特許第5982418号(P5982418)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5982418食品および薬剤分野における真珠光沢顔料を用いる着色
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5982418
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】食品および薬剤分野における真珠光沢顔料を用いる着色
(51)【国際特許分類】
   A23L 5/41 20160101AFI20160818BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20160818BHJP
   C09C 1/24 20060101ALN20160818BHJP
   C09C 1/36 20060101ALN20160818BHJP
【FI】
   A23L5/41
   A61K47/02
   !C09C1/24
   !C09C1/36
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-46539(P2014-46539)
(22)【出願日】2014年3月10日
(62)【分割の表示】特願2009-158036(P2009-158036)の分割
【原出願日】1999年7月8日
(65)【公開番号】特開2014-144004(P2014-144004A)
(43)【公開日】2014年8月14日
【審査請求日】2014年4月9日
(31)【優先権主張番号】198 31 869.3
(32)【優先日】1998年7月16日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァインフルト、 ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】マオラー、 ウタ
【審査官】 小金井 悟
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−308462(JP,A)
【文献】 国際公開第97/043346(WO,A1)
【文献】 特開昭62−091565(JP,A)
【文献】 特表平09−501142(JP,A)
【文献】 特開平07−196945(JP,A)
【文献】 特開平07−316464(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 5/40− 5/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の表面に被覆を設けることによる着色方法において、
該方法は、顔料を含む被覆溶液を前記製品の表面に塗布し、乾燥することで、該製品の表面に該顔料により着色された被覆を形成する工程を有し;
前記被覆溶液中における、前記顔料の含量は、前記被覆溶液を基準として、0.5〜6.0重量%であり;
前記製品が食品製品または薬剤薬品であり、
前記被覆は、糖被覆、シェラック被覆、油およびワックスを含む被覆、アラビアゴム被覆またはセルロース型被覆であり、
前記顔料は、
(A)天然または合成雲母、ガラス薄片、TiO薄片、SiO薄片及びAl薄片から選択される薄片状基材が、TiO及び/またはFeの1または2の層により被覆された真珠光沢顔料、または
(B)天然または合成雲母薄片、タルク、カオリン、SiO薄片及びTiO薄片から選択される薄片状基材が黒色酸化鉄で被覆された黒色真珠光沢顔料
である、
ことを特徴とする製品の着色方法。
【請求項2】
前記(A)における光沢顔料が、該光沢顔料の薄片状基材として、天然または合成雲母が選択されている真珠光沢顔料である
ことを特徴とする請求項に記載の着色方法。
【請求項3】
前記(B)における黒色光沢顔料が、該黒色光沢顔料の薄片状基材として、天然または合成雲母が選択されている黒色真珠光沢顔料である、
ことを特徴とする請求項に記載の着色方法。
【請求項4】
前記(A)における光沢顔料として、10〜60μmの粒径を有する顔料を用いる、
ことを特徴とする請求項に記載の着色方法。
【請求項5】
前記(A)における光沢顔料として、5〜25μmの粒径を有する顔料を用いる、
ことを特徴とする請求項に記載の着色方法。
【請求項6】
前記(A)における光沢顔料として、20〜150μmの粒径を有する顔料を用いる、
ことを特徴とする請求項に記載の着色方法。
【請求項7】
前記(B)における黒色光沢顔料として、15μm未満の粒径を有する顔料を用いる、
ことを特徴とする請求項に記載の着色方法。
【請求項8】
前記被覆を、アルコール性または水性の被覆溶液を用いて形成し、該アルコール性または水性の被覆溶液中に前記顔料が分散している
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の着色方法。
【請求項9】
前記食品製品または薬剤製品が、
砂糖菓子類、ケーキ装飾、圧縮錠剤、パン被覆製品、チューインガム、ガム、フォンダン製品、マジパン製品、充填剤、ココア氷衣および脂肪氷衣、チョコレートおよびチョコレート含有製品、アイスクリーム、シリアル、スナック製品、被覆組成物、菓子表示板、砂糖入粒状クリーム、砂糖玉、ゼリーおよびゼラチン製品、ボンボン、甘草エキス、糖衣、綿菓子、脂肪組成物、糖組成物およびベーカークリーム組成物、プリン、デザート、フラングレージング、酸性化および非酸性化乳製品、錠剤、ゼラチンカプセル、糖被覆錠剤から選択される
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の着色方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品製品および薬剤製品を着色するための、薄片状基材を基にした二酸化チタン顔料および/または酸化鉄顔料の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
その機能的用途に加えて、真珠光沢顔料および干渉顔料は、細密な色および効果が一部の観察者および消費者に心地よい主観的印象を与えるので、製品、例えば化粧品の見た目の向上のためにますます使用されている。例えば装飾的化粧品用の真珠光沢顔料の製造において、顔料の純度および品質に関して厳格な要求が課せられるので、真珠光沢顔料は、着色効果の向上または着色のために食品分野において使用可能であることも必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
すなわち、本発明の目的は、真珠光沢顔料または干渉顔料を用いる食品製品および薬剤製品の着色において、既知の色の薄片を膨張させ、その結果として、製品が感覚的に認知できるさらなる向上を示すことである。視覚的向上は、異なる色に着色された錠剤、糖衣錠などの間に明確な区別を設けることができるので、特に薬剤製品のために価値がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の開示)
驚くべきことに、食品製品および薬剤製品の視覚的向上のために、二酸化チタンおよび/または酸化鉄で被覆された薄片状基材が著しく適していることがわかった。酸化鉄は、Fe23のみならずFe34で被覆された薄片状基材をも意味するものと解される。特に、TiO2顔料および/またはFe34顔料を、天然または天然同等染料、色顔料または着色性果実抽出物および植物抽出物と組み合わせると、食品製品に興味深い新しい色が付与される。食品製品の着色により、同時に、流行の新規傾向の結果としての色の新しい変化および微妙な差異への要望を考慮することができる。
【0005】
すなわち、本発明は、食品製品または薬剤製品を着色するための、薄片状基材を基にした二酸化チタン顔料および/または酸化鉄顔料の使用に関する。
【発明の効果】
【0006】
着色された食品および薬剤製品は、真珠光沢顔料による光屈折に基づき、観察者および消費者に心地よい主観的印象を引き起こす新規着色効果において顕著である。この光学的効果は、食品分野において現在許容されている着色剤を用いると可能ではない。食品分野において許容されている着色顔料、例えば、植物炭素E153と対照的に、薄片状基材を基にした二酸化チタン顔料および酸化鉄顔料は、顔料着色すべき媒体に非常に容易に分散させることができる。さらに、このように着色された製品は、光および湿分からの保護の向上において顕著である。特にビタミン製剤は長い保管寿命を有する。錠剤の着色の場合、多くの場合、活性化合物の放出遅延が観察されている。
【0007】
非常に少量の酸化チタン顔料および/または酸化鉄顔料でも、食品または薬剤製品に、新規な興味深い色および同時に新規な特性を付与し得ることがわかった。製品を、製品基準で0.005〜15.0重量%、好ましくは0.01〜6.0重量%、特に0.1〜2.0重量%の真珠光沢顔料で着色した場合でも顕著な結果が達成される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
製造中に食品製品または薬剤製品に顔料を直接添加する場合、顔料の使用量は0.005〜4重量%が好ましい。食品または錠剤の表面処理の場合、適用範囲は、着色剤溶液または被覆溶液を基準に0.02〜15.0重量%、好ましくは0.5〜6.0重量%である。
【0009】
使用される黒色酸化鉄顔料は、磁鉄鉱被覆天然または合成雲母薄片、タルク、カオリン、SiO2薄片またはTiO2薄片である。特に好ましくは、製品を着色するために、好ましくは粒径が0.01〜200μm、特に0.1〜100μmの微粉砕酸化鉄顔料が用いられる。この種の黒色真珠光沢顔料は、例えば、特許および特許出願P23 13 331、P36 17 430およびJP90−246314に開示されている。これらの顔料は、例えば、ダルムシュタッットのメルク社(Merck KGaA)からCandurin(登録商標) Black Fineの名で市販されている。
【0010】
薄片状基材を基にしたTiO2顔料およびFe23顔料、例えば、天然および合成雲母、ガラス薄片、TiO2薄片、SiO2薄片およびAl23薄片が、例えば、独国特許および特許出願DE14 67 468、DE19 59 998、DE20 09 566、DE22 14 545、DE22 15 191、DE22 44 298、DE23 13 331、DE25 22 572、DE31 37 808、DE31 37 809、DE31 51 343、DE31 51 354、DE31 51 355、DE32 11 602、DE32 53 017、WO93/08237、DE196 18 564およびEP0 763 573に開示されている。これらの特許における基材は、1、2、3、4、5またはそれ以上の金属酸化物層で被覆されている。特に、TiO2および/またはFe23の1または2の層を含む顔料が好ましい。顔料の粒径は、好ましくは200μm以下、特に100μm以下である。
【0011】
食品分野で許容される真珠光沢顔料および干渉顔料、および/または天然/天然同等染料、色顔料または着色剤果実抽出物および植物抽出物を添加することにより、製品において二酸化チタン顔料および/または酸化鉄顔料の着色効果を強めることができ、同時に、新規な着色効果を達成することができる。
【0012】
特に、TiO2および/またはFe23で被覆された雲母薄片、Al23薄片、SiO2薄片またはTiO2薄片を基にした真珠光沢顔料および/または干渉顔料とFe34顔料とからなる顔料混合物で食品製品を着色すると、製品に興味深い着色効果が付与される。雲母を基にしたFe34顔料を含んでなる顔料混合物が非常に特に好ましい。
【0013】
Fe34顔料を、金顔料、銀顔料または干渉顔料のような他の真珠光沢顔料と組み合わせると、顔料のそれぞれの着色効果が強められる。この相乗作用は、他の天然または天然同等染料をさらに用いる必要無く、顔料着色すべき製品の着色可能性をかなり拡張する。
【0014】
食品分野で許容される真珠光沢顔料および干渉顔料は、例えば、メルク社(Merck KGaA)からCandurin(登録商標)の名で市販されている。
【0015】
顔料着色すべき製品における全ての顔料の合計濃度は、製品に基づいて12重量%を超えるべきでない。この濃度は、通常、特定の用途に依存する。TiO2顔料またはFe34顔料と、さらなる顔料成分との混合比は、所望の効果に依り、通常、20:1から1:20、好ましくは5:1、特に1:1である。顔料成分は、1種または2種以上の真珠光沢顔料または干渉顔料であり得る。特に、TiO2−雲母顔料、Fe23−雲母顔料およびTiO2−およびFe23−被覆雲母顔料が好ましい。さらに、TiO2−および/またはFe23−被覆または非被覆SiO2薄片またはTiO2薄片が好ましい。
【0016】
食品製品および薬剤製品における着色効果は、特に、黒色酸化鉄顔料が、TiO2−またはTiO2−/Fe23−被覆雲母顔料を基にした金顔料、銀顔料および干渉顔料と組み合わされた場合に、向上する。この好ましい態様において、製品におけるFe34顔料の含量は、好ましくは0.005〜2重量%である。
【0017】
真珠光沢顔料および/または干渉顔料に加えて、当業者に知られている全ての天然または天然同等染料を、さらなる着色成分として、二酸化チタン顔料および/または酸化鉄顔料に添加することができる。特に、ここで列挙し得るものはE101、E104、E110、E124、E131、E132、E140、E141、E151およびE160aである。
【0018】
さらに、例えばE171、E172およびE153のように他の着色顔料を薄片状真珠光沢顔料に添加することができる。
【0019】
製品を基準とした染料の含量は、0.5〜25重量%である。また、果実抽出物および植物抽出物、例えば、人参汁、ビート根汁、ニワトコ実汁、ハイビスカス汁、パプリカ抽出物およびアロニア抽出物を染料として用いることができる。
【0020】
薬剤製品および食品製品は、二酸化チタン顔料および/または酸化鉄顔料を、着色すべき製品に、単独でまたは他の顔料もしくは着色剤と組み合わせて、所望の定量比で、同時にまたは継続的に、製造中または製造後に添加することにより着色される。労力のかかる顔料の粉砕および分散は必要無い。
【0021】
列挙し得る着色に適した製品は、特に、全ての種類の食品上の被覆、特に、顔料添加糖被覆およびシェラック被覆(アルコール性および水性)、油およびワックスを含む被覆、アラビアゴムを含む被覆およびセルロース型(例えば、HPMC=ヒドロキシプロピルメチルセルロース)の被覆、砂糖菓子類中への挿入物または砂糖菓子類上への塗布物、ケーキ装飾、圧縮錠剤、パン被覆製品、チューインガム、ガム、フォンダン製品、マジパン製品、充填剤、ココア氷衣および脂肪氷衣、チョコレートおよびチョコレート含有製品、アイスクリーム、シリアル、スナック製品、被覆組成物、菓子表示板、砂糖入粒状クリーム、砂糖玉、ゼリーおよびゼラチン製品、ボンボン、甘草エキス、糖衣、綿菓子、脂肪組成物、糖組成物およびベーカークリーム組成物、プリン、デザート、フラングレージング、冷甘味スープ、カルボキシメチルセルロースのような安定化添加剤を含む飲料、クォーク、ヨーグルト、チーズ、チーズ皮、ソーセージ外皮等のような酸性化および非酸性化乳製品である。
【0022】
さらなる大きな使用分野は、錠剤、ゼラチンカプセル、糖被覆錠剤、軟膏、咳止めシロップ等を着色するための薬剤およびOTC分野である。ポリメタクリレートおよびセルロース、例えばHPMCのような一般的被覆と組み合わせると、顔料を多くの着色法において用いることができる。
【0023】
パン被覆または他の被覆食品製品および薬剤製品の場合、二酸化チタン顔料および酸化鉄顔料を、視覚的効果の促進および風味の向上のためにも、風味料(粉末風味料または液体風味料)および/または甘味料、例えば、アスパルテームと組み合わせることができる。
【0024】
すなわち、本発明は、着色剤として、二酸化チタン顔料および/または酸化鉄顔料を単独で、または他の顔料/顔料混合物または染料(天然または天然同等)と組み合わせて含んでなる、食品分野および薬剤分野からの全ての製剤に関する。
【実施例】
【0025】
以下の実施例により、本発明を限定することなく説明する。
【0026】
実施例1−硬質カラメル製造の詳細
[1.イソモルト(Isomalt)を含む組成例]
・Isomalt Merck Patent GmbH:75%:マンハイムのPalatinit GmbH製
・水:24.005%
・アスパルテーム:0.0075%:ハンブルクのWorlee製
・Acesulfame−K:0.0075%:フランクフルトのNutrinova製
・Candurin(登録商標)Silver Sheen*1:0.144%(注入量に基づいて0.2%):ダルムシュタットのMerck KGaA製
・Candurin(登録商標)Black Fine*2:0.036%(注入量に基づいて0.05%):ダルムシュタットのMerck KGaA製
・クエン酸:0.5%:ダルムシュタットのMerck KGaA製
・風味料:0.3%(ピーチ9/030307):ホルツミンデンのDragoco製
*1 (粒径5〜25μmのTiO2−雲母顔料)
*2 (粒径15μm未満のFe34−雲母顔料)
水をIsomalt Mと一緒に165℃まで加熱し、次に溶液を145℃まで冷やす。クエン酸の添加後に、アスパルテーム、Acesulfame−K、顔料であるCandurin(登録商標)Black FineおよびCandurin(登録商標)Silver Sheenならびに風味料を攪拌混入する。最後に、熱い混合物を注入漏斗を用いて脱気した金型に注ぐ。硬質カラメルを1時間冷却する。
【0027】
さらなる態様:
塊形成を避けるために、水の一部を用いて予め成分を溶解させることが、しばしば当を得ている。
【0028】
顔料であるCandurin(登録商標)Silver SheenおよびCandurin(登録商標)Black Fineを、水およびIsomaltと一緒に直接加熱することもできる。色損失は生じない。
【0029】
[2.イソモルト(Isomalt)を含む組成例]
・Isomalt Merck Patent GmbH:75%:マンハイムのPalatinit GmbH製
・水:24.041%
・アスパルテーム:0.0075%:ハンブルクのWorlee製
・Acesulfame−K:0.0075%:フランクフルトのNutrinova製
・Candurin(登録商標)Honeygold*3:0.144%(注入量に基づいて0.2%):ダルムシュタットのMerck KGaA製
・クエン酸:0.5%:ダルムシュタットのMerck KGaA製
・風味料:0.3%(ピーチ9/030307):ホルツミンデンのDragoco製
*3 (粒径5〜25μmのTiO2/Fe23−雲母顔料)
水をIsomalt Mと一緒に165℃まで加熱し、次に溶液を145℃まで冷やす。クエン酸の添加後に、アスパルテーム、Acesulfame−K、Candurin(登録商標)Honeygoldおよび風味料を攪拌混入する。最後に、熱い混合物を注入漏斗を用いて脱気した金型に注ぐ。硬質カラメルを1時間冷却する。
【0030】
さらなる態様:
塊形成を避けるために、水の一部を用いて予め成分を溶解させることが、しばしば当を得ている。
【0031】
顔料であるCandurin(登録商標)Honeygoldを、水およびIsomaltと一緒に直接加熱することもできる。
【0032】
[3.糖を含む組成例]
・糖:41%:Suedzucker製
・水:17.077%
・グルコースシロップ:41%C*Sweet:クレフェルトのCerestar製
・Candurin(登録商標)Silver Sheen*1:0.082%(注入量に基づいて0.1%):ダルムシュタットのMerck KGaA製
・Candurin(登録商標)Black Fine*2:0.041%(注入体積に基づいて0.05%):ダルムシュタットのMerck KGaA製
・E104 1:100希釈:0.4%Sikovit:ルードビッヒスハーフェンのBASF製
・風味料:0.4%(バナナ9/030388):ホルツミンデンのDragoco製
*1 (粒径5〜25μmのTiO2−雲母顔料)
*2 (粒径15μm未満のFe34−雲母顔料)
糖を水と一緒に100℃まで加熱し、次にグルコースシロップを添加する。次に溶液を145℃に加熱する。Candurin(登録商標)Silver Sheen、Candurin(登録商標)Black Fine、染料溶液および風味料の添加後に、カラメル溶液を注入漏斗を用いて脱気した金型に注ぐ。最後に、混合物を2時間冷却する。Candurin(登録商標)顔料は、糖と混合する、またはグルコースシロップと混合して添加することができる。この態様は酸を含まない。何故なら、酸がカラメル化を強くし過ぎるからである。
【0033】
[4.糖を含む組成例]
・糖:41%:Suedzucker製
・水:17.118%
・グルコースシロップ:41%C*Sweet:クレフェルトのCerestar製
・Candurin(登録商標)Wine Red*4:0.082%(注入量に基づいて0.1%):ダルムシュタットのMerck KGaA製
・E104 1:100希釈:0.4%Sikovit:ルードビッヒスハーフェンのBASF製
・風味料:0.4%(バナナ9/030388):ホルツミンデンのDragoco製
*4 (粒径10〜60μmのFe23−雲母顔料)
糖を水と一緒に100℃まで加熱し、次にグルコースシロップを添加する。次に溶液を145℃に加熱する。Candurin(登録商標)Wine Red、染料溶液および風味料の添加後に、カラメル溶液を注入漏斗を用いて脱気した金型に注ぐ。最後に、混合物を2時間冷却する。Candurin(登録商標)顔料は、糖と混合するか、またはグルコースシロップとの混合物として添加することができる。この態様は酸を含まない。何故なら、酸がカラメル化を強くし過ぎるからである。
【0034】
実施例2−ゼラチン粒子の製造
[1.組成例]
・水:10.48%
・糖:31.45%:Suedzucker製
・グルコースシロップ:31.45%C*Sweet:クレフェルトのCerestar製
・Candurin(登録商標)Wine Red:0.38%(注入量に基づいて0.4%):ダルムシュタットのMerck KGaA製
・クエン酸1:1希釈:2.51%:ダルムシュタットのMerck KGaA製
・ゼラチン:7.86% 260Bloom:エーベルバッハのDGF製
・水:15.748%
風味料:0.122%(黒ブドウ9/695750):ホルツミンデンのDragoco製
*4 (粒径10〜60μmのFe23−雲母顔料)
まず、ゼラチンを60℃で等量の水で軟化する。糖および水を100℃に加熱し、次にグルコースシロップを添加する。混合物をさらに120℃に加熱し、次に、約85℃に冷却する。Candurin(登録商標)顔料、クエン酸、風味料およびゼラチン溶液を攪拌混入し、脱気ゼラチン混合物を、注入漏斗と用いて脱気した金型に仕込む。製品を約16時間冷却する。
【0035】
さらなる態様:
Candurin(登録商標)顔料を、ここでも糖と予め直接混合する、またはグルコースシロップと一緒に導入することができる。
【0036】
金型に注ぐ代わりに、粉末の成形において凹金型を用いる従来法を、この場合に用いてゼラチン物品を得ることができる。
【0037】
[2.組成例]
・水:10.508%
・糖:31.45%:Suedzucker製
・グルコースシロップ:31.45%C*Sweet:クレフェルトのCerestar製
・Candurin(登録商標)Blueberry Sugar*5:0.38%(注入量に基づいて0.4%):ダルムシュタットのMerck KGaA製
・E153(植物炭素/炭素薬物):0.038%:(注入量に基づいて0.04%):Dr.Marcus製
・クエン酸1:1希釈:2.51%:ダルムシュタットのMerck KGaA製
・ゼラチン:7.86% 260Bloom:エーベルバッハのDGF製
・水:15.682%
・風味料:0.122%(黒ブドウ9/695750):ホルツミンデンのDragoco製
*5 (粒径10〜60μmのTiO2−雲母顔料)
まず、ゼラチンを60℃で等量の水で軟化する。糖および水を100℃に加熱し、次にグルコースシロップを添加する。混合物をさらに120℃に加熱し、次に、約85℃に冷却する。Candurin(登録商標)顔料、クエン酸、風味料およびゼラチン溶液を攪拌混入し、脱気ゼラチン混合物を、注入漏斗と用いて脱気した金型に仕込む。製品を約16時間冷却する。
【0038】
さらなる態様:
Candurin(登録商標)顔料を、ここでも糖と予め直接混合する、またはグルコースシロップと一緒に導入することができる。
【0039】
金型に注ぐ代わりに、粉末の成形において凹金型を用いる従来法を、この場合に用いてゼラチン物品を得ることができる。
【0040】
実施例3−糖衣錠
a)着色される核材:白色糖衣錠核材(硬質糖被覆されているリカーアイスロッド)
糖衣錠を被覆するための溶液:
シェラックアルコール溶液:95.62%:Wolff & Olsen製
Candurin(登録商標)Silver Lustre*1:4.00%:ダルムシュタットのMerck KGaA製
Candurin(登録商標)Black Fine*2:0.38%:ダルムシュタットのMerck KGaA製
*1 (粒径10〜60μmのTiO2−雲母顔料)
*2 (粒径15μm未満のFe34−雲母顔料)
Candurin(登録商標)顔料を、シェラック中に均一に分配させ、糖衣錠パン内でゆっくり回転している糖衣錠に噴霧する。糖衣錠を冷たい空気を用いて連続的に乾燥する。所望の色被覆が達成されるまで噴霧を続ける。最後に、核材をパンから取り出し、ラック上で約12時間乾燥する。
【0041】
b)着色される核材:黒色糖衣錠核材(チューインガムボール)
糖衣錠を被覆するための溶液:
シェラックアルコール溶液:95%:Kaul GmbH製
Candurin(登録商標)Caramel*:5%:ダルムシュタットのMerck KGaA製
* (粒径10〜60μmのFe23−雲母顔料)
Candurin(登録商標)顔料を、シェラック中に均一に分配させ、糖衣錠パン内でゆっくり回転している糖衣錠に噴霧する。所望の色被覆が達成されるまで噴霧を続ける。核材が一緒に粘着するのを防止するために、冷たい空気を用いて乾燥を連続的に行う。最後に、核材をパンから取り出し、ラック上で約12時間乾燥する。
【0042】
c)白色硬質糖殻でのリカーアイスニブの被覆
着色される核材:白色硬質糖殻を有するリカーアイスニブ
糖衣錠を被覆するための溶液:
シェラックアルコール溶液:95.75%Capol 425:Kaul GmbH製
Candurin(登録商標)Buttergold*1:4%:ダルムシュタットのMerck KGaA製
Candurin(登録商標)Black Fine:0.25%:ダルムシュタットのMerck KGaA製
*1 (粒径10〜60μmのTiO2/Fe23−雲母顔料)
実施例3a)と同様にして核材を被覆する。
【0043】
d)Vienneseナッツのパン被覆(ヘーゼルナッツ核材を用いる白色の硬質糖殻)
糖衣錠の被覆のための溶液:
シェラックアルコール溶液:96.0%:Wolff & Olsen製
Candurin(登録商標)Silver Lustre*:4%:ダルムシュタットのMerck KGaA製
* (粒径10〜60μmのTiO2−雲母顔料)
Candurin(登録商標)顔料をシェラック溶液に均一に分散する。これを、実施例3a)と同様に適用する。
【0044】
e)出発材料:白色チョコレートドロップ
Candurin(登録商標)/HPMC水溶液を噴霧用途に用いる。
【0045】
Candurin(登録商標)顔料を水に攪拌混入する。適当な場合には、次に、さらなる染料、風味料または甘味料を添加する。最後に、懸濁液にフィルム形成剤(HPMC)を添加する。粘度上昇の結果、攪拌速度も対応して上昇させなくてはならない。約40〜60分後、HPMCが完全に溶解し、溶液を次に糖衣錠に噴霧することができる。
【0046】
噴霧は、パン被覆ドラム中または従来の被覆系中において、適当に匹敵する連続的乾燥空気流(温度/体積)を確保するように注意を払って適用することができる。
【0047】
所望の着色効果が得られると直ぐに、糖衣錠を排出する。次に、ラック上で乾燥する。
【0048】
噴霧溶液:
Sepifilm Lp10:6.0%:Seppic製
Candurin(登録商標)paprika*:5.0%:ダルムシュタットのMerck KGaA製
風味料:0.5%(バニラ9/024233):ホルツミンデンのDragoco製
水:88.5%
* (粒径10〜60μmのFe23−雲母顔料)
f)出発材料:白色の糖−パン−被覆アーモンド
噴霧溶液をe)におけるように調製し適用する。
【0049】
噴霧溶液:
Sepifilm Lp10:5.0%:Seppic製
Candurin(登録商標)Silver Lustre*:4.0%:ダルムシュタットのMerck KGaA製
Sepisperse M5062:1.0%:Seppic製
水:99.0%
* (粒径10〜60μmのTiO2−雲母顔料)
g)出発材料:白色の糖−パン−被覆アーモンド
噴霧溶液をe)におけるように調製し適用する。
【0050】
噴霧溶液:
Sepifilm Lp10:6.0%:Seppic製
Candurin(登録商標)Silver Lustre*:4.0%:ダルムシュタットのMerck KGaA製
E153:0.2%:Dr.Marcus製
水:89.8%
* (粒径10〜60μmのTiO2−雲母顔料)
h)出発材料:赤色糖−パン−被覆アーモンド
Candurin(登録商標)/アラビアゴム水溶液を噴霧用途に用いる。
【0051】
Candurin(登録商標)顔料をアラビアゴム溶液に攪拌混入し、次に、パン被覆ドラム中で回転している糖衣錠に噴霧する。ここで乾燥は冷たい空気を用いて連続的に行わなければならない。所望の着色効果が達成されると、噴霧操作を終了する。次に、着色糖衣錠を、シェラックフィルムでさらに被覆して相互粘着を避けることができる。
【0052】
噴霧溶液:
アラビアゴム溶液:82.0%:Kaul製
Candurin(登録商標)Wine Red*:8.0%:ダルムシュタットのMerck KGaA製
水:10.0%
* (粒径10〜60μmのFe23−雲母顔料)
実施例4−ゼリーデザート
乳酸カルシウム:0.05%:Merck KGaA製
Genugel LC4N:0.6%:Hercules製
リン酸四ナトリウム:0.15%:Merck KGaA製
クエン酸結晶:0.38%:Merck KGaA製
gellan:0.06%:Kelco製
リン酸三ナトリウム:0.05%:Merck KGaA製
スクロース:15%:Suedzucker
Candurin(登録商標)Silver Sparkle*1:0.025%:Merck KGaA製
風味料および着色料は任意
水:84.685%
* (粒径20〜150μmのTiO2−雲母顔料)
全ての成分を95℃に加熱し、その温度で攪拌下に3〜5分間維持する。これらを、次に、穏やかに攪拌しつつ40〜45℃に冷却する。次に、ゼリーデザートを金型に注ぎ込み、必要な場合は冷却する。
【0053】
[薬剤適用]
実施例5
a)初期重量1kgの白色錠剤:直径=8mm、重量=200mg
フィルム被覆のための溶液:
6%:Sepifilm Lp10(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸および微結晶性セルロースの混合物):Seppic製
5%:Candurin(登録商標)Caramel*:ダルムシュタットのMerck KGaA製
89%:水
* (粒径10〜60μmのFe23−雲母顔料)
合計適用量:200g
これは、錠剤表面積1cm2当たりポリマー1.2mgに相当する。
【0054】
b)初期重量1kgの白色錠剤:直径=8mm、重量=200mg
フィルム被覆のための溶液(100g):
・6%:Sepifilm Lp10:Seppic製
・4%:Candurin(登録商標)Silver Lustre*:Merck KGaA製
・1%:Sepisperse M5062(染料ペースト:TiO2、天然または天然同等染料、安定化剤):Seppic製
・89%:水 * (粒径10〜60μmのTiO2−雲母顔料)
・合計適用量:200g
これは、錠剤表面積1cm2当たりポリマー1.2mgに相当する。
【0055】
フィルム被覆溶液の製造:
Candurin(登録商標)顔料を水に攪拌混入する。適当な場合、次に、さらなる染料を添加する。最後に、フィルム形成剤(HPMC)を懸濁液に分散する。増加する粘度のために、攪拌器の粘度も対応して増加させることが必要となる。約40〜60分後、HPMCを完全に溶解し、次に、溶液を錠剤に噴霧することができる。一般的な標準的被覆プロセスを用いて噴霧を適用する。
【0056】
[糖菓子類]
実施例6
a)リカーアイス製品:
原料:押し出しリカーアイス製品
油添加したリカーアイス製品を、Candurin(登録商標)/シェラック溶液と共に、パン被覆ドラム中で噴霧する。同時に、これらを、冷たい空気を用いて乾燥する。所望の着色効果が得られると、適用を停止し、着色されたリカーアイス製品をパンから排出する。
【0057】
噴霧溶液:
シェラックアルコール溶液:97%:Kaul製
Candurin(登録商標)Kiwi Sugar*:3%:ダルムシュタットのMerck KGaA製
* (粒径10〜60μmのTiO2−雲母顔料)
b)メントールパステル:
原料:メントールパステル
Candurin(登録商標)/シェラック溶液(水性)を、パン被覆ドラム中で回転しているパステルに噴霧する。ここで、暖かい空気を用いて連続的に乾燥を行う。所望の着色効果が達成されると直ぐに、適用を停止し、着色されたパステルをパンから排出する。
【0058】
噴霧溶液:
シェラックアルコール溶液:96%:Warner Jenkinson製
Candurin(登録商標)Silver Lustre*:4%:ダルムシュタットのMerck KGaA製
* (粒径10〜60μmのTiO2−雲母顔料)
c)マジパンローズ(ケーキ装飾)
材料:赤色マジパンローズ ケーキ装飾に、所望の色の適用が達成されるまでCandurin(登録商標)/シェラック溶液を噴霧する。続いて冷たい空気で乾燥することができる。
【0059】
噴霧溶液:
シェラックアルコール溶液:97%:Wolff & Olsen製
Candurin(登録商標)Blueberry Sugar*:3%:ダルムシュタットのMerck KGaA製
* (粒径10〜60μmのTiO2−雲母顔料)
d)シャーベット甘味料 材料:白色のシャーベット甘味料 シャーベット甘味料に、所望の色の適用が達成されるまでCandurin(登録商標)/シェラック溶液を噴霧する。続いて冷たい空気で乾燥することができる。
【0060】
噴霧溶液:
シェラックアルコール溶液:94%:Kaul製
Candurin(登録商標)Silver Sparkle*:6%:ダルムシュタットのMerck KGaA製
* (粒径20〜150μmのTiO2−雲母顔料)