(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被検査物基準領域の基準画像の少なくとも一部をダウンサンプリングし、該ダウンサンプリングの結果に基づいて前記テンプレートを生成するように構成された基準データ生成器をさらに備える、
ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
前記プロセッサが、前記検査画像の少なくとも前記部分の前記セグメント化に基づいて、前記検査画像の異なる領域に対して異なる検出方式を定義するようにさらに構成され、前記欠陥検出プロセッサが、前記定義の結果に基づいて前記欠陥の存在を判断するように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
前記欠陥検出プロセッサが、前記与えられた画像の部分に割り当てられた画像セグメントに基づいて与えられた画像の部分内の前記潜在的欠陥を分類するように構成されており、
利用されることになる分類の種類は、前記被検査物の動作性に対する影響が異なる欠陥タイプに対応する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
被検査物の検査画像内で識別された潜在的欠陥を分類する方法をコンピュータに実行させるコンピュータ読み取り可能なプログラムコードを記憶するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えたプログラム記憶装置であって、前記方法が、
前記検査画像に関する複数のアンカー位置を取得するステップと、
前記検査画像の複数の部分のうちの各部分を複数の画像セグメントから選択したそれぞれの画像セグメントに割り当てることにより、前記複数のアンカー位置と、複数のマスクセグメントを定めるマスクとに基づいて前記検査画像をセグメント化するステップと、
を含み、前記複数の画像セグメントが、前記複数のマスクセグメントの少なくとも1つのマスクセグメントに対応し、
前記セグメント化に基づいて前記検査画像内の欠陥の存在を判断するステップをさらに含み、前記欠陥の前記存在の判断が、
前記セグメント化に従って前記検査画像の異なる領域に対して定義される異なる検出方式に基づいており、
前記検査画像の複数の画素のうちの各画素に関して、(a)前記画素と基準画像の相関データとの比較結果、及び(b)前記画素の前記選択した画像セグメントに依存する決定規則の両方に基づいて前記画素を評価するステップを含む
ことを特徴とするプログラム記憶装置。
前記方法が、前記テンプレートを生成するステップをさらに含み、該生成ステップが、被検査物基準領域の参照画像の少なくとも一部をダウンサンプリングするステップを含む、
ことを特徴とする請求項16に記載のプログラム記憶装置。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様によれば、被検査物の、複数の画素を含む検査画像内の欠陥を検出するための分析システムが開示される。このシステムは、
・テンプレートと検査画像の複数の部分との照合に基づいて、検査画像に関する複数のアンカー位置を計算するように構成されたコンピュータ化したアンカー処理モジュールと、
・検査画像の複数の画素のうちの各画素を複数の画像セグメントから選択したそれぞれの画像セグメントに割り当てることにより、複数のアンカー位置と、複数のマスクセグメントを定めるマスクとに基づいて検査画像をセグメント化するように構成された、コンピュータ化したアンカー処理モジュールに動作可能に接続されたコンピュータ化したセグメント化モジュールと、
を備え、この複数の画像セグメントは、複数のマスクセグメントの少なくとも1つのマスクセグメントに対応し、
・少なくとも(i)検査画像の対応する画素間の差分を計算するために検査画像と第2の検査画像を比較すること、及び(ii)検査画像の複数の画素のうちの各画素に関して、(a)画素と基準画像の相関データとの比較結果、及び(b)画素の選択した画像セグメントに依存する決定規則に基づいて少なくとも画素を評価することにより、セグメント化に基づいて検査画像内の欠陥の存在を判断するように構成された、コンピュータ化したセグメント化モジュールに動作可能に接続された欠陥検出プロセッサをさらに備える。
【0007】
本発明の態様によれば、被検査物の、複数の画素を含む検査画像内の欠陥を検出するためのより一般的な分析システムが開示される。このシステムは、
・検査画像に関する複数のアンカー位置を取得するように構成されたコンピュータ化したアンカー処理モジュールと、
・検査画像の複数の部分のうちの各部分を複数の画像セグメントから選択したそれぞれの画像セグメントに割り当てることにより、複数のアンカー位置と、複数のマスクセグメントを定めるマスクとに基づいて検査画像をセグメント化するように構成された、コンピュータ化したアンカー処理モジュールに動作可能に接続されたコンピュータ化したセグメント化モジュールと、
を備え、この複数の画像セグメントは、複数のマスクセグメントの少なくとも1つのマスクセグメントに対応し、
・(a)画素と基準画像の相関データとの比較結果、及び(b)画素の選択した画像セグメントに依存する決定規則に基づいて少なくとも検査画像の複数の画素のうちの各画素を評価することによりセグメント化に基づいて検査画像内の欠陥の存在を判断するように構成された、コンピュータ化したセグメント化モジュールに動作可能に接続された欠陥検出プロセッサをさらに備える。
【0008】
任意に、複数の部分のうちの少なくとも2つは、少なくとも部分的に重なり合う。
【0009】
任意に、アンカー処理モジュールを、テンプレートと検査画像の複数の部分との照合に基づいて複数のアンカー位置を計算するように構成することができる。
【0010】
任意に、システムは、被検査物基準領域の基準画像の少なくとも一部をダウンサンプリングし、このダウンサンプリングの結果に基づいてテンプレートを生成するように構成された基準データ生成器をさらに含むことができる。
【0011】
任意に、基準データ生成器を、基準画像に基づいてマスクを定めるようにさらに構成することができる。
【0012】
任意に、システムは、コンピュータ支援設計(CAD)データから生成された基準画像を処理することによってマスクを生成するように構成された基準データ生成器をさらに含むことができる。
【0013】
任意に、システムは、CADデータから生成された基準画像を処理することによってマスクを生成するように構成された基準データ生成器をさらに含むことができる。
【0014】
任意に、被検査物は、電子回路、ウェハ及びフォトマスクから成る群から選択される。
【0015】
任意に、アンカー処理モジュールを、検査画像の解像度を上回る精度でアンカー位置を計算するように構成することができる。
【0016】
任意に、プロセッサを、少なくとも検査画像の部分のセグメント化に基づいて、検査画像の異なる領域に対して異なる検出方式を定義するようにさらに構成することができ、欠陥検出プロセッサは、この定義の結果に基づいて欠陥の存在を判断するように構成される。
【0017】
任意に、システムは、検査画像の複数の画素の各々に関して、複数のマスクセグメントの1又はそれ以上に関する画素の分布を特定するように構成された分布分析モジュールをさらに含むことができ、コンピュータ化したセグメント化モジュールは、この複数の画素の特定された分布に基づいて、複数の部分のうちの部分を画像セグメントの1又はそれ以上に割り当てるように構成される。
【0018】
任意に、システムは、異なる欠陥検出セグメントを定める欠陥検出マスク、及び検査画像に関する特定された位置に基づいて、欠陥検出セグメントの1又はそれ以上に関する潜在的欠陥の欠陥検出分布を特定するように構成された分布分析モジュールをさらに含むことができ、欠陥検出プロセッサは、この欠陥検出分布に基づいて潜在的欠陥を分類するように構成された分類器を含む。
【0019】
任意に、システムは、1又はそれ以上のマスクセグメントに関する潜在的欠陥の分布を、検査画像の解像度を上回る精度で特定するように構成された分布分析モジュールをさらに含むことができ、欠陥検出プロセッサは、この分布に基づいて潜在的欠陥を分類するように構成される。
【0020】
任意に、欠陥検出プロセッサを、少なくとも1つの部分(潜在的欠陥と相関性のある部分)が割り当てられた1又はそれ以上の画像セグメントの選択に基づいて潜在的欠陥を分類するように構成することができる。そのような分類は、実施される場合、被検査物の動作性に対する異なる影響を有する欠陥タイプに
対して対応する分類が異なる分類方式に従って実行され得る。
【0021】
任意に、システムは、検査オブジェクトを検査し、この検査に基づいて検査画像を提供するように構成されたセンサをさらに含むことができる。
【0022】
本発明の態様によれば、被検査ウェハの、複数の画素を含む検査画像内の欠陥を検出するためのコンピュータ化した方法が開示される。この方法は、
・テンプレートと検査画像の複数の部分との照合に基づいて、検査画像に関する複数のアンカー位置を計算するステップと、
・複数のアンカー位置と、複数のマスクセグメントを定めるマスクとに基づいて、検査画像の複数の部分のうちの各部分を複数の画像セグメントから選択したそれぞれの画像セグメントに割り当てることによって検査画像をセグメント化するステップと、
を含み、この複数の画像セグメントは、複数のマスクセグメントの少なくとも1つのマスクセグメントに対応し、
・セグメント化に基づいて検査画像内の欠陥の存在を判断するステップをさらに含み、この欠陥の存在を判断するステップは、(i)検査画像の対応する画素間の差分を計算するために検査画像と第2の検査画像を比較するステップと、(ii)検査画像の複数の画素のうちの各画素に関して、(a)画素と基準画像の相関データとの比較結果、及び(b)画素の選択した画像セグメントに依存する決定規則に基づいて画素を評価するステップとを含む。
【0023】
本発明の態様によれば、被検査物の、複数の画素を含む検査画像内の欠陥を検出するためのより一般的なコンピュータ化した方法が開示される。この方法は、
・検査画像に関する複数のアンカー位置を取得するステップと、
・検査画像の複数の部分のうちの各部分を複数の画像セグメントから選択したそれぞれの画像セグメントに割り当てることにより、複数のアンカー位置と、複数のマスクセグメントを定めるマスクとに基づいて検査画像をセグメント化するステップと、
を含み、この複数の画像セグメントは、複数のマスクセグメントの少なくとも1つのマスクセグメントに対応し、
・セグメント化に基づいて検査画像内の欠陥の存在を判断するステップをさらに含み、欠陥の存在の判断が、検査画像の複数の画素のうちの各画素に関して、(a)画素と基準画像の相関データとの比較結果、及び(b)画素の選択した画像セグメントに依存する決定規則に基づいて画素を評価するステップをさらに含む。
【0024】
任意に、取得ステップは、テンプレートと検査画像の複数の部分との照合に基づいて複数のアンカー位置を計算するステップを含むことができる。
【0025】
任意に、この方法は、テンプレートを生成するステップをさらに含むことができ、この生成ステップは、被検査物基準領域の基準画像の少なくとも一部をダウンサンプリングするステップを含む。
【0026】
任意に、基準画像に基づいてマスクを決定することができる。
【0027】
任意に、この方法は、CADデータから生成された基準画像を処理することによりテンプレートを生成するステップをさらに含むことができる。
【0028】
任意に、被検査物は、電子回路、ウェハ及びフォトマスクから成る群から選択される。
【0029】
任意に、アンカー位置を計算する精度は、検査画像の解像度を上回る。
【0030】
任意に、複数の部分のうちの少なくとも2つは、少なくとも部分的に重なり合う。
【0031】
任意に、この方法は、CADデータから生成された基準画像を処理することによりテンプレートを生成するステップをさらに含むことができる。
【0032】
任意に、欠陥の存在を判断するステップは、検査画像の異なる領域に対して定義された異なる検出方式に基づき、この定義はセグメント化に基づく。
【0033】
任意に、この方法は、複数のマスクセグメントの1又はそれ以上に関する検査画像の複数の画素の各々の分布を特定するステップを含むことができ、セグメント化ステップは、この複数の画素の特定された分布に基づく。
【0034】
任意に、欠陥の存在を判断するステップは、(a)異なる欠陥検出セグメントを定める欠陥検出マスク及び検査画像に関する特定された位置に基づいて、欠陥検出セグメントの1又はそれ以上に関する潜在的欠陥の欠陥検出分布を特定するステップと、(b)この欠陥検出分布に基づいて潜在的欠陥を分類するステップとを含む。
【0035】
任意に、欠陥の存在を判断するステップは、1又はそれ以上のマスクセグメントに関する潜在的欠陥の分布を、検査画像の解像度を上回る精度で特定するステップと、この分布に基づいて潜在的欠陥を分類するステップとを含む。
【0036】
任意に、欠陥の存在を判断するステップは、検査画像の少なくとも1つの部分(潜在的欠陥に相関する部分)が割り当てられた1又はそれ以上の画像セグメントの選択に基づいて潜在的欠陥を分類するように構成され得る。そのような分類は、実施される場合、被検査物の動作性に対する影響が異なる欠陥タイプに
対して対応する分類が異なる分類方式に従って潜在的欠陥を分類するステップを含む。
【0037】
本発明の態様によれば、本明細書において、被検査物の検査画像内で識別された潜在的欠陥を分類する方法を実行するための、機械により実行可能な命令のプログラムを明白に具体化する、機械により読み取り可能なプログラム記憶装置を開示し、この方法は、検査画像の複数の部分のうちの各部分を複数の画像セグメントから選択したそれぞれの画像セグメントに割り当てることにより、(i)検査画像に関する複数のアンカー位置を取得するステップと、(ii)複数のアンカー位置と、複数のマスクセグメントを定めるマスクとに基づいて検査画像をセグメント化するステップとを含み、この複数の画像セグメントは、複数のマスクセグメントの少なくとも1つのマスクセグメントに対応し、(iii)セグメント化に基づいて検査画像における欠陥の存在を判断するステップをさらに含み、欠陥の存在の判断は、検査画像の複数の画素のうちの各画素に関して(a)画素と基準画像の相関データとの比較結果、及び(b)画素の選択した画像セグメントに依存する決定規則に基づいて画素を評価するステップを含む。
【0038】
任意に、取得ステップは、テンプレートと検査画像の複数の部分との照合に基づいて複数のアンカー位置を計算するステップを含むことができる。
【0039】
任意に、この方法は、テンプレートを生成するステップをさらに含むことができ、この生成ステップは、被検査物基準領域の基準画像の少なくとも一部をダウンサンプリングするステップを含む。
【0040】
任意に、マスクは、基準画像に基づいて決定される。
【0041】
任意に、この方法は、CADデータから生成された基準画像を処理することによりテンプレートを生成するステップをさらに含むことができる。
【0042】
任意に、被検査物は、電子回路、ウェハ及びフォトマスクから成る群から選択される。
【0043】
任意に、アンカー位置を計算する精度は、検査画像の解像度を上回る。
【0044】
任意に、複数の部分のうちの少なくとも2つは、少なくとも部分的に重なり合う。
【0045】
任意に、この方法は、CADデータから生成された基準画像を処理することによりテンプレートを生成するステップをさらに含むことができる。
【0046】
任意に、欠陥の存在を判断するステップは、検査画像の異なる領域に対して定義された異なる検出方式に基づき、この定義はセグメント化に基づく。
【0047】
任意に、この方法は、複数のマスクセグメントの1又はそれ以上に関する検査画像の複数の画素の各々の分布を特定するステップを含むことができ、セグメント化ステップは、この複数の画素の特定された分布に基づく。
【0048】
任意に、欠陥の存在を判断するステップは、(a)異なる欠陥検出セグメントを定義する欠陥検出マスク及び検査画像に関する特定された位置に基づいて、欠陥検出セグメントの1又はそれ以上に関する潜在的欠陥の欠陥検出分布を特定するステップと、(b)欠陥検出分布に基づいて潜在的欠陥を分類するステップとを含むことができる。
【0049】
任意に、欠陥の存在を判断するステップは、1又はそれ以上のマスクセグメントに関する潜在的欠陥の分布を、検査画像の解像度を上回る精度で特定するステップと、この分布に基づいて潜在的欠陥を分類するステップとを含むことができる。
【0050】
任意に、欠陥の存在を判断するステップは、検査画像の少なくとも1つの部分(潜在的欠陥と相関する部分)が割り当てられた1又はそれ以上の画像セグメントの選択に基づいて潜在的欠陥を分類するように構成され得る。そのような分類は、実施される場合、被検査物の動作性に対する影響が異なる欠陥タイプに
対して対応する分類が異なる分類方式に従って潜在的欠陥を分類するステップを含む。
【0051】
ここで、本発明を理解し、実際に本発明をどのように実施できるかが分かるように、添付図面を参照しながら実施形態をほんの非限定的な例として説明する。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図を単純かつ明確にするために、図に示す要素は、必ずしも尺度通りに示していないと認識されよう。例えば、明確にするために、要素の一部の寸法を他の要素に対して誇張していることがある。さらに、妥当と考えられる場合、対応又は類似する要素を示すために複数の図において参照数字を繰り返していることがある。
【0054】
以下の詳細な説明では、本発明を完全に理解できるように数多くの特定の詳細を記載している。しかしながら、当業者であれば、これらの特定の詳細を伴わずに本発明を実施できると理解するであろう。場合によっては、本発明を曖昧にしないように、周知の方法、手順、構成要素については記載していない。
【0055】
記載する図面及び説明では、異なる実施形態又は構成に共通する構成要素を同じ参照番号によって示す。
【0056】
特に記載しない限り、以下の説明から明らかなように、本明細書を通じて、処理する、計算する、判断する、生成する、設定する、選択するなどの用語を利用して説明する内容は、データを操作する、及び/又は他のデータに変換するコンピュータの動作及び/又はプロセスを含み、これらのデータは、電子量などの物理的数量として表され、及び/又は物理的オブジェクトを表すと理解されたい。「コンピュータ」という用語は、非限定的な例として、パーソナルコンピュータ、サーバ、コンピューティングシステム、通信装置、(デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)などの)プロセッサ、他のあらゆる電子計算装置及び/又はこれらのあらゆる組み合わせを含む、データ処理能力を有するあらゆる種類の電子装置を含むと広く解釈すべきである。
【0057】
本明細書の教示による動作は、所望の目的のために特別に構築されたコンピュータにより、又はコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムによって所望の目的のために特別に構築された汎用コンピュータにより実行することができる。
【0058】
本明細書で使用する「例えば(for example)」、「など(such as)」、「例えば(for instance)」という語句、及びこれらの変形は、本開示の主題の非限定的な実施形態を説明するものである。本明細書における「1つの場合(one case)」、「いくつかの場合(some cases)」、「その他の場合(other cases)」又はこれらの変形に対する言及は、(単複の)実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造又は特性が、本開示の主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、「1つの場合」、「いくつかの場合」、「その他の場合」という語句又はこれらの変形が出現しても、これらが必ずしも同じ(単複の)実施形態を示すわけではない。
【0059】
明確にするために別個の実施形態の文脈で説明する本開示の主題のいくつかの特徴は、1つの実施形態において組み合わせて提供することもできると認識されたい。逆に、簡潔にするために1つの実施形態の文脈で説明する本開示の主題の様々な特徴を、別個に又はあらゆる好適な下位の組み合わせで提供することもできる。
【0060】
本開示の主題の実施形態では、図に示す1又はそれ以上の段階を異なる順序で実行すること、及び/又は段階の1又はそれ以上のグループを同時に実行することができ、逆もまた同様である。図には、本開示の主題の実施形態によるシステムアーキテクチャの一般的な概略図を示している。図中の各モジュールは、本明細書で定義及び説明する機能を実行するソフトウェア、ハードウェア及び/又はファームウェアのあらゆる組み合わせで構成することができる。図中のモジュールは、1つの場所に集中させても、又は複数の場所にわたって分散させてもよい。
【0061】
図2は、本発明の実施形態による、被検査物50の検査画像内における欠陥の検出に使用できる分析システム1200のブロック図である。必ずしもそうとは限らないが、被検査物は、電子回路、ウェハ及びフォトマスクから成る群から選択することができる。なお、他の実装では、システム1200を、欠陥検出以外の目的に、特にシステム1200により実施されるような検査画像のセグメント化を必要とする利用に使用することができる。
【0062】
検査画像自体に関して言えば、システム1200は、検査画像を多くの方法で取得することができる。例えば、システム1200を、(例えば、その異なる製造段階中に)ウェハ又はその他の種類の被検査物を検査するために使用する検査機1210と組み合わせることができる。別の実装では、システム1200をこのような検査機に接続することができ、又は同時に機械の1つのみに接続されたオフライン装置によって検査画像を送信することができる。また、システム1200は、以下で説明する修正及び/又は特徴の一部又は全部を統合した検査機であってもよい。一般的に、システム1200は、検査オブジェクトを検査し、この検査に基づいて検査画像を提供するように構成されたセンサを含むことができる。
【0063】
以下でより詳細に説明するように、システム1200の構成要素の1又はそれ以上を使用して、走査したウェハ画像内の欠陥を検出することができる。このような検出の結果は、後でウェハを製造する際に、及び/又はその後のウェハ検査段階で使用することができる。以下で説明する方法1500に照らして見れば、システム1200が動作できる方法の一部がより明らかになるであろう。
【0064】
システム1200は、検査画像に関する複数のアンカー位置を取得するように構成されたコンピュータ化したアンカー処理モジュール1220(「相関器1220」とも呼ばれる)を含む。任意に、アンカー処理モジュールは、テンプレートと検査画像の複数の部分とを照合することによってこれを行うように構成される。例えば、アンカー処理モジュール1220を、テンプレートと検査画像の異なる部分の間の相関性を計算して、テンプレートとの相関性が最も高い部分に基づいてアンカー位置を定めるように構成することができる。任意に、アンカー処理モジュール1220を、検査画像内の1又はそれ以上の所定のセルサイズの複数のセル領域を選択する(例えば、相関結果に基づいて最も相関性の高い領域を選択する)ように構成することもできる。
【0065】
なお、必ずしもそうとは限らないが、コンピュータ化したアンカー処理モジュール1220を、検査画像の解像度を上回る精度でアンカー位置を計算するように構成することもできる。アンカー処理モジュール1220が動作できる方法の例については、方法1500の段階1530及び1540に関連してさらに詳細に説明する。
【0066】
テンプレートは、基準データ入力インターフェイス1202から受け取ることができ、又は画像処理モジュール1230などのシステム1200の構成要素によって生成することができる。検査画像は、検査結果インターフェイス1204を介して受け取ることができ、又は撮像システム1210(「検査機」とも呼ばれる)によって取得することができる。
【0067】
システム1200は、画像処理モジュール1230を含むことができる。任意に、画像処理モジュール1230を、(例えば、以下で説明するマスクにより定められるサイズに等しいサイズの)アンカー位置に関連する(
図6及び
図7の1110で示す)領域を検査画像の解像度よりも高い解像度にアップサンプリングするように構成することができる。その他の実装では、画像処理モジュールが、(さらなる画像処理を行うかどうかに関わらず)検査画像の一部を単純に切り取ってセグメント化モジュール1250に(又は分布分析モジュール1240に)送信することができる。画像処理モジュール1230が任意に動作できる方法の例については、方法1500の段階1550に関連してさらに詳細に説明する。
【0068】
システム1200は、異なるセグメントに関する分布を特定するように構成された分布分析モジュール1240を含むことができる。例えば、分布分析モジュール1240を、アンカー位置及び異なるマスクセグメントを定めるマスクに基づいて、マスクのマスクセグメントの1又はそれ以上に関する検査画像の異なる部分の(例えば、その画素の)分布を特定するように構成することができる。
【0069】
分布分析モジュール1240は、検査画像の複数の画素の各々について、複数のマスクセグメントの1又はそれ以上に関する画素の分布を特定するように構成することができる。このような実施によれば、コンピュータ化したセグメント化モジュール1250を、複数の画素の特定された分布に基づいて画像セグメントの1又はそれ以上に複数の部分のうちの部分を割り当てるように構成することができる。
【0070】
分布分析モジュール1240が動作できる方法の例については、方法1500の段階1550、及び
図6及び
図7に関連してさらに詳細に説明する。
【0071】
以下でより詳細に説明するように、本発明の実施形態によれば、分布分析モジュール1240を、マスクの解像度に関するサブピクセルレベルでこれらの分布を特定するように構成することができる。
【0072】
コンピュータ化したセグメント化モジュール1250は、(画像処理モジュール1230、共有バスなどを介して)コンピュータ化したアンカー処理モジュール1220に動作可能に接続され、複数のアンカー位置及び(上述したように複数のマスクセグメントを定める)マスクに基づいて検査画像をセグメント化するように構成される。なお、セグメント化モジュール1250は、セグメント化中、検査画像の異なる部分に関連するさらなる要素を使用することができる。セグメント化モジュール1250が動作できる方法の例については、方法1500の段階1550に関連してさらに詳細に説明する。
【0073】
セグメント化モジュール1250は、複数の画像セグメントから選択したそれぞれの画像セグメントに検査画像(例えば、その各画素)の複数の部分の各部分を割り当てることによって検査画像をセグメント化し、複数の画像セグメントは、複数のマスクセグメントのうちの少なくとも1つのマスクセグメントに対応する。
【0074】
システム1200の(コンピュータ化したセグメント化モジュール1250に動作可能に接続された)欠陥検出プロセッサ1260は、このセグメント化に基づいて検査画像内の欠陥の存在を判断するように構成される。欠陥検出プロセッサ1260は、少なくとも、(a)画素と基準画像の相関データとの比較結果及び(b)画素に関する選択された画像セグメントに依存する決定規則に基づいて、検査画像の複数の画素の各画素を評価することにより欠陥の存在を判断するように構成することができる。欠陥検出プロセッサ1260が動作できる方法の例については、方法1500の段階1560に関連してさらに詳細に説明する。
【0075】
基準画像の相関データは、例えば、その基準画像の対応する画素(例えば、画像を位置合せした後に同じ位置に存在する画素)、(例えば、比較する画像の画素が被検査物の同じ物理サイズに対応しない場合)いくつかの画素データの平均、(例えば、CADデータから生成される)ベクトル基準画像のベクトル情報から計算される相関データなどとすることができる。必ずしもそうとは限らないが、この相関データは、被検査物の実質的に同じ領域又は実質的に同様の領域(例えば、同じウェハの別のチップ内の平行領域)に関連する。
【0076】
例えば、欠陥検出プロセッサ1260を、検査画像の少なくとも一部のセグメント化に基づいて検査画像の異なる領域に対して異なる検出方式を定義するように構成できるのに対し、欠陥検出プロセッサ1260は、この定義の結果に基づいて欠陥の存在を判断するように構成される。このような実施では、異なる画像セグメントを使用して検査画像を画像セグメントにセグメント化し、異なる欠陥検出方式を実施することができる。以下のような2、3の例が挙げられる。
・異なる画像セグメントは、異なる関心レベルを示すことができる。
・異なる画像セグメントは、異なる計算能力を使用して欠陥がないかどうかを異なる解像度で分析し、又は異なる相対的リソース量を別様に実現することができる。
・異なる画像セグメントは、異なる欠陥検出方式(例えば、チップ間、チップと複数のチップの間、チップとデータベースの間、セル間など)を使用して分析することができる。
・異なる画像セグメント内では、欠陥検出のための異なる閾値を実施することができる。
・異なる画像セグメント内では、異なる種類の欠陥を探すことができる。
【0077】
上述したように、複数の画像セグメントは、複数のマスクセグメントのうちの少なくとも1つのマスクセグメントに対応する。異なる実施では、画像セグメントとマスクセグメントの間の異なる対応関係を適用することができる。
【0078】
欠陥検出プロセッサ1260は、検査画像の少なくとも一部のセグメント化に基づいて検査画像の異なる領域に対して異なる検出方式を定義するように構成することができるが、セグメント化に基づいて検査画像の異なる領域のための単一の検出方式の異なるパラメータを定義するように構成することもできる。例えば、欠陥検出プロセッサ1260を、(a)検査画像とそれぞれの基準画像(例えば、第2の検査画像)の対応する画素間の差分を計算し、(b)検査画像の複数の画素のうちの各画素について、(i)画素が含まれるペアの計算した差分、及び(ii)画素の選択された画像セグメントに依存する決定規則に基づいて画素を評価するように構成することができる(例えば、決定規則は、その画素の選択された画像セグメントに基づいて選択される閾値との差分の比較を必要とし得る)。
【0079】
システム1200は、(セグメント化モジュール1250の)セグメント化の結果及び/又は欠陥検出プロセッサ1260により存在が判断された欠陥(例えば、注目に値するものとして分類された欠陥のみ)の情報を有形記憶装置に記憶するための(ハードドライブディスク、フラッシュドライブなどの)有形記憶装置1275を含むことができる。システム1200は、このような情報(又はその一部)を(例えば、ケーブル接続又は無線接続を介して)外部システムに送信するための出力インターフェイス1270を含むこともでき、この外部システムは、これらのセグメント化及び/又は欠陥情報に基づいて動作することができる。
【0080】
システム1200は、検査モジュールを含むこともでき、この検査モジュールは、ウェハなどの被検査物を走査することによって上述した検査画像を提供する上述の検査機1210とすることができ、或いは検査画像の解像度よりも高い解像度でウェハ(又はその他の被検査物)を検査するように構成された後方検査モジュール1280とすることができる。
【0081】
例えば、この検査モジュールを、セグメント化に基づいて選択された被検査物の領域(例えば、いくつかの画像セグメントに対応するが、他の画像セグメントの少なくとも1つには対応しない被検査物の部分)を検査画像の解像度よりも高い解像度で選択的に走査するように構成することができる。後方検査モジュール1280の視野は検査機1210より狭くてもよいが、必ずしも狭いわけではない。
【0082】
この例では、欠陥検出モジュール1260が、高い解像度で走査された領域のみの欠陥を検索することができる。しかしながら、欠陥検出モジュール1260は、(追加の検査データを必要とせずに)検査画像に直接作用することができ、1又はそれ以上の欠陥の存在を判断するために別様にセグメント化を実施することができる。例えば、欠陥検出モジュール1260は、検査画像の異なる部分に異なる閾値(又はその他の欠陥検出基準)を割り当てるためにセグメント化を使用することによってこれを行うことができる。
【0083】
なお、検査機1210及び/又は後方検査モジュール1280を実装する場合には、光学撮像機、電子ビーム検査機、レーダー、LIDARなどの様々な種類の検査機として実装することができる。
【0084】
通常、ウェハ内の(又は別の被検査物内の)欠陥の特定は、光学検査及び電子ビーム検査などの異なる技術を使用して行うことができる。システム1200を利用することにより、複数の検査技術の使用を容易にすることができる。例えば、ウェハの初期検査は、まず検査システム1200によって(例えば、粗く素早い検査向けに設定された光学検査又は電子ビーム検査を使用して)比較的迅速かつ粗く行われる。その後、初期検査で見つかった潜在的欠陥(分類器1250の分類結果に基づいて選択)の一部を、比較的低速ではあるがより正確な検査を使用して再び検討する。このような後からの走査は、検査機1210の別のモードで、又は異なる後方検査モジュール1280において(例えば、DRSEM−欠陥検討走査型電子顕微鏡により、「再検討」とも呼ばれるプロセスで)実施することができる。
【0085】
上述したマスクを参照すると、このマスクは、任意にマスクセグメントの数よりも少ない複数の種類のマスクセグメントを定めることができる。このような実施では、分布分析モジュール1240を、タイプの1又はそれ以上の間で潜在的欠陥の種類に基づく分布を特定するように構成することができ、セグメント化モジュール1250を、この種類に基づく分布に基づいて検査画像をセグメント化するように構成することができる。しかしながら、説明を簡単にするために、各マスクセグメントを他のマスクセグメントとは無関係に処理すると仮定する。
【0086】
必ずしもそうとは限らないが、異なるマスクセグメントは、原材料、反射値、電導率などの、被検査物の物理的特性が異なる部分に対応することができる。以下でより詳細に説明するように、セグメント化モジュール1250を、被検査物の動作性に対する影響が異なる欠陥タイプに対する脆弱性に対応する画像セグメントに検査画像をセグメント化するように構成することができる。
【0087】
なお、マスクは、システム1200に提供することも、又はシステム1200によって生成することもできる。任意に、システム1200は、プロセッサ上に(例えば、画像処理モジュール1230上に)実装された基準データ生成器を含むことができる。この基準データ生成器は、(a)被検査物基準領域の基準画像に基づいてマスクを定義すること、(b)このような基準画像(場合によっては同じ画像であるが、必ずしもそうとは限らない)の一部をダウンサンプリングすること、及び(c)ダウンサンプリングの結果に基づいてテンプレートを生成すること、のうちのいずれか1つ又はそれ以上を行うように構成される。マスク及び/又はテンプレートの生成に使用される基準画像は検査画像であってもよく、CADデータから生成された画像であってもよい。このような基準データ生成器が動作できる方法の例については、方法1600及び
図9に関連してさらに詳細に説明する。
【0088】
上述したように、システム1200は、複数の画像セグメントの1又はそれ以上に関する潜在的欠陥の分布及び/又は複数のマスクセグメントの1又はそれ以上に関する検査画像の様々な画素の分布を特定するように構成された分布分析モジュール1240を含むことができる。
【0089】
任意に、このような実装では、欠陥検出プロセッサ1260を、分布に基づいて潜在的欠陥を分類するように構成することができる。例えば、この分類は、被検査物の動作性に対する影響が異なる欠陥タイプに対応する分類に従って潜在的欠陥を分類するステップを含むことができる。
【0090】
欠陥検出プロセッサ1260は、検査画像の少なくとも1つの部分(潜在的欠陥と相関する部分)が割り当てられた1又はそれ以上の画像セグメントの選択に基づいて潜在的欠陥を分類するように構成することもできる。そのような分類は、実施される場合、被検査物の動作性に対する影響が異なる欠陥タイプに
対して対応する分類が異なる分類方式に従って潜在的欠陥を分類するステップを含む。
【0091】
このような分類方法は、例えば、ウェハ又はフォトマスクの潜在的欠陥を「エッジ粗さ」欠陥と「短ゲート」欠陥に分類するステップを含むことができる。
【0092】
システム1200は、基準データ入力インターフェイス1202を介して外部システムからマスク及びテンプレートを受け取る代わりに、被検査物基準領域の基準画像に基づいてマスクを定めるように構成された基準データ生成器(例えば、マスク生成モジュール1290)を含むことができる。
【0093】
このシステム1200の基準データ生成器を、基準画像の一部をダウンサンプリングし、このダウンサンプリングの結果に基づいてテンプレートを生成するように構成することができる。テンプレートの解像度は、基準画像及び/又は検査画像の解像度よりも低い場合があるが、テンプレートの生成では、ダウンサンプリングに加えて又はその代わりに単純なダウンサンプリング以外の画像加工技術を実施することもできる。基準データ生成器は、CADデータから基準画像を生成し、又は走査画像を基準として使用するように構成することができる。
【0094】
上述したように、システム1200及びその構成要素が動作できる方法のいくつかについては、方法1500に関連してより詳細に説明する。
【0095】
システム1200は、ランタイム検査結果の全体的分類(画像ベースの属性化、IBA)を行うコンピュータなどのコンピュータ(PCなど)上で実施することができるが、必ずしもそうとは限らない。システム1200のモジュール又は構成要素の各々は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はこれらのいずれかの組み合わせで実行することができる。また、システム1200は、図示していない、また存在することが当業者に明らかな、電源、ディスプレイなどのその他の構成要素などを含むこともできる。
【0096】
図3Aは、本発明の実施形態による、被検査物の検査画像内の欠陥を検出するためのコンピュータ化した方法1500のフロー図である。検査画像は、複数の画素を含む。先の図面に示した例を参照すると、方法1500は、システム1200によって実施することができる。システム1200の異なる実施形態は、たとえ明確に詳述していなくても、方法1500の様々な開示する変形例を実施することができる。同様に、方法1500の異なる実施形態は、たとえ説明を簡潔かつ明瞭にするために繰り返す必要がなかったとしても、実行することによってシステム1200の様々な開示する変形例を満たす段階を含むことができる。
【0097】
方法1500は、非常に微細なスケール(例えば、ミリメートル又はナノスケールの物体)から、飛行機又は衛星から撮像した地理的領域などのより大きな物体までの様々な種類の被検査物に対して実施することができる。識別される項目は、(航空画像内で戦車を探すことなどの)特定の項目又はそのグループの場合もあるが、例えば(織物内の孔又はウェハ内の潜在的な製造欠陥などの)予想パターンから逸脱したものの場合もある。
【0098】
本開示を明確にするために、電子回路、ウェハ及びフォトマスクから成る群から選択された被検査物(電子回路の製造、又はフォトリソグラフィなどの、このようなフォトマスクに光を透過させるプロセスにおける他の物体の製造に使用できる部分的に透明な板)の修正例を使用して、方法1500の異なる段階を例示する。このような事例では、検査画像内で識別される1又はそれ以上の項目を、潜在的欠陥の例を使用して例示する。にもかかわらず、当業者であれば、これがほんの一例にすぎず、その他の多くの種類の被検査物及び検査画像内で識別される(上述した例のような)項目を実施できると理解するであろう。
【0099】
方法1500は、被検査物の少なくとも一部を撮像した検査画像を含む検査結果を受け取る段階1510を含むことができる。先の図面に示した例を参照すると、段階1510は、システム1200の検査結果インターフェイス1204などの検査結果インターフェイスによって実施することができる。後の段階は、検査画像全体に対して必ずしも実行されるわけではないので、この受け取るステップは、方法1500の以下の段階を実施すべき検査画像の部分に関する指示を含むことができる。
【0100】
明らかに、検査画像の受け取りは、検査画像を取り込む(又は別様に生成する)段階として行うことができる。例えば、この段階は、光学写真撮影術、電子ビーム検査、レーザビーム検査などによって行うことができる。同様に、項目識別情報は、外部エンティティから受け取ることによって取得できるだけでなく、検査画像を画像処理し、この画像処理結果に基づいて項目識別情報を生成することにより取得することもできる。
【0101】
方法1500は、以下「テンプレート」及び「マスク」と呼ぶデータ要素の少なくとも一方を含む基準データを受け取るステップを含む段階1520を含むこともでき、これらの内容及び使用については後述する。別の実装では、これらのデータ要素の1又はそれ以上を方法の一部として作成することができる。このようなデータ要素の作成については、方法1500の一部として又はこれとは別に実施できる方法1600に関連して説明する。先の図面に示した例を参照すると、段階1520は、システム1200の基準データ入力インターフェイス1202などの基準データ入力インターフェイスによって実施することができる。テンプレート、マスク及びセグメント化規則は、ユーザ定義、機械定義などとすることができる。
【0102】
段階1520は、セグメント化を適用すべき検査画像の部分(又は複数の部分)の指示を含むことができる。このような指示を受け取った(或いは方法1500の一部として決定した)場合、以下の段階は、任意にこの(1又は複数の)部分に対してのみ実施される。
【0103】
図4を参照して、テンプレート及びマスクデータ要素を導入する。
図4には、本発明の実施形態によるテンプレート1300及びマスク1400の表現を示している。本発明のこのような実施形態によれば、テンプレート1300は画像である。テンプレート画像は、被検査物の一部の実際の画像であっても、又は同様の画像であってもよい。例えば、テンプレート1300の画像データは、被検査物(又は以下で説明するような同様の基準オブジェクト)の一部を実際に撮像することによって取得することができる。他の実施形態では、テンプレート1300の画像データを処理設計データ(CADデータなど)によって取得することができる。以下で説明するように、テンプレートの画像データは、より解像度の高い原画像の少なくとも一部をダウンサンプリングする(すなわち、空間分解能を低減する)ことによって取得することができる。受け取られるテンプレートの解像度は、ランタイム検査画像の解像度と同じ場合もあるが、必ずしもそうとは限らない。
【0104】
(400で示す領域によって表す)マスクは、異なるセグメント1410(以下「マスクセグメント」とも呼ぶ)を定める。これらのセグメントは、所定の領域(「セルサイズ領域」とも呼ばれる。単位の変換を適用することができるが、セルサイズ領域という文脈での「サイズ」という用語は、ウェハを検査する際のウェハの検査される層の平面などの検査面の座標に関する)に対して定められる。
【0105】
異なるマスクセグメント1410は、同じサイズ又は異なるサイズ、及び同じ形状又は異なる形状であってもよい。マスクセグメント1410を矩形として示しているが、必ずしもそうとは限らず、その他の形状のマスクセグメント1410を実現することもできる。様々なマスクセグメント1410は、マスクの領域全体をカバーすることができるが、必ずしもそうとは限らない。
【0106】
マスクのサイズは、外部データに応答して、又は別様に定めることができる。例えば、被検査物が(例えば
図5及び
図7に例示するような)繰り返しパターンを含む場合、マスクのサイズは、(
図7に1180で示す)繰り返し領域のサイズ又はその一部に対応することができる。
【0107】
任意に、マスク1400により定められるマスクセグメント1410は、複数の種類のもの(この場合、種類の数はセグメントの数よりも少ない)であってもよい。このことを、
1410(1)で示す3つのセグメントが同じ種類のものであるという点で例示している。マスクセグメント1410(又は、異なる種類のセグメントの)の各々は、被検査物の物理的特性が異なる部分に対応することができる。例えば、被検査物内の異なる導電率レベルは、異なる種類のセグメントに対応することができる。
【0108】
方法1500によって分析される項目の(1又は複数の)種類に従って、様々なマスクセグメント1410(又は異なる種類のセグメント)を定めることができる。例えば、方法1500を潜在的欠陥の分類に使用する場合、異なるマスクセグメント1410(又はこれらの種類)は、欠陥に対する脆弱性が異なる及び/又は異なる種類の欠陥を有する可能性が異なる(ウェハ、電子回路又はフォトマスクなどの)被検査物の異なる部分に対応することができる。なお、いくつかの実装では、互いに接続されていない領域を単一のセグメントによってカバーすることができる。例えば、このような実装では、マスクセグメント1410(1)を、同じ種類の複数のセグメントとしてのみではなく、全て単一のセグメントと見なすことができる。
【0109】
マスクは、異なる形式で記憶することができる。例えば、(異なる色が異なる種類のセグメントに対応する)画像として、(例えば、セグメントの各々の開始点、寸法及び場合によっては種類を示す)テーブルとして、ベクトル形式で、などによって記憶することができる。
【0110】
図4では、テンプレート1300及び(400で示す)表示したマスクが、いずれも被検査物の(場合によっては異なる解像度を有するが)同様のサイズの領域に対応する。しかしながら、例えば、
図6に例示するような他の実装では、テンプレート及びマスクが関連する物理的領域が互いに異なってもよい。このような場合、これらの対応する領域の一方を(
図6に例示するように)他方の領域に含めてもよく、部分的に重なり合ってもよく、さらには重なり合わなくてもよい。
【0111】
図3Aに戻ると、方法1500の段階1540は、検査画像に関する複数のアンカー位置を取得するステップを含む。これらのアンカー位置は、外部システムから取得することができ、又は方法の一部として生成することもできる。以下でより詳細に説明する例では、テンプレートと検査画像の複数の部分との照合に基づいて、方法1500の一部としてアンカー位置を計算することができる。
【0112】
アンカー位置の各々は、検査画像の複数の部分の1つに対応する。先の図面に示した例を参照すると、ステップ1540は、システム1200のアンカー処理モジュール1220などのアンカー処理モジュールによって実施することができる。なお、任意に、これらの部分の少なくとも2つは、(例えば、
図5のBとCのペアの場合と同様に)少なくとも部分的に重なり合う。
図6の例を参照すると、例えば、(無次元ポイント又は別の種類のアンカーとすることができる)アンカー1120の位置をアンカー位置とすることができる。
【0113】
方法1500は、複数のアンカー位置及び複数のマスクセグメントを定めるマスクに基づいて検査画像をセグメント化する段階1550に続く。例えば、このマスクは、
図4に示すマスク1400などのマスクとすることができる。段階1550のセグメント化は、検査画像の複数の部分の各部分を、複数の画像セグメントから選択したそれぞれの画像セグメントに割り当てることによって行われ、これらの複数の画像セグメントは、複数のマスクセグメントのうちの少なくとも1つのマスクセグメントに対応する。先の図面に関連して示した例を参照すると、段階1550は、システム1200のセグメント化モジュール1250などのセグメント化モジュールによって実施することができる。
【0114】
例えば、(画像セグメントの1つに割り当てられた)検査画像のこのような各部分は、単一の画素とすることができる。このような実施によれば、複数の画像セグメントから選択されたそれぞれの画像セグメントに検査画像の複数の画素(例えば、検査画像の矩形領域内の、100×100の画素領域の画素全て)の各画素を割り当てることによって段階1550を実施することができる。
【0115】
他の実施では、画像セグメントの1又はそれ以上に割り当てられる検査画像の部分の一部又は全部が、単一画素より小さくても及び/又は大きくてもよい(さらに、必ずしも連続部分ではない)。しかしながら、説明を簡単にするために、以下の例では、このような各部分を検査画像の単一の画素と仮定する。
【0116】
必ずしもそうとは限らないが、異なる画像セグメントは、被検査物の原材料、反射値、電導率などの物理的特性が異なる部分に対応することができる。以下でより詳細に説明するように、段階1560における(セグメント化に基づく)検査画像内の欠陥の存在の判断について、検査画像内の欠陥の存在は、被検査物内のその動作性レベルに影響を与える現象(欠陥など)を示
し得るものである。
【0117】
異なる画像セグメントを使用して検査画像を画像セグメントにセグメント化し、異なる欠陥検出方式を実施することができる。ほんの数例では、
・異なる画像セグメントは、異なる関心レベルを示すことができる。
・異なる画像セグメントは、異なる計算能力を使用して欠陥がないかどうかを異なる解像度で分析し、又は異なる相対的リソース量を別様に実現することができる。
・異なる画像セグメントは、異なる欠陥検出方式(例えば、チップ間、チップと複数のチップの間、チップとデータベースの間、セル間など)を使用して分析することができる。
・異なる画像セグメント内では、欠陥検出のための異なる閾値を実施することができる。
・異なる画像セグメント内では、異なる種類の欠陥を探すことができる。
【0118】
上述したように、複数の画像セグメントは、複数のマスクセグメントのうちの少なくとも1つのマスクセグメントに対応する。異なる実施では、画像セグメントとマスクセグメントの間の異なる対応関係を適用することができる。
【0119】
図5に、マスクの画像セグメントとマスクセグメントの間のいくつかの対応関係を示す。検査画像100の各縦のペアは、同じ検査画像を表す。
【0120】
これらのペアの各々では、画像100の上部のバージョンに(各々がペア「A」で1400として表される)複数のマスクサイズ領域が重なる。検査画像100に関するマスク1400の表現位置は、(テンプレートと検査画像100の複数の部分との照合に基づいて)ステップ1540において検査画像100に関して特定した(ペア「A」に1120で示す)複数のアンカー位置に関連して特定することができる。なお、マスクセグメント1410と検査画像100の間の相関性については、以下で説明する
図6に関連してより詳細に説明する。
【0121】
ペアの各々では、画像100の下部のバージョンがセグメント化の表現であり、異なる画像セグメント1710を示している。ペアB及びCでは、これらのペア内の画像セグメントの一部のサイズが不足しているため、画像セグメント1710(4)及び1710(8)を、それぞれ(4)及び(8)と省略して示していることがある。
【0122】
各ペア内の検査画像100は同じ画像であることを想定しているが、異なるペアの画像100間にはこのような関係が存在しない。
【0123】
ペアA内の関係は、実質的に全単射関数のかなり単純な関係であり、各画像セグメント1710に対して正確に1つの対応するマスクセグメント1410が存在する。(例えば、ペアAに示すように)検査画像100の全ての領域が必ずしもマスクのある部分に対応するわけではないので、その他の領域は、1710(0)で示す画像セグメントに割り当てられる。
【0124】
ペアB及びCに例示するように、検査画像100の領域には、複数のマスクセグメント1410に対応できるものもある。これは、(図示の例のように)検査画像のマスク領域が部分的に重なり合って相関した結果として生じることがある。
【0125】
ペアBの関係では、検査画像100のマスクセグメント1410(6)に対応する領域が、画像セグメント1710(3)に割り当てられ、検査画像100のマスクセグメント1410(5)に対応する領域は、同時にマスクセグメント1410(6)に対応していない限り画像セグメント1710(4)に割り当てられる。すなわち、割り当て段階1550は、複数のマスクセグメントに対応する領域の1又はそれ以上を(例えば、ペアBに例示するようにマスクセグメントの階層に基づいて)割り当てて単一の画像セグメントにするステップを含むことができる。画像セグメント1710(5)には、マスクセグメント1410(7)に対応する領域、又はどのマスクセグメントにも対応しない領域が割り当てられる。
【0126】
ペアCの検査画像100は、(本発明の異なる実施であるか、単一画像の異なるセグメント化の例であるかに関わらず単一の検査に対して異なるセグメント化規則を実施できるので)ペアBのものと同様である。
【0127】
ペアCの関係では、マスクセグメント1410(5)及び1410(6)の両方に対応する検査画像100の領域が、(
図5に黒の網掛けで示す)画像セグメント1710(8)に割り当てられる。検査画像100のマスクセグメント1410(6)に対応する領域、又はこのような領域からN画素の距離内に位置する領域は、(画像セグメント1710(8)にも割り当て可能な領域を除き)画像セグメント1710(7)に割り当てられる。
【0128】
N画素の距離内にある検査画像の領域の割り当ては、段階1550が、検査画像の別の部分の1又はそれ以上のマスクセグメントとの対応関係に基づいて、画像セグメントに検査画像の第1の部分を割り当てるステップを含むことができる例である。
【0129】
図3Aに戻ると、段階1550のセグメント化は、アンカー位置及びマスクに様々な形で依存することができる。段階1550のセグメント化は、セグメント化規則(「セグメント化論理」と呼ぶこともできる)にさらに基づくことができる。
【0130】
セグメント化規則は、検査画像の所与の部分(画素など)をどの画像セグメントに割り当てるべきかを示すことができる。任意に、セグメント化規則は、異なるマスクセグメント間の部分の分布に基づくことができる。この分布を特定できるいくつかの方法については、
図6及び
図7に関連して(特に
図7に関連して)説明する。この分布は、検査画像(例えば、画素)のある部分に関して、(マスクセグメントが、段階1540において特定したアンカーに関連してこの画像に「固定」されている場合)異なるマスクセグメントに対応するその相対的部分間の関係を示すことができる。以下で
図6及び
図7に関連してより詳細かつ多様な説明を行うが、(Xを自然数又は正の実数とするX画素の大きさの)検査画像のある部分に関して特定した分布が、異なるマスクセグメントに対応する部分の領域の各々の画素サイズを単純に示すと仮定すれば、本説明を容易に理解することができる。
【0131】
例えば、(
図6及び
図7に1140で示す)検査画像の所与の部分に関して特定される分布は、以下のようになり得る。
・マスクセグメント1410(N
1):P
1画素の領域、
・マスクセグメント1410(N
2):P
2画素の領域、
・...、
・マスクセグメント1410(N
n):P
n画素の領域。
【0132】
段階1550の画像部分の各々を割り当てることができる画像セグメントは、(例えば、段階1550の一部として)この画像セグメントに関して特定したこのような分布に基づいて選択することができる。一例として、
図7を参照すると、セグメント化規則は、画像の部分1140を、その50%未満がマスクセグメント1410(7)に対応する場合には画像セグメント1710(1)に割り当てるべきであるが、その50%以上がマスクセグメント1410(7)に対応する場合には画像セグメント1710(2)に割り当てるべきであることを示すことができる。
【0133】
テーブル1は、本発明の実施形態によるセグメント化論理の例である。画像セグメントの列には、画像セグメントの結果選択を示しており、中央の5列にこの画像セグメントを選択する規則を記号(1、0、×)によって表している。「1」は、マスクセグメントを見つけなければならないことを表し、「×」は、マスクセグメントを見つけても又は見つけなくてもよいことを表し、「0」は、マスクセグメントを見つけてはならないことを表す。優先順位は、実施において2又はそれ以上の規則の条件が満たされた場合、優先指標の低い規則が選択されることを示す。例えば、規則2の選択条件を満たせば、規則3の資格も得られる。しかしながら、規則2の方が優先指標が低いので、規則3よりも優先して選択される。
テーブル1
【0134】
段階1550のセグメント化は、他のパラメータにも依存することができるより大きなセグメント化プロセスの一部とすることができる。例えば、画像部分のセグメント化は、対応するCADデータにも依存することができる。
【0135】
上述したように、異なる種類のマスクセグメントは、被検査物の(電気的特性、異なる内部構造、異なる原材料などの)物理的特性が異なる部分に対応することができる。このような場合、セグメント化は、検査画像を、被検査物の電気的動作性に対して電気的に異なる影響を与える異なる欠陥タイプの影響を受けやすい領域に対応する画像セグメントにセグメント化するステップを含むことができる。このステップは、例えば、ウェハ又はフォトマスクの潜在的欠陥を「エッジ粗さ」欠陥と「短ゲート」欠陥に分類するステップを含むことができる。
【0136】
(段階1550において決定される)検査画像のセグメント化は、様々な方法で利用することができる。例えば、方法1500は、被検査物の領域を検査画像の解像度よりも高い解像度で選択的に走査することに続くことができる。このような場合、さらなる走査のために選択される領域は、画像セグメントの1又はそれ以上に対応する(ただし、他の画像セグメントの少なくとも1つには対応しない)ことができる。例えば、「短ゲート」として分類される欠陥が発生しやすい領域では、より高い解像度での走査を行うことができるが、「エッジ粗さ」として分類される欠陥の影響を受けやすい領域では、これを行わなくてもよい。
【0137】
先の図面に示した例を参照すると、より高い解像度での選択的な走査は、検査機1210などの検査機、又は(別の検査機とすることができる)後方検査モジュール1280などの後方検査モジュールによって実施することができる。例えば、被検査物が実際にウェハである場合、第1の解像度の電子ビーム検査(EBI)を使用して検査画像を取得できる一方で、選択した潜在的欠陥は、これらを分類した方法に基づいて欠陥検討走査型電子顕微鏡(DRSEM)によってはるかに高い解像度でさらに検査することができる。
【0138】
ウェハ(又はその特定のチップ)は、選択された潜在的欠陥の高解像度検査に基づいて、動作可能又は動作不能と宣言することができる。マスクに基づいて分類された潜在的欠陥のみを検査して、(ウェハの「関心のない」領域内に存在するかもしれない)他の潜在的欠陥を検査しないことにより、時間及びリソースが節約されるとともに、検査結果を向上させることもできる。例えば、走査するウェハの領域を減らせば、電子ビーム走査装置が発信する電子によって生じる電荷の蓄積が少なくなる。
【0139】
以下の段落では、検査画像内の欠陥の存在の判断の利用について説明する。
【0140】
方法1500の任意の段階1560は、セグメント化に基づいて検査画像内の欠陥の存在を判断するステップを含む。先の図面に関連して示した例を参照すると、段階1560は、システム1200の欠陥検出プロセッサ1260などの欠陥検出プロセッサによって実施することができる。
【0141】
なお、欠陥の存在の判断は、検査画像のセグメント化以外のその他の情報に基づくことができ、及び/又はさらなる予備プロセスに基づくことができる。
【0142】
例えば、段階1560における欠陥の存在の判断は、(a)画素と基準画像の相関データとの比較結果及び(b)画素の選択した画像セグメントに依存する決定規則に基づいて検査画像の複数の画素の各画素を評価するステップを含む段階1561の結果に基づくことができる。
【0143】
任意に、この比較は、画像の全ての画素に対して、又はこれらの画素の大部分における少なくとも全ての画素に対して実施される。決定規則は、例えば、画素の各々にスコアを付け、潜在的欠陥(すなわち、欠陥の存在を判断できるようになる前にさらなる処理を必要とする欠陥)として選択するステップ、又は最も高いスコアの1又はそれ以上の画素を欠陥画素として直接選択するステップを含むことができる。
【0144】
基準画像の相関データは、例えば、その基準画像の対応する画素(例えば、画像を位置合せした後に同じ位置に存在する画素)、(例えば、比較する画像の画素が被検査物の同じ物理サイズに対応しない場合)いくつかの画素データの平均、(例えば、CADデータから生成される)ベクトル基準画像のベクトル情報から計算される相関データなどとすることができる。必ずしもそうとは限らないが、この相関データは、被検査物の実質的に同じ領域又は実質的に同様の領域(例えば、同じウェハの別のチップ内の平行領域)に関連する。
【0145】
このような比較の例では、方法1500が(例えば、段階1560の一部として)、検査画像の対応する画素間の差分を計算するために、検査画像とそれぞれの基準画像(例えば、第2の検査画像、CADデータから生成された画像など)とを比較するステップを含むことができる。例えば、検査画像がグレースケール画像である場合、この比較は、検査画像の少なくとも一部の各画素の差分値を求めるステップを含むことができ、この差分レベルは、その画素のグレイレベル(GL)値とそれぞれの基準画像内の対応する画素のGL値の差分に等しい。なお、それぞれの基準画像が第2の検査画像である場合、同じ検査オブジェクト又は別のオブジェクトの情報を含むことができる。
【0146】
例えば、検査画像がウェハチップ(又はその一部)の画像である場合、第2の検査画像は、(セル間比較方式では)同じチップの画像であってもよく、(チップ間比較方式では)同じウェハ内の別のチップの画像であってもよく、また(バッチの全てのウェハを単一のチップと比較する比較方式では)別のウェハのチップの画像であってもよい。
【0147】
このような差分に基づいて検査画像内の欠陥の存在を判断する場合、検査画像の比較に基づいて判断された差分を処理して、これらが欠陥を示すかどうかを判定する。この判定は、閾値とこのような各差分値を比較するステップを含むことができる。このような閾値は、必ずしも検査画像の画素全てに関して同じものではない。
【0148】
このような閾値の判定が基づくことができるその他の要素(例えば、変動などのノイズを示すパラメータ又はその他の画素分類)として、画素に関する選択した画像セグメントに基づいて閾値を判定することもできる。同様に、閾値と比較すること以外の決定規則を実施することもできる。
【0149】
段階1560の考えられる変形例のいくつかを示す
図3Bを参照すると、段階1560における欠陥の存在の判断は、検査画像の複数の画素の各画素に対して実施できる段階1562を含むことができる。段階1562は、段階1561の任意の変形例と見なすことができる。
【0150】
段階1562は、(a)画素を含むペアに関して計算した差分及び(b)画素に関する選択した画像セグメントに依存する決定規則に基づいて画素を評価するステップを含む。なお、段階1562を、検査画像の独立画素以外の部分(例えば、段階1550の検査画素)に対して実施することもできる。
【0151】
なお、任意に、段階1560内の欠陥の存在の判断は、複数の下位ステップを含むことができる。例えば、段階1560は、(一群の疑わしい画素などの)一群の欠陥候補を定義するステップ、及び(例えば、既存の検査データをさらに分析することにより、及び/又は被検査物の考えられる欠陥の位置をより高い解像度又は別の検査技術で検査することなどによって追加データを取得することにより)これらの候補を分析して候補のいずれが実際に欠陥の存在を示すかを判断する後続ステップを含むことができる。
【0152】
欠陥の存在の判断が、実際に複数の下位ステップで実行される場合、必ずしもこれらの下位ステップの全てに関してセグメント化データの利用が行われるわけではない。例えば、差分及び画像部分(画素など)に関して選択した画像セグメントに基づくこのような決定規則を考慮することにより、この決定規則の実施を使用して欠陥候補のグループを定義できる一方で、グループから誤った候補をフィルタ除去するための(必ずしもセグメント化情報を使用するわけではない)後続段階が実行される。
【0153】
任意の段階1563を参照すると、欠陥の存在の判断は、検査画像の異なる領域に対して定義された異なる検出方式に基づくことができ、この定義はセグメント化に基づく。段階1563は、セグメント化に基づいて、検査画像の異なる領域に対して異なる検出方式を定義するステップを含む。同様に、異なる検出方式の決定は追加要素に基づくことができる。段階1563の後で、異なる領域に対してこれらの検出方式を実行する。いくつかの異なる検出方式については、以下のように上述した。
・異なる画像セグメントは、異なる関心レベルを示すことができ、従って異なる領域に対して異なる計算要件で検出方式を実施することができる。
・(異なる画像セグメントに基づいて定義された)異なる領域は、異なる計算能力を使用して欠陥がないかどうかを異なる解像度で分析し、又は異なる相対的リソース量を別様に実現することができる。
・(異なる画像セグメントに基づいて定義された)異なる欠陥検出方式(例えば、チップ間、チップと複数のチップの間、チップとデータベースの間、セル間など)を使用して分析することができる。
・異なる領域では、欠陥検出のための異なる閾値を実施することができる。
・異なる領域では、異なる種類の欠陥を探すことができる。
【0154】
図3C及び
図3Dは、本発明の実施形態によるコンピュータ化した方法1500のフロー図である。なお、
図3C及び
図3Dのいずれか一方に示す段階を
図3Aに示す実施と一体化することができ、逆もまた同様である。
【0155】
図3Cを参照すると、アンカー位置を取得する段階1540は、複数のアンカー位置を計算するステップを含むことができる。このような計算は、例えば、テンプレートと検査画像の複数の部分との照合に基づいて複数のアンカー位置を計算する段階1541として実施することができる。他の計算方法を実施することもできる。例えば、(例えば、サイズが異なる領域を検査画像内に畳み込むこと、画像の周波数領域表現を分析することなどにより)検査画像を画像処理して繰り返しパターンを検出することができる。別の例では、検査画像自体以外の情報を処理することができる。例えば、検査画像に対応するCADデータの処理に基づいてアンカー位置を計算することができる。
【0156】
段階1541に戻ると、段階1541の1つの考えられる実施は任意の段階1530の結果に基づき、以下これについて説明する。
【0157】
方法1500は、テンプレートと検査画像の複数の領域を相関付ける段階1530を含むことができる。テンプレートは、検査画像の相関する部分のいずれかと必ずしも同一ではないが、これらの部分の一部との相関性は、その他の部分との相関性よりも高くなる。例えば、テンプレートとこれらの部分の1つとの相関性は比較的高く、少なくとも検査画像のこれらの部分に対して若干ずれた部分よりも高くなり得る。先の図面に示した例を参照すると、段階1530は、システム1200のアンカー処理モジュール1220などのアンカー処理モジュールによって実施することができる。
【0158】
なお、相関性は、必ずしも検査画像の画素に従うわけではない。相関付けは、サブピクセル精度(例えば、マスク画素の1,000分の1の精度で)で行うことができる。
図6の例で分かるように、この例でテンプレートと最も良く相関する領域であると仮定される領域
1130は、検査画像100の画素を表すグリッド上には位置せず、むしろサブピクセル解像度で特定される(従って決定される)。段階1530の相関付けは、検査画像の基準データ内で示される領域だけでなく、必ずしもそうではない領域においても実施することができる。
【0159】
図6の例を参照すると、例えば(無次元ポイント又は別の種類のアンカーとすることができる)アンカー1120の位置をアンカー位置とすることができる。なお、テンプレートと画像の部分の各々(実施された場合、例えば
図6に示す領域
1130)の照合は、(段階1530などにおける)相関付けによって行うことができるが、他の実施では、(パターン検出などの)他の照合技術を実施することもできる。必ずしもそうとは限らないが、実施によっては、アンカー位置を計算する精度が検査画像の解像度を上回る。
【0160】
任意に、段階1540は任意の段階1542を含み、この段階1542は、テンプレートと検査画像の部分との相関付け(又は上述したようなその他の種類の照合)に基づいて、検査画像内で所定のセルサイズの複数のセル領域を選択するステップを含む。アンカー位置の各々とこれに対応するセルサイズ領域との幾何学的関係(例えば、
図6の矢印1122及び領域1110のサイズ)が事前に分かっている場合、段階1542におけるセル領域の選択は、段階1541におけるアンカー位置の選択の直接的副産物とすることができる。なお、代替の実施では、異なるアンカー位置に対応するセル領域のサイズが異なることもある。
【0161】
単位の変換を適用することはできるが、セルサイズ領域という文脈での「サイズ」という用語は、(ウェハを検査する際のウェハの検査される層の平面などの)検査面の座標に関する。セルサイズは、マスクにより定められる領域サイズと同一の場合もあるが、必ずしもそうではなく、マスクは、上述したセルサイズ領域を含むより大きな領域内のセグメントを定めることもできる。先の図面に示した例を参照すると、段階1541は、アンカー処理モジュール1220などの相関器によって実施することができる。
【0162】
なお、マスクの解像度がセル領域の解像度よりも高い場合、これらの2つの領域は、たとえ検査平面内の同様のサイズの領域に関連するものであっても異なる画素サイズを有する。検査平面の座標内のテンプレートのサイズを参照すると、セル領域のサイズは、テンプレートの領域より小さくても、同様でも、又は大きくてもよい。
【0163】
本発明のいくつかの実施では、段階1541を実行する前に決定規則を実施することができ、これに従って検査画像の領域をテンプレートと十分に照合できない場合、方法は終了する。例えば、検査画像のどの部分も所定の閾値を上回る相関スコアを有していないことが判明した場合、必ずしもアンカー位置は特定されない。段階1530(又はテンプレートと検査画像の領域を照合する別の段階)の1つの考えられる結果は、テンプレートとの相関性に基づいて検査画像の少なくとも1つの部分から選択を行うことであるが、別の考えられる結果は、いずれの領域も一致しないことが判明することである。
【0164】
段階1541に戻ると、任意に、検査画像の選択した部分のいずれか1つに関してアンカーを定めることができる(
図6の例を参照すると、検査画像100内の選択された領域130内で、又はこの領域に関して別様にアンカー1120を定めることができる)。段階1542を実施する場合、この段階の選択は、段階1530において選択された検査画像の(1又は複数の)部分を選択するステップを含むことができるが、検査画像の別の領域を選択するステップを含むこともできる。再び
図6の例を参照すると、段階1542において選択された領域1110は、段階1530において選択された領域130よりも大きい。領域1110(「セル領域」xx110とも呼ばれる)は、段階1541において計算されたアンカー1120に関して定めることができる(例えば、照合に基づいて検査画像から選択された領域130に関して定めることができる)。
【0165】
画像の複数の部分がテンプレートに一致する検査画像の例には、(例えば、図
7に例示するような)繰り返しパターンを含む被検査物がある。テンプレートが、パターンを繰り返す領域の一部(又は全部)に対応する場合、検査画像の多くの同様の部分がテンプレートに一致する(例えば、段階1530のように相関する)ことがあり、これに対応して段階1541において多くのアンカー位置を計算することができる。任意に、選択された複数のセル領域は、検査画像全体(又はその一部のみを処理した場合、検査画像の少なくとも処理した部分)をカバーする。
【0166】
例えば、図
7の検査画像100内の撮像された被検査物は、複数回生じる1対の垂直線を含む繰り返しパターンを含む。これらの複数の領域は同じものではないが、テンプレートとこれらの領域の1つが各々一致することにより、(例えば、検査画像の異なる部分と図示していないテンプレートとの相関性に基づいて)段階1541において別個のアンカー位置を定めることができる。
【0167】
検査画像の複数の部分がテンプレートと類似することにより、たとえこれらの類似部分が繰り返しパターンを形成しなくても、複数のアンカー位置を(場合によっては複数のセルサイズ領域の選択に対して)計算することができる。さらに、実施によっては、(例えば、ウェハ内の異なる繰り返しパターンに対応する)複数のテンプレートを実装することができ、検査画像の様々な領域と複数のテンプレートの照合に基づいて、段階1541において複数のアンカー位置を計算することができる。このような場合、このような領域に異なるサイズのマスクを使用することができる。
【0168】
ここで段階1515を参照すると、方法1500は、セグメント化に基づいて検査画像を分析して少なくとも1つの潜在的欠陥を識別する段階1515を含むことができる。段階1515は、位置情報、サイズ/形状情報、種類情報などの潜在的欠陥に関する情報を判定するステップを含むことができる。なお、段階1515は、(例えば、上述したような)段階1560の一部であってもよいが、説明の便宜上、独立した事前段階として示している。先の図面に関連して示した例を参照すると、段階1515は、欠陥検出プロセッサ1260などの欠陥検出プロセッサによって実施することができる。
【0169】
欠陥の存在を判断する段階1560の一部としてこのような潜在的欠陥を分析できる方法の1つは、複数の画像セグメントの1又はそれ以上に関する潜在的欠陥の分布を特定し、この分布に基づいて潜在的欠陥を分類することによるものである。方法1500の複数の実施における1つの相違点は、
図3Cの実施では、(例えば、段階1550のセグメント化を直接使用することにより)同じアンカー位置及びマスクを使用しているが、
図3Dの実施では、(潜在的欠陥を識別するために使用した)セグメント化に使用したマスクとは異なるマスクを潜在的結果の分析に使用して欠陥の存在を判断している点である。
【0170】
なお、セグメント化は時間及び/又は計算能力を消費するプロセスとなり得るため、セグメント化の結果を利用することが好ましいと考えられる。例えば、2つのプロセスに異なる検討を(例えば、検出方式の決定に1つのマスクを、欠陥の分析に別のマスクを)使用する場合、(
図3Dの例のように)異なるマスクを利用することが好ましいと考えられる。
【0171】
図3Cを参照すると、段階1560における欠陥の存在の判断は、異なる欠陥検出セグメントを定める(段階1550のマスク以外の)欠陥検出マスク及びアンカー位置の少なくとも1つに基づいて、マスクセグメントの1又はそれ以上に関する潜在的欠陥の分布を特定する段階1563を含むことができる。先の図面に関連して示した例を参照すると、段階1563は、分布分析モジュール1240などの分布分析モジュールによって実施することができる。段階1563は、欠陥検出分布に基づいて(及び、例えば以下で説明するようなセグメント化論理などのその他のデータに潜在的に基づいて)潜在的欠陥を分類する段階1564に続く。先の図面に関連して示した例を参照すると、段階1564は、例えば、欠陥検出プロセッサ1260に含めることができる分類器によって実施することができる。
【0172】
図3Dを参照すると、段階1560における欠陥の存在の判断は、異なる欠陥検出セグメントを定める(段階1550のマスク以外の)欠陥検出マスク及び検査画像に関する特定した位置に基づいて、欠陥検出セグメントの1又はそれ以上に関する潜在的欠陥の欠陥検出分布を特定する段階1567を含むことができる。先の図面に関連して示した例を参照すると、段階1567は、分布分析モジュール1240などの分布分析モジュールによって実施することができる。
【0173】
段階1567は、欠陥検出分布に基づいて(及び、例えば以下で説明するようなセグメント化論理などのその他のデータに潜在的に基づいて)潜在的欠陥を分類する段階1568に続く。先の図面に関連して示した例を参照すると、段階1568は、例えば、欠陥検出プロセッサ1260に含めることができる分類器によって実施することができる。
【0174】
なお、段階1567において利用する位置はアンカー位置である。このアンカー位置は、段階1540において取得した(例えば、特定した)アンカー位置の1つであっても、又は(特にこれらのマスクを選択するために別のテンプレートを使用している場合)別のアンカー位置であってもよい。後者の選択肢を実施する場合、方法1500は、欠陥検出テンプレートと検査画像の部分の照合に基づいて、検査画像に関する欠陥検出アンカー位置を特定する段階1566を含むことができる(欠陥検出アンカー位置を特定する精度は検査画像の解像度を上回る場合がある)。この段階を実施する場合、段階1567において言及した位置は欠陥検出アンカー位置である。段階1566は、検査画像の1又はそれ以上の領域を欠陥検出テンプレートに相関付ける任意の段階1565の結果に基づくことができる。
【0175】
任意に、欠陥の存在の判断は、(例えば、
図3C及び
図3Dに例示するような)1又はそれ以上のマスクセグメントに関する潜在的欠陥の分布を検査画像の解像度を上回る精度で特定するステップ、及びこの分布に基づいて潜在的欠陥を分類するステップを含むことができる。
【0176】
任意に、欠陥の存在の判断は、(例えば、
図3C及び
図3Dに例示するような)1又はそれ以上のマスクセグメントに関する潜在的欠陥の分布を特定するステップ、及びこの分布に基づいて潜在的欠陥を分類するステップを含むことができ、この分類は、被検査物の動作性に対する影響が異なる欠陥タイプに対応する分類に従って潜在的欠陥を分類するステップを含む。
【0177】
任意に、
段階1560の欠陥の存在の判断は、検査画像の
少なくとも1つの部分
(潜在的欠陥と相関性のある部分)が割り当てられた1又はそれ以上の画像セグメントの選択に基づいて潜在的欠陥を分類する
ことを含むことができ、この分類は、
実施される場合、被検査物の動作性に対する影響が異なる欠陥タイプに対応する分類
方式に従って潜在的欠陥を分類するステップを含む。
【0178】
なお、欠陥検出マスクは(段階1550の欠陥検出マスクのように)、解像度が異なることができ、特に検査画像の解像度よりも高くすることができる。すなわち、マスクの領域内で定められるマスクセグメントは、検査画像の解像度よりも高い解像度で定めることができる。
【0179】
なお、検査画像の部分の分布の判断は、段階1550におけるセグメント化プロセスの一部として実施することもできる。例えば、方法1500は、複数のマスクセグメントの1又はそれ以上に関する検査画像の複数の画素の各々の分布を特定する段階1551を含むことができる。このような実施によれば、セグメント化が、複数の画素の特定された分布に基づくことができる。一例として、画像の様々な複数の部分のそれぞれの画像セグメントへの割り当ては、この分布の特定結果に基づくことができる。
【0180】
任意に、画像セグメントへの割り当ては、画像の全ての画素に対して、又はこれらの画素の大部分における少なくとも全ての画素に対して実施される。例えば、画像の画素全てに関して(又はこれらの大部分に対して)分布の判断を実施することができ、この判断した分布に基づいてこれらの画素の各々を割り当てることができる。画素の各々の分布を特定及び/又は利用できる方法は、マスクセグメントに関する分布に関連して(例えば、段階1567及び
図6に関連して)説明した方法の変更すべき点を変更したものと同様であると考えられるので、当業者にはこれらの方法が明らかであろう。
【0181】
図2に戻ると、任意に、アンカー処理モジュール1220を、欠陥検出テンプレートと検査画像の部分の照合に基づいて検査画像に関する欠陥検出アンカー位置を特定するように構成することができ、この欠陥検出アンカー位置の特定の精度は、検査画像の解像度を上回る。
【0182】
分布分析モジュール1240は、異なる欠陥検出セグメントを定める欠陥検出マスク及び検査画像に関する判断した位置に基づいて、欠陥検出セグメントの1又はそれ以上に関する潜在的欠陥の欠陥検出分布を特定するように構成することができる。このような実施では、欠陥検出プロセッサ1260が、欠陥検出分布に基づいて潜在的欠陥を分類するように構成された分類器を含むことができる。
【0183】
任意に、分布分析モジュール1240を、1又はそれ以上のマスクセグメントに関する潜在的欠陥の分布を、検査画像の解像度を上回る精度で特定するように構成することができ、欠陥検出プロセッサ1260は、この分布に基づいて潜在的欠陥を分類するように構成される。
【0184】
任意に、分布分析モジュール1240を、1又はそれ以上のマスクセグメントに関する潜在的欠陥の分布を特定するように構成することができ、欠陥検出プロセッサ1260を、この分布に基づいて、被検査物の動作性に対する影響が異なる欠陥タイプに対応する分類に従って潜在的欠陥を分類するように構成することができる。
【0185】
図6には、領域内に複数のマスクセグメント1410を定めるマスク1400及び検査画像100の利用を示している。この利用は、複数のアンカー位置1120(そのうちの1つを
図6に示す)及びマスク1400に基づいて検査画像100をセグメント化する際に行うことができるが、潜在的欠陥の分析に基づいて欠陥の存在を判断するために使用することもできる。なお、マスク1400をセグメント化に利用することは
図5にも図示し説明している。
【0186】
領域1110(以下、単に「セル」又は「領域1110」とも呼ぶ)は、検査画像100のX
cell×Y
cellの画素サイズの領域である。X
cell及びY
cellは整数とすることができるが、検査画像100の(102で示す)画素のグリッド上で領域1110の位置を正確に読み取る必要はないことが分かる。例えば、テンプレートと検査画像は、非整数の画素座標で定められる領域に関して最も良く一致することができる。さらなる例では、アンカー1120の位置と対応する領域1110との間の距離を非整数の画素座標で定めることができる。
【0187】
図6の右側には、(1110’で示す)領域1110のアップサンプリングしたバージョンを、マスク1400の表現と重ねて示している。図で分かるように、領域1110(「セル」とも呼ぶ)のサイズは、検査画像の解像度で6×6画素である。この領域のアップサンプリングしたバージョンのサイズは、15×15画素である。図示の例では、領域1110を領域1110’にアップサンプリングすることが、解像度をN=2.5倍に増加させるステップを含む。なお、本発明のいくつかの実施では、選択したセル領域のアップサンプリングを行うことができるが、必ずしもそうではない。上述したように、いくつかの実施では、このようなセル領域が選択され又は定められることはない。
【0188】
アップサンプリングは、実施する場合、単純な線形補間を含むことができる。他の実施では、バイキュービック補間、双線形補間、最近接補間などの他の種類の補間技術を実施することができる。
【0189】
一例として、線形補間を実施する例では、検査画像の(1140で示す)単一の画素のサイズ部分が、(実際にラスタ画像として実現される場合)1140’で示すマスク解像度がN×Nの画素領域に対応する。
【0190】
なお、段階1550において画像セグメントに割り当てられる検査画像の部分は、(
図6の例のように)単一画素のサイズとすることができるが、必ずしもそうとは限らず、単一画素より小さい場合もあれば大きい場合もある。マスク1400を潜在的欠陥の分析に使用する場合、部分1140は、検査画像の分析中に検出された潜在的欠陥の位置を表すこともできる。同様に、潜在的欠陥も、単一画素より大きく又は小さく定めることができる。
【0191】
マスク1400の異なるマスクセグメント1410は、サブピクセル解像度で定めたものとして示している。これは、例えばマスクのベクトル表現で実施することができる。なお、いくつかの実施では、例えばマスクをラスタ画像として定める場合、マスクのマスクセグメント1410を全体的画素の解像度でのみ定めることができる。
図6には、マスク1400の異なるマスクセグメントを、1410(13)、1410(14)、1410(15)及び1410(16)として列挙している。1410(10)で示す領域は、マスク内でセグメントとして定めることもでき(これにより、これらのセグメントが領域全体をカバーするようになる)、或いは全く定めなくてもよい(これにより、これらのセグメントが領域を部分的にしかカバーしなくなる)。
【0192】
図6の例を参照すると、段階1550は、画像の複数の部分の各部分1140(他の部分は図示せず)を、複数の画像セグメントから選択したそれぞれの画像セグメントに割り当てるステップを含み、この複数の画像セグメントは、マスク1400の少なくとも1つのマスクセグメントに対応する。これは、例えば、マスクセグメント1410の1又はそれ以上に関するそれぞれの部分1140の分布を特定することによって行うことができる。
【0193】
図6の例を参照すると、アンカー1120の位置とマスク1400の少なくとも1つの基準点との関係(矢印1122で示しており、基準データの一部でもあり得る)を知ること、及びアンカー1120の位置と部分1140上の少なくとも1つの基準点との関係(矢印1124で示しており、アンカー位置も識別した項目の位置も検査画像100の座標で定義できるので判断することができる)を知ることにより、マスクセグメント1410と部分1140の関係を容易にすることができる。
【0194】
(検査画像の部分1140の拡大した類似物である)領域1140’は、マスク1400のマスクセグメント1410(10)と1410(13)と1410(16)の間に分布していることが分かる。上述したように、部分1140のサイズは、1画素より大きい場合も、又は小さい場合もある。従って、部分1140を、位置情報及び場合によってはサイズ情報及び/又は等級に関連付けることができる。
【0195】
なお、分布の特定は、検査画像のテンプレートの解像度を上回る精度及び/又はマスクが定まる精度で分布を特定するステップを含むことができる。これにより、とりわけ、高解像度規則に基づく一方で走査の解像度を高める必要なくセグメント化を行うことができる。
【0196】
図7の例では、検査画像内の部分1140のサイズが、(
図6の例のように)単一画素ではなく4画素である。部分1140のアップサンプリングした類似物が、領域1140’である。領域1140’を4分の1に分割した形で示しているが、これは表示上の理由で行っているにすぎず、上述したように、分布の特定はより高い解像度で行われる。
【0197】
図から分かるように、1140’の半分よりもわずかに多くがマスクセグメント1410(17)に重なり、半分よりもわずかに少ない部分がマスクセグメント1410(18)に重なる。このことは、(マスクセグメント1410(18)に対応する)セグメントタイプ1が2を少し下回るスコアを受け取り、(マスクセグメント1410(17)に対応する)セグメントタイプ2が2を少し上回るスコアを受け取る(1900で示す)分布の特定によって反映される。所与の例では、分布内のスコアが、検査画像の原画素に等しい単位で与えられるが、当業者であれば、他のあらゆる分布特定方法を実施できると理解するであろう。例えば、パーセント、画素(通常は分数)、ナノメートルなどで分布を特定することができ、通常、このような定義は、分類論理を定めた定義と類似する。
【0198】
なお、部分1140に対応する領域1140’は、マスク1400の複数のマスクセグメント1410間に分布できるが、必ずしもこれが当てはまるわけではなく、領域全体が単一のマスクセグメント1410に対応することもある。
【0199】
方法1500を全体として参照すると、この方法は、段階1530などにおいて、ウェハのランタイム検査画像の領域をテンプレートに相関付けるステップを含むことができる(この段階は、「テンプレート固定」とも呼ばれる)。この相関性に基づいて、検査画像の領域を選択し、その後さらに処理してマスクに対応する領域を提供することができる。
【0200】
マスクの決定は比較的長いプロセスとなり得るが、多くの被検査ウェハ(又は他のあらゆる被検査物)のランタイム検査に役立つことができるので、このようなシナリオにおけるランタイム検査は、(何回も繰り返されるので)比較的迅速に行うべきである。これを迅速に行うために、比較的低い解像度で検査を実施することができる。
【0201】
なお、方法1500は、セグメント化プロセスに有用な追加情報を提供するものの、ランタイム検査時間を増やす必要はなく、またサブピクセル精度で情報を提供できるが、ランタイム検査の画素サイズを下げる必要はない。
【0202】
なお、上記の例のいくつかは、電子ビーム走査に関連するものであるが、開示する技術を(光学、レーダー、ソナーなどの)その他の種類の検査又は撮像のために実施することもできる。同様に、上記の例のいくつかは、ウェハなどの電子回路の検査に関連するものであるが、開示する技術を、ナノメートルスケールであるか又は他のスケールであるかに関わらず、他の種類の検査物のために実施することもできる。
【0203】
上述したように、方法1500で利用するテンプレート及びマスクは、異なる方法で作成することができる。例えば、マスクは、被検査物基準領域の基準画像に基づいて決定することができる。以下で説明するように、このような場合の方法は、より低い解像度のテンプレートを提供するために基準画像の少なくとも一部をダウンサンプリングするステップを含むことができる。なお、テンプレートの生成は、ダウンサンプリングの他にさらなる種類の画像処理を含むこともできる。
【0204】
なお、マスク及び/又はテンプレートを作成するプロセスで使用する基準画像を、段階1560における比較及び欠陥検出に使用することもできる。しかしながら、他の実施では、基準データ(マスク及び/又は
テンプレートを含む)の生成に1つ(又はそれ以上)の基準画像を使用し、セグメント化に基づいて欠陥の存在を判断する段階では別の(又はいくつかの)基準画像を使用する。
【0205】
例えば、(例えば、
図8及び
図9に関連して説明するように)ウェハ内の単一のチップの高解像度基準画像からマスク及び/又はテンプレートを一旦生成し、他の複数のウェハ内の欠陥検出に同じ基準データを使用することができる。この例を続けると、これらの他のウェハの各々では、欠陥検出が、このウェハの第1のチップのそれぞれの検査画像と、この同じウェハの別のチップの対応する基準画像との比較に基づくことができる。
【0206】
被検査物基準領域は、同じ被検査物の一部(例えば、同じウェハ内の別のチップ)であってもよく、又は別の被検査物(例えば、同じバッチ又は別のバッチの別のウェハ)に属してもよい。このような場合の基準画像は、方法1500の検査画像を取得するために使用した同じ検査機によって生成することができる。別の実施では、基準画像をコンピュータ支援設計(CAD)データから生成することができる。任意に、この方法は、コンピュータ支援設計(CAD)データから生成された1又はそれ以上の基準画像を処理することによってテンプレート及び/又はマスクを生成するステップを含むことができる。
【0207】
方法1500で使用するマスク及び/又はテンプレートの作成は、方法1600のプロセスに従って行うことができる。なお、このプロセスは、方法1500の一部とすることもできる(すなわち、方法1600を方法1500に組み込むことができる)。本発明の実施形態によれば、被検査物基準領域の基準画像に基づいてマスクが決定され、方法1500は、テンプレートを生成するステップをさらに含み、この生成ステップは、基準画像の一部をダウンサンプリングするステップを含む。なお、他の実施では、基準画像が、検査画像ではなくコンピュータ支援設計(CAD)データから生成される。
【0208】
図8に、本発明の実施形態による、セグメント化(例えば、方法1500のように)に使用できる基準データを生成する方法1600を示す。
【0209】
方法
1600は、被検査物基準領域の基準画像を取得する段階1610から開始する。基準画像が、実際のオブジェクトの画像である(かつ、例えばCADデータに基づくものではない)場合、基準オブジェクト(電子回路、ウェハ及びフォトマスクから成る群から選択できるが、必ずしもそうではない)の高解像度画像を、直接走査、検査などによって、又は別のシステムから基準オブジェクトを受け取ることによって取得することができる。高解像度画像は、基準オブジェクト全体の、又は基準領域のみの撮像データを含むことができる。先の図面に示した例を参照すると、段階1610は、検査結果インターフェイス1204などの検査結果インターフェイスによって、又は検査機1210などの検査機によって実施することができる。
【0210】
例えば、高解像度基準画像は、チップ又はチップの一部の画像とすることができる。高解像度基準画像は、高解像度検査プロセス及び/又はコンピュータ支援設計(CAD)ファイルから収集することができる。一例として、電子ビーム検査ツールの
高められた解像度を
使用することによって、又は
走査型電子顕微鏡(SEM
)撮像システムを使用することによって高解像度画像
を生成し得る。
【0211】
高解像度画像を取得すると、後で検出された考えられる欠陥の実際の分類で使用できる情報の定義にこれを使用することができる。方法1600は、基準画像内の関心パターンを識別する段階1620に続くことができる。このような関心パターンは、「黄金セル」とも呼ばれる。このような関心パターンは、人によって識別されることもあり、又は自動的に生成されることもある。なお、このようなパターン又は「黄金セル」は、検査画像(場合によっては周期的繰り返しパターンで)内で複数回繰り返されることがあるが、必ずしもそうではない。先の図面に示した例を参照すると、段階1620は、画像処理モジュール1230などの画像処理モジュールによって実施することができる。
【0212】
方法1600の段階1630は、セルサイズ領域内に異なるマスクセグメントを定めるマスクを生成するステップを含む。繰り返しパターンを含む基準画像の場合、セルのサイズは、この繰り返しパターンのサイズ(又は、段階1620において関心パターンとして定められる下位領域などの、その下位領域)と実質的に同様となり得る。なお、実施によっては、マスクのサイズが繰り返しパターンのサイズより小さい(場合によっては著しくそうなる)こともあり、又は繰り返しパターンのサイズより大きいこともある。先の図面に示した例を参照すると、段階1630は、システム1200のマスク生成モジュール1290などのマスク生成モジュールによって実施することができる。
【0213】
マスク内では、異なるマスクセグメントが定められる。このような異なるマスクセグメントは、異なる理由で定めることができる。例えば、黄金セルパターン内の対応する領域又はその他の関心領域における電子回路(又は、他の品目)の異なる機能に対応するようにマスクセグメントを定めることができる。別の例では、欠陥に対する異なる脆弱性に対応するようにマスクセグメントを定めることができる。マスク内に定められるマスクセグメントの数は、異なる被検査物(異なる電子回路など)に対して異なることができ、このようなマスクセグメントに基づく検査画像のセグメント化のその後の欠陥の検出及び/又は分析に対する有用性に応じて異なることができる。
【0214】
例えば、いくつかの実施では、マスク内の異なるマスクセグメントの数が、3、5又は8であるが、他の実施では、数十及び何百ものマスクセグメントを定めることもできる。マスクセグメントの定義は、人又はコンピュータによって(例えば、CADデータに基づいて)行うことができる。
【0215】
なお、後で方法1500においてランタイム検査に使用される解像度よりも高い解像度で実際にマスクが生成された場合、段階1630においてマスクのマスクセグメントは、比較的高い解像度で(例えば、高解像度の基準画像の解像度で)定められる。いくつかの実施では、マスク内の定められたマスクセグメントが重ならず、マスクセグメント間でマスクの領域全体をカバーするが、必ずしもそうではなく、マスクのいくつかの領域がいずれかのセグメントに属することもある。
【0216】
なお、方法1500における検査画像の部分をセグメント化するランタイム検査は、(例えば、×2,×3又はそれ以上の高解像度画素サイズに対応する画素サイズの)比較的低い解像度で行うことができるが、高解像度マスク(検査画像の一部のアップサンプリングとともに)を利用することにより、はるかに正確なより高い解像度マスクに関連する位置に基づいてこのような検査画像の部分のセグメント化が可能になる。
【0217】
方法1500において使用する検査画像の解像度よりも基準画像の解像度の方が実際に高い場合、方法1600は、少なくとも高解像度画像の領域に対応する解像度が低いテンプレートを提供するように高解像度基準画像を処理する段階1640をさらに含むことができる。テンプレートの生成は、基準画像の少なくとも一部をダウンサンプリングするステップの他に、軟化、平滑化、エッジ強調などのさらなる画像加工技術を実施するステップを含むことができる。本発明の実施形態によれば、方法1500の検査画像の生成に使用する検査解像度とは異なる解像度でマスクを定める場合、このステップが必須になる。先の図面に示した例を参照すると、段階1640は、システム1200の画像処理モジュール1230などの画像処理モジュールによって実施することができる。
【0218】
段階1640の処理は、デシメーション画像処理アルゴリズム又はその他のダウンサンプリングアルゴリズムによって実施することができるが、必ずしもそうとは限らない。テンプレート(「低解像度基準画像」とも呼ばれる)を使用して、ランタイム検査画像内の繰り返しパターンを(例えばその一部、アンカーを識別することによって)検出し、従ってマスクとランタイム検査画像の間の空間的相関を判断することができる。
【0219】
任意に、テンプレートの解像度は、マスク(及び高解像度画像)の解像度より低くてもよく、意図するランタイム検査の解像度に対応する。例えば異なる低い解像度で複数のテンプレートを生成して、異なるランタイム検査の解像度で使用することができる。一例として、テンプレートの解像度は、100nmに対応する画素サイズ(高さ又は幅)を有することができ、マスク解像度は、70nmに対応する画素サイズを有することができる。高解像度基準画像の一部を、より低い解像度のテンプレートを提供するように処理する例については
図9に例示する。
【0220】
本発明の様々な実施では、テンプレートとマスクの間の1−D画素寸法の間の比率が(1:2、1:4、1:7、1:15のように)異なることがある。なお、対応する画素領域間の比率は、その比率の2乗(1:4、1:16、1:49など)である。
【0221】
方法1600は、マスクのマスクセグメント間の異なる分布に異なる規則を適用するセグメント化論理を定義する段階1650をさらに含むことができる。セグメント化規則の定義は、定義する特定のマスクに依存することができるが、必ずしもそうとは限らない。例えば、マスク内のマスクセグメントの各々がカバーする相対的部分に基づいてセグメント化規則を定義することができる。或いは、セグメント化規則が特定のマスクとは無関係であってもよく、マスクセグメントの各々が表す物理的特性などの他の検討材料に基づいて(方法1600の一部として、又は別様に)定義することもできる。
【0222】
方法1600のあらゆる段階は、人(特にコンピュータを使用して)によって、コンピュータ又はその他の機械によって、及び/又はこれらの組み合わせによって行うことができる。
【0223】
図9に、本発明の実施形態による、(例えば、方法1500などの)セグメント化に使用できる基準データを生成する方法1600’を示す。特に、プロセス1600’は、マスク1400及びテンプレート1300の生成に使用することができる。
【0224】
(1610’、1620’などの)アポストロフィ付きで示す段階は、方法1600の(それぞれ段階1610及び1620などの)対応する段階で実施することができる。
【0225】
基準画像の少なくともある領域に対応する低解像度テンプレートを提供するように基準画像を処理する段階1640’を参照すると、この段階はいくつかの方法で実施することができ、これらの一部を図示している。
【0226】
まず、基準画像1800から高解像度の親テンプレート1300’を選択する。この選択を1641’で示す。高解像度の親テンプレート1300’は、関心領域810の選択したセルサイズのパターンと同一であっても、又は異なってもよい。その後、例えば(1642’で示す)平滑化又はエッジ強調などの形態学的画像加工技術を適用することによって高解像度の親テンプレート
1300’を縮小し、又は別様にダウンサンプリング又は操作し、(「ダウンサンプリングしたテンプレート」及び「縮小したテンプレート」としても示す)低解像度テンプレート1300”を提供する。任意に、このテンプレート1300”は、提供されたテンプレートとして「そのまま」使用することもできる(この選択肢を1643’で示す)。
【0227】
(1644’で示す)別の実施では、ダウンサンプリングしたテンプレート1300”を使用して、このダウンサンプリングしたテンプレート1300”と一致する領域1190’を低解像度画像100’から(例えば、方法1500の検査画像を取得する解像度で)選択し、この領域1190’をテンプレート1300として使用する。
【0228】
全体としてシステム1200及び方法1500に戻ると、システム1200及び/又は方法1500を利用して、超微細パターンに基づくセグメント化を可能にすることができ、これにより欠陥検出プロセス及びその分析をより良く制御することができる。
【0229】
本発明によるシステムは、好適にプログラムされたコンピュータであってもよいことも理解されよう。同様に、本発明は、方法1500及びその変形を実行するための、コンピュータが読み取り可能なコンピュータプログラムも企図している。同様に、本発明は、方法1600及びその変形を実行するための、コンピュータが読み取り可能なコンピュータプログラムも企図している。本発明は、方法1500及び/又は方法1600を実行するための、機械により実行可能な命令のプログラムを明白に具体化する機械可読メモリをさらに企図している。
【0230】
本明細書では、本発明のいくつかの特徴を図示し説明したが、これにより当業者には多くの修正、置換、変更及び同等物が浮かぶであろう。従って、添付する特許請求の範囲は、本発明の真の思想に含まれるこのような全ての修正及び変更をカバーすることを意図したものであると理解されたい。
【0231】
上述した実施形態は一例として引用したものであり、その様々な特徴及びこれらの特徴の組み合わせを変更及び修正できると認識されよう。
【0232】
様々な実施形態を図示し説明したが、本発明をこのような開示によって限定する意図はなく、むしろ添付の特許請求の範囲に定めるような、本発明の範囲に含まれる全ての修正及び代替構成をカバーすることを意図していると理解されよう。