特許第5982488号(P5982488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5982488相互連結アセンブリー及び電池モジュールにおいて相互連結アセンブリーを形成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5982488
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】相互連結アセンブリー及び電池モジュールにおいて相互連結アセンブリーを形成する方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/20 20060101AFI20160818BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   H01M2/20 A
   H01M2/30 B
【請求項の数】19
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-525950(P2014-525950)
(86)(22)【出願日】2012年8月27日
(65)【公表番号】特表2014-526132(P2014-526132A)
(43)【公表日】2014年10月2日
(86)【国際出願番号】KR2012006813
(87)【国際公開番号】WO2013032194
(87)【国際公開日】20130307
【審査請求日】2014年2月14日
(31)【優先権主張番号】13/222,492
(32)【優先日】2011年8月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】アレックス・カクハレヴ
【審査官】 佐藤 知絵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−204439(JP,A)
【文献】 特開2008−123800(JP,A)
【文献】 特開2010−282767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/20
H01M 2/10
H01M 2/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1金属からなる、第1電池セルの第1セルタブと、
前記第1セルタブに対向して配置されており、前記第1金属の硬度よりも大きい硬度を有する第2金属からなる、第2電池セルの第2セルタブと、
第2セルタブに対向して配置されている相互連結部材と、
溶接助力層であって、前記第1セルタブ及び前記第2セルタブが溶接助力層と相互連結部材との間に配置されるようにし、溶接結合部が前記第1セルタブ及び前記第2セルタブ、相互連結部材、及び溶接助力層に形成される時、第1セルタブの変形を抑えるように、前記第1セルタブに対向して配置されている溶接助力層と、
を備えている、電池モジュールにおける相互連結アセンブリーにおいて、
前記溶接助力層、前記第1セルタブ、前記第2セルタブ、及び前記相互連結部材は、前記溶接助力層及び前記相互連結部材が超音波溶接機により前記第1セルタブ及び前記第2セルタブに溶接された前記相互連結アセンブリーを構成し、
前記溶接助力層の厚さは、前記相互連結アセンブリーにおける改善された溶接を可能にするために前記相互連結部材の厚さより薄いことを特徴とする、電池モジュールにおける相互連結アセンブリー。
【請求項2】
前記第1金属は、アルミニウムであることを特徴とする、請求項1に記載の相互連結アセンブリー。
【請求項3】
前記第金属は、銅であることを特徴とする、請求項1に記載の相互連結アセンブリー。
【請求項4】
前記溶接助力層は、扁平壁部、及び該扁平壁部から延びた弓状部位を有していることを特徴とする、請求項1に記載の相互連結アセンブリー。
【請求項5】
前記溶接助力層は、第2金属又は前記第1金属及び前記第2金属と異なる第3金属からなることを特徴とする、請求項1に記載の相互連結アセンブリー。
【請求項6】
前記相互連結部材は、第2金属又は前記第1金属及び前記第2金属と異なる第3金属からなることを特徴とする、請求項1に記載の相互連結アセンブリー。
【請求項7】
電池モジュールにおいて相互連結アセンブリーを形成する方法であって、
第1金属からなる、第1電池セルの第1セルタブ、第1金属の硬度よりも大きい硬度を有する第2金属からなる、第2電池セルの第2セルタブ、相互連結部材、及び溶接助力層を提供する過程と、
前記第2セルタブを前記第1セルタブに対向して配置する過程と、
前記相互連結部材を第2セルタブに対向して配置する過程と、
前記第1セルタブ及び前記第2セルタブが前記溶接助力層と前記相互連結部材との間に配置されるように、前記溶接助力層を前記第1セルタブに対向して配置する過程と、
超音波溶接機を用いて、前記第1セルタブ及び前記第2セルタブ、前記相互連結部材、及び溶接助力層を共に超音波溶接する過程と、
を含み、
前記溶接助力層、前記第1セルタブ、前記第2セルタブ、及び前記相互連結部材は、前記溶接助力層及び前記相互連結部材が超音波溶接機により前記第1セルタブ及び前記第2セルタブに溶接された前記相互連結アセンブリーを構成することを特徴とする、方法。
【請求項8】
前記第1金属は、アルミニウムであることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2金属は、銅であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記溶接助力層は、第2金属又は前記第1金属及び前記第2金属と異なる第3金属からなることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記相互連結部材は、第2金属又は前記第1金属及び前記第2金属と異なる第3金属からなることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
第1金属からなる、第1電池セルの第1セルタブと、
前記第1セルタブに対向して配置されており、前記第1金属の硬度よりも大きい硬度を有する第2金属からなる、第2電池セルの第2セルタブと、
U字状部位、及び該U字状部位の端部に結合されている延長部位を有する相互連結部材であって、溶接結合部が前記第1セルタブ及び前記第2セルタブ、該相互連結部材、及びU字状部位に形成される時、前記U字状部位が第1セルタブの変形を抑えるように、前記第1セルタブの少なくとも一部位及び前記第2セルタブの少なくとも一部位が、U字状部位により定義された開口領域内に配置されており、U字状部位に接触している相互連結部材と、
を備えており、
前記相互連結部材、前記第1セルタブ、及び前記第2セルタブは、前記相互連結部材が超音波溶接機により前記第1セルタブ及び前記第2セルタブに溶接された相互連結アセンブリーを構成し、
前記U字状部位は、互いに略平行である第1壁及び第2壁と、前記第1壁と前記第2壁との間に連結された弓状部位と、を含み、
前記第1壁は、改善された溶接結合部が前記相互連結アセンブリーに形成されることを可能にするために、前記第2壁の厚さより薄い厚さを有することを特徴とする、電池モジュールにおける相互連結アセンブリー。
【請求項13】
前記第1金属は、アルミニウムであることを特徴とする、請求項12に記載の相互連結アセンブリー。
【請求項14】
前記第2金属は、銅であることを特徴とする、請求項12に記載の相互連結アセンブリー。
【請求項15】
前記相互連結部材は、第2金属又は前記第1金属及び前記第2金属と異なる第3金属からなることを特徴とする、請求項12に記載の相互連結アセンブリー。
【請求項16】
電池モジュールにおいて相互連結アセンブリーを形成する方法であって、
第1金属からなる、第1電池セルの第1セルタブ、第1金属の硬度よりも大きい硬度を有する第2金属からなる、第2電池セルの第2セルタブ、及びU字状部位と該U字状部位の第1端部に結合されている延長部位を有する相互連結部材を提供する過程と、
第1及び第2部位がU字状部位に接触するように、第1セルタブの少なくとも一部位と第2セルタブの少なくとも一部位を、前記相互連結部材のU字状部位により定義された開口領域内に配置する過程と、
超音波溶接機を用いて、前記第1セルタブ及び前記第2セルタブと前記相互連結部材のU字状部位を共に超音波溶接する過程と、
を含み、
前記相互連結部材、前記第1セルタブ、及び前記第2セルタブは、前記相互連結部材が超音波溶接機により前記第1セルタブ及び前記第2セルタブに溶接された前記相互連結アセンブリーを構成することを特徴とする、方法。
【請求項17】
前記第1金属は、アルミニウムであることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2金属は、銅であることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記相互連結部材は、第2金属又は前記第1金属及び前記第2金属と異なる第3金属からなることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互連結アセンブリー及び電池モジュールにおいて相互連結アセンブリーを形成する方法に係り、特に、第1金属からなる、第1電池セルの第1セルタブ(first cell tab)、第1セルタブに対向して配置されており、第1金属の硬度よりも大きい硬度を有する第2金属からなる、第2電池セルの第2セルタブ(second cell tab)、第2セルタブに対向して配置されている相互連結部材(interconnect member)、及び溶接助力層(weld assisting layer)であって、第1及び第2セルタブが溶接助力層と相互連結部材との間に配置されるようにし、溶接結合部(welding joint)が第1及び第2セルタブ、相互連結部材、及び溶接助力層に形成される時、第1セルタブの変形を抑えるように、第1セルタブに対向して配置されている溶接助力層を備えている、相互連結アセンブリー(interconnect assembly)に関する。
【背景技術】
【0002】
電池モジュールは、電池端子と共に電気的に結合するために相互連結部材を使用する。しかし、相互連結部材がアルミニウムのような相対的に柔軟な金属からなる電池端子に超音波溶接される時、電池端子を相互連結部材に溶接する過程で超音波溶接用ホーン(ultrasonic welding horn)が電池端子を通って大きく動くことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、発明者は、上記問題点を最小化及び/又は除去するために、向上した相互連結アセンブリーの必要性を認識することになった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記のような従来技術の問題点、及び過去から要請されてきた技術的課題を解決することを目的とする。
【0005】
本発明の実施例に係る相互連結アセンブリーを提供する。前記相互連結部材アセンブリーは、第1電池セルの第1セルタブを備える。第1セルタブは、第1金属からなる。また、相互連結アセンブリーは、第2電池セルの第2セルタブを備える。第2セルタブは、第1セルタブに対向して配置されている。第2セルタブは、第2金属からなる。第2セルタブは、第1金属の硬度よりも大きい硬度を有する。また、相互連結部材アセンブリーは、第2セルタブに対向して配置されている。相互連結部材アセンブリーは、さらに、溶接助力層を備えており、この溶接助力層は、第1及び第2セルタブが溶接助力層と相互連結部材との間に配置されるように第1セルタブに対向して配置されている。溶接結合部が第1及び第2セルタブ、相互連結部材、及び溶接助力層に形成される時、溶接助力層が第1セルタブの変形を抑える。
【0006】
他の実施例は、電池モジュールにおいて相互連結アセンブリーを形成する方法を提供する。第1電池セルの第1セルタブ、第2電池セルの第2セルタブ、相互連結部材及び溶接助力層を提供する過程を含む。前記第1セルタブは、第1金属からなっており、前記第2セルタブは第2金属からなっている。前記第2セルタブは、第1金属の硬度よりも大きい硬度を有する。また、第2セルタブを第1セルタブに対向して配置する過程を含む。相互連結部材を第2セルタブに対向して配置する過程を含む。第1及び第2セルタブが溶接助力層と相互連結部材との間に配置されるように、溶接助力層を第1セルタブに対向して配置する過程を含む。また、超音波溶接機を用いて、第1及び第2セルタブ、相互連結部材及び溶接助力層を共に超音波溶接する過程を含む。
【0007】
さらに他の実施例に係る相互連結アセンブリーを提供する。相互連結アセンブリーは、第1電池セルの第1セルタブを備える。第1セルタブは、第1金属からなる。相互連結アセンブリーは、さらに、第1セルタブに対向して配置される第2電池セルの第2セルタブを備える。前記第2セルタブは、第2金属からなる。前記第2金属は、第1金属の硬度よりも大きい硬度を有する。相互連結アセンブリーは、また、U字状部位、及び該U字状部位の端部に結合されている延長部位を有する。第1セルタブの少なくとも一部位と第2セルタブの少なくとも一部位が、U字状部位により定義された開口領域内に配置されており、U字状部位に接触している。溶接結合部が第1及び第2セルタブ、相互連結部材、及びU字状部位に形成される時、U字状部位は第1セルタブの変形を抑える。
【0008】
さらに他の実施例は、電池モジュールにおいて相互連結アセンブリーを形成する方法を提供する。第1電池セルの第1タブ、第2電池セルの第2セルタブ、U字状部位と前記U字状部位の第1端部に結合されて延びている延長部位を有する相互連結部材を提供する過程を含む。第1セルタブは、第1金属からなっており、第2セルタブは、第2金属からなっている。第2金属は、第1金属の硬度よりも大きい硬度を有する。また、第1及び第2部位がU字状部位に接触するように、第1セルタブの少なくとも一部位と第2セルタブの少なくとも一部位を、相互連結部材のU字状部位により定義された開口領域内に配置する過程を含む。また、超音波溶接機を用いて、第1及び第2セルタブと相互連結部材のU字状部位を共に超音波溶接する過程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、超音波溶接機及び電池モジュールの側面図である。
図2図2は、本発明の一実施例に係る図1の電池モジュール内に使用される相互連結アセンブリーの拡大側面図である。
図3図3は、図2の相互連結アセンブリーで使用された相互連結部材の模式図である。
図4図4は、図3の相互連結部材の模式図である。
図5図5は、図3の相互連結部材の正面図である。
図6図6は、本発明の実施例に係る図2の相互連結アセンブリーの構成方法を示すフローチャートである。
図7図7は、他の実施例に係る、相互連結アセンブリーと超音波溶接機を有する電池モジュールの側面図である。
図8図8は、他の実施例に係る図7の電池モジュール内で使用される溶接助力層の拡大側面図である。
図9図9は、他の実施例に係る図8の溶接助力層を使用する相互連結アセンブリーの構成方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例について説明するが、これは、本発明のより容易な理解を助けるためのもので、本発明の範ちゅうを限定するものではない。
【0011】
図1を参照すると、一実施例に係る電池モジュール10、超音波溶接機20が示されている。電池モジュール10の利点は、以下に詳しく説明されるように、向上した相互連結アセンブリーを使用することにある。電池モジュール10は、電池セル28,30,32,34,36,38、回路基板60、及び相互連結部材74,76,78を備える。ここにいう「金属」は、純粋な金属、又は合金のいずれかを意味する。
【0012】
電池セル28〜38はいずれも同一構造を有している。それぞれの電池セル28〜38は、パウチ形本体(図示せず)、及びパウチ形本体から延びた一対のセルタブを有している。例えば、電池セル32は、パウチ形本体、セルタブ102、及びパウチ形本体から延びた他のセルタブ(図示せず)を有している。一実施例において、セルタブ102はアルミニウムからなっている。また、例えば、電池セル34は、パウチ形本体、セルタブ104、及びパウチ形本体から延びた他のセルタブ(図示せず)を有している。他の実施例において、セルタブ104は、アルミニウムの硬度よりも大きい硬度を有する銅からなっている。
【0013】
回路基板60は、電池セル28〜38上に配置されており、電池セルからセルタブを受け入れるために回路基板を通って延びている貫通口(aperture)107,108,109を有している。
【0014】
図1図5を参照すると、相互連結部材74,76,78は、電池セルのセル28〜38のセルタブに電気的に結合されるために提供される。相互連結部材74,76,78の構造はいずれも同一になっている。一実施例において、相互連結部材74,76,78は銅からなっている。勿論、他の実施例において、相互連結部材74,76,78は、例えば、ステンレススチール又はニッケル合金のように、アルミニウムの硬度よりも大きい硬度を有する他の金属からなっていてもよい。説明の簡潔化のため、相互連結部材76のみをより詳しく以下に説明する。相互連結部材76は、U字状部位120、延長部位(extension portion)122、及び結合タブ(coupling tab)124,126,128,130を有する。
【0015】
U字状部位120は、セルタブ102,104を受け入れるための開口領域(open region)121を定義する。U字状部位120は、実質的に互いに平行な壁140,142を含み、弓状部位(arcuate−shaped portion)144は、壁140,142の間に設けられる。一実施例において、壁140,142の厚さは、互いに実質的に同一である。他の実施例において、向上した溶接結合部(weld joint)が相互連結アセンブリー149に形成されるように、壁140は壁142よりも薄い厚さを有する。
【0016】
延長部位122は、壁140から延びており、U字状部位120により定義された開口領域121にセルタブ102,104を誘導する役割を担う。
【0017】
結合タブ124,126,128,130は、U字状部位120の壁142から延びており、回路基板60に相互連結部材76を連結するために回路基板60におけるそれぞれの貫通口に入るようになっている。
【0018】
相互連結部材76が超音波溶接機20によりセルタブ102,104に溶接される時、相互連結部材76及びセルタブ102,104は相互連結アセンブリー149を構成する。
【0019】
相互連結アセンブリーの利点は、超音波溶接をする間に、壁140、セルタブ102,104及び壁142間に溶接結合部を形成する前にアルミニウムセルタブ102を超音波溶接用ホーンが貫通しないように、アルミニウムセルタブ102を保護するために、アルミニウムよりも大きい硬度の銅又はその金属(例えば、ニッケル合金又はステンレススチール)からなる壁140を使用するということにある。
【0020】
図1を参照すると、超音波溶接機20は、超音波溶接用ホーン160及びアンビル(anvil)162を備えている。セルタブ102,104に相互連結部材76を超音波溶接する間に、超音波溶接用ホーン160は相互連結部材76の壁140に接触し、アンビル162は相互連結部材76の壁142に接触する。
【0021】
図6を参照して、一実施例に係る相互連結アセンブリー149を形成する方法を説明する。
【0022】
工程180において、電池セル32のセルタブ102、電池セル34のセルタブ104、及び相互連結部材76を提供する。相互連結部材76は、U字状部位120、及びU字状部位120の第1端部に結合されている延長部位122を有する。セルタブ102は第1金属(例えば、アルミニウム)からなっており、セルタブ104は第2金属(例えば、銅)からなっている。第2金属は、第1の金属の硬度よりも大きい硬度を有する。
【0023】
工程182において、第1及び第2部位がU字状部位120に接触するように、セルタブ102の少なくとも第1部位とセルタブ104の少なくとも第2部位が、相互連結部材76のU字状部位120により定義された開口領域121内に配置される。
【0024】
工程184において、超音波溶接機20は。セルタブ102,104と相互連結部材76のU字状部位120とを超音波溶接する。
【0025】
図7及び図8を参照すると、他の実施例に係る電池モジュール200及び超音波溶接機20が示されている。電池モジュール200の利点は、次に詳しく説明されるように、電池モジュール200が、向上した相互連結アセンブリーを使用するという点である。電池モジュール200は、電池セル210,212,214,216,218,220、回路基板230、相互連結部材240,242,244、及び溶接助力層(weld assisting layer)250,252,254を備えている。
【0026】
電池セル210〜220はいずれも同一の構造を有している。それぞれの電池セル210〜220は、パウチ形本体(図示せず)、及びパウチ形本体から延びた一対のセルタブを有している。例えば、電池セル214は、パウチ形本体(図示せず)、セルタブ274、及びパウチ形本体から延びた他のセルタブ(図示せず)を有している。一実施例において、セルタブ274はアルミニウムからなっている。また、例えば、電池セル216は、パウチ形本体(図示せず)、セルタブ276、及びパウチ形本体から延びた他のセルタブ(図示せず)を有している。他の実施例において、セルタブ276はアルミニウムの硬度よりも大きい硬度を有する銅からなっている。
【0027】
回路基板230は、電池セル210〜220上に配置されており、これら電池セルからセルタブを受け入れるために回路基板を通って延びている貫通口231,232,234を有している。
【0028】
相互連結部材240,242,244は、電池セル210〜220のセルタブに電気的に結合するために提供される。相互連結部材240,242,244の構造はいずれも同一である。一実施例において、相互連結部材240,242,244は銅からなっている。勿論、他の実施例において、相互連結部材240,242,244は、アルミニウムよりも大きい硬度の他の金属(例えば、ニッケル合金又はステンレススチール)からなっていてもよい。説明の簡潔化のため、相互連結部材242のみが以下に詳しく説明される。相互連結部材242は、壁290,292、結合タブ294、及びその他結合タブ(図示せず)を有する。壁292は、壁290の端部から延びており、壁290に実質的に垂直に配置されている。結合タブ294は、壁292の端部から延びており、壁292に実質的に垂直に配置されている。結合タブ294とその他結合タブ(図示せず)は、回路基板230に相互連結部材242を連結するように構成されている。
【0029】
溶接助力層250,252,254は、溶接助力層252、セルタブ274,276及び相互連結部材242間に溶接結合部が形成される間に、超音波溶接用ホーン160がアルミニウムセルタブに穴を開けることを防止するために、アルミニウムセルタブに隣接して配置されている。溶接助力層252は、扁平壁部(flat wall portion)300、及び扁平壁部300の端部から延びた弓状部位302を有する。扁平壁部300は、セルタブ274に隣接して配置され、弓状部位302は、セルタブ274,276の上端部の上で延びている。一実施例において、各溶接助力層250,252,254の厚さは、相互連結部材242の壁290の厚さと実質的に同一である。他の実施例において、各溶接助力層250,252,254の厚さは、相互連結アセンブリー305において向上した溶接が可能となるように、相互連結部材242の壁290の厚さよりも薄くてもよい。
【0030】
溶接助力層252と相互連結部材242が超音波溶接機20によりセルタブ274,276に溶接される時、溶接助力層252、セルタブ274,276及び相互連結部材242は、相互連結アセンブリー305を構成する。相互連結アセンブリー305の利点は、超音波溶接をする間に、溶接助力層252、セルタブ274,276及び相互連結部材242間に溶接結合部を形成する前に超音波溶接用ホーン160がアルミニウムセルタブ274を貫通しないように、アルミニウムセルタブ274を保護するためにアセンブリーが溶接助力層252を使用するということにある。
【0031】
図9を参照して、他の実施例に係る相互連結アセンブリー305の形成方法を説明する。
【0032】
工程320において、電池セル214のセルタブ274、電池セル216のセルタブ276、相互連結部材242、及び溶接助力層252を提供する。セルタブ274は、第1金属(例えば、アルミニウム)、セルタブ276は第2金属(例えば、銅)からなっている。第2金属は第1の金属の硬度よりも大きい硬度を有する。
【0033】
工程322において、セルタブ276をセルタブ274に対向して配置する。
【0034】
工程324において、相互連結部材242をセルタブ276に対向して配置する。
【0035】
工程326において、セルタブ274,276が溶接助力層252と相互連結部材242との間に配置されるように、溶接助力層252をセルタブ274に対向して配置する。
【0036】
工程328において、超音波溶接機20を用いてセルタブ274,276、相互連結部材242及び溶接助力層252を共に超音波溶接する。
【0037】
本発明の属した分野における通常の知識を有する者にとっては上記の内容に基づいて本発明の範ちゅう内で様々な応用及び変形を行うことが可能であろう。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上説明した通り、上記の相互連結アセンブリー及び相互連結アセンブリーを形成する方法は、他のアセンブリー及び方法に比べて格別な利点を提供する。特に、上記の相互連結アセンブリー及び方法は、超音波溶接用ホーンが、アルミニウムのように相対的に柔軟な金属からなるセルタブに穴を開けることを防止できるように、相互連結部材又は溶接助力層を使用する技術的な効果を提供する。
【符号の説明】
【0039】
10,200 ・・・電池モジュール
20 ・・・超音波溶接機
28,30,32,34,36,38,210,212,214,216,218,220 ・・・電池セル
60,230 ・・・回路基板
74,76,78,240,242,244 ・・・相互連結部材
102,104,274,276 ・・・セルタブ
107,108,109,231,232,234 ・・・貫通口
120 ・・・U字状部位
121 ・・・開口領域
122 ・・・延長部位
124,126,128,130,294 ・・・結合タブ
140,142,290,292 ・・・壁
144,302 ・・・弓状部位
149,305 ・・・相互連結アセンブリー
160 ・・・超音波溶接用ホーン
162 ・・・アンビル
250,252,254 ・・・溶接助力層
300 ・・・扁平壁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9