する際、右眼用画像300A及び左眼用画像300Bの相互の位相差を用いると、より高速に合焦状態を確認することができる一方、コントラスト値を用いると、より正確に合焦状態を確認することができる。
【0224】
一方、ステップS811では、ステップS805の処理と同様に、右眼用画像300A上において合焦状態を確認するための領域とする合焦判定領域を決定する。
【0225】
次のステップS813では、ステップS807の処理と同様に、フォーカスレンズ302の光軸方向のうち、焦点位置が撮像装置100から遠ざかる方向へ、予め定められた移動速度(本実施形態では、50ピクセル/秒)によってフォーカスレンズ302の移動を開始させる制御を行う。
【0226】
次のステップS815では、ステップS809の処理と同様に、通常画像301が合焦しているか否かの判定を繰り返し行い、合焦していると判定した場合、後述するステップS831に移行する。
【0227】
一方、ステップS817では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における移動操作が、上記左方向への移動操作であるか否かを判定する。ステップS817において肯定判定となった場合はステップS819に移行する一方、否定判定となった場合は上記移動操作が右方向への移動であると見なし、後述するステップS825に移行する。
【0228】
ステップS819では、ステップS805の処理と同様に、左眼用画像300B上において合焦状態を確認するための領域とする合焦判定領域を決定する。
【0229】
次のステップS821では、ステップS807の処理と同様に、フォーカスレンズ302の光軸方向のうち、焦点位置が撮像装置100に近付く方向へ、予め定められた移動速度(本実施形態では、50ピクセル/秒)によってフォーカスレンズ302の移動を開始させる制御を行う。
【0230】
次のステップS823では、ステップS809の処理と同様に、通常画像301が合焦しているか否かの判定を繰り返し行い、合焦していると判定した場合、後述するステップS831に移行する。
【0231】
一方、ステップS825では、ステップS805の処理と同様に、左眼用画像300B上において合焦状態を確認するための領域とする合焦判定領域を決定する。
【0232】
次のステップS827では、ステップS807の処理と同様に、フォーカスレンズ302の光軸方向のうち、焦点位置が撮像装置100から遠ざかる方向へ、予め定められた移動速度(本実施形態では、50ピクセル/秒)によってフォーカスレンズ302の移動を開始させる制御を行う。
【0233】
次のステップS829では、ステップS809の処理と同様に、通常画像301が合焦しているか否かの判定を繰り返し行い、合焦していると判定した場合、ステップS831に移行する。
【0234】
ステップS831では、ステップS807、S813、S821及びS827の何れかの処理によって開始されたフォーカスレンズ302の移動を停止させ、本フリック処理ルーチンプログラムを終了する。
【0235】
次に、
図22を参照して、相反移動処理を行う際の撮像装置100の作用を説明する。なお、
図22は、撮影制御処理プログラムの実行の途中においてCPU12によって実行される相反移動処理ルーチンプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、当該プログラムは、メモリ26の所定の記憶領域に予め記憶されている。
【0236】
ステップS901では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における右眼用画像300Aに対する移動操作が、上記右方向への移動操作であるか否かを判定する。ステップS901において肯定判定となった場合はステップS903に移行する一方、否定判定となった場合は上記移動操作が左方向への移動であると見なし、後述するステップS909に移行する。
【0237】
ステップS903では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作における左眼用画像300Bに対する移動操作が、上記左方向への移動操作であるか否かを判定する。ステップS903において肯定判定となった場合はステップS905に移行する一方、否定判定となった場合は後述するステップS907に移行する。
【0238】
次のステップS905では、ステップS507の処理と同様に、フォーカスレンズ302をフォーカスレンズ302の光軸方向のうち、焦点位置が撮像装置100に近付く方向に移動させる。
【0239】
一例として
図23の上図に示すように、上記後ピンの状態において、タッチパネル215を介するユーザ操作により右眼用画像300A上の指定位置310が右方向に移動し、かつ左眼用画像300B上の指定位置310が左方向に移動したとする。この場合、
図23の下図に示すように、CPU12は、フォーカスレンズ302を上記光軸方向に沿って焦点位置が撮像装置100に近付く方向に移動させることにより、フォーカスレンズ302の焦点が合焦位置に近付いていく。
【0240】
次のステップS907では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作におけるタッチパネル215への接触が継続しているか否かを判定する。ステップS907において肯定判定となった場合は上記ステップS901に戻る一方、否定判定となった場合は本相反移動処理ルーチンプログラムを終了して、撮影制御処理プログラム(メインルーチン)の上記ステップS425に移行する。
【0241】
一方、ステップS909では、ステップS405の処理において検出されたタッチ操作における左眼用画像300Bに対する移動操作が、上記右方向への移動操作であるか否かを判定する。ステップS909において肯定判定となった場合はステップS911に移行する一方、否定判定となった場合は後述するステップS913に移行する。
【0242】
次のステップS911では、ステップS515の処理と同様に、フォーカスレンズ302をフォーカスレンズ302の光軸方向のうち、焦点位置が撮像装置100から遠ざかる方向に移動させる。
【0243】
一例として
図24の上図に示すように、上記前ピンの状態において、タッチパネル215を介するユーザ操作により右眼用画像300A上の指定位置310が左方向に移動し、かつ左眼用画像300B上の指定位置310が右方向に移動したとする。この場合、
図24の下図に示すように、CPU12は、フォーカスレンズ302を上記光軸方向に沿って焦点位置が撮像装置100から遠ざかる方向に移動させることにより、フォーカスレンズ302の焦点が合焦位置に近付いていく。
【0244】
次のステップS913では、ステップS405の処理において検出されたタッチ操作におけるタッチパネル215への接触が継続しているか否かを判定する。ステップS913において肯定判定となった場合は上記ステップS901に戻る一方、否定判定となった場合は本相反移動処理ルーチンプログラムを終了して、撮影制御処理プログラム(メインルーチン)の上記ステップS425に移行する。
【0245】
このように、一例として
図25Aに示すように、ユーザが2本の指によって右眼用画像300A及び左眼用画像300Bの各々に触れ、右眼用画像300A及び左眼用画像300Bの各々を相互の上記交差方向に対する位置が一致するように移動させる。この際、右眼用画像300A及び左眼用画像300Bの各々の相互の上記交差方向に対する位置関係に応じてフォーカスレンズ302が移動する。そして、一例として
図25Bに示すように、右眼用画像300A及び左眼用画像300Bが上記交差方向に対する位置が一致した場合に、フォーカスレンズ302による撮像画像が合焦状態となる。このように、ユーザは、スプリットイメージ300を用いた直観的な操作を行うことにより合焦制御を行うことができる。
【0246】
なお、上記第1実施形態では、2×2画素のGフィルタに対して単一の位相差画素を配置する形態例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば2×2画素のGフィルタに対して一対の第1画素L及び第2画素Rを配置してもよい。例えば
図26に示すように、2×2画素のGフィルタに対して行方向に隣接した一対の第1画素L及び第2画素Rを配置してもよい。また、例えば
図27に示すように、2×2画素のGフィルタに対して列方向に隣接した一対の第1画素L及び第2画素Rを配置してもよい。いずれの場合も上記第1実施形態において説明したように、第1画素L及び第2画素Rの位置を、第1の画素群と第2の画素群との間で列方向及び行方向の少なくとも一方について所定画素数内で揃えることが好ましい。なお、
図26及び
図27には、第1画素Lと第2画素Rとを、第1の画素群と第2の画素群との間で列方向及び行方向の各々についての位置を1画素内で揃えた位置に配置した例が示されている。
【0247】
また、上記第1実施形態では、カラーフィルタ21を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば
図28〜30に示すようにカラーフィルタの原色(Rフィルタ,Gフィルタ,Bフィルタ)の配列をベイヤ配列としてもよい。
図28〜
図30に示す例では、Gフィルタに対して位相差画素が配置されている。
【0248】
一例として
図28に示すカラーフィルタ21Aは、3×3画素の正方行列の四隅及び中央がGフィルタとされた配列パターンG1の中央に位相差画素が配置されている。また、第1の画素Lと第2の画素Rとが行方向及び列方向の各々について1画素分のGフィルタを飛ばして(1画素分のGフィルタを間に置いて)交互に配置されている。また、第1画素Lと第2画素Rとが、第1の画素群と第2の画素群との間で列方向及び行方向の各々についての位置を1画素内で揃えた位置に配置されている。これにより、配列パターンG1の中央の位相差画素に基づく画像は配列パターンG1の四隅の通常画素に基づく画像を利用して補間可能となるため、本構成を有しない場合に比べ、補間精度を向上させることができる。
【0249】
しかも、配列パターンG1の各々は互いに位置が重複していない。つまり、第1の画素L及び第2の画素Rは、第1及び第2の画素群に含まれる各画素に隣接する第3の画素群に含まれる画素による第3の画像で補間する第1及び第2の画像に含まれる画素が画素単位で重複しない位置に配置されている。そのため、位相差画素に基づく画像が他の位相差画素に基づく画像の補間で利用された通常画素に基づく画像で補間されることを回避することができる。よって、補間精度のより一層の向上が期待できる。
【0250】
一例として
図29に示すカラーフィルタ21Bは、配列パターンG1の中央及び図中正面視右下角に位相差画素が配置されている。また、第1の画素Lと第2の画素Rとが行方向及び列方向の各々について2画素分のGフィルタを飛ばして(2画素分のGフィルタを間に置いて)交互に配置されている。これにより、第1画素Lと第2画素Rとが、第1の画素群と第2の画素群との間で列方向及び行方向の各々についての位置を1画素内で揃えた位置に配置され、第1の画素L及び第2の画素Rを隣接させることができる。よって、ピントずれ以外の要因で画像ずれが発生するのを抑制することができる。
【0251】
しかも、各位相差画素には同色のフィルタ(Gフィルタ)が設けられた通常画素が隣接するので、補間精度を向上させることができる。その上、配列パターンG1の各々は互いに位置が重複していない。つまり、第1の画素L及び第2の画素Rは、第1及び第2の画素群に含まれる各画素に隣接する第3の画素群に含まれる画素による第3の画像で補間する第1及び第2の画像に含まれる画素が一対の画素単位で重複しない位置に配置されている。ここで言う「一対の画素」とは、例えば各配列パターンG1に含まれる第1の画素L及び第2の画素R(一対の位相差画素)を指す。そのため、一対の位相差画素に基づく画像が他の一対の位相差画素に基づく画像の補間において利用された通常画素に基づく画像によって補間されることを回避することができる。よって、補間精度のより一層の向上が期待できる。
【0252】
一例として
図30に示すカラーフィルタ21Cは、配列パターンG1の中央に第1の画素Lが、図中正面視右下角に第2の画素Rが配置されている。また、第1の画素Lは行方向及び列方向の各々について2画素分のGフィルタを飛ばして配置されており、第2の画素Rも行方向及び列方向の各々について2画素分のGフィルタを飛ばして配置されている。これにより、第1画素Lと第2画素Rとが、第1の画素群と第2の画素群との間で列方向及び行方向の各々についての位置を2画素内で揃えた位置に配置され、第1の画素L及び第2の画素Rを隣接させることができる。よって、ピントずれ以外の要因で画像ずれが発生するのを抑制することができる。
【0253】
しかも、
図30に示す例においても
図29に示す例と同様に配列パターンG1の各々は互いに位置が重複していない。そのため、位相差画素に基づく画像が他の位相差画素に基づく画像の補間において利用された通常画素に基づく画像によって補間されることを回避することができる。よって、補間精度のより一層の向上が期待できる。
【0254】
また、カラーフィルタの他の構成例としては、例えば
図31に示すカラーフィルタ21Dが挙げられる。
図31には撮像素子20に設けられているカラーフィルタ21Dの原色(Rフィルタ,Gフィルタ,Bフィルタ)の配列及び遮光部材の配置の一例が模式的に示されている。
図31に示すカラーフィルタ21Dでは、第1〜第4の行配列が列方向について繰り返し配置されている。第1の行配列とは、行方向に沿ってBフィルタ及びGフィルタが交互に配置された配列を指す。第2の行配列とは、第1の行配列を行方向に半ピッチ(半画素分)ずらした配列を指す。第3の行配列とは、行方向に沿ってGフィルタ及びRフィルタが交互に配置された配列を指す。第4の行配列とは、第3の行配列を行方向に半ピッチずらした配列を指す。
【0255】
第1の行配列及び第2の行配列は列方向について半ピッチずれて隣接している。第2の行配列及び第3の行配列も列方向について半ピッチずれて隣接している。第3の行配列及び第4の行配列も列方向について半ピッチずれて隣接している。第4の行配列及び第1の行配列も列方向について半ピッチずれて隣接している。従って、第1〜4の行配列の各々は、列方向について2画素毎に繰り返し現れる。
【0256】
第1の画素L及び第2の画素Rは、一例として
図31に示すように、第3及び第4の行配列に対して割り当てられている。すなわち、第1の画素Lは、第3の行配列に対して割り当てられており、第2の画素Rは、第4の行配列に対して割り当てられている。また、第1の画素L及び第2の画素Rは、互いに隣接して(最小ピッチによって)対になって配置されている。また、
図31に示す例では、第1の画素Lは、行方向及び列方向の各々について6画素毎に割り当てられており、第2の画素Rも、行方向及び列方向の各々について6画素毎に割り当てられている。これにより、第1の画素群と第2の画素群との位相差は、本構成を有しない場合と比較して、高精度に算出される。
【0257】
また、
図31に示す例では、第1の画素L及び第2の画素RにはGフィルタが割り当てられている。Gフィルタが設けられた画素は他色のフィルタが設けられた画素に比べ感度が良いため、補間精度を高めることができる。しかも、Gフィルタは、他色のフィルタに比べ、連続性があるため、Gフィルタが割り当てられた画素は他色のフィルタが割り当てられた画素に比べ補間がし易くなる。
【0258】
また、上記第1実施形態では、上下方向に2分割されたスプリットイメージを例示したが、これに限らず、左右方向又は斜め方向に複数分割された画像をスプリットイメージとして適用してもよい。
【0259】
例えば、
図32に示すスプリットイメージ66aは、行方向に平行な複数の境界線63aにより奇数ラインと偶数ラインとに分割されている。このスプリットイメージ66aでは、第1の画素群から出力された出力信号に基づいて生成されたライン状(一例として短冊状)の位相差画像66Laが奇数ライン(偶数ラインでも可)に表示される。また、第2の画素群から出力された出力信号に基づき生成されたライン状(一例として短冊状)の位相差画像66Raが偶数ラインに表示される。
【0260】
また、
図33に示すスプリットイメージ66bは、行方向に傾き角を有する境界線63b(例えば、スプリットイメージ66bの対角線)により2分割されている。このスプリットイメージ66bでは、第1の画素群から出力された出力信号に基づき生成された位相差画像66Lbが一方の領域に表示される。また、第2の画素群から出力された出力信号に基づき生成された位相差画像66Rbが他方の領域に表示される。
【0261】
また、
図34A及び
図34Bに示すスプリットイメージ66cは、行方向及び列方向にそれぞれ平行な格子状の境界線63cにより分割されている。スプリットイメージ66cでは、第1の画素群から出力された出力信号に基づき生成された位相差画像66Lcが市松模様(チェッカーパターン)状に並べられて表示される。また、第2の画素群から出力された出力信号に基づき生成された位相差画像66Rcが市松模様状に並べられて表示される。
【0262】
更に、スプリットイメージに限らず、2つの位相差画像から他の合焦確認のための画像を生成し、合焦確認のための画像を表示するようにしてもよい。例えば、2つの位相差画像を重畳して合成表示し、ピントがずれている場合は2重像として表示され、ピントが合った状態ではクリアに画像が表示されるようにしてもよい。
【0263】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、スクロール処理において、指定位置をスプリットイメージの右眼用画像及び左眼用画像の視差方向(水平方向)に移動させる場合について例示したが、移動方向はこれに限らない。本実施形態では、移動方向の変形例として例えば、円を描くように指定位置を移動させる動作(円動作)を行う場合について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0264】
なお、本実施形態は、第1実施形態と同様の構成及び動作を含むため、同様の構成及び動作についてはその旨を記し詳細な説明を省略する。
【0265】
本実施形態に係る撮影制御処理は、上記第1実施形態の撮影制御処理(
図1参照)と比べ、ステップS415のスクロール処理(
図12参照)に代えて
図35に示すスクロール処理を有する点が異なる。
図35は、撮影制御処理の途中においてCPU12によって実行される本実施形態に係るスクロール処理ルーチンプログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。本実施形態では、当該プログラムは、メモリ26の所定の記憶領域に予め記憶されている。
【0266】
まず、ステップS1001では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作が、右眼用画像300Aと左眼用画像300Bとの境界線311(
図36参照)付近に対するタッチ操作か否かを判定する。本実施形態では、右眼用画像300Aと左眼用画像300Bの境界線311を中心とした分割方向に幅をもつ範囲(境界線311を跨ぐ予め定められた範囲)が予め定められており、タッチ操作された位置が当該範囲内である場合は、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作が、境界線311付近に対するタッチ操作であると判定する。なお、境界線311付近に対するタッチ操作であるか否かの判定方法はこれに限らず、例えば、上記第1実施形態において述べたように合焦判定領域を決定し、当該合焦判定領域内に境界線311が含まれるか否かにより判定を行うようにしてもよい。
【0267】
ステップS1001において肯定判定となった場合はステップS1003に移行する一方、否定判定となった場合は本スクロール処理ルーチンプログラムを終了して、撮影制御処理プログラム(メインルーチン)の上記ステップS425に移行する。
【0268】
ステップS1003では、接触位置(指定位置)が境界線311を越えたか否か判定する。否定判定となった場合は待機状態となる一方、肯定判定となった場合はステップS1005に移行する。
【0269】
ステップS1005では、左眼用画像300Bが境界線311より上の領域に位置するか判定する。
図36には、本実施形態に係る撮像装置100においてスクロール操作が行われた場合のスプリットイメージの表示状態の一例を説明するための正面図を示す。なお、
図36は、上記第1実施形態の
図33に示したスプリットイメージ66aと同様に、複数分割された画像をスプリットイメージ300として適用した場合を示している。例えば、
図36に示した場合では、接触位置が指定位置310Bである場合は、左眼用画像300Bが境界線311より上の領域に位置する。
【0270】
ステップS1005において肯定判定となった場合はステップS1007に移行する一方、否定判定となった場合は後述するステップS1015に移行する。
【0271】
ステップS1007では、右回りの円を描く動作か否かを判定する。本実施形態では、一例として、指定位置310(ユーザの接触位置)の軌跡を検出し、当該軌跡に基づいて円を描く動作か否かと、右回り及び左回りの何れであるかと、を検出している。当該検出結果に基づいて肯定判定となった場合はステップS1009へ移行する一方、否定判定となった場合はステップS1011へ移行する。なお、
図36では、右周りの円を描く動作が行われた場合の軌跡を示している。
【0272】
ステップS1009では、フォーカスレンズ302の光軸方向のうちの現在の合焦位置に対してより遠距離側の被写体に合焦する方向(焦点位置が撮像装置100から遠ざかる方向)に所定距離だけ移動させる。なお、本実施形態に係る撮像装置100では、一例として、1回の回転操作により、フォーカスレンズ302を移動させる距離が予め定められている。このように本実施形態の撮像装置100では、左眼用画像300Bが境界線311より上の領域に位置する状態において右周りの円を描くスクロール操作を行う場合は、上記第1実施形態において、左眼用画像300Bを右方向にスクロールした場合と同様の操作が行われたとみなしている。
【0273】
次のステップS1025では、ステップS405の処理によって検出されたタッチ操作におけるタッチパネル215への接触が継続しているか否かを判定する。
図37には、円を描くスクロール操作(右回り)を繰り返し行っている場合のスプリットイメージの表示状態の一例を説明するための正面図を示す。
図37に示した一例のように、円を描くスクロール操作(右回り)を繰り返し行っている場合は、肯定判定となる。ステップS1025において肯定判定となった場合は上記ステップS1003に戻る一方、否定判定となった場合は本スクロール処理ルーチンプログラムを終了して、撮影制御処理プログラム(メインルーチン)の上記ステップS425に移行する。
【0274】
一方、ステップS1011では、ステップS1007の処理とは逆に、左回りの円を描く動作か否かを判定する。本実施形態では上述したように、一例として、指定位置310(ユーザの接触位置)の軌跡を検出し、当該軌跡に基づいて円を描く動作か否かと、右回り及び左回りの何れであるかと、を検出している。当該検出結果に基づいて肯定判定となった場合はステップS1013へ移行する一方、否定判定となった場合は本スクロール処理ルーチンプログラムを終了して、撮影制御処理プログラム(メインルーチン)の上記ステップS425に移行する。
【0275】
ステップ1013では、フォーカスレンズ302をフォーカスレンズ302の光軸方向のうち、現在の合焦位置に対してより近距離側の被写体に合焦する方向(焦点位置が撮像装置100に近付く方向)に所定距離だけ移動させた後、ステップS1025に移行する。なお、本実施形態に係る撮像装置100では、一例として、1回の回転操作により、フォーカスレンズ302を移動させる距離が予め定められている。このように本実施形態の撮像装置100では、左眼用画像300Bが境界線311上にある状態において左周りの円を描くスクロール操作を行う場合は、上記第1実施形態において、左眼用画像300Bを左方向にスクロールした場合と同様の操作が行われたとみなしている。
【0276】
一方、ステップS1015では、右眼用画像300Aが境界線311より上の領域に位置するか判定する。
図36に示した場合では、接触位置が指定位置310Aまたは指定位置310Cである場合は、右眼用画像300Aが境界線311より上の領域に位置する。
【0277】
ステップS1015において肯定判定となった場合はステップS1017に移行する一方、否定判定となった場合は本スクロール処理ルーチンプログラムを終了して、撮影制御処理プログラム(メインルーチン)の上記ステップS425に移行する。
【0278】
ステップS1017では、ステップS1007の処理と同様に、右回りの円を描く動作か否かを判定する。ステップS1017において肯定判定となった場合はステップS1019へ移行する一方、否定判定となった場合はステップS1021へ移行する。
【0279】
ステップS1019では、ステップS1013の処理と同様に、フォーカスレンズ302をフォーカスレンズ302の光軸方向のうちの現在の合焦位置に対してより近距離側の被写体に合焦する方向(焦点位置が撮像装置100に近付く方向)に所定距離だけ移動させた後、ステップS1025に移行する。このように本実施形態の撮像装置100では、右眼用画像300Aが境界線311上にある状態において右周りの円を描くスクロール操作を行う場合は、上記第1実施形態において、右眼用画像300Aを右方向にスクロールした場合と同様の操作が行われたとみなしている。
【0280】
一例として
図38の上図に示すように、上記後ピンの状態において、タッチパネル215を介するユーザ操作により右眼用画像300Aが境界線311上にある状態において指定位置310が右回りに回転移動したとする。この場合、
図38の下図に示すように、CPU12は、フォーカスレンズ302を光軸方向に沿って焦点位置が撮像装置100に近付く方向に移動させることにより、フォーカスレンズ302の焦点が合焦位置に近付いていく。
【0281】
一方、ステップS1021では、ステップS1011の処理と同様に、左回りの円を描く動作か否かを判定する。ステップS1021において肯定判定となった場合はステップS1023へ移行する一方、否定判定となった場合は本スクロール処理ルーチンプログラムを終了して、撮影制御処理プログラム(メインルーチン)の上記ステップS425に移行する。
【0282】
ステップS1023では、ステップS1009の処理と同様に、フォーカスレンズ302の光軸方向のうちの現在の合焦位置に対してより遠距離側の被写体に合焦する方向(焦点位置が撮像装置100から遠ざかる方向)に所定距離だけ移動させた後、ステップS1025に移行する。このように本実施形態の撮像装置100では、右眼用画像300Aが境界線311上にある状態において左周りの円を描くスクロール操作を行う場合は、上記第1実施形態において、右眼用画像300Aを左方向にスクロールした場合と同様の操作が行われたとみなしている。
【0283】
以上のように、本実施形態に係る撮像装置100は、スクロール処理において、円を描く動作が行われたことに基づいてフォーカスレンズ302を移動させる。
【0284】
なお、フォーカスレンズ302を移動させる移動速度は、円を描く動作の速度に応じて変化させても良い。以下、スクロール処理の別例1について説明する。
【0285】
次に、
図39を参照して、スクロール処理の別例1を行う際の撮像装置100の作用を説明する。なお、
図39は、撮影制御処理プログラムの実行の途中においてCPU12によって実行される別例1のスクロール処理ルーチンプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、当該プログラムは、メモリ26の所定の記憶領域に予め記憶されている。
【0286】
別例1のスクロール処理は、上記本実施形態のスクロール処理と同様の処理を含むため、同様の処理についてはその旨を記し、詳細な説明を省略する。
【0287】
ステップS1101〜ステップS1107の各処理は、上記スクロール処理のステップS1001〜ステップS1007の各処理にそれぞれ対応している。
【0288】
左眼用画像300Bが境界線311より上の領域に位置する場合、ステップS1107において右回りの円を描く動作である場合は肯定判定となりステップS1109へ移行する一方、否定判定となった場合はステップS1117へ移行する。
【0289】
ステップS1109では、指定位置310が移動する円動作の角速度を取得する。角速度の取得方法は特に限定されないが、例えば、第1実施形態の移動速度を取得するのと同様にすればよい。
【0290】
次のステップS1111では、フォーカスレンズ302の移動速度を導出する。本実施形態に係る撮像装置100では、指定位置310が移動する円動作の角速度とフォーカスレンズ302の移動速度との対応関係がメモリ26の所定の記憶領域に予め記憶されている。
図40は、本実施形態に係る撮像装置100における円動作の角速度とフォーカスレンズ302の移動速度との対応関係の一例を示すグラフである。なお、
図40に示すグラフでは、横軸が円動作の角速度を示し、縦軸がフォーカスレンズ302の移動速度を示している。また、円動作の角速度については、上記右方向をプラス方向とし、上記左方向をマイナス方向として示している。一例として
図40に示すグラフでは、本実施形態に係る撮像装置100では、円動作の角速度が速くなるむほどフォーカスレンズ302の移動速度が速くなる。ただし、円動作の角速度が予め定められた第3閾値(本実施形態では、−40deg/秒)から予め定められた第4閾値(本実施形態では、40deg/秒)までの間である場合には、フォーカスレンズ302の移動速度が0(零)となる。これは、上記移動操作の移動速度が上記第3閾値から上記第4閾値までの間である場合には、ユーザの意思によって上記指定位置310が移動した可能性より、指の震え等、ユーザの意思に反して指定位置310が移動した可能性の方が高いからである。なお、本実施形態では、メモリ26に、
図40に示すグラフに相当するテーブル(角速度と移動速度との対応関係を示すテーブル)が予め記憶されている。
【0291】
このように、本実施形態に係る撮像装置100では、タッチパネル215を介して円を描くスクロール操作が行われた場合、円動作の角速度が速くなるほどフォーカスレンズ302の移動速度が次第に速くなる。また、円動作の角速度が遅くなるほどフォーカスレンズ302の移動速度が遅くなる。
【0292】
ステップS1111では、
図40に例示した対応関係を示すテーブルをメモリ26から読出し、当該対応関係においてS1109において取得した移動速度に対応する移動速度を導出する。このように、本実施形態に係る撮像装置100では、指定位置310の円動作の角速度と移動速度との対応関係を示すテーブルに基づいてフォーカスレンズ302の移動速度を導出するが、これに限定されない。例えば、指定位置310の円動作の角速度を変数としてフォーカスレンズ302の移動速度を導出する予め定められた計算式を用いることにより、指定位置310の円動作の角速度に基づいてフォーカスレンズ302の移動速度を導出しても良い。
【0293】
次のステップS1113では、ステップS1111において導出した移動速度によってフォーカスレンズ302の光軸方向のうち、現在の合焦位置に対してより遠距離側の被写体に合焦する方向(焦点位置が撮像装置100から遠ざかる方向)に、フォーカスレンズ302を所定距離だけ移動させる。
【0294】
次のステップS1115の処理は、上記スクロール処理のステップS1025の処理にそれぞれ対応しており、タッチパネル215への接触が継続しているか否かを判定する。肯定判定となった場合は上記ステップS1103に戻る一方、否定判定となった場合は本スクロール処理ルーチンプログラムを終了して、撮影制御処理プログラム(メインルーチン)の上記ステップS425に移行する。
【0295】
一方、ステップS1117の処理は、上記スクロール処理のステップS1011の処理に対応している。ステップS1117において左回りの円を描く動作である場合は肯定判定となりステップS1119へ移行する一方、否定判定となった場合は本スクロール処理ルーチンプログラムを終了して、撮影制御処理プログラム(メインルーチン)の上記ステップS425に移行する。
【0296】
ステップS1119では、ステップS1109の処理と同様に、指定位置310が移動する円動作の角速度を取得する。次のステップS1121では、ステップS1111の処理と同様に、フォーカスレンズ302の移動速度を導出する。
【0297】
次のステップS1123では、ステップS1121導出した移動速度によってフォーカスレンズ302の光軸方向のうちの現在の合焦位置に対してより近距離側の被写体に合焦する方向(焦点位置が撮像装置100に近付く方向)に所定距離だけ移動させた後、ステップS1115に移行する。
【0298】
一方、ステップS1105において左眼用画像300Bが境界線311より上の領域に位置するかの判定において否定判定となった場合に移行するステップS1125及びステップS1127の各処理は、上記スクロール処理のステップS1015及びステップS1017の各処理にそれぞれ対応している。
【0299】
右眼用画像300Aが境界線311より上の領域に位置する場合におけるステップS1127において右回りの円を描く動作である場合は肯定判定となりステップS1129へ移行する一方、否定判定となった場合はステップS1135へ移行する。
【0300】
ステップS1129では、ステップS1109の処理と同様に、指定位置310が移動する円動作の角速度を取得する。次のステップS1131では、ステップS1111の処理と同様に、フォーカスレンズ302の移動速度を導出する。
【0301】
次のステップS1133では、ステップS1131導出した移動速度によってフォーカスレンズ302の光軸方向のうち、現在の合焦位置に対してより近距離側の被写体に合焦する方向(焦点位置が撮像装置100に近付く方向)に所定距離だけフォーカスレンズ302を移動させた後、ステップS1115に移行する。
【0302】
一方、ステップS1135の処理は、上記スクロール処理のステップS1021の処理に対応している。ステップS1135において左回りの円を描く動作である場合は肯定判定となりステップS1137へ移行する一方、否定判定となった場合は本スクロール処理ルーチンプログラムを終了して、撮影制御処理プログラム(メインルーチン)の上記ステップS425に移行する。
【0303】
ステップS1137では、ステップS1109の処理と同様に、指定位置310が移動する円動作の角速度を取得する。次のステップS1121では、ステップS1111の処理と同様に、フォーカスレンズ302の移動速度を導出する。
【0304】
次のステップS1141では、ステップS1139において導出した移動速度によってフォーカスレンズ302の光軸方向のうち、現在の合焦位置に対してより遠距離側の被写体に合焦する方向(焦点位置が撮像装置100から遠ざかる方向)に所定距離だけフォーカスレンズ302を移動させた後、ステップS1115に移行する。
【0305】
以上のように、本実施形態に係る撮像装置100は、別例1のスクロール処理において、円を描く動作が行われたことに基づいてフォーカスレンズ302を移動させる。また、フォーカスレンズ302の移動速度を円動作の角速度に応じた移動速度とさせても良い。
【0306】
このようにフォーカスレンズ302の移動速度を円動作の角速度に応じた移動速度とすることにより、指定位置を移動操作するユーザの動作(動作速度)と、フォーカスレンズ302の移動速度とを連動させることができるため、ユーザの意図を、フォーカスレンズ302の移動に反映させることができる。
【0307】
なお、本実施形態では、二つの分割画像(右眼用分割画像及び左眼用分割画像)にわたって、円を描くように指定位置310を移動させる円動作を行う場合について詳細に説明したがこれに限らず、複数の分割画像にわたって円を描くように円動作を行うようにしてもよい。この場合、例えば、境界線311を跨ぐ毎に、上記各スクロール処理を行うようにしても良い。
【0308】
また、本実施形態では、円を描くように指定位置310を移動させる場合について説明したがこれに限らず、指定位置310の移動軌跡が、交差方向の移動動作と、境界線311を跨ぐ(分割方向の)移動動作とにわけることができればよい。なお、本実施形態のスクロール処理のように、円を描くように指定位置310を移動させることにより、あたかもフォーカスリング260を手動で回転させて焦点調整(所謂マニュアルフォーカス)を行っているような間隔をユーザに与えることができる。
【0309】
[第3実施形態]
上記各実施形態において示した撮影制御処理は、スプリットイメージを用いて合焦を行うためのその他の処理を組み合わせても良い。本実施形態では、上記各実施形態において示した撮影制御処理と組み合わせることが好ましいその他の処理について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0310】
本実施形態では、合焦したことをユーザに対して報知する合焦報知処理について説明する。
図41は、本実施形態に係る撮像装置100の電気系の構成の一例を示すブロック図である。
図41に示すように、本実施形態の撮像装置100は、上記各実施形態の撮像装置100の構成に加えて、合焦したことをユーザに対して報知するための報知制御部38及び振動部材217を備えている。
【0311】
報知制御部38は、振動部材217に接続されており、右眼用画像300A及び左眼用画像300Bが合焦した場合に、振動部材217を振動させるように制御する。本実施形態の撮像装置100の振動部材217は、タッチパネル215のユーザが接触操作を行う部位に設けられている。
【0312】
図42を参照して、合焦報知処理を行う際の撮像装置100の作用を説明する。なお、
図42は、撮影制御処理プログラムの実行と組み合わせてCPU12によって実行される合焦報知処理ルーチンプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、当該プログラムは、メモリ26の所定の記憶領域に予め記憶されている。
【0313】
まず、ステップS1201では、フォーカスレンズ302が移動中か否かを判定する。ステップS1201において肯定判定となった場合は、ステップS1203に移行する一方、否定判定となった場合は本合焦制御処理ルーチンプログラムを終了する。
【0314】
ステップS1203では、接触位置(指定位置310)近傍の被写体像(右眼用画像300A及び左眼用画像300B)が合焦したか否か判定する。スプリットイメージ300内に複数の被写体像(右眼用画像300A及び左眼用画像300B)が含まれている場合、全ての被写体像が合焦しない場合がある。例えば、本実施形態の撮像装置100では、撮像装置100に対して、遠距離側の被写体の被写体像と近距離側の被写体の被写体像とでは、いずれか一方の被写体像が合焦する。そのため、本実施形態の撮像装置100では、上記実施形態における指定位置310(ユーザが接触している接触位置)の近傍の被写体像(右眼用画像300A及び左眼用画像300B)が合焦したか否か判定する。なお、具体的に本実施形態の撮像装置100では、指定位置310を中心とした予め定められた領域、または、指定位置310を分割方向に境界線311に向けて移動させた場合における境界線311との交点を中心とした予め定められた領域を設けておき、当該領域内に含まれる右眼用画像300A及び左眼用画像300Bが合焦したか否かを判定する。なお、合焦したか否かの判定方法は、上記各実施形態の撮影制御処理と同様にすればよい。
【0315】
ステップS1203において肯定判定となった場合は、ステップS1205に移行する一方、否定判定となった場合はステップS1201に移行する。
【0316】
ステップS1205では、振動部材217を振動させることにより、合焦を報知させた後、本合焦制御処理ルーチンプログラムを終了する。
【0317】
本実施形態の撮像装置100では、上記のようにタッチパネル215のユーザが接触操作を行う部位、具体的には指定位置310に対応する部位を振動部材217により振動させる。なお、振動部材217により振動させる部位は当該部位に限らず、例えば、タッチパネル215全体や、撮像装置100全体(カメラ本体200)であってもよい。なお、本実施形態の撮像装置100のように、ユーザが接触操作を行う部位を振動させることにより、より確実かつ速やかに合焦した旨をユーザに報知することができる。
【0318】
以上のように、本実施形態に係る撮像装置100は、合焦報知処理において、フォーカスレンズ302の移動中に被写体像(右眼用画像300A及び左眼用画像300B)が合焦した旨をユーザに報知する。
【0319】
なお、上記合焦報知処理において、被写体像が合焦した場合は、フォーカスレンズ302の移動を停止させても良い。以下、合焦報知処理の別例1について説明する。
【0320】
次に、
図43を参照して、合焦報知処理の別例1を行う際の撮像装置100の作用を説明する。なお、
図43は、撮影制御処理プログラムの実行と組み合わせてCPU12によって実行される別例1の合焦報知処理ルーチンプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、当該プログラムは、メモリ26の所定の記憶領域に予め記憶されている。
【0321】
別例1の合焦報知処理は、上記本実施形態の合焦報知処理と同様の処理を含むため、同様の処理についてはその旨を記し、詳細な説明を省略する。
【0322】
ステップS1301〜ステップS1305の各処理は、上記合焦報知処理のステップS1201〜ステップS1205の各処理にそれぞれ対応している。
【0323】
フォーカスレンズ302の移動中(ステップS1301において肯定判定)に、接触位置近傍の被写体像(右眼用画像300A及び左眼用画像300B)が合焦した場合(ステップS1303において肯定判定)のステップS1305では、振動部材217を振動させることにより、合焦を報知させた後、ステップS1307に移行する。
【0324】
ステップS1307では、フォーカスレンズ302の移動を停止させた後、本処理を終了する。
【0325】
以上のように、本実施形態に係る撮像装置100は、別例1の合焦報知処理において、フォーカスレンズ302の移動中に被写体像(右眼用画像300A及び左眼用画像300B)が合焦した旨をユーザに報知すると共に、フォーカスレンズ302の移動を停止させる。
【0326】
以上のように、本実施形態に係る撮像装置100は、別例1のスクロール処理において、円を描く動作が行われたことに基づいてフォーカスレンズ302を移動させると共に、フォーカスレンズ302の移動速度を円動作の角速度に応じた移動速度とさせても良い。
【0327】
なお、本実施形態では、タッチパネル215の接触部位を振動部材217により振動させることにより報知を行っているが、報知方法は、当該方法に限らない。例えば、振動部材217にかわり、または、振動部材217に加えて、スピーカなど、音声出力部を設け、音声を出力することにより報知を行っても良い。また例えば、右眼用画像300A、左眼用画像300B、及びスプリットイメージ300等の色を変化させても良い。また、合焦した旨を知らせる表示を表示部213に行うようにしても良い。
【0328】
[第4実施形態]
上記第3実施形態では、上記第1及び第2実施形態において示した撮影制御処理と組み合わせることが好ましいその他の処理として合焦報知処理について説明したが、本実施形態では、その他の処理としてスプリットイメージ300の拡大・縮小制御処理について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0329】
図44は、撮影制御処理プログラムの実行と組み合わせてCPU12によって実行される拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、当該プログラムは、メモリ26の所定の記憶領域に予め記憶されている。
【0330】
まず、ステップS1501では、上下(分割方向)にスクロール操作を行っているか否か判定する。ステップS1501において肯定判定となった場合は、ステップS1503に移行する一方、否定判定となった場合は本拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムを終了する。
【0331】
ステップS1503では、スクロール方向(指定位置310の移動方向、上方向及び下方向)に応じて、表示入力部216の表示部213に表示されているスプリットイメージ300を拡大または縮小表示させた後、本拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムを終了する。
【0332】
本実施形態の撮像装置100では、スクロール方向に応じてスプリットイメージ300の拡大及び縮小のいずれを行うかが予め定められている。本実施形態の撮像装置100では、具体的例として、スクロール方向が上方向の場合は、スプリットイメージ300の拡大を行い、スクロール方向が下方向の場合は、スプリットイメージ300の縮小を行うよう予め定められている。なお、スプリットイメージ300の拡大率及び縮小率としては、例えば、1回のスクロール操作に対応する所定の拡大率及び縮小率を予め定めておいても良い。また、例えば、拡大率及び縮小率は、スクロール距離(指定位置310の移動距離)に応じて予め定めておいても良い。この場合は、例えば、スクロール距離が長いほど、拡大率及び縮小率が大きくなるように予め定めておいても良い。
【0333】
以上のように、本実施形態に係る撮像装置100は、拡大・縮小制御処理において、上下方向(分割方向)のスクロール操作が行われたことに基づいて、スクロール方向に応じてスプリットイメージ300の拡大または縮小を行う。
【0334】
このように、スプリットイメージ300を拡大・縮小することにより、被写体像(右眼用画像300A及び左眼用画像300B)が見易くなるため、ユーザが合焦状態を確認しやすくなる。
【0335】
上記第1実施形態の撮像装置100では、撮影制御処理において合焦状態を制御するために行われる指定位置310の移動操作は、水平方向における移動操作である。そのため、本実施形態の撮像装置100では、撮影制御処理における合焦状態の制御と、拡大・縮小制御処理とでは、移動操作(スクロール操作)の方向が異なるため、両者を明確に区別することができる。なお、上記第2実施形態の撮像装置100では、撮影制御処理において合焦状態を制御するために行われる指定位置310の移動操作は、水平方向における移動操作と上下方向(分割方向)における移動操作とを含む。このような場合は、上下方向(分割方向)における移動操作の前後一定期間内に水平方向における移動操作がなされない場合は、本実施形態に示した拡大・縮小制御処理を行う操作であると判断すればよい。
【0336】
なお、拡大・縮小制御処理は、上記各実施の形態において説明した処理に限定されない。以下、拡大・縮小制御処理の別例について説明する。
【0337】
次に、
図45を参照して、拡大・縮小制御処理の別例1を行う際の撮像装置100の作用を説明する。なお、
図45は、撮影制御処理プログラムの実行と組み合わせてCPU12によって実行される別例1の拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、当該プログラムは、メモリ26の所定の記憶領域に予め記憶されている。
【0338】
別例1の拡大・縮小制御処理は、上記本実施形態の拡大・縮小制御処理と同様の処理を含むため、同様の処理についてはその旨を記し、詳細な説明を省略する。
【0339】
ステップS1601では、スプリットイメージ300内の2点がタッチ操作されたか否か判定する。すなわち、指定位置210が2箇所あるか否か判定する。ステップS1601において肯定判定となった場合は、ステップS1603に移行する一方、否定判定となった場合は本拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムを終了する。
【0340】
ステップS1603では、指定位置310が上下に離れる方向に移動するスクロール操作(所謂ピンチオーブン操作(ピンチアウト操作))がなされているか判定する。ステップS1603において肯定判定となった場合は、ステップS1605に移行する一方、否定判定となった場合はステップS1607に移行する。
図46には、本実施形態に係る撮像装置100においてスプリットイメージの拡大操作が行われた場合のスプリットイメージの表示状態の一例を説明するための正面図を示す。
【0341】
ステップS1605では、表示入力部216の表示部213に表示されているスプリットイメージ300を拡大させた後、本拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムを終了する。なお、後述する
図47は、スプリットイメージ300が表示部213に拡大表示さえている状態を示している。なお、拡大率は、上記拡大・縮小制御処理のステップS1503と同様にすれば良い。
【0342】
一方、ステップ1607では、指定位置310が上下に近付く方向に移動するスクロール操作(所謂ピンチクローズ操作(ピンチイン操作))がなされているか判定する。ステップS1607において肯定判定となった場合は、ステップS1609に移行する一方、否定判定となった場合は本拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムを終了する。
図47には、本実施形態に係る撮像装置100においてスプリットイメージの縮小操作が行われた場合のスプリットイメージの表示状態の一例を説明するための正面図を示す。なお、
図47では、拡大されたスプリットイメージ300の大きさが、表示部213の表示領域の全域の大きさよりも大きい場合を示している。
【0343】
ステップ1609では、表示入力部216の表示部213に表示されているスプリットイメージ300を縮小させた後、本拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムを終了する。なお、縮小率は、上記拡大・縮小制御処理のステップS1503と同様にすれば良い。
【0344】
以上のように、本実施形態に係る撮像装置100は、別例1の拡大・縮小制御処理において、2箇所の指定位置310が指定された場合に、指定位置310が上下方向(分割方向)に離れるか近付くかにより、スプリットイメージ300の拡大または縮小を行う。
【0345】
このように、2箇所の指定位置310が指定された場合に、スプリットイメージ300の拡大または縮小を行うことにより、1点をタッチ操作する場合と比べて、ユーザの意図しない誤動作を減少させることができる。
【0346】
次に、
図48を参照して、拡大・縮小制御処理の別例2を行う際の撮像装置100の作用を説明する。なお、
図48は、撮影制御処理プログラムの実行と組み合わせてCPU12によって実行される別例2の拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、当該プログラムは、メモリ26の所定の記憶領域に予め記憶されている。
【0347】
別例2の拡大・縮小制御処理は、上記本実施形態の拡大・縮小制御処理と同様の処理を含むため、同様の処理についてはその旨を記し、詳細な説明を省略する。
【0348】
ステップS1701の処理は、別例1の拡大・縮小制御処理のステップS1601の処理に対応している。ステップS1701では、スプリットイメージ300内の2点がタッチ操作されたか(指定位置210が2箇所か)否か判定し、肯定判定となった場合は、ステップS1703に移行する一方、否定判定となった場合は本拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムを終了する。
【0349】
ステップS1703では、指定位置310が境界線311を挟んだ位置にあるか否かを判定する。例えば、2箇所の指定位置310を結んだ直線が境界線311と交差するか否かにより判定する。なお、
図46及び
図47は、指定位置310が境界線311を挟んだ位置にある場合を示している。なお、境界線311から各指定位置310までの距離は特に限定されず、2箇所の指定位置310の境界線311からの距離は異なっていてもよい。ステップS1703において肯定判定となった場合は、ステップS1705に移行する一方、否定判定となった場合はステップS1713に移行する。
【0350】
ステップS1705の処理は、別例1の拡大・縮小制御処理のステップS1603の処理に対応している。ステップS1705では、指定位置310が上下に離れる方向に移動するスクロール操作がなされているか判定し、肯定判定となった場合は、ステップS1707に移行する一方、否定判定となった場合はステップS1709に移行する。
【0351】
ステップS1707では、スプリットイメージ300を上下方向(分割方向)の中心を指定位置310に挟まれている境界線311とし、かつ、左右方向(水平方向)の中心を指定位置310として、表示入力部216の表示部213に表示されているスプリットイメージ300を拡大させた後、本拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムを終了する。なお、2箇所の指定位置310の左右方向の位置が異なる場合は、例えば、2箇所の指定位置310の左右方向の中間点を中心としても良いし、いずれか一方の指定位置310を中心としても良い。また、2箇所の指定位置310が複数の境界線311を挟んでいる場合は、例えば、2箇所の指定位置310の上下方向の間隔の中央に近い境界線311を中心としても良い。
【0352】
一方ステップS1709の処理は、別例1の拡大・縮小制御処理のステップS1607の処理に対応している。ステップS1709では、指定位置310が上下に近付く方向に移動するスクロール操作がなされているか判定する。ステップS1709において肯定判定となった場合は、ステップS1711に移行する一方、否定判定となった場合は本拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムを終了する。
【0353】
ステップS1711では、スプリットイメージ300を上下方向(分割方向)の中心を指定位置310に挟まれている境界線311とし、かつ、左右方向(水平方向)の中心を指定位置310として、表示入力部216の表示部213に表示されているスプリットイメージ300を縮小させた後、本拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムを終了する。なお、ステップS1707と同様に、2箇所の指定位置310の左右方向の位置が異なる場合は、例えば、2箇所の指定位置310の左右方向の中間点を中心としても良いし、いずれか一方の指定位置310を中心としても良い。また、ステップS1707と同様に、2箇所の指定位置310が複数の境界線311を挟んでいる場合は、例えば、2箇所の指定位置310の上下方向の間隔の中央に近い境界線311を中心としても良い。
【0354】
一方、ステップS1713では、ステップS1705と同様に、指定位置310が上下に離れる方向に移動するスクロール操作がなされているか判定し、肯定判定となった場合は、ステップS1715に移行する一方、否定判定となった場合はステップS1717に移行する。
【0355】
ステップS1715の処理は、別例1の拡大・縮小制御処理のステップS1605の処理に対応している。ステップS1715では、表示入力部216の表示部213に表示されているスプリットイメージ300全体を拡大させた後、本拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムを終了する。
【0356】
一方、ステップS1717では、ステップS1709と同様に、指定位置310が上下に近付く方向に移動するスクロール操作がなされているか判定する。ステップS1709において肯定判定となった場合は、ステップS1711に移行する一方、否定判定となった場合は本拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムを終了する。
【0357】
ステップS1719の処理は、別例1の拡大・縮小制御処理のステップS1609の処理に対応している。ステップ1719では、表示入力部216の表示部213に表示されているスプリットイメージ300全体を縮小させた後、本拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムを終了する。
【0358】
以上のように、本実施形態に係る撮像装置100は、別例2の拡大・縮小制御処理において、境界線311を挟んで2箇所の指定位置310が指定された場合に、上下方向(分割方向)の中心を指定位置310に挟まれた境界線311とし、かつ、左右方向(水平方向)の中心を指定位置310として、スプリットイメージ300の拡大または縮小を行う。
【0359】
このように、拡大・縮小の上下方向(分割方向)の中心を指定位置310に挟まれた境界線311とし、かつ、左右方向(水平方向)の中心を指定位置310とすることにより、ユーザが合焦状態を確認したい部分のスプリットイメージ300(被写体像)を拡大・縮小させることができる。これにより、本実施形態の撮像装置100では、ユーザの意図した動作を実現することができるようになる。
【0360】
次に、
図49を参照して、上記各拡大・縮小制御処理に組み合わせることが好ましい拡大・縮小制御処理について図面を参照しつつ、詳細に説明する。
図49は、上記各拡大・縮小制御処理プログラムの実行と組み合わせてCPU12によって実行される拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、当該プログラムは、メモリ26の所定の記憶領域に予め記憶されている。
【0361】
図49に示した、拡大・縮小制御制御処理は、スプリットイメージ300の拡大中または縮小中に実行される。
【0362】
ステップS1801では、スプリットイメージ300を拡大中か否かを判定する。ステップS1801において肯定判定となった場合は、ステップS1803に移行する一方、否定判定となった場合はステップS1807に移行する。
【0363】
ステップS1803では、スプリットイメージ300が表示部213の表示領域の全域の大きさまで拡大されたか否か判定する。ステップS1803において否定判定となった場合は、ステップS1801に移行する一方、肯定判定となった場合はステップS1805に移行する。
【0364】
ステップS1805では、スプリットイメージ300の拡大を停止させた後、本拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムを終了する。
【0365】
一方、ステップS1807では、スプリットイメージ300を縮小中か否かを判定する。ステップS1807において肯定判定となった場合はステップS1809に移行する一方、否定判定となった場合は本拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムを終了する。
【0366】
ステップS1809では、スプリットイメージ300が元の大きさまで縮小されたか否か判定する。なお、ここで「元の大きさ」とは、撮像装置100に初期状態として予め定められているスプリットイメージ300の大きさである。例えば、撮像装置100に電源を投入した際に、表示部213に表示されるスプリットイメージ300の大きさとしている。なお、「元の大きさ」とはこれに限らず、スプリットイメージ300が拡大された後に、縮小された場合は、拡大前の大きさとしてもよい。ステップS1809において否定判定となった場合は、ステップS1807に移行する一方、肯定判定となった場合は、ステップS1811に移行する。
【0367】
ステップS1811では、スプリットイメージ300の縮小を停止させた後、本拡大・縮小制御処理ルーチンプログラムを終了する。
【0368】
以上のように、本実施形態に係る撮像装置100は、当該拡大・縮小制御処理において、スプリットイメージ300の拡大率の最大を、表示部213の表示領域全域とし、縮小率の最大を、撮像装置100に初期状態として予め定められているスプリットイメージ300の大きさとしている。
【0369】
このようにスプリットイメージ300を拡大することにより、通常画像301に表示されている被写体像の一部がスプリットイメージ300となっている場合に、拡大率が最大のスプリットイメージ300を表示している際でも、少し縮小することにより、ユーザは、画角周辺部に写っている被写体像を確認することができる。
【0370】
なお、上記各実施形態において説明した撮影制御処理の流れはあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。また、上記各実施形態において説明した撮影制御処理に含まれる各処理は、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現されてもよいし、その他のハードウェア構成によって実現されてもよい。また、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現してもよい。
【0371】
上記各実施形態において説明した撮影制御処理を、コンピュータによりプログラムを実行することにより実現する場合は、プログラムを所定の記憶領域(例えばメモリ26)に予め記憶しておけばよい。なお、必ずしも最初からメモリ26に記憶させておく必要はない。例えば、コンピュータに接続されて使用されるSSD(Solid State Drive)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの任意の「可搬型の記憶媒体」に先ずはプログラムを記憶させておいてもよい。そして、コンピュータがこれらの可搬型の記憶媒体からプログラムを取得して実行するようにしてもよい。また、インターネットやLAN(Local Area Network)などを介してコンピュータに接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などに各プログラムを記憶させておき、コンピュータがこれらからプログラムを取得して実行するようにしてもよい。
【0372】
[第5実施形態]
上記第1実施形態では、撮像装置100を例示したが、撮像装置100の変形例である携帯端末装置としては、例えばカメラ機能を有する携帯電話機やスマートフォン、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯型ゲーム機などが挙げられる。以下、スマートフォンを例に挙げ、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0373】
図50は、スマートフォン500の外観の一例を示す斜視図である。
図50に示すスマートフォン500は、平板状の筐体502を有し、筐体502の一方の面に表示部としての表示パネル521と、入力部としての操作パネル522とが一体となった表示入力部520を備えている。また、筐体502は、スピーカ531と、マイクロホン532と、操作部540と、カメラ部541とを備えている。なお、筐体502の構成はこれに限定されず、例えば、表示部と入力部とが独立した構成を採用したり、折り畳み構造やスライド構造を有する構成を採用したりすることもできる。
【0374】
図51は、
図50に示すスマートフォン500の構成の一例を示すブロック図である。
図51に示すように、スマートフォン500の主たる構成要素として、無線通信部510と、表示入力部520と、通信部530と、操作部540と、カメラ部541と、記憶部550と、外部入出力部560と、を備える。また、スマートフォン500の主たる構成要素として、GPS(Global Positioning System)受信部570と、モーションセンサ部580と、電源部590と、主制御部501と、を備える。また、スマートフォン500の主たる機能として、基地局装置と移動通信網とを介した移動無線通信を行う無線通信機能を備える。
【0375】
無線通信部510は、主制御部501の指示に従って、移動通信網に収容された基地局装置に対して無線通信を行うものである。この無線通信を使用して、音声データ、画像データ等の各種ファイルデータ、電子メールデータなどの送受信や、Webデータやストリーミングデータなどの受信を行う。
【0376】
表示入力部520は、いわゆるタッチパネルであって、表示パネル521と、操作パネル522とを備える。そのため、表示入力部520は、主制御部501の制御により、画像(静止画像および動画像)や文字情報などを表示して視覚的にユーザに情報を伝達するとともに、表示した情報に対するユーザ操作を検出する。なお、生成された3D画像を鑑賞する場合には、表示パネル521は、3D表示パネルであることが好ましい。
【0377】
表示パネル521は、LCD、OELD(Organic Electro-Luminescence Display)などを表示デバイスとして用いたものである。操作パネル522は、表示パネル521の表示面上に表示される画像を視認可能に載置され、ユーザの指や尖筆によって操作される一又は複数の座標を検出するデバイスである。係るデバイスをユーザの指や尖筆によって操作すると、操作に起因して発生する検出信号を主制御部501に出力する。次いで、主制御部501は、受信した検出信号に基づいて、表示パネル521上の操作位置(座標)を検出する。
【0378】
図50に示すように、スマートフォン500の表示パネル521と操作パネル522とは一体となって表示入力部520を構成しているが、操作パネル522が表示パネル521を完全に覆うような配置となっている。この配置を採用した場合、操作パネル522は、表示パネル521外の領域についても、ユーザ操作を検出する機能を備えてもよい。換言すると、操作パネル522は、表示パネル521に重なる重畳部分についての検出領域(以下、表示領域と称する)と、それ以外の表示パネル521に重ならない外縁部分についての検出領域(以下、非表示領域と称する)とを備えていてもよい。
【0379】
なお、表示領域の大きさと表示パネル521の大きさとを完全に一致させても良いが、両者を必ずしも一致させる必要は無い。また、操作パネル522が、外縁部分と、それ以外の内側部分の2つの感応領域を備えていてもよい。更に、外縁部分の幅は、筐体502の大きさなどに応じて適宜設計されるものである。更にまた、操作パネル522において採用される位置検出方式としては、マトリクススイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式などが挙げられ、いずれの方式を採用することもできる。
【0380】
通信部530は、スピーカ531やマイクロホン532を備える。通信部530は、マイクロホン532を通じて入力されたユーザの音声を主制御部501にて処理可能な音声データに変換して主制御部501に出力する。また、通信部530は、無線通信部510あるいは外部入出力部560により受信された音声データを復号してスピーカ531から出力する。また、
図50に示すように、例えば、スピーカ531及びマイクロホン532を表示入力部520が設けられた面と同じ面に搭載することができる。
【0381】
操作部540は、キースイッチなどを用いたハードウェアキーであって、ユーザからの指示を受け付けるものである。例えば、
図50に示すように、操作部540は、スマートフォン500の筐体502の側面に搭載され、指などによって押下されるとオンとなり、指を離すとバネなどの復元力によってオフ状態となる押しボタン式のスイッチである。
【0382】
記憶部550は、主制御部501の制御プログラムや制御データ、アプリケーションソフトウェア、通信相手の名称や電話番号などを対応づけたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータを記憶する。また、記憶部550は、WebブラウジングによりダウンロードしたWebデータや、ダウンロードしたコンテンツデータを記憶する。また、記憶部550は、ストリーミングデータなどを一時的に記憶する。また、記憶部550は、スマートフォン内蔵の内部記憶部551と着脱自在な外部メモリスロットを有する外部記憶部552を有する。なお、記憶部550を構成するそれぞれの内部記憶部551と外部記憶部552は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ
(hard disk type)などの格納媒体を用いて実現される。格納媒体としては、この他にも、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、MicroSD(登録商標)メモリ等)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)が例示できる。
【0383】
外部入出力部560は、スマートフォン500に連結される全ての外部機器とのインタフェースの役割を果たすものであり、他の外部機器に通信等又はネットワークにより直接的又は間接的に接続するためのものである。他の外部機器に通信等としては、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、IEEE1394などが挙げられる。ネットワークとしては、例えば、インターネット、無線LAN、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association:IrDA)(登録商標)が挙げられる。また、ネットワークの他の例としては、UWB(Ultra Wideband)(登録商標)、ジグビー(ZigBee)(登録商標)などが挙げられる。
【0384】
スマートフォン500に連結される外部機器としては、例えば、有/無線ヘッドセット、有/無線外部充電器、有/無線データポート、カードソケットを介して接続されるメモリカード(Memory card)が挙げられる。外部機器の他の例としては、SIM(SubscriberIdentity Module Card)/UIM(User Identity Module Card)カード、オーディオ・ビデオI/O(Input/Output)端子を介して接続される外部オーディオ・ビデオ機器が挙げられる。外部オーディオ・ビデオ機器の他にも、無線接続される外部オーディオ・ビデオ機器が挙げられる。また、外部オーディオ・ビデオ機器に代えて、例えば有/無線接続されるスマートフォン、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、有/無線接続されるPDA、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、イヤホンなども適用可能である。
【0385】
外部入出力部は、このような外部機器から伝送を受けたデータをスマートフォン500の内部の各構成要素に伝達することや、スマートフォン500の内部のデータが外部機器に伝送されるようにすることができる。
【0386】
GPS受信部570は、主制御部501の指示にしたがって、GPS衛星ST1乃至STnから送信されるGPS信号を受信し、受信した複数のGPS信号に基づく測位演算処理を実行し、当該スマートフォン500の緯度、経度、高度からなる位置を検出する。GPS受信部570は、無線通信部510や外部入出力部560(例えば、無線LAN)から位置情報を取得できる時には、その位置情報を用いて位置を検出することもできる。
【0387】
モーションセンサ部580は、例えば、3軸の加速度センサなどを備え、主制御部501の指示にしたがって、スマートフォン500の物理的な動きを検出する。スマートフォン500の物理的な動きを検出することにより、スマートフォン500の動く方向や加速度が検出される。この検出結果は、主制御部501に出力されるものである。
【0388】
電源部590は、主制御部501の指示にしたがって、スマートフォン500の各部に、バッテリ(図示しない)に蓄えられる電力を供給するものである。
【0389】
主制御部501は、マイクロプロセッサを備え、記憶部550が記憶する制御プログラムや制御データにしたがって動作し、スマートフォン500の各部を統括して制御するものである。また、主制御部501は、無線通信部510を通じて、音声通信やデータ通信を行うために、通信系の各部を制御する移動通信制御機能と、アプリケーション処理機能を備える。
【0390】
アプリケーション処理機能は、記憶部550が記憶するアプリケーションソフトウェアにしたがって主制御部501が動作することにより実現するものである。アプリケーション処理機能としては、例えば、外部入出力部560を制御して対向機器とデータ通信を行う赤外線通信機能や、電子メールの送受信を行う電子メール機能、Webページを閲覧するWebブラウジング機能などがある。
【0391】
また、主制御部501は、受信データやダウンロードしたストリーミングデータなどの画像データ(静止画像や動画像のデータ)に基づいて、映像を表示入力部520に表示する等の画像処理機能を備える。画像処理機能とは、主制御部501が、上記画像データを復号し、この復号結果に画像処理を施して、画像を表示入力部520に表示する機能のことをいう。
【0392】
更に、主制御部501は、表示パネル521に対する表示制御と、操作部540、操作パネル522を通じたユーザ操作を検出する操作検出制御とを実行する。
【0393】
表示制御の実行により、主制御部501は、アプリケーションソフトウェアを起動するためのアイコンや、スクロールバーなどのソフトウェアキーを表示したり、あるいは電子メールを作成したりするためのウィンドウを表示する。なお、スクロールバーとは、表示パネル521の表示領域に収まりきれない大きな画像などについて、画像の表示部分を移動する指示を受け付けるためのソフトウェアキーのことをいう。
【0394】
また、操作検出制御の実行により、主制御部501は、操作部540を通じたユーザ操作を検出したり、操作パネル522を通じて、上記アイコンに対する操作や、上記ウィンドウの入力欄に対する文字列の入力を受け付けたりする。また、操作検出制御の実行により、主制御部501は、スクロールバーを通じた表示画像のスクロール要求を受け付ける。
【0395】
更に、操作検出制御の実行により主制御部501は、操作パネル522に対する操作位置が、表示パネル521に重なる重畳部分(表示領域)か、それ以外の表示パネル521に重ならない外縁部分(非表示領域)かを判定する。そして、この判定結果を受けて、操作パネル522の感応領域や、ソフトウェアキーの表示位置を制御するタッチパネル制御機能を備える。
【0396】
また、主制御部501は、操作パネル522に対するジェスチャ操作を検出し、検出したジェスチャ操作に応じて、予め設定された機能を実行することもできる。ジェスチャ操作とは、従来の単純なタッチ操作ではなく、指などによって軌跡を描いたり、複数の位置を同時に指定したり、あるいはこれらを組み合わせて、複数の位置から少なくとも1つについて軌跡を描く操作を意味する。
【0397】
カメラ部541は、CMOSやCCDなどの撮像素子を用いて撮像するデジタルカメラであり、
図1等に示す撮像装置100と同様の機能を備えている。
【0398】
また、カメラ部541は、マニュアルフォーカスモードとオートフォーカスモードとを切り替え可能である。マニュアルフォーカスモードが選択されると、操作部540又は表示入力部520に表示されるフォーカス用のアイコンボタン等を操作することにより、カメラ部541のフォーカスレンズ302のピント合わせを行うことができる。そして、マニュアルフォーカスモード時には、スプリットイメージが合成されたライブビュー画像を表示パネル521に表示させ、これによりマニュアルフォーカス時の合焦状態を確認できるようにしている。なお、
図9に示すハイブリッドファインダー220をスマートフォン500に設けるようにしてもよい。
【0399】
また、カメラ部541は、主制御部501の制御により、撮像によって得た画像データを例えばJPEG(Joint Photographic coding Experts Group)などの圧縮した画像データに変換する。そして、変換して得た画像データを記憶部550に記録したり、外部入出力部560や無線通信部510を通じて出力したりすることができる。
図50に示すにスマートフォン500において、カメラ部541は表示入力部520と同じ面に搭載されているが、カメラ部541の搭載位置はこれに限らず、表示入力部520の背面に搭載されてもよいし、あるいは、複数のカメラ部541が搭載されてもよい。なお、複数のカメラ部541が搭載されている場合には、撮像に供するカメラ部541を切り替えて単独にて撮像したり、あるいは、複数のカメラ部541を同時に使用して撮像したりすることもできる。
【0400】
また、カメラ部541はスマートフォン500の各種機能に利用することができる。例えば、表示パネル521にカメラ部541によって取得した画像を表示することや、操作パネル522の操作入力のひとつとして、カメラ部541の画像を利用することができる。また、GPS受信部570が位置を検出する際に、カメラ部541からの画像を参照して位置を検出することもできる。更には、カメラ部541からの画像を参照して、3軸の加速度センサを用いずに、或いは、3軸の加速度センサと併用して、スマートフォン500のカメラ部541の光軸方向を判断することや、現在の使用環境を判断することもできる。勿論、カメラ部541からの画像をアプリケーションソフトウェア内において利用することもできる。
【0401】
その他、静止画又は動画の画像データに各種情報を付加して記憶部550に記録したり、外部入出力部560や無線通信部510を通じて出力したりすることもできる。ここで言う「各種情報」としては、例えば、静止画又は動画の画像データにGPS受信部570により取得した位置情報、マイクロホン532により取得した音声情報(主制御部等により、音声テキスト変換を行ってテキスト情報となっていてもよい)が挙げられる。この他にも、モーションセンサ部580により取得した姿勢情報等などであってもよい。
【0402】
なお、上記各実施形態では、第1乃至第3の画素群を有する撮像素子20を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1の画素群及び第2の画素群のみからなる撮像素子であってもよい。この種の撮像素子を有するデジタルカメラは、第1の画素群から出力された第1の画像及び第2の画素群から出力された第2の画像に基づいて3次元画像(3D画像)を生成することができるし、2次元画像(2D画像)も生成することができる。この場合、2次元画像の生成は、例えば第1の画像及び第2の画像の相互における同色の画素間において補間処理を行うことにより実現される。また、補間処理を行わずに、第1の画像又は第2の画像を2次元画像として採用してもよい。
【0403】
また、上記各実施形態では、第1乃至第3の画像が画像処理部28に入力された場合に通常画像とスプリットイメージとの双方を表示装置の動画面に同時に表示する態様を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、表示制御部36が、表示装置に対して通常画像の動画像としての連続した表示を抑止し、かつ、表示装置に対してスプリットイメージを動画像として連続して表示させる制御を行うようにしてもよい。ここで言う「通常画像の表示を抑止する」とは、例えば表示装置に対して通常画像を表示させないことを指す。具体的には、通常画像の生成は行うが、表示装置に通常画像を出力しないことにより表示装置に対して通常画像を表示させないことや通常画像を生成しないことにより表示装置に対して通常画像を表示させないことを指す。表示装置の画面(例えば、表示部213の表示領域)全体を利用してスプリットイメージを表示させても良いし、スプリットイメージの表示領域の全体を利用してスプリットイメージを表示させても良い。なお、ここで言う「スプリットイメージ」としては、特定の撮像素子を使用する場合において、位相差画素群から出力された画像(例えば第1の画素群から出力された第1の画像及び第2の画素群から出力された第2の画像)に基づくスプリットイメージが例示できる。「特定の撮像素子を使用する場合」としては、例えば位相差画素群(例えば、第1の画素群及び第2の画素群)のみからなる撮像素子を使用する場合が挙げられる。この他にも、通常画素に対して所定の割合で位相差画素(例えば第1の画素群及び第2の画素群)が配置された撮像素子を使用する場合が例示できる。
【0404】
また、通常画像の表示を抑止してスプリットイメージを表示させるための条件としては、様々な条件が考えられる。例えば、スプリットイメージの表示が指示されている状態において、通常画像の表示指示が解除された場合に、表示制御部36が表示装置に対して通常画像を表示させずにスプリットイメージを表示させる制御を行うようにしてもよい。また、例えば、ユーザがハイブリッドファインダー220を覗き込んだ場合に表示制御部36が表示装置に対して通常画像を表示させずにスプリットイメージを表示させる制御を行うようにしても良い。また、例えば、レリーズスイッチ211が半押し状態にされた場合に表示制御部36が表示装置に対して通常画像を表示させずにスプリットイメージを表示させる制御を行うようにしても良い。また、例えば、レリーズスイッチ211に対して押圧操作が行われていない場合に表示制御部36が表示装置に対して通常画像を表示させずにスプリットイメージを表示させる制御を行うようにしてもよい。また、例えば、被写体の顔オーバーシュートを検出する顔検出機能を働かせた場合に表示制御部36が表示装置に対して通常画像を表示させずにスプリットイメージを表示させる制御を行うようにしてもよい。なお、ここでは、表示制御部36が通常画像の表示を抑止する変形例を挙げたが、これに限らず、例えば、表示制御部36は、通常画像に全画面のスプリットイメージを上書きするように制御を行っても良い。
【0405】
また、上記各実施形態では、フォーカスレンズ302を含む撮像レンズ16を備えた撮像装置100またはスマートフォン500において、各装置が備えるCPU12または主制御部501が上述した撮影制御処理を行う場合について説明したが、これに限定されない。例えば、フォーカスレンズを含む撮像レンズを備えた撮像装置に対して、パーソナルコンピュータ、上記スマートフォン等の外部装置から遠隔操作を行うことにより、上述した撮影制御処理を行っても良い。
【0406】
また、上記各実施形態における撮影制御処理は、被写体像を合焦状態にする場合だけではなく、被写体像を合焦状態にしない、いわゆるピンぼけ状態にする場合に適用しても良い。