(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1貫通孔は、前記第2の面側から前記コア基板の厚さ方向の中途位置に向かうに連れて開口径が小さくなるテーパ状に形成されて、前記コア基板の厚さ方向の中途位置から両開口端に向かうに連れて開口径が大きくなる鼓形状に形成され、
前記第2貫通孔は、前記第3絶縁層側から前記第1絶縁層の厚さ方向の中途位置に向かうに連れて開口径が小さくなるテーパ状に形成されて、前記第1絶縁層の厚さ方向の中途位置から両開口端に向かうに連れて開口径が大きくなる鼓形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
前記半導体チップを第1半導体チップとしたときに、前記コア基板の前記第1の面側に形成された接続パッドには前記電子部品である第2半導体チップが搭載されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
電極パッドが形成された第1主面と、該第1主面と反対側の第2主面と、側面とを有する半導体チップの前記第2主面及び前記側面が埋め込まれたコア基板に、該コア基板を厚さ方向に貫通する第1貫通孔を形成する工程と、
前記コア基板よりも金属との密着性が高い第1絶縁層を前記第1貫通孔内に形成する工程と、
前記第1絶縁層に、前記第1貫通孔の内壁面が露出しないように前記第1絶縁層を厚さ方向に貫通する第2貫通孔を形成する工程と、
無電解めっき法及び電解めっき法により、前記第2貫通孔の内壁面を覆うように前記コ
ア基板の上下間の電気的接続を行う貫通ビアを形成する工程と、
を有し、
前記第1絶縁層を形成する工程では、
前記第1貫通孔の形成されたコア基板の第1の面に半硬化状態の第1樹脂が配置され、前記コア基板の第2の面に半硬化状態の第2樹脂が配置され、加熱及び加圧によって前記第1樹脂及び前記第2樹脂が前記第1貫通孔に充填されて前記第1絶縁層が形成されるとともに、前記第1樹脂により前記第1の面を被覆する第2絶縁層が形成され、前記第2樹脂により前記第2の面を被覆する第3絶縁層が形成されることを特徴とする半導体パッケージの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して各実施形態を説明する。なお、添付図面は、特徴を分かりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、断面図では、各部材の断面構造を分かりやすくするために、一部の部材のハッチングを省略している。
【0010】
(一実施形態)
以下、一実施形態を
図1〜
図8に従って説明する。
(半導体パッケージの構造)
図1(b)に示すように、半導体パッケージ1は、コア部10と、絶縁層20と、配線層30と、ソルダレジスト層41,42と、外部接続端子50とを有している。コア部10は、所要個数(
図1では、1個)の半導体チップ11と、その半導体チップ11が埋め込まれた(内蔵された)コア基板12とを有している。
【0011】
半導体チップ11としては、例えばCPU(Central Processing Unit)チップやGPU(Graphics Processing Unit)チップなどのロジックチップを用いることができる。また、半導体チップ11としては、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)チップ、SRAM(Static Random Access Memory)チップやフラッシュメモリチップなどのメモリチップを用いることができる。
【0012】
半導体チップ11は、例えば半導体基板からなる。この半導体基板の材料としては、例えばシリコン(Si)を用いることができる。また、半導体チップ11は、第1主面(
図1(b)では、上面)11A側に半導体集積回路(図示略)が形成されている。この半導体集積回路は、図示は省略するが、上記半導体基板に形成された拡散層、半導体基板上に積層された絶縁層、及び積層された絶縁層に設けられたビア及び配線等を有している。そして、この半導体集積回路上には、該半導体集積回路と電気的に接続された電極パッド11Pが設けられている。例えば
図1(a)に示すように、電極パッド11Pは、平面視でマトリクス状に配置されている(中央部の破線円参照)。なお、この電極パッド11Pの材料としては、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)とAlの合金や、CuとAlとSiの合金を用いることができる。
【0013】
上記半導体チップ11の大きさは、例えば平面視で9mm×9mm程度とすることができる。半導体チップ11の厚さは、例えば50〜200μm程度とすることができる。また、本実施形態では、半導体チップ11がシリコンからなり、その半導体チップ11の熱膨張係数が約3.4ppm/℃になる。なお、以下の説明では、半導体チップ11の第1主面11Aを回路形成面11Aと称する場合もある。
【0014】
図1(b)に示すように、コア基板12は、半導体チップ11を覆うように形成されている。例えば、コア基板12は、半導体チップ11の回路形成面11Aとは反対側の第2主面11B及び側面を覆うように形成されている。その一方で、コア基板12は、その第1の面(ここでは、上面)12Aから半導体チップ11の回路形成面11Aを露出するように形成されている。このように、半導体チップ11は、コア基板12の厚さ方向において上面12A側に偏って配置されている。上記コア基板12の材料としては、例えばエポキシ系樹脂にシリカ(SiO
2)等の無機フィラーを混入した樹脂材を用いることができる。具体的には、コア基板12の材料としては、無機フィラーの含有量が80〜90wt%程度である樹脂材を用いることができる。この場合には、コア基板12の熱膨張係数が半導体チップ11の熱膨張係数(例えば、3.4ppm/℃)に近づく(例えば、フィラーの含有量を増やすと熱膨張係数が小さくなる)。また、上記無機フィラーとしては、その粒径が比較的大きい(例えば、30〜50μm程度)無機フィラーを用いることができる。このようなコア基板12としては、例えばトランスファーモールド法、コンプレッションモールド法やインジェクションモールド法などにより形成されたモールド樹脂を用いることができる。
【0015】
コア基板12には、所要の箇所(
図1(b)では2箇所)に貫通孔12Xが形成されている。例えば、コア基板12には、
図1(a)に示すように、半導体パッケージ1の外形をなす四辺の各辺に沿って複数の貫通孔12Xが形成されている。この貫通孔12Xの平面形状は、例えば円形状に形成されている。
図1(b)に示すように、貫通孔12Xは、コア基板12を厚さ方向に貫通して形成されている。具体的には、貫通孔12Xは、コア基板12の上面12Aからその上面12Aの反対側の第2の面(ここでは、下面)12Bまでを貫通して形成されている。より具体的には、貫通孔12Xは、半導体チップ11の回路形成面11Aと略面一に形成された上記上面12A側から下面12B側に向かうに連れて径が小さくなるテーパ状に形成されている。なお、コア基板12の厚さは、例えば150〜200μm程度とすることができる。また、貫通孔12Xの上面12A側の開口端の直径は、例えば150〜200μm程度とすることができる。
【0016】
絶縁層20は、半導体チップ11及びコア基板12を覆うように形成されている。この絶縁層20は、貫通孔12Xの内壁面を覆う第1絶縁層21と、コア基板12の上面12Aと半導体チップ11の回路形成面11Aと電極パッド11Pを覆う第2絶縁層22と、コア基板12の下面12Bを覆う第3絶縁層23とを有している。絶縁層20(第1〜第3絶縁層21〜23)は、コア基板12よりも金属膜(例えば、無電解めっき)との密着性が高い絶縁層である。このような絶縁層20の材料としては、例えばビルドアップ樹脂(シリカ等の無機フィラーを混入したエポキシ系樹脂など)を用いることができる。具体的には、絶縁層20の材料としては、その無機フィラーの含有量が上記コア基板12の無機フィラーの含有量よりも少ない樹脂材を用いることができる。例えば、絶縁層20の材料としては、無機フィラーの含有量が30〜60wt%程度である樹脂材を用いることができる。また、上記無機フィラーとしては、その粒径が上記コア基板12のフィラーの粒径よりも小さい(例えば、1〜1.5μm程度)無機フィラーを用いることができる。また、絶縁層20の材料としては、当該絶縁層20上に無電解めっきを形成した際のピール強度が、少なくとも、コア基板12上に無電解めっきを形成した際のピール強度よりも高くなるように組成(例えばエポキシ樹脂及び無機フィラーの含有量)が調整されている。ここで、ピール強度とは、導体パターン(無電解めっき)と絶縁層との接着力を示す値(引き剥がし強度)のことである。
【0017】
絶縁層20には、所要の箇所(
図1(b)では2箇所)に貫通孔20Xが形成されている。例えば、絶縁層20には、
図1(a)に示すように、半導体パッケージ1の外形をなす四辺の各辺に沿って複数の貫通孔20Xが形成されている。具体的には、上記貫通孔12Xが形成された各領域に、その貫通孔12Xよりも平面形状が小さい平面視略円形状の貫通孔20Xが形成されている。
図1(b)に示すように、貫通孔20Xは、絶縁層20を厚さ方向に貫通して形成されている。具体的には、貫通孔20Xは、第2絶縁層22の上面22Aから第3絶縁層23の下面23Bまでを貫通して形成されている。より具体的には、貫通孔20Xは、第2絶縁層22の上面22A側から第3絶縁層23の下面23B側に向かうに連れて径が小さくなるテーパ状に形成されている。すなわち、貫通孔20Xの内壁面は、上記コア基板12の貫通孔12Xの内壁面に沿って形成されている。さらに、貫通孔20Xは、上記貫通孔12Xの内壁面が絶縁層20から露出しないように形成されている。ここで、貫通孔20Xの内壁面は、貫通孔12Xの内壁面よりも表面が平滑に形成されている。すなわち、貫通孔20Xの内壁面は、凹凸が少ない平滑面(低粗度面)である。具体的には、貫通孔20Xの内壁面は、高低差の低い微細な凹凸が形成された低粗度面である。より具体的には、貫通孔20Xの内壁面の粗度は、表面粗さRa値で300〜500nm程度となるように設定されている。ここで、表面粗さRa値とは、表面粗さを表わす数値の一種であり、算術平均粗さと呼ばれるものであって、具体的には測定領域内で変化する高さの絶対値を平均ラインである表面から測定して算術平均したものである。
【0018】
また、第2絶縁層22には、該第2絶縁層22を貫通して半導体チップ11の電極パッド11Pの上面を露出するビアホールVH1が形成されている。なお、コア基板12の上面12Aから第2絶縁層22の上面22Aまでの厚さは、例えば30〜65μm程度とすることができる。また、コア基板12の下面12Bから第3絶縁層23の下面23Bまでの厚さは、例えば30〜65μm程度とすることができる。また、貫通孔20Xの第2絶縁層22側の開口端の直径は、例えば80〜110μm程度とすることができる。
【0019】
配線層30は、貫通ビア31と、第1配線層32と、第2配線層33とを有している。なお、配線層30(貫通ビア31、第1配線層32及び第2配線層33)の材料としては、例えば銅又は銅合金を用いることができる。
【0020】
貫通ビア31は、上記貫通孔20X内に形成されている。具体的には、貫通ビア31は、貫通孔20Xの内壁面を覆うように該内壁面に沿って形成されている。このため、貫通ビア31は、その一方の端部(第1配線層32側の端部)から他方の端部(第2配線層33側の端部)に向かうに連れて径が小さくなるテーパ状に形成されている。貫通ビア31は、その一方の端部が第1配線層32に接続されるとともに、他方の端部が第2配線層33に接続されている。また、貫通ビア31の平面形状は、例えば略円環状に形成されている。
【0021】
第1配線層32は、第2絶縁層22の上面22A上に形成されている。この第1配線層32は、ビアホールVH1内に充填されたビア配線32Aと、第2絶縁層22の上面22A上に形成された配線パターン32Bとを有している。ビア配線32Aは、ビアホールVH1の底部に露出した電極パッド11Pと電気的に接続されるとともに、配線パターン32Bと電気的に接続されている。なお、ビアホールVH1及びビア配線32Aは、
図1(b)において上側から下側(半導体チップ11側)に向かうにつれて径が小さくなるテーパ状に形成されている。また、これらビアホールVH1及びビア配線32Aの平面形状は例えば円形状に形成されている。ビアホールVH1及びビア配線32Aの直径は例えば20〜40μm程度とすることができる。一方、配線パターン32Bは、ビア配線32Aと電気的に接続されるとともに、貫通ビア31と電気的に接続されている。この配線パターン32Bの厚さは、例えば15〜35μm程度とすることができる。
【0022】
第2配線層33は、第3絶縁層23の下面23B上に形成されている。この第2配線層33は、貫通ビア31と電気的に接続されている。これら第1配線層32及び第2配線層33は、貫通ビア31を介して相互に電気的に接続されている。このように、コア基板12及び絶縁層20を貫通する貫通ビア31を介して、コア基板12及び絶縁層20の一面側(上面12A,22A側)と他面側(下面12B,23B側)とが電気的に接続されている。なお、第2配線層33の厚さは、例えば15〜35μm程度とすることができる。
【0023】
このような配線層30には、上記貫通孔12X,20Xが形成された領域に、それら貫通孔12X,20Xよりも平面形状が小さい平面視略円形状の貫通孔30Xが形成されている。なお、この貫通孔30X内を樹脂で充填するようにしてもよい。
【0024】
ソルダレジスト層41は、第1配線層32を覆うように第2絶縁層22の上面22A上に形成されている。ソルダレジスト層41には、第1配線層32の配線パターン32Bの一部を接続パッド32Pとして露出させるための開口部41Xが形成されている。この接続パッド32Pは、他の半導体チップ3(
図2参照)や他の半導体パッケージ等と電気的に接続される。なお、必要に応じて、上記開口部41Xから露出する配線パターン32B上にOSP(Organic Solderbility Preservative)処理を施してOSP膜を形成し、そのOSP膜に上記半導体チップ3等を接続するようにしてもよい。また、上記開口部41Xから露出する配線パターン32B上に金属層を形成し、その金属層に上記半導体チップ3等を接続するようにしてもよい。金属層の例としては、金(Au)層、ニッケル(Ni)/Au層(配線パターン32B上にNi層とAu層をこの順番で積層した金属層)や、Ni/パラジウム(Pd)/Au層(配線パターン32B上にNi層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)などを挙げることができる。
【0025】
なお、
図1(a)に示すように、開口部41X及び接続パッド32Pの平面形状は例えば円形状であり、その直径は例えば100〜200μm程度とすることができる。これら開口部41X及び接続パッド32Pは、平面視でマトリクス状に配置されている。第2絶縁層22の上面22Aからソルダレジスト層41の上面までの厚さは、例えば20〜40μm程度とすることができる。このソルダレジスト層41の材料としては、例えばエポキシ系又はアクリル系の絶縁性樹脂を用いることができる。
【0026】
図1(b)に示すように、ソルダレジスト層42は、第2配線層33を覆うように第3絶縁層23の下面23B上に形成されている。ソルダレジスト層42には、第2配線層33の一部を外部接続用パッド33Pとして露出させるための開口部42Xが形成されている。この外部接続用パッド33Pには、例えば、当該半導体パッケージ1をマザーボード等に実装する際に使用されるはんだボールやリードピン等の外部接続端子50が接続されるようになっている。なお、必要に応じて、上記開口部42Xから露出する第2配線層33上にOSP処理を施してOSP膜を形成し、そのOSP膜に上記外部接続端子50を接続するようにしてもよい。また、上記開口部42Xから露出する第2配線層33上に金属層を形成し、その金属層に上記外部接続端子50等を接続するようにしてもよい。金属層の例としては、Au層、Ni/Au層や、Ni/Pd/Au層などを挙げることができる。また、上記開口部42Xから露出する第2配線層33(あるいは、第2配線層33上にOSP膜や金属層が形成されている場合には、それらOSP膜又は金属層)自体を、外部接続端子としてもよい。
【0027】
なお、開口部42X及び外部接続用パッド33Pの平面形状は例えば円形状であり、その直径は例えば200〜300μm程度とすることができる。第3絶縁層23の下面23Bからソルダレジスト層42の下面までの厚さは、例えば20〜40μm程度とすることができる。このソルダレジスト層42の材料としては、例えばエポキシ系又はアクリル系の絶縁性樹脂を用いることができる。
【0028】
(半導体装置の構造)
次に、半導体装置2の構造について説明する。
図2に示すように、半導体装置2は、上記半導体パッケージ1と、その半導体パッケージ1に積層接合された半導体チップ(半導体パッケージ)3とを有している。
【0029】
半導体パッケージ1の接続パッド32Pには、はんだ51が形成されている。このはんだ51としては、例えば共晶はんだや鉛(Pb)フリーはんだ(Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Ag−Cu系など)を用いることができる。
【0030】
半導体チップ3は、その回路形成面(
図2では、下面)に、複数のバンプ4が形成されている。半導体チップ3は、バンプ4及びはんだ51を介して、半導体パッケージ1の接続パッド32Pと電気的に接続されている。すなわち、半導体チップ3は、半導体パッケージ1にフリップチップ接合されている。
【0031】
半導体チップ3としては、例えばDRAMチップ、SRAMチップやフラッシュメモリチップなどのメモリチップを用いることができる。バンプ4としては、例えば金バンプやはんだバンプを用いることができる。
【0032】
(作用)
コア基板12よりも金属膜(例えば、無電解めっき膜)との密着性が高い絶縁層20でコア基板12の貫通孔12Xの内壁面を覆うようにした。また、その絶縁層20に貫通孔12Xよりも小径の貫通孔20Xを形成し、その貫通孔20Xの内壁面を覆うように貫通ビア31を形成するようにした。ここで、絶縁層20では無電解めっき膜との密着性を低下させる要因となる無機フィラーの含有量がコア基板12よりも少量になっている。このため、無電解めっき法及び電解めっき法により貫通ビア31を形成する際に、貫通孔12Xの内壁面に無電解めっき膜を形成する場合に比べて、貫通孔20Xの内壁面に無電解めっき膜を好適に形成することができる。すなわち、貫通孔20Xの内壁面の一部に無電解めっき膜が形成されないといった問題の発生が抑制され、貫通孔20Xの内壁面全面に無電解めっき膜を形成することができる。そして、このような無電解めっき膜を給電層とした電解めっき法により貫通ビア31が形成されることで、コア基板12の上下間の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
【0033】
また、コア基板12よりも無機フィラーの含有量が少なく、且つコア基板12よりも無機フィラーの粒径が小さい絶縁層20の貫通孔20Xの内壁面は、コア基板12の貫通孔12Xの内壁面よりも凹凸が小さくなる。このため、上述したような無電解めっき膜を給電層とした電解めっき法を施した際に、表面粗さの違いによるめっき析出速度の相違に起因して貫通ビア31内に大きなボイドが発生することを好適に抑制することができる。換言すると、貫通孔20X内にボイド等の欠陥のない貫通ビア31を好適に形成することができる。したがって、コア基板12の上下間の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
【0034】
(半導体パッケージの製造方法)
次に、上記半導体パッケージ1の製造方法を説明する。
図3(a)に示すように、まず、平面視略円形状の支持基板60を用意する。この支持基板60は、例えば直径が12インチの円盤形状の基板である。支持基板60の材料としては、例えば粘着性を有するフィルムを用いることができる。支持基板60には、コア部10(
図1(b)参照)が形成される第1領域R1がアレイ状に設定されている。そして、各第1領域R1には、
図3(b)に示す半導体チップ11が所定の位置に配置されている。この半導体チップ11は、例えば以下のようにして製造することができる。
【0035】
まず、所要の大きさ(例えば、直径が12インチで、厚さが750μm)のシリコンウェハに対し、その一方の面側に所要のデバイスプロセスを施して複数のデバイス(例えば、CPU等の能動素子)をアレイ状に作り込む。そのデバイスが形成されている側の面に窒化シリコン(SiN)やリンガラス(PSG)等からなるパッシベーション膜を形成する。続いて、各デバイス上に所要のパターンで形成されたアルミニウムの配線層の一部分(電極パッド)に対応する部分のパッシベーション膜をレーザ等により除去した後、この電極パッド上に、銅のスパッタリングやめっき等によりポスト状の電極パッド11Pを形成する。次に、シリコンウェハを所定の厚さ(例えば、100〜200μm程度)に研削した後、ダイサー等により各デバイス単位(例えば、10mm×10mmのサイズ)に個片化することで、一方の面(回路形成面11A)に電極パッド11Pが形成された半導体チップ11を得ることができる。
【0036】
ここでは、各デバイス単位に個片化する前に、シリコンウェハ上で半導体チップ11の良品判定を行い、ダイシング後に良品と判定された半導体チップ11のみを選別して、その半導体チップ11を上記支持基板60(第1領域R1)上の所定の位置にフェイスダウンで再配置する。
【0037】
次の工程では、上記支持基板60上に再配置された半導体チップ11を封止するようにコア基板12を形成する(
図3(b)参照)。具体的には、半導体チップ11の第2主面11B及び側面を覆うようにコア基板12を形成する。このコア基板12は、例えば樹脂モールド成形法により形成することができる。例えばコア基板12の材料として熱硬化性を有したモールド樹脂を用いる場合には、多数の半導体チップ11が搭載された支持基板60を金型内に収容し、金型内に圧力(例えば、5〜10MPa)を印加し、流動化したモールド樹脂を導入する。その後、樹脂を例えば180℃程度で加熱して硬化させることで、コア基板12を形成する。上記モールド樹脂を充填する方法としては、トランスファーモールド、コンプレッションモールド法やインジェクションモールド法等の方法を用いることができる。なお、コア基板12は、液状の樹脂のポッティングにより形成することもできるし、印刷法によりペースト状の樹脂を塗布することにより形成することもできる。
【0038】
次に、
図3(c)に示す工程では、
図3(b)に示した支持基板60をコア基板12から剥離する。続いて、コア基板12の所要の箇所に、コア基板12を厚さ方向に貫通する貫通孔12Xを形成する。この貫通孔12Xは、例えばレーザ加工法、機械ドリル加工法、ルータ加工法やサンドブラスト加工法などにより形成することができる。本例の貫通孔12Xは、レーザ加工法によりコア基板12の上面12A側から形成されている。これにより、上記各第1領域R1には、半導体チップ11と、貫通孔12Xを有するコア基板12とを有するコア部10が形成されることになる。
【0039】
続いて、
図4(a)に示す工程では、第1領域R1が所要数(ここでは、6×4)形成されている第2領域R2を切り出す。例えば、ダイシングブレードにより、第2領域R2を画定する切断線(破線参照)に沿ってコア基板12を切断し、第2領域R2を切り出す。
【0040】
次いで、上記切り出した第2領域R2を、
図4(b)に示した多数個取り基板(以下、単に「基板」ともいう。)61に再配置する。ここで、基板61は、上記第2領域R2が再配置される領域である再配置領域R3がマトリクス状(ここでは、3×4)に形成されている。基板61の平面形状は矩形状に形成されている。基板61の大きさは例えば510mm×340mm程度とすることができる。この基板61は、例えば銅張積層板(Copper Clad Laminated:CCL)の所要の箇所に貫通孔61Xを形成することにより上記再配置領域R3が画定されている。
【0041】
そして、
図5(a)に示すように、基板61の全ての再配置領域R3に上記第2領域R2が再配置される。具体的には、
図5(b)に示すように、上記貫通孔61Xにより画定された上記基板61の再配置領域R3に第2領域R2が埋め込まれる。すなわち、基板61は、多数の第2領域R2が埋め込まれる枠体として機能する。このように全ての再配置領域R3に第2領域R2が埋め込まれると、
図5(a)に示すように、基板61には、6×4個の第1領域R1を有する第2領域R2が3×4個配置されることになる。
【0042】
なお、以下に示す
図6〜
図8の製造工程は、第2領域R2が基板61(枠体)に支持された状態で実施されるが、説明の便宜上、
図6〜
図8においては、一つの第1領域R1の構造を示している。
【0043】
次に、
図6(a)に示す工程では、キャリア70に第1絶縁層21及び第2絶縁層22となるシート状の絶縁層71が接着された構造体72と、キャリア73に第1絶縁層21及び第3絶縁層23となるシート状の絶縁層74が接着された構造体75とを用意する。絶縁層71,74の材料としては、コア基板12よりも無機フィラーの含有量が少ない樹脂材を用いることができる。絶縁層71,74は、B−ステージ状態(半硬化状態)のものが使用される。これら絶縁層71,74の厚さは、例えば35〜70μm程度とすることができる。また、絶縁層71,74をそれぞれ搬送するためのキャリア70,73としては、例えば銅箔を用いることができる。このキャリア70,73の厚さは、例えば50〜70μm程度とすることができる。
【0044】
また、
図6(a)に示す工程では、コア基板12の上面12A側に上記構造体72を配置し、コア基板12の下面12B側に上記構造体75を配置する。このとき、構造体72は、絶縁層71が半導体チップ11の電極パッド11Pと対向するように絶縁層71を下側に向けた状態で配置される。また、構造体75は、絶縁層74がコア基板12の下面12Bと対向するように絶縁層74を上側に向けた状態で配置される。そして、コア部10及び構造体72,75を両面側から真空雰囲気で190〜250℃程度の温度で加熱・加圧する。これにより、絶縁層71,74が貫通孔12X内に充填されるとともに、絶縁層71中に電極パッド11Pが圧入される。また、これら絶縁層71,74が硬化して、
図6(b)に示すように、貫通孔12X内に充填された第1絶縁層21が形成され、コア基板12の上面12Aと半導体チップ11の回路形成面11Aと電極パッド11Pと第1絶縁層21の上面を覆う第2絶縁層22が形成される。また、コア基板12の下面12Bと第1絶縁層21の下面を覆う第3絶縁層23が形成される。さらに、上記絶縁層71,74の硬化に伴って、第1〜第3絶縁層21〜23(つまり、絶縁層20)が半導体チップ11及びコア基板12に接着される。
【0045】
続いて、
図6(b)に示す工程では、
図6(a)に示したキャリア70,73(銅箔)を絶縁層20に対して選択的に除去する。例えば塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液又は過硫酸アンモニウム水溶液などを用いたウェットエッチングにより、絶縁層20に対してキャリア70,73を選択的に除去することができる。
【0046】
次に、
図6(c)に示す工程では、絶縁層20の所要の箇所に、絶縁層20を厚さ方向に貫通する貫通孔20Xを形成する。この貫通孔20Xは、例えばレーザ加工法、機械ドリル加工法などにより形成することができる。本例の貫通孔20Xは、レーザ加工法により第2絶縁層22の上面22A側から形成されている。なお、本工程では、コア基板12の貫通孔12Xの内壁面が絶縁層20から露出されないように貫通孔20Xが形成される。
【0047】
また、
図6(c)に示す工程では、半導体チップ11の回路形成面11Aに形成された電極パッド11Pの上面が露出されるように、第2絶縁層22の所要の箇所にビアホールVH1を形成する。このビアホールVH1は、例えばCO
2レーザやUV−YAGレーザ等によるレーザ加工法によって形成することができる。続いて、ビアホールVH1内の樹脂スミアをデスミア処理により除去する。このデスミア処理は、例えば過マンガン酸塩法などを用いて行うことができる。
【0048】
次に、
図7(a)に示す工程では、貫通孔20Xの内壁面及びビアホールVH1の内壁面を含む絶縁層20の表面全面を覆うようにシード層76を形成する。このシード層76は、例えば無電解めっき法により形成することができる。また、シード層76の材料としては、例えば銅又は銅合金を用いることができる。
【0049】
このとき、絶縁層20ではシード層76(例えば無電解銅めっき膜)との密着性を低下させる要因となる無機フィラーの含有量が比較的少量であるため、絶縁層20に対してシード層76が良好に密着される。具体的には、絶縁層20では無機フィラーの含有量がコア基板12における無機フィラーの含有量よりも少量になっている。このため、絶縁層20とシード層76との密着強度は、コア基板12にシード層76を形成した場合のコア基板12とシード層76との密着強度よりも高くなる。したがって、コア基板12の貫通孔12Xの内壁面にシード層を形成する場合と比べて、絶縁層20の貫通孔20Xの内壁面にはシード層76が良好に密着される。さらに、貫通孔20Xの内壁面の一部にシード層76が形成されないといった問題の発生が抑制され、絶縁層20の貫通孔20Xの内壁面全面にシード層76が形成される。
【0050】
続いて、
図7(b)に示す工程では、第1配線層32及び第2配線層33(
図1(b)参照)のパターンに対応した開口部77Xを有するレジスト層77をシード層76上に形成する。レジスト層77としては、例えばドライフィルムレジスト(DFR)を用いることができる。また、上記開口部77Xを有するレジスト層77は、例えばフォトリソグラフィ法により形成することができる。
【0051】
次いで、シード層76を給電層とする電解めっき法により、
図7(c)に示すように、配線層30を形成する。具体的には、シード層76を給電層とする電解めっき法により、ビアホールVH1を含むレジスト層77の開口部77Xに銅などの金属めっき層を充填して第1配線層32及び第2配線層33を形成するとともに、貫通孔20X内にめっきスルーホールビアである貫通ビア31を形成する。
【0052】
次に、
図7(c)に示す工程では、
図7(b)に示したレジスト層77を除去した後に、不要なシード層76をエッチングにより除去する。以上の
図7(a)〜
図7(c)に示した工程によって、絶縁層20(第1〜第3絶縁層21〜23)上に配線層30(貫通ビア31、第1配線層32及び第2配線層33)が形成される。すなわち、配線層30はセミアディティブ法によって形成される。なお、配線層30は、セミアディティブ法に限らず、例えばサブトラクティブ法等の各種の配線形成方法によって形成することもできる。
【0053】
続いて、
図8(a)に示す工程では、第1配線層32を覆うように第2絶縁層22上にソルダレジスト層41を形成した後、フォトリソグラフィ法によりソルダレジスト層41を露光・現像して開口部41Xを形成する。これにより、ソルダレジスト層41の開口部41Xから配線パターン32Bの一部が接続パッド32Pとして露出される。また、第2配線層33を覆うように第3絶縁層23の下にソルダレジスト層42を形成した後、フォトリソグラフィ法によりソルダレジスト層42を露光・現像して開口部42Xを形成する。これにより、ソルダレジスト層42の開口部42Xから第2配線層33の一部が外部接続用パッド33Pとして露出される。なお、必要に応じて、接続パッド32P及び外部接続用パッド33P上に、例えばNi層とAu層をこの順番で積層した金属層を形成するようにしてもよい。この金属層は、例えば無電解めっき法により形成することができる。
【0054】
次に、
図8(b)に示す工程では、外部接続用パッド33P上に、外部接続端子50を形成する。例えば外部接続用パッド33P上に、適宜フラックスを塗布した後、外部接続端子50(ここでは、はんだボール)を搭載し、240〜260℃程度の温度でリフローして固定する。その後、表面を洗浄してフラックスを除去する。
【0055】
以上の製造工程により、半導体パッケージ1に相当する構造体を各第1領域R1(
図3参照)上に製造することができる。
(半導体装置の製造方法)
次に、上記半導体装置2の製造方法について説明する。
【0056】
まず、
図8(b)に示すように、半導体パッケージ1の接続パッド32Pにはんだ51を形成する。このはんだ51は、例えばはんだペーストの塗布やはんだボールの搭載により形成することができる。続いて、
図8(c)に示す工程では、バンプ4を形成した半導体チップ3を、接続パッド32P上に位置決めし、はんだ51とバンプ4を溶融させ、半導体チップ3と接続パッド32Pとを電気的に接続する(フリップチップ接合)。
【0057】
その後、個々の半導体装置2に対応する領域(第1領域R1)で切断することにより、
図2に示した半導体装置2を多数個得ることができる。なお、各第1領域R1に半導体パッケージ1に相当する構造体が製造されたときに、個々の半導体パッケージ1に対応する領域で切断して、
図1に示した半導体パッケージ1を得るようにしてもよい。この場合には、個片化された半導体パッケージ1の接続パッド32P上にはんだ51を形成し、その後、半導体パッケージ1に半導体チップ3をフリップチップ接合する。
【0058】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)コア基板12よりも金属膜(例えば、無電解めっき膜)との密着性が高い絶縁層20でコア基板12の貫通孔12Xの内壁面を覆うようにした。また、その絶縁層20に貫通孔12Xよりも小径の貫通孔20Xを形成し、その貫通孔20Xの内壁面を覆うように貫通ビア31を形成するようにした。ここで、絶縁層20では無電解めっき膜との密着性を低下させる要因となる無機フィラーの含有量がコア基板12よりも少量になっており、その無機フィラーの粒径もコア基板12よりも小さくなっている。これにより、無電解めっき法及び電解めっき法で貫通ビア31を形成した場合に、ボイド等の欠陥のない高品質な貫通ビア31を好適に形成することができる。このため、コア基板12の上下間の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
【0059】
(2)ところで、例えばコア基板12としてシリコン基板を用いた場合に、コア基板12の貫通孔12X内に貫通ビアを形成する方法としては、コア基板12の下面12Bに金属板を接着し、その金属板を給電層とした電解めっき法により貫通孔12X内に金属めっき層を析出成長させ、貫通孔12Xを金属めっき層で充填させる方法が知られている。しかし、この方法では、コア基板12の下面12Bに接着した金属板からめっきが成長するため、貫通孔12Xの内壁面と金属めっき層との間には化学的密着がない。
【0060】
これに対し、本実施形態では、貫通孔20Xの内壁面に無電解めっき膜(シード層76)を形成した後に、そのシード層76を給電層とする電解めっき法により、貫通孔20X内に貫通ビア31を形成することができる。このため、貫通ビア31を貫通孔20Xの内壁面に化学的に密着させることができる。これにより、貫通孔20X内から貫通ビア31が抜けることが好適に抑制されるため、コア基板12の上下間の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
【0061】
(3)また、上述したコア基板12としてシリコン基板を用いた場合の方法では、電解めっき後に、化学機械研磨(CMP)などにより不要な金属めっき層を除去する必要がある。これに対し、本実施形態では、貫通孔20Xの内壁面に無電解めっき膜(シード層76)を形成した後に、そのシード層76を給電層とする電解めっき法により、貫通孔20X内に貫通ビア31を形成することができるため、CMPなどの処理が不要となる。
【0062】
(4)さらに、貫通孔20Xの内壁面に形成されたシード層76を給電層とすることができるため、コア基板12の下面12Bに形成した金属板から金属めっき層を析出成長させる場合よりも短時間で貫通ビア31を形成することができる。
【0063】
(5)ところで、コア基板12の上面12A上に形成される第2絶縁層22には、半導体チップ11の電極パッド11Pの上面を露出するためのビアホールVH1が形成される。このため、第2絶縁層22は、電極パッド11Pの損傷を抑制するために薄く形成される場合がある。詳述すると、ビアホールVH1をレーザ加工法により形成する場合には、レーザの出力を高く設定すると、そのレーザによって電極パッド11Pが損傷する。このため、レーザの出力を低く設定しても上記ビアホールVH1が形成可能なように、コア基板12の上面12A上に形成される第2絶縁層22が薄く形成される場合がある。このとき、断面視において、コア基板12の上面12Aと貫通孔12Xの内壁面とがなす角度が90度に近いと、絶縁層20の貫通孔20Xをレーザ加工法により形成した場合に、その絶縁層20からコア基板12の貫通孔12Xの開口端が露出しやすくなるという問題がある。
【0064】
これに対し、本実施形態では、コア基板12の貫通孔12Xを、半導体チップ11の電極パッド11P側のコア基板12の上面12Aからコア基板12の厚さ方向の中央部に向かうに連れて径が小さくなるテーパ状に形成するようにした。これにより、レーザ加工法により第2絶縁層22の上面22A側から絶縁層20の貫通孔20Xを形成する場合であっても、その貫通孔20Xの内壁面が貫通孔12Xの内壁面に沿って形成されるため、絶縁層20からコア基板12の貫通孔12Xの開口端が露出されることを好適に抑制することができる。
【0065】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、絶縁層20の貫通孔20X内にめっきスルーホールビアである貫通ビア31を形成するようにした。これに限らず、例えば
図9(d)に示すように、絶縁層20の貫通孔20X内に充填された貫通ビア31Aを形成するようにしてもよい。この場合の半導体パッケージ1Aは以下のように製造することができる。
【0066】
まず、
図9(a)に示す工程では、先の
図3(a)〜
図7(b)に示した工程と同様の製造工程により、
図7(b)に示した構造体と同様の構造体を形成する。続いて、シード層76を給電層とする電解めっき法により、
図9(b)に示すように、貫通孔20Xに銅などの金属めっき層を充填して貫通ビア31Aを形成するとともに、ビアホールVH1を含むレジスト層77の開口部77Xに銅などの金属めっき層を充填して第1配線層32及び第2配線層33を形成する。このとき、貫通ビア31Aの一方の端面(ここでは、上端面)は第1配線層32の配線パターン32Bに電気的に接続され、貫通ビア31Aの他方の端面(ここでは、下端面)は第2配線層33に電気的に接続されている。
【0067】
次いで、
図9(c)に示す工程では、第1配線層32の配線パターン32Bの一部を接続パッド32Pとして露出させる開口部41Xを有するソルダレジスト層41を第2絶縁層22の上面22A上に形成する。また、第2配線層33の一部を外部接続用パッド33Pとして露出させる開口部42Xを有するソルダレジスト層42を第3絶縁層23の下面23B上に形成する。その後、
図9(d)に示すように、外部接続用パッド33P上に外部接続端子50を形成することにより、半導体パッケージ1Aを製造することができる。
【0068】
・上記実施形態では、コア基板12の上面12Aを被覆する第2絶縁層22と、コア基板12の下面12Bを被覆する第3絶縁層23とを同じ材料で構成するようにした。これに限らず、例えば
図10(c)に示すように、コア基板12の上面12Aを被覆する第2絶縁層22と、コア基板12の下面12Bを被覆する第3絶縁層24とを異なる材料で構成するようにしてもよい。例えば
図10(c)に示した半導体パッケージ1Bでは、第2絶縁層22が補強材の入っていない絶縁層である一方で、第3絶縁層24が補強材入りの絶縁層である。この第3絶縁層24は、その他の第2絶縁層22よりも機械的強度(剛性や硬度等)が高い絶縁層である。このような第3絶縁層24の材料としては、ガラス、アラミド、LCP(Liquid Crystal Polymer)繊維の織布や不織布に、エポキシ系やポリイミド系の熱硬化性樹脂を含浸させた補強材入りの絶縁性樹脂を用いることができる。また、第3絶縁層24の材料としては、当該第3絶縁層24の熱膨張係数が上記第2絶縁層22の熱膨張係数よりも半導体チップ11の熱膨張係数に近づくように調整された絶縁性樹脂であることが好ましい。換言すると、第3絶縁層24の材料としては、当該第3絶縁層24の熱膨張係数が第2絶縁層22の熱膨張係数よりも低くなるように調整された絶縁性樹脂であることが好ましい。例えば、第3絶縁層24の熱膨張係数は18〜30ppm/℃程度に設定されている。なお、第3絶縁層24中の樹脂部分の材料としては、上記コア基板12よりも無機フィラーの含有量が少ない樹脂材を用いることができる。
【0069】
ここで、第3絶縁層24の厚さは、例えば70〜100μm程度とすることができる。すなわち、第3絶縁層24は、第3絶縁層24として補強材の入っていない絶縁性樹脂を用いた場合の厚さよりも厚く形成されている。このとき、外部接続端子50側は外部接続用パッド33Pのピッチを接続パッド32Pよりも広くできる等、他の半導体チップ3(
図2参照)が搭載される側(ここでは、接続パッド32P側)と比べてデザインルールが緩いため、第3絶縁層24を容易に厚く形成することができる。すなわち、仮に他の半導体チップ3が搭載される側に形成される第2絶縁層22を厚く形成すると、第2絶縁層22に形成されるビアホールVH1が深くなり、且つ、開口端における径(ソルダレジスト41側の径)も大きくなるため、接続パッド32Pの狭ピッチ化に対応することができなくなる。
【0070】
このように、半導体パッケージ1Bでは、コア基板12の両面に形成される絶縁層の一部を補強材入りの絶縁層(第3絶縁層24)としたため、その第3絶縁層24の剛性を高めることができ、半導体パッケージ1Bの反りを効果的に抑制することができる。特に、コア基板12の下面12B側に形成される第3絶縁層24を補強材入りの絶縁層としたため、コア基板12においてその上面12A側に偏って半導体チップ11が埋め込まれていたとしても、上記補強材入りの第3絶縁層24によって半導体パッケージ1B全体に生じる反りを効果的に抑制することができる。
【0071】
次に、上記半導体パッケージ1Bの製造方法について説明する。
まず、
図10(a)に示す工程では、先の
図3(a)〜
図5(b)に示した工程と同様の製造工程により、半導体チップ11と、その半導体チップ11が埋め込まれたコア基板12とを有するコア部10を形成する。続いて、キャリア70にシート状の絶縁層71が接着された構造体72と、キャリア73にシート状の絶縁層78が接着された構造体79とを用意する。絶縁層78の材料としては、例えばガラス、アラミド、LCP繊維の織布や不織布等の補強材に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂材を用いることができる。絶縁層78は、B−ステージ状態のものが使用される。絶縁層71の厚さは、例えば35〜70μm程度とすることができ、絶縁層78の厚さは、例えば75〜105μm程度とすることができる。
【0072】
また、
図10(a)に示す工程では、コア基板12の上面12A側に上記構造体72を配置し、コア基板12の下面12B側に上記構造体79を配置する。このとき、構造体72は、絶縁層71が半導体チップ11の電極パッド11Pと対向するように絶縁層71を下側に向けた状態で配置される。また、構造体79は、絶縁層78がコア基板12の下面12Bと対向するように絶縁層78を上側に向けた状態で配置される。そして、コア部10及び構造体72,79を両面側から真空雰囲気で190〜250℃程度の温度で加熱・加圧する。これにより、絶縁層71,78が貫通孔12X内に充填されるとともに、絶縁層71中に電極パッド11Pが圧入される。このとき、絶縁層78中の樹脂部分(未硬化の熱硬化性樹脂)が貫通孔12X内に充填される。また、上記絶縁層71,78が硬化して、
図10(b)に示すように、貫通孔12X内に充填された第1絶縁層21Aが形成され、コア基板12の上面12Aと半導体チップ11の回路形成面11Aと電極パッド11Pと第1絶縁層21Aの上面を覆う第2絶縁層22が形成される。また、コア基板12の下面12Bと第1絶縁層21Aの下面を覆う第3絶縁層24が形成される。さらに、上記絶縁層71,78の硬化に伴って、第1〜第3絶縁層21A,22,24(つまり、絶縁層20)が半導体チップ11及びコア基板12に接着される。その後、キャリア70,73をウェットエッチングにより除去する。
【0073】
次に、
図10(c)に示す工程では、絶縁層20の所要の箇所に、絶縁層20を厚さ方向に貫通する貫通孔20Xを形成する。この貫通孔20Xは、例えばレーザ加工法、機械ドリル加工法などにより形成することができる。本工程では、コア基板12の貫通孔12Xの内壁面が絶縁層20から露出されないように貫通孔20Xが形成される。その後、
図6(c)〜
図8(a)に示した工程と同様の製造工程により、上記貫通孔20X内に形成される貫通ビア31と、第2絶縁層22上に積層される第1配線層32と、第3絶縁層24の下に形成される第2配線層33とからなる配線層30を形成し、ソルダレジスト層41,42を形成する。そして、外部接続用パッド33P上に外部接続端子50を形成することにより、半導体パッケージ1Bを製造することができる。
【0074】
・
図10に示した変形例では、補強材入りの第3絶縁層24を他の第2絶縁層22よりも厚く形成するようにした。これに限らず、補強材の入っていない第2絶縁層22及び第3絶縁層23の厚さを異なる厚さに設定するようにしてもよい。例えばコア基板12の下面12B側に形成された第3絶縁層23の厚さを、コア基板12の上面12A側に形成された第2絶縁層22の厚さよりも厚くしてもよい。このように第2及び第3絶縁層22,23の厚さを設定することにより、コア基板12においてその上面12A側に偏って半導体チップ11が埋め込まれた場合であっても、半導体パッケージ1全体に生じる反りを効果的に抑制することができる。
【0075】
・
図10に示した変形例では、補強材入りの第3絶縁層24を他の第2絶縁層22よりも厚く形成するようにした。これに限らず、例えば
図11や
図12に示した製造方法で製造される半導体パッケージ1C,1Dのように、補強材入りの絶縁層26,27をコア基板12の上面12A側に形成される第2絶縁層22と同等の厚さで形成するようにしてもよい。
【0076】
次に、半導体パッケージ1Cの製造方法について説明する。
まず、
図11(a)に示す工程では、先の
図3(a)〜
図5(b)に示した工程と同様の製造工程により、半導体チップ11と、その半導体チップ11が埋め込まれたコア基板12とを有するコア部10を形成する。続いて、キャリア70にシート状の絶縁層71が接着された構造体72と、キャリア73にシート状の絶縁層80とシート状の絶縁層81とが順に積層された構造体82(つまり、キャリア73に2層構造の絶縁層が接着された構造体)とを用意する。絶縁層71,81の材料としては、コア基板12よりも無機フィラーの含有量が少ない樹脂材を用いることができる。絶縁層80の材料としては、例えばガラス、アラミド、LCP繊維の織布や不織布等の補強材に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂材を用いることができる。絶縁層71,80,81は、B−ステージ状態のものが使用される。絶縁層71の厚さは、例えば35〜70μm程度とすることができ、絶縁層80の厚さは、例えば35〜70μm程度とすることができる。また、絶縁層81の厚さは、絶縁層71,81よりも薄く形成することができる。具体的には、絶縁層81の厚さは、例えば5〜10μm程度とすることができる。
【0077】
また、
図11(a)に示す工程では、コア基板12の上面12A側に上記構造体72を配置し、コア基板12の下面12B側に上記構造体82を配置する。このとき、構造体72は、絶縁層71が半導体チップ11の電極パッド11Pと対向するように絶縁層71を下側に向けた状態で配置される。また、構造体82は、絶縁層81がコア基板12の下面12Bと対向するように絶縁層81を上側に向けた状態で配置される。そして、コア部10及び構造体72,82を両面側から真空雰囲気で190〜250℃程度の温度で加熱・加圧する。これにより、絶縁層71,81が貫通孔12X内に充填されるとともに、絶縁層71中に電極パッド11Pが圧入される。また、上記絶縁層71,80,81が硬化して、
図11(b)に示すように、貫通孔12X内に充填された第1絶縁層21が形成され、コア基板12の上面12Aと半導体チップ11の回路形成面11Aと電極パッド11Pと第1絶縁層21の上面を覆う第2絶縁層22が形成される。また、コア基板12の下面12B側には、その下面12Bと第1絶縁層21の下面を覆う絶縁層25と、その絶縁層25を覆う補強材入りの絶縁層26とが形成される。さらに、上記絶縁層71,80,81の硬化に伴って、絶縁層21,22,25,26(つまり、絶縁層20)が半導体チップ11及びコア基板12に接着される。その後、キャリア70,73をウェットエッチングにより除去する。
【0078】
このように、コア基板12の下面12Bに熱圧着する絶縁層を、補強材の入っていない薄い絶縁層25と補強材入りの絶縁層26との2層構造とすることにより、第2絶縁層22と同等の厚さである補強材入りの絶縁層26をコア基板12の下面12B側に形成することができる。
【0079】
次に、
図11(c)に示す工程では、絶縁層20の所要の箇所に、絶縁層20を厚さ方向に貫通する貫通孔20Xを形成する。その後、
図6(c)〜
図8(a)に示した工程と同様の製造工程により、上記貫通孔20X内に形成される貫通ビア31と、第2絶縁層22上に積層される第1配線層32と、絶縁層26上に積層される第2配線層33とからなる配線層30を形成し、ソルダレジスト層41,42を形成する。そして、外部接続用パッド33P上に外部接続端子50を形成することにより、半導体パッケージ1Cを製造することができる。
【0080】
次に、半導体パッケージ1Dの製造方法について説明する。
まず、
図12(a)に示す工程では、先の
図3(a)〜
図5(b)に示した工程と同様の製造工程により、半導体チップ11と、その半導体チップ11が埋め込まれたコア基板12とを有するコア部10を形成する。続いて、キャリア73にシート状の絶縁層27が接着された構造体83を用意する。絶縁層27の材料としては、例えばガラス、アラミド、LCP繊維の織布や不織布等の補強材に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂材を用いることができる。絶縁層27は、B−ステージ状態のものが使用される。絶縁層27の厚さは、例えば30〜65μm程度とすることができる。次いで、コア基板12の下面12B側に、絶縁層27がコア基板12の下面12Bと対向するように絶縁層27を上側に向けた状態で上記構造体83を配置する。そして、コア基板12の下面12Bにシート状の構造体83を熱圧着によりラミネートする。その後、絶縁層27を150℃程度の温度雰囲気でキュアを行うことにより硬化させる。この絶縁層27の硬化に伴って、補強材入りの絶縁層27がコア基板12の下面12Bに接着される。
【0081】
また、
図12(a)に示す工程では、キャリア70にシート状の絶縁層71が接着された構造体72を用意する。続いて、コア基板12の上面12A側に、絶縁層71が半導体チップ11の電極パッド11Pと対向するように絶縁層71を下側に向けた状態で上記構造体72を配置する。そして、構造体83の接着されたコア部10と構造体72を両面側から真空雰囲気で190〜250℃程度の温度で加熱・加圧する。これにより、絶縁層71が貫通孔12X内に充填されるとともに、絶縁層71中に電極パッド11Pが圧入される。また、絶縁層71が硬化して、
図12(b)に示すように、貫通孔12X内に充填された第1絶縁層21が形成され、コア基板12の上面12Aと半導体チップ11の回路形成面11Aと電極パッド11Pと第1絶縁層21の上面を覆う第2絶縁層22が形成される。さらに、上記絶縁層71の硬化に伴って、絶縁層21,22が半導体チップ11及びコア基板12に接着される。その後、キャリア70,73をウェットエッチングにより除去する。
【0082】
このように、コア基板12の下面12Bに形成した補強材入りの絶縁層27を硬化させた後に、コア基板12の上面12A側から補強材の入っていない絶縁層71により貫通孔12Xを充填することで、第2絶縁層22と同等の厚さである補強材入りの絶縁層27をコア基板12の下面12B側に形成することができる。
【0083】
次に、
図12(c)に示す工程では、絶縁層20の所要の箇所に、絶縁層20を厚さ方向に貫通する貫通孔20Xを形成する。その後、
図6(c)〜
図8(a)に示した工程と同様の製造工程により、上記貫通孔20X内に形成される貫通ビア31と、第2絶縁層22上に積層される第1配線層32と、絶縁層27上に積層される第2配線層33とからなる配線層30を形成し、ソルダレジスト層41,42を形成する。そして、外部接続用パッド33P上に外部接続端子50を形成することにより、半導体パッケージ1Dを製造することができる。
【0084】
・
図13(c)に示されるように、コア基板12の上面12A側に形成された第1配線層32上にn層(nは1以上の整数、
図13(c)では1層)の層間絶縁層84と配線層85とを形成するようにしてもよい。これら層間絶縁層84及び配線層85は、例えばビルドアップ工法により形成することができる。詳述すると、
図13(a)に示す工程では、先の
図9(a)及び
図9(b)に示した工程と同様の製造工程により、第2絶縁層22の上面22A上に第1配線層32を形成し、第3絶縁層23の下面23B上に第2配線層33を形成し、貫通孔20Xに充填され、第1配線層32と第2配線層33とを電気的に接続する貫通ビア31を形成する。続いて、第2絶縁層22の上面22A上に、第1配線層32を覆うように層間絶縁層84を形成する。この層間絶縁層84は、例えば第2絶縁層22の上面22Aに樹脂フィルムをラミネートした後に、樹脂フィルムを押圧しながら130〜150℃程度の温度で熱処理して硬化させることにより形成することができる。なお、層間絶縁層84の材料としては、第2絶縁層22と同様の材料を用いることができる。すなわち、層間絶縁層84の材料としては、例えばビルドアップ樹脂を用いることができる。次いで、第1配線層32の配線パターン32Bの上面が露出されるように、層間絶縁層84の所定箇所にビアホールVH2を形成する。このビアホールVH2は、例えばCO
2レーザやUV−YAGレーザ等によるレーザ加工法によって形成することができる。なお、層間絶縁層84が感光性樹脂を用いて形成されている場合には、例えばフォトリソグラフィ法により所要のビアホールVH2を形成するようにしてもよい。
【0085】
その後、ビアホールVH2をレーザ加工法によって形成した場合には、デスミア処理によりビアホールVH2内の樹脂スミアを除去する。
次に、
図13(b)に示す工程では、ビアホールVH2にビア導体を充填してビア配線85Aを形成するとともに、そのビア配線85Aを介して第1配線層32に電気的に接続された配線パターン85Bを層間絶縁層84上に形成する。これらビア配線85A及び配線パターン85Bからなる配線層85は、例えばセミアディティブ法やサブトラクティブ法などの各種の配線形成方法を用いて形成することができる。
【0086】
続いて、
図13(c)に示す工程では、第1配線層32上に積層されたn層の配線層のうち最外層の配線層(ここでは、配線層85)の配線パターン85Bの一部を接続パッド85Pとして露出させる開口部41Xを有するソルダレジスト層41Aを層間絶縁層84上に形成する。また、第2配線層33の一部を外部接続用パッド33Pとして露出させる開口部42Xを有するソルダレジスト層42を第3絶縁層23の下面23B上に形成する。その後、外部接続用パッド33P上に外部接続端子50を形成することにより、半導体パッケージ1Eを製造することができる。
【0087】
なお、n層の層間絶縁層のうち1又は複数の層間絶縁層を補強材入りの絶縁層としてもよい。また、上記変形例では、貫通孔20X内を充填する貫通ビア31Aを形成するようにしたが、貫通孔20X内にめっきスルーホールビアである貫通ビア31を形成するようにしてもよい。
【0088】
・同様に、コア基板12の下面12B側に形成された第2配線層33上にm層(mは1以上の整数)の層間絶縁層と配線層とを形成するようにしてもよい。このとき、m層の層間絶縁層のうち1又は複数の層間絶縁層を補強材入りの絶縁層としてもよい。
【0089】
・上記実施形態では、貫通孔12X,20Xを断面視略逆台形状に形成するようにしたが、貫通孔12X,20Xの断面形状は特に限定されない。例えば
図14(a)に示すように、貫通孔12X,20Xの断面形状を、それら貫通孔12X,20Xの厚さ方向の中途部が最狭部A1(内径が最も狭くなる部分)となる鼓状に形成するようにしてもよい。具体的には、貫通孔12Xの断面形状は、コア基板12の厚さ方向の中途位置から両開口端に向かうに連れて開口径が大きくなる鼓形状に形成されている。また、貫通孔20Xの断面形状は、絶縁層20の厚さ方向の中途位置から両開口端に向かうに連れて開口径が大きくなる鼓形状に形成されている。このように貫通孔20Xを断面視略鼓状に形成すると、貫通孔20Xを充填する貫通ビア31Aを形成する際に、貫通孔20X内にボイド等の欠陥のない金属めっき層を好適に形成することができる。詳述すると、電解めっき法により貫通孔20X内に金属めっき層を充填する際に、貫通孔20Xが断面視略鼓状に形成されていると、貫通孔20Xを厚さ方向の中途部(最狭部A1)から閉塞させることができる。さらに、その閉塞された部分から上方側及び下方側に向かって金属めっき層が充填されるため、貫通孔20X内にボイド等の欠陥のない金属めっき層(つまり、貫通ビア31A)を形成することができる。この結果、貫通ビア31Aを介して電気的に接続される第1配線層32と第2配線層33との間の電気的な接続信頼性を向上させることができる。なお、このような形状の貫通孔12X,20Xは、例えば
図15に示した製造方法により形成することができる。
【0090】
まず、
図15(a)に示した工程では、半導体チップ11が埋め込まれたコア基板12の下面12Bに金属板86を接着した状態で、レーザ加工法によりコア基板12の上面12A側から貫通孔12Xを形成する。このとき、コア基板12の上面12A側からのレーザが金属板86で反射し、その反射したレーザによって下面12B側のコア基板12が除去される。これにより、コア基板12の厚さ方向の中途部に最狭部が形成される断面視略鼓状の貫通孔12Xを形成することができる。なお、レーザ加工法により、コア基板12の上下両面側から貫通孔12Xを形成した場合にも、断面視略鼓状の貫通孔12Xを形成することができる。
【0091】
次に、
図15(b)に示した工程では、
図15(a)に示した金属板86をウェットエッチング等により除去する。続いて、
図6(a)及び
図6(b)に示した工程と同様の製造工程により、貫通孔12Xの内壁面を含むコア部10の表面全面を覆う絶縁層20を形成する。
【0092】
続いて、
図15(c)に示した工程では、第3絶縁層23の下面23Bに金属板87を接着した状態で、レーザ加工法により第2絶縁層22の上面22A側から貫通孔20Xを形成する。このとき、第2絶縁層22の上面22A側からのレーザが金属板87で反射し、その反射したレーザによって第3絶縁層23の下面23B側の絶縁層20が除去される。これにより、絶縁層20の厚さ方向の中途部に最狭部A1が形成される断面視略鼓状の貫通孔20Xを形成することができる。なお、このように形成された貫通孔20Xは、
図14(a)に示すように、第2絶縁層22の上面22A側の開口端の直径Φ1が第3絶縁層23の下面23B側の開口端の直径Φ2よりも大きくなる。
【0093】
・あるいは、
図14(b)に示すように、貫通孔12X,20Xを断面視略矩形状(ストレート形状)に形成するようにしてもよい。
・上記実施形態では、貫通孔12Xの断面形状と貫通孔20Xの断面形状とを同様な形状にした。すなわち、貫通孔12Xを断面視略逆台形状に形成し、貫通孔20Xを断面視略逆台形状に形成するようにした。これに限らず、貫通孔12Xの断面形状と貫通孔20Xの断面形状とを異なる形状にしてもよい。例えば
図14(c)に示すように、貫通孔12Xを断面視略矩形状に形成し、貫通孔20Xを断面視略鼓状に形成するようにしてもよい。
【0094】
・上記実施形態では、コア基板12の上面12Aを上面としたときに、貫通孔12X,20Xの断面形状を略逆台形状に形成するようにした。これに限らず、例えば
図16に示す半導体パッケージ1Fのように、コア基板12の第1の面12Aを上面としたときに、貫通孔12X,20Xの断面形状を略台形状に形成するようにしてもよい。すなわち、貫通孔12Xを、半導体チップ11の回路形成面11Aと略面一に形成されたコア基板12の上面12A側から下面12B側に向かうに連れて径が大きくなるテーパ状に形成するようにしてもよい。また、貫通孔20Xを、第2絶縁層22の上面22A側から第3絶縁層23の下面23B側に向かうに連れて径が大きくなるテーパ状に形成するようにしてもよい。
【0095】
・上記実施形態では、
図17(a)に示すように、コア基板12の1つの貫通孔12Xの内部空間に絶縁層20の1つの貫通孔20Xを形成するようにした。これに限らず、例えば
図17(b)に示すように、コア基板12の1つの貫通孔12Xの内部空間に絶縁層20の複数(ここでは、4つ)の貫通孔20Xを形成するようにしてもよい。これによれば、貫通孔12Xの内部空間においては、隣接する貫通孔20X間に絶縁層20のみが形成されていればよいため、貫通孔20Xを密集して形成することができ、貫通孔20Xの狭ピッチ化を容易に行うことができる。なお、この場合の貫通孔12Xの直径は、例えば250〜350μm程度とすることができる。
【0096】
・上記実施形態における貫通孔12X,20Xの平面形状は、円形状に限らず、例えば矩形状や五角形状などの多角形状であってもよいし、楕円状や半円状であってもよい。
・上記実施形態では、半導体パッケージ1(コア基板12や絶縁層20)の外形をなす四辺の各辺に沿って複数の貫通孔12X,20Xを形成するようにしたが、貫通孔12X,20Xの平面配置は特に限定されない。例えば、半導体パッケージ1(コア基板12や絶縁層20)の外形をなす四辺のうちの任意の一つの辺側にのみ貫通孔12X,20Xを集中させて配置するようにしてもよい。
【0097】
・上記実施形態における第3絶縁層23を省略するようにしてもよい。この場合には、コア基板12の下面12B上に第2配線層33が形成される。
・上記実施形態では、外部接続用パッド33Pにマザーボード等に実装する際に使用される外部接続端子50を接続するようにした。これに限らず、外部接続用パッド33Pを、接続パッド32Pと同様に、他の半導体チップや他の半導体パッケージと電気的に接続されるパッドとして利用するようにしてもよい。
【0098】
・上記実施形態における半導体パッケージ1から外部接続端子50を省略するようにしてもよい。
・上記実施形態では、半導体チップ11の回路形成面11A及びその回路形成面11Aに形成された電極パッド11Pがコア基板12から露出されるようにした。これに限らず、例えば半導体チップ11の回路形成面11Aをコア基板12に埋め込むようにし、電極パッド11Pの上面のみをコア基板12から露出させるようにしてもよい。この場合には、電極パッド11Pの上面とコア基板12の上面12Aとが略面一になるように形成される。このとき、コア基板12の上面12Aを被覆する第2絶縁層22と、コア基板12の下面12Bを被覆する絶縁層23とを省略するようにしてもよい。この場合には、配線パターン32Bがコア基板12の上面12A上に形成され、その配線パターン32Bがビア配線32A等を介さずに電極パッド11Pの上面に直接接続される。また、第2配線層33はコア基板12の下面12B上に形成される。
【0099】
・上記実施形態では、多数個取りの製造方法に具体化したが、単数個取り(一個取り)の製造方法に具体化してもよい。
・上記実施形態におけるコア基板12の材料としては、例えば窒化アルミニウムやアルミナ等のセラミック材、シリコンやガラス等を用いることもできる。この場合であっても、コア基板12の貫通孔12Xの内壁面を覆う絶縁層20(第1絶縁層21)の材料として上記実施形態と同様の材料を用いることにより、その絶縁層20はコア基板12よりも金属膜(例えば、無電解めっき膜)と密着性が高い絶縁層となる。
【0100】
・上記実施形態では、半導体パッケージ1上に半導体チップ3を搭載するようにしたが、半導体チップ3の代わりに、例えばチップ抵抗、チップコンデンサや水晶振動子等の電子部品を半導体パッケージ1上に搭載するようにしてもよい。
【0101】
・あるいは、半導体パッケージ1上に別の半導体パッケージを積み重ねる構造を有するパッケージ(Package on Package:POP)などにも、本発明を適用することが可能である。