特許第5982600号(P5982600)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5982600
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月31日
(54)【発明の名称】撮像装置及び合焦制御方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/34 20060101AFI20160818BHJP
   G03B 13/36 20060101ALI20160818BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20160818BHJP
【FI】
   G02B7/34
   G03B13/36
   H04N5/232 H
【請求項の数】18
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2016-508454(P2016-508454)
(86)(22)【出願日】2014年12月11日
(86)【国際出願番号】JP2014082796
(87)【国際公開番号】WO2015141081
(87)【国際公開日】20150924
【審査請求日】2016年5月16日
(31)【優先権主張番号】特願2014-54993(P2014-54993)
(32)【優先日】2014年3月18日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115107
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 猛
(74)【代理人】
【識別番号】100151194
【弁理士】
【氏名又は名称】尾澤 俊之
(72)【発明者】
【氏名】田中 康一
【審査官】 小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/073727(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/047160(WO,A1)
【文献】 特開2013−066114(JP,A)
【文献】 特開2011−109576(JP,A)
【文献】 特開平05−150155(JP,A)
【文献】 特開2012−159533(JP,A)
【文献】 特開2008−103885(JP,A)
【文献】 特開2009−031562(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/136031(WO,A1)
【文献】 特開2010−271419(JP,A)
【文献】 特開2002−258142(JP,A)
【文献】 特開2005−156900(JP,A)
【文献】 特開2009−086424(JP,A)
【文献】 特開2014−155071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/34
G03B 13/36
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に2つの分割領域に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有する撮像素子と、
前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定部と、
前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成部と、
前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御部と、を備え
前記加算対象決定部は、前記任意の領域に結像する第1の被写体像と、前記任意の領域を除く各領域に結像する第2の被写体像との一致度を最大にするために必要な前記第1の被写体像の前記一方向へのずらし量を前記任意の領域を除く領域毎に算出し、前記任意の領域を除く各領域にある前記第1の信号検出部及び前記第2の信号検出部のうち、前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々に対し当該各領域について算出された前記ずらし量ずれた位置にある第1の信号検出部を前記加算対象として決定し、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々に対し当該ずらし量ずれた位置にある第2の信号検出部を前記加算対象として決定する撮像装置。
【請求項2】
請求項記載の撮像装置であって、
前記加算対象決定部は、前記ずらし量が第1の閾値以上となる前記領域にある前記第1の信号検出部及び前記第2の信号検出部を前記加算対象から除外する撮像装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の撮像装置であって、
前記加算対象決定部は、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、前記複数の領域の各々にある前記第1の信号検出部又は前記第2の信号検出部の検出信号のマッチングにより行う撮像装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の撮像装置であって、
前記領域には、前記2つの分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第3の信号検出部が更に配置されており、
前記加算対象決定部は、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、前記複数の領域の各々にある前記第3の信号検出部の検出信号同士のマッチングにより行う撮像装置。
【請求項5】
請求項記載の撮像装置であって、
前記加算対象決定部は、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、前記複数の領域の各々にある、前記第1の信号検出部又は前記第2の信号検出部と同じ行にある前記第3の信号検出部の検出信号同士のマッチングにより行う撮像装置。
【請求項6】
請求項1又は2記載の撮像装置であって、
前記領域にある前記ペアは、検出信号を加算することで、前記2つの分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第3の信号検出部として機能するものであり、
前記加算対象決定部は、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、前記複数の領域の各々にある各ペアの前記第1の信号検出部の検出信号と前記第2の信号検出部の検出信号を加算した検出信号同士のマッチングにより行う撮像装置。
【請求項7】
一方向に2つの分割領域に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有する撮像素子と、
前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定部と、
前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成部と、
前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御部と、を備え
前記加算対象決定部は、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、前記複数の領域の各々にある前記第1の信号検出部又は前記第2の信号検出部の検出信号のマッチングにより行う撮像装置。
【請求項8】
一方向に2つの分割領域に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有する撮像素子と、
前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定部と、
前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成部と、
前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御部と、を備え
前記領域には、前記2つの分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第3の信号検出部が更に配置されており、
前記加算対象決定部は、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、前記複数の領域の各々にある前記第3の信号検出部の検出信号同士のマッチングにより行う撮像装置。
【請求項9】
請求項記載の撮像装置であって、
前記加算対象決定部は、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、前記複数の領域の各々にある、前記第1の信号検出部又は前記第2の信号検出部と同じ行にある前記第3の信号検出部の検出信号同士のマッチングにより行う撮像装置。
【請求項10】
一方向に2つの分割領域に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有する撮像素子と、
前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定部と、
前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成部と、
前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御部と、を備え
前記領域にある前記ペアは、検出信号を加算することで、前記2つの分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第3の信号検出部として機能するものであり、
前記加算対象決定部は、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、前記複数の領域の各々にある各ペアの前記第1の信号検出部の検出信号と前記第2の信号検出部の検出信号を加算した検出信号同士のマッチングにより行う撮像装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項記載の撮像装置であって、
前記加算対象決定部は、前記撮像面を前記複数の領域からなるブロックに分割したときの前記ブロック毎に前記加算対象を決定し、
前記デフォーカス量生成部は、前記ブロック毎に前記第1のデフォーカス量を生成し、前記ブロック毎に生成した第1のデフォーカス量から第2のデフォーカス量を生成し、
前記合焦制御部は、前記第2のデフォーカス量にしたがって前記撮像光学系の合焦制御を行う撮像装置。
【請求項12】
請求項11記載の撮像装置であって、
前記デフォーカス量生成部は、前記ブロックに含まれる前記複数の領域の各々において、複数の前記ペアから出力される前記第1の信号検出部の検出信号と前記第2の信号検出部の検出信号とで相関演算を行い、当該相関演算の結果から第3のデフォーカス量を生成し、前記複数の領域の各々について生成された前記第3のデフォーカス量のばらつきが第2の閾値以上となる前記ブロックを除くブロックについて生成した前記第1のデフォーカス量から前記第2のデフォーカス量を生成する撮像装置。
【請求項13】
一方向に2つの分割領域に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有する撮像素子と、
前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定部と、
前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成部と、
前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御部と、を備え
前記加算対象決定部は、前記撮像面を前記複数の領域からなるブロックに分割したときの前記ブロック毎に前記加算対象を決定し、
前記デフォーカス量生成部は、前記ブロック毎に前記第1のデフォーカス量を生成し、前記ブロック毎に生成した第1のデフォーカス量から第2のデフォーカス量を生成し、
前記合焦制御部は、前記第2のデフォーカス量にしたがって前記撮像光学系の合焦制御を行い、
前記デフォーカス量生成部は、前記ブロックに含まれる前記複数の領域の各々において、複数の前記ペアから出力される前記第1の信号検出部の検出信号と前記第2の信号検出部の検出信号とで相関演算を行い、当該相関演算の結果から第3のデフォーカス量を生成し、前記複数の領域の各々について生成された前記第3のデフォーカス量のばらつきが第2の閾値以上となる前記ブロックを除くブロックについて生成した前記第1のデフォーカス量から前記第2のデフォーカス量を生成する撮像装置。
【請求項14】
一方向に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有し、前記撮像光学系を通して被写体を撮像する撮像素子を有する撮像装置の合焦制御方法であって、
前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定ステップと、
前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成ステップと、
前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御ステップと、を備え
前記加算対象決定ステップは、前記任意の領域に結像する第1の被写体像と、前記任意の領域を除く各領域に結像する第2の被写体像との一致度を最大にするために必要な前記第1の被写体像の前記一方向へのずらし量を前記任意の領域を除く領域毎に算出し、前記任意の領域を除く各領域にある前記第1の信号検出部及び前記第2の信号検出部のうち、前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々に対し当該各領域について算出された前記ずらし量ずれた位置にある第1の信号検出部を前記加算対象として決定し、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々に対し当該ずらし量ずれた位置にある第2の信号検出部を前記加算対象として決定する合焦制御方法。
【請求項15】
一方向に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有し、前記撮像光学系を通して被写体を撮像する撮像素子を有する撮像装置の合焦制御方法であって、
前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定ステップと、
前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成ステップと、
前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御ステップと、を備え
前記加算対象決定ステップは、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、前記複数の領域の各々にある前記第1の信号検出部又は前記第2の信号検出部の検出信号のマッチングにより行う合焦制御方法。
【請求項16】
一方向に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有し、前記撮像光学系を通して被写体を撮像する撮像素子を有する撮像装置の合焦制御方法であって、
前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定ステップと、
前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成ステップと、
前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御ステップと、を備え
前記領域には、前記2つの分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第3の信号検出部が更に配置されており、
前記加算対象決定ステップは、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、前記複数の領域の各々にある前記第3の信号検出部の検出信号同士のマッチングにより行う合焦制御方法。
【請求項17】
一方向に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有し、前記撮像光学系を通して被写体を撮像する撮像素子を有する撮像装置の合焦制御方法であって、
前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定ステップと、
前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成ステップと、
前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御ステップと、を備え
前記領域にある前記ペアは、検出信号を加算することで、前記2つの分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第3の信号検出部として機能するものであり、
前記加算対象決定ステップは、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、前記複数の領域の各々にある各ペアの前記第1の信号検出部の検出信号と前記第2の信号検出部の検出信号を加算した検出信号同士のマッチングにより行う合焦制御方法。
【請求項18】
一方向に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有し、前記撮像光学系を通して被写体を撮像する撮像素子を有する撮像装置の合焦制御方法であって、
前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定ステップと、
前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成ステップと、
前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御ステップと、を備え
前記加算対象決定ステップは、前記撮像面を前記複数の領域からなるブロックに分割したときの前記ブロック毎に前記加算対象を決定し、
前記デフォーカス量生成ステップは、前記ブロック毎に前記第1のデフォーカス量を生成し、前記ブロック毎に生成した第1のデフォーカス量から第2のデフォーカス量を生成し、
前記合焦制御ステップは、前記第2のデフォーカス量にしたがって前記撮像光学系の合焦制御を行い、
前記デフォーカス量生成ステップは、前記ブロックに含まれる前記複数の領域の各々において、複数の前記ペアから出力される前記第1の信号検出部の検出信号と前記第2の信号検出部の検出信号とで相関演算を行い、当該相関演算の結果から第3のデフォーカス量を生成し、前記複数の領域の各々について生成された前記第3のデフォーカス量のばらつきが第2の閾値以上となる前記ブロックを除くブロックについて生成した前記第1のデフォーカス量から前記第2のデフォーカス量を生成する合焦制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及び合焦制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子の高解像度化に伴い、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、スマートフォン等の携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant,携帯情報端末)等の撮影機能を有する情報機器の需要が急増している。なお、以上のような撮像機能を有する情報機器を撮像装置と称する。
【0003】
これら撮像装置では、主要な被写体に焦点を合わせる合焦制御方法として、位相差AF(Auto Focus)方式(例えば特許文献1〜3参照)が採用されている。
【0004】
位相差AF方式により合焦制御を行う撮像装置に搭載される固体撮像素子には、例えば、遮光膜開口が互いに逆方向に偏心した位相差検出用画素のペアを撮像面の全面に離散的に設けたものが使用される。
【0005】
この位相差検出用画素は、遮光膜開口が光電変換部に対して偏心していない通常の撮像用画素と比べて感度が低い。そのため、被写体が低照度の場合には、位相差検出用画素の検出信号レベルが低下してしまう。このような検出信号レベルの低下を補うべく、単純にゲインアップ処理をして相関演算を行うと、相関演算結果において誤差が生じてしまう。そこで、位相差検出用画素の検出信号同士を加算することによって信号量を増やすことが行われている。
【0006】
特許文献1には、斜め方向に並ぶ複数の位相差検出用画素の検出信号を加算し、加算後の検出信号を用いて相関演算してデフォーカス量を生成する構成が記載されている。
【0007】
また、特許文献2には、水平方向位置が同じである複数の位相差検出用画素の検出信号を加算し、加算後の検出信号に基づいてデフォーカス量を生成する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−135191号公報
【特許文献2】特開2010−152161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1,2に記載の撮像装置は、いずれも、特定の方向に並ぶ複数の位相差検出用画素で検出信号を加算し、加算後の検出信号を用いて相関演算を行うものである。しかし、これらの複数の位相差検出用画素の一部には明るい被写体部分が結像し、これらの複数の位相差検出用画素の残りの部分には暗い被写体部分が結像しているような場合、つまり、特定の方向に交差して被写体のエッジが存在している場合がある。この場合、検出信号の加算によってエッジがぼやけることになるため、加算後の検出信号の相関演算結果に誤差が生じることになる。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、位相差検出用画素の検出信号レベルが低くなる場合でも、被写体によらずに、合焦制御の精度を向上させることができる撮像装置及び合焦制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の撮像装置は、一方向に2つの分割領域に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有する撮像素子と、前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定部と、前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成部と、前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御部と、を備え、前記加算対象決定部は、前記任意の領域に結像する第1の被写体像と、前記任意の領域を除く各領域に結像する第2の被写体像との一致度を最大にするために必要な前記第1の被写体像の前記一方向へのずらし量を前記任意の領域を除く領域毎に算出し、前記任意の領域を除く各領域にある前記第1の信号検出部及び前記第2の信号検出部のうち、前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々に対し当該各領域について算出された前記ずらし量ずれた位置にある第1の信号検出部を前記加算対象として決定し、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々に対し当該ずらし量ずれた位置にある第2の信号検出部を前記加算対象として決定する。
本発明の撮像装置は、一方向に2つの分割領域に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有する撮像素子と、前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定部と、前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成部と、前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御部と、を備え、前記加算対象決定部は、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、前記複数の領域の各々にある前記第1の信号検出部又は前記第2の信号検出部の検出信号のマッチングにより行う。
本発明の撮像装置は、一方向に2つの分割領域に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有する撮像素子と、前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定部と、前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成部と、前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御部と、を備え、前記領域には、前記2つの分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第3の信号検出部が更に配置されており、前記加算対象決定部は、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、前記複数の領域の各々にある前記第3の信号検出部の検出信号同士のマッチングにより行う。
本発明の撮像装置は、一方向に2つの分割領域に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有する撮像素子と、前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定部と、前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成部と、前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御部と、を備え、前記領域にある前記ペアは、検出信号を加算することで、前記2つの分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第3の信号検出部として機能するものであり、前記加算対象決定部は、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、前記複数の領域の各々にある各ペアの前記第1の信号検出部の検出信号と前記第2の信号検出部の検出信号を加算した検出信号同士のマッチングにより行う。
本発明の撮像装置は、一方向に2つの分割領域に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有する撮像素子と、前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定部と、前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成部と、前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御部と、を備え、前記加算対象決定部は、前記撮像面を前記複数の領域からなるブロックに分割したときの前記ブロック毎に前記加算対象を決定し、前記デフォーカス量生成部は、前記ブロック毎に前記第1のデフォーカス量を生成し、前記ブロック毎に生成した第1のデフォーカス量から第2のデフォーカス量を生成し、前記合焦制御部は、前記第2のデフォーカス量にしたがって前記撮像光学系の合焦制御を行い、前記デフォーカス量生成部は、前記ブロックに含まれる前記複数の領域の各々において、複数の前記ペアから出力される前記第1の信号検出部の検出信号と前記第2の信号検出部の検出信号とで相関演算を行い、当該相関演算の結果から第3のデフォーカス量を生成し、前記複数の領域の各々について生成された前記第3のデフォーカス量のばらつきが第2の閾値以上となる前記ブロックを除くブロックについて生成した前記第1のデフォーカス量から前記第2のデフォーカス量を生成する。
【0012】
本発明の合焦制御方法は、一方向に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有し、前記撮像光学系を通して被写体を撮像する撮像素子を有する撮像装置の合焦制御方法であって、前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定ステップと、前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成ステップと、前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御ステップと、を備え、前記加算対象決定ステップは、前記任意の領域に結像する第1の被写体像と、前記任意の領域を除く各領域に結像する第2の被写体像との一致度を最大にするために必要な前記第1の被写体像の前記一方向へのずらし量を前記任意の領域を除く領域毎に算出し、前記任意の領域を除く各領域にある前記第1の信号検出部及び前記第2の信号検出部のうち、前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々に対し当該各領域について算出された前記ずらし量ずれた位置にある第1の信号検出部を前記加算対象として決定し、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々に対し当該ずらし量ずれた位置にある第2の信号検出部を前記加算対象として決定する。
本発明の合焦制御方法は、一方向に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有し、前記撮像光学系を通して被写体を撮像する撮像素子を有する撮像装置の合焦制御方法であって、前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定ステップと、前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成ステップと、前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御ステップと、を備え、前記加算対象決定ステップは、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、前記複数の領域の各々にある前記第1の信号検出部又は前記第2の信号検出部の検出信号のマッチングにより行う。
本発明の合焦制御方法は、一方向に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有し、前記撮像光学系を通して被写体を撮像する撮像素子を有する撮像装置の合焦制御方法であって、前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定ステップと、前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成ステップと、前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御ステップと、を備え、前記領域には、前記2つの分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第3の信号検出部が更に配置されており、前記加算対象決定ステップは、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、前記複数の領域の各々にある前記第3の信号検出部の検出信号同士のマッチングにより行う。
本発明の合焦制御方法は、一方向に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有し、前記撮像光学系を通して被写体を撮像する撮像素子を有する撮像装置の合焦制御方法であって、前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定ステップと、前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成ステップと、前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御ステップと、を備え、前記領域にある前記ペアは、検出信号を加算することで、前記2つの分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第3の信号検出部として機能するものであり、前記加算対象決定ステップは、前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、前記複数の領域の各々にある各ペアの前記第1の信号検出部の検出信号と前記第2の信号検出部の検出信号を加算した検出信号同士のマッチングにより行う。
本発明の合焦制御方法は、一方向に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、前記一方向に並ぶ複数の前記第1の信号検出部及び当該第1の信号検出部とペアを組む複数の前記第2の信号検出部が配置される領域が前記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有し、前記撮像光学系を通して被写体を撮像する撮像素子を有する撮像装置の合焦制御方法であって、前記一方向に直交する方向に並ぶ複数の前記領域のうちの任意の領域にある複数の前記第1の信号検出部の各々に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第1の信号検出部と、当該複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む前記第2の信号検出部に対し、前記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする前記第2の信号検出部とを前記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定ステップと、前記任意の領域にある前記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第1の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、前記任意の領域にある前記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、当該各第2の信号検出部に対し前記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、前記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成ステップと、前記第1のデフォーカス量に基づいて前記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御ステップと、を備え、前記加算対象決定ステップは、前記撮像面を前記複数の領域からなるブロックに分割したときの前記ブロック毎に前記加算対象を決定し、前記デフォーカス量生成ステップは、前記ブロック毎に前記第1のデフォーカス量を生成し、前記ブロック毎に生成した第1のデフォーカス量から第2のデフォーカス量を生成し、前記合焦制御ステップは、前記第2のデフォーカス量にしたがって前記撮像光学系の合焦制御を行い、前記デフォーカス量生成ステップは、前記ブロックに含まれる前記複数の領域の各々において、複数の前記ペアから出力される前記第1の信号検出部の検出信号と前記第2の信号検出部の検出信号とで相関演算を行い、当該相関演算の結果から第3のデフォーカス量を生成し、前記複数の領域の各々について生成された前記第3のデフォーカス量のばらつきが第2の閾値以上となる前記ブロックを除くブロックについて生成した前記第1のデフォーカス量から前記第2のデフォーカス量を生成する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、位相差検出用画素の検出信号レベルが低くなる場合でも、被写体によらずに、合焦制御の精度を向上させることができる撮像装置及び合焦制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態を説明するための撮像装置の一例としてのデジタルカメラの概略構成を示す図である。
図2図1に示すデジタルカメラに搭載される撮像素子5の全体構成を示す平面模式図である。
図3図2に示す1つのAFエリア53の部分拡大図である。
図4図3に示す位相差検出用画素52A,52Bのみを示した図である。
図5図3に示す位相差検出用画素52Aの断面構成を示す図である。
図6】加算対象画素を決定する方法を説明するための図である。
図7図6に示すエッジDの変形例を示す図である。
図8図1に示すデジタルカメラのオートフォーカス動作を説明するためのフローチャートである。
図9】AFエリア53をブロック分割した例を示す図である。
図10図2に示す撮像素子5の変形例を示す図である。
図11】撮像装置としてスマートフォンを説明する図である。
図12図11のスマートフォンの内部ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態を説明するための撮像装置の一例としてのデジタルカメラの概略構成を示す図である。
【0017】
図1に示すデジタルカメラは、焦点調節のためのフォーカスレンズ、及び、ズームレンズ等を含む撮像レンズ1と、絞り2とを有するレンズ装置を備える。レンズ装置は撮像光学系を構成する。
【0018】
図1に示すレンズ装置はカメラ本体に固定されているが、別のレンズ装置に交換可能であってもよい。撮像レンズ1は少なくともフォーカスレンズを含んでいればよい。フォーカスレンズは、レンズ系全体を移動させることで焦点調節を行う単焦点レンズでもよい。
【0019】
デジタルカメラは、レンズ装置を通して被写体を撮像するCCD型やCMOS型等の撮像素子5と、撮像素子5の出力に接続された相関二重サンプリング処理等のアナログ信号処理を行うアナログ信号処理部6と、アナログ信号処理部6から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路7とを備える。
【0020】
アナログ信号処理部6及びA/D変換回路7は、システム制御部11によって制御される。アナログ信号処理部6及びA/D変換回路7は撮像素子5に内蔵されることもある。
【0021】
デジタルカメラの電気制御系全体を統括制御するシステム制御部11は、レンズ駆動部8を制御し撮像レンズ1に含まれるフォーカスレンズを駆動して主要被写体に合焦させる合焦制御を行ったり、撮像レンズ1に含まれるズームレンズの位置の調整を行ったりする。更に、システム制御部11は、絞り駆動部9を介して絞り2の開口量を制御することにより、露光量の調整を行う。
【0022】
また、システム制御部11は、撮像素子駆動部10を介して撮像素子5を駆動し、撮像レンズ1を通して撮像した被写体像を撮像画像信号として出力させる。システム制御部11には、操作部14を通してユーザからの指示信号が入力される。この指示信号には、撮像光学系の合焦制御の実行を指示する指示信号が含まれる。
【0023】
更に、このデジタルカメラの電気制御系は、メインメモリ16と、メインメモリ16に接続されたメモリ制御部15と、A/D変換回路7から出力される撮像画像信号に対し、補間演算、ガンマ補正演算、及びRGB/YC変換処理等を行って撮影画像データを生成するデジタル信号処理部17と、位相差AF処理部19と、着脱自在の記録媒体21が接続される外部メモリ制御部20と、カメラ背面等に搭載された表示部23が接続される表示制御部22と、を備える。
【0024】
メモリ制御部15、デジタル信号処理部17、位相差AF処理部19、外部メモリ制御部20、及び表示制御部22は、制御バス24及びデータバス25によって相互に接続され、システム制御部11からの指令によって制御される。
【0025】
図2は、図1に示すデジタルカメラに搭載される撮像素子5の全体構成を示す平面模式図である。
【0026】
撮像素子5は、行方向X及びこれに直交する列方向Yに二次元状に配列された多数の画素が配置された撮像面50を有する。この撮像面50には、フォーカスを合わせる対象となるエリアであるAFエリア53が図2の例では9つ設定されている。
【0027】
AFエリア53は、画素として撮像用画素と位相差検出用画素とを含むエリアである。
【0028】
撮像面50のうちAFエリア53を除く部分には、撮像用画素だけが配置される。なお、AFエリア53は、撮像面50に隙間無く設けてあってもよい。
【0029】
図3は、図2に示す1つのAFエリア53の部分拡大図である。
【0030】
AFエリア53には、画素51(図中正方形のブロック)が二次元状に配列されている。各画素51は、フォトダイオード等の光電変換部と、この光電変換部上方に形成されたカラーフィルタとを含む。
【0031】
図3では、赤色光を透過するカラーフィルタ(Rフィルタ)を含む画素51(R画素51)には“R”の文字を付し、緑色光を透過するカラーフィルタ(Gフィルタ)を含む画素51(G画素51)には“G”の文字を付し、青色光を透過するカラーフィルタ(Bフィルタ)を含む画素51(B画素51)には“B”の文字を付している。カラーフィルタの配列は撮像面50全体でベイヤ配列となっている。
【0032】
AFエリア53では、G画素51の一部(図3中の網掛けを付した画素)が位相差検出用画素52A,52Bとなっている。図3の例では、R画素51とG画素51を含む画素行のうちの任意の画素行における各G画素51が位相差検出用画素52Aとなっている。また、この各G画素51に対して列方向Yに最も近い同色のG画素51が位相差検出用画素52Bとなっている。位相差検出用画素52Aと、これに対して列方向Yに最も近い同色の位相差検出用画素52Bとがペアを構成している。
【0033】
図4は、図3に示すX方向に並ぶ複数のペアを示した図である。
【0034】
位相差検出用画素52Aは、一方向(図3の例ではX方向)に分割された撮像レンズ1の瞳領域の一方の分割領域を通過した光束を受光し受光量に応じた信号を検出する第1の信号検出部である。
【0035】
位相差検出用画素52Bは、撮像レンズ1の瞳領域の他方の分割領域を通過した光束を受光し受光量に応じた信号を検出する第2の信号検出部である。
【0036】
なお、AFエリア53において、位相差検出用画素52A,52B以外の複数の画素51は撮像用画素である。この撮像用画素は、撮像レンズ1の瞳領域の上記2つの分割領域の双方を通過した光束を受光し受光量に応じた信号を検出する第3の信号検出部である。
【0037】
図3に示したように、AFエリア53には、X方向に並ぶ複数の位相差検出用画素52Aと、この複数の位相差検出用画素52Aの各々とペアを組む位相差検出用画素52Bとが配置される領域Rが、Y方向に複数配列されている。この領域Rにおいて、位相差検出用画素52Aを含む画素行と、位相差検出用画素52Bを含む画素行との間には、撮像用画素51のみを含む画素行が配置されている。
【0038】
各画素51の光電変換部上方には遮光膜が設けられ、この遮光膜には、光電変換部の受光面積を規定する開口が形成されている。
【0039】
撮像用画素51の開口の中心は、撮像用画素51の光電変換部の中心と一致している。これに対し、位相差検出用画素52Aの開口(図4の白抜き部分)の中心は、位相差検出用画素52Aの光電変換部の中心に対し右側に偏心している。
【0040】
また、位相差検出用画素52Bの開口(図4の白抜き部分)の中心は、位相差検出用画素52Bの光電変換部の中心に対して左側に偏心している。ここでいう右方向は、図3で示すX方向の一方の方向であり、左方向はX方向のもう一方の方向である。
【0041】
図5は、位相差検出用画素52Aの断面構成を示す図である。図5に示すように、位相差検出用画素52Aは、開口cが光電変換部(PD)に対して右に偏心している。
【0042】
図5に示すように、光電変換部の片側を遮光膜によって覆う事によって、遮光膜で覆った方向と逆の方向から入射した光を選択的に遮光することができる。
【0043】
この構成により、任意の行にある位相差検出用画素52Aからなる画素群と、この画素群の各位相差検出用画素52Aに対して一方向に同一距離で配置された位相差検出用画素52Bからなる画素群とによって、これら2つの画素群の各々によって撮像される像における行方向Xの位相差を検出することができる。
【0044】
図1に示す位相差AF処理部19は、被写体の明るさに応じて、以下の2つの方法のいずれかでデフォーカス量を生成する。位相差AF処理部19は、デフォーカス量生成部として機能する。
【0045】
(第1の方法)
位相差AF処理部19は、9つのAFエリア53の中からユーザ操作等により選択されたAFエリア53において、領域R毎に、位相差検出用画素52A及び位相差検出用画素52Bの検出信号群同士の相関演算を行い、位相差検出用画素52Aによって撮像される像と位相差検出用画素52Bによって撮像される像の相対的な位置ずれ量である位相差を演算する。
【0046】
位相差AF処理部19は、この位相差に基づいて、撮像レンズ1による主要被写体の結像面と撮像素子5の撮像面50とを一致させるために必要なフォーカスレンズの移動量であるデフォーカス量Dfrを生成する。位相差AF処理部19は、各領域Rについて生成したデフォーカス量Dfrを平均し、平均して得たデフォーカス量Dfをシステム制御部11に通知する。
【0047】
(第2の方法)
位相差AF処理部19は、選択されたAFエリア53の任意の領域Rにある複数の位相差検出用画素52Aの各々に対し、この任意の領域Rを除く各領域Rにおいて、検出信号の加算対象とする位相差検出用画素52Aを決定する。また、位相差AF処理部19は、任意の領域Rにある上記複数の位相差検出用画素52Aの各々とペアを組む位相差検出用画素52Bに対し、任意の領域Rを除く各領域Rにおいて、検出信号の加算対象とする位相差検出用画素52Bを決定する。位相差AF処理部19は加算対象決定部として機能する。
【0048】
位相差AF処理部19は、任意の領域Rにある上記複数の位相差検出用画素52Aの各々の検出信号と、この各々に対して加算対象として決定した他の領域Rにある位相差検出用画素52Aの検出信号とを加算する。また、位相差AF処理部19は、上記任意の領域Rにある上記複数の位相差検出用画素52Bの各々の検出信号と、この各々に対して加算対象として決定した他の領域Rにある位相差検出用画素52Bの検出信号とを加算する。そして、位相差AF処理部19は、加算後の位相差検出用画素52Aの検出信号群と位相差検出用画素52Bの検出信号群との相関演算を行い、この相関演算の結果から第1のデフォーカス量Df1を生成し、第1のデフォーカス量Df1をシステム制御部11に通知する。
【0049】
位相差AF処理部19が加算対象となる画素を決定する方法について、図6を用いて具体的に説明する。
【0050】
図6には、図3で図示したAFエリア53が示されている。図6では、AFエリア53にある3つの領域Rのうち、一番上を領域R1とし、真ん中を領域R2とし、一番下を領域R3としている。図6において、任意の領域R1にある太線で囲った8つの位相差検出用画素52Aに対し、領域R1を除く各領域R2,R3において検出信号の加算対象となる位相差検出用画素52Aを決定する方法について説明する。
【0051】
位相差AF処理部19は、まず、領域R1に結像する第1の被写体像と、領域R2に結像する第2の被写体像を比較する。
【0052】
図6には、領域R1にある太線で囲った8つの位相差検出用画素52Aの検出信号波形を符号60で示している。また、領域R2にある全ての位相差検出用画素52Aの検出信号波形を符号61で示している。符号60,61で示す波形は、横軸を位相差検出用画素52Aの位置としたものである。
【0053】
なお、図6では、検出信号波形60と検出信号波形61をY方向に僅かにずらして示しているが、実際にはこのずれは存在しない。また、図6では、撮像面に結像する被写体のうちの輝度が低い部分を符号Dで示している。この部分Dとそれ以外の部分との境界が被写体のエッジとなる。
【0054】
ここで、検出信号波形60は、領域R1に結像する第1の被写体像に対応する。また、検出信号波形61は、領域R2に結像する第2の被写体像に対応する。そこで、位相差AF処理部19は、検出信号波形60と検出信号波形61のマッチングを行うことで加算対象を決定する。
【0055】
具体的には、位相差AF処理部19は、検出信号波形60,61において、X方向位置が同じ検出信号の差分を求め、この差分の積算値を求める。位相差AF処理部19は、検出信号波形60の各検出信号のX方向位置を1つずつずらしていき、各位置において同様に差分の積算値を求める。
【0056】
そして、この積算値が最小となったときの検出信号波形60のX方向のずらし量Sa(図の例では2画素分の距離)を生成する。このずらし量Saが、領域R1に結像する第1の被写体像と領域R2に結像する第2の被写体像との一致度を最大にするために必要な第1の被写体像のX方向へのずらし量となる。
【0057】
位相差AF処理部19は、検出信号波形60と、領域R3の全ての位相差検出用画素52Aの検出信号波形とのマッチングも同様に行って、領域R1に結像する第1の被写体像と領域R3に結像する第2の被写体像との一致度を最大にするために必要な第1の被写体像のX方向へのずらし量Sbを生成する。
【0058】
位相差AF処理部19は、領域R2の位相差検出用画素52Aのうち、領域R1にある太枠で囲った8つの位相差検出用画素52Aの各々に対し、X方向にずらし量Saずれた位置にある位相差検出用画素52A(図6中の破線で囲った画素)を加算対象とする。
【0059】
また、位相差AF処理部19は、領域R2の位相差検出用画素52Bのうち、領域R1にある太枠で囲った8つの位相差検出用画素52Aの各々とペアを組む位相差検出用画素52Bに対し、X方向にずらし量Saずれた位置にある位相差検出用画素52B(図6中の破線で囲った位相差検出用画素52Aの下にある画素)を加算対象とする。
【0060】
同様に、位相差AF処理部19は、領域R3の位相差検出用画素52Aのうち、領域R1にある太枠で囲った8つの位相差検出用画素52Aの各々に対し、X方向にずらし量Sbずれた位置にある位相差検出用画素52A(図6中の破線で囲った画素)を加算対象とする。
【0061】
また、位相差AF処理部19は、領域R3の位相差検出用画素52Bのうち、領域R1にある太枠で囲った8つの位相差検出用画素52Aの各々とペアを組む位相差検出用画素52Bに対し、X方向にずらし量Sbずれた位置にある位相差検出用画素52B(図6中の破線で囲った位相差検出用画素52Aの下にある画素)を加算対象とする。
【0062】
このような処理により、加算される複数の位相差検出用画素52A(52B)の検出信号は、全て輝度が高い部分の信号又は輝度が低い部分の信号となる。このため、加算によってエッジがぼやけてしまって、相関演算結果に誤差が生じるのを防ぐことができる。
【0063】
また、領域R1と領域R2とでマッチング(被写体像の比較)を行い、領域R1と領域R3とでマッチング(被写体像の比較)を行って加算対象画素を決めることで、図7に示すように、AFエリア53において途中で方向が変わるエッジが存在していた場合でも、このエッジの形状に沿って加算を行うことができる。したがって、相関演算結果に誤差が生じるのを防ぐことができる。
【0064】
なお、図6,7において、加算対象を決める基準となる位相差検出用画素52Aの数は、領域R1にある全ての位相差検出用画素52Aよりも少ない数としている。これは、斜め方向に加算を行う場合、領域R1の全ての位相差検出用画素52Aを基準にしてしまうと、X方向端部にある位相差検出用画素52Aについては加算先が存在しなくなってしまうためである。
【0065】
図1に戻り、システム制御部11は、位相差AF処理部19から通知されたデフォーカス量Df又は第1のデフォーカス量Df1にしたがってフォーカスレンズを駆動して、撮像光学系の合焦制御を行う。システム制御部11は合焦制御部として機能する。
【0066】
以下、図1のデジタルカメラの動作について説明する。
【0067】
図8は、図1に示すデジタルカメラの動作を説明するための図である。以下では、選択されているAFエリア53において、Y方向に並ぶ領域Rを端から順にR1、R2、・・・、Rm(mは2以上の自然数)とする。
【0068】
デジタルカメラが撮像モードに設定されると、システム制御部11は、ライブビュー画像の表示を開始させる(ステップS1)。
【0069】
具体的には、システム制御部11は、撮像素子5により被写体を撮像し、撮像して得られる撮像画像データに基づく画像を表示部23に表示させる制御を繰り返し行う。
【0070】
ライブビュー画像の表示が開始された後、操作部14に含まれるシャッタボタンの半押し操作等によって撮像光学系の合焦制御の実行指示(以下、オートフォーカスの実行指示と称し、図面ではAF指示と称する)がなされると(ステップS2:YES)、システム制御部11は、このオートフォーカスの実行指示がなされた時点で得られている撮像画像信号のうち最新の画像信号(以下、撮像画像信号Gaと称する)を用いて、撮像素子5によって撮像されている被写体の明るさを判定する。例えば、システム制御部11は、撮像画像信号Gaの輝度値の平均又は積算値を明るさとして求める。
【0071】
システム制御部11は、求めた明るさが閾値以下であれば(ステップS3:YES)、位相差AF処理部19にステップS4の処理を行わせ、求めた明るさが閾値を超えていれば(ステップS3:NO)、位相差AF処理部19にステップS13の処理を行わせる。
【0072】
ステップS13において、位相差AF処理部19は、撮像画像信号Gaのうち、選択されているAFエリア53の領域R1〜Rmの各々にある位相差検出用画素52Aと位相差検出用画素52Bの検出信号群同士で相関演算を行って、領域R1〜Rmの各々についてデフォーカス量Dfrを生成する。更に、位相差AF処理部19は、このデフォーカス量Dfrの平均値を最終的なデフォーカス量Dfとして生成し、デフォーカス量Dfをシステム制御部11に通知する。
【0073】
システム制御部11は、位相差AF処理部19から通知されたデフォーカス量Dfにしたがって、フォーカスレンズを合焦位置に移動させて(ステップS14)、オートフォーカスを完了する。
【0074】
ステップS4において、位相差AF処理部19は、領域R1と領域Rj(j=2〜m、初期値は2)とで、これらに結像する被写体像を比較して、図6で説明した方法により、領域R1に結像する第1の被写体像と領域Rjに結像する第2の被写体像との一致度を最大にするために必要な第1の被写体像のX方向へのずらし量Sjを算出する。
【0075】
次に、位相差AF処理部19は、算出したずらし量Sjと閾値TH1を比較し、ずらし量Sjが閾値TH1以上であれば(ステップS5:NO)、ずらし量Sjが算出された領域Rjにある位相差検出用画素52A,52Bを、領域R1の位相差検出用画素52A,52Bに対する検出信号の加算対象から除外する(ステップS7)。
【0076】
ずらし量Sjが大きすぎると、大幅にずれた位置にある位相差検出用画素同士で検出信号が加算されることになり、最終的に求まるデフォーカス量の信頼性が低下する。このため、ステップS7では、ずらし量Sjが閾値TH1以上となる領域については検出信号の加算対象から除外している。
【0077】
位相差AF処理部19は、ずらし量Sjが閾値TH1未満であれば(ステップS5:YES)、領域R1にある複数の位相差検出用画素52Aの各々に対し、X方向にずらし量Sjずれた位置にある領域Rjの位相差検出用画素52Aを加算対象として決定する。また、位相差AF処理部19は、領域R1にある複数の位相差検出用画素52Bの各々に対し、X方向にずらし量Sjずれた位置にある領域Rjの位相差検出用画素52Bを加算対象として決定する(ステップS6)。
【0078】
ステップS6及びステップS7の後、位相差AF処理部19は、j=mかどうかを判定する(ステップS8)。位相差AF処理部19は、ステップS8の判定がNOであれば、ステップS9でjをj+1にして、ステップS4の処理を行う。
【0079】
位相差AF処理部19は、ステップS8の判定がYESであれば、領域R1の位相差検出用画素52Aの検出信号と、この位相差検出用画素52Aに対し加算対象として決定した領域R2〜Rmの各々の位相差検出用画素52Aの検出信号とを加算する。また、位相差AF処理部19は、領域R1の位相差検出用画素52Bの検出信号と、この位相差検出用画素52Bに対して加算対象として決定した領域R2〜Rmの各々の位相差検出用画素52Bの検出信号とを加算する(ステップS10)。
【0080】
次に、位相差AF処理部19は、加算後の位相差検出用画素52Aの検出信号群と位相差検出用画素52Bの検出信号群とで相関演算を行い、この相関演算の結果から第1のデフォーカス量Df1を生成する(ステップS11)。
【0081】
第1のデフォーカス量Df1が生成されると、第1のデフォーカス量Df1がシステム制御部11に通知される。そして、システム制御部11は、第1のデフォーカス量Df1にしたがってフォーカスレンズを駆動し(ステップS12)、オートフォーカスが完了する。
【0082】
以上のように、図1のデジタルカメラによれば、被写体が暗い場合であっても、位相差検出用画素52A(52B)の検出信号を複数行で加算してから相関演算を行うため、デフォーカス量の生成精度低下を防ぐことができる。また、被写体パターンに応じて、領域R毎に、加算対象となる画素の位置が決まるため、デフォーカス量の生成精度を向上させることができる。
【0083】
図6の説明では、領域R1とそれ以外の領域R2(R3)とにそれぞれ結像する被写体像の一致度が最大となるずらし量を求めるために、比較対象とした2つの領域の各々にある位相差検出用画素52Aの検出信号同士のマッチングを行うものとした。
【0084】
しかし、比較対象とした2つの領域の各々にある位相差検出用画素52Bの検出信号同士のマッチングを行っても同様にずらし量を算出することができる。また、比較対象とした2つの領域の各々にある撮像用画素51の検出信号同士のマッチングを行っても同様にずらし量を算出することができる。
【0085】
比較対象とした2つの領域の各々にある撮像用画素51の検出信号同士のマッチングを行う場合について説明する。この場合は、例えば、図6において領域R1と領域R2に結像する被写体像を比較する際、領域R1にある位相差検出用画素52A,52Bを含まない行の撮像用画素51の検出信号と、領域R2にある位相差検出用画素52A,52Bを含まない行の撮像用画素51の検出信号とでマッチングを行う。この方法では、撮像用画素は位相差検出用画素に比べて感度が高いため、ずらし量の算出精度を上げることができる。
【0086】
または、領域R1にある位相差検出用画素52A又は位相差検出用画素52Bを含む行の撮像用画素51の検出信号と、領域R2にある位相差検出用画素52A又は位相差検出用画素52Bを含む行の撮像用画素51の検出信号とでマッチングを行ってもよい。このように、位相差検出用画素と同じ行にある撮像用画素同士でマッチングを行うことで、ずらし量の算出精度を更に上げることができる。
【0087】
なお、図6では、ずらし量を算出する基準の領域を領域R1とする例を説明した。しかし、基準とする領域は順次変えていってもよい。
【0088】
例えば、最初は、領域R1と領域R2とで被写体像の比較を行ってずらし量Scを算出する。次に、領域R2と領域R3とで被写体像の比較を行って、領域R2に結像する被写体像R2aと、領域R3に結像する被写体像R3aとの一致度を最大にするために必要な被写体像R2aのX方向へのずらし量Sdを算出する。
【0089】
領域R2と領域R3とで被写体像の比較は、領域R2にある位相差検出用画素52A(52B)のうち、領域R1の位相差検出用画素52A,52Bに対してずらし量Scだけずらした位置にある位相差検出用画素52A(52B)の検出信号と、領域R3にある全ての位相差検出用画素52A(52B)の検出信号とのマッチングによって行う。
【0090】
そして、領域R1にある位相差検出用画素52A(52B)に対し、X方向にずらし量Scずれた位置にある領域R2の位相差検出用画素52A(52B)を、領域R1にある位相差検出用画素52A(52B)の加算対象とする。また、領域R2において加算対象とした各位相差検出用画素52A(52B)に対し、X方向にずらし量Sdずれた位置にある領域R3の位相差検出用画素52A(52B)を、領域R1にある位相差検出用画素52A(52B)の加算対象とする。
【0091】
このようにすることで、常に隣接する2つの領域で被写体像を比較することになるため、ずらし量の信頼性を高めることができる。
【0092】
ここまでは、選択されたAFエリア53全体に対し、図8のステップS4〜ステップS11の処理を行うものとしたが、これに限らない。例えば、図9に示すように、選択されたAFエリア53をY方向に分割(図9の例では4分割)する。図9に示す各ブロック53A〜53Dは、領域R1及び領域RjがY方向に配置された構成であればよい。
【0093】
そして、位相差AF処理部19は、ブロック53A,53B,53C,53D毎にステップS4〜ステップS11の処理を行って第1のデフォーカス量Df1を生成し、生成した4つの第1のデフォーカス量Df1から最終的な第2のデフォーカス量Df2を生成する。この場合、システム制御部11は、第2のデフォーカス量Df2にしたがってフォーカスレンズを駆動する。
【0094】
第2のデフォーカス量Df2は、例えば4つの第1のデフォーカス量Df1の平均値とすればよい。
【0095】
このようにすることで、AFエリア53内でエッジの方向が細かく変わる模様の被写体であっても、デフォーカス量の生成精度を確保することができる。
【0096】
図9のようにAFエリア53を分割してブロック毎に第1のデフォーカス量Df1を生成する構成において、位相差AF処理部19は、次のようにして第1のデフォーカス量Df1を生成すべきブロックを決定してもよい。
【0097】
具体的には、位相差AF処理部19は、任意のブロックに対し、領域R1と領域Rjを含む全ての領域の各々において、位相差検出用画素52Aの検出信号群と位相差検出用画素52Bの検出信号群との相関演算を行い、この相関演算の結果から第3のデフォーカス量Df3を生成する。これにより、1つのブロックには、m個の第3のデフォーカス量Df3が生成される。
【0098】
位相差AF処理部19は、この任意のブロックについて生成したm個の第3のデフォーカス量Df3のばらつきを生成する。そして、このばらつきが閾値TH2以上であれば、このブロックについては第1のデフォーカス量Df1の生成対象から除外し、このばらつきが閾値TH2未満であれば、このブロックについては第1のデフォーカス量Df1の生成対象とする。
【0099】
m個の第3のデフォーカス量Df3のばらつきを示す指標としては、m個の第3のデフォーカス量Df3のうちの最大値と最小値の差分、隣接する領域Rについて生成した第3のデフォーカス量Df3の差分のうちの最大値、隣接する領域Rについて生成した第3のデフォーカス量Df3の差分の分散、等を算出すればよい。
【0100】
位相差AF処理部19は以上の処理を他のブロックについても行った後、第1のデフォーカス量Df1の生成対象としたブロックについてのみ、ステップS4〜ステップS11の処理を行って第1のデフォーカス量Df1を生成する。そして、位相差AF処理部19は、生成した第1のデフォーカス量Df1から第2のデフォーカス量Df2を生成する。
【0101】
AFエリア53を分割したブロックについて生成されるm個の第3のデフォーカス量Df3のばらつきが大きいということは、このブロックに結像する被写体像に、被写体距離が近いものと遠いものとが混在していることを意味する。このような場合で、上述したように位相差検出用画素52A(52B)の検出信号を加算すると、被写体距離が遠いものと近いものを加算することになってしまい、生成される第1のデフォーカス量Dfの信頼性は低くなる。
【0102】
このため、遠近が混在する被写体が結像するブロックを除くブロックについて生成した第1のデフォーカス量Df1から第2のデフォーカス量Df2を求めることで、第2のデフォーカス量Df2の信頼性を高めることができる。
【0103】
なお、図8の動作例では、被写体が暗いときにステップS4以降の処理を行うものとした。しかし、位相差検出用画素の検出信号の加算が必要となるのは、位相差検出用画素52A,52Bの検出信号レベルが低くなるような撮像状況であり、被写体が暗いときだけに限らない。
【0104】
例えば、撮像素子5に入射する光線角度が大きくなって位相差検出用画素52A,52Bに入射する光が少なくなるような場合(広角撮像時)にステップS4以降の処理を行ってもよい。または、位相差検出用画素52A,52Bの検出信号レベルが小さい場合にステップS4以降の処理を行ってもよい。
【0105】
また、撮像素子5は、第1の信号検出部と第2の信号検出部のペアを複数有する構成であればよく、図2〜5に示した構成に限らない。
【0106】
例えば、撮像素子5に含まれる全ての画素を撮像用画素51とし、各撮像用画素51を2つに分割して、一方の分割エリアを位相差検出用画素52Aとし、他方の分割エリアを位相差検出用画素52Bとした構成であってもよい。
【0107】
図10は、撮像素子5に含まれる全ての画素を撮像用画素51とし、各撮像用画素51を2つに分割した構成を示す図である。
【0108】
図10の構成では、撮像素子5においてRを付した撮像用画素51を2つに分割し、分割した2つをそれぞれ位相差検出用画素r1と位相差検出用画素r2としている。
【0109】
また、撮像素子5においてGを付した撮像用画素51を2つに分割し、分割した2つをそれぞれ位相差検出用画素g1と位相差検出用画素g2としている。
【0110】
また、撮像素子5においてBを付した撮像用画素51を2つに分割し、分割した2つをそれぞれ位相差検出用画素b1と位相差検出用画素b2としている。
【0111】
この構成では、位相差検出用画素r1,g1,b1がそれぞれ第1の信号検出部となり、位相差検出用画素r2,g2,b2がそれぞれ第2の信号検出部となる。第1の信号検出部と第2の信号検出部からは独立に信号を読み出すことができる。
【0112】
そして、第1の信号検出部と第2の信号検出部の信号を加算すると、位相差のない通常の撮像用信号を得られる。つまり、撮像用画素51は、第3の信号検出部としても機能する。このように、図6の構成では、全ての画素を、位相差検出用画素と撮像用画素との両方として用いることができる。
【0113】
図10の構成では、例えば、1行目にある撮像用画素51を含む領域が領域R1となり、3行目にある撮像用画素51を含む領域が領域R2となり、5行目にある撮像用画素51を含む領域が領域R3となり、7行目にある撮像用画素51を含む領域が領域R4となる。
【0114】
領域R1と領域R2との間でずらし量を算出する場合は、第1の信号検出部の検出信号同士、第2の信号検出部の検出信号同士、又は第3の信号検出部の検出信号同士でマッチングを行ってずらし量を算出する。
【0115】
この構成によれば、位相差検出用画素の検出信号を用いてマッチングを行っても、マッチングを行う2つの検出信号群のX方向のサンプリング間隔を最小にすることができる。したがって、図2〜5の撮像素子の構成と比べて、ずらし量の算出精度を更に上げることができる。
【0116】
本明細書では撮像装置としてデジタルカメラを例にしたが、以下では、撮像装置としてカメラ付のスマートフォンの実施形態について説明する。
【0117】
図11は、本発明の撮像装置の一実施形態であるスマートフォン200の外観を示すものである。図11に示すスマートフォン200は、平板状の筐体201を有し、筐体201の一方の面に表示部としての表示パネル202と、入力部としての操作パネル203とが一体となった表示入力部204を備えている。また、この様な筐体201は、スピーカ205と、マイクロホン206と、操作部207と、カメラ部208とを備えている。なお、筐体201の構成はこれに限定されず、例えば、表示部と入力部とが独立した構成を採用したり、折り畳み構造やスライド機構を有する構成を採用したりすることもできる。
【0118】
図12は、図11に示すスマートフォン200の構成を示すブロック図である。図12に示すように、スマートフォンの主たる構成要素として、無線通信部210と、表示入力部204と、通話部211と、操作部207と、カメラ部208と、記憶部212と、外部入出力部213と、GPS(Global Positioning System)受信部214と、モーションセンサ部215と、電源部216と、主制御部220とを備える。また、スマートフォン200の主たる機能として、図示省略の基地局装置BSと図示省略の移動通信網NWとを介した移動無線通信を行う無線通信機能を備える。
【0119】
無線通信部210は、主制御部220の指示にしたがって、移動通信網NWに収容された基地局装置BSに対し無線通信を行うものである。この無線通信を使用して、音声データ、画像データ等の各種ファイルデータ、電子メールデータなどの送受信や、Webデータやストリーミングデータなどの受信を行う。
【0120】
表示入力部204は、主制御部220の制御により、画像(静止画像および動画像)や文字情報などを表示して視覚的にユーザに情報を伝達するとともに、表示した情報に対するユーザ操作を検出する、いわゆるタッチパネルであって、表示パネル202と、操作パネル203とを備える。
【0121】
表示パネル202は、LCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro−Luminescence Display)などを表示デバイスとして用いたものである。
【0122】
操作パネル203は、表示パネル202の表示面上に表示される画像を視認可能に載置され、ユーザの指や尖筆によって操作される一又は複数の座標を検出するデバイスである。このデバイスをユーザの指や尖筆によって操作すると、操作に起因して発生する検出信号を主制御部220に出力する。次いで、主制御部220は、受信した検出信号に基づいて、表示パネル202上の操作位置(座標)を検出する。
【0123】
図11に示すように、本発明の撮像装置の一実施形態として例示しているスマートフォン200の表示パネル202と操作パネル203とは一体となって表示入力部204を構成しているが、操作パネル203が表示パネル202を完全に覆うような配置となっている。
【0124】
係る配置を採用した場合、操作パネル203は、表示パネル202外の領域についても、ユーザ操作を検出する機能を備えてもよい。換言すると、操作パネル203は、表示パネル202に重なる重畳部分についての検出領域(以下、表示領域と称する)と、それ以外の表示パネル202に重ならない外縁部分についての検出領域(以下、非表示領域と称する)とを備えていてもよい。
【0125】
なお、表示領域の大きさと表示パネル202の大きさとを完全に一致させても良いが、両者を必ずしも一致させる必要は無い。また、操作パネル203が、外縁部分と、それ以外の内側部分の2つの感応領域を備えていてもよい。更に、外縁部分の幅は、筐体201の大きさなどに応じて適宜設計されるものである。更にまた、操作パネル203で採用される位置検出方式としては、マトリクススイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式などが挙げられ、いずれの方式を採用することもできる。
【0126】
通話部211は、スピーカ205やマイクロホン206を備え、マイクロホン206を通じて入力されたユーザの音声を主制御部220にて処理可能な音声データに変換して主制御部220に出力したり、無線通信部210あるいは外部入出力部213により受信された音声データを復号してスピーカ205から出力させたりするものである。また、図11に示すように、例えば、スピーカ205を表示入力部204が設けられた面と同じ面に搭載し、マイクロホン206を筐体201の側面に搭載することができる。
【0127】
操作部207は、キースイッチなどを用いたハードウェアキーであって、ユーザからの指示を受け付けるものである。例えば、図11に示すように、操作部207は、スマートフォン200の筐体201の側面に搭載され、指などで押下されるとオンとなり、指を離すとバネなどの復元力によってオフ状態となる押しボタン式のスイッチである。
【0128】
記憶部212は、主制御部220の制御プログラムや制御データ、アプリケーションソフトウェア、通信相手の名称や電話番号などを対応づけたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータ、WebブラウジングによりダウンロードしたWebデータや、ダウンロードしたコンテンツデータを記憶し、またストリーミングデータなどを一時的に記憶するものである。また、記憶部212は、スマートフォン内蔵の内部記憶部217と着脱自在な外部メモリスロットを有する外部記憶部218により構成される。なお、記憶部212を構成するそれぞれの内部記憶部217と外部記憶部218は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、MicroSD(登録商標)メモリ等)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの格納媒体を用いて実現される。
【0129】
外部入出力部213は、スマートフォン200に連結される全ての外部機器とのインターフェースの役割を果たすものであり、他の外部機器に通信等(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、IEEE1394など)又はネットワーク(例えば、インターネット、無線LAN、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association:IrDA)(登録商標)、UWB(Ultra Wideband)(登録商標)、ジグビー(ZigBee)(登録商標)など)により直接的又は間接的に接続するためのものである。
【0130】
スマートフォン200に連結される外部機器としては、例えば、有/無線ヘッドセット、有/無線外部充電器、有/無線データポート、カードソケットを介して接続されるメモリカード(Memory card)やSIM(Subscriber Identity Module Card)/UIM(User Identity Module Card)カード、オーディオ・ビデオI/O(Input/Output)端子を介して接続される外部オーディオ・ビデオ機器、無線接続される外部オーディオ・ビデオ機器、有/無線接続されるスマートフォン、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、有/無線接続されるPDA、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、イヤホンなどがある。外部入出力部213は、このような外部機器から伝送を受けたデータをスマートフォン200の内部の各構成要素に伝達することや、スマートフォン200の内部のデータが外部機器に伝送されるようにすることができる。
【0131】
GPS受信部214は、主制御部220の指示にしたがって、GPS衛星ST1〜STnから送信されるGPS信号を受信し、受信した複数のGPS信号に基づく測位演算処理を実行し、当該スマートフォン200の緯度、経度、高度からなる位置を検出する。GPS受信部214は、無線通信部210や外部入出力部213(例えば、無線LAN)から位置情報を取得できる時には、その位置情報を用いて位置を検出することもできる。
【0132】
モーションセンサ部215は、例えば、3軸の加速度センサなどを備え、主制御部220の指示にしたがって、スマートフォン200の物理的な動きを検出する。スマートフォン200の物理的な動きを検出することにより、スマートフォン200の動く方向や加速度が検出される。係る検出結果は、主制御部220に出力されるものである。
【0133】
電源部216は、主制御部220の指示にしたがって、スマートフォン200の各部に、バッテリ(図示しない)に蓄えられる電力を供給するものである。
【0134】
主制御部220は、マイクロプロセッサを備え、記憶部212が記憶する制御プログラムや制御データにしたがって動作し、スマートフォン200の各部を統括して制御するものである。また、主制御部220は、無線通信部210を通じて、音声通信やデータ通信を行うために、通信系の各部を制御する移動通信制御機能と、アプリケーション処理機能を備える。
【0135】
アプリケーション処理機能は、記憶部212が記憶するアプリケーションソフトウェアにしたがって主制御部220が動作することにより実現するものである。アプリケーション処理機能としては、例えば、外部入出力部213を制御して対向機器とデータ通信を行う赤外線通信機能や、電子メールの送受信を行う電子メール機能、Webページを閲覧するWebブラウジング機能などがある。
【0136】
また、主制御部220は、受信データやダウンロードしたストリーミングデータなどの画像データ(静止画像や動画像のデータ)に基づいて、映像を表示入力部204に表示する等の画像処理機能を備える。画像処理機能とは、主制御部220が、上記画像データを復号し、この復号結果に画像処理を施して、画像を表示入力部204に表示する機能のことをいう。
【0137】
更に、主制御部220は、表示パネル202に対する表示制御と、操作部207、操作パネル203を通じたユーザ操作を検出する操作検出制御を実行する。表示制御の実行により、主制御部220は、アプリケーションソフトウェアを起動するためのアイコンや、スクロールバーなどのソフトウェアキーを表示したり、あるいは電子メールを作成したりするためのウィンドウを表示する。なお、スクロールバーとは、表示パネル202の表示領域に収まりきれない大きな画像などについて、画像の表示部分を移動する指示を受け付けるためのソフトウェアキーのことをいう。
【0138】
また、操作検出制御の実行により、主制御部220は、操作部207を通じたユーザ操作を検出したり、操作パネル203を通じて、上記アイコンに対する操作や、上記ウィンドウの入力欄に対する文字列の入力を受け付けたり、あるいは、スクロールバーを通じた表示画像のスクロール要求を受け付ける。
【0139】
更に、操作検出制御の実行により主制御部220は、操作パネル203に対する操作位置が、表示パネル202に重なる重畳部分(表示領域)か、それ以外の表示パネル202に重ならない外縁部分(非表示領域)かを判定し、操作パネル203の感応領域や、ソフトウェアキーの表示位置を制御するタッチパネル制御機能を備える。
【0140】
また、主制御部220は、操作パネル203に対するジェスチャ操作を検出し、検出したジェスチャ操作に応じて、予め設定された機能を実行することもできる。ジェスチャ操作とは、従来の単純なタッチ操作ではなく、指などによって軌跡を描いたり、複数の位置を同時に指定したり、あるいはこれらを組み合わせて、複数の位置から少なくとも1つについて軌跡を描く操作を意味する。
【0141】
カメラ部208は、図1に示したデジタルカメラにおける外部メモリ制御部20、記録媒体21、表示制御部22、表示部23、及び操作部14以外の構成を含む。カメラ部208によって生成された撮像画像データは、記憶部212に記録したり、入出力部213や無線通信部210を通じて出力したりすることができる。図11に示すスマートフォン200において、カメラ部208は表示入力部204と同じ面に搭載されているが、カメラ部208の搭載位置はこれに限らず、表示入力部204の背面に搭載されてもよい。
【0142】
また、カメラ部208はスマートフォン200の各種機能に利用することができる。例えば、表示パネル202にカメラ部208で取得した画像を表示することや、操作パネル203の操作入力のひとつとして、カメラ部208の画像を利用することができる。また、GPS受信部214が位置を検出する際に、カメラ部208からの画像を参照して位置を検出することもできる。更には、カメラ部208からの画像を参照して、3軸の加速度センサを用いずに、或いは、3軸の加速度センサと併用して、スマートフォン200のカメラ部208の光軸方向を判断することや、現在の使用環境を判断することもできる。勿論、カメラ部208からの画像をアプリケーションソフトウェア内で利用することもできる。
【0143】
その他、静止画又は動画の画像データにGPS受信部214により取得した位置情報、マイクロホン206により取得した音声情報(主制御部等により、音声テキスト変換を行ってテキスト情報となっていてもよい)、モーションセンサ部215により取得した姿勢情報等などを付加して記憶部212に記録したり、入出力部213や無線通信部210を通じて出力したりすることもできる。
【0144】
以上のような構成のスマートフォン200においても、カメラ部208の撮像素子として撮像素子5を用い、主制御部220において図8で説明した処理を行うことで、位相差検出用画素の検出信号レベルが低い場合でも、被写体によらずに、精度の高い合焦制御が可能になる。
【0145】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0146】
開示された撮像装置は、一方向に2つの分割領域に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、上記一方向に並ぶ複数の上記第1の信号検出部及びその第1の信号検出部とペアを組む複数の上記第2の信号検出部が配置される領域が上記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有する撮像素子と、複数の上記領域のうちの任意の領域にある複数の上記第1の信号検出部の各々に対し、上記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする上記第1の信号検出部と、その複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む上記第2の信号検出部に対し、上記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする上記第2の信号検出部とを上記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定部と、上記任意の領域にある上記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、その各第1の信号検出部に対し上記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、上記任意の領域にある上記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号と、その各第2の信号検出部に対し上記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、上記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成部と、上記第1のデフォーカス量に基づいて上記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御部と、を備える。
【0147】
開示された撮像装置において、上記加算対象決定部は、上記任意の領域に結像する第1の被写体像と、上記任意の領域を除く各領域に結像する第2の被写体像との一致度を最大にするために必要な上記第1の被写体像の上記一方向へのずらし量を上記任意の領域を除く領域毎に算出し、上記任意の領域を除く各領域にある上記第1の信号検出部及び上記第2の信号検出部のうち、上記任意の領域にある上記複数の第1の信号検出部の各々に対しその各領域について算出された上記ずらし量ずれた位置にある第1の信号検出部を加算対象として決定し、上記任意の領域にある上記複数の第2の信号検出部の各々に対しそのずらし量ずれた位置にある第2の信号検出部を加算対象として決定してもよい。
【0148】
開示された撮像装置において、上記加算対象決定部は、上記ずらし量が第1の閾値以上となる上記領域にある上記第1の信号検出部及び上記第2の信号検出部を上記加算対象から除外してもよい。
【0149】
開示された撮像装置において、上記加算対象決定部は、上記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、上記複数の領域の各々にある上記第1の信号検出部又は上記第2の信号検出部の検出信号のマッチングにより行ってもよい。
【0150】
開示された撮像装置において、上記領域には、上記2つの分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第3の信号検出部が更に配置されており、上記加算対象決定部は、上記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、上記複数の領域の各々にある上記第3の信号検出部の検出信号同士のマッチングにより行ってもよい。
【0151】
開示された撮像装置において、上記加算対象決定部は、上記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、上記複数の領域の各々にある、上記第1の信号検出部又は上記第2の信号検出部と同じ行にある上記第3の信号検出部の検出信号同士のマッチングにより行ってもよい。
【0152】
開示された撮像装置において、上記領域にある上記ペアは、検出信号を加算することで、上記2つの分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第3の信号検出部として機能するものであってもよく、上記加算対象決定部は、上記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較を、上記複数の領域の各々にある各ペアの上記第1の信号検出部の検出信号と上記第2の信号検出部の検出信号を加算した検出信号同士のマッチングにより行ってもよい。
【0153】
開示された撮像装置において、上記加算対象決定部は、上記撮像面を上記複数の領域からなるブロックに分割したときの上記ブロック毎に上記加算対象を決定し、上記デフォーカス量生成部は、上記ブロック毎に上記第1のデフォーカス量を生成し、上記ブロック毎に生成した第1のデフォーカス量から第2のデフォーカス量を生成してもよく、上記合焦制御部は、上記第2のデフォーカス量にしたがって上記撮像光学系の合焦制御を行ってもよい。
【0154】
開示された撮像装置において、上記デフォーカス量生成部は、上記ブロックに含まれる上記複数の領域の各々において、複数の上記ペアから出力される上記第1の信号検出部の検出信号と上記第2の信号検出部の検出信号とで相関演算を行い、その相関演算の結果から第3のデフォーカス量を生成し、上記複数の領域の各々について生成された上記第3のデフォーカス量のばらつきが第2の閾値以上となる上記ブロックを除くブロックについて生成した上記第1のデフォーカス量から上記第2のデフォーカス量を生成してもよい。
【0155】
開示された撮像装置の合焦制御方法は、一方向に分割される撮像光学系の瞳領域のうちの一方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第1の信号検出部、及び、他方の分割領域を通過した光束に応じた信号を検出する第2の信号検出部のペアを有し、上記一方向に並ぶ複数の上記第1の信号検出部及びその第1の信号検出部とペアを組む上記第2の信号検出部が配置される領域が上記一方向に直交する方向に並ぶ撮像面を有し、上記撮像光学系を通して被写体を撮像する撮像素子を有する撮像装置の合焦制御方法であって、複数の上記領域のうちの任意の領域にある複数の上記第1の信号検出部の各々に対し、上記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする上記第1の信号検出部と、その複数の第1の信号検出部の各々とペアを組む上記第2の信号検出部に対し、上記任意の領域を除く各領域において検出信号の加算対象とする上記第2の信号検出部とを上記複数の領域の各々に結像する被写体像の比較によって決定する加算対象決定ステップと、上記任意の領域にある上記複数の第1の信号検出部の各々の検出信号と、その各第1の信号検出部に対し上記加算対象として決定された第1の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群と、上記任意の領域にある上記複数の第2の信号検出部の各々の検出信号、その各第2の信号検出部に対し上記加算対象として決定された第2の信号検出部の検出信号とを加算することにより得られる検出信号群との相関演算を行い、上記相関演算の結果から第1のデフォーカス量を生成するデフォーカス量生成ステップと、上記第1のデフォーカス量に基づいて上記撮像光学系の合焦制御を行う合焦制御ステップと、を備える。
【産業上の利用可能性】
【0156】
本発明は、デジタルカメラ等に適用して利便性が高く、有効である。
【符号の説明】
【0157】
1 撮像レンズ
2 絞り
5 撮像素子
11 システム制御部(合焦制御部)
19 位相差AF処理部(デフォーカス量生成部、加算対象決定部)
50 撮像面
51 撮像用画素(第3の信号検出部)
52A,52B 位相差検出用画素(第1の信号検出部、第2の信号検出部)
53 AFエリア
53A,53B,53C,53D ブロック
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